説明

組合せ計量装置

【課題】 計量手段から排出された物品を搬送手段で搬送する場合に、下流側からの要求に応じて適確かつ迅速に集合排出することができる組合せ計量装置を安価に提供する。
【解決手段】 複数の計量ホッパ14…14を水平方向に並設し、該計量ホッパ14…14の下方に、組合せ演算で選択された複数の計量ホッパ14…14から排出された物品X…Xを集合排出位置P1まで水平方向に搬送する搬送コンベア15を設ける。そして、計量ホッパ14…14の物品排出動作を制御すると共に搬送コンベア15の走行を制御する制御装置を備える。その場合、この制御装置は、複数の計量ホッパ14…14から物品X…Xを搬送コンベア15の搬送面上の所定箇所に集合して排出させるように、各計量ホッパ14からの物品排出のタイミングを制御すると共に、集合させた物品X…Xを集合排出位置P1の手前で一旦待機させるように、搬送コンベア15の走行を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を組み合わせて目標重量または目標個数に計量する組合せ計量装置に関し、物品計量の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種物品の自動計量に用いられる組合せ計量装置には、複数の計量ホッパに収容した物品の重量または個数を計量すると共にこれらの計量値に基づいて組合せ演算を行い、その組合せ重量または個数が所定範囲内で目標に最も近い重量または個数となる組合せを選択し、その選択した計量ホッパのみから物品を排出することにより、目標重量または目標個数に計量された物品を得るようにしたものがある。
【0003】
このような組合せ計量装置には、複数の計量ホッパが水平方向に並設されると共に該計量ホッパの下方に搬送コンベアが備えられた構成のものがあり、例えば特許文献1及び特許文献2に記載のものが例示される。
【0004】
まず、特許文献1に記載の組合せ計量装置は、下方の搬送コンベアの走行速度と上方の計量ホッパの配設位置とに基づいて各計量ホッパからの物品排出のタイミングをずらせるように制御して、前記搬送コンベア上の特定箇所に物品を集合させるように構成されている。これにより、搬送コンベアの一端の排出位置において、物品を集中的に下流側に排出することができる。
【0005】
一方、特許文献2に記載の組合せ計量装置は、上方の計量ホッパと下方の搬送コンベアとの間に、前記計量ホッパと同数の物品を一旦保持するタイミングホッパが介設された構成とされていると共に、前記搬送コンベアの一端に物品を袋詰めする包装機が連結されており、タイミングホッパの物品排出動作と包装機の包装動作とを調和させることができるようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開平1−250829号公報
【特許文献2】特開平5−16928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載の組合せ計量装置では、下流側に包装機を連結する場合、物品を集中的に包装機側に排出することができるものの、包装機との間に該包装機への物品供給のタイミングを調整するタイミングホッパ等の保持手段が介在しないときには、目標重量に集合された物品を包装機側からの要求に応えて適確に供給することができなく、また、適確に供給しようとすれば複雑かつ綿密な物品排出や物品搬送の制御が必要になるという問題がある。
【0008】
一方、特許文献2に記載の組合せ計量装置では、タイミングホッパが備えられていることから、下流側に連結された包装機との間で適確な物品の受け渡しが実現されるが、前記タイミングホッパは、一般に複雑な構成のため高価であり、また、例えばブロイラー肉のような物品を保持する場合には、付着した脂分を頻繁に取り除く必要があって清掃作業が面倒になるという問題がある。このようなタイミングホッパを計量ホッパと同数備えた組合せ計量装置では、前記問題がさらに顕在化する。
【0009】
そして、特許文献2に記載の組合せ計量装置では、集合排出位置から最も遠方でタイミングホッパより排出された物品が該集合排出位置に到着するのを待って包装機を動作させることになるため、例えば包装機側から物品排出指令があったのち最後の物品が集合排出位置に到着するまでの時間が長くかかり、高速化を図る上で問題となる。
【0010】
そこで、本発明は、計量手段から排出された物品を搬送手段で搬送する場合に、下流側からの要求に応じて適確かつ迅速に集合排出することができる組合せ計量装置を安価に提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0012】
まず、請求項1に記載の発明は、水平方向に並設された複数の計量手段と、該計量手段の下方にこの並設方向に沿って設けられて、組合せ演算によって選択された複数の計量手段から排出された物品を一端の集合排出位置まで水平方向に搬送する搬送手段と、前記計量手段の物品排出動作を制御すると共に前記搬送手段の走行を制御する制御手段とを有する組合せ計量装置であって、前記制御手段は、前記複数の計量手段から物品を前記搬送手段の搬送面上の所定箇所に集合して排出させるように、各計量手段からの物品排出のタイミングを制御すると共に、前記集合させた物品を前記集合排出位置の手前で一旦待機させるように、前記搬送手段の走行を制御することを特徴とする。
【0013】
そして、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記搬送手段における集合排出位置の反対側に、前記計量手段から排出された不良品を排出する不良排出位置が設けられており、前記計量手段から不良品を排出する場合、前記制御手段は、前記不良品を前記搬送手段の搬送面上に一斉に排出させるように、前記計量手段の物品排出動作を制御すると共に、前記排出された不良品を前記不良排出位置に連続して搬送するように、前記搬送手段の走行を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
まず、請求項1に記載の発明によれば、搬送手段は物品搬送、物品集合、及び物品待機の機能が与えられるので、集合排出位置に物品を一旦保持するための例えばタイミングホッパのような保持手段を備える必要がなくなる。すなわち、一般に複雑な構成であることから高価かつ清掃が面倒なタイミングホッパ等の保持手段を省略しつつ、例えば下流側に包装機が連結されている場合に、物品供給面において該包装機の動作に応じて適確に対応可能な組合せ計量装置が安価に実現される。
【0015】
さらに、集合排出位置の手前に目標重量または目標個数に計量された物品を一旦集合待機させるので、例えば包装機側から物品排出指令があったときには、搬送手段を走行させて、集合された物品を迅速に下流側の包装機に供給することができる。
【0016】
そして、請求項2に記載の発明によれば、集合排出位置の反対側に不良排出位置が設けられているので、不良品が生じたときの系外への排出措置が可能となり、汎用性のある組合せ計量装置が実現される。
【0017】
その上で、不良品が生じた場合には、搬送面上の所定箇所に集合させるのではなく、予め設定された計量手段から物品を一斉に排出させ、かつ、不良排出位置の手前で一旦待機させるように搬送するのではなく、連続して不良排出位置に搬送するため、搬送面はいち早く物品がない状態となる。したがって、例えば下流側の包装機側からの物品排出指令に対して迅速に対応することが、つまり計量手段からいち早く次回の正量品を排出することができる。なお、不良品とは、組合せ演算で組合せが成立しなかった場合に、計量ホッパから強制排出される物品等を示し、正量品とは、組合せに選択されて排出される物品を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置について説明する。
【0019】
図1に示すように、この組合せ計量装置1は、例えばブロイラー肉のような単重の一定しない物品Xを複数組み合わせて目標重量に計量した上で、下流側に連結された包装機2に供給するもので、基台1aに上流側から順に、テーブル11、複数の供給トラフ12…12、同数のプールホッパ13…13、同じく同数の計量ホッパ14…14、及び搬送コンベア15が組み付けられており、さらに、搬送コンベア15の搬送方向に沿って両側にカバー部材(手前側のみ示す)16,16が、また、搬送コンベア15の両端の集合排出位置P1と不良排出位置P2とに正量品排出シュート17と不良品排出シュート18とが備えられている。なお、図例では、各5個ずつの供給トラフ12…12、プールホッパ13…13、及び計量ホッパ14…14が上下に対応配置されており、5ヘッド構成とされている。
【0020】
テーブル11は、例えば作業者が物品Xを図示しない投入口を介して直下方の供給トラフ12に分配投入するためのものである。供給トラフ12は振動式のもので、物品Xが排出される先端がプールホッパ13に向かって下方に傾斜しており、5個横一列に等間隔で配設されている。プールホッパ13及び計量ホッパ14は前記供給トラフ12に対応して各5個横一列に等間隔で配設されており、いずれも上下に開口すると共に下部開口を開閉するゲート13a,14aを有している。計量ホッパ14は、図示しないロードセル等の重量検出器に連結されており、収容した物品Xの重量が計量される。
【0021】
搬送コンベア15は平ベルト式のもので、計量ホッパ14…14の直下方に水平方向に延びて配設されており、搬送面が矢印a,bで示すように正逆転可能に走行し、矢印aで示す正転走行時には物品Xを図例上右側の集合排出位置P1方向に、矢印bで示す逆転走行時には物品Xを左側の不良排出位置P2方向に搬送する。正量品排出シュート17及び不良品排出シュート18はいずれも上下に開口しており、特に正量品排出シュート17は下方ほど狭められる形状とされており、下部開口から排出された物品Xは、包装機2に確実に導かれる。カバー部材16は正面視略L字状の平板で、搬送コンベア15で搬送される物品Xの搬送面からの脱落を防止する。
【0022】
図2に示すように、この組合せ計量装置1は、その動作を総括的に制御する制御装置19を備えている。
【0023】
この制御装置19は、計量ホッパ14…14における重量検出器によって得られた計量信号を入力し、この計量信号に基づいて組合せ演算を行い、目標重量に一致または許容範囲内で目標重量に最も近い重量となる組合わせを選択する。
【0024】
また、制御装置19は、供給トラフ12…12の駆動やプールホッパ13…13及び計量ホッパ14…14からの物品X…Xの排出を制御する制御信号と、搬送コンベア15の走行速度や走行方向等を制御する制御信号とを出力する。その場合に特徴的なこととして、制御装置19は、組合せに選択された複数の計量ホッパ14…14から物品X…Xを搬送コンベア15の搬送面上に排出する際に、該搬送コンベア15の搬送面上の所定箇所に物品X…Xが集合するように、計量ホッパ14…14のゲート14a…14aの開閉動作を制御すると共に、搬送面上に集合した物品X…Xを集合排出位置P1に備えられた正量品排出シュート17の手前の所定位置に一旦待機させるように、搬送コンベア15の走行を制御する。
【0025】
そして、制御装置19は、包装機2からの物品排出指令信号を入力すると共に、包装機2に物品排出完了信号を出力する。
【0026】
次に、この組合せ計量装置1の作用について説明する。なお、特に制御装置19が実行する制御動作例を中心に、図3に示すフローチャートと図4及び図5に示す計量ホッパ14…14の排出動作及び搬送コンベア15の走行動作とを引用しながら説明する。
【0027】
例えば作業員がテーブル11上の物品Xを空のプールホッパ13に対応する投入口から投入すると、投入された物品Xは該当する供給トラフ12を介して前記プールホッパ13に供給される。このプールホッパ13の直下方の計量ホッパ14が空の場合、該プールホッパ13のゲート13aが開いて、物品Xは前記計量ホッパ14に収容されてその重量が計量される。そして、各計量ホッパ14に収容された物品Xが計量されると、これらの計量値に基づいて組合せ演算が行なわれる。
【0028】
すなわち、図3に示すように、ステップS1で、各計量ホッパ14による計量値に基づいて組合せ演算を実行したのち、ステップS2で、組合せが成立したか否か、つまり予め設定された目標重量に一致または許容範囲内で前記目標重量に最も近い組合せが選択されたか否かを判定する。
【0029】
前記ステップS2でYESと判定すればステップS3に進み、包装機2側からの物品排出指令を待って、ステップS4で、搬送コンベア15を正転走行させると共に、ステップS5で、組合せに選択された計量ホッパ14…14から順次物品X…Xつまり正量品を排出させる。そして、所定時間が経過するとステップS6で、搬送コンベア15の走行を停止させる。なお、前記所定時間には、計量ホッパ14…14から排出された物品X…Xが集合排出位置P1の手前の後述する集合待機位置に到着するに必要な時間等が設定される。
【0030】
次いで、ステップS7で、組合せ計量作業の終了が指示されたか否かを判定し、YESと判定すれば全ての作業を終了する一方、NOと判定すればステップS1に戻り、前述した動作を繰り返す。
【0031】
その場合、再びステップS1〜S3を経てステップS4に進むと、搬送コンベア15の搬送面上の集合待機位置には、前述したように計量ホッパ14…14から排出された物品X…Xつまり正量品が待機しているから、搬送コンベア15を正転走行させることにより、前記物品X…Xは正量品排出シュート17を介して包装機2側に排出される。
【0032】
このような計量ホッパ14…14の排出動作と搬送コンベア15の走行動作とを、図4を用いて説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて5個の計量ホッパ14…14については第1〜第5計量ホッパ14〜14と呼び、また、これら第1〜第5計量ホッパ14〜14に収容されている物品X…Xについてもそれぞれ物品X〜Xと添え字を付して、前記動作を具体的かつ明快にさせることにする。
【0033】
図4(a)に示すように、第1〜第5計量ホッパ14〜14に収容された物品X〜Xについて組合せ演算が実行されて、図例では第1、第3、及び第4計量ホッパ14,14,14が組合せに選択されている。このとき、搬送コンベア15は停止している。なお、物品X,X,Xは、今回の組合せ演算で選択されたことを示すため、網掛け表示されている。
【0034】
組合せが成立して物品排出指令があると、図4(b)に示すように、搬送コンベア15が矢印aで示す正転方向つまり集合排出位置P1方向に走行し、まず、第1計量ホッパ14のゲート14aが開いて収容された物品Xが搬送コンベア15の搬送面上に排出される。なお、組合せ計量のスタート時には、集合排出位置P1の手前の所定箇所に設けられた集合待機位置P1′に物品Xは待機していないから、搬送コンベア15の走行によって正量品排出シュート17に排出される物品Xはない。
【0035】
次いで、図4(c)に示すように、前記物品Xが第3計量ホッパ14の直下方近傍に到着すると、該第3計量ホッパ14のゲート14aが開いて収容された物品Xが前記物品Xの近傍に排出される。
【0036】
さらに、図4(d)に示すように、前記物品X,Xが第4計量ホッパ14の直下方近傍に到着すると、該第4計量ホッパ14のゲート14aが開いて収容された物品Xが前記物品X,Xの近傍に排出される。
【0037】
そして、図4(e)に示すように、今回の組合せに選択された全ての計量ホッパ14,14,14から排出されて略一塊に集合された物品X,X,Xが前記集合待機位置P1′に到着すると、搬送コンベア15の走行は停止される。
【0038】
その場合、前述した第1、第3、及び第4計量ホッパ14,14,14のゲート14a…14aが開くタイミングは、搬送コンベア15の走行速度と第1〜第5計量ホッパ14〜14の配設位置とに基づいて設定される。
【0039】
なお、図4(c)、(d)、(e)に示すように、組合せに選択されて収容した物品X,X,Xが排出された第1、第3、及び第4計量ホッパ14,14,14では、対応するプールホッパ13…13から新たな物品X,X,Xが供給される。
【0040】
そして、図4(f)に示すように、包装機2側から物品排出指令があると、搬送コンベア15が矢印a方向に正転走行し、集合待機していた物品X,X,Xは、正量品排出シュート17を介して矢印で示す包装機2方向に排出されると共に、次回の組合せ演算の結果選択された例えば第2〜第4計量ホッパ14,14,14のうち、まず第2計量ホッパ14から物品Xが搬送コンベア15の搬送面上に排出され、以降順次物品X,Xが排出されて集合することになる。なお、前記物品X,X,Xが正量品排出シュート17を介して排出されると物品排出完了信号が出力されて、包装機2は所定の包装動作を実行するようになる。
【0041】
図3に戻り、前記ステップS2でNOと判定すれば、次いでステップS8で、計量ホッパ14…14に物品X…Xを追加供給するか否かを判定し、YESと判定すればステップS9で、予め設定された計量ホッパ14…14に物品X…Xを追加供給した上で、ステップS1に戻る。その場合、例えば所定の計量ホッパ14…14に対して2回目の追加供給が実行される事態になるときには、計量ホッパ14における物品Xのオーバーフローを回避するため、YESと判定せずにNOと判定するように判定基準を設けてもよい。
【0042】
また、前記ステップS8でNOと判定すれば、ステップS10で、搬送コンベア15の搬送面上に集合待機する物品X…Xつまり正量品があるか否かを判定する。
【0043】
そして、前記ステップS10でYESと判定すれば、ステップS11に進み、包装機2側からの物品排出指令を待って、ステップS12で、搬送コンベア15を正転走行させ、所定時間が経過すると、ステップS13で、搬送コンベア15の走行を停止させたのち、前記ステップS7に進む。なお、この場合には、計量ホッパ14から物品Xは排出されず、また、前記所定時間は、集合待機位置P1′の物品X…Xが正量品排出シュート17に排出されるに必要な時間等が設定される。
【0044】
一方、前記ステップS10でNOと判定すれば、ステップS14に進み、包装機2側からの物品排出指令を待って、ステップS15で、搬送コンベア15を逆転走行させた上で、ステップS16で、予め設定された計量ホッパ14…14から物品X…Xを不良品として一斉に排出させる。そして、所定時間が経過すると、ステップS17で、搬送コンベア15の走行を停止させたのち、前記ステップS7に進む。この場合には、不良品排出シュート18に物品X…Xが排出されて、正量品排出シュート17には物品X…Xは排出されないから、物品排出完了信号は出力されず、したがって包装機2は包装動作を行なわない。なお、前記所定時間には、計量ホッパ14…14から排出された物品X…Xつまりこの場合不良品が不良品排出シュート18に排出されるに必要な時間等が設定される。
【0045】
不良品を排出する場合の計量ホッパ14…14の排出動作と搬送コンベア15の走行動作とを、図5を用いて説明する。
【0046】
図5(a)に示すように、物品X〜Xを収容した第1〜第5計量ホッパ14〜14のうち、第1及び第2計量ホッパ14,14から不良品を排出するように予め設定されている。このとき、搬送コンベア15は停止している。なお、物品X,Xは、不良品であることを示すため、網掛け表示されている。
【0047】
前述したように、追加供給しない、つまり物品X…Xを不良品として強制排出すると判定されると、図5(b)に示すように、搬送コンベア15が矢印bで示す逆転方向つまり不良排出位置P2方向に走行し、前記第1及び第2計量ホッパ14,14のゲート14a,14aが一斉に開いて収容された物品X,Xは搬送コンベア15の搬送面上に排出される。
【0048】
そして、図5(c)に示すように、排出された前記物品X,Xつまり不良品は、逆転走行する搬送コンベア15によって前記不良排出位置P2に連続して搬送されて、不良品排出シュート18を介して順次排出されて回収される。なお、物品X,Xが排出された第1及び第2計量ホッパ14,14には、対応するプールホッパ13…13から新たな物品X,Xが供給され、次回の組合せ演算には、第1〜第5計量ホッパ14〜14に収容された物品X〜Xが参加する。また、前記物品X,Xが不良品排出シュート18から排出されると、搬送コンベア15の搬送面上には物品Xはない。
【0049】
ところで、搬送コンベア15の搬送面上で略一塊に集合させた物品X…Xを一斉に正量品排出シュート17を介して排出する際に、前記略一塊に集合された物品X…Xの容積に対して正量品排出シュート17の下部開口が狭い場合には、該下部開口で前記物品X…Xが詰まるおそれがあり、下流側の包装機2を含む生産ラインの稼動に支障をきたすことがある。これに対処する方策として、計量ホッパ14…14から搬送コンベア15の搬送面上に物品X…Xを順次排出して集合する際に、前記下部開口を通過可能な容積に、しかも互いにいたずらに離間しない範囲で予め分割して集合させてもよい。
【0050】
例えば、図6に示すように、物品X…Xの合計重量wが、一斉に正量品排出シュート17の下部開口を通過するときに詰まりトラブルを発生させるおそれがある限界重量w0を超えない場合には、前記物品X…Xを搬送コンベア15の搬送面上に略一塊に集合するように、計量ホッパ14…14から排出させればよい。
【0051】
一方、図7に示すように、前記物品X…Xの合計重量wが前記限界重量w0を超える場合には、該限界重量w0を超えない合計重量w1及び合計重量w2となると共に、搬送コンベア15の搬送面上で若干離間するように塊を分割して、計量ホッパ14…14から物品X…Xを排出させればよい。なお、前記離間間隔は、集合排出時にいたずらに時間を要することのない程度の間隔が望ましく、また、分割個数は、合計重量wや正量品排出シュート17の寸法仕様等に応じて適宜設定される。
【0052】
これにより、正量品排出シュート17の下部開口が狭い場合にも、詰まりトラブルを回避しつつ目標重量に計量された物品X…Xを排出させることができ、この組合せ計量装置1は一層汎用性のあるものとなる。
【0053】
以上のように構成したことにより、本実施の形態に係る組合せ計量装置1によれば、まず、搬送コンベア15は物品搬送、物品集合、及び物品待機の機能が与えられるので、集合排出位置P1に物品X…Xを一旦保持するための例えばタイミングホッパのような保持手段を備える必要がなくなる。すなわち、一般に複雑な構成であることから高価かつ清掃が面倒なタイミングホッパ等の保持手段を省略しつつ、例えば下流側に包装機2が連結されている場合に、物品供給面において該包装機2の動作に応じて適確に対応可能な組合せ計量装置1が安価に実現される。
【0054】
さらに、集合排出位置P1の手前に目標重量または目標個数に計量された物品X…Xを一旦集合待機させるので、例えば包装機2側から物品排出指令があったときには、搬送コンベア15を正転走行させて、集合された物品X…Xを迅速に下流側の包装機2に供給することができる。
【0055】
一方、集合排出位置P1の反対側に不良排出位置P2が設けられているので、不良品が生じたときの系外への排出措置が可能となり、汎用性のある組合せ計量装置1が実現される。
【0056】
その上で、不良品が生じた場合には、搬送面上の所定箇所に集合させるのではなく、予め設定された計量ホッパ14…14から物品X…Xを一斉に排出させ、かつ、不良排出位置P2の手前で一旦待機させるように搬送するのではなく、連続して不良排出位置P2に搬送するため、搬送面はいち早く物品X…Xがない状態となる。したがって、例えば下流側の包装機2側からの物品排出指令に対して迅速に対応することが、つまり計量ホッパ14…14からいち早く次回の正量品を排出することができる。
【0057】
なお、前記実施の形態では、各物品Xの重量を計量して目標重量に組み合わせる例を示したが、もちろん本発明を目標個数に組み合わせる組合せ計量装置に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上説明したように、本発明によれば、計量手段から排出された物品を搬送手段で搬送する場合に、下流側からの要求に応じて適確かつ迅速に集合排出することができる組合せ計量装置を安価に提供することができる。すなわち、本発明は、複数の物品を組み合わせて目標重量または目標個数に計量する組合せ計量装置に関し、物品計量の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の概略正面図である。
【図2】組合せ計量装置の制御システム図である。
【図3】制御動作を示すフローチャートである。
【図4】正量品を排出する場合の計量ホッパの排出動作と搬送コンベアの走行動作とを説明するための要部抜粋図であって、(a)は組合せ演算で組合せが選択された状態、(b)は搬送コンベアが正転走行すると共に第1計量ホッパから物品が排出された状態、(c)は第3計量ホッパから物品が排出された状態、(d)は第4計量ホッパから物品が排出された状態、(e)は搬送コンベアが走行を一旦停止した状態、そして(f)は搬送コンベアが正転走行して集合排出位置で物品が排出されていると共に第2計量ホッパから物品が排出された状態を示す。
【図5】不良品を排出する場合の計量ホッパの排出動作と搬送コンベアの走行動作とを説明するための要部抜粋図であって、(a)は不良品を排出する計量ホッパが指示された状態、(b)は搬送コンベアが逆転走行すると共に各計量ホッパから物品が一斉に排出された状態、そして(c)は物品が不良排出位置で順次排出されている状態を示す。
【図6】正量品を略一塊で正量品排出シュートを介して排出する場合の要部抜粋図である。
【図7】正量品を分割して正量品排出シュートを介して排出する場合の要部抜粋図である。
【符号の説明】
【0060】
1 組合せ計量装置
14 計量ホッパ(計量手段)
15 搬送コンベア(搬送手段)
19 制御装置(制御手段)
P1 集合排出位置
P1′ 集合待機位置
P2 不良排出位置
X 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に並設された複数の計量手段と、該計量手段の下方にこの並設方向に沿って設けられて、組合せ演算によって選択された複数の計量手段から排出された物品を一端の集合排出位置まで水平方向に搬送する搬送手段と、前記計量手段の物品排出動作を制御すると共に前記搬送手段の走行を制御する制御手段とを有する組合せ計量装置であって、前記制御手段は、前記複数の計量手段から物品を前記搬送手段の搬送面上の所定箇所に集合して排出させるように、各計量手段からの物品排出のタイミングを制御すると共に、前記集合させた物品を前記集合排出位置の手前で一旦待機させるように、前記搬送手段の走行を制御することを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項2】
前記搬送手段における集合排出位置の反対側に、前記計量手段から排出された不良品を排出する不良排出位置が設けられており、前記計量手段から不良品を排出する場合、前記制御手段は、前記不良品を前記搬送手段の搬送面上に一斉に排出させるように、前記計量手段の物品排出動作を制御すると共に、前記排出された不良品を前記不良排出位置に連続して搬送するように、前記搬送手段の走行を制御することを特徴とする請求項1に記載の組合せ計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−194722(P2006−194722A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6106(P2005−6106)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)