細菌の病原因子とそれらの使用
【課題】細菌病原体の分泌タンパク質及びそれらの使用法に関し、接着/破壊(A/E)病変を引き起こすA/E病原体の新規な共通の分泌タンパク質を提供する。
【解決手段】組換えOrf11/GrlA核酸を含むA/E病原菌に、該組換えOrf11/GrlAポリペプチドを発現させ、目的のポリペプチド分泌に好ましい条件下でA/E病原菌を成長させて、III型抗原等、目的のポリペプチドの分泌を促進させる方法。該ポリペプチド及び該ポリペプチドをコードする核酸分子は、A/E病原体感染に関するワクチン、及び診断または薬剤スクリーニングのツールとして有用である。
【解決手段】組換えOrf11/GrlA核酸を含むA/E病原菌に、該組換えOrf11/GrlAポリペプチドを発現させ、目的のポリペプチド分泌に好ましい条件下でA/E病原菌を成長させて、III型抗原等、目的のポリペプチドの分泌を促進させる方法。該ポリペプチド及び該ポリペプチドをコードする核酸分子は、A/E病原体感染に関するワクチン、及び診断または薬剤スクリーニングのツールとして有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的のポリペプチドの分泌を促進させる方法であって、
(a) 組換えOrf11/GrlA核酸分子を含むA/E病原菌を提供すること、
(b) 組換えOrf11/GrlA核酸分子によってコードされた組換えOrf11/GrlAポリペプチドを発現すること、
(c) 目的のポリペプチドの分泌に好ましい条件下でA/E病原菌を成長させて、組換えOrf11/GrlA核酸分子を含まないA/E病原菌に比べて目的のポリペプチドの分泌を促進させること、
を含む方法。
【請求項2】
前記目的のポリペプチドの分泌に好ましい条件が、III型抗原の分泌に好ましい条件であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記III型抗原の分泌に好ましい条件が、20−100mMのNaHCO3が添加された最小培地を含む細胞培養倍地中でのA/E病原菌の培養を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記最小培地に、5−10mMのMgSO4、0.1−1.5%のグルコース及び0.05から0.5%カサミノ酸がさらに添加されていることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記III型抗原の分泌に好ましい条件が、2−10%のCO2の存在中における、37℃の温度でのA/E病原菌の培養を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記III型抗原の分泌に好ましい条件が、600nmで0.7−0.8の吸光度(OD)までA/E病原菌を培養することを含む請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記III型抗原の分泌に好ましい条件が、20−100mMのNaHCO3、5−10mMのMgSO4、0.1−1.5%のグルコース及び0.05−0.5%のカザミノ酸が添加された最小培地を含む細胞培養培地中でのA/E病原菌の培養を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
組換えOrf11/GrlA核酸分子を含むA/E病原菌の細胞培養上清を単離することをさらに含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
組換えOrf11/GrlA核酸分子が、異種の又は非相同のもの(heterologous)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
組換えOrf11/GrlA核酸分子が、異種の又は非相同のものでないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記組換えOrf11/GrlA核酸分子が腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)又はサイトロバクター・ローデンティウム(Citrobacter rodentium)に由来することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記組換えOrf11/GrlA核酸分子が、0.5M NaHPO4、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA及び1%BSA(フラクションV)を含む緩衝液中で温度65℃で、又は、48%ホルムアミド、4.8xSSC、0.2M Tris−Cl、pH7.6、1xデンハート液、10%デキストラン硫酸及び0.1%SDSを緩衝液中で温度42℃で、配列番号85にハイブリダイズすることを特徴とする請求項1〜10に記載の方法。
【請求項13】
前記組換えOrf11/GrlAポリペプチドが、配列番号86であるか、又は、0.5M NaHPO4、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA及び1%BSA(フラクションV)を含む緩衝液中で温度65℃で、又は、48%ホルムアミド、4.8xSSC、0.2M Tris−Cl、pH7.6、1xデンハート液、10%デキストラン硫酸及び0.1%SDSを緩衝液中で温度42℃で、配列番号86にハイブリダイズする核酸分子によってコードされていることを特徴とする請求項1〜10に記載の方法。
【請求項14】
前記組換えOrf11/GrlAポリペプチドが、0.5M NaHPO4、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA及び1%BSA(フラクションV)を含む緩衝液中で温度65℃で、又は、48%ホルムアミド、4.8xSSC、0.2M Tris−Cl、pH7.6、1xデンハート液、10%デキストラン硫酸及び0.1%SDSを緩衝液中で温度42℃で、配列番号56をコードする核酸分子にハイブリダイズする核酸分子によってコードされることを特徴とする請求項1〜10に記載の方法。
【請求項15】
前記目的のポリペプチドが分泌ポリペプチドであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記目的のポリペプチドがIII型抗原であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
目的のポリペプチドが、配列番号24〜43、73〜75を含むポリペプチド、Tir、EspA、EspB、EspD、EspF、EspG、EspH、及び、Mapポリペプチドを含む群から1つ以上選択されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
A/E病原菌が腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)、又はサイトロバクター・ローデンティウム(Citrobacter rodentium)細胞であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
組換えOrf11/GrlA核酸分子を含むA/E病原菌。
【請求項20】
前記A/E病原菌が腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)又はサイトロバクター・ローデンティウム(Citrobacter rodentium)であることを特徴とする請求項19に記載のA/E病原菌。
【請求項21】
目的のポリペプチドの分泌を促進させる方法であって、
(a) 組換えOrf11/GrlA核酸分子をA/E病原菌に導入すること、
(b) 組換えOrf11/GrlA核酸分子によってコードされる組換えOrf11/GrlAポリペプチドを発現すること、
(c)目的のポリペプチドの分泌に好ましい条件下でA/E病原菌を成長させて、組換えOrf11/GrlA核酸分子を含まないA/E病原菌に比べて目的のポリペプチドの分泌を促進させること、
を含む方法。
【請求項1】
目的のポリペプチドの分泌を促進させる方法であって、
(a) 組換えOrf11/GrlA核酸分子を含むA/E病原菌を提供すること、
(b) 組換えOrf11/GrlA核酸分子によってコードされた組換えOrf11/GrlAポリペプチドを発現すること、
(c) 目的のポリペプチドの分泌に好ましい条件下でA/E病原菌を成長させて、組換えOrf11/GrlA核酸分子を含まないA/E病原菌に比べて目的のポリペプチドの分泌を促進させること、
を含む方法。
【請求項2】
前記目的のポリペプチドの分泌に好ましい条件が、III型抗原の分泌に好ましい条件であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記III型抗原の分泌に好ましい条件が、20−100mMのNaHCO3が添加された最小培地を含む細胞培養倍地中でのA/E病原菌の培養を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記最小培地に、5−10mMのMgSO4、0.1−1.5%のグルコース及び0.05から0.5%カサミノ酸がさらに添加されていることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記III型抗原の分泌に好ましい条件が、2−10%のCO2の存在中における、37℃の温度でのA/E病原菌の培養を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記III型抗原の分泌に好ましい条件が、600nmで0.7−0.8の吸光度(OD)までA/E病原菌を培養することを含む請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記III型抗原の分泌に好ましい条件が、20−100mMのNaHCO3、5−10mMのMgSO4、0.1−1.5%のグルコース及び0.05−0.5%のカザミノ酸が添加された最小培地を含む細胞培養培地中でのA/E病原菌の培養を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
組換えOrf11/GrlA核酸分子を含むA/E病原菌の細胞培養上清を単離することをさらに含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
組換えOrf11/GrlA核酸分子が、異種の又は非相同のもの(heterologous)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
組換えOrf11/GrlA核酸分子が、異種の又は非相同のものでないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記組換えOrf11/GrlA核酸分子が腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)又はサイトロバクター・ローデンティウム(Citrobacter rodentium)に由来することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記組換えOrf11/GrlA核酸分子が、0.5M NaHPO4、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA及び1%BSA(フラクションV)を含む緩衝液中で温度65℃で、又は、48%ホルムアミド、4.8xSSC、0.2M Tris−Cl、pH7.6、1xデンハート液、10%デキストラン硫酸及び0.1%SDSを緩衝液中で温度42℃で、配列番号85にハイブリダイズすることを特徴とする請求項1〜10に記載の方法。
【請求項13】
前記組換えOrf11/GrlAポリペプチドが、配列番号86であるか、又は、0.5M NaHPO4、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA及び1%BSA(フラクションV)を含む緩衝液中で温度65℃で、又は、48%ホルムアミド、4.8xSSC、0.2M Tris−Cl、pH7.6、1xデンハート液、10%デキストラン硫酸及び0.1%SDSを緩衝液中で温度42℃で、配列番号86にハイブリダイズする核酸分子によってコードされていることを特徴とする請求項1〜10に記載の方法。
【請求項14】
前記組換えOrf11/GrlAポリペプチドが、0.5M NaHPO4、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA及び1%BSA(フラクションV)を含む緩衝液中で温度65℃で、又は、48%ホルムアミド、4.8xSSC、0.2M Tris−Cl、pH7.6、1xデンハート液、10%デキストラン硫酸及び0.1%SDSを緩衝液中で温度42℃で、配列番号56をコードする核酸分子にハイブリダイズする核酸分子によってコードされることを特徴とする請求項1〜10に記載の方法。
【請求項15】
前記目的のポリペプチドが分泌ポリペプチドであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記目的のポリペプチドがIII型抗原であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
目的のポリペプチドが、配列番号24〜43、73〜75を含むポリペプチド、Tir、EspA、EspB、EspD、EspF、EspG、EspH、及び、Mapポリペプチドを含む群から1つ以上選択されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
A/E病原菌が腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)、又はサイトロバクター・ローデンティウム(Citrobacter rodentium)細胞であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
組換えOrf11/GrlA核酸分子を含むA/E病原菌。
【請求項20】
前記A/E病原菌が腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)又はサイトロバクター・ローデンティウム(Citrobacter rodentium)であることを特徴とする請求項19に記載のA/E病原菌。
【請求項21】
目的のポリペプチドの分泌を促進させる方法であって、
(a) 組換えOrf11/GrlA核酸分子をA/E病原菌に導入すること、
(b) 組換えOrf11/GrlA核酸分子によってコードされる組換えOrf11/GrlAポリペプチドを発現すること、
(c)目的のポリペプチドの分泌に好ましい条件下でA/E病原菌を成長させて、組換えOrf11/GrlA核酸分子を含まないA/E病原菌に比べて目的のポリペプチドの分泌を促進させること、
を含む方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【公開番号】特開2011−250790(P2011−250790A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152074(P2011−152074)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【分割の表示】特願2006−537022(P2006−537022)の分割
【原出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(300066874)ザ・ユニバーシティ・オブ・ブリティッシュ・コロンビア (24)
【出願人】(506150249)ウニベルシダッド ナシオナル アウトノマ デ メヒコ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【分割の表示】特願2006−537022(P2006−537022)の分割
【原出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(300066874)ザ・ユニバーシティ・オブ・ブリティッシュ・コロンビア (24)
【出願人】(506150249)ウニベルシダッド ナシオナル アウトノマ デ メヒコ (2)
【Fターム(参考)】
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