説明

組み立て式テント

【課題】組み立てが容易で強度に優れ、使用後は分解してコンパクトに収容可能な組み立て式テントを提供する。
【解決手段】隣接する2本の支柱2から水平に延出する横梁部材3を連結部材4の両端で連結して組み立てるテント1であって、横梁部材3と連結部材4との連結が、横梁部材3と連結部材4のいずれか一方の部材に他方の部材を軸方向に挿入することにより形成されることを特徴とする組み立て式テント1であり、更に、横梁部材3と連結部材4との連結は、横梁部材3と連結部材4のいずれか一方の部材の周側壁にピン挿通孔を設け、ロックピンを外周側壁からピン挿通孔を貫通し内周側壁から突出するように付勢するロック機構を外周側壁に配置し、他方の部材の外周側壁にピン係合凹部を配置してなり、一方の部材に他方の部材を挿入すると、付勢されたロックピンがピン係合凹部に係合して横梁部材と連結部材との連結がロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立てが容易で強度に優れ、使用後は分解してコンパクトに収容可能な組み立て式テントに関する。
【背景技術】
【0002】
隣接する2本の支柱間を伸縮可能なトラスフレームで連結し、支柱を左右に押し開くと横梁構造体が展開してテントを容易に設置することが可能な折り畳み式テントが知られている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、トラスフレームは棒状のフレームを連結ピンで回動自在に軸着したX字状のフレームを連結して構成したものであり、これを横梁構造体とした折り畳み式テントは横方向からの応力に対する剛性が必ずしも十分ではなかった。
【0004】
一方、従来の組み立て式テントには、隣接する2本テントの支柱から水平に延出する横梁部材を連結部材の両端で同軸上に連結して組み立てるものがある(特許文献2)。そして、このようなテントでは図13に示すように連結部材(4)の両端に設けられたソケット(18)に横梁部材(3)の先端を挿入し、横梁部材と連結部材を連結することにより、比較的容易に組み立てることができ、横方向からの応力に対する剛性をある程度向上させることができるものである。
【0005】
しかしながら、ソケットに挿入される横梁部材の長さは短いため横梁部材はソケットから外れやすく、また横梁部材と連結部材との連結は、がたつきや撓みが発生しやいものであった。そして、横梁部材や連結部材が長くなると、がたつきや撓みの発生が顕著となるため、対策として連結部材(4)に支柱(2)を取り付け、支柱で連結部材を支える手段を採ることが一般的ではあるが、このような支柱を連結部材に設けるとすれば、テントの組み立てが複雑になるばかりか、使用後に分解し折り畳んだ際に収容する容積が大きくなり、重量も増加するため持ち運びが困難となる。
【0006】
したがって、組み立てが容易で強度に優れ、使用後は分解してコンパクトに収容可能な横梁部材と連結部材との連結構造を有する組み立て式テントの開発が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−257080号公報
【特許文献2】特開2001−303800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、組み立てが容易で強度に優れ、使用後は分解してコンパクトに収容可能な組み立て式テントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明者が検討を行った結果、隣接する2本の支柱から水平に延出する横梁部材を連結部材の両端で、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に他方の部材を軸方向に挿入して連結することにより、組み立てが容易で横方向からの力に対して強度の高いテントを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、隣接する2本の支柱から水平に延出する横梁部材を連結部材の両端で連結して組み立てるテントであって、横梁部材と連結部材との連結が、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に他方の部材を軸方向に挿入することにより形成されることを特徴とする組み立て式テントである。
【0011】
さらに本発明は、横梁部材と連結部材との連結が、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材の周側壁にピン挿通孔を設け、ロックピンを外周側壁からピン挿通孔を貫通し内周側壁から突出するように付勢するロック機構を外周側壁に配置し、他方の部材の外周側壁にピン係合凹部を配置してなり、一方の部材に他方の部材を挿入すると、付勢されたロックピンがピン係合凹部に係合して横梁部材と連結部材との連結がロックすることを特徴とする組み立て式テントである。
【0012】
さらに本発明は、ロック機構は、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材の外周側壁に取り付け可能な基台に支持軸を設け、該支持軸にロックピンを固定した揺動アームを回動可能に軸支し、ロックピンを付勢するための付勢部材を揺動部材に配置してなり、ロック機構を取り付けた一方の部材に他方の部材を挿入すると、付勢されたロックピンがピン係合凹部に係合して横梁部材と連結部材との連結がロックし、付勢部材による付勢力に抗して反付勢方向に揺動アームを回動すると、ロックピンがピン係合凹部から離脱してロックを解除することを特徴とする組み立て式テントである。
【0013】
さらに本発明は、横梁部材と連結部材がともに円筒形状で、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に挿入する他方の部材のピン係合凹部が外周側壁の円周に配置したピン係合溝であることを特徴とする組み立て式テントである。
【0014】
さらに本発明は、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に挿入する他方の部材が、パイプの先端にピン係合凹部を設けたピン係合部材を接合して形成されることを特徴とする組み立て式テントである。
【0015】
さらに本発明は、ピン係合部材は合成樹脂を一体成型することにより形成されることを特徴とする組み立て式テントである。
【0016】
さらに本発明は、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材の先端に他方の部材の挿入を誘導するためのテーパを有する挿入誘導部材を設置することを特徴とする組み立て式テントである。
【0017】
さらに本発明は、2本の支柱から回動展開した横梁部材を連結部材の両端で連結し、屋根構造体の下端を支柱に連結して組み立てることを特徴とする組み立て式テントである。
【発明の効果】
【0018】
横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に他方の部材を軸方向に挿入することで、横梁部材と連結部材とをがたつきや撓みを生ずることなく確実に連結することができる。したがって連結部分のがたつき等を解消するための支柱等の補助部材を連結部材に取り付ける必要がなく、軽量で収容性に優れる組み立て式テントを提供することができる。
【0019】
横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に他方の部材を軸方向に挿入することで、ロック機構が作動し連結をロックするため、テントの安全性が高く、さらにテントの組み立て作業を容易に行うことができる。
【0020】
横梁部材と連結部材を円筒形状とし、挿入する部材の外周側壁円周にロックピンと係合するためのピン係合溝を設けることにより、方向性を配慮することなく部材を挿入するだけで連結をロックすることが可能となる。これにより、部材の方向をあわせながら挿入する作業が不要となり、野外でのテントの組み立て作業を容易にすることができる。
【0021】
テントは連結部材、横梁部材を備えた支柱、及び屋根構造部材の3種のパーツに分割してコンパクトに収容することができ、組み立てる際には、支柱から回動して展開した横梁部材を連結部材の両端に連結し、展開した屋根構造体の下端を支柱に連結することにより、テントの骨組みを容易に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】組み立て式テントの骨組みの全体図
【図2】支柱と横梁部材との連結構造を示す図
【図3】固定ブラケットの構造を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)左側面図、(d)底面図、(e)右側面図)
【図4】スライドブラケットの構造を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)左側面図、(d)底面図、(e)右側面図)
【図5】補助部材連結ブラケットの構造を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)左側面図、(d)底面図)
【図6】横梁部材と連結部材との連結構造を示す図
【図7】ロック機構の構造を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)左側面図、(d)A−A線断面図)
【図8】ピン係合部材の構造を示す図((a)ピン係合部材の正面図、(b)ピン係合部材とパイプを接合した状態図、(c)接合した状態の断面図)
【図9】テントの骨組みを分解した状態図((a)連結部材、(b)横梁部材を備えた支柱、(c)屋根構造体)
【図10】トップジョイントの構造を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)底面図、(d)A−A線断面図)
【図11】ポールジョイントの構造を示す図((a)正面一部断面図、(b)平面図、(c)左側面図、(d)底面図)
【図12】組み立てテントの全体図((a)底面図、(b)正面図)
【図13】従来の組み立て式テント
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る組み立て式テントについて、図を参照して以下に説明する。
【0024】
組み立て式テントは、図1に示すように、隣接する2本の支柱(2)から水平に延出する横梁部材(3)を連結部材(4)の両端で連結し、トップジョイント(12)に連結する複数のポール(13a)を展開し、それぞれのポール(13a)に延長ポール(13b)をポールジョイント(15)で連結して形成した屋根構造体(14)の下端部(連結部(14a))を支柱(2)の上端の固定ブラケット(5)に接合し支柱(2)と連結して骨組みを形成する。
【0025】
横梁部材(3)は、図2に示すように、支柱(2)の上端に固定した固定ブラケット(5)に横梁部材(3)を回動可能に取り付け、支柱の途中にスライド自在に挿着されるスライドブラケット(6)で支柱と補助部材(7)の基端とを相互に連結する。また、補助部材(7)の先端は、補助部材連結ブラケット(8)により横梁部材(8)の途中に回動自在に連結される。そして、スライドブラケット(6)を支柱に沿って上方にスライドすると、補助部材(7)が横梁部材(3)を押し上げ、横梁部材(3)が回動して水平に展開される。
【0026】
固定ブラケット(5)は、図3に示すように、支柱差込孔(5a)を有しており、これに支柱の上方先端が差し込まれ、支柱(2)の上端に固着される。また、固定ブラケット(5)は横梁部材軸支孔(5b)を有しており、対向する2つの横梁部材軸支孔(5b)に金属ピンを通し、かかる金属ピンで横梁部材(3)を回動可能に軸支している(図2)。さらに、固定ブラケット(5)の天面には屋根構造体連結孔(5c)が設けられており、屋根構造体(14)を構成する延長ポール(13)の下端部(連結部(14a))が差し込まれ、屋根構造体(14)が支柱(2)に固定される。尚、図2は固定ブラケットが、支柱の上端に固着する状態を示すが、これに限られず、支柱の上部に固定して配置されているものであればよく、例えば支柱の上端が若干固定ブラケットの上方に延び出した状態で固定してもよい。
【0027】
スライドブラケット(6)は、図4に示すように、支柱(2)を通すための支柱挿通孔(6a)を有し、該挿通孔に挿入された支柱(2)に沿って上下にスライドすることができる(図2)。また、スライドブラケット(6)の側面には、補助部材軸支孔(6b)が設置され、対向する2つの補助部材軸支孔(6b)に金属ピンを通し、かかる金属ピンで補助部材(7)の基端を回動可能に軸支している(図2)。尚、ロックボタン(6c)は、横料部材(3)が水平となる位置でスライドブラケット(6)を支柱(2)に固定するためのものである。
【0028】
補助部材連結ブラケット(8)は、図5に示すように、横梁部材(3)を通すための横梁部材挿通孔(8a)を有し、該挿通孔に横梁部材(3)を挿入する。補助部材連結ブラケット(8)の側面には横梁部材固定孔(8c)が設けられ、これに螺旋を螺入することにより、螺旋の先端を横梁部材(3)に圧接し、補助部材連結ブラケット(8)と横梁部材(3)とを接合する。
【0029】
また、補助部材連結ブラケット(8)は補助部材軸支孔(8b)を有しており、対向する2つの補助部材軸支孔(8b)に金属ピンを通し、かかる金属ピンで補助部材(7)の先端を回動可能に軸支する(図2)。
【0030】
横梁部材(3)と連結部材(4)の連結は、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に他方の部材を軸方向に挿入することにより形成される。このような連結によれば部材を挿入する距離Lを長くすることができ(図6)、横梁部材と連結部材とは、がたつきや撓みが生じることなく強固に連結することができる。また、テントの組み立てが容易であるとともに、連結部材には支柱等の支えが必要ないことから、使用後の収容容積を小さくすることができ、携帯性にも優れるものとなる。
【0031】
横梁部材と連結部材との連結は、連結部材に横梁部材を挿入しても、逆に横梁部材に連結部材を挿入してもよいが、以下では、参照する図にしたがい連結部材に横梁部材を挿入して連結する場合を例として説明する。
【0032】
図6は、連結部材(4)に横梁部材(3)を軸方向に挿入して連結する状態を示すものである。連結部材(4)の周側壁にはロックピン(9d)を貫通するためのピン挿通孔(4a)を設け、ロックピン(9d)を外周側壁(4b)からピン挿通孔(4a)を貫通し内周側壁(4c)から突出するように付勢するロック機構(9)を外周側壁(4b)に設置する。一方、横梁部材(3)の先端には、ロックピン(9d)と係合するための係合凹部(10)を設けたピン係合部材(11)を設置している(図8)。
【0033】
連結部材(4)に横梁部材(3)を挿入すると、ピン係合部材(10)の先端のテーパ部(11a)でロックピン(9d)を押し上げながら連結部材内に進入し、ピン係合凹部(10)がロックピン(9d)の位置にまで進行すると付勢されたロックピン(9d)がピン係合凹部(10)に嵌入し、ロックピン(9d)とピン係合凹部(10)とが係合して連結部材(4)と横梁部材(3)との連結がロックする。
【0034】
連結部材(4)は、その内部に横梁部材(3)を挿入するための中空部を有するものであれば特に形状等を限定すべきものではないが、例えば、丸パイプや角パイプを使用することができる。一方、挿入する横梁部材(3)は、中空部を必要としないため、連結部材に挿入可能であり、挿入したときにあまりがたつきを生じない太さと形状の棒状材料であれば特に限定されるものではないが、携帯性を鑑み重量を軽くするために、例えば丸パイプや角パイプを使用することが好ましい。
【0035】
また連結部材(4)の先端には、横梁部材(3)を挿入しやすいように内側面にテーパ(16)を設けた挿入誘導部材(16)を設けることができる(図6)。
【0036】
連結部材に挿入する横梁部材の長さLは、テントの大きさや、連結部材と横梁部材に使用する棒状部材の形状、材質等により適宜選定すべきであるが、10〜50cmであることが好ましい(図6)。10cmより短いと連結部分が撓みやすく、テントの強度を十分に期待することができず、一方、50cmより長いとテントの強度に問題はないが、必要以上に連結部材と横梁部材が長くなり、使用後に分解した際、収容する容積が大きくなると共に、重量も増加し持ち運びが困難となる。
【0037】
図6では、横梁部材(3)の先端に、ロックピン(9d)と係合するためのピン係合凹部(10)を設けたピン係合部材(11)を設置した例を示すが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、ピン係合部材(11)を使用せず、横梁部材(3)の外周側壁(3a)にロックピンに係合するための凹部を設け、これをピン係合凹部としてもよい。
【0038】
ロック機構(9)は、図7に示すように、連結部材(4)の外周側壁(4b)に取り付け可能な基台(9a)に支持軸(9c)を設け、該支持軸にロックピン(9d)を固定した揺動アーム(9b)を回動可能に軸支し、揺動アーム(9b)にロックピン(9d)を付勢するためのスプリング(9e)を配置してなり、ロック機構(9)を取り付けた連結部材(4)に横梁部材(3)を挿入すると、付勢されたロックピン(9d)がピン係合凹部(10)に係合して横梁部材(3)と連結部材(4)との連結がロックする。また、スプリング(9e)による付勢力に抗して反付勢方向に揺動アーム(9b)を回動すると、ロックピン(9d)がピン係合凹部(10)から離脱しロックを解除することができる。ロック機構(9)は連結部材(4)の外周側壁(4b)に設置され、固定ボルト(9f)により固定される。
【0039】
図8に横梁部材(3)の先端に配置するロックピンと係合するためのピン係合部材(11)を示す。ピン係合部材(11)は、図に示すようにテーパ部(11a)、平坦部(11b)及びピン係合凹部(10)を有しており、横梁部材(3)が連結部材(4)に挿入する際にテーパ部(11a)でロックピンを(9d)を押し上げながら進入する。そして、ピン係合凹部(10)がロックピン(9d)の位置にまで進入すると付勢されたロックピン(9d)が凹部(10)に嵌入し、ロックピン(9d)とピン係合凹部(10)とが係合する。平坦部(11)は必ずしも必要ではないが、平坦部をなくしテーパ部からすぐにピン係合凹部とすると、テーパ部の後端が鋭角となり、繰り返しの使用や他の部材との接触により摩耗や変形が生じやすい。平坦部は外側面における鋭角部分をなくし、これらの弊害を防止するものである。
【0040】
また連結部材(3)と横梁部材(4)を丸パイプのような円筒形状とし、横梁部材(4)の外周側壁(4b)の円周にロックピン(9b)と係合するためのピン係合溝(10)を設けてもよい。図8は、外周にピン係合溝を有するピン係合部材(11)を丸パイプの先端に取り付けることにより横梁部材を形成した例を示す。ピン係合部材は、丸パイプの外径とほぼ同径の外径を有し、外周側壁の円周にピン係合溝(10)を設けている。連結部材(3)と横梁部材(4)をこのような形状にすることにより、方向性を配慮することなく連結部材に横梁部材を挿入し、連結をロックすることが可能となる。これにより、図2に示すような支柱が連結した状態で横梁部材を撚りつつ、方向をあわせながら連結部材に挿入する作業が不要となり、野外でのテントの組み立て作業を容易にすることができる。
【0041】
ピン係合部材(11)は、特に限定されるものではないが、合成樹脂により一体成形されるものであることが好ましい。合成樹脂製とすることにより弾力性を有し、嵌入部(11c)をパイプの先端に嵌入して固定しやすくなり、一体成形されることにより強度に優れるとともに生産性が向上するためである。また、パイプへ嵌入した後、ピン係合部材(11)の先端から固定ボルト(11d)を螺入することにより嵌入部(11c)の外径を拡大してパイプ内周側面に密着させ、パイプとの接合を確実にすることができる。
【0042】
図9は、テントを組み立てる前あるいは使用後に分割した3種類のパーツを示すものである。支柱を4本有する正方形状のテントであれば、(a)連結部材(4)を4本、(b)横梁部材(3)を備えた支柱(2)を4本、(c)屋根構造体(14)を1本使用することにより組み立てることができる。
【0043】
屋根構造体(14)は、トップジョイント(12)を介して相互に連結した4本のポール(13a)を展開し、各ポール(13a)の下端に延長ポール(13b)の先端を連結して組み立てる。トップジョイント(12)は8つのポール軸支孔(12a)を有しており(図10)、対向する2つのポール軸支孔(12a)に金属ピンを通し、かかる金属ピンでポール(13a)を回動自在に軸支し、4本のポール(13a)を連結している。また、ポール(13a)の下端には延長ポール(13b)を連結するためのポールジョイント(15)が接合されている。ポールジョイント(15)には、挿入孔(15a)が設けられており、これに延長ポール(13b)の先端の差込部(13c)を挿入し、ポール(13a)と延長ポール(13b)とを連結する。尚、連結コード(13d)はゴム等の弾性材料によるひも状部材であり、その一端を延長ポール(13b)のパイプ内側面に接合し、他端をポールジョイント(15)の内側面に接合することにより、延長ポールの紛失を防止するものであり、組み立てた際には、弾性収縮し延長ポール(13b)のパイプ内部に収容される。
【0044】
テントの組み立て方法は、まず支柱(2)のスライドブラケット(6)を支柱に沿って上方にスライドし、スライドブラケットに連結している補助部材(7)で横梁部材(3)を押し上げ、横梁部材(3)を水平に展開する。そして横梁部材(3)の先端を連結部材(4)に挿入し、横梁部材と連結部材とを連結してテント側面の骨組みを構築する。ここで連結部材(3)と横梁部材(4)を丸パイプとし、連結部材(3)にロック機構(9)を取り付け、横梁部材(4)の先端にピン係合部材(11)を取り付け、外周側壁の円周にピン係合溝(10)を設けることにより、横梁部材(4)は方向性にかかわらず連結部材(3)に挿入するだけでロックすることが可能となり、テントの横梁部を迅速に組み立てることができる。つぎに組み立てた屋根構造体(14)の連結部(14a)(延長ポール(13b)の下端部に相当)を固定ブラケット(5)の屋根構造体連結孔(5c)に嵌入してテントの骨組みを完成する(図1)。支柱(2)は、パイプの内部に延長するための内パイプを収容しており(延長機構部(2a))、各内パイプの先端にある延長ジョイント部(2b)を持って引き出すことにより支柱(2)を延長することができる。テントの骨組みに天幕(17)を取り付けた後、支柱(2)を延長してテントを完成する(図12)。
【符号の説明】
【0045】
1 組み立て式テント
2 支柱
3 横梁部材
3a 外周側壁
4 連結部材
4a ピン挿通孔
4b 外周側壁
4c 内周側壁
5 固定ブラケット
5a 支柱差込孔
5b 横梁部材軸支孔
5c 屋根構造体連結孔
6 スライドブラケット
6a 支柱挿通孔
6b 補助部材軸支孔
6c ロックボタン
7 補助部材
8 補助部材連結ブラケット
8a 横梁部材挿通孔
8b 補助部材軸支孔
8c 横梁部材固定孔
9 ロック機構
9a 基台
9b 揺動アーム
9c 支持軸
9d ロックピン
9e スプリング(付勢部材)
9f 固定ボルト
10 ピン係合凹部(ピン係合溝)
11 ピン係合部材
11a テーパ部
11b 平坦部
11c 嵌入部
11d 固定ボルト
12 トップジョイント
12a ポール軸支孔
13 ポール
13a ポール
13b 延長ポール
13c 差込部
13d 連結コード
14 屋根構造体
14a 連結部
15ポールジョイント
15a 挿入孔
16 挿入誘導部材
16a テーパ
17 天幕
18 ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する2本の支柱から水平に延出する横梁部材を連結部材の両端で連結して組み立てるテントであって、横梁部材と連結部材との連結が、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に他方の部材を軸方向に挿入することにより形成されることを特徴とする組み立て式テント。
【請求項2】
横梁部材と連結部材との連結は、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材の周側壁にピン挿通孔を設け、ロックピンを外周側壁からピン挿通孔を貫通し内周側壁から突出するように付勢するロック機構を外周側壁に配置し、他方の部材の外周側壁にピン係合凹部を配置してなり、一方の部材に他方の部材を挿入すると、付勢されたロックピンがピン係合凹部に係合して横梁部材と連結部材との連結がロックすることを特徴とする請求項1記載の組み立て式テント。
【請求項3】
ロック機構は、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材の外周側壁に取り付け可能な基台に支持軸を設け、該支持軸にロックピンを固定した揺動アームを回動可能に軸支し、ロックピンを付勢するための付勢部材を揺動部材に配置してなり、ロック機構を取り付けた一方の部材に他方の部材を挿入すると、付勢されたロックピンがピン係合凹部に係合して横梁部材と連結部材との連結がロックし、付勢部材による付勢力に抗して反付勢方向に揺動アームを回動すると、ロックピンがピン係合凹部から離脱してロックを解除することを特徴とする請求項2記載の組み立て式テント。
【請求項4】
横梁部材と連結部材がともに円筒形状で、横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に挿入する他方の部材のピン係合凹部が外周側壁の円周に配置したピン係合溝であることを特徴とする請求項2又は3記載の組み立て式テント。
【請求項5】
横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材に挿入する他方の部材が、パイプの先端にピン係合凹部を設けたピン係合部材を接合して形成されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の組み立て式テント。
【請求項6】
ピン係合部材は合成樹脂を一体成型することにより形成されることを特徴とする請求項5記載の組み立て式テント。
【請求項7】
横梁部材と連結部材のいずれか一方の部材の先端に他方の部材の挿入を誘導するためのテーパを有する挿入誘導部材を設置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の組み立て式テント。
【請求項8】
2本の支柱から回動展開した横梁部材を連結部材の両端で連結し、屋根構造体の下端を支柱に連結して組み立てることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の組み立て式テント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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