説明

組み合わせ先端部用ラック

【課題】各ピペット先端部は使用後に、隣り合うピペット先端部同士を汚染せずにラック内へと載置され得るラックを提供する。
【解決手段】本発明は、再使用可能な複数のピペット先端部3、4を保持する三部材式のラック60に関する。該ラック60は、上側ラック1、下側ラック2、及び、挿入ラック14を備えて成る。該ラック60は、第1及び第2形式の複数のピペット先端部3、4を保持するために最適化されると共に、汚染防止機能を備えて成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端部用ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
斯かる先端部用ラックは、ひとつの容器から別の容器へと液体サンプルを移し換えるために使用される複数のピペット先端部を備えて成る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,846,456号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
斯かる先端部は使い捨て可能であるが、少なくとも一回は再使用され得る。先端部用ラックは通常、分析システムにおいて、該システムに対して液体を分注するピペット先端部を格納して提供するために使用される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数のピペット先端部を保持するラックに関する。該ラックは、少なくとも、第1形式の複数のピペット先端部と、第2形式の複数のピペット先端部とを収容する複数の個別チャンバを備えて成る。
【0006】
斯かるラックは、各ピペット先端部は使用後に、隣り合うピペット先端部同士を汚染せずに該ラック内へと載置され得るという利点を有する。
【0007】
本発明はまた、
分析対象物を単離して精製する分離モジュールであって、複数のピペット先端部を保持するラックであって、少なくとも、第1形式の複数のピペット先端部と、第2形式の複数のピペット先端部とを収容する複数の個別チャンバを備えて成るというラックを保持する保持ステーションを備えて成るという分離モジュールと、
上記精製済み分析対象物を試薬と反応させて、検出可能信号を獲得する分析モジュールと、
を備えて成る分析機器にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】複数のピペット先端部が装填された組立て済みラックを示す図である。
【図2】先端部が装填されないラックを示す図である。
【図3】2つの形式のピペット先端部が装填されたラックの長寸側壁の断面図である。
【図4】下側ラックの頂部側の斜視図である。
【図5】下側ラックの底部部分の斜視図である。
【図6】挿入ラックの頂部側の斜視図である。
【図7】上記挿入ラックの底部部分の斜視図である。
【図8】上記上側ラックの頂部側の斜視図である。
【図9】上記上側ラックの底部部分の斜視図である。
【図10】複数のピペット先端部が装填された組立て済みラックの部分的断面図である。
【図11】ピペット先端部が装填されない組立て済みラックの部分的断面図である。
【図12】貫通ボア孔上に着座する第1形式の複数の先端部の詳細による、複数のピペット先端部が装填された上記上側ラックの斜視図である。
【図13】貫通ボア孔の縁部上に着座する第2形式の複数の先端部の詳細による、複数のピペット先端部が装填された上記上側ラックの斜視図である。
【図14】(a)は第1及び第2形式の複数のピペット先端部の斜視図であり、且つ、(b)はピペット・ニードルを示す図である。
【図15】処理ヘッドの底部上の位置決め要素と、上記処理ヘッドを第1形式の複数のピペット先端部に対して整列させる上記上側ラックの頂部上の位置決め要素との整列を示す詳細な斜視図である。
【図16】上記処理ヘッドの底部上の位置決め要素と上記上側ラックの頂部上の位置決め要素との係合を示す詳細な斜視図である。
【図17】処理ヘッドの底部上の位置決め要素と、上記処理ヘッドを第2形式の複数のピペット先端部に対して整列させる上記上側ラックの頂部上の位置決め要素との整列を示す詳細な斜視図である。
【図18】第2形式の複数のピペット先端部の係合の後における上記処理ヘッドの詳細な斜視図である。
【図19】分析器内における上記ラックの初期位置決めのための、該ラックの側壁上及び処理デッキ上の夫々の位置決め要素の斜視図である。
【図20】分析器内における上記ラックの初期位置決めのための、該ラックの側壁上及び上記処理デッキ上の夫々の位置決め要素の係合を示す斜視図である。
【図21】上記挿入ラックにおいて第2形式のピペット先端部を収容するひとつのチャンバの底部、及び、上記下側ラックの2つのチャンバ間の稜線部の詳細な断面図である。
【図22】上記下側ラックの各チャンバの底部の詳細な断面図である。
【図23】上側ラックと、貫通ボア孔内に挿入された第2形式のピペット先端部を備えた上記挿入ラックとの間における相互作用の部位の断面図である。
【図24】上側ラックと、貫通ボア孔内に第2形式のピペット先端部が挿入されていない上記挿入ラックとの間における相互作用の部位の断面図である。
【図25】先端部用ラックの第2実施例の部分図である。
【図26】処理プレートの斜視図である。
【図27】逆の角度からの上記処理プレートの斜視図である。
【図28】上記処理プレートの平面図である。
【図29】上記処理プレートの長寸側辺に沿う断面図である。
【図30】上記断面図の部分図である。
【図31】上記処理プレートの上記長寸側辺の斜視図である。
【図32】上記処理プレートの底部の斜視図である。
【図33】上記処理プレートの上記底部の更に垂直な斜視図である。
【図34】上記処理プレートの容器に対する、分離ステーションの第1好適実施例の小寸磁石の装着を示す図である。
【図35】上記処理プレート及び容器の中央領域の水平断面図である。
【図36】上記処理プレートを受容するステーション(たとえば磁気的分離ステーション)における該処理プレートの装着を示す図であり、繋止機構は係合解除されている。
【図37】上記処理プレートを受容するステーション(たとえば磁気的分離ステーション)における該処理プレートの装着を示す図であり、上記繋止機構は係合されている。
【図38】種々のステーション、モジュール又は区画を備えて成る分析器の概略図である。
【図39】(a)から(d)は、上記磁気的分離ステーションの第2実施例の種々の図である。
【図40】(a)から(c)は、第1形式の磁石を最上Z位置とし且つ第2形式の磁石を最下Z位置として、上記処理プレートを保持する上記磁気的分離ステーションの第1実施例を示す図である。
【図41】(a)から(c)は、第1形式の磁石を最上Z位置とし且つ第2形式の磁石を最上Z位置として、上記処理プレートを保持する上記磁気的分離ステーションの第1実施例を示す図である。
【図42】(a)から(c)は、第1形式の磁石を最下Z位置とし且つ第2形式の磁石を最上Z位置として、上記処理プレートを保持する上記磁気的分離ステーションの第1実施例を示す図である。
【図43】(a)から(c)は、第1形式の磁石を最下Z位置とし且つ第2形式の磁石を最下Z位置として、上記処理プレートを保持する上記磁気的分離ステーションの第1実施例を示す図である。
【図44】(a)から(d)は、シール箔体が格納位置にあり(a)、蓋体が揚動され(b)、蓋体の回転の間(c)、及び、シール位置(d)におけるADプレート及びフレームを示す図である。
【図45】(a)は、シール位置における上記ADプレート及びフレームの側断面図であり、(b)は、2つの層を備えたシール箔体と、フレームを構成する上記蓋体の頂部とを示す図である。
【図46】(a)及び(b)は、格納位置における上記ADプレート及びフレームのひとつの角隅部の側断面図及び平断面図である。(c)及び(d)は、シール位置における上記ADプレート及びフレームの角隅部の側断面図及び平断面図である。
【図47】(a)及び(b)は、係合解除され(a)又は係合された(b)繋止機構に対する、上記ADプレートを受容するステーションにおける該ADプレートの装着を示す図である。
【図48】把持器フィンガに対する先端部用ラックの相互作用を示す図であり、型形状繋止式の把持によりX及びY方向の移動は阻止される(右側の図を参照)。
【図49】操作器とマルチウェル・プレートとの間の相互作用を示す図であり、上記把持器フィンガはマルチウェル・プレート上の開口と相互係合し、型形状繋止式の把持に帰着している。
【図50a】ロボット式アームに対して接続された上記操作器、及び、上記把持器フィンガによる消耗品の取付け及び取外しを示す。
【図50b】ロボット式アームに対して接続された上記操作器、及び、上記把持器フィンガによる消耗品の取付け及び取外しを示す。
【図50c】上記操作器が同一のインタフェースにより異なる消耗品と相互作用するところを示している。
【図51】特定の消耗品を特に認識する積層器を備えた分析器の実施例の概略図である。
【図52】消耗品ホルダから種々のモジュールまでの作業の流れ、種々のモジュール間における(矢印により示された)作業の流れ、及び、種々のモジュールから廃棄物ホルダへと戻る作業の流れによるハードウェア構成の概略図である。
【図53a】所定の作業の流れのタイミングによるモジュールを備える各システムと、線形(a)の搬送モジュールとの概略図である。
【図53b】所定の作業の流れのタイミングによるモジュールを備える各システムと、回転形(b)の搬送モジュールとの概略図である。
【図53c】第1形式のひとつのモジュール、第2形式の2つのモジュール及び第3形式の4つのモジュールを備えた好適なシステムを示す図である。
【図54】本発明に係る分析装置の概略的前面図である。
【図55】エアロックの平面図(a)及び側面図(b)である。
【図56】前壁を備えた本発明の分析装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
分析対象物を単離かつ分析する分析装置及び方法
流体サンプル中に存在し得る分析対象物を単離かつ分析する方法が開示される。該方法は、自動化された以下の各段階を備えて成る:
a)上記流体サンプルを、ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
b)上記処理容器のウェル内において、上記分析対象物が固体支持物質上に固定化されるのを許容するに十分な時的間隔及び条件下で、上記固体支持物質及び上記流体サンプルを相互に組み合わせる段階;
c)分離ステーションにおいて、上記流体サンプル中に存在する他の物質から上記固体支持物質を単離する段階;及び、
d)上記分離ステーションにおいて、上記固体支持物質から上記流体サンプルを分離し且つ上記物質を洗浄用緩衝液により一回以上洗浄することにより、上記分析対象物を精製する段階。
【0010】
好適には、段階a)において使用された上記ピペット先端部は、該段階a)の後で再使用される。
【0011】
好適実施例において、上記ピペット先端部は第1形式のピペット先端部であり、且つ、第1形式の上記ピペット先端部は、第1形式の複数のピペット先端部と第2形式の複数のピペット先端部とを備えて成るラック内に格納される。好適には、第1及び第2形式の上記各ピペット先端部は、少なくとも、分注のために使用される間において上記ラック内に格納される。
【0012】
本明細書において上記された方法の好適実施例において、段階a)は、
a1)第1位置においてラック内に保持された第1形式の各ピペット先端部を、第1処理ヘッドに対して係合させる段階;
a2)第1処理ヘッドに対して係合された第1形式の各ピペット先端部により、上記流体サンプルをサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
a3)上記各ピペット先端部を上記ラック内に載置し、且つ、各ピペット先端部を上記処理ヘッドから係合解除する段階;
a4)上記各ピペット先端部を備えて成る上記ラックと、上記処理容器とを、第2位置へと搬送する段階;
a5)上記ラック内に保持された上記第1形式の各ピペット先端部を、上記第2位置において第2処理ヘッドに対して係合させる段階;
を備えて成る。
【0013】
好適には、上記処理容器はひとつ以上の受容器を備えて成る。更に好適には、上記処理容器はマルチウェル・プレートである。上記方法は好適には、
e)上記精製済み分析対象物を、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と反応させる段階、
を付加的に備えて成る。
【0014】
各ピペット先端部の再使用は、上記分析方法において使用される使い捨て可能な消耗品の減少と、コスト削減とに繋がる。好適実施例において、段階d)における洗浄は、各ピペット先端部に対して係合された処理ヘッドにより吸引し、且つ、上記洗浄用緩衝液を供与する段階を備えて成る。
【0015】
本明細書中で用いられる“受容器”という語句は、単一の容器(又は管体)、又は、マルチ管体ユニット中に含まれるひとつの管体、又は、マルチウェル・プレートのひとつのウェル(又は容器)に関連している。
【0016】
また“容器”という語句は、単一の容器、又は、マルチ管体ユニットにおける単一の容器、マルチウェル・プレート又はマルチ管体ユニット、又は、マルチウェル・プレートのひとつのウェルを意味すると理解される。
【0017】
好適実施例において、上記反応段階は、検出可能信号を生成する段階を備えて成る。更に好適には、上記方法は付加的に、検出可能信号を検出する段階を備えて成る。
【0018】
本明細書中で用いられる“分析対象物”という語句は、検出に対して関心対象となる任意の種類の生体分子であり得ると共に、その検出は、生物の診断的状態を表す。上記生物は、動物、更に好適には人間であり得る。好適には、上記分析対象物は、タンパク質、ポリペプチド、抗体、又は、核酸である。更に好適には、上記分析対象物は核酸である。
【0019】
本明細書中で用いられる“反応する段階”という語句は、試薬に対する上記分析対象物の任意の種類の化学反応であって、検出可能信号を獲得するために必要であるという化学反応に関連する。好適には、上記反応段階は、増幅から成る。増幅は、信号に対する任意の種類の強化として理解され得る。故に、増幅は酵素による分子の変換であり得ると共に、その場合に上記酵素は上記分析対象物に対して連結又は結合されて検出可能信号に繋がり、分析対象物分子が存在するよりも多くの信号分子が形成される。ひとつの斯かる非限定的な例は、たとえばECLを用いた化学発光色素の形成である。増幅という語句は更に、上記分析対象物が核酸ならば、核酸増幅に関連する。これは、線形の等温的な増幅、及び、指数的な増幅の両方を包含する。核酸増幅方法の非限定的な例は、TMA、SDA、NASBA、及び、リアルタイムPCRを含むPCRである。当業者であれば、斯かる方法は公知である。
【0020】
本明細書中で用いられる“固体支持体”という語句は、吸着により直接的に、又は、間接的かつ特異的に分析対象物が結合し得る任意の種類の固体支持体に関連している。間接的結合は、固体支持体上に固定化された抗体に対する分析対象物の結合、又は、たとえばNiキレートに対する6xHisタグの結合などの、タグ結合化合物に対するタグの結合であり得る。上記分析対象物が核酸であるとき、斯かる間接的結合は好適には、関心対象となる核酸の目標配列と同種である捕捉核酸プローブに対する結合によるものである。故に、固体支持体上に取付けられた捕捉プローブを用いると、目標分析対象物、好適には目標核酸は、目標でない物質、好適には目標でない核酸から分離され得る。斯かる捕捉プローブは、上記固体支持体上に固定化される。固体支持物質は、一種類のポリマーとされ得るか、又は、複数種類のポリマーの組成物とされ得る。他の種類の固体支持物質としては、磁性シリカ粒子、金属粒子などが挙げられる。
【0021】
シリカ粒子に対する核酸の好適な直接的結合は、カオトロピック化合物の存在下で行われる。斯かる結合はまた、上述の間接的結合と対照的に、直接的結合とも称される。好適には、上記固体支持体は、磁気的な又は磁化可能な物質から成るシリカ粒子である。
【0022】
“分離ステーション”は、固体支持体から分析対象物が分離されるステーションであると理解される。
【0023】
本明細書において上記された方法の好適実施例において、上記各ピペット先端部を備えて成る上記ラックと、上記処理容器とを、第2位置へと搬送する段階は、分析機器の別体的な第1区画と、別体的な第2区画、好適には上記分析システムの処理区画との間で行われる。好適には、上記ラックは複数のピペット先端部を夫々収容する複数の独立的なチャンバを備えて成る。
【0024】
好適実施例において、上記第1形式のピペット先端部は、段階d)における洗浄に対して再使用される。
【0025】
好適実施例において、上記ラックは付加的に、第2形式のピペット先端部を備えて成る。更に好適なのは、段階d)とe)との間において磁性粒子から分析対象物が溶出されるという、本明細書において上記された方法である。好適実施例は、上記第2形式の複数のピペット先端部により、好適にはマルチウェル・プレートである上記処理容器から、好適にはマルチウェル・プレートである反応容器への分析対象物の移し換えを備えて成る。
【0026】
分析対象物を単離する分析システムが開示され、該システムは、
a)分析対象物を含む液体サンプルを保持する第1受容器と、液体サンプルを保持するための第2受容器と、複数のピペット先端部を保持するラックと、上記第1受容器から第2受容器へと液体サンプルを移し換える第1処理ヘッドとを構成する第1位置と、
b)上記第2受容器を受容するステーションと、上記ラックを受容するラック保持ステーションとを構成する第2位置と、
c)上記第2受容器と複数のピペット先端部を保持する上記ラックとを、上記第1位置と上記第2位置との間で移送する移送システムと、
を備えて成る。
【0027】
好適には、上記各位置は夫々、別体的区画である。上記移送システムにより移送される上記ラックは好適には、上記第1位置において使用された複数のピペット先端部を備えて成る。好適実施例において、上記第1受容器はサンプル容器であり且つ上記第2受容器は処理容器である。更に好適なのは、マルチウェル容器である処理容器である。上記各ステーションの好適実施例は、本明細書において以下に記述される。
【0028】
本明細書にて記述される上記分析システムにおいて、上記搬送システムは好適には、上記受容器及び上記ラックを、上記第1位置から上記第2の別体的な位置へと移送する。好適には、上記第2の別体的な位置は、磁気的分離ステーションを構成する。上記分析システムは更に好適には、増幅ステーションを備えて成る。
【0029】
上記好適なシステムの上記搬送システムは、当該分析システム内において上記ラック及び上記処理容器を把持して第1箇所から第2箇所へと搬送すべく構成かつ配置された操作器を備えて成る。本明細書においては、更に好適な操作器が開示される。
【0030】
上記システムは好適には、完全に自動化される。
【0031】
分析対象物を単離かつ分析する自動分析器であって、該分析器内に配設された複数のステーションを備えて成るという自動分析器も開示される。上記複数のステーションは、第1箇所に配設されたサンプル供与ステーションを備えて成る。好適には上記サンプル供与ステーションは、分析対象物を含む液体サンプルを、ラック内に保持された各ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと供与すべく構成かつ配置される。更に好適なサンプル供与ステーションは、サンプル容器と、処理容器と、液体供与ユニットとを備えて成るステーションである。上記液体供与ユニットは好適には、処理デバイスである。
【0032】
上記自動分析器は、第2箇所に配設された分離ステーションを更に備えて成る。好適には上記分離ステーションは、上記液体サンプルを保持している上記処理容器と、上記サンプル供与ステーションにおいて使用された複数のピペット先端部を保持する上記ラックとを受容すべく、且つ、上記液体サンプル中に存在する他の物質から分析対象物を分離すべく、構成かつ配置される。分離ステーションの別の好適実施例は、可動磁石を備えて成る分離ステーションである。
【0033】
上記自動分析器は第3箇所に配設された反応ステーションを更に備えて成り、該反応ステーションは、上記分析対象物を分析して検出可能信号を獲得すべく構成かつ配置される。反応ステーションの別の好適実施例は、インキュベータを備えて成るステーションである。好適には、上記インキュベータは温度制御式のインキュベータである。更に好適には、上記インキュベータはひとつの一定温度に保持される。インキュベータの別の好適実施例は、サーマルサイクラー・ブロックである。好適には、上記反応ステーションに対し、更に好適には、本明細書において上記されたインキュベータに対し、検出可能信号を検出する検出器が一体的に接続される。好適な検出器は、周期的な測定及び定量のための核酸定量システムを備えて成る。更に好適には上記検出器は付加的に、信号を検出する核酸検出システムであって、閾値レベルを超える信号が検出されたか否かに基づいて反応受容器内の核酸の有無を確定するというシステムを備えて成る。
【0034】
代替的に、上記自動分析器は付加的に、検出ステーションを備えて成る。該自動分析器は更に、搬送機構を備えて成る。該搬送機構は、消耗品を操作する操作器を備えて成る。該操作器は好適には、消耗品を各ステーション間で搬送する。一実施例において上記搬送機構は、上記サンプル容器及び上記ラックを、上記サンプル供与ステーションから上記分離ステーションへと搬送すべく構成かつ配置される。本明細書に記述される上記自動分析器の更なる好適実施例は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0035】
好適実施例において分析装置400は分析対象物を処理する少なくともひとつのモジュール401を備えて成り、上記処理は液体の分注から成る。処理モジュール401は、
a)ピペット先端部3、4と係合する処理ヘッド35であって、該処理ヘッド35の下側表面61内に配置された位置決め要素36を備えて成るという処理ヘッド35と、
b)ピペット先端部3、4を保持する先端部用ラック60、70であって、処理ヘッド35上の位置決め要素36と機械的に係合し得る位置決め要素31、32、33、34を備えて成るという先端部用ラック60、70と、
を備えて成る。
【0036】
本明細書において上記された分析装置400の好適実施例において、処理モジュール401は、分析対象物の単離及び精製のためのモジュールである。故に、本明細書中で用いられる“処理”という語句は、分析対象物の単離及び/又は分離及び/又は捕捉及び/又は精製に関連すると理解される。好適には、装置400は、処理のためにサンプルを調製するモジュール402を備えて成る。好適には装置400は、上記分析対象物の増幅のためのモジュール403を備えて成る。一好適実施例において上記装置は、増幅試薬を、格納受容器から、精製済み分析対象物を含む受容器へと移送するモジュール404を付加的に備えて成る。上記装置の更なる好適実施例は、本明細書において上記に且つ本明細書において下記に記述される。
【0037】
核酸に基づく増幅反応を実施する際に使用される自動分析器400も開示される。該分析器は、複数のモジュール401、402、403を備えて成る。ひとつのモジュールは、該分析器内の第1箇所に配設された処理モジュールであって、サンプル中の他の物質から核酸を分離すべく構成かつ配置された処理モジュールである。該処理モジュールは、本明細書において記述される如き分離デバイスを備えて成る。上記分析器は、該分析器内の第2箇所に配設かつ配置された増幅モジュールを更に備えて成る。該増幅モジュールは、好適には分離済み核酸を備えて成るマルチウェル・プレートの少なくとも一個の受容器の内容物と、サンプル中の目標核酸を表す増幅生成物を生成する一種類以上の増幅試薬とをインキュベートする温度制御式のインキュベータを備えて成る。
【0038】
本明細書中に記述された如く保持ステーションとマルチウェル・プレート・セットとを備えて成る分析システムは、本明細書中に開示される上記分析システムの更なる好適実施例である。好適には、上記マルチウェル・プレート・セットは上記保持ステーション内に固定される。好適には、上記マルチウェル・プレートは複数の凹所を備える縁部を有する基部を備えて成り、上記各凹所に対しては、上記保持ステーション上の位置決め/固定要素、好適には掛止クリップ(図47(a)及び(b))が接触し、該接触により上記マルチウェル・プレートの上記基部に対して下向きの圧力が及ぼされることで、上記マルチウェル・プレートは上記保持ステーションに固定される。上記分析システムの更なる好適実施例は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0039】
更に、
分析対象物を単離して精製する処理モジュールであって、複数のピペット先端部を備えて成るラックを保持する保持ステーション470を備えて成るという処理モジュールであって、上記ラックは、該ラックのひとつの側壁上に配置された少なくともひとつの凹所と、該ラックの逆側の第2の側壁上に配置された少なくともひとつの凹所とを備えて成り、上記保持ステーションは、固定要素、好適には掛止クリップを備えて成り、且つ、上記固定要素、好適には掛止クリップは、上記凹所の底部に対して力を及ぼすことにより該凹所と相互作用する、という処理モジュールと、
上記精製済み分析対象物を、検出可能信号を獲得するために必要な試薬と反応させることにより、該分析対象物を分析するモジュール403と、
を備えて成る分析機器が開示される。
【0040】
上記分析機器は好適には、液体操作モジュール404、500を付加的に備えて成る。上記分析機器の更なる実施例及び好適な実施例は、別体的に、又は、各実施例の組み合わせとして本明細書中に記述される。分析器の好適実施例は、図38及び図51に示される。
【0041】
本明細書中に開示される上記分析機器は好適には、シール・ステーション410を付加的に備えて成る。シール・ステーション410は好適には、処理モジュール401内に配置される。
【0042】
“モジュール”及び“区画”という語句は、本明細書においては互換的に使用される。
【0043】
先端部用ラック
先端部用ラックが開示される。斯かる先端部用ラックは、複数のピペット先端部を備えて成る。先端部用ラックは通常、分析システムに対して液体を分注するための複数のピペット先端部を提供するために該システムにおいて使用される。斯かる先端部は使い捨て可能であるが、少なくとも一回は再使用され得る。上記先端部用ラックは、複数のピペット先端部を夫々収容する複数の個別チャンバを備えて成る。
【0044】
複数のピペット先端部を保持する好適なラックが開示される。該ラックは、少なくとも、第1形式の複数のピペット先端部及び第2形式の複数のピペット先端部を夫々収容する複数の個別チャンバを備えて成る。一実施例において上記ラックは、ひとつより多い構成部材を備えて成る。別実施例において、上記ラックは一体的な一部材式のラックである。好適には、上記第1形式のピペット先端部の容量は少なくとも1mlであり、且つ、上記第2形式のピペット先端部の容量は1ml未満である。更に好適には、上記第1形式のピペット先端部の容量は1ml〜1.5mlであり、且つ、上記第2形式のピペット先端部の容量は10μl〜600μlである。
【0045】
好適には、第1形式のピペット先端部及び第2形式のピペット先端部は、上記ラック内に交互配置的な列にて格納される。一実施例において上記ラックは、第1形式の48個のピペット先端部と、第2形式の48個のピペット先端部とを備えて成る。但し、先端部の他の個数も包含される。上記ラックはまた、他方の形式のピペット先端部よりも多い一方の形式のピペット先端部を備えても良い。
【0046】
一実施例において、上記個別チャンバは容器である。
【0047】
複数のピペット先端部を保持する三部材式のラックが開示される。該ラックは、自動システムに対して該ラックを特に適合させる特徴を備えている。上記ラックは、3つの構成部材を備えて成る。上側ラックは表面プレートを備えて成り、該表面プレートは、上記ラックに複数のピペット先端部を挿入するための着座領域を有する複数の貫通ボア孔を備えて成る。上記ラックは、下側ラックも備えて成る。該下側ラックは、第1形式の複数のピペット先端部を夫々収容する複数の個別チャンバを備えて成る。上記ラックの第3の構成部材は、挿入ラックである。該挿入ラックは、上記下側ラック内へと挿入される。該挿入ラックは、第2形式の複数のピペット先端部を夫々収容する複数のチャンバを備えて成る。上記上側ラックは、上記下側ラック及び上記挿入ラックの頂部上へと組み付けられる。
【0048】
故に上記ラックは、ひとつの形式より多い形式の複数のピペット先端部を保持するに適している。このことは、異なる体積の液体がピペット先端部により分注されるというシステムにおいて有用である。
【0049】
本明細書中に開示された上記ラックは、個々の先端部が相互に汚染し合うことを防止する汚染防止機能を備えている。斯かる汚染は、液滴又は噴霧に起因して生じ得る。斯かる防止機能は、複数のピペット先端部が再び使用される前に、最初の使用の後で上記ラック内に載置されるならば、特に重要である。故に上記ラックは好適には、第2形式の複数のピペット先端部を保持する複数列の開放チャンバを備えて成る。更に好適には、上記開放チャンバは底部を有する。この底部は、第2形式の複数のピペット先端部を夫々保持するチャンバを、第1形式の複数のピペット先端部を夫々保持するチャンバから分離する。これにより、第1及び第2形式の複数の先端部同士の間における汚染の虞れが低減される。
【0050】
好適実施例において、第2形式の複数のピペット先端部を保持する上記複数列の開放チャンバは、第1形式の複数のピペット先端部を収容する複数列の個別チャンバと交互配置される。好適には、上記第1形式の複数のピペット先端部を収容する上記下側ラックにおける複数の個別チャンバの内側領域は、ピペット先端部を挿入する上記貫通ボア孔の内側領域よりも大きい。
【0051】
好適実施例において、第1形式の複数のピペット先端部を保持する上記下側ラックの複数の個別チャンバの側壁の内側に配置された壁部は、上記下側ラックの上記底部から、該下側ラックの複数の個別チャンバの側壁の頂部の下方まで延在する。本明細書において上記に且つ以下に記述される好適実施例は、第1形式の複数のピペット先端部、更に好適には第2形式の複数のピペット先端部を付加的に備えて成るラックに関連する。
【0052】
本明細書中に開示される任意の先端部用ラックの更なる好適実施例は、ひとつの特定実施例に限られることなく、本明細書中に開示された各実施例の内の任意のひとつの実施例と組み合わされることで、上記及び以下に記述される複数の特徴を備えて成る。
【0053】
代表的なラック60の第1実施例(図1及び図2)は、複数の構成部材を備えて成る。上側ラック1、下側ラック2及び挿入ラック14は、複数の先端部4を保持して再使用するために、ひとつラックへと組立てられる。好適実施例において、上記ラック60には第1形式の先端部4及び第2形式の先端部3が保持される。更に好適な実施例において、本発明に係るひとつのラックには、分析対象物をサンプリングし、単離して精製する先端部4、及び、溶出された分析対象物を移し換える先端部3が保持される。最も好適には、ラック60は、大きな容量を有する長寸の先端部4と、小さな容量を有する短寸の先端部3とを保持する。三部材式のラックの好適実施例は、本明細書において以下に記述される。
【0054】
上側ラック1
上側ラック1は、フレーム50と、該フレーム50の内側に配置された表面プレート51とを備えて成る(図9、図10)。上記表面プレート51は、貫通ボア孔23、25を備えて成る(図4)。プレート51の底部側62上にて、貫通ボア孔23、25同士の間には分離壁16及び分離薄板18が配置される。それらは、先端部3、4同士の間の汚染に対する付加的な防止機能を提供すると共に、上側ラック1上での付加的な安定性を付与する。幾つかの分離壁16は、凹所13も備えて成る。該凹所13によれば、挿入ラック14の分離壁15は、先端部4に対する先端部取り扱いの間において気泡が弾けた場合の水平飛行液滴をシールする重なり合い様式にて、上側ラック1の分離壁16に係合され得る。好適には、凹所13を備える分離薄板18は、凹所を備えない分離薄板18と交互配置される。
【0055】
下側ラック2
下側ラック2は、相互に対向して配置された2つの長寸側壁52と、相互に対向して配置された2つの短寸側壁53とを備えて成る(図5及び図6)。各短寸側壁53は両方の長寸側壁52に接触することで、フレームを形成する。上記側壁52及び53により画成される内側空間は、稜線部9を有する内側分割壁部54と、該壁部54に直交する第2壁部55とにより形成されたチャンバ19を備えて成る。チャンバ19は、好適には丸み付けされた底部21を備えて成る。
【0056】
下側ラック2は、壁部52及び53の外側にて、好適にはハードウェア識別子でもある積層器案内要素6及び7を備えて成る。
【0057】
挿入ラック14
挿入ラック14は、2つの長寸前壁56及び2つの短寸側壁57を備えて成る。各短寸側壁57に対して平行に配置された複数の分離壁15により、チャンバ24が形成される(図7、図8)。これらのチャンバ24は、底部58を有すると共に、第2形式の先端部3を収容し得る。各チャンバ24間には、第1形式の先端部4のための通路17であって、下側ラック2の各チャンバ19内へと延在するという通路17が在る。チャンバ24は好適には、安定化リブ41を備えて成る。挿入ラック14は好適には、付加的な安定化リブ42、43を備えて成る。
【0058】
組み合わせ先端部用ラック
ラック60の複数の構成部材による構成は、幾つかの利点を有する。ひとつの利点は、大容量を分注するための長寸形状を有する先端部4が、個別的で緊密に密集されたチャンバ19内に格納され得るということである。故に先端部4は、格納のためには水平面内での限られたスペースのみを必要とし乍ら、大容量の液体を保持し得る。好適実施例の各図は、図1から図24に示される。
【0059】
更なる利点として、先端部4に対するチャンバ19の内側の水平断面積は、着座領域22の貫通ボア孔の断面積よりも大きい(図3)。この結果、チャンバ19同士の間における液体の移動に繋がり得る毛管力が阻止される。
【0060】
先端部用ラック60の構成の更に別の利点は、チャンバ19の内壁54が、チャンバ21の底部21から着座領域22にかけて連続的でないということである(図3)。故に、チャンバ21の底部21から着座領域22への液体の移動は、故に汚染は、阻止される。これにより、ピペット先端部4の再使用が可能とされる。これに加え、チャンバ19は内側面65上に配置された壁部5を備えて成る(図24)。上記壁部5は好適には、チャンバ19の高さの一部のみを覆う。更に好適には、壁部5は、チャンバ19の底部21の上方から、下側ラック2の壁部54の内側面65の稜線部9の下方まで延在する。壁部5は更に、チャンバ19内における毛管効果を阻止する。
【0061】
先端部用ラック60の構成の更に別の利点は、2つの異なる形式の先端部が該ラック内に格納され得るということである(図3)。現在において好適な実施例において、第2形式の先端部3は先端部用ラック60内に格納される。上記第2形式の先端部は、上記第1形式の先端部よりも短寸であり、且つ、上記第1形式のピペット先端部により分注されるよりも少量の液体を分注すべく用いられる。現在において好適な例において、上記第2形式の先端部は、挿入ラック14内のチャンバ24であって、チャンバ19よりも高レベルに配置されると共に、該チャンバ19から密閉的に分離されるが、該チャンバ24の一方の列においては開放されるというチャンバ24内に格納される。この構成のひとつの利点は、それが空間節約的なことである。これに加え、上記挿入ラック内に配置されたチャンバ24によれば、たとえば、第1形式の先端部4のチャンバ19同士の間における毛管力による汚染を阻止するために更に大きな空間が利用可能である。好適実施例においては、第1形式の先端部4のみが再使用される一方、第2形式の先端部3は一回のみ使用される。
【0062】
挿入ラックは更に、チャンバ24の底部上の稜線部8を備えて成る(図3)。これらの稜線部8は、ピペット先端部4の先端部末端上で形成される液体の気泡であって稜線部8の高さにて破裂するという気泡により引き起こされ得る液体の飛沫が、隣り合うチャンバ19内へと入り込むことを阻止する。下側ラック2は、チャンバ19同士の間における壁部54の頂部にて、稜線部9を備えて成る。稜線部9は、稜線部8と同一の機能を有する。稜線部9及び稜線部8は、相互に接触しない(図23)。これにより、毛管効果が阻止される。
【0063】
ラック60内に格納されたとき、先端部3、4は、貫通ボア孔25、23の着座領域22、26上に着座する(図13、図14)。貫通ボア孔25、23は、着座領域22、26上に配置される。好適には、貫通ボア孔25の着座領域22は、第1形式の先端部4の貫通ボア孔23の着座領域26と比較して高位とされる。これにより、第1形式の先端部4が上記ラックにおいて交換されるか又は再使用のために再係合されるときに、第1形式の先端部4からの液体が貫通ボア孔25の着座領域22に接触したとしても、該液体は低位の着座領域22から高位の着座領域26までは上昇しないことから、第2形式の先端部3の汚染が阻止される、という利点が得られる。
【0064】
好適には、付加的な毛管チャネル40は、下側着座領域22のレベルにて隣り合う貫通ボア孔23同士を分離すると共に、該チャネルは、低位の着座領域22又は貫通ボア孔23に接触する一切の液体を排出する(図4、図9、図13、図14)。これにより、隣り合う貫通ボア孔23、25の汚染が阻止される。毛管チャネル40の付加的な利点は、液体が大きな領域に亙り分散されて更に迅速に蒸発し得るということである。
【0065】
好適実施例において上記ピペット先端部は、該ピペット先端部3、4がラック60内に着座されたときに貫通ボア孔23、25の着座領域22、26と接触する受容稜線部27、28を備えて成る(図15、図16)。更に好適には、第2形式の先端部3は第1形式の先端部4よりも短寸の受容稜線部27を有している。受容稜線部27及び28の間における高さの差は、貫通ボア孔23及び25の縁部の高さの差に等しい。このことは、処理ヘッド35に対する係合のために全てのピペット先端部3、4が同一レベルに在ると同時に、第2形式のピペット先端部3は第1形式の先端部4からの液体による汚染を阻止すべく上記ラック上で更に高位のレベルにて着座され得るという利点を有する。これに加え、そのことは、ラック60における第1及び第2形式のピペット先端部3、4の正しい組み付けに対する視覚的制御を提供する、と言うのも、不適切な位置に着座された先端部3、4の頂面は、正しく着座された先端部3、4よりも低い又は高いレベルに在るからである。
【0066】
先端部3、4上の受容稜線部27、28は、貫通ボア孔23、25の縁部に接触する連続的な円周方向着座基部59を備えてはいない。着座基部59は、着座領域22、26に対して接触する断続的な部位のみを有する。ひとつの利点は、先端部3、4に対して少量の材料が使用されること、及び、先端部3、4は高精度で且つ少ない歪みにて作製され得ることである。先端部3、4と着座領域22、26との間における少ない接触の領域は、先端部3、4の静電荷が減少される、という付加的利点を有する。
【0067】
先端部3、4は、0.8〜1.6μmの表面粗さを以てシャフト29の領域において艶消し処理され、且つ、先端部末端30の領域においては研磨される。シャフト29の艶消し処理された表面によれば、液体の小滴は該表面上に平坦に位置して更に迅速に蒸発することが許容される。故に、先端部4が貫通ボア孔23、25に挿入されるとき、該先端部4が着座領域22、26と接触したとしても液体は全く又は殆ど払拭されないことから、汚染の虞れが減少される。研磨された先端部末端30によれば、液体の小滴は該先端部末端30上に真珠形の様式で留まり、先端部4が液体から抜け出すときに先端部末端30から払拭される。故に先端部末端30は、液体が付着しないままである。
【0068】
上側ラック1は好適には、第1形式の位置決め要素10(図21、図22)、及び、第2形式の位置決め要素31、32、33、34(図17、図18)を備えて成る。第1形式の位置決め要素10によれば、処理ヘッド35に対するラック60の概略的な位置決めが許容される一方、第2形式の位置決め要素31、32、33、34によれば、処理ヘッド35に対するラック60の正確な位置決めが許容される。第1形式の位置決め要素10による概略的な位置決めによれば、第2形式の位置決め要素31、33又は32、34は、処理ヘッド35上の対応する位置決め要素36に対して確実に整列される。上記2つの形式の位置決め要素の利点は、先端部係合に対するラック60及び処理ヘッド35の位置決めが迅速かつ正確である、ということである。
【0069】
第2形式の位置決め要素31、33又は32、34は好適には、ラック60の(表面プレートとも称される)頂面51上に配置される(図17から図20)。対応する位置決め要素36は好適には、処理ヘッド35の底部表面61上に配置される。
【0070】
好適実施例において、位置決め要素31、33は処理ヘッド35上の対応する位置決め要素36と係合することで、第1形式のピペット先端部4を処理ヘッド35上のインタフェースに対して整列させる(図17、図18)。代替的に、位置決め要素32、34は処理ヘッド35上の対応要素36と係合することで、第2形式のピペット先端部3を処理ヘッド35のインタフェース67に対して整列させる(図19、図20)。
【0071】
好適実施例において上記位置決め要素は、ラック60の頂面51における、好適には上記ラックの頂面51の対置された各角隅部に配置された、開口31、32、33、34である(図1)。この好適実施例において、処理ヘッド35の底部表面61上の上記対応位置決め要素は、処理ヘッド35の対応角隅部に配置されたロッド36である。開口31、32、33、34及びロッド36は、該ロッド36が、ラック60と処理ヘッド35との正確な整列のために開口31、32又は33、34と係合し得る如く構成される。故に、先端部3、4、及び、該先端部3、4の係合のための処理ヘッド35上のインタフェース67は、正確に整列され、且つ、処理ヘッド35の上記インタフェースは先端部3、4に係合し得る。更に好適な実施例において、上記開口の内の2つ31、32は、水平面内における正確な位置決めのために円形の断面を有する。開口33、34は、製造許容誤差の補償のために長寸形状を有する。このことは利点である、と言うのも、ラック60は処理ヘッド35に対する傾斜なしで正確に位置決めされ得るからである。
【0072】
上記ラックの設置面積は好適には、本質的にANSI SBS設置面積フォーマットに対応する上記基部の長さ及び幅を備えて成る。更に好適には、上記長さは127.76mm±0.25mmであり、且つ、上記幅は85.48mm±0.25mmである。ラック60は、操作器500と協働する型形状繋止要素38を備えて成る。ラック60は、正しい配向及び姿勢を維持し乍ら、高速にて迅速かつ安全に、把持され、搬送され、且つ、位置決めされ得る。
【0073】
“本質的にANSI SBS設置面積フォーマットに対応する”という表現は、任意のひとつの消耗品の基部が、たとえば切り取り角隅部などの切り取り断面を有し得ることを意味する。故に、ANSI SBS設置面積フォーマットを有する異なる形式の消耗品の表面幾何学形状は、異なり得る。しかし、任意のひとつの消耗品の基部は、ANSI SBS設置面積フォーマットにおける対応受容部分を有するステーションに嵌合する。
【0074】
ラック60は一個以上のハードウェア識別子39を備え、該ハードウェア識別子39は消耗品の一体的部分である。ラック60は更に、積層器案内要素6、7を備えて成る。上記ハードウェア識別子39及び積層器案内要素6、7は消耗品の側壁上の稜線部及び/又は凹所から成り、稜線部及び/又は凹所の上記パターンは、特定形式の消耗品、好適にはラック60に対して一意的である。積層器案内要素6、7及びハードウェア識別子39によれば、ユーザは、分析機器46の適切な積層位置のみへとラック60を装填し得ることが確実とされる。
【0075】
ラック60は、上側ラック1の側壁における凹所37も備えて成る。凹所37は、底壁部48及び側壁部49を備えて成る。ラック60は、分析機器46における開口の内側に位置決めされる。ラック60が位置決めされたとき、凹所37の底壁部48は、分析機器46の処理デッキ47の表面と接触する。上記凹所37は、分析機器46上の対応要素と係合することで、ラック60を上記機器に束縛する。これにより、分析機器46の内側におけるラック60の付加的な安定化が許容される。
【0076】
挿入ラック14は、ラック60の組立ての間において上側ラック1上の内側中心合わせ表面12と相互作用して中心合わせを許容する外側中心合わせ表面11を備えて成る(図11、図12;図25から図26)。
【0077】
組立ての間において上側ラック1及び下側ラック2は、好適には、上側ラック1のフレームの2つの対向側壁63、64のいずれか一方上に配置された弾性嵌合部44と、下側ラック2の対応する2つの対向側壁のいずれか一方上に配置された弾性嵌合溝45とにより、固定される。
【0078】
代表的なラックの第2実施例は、頂面71と、対向する2つの短寸側壁72と、対向する2つの長寸側壁73とを備えて成る一体的な一部材式の先端部用ラック70である(図25)。上記先端部用ラックは、ピペット先端部3、4を保持する容器74、75を備えて成る。該容器74、75は、開放頂部76及び閉塞底部77を備えて成る。任意のひとつの容器74、75が、ひとつの先端部3、4を保持し得る。ラック70の設置面積は好適には、本質的にANSI SBS設置面積フォーマットに対応する基部の長さ及び幅を備えて成る。更に好適には、上記長さは127.76mm±0.25mmであり、且つ、上記幅は85.48mm±0.25mmである。上記第2実施例の好適実施例は、前記ラックの第1実施例に対して記述された如く、ハードウェア識別子6、7、39と、分析機器上の対応要素と係合して該ラックを束縛する凹所37とを備えて成る。好適実施例は、ラック60の第1実施例に対して記述された如き位置決め要素31、32、33、34、10も備えて成る。
【0079】
処理ヘッド及び先端部用ラックの位置決め法
診断の分野において使用される分析システムは、分析されるべきサンプルの処理を必要とする。斯かる処理は、容器の移送、又は、ひとつの容器から別の容器への液体サンプル及び試薬の移し換えを伴う。更に大きなスループットのためには、複数の消耗品を同時的に取り扱い得る処理デバイスにより同時的処理が実施されることが多い。処理デバイスと消耗品との係合は、適切な整列を必要とする。
【0080】
特許文献1は、アッセイワークステーションを開示している。処理ヘッド400は、案内支持体500上に配置された案内孔510、512に対する、処理ヘッド400上に配置されたロッド408、410の係合により、ラック302又は202により保持されたピペット先端部362又は受容器262と整列される。案内支持体及びラックは、基部構造100上に別体的に取付けられる。上記先行技術の不都合は、位置決めの多さが、処理デバイスと消耗品との整列に影響することである。不正確な製造により、又は、位置決め要素又はラック302、202に対する位置決め要素又は案内支持体の不正確な組み付けにより引き起こされる位置決めの不正確さによれば、処理デバイスと消耗品との整列の正確さが阻害され得る。
【0081】
ラックと処理デバイスとを整列させる位置決め方法も開示される。該位置決め方法は、上記処理デバイスの底部表面上に配置された少なくとも2つの位置決め要素を、上記ラックの頂面上に配置された少なくとも2つの位置決め要素に対して整列させる段階と、上記処理デバイス上の上記位置決め要素を上記ラックの上記位置決め要素と機械的に係合させる段階とを備えて成る。処理デバイスは好適には、ピペット先端部に係合して液体を分注する分注器に関連する。斯かる処理ヘッドは、当業界において公知である。
【0082】
好適には、上記消耗品は複数のピペット先端部を備えて成る先端部用ラックであり、且つ、上記処理デバイスは上記ピペット先端部と係合するインタフェースを備えて成る処理ヘッドである。上記ピペット先端部は好適には、上記ピペット用ラックにおいて2次元配列で配置される。
【0083】
上記処理デバイス上の上記位置決め要素と上記消耗品上の上記位置決め要素との係合によれば、上記処理デバイスの上記インタフェースは、上記ピペット先端部と相互作用して係合する。
【0084】
“ラック”とは、分析システムにおいて使用されてサンプルを保持する任意の種類のデバイス、すなわち、サンプルを保持すべく構成かつ配置された消耗品を保持するデバイスであると理解される。上記ラックはひとつの頂面と4つの側壁とを有し、2つの側壁は相互に平行に対向する。選択的に、上記ラックは底部表面も有する。消耗品とは、分析試験において使用されるべく分析システムに反復的に導入されるデバイスであると理解される。消耗品は、交換される前に単一回だけ使用され得るか、又は、それは複数回に亙り使用され得る。ひとつの好適実施例において、上記ラックは複数の容器を保持する。上記容器は、分析システムにおいて使用されるためにサンプルを保持し得る。上記サンプルは、分析システムにおいて処理されるべきサンプル、又は、分析システムにおいて使用される試薬に関連すると理解される。代替的に、上記容器は、液体を吸引かつ供与するピペット先端部である。上記液体は、本明細書において先に定義された如くサンプル又は試薬とされ得る。故に、上記ラックはピペット先端部用ラックとされ得る。上記ピペット先端部用ラックの好適実施例としては、図25又は図1に示された如く、一体的に形成されたラック、又は、ひとつ以上の構成部材を備えて成るラックが挙げられる。本明細書において複数構成部材式のラックは、好適であるが非限定的な例として記述される。別の好適実施例において、上記ラックは、該ラックに対して一体的に取付けられた複数の容器を備えて成るマルチウェル・プレートである。
【0085】
処理デバイスは、分析システムにおいて使用される任意の種類のデバイスであって、分析試験の間においてサンプルの処理に関与すると共に、サンプル・デバイスとの整列を要するというデバイスである。処理デバイスの好適実施例は、処理ヘッドである。処理ヘッドは、複数のピペット先端部と係合するデバイスであると理解される。該デバイスは、上記複数のピペット先端部と係合し得るインタフェースを備えて成る。好適には、上記インタフェースは複数の円錐体を備えて成る。但し、業界公知の他のインタフェースも包含される。他の実施例において、上記処理デバイスは消耗品を把持するデバイスも含み得る。インタフェースの好適実施例は、円錐体、円筒状インタフェース、又は、O−リングを備えたインタフェースである。
【0086】
位置決め要素は、上記処理デバイス上及び上記ラック上に配置される要素であると理解される。斯かる要素は、処理デバイス上の位置決め要素がラック上の位置決め要素と相互作用することで、上記処理デバイス及び上記ラックを機械的に係合させ得る如く構成かつ配置される。
【0087】
上記処理ヘッドは好適には、第1形式のピペット先端部の個数と等しい個数のインタフェースを備えて成る。上記処理ヘッドは、第1形式の複数のピペット先端部又は第2形式の複数のピペット先端部に対して選択的に係合し得る。このことを達成するために、上記処理ヘッドが第1形式の複数のピペット先端部又は第2形式の複数のピペット先端部のみと係合する如く、上記先端部用ラック上の少なくとも2つの位置決め要素が、上記処理ヘッド上の少なくとも2つの位置決め要素と係合する。異なる形式の複数のピペット先端部に対する上記選択的係合は、2つより多い形式の複数のピペット先端部を備えて成る先端部用ラック上の適切な個数の位置決め要素を単に選択することによっても達成され得る。
【0088】
好適には、ラック上でひとつの角隅部に配置されたひとつの位置決め要素は第1形状を有し、且つ、該ラック上の第2の位置決め要素であって、該先端部用ラックの上記頂面の対角線方向に対置された角隅部上に取付けられたという第2の位置決め要素は、第2形状を有する。更に好適には、上記第1形状は円形断面であり、且つ、上記第2形状は長寸形状である。この実施例の利点は、以下に更に記述される。更に高信頼性の位置決めを達成するために、上記方法は、上記処理デバイスの底部表面上に配置された位置決め要素と、上記ラックの頂面上に配置された位置決め要素とが整列される、という第1位置決め段階も含み得る。好適には、上記第1位置決め段階は、切欠きに対する上記位置決め要素の係合により媒介される。
【0089】
本明細書中に開示される方法の更なる好適実施例は、本明細書において上記に且つ本明細書において以下に記述される。
【0090】
本明細書において上記された位置決め方法の好適実施例において、先端部用ラック60、70は、第1形式のピペット先端部4及び第2形式のピペット先端部3の交互配置的な複数の列を備えて成る。
【0091】
好適には、処理ヘッド35は、第1形式のピペット先端部4の個数に等しい個数のインタフェース67を備えて成る。該インタフェース67は、円錐状又は円筒状とされ得ると共に、好適にはO−リングを備え得る。更に好適には、処理ヘッド35が、第1形式のピペット先端部4に対してのみ又は第2形式のピペット先端部3に対してのみ係合する如く、先端部用ラック60、70上の少なくとも2つの位置決め要素31、32、33、34が、処理ヘッド35上の少なくとも2つの位置決め要素36と係合する。そして更に好適には、上記方法は、処理デバイス35の底部表面61上に配置された位置決め要素36、及び、ラック60、70の頂面66上に配置された位置決め要素31、32、33、34が整列される、という第1位置決め段階を付加的に備えて成る。更に好適には、上記第1位置決め段階は、切欠き20に対する位置決め要素10の係合により媒介される。更に好適な実施例において、上記処理デバイス上の位置決め要素36はピンであり、且つ、上記ラックの頂面66上の位置決め要素31、32、33、34は、上記ピンと係合すべく寸法設定された開口である。最も好適な実施例において、先端部用ラック60、70はこの位置決め要素31、32、33、34を備えて成り、且つ、処理ヘッド35は2個の位置決め要素36を備えて成る。
【0092】
本明細書において上記された方法の好適実施例において、位置決め要素31、32、33、34、36は、処理デバイス35又はラック60、70の対角線方向に対置された角隅部に配置される。但し、同様の結果に繋がる他の箇所が想起され得る。好適には、先端部用ラック60、70は、等しい個数の第1ピペット先端部4及び第2ピペット先端部3を備えて成る。更に好適には、ラック60、70上でひとつの角隅部に配置された一方の位置決め要素31、32は円形開口であり、且つ、上記ラック上の対応する第2の位置決め要素33、34であって、先端部用ラック60、70の頂面の対角線方向に対置された角隅部上に取付けられ第2の位置決め要素33、34は、楕円形開口である。
【0093】
操作器
流体サンプル中に存在し得る分析対象物を単離して処理する方法が開示される。該方法は、自動化された以下の各段階を備えて成る:
a)第1ステーションにおいてマルチウェル容器内に流体サンプルを提供する段階;
b)上記マルチウェル容器のウェル内において、上記分析対象物が固体支持物質上に固定化されるのを許容するに十分な時的間隔及び条件下で、上記固体支持物質及び上記流体サンプルを相互に組み合わせる段階;
c)分離ステーションにおいて、上記流体サンプル中に存在する他の物質から上記固体支持物質を単離する段階;及び、
d)上記分離ステーションにおいて、上記固体支持物質から上記流体サンプルを分離し且つ上記物質を洗浄用緩衝液により一回以上洗浄することにより、上記分析対象物を精製する段階;
上記マルチウェル容器は操作器により接触され、上記マルチウェル容器は上記操作器により複数のステーション間で搬送され、上記操作器と上記マルチウェル容器との間の上記接触は型形状繋止接触(form−locking contact)である。
【0094】
好適には、上記マルチウェル容器はマルチウェル・プレートである。好適には上記方法は、精製済み分析対象物を分析ステーションで分析する段階を付加的に備えて成る。更に好適には、上記分析段階は、第2のマルチウェル・プレートにおいて実施される。そして更に好適には、第2マルチウェル・プレートは、少なくともひとつの操作器、好適にはひとつの操作器により接触されると共に複数のステーション間で搬送され、上記操作器と上記マルチウェル容器との間の上記接触は型形状繋止接触である。更に、上記操作器は好適には、2つのステーション間、又は、3つのステーション間で上記マルチウェル容器を搬送する。上記複数のステーションは好適には、格納ステーション及び/又はサンプル・ステーション及び/又は分離ステーション及び/又は保持ステーション及び/又はシール・ステーション及び/又は分析ステーション及び/又は検出ステーションである。
【0095】
好適実施例において、上記方法は先端部用ラックに複数のピペット先端部を配備する段階を更に備えて成り、上記先端部用ラックは少なくともひとつの操作器により接触され且つ複数のステーション間で搬送され、上記少なくともひとつの操作器と上記先端部用ラック容器との間の上記接触は型形状繋止接触である。上記複数のステーションの内のひとつは好適には、格納ステーションである。他の好適なステーションは、本明細書中に記述されるステーションである。
【0096】
好適実施例において、上記分析ステーションは増幅ステーションである。好適には、該増幅ステーションは増幅/検出ステーションである。好適には上記方法は、マルチウェル・プレートの容器内において、精製済み核酸を、該分析対象物を増幅するに十分な試薬と組み合わせる段階を更に備えて成り、上記マルチウェル・プレートは保持ステーションに保持される。更に好適な実施例において、ひとつの操作器はマルチウェル容器を保持ステーションからエアロック460へと搬送し、且つ、第2の操作器は上記マルチウェル・プレートを上記エアロックから上記増幅ステーションへと搬送し、両方の操作器は上記マルチウェル・プレートと型形状繋止相互作用により相互作用する。
【0097】
好適実施例において、上記操作器は把持器フィンガを備えて成り、該把持器フィンガは上記マルチウェル・プレートの凹所に嵌合し、該嵌合は型形状繋止である(図48、図49)。更に、マルチウェル・プレートの容器内に含まれた分析対象物を固体支持物質から分離する分離ステーションを備えて成る処理区画を備えて成る、分析対象物を精製して分析するシステムが開示される。好適には、上記分離ステーションは、マルチウェル・プレートの容器内に含まれた分析対象物を固体支持物質から分離すべく構成かつ配置される。上記システムは更に、分析ステーションを備えて成る分析区画を備えて成り、上記ステーションは、上記分析対象物を処理して該分析対象物の有無を表す信号を生成するインキュベータを備えて成る。付加的に、上記システムは複数の開口を備えるひとつより多い消耗品を備えて成り、少なくともひとつの開口は上記消耗品の一方の側壁上に配置され、且つ、少なくともひとつの開口は上記消耗品の逆側の側壁上に配置される。上記システムには、少なくともひとつの操作器を備えて成る把持システムも含まれ、上記少なくともひとつの操作器は、該操作器の一側上の少なくともひとつの把持器フィンガと、該操作器の逆側上の少なくともひとつの把持器フィンガとを備えて成る。上記各把持器フィンガは上記消耗品上の上記開口と相互作用し、且つ、該相互作用は型形状繋止相互作用である。好適には、本明細書において上記されたシステムは、液体サンプルをサンプル容器からマルチウェル容器へと移し換えるべく構成かつ配置されたサンプル区画を付加的に備えて成る。好適実施例において、上記マルチウェル容器は上記把持器システムにより各区画間で搬送される。更なる好適実施例において、上記マルチウェル容器は、上記サンプル区画から上記分析区画へと搬送される。好適な消耗品は、本明細書中に記述される。好適には、上記ひとつより多い消耗品は、マルチウェル・プレート及び先端部用ラックを備えて成る。
【0098】
好適な操作器500は、ロボット式アーム502に対して接続された中央部分500aを備えて成る。中央部分500aは、対置された2つの側辺上に把持器フィンガ501を備えて成る。把持器フィンガ501は、移動可能である。本明細書において上記された如き型形状繋止要素38、106、507、309を備えて成る消耗品60、70、101、301、302に係合するとき、把持器フィンガ501は該消耗品60、70、101、301、302に接続される。把持器フィンガ501は、X方向において消耗品60、70、101、301、302に向けて移動され、該把持器フィンガ501が停止に至るまで型形状繋止要素38、106、507、309と相互係合する。この位置において、操作器500と消耗品60、70、101、301、302との間には型形状繋止位置が存在する。ロボット式アーム502に対して接続された操作器500は、消耗品60、70、101、301、302をひとつの位置から第2位置へと移動させ得る。消耗品60、70、101、301、302を解放するために、把持器フィンガ501は該消耗品60、70、101、301、302から離間移動する。好適には、上記操作器は複数のスプリング取付け式ピン506を備えて成る。これらのピン506は、操作器500が消耗品60、70、101、301、302に対して押圧されたときに該消耗品60、70、101、301、302から強制的に離間される。この位置において把持器フィンガ501は、消耗品60、70、101、301、302の型形状繋止要素38、106、507、309と相互作用し得る。操作器500を消耗品60、70、101、301、302に対して下方に押圧したとき、把持器フィンガ501は消耗品60、70、101、301、302の型形状繋止要素38、106、507、309から離間移動し得る(図50a)。
【0099】
操作器500は、把持に先立ち該操作器500が消耗品60、70、101、301、302上で下方に移動されるときにマルチウェル・プレートの側方に配置されるピン507も備えて成る。これらのピン507は、消耗品60、70、101、301、302を把持のための正しい位置へと案内する。更に、ピン507は、把持器フィンガ501が消耗品60、70、101、301、302から離間移動するときに該消耗品60、70、101、301、302が操作器500へと付着することを阻止する(図50b)。
【0100】
好適には、上記型形状繋止要素38、106、507、309は、上記消耗品の側壁、更に好適には消耗品60、70、101、301、302の長寸側辺における開口38、106、507、309である。好適には、ひとつの側壁上には2つの開口38、106、507、309が配置され、且つ、逆側の側壁上には2つの開口38、106、507、309が配置される。
【0101】
マルチウェル・プレート/処理プレート
分析対象物をインキュベート又は分離するマルチウェル・プレートが開示される。マルチウェル・プレートは好適には、分析システムにおいて用いられる。これにより、複数のサンプルの並行的な分離及び分析又は格納が許容される。マルチウェル・プレートは、最大量の液体取り込みに対し、又は、最大量の熱伝達に対して最適化され得る。
【0102】
自動分析システムにおける最適な使用に対して改善されたマルチウェル・プレートが提供される。
【0103】
上記マルチウェル・プレートは、自動分析器における分析対象物のインキュベート又は分離に対して最適化される。好適には、上記マルチウェル・プレートは、磁気的デバイス及び/又は加熱デバイスと接触すべく構成かつ配置される。
【0104】
上記マルチウェル・プレートは、
頂部において複数の列にて配置された開口を有する複数の容器を備えて成る頂面であって、
上記各容器は、上側部分、中央部分、及び、底部部分を備えて成り、
上記上側部分は、上記マルチウェル・プレートの上記頂面に対して結合されると共に、2つの長寸側辺及び2つの短寸側辺を備えて成り、
上記中央部分は、2つの長寸側辺及び2つの短寸側辺を有する実質的に矩形状の断面を有する、
という頂面と、
対置された2つの短寸側壁、及び、対置された2つの長寸側壁と、
上記磁気的デバイス及び/又は加熱デバイスに対して当該マルチウェル・プレートを接触して載置すべく構成かつ配置された開口を備えて成る基部と、
を備えて成る。
【0105】
上記マルチウェル・プレートの好適実施例において、ひとつの列内において隣り合う各容器は、上記実質的に矩形状の長寸側辺にて相互に結合される。
【0106】
好適には、上記マルチウェル・プレートは、隣り合う容器列間に配置された連続空間を備えて成る。該連続空間は、プレート形状の磁気的デバイスを収容すべく構成かつ配置される。好適実施例において、上記容器の底部部分は球状底部を備えて成る。更に好適な実施例において上記容器の底部部分は、上記中央部分と上記球状底部との間に配置された円錐状部分を備えて成る。
【0107】
好適実施例において、上記頂面は複数のリブを備えて成り、これらのリブは上記容器の上記開口を囲繞する。好適には、上記容器の上記上側部分の一方の短寸側辺は凹所を備えて成り、該凹所は、上記リブから上記容器の内側へと延在する屈曲表面を備えて成る。
【0108】
更に、好適実施例において、上記容器は丸み付けられた内側形状を備えて成る。
【0109】
処理ステーション又はインキュベータステーションに対する固定のために、上記基部は好適には、複数の凹所を備えて成る縁部を備えて成る。分析器のステーション上の掛止クリップは、上記凹所に係合することで、上記プレートをステーション上に固定し得る。
【0110】
好適実施例において、上記容器は本質的に一定の壁厚を備えて成る。
【0111】
処理プレート101は好適には、単一構成要素式のプレートである。その頂面110は、複数の容器103を備えて成る(図28、図29)。各容器は、頂部における開口108を有すると共に、底端部112にて閉じられる。頂面110は、該頂面110に対して好適に高位とされたリブ104であって、容器103の開口108を囲繞するというリブ104を備えて成る。これにより、プレート101の頂面110上へと落下し得る液体の小滴による容器103の内容物の汚染が阻止される。好適な処理プレートの図は、図26から図37に示される。
【0112】
処理プレート101の設置面積は好適には、ANSI SBS設置面積フォーマットに対応する基部の長さ及び幅を備えて成る。更に好適には、上記長さは127.76mm±0.25mmであり、且つ、上記幅は85.48mm±0.25mmである。故にプレート101は、対置された2つの短寸側壁109及び対置された2つの長寸側壁118を有する。処理プレート101は、操作器500と相互作用する型形状繋止要素106を備えて成る。処理プレート101は、正しい配向及び姿勢を維持し乍ら、高速にて迅速かつ安全に、把持され、搬送され、且つ、位置決めされ得る。好適には、把持のための型形状繋止要素106は、処理プレート101の上側の中央部分内、好適には上側の中央の1/3の部分内に配置される。このことは、処理プレート101の可能的な歪曲が型形状繋止要素106に対して僅かな影響のみを有し、且つ、プレート101の取り扱いが更に高信頼性である、という利点を有している。
【0113】
処理プレート101は好適には、ハードウェア識別子102及び115を備えて成る。ハードウェア識別子102及び115は、処理プレート101に対して一意的であり、且つ、同一システムにおいて使用される他の消耗品のハードウェア識別子とは異なる。ハードウェア識別子102、115は好適には、消耗品の側壁上の稜線部119及び/又は凹所125を備えて成り、稜線部119及び/又は凹所125の上記パターンは、特定形式の消耗品、好適には処理プレート101に対して一意的である。この一意的なパターンは本明細書中で、一意的な“表面幾何学形状”とも称される。ハードウェア識別子102、115によれば、ユーザは、適切な配向における分析機器126の適切な積層位置のみへと処理プレート101を装填し得ることが確実とされる。処理プレート101の側部上には、案内要素116及び117が含まれる(図33)。それらによれば、処理プレート101の傾斜が阻止される。案内要素116、117によれば、ユーザは案内要素116、117により複数枚の処理プレート101をひとつの積層体として分析機器内へと装填し、次に該積層体は該機器内で積層器において、各プレートの傾斜なしで、垂直に移動される。
【0114】
容器103の中央部分120は、実質的に矩形状の断面を有する(図30、図31)。それらは、殆ど矩形状の長寸側辺118に沿い共通壁部113により分離される(図37)。これにより形成される容器103の列は、限られた利用可能スペースに関わらず、各容器が大きな容量、好適には4mlを有する、という利点を有する。別の利点は、本質的に一定の壁厚の故に、製造が非常に経済的なことである。更なる利点は、各容器103は相互に強化し合うことから、形状の高度の安定性が実現され得ることである。
【0115】
容器103の各列123の間には、連続空間121が配置される(図31、図35)。空間121は、磁石122又は加熱デバイス128を収容し得る(図36、図38)。これらの磁石122、127及び加熱デバイス128は好適には、固体デバイスである。故に、磁石122、127が容器103の近傍にもたらされたとき、容器103内に保持され得る液体215中に含まれる磁性粒子216は、容器103に対して磁界を及ぼすことにより液体215から分離され得る。又は、容器103の内容物は、処理プレート101が加熱デバイス128上に載置されたとき、上昇されて制御された温度にてインキュベートされ得る。磁石122、127又は加熱デバイス128は固体とされ得ることから、大きなエネルギ密度が達成され得る。容器103の中央部分120(図36、図37)の殆ど矩形の形状によれば、容器103と磁石122又は加熱デバイス128の接触表面を最適化して容器103へのエネルギ伝達を最適化することにより、容器壁109と平坦形状磁石122又は加熱デバイス128との間における接触も最適化される。
【0116】
上記容器の円錐状底部111の領域において、空間121は更に顕著であり、且つ、更なる磁石127を収容し得る。容器3の上側領域における大寸磁石122及び円錐状領域における小寸磁石127の組み合わせによれば、大容量又は小容量の液体215中の磁性粒子216の分離が許容される。故に小寸磁石127によれば、溶出物分注の間における磁性粒子216の隔離が更に容易とされる。これにより、磁性粒子216のペレットの死容積を減少することにより、最小限度の損失を以て、溶出物を分注することが可能である。更に、移し換えられた溶出物中の磁性粒子216の存在は、最小限とされる。
【0117】
容器103の上端部にて、該容器103の短寸側壁109の一方は、円周方向リブ104まで延在する試薬取入チャネル105を備えて成る(図32、図30)。上記試薬は、試薬取入チャネル105上へと分注されると共に、該チャネル105から容器103内へと排出される。故に、ピペット・ニードル80又は先端部3、4と、上記容器内に収容された液体との間の接触は阻止される。更に、容器103内に収容された別の液体215中へと直接的に供与されつつある液体から帰着する飛沫であって、ピペット・ニードル80又は先端部3、4又は近傍の容器103の汚染を引き起こし得るという飛沫が阻止される。小容量の試薬を試薬取入チャネル105上へと順次的に分注した後で最大容量の別の試薬が追随すると、少量のみで加えられた上記試薬は完全に容器103内へと排出されることが確実とされる。故に、実施されるべき試験の精度を失わずに、小容量の試薬の分注が可能である。
【0118】
内側において、上記容器の底部111、112上で、その形状は円錐状111となり、球状底部112で終端する(図34)。矩形の中央部分120を含む上記容器の内側形状114は、丸み付けされる。容器103の球状底部112、丸み付けされた内側形状114、円錐状部分111、及び、精緻化表面の組み合わせは、処理プレート101における分析対象物の効果的な分離及び精製を促進する好適な流体挙動に繋がる。球状底部112によれば、分離された溶出物の本質的に完全な使用と、死容積の減少とが許容され、これにより、試薬の持ち越し又はサンプルの相互汚染が減少される。
【0119】
処理プレート101の基部129上の縁部は、処理ステーション201上の掛止クリップ124、又は、加熱デバイス128、又は、分析機器126との係合のために凹所107を備えて成る(図28、図38、図39)。凹所107に対する掛止クリップ124の係合によれば、処理ステーション201上での処理プレート101の位置決め及び固定が許容される。凹所107の存在によれば、掛止力は基部129に対して殆ど垂直に、処理プレート101に対して作用し得る。故に、側方に作用するのは小さな力のみが生じ得る。これにより、歪みの発生が低減されることから、処理プレート101の変形が低減される。上記の垂直な掛止力はまた、処理プレート101の一切の変形を回避することで、処理ステーション201内における球状底部111の更に正確な位置決めに繋がり得る。概略的に、分析器126内における処理プレート101と処理ステーション201又は加熱デバイス128との間の正確な接合によれば、死容積が減少されると共に、サンプルの相互汚染の虞れも減少される。
【0120】
分離ステーション
容器内に収容された液体中の磁性粒子に結合した分析対象物を分離するデバイスが開示される。該デバイスは、当該マルチウェル・プレートの頂面における開口と閉塞された底部とを備える複数の容器を備えて成るマルチウェル・プレートを備えて成る。上記容器は、上側部分、中央部分及び底部部分を備えて成り、上記上側部分は、上記マルチウェル・プレートの上記頂面に対して結合されると共に、好適には2つの長寸側辺及び2つの短寸側辺を備えて成る。上記中央部分は、2つの長寸側辺を有する実質的に矩形状の断面を有し、上記各容器は列毎に整列される。隣り合う2つの列同士の間には、固定具上に取付けられた少なくとも一個の磁石を、少なくとも2つのZ位置において側壁に対して選択的に接触させるための連続空間が配置される。上記デバイスは更に、少なくとも一個の固定具を備えて成る磁気的分離ステーションを備えて成る。上記固定具は、磁界を生成する少なくとも一個の磁石を備えて成る。少なくとも一個の磁石を備えて成る上記少なくとも一個の固定具を、上記マルチウェル・プレートの各容器に関する少なくとも第1及び第2の位置の間において垂直に移動させる移動機構が存在する。好適には、上記容器の上記少なくとも2つのZ位置は、上記容器の側壁及び底部部分を備えて成る。上記少なくとも一個の磁石の磁界は好適には、該少なくとも一個の磁石が上記第1位置に在るときに、磁性粒子を、上記少なくとも一個の磁石の近傍である容器の内側面へと吸引する。上記磁界の効果は、上記少なくとも一個の磁石が上記第1位置に在るときよりも、上記少なくとも一個の磁石が上記第2位置にあるときの方が少ない。好適には、上記少なくとも一個の磁石を備えて成る上記固定具は、フレームを備えて成る。上記容器は、マルチウェル・プレート/処理プレートに基づいて記述された好適な特徴を有する。斯かるひとつの好適な特徴は、上記容器の少なくとも一部分が、該容器の軸心に直交する実質的に矩形状の断面を有することである。
【0121】
上記第1位置において、上記少なくとも一個の磁石は上記容器の上記部分の近傍である。近傍とは、容器の内容物に磁界を及ぼす如く非常に接近しているか、又は、容器と物理接触するかのいずれかを意味すると理解される。
【0122】
上記分離ステーションは、上記マルチウェル・プレートを受容するフレームと、上記マルチウェル・プレートを取付ける掛止クリップとを備えて成る。好適には、上記分離ステーションは2つの形式の磁石を備えて成る。この好適実施例は、以下において更に記述される。
【0123】
以下においては、各磁石が上記マルチウェル・プレートの容器に当接して押圧される如く、各磁石を備えて成る上記フレームに対して圧力を及ぼすスプリングを備えて成るという第2の好適実施例が記述される。
【0124】
上記第1磁石は好適には、マルチウェル・プレートの容器内に保持されて磁性粒子を含む大容量の液体に対して磁界を及ぼすために上記容器と相互作用すべく構成かつ配置される。上記第2磁石は好適には、上記容器内に保持されて磁性粒子を含む小容量の液体に対して磁界を及ぼすためにマルチウェル・プレートの容器と相互作用すべく構成かつ配置される。上記第1及び第2磁石は、異なるZ位置へと移動され得る。
【0125】
分析対象物、好適には核酸を単離して精製する方法が開示される。該方法は、マルチウェル・プレートの容器内で分析対象物を磁性粒子に対して結合させる段階を備えて成る。上記容器は、上側開口、中央部分、及び、底部部分を備えて成る。次に、上記液体の大部分が、矩形状を有する上記中央部分へと上記容器の円錐状部分が遷移する区画の上方に配置されたとき、磁石を第2位置から第1位置へと移動させ、該第1位置においては上記中央部分に対して磁界を印加し、且つ、選択的に上記容器の底部部分に対して磁界を印加することにより、結合した物質は液体中に含まれる未結合の物質から分離される。上記磁性粒子は、洗浄溶液により選択的に洗浄され得る。上記液体の大部分が、矩形状を有する上記中央部分へと上記容器の円錐状部分が遷移する区画の下方に配置されたとき、小容量の液体は、上記容器の上記底部部分に対して磁界を選択的に印加することにより、上記磁性粒子から分離される。
【0126】
本明細書において上記された方法は好適には、段階c)と段階d)との間において、核酸を溶出する段階を付加的に備えて成る。好適には上記方法は、上記溶出物を、上記マルチウェル・プレートから第2のマルチウェル・プレートへと移し換える段階を備えて成る。更なる好適実施例においては、段階b)において、第1形式の磁石は第2位置から第1位置へと移動されて上記容器の中央部分に対して磁界を印加し、且つ、選択的に、第2形式の磁石が上記容器の上記底部部分へと移動されて磁界を印加する。更に好適には、段階b)に対し、磁石が上記容器の上記中央部分へと移動され、且つ、該磁石は上記容器の上記底部部分へと、核酸を溶出するための第3位置へと移動される。
【0127】
磁性粒子に対して結合した分析対象物を分離する磁気的分離ステーションが開示され、該分離ステーションは、マルチウェル・プレートの容器内に保持されて磁性粒子を含む大容量の液体に対して磁界を及ぼすために上記容器と相互作用すべく構成かつ配置された第1磁石と、マルチウェル・プレートの容器内に保持されて磁性粒子を含む小容量の液体に対して磁界を及ぼすために上記容器と相互作用すべく構成かつ配置された第2磁石とを備えて成り、且つ、上記第1及び第2の磁石は、異なるZ位置へと移動され得る。上記磁気的分離ステーションの好適実施例は、本明細書中に記述される。
【0128】
以下においては、分離ステーション201の第1好適実施例が記述される。分離ステーション201の第1好適実施例は、少なくとも2つの形式の磁石202、203を備えて成る。第1の長寸形式の磁石202は、処理プレート101の空間121内へと嵌合すべく構成かつ配置される。故に磁石202は、容器103内の液体215に対して磁界を及ぼし、磁性粒子216を容器壁の内側部上へと隔離する。これにより、大容量の液体215が存在するとき、容器103の内側において、磁性粒子216、及び、それに結合した一切の物質、及び、液体215の分離が許容される。磁石202は、長寸構造を有すると共に、容器の本質的に矩形状の中央部分120と相互作用すべく構成かつ配置される。故に磁石202は、液体215の大部分が、矩形状を有する中央部分120へと容器103の円錐状部分111が遷移する区画の上方に配置されたときに使用される。図40に示された如く、磁石202の好適な構成は、処理プレート101における容器103の各列間の空間121内へと嵌合する磁石202を備えて成る固定具204、204aを備えて成る。磁石202の別の好適実施例は、固定具204、204a上に配置された磁石202を備えて成る。好適な分離ステーション201の磁石203は、更に小寸であり、且つ、容器103の円錐状部分111と相互作用し得る。このことは、図41(a)に示される。磁石203は好適には、処理プレート101の空間121内へと移動され得る基部205上に配置される。各磁石202、203は好適には、隣り合う2つの列における2個の容器103と相互作用すべく構成される。好適実施例において処理プレート101は、一列が8個の容器103を、6列有している。好適な処理プレート101と相互作用し得る分離ステーション201は、磁石202を備えて成る3個の固定具204、204aと、磁石203を備えて成る4個の基部205とを有する。分離ステーションが、磁石202を備えて成る4個の磁気的固定具204、204aと、磁石203を備えて成る3個の磁気的基部205とを有する、という実施例も包含される。
【0129】
磁石202、203は移動可能である。分離ステーション201は、固定具204、204a及び基部205を移動させる機構を備えて成る。全ての固定具204、204aは、基部217により相互接続されることから、連携して移動される。全ての磁石203はひとつの基部218に対して結合されることから、連携して移動される。磁気プレート202及び203を移動させる機構は、2つの形式の磁気プレート202、203を合計で4個の端部位置へと移動させるべく構成かつ配置される。
【0130】
図40(a)から(c)において、磁石203は処理プレート101の容器103の円錐状部分の近傍に配置される。これは、磁石203の最上位置であり、且つ、分離位置である。この図において、磁石202は最下位置に配置される。それらは、それらがこの位置に在るときに分離に関与しない。
【0131】
図41(a)から(c)において、磁石202及び203は、それらの最下位置に在る。これらの磁石のいずれも、分離位置には無い。故に、この位置においては、液体からの磁性粒子の分離は行われ得ない。
【0132】
図42(a)から(c)は、磁石202が処理プレート101の空間121内に配置されるという位置を示している。これは、磁石202の最高位のZ位置である。この図において、磁石203もまた最高位のZ位置に在る。それらは、容器103の円錐状領域内の液体に対して磁界を及ぼす。故に、両方の磁石は分離位置に在る。故に、磁石202及び203の最高位のZ位置は異なる。
【0133】
図43(a)から(c)は、磁石202が処理プレート101の空間121内に配置されるという位置を示している。これは、磁石202の最上位置であり、且つ、分離位置である。この図において、磁石203は最下位置に配置されている。それらは、それらがこの位置に在るときには分離に関与しない。
【0134】
図40から図43に示された好適実施例において、磁石202の基部217は位置決めホィール206に対して接続される。基部217は、移動要素209により接続要素208に対して可撓的に接触する底端部207を備えて成る。上記移動要素は、接続要素208をレール212に沿い一側から他側へと移動させるべく構成かつ配置される。移動要素209は、ピン220により接続要素208に対して固定される。接続要素208は、ネジ210により位置決めホィール206に対して固定される。接続要素208は、軸211に対しても接続される。接続要素208は好適には、矩形状のプレートである。ネジ210が偏心軸心の上方の点から偏心軸心の下方の点へと移動する如く、軸211の回りで位置決めホィール206は偏心的に移動するときに、移動要素209と、磁石202が取付けられた基部204の底端部207とは、最上位置から最下位置へと移動される。基部218は底部部分219上に取付けられると共に、該基部は、その下端部においてピン213により、好適にはホィールであり且つ位置決めホィール206と相互作用するという移動要素214に対して接続される。位置決めホィール206が軸211の回りで回転するとき、ホィール214は位置決めホィール206に沿い移動する。もしホィール214が、軸211からの距離が短いという位置決めホィール206の区画上に配置されたとき、磁石203はそれらの最下位置に在る。ホィール214が、軸211からの距離が最大であるという位置決めホィール206の区画上に配置されたとき、磁石203はそれらの最上位置に在る。故に、上記分離ステーションの第1実施例の好適実施例において、磁石203の箇所は位置決めホィール206の形状により制御される。移動要素209がレール212の中央の丸形の上側又は下側部分212aに沿い移動するとき、小寸形式の磁石203は上下に移動される。移動要素209が底端部207の側部212b上に配置され且つ上方又は下方に移動されるとき、磁石202は上方又は下方に移動される。上記位置決めホィールは、任意のモータ224により回転され得る。
【0135】
好適実施例においては、上記分離ステーションの基部222及び磁石203の基部218に対してスプリング225が取付けられることで、磁石203が下方に移動されたときに該磁石が最下位置へと移動されることが確実とされる。
【0136】
本明細書中で用いられる“ピン”という語句は、ネジ又はピンなどの、任意の固定要素に関連している。
【0137】
第2好適実施例において分離ステーション230は、少なくとも一個の磁石232、好適には、ひとつの列123における容器103の個数に等しい個数の磁石を備えて成る少なくとも一個の固定具231を備えて成る。好適には分離ステーション230は、本明細書において上記されたマルチウェル・プレート101の列123の個数に等しい個数の固定具231を備えて成る。更に好適には、分離ステーション230には6個の固定具231が取付けられる。ひとつの固定具231には、少なくとも一個の磁石232が取付けられる。好適には、磁石232の個数は、ひとつの列123における容器103の個数に等しい。更に好適には、ひとつの固定具231には8個の磁石232が取付けられる。好適には、上記固定具231上にはひとつの形式の磁石232が含まれる。更に好適には、磁石232は、該磁石が容器と相互作用する側を容器に向けて配向して取付けられる。
【0138】
固定具231は基部233上に取付けられる。好適には、該取付けは可撓的である。基部233は、自身上に取付けられたスプリング234を備えて成る。スプリング234の個数は、基部233上に取付けられた固定具231毎に、少なくとも一個のスプリングである。上記基部は更に、上記スプリングの移動、故に、磁石232を備えて成る固定具231の移動を制限する面取り部236を備えて成る。好適には、各スプリング234の内のいずれかひとつは、固定具231と相互作用すべく構成かつ配置される。更に好適には、スプリング234はヨーク・スプリングである。上記相互作用によれば、固定具231の水平移動が制御される。更に、分離ステーション230はフレーム235を備えて成る。固定具231を備える基部233は、上記第1実施例の磁石232に対して本明細書において上記された移動機構により、フレーム235に対して接続される。
【0139】
好適には、基部233及び固定具231は垂直方向に(Z方向に)移動すべく構成かつ配置される。
【0140】
本明細書において上記されたマルチウェル・プレート101は、分離ステーション230内へと挿入される。磁石232を備えて成る固定具231は、垂直方向に移動される。故に、いずれかひとつの固定具232が、容器103の2つの列123の間の空間121内へと移動される。上記垂直移動により、固定具231上に取付けられた磁石232は容器103と接触せしめられる。Z位置は、容器103の内側における液体215の体積に依存して選択される。大きな体積に対し、磁石232は、容器103が殆ど矩形状である中央位置120において該容器103と接触する。液体215の大部分が容器103の中央部分120の下方に配置されるという小体積の液体215に対し、磁石232は好適には、容器103の円錐状部分111と接触する。
【0141】
いずれかひとつのフレーム231の基部233には、スプリングが取付けられる(図39(a)、(b))。該スプリングは、磁石232を容器103に対して押圧する。これにより、磁気的分離の間における磁石232と容器103との間の接触が確実とされる。好適には、磁石232は、取入口105の下方に配置された側壁109上の容器103に接触する。このことは、分注により加えられた液体が、隔離された磁性粒子を越えて流れるという利点を有すると共に、上記粒子は再懸濁され且つ全ての容器内の全てのサンプルが同一的に処理されることが確実となる。
【0142】
この実施例は特に、本明細書において上記されたマルチウェル・プレート101の容器103内に異なるレベルの液体215が収容されたときに、マルチウェル・プレート101内に含まれた液体215を磁性粒子216から分離するのに適している。
【0143】
ADプレート及びフレーム
増幅及び検出のために、マルチウェル・プレートが一般的に用いられる。斯かるプレートは特に、分析対象核酸を増幅する増幅ステーションを備えて成る自動分析システムにおいて有用である。
【0144】
増幅反応に先立ち、その間において、及び、その後においてウェル同士の間の汚染を阻止するために、増幅が行われる反応容器はシールされる。増幅用マルチウェル・プレートに対するシールの一般的手法は、上記プレート上にシール箔体を載置する段階と、それを接着剤により又は加熱シールにより上記プレートに対して接続する段階とを備えて成る。
【0145】
本明細書中には、核酸を単離して増幅する優れた自動化方法、シール箔体を備える優れたマルチウェル・プレート、及び、優れた自動分析システムが開示される。
【0146】
流体サンプル中に存在し得る分析対象核酸を単離して増幅する方法が開示される。該方法は、第1容器内で、上記流体サンプル中に存在する他の物質から上記分析対象核酸を分離する段階を備えて成る。好適には、上記第1容器は第1マルチウェル・プレート内に含まれる。第2のマルチウェル・プレートが配備される。この第2マルチウェル・プレートは、フレームとシール箔体とを備えて成る蓋体を備えて成る。該蓋体は揚動され、次に、上記第1容器内で分離された分析対象物が、上記第2マルチウェル・プレートのウェルへと移し換えられる。上記シール箔体を備えて成る上記蓋体は、上記第2マルチウェル・プレート上に載置される。次に、上記第2マルチウェル・プレートは上記シール箔体によりシールされる。上記第2マルチウェル・プレートが一旦シールされたなら、上記分析対象物は、上記第2マルチウェル・プレートにおいて、シールに先立ち加えられた増幅試薬の存在下で増幅される。
【0147】
好適実施例において、段階b)において、上記蓋体は、上記シール箔体と上記第2マルチウェル・プレートとの間の接触を阻止するという第1位置において、該マルチウェル・プレート上に存在し;且つ、段階e)において、上記蓋体は、上記シール箔体と上記第2マルチウェル・プレートとの間の接触を促進するという第2位置において、上記マルチウェル・プレート上に載置される。
【0148】
本明細書において上記された方法の好適実施例において、上記蓋体は180°だけ回転される。
【0149】
好適には、上記フレームは複数の支持リブ、更に好適には4本の支持リブを備えて成り、且つ、上記マルチウェル・プレートは対応する凹所、更に好適には4個の対応凹所を備えて成り、上記各凹所は、上記フレームの上記支持リブが、上記マルチウェル・プレート上の上記蓋体の上記第1位置において該凹所と整列しない様に、且つ、上記支持リブが、上記マルチウェル・プレート上の上記蓋体の上記第2位置において該凹所と整列する様に、位置決めされる。
【0150】
上記第2位置において、上記フレームの上記支持リブは好適には、上記マルチウェル・プレートの上記凹所内に載置される。
【0151】
本明細書中に記述された上記方法の一好適実施例において、段階f)における上記シールは加熱シールである。上記方法の更なる好適実施例は、本明細書において上記に又は本明細書において以下に記述される。
【0152】
マルチウェル・プレートと蓋体とを備えて成るマルチウェル・プレート・セットが開示され、上記蓋体は、フレームと、該フレームに対して固着されたシール箔体とを備えて成り、上記マルチウェル・プレート上の上記蓋体の第1位置において、上記シール箔体と上記マルチウェル・プレートの頂面との間には分離距離が配置され、且つ、第2位置において、上記シール箔体は上記マルチウェル・プレートの上記頂面と接触する。好適には、上記フレームは支持リブを備えて成り且つ上記マルチウェル・プレートは開口を備えて成り、上記第1位置において上記支持リブは上記開口とは異なる箇所に在り、且つ、上記第2位置において上記支持リブ及び上記開口は相互に整列する。本明細書中に記述されたマルチウェル・プレート・セットの好適実施例において、上記マルチウェル・プレートの上記頂面は加熱縁部を備えて成り、且つ、上記第2位置において上記シール箔体は上記加熱縁部と接触する。好適には、上記シール箔体は加熱シール法により上記フレームに対して固着される。更に好適には、上記シール箔体は上記フレームの上記頂面に固着される。好適実施例において、上記シール箔体はポリマーから成る。好適には、上記シール箔体は異なる融点を有する少なくとも2層から成る。更に好適には、上記シール箔体は異なる融点を有する2つの層から成り、低い融点を有する層は上記マルチウェル・プレートに向けて配向される。上記方法の更なる好適実施例は、本明細書において上記に又は本明細書において以下に記述される。
【0153】
保持ステーションと、本明細書中に記述されたマルチウェル・プレートとを備えて成る分析システムも開示され、上記マルチウェル・プレートは上記保持ステーションに固定される。
【0154】
好適には、上記分析システムは付加的に、上記フレームに含まれた上記シール箔体を上記マルチウェル・プレートに対して加熱シールするシール・ステーションを備えて成る。
【0155】
好適には、上記マルチウェル・プレートは、凹所を備えて成る縁部を有する基部を備えて成り、上記凹所に対しては上記保持ステーションにおける位置決め/固定要素が接触し、該接触により上記マルチウェル・プレートの上記基部に対しては下向きの圧力が及ぼされることで、上記マルチウェル・プレートは上記保持ステーション内に固定される。
【0156】
フレームを有する上記代表的なマルチウェル・プレートは、複数の容器312を備えて成るマルチウェル・プレート300を備えて成る。容器312は、マルチウェル・プレート301の上側表面326上に一体的に形成される。上側表面326上で、各容器312は高位とされた加熱縁部311により囲繞される。蓋体302は、ポリマー314から成るフレーム302bと、ポリマーから成る箔体303とを備えて成る。箔体303は、加熱シール法によりフレーム302bに対して固着される。好適には、箔体303は、更に好適には加熱シールにより、頂部表面302a上にシールされる。
【0157】
マルチウェル・プレート300は、相互に対置された2つの長寸側壁323、324と、相互に対置された2つの短寸側壁319、320とを備えて成る。フレーム302bは、相互に対置して配置された2つの長寸側壁328、327と、相互に対置して配置された2つの短寸側壁321、322とを備えて成る。
【0158】
好適な箔体303は、異なる融点を有する2つの層314、315を備えて成る。一方の層311は、低い融点を有する。この層311は、加熱縁部310、311を備えて成るマルチウェル・プレート301と、フレーム302bの表面302aとに向けて配向される。加熱シールの間において、熱は、更に高い融点を有する更に安定な層310を通り、更に低い融点を有する層311へと伝達される。故に層311は、加熱されて溶融される。上側の層310は、加熱シールの間において溶融されない。これにより、漏出的な箔体303の虞れが最小限とされる(図45(b))。
【0159】
マルチウェル・プレート301及び蓋体302は、供給のために対300として組立てられる。頂面317の内側部316上にて、フレーム302bは支持リブ318を備えて成る。2つの支持リブ318はフレーム302bの第1の側壁321に沿い配置され、且つ、2つの支持リブ318は第1の側壁319と対向する第2の側壁322に沿い配置される。好適には、上記側壁はフレーム302bの短寸側壁である。マルチウェル・プレート301の頂面313の縁部は、開口308を備えて成る。開口308は、支持リブ318が配置される上記フレームの側壁321、322に対応する側壁319、320に沿い配置される。マルチウェル・プレート301に対する蓋体302の組立て/供給位置(図44(a)において、各開口308は、それらが支持リブ318と整列しない様に載置される。故に、蓋体302がマルチウェル・プレート301上に載置されたとき、各支持リブ318はマルチウェル・プレート301の頂面313上に着座する(図46(a))。これにより、箔体303が加熱縁部310、311に接触することが阻止されることから、その他の場合には、ひとつのマルチウェル・プレート300が第2のマルチウェル・プレート300の箔体の表面上を滑動ことにより引き起こされ得る箔体303上の擦過であって、搬送、格納及び装填の間において箔体303の光学的及び機械的な特性を阻害し得るという擦過が阻止される。
【0160】
蓋体302を備えたマイクロウェル・プレート301が分析機器126において使用されるとき、蓋体302は精製済み分析対象物及び試薬の添加のために揚動される。全ての試薬が容器312に対して添加されたとき、蓋体302は180°回転されてマルチウェル・プレート301上に載置される(図44(b)及び(c))。上記の180°の回転により、マルチウェル・プレート301の頂部上の各開口308と、フレーム302bの各支持リブ318とは整列される。故に、マルチウェル・プレート301上に載置されたとき、箔体303は、マルチウェル・プレート301の各容器312を囲繞する加熱縁部311と接触せしめられ、且つ、熱が加えられることで容器312は箔体303によりシールされ得る(図44(d)、図45(a))。
【0161】
マイクロウェル・プレート301及び蓋体302は両者ともに、ANSI SBS設置面積フォーマットに対応する基部の長さ及び幅を備えて成る。更に好適には、上記長さは127.76mm±0.25mmであり且つ上記幅は85.48mm±0.25mmである。それらは、対合的な配置にて又は個別的に操作器500により把持されるべく構成かつ配置されたプレート301上の開口304及び蓋体302上の開口309とを備えて成る。故に、組立てられたプレート及びフレーム300を、又は、蓋体302のみを、又は、プレート301のみを、把持して搬送することが可能である。
【0162】
マルチウェル・プレート301は、該プレート301の側壁319〜322の底部を囲繞する基部325を備えて成る。基部325は複数の凹所306を備えて成る。これらの凹所306は、上記処理プレートに対して本明細書において上記された分析器126の保持ステーション330上の位置決め/固定要素124aと相互作用し得る。位置決め/固定要素124aと凹所306との間の相互作用により、プレート301は位置決め且つ固定される。これにより、プレート301から独立して蓋体302を取り扱うときに、プレート301は保持ステーション330上に固定して維持され得る。そのことはまた、プレート301の可能的な捩れ、又は、他の種類の不整を排除する。プレート301の固定はまた、該プレート301と保持ステーション330との間における最大の接触表面にも繋がる。これにより、保持ステーション330とプレート301との間における静電荷の可能的な差は等しくされる。最後に、上記固定によれば、各容器312は全てが同一高さに配置されることで、更に正確な分注が確実に許容される。
【0163】
フレーム302bは、凹所307を備えて成る。この凹所は、フレーム302bの上記側部の下端部に配置される。上記凹所は好適には、開口304とは異なる位置に配置される。好適には、フレーム302の一側上には2個の凹所307が配置され、且つ、フレーム302bの逆側には2個の凹所307が配置される。最も好適には、上記凹所307は、マルチウェル・プレート301上の凹所306と同一位置に配置される。凹所307によれば、プレート301が固定要素124a及び凹所306の係合により固定されたとき、蓋体302ではなくマルチウェル・プレート301のみが固定されることが確実とされる。
【0164】
消耗品のハードウェア・コード化を備える分析システム
分析対象物を単離及び/又は分析する自動分析装置400を備えて成る分析システム440が開示される。本明細書中で用いられる“分析対象物”とは、関心対象となる任意の種類の分析対象物に関連する。好適な分析対象物は、ポリペプチド又は核酸である。更に好適には、上記分析対象物は核酸である。分析システム440は更に、一種類より多い種類の消耗品60、70、101、301、302を備えて成り、上記消耗品60、70、101、301、302は本質的に同一の設置面積を有し、且つ、任意の種類の消耗品60、70、101、301、302は一意的な表面幾何学形状601を備えて成る。更に、上記システムは、上記異なる消耗品を区別する特定の認識要素を備えて成るシステムも備えて成り、上記認識要素の内の任意のひとつの認識要素は、特定形式のひとつの消耗品の一意的な表面幾何学形状と相補的である一意的な表面幾何学形状を備えて成る。好適には、上記異なる消耗品60、70、101、301、302を区別する上記システムは、上記一意的な表面幾何学形状601を特異的に認識すべく構成かつ配置される。
【0165】
本明細書中に開示される分析システム440は好適には、分析対象物を単離及び/又は精製するモジュール401を備えて成るシステム440である。更に好適にはシステム440は、上記分析対象物を分析して検出可能信号を獲得するモジュール403を付加的に備えて成る。上記検出可能信号は、同一のモジュール401、402、403において、又は代替的に、別体的なモジュールにおいて検出され得る。本明細書中で用いられる“モジュール”という語句は、分析器400内において空間的に画成される任意の箇所に関連する。2つのモジュール401、403は、壁部により分離され得るか、又は、開放関係とされ得る。任意のひとつのモジュール401、402、403が独立的に制御され得るか、又は、モジュール401、402、403の制御は他のモジュールと共有され得る。好適には、全てのモジュールは集中的に制御される。モジュール401、402、403間の移動は手動的とされ得るが、好適には自動化される。故に、本開示によれば、自動分析器400の多数の異なる実施例が包含される。
【0166】
本質的に同一的な設置面積を備える消耗品60、70は、試薬及びサンプルを保持するピペット先端部又は単一管体の如き他の消耗品を格納するプラスチック消耗品、又は、分析対象物の処理又は分析が内部で実施される反応混合物を保持する消耗品101、301、302である。斯かる消耗品の好適実施例は、ラック60、70又はマルチウェル・プレート101、301、302である。システム440においては、同一的な設置面積を備える異なる種類のマルチウェル・プレート101、301、302が好適に使用され得る。斯かる好適な形式のマルチウェル・プレート101、301、302は、サンプル又は試薬を格納するマルチウェル・プレート、分析対象物を単離かつ分析するマルチウェル・プレート、及び/又は、分析対象物を反応させて検出可能信号を獲得するマルチウェル・プレートである。好適実施例において分析対象物が核酸であるなら、反応させる上記段階は、当業者に公知である任意の種類の核酸の増幅とされ得る。好適には、消耗品60、70、101、301、302は、少なくともひとつの先端部用ラック60、70、及び、ひとつのマルチウェル・プレート101、301を備えて成る。好適には、上記設置面積はANSI SBS設置面積フォーマットに対応する基部の長さ及び幅を備えて成る。更に好適には、上記長さは127.76mm±0.25mmであり、且つ、上記幅は85.48mm±0.25mmである。
【0167】
“表面幾何学形状”という語句は、好適には消耗品60、70、101、301、302の側壁の表面構造に関連している。上記表面幾何学形状は好適には、ハードウェア識別子39、7、6、117、118、116、102、119、115、125、305、更に好適には、消耗品60、70、101、301、302の表面に一体的に形成された凹所及び/又は稜線部を備えて成る。好適には、上記設置面積を備えて成る全ての形式の内の任意のひとつの消耗品60、70、101、301、302は、一意的な表面幾何学形状601を備えて成る。“一意的な表面幾何学形状”とは、本明細書において上記された表面幾何学形状601であって、消耗品60、70、101、301、302が分析システム440の認識システム450により特異的に認識される如く、所定形式の消耗品60、70、101、301、302に対しては一意的であると共に、他の消耗品60、70、101、301、302の表面幾何学形状601とは実質的に異なるという表面幾何学形状601であると理解される。
【0168】
好適実施例において、上記システムは、ひとつの種類の複数の消耗品60、70、101、301、302を積層する複数の積層器600a、bを備えて成り、該積層器600a、bのいずれかひとつは、ひとつの種類の消耗品60、70、101、301、302に対する認識要素を備えて成る。本明細書中で用いられる“積層器”という語句は、特定の消耗品60、70、101、301、302に対する上記分析システムにおける取り込み領域に関連する。特定形式の複数の消耗品60、70、101、301、302は、積層器600a、b内に積層される。ひとつの種類の個別的な消耗品60、70、101、301、302は次に、システム440内の積層器600a、bから取り出されると共に、それらが使用されるモジュール401、402、403へと、コンベアにより、又は、好適にはロボット式アーム502に接続された操作器500により、自動的に搬送される。故に、消耗品60、70、101、301、302の一意的な表面幾何学形状601の故に、特定の積層器600a、b内には、特定形式の消耗品60、70、101、301、302のみが装填され得る。これにより、消耗品60、70、101、301、302が同一の設置面積を有するとしても、ユーザが不適切な消耗品60、70、101、301、302が特定の積層器600a、bへと装填することが阻止される。
【0169】
好適実施例においては、同一の設置面積を備える2種類より多い異なる種類の消耗品60、70、101、301、302がシステム440に含まれる。更に好適な実施例においては、同一の設置面積を備える3種類より多い異なる種類の消耗品60、70、101、301、302がシステム440に含まれる。消耗品60、70、101、301、302は好適には、先端部用ラック60、70、サンプル調製用のマルチウェル・プレート101、増幅及び/又は検出用のマルチウェル・プレート302、試薬カセット・ホルダ、管体ホルダなどから成る群から選択される。
【0170】
本明細書において上記された分析器400内で消耗品60、70、101、301、302の識別子を認識する方法も提供される。該方法は、ひとつの種類の消耗品60、70、101、301、302を配備する段階を備えて成り、上記ひとつの種類の消耗品60、70、101、301、302は一意的な表面幾何学形状601を備えて成る。上記方法は更に、一意的な表面幾何学形状601を備えて成る上記ひとつの種類の消耗品60、70、101、301、302を、上記一意的な表面幾何学形状601に対して特異的である認識要素602を備えて成る積層器600a、bと相互作用させる段階を備えて成る。その場合に消耗品60、70、101、301、302は、一意的な表面幾何学形状601が認識要素602により係合されたときに、特定される。本明細書中で用いられる“認識要素”という語句は、積層器600a、bの内側部上の案内部602であって、ひとつの種類の消耗品60、70、101、301、302の一意的な表面幾何学形状601に対して特異的に適合するという案内部602の如き要素に関連する。好適な分析器400、消耗品60、70、101、301、302及び積層器600a、bは、本明細書において上記に定義されている。
【0171】
最後に、積層器600a、bが上記形式の当該消耗品60、70、101、301、302を特異的に識別することを許容すべく構成かつ配置された一意的な表面幾何学形状601を備えて成る消耗品60、70、101、301、302も提供される。消耗品60、70、101、301、302、積層器600a、b、及び、表面幾何学形状601の好適実施例は、本明細書において上記される。
【0172】
図51には、代表的な分析システム440の概略図が示される。図51には、積層器600a、bによる表面幾何学形状601の認識法が示される。積層器600a、bの内側面は、認識要素602を備えて成る。それは、消耗品60、70、101、301、302の表面幾何学形状601に係合すべく構成かつ配置され、これにより、消耗品60、70、101、301、302の形式は特異的に認識され、不適切な形式の消耗品60、70、101、301、302の装填が回避される。好適実施例において、好適には上記分析方法の種々の段階において、分析システム440においてはひとつの形式より多い形式のマルチウェル・プレートが用いられる。故に、異なる形式のマルチウェル・プレート101、301、302は、各形式のマルチウェル・プレート101、301、302に対して一意的である異なる表面幾何学形状を有する。各形式のマルチウェル・プレート101、301、302は、その一意的な表面幾何学形状601により特異的に認識される。
【0173】
空間的分離によるシステム
優れた汚染防止機能を備えた新規な方法及びシステムが開示される。好適実施例において上記汚染防止機能は、権利請求された上記方法を、上述の公知の任意のひとつの汚染防止機能と組み合わせることにより、更に改善され得る。
【0174】
本明細書において上記された方法のひとつの見地において、上記第1区画は第1空気圧を備えて成り、且つ、上記第2区画は第2空気圧を備えて成り、上記第1空気圧は上記第2空気圧よりも大きい。
【0175】
上記方法の好適実施例において、上記第1区画に進入する外気は濾過される。空気の濾過により、上記分析装置に進入する汚染物質の虞れは低減される。好適には、上記フィルタはHEPAフィルタである。
【0176】
好適には、上記第1及び第2区画は、壁部により分離される。各区画を壁部により分離すると、ひとつの区画から他の区画に進入する可能的な汚染物質の虞れが更に低減される。
【0177】
本発明の方法のひとつの見地において、精製済み分析対象物は、上記第1及び第2区画の間に配置されたエアロックを通して、上記第1区画から上記第2区画へと移送される。好適には、上記エアロックは、上記第1区画側のドアと、上記第2区画側のドアとを備えて成る。上記エアロックの休止状態において、両方のドアは閉成位置に在る。上記第1区画側の上記ドアは、プレートが該第1区画から上記第2区画へと通過すべきときに開く。その場合に上記プレートは、移動可能なプレート・ホルダ上に載置される。上記プレート・ホルダは次に、上記エアロック内へと移動される。上記第1区画側の上記ドアが閉じる。次に、上記第2区画側の上記ドアが開く。上記プレート・ホルダ上の上記プレートは上記エアロックの端部へと進行し、次に操作器が、上記エアロックの上記プレート・ホルダから取り外す。
【0178】
本明細書において上記された方法の好適実施例において、上記精製済み分析対象物は反応容器内に含まれる。
【0179】
本発明の上記方法のひとつの見地において、上記反応容器は、上記分析対象物の分析に先立ちシールされる。特に、核酸分析学の好適な分野において、分析段階は、目標核酸を増幅により増加する段階を備えて成る。故に、分析プロセス及び追随する分析の間において、反応容器は、可能的な汚染源であり得る大量の目標核酸を含んでいる。好適には箔体により、更に好適には箔体により反応容器を熱的にシールすることにより該反応容器をシールすると、分析に先立つサンプル及び精製済み核酸の可能的な汚染の虞れが更に低減される。好適には、上記反応容器は、上記第1区画から上記第2区画への搬送に先立ち、シールされる。すると、シールの汚染防止効果は最適である。
【0180】
本発明の方法のひとつの見地において、付加的段階は、第3区画においてサンプルをサンプル容器からマルチウェル・プレートへと移し換える段階を備えて成り、上記第3区画は、上記第1及び第2区画から分離された空気流を有し、該段階は、上記第1区画において実施される各段階に先行する。好適には、上記第1区画は本明細書中に記述された処理区画であり、上記第2区画は本明細書中に記述された分析区画であり、且つ、上記第3区画は本明細書中に記述されたサンプル区画である。
【0181】
好適実施例において、第1操作器が上記反応容器を上記第1区画から上記エアロックへと移送し、且つ、第2操作器が上記反応容器を上記エアロックから上記第2区画へと移送する。
【0182】
各区画の好適実施例は、本明細書において以下に記述される。
【0183】
分析対象物を単離して精製する分離デバイスを備えて成る処理区画であって、第1空気流を有するという処理区画と、
反応容器中に収容された上記分析対象物を分析する分析区画であって、第2空気流を有するという分析区画と、
上記精製済み分析対象物を含む容器を上記処理区画から上記分析区画へと移送する移送システムとを備えて成り、
上記処理区画における上記第1空気流は上記第2空気流とは別体的である、
という分析対象物を処理する自動分析装置も開示される。
【0184】
ひとつの見地において、上記第1区画は第1空気圧を備えて成り且つ上記第2区画は第2空気圧を備えて成り、上記第1空気圧は上記第2空気圧よりも大きい。該見地の利点は、本明細書において上記される。
【0185】
本発明の方法の好適実施例において、上記処理区画と上記分析区画との間にはエアロックが配置される。該実施例の利点は、本明細書において上記される。
【0186】
本発明の方法のひとつの見地において、上記自動分析装置は付加的に、サンプルをサンプル容器から処理容器へと移し換えるサンプル区画を備えて成る。
【0187】
好適実施例において、上記装置は上記各区画の間に配置された分離壁を備えて成る。該実施例の利点は、本明細書において上記される。
【0188】
好適には、上記サンプル区画は、該サンプル区画内で流れる空気の濾過のためのフィルタを備えて成る。
【0189】
上記装置のひとつの見地においては、上記処理区画の上側ハウジング内にガスケットが含まれる。
【0190】
好適実施例において、上記反応容器はキャップ装着され又はシールされる。
【0191】
上記装置のひとつの見地において、上記移送システムは、上記反応容器を上記処理区画から上記エアロックへと移送する第1操作器と、上記反応容器を上記エアロックから上記分析区画へと移送する第2操作器とを備えて成る。
【0192】
上記装置の好適実施例は、サンプル調製のための処理区画と、増幅区画とを備えて成る自動核酸分析器である。
【0193】
上記実施例及び見地の利点及び効果は、本明細書において上記される。
【0194】
図54は、装置の好適実施例を示している。該装置700は、第1区画702、第2区画703及び第3区画701を備えて成る。上記各区画の好適実施例は、分析されるべきサンプルを分配するサンプル区画701、分析対象物を単離して精製する処理区画702、及び、分析対象核酸を増幅して検出する増幅/検出区画703である。サンプル区画701及び処理区画702は、上記装置へと空気を受け渡すフィルタ730、好適にはHEPAフィルタを備えて成る。サンプル区画701は空気流741及び空気圧751を有し、処理区画742は空気流742及び空気圧752を有し、且つ、増幅区画703は空気流743及び空気圧753を有する。好適には、空気圧751及び752は、本質的に同一的である。空気圧752は空気圧753より高く、これにより、空気が増幅区画703から処理区画702へと流れることが阻止される。3個の区画701〜703の間には、壁部731〜734が配置される。処理区画702と増幅区画703との間には、エアロック710が配置される。
【0195】
図55は、エアロック710の側面図(a)及び平面図(b)を示している。エアロック710は、本体723及び側壁713と、処理区画702側のドア711と、増幅区画703側の第2ドア712とを有する。ドア711、712は、上記本体に対してヒンジ716により可動的に取付けられる。エアロック710の内側には、可動キャリッジ714が取付けられる。キャリッジ714は、プレート・ホルダ720を備えて成る。上記キャリッジ上には、少なくとも一個の案内ボルト721、好適には1個より多い案内ボルト721が取付けられる。案内ボルト721は、上記操作器がプレート・ホルダ720上の上記プレートに係合する過程に在るときに、又は、上記プレートをプレート・ホルダ720上へと移動させるときに、上記操作器に対する配置方向の役割を果たす。上記キャリッジはまた、上記把持器の把持器フィンガに対するスペースを提供する切欠き721も備えて成る。エアロック710は、ドア711、712の適切な閉成のためのガスケット719も備えて成る。本体723は、各端部上に、ドア711及び712のための機械的ストッパ718を更に備えて成る。キャリッジ714を移動させるべく本体723上に取付けられたモータ715も在る。
【0196】
図56は、好適な装置を示している。上記装置は、前部側に、壁部761及び762を備えて成る。該壁部は移動可能とされることで、操作器システム704のための区画701、702に対するアクセスを許容する。好適には、壁部761、762は箔体で作成される。それらは上下に移動され得る。上記装置は、外側壁部735を更に備えて成る。
【0197】
上記装置、方法及びシステムの好適実施例は、以下に記述される好適実施例であって、本明細書において上記された特徴を付加的に備えて成るという好適実施例である。上記装置の更なる好適特徴は、以下に記述される好適実施例である。
【0198】
ハードウェア構成
(i)分析されるべきサンプルを受容して供与する少なくともひとつのモジュール401と、
(ii)分析されるべき上記分析対象物を単離する少なくともひとつのモジュール402と、
(iii)上記分析対象物を分析する少なくともひとつのモジュール403とを備えて成り、
上記モジュール(i)〜(iii)は、ひとつの軸心に沿い配置される、
少なくとも一種類の分析対象物を単離かつ分析する分析装置400も提供される。好適実施例において、上記各モジュールはX軸に沿い配置される。第2実施例において、上記各モジュールは垂直軸心に沿い配置される。上記各モジュールはまた、Y又はZ軸に沿っても配置され得る。上記軸心はまた、部分的に円形ともされ得る。
【0199】
上記装置は更に、消耗品60、70、101、301、302を移送する少なくとも一個の搬送モジュール480を備えて成り、上記少なくとも一個の搬送モジュール480は、モジュール(i)〜(iii)の正面において上記軸心に対して平行に配置される。上記少なくとも一個の搬送モジュール480は好適には、本明細書において以下に記述される操作器500を備えて成る。装置400は少なくとも一個の消耗品ホルダ600を備えて成り、上記少なくとも一個の消耗品ホルダ600は上記モジュール(i)〜(iii)の正面において上記軸心に沿い配置される。好適実施例において、消耗品ホルダ600は積層器600である。該積層器600は好適には、消耗品60、70、101、301、302を認識する認識要素を備えて成る。好適には、積層器600は搬送モジュール480の下側に配置される。
【0200】
“分析装置”400及び“分析器”400及び“分析機器”400という語句は、互換的に用いられる。
【0201】
積層器600及び分析装置400及び分析システム440の更なる好適実施例は、以下に記述される。
【0202】
分析装置400のモジュール401、402、403は好適には、近傍のモジュール401、402、403に対して固定される。一実施例においてモジュール401、402、403は、固定要素、好適にはネジを用いて相互に固定される。別実施例において、モジュール401、402、403はフレームに固定的に取付けられ、且つ、隣り合うモジュールの上記フレームは、好適には固定要素により、更に好適にはネジにより、相互に固定される。
【0203】
本明細書において上記された装置の一好適実施例において、上記分析対象物を分析するモジュール403はサーマルサイクラーである。更に好適な実施例において上記装置は、上記分析対象物を分析する少なくとも2つのモジュール403を備えて成り、上記分析対象物を分析する上記少なくとも2つのモジュール403は、2つの垂直レベルに取付けられる。上記分析対象物を分析する上記モジュールの他の好適実施例は、化学反応を検出するモジュール、又は、抗原に対する抗体の結合を検出するモジュールを備えて成る。上記分析対象物を分析する上記モジュールの更なる好適実施例は、本明細書において以下に記述される。
【0204】
本明細書において上記された分析装置400は、好適実施例において、2つより多い消耗品ホルダ600を備えて成る。好適には、少なくともひとつの消耗品ホルダは消耗品廃棄物ホルダ650である。
【0205】
本明細書において上記された分析装置は、好適実施例において、上記少なくとも一種類の分析対象物を分析するための少なくとも一種類の反応混合物を調製するモジュールを備えて成り、該モジュールはモジュール(ii)とモジュール(iii)との間に配置される。
【0206】
分析システム440も開示される。分析システム440は、本明細書中に記述される分析装置400を備えて成る。分析装置400は、ひとつ以上のモジュール又は区画401、402、403を備えて成る。上記モジュール又は区画は、分析対象物の処理及び/又は分析を実施するステーションを備えて成る。好適には、上記装置及び上記システムは、自動化される。更に好適には、消耗品は手動的に装填される。図52には、上記装置の実施例が概略的に示される。
【0207】
上記装置の全てのモジュールの上記配置によれば、ユーザによる該装置への消耗品の装填が促進される。上記装置及び個々のモジュールはまた、既存の分析装置よりも、保守のために更に容易にアクセス可能である。上記各モジュールと同一の軸心に沿う上記搬送モジュールの配置によれば、上記装置及びシステム全体の設置面積の最適化も許容される、と言うのも、上記搬送モジュールは、上記装置への消耗品の装填に対し、ならびに、種々のモジュールと上記廃棄物ホルダとの間における消耗品の移送に対して使用されるからである。
【0208】
更に、
a)サンプルを受容して分配するための第1モジュールにおいて、サンプル容器に収容されたサンプルを受容する段階と、
b)第1消耗品を、消耗品ホルダから、サンプルを受容して分配するための上記第1モジュールへと、搬送モジュールにより搬送する段階と、
c)上記サンプルを、該サンプル中に含まれる分析対象物を単離するための第1消耗品の複数の受容器内へと分配する段階と、
d)上記サンプル中に含まれる分析対象物を単離するための上記第1消耗品を、上記搬送モジュールにより、サンプルを受容して分配するための上記第1モジュールから、上記サンプル中に含まれる上記分析対象物を単離するための第2モジュールへと搬送する段階と、
e)上記分析対象物を単離するための上記第2モジュールにおいて上記分析対象物を単離する段階と、
f)分析対象物を分析するための第3モジュールにおいて、上記分析対象物を分析する段階とを備えて成る、
少なくとも一種類の分析対象物を単離かつ分析する自動化方法が開示される。
【0209】
本明細書中で用いられる“分配する”という語句は、サンプル容器からのサンプルの吸引、及び、液体を保持する受容器内への次続的な供与に関連している。上記容器の好適実施例は、上記分析装置の好適実施例に関して本明細書において以下に且つ本明細書において上記に記述される。
【0210】
本明細書において上記された方法の好適実施例において、上記分析対象物は上記搬送モジュールにより、分析対象物を単離するための上記第2モジュールから、分析対象物を分析するための上記第3モジュールへと搬送される。
【0211】
本明細書において上記された自動化方法の更なる好適実施例において、単離された上記分析対象物は、上記サンプル中に含まれる分析対象物を単離するための上記第1消耗品から、上記分析対象物を分析するための第2消耗品へと移送される。上記第2消耗品の好適実施例は、本明細書において以下に記述される。
【0212】
上記自動化方法は更に、上記分析対象物を分析するための上記第2消耗品は、上記移送モジュールにより、上記分析対象物を単離するための上記第2モジュールから、分析対象物を分析するための上記第3モジュールへと移送される、という好適実施例を備えて成る。
【0213】
更に好適には上記移送モジュールは少なくとも2つの移送デバイス500を備えて成り、一方の移送デバイスは消耗品を、上記消耗品ホルダからモジュール(i)又は(ii)へ、モジュール(i)からモジュール(ii)へ且つモジュール(ii)から該モジュール(ii)とモジュール(iii)との間のインタフェースへ、且つ、モジュール(i)、モジュール(ii)又は上記インタフェースから廃棄消耗品ホルダへと移送し、且つ、第2の移送デバイスは、上記インタフェースとモジュール(iii)との間で消耗品を移送する。好適には、上記移送モジュールは2つの移送デバイスを備えて成る。
【0214】
好適実施例において、上記方法は段階e)とf)との間において、上記少なくとも一種類の分析対象物を分析するための反応混合物を調製する段階を付加的に備えて成る。
【0215】
図52(a)から(c)における矢印によれば、搬送される消耗品の流れが示される。
【0216】
更なる好適実施例は、以下に記述される。
【0217】
作業の流れのタイミング
分析対象物を含む液体サンプルを第1形式のモジュールにおける処理容器へと提供する段階と;上記分析対象物を含む上記液体サンプルを第2形式のモジュールへと移送する段階と;上記第2形式のモジュールにおける上記処理容器内の上記分析対象物を単離して精製する段階と;上記精製済み分析対象物を第3形式のモジュールへと移送する段階と;上記第3形式のモジュールにおける上記分析対象物を、検出可能信号を獲得するために必要な試薬に対して該分析対象物を反応させることにより、分析する段階と;を備えて成る、自動分析器において分析対象物を単離かつ分析する方法及びシステムも開示される。ひとつの形式の任意のひとつのモジュール内における移送及び処理のタイミングは事前定義され、且つ、ひとつの形式の任意のひとつのモジュールにおける上記タイミングは、単離かつ分析される任意の一種類の分析対象物に対して同一的である。更に、任意のひとつの形式のモジュールのタイミングは、任意の他の形式のモジュールのタイミングから独立的とされ得る。故に、各モジュールは独立的に作動し得る。
【0218】
上記方法及びシステムの利点は、ひとつの形式の任意のひとつのモジュールの事前定義タイミングによれば、全体的な作業の流れのタイミングが最適化され得ると共に、分析試験に対して最適化された高スループットが達成され得る、ということである。
【0219】
上記各モジュールの上記事前定義タイミングによれば、ひとつのモジュールの作業の流れの終了時に、当該分析プロセスにおける次の段階に対する次続的な形式のモジュールが利用可能であるときにのみ、サンプルの分配で開始する分析プロセスを開始することが可能とされる。故に、たとえば、単離して精製するプロセスの終了時に、単離して精製された分析対象物を分析するモジュールが利用可能であるときにのみ、分析対象物の単離及び精製が開始される。故に、好適実施例において上記分析器は、第3形式の少なくとも2つのモジュールを備えて成る。
【0220】
本明細書において上記された方法の好適実施例において、上記自動分析器においては第1分析対象物が単離かつ分析されると共に上記自動分析器においては第2分析対象物が単離かつ分析され、上記第1及び第2分析対象物は並行して単離かつ分析され、上記第1分析対象物は第3形式の複数のモジュールの内のひとつのモジュールにおいて分析され且つ上記第2分析対象物は第3形式の複数のモジュールの内の第2のモジュールにおいて分析され、且つ、上記第1及び第2分析対象物を単離かつ分析する時間は同一的である。
【0221】
故に、一切の分析対象物が上記分析装置において同一条件下で処理かつ分析される如く、分析試験が並行して進行するタイミングは同一的に維持され得る。これにより、全ての試験に対して同一条件を確実とし乍ら、上記自動分析器においてひとつの形式のひとつより多いモジュールを使用することも可能とされる。ひとつの形式の複数のモジュールを使用する可能性によれば、上記分析装置のスループットをユーザの要求内容に適合させることが可能となる。
【0222】
好適実施例において、上記分析対象物は分析対象核酸である。他の好適実施例において、上記分析対象物は抗体、抗原又は細胞である。
【0223】
好適には、上記第3形式のモジュールは増幅モジュールである。
【0224】
本明細書において上記された方法の好適実施例において、上記自動分析器は第2形式の少なくとも2つのモジュールを備えて成る。
【0225】
更なる好適実施例において、上記分析器は第3形式の少なくとも4つのモジュールを備えて成る。
【0226】
好適には、少なくとも一種類の分析対象物を含む少なくとも48個のサンプルが、並行して単離かつ精製される。更に好適には、各サンプルは96個のウェル・プレートにおいて並行して単離かつ精製される。更に好適には、各サンプルは第3形式の少なくともひとつのモジュールにおける96個のウェル・プレートにおいて分析される。
【0227】
本明細書において上記された方法の好適実施例においては、少なくとも一種類の分析対象物を含む少なくとも192個のサンプルが、第2形式の少なくとも2つの別体的なモジュールにおいて並行して単離かつ精製されると共に、第3形式の少なくとも2つの別体的なモジュールにおいて分析される。第2形式の各モジュールの内の任意のひとつのモジュールにおける処理の時間は同一であり、且つ、第3形式の各モジュールの内の任意のひとつのモジュールにおける処理の時間は同一である。故に、第2形式の少なくとも2つのモジュールにおける48個のウェル・プレートにおいて分析対象物を並行して単離かつ精製してから、精製済みサンプルを第3形式の少なくとも4つのモジュールにおいて分析することが可能である。
【0228】
第1形式のモジュールに対する好適実施例は、分析対象物を含むサンプルを処理容器へと分配するサンプル区画である。サンプル区画及び処理容器は、本明細書において以下に更に記述される。
【0229】
第2形式のモジュールに対する好適実施例は、分析対象物を精製かつ単離する区画であって分離ステーションを備えて成るという区画である。斯かる区画は、以下において更に記述される。
【0230】
第3形式のモジュールの好適実施例は、分析モジュールであり、更に好適には、目標核酸である分析対象物を増幅する区画である。斯かる区画の好適実施例としては、温度制御式のインキュベータ、更に好適にはサーマルサイクラーが挙げられる。
【0231】
第3形式のモジュール、好適には増幅/検出モジュールにおいてサンプルの分析に必要とされる時間は、好適には、第2形式のモジュールにおいて実施されるサンプルの単離及び精製の2倍の長さであることから、第2形式のモジュールの2倍の個数の第3形式のモジュールを使用することにより、図53cに示された機構を用いることで、最大のスループットが実現され得る。
【0232】
任意のひとつのモジュールの好適な作業の流れは、以下の方法段階により記述される:
所定のインタフェースを介した、必要な全ての消耗品の装填;
所定のインタフェースを介した、サンプルの装填;
分析されるべき全てのサンプル、及び、必要な全ての消耗品が装填されたときにおける試験の開始;
(たとえば、単離して精製されたサンプルなどの)処理済みサンプル、又は、測定済みデータ、又は、監視の結果、の形態における結果の出力;
使用された物質の出力又は廃棄;
分析されたサンプルの出力又は廃棄。
【0233】
更に好適には、上記作業の流れは付加的に、第2形式の上記モジュールに対し、試薬を装填する段階を備えて成る。
【0234】
上記移送システムにおける移送は、手動的又は自動的である。好適には上記移送は自動化される。上記移送システムは、消耗品及び一定の試薬を各モジュールと格納領域との間において移送する。格納領域の好適実施例は、以下に記述される。更に好適な格納領域は、冷蔵庫である。
【0235】
本明細書において上記された方法において使用される上記装置は好適には、線形移送モジュールを備えて成る。別実施例において、それは好適には回転移送モジュールを備えて成る。
【0236】
各モジュールを接続する上記移送システムのタイミングは、重要ではない。このことは、上記各モジュールの内の任意のひとつのモジュール内への消耗品の装填又はサンプルの装填の如き、上記プロセスの間における上記システムに対する手動操作は、システム全体の作業の流れに影響しない、ということを意味する。故に、重要なプロセス(第1形式、第2形式、及び、第3形式の各モジュールにおけるプロセス)における作業の流れに影響せずに、2つの形式のモジュール間の中断も可能である。
【0237】
好適には、本明細書において上記された方法において、任意の一種類の分析対象物を単離かつ精製かつ分析する時間は、他の任意の種類の分析対象物を単離かつ精製かつ分析する時間と同一である。
【0238】
好適実施例において、少なくとも一種類の分析対象物を提供かつ単離して精製する上記プロセスは、反応混合物を単離かつ精製して調製するプロセスが終了したときにおける第3形式のモジュールの利用可能性を条件として、開始される。
【0239】
本明細書中に開示された上記方法によれば、重要な作業の流れは一定のままであることと、任意の一種類の分析対象物が当該システムにおいて同一条件下で単離され、精製され且つ処理されることとを確実とし乍ら、上記各モジュールを備えて成る複数の分析装置を備えて成るシステムを構築すること、又は、複数のシステムを接続することも可能とされる。これにより、並行して実施される複数の分析試験の精度、正確さ及び信頼性が改善される。権利請求された方法によれば、ひとつの形式のモジュールにおけるプロセスが終了したとき、且つ、次の形式のモジュールの作業の流れが開始される前に、分析試験に対して重要ではない中断を導入することも可能である。但し、斯かる中断は、時間が重要な各段階に対しては可能でない。
【0240】
本明細書において上記された方法及びシステムはまた、上記第3形式のモジュールにおける分析のための反応を準備する第4形式のモジュールと、上記第3形式のモジュールにおいて実施される反応を検出する第5形式のモジュールとを、付加的に備えて成り得る。好適には、分析対象物の分析は、上記第3形式のモジュールにおける反応及び検出の両方を備えて成る。
【0241】
上記された方法の更なる好適実施例は、本明細書に記述される。
【符号の説明】
【0242】
3 第2形式のピペット先端部
4 第1形式のピペット先端部
19 チャンバ
22 着座領域
23 貫通ボア孔
25 貫通ボア孔
26 着座領域
46 分析機器
60 ピペット先端部用の三部材式のラック/消耗品
70 ピペット先端部用の一部材式のラック/消耗品
126 分析機器
400 自動分析装置
401 サンプルを受容するモジュール
402 サンプル中の分析対象物を単離及び/又は精製するモジュール
403 分析対象物を増幅/分析するモジュール
404 液体操作モジュール
500 液体操作モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、第1形式の複数のピペット先端部と、第2形式の複数のピペット先端部とを収容する複数の個別チャンバを具備する、複数のピペット先端部を保持するラック。
【請求項2】
ひとつより多い構成部材を具備する、請求項1に記載のラック。
【請求項3】
一体的な一部材式のラックである、請求項1に記載のラック。
【請求項4】
前記第1形式のピペット先端部の容量は少なくとも1mlであり且つ前記第2形式のピペット先端部の容量は1ml未満である、請求項1から3のいずれか一項に記載のラック。
【請求項5】
前記第1形式のピペット先端部及び第2形式のピペット先端部は、当該ラック内に交互配置的な列にて格納される、請求項1から4のいずれか一項に記載のラック。
【請求項6】
第1形式の48個のピペット先端部と、第2形式の48個のピペット先端部とを具備する、請求項1から5のいずれか一項に記載のラック。
【請求項7】
前記第1形式の複数のピペット先端部の夫々に対する貫通ボア孔及び前記第2形式の複数のピペット先端部の夫々に対する貫通ボア孔を具備する、請求項1から6のいずれか一項に記載のラック。
【請求項8】
前記各貫通ボア孔は、ピペット先端部を着座させる着座領域を具備する、請求項1から7のいずれか一項に記載のラック。
【請求項9】
前記第2形式のピペット先端部を着座させる前記着座領域は、前記第1形式のピペット先端部を着座させる前記着座領域と比較して高位とされる、請求項1から8のいずれか一項に記載のラック。
【請求項10】
前記個別チャンバは容器である、請求項1から9のいずれか一項に記載のラック。
【請求項11】
分析対象物を単離して精製する分離モジュールであって、請求項1から10のいずれか一項に記載の複数のピペット先端部を備えたラックを保持する保持ステーションを有する分離モジュールと、
前記精製済み分析対象物を試薬と反応させて、検出可能信号を獲得する分析モジュールと、
を具備する、分析機器。
【請求項12】
液体操作モジュールを付加的に具備する、請求項11に記載の分析機器。
【請求項13】
前記分析対象物は核酸である、請求項11又は12に記載の分析機器。
【請求項14】
前記分析モジュールは増幅ステーションを具備する、請求項14に記載の分析機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50a】
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【図50b】
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【図50c】
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【図51】
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【図52】
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【図53a】
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【図53b】
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【図53c】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2011−123065(P2011−123065A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−272476(P2010−272476)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】