説明

細菌感染症を治療するための併用療法

膜活性殺生物剤と、フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤との併用を含む組成物、ならびに細菌感染症または真菌感染症の治療または予防におけるそれらの使用。好ましい膜活性殺生物剤は、クロルヘキシジン、ポリミキシンB-ノナペプチド、バシトラシン、アズトレオナム、ベンザルコニウム塩、および金属キレート化剤から選択される。有効成分はモノマーまたはポリマー形態のいずれであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗菌療法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
人間による抗生物質の使用は、即時に作用する非自然的選抜を考察する観察手段(window)である、非常に重要な進化実験と見ることができる。50年間で、抗生物質に耐性のある病原性および共生細菌の種(species)および株(strains)の数、ならびにそれら細菌が耐性を示す抗生物質の数は、実際のところ、一本調子に世界的規模で増加した。その結果、化学療法で容易に治療できていた感染症が、もはや容易に治療できないようである。また、耐性の進化およびスピードは、抗生物質の使用および濫用が原因であろうということは明白である。細菌感染症の抗生物質治療に対する耐性の増大は既に広く検証されており、現在、特に院内感染症と共に、一般認識されている医学的問題となっている。例えば、Jonesら, Diagn. Microbiol. Infect. Dis. 31:379-388, 1998; Murray, Adv. Intern. Med. 42:339-367, 1997;およびNakae, Microbiologia 13:273-284, 1997を参照されたい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Jonesら, Diagn. Microbiol. Infect. Dis. 31:379-388, 1998
【非特許文献2】Murray, Adv. Intern. Med. 42:339-367, 1997
【非特許文献3】Nakae, Microbiologia 13:273-284, 1997
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先進国社会では、ヒトの疾患原因となる細菌に化学療法に対する抗菌剤耐性の広がりが増大していることを世間および政府では懸念している。有効な治療がほとんどない病原菌が多数存在しており、また利用可能な薬剤に耐性のある菌株の数も増加の一途をたどっている。したがって、こうした病原菌による感染症を治療および予防するための新規な抗菌剤および改善方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
【0006】
本発明者らは、膜活性殺生物剤(membrane active biocide)(例えばクロルヘキシジン)と、フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤との併用が、いずれかの薬剤単独の場合に比べて、細菌感染症の治療および細菌増殖の低減においてより有効であることを見出した。また本発明者らは、スルホンアミド(例えばスルファメトキサゾール)と、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤との併用が、いずれかの薬剤単独の場合に比べて、細菌感染症の治療および細菌増殖の低減においてより有効であることを見出した。よって、本発明は、感染症の治療および予防に有用となり得る、これらの有効な併用を含む、組成物、方法およびキットを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0007】
したがって、第1の態様では、本発明は、膜活性殺生物剤と、フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とをin vivoにおいて細菌感染症を治療するのに共に十分な量で含む組成物を特徴とする。
【0008】
関連する態様では、本発明は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位が膜活性殺生物剤を含み、第2の反復単位がフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む、前記高分子を特徴とする。
【0009】
さらに本発明は、第1の反復単位と第2の反復単位を有する生分解性高分子を含む組成物であって、第1の反復単位が膜活性殺生物剤を含み、第2の反復単位がフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む、前記組成物を特徴とする。
【0010】
また本発明は、(i)膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物を特徴とする。
【0011】
関連する態様では、本発明は、(i)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)膜活性殺生物剤とを含む組成物を特徴とする。
【0012】
さらに本発明は、(i)膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む第1の生分解性高分子と、(ii)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子とを含む組成物を特徴とする。
【0013】
さらに本発明は、表面を、膜活性殺生物剤とフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを細菌増殖を低減させるのに共に有効な量で含む組成物と接触させることにより、表面上の細菌増殖を低減させる方法を特徴とする。
【0014】
さらに本発明は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位が膜活性殺生物剤を含み、第2の反復単位がフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む前記高分子で表面をコーティングすることにより、表面上の細菌増殖を低減させる方法を特徴とする。
【0015】
さらに本発明は、膜活性殺生物剤とフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを真菌増殖を低減させるのに共に有効な量で含む組成物を表面と接触させることにより、表面上の真菌増殖を低減させる方法を特徴とする。
【0016】
また本発明は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位が膜活性殺生物剤を含み、第2の反復単位がフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む前記高分子で表面をコーティングすることにより、表面上の真菌増殖を低減させる方法を特徴とする。
【0017】
上記方法の特定の実施形態においては、表面は、例えば、埋め込み型医療装置(例えば、心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、もしくは薬物送達装置)の表面、または本明細書に記載の他の表面である。
【0018】
また本発明は、患者の細菌感染症を治療する方法であって、膜活性殺生物剤と、フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とをin vivoにおいて細菌感染症を治療するのに共に十分な量で患者に投与することを含む、前記方法を特徴とする。
【0019】
また本発明は、患者の真菌感染症を治療する方法であって、膜活性殺生物剤と、フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とをin vivoにおいて真菌感染症を治療するのに共に十分な量で患者に投与することを含む、前記方法を特徴とする。
【0020】
特定の実施形態では、膜活性殺生物剤および第2の薬剤は、外科的処置または医療装置(例えば、心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、薬物送達装置、もしくは本明細書に記載のすべての他の医療装置)の埋め込みが原因の感染症に対する予防のために投与される。
【0021】
さらに別の実施形態では、本治療方法は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位が膜活性殺生物剤を含み、第2の反復単位がフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む、前記高分子を患者と接触させることを含む。
【0022】
特定の実施形態では、本治療方法は、(i)膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを患者と接触させることを含む。あるいは、本治療方法は、(i)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)膜活性殺生物剤とを患者と接触させることを含む。
【0023】
さらに別の実施形態では、本治療方法は、(i)膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む第1の生分解性高分子と、(ii)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子とを患者と接触させることを含む。
【0024】
本発明は、(i)膜活性殺生物剤と、フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と、(ii)細菌感染症と診断された患者または細菌感染症を発症するリスクのある患者への組成物の投与に関する説明書とを含むキットを特徴とする。
【0025】
さらに本発明は、(i)膜活性殺生物剤と、(ii)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤と、(iii)細菌感染症と診断された患者または細菌感染症を発症するリスクのある患者への膜活性殺生物剤およびフルオロキノロンの投与に関する説明書とを含むキットを特徴とする。
【0026】
またさらに本発明は、(i)埋め込み型医療装置と、(ii)膜活性殺生物剤と、フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と、(iii)前記組成物で埋め込み型医療装置をコーティングすることに関する説明書とを含むキットを特徴とする。
【0027】
本発明のキットに関する特定の実施形態においては、本組成物は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位膜が膜活性殺生物剤を含み、第2の反復単位が第2の薬剤を含む、前記高分子である。あるいは、本組成物は、(i)膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む生分解性高分子および(ii)第2の薬剤の混合物であるか;(i)第2の薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子および(ii)膜活性殺生物剤の混合物であるか;(i)膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む第1の生分解性高分子および(ii)第2の薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子の混合物である。
【0028】
さらに別の関連する態様では、本発明は、スルホンアミドと、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とをin vivoにおいて細菌感染症を治療するのに共に十分な量で含む組成物を特徴とする。
【0029】
関連する態様では、本発明は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位がスルホンアミドを含み、第2の反復単位がβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む、前記高分子を特徴とする。
【0030】
さらに本発明は、第1の反復単位と第2の反復単位を有する生分解性高分子を含む組成物であって、第1の反復単位がスルホンアミドを含み、第2の反復単位がβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む、前記組成物を特徴とする。
【0031】
また本発明は、(i)スルホンアミドを含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物を特徴とする。
【0032】
関連する態様では、本発明は、(i)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)スルホンアミドとを含む組成物を特徴とする。
【0033】
さらに本発明は、(i)スルホンアミドを含む反復単位を含む第1の生分解性高分子と、(ii)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子とを含む組成物を特徴とする。
【0034】
さらに本発明は、スルホンアミドとβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを細菌増殖を低減させるのに共に有効な量で含む組成物を表面と接触させることにより、表面上の細菌増殖を低減させる方法を特徴とする。
【0035】
さらに本発明は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位がスルホンアミドを含み、第2の反復単位がβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む前記高分子で表面をコーティングすることにより、表面上の細菌増殖を低減させる方法を特徴とする。
【0036】
さらに本発明は、スルホンアミドとβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを真菌の増殖を低減させるのに共に有効な量で含む組成物を表面と接触させることにより、表面上の真菌増殖を低減させる方法を特徴とする。
【0037】
また本発明は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位がスルホンアミドを含み、第2の反復単位がβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む前記高分子で表面をコーティングすることにより、表面上の真菌増殖を低減させる方法を特徴とする。
【0038】
上記の方法の特定の実施形態おいては、表面は、例えば、埋め込み型医療装置(例えば、心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、もしくは薬物送達装置)の表面、または本明細書に記載の他の表面である。
【0039】
また本発明は、患者の細菌感染症を治療する方法であって、スルホンアミドと、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とをin vivoにおいて細菌感染症を治療するのに共に十分な量で患者に投与することを含む、前記方法を特徴とする。
【0040】
また本発明は、患者の真菌感染症を治療する方法であって、スルホンアミドと、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とをin vivoにおいて真菌感染症を治療するのに共に十分な量で患者に投与することを含む、前記方法を特徴とする。
【0041】
特定の実施形態では、スルホンアミドおよび第2の薬剤は、外科的処置または医療装置(例えば、心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、薬物送達装置、もしくは本明細書に記載のすべての他の医療装置)の埋め込みが原因の感染症に対する予防のために投与される。
【0042】
さらに別の実施形態では、本治療方法は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位はスルホンアミドを含み、第2の反復単位はβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む、前記高分子を患者と接触させることを含む。
【0043】
特定の実施形態では、本治療方法は、(i)スルホンアミドを含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを患者と接触させることを含む。あるいは、本治療方法は、(i)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)スルホンアミドとを患者と接触させることを含む。
【0044】
さらに別の実施形態では、本治療方法は、(i)スルホンアミドを含む反復単位を含む第1の生分解性高分子と、(ii)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子とを患者と接触させることを含む。
【0045】
本発明は、(i)スルホンアミドと、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と、(ii)細菌感染症と診断された患者または細菌感染症を発症するリスクのある患者への組成物の投与に関する説明書とを含むキットを特徴とする。
【0046】
さらに本発明は、(i)スルホンアミドと、(ii)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤と、(iii)細菌感染症と診断された患者または細菌感染症を発症するリスクのある患者へのスルホンアミドおよびフルオロキノロンの投与に関する説明書とを含むキットを特徴とする。
【0047】
また本発明は、(i)埋め込み型医療装置と、(ii)スルホンアミドと、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と、(iii)埋め込み型医療装置を組成物でコーティングすることに関する説明書とを含むキットを特徴とする。
【0048】
本発明のキットに関する特定の実施形態においては、本組成物は、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子であって、第1の反復単位がスルホンアミドを含み、第2の反復単位が第2の薬剤を含む、前記高分子である。あるいは、本組成物は、(i)スルホンアミドを含む反復単位を含む生分解性高分子および(ii)第2の薬剤の混合物であるか;(i)第2の薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子および(ii)スルホンアミドの混合物であるか;(i)スルホンアミドを含む反復単位を含む第1の生分解性高分子および(ii)第2の薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子の混合物である。
【0049】
本発明の方法を用いて治療することができる細菌感染症および真菌感染症としては、これらに限定されるものではないが、市中肺炎、上気道および下気道感染症、皮膚および軟組織感染症、骨および関節感染症、院内感染肺感染症、急性細菌性中耳炎、細菌性肺炎、合併感染症、非合併感染症、腎盂腎炎、腹腔内感染症、深部膿瘍(deepseated abcess)、細菌性敗血症、中枢神経系感染症、菌血症、創傷感染症、腹膜炎、髄膜炎、火傷後感染症、泌尿生殖器系感染症、消化管感染症、骨盤炎症性疾患、心内膜炎、血管内感染症、および本明細書に記載した他の細菌感染症が挙げられる。治療する感染症はグラム陽性細菌によるものも可能である。これらには、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faesium)、クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、他のストレプトコッカス属の種(Streptococcus spp.)、および他のクロストリジウム属の種(Clostridium spp.)による感染症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。より詳しくは、感染症は、グラム陽性球菌により、または薬剤耐性グラム陽性球菌により発症し得る。具体的なグラム陽性球菌としては、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)、化膿連鎖球菌(S. pyogenes)、モラクセラ・カタラーリス(M. catarrhalis)、クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)、ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)、クラミジア属の種(Chlamydia spp.)、およびエンテロコッカス属の種(Enterococcus spp.)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、本明細書に記載した方法および組成物は、多剤耐性細菌による感染症の治療に有用である。細菌の耐性株としては、ペニシリン耐性、メチシリン耐性、キノロン耐性、マクロライド耐性および/またはバンコマイシン耐性の細菌株が挙げられる。本発明の方法を用いて治療する多剤耐性細菌感染症としては、例えば、ペニシリン耐性、メチシリン耐性、マクロライド耐性、バンコマイシン耐性および/またはキノロン耐性の肺炎連鎖球菌;ペニシリン耐性、メチシリン耐性、マクロライド耐性、バンコマイシン耐性および/またはキノロン耐性の黄色ブドウ球菌;ペニシリン耐性、メチシリン耐性、マクロライド耐性、バンコマイシン耐性および/またはキノロン耐性の化膿連鎖球菌;ならびに、ペニシリン耐性、メチシリン耐性、マクロライド耐性、バンコマイシン耐性および/またはキノロン耐性の腸球菌による感染症が挙げられる。治療する感染症は、グラム陰性細菌が原因のものも可能である。治療する感染症は、カンジダ属の種(Candida spp.)が原因の真菌感染症であり得る。
【0050】
さらに本発明は、本発明の組成物を含む成形品を特徴とする。
【0051】
関連する態様においては、本発明は、本発明の生分解性高分子を含む成形品を特徴とする。
【0052】
本発明の成形品は、埋め込み型医療装置(例えば、心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、もしくは薬物送達装置)、自立膜(self-supporting film)、繊維、または本明細書に記載した他のすべての成形品の形態であってもよい。
【0053】
本発明の方法、キット、組成物および生分解性高分子において、膜活性殺生物剤は、クロルヘキシジン、ポリミキシンB-ノナペプチド、バシトラシン、アズトレオナム、ベンザルコニウム塩、金属キレート化剤、および本明細書に記載した他のすべての膜活性殺生物剤から選択することができる。特定の実施形態では、膜活性殺生物剤はクロルヘキシジンである。
【0054】
本発明の方法、キット、組成物および生分解性高分子において、フルオロキノロンは、シプロフロキサシン、エンロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、ジフロキサシン、シノフロキサシン(cinofloxacin)、ペフロキサシン、トスフロキサシン、テマフロキサシン、フレロキサシン、アミフロキサシン、ビンフロキサシン、ダノフロキサシン、マルボフロキサシン、ルフロキサシン(ruflocaxin)、サラフロキサシン、および本明細書に記載した他のすべてのフルオロキノロンから選択することができる。特定の実施形態では、フルオロキノロンはシプロフロキサシンである。
【0055】
本発明の方法、キット、組成物および生分解性高分子において、アミノグリコシドは、アミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、ホルチミシン、フラジオマイシン、ゲンタミシン、イスパミシン(ispamicin)、カナマイシン、ミクロノミシン、ネオマイシン、ウンデシレン酸ネオマイシン、ネチルミシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソミシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、ストレプトニコジド(streptonicozid)、およびトブラマイシンから選択することができる。特定の実施形態では、アミノグリコシドはゲンタミシンである。
【0056】
本発明の方法、キット、組成物および生分解性高分子において、β-ラクタムは、アミジノシリン(amidinocillin)、アムジノシリン、ピボキシル、アモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリン、カルベニシリン、カルフェシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、ジフェニシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキシシリン(floxicillin)、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタメートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラガミン(penicillin G hydragamine)、ペニシリンGカリウム、ペニシリンG、プロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン(penicillin V hydrabamine)、ペニメピシクリン、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバピシリン(pivapicillin)、プロピシリン、キナシリン(quinacillin)、スルベニシリン、タランピシリン、テモシリンおよびチカルシリンから選択することができる。特定の実施形態では、β-ラクタムはアモキシシリンである。
【0057】
本発明の方法、キット、組成物および生分解性高分子において、グリコペプチド抗生物質は、アクタプラニン(actaplanin)、アクチノイジン(actinoidin)、アルダシン(ardacin)、アボパルシン、アズレオマイシン(azureomycin)、バルヒマイシン、クロロオリエンチエイン、クロロポリスポリン、デカプラニン(decaplanin)、N-デメチルバンコマイシン、エレモマイシン、ガラカルジン(galacardin)、ヘルベカルジン、イズペプチン(izupeptin)、キブデリン(kibdelin)、オレンチシン、パルボジシン、ラモプラニン、リストセチン、リストマイシン、シンモニシン(synmonicin)、テイコプラニン、バンコマイシン、およびバンコマイシンBから選択することができる。特定の実施形態では、グリコペプチド抗生物質はバンコマイシンである。
【0058】
本発明の方法、キット、組成物および生分解性高分子において、スルホンアミドは、アセチルスルファメトキシピラジン、アセチルスルフィソキサゾール、アゾスルファミド、ベンジルスルファミド、クロラミン-β、クロラミン-T、ジクロラミン-T、ホルモスルファチアゾール、N2-ホルミル-スルフィソミジン、N4-β-D-グルコシルスルファニルアミド、マフェナイド、4'-(メチル-スルファモイル)スルファニルアニリド、p-ニトロスルファチアゾール、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン(sulfachrysoidine)、スルファシチン、スルファダイアジン、スルファジクルアミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメーター、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、スルファニルアミドメタンスルホン酸トリエタノールアミン塩、4-スルファニルアミドサリチル酸、N4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、N-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、およびスルフィソキサゾールから選択することができる。特定の実施形態では、スルホンアミドはスルファメトキサゾールである。
【0059】
本発明の方法、キット、組成物および生分解性高分子において、抗真菌アゾールは、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール、ラブコナゾール、アザコナゾール、ブロムコナゾール、ビテルタノール、プロピコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イトラコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペルフラゾエート(perfurazoate)、ペンコナゾール、ポサコナゾール、ピリフェノックス、プロクロラズ、テルコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、およびトリチコナゾールから選択することができる。特定の実施形態では、抗真菌アゾールはミコナゾールである。
【0060】
本明細書では、「アミノグリコシド」という用語は、少なくとも一部が糖類または多糖類から由来しており、かつ実験式CmHnNpOq(式中、m、n、pおよびqは、適切な整数である)を有する、抗生物質の部類を意味する。例えば、アミノグリコシドは、別のアミノ糖にグリコシド結合しているアミノシクロヘキサノール部分から成るオリゴ糖類である。そのグループの中で最も研究されているものの1つであるストレプトマイシンは、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)により産生される。ストレプトマイシン、および他の多くのアミノグリコシド類は、標的生物においてタンパク質合成を阻害する。アミノグリコシドとしては、アミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、ホルチミシン、フラジオマイシン、ゲンタミシン、イスパミシン、カナマイシン、ミクロノミシン、ネオマイシン、ウンデシレン酸ネオマイシン、ネチルミシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソミシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、ストレプトニコジド、およびトブラマイシンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の実施形態では、アミノグリコシドはゲンタミシンである。
【0061】
「十分な量」とは、臨床上の関連方法で細菌感染症または真菌感染症の治療または予防に必要とされる、本発明の方法、組成物および/またはキットで用いられる化合物、併用の化合物、または生分解性高分子の量を意味する。細菌感染症または真菌感染症が原因または関与の症状の治療療法で本発明を実施するために用いる化合物、併用の化合物、または生分解性高分子の十分な量は、投与方法、患者の年齢、体重および一般的健康に応じて変わる可能性がある。最終的には、処方者が適量および投与計画を決定する。
【0062】
本明細書では、「抗真菌アゾール」という用語は、3個の炭素原子および2個の窒素原子の五員環(イミダゾール)または2個の炭素原子および3個の窒素原子の五員環(トリアゾール)を有する、抗真菌性化合物の分類の任意のメンバーを意味する。抗真菌アゾールとしては、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール、ラブコナゾール、アザコナゾール、ブロムコナゾール、ビテルタノール、プロピコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イトラコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペルフラゾエート、ペンコナゾール、ポサコナゾール、ピリフェノックス、プロクロラズ、テルコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、およびトリチコナゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
「細菌感染症」とは、宿主への病原細菌の侵入を意味する。例えば、感染症としては、患者(すなわち動物もしくはヒト患者)の身体内または身体上に通常存在する細菌の過度の増殖、あるいは患者の身体内または身体上に通常存在しない細菌の増殖が挙げられる。より一般には、細菌感染症は、細菌群の存在が宿主の身体に悪影響を及ぼしている、すべての状況であり得る。したがって、患者は、過剰量の細菌群がヒトの身体内もしくは身体上に存在している場合、または、細菌群の存在がヒトの細胞もしくは他の組織に悪影響を及ぼしている場合、細菌感染症に「罹患」している。
【0064】
本明細書では、「β-ラクタム」という用語は、β‐ラクタム環(3個の炭素原子と1個の窒素原子を含む4員ヘテロ原子環状構造で、環状アミドとして結合しているもの)の抗生物質の分類を意味する。β-ラクタムとしては、アミジノシリン(amidinocillin)、アムジノシリン、ピボキシル、アモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリン、カルベニシリン、カルフェシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、ジフェニシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキシシリン(floxicillin)、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタメートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラガミン(penicillin G hydragamine)、ペニシリンGカリウム、ペニシリンG、プロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン(penicillin V hydrabamine)、ペニメピシクリン、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバピシリン(pivapicillin)、プロピシリン、キナシリン(quinacillin)、スルベニシリン、タランピシリン、テモシリンおよびチカルシリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
「有効な」量とは、表面上の細菌増殖または真菌増殖を、同条件下であるが本発明の化合物、併用の化合物、または生分解性高分子が存在しない場合の同一表面で認められる細菌増殖または真菌増殖と比べて低減させるために必要とされる、本発明の方法、組成物および/またはキットで用いられる化合物、併用の化合物、または生分解性高分子の量を意味する。こうした量を「有効な」量と呼ぶ。
【0066】
本明細書では、「フルオロキノロン」という用語は、細菌DNAジャイレースを阻害することによりその抗菌効果を及ぼすものであって、フッ素化キノロン環構造を含んでいる抗生物質の分類を意味する。本発明の装置、組成物および方法で使用可能なフルオロキノロンは、特許公報のBE870576;DE3142854;EP047005;EP206283;BE887574;EP221463;EP140116;EP131839;EP154780;EP078362;EP310849;EP520240;ならびに、米国特許第4,448,962号;同第4,499,091号;同第4,704,459号;同第4,795,751号;同第4,668,784号;および同第5,532,239号(これらのそれぞれの公報は、参照により本明細書に組み入れられるものとする)に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の装置、組成物および方法で使用可能なフルオロキノロンの例としては、シプロフロキサシン(Cipro(登録商標)として市販されているもの)、エンロフロキサシン(Baytril(登録商標)として市販されているもの)、エノキサシン(Penetrex(登録商標)として市販されているもの)、ガチフロキサシン(Tequin(登録商標)として市販されているもの)、ゲミフロキサシン(Factive(登録商標)として市販されているもの)、レボフロキサシン(Levaquin(登録商標)として市販されているもの)、ロメフロキサシン(Maxaquin(登録商標)として市販されているもの)、モキシフロキサシン(Avelox(登録商標)として市販されているもの)、ノルフロキサシン(Noroxin(登録商標)として市販されているもの)、オフロキサシン(Floxin(登録商標)として市販されているもの)、スパルフロキサシン(Zagam(登録商標)として市販されているもの)、トロバフロキサシン(Trovan(登録商標)として市販されているもの)、ジフロキサシン、シノフロキサシン、ペフロキサシン、トスフロキサシン、テマフロキサシン、フレロキサシン、アミフロキサシン、ビンフロキサシン、ダノフロキサシン、マルボフロキサシン、ルフロキサシン(ruflocaxin)、およびサラフロキサシンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
「真菌感染症」とは、宿主への病原真菌の侵入を意味する。例えば、感染症としては、患者(すなわち動物もしくはヒト患者)の身体内または身体上に通常存在する真菌の過度の増殖、あるいは患者の身体内または身体上に通常存在しない真菌の増殖が挙げられる。より一般には、真菌感染症は、真菌群の存在が宿主の身体に悪影響を及ぼしている、すべての状況であり得る。したがって、患者は、過剰量の真菌群がヒトの身体内もしくは身体上に存在している場合、または、真菌群の存在がヒトの細胞もしくは他の組織に悪影響を及ぼしている場合、真菌感染症に「罹患」している。
【0068】
本明細書では、「グリコペプチド抗生物質」という用語は、環ペプチドコアを特徴とし、場合により糖類の基で置換されていてもよいオリゴペプチド(例えばヘプタペプチド)抗生物質である抗生物質の分類を意味し、例えば、バンコマイシンまたはバンコマイシン-Bがある。グリコペプチド抗生物質としては、A477、A35512、A40926、A41030、A42867、A47934、A80407、A82846、A83850、A84575、AB-65、アクタプラニン、アクチノイジン、アルダシン、アボパルシン、アズレオマイシン、バルヒマイシン、クロロオリエンチエイン、クロロポリスポリン、デカプラニン、N-デメチルバンコマイシン、エレモマイシン、ガラカルジン、ヘルベカルジン、イズペプチン、キブデリン(kibdelin)、LL-AM374、マンノペプチン、MM45289、MM47756、MM47761、MM49721、MM47766、MM55260、MM55266、MM55270、MM56597、MM56598、OA-7653、オレンチシン、パルボジシン、ラモプラニン、リストセチン、リストマイシン、シンモニシン(synmonicin)、テイコプラニン、UK-68597、UK-69542、UK-72051、バンコマイシン、およびバンコマイシンBが挙げられるが、これらに限定されるものではない(例えば、"Glycopeptides Classification, Occurrence, and Discovery," by Rao R C and Crandall L W, in Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Volume 63, Ramakrishnan N (ed.), Marcal Dekker, Inc.を参照されたい。なお、この全内容は参照により本明細書に組み入れるものとする。)。またグリコペプチド抗生物質は、アグリコン形態にある上記のグリコペプチドの一般分類も含んでいる。
【0069】
本明細書では、「膜活性殺生物剤」という用語は、殺生物性の膜透過剤(membrane permeabilizer)を意味する。膜活性殺生物剤としては、カチオン性ビグアニド抗菌剤(例えばクロルヘキシジン)、ポリミキシンB-ノナペプチド、バシトラシン、アズトレオナム、第四級アンモニウム化合物(例えばベンザルコニウム塩)、および金属キレート化剤、例えばエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
本明細書では、「スルホンアミド」という用語は、スルホンアミド基を含む抗生物質の分類を意味する。スルホンアミドとしては、これらに限定されるものではないが、アセチルスルファメトキシピラジン、アセチルスルフィソキサゾール、アゾスルファミド、ベンジルスルファミド、クロラミン-β、クロラミン-T、ジクロラミン-T、ホルモスルファチアゾール、N2-ホルミル-スルフィソミジン、N4-β-D-グルコシルスルファニルアミド、マフェナイド、4'-(メチル-スルファモイル)スルファニルアニリド、p-ニトロスルファチアゾール、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン(sulfachrysoidine)、スルファシチン、スルファダイアジン、スルファジクルアミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメーター、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、スルファニルアミドメタンスルホン酸トリエタノールアミン塩、4-スルファニルアミドサリチル酸、N4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、N-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、およびスルフィソキサゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
本明細書では、「治療する」という用語は、予防目的および/または治療目的で、本発明の医薬組成物または生分解性高分子を投与することを意味する。「予防的」使用とは、患者に治療を行うことにより、まだ病気でないが、特定の疾患に罹患しやすいか、そのリスクのある患者の症状または疾患の可能性または重症度を低減させることを意味する。「疾患を治療」すること、または「治療療法」のための使用は、患者の症状を改善または安定化させるために、既に疾患に罹患している患者に治療を施すことを意味する。したがって、特許請求の範囲および実施形態において、治療することとは、治療または予防のいずれかを目的とする患者への投与である。
【0072】
「患者」とは、任意の動物(例えばヒト)を意味する。本発明の方法、組成物およびキットを用いて治療可能な他の動物としては、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ハムスター、サル、モルモット、ラット、マウス、トカゲ、ヘビ、ヒツジ、ウシ、魚類および鳥類が挙げられる。
【0073】
「製薬上許容可能な塩」という用語は、医学的良識の範囲内で、ヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適しており、不適切な毒性、刺激、アレルギー反応などがないものであって、リスク対効果比が適切に釣り合っている塩を意味する。製薬上許容可能な塩は、当技術分野では公知である。塩は、本発明の化合物を最終単離および精製する間にin situで調製することができるか、遊離塩基官能基を適切な有機酸と反応させることにより別々に調製することができる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩、ならびに、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミンカチオン、具体的には、これらに限定されるものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどの塩が挙げられる。望ましくは、製薬上の塩は亜鉛塩である。
【0074】
本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明白であろう。
【0075】
詳細な説明
本発明者らは、膜活性殺生物剤(例えばクロルヘキシジン)と、フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤との併用が、いずれかの薬剤単独の場合に比べて、細菌感染症の治療および細菌増殖を低減においてより有効であることを見出した。また本発明者らは、スルホンアミド(例えばスルファメトキサゾール)と、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤との併用が、いずれかの薬剤単独の場合に比べて、細菌感染症の治療および細菌増殖の低減により有効であることを見出した。よって、本発明は、感染症の治療および予防に有用となり得る、これらの有効な併用を含む、組成物、方法およびキットを特徴とする。
【0076】
以下に、本発明をより詳細に記載する。
【0077】
療法
本明細書に記載の組成物、方法およびキットは、細菌感染症および/または真菌感染症、ならびに細菌感染症および/または真菌感染症に随伴する疾患の治療または予防に用いることができる。
【0078】
本発明の併用を用いて治療または予防可能な細菌感染症としては、例えば、気道感染症(例えば肺炭疽)、急性細菌性中耳炎、細菌性肺炎、尿路感染症、合併感染症、非合併感染症、腎盂腎炎、腹腔内感染症、深部膿瘍(deep-seated abcesses)、細菌性敗血症、皮膚および皮膚組織感染症(例えば皮膚炭疽病)、軟組織感染症(例えば子宮内膜炎)、骨および関節の感染症(例えば骨髄炎、化膿性関節炎)、中枢神経系感染症(例えば髄膜炎)、菌血症、創傷感染症、腹膜炎、髄膜炎、火傷後感染症、泌尿生殖器系感染症、消化器官感染症(例えば抗生物質関連大腸炎、胃腸炭疽病)、骨盤炎症性疾患、および心内膜炎が挙げられる。
【0079】
本発明の併用を用いて治療または予防可能な真菌感染症としては、例えば、表在性真菌症または全身性真菌症が挙げられる。表在性真菌症としては、頭部白癬、体部白癬、足部白癬、爪真菌症、爪周囲真菌症(perionychomycosis)、癜風、鵞口瘡、および他のカンジダ症、例えば、膣カンジダ症、呼吸器官カンジダ症、胆管カンジダ症、食道カンジダ症、および尿路カンジダ症が挙げられる。全身性真菌症としては、全身性カンジダ症および粘膜皮膚カンジダ症、クリプトコックス症、アスペルギルス症、ムコール症、パラコクシジオイデス症、北アメリカブラストミセス症、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症、およびスポロトリクム症が挙げられる。
【0080】
他の使用
本発明の併用は、真菌または細菌病原体の増殖を死滅または抑制するのに有効な量で、例えば、非保存食品、飲料、コンタクトレンズ製品、食品成分、または化粧品、例えば、ローション、クリーム、ゲル、軟膏剤、石鹸、シャンプー、コンディショナー、制汗剤、脱臭剤、口内洗浄液、コンタクトレンズ製品、酵素製剤に添加することができる。
【0081】
したがって、本発明の併用は、例えば、座瘡、眼部感染症、口腔感染症、指爪感染症、トップネイル感染症(top nail infections)、皮膚感染症、創傷の治療において、あるいはステントの挿入が原因で生じる感染症の治療において、殺菌剤として有用となり得る。また、本発明の併用は、任意の硬表面上の真菌または細菌の増殖を洗浄、殺菌または抑制するのに有用である。本発明の併用と有利に接触させることができる表面の例としては、搾乳場で使用されている処理設備、化学用または医薬用処理プラント、水衛生系統、製紙用パルプ加工プラント、水処理設備、冷却塔、調理具の表面、または食品が調理されるあらゆる区域(例えば病院、ナーシングホームもしくはレストラン)内の表面がある。
【0082】
さらに、本発明の併用は、患者内の留置器具上の、またはその中の真菌または細菌増殖を洗浄、殺菌または抑制するのに有用である。留置器具としては、外科用および歯科用インプラント、人工器官、人工関節、心臓弁、ペースメーカー、代用血管、血管カテーテル、ステント、髄液シャント、尿道カテーテル、および連続的携行式腹膜潅流(CAPD)カテーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の併用は、留置器具の挿入直前に、浸漬するために使用することができる。あるいは、本併用は、関連する微生物に対する局所効果または全身効果を得るため、留置器具の挿入直前に注射により投与することができる。治療は、術後、装置が身体にある期間中、継続することができる。
【0083】
さらに、本発明の組成物は、社会的かつ/または経済的に有用なヒト以外の脊椎動物、例えば、ペットおよび実験動物(ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、サル、モルモット、ラット、マウス、トカゲ、ヘビ)、家畜、魚類、捕獲された水生哺乳動物、および鳥類を治療するための獣医学用製品として有用である。地上動物に関しては、組成物を飼料、飲用水へ加えることができるか、局所的にIVにより投与するか、かかる治療が必要な特定動物の治療に適した他の方法により投与することができる。魚類および他の水生動物に関しては、組成物は、例えば餌により投与することができるか、水族館の水またはタンク水に加えることができるし、水生動物に通常投与される他の薬剤、またはタンク水もしくは水族館の水と組み合わせることができる(例えば、藻類駆除剤、軟体動物駆除剤および蠕虫駆除剤、例えばニクロサミド)。
【0084】
追加薬剤
本発明の組成物、方法およびキットは、以下から選択される追加の抗生物質製剤をさらに含むことができる:アミノグリコシド類、例えば、アミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、ホルチミシン、フラジオマイシン、ゲンタミシン、イスパミシン(ispamicin)、カナマイシン、ミクロノミシン、ネオマイシン、ウンデシレン酸ネオマイシン、ネチルミシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソミシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、ストレプトニコジド(streptonicozid)、およびトブラマイシン;アンフェニコール類(amphenicols)、例えば、アジダンフェニコール、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール、パントテン酸クロラムフェニコール、フロルフェニコールおよびチアンフェニコール;アンサマイシン類、例えば、リファンピン、リファブチン、リファペンチンおよびリファキシミン;β-ラクタム類、例えば、アミジノシリン(amidinocillin)、アムジノシリン、ピボキシル、アモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリン、カルベニシリン、カルフェシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、ジフェニシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキシシリン(floxicillin)、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタメートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラガミン(penicillin G hydragamine)、ペニシリンGカリウム、ペニシリンG、プロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン(penicillin V hydrabamine)、ペニメピシクリン、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバピシリン(pivapicillin)、プロピシリン、キナシリン(quinacillin)、スルベニシリン、タランピシリン、テモシリンおよびチカルシリン;カルバペネム類、例えば、イミペネム;セファロスポリン類、例えば、1-カルバ(デチア)セファロスポリン、セファクター(cofactor)、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフィキシム、セフメノキシム、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォチアム、セフピミゾール、セフピリミド、セフポドキシムプロキセチル、セフロキサジン、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファセトリルナトリウム、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロスポリン、セファロチン、セファピリンナトリウム、セフラジン、ピブセファレキシン、セファロチン、セファクロール、セフォテタン、セフプロジル、ロラカルベフ、セフェタメトおよびセフェピム;セファマイシン類、例えば、セフブペラゾン、セフメタゾール、セフミノクス、セフェタンおよびセホキシチン;モノバクタム類、例えば、アズトレオナム、カルモナムおよびチゲモナム;オキサセフェム類、例えば、フロモキセフおよびモキソラクタム;リンコサミド類、例えば、クリンダマイシンおよびリンコマイシン;マクロライド類、例えば、アジスロマイシン、カルボマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよび誘導体、ジョサマイシン、ロイコマイシン、ミデカマイシン、ミオカマイシン、オレアンドマイシン、プリマイシン(primycin)、ロキタマイシン、ロサラマイシン、ロキシスロマイシン、スピラマイシンおよびトロレアンドマイシン;ポリペプチド類、例えば、アンホマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンズラシジン、エニロマイシン(enylomycin)、フサファンギン、グラミシジン、グラミシジンS、ミカマイシン、ポリミキシン、ポリミキシンβ-メタンスルホン酸、プリスチナマイシン、リストセチン、テイコプラニン、チオストレプトン、ツベラクチノマイシン、チロシジン、チロトリシン、バンコマイシン、バイオマイシン、バージニアマイシンおよび亜鉛バシトラシン;テトラサイクリン類、例えば、スピサイクリン(spicycline)、クロルテトラサイクリン、クロモサイクリン(clomocycline)、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ガメサイクリン(guamecycline)、リメサイクリン、メクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ペニメピサイクリン(penimepicycline)、ピパサイクリン(pipacycline)、ロリテトラサイクリン、サンサイクリン、セノサイクリン(senociclin)およびテトラサイクリン;ならびに、2,4-ジアミノピリミジン類、例えば、ブロジモプリム、テトロキソプリムおよびトリメトプリム;ニトロフラン類、例えば、フラルタドン、フラゾリウム、ニフラデン、ニフラテル、ニフルホリン、ニフルピリノール、ニフルプラジン、ニフルトイノール(nifurtoinol)およびニトロフラントイン;スルホンアミド類、例えば、アセチルスルファメトキシピラジン、アセチルスルフィソキサゾール、アゾスルファミド、ベンジルスルファミド、クロラミン-β、クロラミン-T、ジクロラミン-T、ホルモスルファチアゾール、N2-ホルミル-スルフィソミジン、N4-β-D-グルコシルスルファニルアミド、マフェナイド、4'-(メチル-スルファモイル)スルファニルアニリド、p-ニトロスルファチアゾール、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン(sulfachrysoidine)、スルファシチン、スルファダイアジン、スルファジクルアミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメーター、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、スルファニルアミドメタンスルホン酸トリエタノールアミン塩、4-スルファニルアミドサリチル酸、N4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、N-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、およびスルフィソキサゾール;スルホン類、例えば、アセタプソン、アセジアスルホン(acediasulfone)、アセトスルフォン、ダプソン、ジアチモスルホン、グルコスルフォン、ソラスルホン、スクシスルホン(succisulfone)、スルファニル酸、p-スルファニリルベンジルアミン、p,p'-スルホニルジアニリン-N,N'ジガラクトシド、スルホキソンおよびチアゾールスルホン;リポペプチド類、例えば、ダプトマイシン;オキサゾリドン類、例えば、リネゾリド;ケトライド類、例えば、テリスロマイシン;ならびに様々な抗生物質、例えば、クロホクトール、ヘキセジン、マガイニン、メテナミン、メテナミン無水メチレン-クエン酸、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、スルフォサリチル酸メテナミン、ニトロキソリン、スクアラミン、キシボルノール、シクロセリン、ムピロシンおよびツベリン。
【0085】
投与
本発明の方法の任意の特定の実施形態では、併用療法の2種の成分は、それぞれ10日以内、それぞれ5日以内、それぞれ24時間以内に投与するか、同時に投与する。本化合物は、単一の組成物として一緒に製剤化することが可能であり、または別々に製剤化して投与することもできる。
【0086】
本発明による治療は単独で行うこともできるし、他の治療と共に行うこともできる。また、家、診療室、クリニック、病院外来、または病院で行うことができる。治療は、医師が治療効果を詳しく診察でき、必要なあらゆる調整が行えるように病院で開始する場合があり、あるいは、外来方式で開始することができる。治療期間は、治療する疾患または障害の種類、患者の年齢および症状、患者の疾患のステージおよびタイプ、ならびに患者がどのように治療に応答するかなどにより決まる。さらに、細菌感染症を発症するリスクの高い人(例えば、外科的処置を受けている人)は、予防療法を受けることができる。
【0087】
各種実施形態における投与経路としては、局所投与、経皮投与および全身投与(例えば、静脈内投与、筋内投与、皮下投与、吸入投与、直腸投与、口腔内投与、膣内投与、腹腔内投与、関節内投与、眼内投与または経口投与)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書では、「全身投与」とは、皮膚以外の全ての投与経路を意味し、特に局所投与および経皮投与経路を除くものとする。
【0088】
併用療法では、併用の各成分の投与量および投与頻度は、独立してコントロールすることができる。例えば、1つの化合物は3回/日で投与することができるが、第2の化合物は1回/日で投与することができる。併用療法は、これまでに予期してないすべての副作用から患者の身体が回復する機会が得られるように、休止期を含む断続的サイクルで行うことができる。また本化合物は、単回投与で両化合物が送達されるように、一緒に製剤化することもできる。
【0089】
製剤
本発明の併用の投与(例えば、膜活性殺生物剤/フルオロキノロンの併用)は、細菌感染症を治療するのに十分な量、または標的部位での細菌増殖を低減させるのに有効な量がもたらされる、あらゆる適切な手段により行うことができる。化合物はあらゆる適切な担体物質中に任意の適切な量で含有されていてもよいが、通常、組成物全重量の1〜95重量%の量で存在する。本組成物は、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内投与、筋肉内投与)、直腸投与、経皮投与、経鼻投与、膣内投与、吸入投与、皮膚投与(パッチ)、または眼部投与の経路に適した剤形で提供することができる。したがって、本組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末剤、顆粒剤、懸濁剤、エマルション剤、液剤、ヒドロゲルを含むゲル剤、ペースト剤、軟膏剤、クリーム剤、塗布剤、水薬、浸透圧性送達器具、坐剤、浣腸剤、注射剤、インプラント、スプレー剤またはエアロゾル剤の形態とすることができる。医薬組成物は、従来の薬務により製剤化することができる(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, 2000, ed. A.R. Gennaro, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia、およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkを参照されたい)。
【0090】
併用の各化合物は、当技術分野で公知の様々な方法で製剤化することができる。例えば、第1の薬剤および第2の薬剤は、一緒に製剤化してもよいし、別々に製剤化することができる。望ましくは、第1の薬剤および第2の薬剤は、薬剤の同時投与またはほぼ同時に投与するために一緒に製剤化される。こうした同時製剤化組成物(co-formulated compositions)は、単位剤形(例えば、同一丸剤、カプセル剤または錠剤)、または非単位剤形(例えば、クリーム剤、液剤または粉剤)のいずれかで、一緒に製剤化された2種の活性剤(例えば、クロルヘキシジンおよびシプロフロキサシン)を含むことができる。併用療法において2種の薬剤の製剤を言及する場合、用いられる製剤技術は、併用のそれぞれの薬剤の製剤、ならびに本発明の他の併用に有用であると理解されたい。異なる薬剤に対し異なる製剤技術を使用することにより、各薬剤の薬物動態学のプロファイルを適切に一致させることもできる。
【0091】
徐放性製剤
活性剤の1つまたは両方が徐放用として製剤化される本発明の併用の投与は、薬剤の1種が、(i)治療係数が狭い(例えば、有害な副作用または毒性反応を生ずる血漿濃度と治療作用を生ずる血漿濃度の差が小さい;一般に、治療指数TIは、50%有効量(ED50)に対する50%致死量(LD50)の比と規定される);(ii)消化管における吸収ウィンドウが狭い;(iii)生物学的半減期が短い;または、(iv)各薬剤の寄与を最大限にするために各成分の薬物動態学のプロファイルを改善しなければならない;場合には有用であり、一緒に使用した場合、その量まで、細菌感染症の治療または予防に対して治療上有効である。したがって、徐放性製剤は、治療濃度での両薬剤の血漿濃度を維持するために必要とされる頻繁な投与を避けるために使用することができる。例えば、本発明の好ましい経口医薬組成物では、本発明の併用の1薬剤または両薬剤の半減期および平均滞留時間は10〜20時間であることが確認される。
【0092】
放出速度が治療化合物の代謝速度を上回る放出制御を獲得するため、数多くの方法が探究されている。例えば、放出制御は、製剤パラメーターおよび成分を適切に選択することにより獲得することができる(例えば、適切な放出制御組成物およびコーティング)。例としては、単回または複数回用単位錠剤またはカプセル組成物、オイル溶液剤、懸濁剤、エマルション剤、マイクロカプセル剤、ミクロスフェア、ナノ粒子、貼付剤(patches)およびリポソームが挙げられる。放出機序は、1つの薬剤または両薬剤が定期的間隔で放出され、その放出は同時であるか、特定の1つの薬剤の早期放出が他の放出よりも好ましい場合には併用の薬剤の1つが遅延放出の影響を受けることができるように制御することが可能である。
【0093】
放出制御製剤としては、分解性ポリマーまたは非分解性ポリマー、ヒドロゲル、有機ゲル、または薬剤のバイオ吸収、半減期または生物分解を改善する他の物理的構成物が挙げられる。放出制御製剤は、その罹患部位に内部的または外部的に塗布または貼付される材料であってもよい。一実施例においては、本発明は、対象部位またはその近くに(例えば、カテーテルの配置近くに)、外科的に挿入される生物分解性ボーラスまたはインプラントを提供する。別の実施例においては、埋め込み部位の感染症の危険性を低減するため、本併用を利用する外科的処置の一部として、放出制御製剤インプラントを身体に挿入することができる。
【0094】
キット、包装および説明書
個別にまたは別々に製剤化された薬剤は、キットとして一緒に包装することができる。例としては(これらに限定されるものではないが)、例えば、2種の丸剤、丸剤と粉剤、坐薬とバイアル中の液体、2種の塗り薬などを含有するキットが挙げられる。キットは、患者への単位用量の投与を容易にする任意成分、例えば、粉末形態を再構成するためのバイアル、注射用シリンジ、カスタマイズされたIV送達システム、吸入器などを含むことができる。さらに、単位用量キットには、本組成物を調製および投与するための説明書を入れることができる。キットは、患者1人用の1回使い切り単位用量として、または特定患者用の複数回使用として(一定の用量で、もしくは、個別化合物が治療進行に伴い効力が変動し得る量で)製造することができる。あるいは、キットは、複数の患者への投与に適した複数回用量を含有していてもよい(「バルク包装」)。キット成分は、紙箱、ブリスターパック、ボトル、チューブなどの中にまとめられていてもよい。
【0095】
本発明の方法および組成物は、本発明の併用投与についての説明書の形態で示すことができる。一般的に、この方法は、組成物またはキットの販売または分配とともに、患者に公開される。場合によっては、説明書は、本発明の併用を含有する医薬製剤に添付されているラベルまたは添付文書に含まれていてもよい。本発明の方法は、包装済みの処方を用いて患者に本発明の併用の負荷用量処方を提供することを目的とした包装済みの治療処方へ組み入れることができる。例えば、併用の2種の薬剤は、用量単位を投与しなければならない時間と順序を記載した患者への説明書と共に、様々な量の各薬剤を含有する個別の用量単位で包装することができる。かかる用量は、例えば、1種または複数の錠剤、丸剤、カプセル剤またはカプレットから成っていてもよい。
【0096】
生分解性高分子
本発明の方法、組成物およびキットのいずれかの特定の実施形態においては、併用の1つ薬剤または両薬剤は、製薬上有効な生分解性高分子中へ反復単位として組み込まれる。
【0097】
こうした生分解性高分子は、例えば、米国特許第5,798,115号およびPCT国際公開WO2005110485に記載の方法を使用して調製することができる(これらの両公報は参照により本明細書に組み入れるものとする)。本発明の生分解性高分子は、場合により、ポリマーの骨格へ組み込まれた薬剤を分離するオリゴマーセグメントをさらに含む。「オリゴマーセグメント」または「オリゴ」とは、通常、モノマー単位が約50未満であって、分子量が5,000未満(好ましくは3,000未満)である、相対的に長さの短い反復単位または単位群を意味する。好ましくは、オリゴは、ポリテトラメチレンオキシド、ポリカプロラクトン、およびそれらの混合物から選択される。本発明の生分解性高分子の成分(例えば、オリゴマーセグメント、第1の薬剤および第2の薬剤)は、直接的に、またはカップリングセグメントを介して結合させることができる。「カップリングセグメント」とは、製薬上有効なポリマー中で互いに分子結合または化学結合で共有結合的に結合するセグメントを意味する。一般的に、カップリングセグメントは、分子量が16〜2,000 Daであり、2種のセグメントのカップリングが可能なように多官能基(好ましくは二官能基)を有し得る。カップリングセグメントは、ジオール類、ジアミン類、および/またはアミン基およびヒドロキシル基の両方を含有する化合物から選択される前駆体モノマーの群から合成することができる。カップリングセグメントへ組み入れ可能な前駆体としては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ヘキサメチレンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)ジアミン、リジンエステル類、シリコーンジオール類およびジアミン類、ポリエーテルジオール類およびジアミン類、カーボネートジオール類およびジアミン類、ジヒドロキシビニル誘導体、ジヒドロキシジフェニルスルホン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン、3,3-ジアミノ-n-メチルジプロピルアミン、1,4-ジアミノブタン、1,7-ジアミノヘプタン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、および1,8-ジアミノオクタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0098】
ベースポリマーとの混合
本発明の生分解性高分子がベースポリマー特性を有さない場合、(例えば成形品に対して)必要な力学的特性を得るために、ベースポリマーとの混合物を調製することが望ましい場合がある。望ましくは、本発明のポリマーを外部ポリマー境界面のnm範囲内に集中させ、ベースポリマーと熱力学的に適合するように設計して相分離を防ぐようにする。
【0099】
ベースポリマー特性を有する多くの物質が当技術分野で公知である。本発明の混合に有用なベースポリマーとしては、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリカーボネート、多糖類、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエンスチレン)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンブタジエン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-イソプレンスチレンブロックコポリマー、ポリ-R-メチルペンテン、ポリイソブチレン、ポリメチル-メタクリレート、ポリ酢酸ビニル-ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、セルロースおよびそのエステルおよび誘導体、ポリアミド、ポリエステル-ポリエーテル、スチレン-イソプレン、スチレンブタジエン、熱可塑性ポリオレフィン、スチレン-飽和オレフィン、ポリエステル-ポリエステル、エチレン-酢酸ビニルエチレン-アクリル酸エチル、アイオノマー、ならびに熱可塑性ポリジエンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0100】
成形品
本発明の成形品は、単独で用いられるか、ベースポリマーとの混合物として用いられる本発明の製薬上有効なポリマーから形成することができる。成形品の形成にベースポリマーとして本発明のポリマーを単独で使用する場合の利点の1つは、ポリマー混合がないので、エントロピーの減少がなく、また相分離の可能性がないことである。
【0101】
いずれの成形品も、本発明の組成物を用いて製造することができる。例えば、体液との接触に適する製品(例えば医療用具)は、本明細書に記載した組成物を使用して製造することができる。接触の期間は、例えば、外科用器具との接触の場合は短期間であり、インプラントなどの製品では長期使用することができる。医療用具としては、カテーテル、ガイドワイヤー、血管内ステント、ミクロ粒子、電子リード、プローブ、センサー、薬剤デポ、経皮パッチ、血管パッチ、血液バック、および管類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。医療装置は、埋め込み型医療装置、経皮医療装置または皮膚医療装置であってもよい。埋め込み型医療装置としては、患者内に完全に埋め込まれる、すなわち、完全に体内にある製品が挙げられる。経皮医療装置としては、皮膚に浸透し、その結果、身体外部から身体内部に広がる製品が挙げられる。皮膚医療装置は表面的に用いられる。埋め込み型医療装置としては、補綴類、例えばペースメーカー、電子リード類、例えばペーシングリード、細動除去器、人工心臓、心室補助装置、身体構造上の再構成補綴、例えば乳房インプラント、人工弁、心臓弁ステント、心膜パッチ、外科用パッチ、冠状動脈ステント、人工血管、血管および構造ステント、血管または心血管シャント、生物学的導管、プレッジ(pledge)、縫合糸、弁形成リング、ステント、ステープル、弁付グラフト、創傷治癒用皮膚移植片、整形外科用脊柱インプラント、整形外科用ピン、子宮内避妊器具、泌尿器ステント、顎顔面再建プレーティング(maxial facial reconstruction plating)、歯科用インプラント、眼内レンズ、クリップ、胸骨ワイヤー、骨、皮膚、靭帯、腱、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。経皮医療装置としては、カテーテルまたは各種タイプ、カニューレ、ドレナージ管、例えば胸腔チューブ、外科用器具、例えば鉗子、後引筋、針およびグローブ、ならびにカテーテルカフが挙げられるが、これらに限定されるものではない。皮膚医療装置としては、熱傷部包帯、創傷包帯および歯科用ハードウェア(dental hardware)、例えば、ブリッジ支持体および強化部材が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0102】
上記のような埋め込み型医療装置は、通常、固体状態フォーマットでベースの金属またはポリマープラットフォームから構成される。この第1のプラットフォーム内の本発明のポリマーは、単独で、または混合物として、医療装置からの治療薬の放出をコントロールする。
【0103】
以下の実施例は、本明細書で主張した方法および化合物がいかに実施され、製造され、評価されるかについての十分な開示および説明を当業者に提供するために記載しているものであり、本発明の例示にすぎないものであって、本発明者らが本発明と考えているものの範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0104】
実施例1:最小阻止濃度(MIC)の測定
液体希釈法を用いて、所定の細菌分離株に対する抗菌剤のin vitro活性を定量測定した。まず、各種濃度の抗菌剤を加えたブロス培地を一連のチューブ/ウェルに入れて調製した。次いで、これらのチューブ/ウェルに試験微生物の基準懸濁液を接種した。35±2℃で一晩インキュベーションした後、実験を行い、最小阻止濃度(MIC)を測定した。この方法は、無菌条件下で実施した。
【0105】
保存培養:保存培養は、15%グリセロール含有のMueller Hintonブロス中で維持し、−80℃で保存した。保存培養物はMueller Hinton寒天培地(MHA)上へ二次培養され、37℃で一晩インキュベーションした。
【0106】
接種材料の調製:MH寒天平板培養から同一形態タイプの単一分離コロニーを単離し、これをMHブロス25mL入りの無菌チューブに接種し、振盪培養器で一晩37℃にてインキュベーションした。
【0107】
細胞の洗浄:細胞は、PBS(pH 7.1)を用いて、3000rpmで10分間遠心分離することにより洗浄した。0.5のMcFarland濁度基準と濁度が同等のMueller Hintonブロス(MHB)中の細胞懸濁液は、波長600nmで測定するBeckman Coulter DU 800分光光度計を使用して調製した。これは、約×108 CFU/mLの微生物を含む懸濁液である。この懸濁液をMHブロスで希釈し、希釈後にチューブが約5×106 CFU/mLを含み、かつ接種後、各ウェルが約5×105 CFU/mLを含むようにした。
【0108】
液体稀釈法:滅菌済みのポリスチレン製非発熱性組織培養プレート(96ウェル、平底、低蒸発蓋有り)中に少量のMHブロスを分注して調製した(各ウェルは、MHブロス0.1mLを含有)後、最終倍数希釈の抗菌剤をこれらのブロスへ容量測定的に分注した。MICは、原液(base)に対して2倍指数の連続する倍数稀釈液(例えば、1、2、4、8、16 ug/mL…など)調製の濃度を用いて測定した。
【0109】
接種:微量希釈プレートの各ウェルに接種を行った。接種材料懸濁液の純度は、アリコートをMH寒天平板へサブ培養することにより確認した。接種材料懸濁液のコロニー数カウントは定期的に実施し、確実に最終接種材料濃度が約5×106 CFU/mLであるようにした。陽性対照(10μLの接種材料を含むMHブロス0.1mL)および陰性対照(MHブロス0.1mLのみ)の両方を各マイクロタイタープレートで実施した。乾燥防止のため、各プレートをパラフィルムでシールし、プレートを湿室で維持し、振盪培養器中で一晩37℃でインキュベートした。
【0110】
MIC評価項目の測定:MICは、微生物の増殖を抑制する抗菌剤の最低濃度として定義する。平板希釈法においては、評価項目を目視により検出する。例えば、倍数希釈スキームにおいて、2μg/mLで増殖が検出された場合、MICは4〜2μg/mLと報告される。結果を以下の表1および表2にまとめた。
【表1】


【0111】
【表2】

【0112】
表1および表2に示した結果からは、本発明の併用が互いに相乗的に作用し、それぞれの成分を単独使用した場合と比べて、予期せぬ優れた抗細菌および抗真菌特性を有する組成物が得られることが明らかである。
【0113】
実施例2:膜活性殺生物剤またはフルオロキノロンを含有する生物活性モノマーの一般的合成
生物学的カップリング剤(例えば、膜活性殺生物剤含有のモノマー単位、またはフルオロキノロン含有のモノマー単位)の一般的合成のプロトコルは、以下のステップA〜DおよびスキームAに記載する。
【0114】
ステップA:
窒素でフラッシングを行った乾燥2L丸底フラスコに、塩酸シプロフロキサシン(100g、301.8mmol)、トリチルクロリド(185.1g、663.9mmol)およびクロロホルム(1000mL)を加えた。この撹拌懸濁液にトリエチルアミン(135mL、965.8mmol)を滴下添加し、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。この間に、均質で黄色の溶液が得られた。得られた溶液をメタノール(500mL)で処理し、50℃で1.5時間撹拌した。得られた溶液を水(2×2L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、沈殿物が形成され始めるまで減圧下で溶媒を除去した。メタノールを2、3滴加え、フラスコを冷蔵庫に一晩置いた。濾過により生成物を回収した(160g、90%)。
【0115】
ステップB:
窒素でフラッシングを行った乾燥2L丸底フラスコに、1(50g、87.16mmol)およびジクロロメタン(900mL)を加えた。試薬1を溶解させた後、トリ(エチレングリコール)(6.23g、41.45mmol)およびジメチルアミノピリジン(5.33g、43.59mmol)を添加した。得られた溶液を0℃に冷却した後、EDAC-HCl(66.75g、348.2mmol)を添加し、加温しながら一晩、次いで室温で1週間、反応を継続した。この反応の進行はTLCによってモニターする。1が完全に消費されたことがTLCで検出されたら、溶媒を除去する。生成物は、クロロホルムメタノールで再結晶させることにより回収する。これにより、目的の生成物Cが37.63g(68%)得られる。
【0116】
ステップC:
乾燥1L丸底フラスコに、2(100g、79.27mmol)およびジクロロメタン(344mL)を加えた。この撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(24mL)および水(12mL)を加えた。反応物を室温で5時間撹拌した。反応の進行はTLCによりモニターした。この反応の間に、目的のステップD生成物が反応物から沈殿した。生成物を濾過により単離し、クロロホルム(2×100mL)で洗浄した。これにより、目的の生成物78.42g(98%)が得られた。
【0117】
ステップD:
乾燥1L丸底フラスコに、3(100g、99.52mmol)、水(150mL)およびクロロホルム(200mL)を加えた。この不均質な白色混合物に、室温で、重炭酸ナトリウム飽和水溶液をゆっくりと加えた。この反応混合物は、塩基の各添加時に気泡した。反応の進行はpHに従った。重炭酸塩溶液を溶液のpHが約8になるまで添加した。白色固体を濾過した後、水(150mL)で洗浄し、一晩真空下で乾燥させ、目的の生成物を得た。これにより、78.42g(98%)の化合物4が得られた。
【0118】
CIPRO-TEG-CIPROの1H NMR: (400 MHz, DMSO). δ: 9.16 (bs, 2H, NH-R), 8.30 (s, 2H, H2, ar), 7.49 (d, 2H, J = 13.2 Hz, H5, ar), 7.34 (d, 2H, J = 7.6 Hz, H8, ar), 4.25 (t, 4H, J = 5.2 Hz, N-CH(CH2)2); 3.73 (t, 4H, J = 4.4 Hz, CO2CH2), 3.46-3.30(m,16H, ピペラジン), 1.22 (q, 4H, J = 6.4 Hz, CH(CH2 CH2)), 1.07 (m, 4H,CH(CH2CH2))。
【0119】
CIPRO-TEG-CIPROの13C NMR: (400 MHz, DMSO). δ: 171.9, 164.1, 158.7, 153.9, 151.5, 148.4, 143.0, 142.9, 138.1, 122.6, 122.5, 111.9, 111.7, 109.2, 107.0, 79.6, 70.5, 70.4, 68.9, 63.7, 47.0, 43.2, 35.3, 7.9。
【0120】
CIPRO-TEG-CIPROのES-MS (m/z, %) (ポジティブモード): 質量計算値 C40H46F2N6O8: 776 amu, 実測値 777 (M+H+); 389 (M+2H)+
【0121】
スキームA:生物活性モノマーの合成経路
【化1】

【0122】
実施例3:シプロフロキサシンポリマーの合成
窒素でフラッシングを行った乾燥1L丸底フラスコに、ポリカプロラクトンジオール(200g、100mmol)を加えた。このフラスコを70℃で2時間、真空下で加熱した。温度を65℃まで下げた後、DMSO(100mL)、ジブチルスズジラウレート(3.2mL、5.0mmol)およびTHDI(32mL、155mmol)を加えた。反応混合物を65℃で1時間撹拌した後、DMSO(500mL)に溶解した4(38.84g、50mmol)の溶液およびジブチルスズジラウレート(1.8mL、3.0mmol)を加えた。この反応物は、不活性雰囲気下、65℃で17時間、撹拌を継続した。反応はメタノール(78mL)添加によりクエンチし、さらに1時間撹拌した。このポリマーを滴下漏斗に移し、そこでこれをヘキサン(2L)に滴下添加した。上清を廃棄し、ポリマーをイソプロパノールに取り、再度、ヘキサン(2L)に滴下添加した。沈澱剤として水を使用し、この方法を繰り返した。得られたポリマー塊をイソプロパノールに溶解させる。この溶液に、EDTAアンモニウム塩溶液(下記に記載)を滴下添加した。ポリマーをイソプロパノールに取り、水(1×1L)で洗浄し、最後にヘキサン(2×1L)で洗浄した。
【0123】
実施例4:クロルヘキシジンポリマーの合成
窒素でフラッシングを行った乾燥1L丸底フラスコに、ポリカプロラクトンジオール(150g、75mmol)を加えた。このフラスコを真空下で2時間70℃に加熱した。温度を65℃まで下げ、DMSO(400mL)、ジブチルスズジラウレート(4.4mL、7.5mmol)およびTHDI(24mL、116.25mmol)を加えた。反応混合物を65℃で4時間撹拌した後、DMSO(100mL)に溶解したクロルヘキシジン(18.96g、37.5mmol)溶液およびジブチルスズジラウレート(2.7mL、4.5mmol)を加えた。この反応物は、不活性雰囲気下、65℃で17時間、撹拌を継続した。反応はメタノール(100mL)を添加してクエンチし、さらに1時間撹拌させた。このポリマーを滴下漏斗に移し、そこでこれをヘキサン(2L)に滴下添加した。上清を廃棄し、ポリマーをイソプロパノールに取り、再度、ヘキサン(2L)に滴下添加した。沈澱剤として水を使用し、この方法を繰り返した。得られたポリマー塊をイソプロパノールに溶解させる。この溶液に、EDTAアンモニウム塩溶液(下記に記載)を滴下添加した。ポリマーをイソプロパノールに取り、水(1×1L)で洗浄し、最後にヘキサン(2×1L)で洗浄した。
【0124】
実施例5:シプロフロキサシンポリマーおよびクロルヘキシジンポリマーでコーティングを施した製品
実施例3および4で記載したシプロフロキサシンポリマーおよびクロルヘキシジンポリマーは、本発明の方法およびキットで使用することができる。例えば、本ポリマーを使用してカテーテルカフにコーティングを施すことで、カテーテルを患者体内へ埋め込んだ後、in vivoで膜活性殺生物剤およびフルオロキノロンを局所的に放出することにより感染症のリスクを低減することができる。
【0125】
他の実施形態
本明細書中に記載した全ての刊行物、特許出願および特許は、参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0126】
本発明は特定の実施形態に関して記載されているが、それはさらなる変更が可能であることを理解されたい。したがって、本願は、当技術分野で公知または慣例の実施の範囲に入る本開示とは異なる点を含む、一般に本発明の本質に従う本発明の全ての変更形態、用途または適応物をも網羅するものとする。
【0127】
他の実施形態は、特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜活性殺生物剤と、フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物であって、前記膜活性殺生物剤および前記第2の薬剤が、患者に投与した場合に共に細菌感染症を治療するのに十分な量で存在する、前記組成物。
【請求項2】
前記膜活性殺生物剤がクロルヘキシジン、ポリミキシンB-ノナペプチド、バシトラシン、アズトレオナム、ベンザルコニウム塩および金属キレート化剤から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記膜活性殺生物剤がクロルヘキシジンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記第2の薬剤がシプロフロキサシン、エンロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、ジフロキサシン、シノフロキサシン(cinofloxacin)、ペフロキサシン、トスフロキサシン、テマフロキサシン、フレロキサシン、アミフロキサシン、ビンフロキサシン、ダノフロキサシン、マルボフロキサシン、ルフロキサシン(ruflocaxin)、およびサラフロキサシンから選択されるフルオロキノロンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記フルオロキノロンがシプロフロキサシンである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記第2の薬剤がアミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、ホルチミシン、フラジオマイシン、ゲンタミシン、イスパミシン(ispamicin)、カナマイシン、ミクロノミシン、ネオマイシン、ウンデシレン酸ネオマイシン、ネチルミシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソミシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、ストレプトニコジド(streptonicozid)、およびトブラマイシンから選択されるアミノグリコシドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アミノグリコシドがゲンタミシンである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記第2の薬剤がアミジノシリン(amidinocillin)、アムジノシリン、ピボキシル、アモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリン、カルベニシリン、カルフェシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、ジフェニシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキシシリン(floxicillin)、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタメートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラガミン(penicillin G hydragamine)、ペニシリンGカリウム、ペニシリンG、プロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン(penicillin V hydrabamine)、ペニメピシクリン、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバピシリン(pivapicillin)、プロピシリン、キナシリン(quinacillin)、スルベニシリン、タランピシリン、テモシリンおよびチカルシリンから選択されるβ-ラクタムである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記β-ラクタムがアモキシシリンである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記第2の薬剤がアクタプラニン(actaplanin)、アクチノイジン(actinoidin)、アルダシン(ardacin)、アボパルシン、アズレオマイシン(azureomycin)、バルヒマイシン、クロロオリエンチエイン、クロロポリスポリン、デカプラニン(decaplanin)、N-デメチルバンコマイシン、エレモマイシン、ガラカルジン(galacardin)、ヘルベカルジン、イズペプチン(izupeptin)、キブデリン(kibdelin)、オレンチシン、パルボジシン、ラモプラニン、リストセチン、リストマイシン、シンモニシン(synmonicin)、テイコプラニン、バンコマイシン、およびバンコマイシンBから選択されるグリコペプチド抗生物質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記グリコペプチド抗生物質がバンコマイシンである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記第2の薬剤がアセチルスルファメトキシピラジン、アセチルスルフィソキサゾール、アゾスルファミド、ベンジルスルファミド、クロラミン-β、クロラミン-T、ジクロラミン-T、ホルモスルファチアゾール、N2-ホルミル-スルフィソミジン、N4-β-D-グルコシルスルファニルアミド、マフェナイド、4'-(メチル-スルファモイル)スルファニルアニリド、p-ニトロスルファチアゾール、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン(sulfachrysoidine)、スルファシチン、スルファダイアジン、スルファジクルアミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメーター、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、スルファニルアミドメタンスルホン酸トリエタノールアミン塩、4-スルファニルアミドサリチル酸、N4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、N-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、およびスルフィソキサゾールから選択されるスルホンアミドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記スルホンアミドがスルファメトキサゾールである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記第2の薬剤がミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール、ラブコナゾール、アザコナゾール、ブロムコナゾール、ビテルタノール、プロピコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イトラコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペルフラゾエート(perfurazoate)、ペンコナゾール、ポサコナゾール、ピリフェノックス、プロクロラズ、テルコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、およびトリチコナゾールから選択される抗真菌アゾールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記抗真菌アゾールがミコナゾールである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
第1の反復単位と第2の反復単位とを有する生分解性高分子を含む組成物であって、前記第1の反復単位が膜活性殺生物剤を含み、前記第2の反復単位がフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される薬剤を含む、前記組成物。
【請求項17】
(i)膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される薬剤とを含む組成物。
【請求項18】
(i)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)膜活性殺生物剤とを含む組成物。
【請求項19】
(i)膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む第1の生分解性高分子と、(ii)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子とを含む組成物。
【請求項20】
前記膜活性殺生物剤がクロルヘキシジン、ポリミキシンB-ノナペプチド、バシトラシン、アズトレオナム、ベンザルコニウム塩および金属キレート化剤から選択される、請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記膜活性殺生物剤がクロルヘキシジンである、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記薬剤がシプロフロキサシン、エンロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、ジフロキサシン、シノフロキサシン(cinofloxacin)、ペフロキサシン、トスフロキサシン、テマフロキサシン、フレロキサシン、アミフロキサシン、ビンフロキサシン、ダノフロキサシン、マルボフロキサシン、ルフロキサシン(ruflocaxin)、およびサラフロキサシンから選択されるフルオロキノロンである、請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記フルオロキノロンがシプロフロキサシンである、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記薬剤がアミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、ホルチミシン、フラジオマイシン、ゲンタミシン、イスパミシン(ispamicin)、カナマイシン、ミクロノミシン、ネオマイシン、ウンデシレン酸ネオマイシン、ネチルミシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソミシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、ストレプトニコジド(streptonicozid)、およびトブラマイシンから選択されるアミノグリコシドである、請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記アミノグリコシドがゲンタミシンである、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記薬剤がアミジノシリン(amidinocillin)、アムジノシリン、ピボキシル、アモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリン、カルベニシリン、カルフェシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、ジフェニシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキシシリン(floxicillin)、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタメートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラガミン(penicillin G hydragamine)、ペニシリンGカリウム、ペニシリンG、プロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン(penicillin V hydrabamine)、ペニメピシクリン、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバピシリン(pivapicillin)、プロピシリン、キナシリン(quinacillin)、スルベニシリン、タランピシリン、テモシリンおよびチカルシリンから選択されるβ-ラクタムである、請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記β-ラクタムがアモキシシリンである、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記薬剤がアクタプラニン(actaplanin)、アクチノイジン(actinoidin)、アルダシン(ardacin)、アボパルシン、アズレオマイシン(azureomycin)、バルヒマイシン、クロロオリエンチエイン、クロロポリスポリン、デカプラニン(decaplanin)、N-デメチルバンコマイシン、エレモマイシン、ガラカルジン(galacardin)、ヘルベカルジン、イズペプチン(izupeptin)、キブデリン(kibdelin)、オレンチシン、パルボジシン、ラモプラニン、リストセチン、リストマイシン、シンモニシン(synmonicin)、テイコプラニン、バンコマイシン、およびバンコマイシンBから選択されるグリコペプチド抗生物質である、請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
前記グリコペプチド抗生物質がバンコマイシンである、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記薬剤がアセチルスルファメトキシピラジン、アセチルスルフィソキサゾール、アゾスルファミド、ベンジルスルファミド、クロラミン-β、クロラミン-T、ジクロラミン-T、ホルモスルファチアゾール、N2-ホルミル-スルフィソミジン、N4-β-D-グルコシルスルファニルアミド、マフェナイド、4'-(メチル-スルファモイル)スルファニルアニリド、p-ニトロスルファチアゾール、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン(sulfachrysoidine)、スルファシチン、スルファダイアジン、スルファジクルアミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメーター、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、スルファニルアミドメタンスルホン酸トリエタノールアミン塩、4-スルファニルアミドサリチル酸、N4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、N-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、およびスルフィソキサゾールから選択されるスルホンアミドである、請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記スルホンアミドがスルファメトキサゾールである、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記薬剤がミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール、ラブコナゾール、アザコナゾール、ブロムコナゾール、ビテルタノール、プロピコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イトラコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペルフラゾエート(perfurazoate)、ペンコナゾール、ポサコナゾール、ピリフェノックス、プロクロラズ、テルコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、およびトリチコナゾールから選択される抗真菌アゾールである、請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
前記抗真菌アゾールがミコナゾールである、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物を含む成形品。
【請求項35】
請求項16〜33のいずれか1項に記載の生分解性高分子を含む成形品。
【請求項36】
前記成形品が埋め込み型医療装置、自立膜(self-supporting film)、または繊維の形態である、請求項34または35に記載の成形品。
【請求項37】
前記成形品が心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、および薬物送達装置から選択される埋め込み型医療装置である、請求項36に記載の成形品。
【請求項38】
表面上の細菌増殖を低減させる方法であって、前記表面を、膜活性殺生物剤とフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と接触させることを含み、前記膜活性殺生物剤と前記第2の薬剤とが共に細菌増殖を低減させるのに有効な量で投与される、前記方法。
【請求項39】
表面上の細菌増殖を低減させる方法であって、前記表面を請求項1〜33のいずれか1項に記載の組成物でコーティングすることを含む、前記方法。
【請求項40】
前記表面が埋め込み型医療装置の表面である、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記埋め込み型医療装置が心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、および薬物送達装置から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記膜活性殺生物剤がクロルヘキシジンである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
患者の細菌感染症を治療する方法であって、膜活性殺生物剤とフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを投与することを含み、前記膜活性殺生物剤と前記第2の薬剤とが共にin vivoにおいて前記細菌感染症を治療するのに十分な量で投与される、前記方法。
【請求項44】
前記感染症が市中肺炎、上気道および下気道感染症、皮膚および軟組織感染症、骨および関節感染症、院内感染肺感染症、急性細菌性中耳炎、細菌性肺炎、合併感染症、非合併感染症、腎盂腎炎、腹腔内感染症、深部膿瘍(deepseated abcess)、細菌性敗血症、中枢神経系感染症、菌血症、創傷感染症、腹膜炎、髄膜炎、火傷後感染症、泌尿生殖器系感染症、消化管感染症、骨盤炎症性疾患、心内膜炎、および血管内感染症からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記膜活性殺生物剤および前記第2の薬剤が、外科的処置または医療装置の埋め込みが原因の感染症に対する予防のために投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記膜活性殺生物剤および前記第2の薬剤が、心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、および薬物送達装置から選択される医療装置の埋め込みが原因の感染症に対する予防のために投与される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記投与が、前記患者と請求項1〜33のいずれか1項に記載の組成物を接触させることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記膜活性殺生物剤がクロルヘキシジンである、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
患者の真菌感染症を治療する方法であって、膜活性殺生物剤とフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを投与することを含み、前記膜活性殺生物剤と前記第2の薬剤とが共にin vivoにおいて前記真菌感染症を治療するのに十分な量で投与される、前記方法。
【請求項50】
(i)膜活性殺生物剤とフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と、
(ii)細菌感染症と診断された患者または細菌感染症を発症するリスクのある患者への前記組成物の投与に関する説明書
とを含むキット。
【請求項51】
(i)膜活性殺生物剤と、
(ii)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤と、
(iii)細菌感染症と診断された患者または細菌感染症を発症するリスクのある患者への前記膜活性殺生物剤および前記第2の薬剤の投与に関する説明書
とを含むキット。
【請求項52】
(i)膜活性殺生物剤と、
(ii)フルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤と、
(iii)真菌感染症と診断された患者または真菌感染症を発症するリスクのある患者への前記膜活性殺生物剤および前記第2の薬剤の投与に関する説明書
とを含むキット。
【請求項53】
(i)埋め込み型医療装置と、
(ii)膜活性殺生物剤とフルオロキノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、グリコペプチド抗生物質、スルホンアミドおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と、
(iii)前記組成物で前記埋め込み型医療装置をコーティングすることに関する説明書
とを含むキット。
【請求項54】
前記組成物が、第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子を含み、前記第1の反復単位が前記膜活性殺生物剤を含み、前記第2の反復単位が前記第2の薬剤を含む、請求項50または53に記載のキット。
【請求項55】
前記組成物が、(i)前記膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)前記第2の薬剤とを含む、請求項50または53に記載のキット。
【請求項56】
前記組成物が、(i)前記第2の薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)膜活性殺生物剤とを含む、請求項50または53に記載のキット。
【請求項57】
前記組成物が、(i)前記膜活性殺生物剤を含む反復単位を含む第1の生分解性高分子と、(ii)前記第2の薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子とを含む、請求項50または53に記載のキット。
【請求項58】
前記膜活性殺生物剤がクロルヘキシジン、ポリミキシンB-ノナペプチド、バシトラシン、アズトレオナム、ベンザルコニウム塩および金属キレート化剤から選択される、請求項50〜57のいずれか1項に記載のキット。
【請求項59】
前記膜活性殺生物剤がクロルヘキシジンである、請求項58に記載のキット。
【請求項60】
前記第2の薬剤がフルオロキノロンである、請求項50〜57のいずれか1項に記載のキット。
【請求項61】
スルホンアミドと、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物であって、前記スルホンアミドと前記第2の薬剤が、患者に投与した場合に共に細菌感染症を治療するのに十分な量で存在する、前記組成物。
【請求項62】
前記スルホンアミドがアセチルスルファメトキシピラジン、アセチルスルフィソキサゾール、アゾスルファミド、ベンジルスルファミド、クロラミン-β、クロラミン-T、ジクロラミン-T、ホルモスルファチアゾール、N2-ホルミル-スルフィソミジン、N4-β-D-グルコシルスルファニルアミド、マフェナイド、4'-(メチル-スルファモイル)スルファニルアニリド、p-ニトロスルファチアゾール、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン(sulfachrysoidine)、スルファシチン、スルファダイアジン、スルファジクルアミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメーター、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、スルファニルアミドメタンスルホン酸トリエタノールアミン塩、4-スルファニルアミドサリチル酸、N4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、N-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、およびスルフィソキサゾールから選択される、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
前記スルホンアミドがスルファメトキサゾールである、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
前記第2の薬剤がアミジノシリン(amidinocillin)、アムジノシリン、ピボキシル、アモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリン、カルベニシリン、カルフェシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、ジフェニシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキシシリン(floxicillin)、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタメートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラガミン(penicillin G hydragamine)、ペニシリンGカリウム、ペニシリンG、プロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン(penicillin V hydrabamine)、ペニメピシクリン、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバピシリン(pivapicillin)、プロピシリン、キナシリン(quinacillin)、スルベニシリン、タランピシリン、テモシリンおよびチカルシリンから選択されるβ−ラクタムである、請求項61に記載の組成物。
【請求項65】
前記β−ラクタムがアモキシシリンである、請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
前記第2の薬剤がミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール、ラブコナゾール、アザコナゾール、ブロムコナゾール、ビテルタノール、プロピコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イトラコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペルフラゾエート(perfurazoate)、ペンコナゾール、ポサコナゾール、ピリフェノックス、プロクロラズ、テルコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、およびトリチコナゾールから選択される抗真菌アゾールである、請求項61に記載の組成物。
【請求項67】
前記抗真菌アゾールがミコナゾールである、請求項66に記載の組成物。
【請求項68】
第1の反復単位と第2の反復単位とを有する生分解性高分子を含む組成物であって、第1の反復単位がスルホンアミドを含み、第2の反復単位がβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される薬剤を含む、前記組成物。
【請求項69】
(i)スルホンアミドを含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される薬剤とを含む組成物。
【請求項70】
(i)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)スルホンアミドとを含む組成物。
【請求項71】
(i)スルホンアミドを含む反復単位を含む第1の生分解性高分子と、(ii)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子とを含む組成物。
【請求項72】
前記スルホンアミドがアセチルスルファメトキシピラジン、アセチルスルフィソキサゾール、アゾスルファミド、ベンジルスルファミド、クロラミン-β、クロラミン-T、ジクロラミン-T、ホルモスルファチアゾール、N2-ホルミル-スルフィソミジン、N4-β-D-グルコシルスルファニルアミド、マフェナイド、4'-(メチル-スルファモイル)スルファニルアニリド、p-ニトロスルファチアゾール、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン(sulfachrysoidine)、スルファシチン、スルファダイアジン、スルファジクルアミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメーター、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、スルファニルアミドメタンスルホン酸トリエタノールアミン塩、4-スルファニルアミドサリチル酸、N4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、N-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、およびスルフィソキサゾールから選択される、請求項68〜71のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項73】
前記スルホンアミドがスルファメトキサゾールである、請求項72に記載の組成物。
【請求項74】
前記薬剤がアミジノシリン(amidinocillin)、アムジノシリン、ピボキシル、アモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリン、カルベニシリン、カルフェシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、ジフェニシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキシシリン(floxicillin)、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタメートヨウ化水素酸塩(penethamate hydriodide)、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラガミン(penicillin G hydragamine)、ペニシリンGカリウム、ペニシリンG、プロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン(penicillin V hydrabamine)、ペニメピシクリン、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバピシリン(pivapicillin)、プロピシリン、キナシリン(quinacillin)、スルベニシリン、タランピシリン、テモシリンおよびチカルシリンから選択されるβ-ラクタムである、請求項68〜71のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項75】
前記β-ラクタムがアモキシシリンである、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
前記薬剤がミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール、ラブコナゾール、アザコナゾール、ブロムコナゾール、ビテルタノール、プロピコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イトラコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、フェンブコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペルフラゾエート(perfurazoate)、ペンコナゾール、ポサコナゾール、ピリフェノックス、プロクロラズ、テルコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、およびトリチコナゾールから選択される抗真菌アゾールである、請求項68〜71のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項77】
前記抗真菌アゾールがミコナゾールである、請求項76に記載の組成物。
【請求項78】
請求項61〜67のいずれか1項に記載の組成物を含む成形品。
【請求項79】
請求項68〜77のいずれか1項に記載の生分解性高分子を含む成形品。
【請求項80】
前記成形品が埋め込み型医療装置、自立膜(self-supporting film)、または繊維の形態である、請求項78または79に記載の成形品。
【請求項81】
前記成形品が心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、および薬物送達装置から選択される埋め込み型医療装置である、請求項80に記載の成形品。
【請求項82】
表面上の細菌増殖を低減させる方法であって、前記表面を、スルホンアミドとβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と接触させることを含み、前記スルホンアミドと前記第2の薬剤とが共に細菌増殖を低減させるのに有効な量で投与される、前記方法。
【請求項83】
表面上の細菌増殖を低減させる方法であって、前記表面を請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物でコーティングすることを含む、前記方法。
【請求項84】
前記表面が埋め込み型医療装置の表面である、請求項82または83に記載の方法。
【請求項85】
前記埋め込み型医療装置が心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、および薬物送達装置から選択される、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記スルホンアミドがスルファメトキサゾールである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
患者の細菌感染症を治療する方法であって、スルホンアミドと、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを投与することを含み、前記スルホンアミドと前記第2の薬剤とが共にin vivoにおいて前記細菌感染症を治療するのに十分な量で投与される、前記方法。
【請求項88】
前記感染症が市中肺炎、上気道および下気道感染症、皮膚および軟組織感染症、骨および関節感染症、院内感染肺感染症、急性細菌性中耳炎、細菌性肺炎、合併感染症、非合併感染症、腎盂腎炎、腹腔内感染症、深部膿瘍(deepseated abcess)、細菌性敗血症、中枢神経系感染症、菌血症、創傷感染症、腹膜炎、髄膜炎、火傷後感染症、泌尿生殖器系感染症、消化管感染症、骨盤炎症性疾患、心内膜炎、および血管内感染症からなる群から選択される、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記スルホンアミドおよび前記第2の薬剤が、外科的処置または医療装置の埋め込みが原因の感染症に対する予防のために投与される、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記スルホンアミドおよび前記第2の薬剤が、心臓補助装置、カテーテル、ステント、歯科用インプラント、縫合糸、カフ、メッシュ、ヘルニア用パッチ、創傷包帯(wound dressing)、包帯(bandage)、人工括約筋、および薬物送達装置から選択される医療装置の埋め込みが原因の感染症に対する予防のために投与される、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記投与が、前記患者と請求項61〜77のいずれか1項に記載の組成物を接触させることを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
前記スルホンアミドがスルファメトキサゾールである、請求項87に記載の方法。
【請求項93】
患者の真菌感染症を治療する方法であって、スルホンアミドと、β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを投与することを含み、前記スルホンアミドと前記第2の薬剤とが共にin vivoにおいて前記真菌感染症を治療するのに十分な量で投与される、前記方法。
【請求項94】
(i)スルホンアミドとβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と、
(ii)細菌感染症と診断された患者または細菌感染症を発症するリスクのある患者への前記組成物の投与に関する説明書
とを含むキット。
【請求項95】
(i)スルホンアミドと、
(ii)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤と、
(iii)細菌感染症と診断された患者または細菌感染症を発症するリスクのある患者への前記スルホンアミドおよび前記第2の薬剤の投与に関する説明書
とを含むキット。
【請求項96】
(i)スルホンアミドと、
(ii)β-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤と、
(iii)真菌感染症と診断された患者または真菌感染症を発症するリスクのある患者への前記スルホンアミドおよび前記第2の薬剤の投与に関する説明書
とを含むキット。
【請求項97】
(i)埋め込み型医療装置と、
(ii)スルホンアミドとβ-ラクタムおよび抗真菌アゾールから選択される第2の薬剤とを含む組成物と、
(iii)前記組成物で埋め込み型医療装置をコーティングすることに関する説明書
とを含むキット。
【請求項98】
前記組成物が第1の反復単位と第2の反復単位とを含む生分解性高分子を含み、前記第1の反復単位が前記スルホンアミドを含み、前記第2の反復単位が前記第2の薬剤を含む、請求項94または97に記載のキット。
【請求項99】
前記組成物が、(i)前記スルホンアミドを含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)前記第2の薬剤とを含む、請求項94または97に記載のキット。
【請求項100】
前記組成物が、(i)前記第2の薬剤を含む反復単位を含む生分解性高分子と、(ii)スルホンアミドとを含む、請求項94または97に記載のキット。
【請求項101】
前記組成物が、(i)前記スルホンアミドを含む反復単位を含む第1の生分解性高分子と、(ii)前記第2の薬剤を含む反復単位を含む第2の生分解性高分子とを含む、請求項94または97に記載のキット。
【請求項102】
前記スルホンアミドがアセチルスルファメトキシピラジン、アセチルスルフィソキサゾール、アゾスルファミド、ベンジルスルファミド、クロラミン-β、クロラミン-T、ジクロラミン-T、ホルモスルファチアゾール、N2-ホルミル-スルフィソミジン、N4-β-D-グルコシルスルファニルアミド、マフェナイド、4'-(メチル-スルファモイル)スルファニルアニリド、p-ニトロスルファチアゾール、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン(sulfachrysoidine)、スルファシチン、スルファダイアジン、スルファジクルアミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメーター、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、スルファニルアミドメタンスルホン酸トリエタノールアミン塩、4-スルファニルアミドサリチル酸、N4-スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、N-スルファニリル-3,4-キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、およびスルフィソキサゾールから選択される、請求項94〜101のいずれか1項に記載のキット。
【請求項103】
前記スルホンアミドがスルファメトキサゾールである、請求項102に記載のキット。

【公表番号】特表2011−516503(P2011−516503A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503316(P2011−503316)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【国際出願番号】PCT/CA2009/000446
【国際公開番号】WO2009/124386
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(508215131)インターフェース バイオロジクス,インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】