説明

組み立て架台及び脚柱付き組み立て架台

【課題】空間的形態を自由に変更できる架台と、その構成手段たる架台ユニットと、架台が脚柱構造体と一体化された脚柱付き架台とを提供する。
【解決手段】軸方向に一定の奥行き幅を持つ多角形の筒状構造を備え、当該多角形の各辺を構成する平板部には連結用の孔を備えた架台ユニット。この架台ユニットを任意の方向に連結して構成した組み立て架台。この組み立て架台の片側面又は両側面に沿って脚柱構造体を構成した脚柱付き組み立て架台。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架台ユニット、組み立て架台及び脚柱付き組み立て架台に関する。更に詳しくは、本発明は、自由な構成形態で組み立てることができ、しかも任意の物品を載置、収容、あるいは係止するための構造部材を追加的に付設できる架台ユニットと、このような架台ユニットを用いて、実験台上その他の任意の場所でのスペース設計に合致した最適の空間形態に組み立てた組み立て架台と、多様な機能及び用途を持つ脚柱構造体を前記組み立て架台に対して一体的に構成した脚柱付き組み立て架台とに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、各種の技術分野に関わる研究室や実験室の実験台上には、多様な実験器具、実験装置、測定装置、試薬容器、水まわり設備、電気配線の設備及び器具等を、それらのロケーションの安全性や利用上の便宜を考慮した最適の空間位置に設備しておくことが要求される。
【0003】
そのため、従来から、実験台上等に設置する架台、棚、ラック装置等が種々に提供されている。図1に、既存の典型的な実験台上架台の例を写真により示す。
【0004】
下記の特許文献1は、前後左右の支柱間に高さ位置を変更可能に天板及び棚板を取り付け、棚板上の空間の前面を閉塞してキャビネット状の収納スペースを構成した収納棚、及びそれを備える実験台を開示している。
【0005】
下記の特許文献2は、実験台上の棚部材の上面に載置された実験用機器類をベルトで拘束でき、かつ、地震等の際に液体クロマトグラフ分析装置等からオーバーフローした液体から他の実験機器類を保護するための漏洩液体処理装置を備えた、実験用機器類載置棚装置を開示している。
【0006】
下記の特許文献3は、実験台やそれに類似する作業台、陳列台などの脚フレームとして利用でき、それぞれ所定の構成を供えた脚部材、横部材、側面板を簡易かつ強固に連結してフレーム構成することが可能な、実験台などのフレーム装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−237411号公報
【特許文献2】特開2001−79425号公報
【特許文献3】特開平8−238131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の特許文献1〜特許文献3に開示された収納棚、実験用機器類載置棚装置あるいはフレーム装置では、予め全体の空間的形態やサイズが決まっており、あるいは、少なくとも脚部材やフレーム等によって全体の空間的形態が規定されている。更に、棚装置に形成される内部スペースの構成も予め規定されている。
【0009】
ところが、実際の研究室や実験室においては、部屋の広さや、固定構造物の配置等に基づき、それぞれ固有のスペースレイアウト上の事情がある。そのため、予め全体の空間的形態やサイズが一律に決まった棚やラックは利用し難い。又、研究室等の研究目的がどのような技術分野に関わるかによって、使用する実験器具、実験装置、測定装置等の種類、寸法、空間配置上の要求等が全く異なるため、ラックスペースの構成が予め規定されている棚やラックは利用し難い。
【0010】
更に、研究室や実験室の現場においては、パイプ材又は棒材を縦横に組み付けてなる脚柱構造体を設置しておけば、これに多様な機能及び用途を持たせることができるため便利である。しかも脚柱構造体が棚装置と一体的に構成されていれば極めて便利である。しかし、上記特許文献1〜特許文献3に開示されたものも含めて、従来の収納棚等では、このような脚柱付きの棚装置は提案されていない。
【0011】
そこで本発明は、設備場所におけるスペースレイアウト上の制約事情に対応して全体の空間的形態を自由に変更できる架台とその構成手段を提供し、その架台における内部ラックスペースの構成を自由に変更・追加できる手段を提供し、更にこのような架台が脚柱構造体と一体的に構成された脚柱付き架台を提供することを、解決すべき技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、軸方向に一定の奥行き幅を持つ多角形の筒状構造を備えると共に、当該多角形の各辺を構成する平板部の内、少なくとも一部の辺を構成する平板部が他の架台ユニットと組付け又は連結可能に構成されている、架台ユニットである。
【0013】
この第1発明において、「平板部が他の架台ユニットと連結可能に構成されている」とは、上記の平板部自体が適宜な連結手段を備え、あるいは平板部同士が既存の適宜な連結具を用いて連結できることをいう。上記の連結手段の内容は限定されないが、例えば、リベットやピン等で連結するための透孔や、ネジで連結するためのネジ孔等を平板部に設けることが例示される。平板部同士の接合面の各一方に、互いに嵌合できる凹溝と凸状の各一方を、対応する部位及び方向において形成することも例示できる。上記した「既存の適宜な連結具」とは、例えば隣接する平板部同士を連結状態に結び付けるクランプ、留め具、紐状の部材、接着材等をいう。次に、「平板部が他の架台ユニットと組付け可能に構成されている」とは、架台ユニット同士が上下方向や左右方向に隣接して安定的に配列可能であることをいう。このような意味で組付け可能な架台ユニットは、特に相互連結されていなくても、後述の組み立て架台を構成できる。
【0014】
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る架台ユニットの多角形が、正方形又は任意の縦横比を有する方形である、架台ユニットである。
【0015】
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る架台ユニットのサイズが以下の(4)及び/又は(5)である、架台ユニットである。
(4)奥行き幅が10cm〜50cmの範囲内である。
(5)多角形の各辺を構成する平板部の長さが20cm〜50cmの範囲内である。
【0016】
(第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る多角形の架台ユニットにおける各角部を円弧状に曲げて形成している、架台ユニットである。
【0017】
(第5発明)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記第1発明〜第4発明のいずれかに係る筒状構造の架台ユニットの内周部あるいは開口部には、任意の物品を載置し、収容し、あるいは係止するための構造部材が付設されている、架台ユニットである。
【0018】
(第6発明)
上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、第1発明〜第5発明のいずれかに係る架台ユニットを、左右方向及び/又は上下方向に、あるいは更に奥行き方向に複数組付け又は連結することにより構成されたものである、組み立て架台である。
【0019】
(第7発明)
上記課題を解決するための本願第7発明の構成は、前記第6発明に係る組み立て架台が実験台上に構成されるものである、組み立て架台である。
【0020】
(第8発明)
上記課題を解決するための本願第8発明の構成は、第6発明又は第7発明に係る組み立て架台における奥行き方向の片側面又は両側面に沿って、パイプ材又は棒材を縦横に組み付けてなる脚柱構造体を構成した、脚柱付き組み立て架台である。
【0021】
(第9発明)
上記課題を解決するための本願第9発明の構成は、前記第8発明に係る脚柱付き組み立て架台における架台ユニットの全部又は一部が第4発明に係る架台ユニットである場合において、脚柱構造体のパイプ材又は棒材であって組み立て架台の奥行き方向へ設けるものを、前記架台ユニットの円弧状の角部間の隙間に挿通している、脚柱付き組み立て架台である。
【発明の効果】
【0022】
第1発明〜第5発明の架台ユニットの複数もしくは多数を、相互に組付け又は連結することにより組み立てれば、実験室や研究室あるいはその他の任意の設置場所において、それぞれのスペースレイアウト上の事情に対応した空間的形態の組み立て架台を自由に構成することができる。なお、架台ユニットを左右方向及び/又は上下方向に組付け又は連結できる他、架台ユニットをその奥行き方向に組付け又は連結することも、容易である。架台ユニットをその奥行き方向に連結する場合、例えば、架台ユニットの平板部に連結用の孔を設けたもとで、適宜な結合用の治具(例えば結合用ステー等)とピンやボルト等の締結具を利用すれば、このような連結も容易である。
【0023】
又、必要に応じて第5発明の架台ユニットを利用することにより、その組み立て架台における架台ユニット内部のラックスペースの構成を、任意の物品を載置し、収容し、あるいは係止することができるように、自由に変更・追加できる。
【0024】
第6発明及び第7発明によって、それぞれの実験室や研究室等に固有のスペースレイアウト事情に最適に対応した、左右方向/上下方向/奥行き方向に自由な組み立て形態及びサイズを持つ組み立て架台(棚装置、ラック装置)が提供される。
【0025】
第8発明及び第9発明によって、多様な機能及び用途を持つ脚柱構造体と、組み立て架台とが一体的に構成された脚柱付き架台が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】既存の実験台上架台の例を示す写真である。
【図2】架台ユニットを示す図である。
【図3】架台ユニットにおける構造部材の付設例を示す図である。
【図4】架台ユニットにおける構造部材の付設例を示す図である。
【図5】架台ユニットにおける構造部材の付設例を示す図である。
【図6】架台ユニットにおける構造部材の付設例を示す図である。
【図7】架台ユニットにおける構造部材の付設例を示す図である。
【図8】架台ユニットにおける構造部材の付設例を示す図である。
【図9】架台ユニットにおける構造部材の付設例を示す図である。
【図10】実験台上組み立て架台の構成例を示す図である。
【図11】実験台上組み立て架台の構成例を示す図である。
【図12】実施例に係る脚柱付き組み立て架台を示す写真である。
【図13】図12の要部を拡大した写真である。
【符号の説明】
【0027】
1 架台ユニット
2 連結孔
3 取り付け孔
4 支柱
5 ラック板
6 板体
7 ラックボックス
8 表蓋
9 箱体
10 支持棒
11 嵌合溝
12 棚板支持部材
13 棚板
14 台板
15 支柱
16 棚板台
17 パーティション
18 恒温槽
19 閉鎖板
20 傾斜板
21 ストッパ
22 パーティション
23 筒状断熱材
24 ストッパフランジ
25 ペルチエ素子
26 閉鎖部材
27 覗き窓
28 組み立て架台
29 機器本体
30 プリンタ
31、31a パイプ材
32 脚柱構造体
33 クランプ
34 隙間
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明(第1発明〜第9発明)を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
【0029】
〔架台ユニット〕
本発明に係る架台ユニットは、硬質の材料からなり、軸方向に一定の奥行き幅を持つ多角形の筒状構造体である。「硬質の材料」の種類は限定されず、例えば、スチールや硬質プラスチック等も使用できるが、軽量性、耐薬品性、耐熱性等を総合的に考慮すると、アルミニウム(特に、アルマイト加工等の表面処理を施したもの)が好ましい。
【0030】
架台ユニットのサイズには限定がないが、奥行き幅は例えば10cm〜50cm程度が好ましく、多角形の各辺を構成する平板部の長さ(周方向の長さ)は例えば20cm〜50cm程度が好ましい。架台ユニットの筒状構造を構成する壁部の厚さは、強度設計等に従い自由に設定すれば良い。
【0031】
架台ユニットの筒状構造における「多角形」とは、三角形でも良く、四角形(方形)や、あるいはそれ以上の、例えば六角形等であっても良い。これらの多角形は、一般的には正多角形が好ましいが、必要な場合には不規則な多角形筒状の架台ユニットを使用することもできる。特に好ましい架台ユニットは、図2に例示するような正方形筒状の架台ユニット1である(便宜上、筒状構造の壁部の厚さは無視して図示する)。これとは別に、任意の縦横比を有する方形の筒状架台ユニットを利用できる場合もある。
【0032】
多角形筒状の架台ユニットの各辺を構成する平板部には、全部又は一部の辺を構成する平板部において、前記したように他の架台ユニットと組付け又は連結可能に構成されている。図2の上部に示す架台ユニット1において、前記連結手段としての連結孔2の形成例を図示する。図2における他の架台ユニット1では連結孔2の図示を省略する。又、後述する図3以降の各図でも、連結孔2の図示を省略することがある。このような連結孔は、リベットやピン等で連結するための単なる透孔であっても良く、ネジで連結するためのネジ孔であっても良い。連結孔は主として架台ユニットの相互連結のために用いるが、室内の天井部、側壁部、支柱等に架台ユニット(後述する組み立て架台の一部を構成する架台ユニット)を連結するために用いることもできる。連結孔に代えて、前記したように架台ユニットを互いに嵌合できる凹溝と凸状の各一方を隣接する架台ユニットの接合面に形成しても良いし、このような連結手段を形成することなく、前記した既存の適宜な連結具を利用することもできる。更に、架台ユニット同士を特に連結することなく、単に組付けることもできる。
【0033】
連結孔を架台ユニットの相互連結のために用いる場合、図2に示すように、左右方向や上下方向に隣接する架台ユニット同士は、ピンやネジ等の締結具を互いの連結孔に通して、直接に連結できる。奥行き方向(筒状架台ユニットの軸方向)に隣接する架台ユニット同士は、例えば架台ユニットとの連結用の連結孔を好適な部位に備えるステー金具等を奥行き方向に差し渡して設けることにより連結できるし、筒状架台ユニットの開口部と嵌合できるフランジを表裏両面に備えたリング体や板状体を介在させて連結することもできる。
【0034】
多角形の架台ユニットにおける各角部は、直線的に屈曲した形状とすることもできるが、円弧状に曲げて形成する(いわゆる「アール」を持たせる)ことが特に好ましい。アールを持たせることの直接のメリットは、多角形筒状構造体としての架台ユニットの加工性と強度の向上であるが、後述するように、組み立てた架台ユニット間に隙間を形成できるため、そこにパイプ等を通したり、配線や配管を行ったりすることができるというメリットもある。
【0035】
〔架台ユニットに付設する構造部材〕
筒状構造の架台ユニットの内周部あるいは開口部には、図3〜図9に例示するように、任意の物品を載置し、収容し、あるいは係止するための多様な構造部材を付設することができる。
【0036】
図3はPCラックの付設例の分解斜視図である。架台ユニット1の上面部には取り付け孔3を設けている。この取り付け孔3は、図示省略の前記連結孔2とは別途に設けることができる。これらの取り付け孔3には、支柱4の上端部が適宜な方式で嵌合・固定されており、それらの支柱4の下端部によってラック板5が吊り下げ状態に支持されている。架台ユニット1の奥側の開口部は、板体6を嵌め込むことにより、閉鎖される。以上の構成により、架台ユニット1の内部にPCラックが構成される。
【0037】
図4は消耗品ラックの付設例の分解斜視図である。架台ユニット1の内部にはラックボックス7が設けられる。このラックボックス7は、架台ユニット1の表側の開口部に位置する表蓋8の裏面に、上端が開口した仕切り付きの箱体9を形成したものである。箱体9の下方の所定部からは、架台ユニット1の両側の側壁部に向かって支持棒10が突出しており、この支持棒10が架台ユニット1の両側の側壁部の孔に対して回転可能に嵌合されている。支持棒10はラックボックス7の重心を考慮した部位に設けられており、ラックボックス7が架台ユニット1の内部に収納された状態では、その重心は支持棒10の図上左側にある。ラックボックス7は、架台ユニット1の内部から手前側への回転動作により引き出すことができる。その回転動作は、箱体9の下部が架台ユニット1の底辺部に当たることにより、一定の回転範囲で停止する。そして、その停止位置では、ラックボックス7の重心は支持棒10の図上右側にある。
【0038】
図5は消耗品ケースあるいは本棚(小型書籍用)の付設例の分解斜視図である。架台ユニット1の両側の側壁部の内側面には、水平方向に複数の嵌合溝11を設けた1対の棚板支持部材12がネジ止め等により取り付けられている。そして、対向する棚板支持部材12間には、それらの嵌合溝11に端部を嵌め込むことにより、適当な段数となるように棚板13が設置されている。
【0039】
図6は本棚(大型書籍用)の付設例の分解斜視図である。架台ユニット1の内部の底壁部上には、台板14を4本の支柱15により支持してなるテーブル状の棚板台16が載置されている。棚板台16には、通常の本棚と同様に適当な数のパーティション17を立設しても良い。
【0040】
図7は恒温槽の付設例の分解斜視図である。図7に示すように架台ユニット1の内部に恒温槽18が収容され、その前後側の架台ユニット1の開口部は閉鎖板19によって密閉可能に構成される。恒温槽18自体は、公知又は周知の技術的事項に従って適宜に構成することができる。
【0041】
図8は器具ラックの付設例の分解斜視図である。図8(a)に示すように、架台ユニット1の両側の側壁部間にわたり、適当な段数となるように、複数の傾斜板20が架設されている。傾斜板20の端部を架台ユニット1の側壁部に固定する手段は、例えばネジ止め、接着等、限定されない。図8(a)の中央縦断面図である図8(b)に示すように、傾斜板20の傾斜方向側への下端部にはストッパ21が立設されており、器具ラック上の物品の滑落を防止する。又、傾斜板20上には、適宜な位置にパーティション22を立設している。
【0042】
図9は培養器の付設例の分解斜視図である。架台ユニット1の内部には、その内周部に緊密に内挿できるサイズの筒状断熱材23が取り付けられている。筒状断熱材23の手前側の開口部には、架台ユニット1の手前側の開口部よりもややサイズの大きいストッパフランジ24が形成されており、筒状断熱材23は、ストッパフランジ24が架台ユニット1の手前側の開口部に当たって停止する部位まで、架台ユニット1の内部に緊密に内挿されている。この筒状断熱材23の両側の側壁部にはペルチエ素子25が設けられている。そして、架台ユニット1の前後側の開口部は、それぞれ2層の断熱材からなる閉鎖部材26によって密閉されている。手前側の閉鎖部材26には、ガラス製等の覗き窓27が形成されている。
【0043】
〔組み立て架台〕
本発明に係る組み立て架台は、種々の構造部材を付設したものを含めて、上記いずれかの架台ユニットを複数ないしは多数、左右方向及び/又は上下方向に、あるいは更に奥行き方向に複数組付け又は連結することにより構成されたものである。これらの場合における組付け又は連結の態様については、前記した通りである。このような組み立て架台として、実験台上に構成される組み立て架台を代表的に例示することができる。
【0044】
図10に実験台上組み立て架台の構成例を示す。この場合、組み立て架台28は左右方向に4単位、上下方向に2単位の架台ユニット1を連結して構成されている。各架台ユニット1は、図中に文字で表記したように、それぞれが前記した構造部材を付設した架台ユニットである。
【0045】
図11に架台ユニット1の連結・脱着による他機器との融合の例を示す。この場合はガスクロマトグラフ装置との融合例である。この組み立て架台28において、ガスクロマトグラフ装置の機器本体29の設置部と、プリンタ30の設置部には架台ユニット1が連結されていない。即ち、架台ユニット1の存在が却って障害になる部位では架台ユニット1を選択的に取り外すことができる。図示された各架台ユニット1は、図中に文字で表記したようにそれぞれが所定の機能を付与され、その結果、全体として組み立て架台28がガスクロマトグラフ装置と融合した状態となっている。
【0046】
〔脚柱付き組み立て架台〕
本発明に係る脚柱付き組み立て架台は、上記した組み立て架台における奥行き方向の片側面又は両側面に沿って、パイプ材又は棒材を縦横に組み付けてなる脚柱構造体を構成したものである。
【0047】
脚柱付き組み立て架台における架台ユニットの全部又は一部が前記した第4発明のような架台ユニットである場合においては、脚柱構造体のパイプ材又は棒材であって組み立て架台の奥行き方向へ設けるものを、前記架台ユニットの円弧状の角部間の隙間に挿通することができる。この隙間を利用して、電気配線や各種流体用の配管等も行うことができる。
【実施例】
【0048】
以下に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲はこれらの実施例によって限定されない。
【0049】
図12は本実施例に係る脚柱付き組み立て架台の実施例の写真を示す。実験台あるいは研究用デスク上に、上下方向に2段、左右方向に多数の架台ユニット1を連結して、組み立て架台28が構成されている。更に、組み立て架台28における奥行き方向の両側面に沿って、パイプ材31を縦横に組み付けてなる脚柱構造体32が構成されている。図12の要部を拡大した写真である図13に示すように、パイプ材31は公知の適宜なクランプ33によって組み付けられている。
【0050】
架台ユニット1は、第4発明で前記した、角部を円弧状に曲げて形成しているタイプのものである。そして、脚柱構造体32を構成するパイプ材31のうち、組み立て架台28の奥行き方向へ設けたパイプ材31aは、架台ユニットの円弧状の角部間に形成される隙間34に挿通されて、反対側の脚柱構造体32に連結されている。
【0051】
なお、組み立て架台28を構成する各架台ユニット1には種々の実験等に用いる種々の器具や装置等の物品が載置あるいは収容され、脚柱構造体32には実験用のビーカーを懸架したり、照明器具を取り付けたりしている。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によって、空間的形態を自由に変更できる架台と、その構成手段たる架台ユニットと提供され、更にこのような架台が脚柱構造体と一体化された脚柱付き架台が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に一定の奥行き幅を持つ多角形の筒状構造を備えると共に、当該多角形の各辺を構成する平板部の内、少なくとも一部の辺を構成する平板部が他の架台ユニットと組付け又は連結可能に構成されていることを特徴とする架台ユニット。
【請求項2】
前記架台ユニットの多角形が、正方形又は任意の縦横比を有する方形であることを特徴とする請求項1に記載の架台ユニット。
【請求項3】
前記架台ユニットのサイズが以下の(1)及び/又は(2)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の架台ユニット。
(1)奥行き幅が10cm〜50cmの範囲内である。
(2)多角形の各辺を構成する平板部の長さが20cm〜50cmの範囲内である。
【請求項4】
前記多角形の架台ユニットにおける各角部を円弧状に曲げて形成していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の架台ユニット。
【請求項5】
前記筒状構造の架台ユニットの内周部あるいは開口部には、任意の物品を載置し、収容し、あるいは係止するための構造部材が付設されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の架台ユニット。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の架台ユニットを、左右方向及び/又は上下方向に、あるいは更に奥行き方向に複数組付け又は連結することにより構成されたものであることを特徴とする組み立て架台。
【請求項7】
前記組み立て架台が実験台上に構成されるものであることを特徴とする請求項6に記載の組み立て架台。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の組み立て架台における奥行き方向の片側面又は両側面に沿って、パイプ材又は棒材を縦横に組み付けてなる脚柱構造体を構成したことを特徴とする脚柱付き組み立て架台。
【請求項9】
前記脚柱付き組み立て架台における架台ユニットの全部又は一部が請求項4に記載の架台ユニットである場合において、脚柱構造体のパイプ材又は棒材であって組み立て架台の奥行き方向へ設けるものを、前記架台ユニットの円弧状の角部間の隙間に挿通していることを特徴とする請求項8に記載の脚柱付き組み立て架台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−245517(P2012−245517A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−154272(P2012−154272)
【出願日】平成24年7月10日(2012.7.10)
【分割の表示】特願2007−158869(P2007−158869)の分割
【原出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(504261077)大学共同利用機関法人自然科学研究機構 (156)
【出願人】(506268256)シグロヌエボ工業有限会社 (2)
【Fターム(参考)】