説明

組み合わせ計測装置

【課題】複数の被計測物中から出荷に最適な被計測物の組み合わせを適宜選択できるとともに、被計測物の搬出、補充等の作業を自動的に行うことができる組み合わせ計測装置の提供。
【解決手段】計測手段は、複数の計測部5,5...を直線状に並べてなる複数の計測部列a,bを互いに平行配置に備え、搬出手段8は、計測部列方向に向けた搬出用レール11に移動可能に支持された複数の搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cを備え、搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cは、計測部列間方向に間隔を置いて被計測物を保持する複数のハンド32a,32bを備え、制御手段は、選択信号に基づき動作機構14に各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cをそれぞれ選択された計測部上に移動させ、且つ選択された被計測物側のハンドのみを動作させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量等の管理値が個々で異なるきのこ等の物品を規定個数で組み合わせて出荷するに際し、多数の被計測物の中から規定値の許容範囲に合致する物品の組み合わせを適宜選択するための組み合わせ計測装置であって、特に被計測物の搬出等の一連の作業を自動で行うことができる組み合わせ計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜やきのこ等の出荷に際しては、歩留りを考慮して組み合わせ秤等の組み合わせ計測装置を使用し、多数の被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する被計測物の組み合わせを選択し、その選択された複数の被計測物を発泡トレイ等の出荷用部材にパック詰めして出荷することが行われている。
【0003】
このような組み合わせ計測装置には、被計測物を載置する複数の計測部毎に計測が可能な計測手段を備え、この計測手段から得られる計測データに基づき多数の被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する最適な被計測物の組み合わせを選択し、その選択された被計測物をランプ等で表示して作業者に知らせるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
そして、この組み合わせ計測装置を使用した作業では、ランプで表示された位置の被計測物を作業者が計測部から手動で取出し、それを発泡トレイ等の出荷用部材上に並べ、その一方で作業者が取出されて空になった計測部に新しい被計測物を手動で補充していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−170361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、出荷に最適な組み合わせを適宜選択することができる一方、不規則に選択される被計測物の計測部からの取出し及び補充等の作業は、機械により行うことが困難であり作業者が手動で行っているため、作業標準時間(タクトタイム)を作業速度の遅い作業者に合わせて設定しなければならず、組み合わせ計測装置の性能を十分に生かしきれず効率が悪いという問題があった。
【0007】
また、選択される被計測物の位置は不規則であるため、その位置から被計測物を取り出したり補充したりする作業においては、作業者の負担が大きく、集中力を長時間維持させることが困難であり、作業者一人当たりの作業継続時間が非常に短く、その為大勢で分担せざるを得ず、人件費が嵩み効率が悪いという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、複数の被計測物中から出荷に最適な被計測物の組み合わせを適宜選択できるとともに、計測部からの被計測物の搬出作業を自動的に行うことができ、作業時間の短縮及び費用の低減を図ることができる組み合わせ計測装置の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、被計測物が載置される複数の計測部毎に前記被計測物の計測が可能な計測手段と、該計測手段により計測された前記各被計測物の計測データに基づき多数の前記被計測物の中から規定個数で規定値の許容範囲に合致する被計測物の組み合わせを選択し、且つ選択された被計測物を計測した計測部の位置を示す選択信号を出力する選択手段と、該選択手段により選択された前記被計測物を前記計測部より搬出する搬出手段と、該搬出手段により前記被計測物が取り出されて空となった前記計測部に新たな被計測物を補充する補充手段と、前記搬出手段を制御する制御手段とを備えた組み合わせ計測装置であって、前記計測手段は、複数の前記計測部を直線状に並べてなる複数の計測部列を互いに平行配置に備え、前記搬出手段は、計測部列方向に向けた搬出用レールと、該搬出用レールに移動可能に支持された複数の搬出用保持ハンドユニットと、前記各搬出用保持ハンドユニットをそれぞれ独立して移動させる動作機構とを備え、前記搬出用保持ハンドユニットは、計測部列間方向に間隔を置いて前記被計測物を保持する複数のハンドを備え、前記制御手段は、前記選択信号に基づき前記動作機構に前記各搬出用保持ハンドユニットをそれぞれ前記選択された計測部上に移動させ、且つ前記搬出用保持ハンドユニットに前記選択された被計測物側の前記ハンドのみを動作させるようにしたことにある。
【0010】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記動作機構は、計測部列方向に向けた軌道部材に沿って移動可能なスライダを有する複数の搬出用スライドユニットと、前記搬出用保持ハンドユニットを支持させた支持部材と、前記スライダと前記支持部材とを連結する連結部材とを備え、前記各軌道部材を互いに隣接して配置し、外側に配置された搬出用スライドユニットに支持された前記連結部材は、内側の搬出用スライドユニットを跨ぐ形状に形成されたことにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る組み合わせ計測装置は、上述したように、被計測物が載置される複数の計測部毎に前記被計測物の計測が可能な計測手段と、該計測手段により計測された前記各被計測物の計測データに基づき多数の前記被計測物の中から規定個数で規定値の許容範囲に合致する被計測物の組み合わせを選択し、且つ選択された被計測物を計測した計測部の位置を示す選択信号を出力する選択手段と、該選択手段により選択された前記被計測物を前記計測部より搬出する搬出手段と、該搬出手段により前記被計測物が取り出されて空となった前記計測部に新たな被計測物を補充する補充手段と、前記搬出手段を制御する制御手段とを備えた組み合わせ計測装置であって、前記計測手段は、複数の前記計測部を直線状に並べてなる複数の計測部列を互いに平行配置に備え、前記搬出手段は、計測部列方向に向けた搬出用レールと、該搬出用レールに移動可能に支持された複数の搬出用保持ハンドユニットと、前記各搬出用保持ハンドユニットをそれぞれ独立して移動させる動作機構とを備え、前記搬出用保持ハンドユニットは、計測部列間方向に間隔を置いて前記被計測物を保持する複数のハンドを備え、前記制御手段は、前記選択信号に基づき前記動作機構に前記各搬出用保持ハンドユニットをそれぞれ前記選択された計測部上に移動させ、且つ前記搬出用保持ハンドユニットに前記選択された被計測物側の前記ハンドのみを動作させるようにしたことにより、不規則に選択される被計測物を自動で的確に搬出することができ、作業効率が向上しコストの低減を図ることができる。
【0012】
また、本発明において、前記動作機構は、計測部列方向に向けた軌道部材に沿って移動可能なスライダを有する複数の搬出用スライドユニットと、前記搬出用保持ハンドユニットを支持させた支持部材と、前記スライダと前記支持部材とを連結する連結部材とを備え、前記各軌道部材を互いに隣接して配置し、外側に配置された搬出用スライドユニットに支持された前記連結部材は、内側の搬出用スライドユニットを跨ぐ形状に形成されたことにより、簡易な構造で搬出用保持ハンドユニットをそれぞれ独立して動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る組み合わせ計測装置の一例の概略を示す正面図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】同上の装置の下半部を示す平面図である。
【図4】図1中の組み合わせ秤の一例を示す平面図である。
【図5】図1中の搬出手段の一例を示す平面図である。
【図6】同5中の搬出用保持ハンドユニット部の一例を示す平面図である。
【図7】同上の部分破断側面図である。
【図8】同上の正面図である。
【図9】(a)〜(h)は組み合わせ秤による被計測物の選択パターンの例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る組み合わせ計測装置の実施の態様を図1〜図9に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1は組み合わせ計測装置、符号Aはエリンギ等の被計測物である。
【0015】
この組み合わせ計測装置1は、組み合わせ秤2を設置した計測室3を備え、この計測室3内で組み合わせ秤2を使用して多数の被計測物A,A...の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する最適な被計測物の組み合わせを適宜選択し、その選択された被計測物A,A...を詰め替え室4に搬出し、詰め替え室4で出荷部材Bに詰め替えるようになっている。
【0016】
組み合わせ秤2は、図4に示すように、被計測物A,A...が載置される複数の計測部5,5...毎に計測が可能な計測手段と、計測手段により計測された計測データに基づき多数の被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する被計測物A,A...の組み合わせを適宜選択する選択手段とを一体的に備え、この選択手段は、選択された被計測物A,A...が載置された計測部5の位置をランプ6の点灯で明示するとともに、選択された計測部5の位置を示す選択信号及び選択された被計測物の計測データを図示しないコントロールユニットからなる制御手段に出力するようになっている。尚、この組み合わせ秤2には、市販されている組み合わせ秤を使用することができる。
【0017】
この計測手段では、複数の計測部5,5...が作業ライン方向で直線状に並べられて計測部列a,bを形成するとともに、この計測部列a,bが互いに平行な多列配置(本実施例では2列)となっている。
【0018】
また、各計測部5,5...上には、被計測物Aを載置するための上面が開口した有底箱状の計測用トレイ7が設置されている。
【0019】
また、この組み合わせ計測装置1は、搬出手段8、補充手段9及び詰め替え手段10を備え、これら各手段8,9,10を上記選択信号に基づき制御手段により制御し、選択された被計測物A,A...の計測部5からの搬出、搬出されて空となった計測部5(計測用トレイ7)への新たな被計測物A,A...の補充及び搬出された被計測物A,A...の出荷部材Bへの詰め替えからなる一連の作業を自動で行うことができるようになっている。
【0020】
搬出手段8は、図5に示すように、計測部列方向に向けた搬出用レール11と、搬出用レール11に沿って移動可能な複数の支持部材12,12...と、各支持部材12,12...に支持された搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cと、各支持部材12をそれぞれ独立して移動させる動作機構14とを備え、各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cが各々独立して組み合わせ秤2と詰め替え室4内に設置された仮置き台15との間を移動できるようになっている。
【0021】
搬出用レール11は、組み合わせ秤2の上側に計測室3及び詰め替え室4の天井部に支持された計測部列方向に向けた梁材16の側面部に沿って設置され、この搬出用レール11に移動自在に支持されたスライド部材17に支持部材12の背面部が固定されている。
【0022】
支持部材12は、上下に長い矩形板状の基部12aと、基部12aの両側縁より表側に立ち上げた形状の側板12b,12bとを備え、この基部12aの下部表面側に上下方向に向けた上下動用レール18が固定部材12cを介して固定されている。
【0023】
この上下動用レール18には、レールに沿って移動可能なスライド部材19を介して搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cを構成するアーム部20の一端が上下移動可能に支持されている。
【0024】
また、そのアーム部20の端部上面部には、基部12aに固定板12dを介して固定された上下動用シリンダ21のシャフト部21aの先端部が連結されており、この上下動用シリンダ21を動作させることにより保持ハンドユニット13が支持部材12に対して上下動用レール18に支持されて上下移動するようになっている。尚、図中符号22はアーム部20と上下動用シリンダ21のシャフト部21aとの間に介在させたフローティングジョイントである。
【0025】
一方、各支持部材12の上端部には、連結部材23a,23b,23cの一端側が固定され、この連結部材23a,23b,23cを介して動作機構14による動力が伝達されるようになっている。
【0026】
動作機構14は、計測部列方向に向けた軌道部材24に沿って移動するスライダ25を有する搬出用スライドユニット26a,26b,26cをもって構成され、各搬出用スライドユニット26a,26b,26cのスライダ25と各支持部材12とがそれぞれ連結部材23a,23b,23cにより連結され、スライダ25の移動に連動して各支持部材12が移動するようになっている。
【0027】
各搬出用スライドユニット26a,26b,26cは、軌道部材24内にその長さ方向に向けた図示しないボールねじを備え、このボールねじをサーボモータ27により回転させることにより、ボールねじを構成するナット部と一体化させたスライダ25が軌道部材24に沿った方向の任意の位置に移動させるようになっている。
【0028】
各搬出用スライドユニット26a,26b,26cは、下面部が梁部材28,28を介して計測室3及び詰め替え室4の天井部に支持され、互いに平行な隣接配置に設置されている。また、各搬出用スライドユニット26a,26b,26cは、その長さ方向、即ち計測部列方向で少しずつ位置をずらして設置され、搬出用レール11に沿って並べられた各支持部材12で同じスライド量を確保している。
【0029】
連結部材23a,23b,23cは、支持部材12の上端部に固定される支持部材側連結部29と、スライドユニットのスライダ上面部に固定されるスライダ側連結部30とをもって構成され、両連結部29,30は、スライド方向に向けたフローティングジョイント31を介して揺動可能に連結されている。
【0030】
また、連結部材23b、23cは、内側のスライドユニットを跨ぐように形成され、互いに干渉せずに各搬出用スライドユニット26b,26cの動作を各支持部材12に伝達できるようにしている。
【0031】
保持ハンドユニット13a,13b,13cは、計測部列間方向に向けた片持ち梁状のアーム部20と、アーム部20の下面部に計測部列間方向に間隔を置いて固定された複数のハンド32a,32bとを備え、各ハンド32a,32bに計測用トレイ7上の被計測物Aを把持させるようになっている。
【0032】
ハンド32a,32bには、例えば、圧縮空気により爪部33,33が計測部列方向で開閉するエアチャックを使用し、爪部33,33の開閉により爪部33に固定された把持部34,34が被計測物Aを把持し、或いは開放するようになっている。
【0033】
尚、ハンド32a,32b、上下動用シリンダ21及び搬出用スライドユニットト26a,26b,26cは、それぞれ制御手段により制御され、制御手段からの命令信号に基づき動作するようになっており、制御手段は、選択手段より出力された選択された計測部5を示す選択信号に基づき動作機構14に各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cを選択された計測部5上に移動させ、且つ保持ハンド32a,32bに選択された被計測物のみを保持させるようになっている。
【0034】
補充手段9は、計測手段のライン上流側に配置された複数の並べ替え用トレイ40a,40b,40cと、並べ替え用トレイ40a,40b,40cを移動させ並べ替える並べ替え機構41と、並べ替え用トレイ上の被計測物を計測手段に移送する移送機構42とを備え、新たな被計測物を載置させた各並べ替え用トレイ40a,40b,40cを並べ替え機構41により並べ替えた上で、各並べ替え用トレイ40a,40b,40cに載置された被計測物を移送機構42により計測手段に移送し、空となった計測部5に新たな被計測物を充填するようになっている。
【0035】
次に、このように構成された組み合わせ計測装置1による組み合わせ計測について説明する。尚、図9は組み合わせ秤2による選択パターンの例を示し、選択された位置に被計測物Aを明示している。
【0036】
初めに、図4に示すように、計測手段の計測部5に被計測物(例えば、エリンギ)A,A...を置き、全ての計測部5,5...に被計測物A,A...を充填する。尚、この最初の充填作業は、作業者が手動で行ってもよく、補充手段9に別プログラムにより充填させるようにしてもよい。
【0037】
そして、計測手段に充填された全計測部5,5...の中から出荷用に規定された個数(本実施例では3個とする。)で重量の許容範囲に合致する組み合わせを選択手段により選択する。このとき、選択手段は、演算により選択した被計測物を計測した計測部5の位置をランプ6の点灯で明示するとともに、その計測部5の位置を示す選択信号を制御手段としてコントロールユニットに出力する。
【0038】
そして選択信号を受信した制御手段は、その選択信号に基づき搬出手段8の各搬出用スライドユニット26a,26b,26cを動作させ、各保持ハンドユニット13a,13b,13cを選択された計測部5,5...上に移動させる。
【0039】
このとき、各搬出用スライドユニット26a,26b,26cは、それぞれ各保持ハンドユニット13a,13b,13cをそれぞれ独立して移動させることができるので、選択された3つの被計測物が計測部列方向のどの位置であっても各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cで対応することができるようになっている。
【0040】
例えば、図9(a)又は(b)に示すように計測部列a、bいずれか一方で互いに間隔を置いて3つの被計測物が選択された場合では、上流側の搬出用保持ハンドユニット13aを三つの選択された計測部のうち最も上流側の計測部上に、下流側の搬出用保持ハンドユニット13cを三つの選択された計測部のうち最も下流側の計測部上に、中間の搬出用保持ハンドユニット13bを三つの選択された計測部の内中間に位置する計測部上に移動させる。
【0041】
また、図9(e)又は(f)に示すように2つの被計測物が計測部列a,b間方向で並んで選択され、その他の1つの被計測物が計測部列aの下流側のものが選択された場合には、上流側の搬出用スライドユニット13aを二つの被計測物が並んで選択された計測部上に移動させ、中間の搬出用スライドユニット13bを下流側で選択された計測部上に移動させ、下流側の搬出用スライドユニット13cを任意の位置に移動させる。
【0042】
そして、搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cを対応する計測部上に移動させた後、その位置で各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cを下降させ、且つ選択された被計測物のみをハンド32a,32bに把持させる。
【0043】
各ハンド32a,32bの動作は、例えば、図9(e)に示すように、計測部列a,b間方向で並ぶ被計測物が選択された場合には、上流側の搬出用保持ハンドユニット13aの両ハンド32a,32bを動作させて爪部33,33を閉じ、中間の搬出用保持ハンドユニット13bでは、計測部列a側のハンド32aのみを動作させて爪部33,33を閉じ、下流側の移送用保持ハンドユニット13cでは、両ハンド32a,32bを動作させない。尚、動作させないその他のハンド32は爪部33,33を開いたままの状態にしておく。
【0044】
一方、図9(g)又は(h)に示すように選択された被計測物が計測部列a,b間方向で重ならない場合には、各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cはそれぞれ一方のハンドのみを動作させて被計測物を把持するようになっている。
【0045】
そして、被計測物を把持した状態で各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cを上昇させ、搬出用スライドユニット26a,26b,26cを動作させ、各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cを仮置き台15の位置までスライド移動させる。
【0046】
そして、詰め換え室4内の仮置き台15上で保持ハンドユニット13a,13b,13cを下降させ、且つハンド32a,32bの爪部33,33を解放することにより被計測物Aを仮置き台5上の仮置き用トレイ113,113...上に載置させ、搬出が完了する。
【0047】
このようにすることにより搬出手段8は、選択された被計測物Aのみを計測手段より取出すことができる。
【0048】
一方、補充手段9では、搬出手段8による被計測物の搬出作業と同時進行で空計測部5に新たな被計測物を補充する。
【0049】
以上の動作を組み合わせ秤2、搬出手段8及び補充手段9を同期させながら繰り返し行うことにより組み合わせ計測、搬出作業、補充作業を自動的に行うことができる。
【0050】
尚、上述の実施例では、作業ライン方向に向けた計測部5の列を計測部列とした例について説明したが、作業ラインと直交する方向に向けた計測部の列を計測部列としてもよい。
【符号の説明】
【0051】
A 被計測物
1 組み合わせ計測装置
2 組み合わせ秤
3 計測室
4 詰め替え室
5 計測部
6 ランプ
7 計測用トレイ
8 搬出手段
9 補充手段
10 詰め替え手段
11 搬出用レール
12 支持部材
13 搬出用保持ハンドユニット
14 動作機構
15 仮置き台
16 梁材
17 スライド部材
18 上下動用レール
19 スライド部材
20 アーム部
21 シリンダ
22 フローティングジョイント
23 連結部材
24 軌道部材
25 スライダ
26 搬出用スライドユニット
27 サーボモータ
28 梁部材
29 支持部材側部材
30 スライダ側部材
31 フローティングジョイント
32 ハンド
33 爪部
34 把持部
40 並べ替え用トレイ
41 並べ替え機構
42 移送機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計測物が載置される複数の計測部毎に前記被計測物の計測が可能な計測手段と、該計測手段により計測された前記各被計測物の計測データに基づき多数の前記被計測物の中から規定個数で規定値の許容範囲に合致する被計測物の組み合わせを選択し、且つ選択された被計測物を計測した計測部の位置を示す選択信号を出力する選択手段と、該選択手段により選択された前記被計測物を前記計測部より搬出する搬出手段と、該搬出手段により前記被計測物が取り出されて空となった前記計測部に新たな被計測物を補充する補充手段と、前記搬出手段を制御する制御手段とを備えた組み合わせ計測装置であって、
前記計測手段は、複数の前記計測部を直線状に並べてなる複数の計測部列を互いに平行配置に備え、
前記搬出手段は、計測部列方向に向けた搬出用レールと、該搬出用レールに移動可能に支持された複数の搬出用保持ハンドユニットと、前記各搬出用保持ハンドユニットをそれぞれ独立して移動させる動作機構とを備え、
前記搬出用保持ハンドユニットは、計測部列間方向に間隔を置いて前記被計測物を保持する複数のハンドを備え、
前記制御手段は、前記選択信号に基づき前記動作機構に前記各搬出用保持ハンドユニットをそれぞれ前記選択された計測部上に移動させ、且つ前記搬出用保持ハンドユニットに前記選択された被計測物側の前記ハンドのみを動作させるようにしたことを特徴としてなる組み合わせ計測装置。
【請求項2】
前記動作機構は、計測部列方向に向けた軌道部材に沿って移動可能なスライダを有する複数の搬出用スライドユニットと、前記搬出用保持ハンドユニットを支持させた支持部材と、前記スライダと前記支持部材とを連結する連結部材とを備え、前記各軌道部材を互いに隣接して配置し、外側に配置された搬出用スライドユニットに支持された前記連結部材は、内側の搬出用スライドユニットを跨ぐ形状に形成された請求項1に記載の組み合わせ計測装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−3101(P2013−3101A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137515(P2011−137515)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(390034142)ホクト株式会社 (14)