細長い糸状素子を巻取素子の上に巻回する装置
本発明は、少なくとも1つの細長い糸状撚線から成る素子のための入口と、巻取軸の周りで回転可能に駆動されるべき巻取素子とを少なくとも含むフレームを含み、少なくとも巻取素子を回転可能に駆動するための駆動手段をさらに含む、細長い糸状素子を巻取素子上に巻き取るための装置に関する。本発明によれば、巻取装置は、撚糸手段がフレーム内に取り付けられ、細長い糸状素子が巻取素子上に巻き取られる前に、撚糸手段が単位長当たり1回又はそれ以上の回転(単連の細長い糸状素子の場合には加撚、或いは、多連の細長い糸所素子の場合には撚り合わせ)を細長い糸状素子に与えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの細長い糸状撚線から成る素子を巻取素子の上に巻き取る装置に関し、当該装置は、細長い糸状素子のための入口と、巻取シャフトの周りで回転可能に駆動されるべき巻取素子とを少なくとも備えるフレームを含み、当該装置は、少なくとも巻取素子を回転可能に駆動するための駆動手段をさらに含む。
【背景技術】
【0002】
繊維又は織糸業界において、繊維又は織糸(又は一般的に細長い糸状素子)は、さらなる処理のために、ボビンのような巻取素子上に巻き取られる。細長い糸状素子は、1つ又はそれ以上の撚線から成り得る。特定用途において、例えば、人工芝のスポーツ場の建設において使用される、押出成形法を用いた単連合成繊維の製造では、繊維を繰り出し且つその長手軸の周りで繊維を撚ることが望ましい。
【0003】
単一撚線の細長い糸状素子の場合には、この技法は「加撚」と呼ばれる。「加撚」後、単一撚線繊維は再び巻取素子上に巻き取られる。多撚線の細長い糸状素子もその長手軸の周りで同様に捩られ得る。この技法は「撚り合わせ」と呼ばれる。
【0004】
従って、本明細書において開示される装置は、単連及び多(1以上)連の細長い糸状素子の処理に適していることが留意されるべきである。
【0005】
所要の追加的な操作の故のみならず、巻取ステップ後の加撚/撚り合わせステップのための所要の追加的な製造時間の故にも、加撚或いは撚り合わせの細長い糸状素子を製造するそのような方法は骨が折れる。さらに、その上に合成繊維を多くの巻線で巻き取る巻取素子は、巻取装置から手動で取り外され、別個の加撚又は撚り合わせ装置内に配置されなければならない。この後者の操作は時間がかかり、所要の追加的な手動操作の故に、経済的理由及び人間工学的理由の双方のために魅力的ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の欠点を示されない冒頭において言及されたような装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、巻取装置は、撚糸手段がフレーム内に取り付けられ、細長い糸状素子が巻取素子上に巻き取られる前に、撚糸手段が単位長当たり1回又はそれ以上の回転を細長い糸状素子に与えることを特徴とする。
【0008】
本発明に従った装置の正しい理解のために、「回転」という用語は、「加撚」(単連の細長い糸状素子の場合)又は「撚り合わせ」(多連の細長い糸所素子の場合)を意味することが再度留意されるべきである。
【0009】
巻取り前に細長い糸状素子(例えば繊維又は織糸)を加撚又は撚り合わせ操作に晒すことによって、多数の追加的な操作ステップが省略される。これは繊維又は織糸の製造プロセスを短縮するだけでなく、プロセスの費用も削減する。全ての種類の追加的な人間光学的に余り魅力的でない手動操作が実施される必要がないという点で、後者の特徴はさらに増進される。
【0010】
さらに、別個の加撚又は撚り合わせ装置は最早不要であるので、本発明に従った巻取装置を用いることによって、よりコンパクトな構造が得られる。
【0011】
コンパクトであるが極めて機能的な本発明に従った巻取装置の構造は、撚糸手段が駆動手段によって回転可能に駆動されるべき撚糸シャフトを含み、撚糸シャフトの第一端部がフレーム内に位置し、撚糸シャフトの他の第二端部がフレームの外側に位置するよう、撚糸シャフトがフレーム内の軸受内に取り付けられるという点でさらに改良される。駆動手段は、少なくとも部分的に前記フレームの外側に配置され、撚糸手段の第二端部を回転可能に駆動し得る。この後者の特徴は、巻取装置の操作(読取り:駆動)が容易であることを確実にする。撚糸手段は、例えば、保守のために、フレーム内で直ちにアクセス可能であると同時に、取付構造の一部を構成する部分、例えば、駆動手段は、撚糸手段の最適な加撚又は撚り合わせ操作と干渉しない。
【0012】
具体的な実施態様において、巻取シャフト上の軸受内に巻取素子を取り付け可能であり、巻取シャフトは撚糸シャフトの第一端部に接続される。具体的な実施態様において、巻取シャフトは撚糸シャフトと整列されている。上記の特徴は、一方では、巻取素子と巻取シャフトとの間の、他方では、巻取シャフトと撚糸シャフトとの間の機械的フリーホイール又は断絶を確実にする。これは、巻取シャフトがフレーム内に自由に軸支され、半取付構造として機能することを保証し、後者の特徴は、一方では、コンパクトな構造をもたらすのに対し、この駆動構造は、他方では、前記シャフトを駆動するために単一且つ同一の駆動ユニットを使用することを可能にする。
【0013】
極めて具体的な実施態様では、それによって、単位長当たりの如何なる回数の回転(加撚又は撚り合わせ)も細長い糸状素子に極めて効率的に与えることができ、本発明に従った巻取装置は、撚糸シャフトの第一端部上に取り付けられた少なくとも1つの径方向に延びる撚糸アームをさらに含み、撚糸アームは、細長い糸状素子のためのフィードスルー通路を備え、フィードスルー通路は、撚糸アームの自由端部から撚糸シャフトに延びることを特徴とする。撚糸アームは、自由端に案内目を備えてもよく、案内目はフィードスルー通路に接続する。
【0014】
より具体的には、フィードスルー通路は、撚糸アームの表面に形成されたスロット又はボアであり、さらに、案内目及び/又はフィードスルー通路は、増大された硬さを有する材料を備える。より具体的には、案内目及び/又はフィードスルー通路は、セラミック製の案内面を備える。一方では、これらの特徴は、本発明に従った巻取装置の移動部分の摩耗を防止し、他方では、織糸の破砕を防止するために、それらは細長い糸状素子の織糸張力の制御の向上を実現することを助ける。
【0015】
具体的な実施態様において、撚糸アームが撚糸シャフトの周りを回転する間の撚糸アームの安定性の向上を得るために、撚糸アームは、撚糸アームの長手方向から見られるときに、撚糸シャフトの他端にカウンタウェイトを備える。
【0016】
追加的な特徴によれば、追加的な単位長当たり回転(加撚又は撚り合わせ)を細長い糸状素子に与えるための撚糸手段は、撚糸シャフトが長手のボアを備え、ボアは、一方では、撚糸アーム内に形成された前記フィードスルー通路と接続し、他方では、巻取シャフト内に形成された巻取ボアと接続することを特徴とする。
【0017】
具体的な実施態様において、ボアは、撚糸アーム内に形成されたフィードスルー通路との接続部付近で直角とされ得る。その場合には、巻取ボアも直角とされ得る。これらの特徴は、織糸の破砕を招き得る織糸張力の許容し難い増大の危険性なしに、撚糸アームから撚糸シャフト内のボアを通じて巻取シャフト及び巻取シャフト上に存在する巻取素子の方向への、細長い糸状素子の円滑な移送を保証する。
【0018】
本発明によれば、摩耗によって引き起こされる織糸の破砕の発生をさらに低減するために、撚糸シャフト内のボアは摩擦軽減手段を備え、摩擦軽減手段はボア内の1つ又はそれ以上のセラミック製の案内面を含み得る。
【0019】
コンパクトで軽量であるが特に極めて機能的な本発明の設計は、巻取シャフトが支持体を備え、巻取素子のための駆動手段が支持体上に位置することを特徴とする。支持体は、巻取シャフトに接続された第一支持シャフトと、第一支持シャフトに旋回的に接続された第二支持シャフトとから成り得る。
【0020】
巻取素子のための駆動手段の極めて単純であるが信頼性のある設計において、駆動手段は、第二支持アームに回転可能に取り付けられ、且つ、巻取素子と当接するよう配置され得る駆動ローラを含み得る。既に前述されたように、撚られた或いは撚り合わされた細長い糸状素子を巻き取る目的のために駆動素子を駆動するこの方法は、コンパクトなだけでなく安価でもある構造をもたらす。
【0021】
本発明によれば、出力手段によって調節可能な力を用いて、駆動ローラを巻取素子と当接するよう配置可能であり、出力手段は、ガスバネ又は張力バネを含むという点で、細長い糸状素子が巻取素子上に正確に巻き取られることが確実にされる。
【0022】
本発明によれば、巻取素子の全長に亘る細長い糸状素子の巻糸の適切な分布を確実にするために、駆動ローラと平行に延びる回転可能に駆動される案内ローラが、第二支持アーム上に取り付けられ、案内ローラは、細長い糸状素子を巻取素子に搬送するために、その周面上に亘って延びる巻取溝を備える。
【0023】
より具体的には、案内ローラと平行に延びる案内素子が第二支持アーム上に設けられ、細長い糸状素子を案内素子を越えて案内ローラの方向に搬送し得る。細長い糸状素子の可能な閉塞又は他の移送問題は、このようにして防止される。案内ローラは、巻取素子に亘る巻糸の極めて均一な分布を確実にする。
【0024】
具体的な実施態様において、撚糸シャフトの第一端部は、駆動ローラを介して巻取素子を駆動するための外周歯を備え、外周歯は、撚糸シャフトの回転によって、1つ又はそれ以上の歯車伝動装置を介して、駆動ローラ及び案内ローラを回転可能に駆動する。この特定の駆動構造は、巻取手段及び撚糸手段が、全く固定構造及び駆動手段なしに、フレーム内に取り付けられた巻取装置をもたらし、それはより一層効率的な巻取装置の操作を可能にする。
【0025】
さらに、これらの特徴は、1つの駆動手段だけを用いて、コンパクトな構造をもたらし、それは、既に上述されたように、フレームの外側に配置され、且つ、適切なベルト又はチェーン伝動装置を介して撚糸シャフトの第二端部を駆動し、それは、使用される特定のボア構造の故に、撚糸シャフト及び歯車伝動装置を介した織糸の撚糸を可能にする。これは頑丈で保守不要な構造ももたらす。
【0026】
装置内の撚糸シャフトから巻取素子への織糸又は繊維の滑らかな移送を確実にするために、本発明に従った支持体は、案内素子及び案内ローラを介して巻取ボアから巻取素子に細長い糸状素子を案内するための1つ又はそれ以上の案内ホイールを備える。
【0027】
本発明によれば、フレーム内への細長い糸状素子の導入によって引き起こされる装置のジャミングを防止し、よって、織糸の閉塞又は破砕を防止するために、案内手段が支持体上に設けられ、案内手段は、入口から到着する細長い糸状素子を巻取素子を越えて撚糸アームの方向に搬送するために、巻取シャフトの自由端部を越えて径方向に延びる。
【0028】
本発明に従った巻取装置は、例えば、合成織糸の製造プロセスの著しい単純化をもたらす。製造ラインに直接的に(押出成形機のような織糸製造装置の後方に直接的に)装置を組み込み得る。その結果として、織糸製造装置から出る織糸の撚糸及び巻取りは直接的に行われ得る。例えば、織糸破砕の場合には、入口側の撚糸アーム及び制動手段によって、織糸張力を制御するのは容易である。これは小型の巻取装置ももたらす。
【0029】
本発明は今や図面を参照してより詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下の記載において、同一部材は同一番号で表示されている。
【0031】
図1は、本発明に従った巻取装置の実施態様の概略図を示している。装置1は、幾つかの垂直部材及び水平部材から成るフレーム10で構成されている。本発明に従った巻取装置の全ての特定部分はシャフト7の周りに配置されており、シャフトは、図1に示されるように、シャフト7の第一端部7a(図示せず)がフレーム10の内部に延びるのに対し、シャフト7の他の第二端部7bはフレームの外側に延びるよう、フレーム10の支持梁10a内の軸受内に取り付けられている。シャフト7の第二端部7bはプーリとして構成され、無端キャリア、例えばVベルトをその上に通し得る。無端キャリアは、駆動手段2の駆動シャフト上に通されている。例えば、電気モータであり得る駆動手段2は、フレームの外側の固定構造に接続され、本発明に従った巻取装置の動作期間中、回転運動をシャフト7に伝達する。
【0032】
さらに、巻取シャフト6がフレーム10内に取り付けられ、巻取シャフト6上に巻取素子5を取り付け得る。細長い糸状素子(例えば織糸又は合成繊維)は、多数の巻糸8で巻取素子5上に巻き取られるようになっている。
【0033】
細長い糸状素子(繊維又は織糸)は入口孔3を介して装置内に導入される。入口孔3は支持ビーム4a,4b内に形成され、支持ビームはフレーム10内に旋回取付されている。保守又は修理のために、或いは、細長い糸状素子8がその上に巻き取られた巻取素子5を取り換えるために、フレーム10内部及びその内部に配置された部材へのより良好なアクセスをもたらすよう、これは供給孔3を備える支持ビーム4aを脇に揺動することを可能にする。
【0034】
図2は、本発明に従った巻取装置及びその関連部分の詳細図である。図3a乃至3fにおいて、巻取装置の構造は幾つかの異なる角度から示されている。それ自体は既知の本発明に従った巻取装置の部分は巻取シャフト6(図3a乃至3c)であり、巻取シャフト上で巻取素子5を軸受内に取り付け得る。従って、巻取素子5は巻取シャフト6に対して自由に回転可能である。
【0035】
巻取素子5が巻取シャフト6上に確実に取り付けられ/保持されるのを確実にするために、巻取シャフト6の自由端部6bはナット又はシャックルピンによって固定され、それは巻取素子5がシャフトから抜け出すのを防止している。
【0036】
本発明の本質的要素は、細長い糸状素子8が巻取素子5上に巻き取られる前に、1回又はそれ以上の回転(加撚又は撚り合わせ)を細長い糸状素子に与えることである。本発明によれば、巻取装置は撚糸手段を備え、撚糸手段は、細長い糸状素子が巻取素子5上に巻き取られる前に、1回又はそれ以上の回転(単連の細長い糸状素子の場合には「加撚」或いは多連の細長い糸状素子の場合には「撚り合わせ」)を細長い糸状素子8(合成繊維又は織糸)に与える。
【0037】
撚糸手段の本質的要素は、既に図1及び2に示されたような撚糸シャフト7であり、その自由端部7bは、ベルト又はプーリ伝動装置を介して、例えば電気モータのような駆動手段によって回転される。撚糸シャフト7とベルトプーリ7bとの間にフリーホイール結合を配置し得る。
【0038】
撚糸シャフト7は、撚糸シャフト7の端部7aがフレーム10内に延びるよう、フレーム10の梁10a内の軸受内に取り付けられている(図1を参照)。撚糸アーム11が撚糸シャフト7の第一端部7aに取り付けられ、撚糸アームは撚糸シャフト7から径方向に延びている。撚糸アーム11は、自由端部11aと、カウンターウェイトとして機能するプレート部材11bとを含む。
【0039】
撚糸シャフト7はフレーム10内の軸受内に取り付けられているので、撚糸シャフトが駆動手段によって駆動されるとき、撚糸シャフトは回転し、径方向に延びる撚糸アームも同様である。動作中、撚糸アームは、撚糸シャフト7をその中心として備えた円運動を描き、撚糸アーム11の自由端部11aは、巻取素子5上に巻き取られた後に細長い糸状素子が到達し得る最大半径と少なくとも同一であり、好ましくはそれよりも大きな半径を有する円を描く。
【0040】
細長い糸状素子に回転(加撚又は撚り合わせ)を与えるために、糸状素子は入口孔(図1を参照)を介してフレーム10内に導入され、撚糸アーム11の自由端部11aの方向に搬送される。図4により詳細に示されているように、自由端部11aは案内目12を備える。さらに、撚糸アーム11はフィードスルー通路13を備え、フィードスルー通路13は、案内孔12から撚糸アーム11が撚糸シャフト7の第一端部7a上に取り付けられる位置に向かう長手方向に延びている。
【0041】
入口孔を介して導入される細長い糸状素子は、フレーム10を通じて巻取シャフト6/巻取素子5上に搬送され、案内孔12を通じて、さらに、フィードスルー通路13を介して撚糸シャフト7の方向に搬送される。動作中、撚糸アーム11は円運動を受け、円運動は入口孔3及び案内孔12を通じて搬送される細長い糸状素子を巻取シャフト6の周りに放り出させる。
【0042】
このようにして創成される細長い糸状素子の気球(balloon)が、織糸破砕の付随的危険を備えて、様々な部分の背後に捕捉されるのを防止するために、案内手段38a,38bがフレーム10内に設けられている。従って、案内手段38(38b、図3fを参照)は入口孔3と巻取シャフト6との間に配置され、巻取シャフト6の自由端部6bを越えて径方向に延びている。この実施態様において、案内手段38a,38bは、巻糸8を備える巻取素子5が到達し得る最大半径よりも大幅に大きな半径を有する円形管として構成されている。より具体的には、案内リング38a,38bの外側半径は、径方向に見られるとき、撚糸アーム11の長さと少なくとも等しい。
【0043】
撚糸アーム11が撚糸シャフト7と共に受ける回転運動期間中、細長い糸状素子は案内リング38a上に引き寄せられるので、装置のジャミング及び可能な織糸破砕は防止される。
【0044】
図3fは、本発明に従った巻取装置の他の実施態様を示しており、そこでは、1つの案内リング38aの代わりに2つの案内リング38a,38bが用いられ、それらの案内リングによって、細長い糸状素子内の気球の創成、装置のジャミング、及び、可能な糸破砕が回避される。
【0045】
図5a及び5bが示すように、案内孔12を介して撚糸アーム11のフィードスルー通路13を通じて搬送される糸状素子は、撚糸シャフト7内に形成されたボア32を通じて搬送される。撚糸シャフト7の第一端部7aにおける(撚糸アーム11上の)垂直向きフィードスルー通路13から水平方向に延びるボア32の通過を容易化するために、ボア32は直角部分32aを介してフィードスルー通路13に接続している。
【0046】
図5a及び5bに明瞭に示されるように、第一端部7aは、軸受29によって半取付構造に自由回転可能に接続されており、半取付構造は、巻取素子6のフランジ35と、支持アーム18a,18bを含む支持体18(未だ説明されていない)とによって示されている。
【0047】
この構造の故に、巻取シャフト6は撚糸シャフト7に対してフレーム10内で自由に回転可能である。
【0048】
図5aに明瞭に示されるように、巻取シャフト6のフランジ35も同様にボア32を備え、それは32bで指し示される場所でボア32と接続している。ボア33が出口孔34内に開口するよう、巻取シャフト6内のボア32も同様に直角を示し、出口孔34は巻取シャフト6のフランジ35の外面に形成されている。巻取シャフト6、フランジ35、及び、支持体18,18a,18bは、回転する撚糸シャフト7に対して固定的(半取付構造)であるので、ボア32を通じて搬送される細長い糸状素子に追加的な回転(加撚又は撚り合わせ)を与え得る。出口孔から出る細長い糸状素子は今や単位長当たり数回の回転(加撚又は撚り合わせ)を含み、数回の巻糸で巻取素子5上に巻き取られなければならない。
【0049】
図3a、3c、3d、より詳細には、図3fを参照すると、巻取素子5上に巻き取られる目的のために細長い糸状素子が案内ローラ16の巻取溝内に収容される前に、細長い糸状素子は多数の案内ホイール19を介して案内素子17に搬送される。
【0050】
よって、細長い糸状素子は、最終の案内ホイール19から、弁髪形状に屈曲された目19'の方向に織糸弛緩体の案内ディスク39a上に走っている。案内ディスク39aは、細長い糸状素子を受容するための溝(例えば、平面溝又はV形状溝)を備え、磁気結合(図示せず)を介して回転シャフト(図示せず)によって駆動される。磁気結合は渦電流の原理に従って動作する。前記シャフトは織糸弛緩体39を通じて搬送され、歯車伝達装置24,25,26及び第一歯車伝達装置21,22,23を介して撚糸シャフト7によって駆動されている。
【0051】
案内ディスク39aは、細長い糸状素子の方向に回転する。前記の歯車伝動装置及び磁気結合の適切に選択された速度伝達比の結果として、回転する案内ディスク39aの速度は、細長い糸状素子が装置を通じて搬送される速度よりも高い。これは織糸弛緩体が細長い糸状素子内に存在し得る如何なる伸張も低減可能にする。このため、ボビンの硬さは一定レベルに保たれる。巻取プロセス中の極めて高い織糸張力は硬いボビンを招く。
【0052】
案内ローラ16(図3b及び3fを参照)は、その外面に亘って延びる螺旋状の巻取溝を備え、溝は細長い糸状素子が巻取素子5の全長に亘って均一に巻き取られることを確実にする。
【0053】
駆動手段は駆動ローラ15を含み、巻取素子5上に細長い糸状素子を巻き取るために、駆動ローラを巻取素子5と当接するよう配置し得る。駆動ローラ15が巻取素子及び巻糸8(図2、3b、3c、3eを参照)を押圧する力は、例えば、ガスバネ又は張力バネ20によって調節可能である。
【0054】
駆動ローラ15、案内ローラ16、及び、案内素子17は、第二支持アーム18b上に取り付けられ、支持アーム18bは第一支持アーム18aに旋回的に接続されている。既に上述されたように、支持アーム18aは撚糸シャフト7の第一端部7a上の軸受29内に取り付けられている。
【0055】
駆動ローラ15、案内ローラ16、及び、案内素子17と共に、支持体18(第一支持体18a及び第二支持体18b)から成る構造は、フレーム10内に浮遊的に取り付けられている。巻取シャフト6を第一支持シャフト18を取付可能であり、フランジ35を介して、それは半取付構造として機能する。そのために、第一支持シャフト18aは多数の取付孔37を備え、巻取シャフト6を第一支持アーム18aに接続するために、それらは取付ピン36を受容する働きをしている。図5a及び5bが明瞭に示すように、巻取素子5は巻取シャフト6上の軸受30内に取り付けられている。
【0056】
細長い糸状素子を巻取素子5上に巻き取る目的のための駆動ローラ15及び案内ローラ16の駆動は、以下の通り行われる。撚糸シャフト7の第一端部7aは、撚糸アーム付近に外周歯21を備え(図3b、3d、3f、5a、及び、5bを参照)、第一支持アーム18a上に取り付けられている第一歯車22を駆動するために、歯車付きベルト23がその上を通る。
【0057】
歯車付きベルトは幾つかの歯車伝動装置を介して駆動され(図3eを参照)、歯車付きベルト28は、駆動ローラ15及び案内ローラ16をそれぞれ回転するために、ローラ歯車15a及び案内ローラ歯車16aを駆動する(図3b、3c、3eを参照)。(ガスバネ20によって加えられる)調節可能な押下げ力の結果として、軸受30上の巻取素子5を回転するために(図5a及び5bを参照)、このようにして、駆動ローラ15は巻取素子5(及び巻取素子上に既に存在する巻糸8)に対して押し付けられる。
【0058】
駆動ローラ15は、装置を通じて細長い糸状素子を引き寄せる。細長い糸状素子は、入口孔3を介してフレーム10内に導入され、撚糸アーム11の方向に搬送され、案内リング38a(38b)の上を細長い糸状素子に沿って搬送されながら、フレーム10内の円運動が回転する撚糸シャフト7によって撚糸アームに与えられる。撚糸アーム11の前記円運動は、単位長当たり多数の回転(加撚又は撚り合わせ)を細長い糸状素子に与えるための第一の寄与をなす。
【0059】
糸状素子は案内目12を通じて通され、然る後、それはフィードスルー通路13及び直角ボア部分32aを介してボア32を通じて搬送される。細長い糸状素子は直角巻取シャフトボア33及び出口孔34を介してボアを出る。出口孔34は(フランジ35を備える巻取シャフト6、第一支持アーム18a、及び、第二支持アーム18bから成る)半取付構造の一部を形成するので、それは一緒に回転せず、回転する撚糸シャフト7は、ボア32内の細長い糸状素子に回転(加撚又は撚り合わせ)を再び与える。
【0060】
撚られた細長い糸状素子が出口孔34を出た後、案内素子17及び案内ローラ16の案内溝16bを介して駆動ローラ15によって巻取素子5上に巻き取られる前に、それは多数の案内ホイール19の上を搬送される。
【0061】
図3cが明瞭に示すように、案内リング38aは第一支持アーム18a上に取り付けられる。撚糸アームによって創成される細長い糸状素子の気球を捕捉から追加的に保護するために、第二案内リング38bを用い得る。細長い糸状素子が案内目12及びフィードスルー通路13を介して撚糸シャフト7の方向に搬送される前に、細長い糸状素子を第二ガイドリングの上に通し得る。気球内に一時的な不安定が生じるときに、細長い糸状素子が駆動構造(回転部分)と絡まることが防止されるので、第二案内リング38bの使用は、装置の動作の大幅な改良をもたらす。
【0062】
糸状素子の摩耗を防止するために、案内目12及び/又はフィードスルー通路13は増強された硬さの材料を備える。より具体的には、案内目12及びフィードスルー通路13はセラミック製の接触面を備え得る。フィードスルー通路13は図4ではスロットとして構成されているが、それを撚糸アーム11内の貫通ボアとしても構成し得る。
【0063】
図7a及び7bは、本発明に従った装置の他の特徴を示している。この場合には、装置は入口孔3付近に制動手段40を備え、制動手段は、一定量の内部伸張張力を用いて、細長い糸状素子を入口孔3を介して巻取/撚糸ユニットに向けて搬送する働きをする。
【0064】
制動手段40は支持プレート46上に配置され、支持プレートは支持ビーム4a上に取り付けられている。制動手段40は、3つの制動ホイール41,42,43から構成される第一制動ユニットを含む。制動ホイール41,43は、取付ピンの周りで支持プレート46に回転可能に接続され、制動ホイール42は、支持プレート46内に形成されたスロット46a内に移動可能に設けられている。スロット46a内の制動ホイール42の位置は調節可能であるので、それが案内ホイール41,42,43上に通されるときに、一定の内部織糸張力が細長い糸状素子に与えられる。
【0065】
細長い糸状素子内の張力は、最終的な撚られ且つ巻き取られた細長い糸状素子の品質のために、並びに、巻取/撚糸装置の動作のために極めて重要である。制動ホイール41,42,43によって通過する細長い糸状素子にもたらされる制動作用は、多かれ少なかれ一定である。
【0066】
制動手段は第二制動ユニットをさらに含み、第二制動ユニットは、上下に配置された2つの回転可能なリール素子44,45から構成され、各リール素子44,45は外周面に形成された溝44',45'を備える。図7bも参照。
【0067】
細長い糸状素子は、入口孔3を通じて装置内に導入される前に、幾つかの巻線で第一制動ユニット41,42,43から2つのリール素子44,45の平行な溝45',44'に案内される。好ましくは、リール素子の1つ、より具体的には、リール素子44は支持プレート46上に取り付けられたシャフト44a上で自由に回転可能であるのに対し、他のリール素子45はシャフト45a上で同様に回転可能であるが、この場合には、リール素子45の回転は電磁ブレーキ51によって制動される。
【0068】
これはシャフト44aの周りで自由に回転可能なリール素子44と対称的である。電磁ブレーキ51は渦電流原理に従って動作し、細長い糸状素子がリール素子から入口孔3の方向に外れるときに、溝45,44内の巻線内に存在する細長い糸状素子を減速し、その結果、調節可能な内部織糸張力が得られる。
【0069】
ブレーキを速度依存ヒステリシスブレーキとしても構成し得る。換言すれば、制動作用は装置の回転数に依存する。回転数が高ければ高いほど、通過する細長い糸状素子に対するブレーキの制動作用はより大きい。このようにして、装置の全速度範囲に亘って、より安定した気球が得られる。制動作用のオフセット及び大きさは調節可能である。
【0070】
図8は、撚糸シャフト7aのさらに他の実施態様を示している。この図では、撚糸シャフト7aを通じるボア32は、この実施態様ではセラミック製リング61a,61bの形態の摩擦減少手段を備え、それらは通過する細長い糸状素子のための案内面として作用する。さらに、セラミック製案内リング60a,60bが、一方では、撚糸アーム11内のフィードスルー通路13とボア32との間の移行部付近に配置され、他方では、ボア7aと巻取ボア34との間の移行部32b付近に配置されている。これは細長い糸状素子の可能な破砕及び摩耗を防止する。
【0071】
この構造を用いることによって、精巧な巻取装置が得られること、並びに、撚糸手段及び巻取手段の組み合わせの結果として、加撚(又は撚り合わせ)及び巻取り可能な単純化されたコンパクトな装置が得られることが理解されよう。
【0072】
細長い糸状素子における単位長当たり回転(加撚又は撚り合わせ)の回数は、撚糸アーム11及び撚糸シャフト7の回転速度のみならず、駆動ローラ15によって与えられるような巻取速度にも依存する。原理上、撚糸アーム11及び撚糸シャフト7の回転速度は、駆動手段2によって撚糸シャフトに与えられるときに、撚糸シャフト7の回転速度によって直接的に決定される。細長い糸状素子が本発明に従った装置に沿って搬送される速度は、駆動ローラ15の回転速度によって決定され、駆動ローラ15の回転速度は、歯車付きベルトのための正しい速度伝達比を選択することによって決定される。本発明に従った巻取装置は、リニアメータ当たり35+/−2のS又はZ回転(加撚又は撚り合わせ)を細長い糸状素子に与えることを可能にする。
【0073】
しかしながら、本発明に従った巻取装置を使用しているときは、巻取期間中、細長い糸状素子におけるS又はZ回転(加撚又は撚り合わせ)の回数を任意に調節し得る。
【0074】
1つの装置内の加撚/撚り合わせ及び巻取りの組み合わせは、撚られた或いは撚り合わされた織糸又は合成繊維の製造速度を大幅に増大することを可能にし、製造率及び製造能力に関してのみならず、巻出しに関する著しい向上をもたらす。
【0075】
回転(S又はZの加撚又は撚り合わせ)の回数及び巻取が行われる速度は相互依存的でない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に従った巻取装置の実施態様を示す切欠図である。
【図2】本発明に従った巻取装置の実施態様を示す詳細図である。
【図3a】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3b】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3c】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3d】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3e】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3f】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図4】本発明に従った巻取装置の特定構成部材を示す斜視図である。
【図5a】本発明に従った巻取装置の実施態様を示すさらなる断面図である。
【図5b】本発明に従った巻取装置の実施態様を示すさらなる断面図である。
【図6】本発明に従った巻取装置の他の特徴を示す斜視図である。
【図7a】本発明に従った巻取装置のさらなる特徴を示す詳細図である。
【図7b】本発明に従った巻取装置のさらなる特徴を示す詳細図である。
【図8】本発明に従った巻取装置実施態様を示す他の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの細長い糸状撚線から成る素子を巻取素子の上に巻き取る装置に関し、当該装置は、細長い糸状素子のための入口と、巻取シャフトの周りで回転可能に駆動されるべき巻取素子とを少なくとも備えるフレームを含み、当該装置は、少なくとも巻取素子を回転可能に駆動するための駆動手段をさらに含む。
【背景技術】
【0002】
繊維又は織糸業界において、繊維又は織糸(又は一般的に細長い糸状素子)は、さらなる処理のために、ボビンのような巻取素子上に巻き取られる。細長い糸状素子は、1つ又はそれ以上の撚線から成り得る。特定用途において、例えば、人工芝のスポーツ場の建設において使用される、押出成形法を用いた単連合成繊維の製造では、繊維を繰り出し且つその長手軸の周りで繊維を撚ることが望ましい。
【0003】
単一撚線の細長い糸状素子の場合には、この技法は「加撚」と呼ばれる。「加撚」後、単一撚線繊維は再び巻取素子上に巻き取られる。多撚線の細長い糸状素子もその長手軸の周りで同様に捩られ得る。この技法は「撚り合わせ」と呼ばれる。
【0004】
従って、本明細書において開示される装置は、単連及び多(1以上)連の細長い糸状素子の処理に適していることが留意されるべきである。
【0005】
所要の追加的な操作の故のみならず、巻取ステップ後の加撚/撚り合わせステップのための所要の追加的な製造時間の故にも、加撚或いは撚り合わせの細長い糸状素子を製造するそのような方法は骨が折れる。さらに、その上に合成繊維を多くの巻線で巻き取る巻取素子は、巻取装置から手動で取り外され、別個の加撚又は撚り合わせ装置内に配置されなければならない。この後者の操作は時間がかかり、所要の追加的な手動操作の故に、経済的理由及び人間工学的理由の双方のために魅力的ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の欠点を示されない冒頭において言及されたような装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、巻取装置は、撚糸手段がフレーム内に取り付けられ、細長い糸状素子が巻取素子上に巻き取られる前に、撚糸手段が単位長当たり1回又はそれ以上の回転を細長い糸状素子に与えることを特徴とする。
【0008】
本発明に従った装置の正しい理解のために、「回転」という用語は、「加撚」(単連の細長い糸状素子の場合)又は「撚り合わせ」(多連の細長い糸所素子の場合)を意味することが再度留意されるべきである。
【0009】
巻取り前に細長い糸状素子(例えば繊維又は織糸)を加撚又は撚り合わせ操作に晒すことによって、多数の追加的な操作ステップが省略される。これは繊維又は織糸の製造プロセスを短縮するだけでなく、プロセスの費用も削減する。全ての種類の追加的な人間光学的に余り魅力的でない手動操作が実施される必要がないという点で、後者の特徴はさらに増進される。
【0010】
さらに、別個の加撚又は撚り合わせ装置は最早不要であるので、本発明に従った巻取装置を用いることによって、よりコンパクトな構造が得られる。
【0011】
コンパクトであるが極めて機能的な本発明に従った巻取装置の構造は、撚糸手段が駆動手段によって回転可能に駆動されるべき撚糸シャフトを含み、撚糸シャフトの第一端部がフレーム内に位置し、撚糸シャフトの他の第二端部がフレームの外側に位置するよう、撚糸シャフトがフレーム内の軸受内に取り付けられるという点でさらに改良される。駆動手段は、少なくとも部分的に前記フレームの外側に配置され、撚糸手段の第二端部を回転可能に駆動し得る。この後者の特徴は、巻取装置の操作(読取り:駆動)が容易であることを確実にする。撚糸手段は、例えば、保守のために、フレーム内で直ちにアクセス可能であると同時に、取付構造の一部を構成する部分、例えば、駆動手段は、撚糸手段の最適な加撚又は撚り合わせ操作と干渉しない。
【0012】
具体的な実施態様において、巻取シャフト上の軸受内に巻取素子を取り付け可能であり、巻取シャフトは撚糸シャフトの第一端部に接続される。具体的な実施態様において、巻取シャフトは撚糸シャフトと整列されている。上記の特徴は、一方では、巻取素子と巻取シャフトとの間の、他方では、巻取シャフトと撚糸シャフトとの間の機械的フリーホイール又は断絶を確実にする。これは、巻取シャフトがフレーム内に自由に軸支され、半取付構造として機能することを保証し、後者の特徴は、一方では、コンパクトな構造をもたらすのに対し、この駆動構造は、他方では、前記シャフトを駆動するために単一且つ同一の駆動ユニットを使用することを可能にする。
【0013】
極めて具体的な実施態様では、それによって、単位長当たりの如何なる回数の回転(加撚又は撚り合わせ)も細長い糸状素子に極めて効率的に与えることができ、本発明に従った巻取装置は、撚糸シャフトの第一端部上に取り付けられた少なくとも1つの径方向に延びる撚糸アームをさらに含み、撚糸アームは、細長い糸状素子のためのフィードスルー通路を備え、フィードスルー通路は、撚糸アームの自由端部から撚糸シャフトに延びることを特徴とする。撚糸アームは、自由端に案内目を備えてもよく、案内目はフィードスルー通路に接続する。
【0014】
より具体的には、フィードスルー通路は、撚糸アームの表面に形成されたスロット又はボアであり、さらに、案内目及び/又はフィードスルー通路は、増大された硬さを有する材料を備える。より具体的には、案内目及び/又はフィードスルー通路は、セラミック製の案内面を備える。一方では、これらの特徴は、本発明に従った巻取装置の移動部分の摩耗を防止し、他方では、織糸の破砕を防止するために、それらは細長い糸状素子の織糸張力の制御の向上を実現することを助ける。
【0015】
具体的な実施態様において、撚糸アームが撚糸シャフトの周りを回転する間の撚糸アームの安定性の向上を得るために、撚糸アームは、撚糸アームの長手方向から見られるときに、撚糸シャフトの他端にカウンタウェイトを備える。
【0016】
追加的な特徴によれば、追加的な単位長当たり回転(加撚又は撚り合わせ)を細長い糸状素子に与えるための撚糸手段は、撚糸シャフトが長手のボアを備え、ボアは、一方では、撚糸アーム内に形成された前記フィードスルー通路と接続し、他方では、巻取シャフト内に形成された巻取ボアと接続することを特徴とする。
【0017】
具体的な実施態様において、ボアは、撚糸アーム内に形成されたフィードスルー通路との接続部付近で直角とされ得る。その場合には、巻取ボアも直角とされ得る。これらの特徴は、織糸の破砕を招き得る織糸張力の許容し難い増大の危険性なしに、撚糸アームから撚糸シャフト内のボアを通じて巻取シャフト及び巻取シャフト上に存在する巻取素子の方向への、細長い糸状素子の円滑な移送を保証する。
【0018】
本発明によれば、摩耗によって引き起こされる織糸の破砕の発生をさらに低減するために、撚糸シャフト内のボアは摩擦軽減手段を備え、摩擦軽減手段はボア内の1つ又はそれ以上のセラミック製の案内面を含み得る。
【0019】
コンパクトで軽量であるが特に極めて機能的な本発明の設計は、巻取シャフトが支持体を備え、巻取素子のための駆動手段が支持体上に位置することを特徴とする。支持体は、巻取シャフトに接続された第一支持シャフトと、第一支持シャフトに旋回的に接続された第二支持シャフトとから成り得る。
【0020】
巻取素子のための駆動手段の極めて単純であるが信頼性のある設計において、駆動手段は、第二支持アームに回転可能に取り付けられ、且つ、巻取素子と当接するよう配置され得る駆動ローラを含み得る。既に前述されたように、撚られた或いは撚り合わされた細長い糸状素子を巻き取る目的のために駆動素子を駆動するこの方法は、コンパクトなだけでなく安価でもある構造をもたらす。
【0021】
本発明によれば、出力手段によって調節可能な力を用いて、駆動ローラを巻取素子と当接するよう配置可能であり、出力手段は、ガスバネ又は張力バネを含むという点で、細長い糸状素子が巻取素子上に正確に巻き取られることが確実にされる。
【0022】
本発明によれば、巻取素子の全長に亘る細長い糸状素子の巻糸の適切な分布を確実にするために、駆動ローラと平行に延びる回転可能に駆動される案内ローラが、第二支持アーム上に取り付けられ、案内ローラは、細長い糸状素子を巻取素子に搬送するために、その周面上に亘って延びる巻取溝を備える。
【0023】
より具体的には、案内ローラと平行に延びる案内素子が第二支持アーム上に設けられ、細長い糸状素子を案内素子を越えて案内ローラの方向に搬送し得る。細長い糸状素子の可能な閉塞又は他の移送問題は、このようにして防止される。案内ローラは、巻取素子に亘る巻糸の極めて均一な分布を確実にする。
【0024】
具体的な実施態様において、撚糸シャフトの第一端部は、駆動ローラを介して巻取素子を駆動するための外周歯を備え、外周歯は、撚糸シャフトの回転によって、1つ又はそれ以上の歯車伝動装置を介して、駆動ローラ及び案内ローラを回転可能に駆動する。この特定の駆動構造は、巻取手段及び撚糸手段が、全く固定構造及び駆動手段なしに、フレーム内に取り付けられた巻取装置をもたらし、それはより一層効率的な巻取装置の操作を可能にする。
【0025】
さらに、これらの特徴は、1つの駆動手段だけを用いて、コンパクトな構造をもたらし、それは、既に上述されたように、フレームの外側に配置され、且つ、適切なベルト又はチェーン伝動装置を介して撚糸シャフトの第二端部を駆動し、それは、使用される特定のボア構造の故に、撚糸シャフト及び歯車伝動装置を介した織糸の撚糸を可能にする。これは頑丈で保守不要な構造ももたらす。
【0026】
装置内の撚糸シャフトから巻取素子への織糸又は繊維の滑らかな移送を確実にするために、本発明に従った支持体は、案内素子及び案内ローラを介して巻取ボアから巻取素子に細長い糸状素子を案内するための1つ又はそれ以上の案内ホイールを備える。
【0027】
本発明によれば、フレーム内への細長い糸状素子の導入によって引き起こされる装置のジャミングを防止し、よって、織糸の閉塞又は破砕を防止するために、案内手段が支持体上に設けられ、案内手段は、入口から到着する細長い糸状素子を巻取素子を越えて撚糸アームの方向に搬送するために、巻取シャフトの自由端部を越えて径方向に延びる。
【0028】
本発明に従った巻取装置は、例えば、合成織糸の製造プロセスの著しい単純化をもたらす。製造ラインに直接的に(押出成形機のような織糸製造装置の後方に直接的に)装置を組み込み得る。その結果として、織糸製造装置から出る織糸の撚糸及び巻取りは直接的に行われ得る。例えば、織糸破砕の場合には、入口側の撚糸アーム及び制動手段によって、織糸張力を制御するのは容易である。これは小型の巻取装置ももたらす。
【0029】
本発明は今や図面を参照してより詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下の記載において、同一部材は同一番号で表示されている。
【0031】
図1は、本発明に従った巻取装置の実施態様の概略図を示している。装置1は、幾つかの垂直部材及び水平部材から成るフレーム10で構成されている。本発明に従った巻取装置の全ての特定部分はシャフト7の周りに配置されており、シャフトは、図1に示されるように、シャフト7の第一端部7a(図示せず)がフレーム10の内部に延びるのに対し、シャフト7の他の第二端部7bはフレームの外側に延びるよう、フレーム10の支持梁10a内の軸受内に取り付けられている。シャフト7の第二端部7bはプーリとして構成され、無端キャリア、例えばVベルトをその上に通し得る。無端キャリアは、駆動手段2の駆動シャフト上に通されている。例えば、電気モータであり得る駆動手段2は、フレームの外側の固定構造に接続され、本発明に従った巻取装置の動作期間中、回転運動をシャフト7に伝達する。
【0032】
さらに、巻取シャフト6がフレーム10内に取り付けられ、巻取シャフト6上に巻取素子5を取り付け得る。細長い糸状素子(例えば織糸又は合成繊維)は、多数の巻糸8で巻取素子5上に巻き取られるようになっている。
【0033】
細長い糸状素子(繊維又は織糸)は入口孔3を介して装置内に導入される。入口孔3は支持ビーム4a,4b内に形成され、支持ビームはフレーム10内に旋回取付されている。保守又は修理のために、或いは、細長い糸状素子8がその上に巻き取られた巻取素子5を取り換えるために、フレーム10内部及びその内部に配置された部材へのより良好なアクセスをもたらすよう、これは供給孔3を備える支持ビーム4aを脇に揺動することを可能にする。
【0034】
図2は、本発明に従った巻取装置及びその関連部分の詳細図である。図3a乃至3fにおいて、巻取装置の構造は幾つかの異なる角度から示されている。それ自体は既知の本発明に従った巻取装置の部分は巻取シャフト6(図3a乃至3c)であり、巻取シャフト上で巻取素子5を軸受内に取り付け得る。従って、巻取素子5は巻取シャフト6に対して自由に回転可能である。
【0035】
巻取素子5が巻取シャフト6上に確実に取り付けられ/保持されるのを確実にするために、巻取シャフト6の自由端部6bはナット又はシャックルピンによって固定され、それは巻取素子5がシャフトから抜け出すのを防止している。
【0036】
本発明の本質的要素は、細長い糸状素子8が巻取素子5上に巻き取られる前に、1回又はそれ以上の回転(加撚又は撚り合わせ)を細長い糸状素子に与えることである。本発明によれば、巻取装置は撚糸手段を備え、撚糸手段は、細長い糸状素子が巻取素子5上に巻き取られる前に、1回又はそれ以上の回転(単連の細長い糸状素子の場合には「加撚」或いは多連の細長い糸状素子の場合には「撚り合わせ」)を細長い糸状素子8(合成繊維又は織糸)に与える。
【0037】
撚糸手段の本質的要素は、既に図1及び2に示されたような撚糸シャフト7であり、その自由端部7bは、ベルト又はプーリ伝動装置を介して、例えば電気モータのような駆動手段によって回転される。撚糸シャフト7とベルトプーリ7bとの間にフリーホイール結合を配置し得る。
【0038】
撚糸シャフト7は、撚糸シャフト7の端部7aがフレーム10内に延びるよう、フレーム10の梁10a内の軸受内に取り付けられている(図1を参照)。撚糸アーム11が撚糸シャフト7の第一端部7aに取り付けられ、撚糸アームは撚糸シャフト7から径方向に延びている。撚糸アーム11は、自由端部11aと、カウンターウェイトとして機能するプレート部材11bとを含む。
【0039】
撚糸シャフト7はフレーム10内の軸受内に取り付けられているので、撚糸シャフトが駆動手段によって駆動されるとき、撚糸シャフトは回転し、径方向に延びる撚糸アームも同様である。動作中、撚糸アームは、撚糸シャフト7をその中心として備えた円運動を描き、撚糸アーム11の自由端部11aは、巻取素子5上に巻き取られた後に細長い糸状素子が到達し得る最大半径と少なくとも同一であり、好ましくはそれよりも大きな半径を有する円を描く。
【0040】
細長い糸状素子に回転(加撚又は撚り合わせ)を与えるために、糸状素子は入口孔(図1を参照)を介してフレーム10内に導入され、撚糸アーム11の自由端部11aの方向に搬送される。図4により詳細に示されているように、自由端部11aは案内目12を備える。さらに、撚糸アーム11はフィードスルー通路13を備え、フィードスルー通路13は、案内孔12から撚糸アーム11が撚糸シャフト7の第一端部7a上に取り付けられる位置に向かう長手方向に延びている。
【0041】
入口孔を介して導入される細長い糸状素子は、フレーム10を通じて巻取シャフト6/巻取素子5上に搬送され、案内孔12を通じて、さらに、フィードスルー通路13を介して撚糸シャフト7の方向に搬送される。動作中、撚糸アーム11は円運動を受け、円運動は入口孔3及び案内孔12を通じて搬送される細長い糸状素子を巻取シャフト6の周りに放り出させる。
【0042】
このようにして創成される細長い糸状素子の気球(balloon)が、織糸破砕の付随的危険を備えて、様々な部分の背後に捕捉されるのを防止するために、案内手段38a,38bがフレーム10内に設けられている。従って、案内手段38(38b、図3fを参照)は入口孔3と巻取シャフト6との間に配置され、巻取シャフト6の自由端部6bを越えて径方向に延びている。この実施態様において、案内手段38a,38bは、巻糸8を備える巻取素子5が到達し得る最大半径よりも大幅に大きな半径を有する円形管として構成されている。より具体的には、案内リング38a,38bの外側半径は、径方向に見られるとき、撚糸アーム11の長さと少なくとも等しい。
【0043】
撚糸アーム11が撚糸シャフト7と共に受ける回転運動期間中、細長い糸状素子は案内リング38a上に引き寄せられるので、装置のジャミング及び可能な織糸破砕は防止される。
【0044】
図3fは、本発明に従った巻取装置の他の実施態様を示しており、そこでは、1つの案内リング38aの代わりに2つの案内リング38a,38bが用いられ、それらの案内リングによって、細長い糸状素子内の気球の創成、装置のジャミング、及び、可能な糸破砕が回避される。
【0045】
図5a及び5bが示すように、案内孔12を介して撚糸アーム11のフィードスルー通路13を通じて搬送される糸状素子は、撚糸シャフト7内に形成されたボア32を通じて搬送される。撚糸シャフト7の第一端部7aにおける(撚糸アーム11上の)垂直向きフィードスルー通路13から水平方向に延びるボア32の通過を容易化するために、ボア32は直角部分32aを介してフィードスルー通路13に接続している。
【0046】
図5a及び5bに明瞭に示されるように、第一端部7aは、軸受29によって半取付構造に自由回転可能に接続されており、半取付構造は、巻取素子6のフランジ35と、支持アーム18a,18bを含む支持体18(未だ説明されていない)とによって示されている。
【0047】
この構造の故に、巻取シャフト6は撚糸シャフト7に対してフレーム10内で自由に回転可能である。
【0048】
図5aに明瞭に示されるように、巻取シャフト6のフランジ35も同様にボア32を備え、それは32bで指し示される場所でボア32と接続している。ボア33が出口孔34内に開口するよう、巻取シャフト6内のボア32も同様に直角を示し、出口孔34は巻取シャフト6のフランジ35の外面に形成されている。巻取シャフト6、フランジ35、及び、支持体18,18a,18bは、回転する撚糸シャフト7に対して固定的(半取付構造)であるので、ボア32を通じて搬送される細長い糸状素子に追加的な回転(加撚又は撚り合わせ)を与え得る。出口孔から出る細長い糸状素子は今や単位長当たり数回の回転(加撚又は撚り合わせ)を含み、数回の巻糸で巻取素子5上に巻き取られなければならない。
【0049】
図3a、3c、3d、より詳細には、図3fを参照すると、巻取素子5上に巻き取られる目的のために細長い糸状素子が案内ローラ16の巻取溝内に収容される前に、細長い糸状素子は多数の案内ホイール19を介して案内素子17に搬送される。
【0050】
よって、細長い糸状素子は、最終の案内ホイール19から、弁髪形状に屈曲された目19'の方向に織糸弛緩体の案内ディスク39a上に走っている。案内ディスク39aは、細長い糸状素子を受容するための溝(例えば、平面溝又はV形状溝)を備え、磁気結合(図示せず)を介して回転シャフト(図示せず)によって駆動される。磁気結合は渦電流の原理に従って動作する。前記シャフトは織糸弛緩体39を通じて搬送され、歯車伝達装置24,25,26及び第一歯車伝達装置21,22,23を介して撚糸シャフト7によって駆動されている。
【0051】
案内ディスク39aは、細長い糸状素子の方向に回転する。前記の歯車伝動装置及び磁気結合の適切に選択された速度伝達比の結果として、回転する案内ディスク39aの速度は、細長い糸状素子が装置を通じて搬送される速度よりも高い。これは織糸弛緩体が細長い糸状素子内に存在し得る如何なる伸張も低減可能にする。このため、ボビンの硬さは一定レベルに保たれる。巻取プロセス中の極めて高い織糸張力は硬いボビンを招く。
【0052】
案内ローラ16(図3b及び3fを参照)は、その外面に亘って延びる螺旋状の巻取溝を備え、溝は細長い糸状素子が巻取素子5の全長に亘って均一に巻き取られることを確実にする。
【0053】
駆動手段は駆動ローラ15を含み、巻取素子5上に細長い糸状素子を巻き取るために、駆動ローラを巻取素子5と当接するよう配置し得る。駆動ローラ15が巻取素子及び巻糸8(図2、3b、3c、3eを参照)を押圧する力は、例えば、ガスバネ又は張力バネ20によって調節可能である。
【0054】
駆動ローラ15、案内ローラ16、及び、案内素子17は、第二支持アーム18b上に取り付けられ、支持アーム18bは第一支持アーム18aに旋回的に接続されている。既に上述されたように、支持アーム18aは撚糸シャフト7の第一端部7a上の軸受29内に取り付けられている。
【0055】
駆動ローラ15、案内ローラ16、及び、案内素子17と共に、支持体18(第一支持体18a及び第二支持体18b)から成る構造は、フレーム10内に浮遊的に取り付けられている。巻取シャフト6を第一支持シャフト18を取付可能であり、フランジ35を介して、それは半取付構造として機能する。そのために、第一支持シャフト18aは多数の取付孔37を備え、巻取シャフト6を第一支持アーム18aに接続するために、それらは取付ピン36を受容する働きをしている。図5a及び5bが明瞭に示すように、巻取素子5は巻取シャフト6上の軸受30内に取り付けられている。
【0056】
細長い糸状素子を巻取素子5上に巻き取る目的のための駆動ローラ15及び案内ローラ16の駆動は、以下の通り行われる。撚糸シャフト7の第一端部7aは、撚糸アーム付近に外周歯21を備え(図3b、3d、3f、5a、及び、5bを参照)、第一支持アーム18a上に取り付けられている第一歯車22を駆動するために、歯車付きベルト23がその上を通る。
【0057】
歯車付きベルトは幾つかの歯車伝動装置を介して駆動され(図3eを参照)、歯車付きベルト28は、駆動ローラ15及び案内ローラ16をそれぞれ回転するために、ローラ歯車15a及び案内ローラ歯車16aを駆動する(図3b、3c、3eを参照)。(ガスバネ20によって加えられる)調節可能な押下げ力の結果として、軸受30上の巻取素子5を回転するために(図5a及び5bを参照)、このようにして、駆動ローラ15は巻取素子5(及び巻取素子上に既に存在する巻糸8)に対して押し付けられる。
【0058】
駆動ローラ15は、装置を通じて細長い糸状素子を引き寄せる。細長い糸状素子は、入口孔3を介してフレーム10内に導入され、撚糸アーム11の方向に搬送され、案内リング38a(38b)の上を細長い糸状素子に沿って搬送されながら、フレーム10内の円運動が回転する撚糸シャフト7によって撚糸アームに与えられる。撚糸アーム11の前記円運動は、単位長当たり多数の回転(加撚又は撚り合わせ)を細長い糸状素子に与えるための第一の寄与をなす。
【0059】
糸状素子は案内目12を通じて通され、然る後、それはフィードスルー通路13及び直角ボア部分32aを介してボア32を通じて搬送される。細長い糸状素子は直角巻取シャフトボア33及び出口孔34を介してボアを出る。出口孔34は(フランジ35を備える巻取シャフト6、第一支持アーム18a、及び、第二支持アーム18bから成る)半取付構造の一部を形成するので、それは一緒に回転せず、回転する撚糸シャフト7は、ボア32内の細長い糸状素子に回転(加撚又は撚り合わせ)を再び与える。
【0060】
撚られた細長い糸状素子が出口孔34を出た後、案内素子17及び案内ローラ16の案内溝16bを介して駆動ローラ15によって巻取素子5上に巻き取られる前に、それは多数の案内ホイール19の上を搬送される。
【0061】
図3cが明瞭に示すように、案内リング38aは第一支持アーム18a上に取り付けられる。撚糸アームによって創成される細長い糸状素子の気球を捕捉から追加的に保護するために、第二案内リング38bを用い得る。細長い糸状素子が案内目12及びフィードスルー通路13を介して撚糸シャフト7の方向に搬送される前に、細長い糸状素子を第二ガイドリングの上に通し得る。気球内に一時的な不安定が生じるときに、細長い糸状素子が駆動構造(回転部分)と絡まることが防止されるので、第二案内リング38bの使用は、装置の動作の大幅な改良をもたらす。
【0062】
糸状素子の摩耗を防止するために、案内目12及び/又はフィードスルー通路13は増強された硬さの材料を備える。より具体的には、案内目12及びフィードスルー通路13はセラミック製の接触面を備え得る。フィードスルー通路13は図4ではスロットとして構成されているが、それを撚糸アーム11内の貫通ボアとしても構成し得る。
【0063】
図7a及び7bは、本発明に従った装置の他の特徴を示している。この場合には、装置は入口孔3付近に制動手段40を備え、制動手段は、一定量の内部伸張張力を用いて、細長い糸状素子を入口孔3を介して巻取/撚糸ユニットに向けて搬送する働きをする。
【0064】
制動手段40は支持プレート46上に配置され、支持プレートは支持ビーム4a上に取り付けられている。制動手段40は、3つの制動ホイール41,42,43から構成される第一制動ユニットを含む。制動ホイール41,43は、取付ピンの周りで支持プレート46に回転可能に接続され、制動ホイール42は、支持プレート46内に形成されたスロット46a内に移動可能に設けられている。スロット46a内の制動ホイール42の位置は調節可能であるので、それが案内ホイール41,42,43上に通されるときに、一定の内部織糸張力が細長い糸状素子に与えられる。
【0065】
細長い糸状素子内の張力は、最終的な撚られ且つ巻き取られた細長い糸状素子の品質のために、並びに、巻取/撚糸装置の動作のために極めて重要である。制動ホイール41,42,43によって通過する細長い糸状素子にもたらされる制動作用は、多かれ少なかれ一定である。
【0066】
制動手段は第二制動ユニットをさらに含み、第二制動ユニットは、上下に配置された2つの回転可能なリール素子44,45から構成され、各リール素子44,45は外周面に形成された溝44',45'を備える。図7bも参照。
【0067】
細長い糸状素子は、入口孔3を通じて装置内に導入される前に、幾つかの巻線で第一制動ユニット41,42,43から2つのリール素子44,45の平行な溝45',44'に案内される。好ましくは、リール素子の1つ、より具体的には、リール素子44は支持プレート46上に取り付けられたシャフト44a上で自由に回転可能であるのに対し、他のリール素子45はシャフト45a上で同様に回転可能であるが、この場合には、リール素子45の回転は電磁ブレーキ51によって制動される。
【0068】
これはシャフト44aの周りで自由に回転可能なリール素子44と対称的である。電磁ブレーキ51は渦電流原理に従って動作し、細長い糸状素子がリール素子から入口孔3の方向に外れるときに、溝45,44内の巻線内に存在する細長い糸状素子を減速し、その結果、調節可能な内部織糸張力が得られる。
【0069】
ブレーキを速度依存ヒステリシスブレーキとしても構成し得る。換言すれば、制動作用は装置の回転数に依存する。回転数が高ければ高いほど、通過する細長い糸状素子に対するブレーキの制動作用はより大きい。このようにして、装置の全速度範囲に亘って、より安定した気球が得られる。制動作用のオフセット及び大きさは調節可能である。
【0070】
図8は、撚糸シャフト7aのさらに他の実施態様を示している。この図では、撚糸シャフト7aを通じるボア32は、この実施態様ではセラミック製リング61a,61bの形態の摩擦減少手段を備え、それらは通過する細長い糸状素子のための案内面として作用する。さらに、セラミック製案内リング60a,60bが、一方では、撚糸アーム11内のフィードスルー通路13とボア32との間の移行部付近に配置され、他方では、ボア7aと巻取ボア34との間の移行部32b付近に配置されている。これは細長い糸状素子の可能な破砕及び摩耗を防止する。
【0071】
この構造を用いることによって、精巧な巻取装置が得られること、並びに、撚糸手段及び巻取手段の組み合わせの結果として、加撚(又は撚り合わせ)及び巻取り可能な単純化されたコンパクトな装置が得られることが理解されよう。
【0072】
細長い糸状素子における単位長当たり回転(加撚又は撚り合わせ)の回数は、撚糸アーム11及び撚糸シャフト7の回転速度のみならず、駆動ローラ15によって与えられるような巻取速度にも依存する。原理上、撚糸アーム11及び撚糸シャフト7の回転速度は、駆動手段2によって撚糸シャフトに与えられるときに、撚糸シャフト7の回転速度によって直接的に決定される。細長い糸状素子が本発明に従った装置に沿って搬送される速度は、駆動ローラ15の回転速度によって決定され、駆動ローラ15の回転速度は、歯車付きベルトのための正しい速度伝達比を選択することによって決定される。本発明に従った巻取装置は、リニアメータ当たり35+/−2のS又はZ回転(加撚又は撚り合わせ)を細長い糸状素子に与えることを可能にする。
【0073】
しかしながら、本発明に従った巻取装置を使用しているときは、巻取期間中、細長い糸状素子におけるS又はZ回転(加撚又は撚り合わせ)の回数を任意に調節し得る。
【0074】
1つの装置内の加撚/撚り合わせ及び巻取りの組み合わせは、撚られた或いは撚り合わされた織糸又は合成繊維の製造速度を大幅に増大することを可能にし、製造率及び製造能力に関してのみならず、巻出しに関する著しい向上をもたらす。
【0075】
回転(S又はZの加撚又は撚り合わせ)の回数及び巻取が行われる速度は相互依存的でない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に従った巻取装置の実施態様を示す切欠図である。
【図2】本発明に従った巻取装置の実施態様を示す詳細図である。
【図3a】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3b】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3c】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3d】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3e】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図3f】図2に示される実施態様を多様な方向から示す詳細図である。
【図4】本発明に従った巻取装置の特定構成部材を示す斜視図である。
【図5a】本発明に従った巻取装置の実施態様を示すさらなる断面図である。
【図5b】本発明に従った巻取装置の実施態様を示すさらなる断面図である。
【図6】本発明に従った巻取装置の他の特徴を示す斜視図である。
【図7a】本発明に従った巻取装置のさらなる特徴を示す詳細図である。
【図7b】本発明に従った巻取装置のさらなる特徴を示す詳細図である。
【図8】本発明に従った巻取装置実施態様を示す他の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの細長い糸状撚線から成る素子のための入口と、巻取軸の周りで回転可能に駆動されるべき巻取素子とを少なくとも含むフレームを含み、少なくとも前記巻取素子を回転可能に駆動するための駆動手段をさらに含む、前記細長い糸状素子を前記巻取素子上に巻き取るための装置であって、
撚糸手段が前記フレーム内に取り付けられ、前記撚糸手段は、前記細長い糸状素子が前記巻取素子上に巻き取られる前に、単位長当たり1回又はそれ以上の回転を前記細長い糸状素子に与えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記撚糸手段は、前記駆動手段によって回転可能に駆動されるべき撚糸シャフトを含み、該撚糸シャフトは、前記撚糸シャフトの第一端部が前記フレーム内に位置し、前記撚糸シャフトの他の第二端部が前記フレームの外側に位置するよう、前記フレーム内の軸受内に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、少なくとも部分的に前記フレームの外側に配置され、前記撚糸手段の前記第二端部を回転可能に駆動することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
巻取シャフト上の軸受内に前記巻取素子を取り付け可能であり、前記巻取シャフトは、前記撚糸シャフトの前記第一端部に接続されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記巻取シャフトは前記撚糸シャフトと整列していることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記撚糸手段は、前記撚糸シャフトの前記第一端部上に取り付けられた少なくとも1つの径方向に延びる撚糸アームをさらに含み、該撚糸アームは、前記細長い糸状素子のためのフィードスルー通路を備え、該フィードスルー通路は、前記撚糸アームの自由端部から前記撚糸シャフトに延びることを特徴とする、請求項2乃至5のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記撚糸アームは、前記自由端に案内目を備え、該案内目は前記フィードスルー通路に接続することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記フィードスルー通路は、前記撚糸アームの表面に形成されたスロットであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記フィードスルー通路は、前記撚糸アームの表面に形成されたボアであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項10】
前記案内目及び/又はフィードスルー通路は、増大された硬さを有する材料を備えることを特徴とする、請求項6乃至9のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記案内目及び/又はフィードスルー通路は、セラミック製の案内面を備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記撚糸アームは、前記撚糸アームの長手方向から見られるときに、前記撚糸シャフトの他端にカウンタウェイトを備えることを特徴とする、請求項6乃至11のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項13】
前記撚糸シャフトは長手のボアを備え、該ボアは、一方では、前記撚糸アーム内に形成された前記フィードスルー通路と接続し、他方では、前記巻取シャフト内に形成された巻取ボアと接続することを特徴とする、請求項2乃至12のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項14】
前記ボアは、前記撚糸アーム内に形成された前記フィードスルー通路との接続部の付近で直角であることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記巻取ボアは直角であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記撚糸シャフト内の前記ボアは、摩擦減少手段を備えることを特徴とする、請求項12乃至15のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項17】
前記摩擦減少手段は、前記ボア内の1つ又はそれ以上のセラミック製の案内面を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記巻取シャフトは支持体を備え、前記巻取素子のための前記駆動手段は前記支持体上に位置することを特徴とする、上記請求項のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項19】
前記支持体は、前記巻取シャフトに接続された第一支持シャフトと、該第一支持シャフトに旋回的に接続された第二支持シャフトとから成ることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記駆動手段は、前記第二支持アームに回転可能に取り付けられ、且つ、前記巻取素子と当接するよう配置され得る駆動ローラを含むことを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
出力手段によって調節可能な力を用いて、前記駆動ローラを前記巻取素子と当接するよう配置し得ることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記出力手段は、ガスバネ又は張力バネを含むことを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記駆動ローラと平行に延びる回転可能に駆動される案内ローラが、前記第二支持アーム上に取り付けられ、前記案内ローラは、前記細長い糸状素子を前記巻取素子に搬送するために、その周面上に亘って延在する巻取溝を備えることを特徴とする、請求項19乃至22のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項24】
前記案内ローラと平行に延びる案内素子が前記第二支持アーム上に設けられ、前記細長い糸状素子を前記案内素子を越えて前記案内ローラの方向に搬送し得ることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記撚糸シャフトの前記第一端部は、前記駆動ローラを介して前記巻取素子を駆動するための外周歯を備え、該外周歯は、前記撚糸シャフトの回転によって、1つ又はそれ以上の歯車伝動装置を介して、前記駆動ローラ及び前記案内ローラを回転可能に駆動することを特徴とする、請求項23又は24に記載の装置。
【請求項26】
前記支持体は、前記案内素子及び前記案内ローラを介して前記巻取ボアから前記巻取素子に前記細長い糸状素子を案内するための1つ又はそれ以上の案内ホイールを備えることを特徴とする、請求項20乃至25のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項27】
案内手段が前記支持体上に設けられ、前記案内手段は、前記入口から到着する前記細長い糸状素子を前記巻取素子を越えて前記撚糸アームの方向に搬送するために、前記巻取シャフトの前記自由端部を越えて径方向に延びることを特徴とする、請求項2乃至26のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項28】
前記細長い糸状素子のための制動手段が前記入口孔付近に設けられていることを特徴とする、上記請求項のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項29】
前記制動手段は、少なくとも3つの制動ホイールから構成される第一制動ユニットを含み、少なくとも1つの制動ホイールが他の制動ホールに対して移動可能な状態で、前記細長い糸状素子を前記制動手段を越えて通し得ることを特徴とする、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記制動手段は、2つの離間した回転可能な制動素子から成る第二制動ユニットをさらに含み、各制動素子は、前記細長い糸状素子の多数の巻糸8を受容するために、その周面に形成された多数の巻取溝を備えることを特徴とする、請求項28又は29に記載の装置。
【請求項31】
少なくとも1つの制動素子は、当該装置内で自由に回転可能であることを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
少なくとも他の制動素子は、例えば電磁ブレーキのような摩擦ブレーキを介して当該装置内に回転可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項30又は31に記載の装置。
【請求項33】
前記細長い糸状素子内の張力を解放するために、弛緩手段が前記フレーム内に存在することを特徴とする、上記請求項のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項34】
前記弛緩手段は、前記細長い糸状素子のために回転可能に駆動される案内ディスクを含むことを特徴とする、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記案内ディスクの回転方向、及び、前記細長い糸状素子の移送方向は、同様に向けられていることを特徴とする、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
磁気結合を介して前記案内ディスクを駆動し得ることを特徴とする、請求項34又は35に記載の装置。
【請求項37】
前記案内ディスクは溝を備えることを特徴とする、請求項33乃至36のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項38】
前記弛緩手段は前記支持体上に存在することを特徴とする、請求項33乃至37のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項1】
少なくとも1つの細長い糸状撚線から成る素子のための入口と、巻取軸の周りで回転可能に駆動されるべき巻取素子とを少なくとも含むフレームを含み、少なくとも前記巻取素子を回転可能に駆動するための駆動手段をさらに含む、前記細長い糸状素子を前記巻取素子上に巻き取るための装置であって、
撚糸手段が前記フレーム内に取り付けられ、前記撚糸手段は、前記細長い糸状素子が前記巻取素子上に巻き取られる前に、単位長当たり1回又はそれ以上の回転を前記細長い糸状素子に与えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記撚糸手段は、前記駆動手段によって回転可能に駆動されるべき撚糸シャフトを含み、該撚糸シャフトは、前記撚糸シャフトの第一端部が前記フレーム内に位置し、前記撚糸シャフトの他の第二端部が前記フレームの外側に位置するよう、前記フレーム内の軸受内に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、少なくとも部分的に前記フレームの外側に配置され、前記撚糸手段の前記第二端部を回転可能に駆動することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
巻取シャフト上の軸受内に前記巻取素子を取り付け可能であり、前記巻取シャフトは、前記撚糸シャフトの前記第一端部に接続されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記巻取シャフトは前記撚糸シャフトと整列していることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記撚糸手段は、前記撚糸シャフトの前記第一端部上に取り付けられた少なくとも1つの径方向に延びる撚糸アームをさらに含み、該撚糸アームは、前記細長い糸状素子のためのフィードスルー通路を備え、該フィードスルー通路は、前記撚糸アームの自由端部から前記撚糸シャフトに延びることを特徴とする、請求項2乃至5のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記撚糸アームは、前記自由端に案内目を備え、該案内目は前記フィードスルー通路に接続することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記フィードスルー通路は、前記撚糸アームの表面に形成されたスロットであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記フィードスルー通路は、前記撚糸アームの表面に形成されたボアであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項10】
前記案内目及び/又はフィードスルー通路は、増大された硬さを有する材料を備えることを特徴とする、請求項6乃至9のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記案内目及び/又はフィードスルー通路は、セラミック製の案内面を備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記撚糸アームは、前記撚糸アームの長手方向から見られるときに、前記撚糸シャフトの他端にカウンタウェイトを備えることを特徴とする、請求項6乃至11のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項13】
前記撚糸シャフトは長手のボアを備え、該ボアは、一方では、前記撚糸アーム内に形成された前記フィードスルー通路と接続し、他方では、前記巻取シャフト内に形成された巻取ボアと接続することを特徴とする、請求項2乃至12のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項14】
前記ボアは、前記撚糸アーム内に形成された前記フィードスルー通路との接続部の付近で直角であることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記巻取ボアは直角であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記撚糸シャフト内の前記ボアは、摩擦減少手段を備えることを特徴とする、請求項12乃至15のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項17】
前記摩擦減少手段は、前記ボア内の1つ又はそれ以上のセラミック製の案内面を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記巻取シャフトは支持体を備え、前記巻取素子のための前記駆動手段は前記支持体上に位置することを特徴とする、上記請求項のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項19】
前記支持体は、前記巻取シャフトに接続された第一支持シャフトと、該第一支持シャフトに旋回的に接続された第二支持シャフトとから成ることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記駆動手段は、前記第二支持アームに回転可能に取り付けられ、且つ、前記巻取素子と当接するよう配置され得る駆動ローラを含むことを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
出力手段によって調節可能な力を用いて、前記駆動ローラを前記巻取素子と当接するよう配置し得ることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記出力手段は、ガスバネ又は張力バネを含むことを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記駆動ローラと平行に延びる回転可能に駆動される案内ローラが、前記第二支持アーム上に取り付けられ、前記案内ローラは、前記細長い糸状素子を前記巻取素子に搬送するために、その周面上に亘って延在する巻取溝を備えることを特徴とする、請求項19乃至22のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項24】
前記案内ローラと平行に延びる案内素子が前記第二支持アーム上に設けられ、前記細長い糸状素子を前記案内素子を越えて前記案内ローラの方向に搬送し得ることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記撚糸シャフトの前記第一端部は、前記駆動ローラを介して前記巻取素子を駆動するための外周歯を備え、該外周歯は、前記撚糸シャフトの回転によって、1つ又はそれ以上の歯車伝動装置を介して、前記駆動ローラ及び前記案内ローラを回転可能に駆動することを特徴とする、請求項23又は24に記載の装置。
【請求項26】
前記支持体は、前記案内素子及び前記案内ローラを介して前記巻取ボアから前記巻取素子に前記細長い糸状素子を案内するための1つ又はそれ以上の案内ホイールを備えることを特徴とする、請求項20乃至25のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項27】
案内手段が前記支持体上に設けられ、前記案内手段は、前記入口から到着する前記細長い糸状素子を前記巻取素子を越えて前記撚糸アームの方向に搬送するために、前記巻取シャフトの前記自由端部を越えて径方向に延びることを特徴とする、請求項2乃至26のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項28】
前記細長い糸状素子のための制動手段が前記入口孔付近に設けられていることを特徴とする、上記請求項のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項29】
前記制動手段は、少なくとも3つの制動ホイールから構成される第一制動ユニットを含み、少なくとも1つの制動ホイールが他の制動ホールに対して移動可能な状態で、前記細長い糸状素子を前記制動手段を越えて通し得ることを特徴とする、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記制動手段は、2つの離間した回転可能な制動素子から成る第二制動ユニットをさらに含み、各制動素子は、前記細長い糸状素子の多数の巻糸8を受容するために、その周面に形成された多数の巻取溝を備えることを特徴とする、請求項28又は29に記載の装置。
【請求項31】
少なくとも1つの制動素子は、当該装置内で自由に回転可能であることを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
少なくとも他の制動素子は、例えば電磁ブレーキのような摩擦ブレーキを介して当該装置内に回転可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項30又は31に記載の装置。
【請求項33】
前記細長い糸状素子内の張力を解放するために、弛緩手段が前記フレーム内に存在することを特徴とする、上記請求項のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項34】
前記弛緩手段は、前記細長い糸状素子のために回転可能に駆動される案内ディスクを含むことを特徴とする、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記案内ディスクの回転方向、及び、前記細長い糸状素子の移送方向は、同様に向けられていることを特徴とする、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
磁気結合を介して前記案内ディスクを駆動し得ることを特徴とする、請求項34又は35に記載の装置。
【請求項37】
前記案内ディスクは溝を備えることを特徴とする、請求項33乃至36のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【請求項38】
前記弛緩手段は前記支持体上に存在することを特徴とする、請求項33乃至37のうちのいずれか1つ又はそれ以上の請求項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【公表番号】特表2007−508466(P2007−508466A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532149(P2006−532149)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000713
【国際公開番号】WO2005/035844
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(505183196)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000713
【国際公開番号】WO2005/035844
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(505183196)
【Fターム(参考)】
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