組み合わせ免疫賦活薬
【課題】組み合わせ免疫賦活薬を提供する。
【解決手段】一般に組み合わせ免疫賦活薬は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む。特定の組み合わせ免疫賦活薬はまた、抗原を含んでも良い。
【解決手段】一般に組み合わせ免疫賦活薬は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む。特定の組み合わせ免疫賦活薬はまた、抗原を含んでも良い。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
近年、顕著な成功をもって、免疫系の特定の重要な側面を刺激する、ならびに特定のその他の面を抑制することで作用する新しい薬剤化合物を見いだすための多大な努力が払われている(例えば米国特許第6,039,969号明細書および同第6,200,592号明細書参照)。ここで免疫応答調節物質(IRM)と称するこれらの化合物は、Toll様受容体(TLR)として知られる基本的免疫系機序を通じて作用し、選択されたサイトカイン生合成を誘導するようである。それらは多種多様な疾患および病状を処置するのに有用かもしれない。例えば特定のIRMは、ウィルス疾患(例えばヒト乳頭腫ウィルス、肝炎、ヘルペス)、新生物形成(例えば基底細胞癌、扁平細胞癌、光線性角化症、メラノーマ)、およびTH2−媒介疾患(例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症)を処置するのに有用であっても良く、またワクチンアジュバントとしても有用である。
【0002】
IRM化合物の多くは、小型有機分子イミダゾキノリンアミン誘導体(例えば米国特許第4,689,338号明細書参照)であるが、その他のいくつかの化合物クラスも知られ(例えば米国特許第5,446,153号明細書、同第6,194,425号明細書、および同第6,110,929号明細書参照)、さらにより多くがなおも見いだされている。その他のIRMは、CpGをはじめとするオリゴヌクレオチドなどのようにより高い分子量を有する(例えば米国特許第6,194,388号明細書参照)。
【0003】
IRMの卓越した治療的な潜在能力を鑑みて、そして既に行われた重要な研究にもかかわらず、それらの使用と治療的な利点を拡大するかなりの継続的必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本発明は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を、それぞれ他方との組み合わせで、被験者の抗原に対する免疫応答を増大させるのに効果的な量で含む、組み合わせ免疫賦活薬を提供する。いくつかの実施態様では、組み合わせ免疫賦活薬は、抗原を組み合わせの他方の成分との組み合わせで、被験者の抗原に対する免疫応答を誘導するのに効果的な量で、さらに含むことができる。
【0005】
別の態様では、本発明は、被験者においてTH1免疫応答を誘導する方法を提供する。方法は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬をそれぞれ他方と組み合わせた際に、TH1免疫応答を誘導するのに効果的な量で、被験者に同時投与するステップを含む。いくつかの実施態様では、方法は、抗原を被験者に抗原に対する免疫応答を生じさせるのに効果的な量で、同時投与するステップをさらに含む。
【0006】
別の態様では、本発明は、被験者において抗原−特異的CD8+T細胞を活性化する方法を提供する。方法は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬をそれぞれ他方との組み合わせで、CD8+T細胞を活性化するのに効果的な量で、被験者に同時投与するステップを含む。いくつかの実施態様では、方法は、抗原を被験者に抗原に対する免疫応答を生じさせるのに効果的な量で、同時投与するステップをさらに含む。いくつかの実施態様では、CD8+T細胞の活性化はCD8+エフェクターT細胞の増殖を含むことができる。代案の実施態様では、CD8+T細胞の活性化はCD8+メモリT細胞の産生を含むことができる。
【0007】
別の態様では、本発明は、抗原にあらかじめ曝露された被験者において抗原−特異的メモリCD8+T細胞を活性化する方法を提供する。方法は、抗原を抗原−特異的CD8+メモリT細胞を活性化させるのに効果的な量で被験者に投与することで、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞を生じさせるステップを含む。いくつかの実施態様では、方法は、TLR作動薬を抗原−特異的CD8+メモリT細胞を活性化させるのに効果的な量で同時投与することで、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞を生じさせるステップをさらに含む。
【0008】
別の態様では、本発明は、被験者において病状を処置する方法を提供する。方法は、他方と組み合わせたときに細胞媒介免疫応答を刺激するのに効果的な量でそれぞれ投与される、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を被験者に同時投与することを含む。いくつかの実施態様では、方法は、病状に関連する抗原を細胞媒介免疫応答を誘導するのに効果的な量で同時投与することをさらに含む。
【0009】
本発明の様々なその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲、および添付の図面を参照して、容易に明らかになるであろう。明細書全体を通じて数カ所で、実施例の一覧を通じてガイダンスを提供する。各事例において列挙した一覧は、代表的なグループとしてのみ機能し、排他的一覧と見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図2】実施例2の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図3】実施例3の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図4】実施例4の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図5】実施例5の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図6】実施例6の結果を示す棒グラフである。
【図7】実施例7の結果を示す、折れ線グラフである。
【図8】実施例8の結果を示す棒グラフである。
【図9】実施例9の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図10A】実施例10の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図10B】実施例10の結果を示す棒グラフである。
【図11】実施例11の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、組み合わせ免疫賦活薬、および被験者に組み合わせ免疫賦活薬を投与するステップを含む治療的なおよび/または予防的な方法を提供する。
【0012】
一般に、組み合わせ免疫賦活薬は、その他の組み合わせ免疫賦活薬および/または組成物に比べて、増大する免疫応答を提供できる。したがって本発明の方法および組み合わせ免疫賦活薬は、より少ない成分の組み合わせを使用しながら、特定の免疫学的処置の有効性を改善でき、および/または効果的な処置を提供できる。これは、特定の成分が所望の免疫学的応答を生じるのに有用でありながら、高価だったり、入手が困難だったり、または望ましくない副作用を生じたりする場合に望ましいかもしれない。
【0013】
ここでの用法では、以下の用語は、下記に定義された意味を有するものとする。
【0014】
「作動薬」とは、受容体との組み合わせで細胞応答を生じることができる化合物を指す。作動薬は、受容体に直接結合するリガンドであっても良い。代案としては、例えば(a)受容体に直接結合する別の分子との複合体を形成することで、あるいは(b)違うやり方で別の化合物が受容体に直接結合するように、別の化合物の修飾をもたらすことによって、作動薬を間接的に受容体と組み合わせても良い。作動薬は、特定の受容体または受容体ファミリーの作動薬(例えばTLR作動薬またはTNF/R作動薬)と称されても良い。
【0015】
「抗原」とは、免疫応答の標的であることができるあらゆる物質を指す。抗原は、例えば被験生物体によって生じる細胞媒介および/または体液性免疫応答の標的であっても良い。代案としては、抗原は、免疫細胞に接触した際に、細胞免疫応答(例えば免疫細胞成熟、サイトカイン産生、抗体産生など)の標的であっても良い。
【0016】
「同時投与される」とは、組み合わせ薬の治療的なまたは予防的な効果が、単独で投与されるいずれかの成分の治療的なまたは予防的な効果を超えることができるように、組み合わせて投与される2つ以上の成分を指す。2つの成分は、同一時にまたは逐次に同時投与しても良い。同一時に同時投与される成分は、1つ以上の医薬品組成物中で提供しても良い。2つ以上の成分の逐次同時投与は、各成分を同一時に処置部位で呈示することができるように成分が投与される場合を含む。代案としては、2つの成分の逐次同時投与は、少なくとも1つの成分が処置部位からなくなっているが、成分投与の少なくとも1つの細胞効果(例えばサイトカイン産生、特定の細胞集団活性化など)が、1つ以上の追加的成分が処置部位に投与されるまで、処置部位において持続する場合を含むことができる。したがって同時投与される組み合わせは、特定の状況では、互いの化学物質混合物中には存在しない成分を含むことができる。
【0017】
「組み合わせ免疫賦活薬」とは、同時投与されて、治療的なおよび/または予防的な免疫賦活性効果を提供することができるあらゆる成分の組み合わせを指す。組み合わせ免疫賦活薬の成分は、TLR作動薬、TNF/R作動薬、抗原、アジュバントなど含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0018】
「混合物」とは、2つ以上の成分を含有するあらゆる混合物、水性または非水性溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル、クリームなどを指す。成分は、例えば一緒に組み合わせ免疫賦活薬を提供する、2つの免疫賦活性成分であっても良い。免疫賦活性成分は、1つ以上の抗原、1つ以上のアジュバント、または両者のあらゆる組み合わせであっても良い。例えば混合物は、混合物がアジュバントの組み合わせを形成するように、2つのアジュバントを含んでも良い。代案としては、混合物は、混合物がワクチンを形成するように、アジュバントの組み合わせおよび抗原を含んでも良い。
【0019】
「相乗作用」およびそのバリエーションは、個別に投与される化合物の相加的活性を超える、化合物の組み合わせ投与の活性(例えば免疫賦活性)を指す。
【0020】
「TLR」とは、一般にあらゆる種の生物体のあらゆるToll様受容体を指す。特定のTLRは、由来種(例えばヒト、マウスなど)、特定の受容体(例えばTLR6、TLR7、TLR8など)、またはその両者を追加的に参照して同定されても良い。
【0021】
「TLR作動薬」とは、TLRの作動薬として作用する化合物を指す。特に断りのない限り、TLR作動薬化合物への言及は、あらゆる異性体(例えばジアステレオマーまたは鏡像異性体)、塩、溶媒和化合物、多形体などをはじめとする、あらゆる薬学上許容可能な形態の化合物を含むことができる。特に化合物が光学活性である場合、化合物への言及は、各化合物の鏡像異性体ならびに鏡像異性体のラセミ混合物を含むことができる。また化合物は、1つ以上の特定のTLRの作動薬(例えばTLR7作動薬、TLR8作動薬、またはTLR7/8作動薬)として同定されても良い。
【0022】
「TNF/R」とは、一般に腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーまたは腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーのいずれかのあらゆるメンバーを指す。TNFスーパーファミリーとしては、例えばCD40リガンド、OX40リガンド、4−1BBリガンド、CD27、CD30リガンド(CD153)、TNF−α、TNF−β、RANKリガンド、LT−α、LT−β、GITRリガンド、およびLIGHTが挙げられる。TNFRスーパーファミリーとしては、例えばCD40、OX40、4−1BB、CD70(CD27リガンド)、CD30、TNFR2、RANK、LT−βR、HVEM、GITR、TROY、およびRELTが挙げられる。「TNF/R作動薬」とは、TNFスーパーファミリーまたはTNFRスーパーファミリーいずれかのメンバーの作動薬として作用する化合物を指す。特に断りのない限り、TNF/R作動薬化合物への言及は、あらゆる異性体(例えばジアステレオマーまたは鏡像異性体)、塩、溶媒和化合物、多形体などをはじめとする、あらゆる薬学上許容可能な形態の化合物を含むことができる。特に化合物が光学活性である場合、化合物への言及は、化合物の各鏡像異性体ならびに鏡像異性体のラセミ混合物を含むことができる。また化合物は、いずれかのスーパーファミリーの特定のメンバーの作動薬(例えばCD40作動薬)として同定されても良い。
【0023】
「処置部位」とは、特定の処置部位を指す。特定の処置次第で、処置部位は、生物体全体(例えば全身性処置)または生物体のあらゆる部分(例えば局在性処置)であっても良い。
【0024】
「タイプIインターフェロン」とは、IFN−α、IFN−β、またはそれらのあらゆる混合物または組み合わせの総称である。
【0025】
「ワクチン」とは、抗原をはじめとする医薬品組成物を指す。ワクチンは、例えば1つ以上のアジュバント、キャリアなどの抗原に加えて、成分を含んでも良い。
【0026】
一態様では、本発明は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬を提供する。各成分は、特定の免疫賦活性をそれ自体で有しても良い。多くの場合、成分の組み合わせは、いずれかの成分が単独で提供できるよりも大きな免疫賦活性を提供できる。特定の場合、成分の組み合わせは、相乗的な免疫賦活性を提供できる。
【0027】
特定の実施態様では、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を使用して、組み合わせ免疫賦活薬が投与された被験者においてTH1免疫応答を誘導しても良い。ここでの用法では、「TH1免疫応答を誘導する」とは、組み合わせ免疫賦活薬が混合性のTH1/TH2応答を誘導する場合を含むことができる。しかし特定の実施態様では、組み合わせ免疫賦活薬は、TH2免疫応答の誘導がごくわずかまたは皆無でTH1免疫応答を誘導できる。
【0028】
いくつかの実施態様では、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を免疫賦活性アジュバントとして、すなわち追加的アジュバントありまたはなしで、1つ以上の抗原と組み合わせて使用しても良い。したがって場合によっては、組み合わせ免疫賦活薬はワクチンを形成しても良い。その他の場合では、組み合わせ免疫賦活薬は、ワクチンと関連して使用されても良いアジュバントとして機能しても良い。
【0029】
以下の実施例に示すように、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬は、活性化CD8+T細胞の増殖、メモリCD8+T細胞の産生、または双方を亢進できる。したがって本発明の方法および組み合わせ免疫賦活薬は、組み合わせ免疫賦活薬、または下で詳細に述べる方法に従った処置を受容した被験者において、抗原−特異的細胞媒介免疫を亢進できる。
【0030】
TLR作動薬は、特定用途に望ましいあらゆるTLR作動薬であっても良い。TLRは、例えばヒト、モルモット、およびマウスはじめとする様々な哺乳類種で同定されている。TLR作動薬は、あらゆる種からのあらゆるTLR作動薬(例えばTLR6、TLR7、TLR8など)であっても良い。いくつかの実施態様では、TLR作動薬はヒトTLRの作動薬である。多くの場合、TLRは、組み合わせ免疫賦活薬が投与される生物体からのTLRであるが、このような関連性は必ずしも必要でない。
【0031】
特定のTLRは、特定の病原体−関連リガンドに結合することが知られる。場合によっては、リガンドは病原体−由来であり、別の場合では、リガンドは被験者−由来である。例えばTLR3は二重鎖ウィルスRNAの「擬態」であるポリイノシンポリシチジル酸(polyIC)を認識し、TLR4は多くのグラム陰性細菌のリポ多糖類(LPS)を認識し、TLR5は特定のフラジェリンに結合し、TLR9は特定のCpGオリゴヌクレオチドに結合する。特定の小型分子IRM化合物は、例えばTLR6、TLR7、およびTLR8をはじめとする1つ以上のTLRの作動薬であることが知られている。
【0032】
いくつかの実施態様では、TLR作動薬は、TLR6、TLR7、TLR8、およびTLR9の少なくとも1つの作動薬であっても良い。特定の実施態様では、TLR作動薬は、TLR7および/またはTLR8の作動薬であることができる。代案の実施態様では、TLR作動薬はTLR8−選択的作動薬であっても良い。その他の代案の実施態様では、TLR作動薬はTLR7−選択的作動薬であることができる。
【0033】
ここでの用法では、「TLR8−選択的作動薬」という用語は、TLR8の作動薬として作用するが、TLR7の作動薬として作用しないあらゆる化合物を指す。「TLR7−選択的作動薬」とは、TLR7の作動薬として作用するが、TLR8の作動薬として作用しないあらゆる化合物を指す。「TLR7/8作動薬」とは、TLR7およびTLR8両者の作動薬として作用する化合物を指す。
【0034】
TLR8−選択的作動薬またはTLR7−選択的作動薬は、示されたTLRおよびTLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR9、またはTLR10の1つ以上の作動薬として作用しても良い。したがって「TLR8−選択的作動薬」はTLR8の作動薬として作用するが、その他のTLRの作動薬として作用しない化合物を指しても良い一方で、代案としては、それは、TLR8および例えばTLR6作動薬として作用する化合物を指しても良い。同様に、「TLR7−選択的作動薬」とは、TLR7の作動薬として作用するが、その他のTLRの作動薬として作用しない化合物を指しても良い一方で、代案としては、それは、TLR7および例えばTLR6作動薬として作用する化合物を指しても良い。
【0035】
特定の化合物に対するTLR作動性は、あらゆる適切なやり方で評価しても良い。例えば試験化合物のTLR作動性を検出するためのアッセイについては、例えば2002年12月11日に出願された米国仮特許出願番号60/432,650号明細書で述べられ、このようなアッセイで使用するのに適した組み換え細胞系については、例えば2002年12月11日に出願された米国仮特許出願番号60/432,651号明細書で述べられている。
【0036】
特定のアッセイを用いるかどうかにかかわらず、化合物のアッセイを実施した結果、特定のTLRによって媒介される生物学的活性の少なくとも閾値増大があれば、化合物を特定のTLRの作動薬として同定することができる。反対に、化合物を使用して、特定のTLRによって媒介される生物学的活性を検出するようにデザインされたアッセイを実施した際に、化合物が生物学的活性の閾値増大を誘発できなかった場合、特定のTLRの作動薬として作用していないと同定しても良い。特に断りのない限り、生物学的活性増大とは、適切な対照で観察されたものに対する同一生物学的活性の増大を指す。アッセイは、適切な対照と組み合わせて実施されても実施されなくても良い。経験から当業者は、特定のアッセイに十分精通するようになるかもしれないので(例えば特定のアッセイ条件下で適切な対照において観察される値の範囲)、特定のアッセイにおいて化合物のTLR作動性を判定するのに、対照の実施は必ずしも必要でないかもしれない。
【0037】
特定のアッセイにおいて特定の化合物が特定のTLRの作動薬であるかどうかを判定するための、TLR−媒介生物学的活性の正確な閾値増大は、アッセイ終点として観察された生物学的活性、アッセイ終点を測定または検出するために使用した方法、アッセイの信号対雑音比、アッセイ精度、そして複数TLRに対する化合物の作動性を判定するのに同一アッセイを使用したかどうかをはじめとするが、これに限定されるものではない、技術分野で知られる因子に従って変動しても良い。したがって一般に、あらゆる可能なアッセイについて、化合物を特定のTLRの作動薬または非作動薬であると同定するのに必要なTLR−媒介生物学的活性の閾値増大について述べるのは実際的でない。しかし当業者は、このような因子を然るべく考察することで、適切な閾値を容易に判定できる。
【0038】
発現可能なTLR構造遺伝子を形質移入されたHEK293細胞を用いるアッセイは、化合物を細胞に形質移入されたTLRの作動薬として同定するために、化合物が例えば約1μM〜約10μMの濃度で提供された際に、例えばTLR−媒介生物学的活性(例えばNFκB活性化)における少なくとも3倍の増大の閾値を使用しても良い。しかし特定の状況では、異なる閾値および/または異なる濃度範囲が適切かもしれない。また異なるアッセイについては異なる閾値が適切かもしれない。
【0039】
特定の実施態様では、TLR作動薬は、TLRの天然作動薬または合成IRM化合物であることができる。IRM化合物は、抗ウィルスおよび抗腫瘍活性をはじめとするが、これに限定されるものではない、強力な免疫調節活性を有する化合物を含む。特定のIRMは、サイトカインの産生および分泌を調節する。例えば特定のIRM化合物は、例えばタイプIインターフェロン、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、MIP−1、および/またはMCP−1などのサイトカインの産生および分泌を誘導する。別の実施例としては、特定のIRM化合物は、IL−4およびIL−5などの特定のTH2サイトカインの産生および分泌を阻害できる。さらに、いくつかのIRM化合物は、IL−1およびTNFを抑制すると言われている(米国特許第6,518,265号明細書)。
【0040】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬においてTLR作動薬として有用な特定のIRMは、タンパク質、ペプチドなどの大型生体分子とは対照的な小型有機分子(例えば分子量約1000ダルトン未満、場合によっては約500ダルトン未満)である。特定の小型分子IRM化合物は、例えば米国特許第4,689,338号明細書、同第4,929,624号明細書、同第4,988,815号明細書、同第5,037,986号明細書、同第5,175,296号明細書、同第5,238,944号明細書、同第5,266,575号明細書、同第5,268,376号明細書、同第5,346,905号明細書、同第5,352,784号明細書、同第5,367,076号明細書、同第5,389,640号明細書、同第5,395,937号明細書、同第5,446,153号明細書、同第5,482,936号明細書、同第5,693,811号明細書、同第5,741,908号明細書、同第5,756,747号明細書、同第5,939,090号明細書、同第6,039,969号明細書、同第6,083,505号明細書、同第6,110,929号明細書、同第6,194,425号明細書、同第6,245,776号明細書、同第6,331,539号明細書、同第6,376,669号明細書、同第6,451,810号明細書、同第6,525,064号明細書、同第6,545,016号明細書、同第6,545,017号明細書、同第6,558,951号明細書、および同第6,573,273号明細書、欧州特許第0 394026号明細書、米国特許公報第2002/0055517号明細書、および国際公開第01/74343号パンフレット、同02/46188号パンフレット、同02/46189号パンフレット、同02/46190号パンフレット、同02/46191号パンフレット、同02/46192号パンフレット、同02/46193号パンフレット、同02/46749号パンフレット、同02/102377号パンフレット、同03/020889号パンフレット、同03/043572号パンフレットおよび同03/045391号パンフレットで開示される。
【0041】
小型分子IRMの追加的な例としては、特定のプリン誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、および同第6,028,076号明細書で述べられるものなど)、特定のイミダゾキノリンアミド誘導体(米国特許第6,069,149号明細書で述べられるものなど)、特定のベンゾイミダゾール誘導体(米国特許第6,387,938号明細書で述べられるものなど)、および五員環窒素含有ヘテロ環に縮合した4−アミノピリミジンの特定の誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、同第6,028,076号明細書および同第6,329,381号明細書、および国際公開第02/085905号パンフレットで述べられるアデニン誘導体など)が挙げられる。
【0042】
その他のIRMとしては、オリゴヌクレオチド配列などの大型生体分子が挙げられる、いくつかのIRMオリゴヌクレオチド配列は、シトシン−グアニンジヌクレオチド(CpG)を含有し、例えば米国特許第6,194,388号明細書、同第6,同207,646号明細書、同第6,239,116号明細書、同第6,339,068号明細書、および同第6,406,705号明細書で述べられる。いくつかのCpG−含有オリゴヌクレオチドは、例えば米国特許第6,426,334号明細書、および同第6,476,000号明細書で述べられたものなどの合成免疫調節構造モチーフを含むことができる。CpGが欠如したその他のIRMヌクレオチド配列については、例えば国際公開第00/75304号パンフレットで述べられている。
【0043】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬でTLR作動薬として使用するのに適した小型分子IRM化合物としては、五員環窒素含有ヘテロ環に縮合した2−アミノピリジンを有する化合物が挙げられる。例えばこのような化合物としては、例えばアミノアルキル−置換イミダゾキノリンアミン、アミド−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル−置換イミダゾキノリンアミンなどの置換イミダゾキノリンアミンをはじめとするが、これに限定されるものではないイミダゾキノリンアミンと、アミド−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素−置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンをはじめとするが、これに限定されるものではないテトラヒドロイミダゾキノリンアミンと、アミド−置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド−置換イミダゾピリジンアミン、尿素−置換イミダゾピリジンアミンをはじめとするが、これに限定されるものではないイミダゾピリジンアミンと、アリールエーテル−置換イミダゾピリジンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル−置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル−置換イミダゾピリジンアミン、尿素−置換イミダゾピリジンエーテル、およびチオエーテル−置換イミダゾピリジンアミンと、1,2−架橋イミダゾキノリンアミンと、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミンと、イミダゾナフチリジンアミンと、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンと、オキサゾロキノリンアミンと;チアゾロキノリンアミンと、オキサゾロピリジンアミンと、チアゾロピリジンアミンと、オキサゾロナフチリジンアミンと、チアゾロナフチリジンアミンとが挙げられる。
【0044】
特定の実施態様では、TLR作動薬は、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンであっても良い。
【0045】
特定の実施態様では、TLR作動薬は、スルホンアミド−置換イミダゾキノリンアミンであることができる。代案の実施態様では、TLR作動薬は尿素−置換イミダゾキノリンエーテルであることができる。別の代案の実施態様では、TLR作動薬はアミノアルキル−置換イミダゾキノリンアミンであることができる。
【0046】
1つの特定の実施態様では、TLR作動薬は4−アミノ−α,α,2−トリメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールである。代案の特定の実施態様では、TLR作動薬はN−(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)−N−メチルモルホリン−4−カルボキサミドである。別の代案の実施態様では、TLR作動薬は1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンである。別の代案の実施態様では、TLR作動薬はN−[4−(4−アミノ−2−エチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミドである。さらに別の代案の実施態様では、TLR作動薬はN−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミドである。
【0047】
特定の代案の実施態様では、TLR作動薬は、置換イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンであっても良い。
【0048】
ここでの用法では、置換イミダゾキノリンアミンとはアミノアルキル−置換イミダゾキノリンアミン、アミド−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンエーテル、またはチオエーテル−置換イミダゾキノリンアミンを指す。ここでの用法では、置換イミダゾキノリンアミンは、特に明示的に1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンおよび4−アミノ−α,α−ジメチル−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールを除外する。
【0049】
TNF/R作動薬は、TNFスーパーファミリーまたはTNFRスーパーファミリーいずれかのあらゆるメンバーのあらゆる適切な作動薬であっても良い。多くの場合、1つのスーパーファミリーのメンバーは、別のスーパーファミリーの相補的メンバーの作動薬であることができる。例えばCD40リガンド(TNFスーパーファミリーのメンバー)は、CD40(TNFRスーパーファミリーのメンバー)の作動薬として作用でき、CD40は、CD40リガンドの作動薬として作用できる。したがって適切なTNF/R作動薬としては、例えばCD40リガンド、OX40リガンド、4−1BBリガンド、CD27、CD30リガンド(CD153)、TNF−α、TNF−β、RANKリガンド、LT−α、LT−β、GITRリガンド、LIGHT、CD40、OX40、4−1BB、CD70(CD27リガンド)、CD30、TNFR2、RANK、LT−βR、HVEM、GITR、TROY、およびRELTが挙げられる。さらに適切なTNF/R作動薬としては、TNF/Rに対して産生される特定の作動薬抗体(例えばそれぞれマウスCD40に対して産生される1C10およびFGK4.5)が挙げられる。
【0050】
TLR作動薬およびTNF/R作動薬は、特定の抗原に対する免疫応答を増大させるのに効果的な量で提供される(または免疫賦活性の組み合わせ形態に適するように投与される)。例えばTLR作動薬は、約100ng/kg〜約100mg/kgの量で投与できる。多くの実施態様では、TLR作動薬は約10μg/kg〜約10mg/kgの量で投与される。いくつかの実施態様では、TLR作動薬は約1mg/kg〜約5mg/kgの量で投与される。しかし特定の抗原の免疫応答を増大させるのに効果的な量とみなされるTLR作動薬の特定の量は、投与される特定のTLR作動薬と、投与される特定の抗原およびその量と、投与される特定のTNF/R作動薬およびその量と、免疫系の状態(例えば抑制される、損なわれる、刺激される)と、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および抗原投与の方法および順序と、調合物が投与される種と、所望の治療的な結果をはじめとするが、これに限定されるものではない、特定の因子にある程度左右される。したがって一般にTLR作動薬の効果的な量とみなされる量について述べるのは実際的でない。しかし当業者は、このような因子を然るべく考察することで適切な量を容易に判定できる。
【0051】
また例えばTNF/R作動薬を約100ng/kg〜約100mg/kgの量で投与しても良い。特定の実施態様では、TNF/R作動薬が約10μg/kg〜約10mg/kgの量で投与される。いくつかの実施態様では、TNF/R作動薬が、約1mg/kg〜約5mg/kgの量で投与される。しかし特定の抗原に対する免疫応答を増大させるのに効果的な量とみなされるTNF/R作動薬の特定の量は、投与される特定のTNF/R作動薬と、投与される特定のTLR作動薬およびその量と、投与される特定の抗原およびその量と、免疫系の状態と、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および抗原投与の方法および順序と、調合物が投与される種と、所望の治療的な結果をはじめとするが、これに限定されるものではない、特定の因子にある程度左右される。したがって一般にTNF/R作動薬の効果的な量とみなされる量について述べるのは実際的でない。しかし当業者は、このような因子を然るべく考察することで適切な量を容易に判定できる。
【0052】
いくつかの実施態様では、組み合わせ免疫賦活薬が抗原をさらに含んでも良い。組み合わせ免疫賦活薬中に存在する場合、抗原は、組み合わせ薬のその他の成分との組み合わせで、抗原に対する免疫応答を生じるのに効果的な量で投与しても良い。例えば抗原は約100ng/kg〜約100mg/kgの量で投与できる。多くの実施態様では、抗原は約10μg/kg〜約10mg/kgの量で投与されても良い。いくつかの実施態様では、抗原は約1mg/kg〜約5mg/kgの量で投与されても良い。しかし免疫応答を生じるのに効果的な量とみなされる抗原の特定の量は、例えば投与される特定の抗原と、投与される特定のTLR作動薬およびその量と、投与される特定のTNF/R作動薬およびその量と、免疫系の状態と、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および抗原の投与方法および順序と、調合物が投与される種と、所望の治療的な結果などの特定の因子にある程度左右される。したがって一般に抗原の効果的な量とみなされる量について述べるのは実際的でない。しかし当業者は、このような因子を然るべく考察することで適切な量を容易に判定できる。
【0053】
存在する場合、抗原は、組み合わせ免疫賦活薬のいずれかの成分と同時に、または逐次投与されても良い。したがって抗原は単独でまたは(例えばTLR作動薬、TNF/R作動薬、または双方をはじめとする)1つ以上のアジュバントとの混合物中で投与されても良い。いくつかの実施態様では、抗原は1つのアジュバントに関しては同時に(例えば混合物中で)、しかし1つ以上の追加的アジュバントに関しては逐次投与されても良い。
【0054】
抗原および組み合わせ免疫賦活薬のその他の成分の逐次同時投与は、抗原およびその他の成分が同時に投与されなくとも、それぞれが処置部位に同時に存在するように、抗原および組み合わせ免疫賦活薬の少なくとも1つのその他の成分が投与される場合を含むことができる。抗原および組み合わせ免疫賦活薬のその他の成分の逐次同時投与はまた、抗原または組み合わせ免疫賦活薬の少なくとも1つのその他の成分が処置部位からなくなっているが、なくなった抗原またはその他の成分の少なくとも1つの細胞効果(例えばサイトカイン産生、特定の細胞集団活性化など)が、少なくとも組み合わせの1つ以上の追加的成分が処置部位に投与されるまで、処置部位に持続する場合を含むことができる。したがって本発明の組み合わせ免疫賦活薬は、特定の状況では、組み合わせの別の成分との混合物中には存在しない、1つ以上の成分を含むことが可能であるかもしれない。
【0055】
抗原は、例えばCD8+T細胞応答、NKT細胞応答、γ/δT細胞応答、またはTH1抗体応答の1つ以上を含んでも良いTH1免疫応答を生じさせられるあらゆる材料であることができる。適切な抗原としては、ペプチド、ポリペプチド、脂質、糖脂質、多糖類、炭水化物、ポリヌクレオチド、プリオン、生または不活性化細菌、ウィルスまたは真菌、および細菌−、ウィルス−、真菌−、原生動物−、腫瘍−由来、または生物体−由来抗原、毒素または類毒素が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0056】
さらに特定の目下実験的である抗原、特に組み換えタンパク質、糖タンパク質、およびペプチドなどの強い免疫応答を生じない材料を本発明のアジュバントとの組み合わせに関連して使用できることが考察される。例示的な実験的サブユニット抗原としては、アデノウィルス、AIDS、水痘、サイトメガロウィルス、デング、ネコ白血病、家禽ペスト、肝炎A、肝炎B、HSV−1、HSV−2、豚コレラ、インフルエンザA、インフルエンザB、日本脳炎、はしか、パラインフルエンザ、狂犬病、呼吸器合胞体ウイルス、ロタウィルス、疣贅、および黄熱病などのウィルス疾患に関するものが挙げられる。
【0057】
特定の実施態様では、抗原は癌抗原または腫瘍抗原であっても良い。癌抗原および腫瘍抗原という用語は区別なく使用されて、癌細胞によって差別的に発現される抗原を指す。したがって癌抗原は、癌細胞に対する免疫応答を差別的に標的とするために利用できる。したがって癌抗原は、腫瘍−特異的免疫応答を潜在的に刺激できるかもしれない。特定の癌抗原は、正常細胞によって必ずしも発現されないが、コード化される。これらの抗原のいくつかは、正常細胞中で常態ではサイレント(すなわち発現しない)、特定の段階においてのみ分化発現するもの、そして時間的に発現するもの(例えば胚および胎児抗原)として特徴づけられても良い。その他の癌抗原は、例えば発癌遺伝子(例えば活性化されたras発癌遺伝子)、抑制遺伝子(例えば突然変異p53)などの突然変異細胞遺伝子、あるいは内部欠損または染色体転座から得られる融合タンパク質によってコード化できる。さらに別の癌抗原は、RNAおよびDNA腫瘍ウィルスによって運ばれるものなどのウィルス遺伝子によってコード化できる。
【0058】
腫瘍抗原の例としては、MAGE、MART−1/Melan−A、gp100、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ−結合タンパク質(ADAbp)、サイクロフィリンb、結腸直腸関連抗原(CRC)−C017−1A/GA733、癌胎児性抗原(CEA)およびその抗原性エピトープCAP−1およびCAP−2、etv6、aml1、前立腺特異的抗原(PSA)およびその抗原性エピトープPSA−1、PSA−2、およびPSA−3、前立腺−特異的膜抗原(PSMA)、T−細胞受容体/CD3−ζ鎖、腫瘍抗原のMAGE−ファミリー(例えばMAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A5、MAGE−A6、MAGE−A7、MAGE−A8、MAGE−A9、MAGE−A10、MAGE−A11、MAGE−A12、MAGE−Xp2(MAGE−B2)、MAGE−Xp3(MAGE−B3)、MAGE−Xp4(MAGE−B4)、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−C4、MAGE−C5)、腫瘍抗原のGAGE−ファミリー(例えばGAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE−7、GAGE−8、GAGE−9)、BAGE、RAGE、LAGE−1、NAG、GnT−V、MUM−1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、α−胎児タンパク質、E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニン、γ−カテニン、p120ctn、gp100Pmel117、PRAME、NY−ESO−1、cdc27、腺腫様ポリープ症coliタンパク質(APC)、フォドリン、コネクシン37、Ig−イディオタイプ、p15、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ヒト乳頭腫ウィルスタンパク質などのウィルス産生物、腫瘍抗原のSmadファミリー、lmp−1、P1A、EBVでコード化された核抗原(EBNA)−1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX−1、SSX−2(HOM−MEL−40)、SSX−3、SSX−4、SSX−5、SCP−1およびCT−7、およびc−erbB−2が挙げられる。
【0059】
癌または腫瘍、およびこのような腫瘍に関連する特異的腫瘍抗原としては(排他的ではなく)、急性リンパ芽球性白血病(etv6、aml1、サイクロフィリンb)、B細胞リンパ腫(Ig−イディオタイプ)、神経膠腫(E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニン、γ−カテニン、p120ctn)、膀胱癌(p21ras)、胆道癌(p21ras)、乳癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、子宮頚癌(p53、p21ras)、大腸癌(p21ras、HER2/neu、c−erbB−2、MUCファミリー)、結腸直腸癌(結腸直腸の関連抗原(CRC)−C017−1A/GA733、APC)、絨毛癌(CEA)、上皮細胞癌(サイクロフィリンb)、胃癌(HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、肝細胞癌(α−胎児タンパク質)、ホジキンリンパ腫(lmp−1、EBNA−1)、肺癌(CEA、MAGE−3、NY−ESO−1)、リンパ球−由来白血病(サイクロフィリンb)、メラノーマ(p15タンパク質、gp75、癌胎児性抗原、GM2およびGD2ガングリオシド、Melan−A/MART−1、cdc27、MAGE−3、p21ras、gp100Pmel117)、骨髄腫(MUCファミリー、p21ras)、非小型細胞肺癌(HER2/neu、c−erbB−2)、鼻咽頭癌(lmp−1、EBNA−1)、卵巣癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、前立腺癌(前立腺特異的抗原(PSA)およびその抗原性エピトープPSA−1、PSA−2、およびPSA−3、PSMA、HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、腎臓癌(HER2/neu、c−erbB−2)、頸部および食道の扁平細胞癌(ヒト乳頭腫ウィルスタンパク質などのウィルス産生物)、精巣癌(NY−ESO−1)、およびT細胞白血病(HTLV−1エピトープ)が挙げられる。
【0060】
抗原を含む本発明の組み合わせ免疫賦活薬は、ワクチンを形成しても良い。このようなワクチンは、当業者に周知の追加的な薬学上許容可能な成分、賦形剤、キャリアなどを含有できる。
【0061】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬は、当業者に周知の従来の方法(例えば経口、皮下、経鼻、局所)に従って、例えば哺乳類(ヒトおよびヒト以外)、家禽などの動物に投与できる。
【0062】
本発明はまた、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を被験者に投与するステップを含む、治療的なおよび/または予防的な方法を提供する。
【0063】
特定の投与順序が提供されていなければ、組み合わせ免疫賦活薬の成分は、(例えば経口または別々の注射によって、共に混合物中でまたは別々に)抗原と同時に投与しても良く、あるいは組み合わせ免疫賦活薬の1つ以上のその他の成分を投与するのに続いて投与しても良い。例えばTLR作動薬およびTNF/R作動薬は、互いに同時に、あるいは互いに逐次投与しても良い。また組み合わせ免疫賦活薬の成分として抗原が存在する場合、それは組み合わせのあらゆるその他の成分に関して同時に、あるいは逐次投与されても良い。
【0064】
組み合わせ免疫賦活薬の成分は、あらゆる順序で同時にまたは逐次投与することができる。成分を同時に投与する場合、それらは単一調合物または異なる調合物中で投与できる。異なる調合物として投与する場合、同時または逐次であるかどうかに関わりなく、成分を単一部位、または別々の部位に投与しても良い。また異なる調合物として投与する場合、異なる経路を使用して各調合物を投与しても良い。適切な投与経路としては、経皮または経粘膜吸収、注射(例えば皮下、腹腔内、筋肉内、静脈内など)、摂取、吸入などが挙げられるがこれに限定されるものではない。逐次投与する場合、成分投与間の時間は、例えば特定の成分が、全身性にまたは投与部位において持続する時間の長さ、あるいは成分の細胞効果が、成分がなくなった後でさえも全身性にまたは投与部位において持続する時間の長さなどの特定の因子によって、少なくともある程度は決定できる。
【0065】
特定の小型分子IRM化合物は、抗ウィルスサイトカインの生合成を誘導できる。したがって組み合わせ免疫賦活薬のTLR作動薬成分として、生ウィルス抗原および小型分子IRM化合物を含む特定の実施態様では、ウィルス感染が確立できるように、IRM化合物を投与するのに先だって抗原を投与することが望ましいかもしれない。
【0066】
一態様では、本発明の方法は、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を含むワクチンを投与して、被験者においてTH1免疫応答を誘導するステップを含むことができる。上述のように特定の小型分子IRMは、単独でワクチンアジュバントとして有用かもしれない。TLR作動薬(例えば小型分子IRM)およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬は、抗原単独、TLR作動薬と組み合わせられた抗原、またはTNF/R作動薬と組み合わせられた抗原のいずれよりもさらに大きい免疫応答を提供できる。場合によっては、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬は、TLR作動薬またはTNF/R作動薬のどちらと比べても免疫応答を相乗的に増大できる。
【0067】
本発明の方法はまた、細胞が生体内(in vivo)または生体外(ex vivo)にあるかどうかにかかわらず、免疫系細胞から免疫応答を誘導するステップを含む。したがって本発明の組み合わせ免疫賦活薬は、治療的なワクチンの成分、予防的なワクチンの成分として、または生体外(ex vivo)細胞培養で使用される免疫賦活性因子として有用であるかもしれない。生体外(ex vivo)免疫応答を誘発するのに使用する場合、生体外(ex vivo)で活性化された免疫細胞を患者に再導入しても良い。代案としては、細胞培養中で活性化される免疫細胞によって分泌される因子(例えば抗体、サイトカイン、同時刺激性因子など)を研究的、予防的、または治療的使用のために収集しても良い。
【0068】
本発明の方法はまた、生体内(in vivo)で抗原−特異的な様式で、未処置CD8+T細胞を活性化するステップを含む。抗原および組み合わせ免疫賦活薬の同時投与への応答として産生される活性化された抗原−特異的CD8+T細胞の集団は、抗原が明白に組み合わせ免疫賦活薬の成分であるかどうかに関わらず、2つの機能的に異なる下位集団に分割されても良い。抗原−特異的CD8+T細胞の1つの集団は、細胞媒介免疫応答の提供に活発に関わるCD8+T細胞であるエフェクターT細胞を含む。抗原−特異的CD8+T細胞の第2の集団は、それら自体は免疫応答の提供に関与しないが、同一抗原への後からの接触に際して、容易に誘導されて抗原−特異的エフェクター細胞になるCD8+T細胞であるメモリT細胞を含む。以下の方法に従ったCD8+T細胞の活性化は、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞の増殖、抗原−特異的CD8+メモリT細胞の産生、または双方を誘導しても良い。
【0069】
抗原を含む組み合わせ免疫賦活薬を被験者に投与しても良い。被験者中での十分なインキュベーション後、CD8+T細胞は免疫化に答えて抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞に成熟する。TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬によって免疫された被験者では、抗原のみ、抗原およびTNF/R作動薬、または抗原およびTLR作動薬によって免疫された被験者に比べて、より大きな割合のCD8+エフェクターT細胞が抗原−特異的になる。図1は、被験者を本発明の組み合わせ免疫賦活薬によって免疫した場合の抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞増殖の増大を実証するフローサイトメトリーデータを示す。
【0070】
一般に免疫化とCD8+エフェクターT細胞産生の間のインキュベーション時間は、約4日間から約12日間である。特定の実施態様では、CD8+エフェクターT細胞が免疫化後、約5日以内に産生されても良い。その他の実施態様では、CD8+エフェクターT細胞が免疫化後、約7日以内に産生されても良い。
【0071】
抗原がタンパク質である場合、被験者にタンパク質全体を投与することは必要でないかもしれない。図2は鶏卵白アルブミン全体に答えたCD8+T細胞の増殖動態を示すが、図1は鶏卵白アルブミンからの8個のアミノ酸ペプチド(SIINFEKL、SEQIDNO:1)を使用したCD8+T細胞の増殖を示す。同様に、図3はTRP2−ΔVペプチド(SIYDFFVWL、SEQIDNO:2)に答えたCD8+T細胞の増殖を示す。
【0072】
したがって本発明の組み合わせ免疫賦活薬を被験者に投与するステップを含む方法を使用して、被験者のCD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)に抗原−特異的応答を誘発しても良い。このような応答は、例えば腫瘍およびウィルス−感染した細胞集団をはじめとする多くの病状に向けたものでも良い。本発明のいくつかの実施態様では、本発明のワクチンを予防的に投与して、被験者に例えば腫瘍および/またはウィルス感染に対抗する保護的な抗原−特異的細胞媒介免疫を提供しても良い。
【0073】
代案の実施態様では、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を使用して、抗原−特異的CD8+メモリT細胞を生体内(in vivo)で発生させても良い。抗原−特異的CD8+メモリT細胞は、抗原への2回目の曝露に際し、二次的なTH1免疫応答を生じても良い。CD8+エフェクターT細胞は、抗原への再曝露後わずか2時間以内に、再活性化されたCD8+メモリT細胞から産生されても良い。抗原に対する第2の曝露は、免疫化(すなわち追加免疫化)または天然曝露によるものであっても良い。
【0074】
図4は、抗原、TLR作動薬、およびTNF/R作動薬の同時投与によって産生された4週間後の、抗原−特異的CD8+メモリT細胞の再活性化を示す。CD8+メモリT細胞の再活性化は、抗原(パネルB)でチャレンジすることで誘導されるが、同時投与される抗原およびTLR作動薬(パネルC)でチャレンジした場合により大きい。場合によっては上述の抗原−特異的細胞媒介免疫記憶は、ワクチンの1つ以上の成分に対するTH2免疫応答から帰結する循環抗体によって提供される抗原−特異的体液性免疫記憶によって補足されるかもしれない。
【0075】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬を使用して、細胞媒介免疫応答によって処置できる病状を治療的に処置できる。このような組み合わせは、少なくとも治療的に効果的な量のTLR作動薬、および治療的に効果的な量のTNF/R作動薬を含むことができる。多くの実施態様で、治療的な組み合わせ薬は治療的に効果的な量の抗原をさらに含むことができる。
【0076】
治療的な組み合わせ薬は、さらに1つ以上の薬学上許容可能なキャリアとの組み合わせで提供できる。TLR作動薬、TNF/R作動薬、および(組み合わせ中に存在する場合)抗原は、異なる部位に、および/または異なる経路で、逐次に同時投与しても良いので、治療的な組み合わせ薬を2つ以上の調合物中に提供しても良い。2つ以上の調合物中で提供する場合、各調合物は、残りの調合物中に含まれるキャリアまたはキャリア群と同様のまたは異なるキャリアを含むことができる。代案としては、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および(組み合わせ中に存在する場合)抗原は、単一キャリアまたはキャリアの組み合わせを含むことができる単一調合物中に提供しても良い。
【0077】
各成分または成分の混合物は、例えば錠剤、トローチ剤、非経口調合物、シロップ、クリーム、軟膏、煙霧剤調合物、経皮パッチ、経粘膜パッチなどのあらゆる適切な従来の投薬形態で投与しても良い。
【0078】
治療的な組み合わせ免疫賦活薬は、治療措置において単一処置薬として投与できる。代案としては、本発明の治療的な組み合わせ免疫賦活薬は、本発明の別の治療的な組み合わせ薬と、1つ以上の医薬品組成物と、あるいは抗ウィルス物質、抗生物質、追加的IRM化合物などのその他の活性作用薬と組み合わせて投与しても良い。
【0079】
TH1免疫応答を誘導し、CD8+エフェクターT細胞のプールを産生する能力のために、本発明の特定の組み合わせ免疫賦活薬は、ウィルス疾患および腫瘍を処置するのに特に有用かもしれない。この免疫調節活性は、本発明の組み合わせ免疫賦活薬およびワクチンが、
(a)例えばアデノウィルス、ヘルペスウィルス(例えばHSV−I、HSV−II、CMV、またはVZV)、ポックスウィルス(例えば痘瘡またはワクシニア、または伝染性軟属腫などのオルトポックスウィルス)、ピコルナウィルス(例えばライノウィルスまたはエンテロウィルス)、オルソミクソウィルス(例えばインフルエンザウィルス)、パラミクソウィルス(例えばパラインフルエンザウィルス、おたふく風邪ウィルス、はしかウィルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV))、コロナウィルス(例えばSARS)、パポバウィルス(例えば生殖器疣、尋常性肬贅、または足底疣贅を引き起こすものなどの乳頭腫ウィルス)、ヘパドナウィルス(例えば肝炎Bウィルス)、フラビウイルス(例えば肝炎Cウィルスまたはデングウィルス)、またはレトロウィルス(例えばHIVなどのレンチウイルス)による感染から罹る疾患などのウィルス疾患、
(b)例えばエシェリキア属、エンテロバクター、サルモネラ、ブドウ球菌、赤痢菌、リステリア、アエロバクター、ヘリコバクター、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、連鎖球菌、クラミジア、マイコプラズマ、肺炎球菌、ナイセリア、クロストリジウム、バシラス、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、カンピロバクター、ビブリオ、セラチア、プロビデンシア、クロモバクテリウム、ブルセラ、エルシニア、ヘモフィルス、またはボルデテラなどの細菌感染から罹る疾患などの細菌疾患、
(c)クラミジアと、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、クリプトコックス髄膜炎をはじめとするがこれに限定されるものではない真菌疾患と、またはマラリア、ニューモシステイスカリニ肺炎、レーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、およびトリパノソーマ感染をはじめとするがこれに限定されるものではない寄生虫性疾患などのその他の感染性疾患、
(d)例えば上皮内新生物形成、子宮頚部異形成、光線性角化症、基底細胞癌、扁平細胞癌、腎細胞癌、カポジ肉腫、メラノーマ、腎細胞癌などの新生物疾患、骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、B−細胞リンパ腫、および毛様細胞白血病をはじめとするが、これに限定されるものではない白血病、およびその他の癌(例えば上で同定された癌)、および
(e)アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、全身性エリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、オメン症候群、円板状エリテマトーデス、円形脱毛症などのTH2媒介アトピー性および自己免疫疾患と、ケロイド形成およびその他のタイプの瘢痕の阻害と、慢性創傷をはじめとする創傷治癒の増進などであるが、これに限定されるものではない病状を処置するのに有用であることを示唆する。
【0080】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬のいくつかの実施態様はまた、例えばBCG、コレラ、ペスト、腸チフス、肝炎A、肝炎B、肝炎C、インフルエンザA、インフルエンザB、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、はしか、おたふく風邪、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎菌性および肺炎球菌ワクチン、アデノウィルス、HIV、水痘、サイトメガロウィルス、デング、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、豚コレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウイルス、ロタウィルス、乳頭腫ウィルス、黄熱病、およびアルツハイマー疾患に関連して使用するための、例えば生ウィルス、細菌、または寄生虫抗原と、不活性化ウィルス、腫瘍−由来、原生動物、生物体−由来、真菌、または細菌抗原、類毒素、毒素と、自己抗原と、多糖類と、タンパク質と、糖タンパク質と、ペプチドと、細胞ワクチンと、DNAワクチンと、組み換えタンパク質と、糖タンパク質と、ペプチドなどの体液性および/または細胞性いずれかの媒介免疫応答を生じるあらゆる材料との組み合わせで使用するためのワクチンアジュバントとして有用かもしれない。
【0081】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬はまた、損なわれた免疫機能を有する個人において特に有用であるかもしれない。例えばIRM化合物は、例えば移植患者、癌患者、およびHIV患者において、細胞媒介免疫の抑制後に生じる日和見感染および腫瘍を処置するために使用されても良い。
【0082】
本発明はまた、治療的に効果的な量の本発明の組み合わせ免疫賦活薬を動物に投与するステップを含む、動物においてウィルス感染を処置する方法、および動物において新生物疾患を処置する方法を提供する。ウィルス感染を処置または阻害するために治療的に効果的な量は、未処置対照動物に比べて、ウィルス病変、ウィルス負荷、ウィルス産生速度、および死亡率などのウィルス感染徴候の1つ以上に低下を引き起こす量である。新生物病状を処置するために治療的に効果的な組み合わせの量は、未処置対照動物に比べて、例えば腫瘍サイズ減少、腫瘍病巣数減少を引き起こし、または腫瘍生育を遅延させる量である。
【0083】
特定の一実施態様では、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を使用して、生体内(in vivo)で腫瘍生育を阻害しても良い。特定の抗原を発現する腫瘍細胞を有する被験者をTLR作動薬、TNF/R作動薬、および任意に抗原を含有する治療的な組み合わせ薬で免疫しても良い。いくつかの実施態様では、処置法は初回免疫および2回目の追加免疫を含むことができる。本発明の治療的な組み合わせ薬で免疫された被験者から採取された腫瘍は、概して(a)免疫されない被験者、または(b)抗原のみで免疫された被験者のいずれかから採取された腫瘍(図5および6)よりも小さい。
【0084】
図6は、腫瘍抗原として卵白アルブミンを発現するメラノーマ細胞でチャレンジされたマウスにおける腫瘍サイズを比較する。メラノーマ細胞でのチャレンジの7日後、マウスを(a)卵白アルブミンペプチド、(b)卵白アルブミンペプチドおよびTLR作動薬、または(c)卵白アルブミンペプチド、TLR作動薬、およびTFNR作動薬のいずれかで免疫した。21日目(免疫化の14日後)に、腫瘍を切除して測定した。抗原/TLR作動薬/TFNR作動薬の組み合わせは、抗原または抗原/TLR作動薬の組み合わせによる免疫化で提供される保護に比べて、より優れた腫瘍生育に対する保護を提供した。
【0085】
図7は、腫瘍抗原として卵白アルブミンを発現する、メラノーマ細胞でチャレンジされたマウスにおける腫瘍サイズを比較し、そこでは(a)マウスは腫瘍に対する2つの免疫化を受け入れ、(b)免疫化の抗原成分は、卵白アルブミンペプチドでなく腫瘍細胞溶解産物を含んだ。図7は、TNF/R作動薬および抗原の組み合わせによる免疫化が、抗原のみで免疫されたマウスに比べて、腫瘍生育に対するごくわずかまたは皆無の保護を提供することを示す。ここでも抗原/TLR作動薬/TFNR作動薬の組み合わせは、抗原または抗原/TLR作動薬の組み合わせによる免疫化が提供する保護に比べて、より優れた腫瘍生育に対する保護を提供した。
【0086】
場合によっては、組み合わせ免疫賦活薬に対する免疫応答の相乗的性質がタイプIインターフェロンに依存する程度は、組み合わせのTLR作動薬によって活性化されるTLRを活性化することで典型的に観察されるタイプIインターフェロン刺激と相関する。図10は、タイプIインターフェロンを典型的に誘導するTLRの作動薬(例えばTLR7、TLR3、TLR9、およびTLR4)をTLRの作動薬として含む、組み合わせ免疫賦活薬に対する免疫応答の相乗的性質が、タイプIインターフェロンに対する受容体を欠いたマウスにおいて顕著に低下できることを示す。したがってこのような組み合わせ免疫賦活薬に対する相乗的免疫応答は、少なくとも部分的にタイプIインターフェロンに左右される。しかし図10はまた、典型的にタイプIインターフェロンの合成をほとんど、または全く誘導しないTLRの作動薬(TLR2/6作動薬であるMALP−2)を含む組み合わせ免疫賦活薬によって生じた相乗的免疫応答が、タイプIインターフェロン非依存性であることを示す。
【0087】
さらに、図11はMALP−2を含む組み合わせ免疫賦活薬によって誘導されるインターフェロン−非依存性相乗的免疫応答が、その他のTLR2作動薬を使用して誘導できることを示す。例えばTLR2作動薬Pam3cysはまた、IFNαβ受容体ノックアウトマウスにおいて相乗的免疫応答を誘導できる(すなわちマウスはインターフェロン−依存性細胞シグナルを処理できない)。
【0088】
したがって本発明の方法を使用して、所望のレベルのタイプIインターフェロン誘導、免疫応答の所望のタイプIインターフェロン依存性、または双方によって、組み合わせ免疫賦活薬を適応させることが可能かもしれない。例えばウィルス感染に対する治療的なまたは予防的な処置を提供するために、高レベルのインターフェロン誘導および/またはタイプIインターフェロン依存性の免疫応答が求められる場合、TLR7作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬が望ましいかもしれない。代案としては、例えば皮下細菌感染または寄生虫性感染に対する治療的なまたは予防的な処置を提供するために、タイプIインターフェロン産生の誘導なしに相乗的免疫応が求められる場合は、組み合わせ免疫賦活薬がTLR2作動薬を含んでも良い。
【0089】
本発明に従った処置は、1つ以上の免疫化を含んでも良い。処置が1つを超える免疫化含む場合、処置は、あらゆる適切な頻度で投与されるあらゆる適切ないくつかの免疫化を含むことができる。治療措置における免疫化の回数および頻度は、処置する病状およびその時期、被験者の免疫系の状態、投与される特定のTLR作動薬およびその量、投与される特定のTNF/R作動薬およびその量、そして(存在すれば)投与される特定の抗原およびその量をはじめとするが、これに限定されるものではない1つ以上の因子に少なくともある程度左右される。
【0090】
いくつかの実施態様では、本発明の治療的な組み合わせ薬は、抗原成分を必要としないかもしれない。特定の条件(例えばB細胞リンパ腫または慢性細菌またはウィルス感染)では、抗原を含まない組み合わせ免疫賦活薬を使用して効果的な処置が得られるかもしれない。このような病状は、例えば病状が、病状を処置できる細胞媒介免疫応答を生じるのに十分な病状−特異的抗原の量または多様性を提供するかもしれないので、このやり方で処置可能かもしれない。
【実施例】
【0091】
以下の実施例は、単に本発明の特徴、利点、およびその他の詳細をさらに例証するために選択された。しかし実施例はこの目的を果たしながら、使用する特定の材料および量ならびにその他条件および詳細は、この本発明の範囲を不当に制限するものではないことが明示的に理解されるものとする。
【0092】
特に断りのない限り、以下の実施例で使用したマウスは、マサチューセッツ州ウィルミントンのチャールス・リバー・ラボラトリーズ(Charles River Laboratories、Inc.(Wilmington、MA))から入手できるC57BL6マウスである。
【0093】
以下の実施例で使用されるTLR作動薬を表1で特定する。
【0094】
【表1】
【0095】
卵白アルブミンペプチド(SIINFEKL、SEQIDNO:1)およびTRP2−ΔVペプチド(SIYDFFVWL、SEQIDNO:2)は、カリフォルニア州サニーヴェールのアメリカン・ペプタイド社(American Peptide Co.(Sunnyvale、CA))から得られた。
【0096】
MHC四量体試薬は、下で述べるようにしてケドル(Kedl)ら、JEM 192(8):1105〜1113(2000)で述べられる真核生物(バキュロウィルス)発現系を使用して調製した。
【0097】
実施例1
2〜5匹のマウスを(A)100μgの卵白アルブミンペプチド、(B)100μgの卵白アルブミンペプチド+100μgの抗−CD40抗体(1C10)、(C)100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1、または(D)100μgの卵白アルブミンペプチド+100μgの1C10抗−CD40抗体+200μgのIRM1で静脈内免疫した。免疫化の5日後、マウスから脾臓を切除して均質化した。均質化した細胞懸濁液を卵白アルブミン−特異的T細胞(Kedlら、JEM 192(8):1105〜1113(2000))を検出するために主要組織適合性複合体(MHC)四量体試薬で染色し、カリフォルニア州サンディエゴのBDバイオサイエンシズ・ファーミンゲン(BD Biosciences Pharmingen(San Diego、CA))からのCD8染色、およびバイオサイエンシズ・ファーミンゲン(BD Biosciences Pharmingen(San Diego、CA))からのCD44染色で染色した。フローサイトメトリーにかけると、卵白アルブミン−特異的CD8+T細胞は、図1に示すドットプロットの右上4分の1区中に示される。抗−CD40抗体およびIRMの組み合わせによる刺激後の卵白アルブミン−特異的CD8+T細胞集団の増殖は、抗−CD40抗体またはIRMいずれか単独での刺激後の卵白アルブミン−特異的CD8+T細胞集団の増殖を超えた。
【0098】
実施例2
マウスに、ミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル(Sigma Chemical Co.(St.Louis、MO))からの卵白アルブミン5mg、50μgのFGK4.5抗−CD40抗体、および220μgのIRM1を腹腔内注射した。マウスをそれぞれ4、5、6、9、および12日目に屠殺した。屠殺マウスから脾臓を切除して均質化した。実施例1で述べるようにして、均質化した細胞懸濁液を染色し分析した。フローサイトメトリーにかけると、卵白アルブミン−特異的CD8+T細胞(上)および卵白アルブミン−特異的CD8+/CD44+T細胞(下)が同定され、各ドットブロットの右上4分の1区中に示される。右上4分の1区中の数値は、その4分の1区中の細胞の百分率を示す。これらのデータは、実施例1で観察されたCD8+T細胞増殖における相乗効果が、(a)異なるCD40作動薬、および(b)抗原としてのフルサイズの卵白アルブミンタンパク質によっても観察されたことを示す。
【0099】
実施例3
マウスを100μgのFGK4.5抗−CD40抗体+200μgのIRM1と、(A)ペプチドなし、(B)100μgの卵白アルブミンペプチド、または(C)100μgのTRP2−ΔVペプチドのいずれかとで静脈内免疫した。免疫化の5日後、マウスから脾臓を切除して均質化した。TRP2−ΔV−特異的T細胞を検出するためにMHC四量体試薬を調製したこと以外は、実施例1のようにして均質化した細胞懸濁液を染色した。フローサイトメトリーにかけると、TRP2−ΔV−特異的CD8+T細胞は、図3に示すドットブロットの右上4分の1区中に示される。右上4分の1区中の数値は、その4分の1区中の細胞の百分率を示す。データは、抗−CD40抗体およびIRMとさらに別の抗原との組み合わせによる刺激後の抗原−特異的CD8+T細胞の相乗的増殖を示す。
【0100】
実施例4
0日目に、マウスを100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1+100μgの1C10抗−CD40抗体で静脈内免疫した。28日目に、マウスを(A)未チャレンジ、(B)100μgの卵白アルブミンペプチドで静脈内チャレンジ、または(C)100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1で静脈内チャレンジした。33日目にマウスを屠殺して、脾臓を切除して脾臓細胞を均質化した。実施例1で述べるようにして、均質化した細胞を染色し分析した。データを図4に示す。抗原、CD40作動薬、およびTLR作動薬(実施例1に示す)による免疫化の結果として起きたCD8+T細胞の相乗的増殖は、(C)に示すIRMおよび抗原での処置により再活性化できる長命のCD8+メモリT細胞のプールを産生した。
【0101】
実施例5
表2に示すように、マウスを静脈内免疫した。5日目にマウスを屠殺して脾臓を採取し、実施例1のようにして細胞を均質化して染色し分析した。データを図5に示す。右上4分の1区中の数値は、その4分の1区における細胞の百分率を示す。
【0102】
【表2】
【0103】
実施例6
0日目に、マウスをPBS中の1×105メラノーマB16卵巣腫瘍細胞で皮内チャレンジした(ケドル(Kedl)らPNAS 98(19):10811〜10816)。7日目に、マウスを(A)100μgの卵白アルブミンペプチド、(B)100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1、または(C)100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1+100μgの1C10抗−CD40抗体のいずれかによって免疫した。21日目にマウスを屠殺して、ノギスによって腫瘍を二次元で測定した。データを図6に示す。抗原、IRM、およびCD40作動薬による免疫化は、IRM単独での免疫化よりも緩慢な腫瘍生育をもたらした。
【0104】
マウスはまた、IRM1をIRM2をで置換したこと以外は上述のようにしてチャレンジし、上述のようにして免疫した。IRM1の代わりにIRM2を使用して観察された結果は、IRM1を使用して観察された結果と同様であった。
【0105】
実施例7
実施例6のようにして、マウスを0日目に腫瘍でチャレンジした。5匹のマウスをそれぞれ7日目に、(A)1×106細胞同等物(CE)の腫瘍溶解産物、(B)1×106CE腫瘍溶解産物+200μgのIRM1、(C)1×106CE腫瘍溶解産物+100μgのFGK4.5抗−CD40抗体、または(D)1×106CE腫瘍溶解産物+200μgのIRM1+100μgのFGK4.5抗−CD40抗体で免疫した。14および20日目に、マウスにおいてノギスで腫瘍サイズを測定した。データを図7に示す。IRMおよび抗−CD40作動薬の組み合わせによる免疫化は、IRM単独またはCD40作動薬単独による免疫化よりも緩慢な腫瘍生育をもたらす。
【0106】
実施例8
0日目に、マウスに500μgの卵白アルブミン、50μgのCD40作動薬(FGK4.5)と、500μgのIRM3、200μgのIRM4、800μgのIRM5、800μgのIRM2、またはIRMなし(対照)のいずれかとを腹腔内注射した。6日目にマウスを屠殺して、脾臓細胞を採取して実施例2で述べるようにして分析した。図8は、マウス(各群でn=3)の各群で観察されたCD8+T細胞の平均百分率を示す。CD40作動薬を異なるIRM化合物との組み合わせで使用して、CD8+T細胞の相乗的増殖が実証される。
【0107】
実施例9
0日目に、マウスを1mgの卵白アルブミン、200μgのIRM1と、200μgのCD40リガンド(FGK4.5)、200μgの4−1BBリガンド(カリフォルニア州サンディエゴのイーバイオサイエンスからの抗−マウス4−1BB抗体、クローン17B3(eBioscience、(San Diego、CA))、またはTNF/R作動薬なし(対照)のいずれかとによって免疫した。6日目に、マウスを屠殺して脾臓細胞を採取し、実施例2で述べるようにして分析した。結果を図9に示す。IRM1を異なるTNF/R作動薬との組み合わせで使用して、CD8+T細胞の相乗的増殖が実証される。
【0108】
実施例10
0日目に、一組の野生型マウス(ニューヨーク州ジャーマンタウンのタコニック(Taconic(Germantown、NY))からのB6/129 F1)および一組のIFNαβ受容体ノックアウトマウス(コロラド州デンバーのナショナル・ジュウイッシュ・メディカル・アンド・リサーチセンター(National Jewish Medical and Research Center(Denver、CO))に、100μgのSIINFEKLペプチド、50μgのFGK45(CD40作動薬)と、(a)なし(CD40のみ)、(b)100μgのIRM1(+TLR7)、(c)50μgのポリIC(+TLR3)、100μgのCpG(+TLR9)、30μgのLPS(+TLR4)、または25μgのMALP−2(+TLR2)のいずれかとを腹腔内に注射した。6日目にマウスを屠殺し脾臓細胞を採取して、実施例2で述べるようにして分析した。
【0109】
図10は、組み合わせ免疫賦活薬によるマウスの免疫化後に、野生型およびIFNノックアウトマウスにおいて産生する四量体+T細胞の百分率、ひいては様々なTLRの作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬によって誘導した際の相乗的免疫応答のIFN依存性を示す。
【0110】
実施例11
一組の野生型マウス(ニューヨーク州ジャーマンタウンのタコニック(Taconic(Germantown、NY))からのB6/129F1)および一組のIFNαβ受容体ノックアウトマウス(コロラド州デンバーのナショナル・ジュウイッシュ・メディカル・アンド・リサーチセンター(National Jewish Medical and Research Center(Denver、CO))に、0日目に50μgのFGK45(CD40作動薬)を腹腔内注射した。4時間後、マウスに100μgのSIINFEKLを単独で、または100μgのIRM1(TLR7作動薬)、25μgのMALP−2、カリフォルニア州サンディエゴのアレクシス・バイオケミカルズ(Alexis Biochemicals、Corp.(San Diego、CA))からの50μgのPam3cys、100μgのPam3cys、または250μgのPam3cysのいずれかを静脈注射した。6日目にマウスを屠殺し脾臓細胞を採取して、実施例2で述べるようにして分析した。結果を図11に示す。TLR2/6作動薬であるMALP−2を含む組み合わせ免疫賦活薬によって観察されたインターフェロン−非依存性相乗的免疫応答は、TLR2作動薬であるPam3cysを含む組み合わせ免疫賦活薬を使用しても観察された。
【0111】
本発明の範囲と精神を逸脱することなく、本発明の様々な修正と変更が可能であることは業者には明らかである。例証的な実施態様および実施例は実施例としてのみ提供され、本発明の範囲を制限することを意図しない。本発明の範囲は以下で述べる特許請求の範囲によってのみ制限されるものとする。
【背景技術】
【0001】
近年、顕著な成功をもって、免疫系の特定の重要な側面を刺激する、ならびに特定のその他の面を抑制することで作用する新しい薬剤化合物を見いだすための多大な努力が払われている(例えば米国特許第6,039,969号明細書および同第6,200,592号明細書参照)。ここで免疫応答調節物質(IRM)と称するこれらの化合物は、Toll様受容体(TLR)として知られる基本的免疫系機序を通じて作用し、選択されたサイトカイン生合成を誘導するようである。それらは多種多様な疾患および病状を処置するのに有用かもしれない。例えば特定のIRMは、ウィルス疾患(例えばヒト乳頭腫ウィルス、肝炎、ヘルペス)、新生物形成(例えば基底細胞癌、扁平細胞癌、光線性角化症、メラノーマ)、およびTH2−媒介疾患(例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症)を処置するのに有用であっても良く、またワクチンアジュバントとしても有用である。
【0002】
IRM化合物の多くは、小型有機分子イミダゾキノリンアミン誘導体(例えば米国特許第4,689,338号明細書参照)であるが、その他のいくつかの化合物クラスも知られ(例えば米国特許第5,446,153号明細書、同第6,194,425号明細書、および同第6,110,929号明細書参照)、さらにより多くがなおも見いだされている。その他のIRMは、CpGをはじめとするオリゴヌクレオチドなどのようにより高い分子量を有する(例えば米国特許第6,194,388号明細書参照)。
【0003】
IRMの卓越した治療的な潜在能力を鑑みて、そして既に行われた重要な研究にもかかわらず、それらの使用と治療的な利点を拡大するかなりの継続的必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本発明は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を、それぞれ他方との組み合わせで、被験者の抗原に対する免疫応答を増大させるのに効果的な量で含む、組み合わせ免疫賦活薬を提供する。いくつかの実施態様では、組み合わせ免疫賦活薬は、抗原を組み合わせの他方の成分との組み合わせで、被験者の抗原に対する免疫応答を誘導するのに効果的な量で、さらに含むことができる。
【0005】
別の態様では、本発明は、被験者においてTH1免疫応答を誘導する方法を提供する。方法は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬をそれぞれ他方と組み合わせた際に、TH1免疫応答を誘導するのに効果的な量で、被験者に同時投与するステップを含む。いくつかの実施態様では、方法は、抗原を被験者に抗原に対する免疫応答を生じさせるのに効果的な量で、同時投与するステップをさらに含む。
【0006】
別の態様では、本発明は、被験者において抗原−特異的CD8+T細胞を活性化する方法を提供する。方法は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬をそれぞれ他方との組み合わせで、CD8+T細胞を活性化するのに効果的な量で、被験者に同時投与するステップを含む。いくつかの実施態様では、方法は、抗原を被験者に抗原に対する免疫応答を生じさせるのに効果的な量で、同時投与するステップをさらに含む。いくつかの実施態様では、CD8+T細胞の活性化はCD8+エフェクターT細胞の増殖を含むことができる。代案の実施態様では、CD8+T細胞の活性化はCD8+メモリT細胞の産生を含むことができる。
【0007】
別の態様では、本発明は、抗原にあらかじめ曝露された被験者において抗原−特異的メモリCD8+T細胞を活性化する方法を提供する。方法は、抗原を抗原−特異的CD8+メモリT細胞を活性化させるのに効果的な量で被験者に投与することで、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞を生じさせるステップを含む。いくつかの実施態様では、方法は、TLR作動薬を抗原−特異的CD8+メモリT細胞を活性化させるのに効果的な量で同時投与することで、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞を生じさせるステップをさらに含む。
【0008】
別の態様では、本発明は、被験者において病状を処置する方法を提供する。方法は、他方と組み合わせたときに細胞媒介免疫応答を刺激するのに効果的な量でそれぞれ投与される、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を被験者に同時投与することを含む。いくつかの実施態様では、方法は、病状に関連する抗原を細胞媒介免疫応答を誘導するのに効果的な量で同時投与することをさらに含む。
【0009】
本発明の様々なその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲、および添付の図面を参照して、容易に明らかになるであろう。明細書全体を通じて数カ所で、実施例の一覧を通じてガイダンスを提供する。各事例において列挙した一覧は、代表的なグループとしてのみ機能し、排他的一覧と見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図2】実施例2の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図3】実施例3の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図4】実施例4の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図5】実施例5の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図6】実施例6の結果を示す棒グラフである。
【図7】実施例7の結果を示す、折れ線グラフである。
【図8】実施例8の結果を示す棒グラフである。
【図9】実施例9の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図10A】実施例10の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【図10B】実施例10の結果を示す棒グラフである。
【図11】実施例11の結果を示すフローサイトメトリーデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、組み合わせ免疫賦活薬、および被験者に組み合わせ免疫賦活薬を投与するステップを含む治療的なおよび/または予防的な方法を提供する。
【0012】
一般に、組み合わせ免疫賦活薬は、その他の組み合わせ免疫賦活薬および/または組成物に比べて、増大する免疫応答を提供できる。したがって本発明の方法および組み合わせ免疫賦活薬は、より少ない成分の組み合わせを使用しながら、特定の免疫学的処置の有効性を改善でき、および/または効果的な処置を提供できる。これは、特定の成分が所望の免疫学的応答を生じるのに有用でありながら、高価だったり、入手が困難だったり、または望ましくない副作用を生じたりする場合に望ましいかもしれない。
【0013】
ここでの用法では、以下の用語は、下記に定義された意味を有するものとする。
【0014】
「作動薬」とは、受容体との組み合わせで細胞応答を生じることができる化合物を指す。作動薬は、受容体に直接結合するリガンドであっても良い。代案としては、例えば(a)受容体に直接結合する別の分子との複合体を形成することで、あるいは(b)違うやり方で別の化合物が受容体に直接結合するように、別の化合物の修飾をもたらすことによって、作動薬を間接的に受容体と組み合わせても良い。作動薬は、特定の受容体または受容体ファミリーの作動薬(例えばTLR作動薬またはTNF/R作動薬)と称されても良い。
【0015】
「抗原」とは、免疫応答の標的であることができるあらゆる物質を指す。抗原は、例えば被験生物体によって生じる細胞媒介および/または体液性免疫応答の標的であっても良い。代案としては、抗原は、免疫細胞に接触した際に、細胞免疫応答(例えば免疫細胞成熟、サイトカイン産生、抗体産生など)の標的であっても良い。
【0016】
「同時投与される」とは、組み合わせ薬の治療的なまたは予防的な効果が、単独で投与されるいずれかの成分の治療的なまたは予防的な効果を超えることができるように、組み合わせて投与される2つ以上の成分を指す。2つの成分は、同一時にまたは逐次に同時投与しても良い。同一時に同時投与される成分は、1つ以上の医薬品組成物中で提供しても良い。2つ以上の成分の逐次同時投与は、各成分を同一時に処置部位で呈示することができるように成分が投与される場合を含む。代案としては、2つの成分の逐次同時投与は、少なくとも1つの成分が処置部位からなくなっているが、成分投与の少なくとも1つの細胞効果(例えばサイトカイン産生、特定の細胞集団活性化など)が、1つ以上の追加的成分が処置部位に投与されるまで、処置部位において持続する場合を含むことができる。したがって同時投与される組み合わせは、特定の状況では、互いの化学物質混合物中には存在しない成分を含むことができる。
【0017】
「組み合わせ免疫賦活薬」とは、同時投与されて、治療的なおよび/または予防的な免疫賦活性効果を提供することができるあらゆる成分の組み合わせを指す。組み合わせ免疫賦活薬の成分は、TLR作動薬、TNF/R作動薬、抗原、アジュバントなど含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0018】
「混合物」とは、2つ以上の成分を含有するあらゆる混合物、水性または非水性溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル、クリームなどを指す。成分は、例えば一緒に組み合わせ免疫賦活薬を提供する、2つの免疫賦活性成分であっても良い。免疫賦活性成分は、1つ以上の抗原、1つ以上のアジュバント、または両者のあらゆる組み合わせであっても良い。例えば混合物は、混合物がアジュバントの組み合わせを形成するように、2つのアジュバントを含んでも良い。代案としては、混合物は、混合物がワクチンを形成するように、アジュバントの組み合わせおよび抗原を含んでも良い。
【0019】
「相乗作用」およびそのバリエーションは、個別に投与される化合物の相加的活性を超える、化合物の組み合わせ投与の活性(例えば免疫賦活性)を指す。
【0020】
「TLR」とは、一般にあらゆる種の生物体のあらゆるToll様受容体を指す。特定のTLRは、由来種(例えばヒト、マウスなど)、特定の受容体(例えばTLR6、TLR7、TLR8など)、またはその両者を追加的に参照して同定されても良い。
【0021】
「TLR作動薬」とは、TLRの作動薬として作用する化合物を指す。特に断りのない限り、TLR作動薬化合物への言及は、あらゆる異性体(例えばジアステレオマーまたは鏡像異性体)、塩、溶媒和化合物、多形体などをはじめとする、あらゆる薬学上許容可能な形態の化合物を含むことができる。特に化合物が光学活性である場合、化合物への言及は、各化合物の鏡像異性体ならびに鏡像異性体のラセミ混合物を含むことができる。また化合物は、1つ以上の特定のTLRの作動薬(例えばTLR7作動薬、TLR8作動薬、またはTLR7/8作動薬)として同定されても良い。
【0022】
「TNF/R」とは、一般に腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーまたは腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーのいずれかのあらゆるメンバーを指す。TNFスーパーファミリーとしては、例えばCD40リガンド、OX40リガンド、4−1BBリガンド、CD27、CD30リガンド(CD153)、TNF−α、TNF−β、RANKリガンド、LT−α、LT−β、GITRリガンド、およびLIGHTが挙げられる。TNFRスーパーファミリーとしては、例えばCD40、OX40、4−1BB、CD70(CD27リガンド)、CD30、TNFR2、RANK、LT−βR、HVEM、GITR、TROY、およびRELTが挙げられる。「TNF/R作動薬」とは、TNFスーパーファミリーまたはTNFRスーパーファミリーいずれかのメンバーの作動薬として作用する化合物を指す。特に断りのない限り、TNF/R作動薬化合物への言及は、あらゆる異性体(例えばジアステレオマーまたは鏡像異性体)、塩、溶媒和化合物、多形体などをはじめとする、あらゆる薬学上許容可能な形態の化合物を含むことができる。特に化合物が光学活性である場合、化合物への言及は、化合物の各鏡像異性体ならびに鏡像異性体のラセミ混合物を含むことができる。また化合物は、いずれかのスーパーファミリーの特定のメンバーの作動薬(例えばCD40作動薬)として同定されても良い。
【0023】
「処置部位」とは、特定の処置部位を指す。特定の処置次第で、処置部位は、生物体全体(例えば全身性処置)または生物体のあらゆる部分(例えば局在性処置)であっても良い。
【0024】
「タイプIインターフェロン」とは、IFN−α、IFN−β、またはそれらのあらゆる混合物または組み合わせの総称である。
【0025】
「ワクチン」とは、抗原をはじめとする医薬品組成物を指す。ワクチンは、例えば1つ以上のアジュバント、キャリアなどの抗原に加えて、成分を含んでも良い。
【0026】
一態様では、本発明は、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬を提供する。各成分は、特定の免疫賦活性をそれ自体で有しても良い。多くの場合、成分の組み合わせは、いずれかの成分が単独で提供できるよりも大きな免疫賦活性を提供できる。特定の場合、成分の組み合わせは、相乗的な免疫賦活性を提供できる。
【0027】
特定の実施態様では、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を使用して、組み合わせ免疫賦活薬が投与された被験者においてTH1免疫応答を誘導しても良い。ここでの用法では、「TH1免疫応答を誘導する」とは、組み合わせ免疫賦活薬が混合性のTH1/TH2応答を誘導する場合を含むことができる。しかし特定の実施態様では、組み合わせ免疫賦活薬は、TH2免疫応答の誘導がごくわずかまたは皆無でTH1免疫応答を誘導できる。
【0028】
いくつかの実施態様では、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を免疫賦活性アジュバントとして、すなわち追加的アジュバントありまたはなしで、1つ以上の抗原と組み合わせて使用しても良い。したがって場合によっては、組み合わせ免疫賦活薬はワクチンを形成しても良い。その他の場合では、組み合わせ免疫賦活薬は、ワクチンと関連して使用されても良いアジュバントとして機能しても良い。
【0029】
以下の実施例に示すように、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬は、活性化CD8+T細胞の増殖、メモリCD8+T細胞の産生、または双方を亢進できる。したがって本発明の方法および組み合わせ免疫賦活薬は、組み合わせ免疫賦活薬、または下で詳細に述べる方法に従った処置を受容した被験者において、抗原−特異的細胞媒介免疫を亢進できる。
【0030】
TLR作動薬は、特定用途に望ましいあらゆるTLR作動薬であっても良い。TLRは、例えばヒト、モルモット、およびマウスはじめとする様々な哺乳類種で同定されている。TLR作動薬は、あらゆる種からのあらゆるTLR作動薬(例えばTLR6、TLR7、TLR8など)であっても良い。いくつかの実施態様では、TLR作動薬はヒトTLRの作動薬である。多くの場合、TLRは、組み合わせ免疫賦活薬が投与される生物体からのTLRであるが、このような関連性は必ずしも必要でない。
【0031】
特定のTLRは、特定の病原体−関連リガンドに結合することが知られる。場合によっては、リガンドは病原体−由来であり、別の場合では、リガンドは被験者−由来である。例えばTLR3は二重鎖ウィルスRNAの「擬態」であるポリイノシンポリシチジル酸(polyIC)を認識し、TLR4は多くのグラム陰性細菌のリポ多糖類(LPS)を認識し、TLR5は特定のフラジェリンに結合し、TLR9は特定のCpGオリゴヌクレオチドに結合する。特定の小型分子IRM化合物は、例えばTLR6、TLR7、およびTLR8をはじめとする1つ以上のTLRの作動薬であることが知られている。
【0032】
いくつかの実施態様では、TLR作動薬は、TLR6、TLR7、TLR8、およびTLR9の少なくとも1つの作動薬であっても良い。特定の実施態様では、TLR作動薬は、TLR7および/またはTLR8の作動薬であることができる。代案の実施態様では、TLR作動薬はTLR8−選択的作動薬であっても良い。その他の代案の実施態様では、TLR作動薬はTLR7−選択的作動薬であることができる。
【0033】
ここでの用法では、「TLR8−選択的作動薬」という用語は、TLR8の作動薬として作用するが、TLR7の作動薬として作用しないあらゆる化合物を指す。「TLR7−選択的作動薬」とは、TLR7の作動薬として作用するが、TLR8の作動薬として作用しないあらゆる化合物を指す。「TLR7/8作動薬」とは、TLR7およびTLR8両者の作動薬として作用する化合物を指す。
【0034】
TLR8−選択的作動薬またはTLR7−選択的作動薬は、示されたTLRおよびTLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR9、またはTLR10の1つ以上の作動薬として作用しても良い。したがって「TLR8−選択的作動薬」はTLR8の作動薬として作用するが、その他のTLRの作動薬として作用しない化合物を指しても良い一方で、代案としては、それは、TLR8および例えばTLR6作動薬として作用する化合物を指しても良い。同様に、「TLR7−選択的作動薬」とは、TLR7の作動薬として作用するが、その他のTLRの作動薬として作用しない化合物を指しても良い一方で、代案としては、それは、TLR7および例えばTLR6作動薬として作用する化合物を指しても良い。
【0035】
特定の化合物に対するTLR作動性は、あらゆる適切なやり方で評価しても良い。例えば試験化合物のTLR作動性を検出するためのアッセイについては、例えば2002年12月11日に出願された米国仮特許出願番号60/432,650号明細書で述べられ、このようなアッセイで使用するのに適した組み換え細胞系については、例えば2002年12月11日に出願された米国仮特許出願番号60/432,651号明細書で述べられている。
【0036】
特定のアッセイを用いるかどうかにかかわらず、化合物のアッセイを実施した結果、特定のTLRによって媒介される生物学的活性の少なくとも閾値増大があれば、化合物を特定のTLRの作動薬として同定することができる。反対に、化合物を使用して、特定のTLRによって媒介される生物学的活性を検出するようにデザインされたアッセイを実施した際に、化合物が生物学的活性の閾値増大を誘発できなかった場合、特定のTLRの作動薬として作用していないと同定しても良い。特に断りのない限り、生物学的活性増大とは、適切な対照で観察されたものに対する同一生物学的活性の増大を指す。アッセイは、適切な対照と組み合わせて実施されても実施されなくても良い。経験から当業者は、特定のアッセイに十分精通するようになるかもしれないので(例えば特定のアッセイ条件下で適切な対照において観察される値の範囲)、特定のアッセイにおいて化合物のTLR作動性を判定するのに、対照の実施は必ずしも必要でないかもしれない。
【0037】
特定のアッセイにおいて特定の化合物が特定のTLRの作動薬であるかどうかを判定するための、TLR−媒介生物学的活性の正確な閾値増大は、アッセイ終点として観察された生物学的活性、アッセイ終点を測定または検出するために使用した方法、アッセイの信号対雑音比、アッセイ精度、そして複数TLRに対する化合物の作動性を判定するのに同一アッセイを使用したかどうかをはじめとするが、これに限定されるものではない、技術分野で知られる因子に従って変動しても良い。したがって一般に、あらゆる可能なアッセイについて、化合物を特定のTLRの作動薬または非作動薬であると同定するのに必要なTLR−媒介生物学的活性の閾値増大について述べるのは実際的でない。しかし当業者は、このような因子を然るべく考察することで、適切な閾値を容易に判定できる。
【0038】
発現可能なTLR構造遺伝子を形質移入されたHEK293細胞を用いるアッセイは、化合物を細胞に形質移入されたTLRの作動薬として同定するために、化合物が例えば約1μM〜約10μMの濃度で提供された際に、例えばTLR−媒介生物学的活性(例えばNFκB活性化)における少なくとも3倍の増大の閾値を使用しても良い。しかし特定の状況では、異なる閾値および/または異なる濃度範囲が適切かもしれない。また異なるアッセイについては異なる閾値が適切かもしれない。
【0039】
特定の実施態様では、TLR作動薬は、TLRの天然作動薬または合成IRM化合物であることができる。IRM化合物は、抗ウィルスおよび抗腫瘍活性をはじめとするが、これに限定されるものではない、強力な免疫調節活性を有する化合物を含む。特定のIRMは、サイトカインの産生および分泌を調節する。例えば特定のIRM化合物は、例えばタイプIインターフェロン、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、MIP−1、および/またはMCP−1などのサイトカインの産生および分泌を誘導する。別の実施例としては、特定のIRM化合物は、IL−4およびIL−5などの特定のTH2サイトカインの産生および分泌を阻害できる。さらに、いくつかのIRM化合物は、IL−1およびTNFを抑制すると言われている(米国特許第6,518,265号明細書)。
【0040】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬においてTLR作動薬として有用な特定のIRMは、タンパク質、ペプチドなどの大型生体分子とは対照的な小型有機分子(例えば分子量約1000ダルトン未満、場合によっては約500ダルトン未満)である。特定の小型分子IRM化合物は、例えば米国特許第4,689,338号明細書、同第4,929,624号明細書、同第4,988,815号明細書、同第5,037,986号明細書、同第5,175,296号明細書、同第5,238,944号明細書、同第5,266,575号明細書、同第5,268,376号明細書、同第5,346,905号明細書、同第5,352,784号明細書、同第5,367,076号明細書、同第5,389,640号明細書、同第5,395,937号明細書、同第5,446,153号明細書、同第5,482,936号明細書、同第5,693,811号明細書、同第5,741,908号明細書、同第5,756,747号明細書、同第5,939,090号明細書、同第6,039,969号明細書、同第6,083,505号明細書、同第6,110,929号明細書、同第6,194,425号明細書、同第6,245,776号明細書、同第6,331,539号明細書、同第6,376,669号明細書、同第6,451,810号明細書、同第6,525,064号明細書、同第6,545,016号明細書、同第6,545,017号明細書、同第6,558,951号明細書、および同第6,573,273号明細書、欧州特許第0 394026号明細書、米国特許公報第2002/0055517号明細書、および国際公開第01/74343号パンフレット、同02/46188号パンフレット、同02/46189号パンフレット、同02/46190号パンフレット、同02/46191号パンフレット、同02/46192号パンフレット、同02/46193号パンフレット、同02/46749号パンフレット、同02/102377号パンフレット、同03/020889号パンフレット、同03/043572号パンフレットおよび同03/045391号パンフレットで開示される。
【0041】
小型分子IRMの追加的な例としては、特定のプリン誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、および同第6,028,076号明細書で述べられるものなど)、特定のイミダゾキノリンアミド誘導体(米国特許第6,069,149号明細書で述べられるものなど)、特定のベンゾイミダゾール誘導体(米国特許第6,387,938号明細書で述べられるものなど)、および五員環窒素含有ヘテロ環に縮合した4−アミノピリミジンの特定の誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、同第6,028,076号明細書および同第6,329,381号明細書、および国際公開第02/085905号パンフレットで述べられるアデニン誘導体など)が挙げられる。
【0042】
その他のIRMとしては、オリゴヌクレオチド配列などの大型生体分子が挙げられる、いくつかのIRMオリゴヌクレオチド配列は、シトシン−グアニンジヌクレオチド(CpG)を含有し、例えば米国特許第6,194,388号明細書、同第6,同207,646号明細書、同第6,239,116号明細書、同第6,339,068号明細書、および同第6,406,705号明細書で述べられる。いくつかのCpG−含有オリゴヌクレオチドは、例えば米国特許第6,426,334号明細書、および同第6,476,000号明細書で述べられたものなどの合成免疫調節構造モチーフを含むことができる。CpGが欠如したその他のIRMヌクレオチド配列については、例えば国際公開第00/75304号パンフレットで述べられている。
【0043】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬でTLR作動薬として使用するのに適した小型分子IRM化合物としては、五員環窒素含有ヘテロ環に縮合した2−アミノピリジンを有する化合物が挙げられる。例えばこのような化合物としては、例えばアミノアルキル−置換イミダゾキノリンアミン、アミド−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル−置換イミダゾキノリンアミンなどの置換イミダゾキノリンアミンをはじめとするが、これに限定されるものではないイミダゾキノリンアミンと、アミド−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素−置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンをはじめとするが、これに限定されるものではないテトラヒドロイミダゾキノリンアミンと、アミド−置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド−置換イミダゾピリジンアミン、尿素−置換イミダゾピリジンアミンをはじめとするが、これに限定されるものではないイミダゾピリジンアミンと、アリールエーテル−置換イミダゾピリジンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル−置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル−置換イミダゾピリジンアミン、尿素−置換イミダゾピリジンエーテル、およびチオエーテル−置換イミダゾピリジンアミンと、1,2−架橋イミダゾキノリンアミンと、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミンと、イミダゾナフチリジンアミンと、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンと、オキサゾロキノリンアミンと;チアゾロキノリンアミンと、オキサゾロピリジンアミンと、チアゾロピリジンアミンと、オキサゾロナフチリジンアミンと、チアゾロナフチリジンアミンとが挙げられる。
【0044】
特定の実施態様では、TLR作動薬は、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンであっても良い。
【0045】
特定の実施態様では、TLR作動薬は、スルホンアミド−置換イミダゾキノリンアミンであることができる。代案の実施態様では、TLR作動薬は尿素−置換イミダゾキノリンエーテルであることができる。別の代案の実施態様では、TLR作動薬はアミノアルキル−置換イミダゾキノリンアミンであることができる。
【0046】
1つの特定の実施態様では、TLR作動薬は4−アミノ−α,α,2−トリメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールである。代案の特定の実施態様では、TLR作動薬はN−(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)−N−メチルモルホリン−4−カルボキサミドである。別の代案の実施態様では、TLR作動薬は1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンである。別の代案の実施態様では、TLR作動薬はN−[4−(4−アミノ−2−エチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミドである。さらに別の代案の実施態様では、TLR作動薬はN−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミドである。
【0047】
特定の代案の実施態様では、TLR作動薬は、置換イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンであっても良い。
【0048】
ここでの用法では、置換イミダゾキノリンアミンとはアミノアルキル−置換イミダゾキノリンアミン、アミド−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンエーテル、またはチオエーテル−置換イミダゾキノリンアミンを指す。ここでの用法では、置換イミダゾキノリンアミンは、特に明示的に1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンおよび4−アミノ−α,α−ジメチル−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールを除外する。
【0049】
TNF/R作動薬は、TNFスーパーファミリーまたはTNFRスーパーファミリーいずれかのあらゆるメンバーのあらゆる適切な作動薬であっても良い。多くの場合、1つのスーパーファミリーのメンバーは、別のスーパーファミリーの相補的メンバーの作動薬であることができる。例えばCD40リガンド(TNFスーパーファミリーのメンバー)は、CD40(TNFRスーパーファミリーのメンバー)の作動薬として作用でき、CD40は、CD40リガンドの作動薬として作用できる。したがって適切なTNF/R作動薬としては、例えばCD40リガンド、OX40リガンド、4−1BBリガンド、CD27、CD30リガンド(CD153)、TNF−α、TNF−β、RANKリガンド、LT−α、LT−β、GITRリガンド、LIGHT、CD40、OX40、4−1BB、CD70(CD27リガンド)、CD30、TNFR2、RANK、LT−βR、HVEM、GITR、TROY、およびRELTが挙げられる。さらに適切なTNF/R作動薬としては、TNF/Rに対して産生される特定の作動薬抗体(例えばそれぞれマウスCD40に対して産生される1C10およびFGK4.5)が挙げられる。
【0050】
TLR作動薬およびTNF/R作動薬は、特定の抗原に対する免疫応答を増大させるのに効果的な量で提供される(または免疫賦活性の組み合わせ形態に適するように投与される)。例えばTLR作動薬は、約100ng/kg〜約100mg/kgの量で投与できる。多くの実施態様では、TLR作動薬は約10μg/kg〜約10mg/kgの量で投与される。いくつかの実施態様では、TLR作動薬は約1mg/kg〜約5mg/kgの量で投与される。しかし特定の抗原の免疫応答を増大させるのに効果的な量とみなされるTLR作動薬の特定の量は、投与される特定のTLR作動薬と、投与される特定の抗原およびその量と、投与される特定のTNF/R作動薬およびその量と、免疫系の状態(例えば抑制される、損なわれる、刺激される)と、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および抗原投与の方法および順序と、調合物が投与される種と、所望の治療的な結果をはじめとするが、これに限定されるものではない、特定の因子にある程度左右される。したがって一般にTLR作動薬の効果的な量とみなされる量について述べるのは実際的でない。しかし当業者は、このような因子を然るべく考察することで適切な量を容易に判定できる。
【0051】
また例えばTNF/R作動薬を約100ng/kg〜約100mg/kgの量で投与しても良い。特定の実施態様では、TNF/R作動薬が約10μg/kg〜約10mg/kgの量で投与される。いくつかの実施態様では、TNF/R作動薬が、約1mg/kg〜約5mg/kgの量で投与される。しかし特定の抗原に対する免疫応答を増大させるのに効果的な量とみなされるTNF/R作動薬の特定の量は、投与される特定のTNF/R作動薬と、投与される特定のTLR作動薬およびその量と、投与される特定の抗原およびその量と、免疫系の状態と、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および抗原投与の方法および順序と、調合物が投与される種と、所望の治療的な結果をはじめとするが、これに限定されるものではない、特定の因子にある程度左右される。したがって一般にTNF/R作動薬の効果的な量とみなされる量について述べるのは実際的でない。しかし当業者は、このような因子を然るべく考察することで適切な量を容易に判定できる。
【0052】
いくつかの実施態様では、組み合わせ免疫賦活薬が抗原をさらに含んでも良い。組み合わせ免疫賦活薬中に存在する場合、抗原は、組み合わせ薬のその他の成分との組み合わせで、抗原に対する免疫応答を生じるのに効果的な量で投与しても良い。例えば抗原は約100ng/kg〜約100mg/kgの量で投与できる。多くの実施態様では、抗原は約10μg/kg〜約10mg/kgの量で投与されても良い。いくつかの実施態様では、抗原は約1mg/kg〜約5mg/kgの量で投与されても良い。しかし免疫応答を生じるのに効果的な量とみなされる抗原の特定の量は、例えば投与される特定の抗原と、投与される特定のTLR作動薬およびその量と、投与される特定のTNF/R作動薬およびその量と、免疫系の状態と、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および抗原の投与方法および順序と、調合物が投与される種と、所望の治療的な結果などの特定の因子にある程度左右される。したがって一般に抗原の効果的な量とみなされる量について述べるのは実際的でない。しかし当業者は、このような因子を然るべく考察することで適切な量を容易に判定できる。
【0053】
存在する場合、抗原は、組み合わせ免疫賦活薬のいずれかの成分と同時に、または逐次投与されても良い。したがって抗原は単独でまたは(例えばTLR作動薬、TNF/R作動薬、または双方をはじめとする)1つ以上のアジュバントとの混合物中で投与されても良い。いくつかの実施態様では、抗原は1つのアジュバントに関しては同時に(例えば混合物中で)、しかし1つ以上の追加的アジュバントに関しては逐次投与されても良い。
【0054】
抗原および組み合わせ免疫賦活薬のその他の成分の逐次同時投与は、抗原およびその他の成分が同時に投与されなくとも、それぞれが処置部位に同時に存在するように、抗原および組み合わせ免疫賦活薬の少なくとも1つのその他の成分が投与される場合を含むことができる。抗原および組み合わせ免疫賦活薬のその他の成分の逐次同時投与はまた、抗原または組み合わせ免疫賦活薬の少なくとも1つのその他の成分が処置部位からなくなっているが、なくなった抗原またはその他の成分の少なくとも1つの細胞効果(例えばサイトカイン産生、特定の細胞集団活性化など)が、少なくとも組み合わせの1つ以上の追加的成分が処置部位に投与されるまで、処置部位に持続する場合を含むことができる。したがって本発明の組み合わせ免疫賦活薬は、特定の状況では、組み合わせの別の成分との混合物中には存在しない、1つ以上の成分を含むことが可能であるかもしれない。
【0055】
抗原は、例えばCD8+T細胞応答、NKT細胞応答、γ/δT細胞応答、またはTH1抗体応答の1つ以上を含んでも良いTH1免疫応答を生じさせられるあらゆる材料であることができる。適切な抗原としては、ペプチド、ポリペプチド、脂質、糖脂質、多糖類、炭水化物、ポリヌクレオチド、プリオン、生または不活性化細菌、ウィルスまたは真菌、および細菌−、ウィルス−、真菌−、原生動物−、腫瘍−由来、または生物体−由来抗原、毒素または類毒素が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0056】
さらに特定の目下実験的である抗原、特に組み換えタンパク質、糖タンパク質、およびペプチドなどの強い免疫応答を生じない材料を本発明のアジュバントとの組み合わせに関連して使用できることが考察される。例示的な実験的サブユニット抗原としては、アデノウィルス、AIDS、水痘、サイトメガロウィルス、デング、ネコ白血病、家禽ペスト、肝炎A、肝炎B、HSV−1、HSV−2、豚コレラ、インフルエンザA、インフルエンザB、日本脳炎、はしか、パラインフルエンザ、狂犬病、呼吸器合胞体ウイルス、ロタウィルス、疣贅、および黄熱病などのウィルス疾患に関するものが挙げられる。
【0057】
特定の実施態様では、抗原は癌抗原または腫瘍抗原であっても良い。癌抗原および腫瘍抗原という用語は区別なく使用されて、癌細胞によって差別的に発現される抗原を指す。したがって癌抗原は、癌細胞に対する免疫応答を差別的に標的とするために利用できる。したがって癌抗原は、腫瘍−特異的免疫応答を潜在的に刺激できるかもしれない。特定の癌抗原は、正常細胞によって必ずしも発現されないが、コード化される。これらの抗原のいくつかは、正常細胞中で常態ではサイレント(すなわち発現しない)、特定の段階においてのみ分化発現するもの、そして時間的に発現するもの(例えば胚および胎児抗原)として特徴づけられても良い。その他の癌抗原は、例えば発癌遺伝子(例えば活性化されたras発癌遺伝子)、抑制遺伝子(例えば突然変異p53)などの突然変異細胞遺伝子、あるいは内部欠損または染色体転座から得られる融合タンパク質によってコード化できる。さらに別の癌抗原は、RNAおよびDNA腫瘍ウィルスによって運ばれるものなどのウィルス遺伝子によってコード化できる。
【0058】
腫瘍抗原の例としては、MAGE、MART−1/Melan−A、gp100、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ−結合タンパク質(ADAbp)、サイクロフィリンb、結腸直腸関連抗原(CRC)−C017−1A/GA733、癌胎児性抗原(CEA)およびその抗原性エピトープCAP−1およびCAP−2、etv6、aml1、前立腺特異的抗原(PSA)およびその抗原性エピトープPSA−1、PSA−2、およびPSA−3、前立腺−特異的膜抗原(PSMA)、T−細胞受容体/CD3−ζ鎖、腫瘍抗原のMAGE−ファミリー(例えばMAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A5、MAGE−A6、MAGE−A7、MAGE−A8、MAGE−A9、MAGE−A10、MAGE−A11、MAGE−A12、MAGE−Xp2(MAGE−B2)、MAGE−Xp3(MAGE−B3)、MAGE−Xp4(MAGE−B4)、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−C4、MAGE−C5)、腫瘍抗原のGAGE−ファミリー(例えばGAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE−7、GAGE−8、GAGE−9)、BAGE、RAGE、LAGE−1、NAG、GnT−V、MUM−1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、α−胎児タンパク質、E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニン、γ−カテニン、p120ctn、gp100Pmel117、PRAME、NY−ESO−1、cdc27、腺腫様ポリープ症coliタンパク質(APC)、フォドリン、コネクシン37、Ig−イディオタイプ、p15、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ヒト乳頭腫ウィルスタンパク質などのウィルス産生物、腫瘍抗原のSmadファミリー、lmp−1、P1A、EBVでコード化された核抗原(EBNA)−1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX−1、SSX−2(HOM−MEL−40)、SSX−3、SSX−4、SSX−5、SCP−1およびCT−7、およびc−erbB−2が挙げられる。
【0059】
癌または腫瘍、およびこのような腫瘍に関連する特異的腫瘍抗原としては(排他的ではなく)、急性リンパ芽球性白血病(etv6、aml1、サイクロフィリンb)、B細胞リンパ腫(Ig−イディオタイプ)、神経膠腫(E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニン、γ−カテニン、p120ctn)、膀胱癌(p21ras)、胆道癌(p21ras)、乳癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、子宮頚癌(p53、p21ras)、大腸癌(p21ras、HER2/neu、c−erbB−2、MUCファミリー)、結腸直腸癌(結腸直腸の関連抗原(CRC)−C017−1A/GA733、APC)、絨毛癌(CEA)、上皮細胞癌(サイクロフィリンb)、胃癌(HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、肝細胞癌(α−胎児タンパク質)、ホジキンリンパ腫(lmp−1、EBNA−1)、肺癌(CEA、MAGE−3、NY−ESO−1)、リンパ球−由来白血病(サイクロフィリンb)、メラノーマ(p15タンパク質、gp75、癌胎児性抗原、GM2およびGD2ガングリオシド、Melan−A/MART−1、cdc27、MAGE−3、p21ras、gp100Pmel117)、骨髄腫(MUCファミリー、p21ras)、非小型細胞肺癌(HER2/neu、c−erbB−2)、鼻咽頭癌(lmp−1、EBNA−1)、卵巣癌(MUCファミリー、HER2/neu、c−erbB−2)、前立腺癌(前立腺特異的抗原(PSA)およびその抗原性エピトープPSA−1、PSA−2、およびPSA−3、PSMA、HER2/neu、c−erbB−2、ga733糖タンパク質)、腎臓癌(HER2/neu、c−erbB−2)、頸部および食道の扁平細胞癌(ヒト乳頭腫ウィルスタンパク質などのウィルス産生物)、精巣癌(NY−ESO−1)、およびT細胞白血病(HTLV−1エピトープ)が挙げられる。
【0060】
抗原を含む本発明の組み合わせ免疫賦活薬は、ワクチンを形成しても良い。このようなワクチンは、当業者に周知の追加的な薬学上許容可能な成分、賦形剤、キャリアなどを含有できる。
【0061】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬は、当業者に周知の従来の方法(例えば経口、皮下、経鼻、局所)に従って、例えば哺乳類(ヒトおよびヒト以外)、家禽などの動物に投与できる。
【0062】
本発明はまた、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を被験者に投与するステップを含む、治療的なおよび/または予防的な方法を提供する。
【0063】
特定の投与順序が提供されていなければ、組み合わせ免疫賦活薬の成分は、(例えば経口または別々の注射によって、共に混合物中でまたは別々に)抗原と同時に投与しても良く、あるいは組み合わせ免疫賦活薬の1つ以上のその他の成分を投与するのに続いて投与しても良い。例えばTLR作動薬およびTNF/R作動薬は、互いに同時に、あるいは互いに逐次投与しても良い。また組み合わせ免疫賦活薬の成分として抗原が存在する場合、それは組み合わせのあらゆるその他の成分に関して同時に、あるいは逐次投与されても良い。
【0064】
組み合わせ免疫賦活薬の成分は、あらゆる順序で同時にまたは逐次投与することができる。成分を同時に投与する場合、それらは単一調合物または異なる調合物中で投与できる。異なる調合物として投与する場合、同時または逐次であるかどうかに関わりなく、成分を単一部位、または別々の部位に投与しても良い。また異なる調合物として投与する場合、異なる経路を使用して各調合物を投与しても良い。適切な投与経路としては、経皮または経粘膜吸収、注射(例えば皮下、腹腔内、筋肉内、静脈内など)、摂取、吸入などが挙げられるがこれに限定されるものではない。逐次投与する場合、成分投与間の時間は、例えば特定の成分が、全身性にまたは投与部位において持続する時間の長さ、あるいは成分の細胞効果が、成分がなくなった後でさえも全身性にまたは投与部位において持続する時間の長さなどの特定の因子によって、少なくともある程度は決定できる。
【0065】
特定の小型分子IRM化合物は、抗ウィルスサイトカインの生合成を誘導できる。したがって組み合わせ免疫賦活薬のTLR作動薬成分として、生ウィルス抗原および小型分子IRM化合物を含む特定の実施態様では、ウィルス感染が確立できるように、IRM化合物を投与するのに先だって抗原を投与することが望ましいかもしれない。
【0066】
一態様では、本発明の方法は、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を含むワクチンを投与して、被験者においてTH1免疫応答を誘導するステップを含むことができる。上述のように特定の小型分子IRMは、単独でワクチンアジュバントとして有用かもしれない。TLR作動薬(例えば小型分子IRM)およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬は、抗原単独、TLR作動薬と組み合わせられた抗原、またはTNF/R作動薬と組み合わせられた抗原のいずれよりもさらに大きい免疫応答を提供できる。場合によっては、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬は、TLR作動薬またはTNF/R作動薬のどちらと比べても免疫応答を相乗的に増大できる。
【0067】
本発明の方法はまた、細胞が生体内(in vivo)または生体外(ex vivo)にあるかどうかにかかわらず、免疫系細胞から免疫応答を誘導するステップを含む。したがって本発明の組み合わせ免疫賦活薬は、治療的なワクチンの成分、予防的なワクチンの成分として、または生体外(ex vivo)細胞培養で使用される免疫賦活性因子として有用であるかもしれない。生体外(ex vivo)免疫応答を誘発するのに使用する場合、生体外(ex vivo)で活性化された免疫細胞を患者に再導入しても良い。代案としては、細胞培養中で活性化される免疫細胞によって分泌される因子(例えば抗体、サイトカイン、同時刺激性因子など)を研究的、予防的、または治療的使用のために収集しても良い。
【0068】
本発明の方法はまた、生体内(in vivo)で抗原−特異的な様式で、未処置CD8+T細胞を活性化するステップを含む。抗原および組み合わせ免疫賦活薬の同時投与への応答として産生される活性化された抗原−特異的CD8+T細胞の集団は、抗原が明白に組み合わせ免疫賦活薬の成分であるかどうかに関わらず、2つの機能的に異なる下位集団に分割されても良い。抗原−特異的CD8+T細胞の1つの集団は、細胞媒介免疫応答の提供に活発に関わるCD8+T細胞であるエフェクターT細胞を含む。抗原−特異的CD8+T細胞の第2の集団は、それら自体は免疫応答の提供に関与しないが、同一抗原への後からの接触に際して、容易に誘導されて抗原−特異的エフェクター細胞になるCD8+T細胞であるメモリT細胞を含む。以下の方法に従ったCD8+T細胞の活性化は、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞の増殖、抗原−特異的CD8+メモリT細胞の産生、または双方を誘導しても良い。
【0069】
抗原を含む組み合わせ免疫賦活薬を被験者に投与しても良い。被験者中での十分なインキュベーション後、CD8+T細胞は免疫化に答えて抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞に成熟する。TLR作動薬およびTNF/R作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬によって免疫された被験者では、抗原のみ、抗原およびTNF/R作動薬、または抗原およびTLR作動薬によって免疫された被験者に比べて、より大きな割合のCD8+エフェクターT細胞が抗原−特異的になる。図1は、被験者を本発明の組み合わせ免疫賦活薬によって免疫した場合の抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞増殖の増大を実証するフローサイトメトリーデータを示す。
【0070】
一般に免疫化とCD8+エフェクターT細胞産生の間のインキュベーション時間は、約4日間から約12日間である。特定の実施態様では、CD8+エフェクターT細胞が免疫化後、約5日以内に産生されても良い。その他の実施態様では、CD8+エフェクターT細胞が免疫化後、約7日以内に産生されても良い。
【0071】
抗原がタンパク質である場合、被験者にタンパク質全体を投与することは必要でないかもしれない。図2は鶏卵白アルブミン全体に答えたCD8+T細胞の増殖動態を示すが、図1は鶏卵白アルブミンからの8個のアミノ酸ペプチド(SIINFEKL、SEQIDNO:1)を使用したCD8+T細胞の増殖を示す。同様に、図3はTRP2−ΔVペプチド(SIYDFFVWL、SEQIDNO:2)に答えたCD8+T細胞の増殖を示す。
【0072】
したがって本発明の組み合わせ免疫賦活薬を被験者に投与するステップを含む方法を使用して、被験者のCD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)に抗原−特異的応答を誘発しても良い。このような応答は、例えば腫瘍およびウィルス−感染した細胞集団をはじめとする多くの病状に向けたものでも良い。本発明のいくつかの実施態様では、本発明のワクチンを予防的に投与して、被験者に例えば腫瘍および/またはウィルス感染に対抗する保護的な抗原−特異的細胞媒介免疫を提供しても良い。
【0073】
代案の実施態様では、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を使用して、抗原−特異的CD8+メモリT細胞を生体内(in vivo)で発生させても良い。抗原−特異的CD8+メモリT細胞は、抗原への2回目の曝露に際し、二次的なTH1免疫応答を生じても良い。CD8+エフェクターT細胞は、抗原への再曝露後わずか2時間以内に、再活性化されたCD8+メモリT細胞から産生されても良い。抗原に対する第2の曝露は、免疫化(すなわち追加免疫化)または天然曝露によるものであっても良い。
【0074】
図4は、抗原、TLR作動薬、およびTNF/R作動薬の同時投与によって産生された4週間後の、抗原−特異的CD8+メモリT細胞の再活性化を示す。CD8+メモリT細胞の再活性化は、抗原(パネルB)でチャレンジすることで誘導されるが、同時投与される抗原およびTLR作動薬(パネルC)でチャレンジした場合により大きい。場合によっては上述の抗原−特異的細胞媒介免疫記憶は、ワクチンの1つ以上の成分に対するTH2免疫応答から帰結する循環抗体によって提供される抗原−特異的体液性免疫記憶によって補足されるかもしれない。
【0075】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬を使用して、細胞媒介免疫応答によって処置できる病状を治療的に処置できる。このような組み合わせは、少なくとも治療的に効果的な量のTLR作動薬、および治療的に効果的な量のTNF/R作動薬を含むことができる。多くの実施態様で、治療的な組み合わせ薬は治療的に効果的な量の抗原をさらに含むことができる。
【0076】
治療的な組み合わせ薬は、さらに1つ以上の薬学上許容可能なキャリアとの組み合わせで提供できる。TLR作動薬、TNF/R作動薬、および(組み合わせ中に存在する場合)抗原は、異なる部位に、および/または異なる経路で、逐次に同時投与しても良いので、治療的な組み合わせ薬を2つ以上の調合物中に提供しても良い。2つ以上の調合物中で提供する場合、各調合物は、残りの調合物中に含まれるキャリアまたはキャリア群と同様のまたは異なるキャリアを含むことができる。代案としては、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および(組み合わせ中に存在する場合)抗原は、単一キャリアまたはキャリアの組み合わせを含むことができる単一調合物中に提供しても良い。
【0077】
各成分または成分の混合物は、例えば錠剤、トローチ剤、非経口調合物、シロップ、クリーム、軟膏、煙霧剤調合物、経皮パッチ、経粘膜パッチなどのあらゆる適切な従来の投薬形態で投与しても良い。
【0078】
治療的な組み合わせ免疫賦活薬は、治療措置において単一処置薬として投与できる。代案としては、本発明の治療的な組み合わせ免疫賦活薬は、本発明の別の治療的な組み合わせ薬と、1つ以上の医薬品組成物と、あるいは抗ウィルス物質、抗生物質、追加的IRM化合物などのその他の活性作用薬と組み合わせて投与しても良い。
【0079】
TH1免疫応答を誘導し、CD8+エフェクターT細胞のプールを産生する能力のために、本発明の特定の組み合わせ免疫賦活薬は、ウィルス疾患および腫瘍を処置するのに特に有用かもしれない。この免疫調節活性は、本発明の組み合わせ免疫賦活薬およびワクチンが、
(a)例えばアデノウィルス、ヘルペスウィルス(例えばHSV−I、HSV−II、CMV、またはVZV)、ポックスウィルス(例えば痘瘡またはワクシニア、または伝染性軟属腫などのオルトポックスウィルス)、ピコルナウィルス(例えばライノウィルスまたはエンテロウィルス)、オルソミクソウィルス(例えばインフルエンザウィルス)、パラミクソウィルス(例えばパラインフルエンザウィルス、おたふく風邪ウィルス、はしかウィルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV))、コロナウィルス(例えばSARS)、パポバウィルス(例えば生殖器疣、尋常性肬贅、または足底疣贅を引き起こすものなどの乳頭腫ウィルス)、ヘパドナウィルス(例えば肝炎Bウィルス)、フラビウイルス(例えば肝炎Cウィルスまたはデングウィルス)、またはレトロウィルス(例えばHIVなどのレンチウイルス)による感染から罹る疾患などのウィルス疾患、
(b)例えばエシェリキア属、エンテロバクター、サルモネラ、ブドウ球菌、赤痢菌、リステリア、アエロバクター、ヘリコバクター、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、連鎖球菌、クラミジア、マイコプラズマ、肺炎球菌、ナイセリア、クロストリジウム、バシラス、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、カンピロバクター、ビブリオ、セラチア、プロビデンシア、クロモバクテリウム、ブルセラ、エルシニア、ヘモフィルス、またはボルデテラなどの細菌感染から罹る疾患などの細菌疾患、
(c)クラミジアと、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、クリプトコックス髄膜炎をはじめとするがこれに限定されるものではない真菌疾患と、またはマラリア、ニューモシステイスカリニ肺炎、レーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、およびトリパノソーマ感染をはじめとするがこれに限定されるものではない寄生虫性疾患などのその他の感染性疾患、
(d)例えば上皮内新生物形成、子宮頚部異形成、光線性角化症、基底細胞癌、扁平細胞癌、腎細胞癌、カポジ肉腫、メラノーマ、腎細胞癌などの新生物疾患、骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、B−細胞リンパ腫、および毛様細胞白血病をはじめとするが、これに限定されるものではない白血病、およびその他の癌(例えば上で同定された癌)、および
(e)アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、全身性エリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、オメン症候群、円板状エリテマトーデス、円形脱毛症などのTH2媒介アトピー性および自己免疫疾患と、ケロイド形成およびその他のタイプの瘢痕の阻害と、慢性創傷をはじめとする創傷治癒の増進などであるが、これに限定されるものではない病状を処置するのに有用であることを示唆する。
【0080】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬のいくつかの実施態様はまた、例えばBCG、コレラ、ペスト、腸チフス、肝炎A、肝炎B、肝炎C、インフルエンザA、インフルエンザB、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、はしか、おたふく風邪、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎菌性および肺炎球菌ワクチン、アデノウィルス、HIV、水痘、サイトメガロウィルス、デング、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、豚コレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウイルス、ロタウィルス、乳頭腫ウィルス、黄熱病、およびアルツハイマー疾患に関連して使用するための、例えば生ウィルス、細菌、または寄生虫抗原と、不活性化ウィルス、腫瘍−由来、原生動物、生物体−由来、真菌、または細菌抗原、類毒素、毒素と、自己抗原と、多糖類と、タンパク質と、糖タンパク質と、ペプチドと、細胞ワクチンと、DNAワクチンと、組み換えタンパク質と、糖タンパク質と、ペプチドなどの体液性および/または細胞性いずれかの媒介免疫応答を生じるあらゆる材料との組み合わせで使用するためのワクチンアジュバントとして有用かもしれない。
【0081】
本発明の組み合わせ免疫賦活薬はまた、損なわれた免疫機能を有する個人において特に有用であるかもしれない。例えばIRM化合物は、例えば移植患者、癌患者、およびHIV患者において、細胞媒介免疫の抑制後に生じる日和見感染および腫瘍を処置するために使用されても良い。
【0082】
本発明はまた、治療的に効果的な量の本発明の組み合わせ免疫賦活薬を動物に投与するステップを含む、動物においてウィルス感染を処置する方法、および動物において新生物疾患を処置する方法を提供する。ウィルス感染を処置または阻害するために治療的に効果的な量は、未処置対照動物に比べて、ウィルス病変、ウィルス負荷、ウィルス産生速度、および死亡率などのウィルス感染徴候の1つ以上に低下を引き起こす量である。新生物病状を処置するために治療的に効果的な組み合わせの量は、未処置対照動物に比べて、例えば腫瘍サイズ減少、腫瘍病巣数減少を引き起こし、または腫瘍生育を遅延させる量である。
【0083】
特定の一実施態様では、本発明の組み合わせ免疫賦活薬を使用して、生体内(in vivo)で腫瘍生育を阻害しても良い。特定の抗原を発現する腫瘍細胞を有する被験者をTLR作動薬、TNF/R作動薬、および任意に抗原を含有する治療的な組み合わせ薬で免疫しても良い。いくつかの実施態様では、処置法は初回免疫および2回目の追加免疫を含むことができる。本発明の治療的な組み合わせ薬で免疫された被験者から採取された腫瘍は、概して(a)免疫されない被験者、または(b)抗原のみで免疫された被験者のいずれかから採取された腫瘍(図5および6)よりも小さい。
【0084】
図6は、腫瘍抗原として卵白アルブミンを発現するメラノーマ細胞でチャレンジされたマウスにおける腫瘍サイズを比較する。メラノーマ細胞でのチャレンジの7日後、マウスを(a)卵白アルブミンペプチド、(b)卵白アルブミンペプチドおよびTLR作動薬、または(c)卵白アルブミンペプチド、TLR作動薬、およびTFNR作動薬のいずれかで免疫した。21日目(免疫化の14日後)に、腫瘍を切除して測定した。抗原/TLR作動薬/TFNR作動薬の組み合わせは、抗原または抗原/TLR作動薬の組み合わせによる免疫化で提供される保護に比べて、より優れた腫瘍生育に対する保護を提供した。
【0085】
図7は、腫瘍抗原として卵白アルブミンを発現する、メラノーマ細胞でチャレンジされたマウスにおける腫瘍サイズを比較し、そこでは(a)マウスは腫瘍に対する2つの免疫化を受け入れ、(b)免疫化の抗原成分は、卵白アルブミンペプチドでなく腫瘍細胞溶解産物を含んだ。図7は、TNF/R作動薬および抗原の組み合わせによる免疫化が、抗原のみで免疫されたマウスに比べて、腫瘍生育に対するごくわずかまたは皆無の保護を提供することを示す。ここでも抗原/TLR作動薬/TFNR作動薬の組み合わせは、抗原または抗原/TLR作動薬の組み合わせによる免疫化が提供する保護に比べて、より優れた腫瘍生育に対する保護を提供した。
【0086】
場合によっては、組み合わせ免疫賦活薬に対する免疫応答の相乗的性質がタイプIインターフェロンに依存する程度は、組み合わせのTLR作動薬によって活性化されるTLRを活性化することで典型的に観察されるタイプIインターフェロン刺激と相関する。図10は、タイプIインターフェロンを典型的に誘導するTLRの作動薬(例えばTLR7、TLR3、TLR9、およびTLR4)をTLRの作動薬として含む、組み合わせ免疫賦活薬に対する免疫応答の相乗的性質が、タイプIインターフェロンに対する受容体を欠いたマウスにおいて顕著に低下できることを示す。したがってこのような組み合わせ免疫賦活薬に対する相乗的免疫応答は、少なくとも部分的にタイプIインターフェロンに左右される。しかし図10はまた、典型的にタイプIインターフェロンの合成をほとんど、または全く誘導しないTLRの作動薬(TLR2/6作動薬であるMALP−2)を含む組み合わせ免疫賦活薬によって生じた相乗的免疫応答が、タイプIインターフェロン非依存性であることを示す。
【0087】
さらに、図11はMALP−2を含む組み合わせ免疫賦活薬によって誘導されるインターフェロン−非依存性相乗的免疫応答が、その他のTLR2作動薬を使用して誘導できることを示す。例えばTLR2作動薬Pam3cysはまた、IFNαβ受容体ノックアウトマウスにおいて相乗的免疫応答を誘導できる(すなわちマウスはインターフェロン−依存性細胞シグナルを処理できない)。
【0088】
したがって本発明の方法を使用して、所望のレベルのタイプIインターフェロン誘導、免疫応答の所望のタイプIインターフェロン依存性、または双方によって、組み合わせ免疫賦活薬を適応させることが可能かもしれない。例えばウィルス感染に対する治療的なまたは予防的な処置を提供するために、高レベルのインターフェロン誘導および/またはタイプIインターフェロン依存性の免疫応答が求められる場合、TLR7作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬が望ましいかもしれない。代案としては、例えば皮下細菌感染または寄生虫性感染に対する治療的なまたは予防的な処置を提供するために、タイプIインターフェロン産生の誘導なしに相乗的免疫応が求められる場合は、組み合わせ免疫賦活薬がTLR2作動薬を含んでも良い。
【0089】
本発明に従った処置は、1つ以上の免疫化を含んでも良い。処置が1つを超える免疫化含む場合、処置は、あらゆる適切な頻度で投与されるあらゆる適切ないくつかの免疫化を含むことができる。治療措置における免疫化の回数および頻度は、処置する病状およびその時期、被験者の免疫系の状態、投与される特定のTLR作動薬およびその量、投与される特定のTNF/R作動薬およびその量、そして(存在すれば)投与される特定の抗原およびその量をはじめとするが、これに限定されるものではない1つ以上の因子に少なくともある程度左右される。
【0090】
いくつかの実施態様では、本発明の治療的な組み合わせ薬は、抗原成分を必要としないかもしれない。特定の条件(例えばB細胞リンパ腫または慢性細菌またはウィルス感染)では、抗原を含まない組み合わせ免疫賦活薬を使用して効果的な処置が得られるかもしれない。このような病状は、例えば病状が、病状を処置できる細胞媒介免疫応答を生じるのに十分な病状−特異的抗原の量または多様性を提供するかもしれないので、このやり方で処置可能かもしれない。
【実施例】
【0091】
以下の実施例は、単に本発明の特徴、利点、およびその他の詳細をさらに例証するために選択された。しかし実施例はこの目的を果たしながら、使用する特定の材料および量ならびにその他条件および詳細は、この本発明の範囲を不当に制限するものではないことが明示的に理解されるものとする。
【0092】
特に断りのない限り、以下の実施例で使用したマウスは、マサチューセッツ州ウィルミントンのチャールス・リバー・ラボラトリーズ(Charles River Laboratories、Inc.(Wilmington、MA))から入手できるC57BL6マウスである。
【0093】
以下の実施例で使用されるTLR作動薬を表1で特定する。
【0094】
【表1】
【0095】
卵白アルブミンペプチド(SIINFEKL、SEQIDNO:1)およびTRP2−ΔVペプチド(SIYDFFVWL、SEQIDNO:2)は、カリフォルニア州サニーヴェールのアメリカン・ペプタイド社(American Peptide Co.(Sunnyvale、CA))から得られた。
【0096】
MHC四量体試薬は、下で述べるようにしてケドル(Kedl)ら、JEM 192(8):1105〜1113(2000)で述べられる真核生物(バキュロウィルス)発現系を使用して調製した。
【0097】
実施例1
2〜5匹のマウスを(A)100μgの卵白アルブミンペプチド、(B)100μgの卵白アルブミンペプチド+100μgの抗−CD40抗体(1C10)、(C)100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1、または(D)100μgの卵白アルブミンペプチド+100μgの1C10抗−CD40抗体+200μgのIRM1で静脈内免疫した。免疫化の5日後、マウスから脾臓を切除して均質化した。均質化した細胞懸濁液を卵白アルブミン−特異的T細胞(Kedlら、JEM 192(8):1105〜1113(2000))を検出するために主要組織適合性複合体(MHC)四量体試薬で染色し、カリフォルニア州サンディエゴのBDバイオサイエンシズ・ファーミンゲン(BD Biosciences Pharmingen(San Diego、CA))からのCD8染色、およびバイオサイエンシズ・ファーミンゲン(BD Biosciences Pharmingen(San Diego、CA))からのCD44染色で染色した。フローサイトメトリーにかけると、卵白アルブミン−特異的CD8+T細胞は、図1に示すドットプロットの右上4分の1区中に示される。抗−CD40抗体およびIRMの組み合わせによる刺激後の卵白アルブミン−特異的CD8+T細胞集団の増殖は、抗−CD40抗体またはIRMいずれか単独での刺激後の卵白アルブミン−特異的CD8+T細胞集団の増殖を超えた。
【0098】
実施例2
マウスに、ミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル(Sigma Chemical Co.(St.Louis、MO))からの卵白アルブミン5mg、50μgのFGK4.5抗−CD40抗体、および220μgのIRM1を腹腔内注射した。マウスをそれぞれ4、5、6、9、および12日目に屠殺した。屠殺マウスから脾臓を切除して均質化した。実施例1で述べるようにして、均質化した細胞懸濁液を染色し分析した。フローサイトメトリーにかけると、卵白アルブミン−特異的CD8+T細胞(上)および卵白アルブミン−特異的CD8+/CD44+T細胞(下)が同定され、各ドットブロットの右上4分の1区中に示される。右上4分の1区中の数値は、その4分の1区中の細胞の百分率を示す。これらのデータは、実施例1で観察されたCD8+T細胞増殖における相乗効果が、(a)異なるCD40作動薬、および(b)抗原としてのフルサイズの卵白アルブミンタンパク質によっても観察されたことを示す。
【0099】
実施例3
マウスを100μgのFGK4.5抗−CD40抗体+200μgのIRM1と、(A)ペプチドなし、(B)100μgの卵白アルブミンペプチド、または(C)100μgのTRP2−ΔVペプチドのいずれかとで静脈内免疫した。免疫化の5日後、マウスから脾臓を切除して均質化した。TRP2−ΔV−特異的T細胞を検出するためにMHC四量体試薬を調製したこと以外は、実施例1のようにして均質化した細胞懸濁液を染色した。フローサイトメトリーにかけると、TRP2−ΔV−特異的CD8+T細胞は、図3に示すドットブロットの右上4分の1区中に示される。右上4分の1区中の数値は、その4分の1区中の細胞の百分率を示す。データは、抗−CD40抗体およびIRMとさらに別の抗原との組み合わせによる刺激後の抗原−特異的CD8+T細胞の相乗的増殖を示す。
【0100】
実施例4
0日目に、マウスを100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1+100μgの1C10抗−CD40抗体で静脈内免疫した。28日目に、マウスを(A)未チャレンジ、(B)100μgの卵白アルブミンペプチドで静脈内チャレンジ、または(C)100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1で静脈内チャレンジした。33日目にマウスを屠殺して、脾臓を切除して脾臓細胞を均質化した。実施例1で述べるようにして、均質化した細胞を染色し分析した。データを図4に示す。抗原、CD40作動薬、およびTLR作動薬(実施例1に示す)による免疫化の結果として起きたCD8+T細胞の相乗的増殖は、(C)に示すIRMおよび抗原での処置により再活性化できる長命のCD8+メモリT細胞のプールを産生した。
【0101】
実施例5
表2に示すように、マウスを静脈内免疫した。5日目にマウスを屠殺して脾臓を採取し、実施例1のようにして細胞を均質化して染色し分析した。データを図5に示す。右上4分の1区中の数値は、その4分の1区における細胞の百分率を示す。
【0102】
【表2】
【0103】
実施例6
0日目に、マウスをPBS中の1×105メラノーマB16卵巣腫瘍細胞で皮内チャレンジした(ケドル(Kedl)らPNAS 98(19):10811〜10816)。7日目に、マウスを(A)100μgの卵白アルブミンペプチド、(B)100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1、または(C)100μgの卵白アルブミンペプチド+200μgのIRM1+100μgの1C10抗−CD40抗体のいずれかによって免疫した。21日目にマウスを屠殺して、ノギスによって腫瘍を二次元で測定した。データを図6に示す。抗原、IRM、およびCD40作動薬による免疫化は、IRM単独での免疫化よりも緩慢な腫瘍生育をもたらした。
【0104】
マウスはまた、IRM1をIRM2をで置換したこと以外は上述のようにしてチャレンジし、上述のようにして免疫した。IRM1の代わりにIRM2を使用して観察された結果は、IRM1を使用して観察された結果と同様であった。
【0105】
実施例7
実施例6のようにして、マウスを0日目に腫瘍でチャレンジした。5匹のマウスをそれぞれ7日目に、(A)1×106細胞同等物(CE)の腫瘍溶解産物、(B)1×106CE腫瘍溶解産物+200μgのIRM1、(C)1×106CE腫瘍溶解産物+100μgのFGK4.5抗−CD40抗体、または(D)1×106CE腫瘍溶解産物+200μgのIRM1+100μgのFGK4.5抗−CD40抗体で免疫した。14および20日目に、マウスにおいてノギスで腫瘍サイズを測定した。データを図7に示す。IRMおよび抗−CD40作動薬の組み合わせによる免疫化は、IRM単独またはCD40作動薬単独による免疫化よりも緩慢な腫瘍生育をもたらす。
【0106】
実施例8
0日目に、マウスに500μgの卵白アルブミン、50μgのCD40作動薬(FGK4.5)と、500μgのIRM3、200μgのIRM4、800μgのIRM5、800μgのIRM2、またはIRMなし(対照)のいずれかとを腹腔内注射した。6日目にマウスを屠殺して、脾臓細胞を採取して実施例2で述べるようにして分析した。図8は、マウス(各群でn=3)の各群で観察されたCD8+T細胞の平均百分率を示す。CD40作動薬を異なるIRM化合物との組み合わせで使用して、CD8+T細胞の相乗的増殖が実証される。
【0107】
実施例9
0日目に、マウスを1mgの卵白アルブミン、200μgのIRM1と、200μgのCD40リガンド(FGK4.5)、200μgの4−1BBリガンド(カリフォルニア州サンディエゴのイーバイオサイエンスからの抗−マウス4−1BB抗体、クローン17B3(eBioscience、(San Diego、CA))、またはTNF/R作動薬なし(対照)のいずれかとによって免疫した。6日目に、マウスを屠殺して脾臓細胞を採取し、実施例2で述べるようにして分析した。結果を図9に示す。IRM1を異なるTNF/R作動薬との組み合わせで使用して、CD8+T細胞の相乗的増殖が実証される。
【0108】
実施例10
0日目に、一組の野生型マウス(ニューヨーク州ジャーマンタウンのタコニック(Taconic(Germantown、NY))からのB6/129 F1)および一組のIFNαβ受容体ノックアウトマウス(コロラド州デンバーのナショナル・ジュウイッシュ・メディカル・アンド・リサーチセンター(National Jewish Medical and Research Center(Denver、CO))に、100μgのSIINFEKLペプチド、50μgのFGK45(CD40作動薬)と、(a)なし(CD40のみ)、(b)100μgのIRM1(+TLR7)、(c)50μgのポリIC(+TLR3)、100μgのCpG(+TLR9)、30μgのLPS(+TLR4)、または25μgのMALP−2(+TLR2)のいずれかとを腹腔内に注射した。6日目にマウスを屠殺し脾臓細胞を採取して、実施例2で述べるようにして分析した。
【0109】
図10は、組み合わせ免疫賦活薬によるマウスの免疫化後に、野生型およびIFNノックアウトマウスにおいて産生する四量体+T細胞の百分率、ひいては様々なTLRの作動薬を含む組み合わせ免疫賦活薬によって誘導した際の相乗的免疫応答のIFN依存性を示す。
【0110】
実施例11
一組の野生型マウス(ニューヨーク州ジャーマンタウンのタコニック(Taconic(Germantown、NY))からのB6/129F1)および一組のIFNαβ受容体ノックアウトマウス(コロラド州デンバーのナショナル・ジュウイッシュ・メディカル・アンド・リサーチセンター(National Jewish Medical and Research Center(Denver、CO))に、0日目に50μgのFGK45(CD40作動薬)を腹腔内注射した。4時間後、マウスに100μgのSIINFEKLを単独で、または100μgのIRM1(TLR7作動薬)、25μgのMALP−2、カリフォルニア州サンディエゴのアレクシス・バイオケミカルズ(Alexis Biochemicals、Corp.(San Diego、CA))からの50μgのPam3cys、100μgのPam3cys、または250μgのPam3cysのいずれかを静脈注射した。6日目にマウスを屠殺し脾臓細胞を採取して、実施例2で述べるようにして分析した。結果を図11に示す。TLR2/6作動薬であるMALP−2を含む組み合わせ免疫賦活薬によって観察されたインターフェロン−非依存性相乗的免疫応答は、TLR2作動薬であるPam3cysを含む組み合わせ免疫賦活薬を使用しても観察された。
【0111】
本発明の範囲と精神を逸脱することなく、本発明の様々な修正と変更が可能であることは業者には明らかである。例証的な実施態様および実施例は実施例としてのみ提供され、本発明の範囲を制限することを意図しない。本発明の範囲は以下で述べる特許請求の範囲によってのみ制限されるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TLR作動薬およびTNF/R作動薬を、それぞれ、被験者の抗原に対する免疫応答を増大させるのに他方との組み合わせにおいて有効な量で含む、組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項2】
上記TLR作動薬が、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、または前述の任意の作動薬の任意の組み合わせ、の少なくとも1つの作動薬である、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項3】
上記TLR作動薬が、IRM化合物またはTLR2の作動薬を含む、請求項2に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項4】
上記TLR作動薬が、IRM化合物、MALP−2、LPS、ポリIC、CpG、または前述の任意のものの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項5】
上記IRM化合物が、イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンを含む、請求項3に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項6】
上記TNF/R作動薬が、TNFスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項7】
上記TNF/R作動薬が、CD40リガンド、OX40リガンド、4−1BBリガンド、CD27、CD30リガンド(CD153)、TNF−α、TNF−β、RANKリガンド、LT−α、LT−β、GITRリガンド、またはLIGHTの作動薬を含む、請求項6に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項8】
上記TNF/R作動薬が、TNFRスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項9】
上記TNF/R作動薬が、CD40、OX40、4−1BB、CD70(CD27リガンド)、CD30、TNFR2、RANK、LT−βR、HVEM、GITR、TROY、またはRELTの作動薬を含む、請求項8に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項10】
上記TNF/R作動薬が、作動薬抗体を含む、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項11】
被験者に、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を、それぞれ、TH1免疫応答を誘導するのに他方との組み合わせにおいて有効な量で同時投与するステップを含む、被験者においてTH1免疫応答を誘導する方法。
【請求項12】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
被験者において免疫応答を誘導するのに有効な量で、抗原を同時投与するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
被験者に、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を、それぞれ、抗原特異的CD8+T細胞を活性化するのに他方との組み合わせにおいて有効な量で同時投与するステップを含む、被験者において抗原特異的CD8+T細胞を活性化する方法。
【請求項18】
抗原を被験者において免疫応答を誘導するのに有効な量で同時投与するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
CD8+T細胞の活性化が、CD8+エフェクターT細胞の増殖を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
CD8+T細胞の活性化が、CD8+メモリT細胞の産生を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
上記TNF/R作動薬が、TNFスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
上記TNF/R作動薬が、TNFRスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
上記TNF/R作動薬が作動薬抗体を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
抗原を抗原−特異的CD8+メモリT細胞を活性化させるのに有効な量で被験者に投与することによって、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞を産生するステップを含む、抗原にあらかじめ曝露された上記被験者において抗原−特異的メモリCD8+T細胞を活性化する方法。
【請求項29】
TLR作動薬を抗原−特異的CD8+メモリT細胞を活性化させるのに有効な量で同時投与することで、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞を産生するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
他方との組み合わせにおいて、細胞媒介免疫応答を刺激するのに有効な量でそれぞれ投与されるTLR作動薬およびTNF/R作動薬を被験者に同時投与するステップを含む、上記被験者において病状を処置する方法。
【請求項35】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
上記TNF/R作動薬が、TNFスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
上記TNF/R作動薬が、TNFRスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
上記TNF/R作動薬が作動薬抗体を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
病状に関連する抗原を細胞媒介免疫応答を誘導するのに有効な量で同時投与するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
上記病状が新生物疾患を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項44】
上記TLR作動薬および上記TNF/R作動薬を同時投与するステップが、予防的な処置を提供する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
上記TLR作動薬および上記TNF/R作動薬を同時投与するステップが、治療的な処置を提供する、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
上記病状が感染性疾患を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項47】
上記TLR作動薬および上記TNF/R作動薬を同時投与するステップが、予防的な処置を提供する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
上記TLR作動薬および上記TNF/R作動薬を同時投与するステップが、治療的な処置を提供する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
ワクチンであって、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および抗原を、それぞれ、前記ワクチンで免疫された被験者において抗原に対する免疫応答を誘導するのに他のものとの組み合わせにおいて有効な量で含むワクチン。
【請求項50】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項51】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項52】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項53】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項54】
上記TNF/R作動薬が、TNFスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項55】
上記TNF/R作動薬が、TNFRスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項56】
上記TNF/R作動薬が作動薬抗体を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項57】
上記抗原が、腫瘍抗原、ウィルス抗原、細菌抗原、または寄生虫抗原を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項1】
TLR作動薬およびTNF/R作動薬を、それぞれ、被験者の抗原に対する免疫応答を増大させるのに他方との組み合わせにおいて有効な量で含む、組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項2】
上記TLR作動薬が、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、または前述の任意の作動薬の任意の組み合わせ、の少なくとも1つの作動薬である、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項3】
上記TLR作動薬が、IRM化合物またはTLR2の作動薬を含む、請求項2に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項4】
上記TLR作動薬が、IRM化合物、MALP−2、LPS、ポリIC、CpG、または前述の任意のものの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項5】
上記IRM化合物が、イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンを含む、請求項3に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項6】
上記TNF/R作動薬が、TNFスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項7】
上記TNF/R作動薬が、CD40リガンド、OX40リガンド、4−1BBリガンド、CD27、CD30リガンド(CD153)、TNF−α、TNF−β、RANKリガンド、LT−α、LT−β、GITRリガンド、またはLIGHTの作動薬を含む、請求項6に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項8】
上記TNF/R作動薬が、TNFRスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項9】
上記TNF/R作動薬が、CD40、OX40、4−1BB、CD70(CD27リガンド)、CD30、TNFR2、RANK、LT−βR、HVEM、GITR、TROY、またはRELTの作動薬を含む、請求項8に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項10】
上記TNF/R作動薬が、作動薬抗体を含む、請求項1に記載の組み合わせ免疫賦活薬。
【請求項11】
被験者に、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を、それぞれ、TH1免疫応答を誘導するのに他方との組み合わせにおいて有効な量で同時投与するステップを含む、被験者においてTH1免疫応答を誘導する方法。
【請求項12】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
被験者において免疫応答を誘導するのに有効な量で、抗原を同時投与するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
被験者に、TLR作動薬およびTNF/R作動薬を、それぞれ、抗原特異的CD8+T細胞を活性化するのに他方との組み合わせにおいて有効な量で同時投与するステップを含む、被験者において抗原特異的CD8+T細胞を活性化する方法。
【請求項18】
抗原を被験者において免疫応答を誘導するのに有効な量で同時投与するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
CD8+T細胞の活性化が、CD8+エフェクターT細胞の増殖を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
CD8+T細胞の活性化が、CD8+メモリT細胞の産生を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
上記TNF/R作動薬が、TNFスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
上記TNF/R作動薬が、TNFRスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
上記TNF/R作動薬が作動薬抗体を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
抗原を抗原−特異的CD8+メモリT細胞を活性化させるのに有効な量で被験者に投与することによって、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞を産生するステップを含む、抗原にあらかじめ曝露された上記被験者において抗原−特異的メモリCD8+T細胞を活性化する方法。
【請求項29】
TLR作動薬を抗原−特異的CD8+メモリT細胞を活性化させるのに有効な量で同時投与することで、抗原−特異的CD8+エフェクターT細胞を産生するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
他方との組み合わせにおいて、細胞媒介免疫応答を刺激するのに有効な量でそれぞれ投与されるTLR作動薬およびTNF/R作動薬を被験者に同時投与するステップを含む、上記被験者において病状を処置する方法。
【請求項35】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
上記TNF/R作動薬が、TNFスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
上記TNF/R作動薬が、TNFRスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
上記TNF/R作動薬が作動薬抗体を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
病状に関連する抗原を細胞媒介免疫応答を誘導するのに有効な量で同時投与するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
上記病状が新生物疾患を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項44】
上記TLR作動薬および上記TNF/R作動薬を同時投与するステップが、予防的な処置を提供する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
上記TLR作動薬および上記TNF/R作動薬を同時投与するステップが、治療的な処置を提供する、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
上記病状が感染性疾患を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項47】
上記TLR作動薬および上記TNF/R作動薬を同時投与するステップが、予防的な処置を提供する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
上記TLR作動薬および上記TNF/R作動薬を同時投与するステップが、治療的な処置を提供する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
ワクチンであって、TLR作動薬、TNF/R作動薬、および抗原を、それぞれ、前記ワクチンで免疫された被験者において抗原に対する免疫応答を誘導するのに他のものとの組み合わせにおいて有効な量で含むワクチン。
【請求項50】
上記TLR作動薬がTLR2の作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項51】
上記TLR作動薬がTLR9の作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項52】
上記TLR作動薬がTLR8の作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項53】
上記TLR作動薬がTLR7の作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項54】
上記TNF/R作動薬が、TNFスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項55】
上記TNF/R作動薬が、TNFRスーパーファミリーメンバーの作動薬を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項56】
上記TNF/R作動薬が作動薬抗体を含む、請求項49に記載のワクチン。
【請求項57】
上記抗原が、腫瘍抗原、ウィルス抗原、細菌抗原、または寄生虫抗原を含む、請求項49に記載のワクチン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【公開番号】特開2011−105749(P2011−105749A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−15347(P2011−15347)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【分割の表示】特願2004−564947(P2004−564947)の分割
【原出願日】平成15年12月30日(2003.12.30)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15347(P2011−15347)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【分割の表示】特願2004−564947(P2004−564947)の分割
【原出願日】平成15年12月30日(2003.12.30)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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