説明

細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置および処理方法

【課題】 油分を含むドレンを、ドレンと共に排出される圧縮空気の圧力によって直接油処理槽及び油吸着槽に送り、ドレン内の油分を分離除去することには配慮していたが、ドレンに含まれている特に人体に有害な物質である細菌類に関しては、全く対応していなかった。
【解決手段】 圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着して清浄な水として排出する機能を持ったドレン水処理装置20と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置30に、記載の順で経由させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置および処理方法に関する技術であって、更に詳細に述べると、圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着して清浄な水として排出する機能を持ったドレン水処理装置と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、記載の順で経由させた技術について述べたものであり、圧縮空気より露化して発生したドレン水から、油や異物を吸着する機能を持った、それに加えて特にドレン水に含まれている人体に有害な物質である、各種の細菌やマイコプラズマやリケッチャやクラジミアやウイルス等(以下、細菌類と称す)を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置および処理方法に関係する技術としては、圧縮空気より発生したドレンと共に排出される圧縮空気の圧力で、密閉式油処理槽と油吸着槽に送ることで、ドレン内の油分を分離除去するものが見られる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
先ず、細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置および処理方法に類似している、従来のエアコンプレッサに於けるドレン油水分離装置について、特許文献1によって説明する。
【0004】
この場合、特許文献1に於いて、槽内が仕切板により油浮上分離室と水貯槽室に区分されていると共に、それら油浮上分離室と水貯槽室の上部が圧縮空気室に形成されている密閉式油処理槽と、この油処理槽の水貯槽室に対して管を介して連らなる油吸着槽と、この油吸着槽に連らなる清澄水放流管を備え、エアコンプレッサのエアタンク、アフタークーラー、ドレンセパレータ、ドライヤー等の除湿装置の全部又は一部のドレン配管を、上記密閉式油処理槽の油浮上分離室に直接接続し除湿装置からの油分を含むドレンを、ドレンと共に排出される圧縮空気の圧力によって直接油処理槽及び油吸着槽に送り、ドレン内の油分を分離除去するようにしたことを特徴とする技術が示されている。
【特許文献1】特公昭63−39799
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置および処理方法に類似している、従来のエアコンプレッサに於けるドレン油水分離装置に関しては、以下に示すような課題があった。
【0006】
即ち、油分を含むドレンを、ドレンと共に排出される圧縮空気の圧力によって直接油処理槽及び油吸着槽に送り、ドレン内の油分を分離除去することには配慮していたが、ドレンに含まれている特に人体に有害な物質である細菌類に関しては、全く対応していなかった。
【0007】
一方、エアコンプレッサとしてオイルフリーエアーコンプレッサを使用する場合に関しては、ドレン内の油分を分離除去する必要はそれ程必要としないが、ドレンに含まれている特に人体に有害な物質である細菌類に関しても、全く対応していなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着して清浄な水として排出する機能を持ったドレン水処理装置と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、記載の順で経由させたことを特徴とし、更には、圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着する機能と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を、一体に構成した細菌類対応ドレン水処理装置に、経由させたことを特徴とし、更には、前記細菌類対応ドレン水処理装置は、除菌に対応したドレン水処理装置であり、空間部と、油を吸着する油吸着材を収納した部分と、メンブランカートリッジフィルターを収納した細菌類対応部の三つの部分より形成されていることを特徴とし、更には、オイルフリーエアーコンプレッサより作り出された圧縮空気より露化して発生したドレン水を、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、経由させたことを特徴とし、更には、前記ドレン水は、単数または複数のドレン水発生装置の下部に接続しているドレン水配管の途中にドレントラップを位置させて合流させた後に前記ドレン水処理装置、または前記細菌類対応ドレン水処理装置、または前記細菌類対応装置に接続することが可能であることを特徴とし、更には、前記ドレントラップは、圧縮空気とドレン水を同時に排出するものであることを特徴とすることによって、上記課題を解決したのである。
【0009】
また、本発明は、圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着して清浄な水として排出する機能を持ったドレン水処理装置と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、記載の順で経由させたことを特徴とし、更には、オイルフリーエアーコンプレッサより作り出された圧縮空気より露化して発生したドレン水を、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、経由させたことを特徴とすることによって、上記課題を解決したのである。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明によって、以下に示すような効果をあげることが出来る。
【0011】
第一に、圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着して清浄な水として排出する機能を持ったドレン水処理装置と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、記載の順で経由させたことで、圧縮空気から発生したドレン水に含まれた油や異物の除去だけで無く、特にドレン水に含まれている人体に有害な物質である細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することも可能にした。
【0012】
第二に、圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着する機能と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を、一体に構成した細菌類対応ドレン水処理装置に、経由させたことで、圧縮空気から発生したドレン水に含まれた油や異物の除去だけで無く、特にドレン水に含まれている人体に有害な物質である細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することも可能にした。
【0013】
第三に、細菌類対応ドレン水処理装置は、除菌に対応したドレン水処理装置であり、空間部と、油を吸着する油吸着材を収納した部分と、メンブランカートリッジフィルターを収納した細菌類対応部の三つの部分より形成されていることで、運搬や設置に容易なコンパクトな装置を可能にした。
【0014】
第四に、オイルフリーエアーコンプレッサより作り出された圧縮空気より露化して発生したドレン水を、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、経由させたことで、圧縮空気より露化して発生したドレン水に油が含まれているかどうかに関係無く、特にドレン水に含まれている人体に有害な物質である細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することを可能にした。
【0015】
第五に、ドレン水は、単数または複数のドレン水発生装置の下部に接続しているドレン水配管の途中にドレントラップを位置させて合流させた後にドレン水処理装置、または細菌類対応ドレン水処理装置または、細菌類対応装置に接続することが可能であることで、圧縮空気より露化して発生した全ての場所からのドレン水を、特にドレン水に含まれている人体に有害な物質である細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することを可能にした。
【0016】
第六に、ドレントラップは、圧縮空気とドレン水を同時に排出するものであることで、圧縮空気の力によってドレン水をドレン水処理装置、または細菌類対応ドレン水処理装置、または細菌類対応装置に送り込むことを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本願発明の全体を示した図
【図2】 本願発明の細菌類対応装置である除菌フィルターの詳細を示した図
【図3】 本願発明の別の全体を示した図
【図4】 本願発明の更に別の全体を示した図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。
ここで、図1は、本願発明の全体を示した図であり、図2は、本願発明の細菌類対応装置である除菌フィルターの詳細を示した図であり、図3は、本願発明の別の全体を示した図であり、図4は、本願発明の更に別の全体を示した図である。
【0019】
一般に、圧縮空気は露化することでドレン水を発生させる。 この場合、圧縮空気に細菌類が存在すると、当然のことながら圧縮空気より露化することで発生するドレン水にも何等かの対応をしない限り細菌類が存在することになる。 そして、このような状況の中で圧縮空気を使用すると、圧縮空気の中の、また発生するドレン水の中の人体に有害な細菌類の存在が気になることになる。 特に、食品を製造する現場(工場)や、医薬品を製造する現場(工場)や、医療現場等に於いては、人体に有害な細菌類が存在を気にすることになるが、圧縮空気より露化することで発生するドレン水までは、細菌類の対応がされていないのが実情である。 一方、歯科医院に於いては、一般の住宅の近くに、時にはマンションに同居して開設されている場合も多く、ドレン水に含まれる細菌類の対応は、重要な問題と思われる。
【0020】
(第一の実施例)
図1に見られるように、10はエアーコンプレッサであり、具体的に図示していないが一般に圧縮機とモータから構成されている。 この場合、モータが作動することによって圧縮機を回転させることで、吸込口から大気を吸い込み、圧縮機によって圧縮空気を作り出している。
【0021】
一方、作り出された圧縮空気は、圧縮空気吐出配管171と、ドレン水を発生させるドレン水発生装置40であり圧縮空気を乾燥させる乾燥装置40と、圧縮空気吐出配管172と、ドレン水を発生させるドレン水発生装置50であり圧縮空気より異物を除去する異物除去装置50と、圧縮空気吐出配管173と、ドレン水を発生させるドレン水発生装置60であり圧縮空気を貯蔵する空気タンク60と、圧縮空気吐出配管174を経由して綺麗な圧縮空気201を送り出すことが可能となっている。
【0022】
尚、乾燥装置40に関しては、冷却することによるものや、乾燥剤によるもの等色々の方法が考えられるし、一組だけで無く、同一や違う方法によるものを複数組接続することも考えられる。 また、異物除去装置50に関しては、除去する異物の大きさを限定した色々な能力のものが考えられるし、一組だけで無く、違う能力のものを上流の粗い能力から下流の細かい能力えと複数組接続することも考えられる。 更に、空気タンク60に関しては、エアーコンプレッサ10と一体にすることも考えられる。
【0023】
この場合、図1に於いては、圧縮空気より露化してドレン水を発生させるドレン水発生装置40、50、60を、乾燥装置40と異物除去装置50と空気タンク60で示しているが、これ等三組の装置や機器に限定する必要は無く、これ等の装置や機器から場合によっては全く別の装置や機器から一組や二組を配設することも考えられるし、時には四組や五組やそれ以上を配設することも考えられる。 また、配設する順序としても図1に拘る必要は無い。
【0024】
所で、ドレン水発生装置40である乾燥装置40からは、圧縮空気から露化することで発生したドレン水が、下部に接続したドレン水配管111を通って、手動によってドレン水の流れを開放し遮断することが出来るドレン水開閉弁41と、ドレン水配管112と、一定の時間ごとに一定の間隔でドレン水を圧縮空気と共に送り出すことが出来る電磁式のドレントラップ42と、ドレン水配管113を経由して、ドレン水集合管91に至るようになっている。 但し、ドレントラップ62に関しては、圧縮空気とドレン水を同時に排出するものであれば、どの様なものでも構わない。
【0025】
更に、ドレン水発生装置50である異物除去装置50からは、圧縮空気から露化することで発生したドレン水が、下部に接続したドレン水配管121を通って、手動によってドレン水の流れを開放し遮断することが出来るドレン水開閉弁51と、ドレン水配管122と、一定の時間ごとに一定の間隔でドレン水を圧縮空気と共に送り出すことが出来る電磁式のドレントラップ52と、ドレン水配管123を経由して、ドレン水集合管91に至るようになっている。 但し、ドレントラップ52に関しては、圧縮空気とドレン水を同時に排出するものであれば、どの様なものでも構わない。
【0026】
加えて、ドレン水発生装置60である空気タンク60からは、圧縮空気から露化することで発生したドレン水が、下部に接続したドレン水配管131を通って、手動によってドレン水の流れを開放し遮断することが出来るドレン水開閉弁61と、ドレン水配管132と、一定の時間ごとに一定の間隔でドレン水を圧縮空気と共に送り出すことが出来る電磁式のドレントラップ62と、ドレン水配管133を経由して、ドレン水集合管91に至るようになっている。 但し、ドレントラップ62に関しては、圧縮空気とドレン水を同時に排出するものであれば、どの様なものでも構わない。 尚、空気タンク60にとエアーコンプレッサ10を一体にした場合には、ドレン水配管131は、当然のことながらエアーコンプレッサ10に接続することになる。
【0027】
また、ドレン水発生装置40、50、60の下部に接続するドレン水配管111、121、131の配管系統は、図1に示した三系統に限定する必要は無く、一系統でも、二系統でも、四系統でも、それ以上でも構わない。
【0028】
所で、ドレン水集合管91は油や異物を吸着して清浄な水として排出する機能を持ったドレン水処理装置20に接続して、圧縮空気と共にドレン水を送り込むことが出来るようになっているが、ドレン水処理装置20としては、図1に見られるように、ドレン水処理装置本体21の内部に、油吸着材22ということで、色素や異臭を除去する活性炭を概ね中央部の断面全体にドレン水の流れを遮るように配設し、更にエマルジョンを破壊させ油を吸着する目的のエマルジョン破壊粒子を付着させたエマルジョン破壊粒子付吸着材と油を吸着する目的の吸着材を概ね均一に混在させたものを、活性炭の前後に収納している。但し、油吸着材22としては、活性炭を収納する場合と収納しない場合に合わせて、エマルジョン破壊粒子付吸着材と吸着材を収納する場合も、エマルジョン破壊粒子付吸着材だけを収納する場合も、それなりに考えられる。
【0029】
ここで、ドレン水処理装置本体21に関しては、外部から内部の状況を目視することが可能なようにガラス製やプラスチック製等の透明の材料を使用したり、外部から内部の状況を目視することが可能なようにガラス製やプラスチック製等の透明の材料をドレン水処理装置本体21の一部にはめ込む等のことも考えられる。
【0030】
尚、エマルジョン破壊粒子付吸着材は、エマルジョン破壊粒子の働きによって微小の油が水と結合してエマルジョン化したドレン水をエマルジョン破壊することで油と水の結合を解き放ち、その後、分離した油はエマルジョン破壊粒子付吸着材を構成している吸着材や吸着材に吸着される。 従って、エマルジョン破壊粒子付吸着材と吸着材が散在することによって、エマルジョン化した油から油を完全に分離し吸着することによって除去が可能となったのである。
【0031】
一方、 活性炭のドレン水処理装置本体21内での充填する位置としては、最上流では活性炭が早く汚れて劣化してしまい、最下流では活性炭そのものが流出することによって清浄水であるべきものが汚れた水が流れる様に見える為に、概ね中央部に位置させることが望ましいと言える。
【0032】
ここで、ドレン水処理装置本体21の構造としては、液体であるドレン水が、ドレン水集合管91の端部である流入口からドレン水処理装置本体21に流入し、清浄水配管92の端部である流出口から流出するまでの間に、ドレン水処理装置本体21内を均一に流れるように、ドレン水処理装置本体21の両端部である入口側と出口側には、二箇所の空間部21zを確保してドレン水集合管91の端部である流入口と清浄水配管92の端部である流出口を位置させている。
【0033】
従って、両端の空間部21zを確保するために、液体であるドレン水が流れ易いように数多くの小さな穴を形成している油吸着材押え板24を二枚用意し、その油吸着材押え板24とドレン水処理装置本体21の両端との間にドレン水処理装置本体21の内径より小径で円筒状の支柱23を配設することによって油吸着材押え板24を支え、エマルジョン破壊粒子付吸着材や吸着材や活性炭である油吸着材22を、二つの油吸着材押え板24の間の中央の側に収納するようにしているのである。 但し、支柱23は円筒状のものに限る必要は全くなく、空間部21zを確保出来れば、どのような形状でも構わない。 尚、油吸着材押え板24としては、数多くの小さな穴を形成したパンチングプレートやセラミック樹脂等を使用することが考えられる。
【0034】
また、エマルジョン破壊粒子付吸着材や吸着材である油吸着材22は、油等の異物を吸着するに従って抵抗が大きくなり、圧縮されながら下流に向かって押し付けられることで、更に抵抗が大きくなると同時にエマルジョン化した油の破壊や油吸着の機能も低下していく傾向にある。
【0035】
そこで、このことを少しでも防止するために、具体的に図示していないが、液体の流れを垂直に遮ることが出来るようにドレン水処理装置本体21の略中央部に数多くの小さな穴を形成した中間多孔板を配設し、この中間多孔板を支えるために、中間多孔板とその下流側に位置する油吸着材押え板24との間にドレン水処理装置本体21の内径より小径の円筒状の支持材を配設することによってエマルジョン破壊粒子付吸着材や吸着材である油吸着材22が圧縮されるのを防止している。
【0036】
但し、この中間多孔板の位置に関しては、ドレン水処理装置本体21の略中央部に多少前後しても構わない。 また、中間多孔板を支える支持材は円筒状のものに限る必要はなく、数本のボルトで固定する等中間多孔板を支持出来れば、どのような形状のものでも構わない。
【0037】
尚、ドレン水処理装置本体21の内部には、活性炭を中間多孔板の下流直後に充填するのが最善であるが、中間多孔板の上流直前に充填するのも最善に近い効果が十分に見られる。 一方、中間多孔板に多少前後して充填してもかなりの効果が見られるし、ドレン水処理装置本体21の両端末に近付いた何れかの部分に充填してもそれなりの効果はみられる。
【0038】
ここで、エマルジョン破壊粒子を吸着材に付着させたエマルジョン破壊粒子付吸着材を作る方法としては、アミンや硫酸バリウム等のエマルジョン破壊粒子が溶媒で溶解されている溶液を吸着材に付着させた後に溶媒を蒸発乾燥させるような方法が一般的であるが、溶液を吸着材に霧状に吹き付ける方法もある。 また、アミンや硫酸バリウム等のエマルジョン破壊粒子を溶解した状態でなく、液体内で均一に混合された状態で吸着材に付着させるという方法も考えられる。 更に、エマルジョン破壊粒子そのものと吸着材を混合させることによって作り出すことも考えられる。
【0039】
この場合、エマルジョン破壊粒子と吸着材をエマルジョン破壊粒子付吸着材の状態にしないで、粒子の状態のままで吸着材の間でばらばらに分散するように充填しても良い。この場合にも、活性炭は、中間多孔板の上流直前直後やその周辺に配置しても良いし、入口や出口の多孔板の直後や直前に配置しても良い。 但し、前記の何れの場合に於いても、活性炭を配置しない構成も考えられる。
【0040】
一方、本発明に用いられるアミンについてはアミン化合物またはその誘導体が考えられ、アミン化合物またはその誘導体が25℃であるとき固体状のものであることが好ましいが、その化合物が25℃で非固体状であっても、他の化合物との混合体で固体状になる化合物でも構わない。 つまり、化合物は、一種類単独で使用しても、二種類以上併用しても良い。
【0041】
ところで、これらのアミン化合物やその誘導体は、好ましくは、一級アミン、二級アミン、三級アミン、およびその誘導体であり、より好ましくは、一級アミン、二級アミン、およびその誘導体、特に好ましくは、一級アミン(例えば、ステアリルアミン)、およびその誘導体である。
【0042】
尚、アミン化合物としては、例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デジルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等の一級アミン、または、これらの炭化水素鎖を有するジアミン、トリアミン等の二級アミン、および、三級アミン、あるいは、そのピクラート、種々の塩(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、炭酸、酢酸等の塩)、さらに、これらの炭化水素鎖を有する一級アミン、および、二級アミンの酸アミド、アミジン類、尿素類、および、チオ尿素類や一級アミンのシツフ塩基物等がある。
【0043】
また、吸着材およびエマルジョン破壊粒子付吸着材に使用している吸着材としては、ポリプロピレンやポリスチレン等の不織布を含む繊維よりなるものが考えられる。 但し、吸着材およびエマルジョン破壊粒子付吸着材に使用している吸着材に関しては、前述のものに限定する必要は無く、油吸着の機能を持っていて水不溶性のものであれば、活性炭やおがくずなども考えられるし、更にその他のものでもかまわない。
【0044】
ここで、吸着材およびエマルジョン破壊粒子付吸着材に使用している吸着材の大きさとしては、好ましくは、(10〜200mm)×(2〜50mm)のものであるか、より好ましくは、(30〜80mm)×(5〜40mm)の大きさのものである。 特に、(35〜55mm)×(25〜40mm)と、(40〜60mm)×(3〜10mm)の2種類の大きさのものを準備するのが最も望ましい。 この事は、別の見方で言うと、100mm×50mm以下の小片で、面積で3〜10倍の違った大きさのものを2種類準備するという考え方に近いとも言えるし、最善のものでは、60mm×40mm以下の小片で、面積で4〜8倍の違った大きさのものを2種類準備するのが理想的とも言える。
【0045】
この場合、このような大きさが好ましい理由は、吸着材およびエマルジョン破壊粒子付吸着材に使用している吸着材をドレン水処理装置本体21に充填する際に、大きすぎる場合には、隙間が大きくなることで多くの量を充填することが難しいために大きな表面積を得にくくなり、無理な圧縮をしている部分が多くなるがそのような部分はエマルジョン化した油の破壊や吸着の機能は低下し、充填する量が少なくなるために性能を確保することが出来ず、小さすぎる場合には、基本的に隙間が小さいためにエマルジョン化した油の破壊や吸着の機能の低下が早くなり、裁断するのにめんどうであるし、各種の管理をするにもめんどうである。
【0046】
また、二種類の大きさのものを使用するということは、大きさの異なる二種類の小片を準備することで、大きくすることでの課題である大きな隙間や無理な圧縮を、小さいものを加えることで補うことが可能であり、同時に小さくすることでの課題である早期の機能低下を、大きなものを加えることで補うことが出来るということに大きな意味を持っているのである。
【0047】
尚、二種類の小片については、吸着材およびエマルジョン破壊粒子付吸着材に使用している吸着材の両方に二種類の小片を使用するのが最善であるが、吸着材に小さい小片とエマルジョン破壊粒子付吸着材に使用している吸着材に大きい小片を使用してもその逆でも良い。 当然のことながら、エマルジョン破壊粒子付吸着材の状態にしないで、エマルジョン破壊粒子と二種類の大きさの吸着材を、粒子の状態のままで吸着材の間でばらばらに分散するように充填することも考えられる。
【0048】
そして、清浄水配管92の油や異物が取り除かれたドレン水は、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置30に送り込まれるようになっている。 ところで、本願発明で特に大切な事は、ドレン水から細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置30を設けたことである。
【0049】
この場合、細菌類対応装置30に関して述べると、一つの装置であるかのように示しているが、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持ったものであれば、一部に対応した単一の機能を持った組立品として構成された装置でも、一部または全部に対応した複数の機能を持った組立品として構成された装置でも全く構わない。 即ち、図2に見られるように、除菌フィルター30の除菌一つだけの機能を持った組立品として構成された装置も考えられる。 また、複数の機能を持った組立品として構成された装置としては、除菌フィルターとオゾンによる殺菌装置の二つの機能を持った組立品として構成された細菌類対応装置30を示すことが出来る。
【0050】
ここで、除菌フィルター30としては、大気中の一定の大きさ以上の細菌類を除去することが可能なメンブランフィルターが考えられ、通常0.1μm〜5μm程度の能力のものであるが、細菌類の除去を目的として0.1μm〜0.4μm程度の能力のものを用いるのが一般的であるが、細菌類のウイルスは大きさが0.022μm〜0.3μm程度である為に、一部捕捉できないものもある。 尚、除菌する機能を持った装置としては、セラミックや活性炭マイクロファイバやその他のフィルターを使用しても良い。 尚、殺菌する機能を持った装置としてオゾンによるもの等を単独で、また他の機能を持ったものと複合して使用することも一つの方法である。 一方、抗菌する機能を持った銀イオン等を使用することによるもの等が考えられる。
【0051】
さて、除菌フィルター30は、トップカバー31と、このトップカバー31の下方に着脱自在に螺合によって取着されたハウジング37より構成され、上記ハウジング37の内部には、通口を有する円筒状のフィルター支持体33がトップカバー31の下方に連設され、この円筒状のフィルター支持体33の内周には円筒状のメンブランカートリッジフィルター36が押脱自在に取着されている。
【0052】
そして。上記トップカバー31には、円筒状のメンブランカートリッジフィルター36に対向することなく、メンブランカートリッジフィルター36とハウジング37の間に連なる圧縮空気の流入口31aが形成されており、更にメンブランカートリッジフィルター36とハウジング37の間から円筒状の細菌類を含めた各種の異物を除去するメンブランカートリッジフィルター36とフィルター支持体33の内側を経由して連なっている流出口31bが形成されている。
【0053】
一方、このような円筒状のメンブランカートリッジフィルター36を円筒状のフィルター支持体33より挿脱自在にする方法としては、トップカバー31に螺着出来るボルト34と、フィルター支持体33の端末を下方から保持する板32と、板32をボルト34に固定するナット35によるものである。
【0054】
本発明による、細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置および処理方法は前述したように構成されており、以下にその動作についてその内容を説明する。
【0055】
先ず、エアーコンプレッサ10を構成しているモータを作動させると圧縮機が回転し、それによって吸入口から吸い込んだ大気を圧縮して圧縮空気を作り出し、その圧縮空気が圧縮空気吐出配管171と、圧縮空気を乾燥させる乾燥装置40と、圧縮空気吐出配管172と、圧縮空気より異物を除去する異物除去装置50と、圧縮空気吐出配管173を経由して、圧縮空気を貯蔵する空気タンク60に綺麗な圧縮空気を貯蔵するようになっている。
【0056】
一方、空気タンク60からの圧縮空気吐出配管174に接続されている、エアーシリンダ・・・等の各種のアクチュエータが作動することによって綺麗な圧縮空気201が供給されると、供給された圧縮空気を補おうとしてエアーコンプレッサ10によって圧縮空気を作り出し、乾燥装置40と異物除去装置50を経由して空気タンク60に圧縮空気を貯蔵するようになっているのである。
【0057】
ここで、乾燥装置40に於いて、圧縮空気が露化することでドレン水を発生させた場合そのドレン水は、ドレン水配管111と、ドレン水開閉弁41と、ドレン水配管112と、一定の時間毎に一定の間開放することで、圧縮空気と共にドレン水を送り出している電磁式のドレントラップ42と、ドレン水配管113を経由して、ドレン水集合管91で合流して、圧縮空気の力によってドレン水処理装置20に送り込まれるようになっているのである。
【0058】
また、異物除去装置50に於いて、圧縮空気が露化することでドレン水を発生させた場合そのドレン水は、ドレン水配管121と、ドレン水開閉弁51と、ドレン水配管122と、一定の時間毎に一定の間開放することで、圧縮空気と共にドレン水を送り出している電磁式のドレントラップ52と、ドレン水配管123を経由して、ドレン水集合管91で合流して、圧縮空気の力によってドレン水処理装置20に送り込まれるようになっているのである。
【0059】
更に、空気タンク60に於いて、圧縮空気が露化することでドレン水を発生させた場合そのドレン水は、ドレン水配管131と、ドレン水開閉弁61と、ドレン水配管132と、一定の時間毎に一定の間開放することで、圧縮空気と共にドレン水を送り出している電磁式のドレントラップ62と、ドレン水配管133を経由して、ドレン水集合管91で合流して、圧縮空気の力によってドレン水処理装置20に送り込まれるようになっているのである。
【0060】
そして、ドレン水処理装置20に於いては、先ずドレン水集合管91より送り込まれたドレン水と圧縮空気は、ドレン水処理装置20の下部から流入しドレン水処理装置本体21に収納されている油吸着材22のエマルジョン破壊粒子を付着させたエマルジョン破壊粒子付吸着材と油を吸着する吸着材を概ね均一に混在させた状態で収納された中で、エマルジョン破壊粒子付吸着材と吸着材をランダムに経由することで、エマルジョン破壊粒子付吸着材ではエマルジョン化した油の水と油の結合を解き放つことでエマルジョン破壊を行い、更に離脱した油を吸着させ、吸着材ではエマルジョン破壊粒子付吸着材で吸着出来なかった油を吸着させ、このような処理をランダムに何度も行うことによってドレン水の清浄度を向上させた後に清浄水配管92を経由して細菌類対応装置30に送り込まれるようになっている。
【0061】
それに加えて、ドレン水が活性炭を通過すると臭いや色素が除去されるようになっている。 即ち、収納されているエマルジョン破壊粒子付吸着材と吸着材と活性炭より成る油吸着材22によってこれ等の動作が達成されるのである。 この場合、油吸着材22としては、エマルジョン破壊粒子付吸着材だけということも考えられる。 その結果として、ドレン水処理装置20に於いては、油を中心とする異物が油吸着材22に吸着されることで清浄水になるのである。 但し、この段階までは、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌する機能を含めた処理はされていない。
【0062】
最後に、細菌類対応装置30に於いては、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った装置であって、一部に対応した単一の機能を持った組立品として構成された装置や、一部または全部に対応した複数の機能を持った組立品として構成された装置を意図したものである。 ここで、図2に見られる装置は、除菌フィルター30の除菌一つだけの機能を持った組立品として構成された装置である。 また、複数の機能を持った組立品として構成された装置としては、除菌フィルターとオゾンによる殺菌装置の二つの機能を持った組立品として構成された細菌類対応装置30も考えられる。
【0063】
そして、一つの例として除菌フィルター30に送り込まれた油を中心とする異物を除去されたドレン水は、流入口31aよりメンブランカートリッジフィルター36に直接あたることなく、その外側のハウジング37内に流入し、そこからメンブランカートリッジフィルター36を通過する。
【0064】
ここで、メンブランカートリッジフィルター36は孔径が、0.1μm〜0.4μm程度のものを使用してあるので、ここを通過する際に大半の細菌類、真菌類は捕捉する事が出来る。 但し、大きさが0.022μm〜0.3μmの細菌類の中のウイルスの一部に関しては捕捉することが出来ないものもある。 従って、捕捉することが出来なかったウイルスに関しては、殺菌の機能をもった細菌類対応装置30を、除菌フィルター30の下流に位置させることも考えられる。
【0065】
尚、捕捉された細菌類は、メンブランカートリッジフィルター36の外側とハウジング37内側の底部37aに溜まっていくことになるが、手動バルブ38を開放することによってドレン水と一緒に外へ排出することが出来る。 従って、このハウジング37内側の底部37aには細菌類が繁殖しているが、メンブランカートリッジフィルター36を通過したものだけが流出口31bに達するので、一部のウイルスを除いて概ね除菌された状態となった清浄水配管93を経由して無菌の清浄水202を送り出すことが出来るようになっている。
【0066】
一方、メンブランカートリッジフィルター36の外側とハウジング37内側の底部37aの捕捉された細菌類が気になるようであれば、除菌フィルター30のドレン水が流れる部分に銀イオン等を付着させる抗菌の機能を持たせることも可能であるし、抗菌の機能をもった細菌類対応装置30を、除菌フィルター30の上流に位置させることで、早い時点で細菌類に対応することで、除菌フィルター30の段階での細菌類の補足を少なくすることで、繁殖するのを防止するということも考えられる。
【0067】
いずれにしても、この細菌類対応装置30を経由させることが、本願発明の最大の特徴であり、それによって清浄水配管93を経由して無菌の清浄水202を排出することが可能となっているのである。
【0068】
(第二の実施例)
第二の実施例が第一の実施例と違う点は、第一の実施例がドレン水を、ドレン水処理装置20と、清浄水配管92と、細菌類対応装置30を経由して、清浄水配管93に送り込むのに対し、第二の実施例がドレン水を、細菌類対応ドレン水処理装置70を経由して、清浄水配管94に送り込んでいることである。
【0069】
この場合、細菌類対応ドレン水処理装置70は、油を中心とする異物等を分離する機能と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った装置であって、結果的にドレン水処理装置20と細菌類対応装置30の機能を一体にした構成となっている。
【0070】
即ち、第二の実施例の細菌類対応ドレン水処理装置70は、入口側の空間部71zと油吸着材72が収納されている部分は油吸着材72も含めて、第一の実施例のドレン水処理装置20の、入口側の空間部21zと油吸着材22が収納されている部分と油吸着材22を含めて類似の構成でありドレン水処理装置20そのものの機能を持っていると考えてよい。 従って、油吸着材22そのものと、油吸着材22を収納している部分の構造は、寸法は別として第一の実施例と全く同じ内容になると考えてよい。
【0071】
具体的には、細菌類対応ドレン水処理装置本体71の、細菌類対応部71yを除いた部分の、収納物である油吸着材72のエマルジョン破壊粒子付吸着材と吸着材と活性炭の配置や作り方や材料や目的や大きさや考え方等、支柱73、油吸着材押え板74、中間多孔板等に関しては、構造や材料や目的等を含めて、第一の実施例と全く同じ内容になると考えてよい。
【0072】
一方、細菌類対応ドレン水処理装置70の細菌類対応部71yに関しては、第一の実施例の細菌類対応装置30の図2に見られる除菌フィルター30を位置させたのと同じ機能を持たせたと考えてよい。 即ち、メンブランカートリッジフィルター36と同等の能力を持つメンブランカートリッジフィルター75を位置させたという事である。
【0073】
この場合、メンブランカートリッジフィルター75は、上板76と底板77によってその間を移動しないように挟まれた状態で、且つメンブランカートリッジフィルター75の部分以外からドレン水が流れ込まない(上板76や底板77の部分からドレン水が流れ込まない)ようになっていて、その上細菌類対応ドレン水処理装置本体71上部の細菌類対応部71yに位置させ、上板76から清浄水配管94にドレン水が流れるようになっているのである。
【0074】
そして、細菌類対応ドレン水処理装置70としては、図3に見られるように、細菌類対応ドレン水処理装置本体71の内部に、油吸着材72ということで、色素や異臭を除去する活性炭を概ね中央部の断面全体にドレン水の流れを遮るように配設し、更にエマルジョンを破壊させ油を吸着する目的のエマルジョン破壊粒子を付着させたエマルジョン破壊粒子付吸着材と油を吸着する目的の吸着材を概ね均一に混在させたものを、活性炭の前後に収納している。
【0075】
尚、第一の実施例である図1の、ドレン水処理装置20と、清浄水配管92と、細菌類対応装置30を箱や枠や板の中の一点または複数点を使用することで一体に構成して細菌類対応ドレン水処理装置70とすることも考えられる。 当然のことながら、細菌類対応装置70としては細菌類対応装置30として細菌類を除去する除菌フィルター30を一体にするだけではなく、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った装置を一体にすることも考えられる。
【0076】
ところで、前述のように構成が第一の実施例と概ね同じであるので、動作に関しても概ね同じ内容になるので省略する。 この場合、細菌類対応ドレン水処理装置70に於いては、入口側の空間部71zに流入したドレン水は、油吸着材押え板74と油吸着材72と油吸着材押え板74を経由した後に、細菌類対応部71yに位置しているメンブランカートリッジフィルター75の外側に到達し、更にメンブランカートリッジフィルター75を経由してその内側に至り、その上上板76を通って清浄水配管94に流入するようになっているのである。
【0077】
(第三の実施例)
第三の実施例が第一の実施例と違う点は、第一の実施例がドレン水を、ドレン水集合管91と、ドレン水処理装置20と、清浄水配管92と、細菌類対応装置30を経由して、清浄水配管93に送り込むのに対し、第三の実施例がドレン水を、ドレン水集合管95と、細菌類対応装置30を経由して、清浄水配管93に送り込んでいることである。 別の言い方をすれば、第三の実施例は、第一の実施例のドレン水処理装置20削除した構成と言うことが出来る。
【0078】
この場合、前述のように構成した理由は、第三の実施例に於いては、エアーコンプレッサ10は、オイルフリーエアーコンプレッサ10を使用するということで限定したものであり、従ってオイルフリーエアーコンプレッサ10に関しては、圧縮空気に油を含まれることが有り得ないという前提に立っているのである。
【0079】
但し、この様な状況の中でも空気中には細菌類が存在する可能性があり、従って圧縮空気空気中にも細菌類が存在する可能性があり、結果として圧縮空気が露化することで発生するドレン水にも細菌類が存在する可能性があるということで、この様な構成を考えたのである。
【0080】
ところで、前述のように構成が第一の実施例と概ね同じであるので、動作に関してもドレン水処理装置20が存在しないという前提で、概ね同じ内容になるので省略する。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置および処理方法に関する技術であって、更に詳細に述べると、
圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着して清浄な水として排出する機能を持ったドレン水処理装置と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、記載の順で経由させた技術について述べたものであり、圧縮空気より露化して発生したドレン水から、油や異物を吸着する機能を持った、それに加えて特にドレン水に含まれている人体に有害な物質である、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った技術に関するものである。 特に、都会地の狭い場所で、またマンション内に位置して開業している、歯科医院等からの細菌類の拡散防止を図ることで、周囲の一般住宅に配慮するようにしたのである。
【符号の説明】
【0082】
10・・・・・・エアーコンプレッサ(オイルフリーエアーコンプレッサ)
20・・・・・・ドレン水処理装置
21・・・・・・ドレン水処理装置本体
21z・・・・・空間部
22・・・・・・油吸着材
23・・・・・・支柱
24・・・・・・油吸着材押え板
30・・・・・・細菌類対応装置(除菌フィルター)
31・・・・・・トップカバー
31a・・・・・流入口
31b・・・・・流出口
32・・・・・・板
33・・・・・・フィルター支持体
34・・・・・・ボルト
35・・・・・・ナット
36・・・・・・メンブランカートリッジフィルター
37・・・・・・ハウジング
37a・・・・・底部
38・・・・・・手動バルブ
40・・・・・・乾燥装置(ドレン水発生装置)
41・・・・・・ドレン水開閉弁
42・・・・・・ドレントラップ
50・・・・・・異物除去装置(ドレン水発生装置)
51・・・・・・ドレン水開閉弁
52・・・・・・ドレントラップ
60・・・・・・空気タンク(ドレン水発生装置)
61・・・・・・ドレン水開閉弁
62・・・・・・ドレントラップ
70・・・・・・細菌類対応ドレン水処理装置(除菌に対応したドレン水処理装置)
71・・・・・・細菌類対応ドレン水処理装置本体
71a・・・・・座
71y・・・・・細菌類対応部
71z・・・・・空間部
72・・・・・・油吸着材
73・・・・・・支柱
74・・・・・・油吸着材押え板
75・・・・・・メンブランカートリッジフィルター
76・・・・・・上板
77・・・・・・底板
91・・・・・・ドレン水集合管
92・・・・・・清浄水配管
93・・・・・・清浄水配管
94・・・・・・清浄水配管
95・・・・・・ドレン水集合管
111・・・・・ドレン水配管
112・・・・・ドレン水配管
113・・・・・ドレン水配管
121・・・・・ドレン水配管
122・・・・・ドレン水配管
123・・・・・ドレン水配管
131・・・・・ドレン水配管
132・・・・・ドレン水配管
133・・・・・ドレン水配管
171・・・・・圧縮空気吐出配管
172・・・・・圧縮空気吐出配管
173・・・・・圧縮空気吐出配管
174・・・・・圧縮空気吐出配管
201・・・・・綺麗な圧縮空気
202・・・・・無菌の清浄水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着して清浄な水として排出する機能を持ったドレン水処理装置と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、記載の順で経由させたことを特徴とする細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置。
【請求項2】
圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着する機能と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を、一体に構成した細菌類対応ドレン水処理装置に、経由させたことを特徴とする細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置。
【請求項3】
前記細菌類対応ドレン水処理装置は、除菌に対応したドレン水処理装置であり、空間部と、油を吸着する油吸着材を収納した部分と、メンブランカートリッジフィルターを収納した細菌類対応部の三つの部分より形成されていることを特徴とする請求項2に記載の細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置。
【請求項4】
オイルフリーエアーコンプレッサより作り出された圧縮空気より露化して発生したドレン水を、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、経由させたことを特徴とする細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置。
【請求項5】
前記ドレン水は、単数または複数のドレン水発生装置の下部に接続しているドレン水配管の途中にドレントラップを位置させて合流させた後に前記ドレン水処理装置、または前記細菌類対応ドレン水処理装置、または前記細菌類対応装置に接続することが可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置。
【請求項6】
前記ドレントラップは、圧縮空気とドレン水を同時に排出するものであることを特徴とする請求項5に記載の細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理装置。
【請求項7】
圧縮空気より露化して発生したドレン水を、油や異物を吸着して清浄な水として排出する機能を持ったドレン水処理装置と、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、記載の順で経由させたことを特徴とする細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理方法。
【請求項8】
オイルフリーエアーコンプレッサより作り出された圧縮空気より露化して発生したドレン水を、細菌類を除去したり殺菌したり抗菌することの一部または全部に対応した機能を持った細菌類対応装置に、経由させたことを特徴とする細菌類に対応した綺麗なドレン水の処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−240043(P2012−240043A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127715(P2011−127715)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000154521)株式会社フクハラ (87)
【Fターム(参考)】