説明

組合せ計量装置

【課題】分散テーブルから供給トラフへの物品の供給量が特定のヘッドにおいて適正量から大きくずれることを回避することが可能な、組合せ計量装置を得る。
【解決手段】組合せ計量装置は、上方から投入された物品を放射状に分散させて複数のヘッドのホッパ内に供給し、目標重量に応じて選択した一つ以上のホッパ内に貯留されている物品を集合させて排出する、組合せ計量装置であって、上方から投入された物品を分散させる分散テーブル2Aを備え、分散テーブル2Aは、その周縁から物品が排出される円板部2A2と、円板部2A2上に取り付けられる円錐部2A1とを有し、円錐部2A1は、その中心Tが円板部2A2の中心Sに対して偏心して円板部2A2上に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術に係る組合せ計量装置において、計量対象である物品は、装置本体の上方から分散テーブル上に落下投入される。分散テーブルの周囲には、複数の供給トラフが円形配列されている。分散テーブル上に投入された物品は、分散テーブルによって放射状に分散されて、複数の供給トラフに供給される。分散テーブルの振動方向を分散テーブルの円周方向とすることにより、物品は、分散テーブルの中心を回転中心として分散テーブル上を斜め下方に向かって進行しながら分散され、複数の供給トラフに供給される。
【0003】
各供給トラフの先端部下方には、プールホッパが配置されている。供給トラフによって搬送された物品は、プールホッパに供給され、プールホッパ内に貯留される。プールホッパの下方には、計量ホッパが配置されている。プールホッパから排出された物品は、計量ホッパに供給され、その重量が計量される。計量ホッパの下方には、集合シュートが配置されている。全ての計量ホッパのうち、目標重量に一致又は最も近接する計量値を実現する一つ以上の計量ホッパの組合せが選択される。そして、選択された計量ホッパから排出された物品が集合シュートによって集合されて、装置外部に排出される。
【0004】
ところで、下記特許文献1に開示されているように、一台の組合せ計量装置を用いて二種類の物品の計量が行われる場合がある。この場合、一つの分散テーブルの上面が仕切り壁によって二つのセクションに分割され、それぞれのセクションに異種の物品が投入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平4−41304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
物品の進行方向の下流に位置して仕切り壁に隣接する供給トラフに関しては、分散テーブルからの物品の供給量が過多となりやすく、一方、物品の進行方向の上流に位置して仕切り壁に隣接する供給トラフに関しては、分散テーブルからの物品の供給量が過少となりやすい。従って、これらの供給トラフに対応する計量ホッパに対して、適正量の物品を供給することが困難である。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、分散テーブルから供給トラフへの物品の供給量が特定のヘッドにおいて適正量から大きくずれることを回避することが可能な、組合せ計量装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る組合せ計量装置は、上方から投入された物品を放射状に分散させて複数のヘッドのホッパ内に供給し、目標重量に応じて選択した一つ以上のホッパ内に貯留されている物品を集合させて排出する、組合せ計量装置であって、上方から投入された物品を分散させる分散部を備え、前記分散部は、その周縁から物品が排出される円板部と、前記円板部上に取り付けられる円錐部とを有し、前記円錐部は、その中心が前記円板部の中心に対して偏心して前記円板部上に取り付けられていることを特徴とするもので
ある。
【0009】
第1の態様に係る組合せ計量装置によれば、円錐部は、その中心が円板部の中心に対して偏心して円板部上に取り付けられている。これにより、分散部には、円板部の周縁と円錐部の周縁との間隔が広い領域(以下「幅広領域」と称す)と狭い領域(以下「幅狭領域」と称す)とが生じる。従って、幅広領域を物品進行方向の上流とし、幅狭領域を下流とすることにより、円板部の周縁からの物品の排出を、上流領域においては抑制し、下流領域においては促進することができる。そのため、分散部から各ヘッドへの物品の供給量が上流領域のヘッドにおいて過多となり下流領域のヘッドにおいて過少となるという事態を回避できる。その結果、分散部から各ヘッドへの物品の供給量を均一にすることが可能となる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る組合せ計量装置は、第1の態様に係る組合せ計量装置において特に、前記分散部は、前記円板部上における前記円錐部の取り付け位置を調整するための調整手段をさらに有することを特徴とするものである。
【0011】
第2の態様に係る組合せ計量装置によれば、分散部は、円板部上における円錐部の取り付け位置を調整するための調整手段を有する。従って、分散部から各ヘッドへの物品の供給量が均一となるように、円板部上における円錐部の取り付け位置を調整手段によって適切に調整することが可能となる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る組合せ計量装置は、第1又は第2の態様に係る組合せ計量装置において特に、前記分散部上における物品進行方向の上流領域において、前記円板部の周縁部の高さは前記円板部の中央部の高さよりも高いことを特徴とするものである。
【0013】
第3の態様に係る組合せ計量装置によれば、物品進行方向の上流領域において、円板部の周縁部の高さは円板部の中央部の高さよりも高い。これにより、上流領域において、円板部の周縁からの物品の排出をさらに抑制することが可能となる。その結果、円錐部の取り付け位置の調整によっては上流領域における物品の排出抑制効果が十分でない場合であっても、分散部から各ヘッドへの物品の供給量を均一にすることが可能となる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る組合せ計量装置は、第3の態様に係る組合せ計量装置において特に、前記分散部は、前記円板部の前記周縁部の高さを調整するための調整手段をさらに有することを特徴とするものである。
【0015】
第4の態様に係る組合せ計量装置によれば、分散部は、円板部の周縁部の高さを調整するための調整手段を有する。従って、分散部から各ヘッドへの物品の供給量が均一となるように、円板部の周縁部の高さを調整手段によって適切に調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、分散テーブルから供給トラフへの物品の供給量が特定のヘッドにおいて適正量から大きくずれることを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した矢印X1の方向から組合せ計量装置を眺めた上面図である。
【図3】図1に示した矢印X2の方向から組合せ計量装置を眺めた正面図である。
【図4】図1に示した矢印X3の方向から組合せ計量装置を眺めた側面図である。
【図5】図2から一方の組合せ計量装置を抜き出して示す上面図である。
【図6】一つのヘッドの構成を模式的に示す側面図である。
【図7】物品排出口とヘッドとの位置関係を説明するための図である。
【図8】物品排出口とプールホッパとの位置関係を説明するための図である。
【図9】分散テーブルの具体的な構成を示す斜視図である。
【図10】図9に示した矢印Z1の方向から分散テーブルを眺めた上面図である。
【図11】図9に示した矢印Z2の方向から分散テーブルを眺めた側面図である。
【図12】図9に示した矢印Z3の方向から分散テーブルを眺めた背面図である。
【図13】分散テーブル上の物品の流れを示す図である。
【図14】図13の一部を拡大して示す図である。
【図15】円錐部の上面を透視して分散テーブルの構造を示す上面図である。
【図16】円錐部の上面を透視して分散テーブルの構造を示す上面図である。
【図17】円錐部の上面を透視して分散テーブルの構造を示す上面図である。
【図18】円錐部及び円板部の断面構造を示す断面図である。
【図19】リングシャッタの構造を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置1の全体構成を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した矢印X1の方向から組合せ計量装置1を眺めた上面図であり、図3は、図1に示した矢印X2の方向から組合せ計量装置1を眺めた正面図であり、図4は、図1に示した矢印X3の方向から組合せ計量装置1を眺めた側面図である。
【0020】
図1〜4に示すように、組合せ計量装置1は、互いに連結された組合せ計量装置1Aと組合せ計量装置1Bとを備えて構成されている。図1,2に示すように、組合せ計量装置1Aは分散テーブル2Aを備えており、組合せ計量装置1Bは分散テーブル2Bを備えている。分散テーブル2Aは、組合せ計量装置1Aの装置本体の中央(ほぼ中央を含む)に配置されており、分散テーブル2Bは、組合せ計量装置1Bの装置本体の中央(ほぼ中央を含む)に配置されている。図2に示すように、組合せ計量装置1Aは、複数個(この例では9個)のヘッドHA1〜HA9を有している。同様に、組合せ計量装置1Bは、複数個(この例では9個)のヘッドHB1〜HB9を有している。つまり、組合せ計量装置1A,1Bは、それぞれ9ヘッド構成の組合せ計量装置である。
【0021】
図5は、図2から組合せ計量装置1Aを抜き出して示す上面図である。ヘッドHA1〜HA9は、分散テーブル2Aの周囲の円周50上に並んで配置されている。円周50は、真円の円周のみならず、真円に近い楕円の円周であってもよい。本実施の形態において、円周50上には最大14個のヘッドを並べて配置することが可能であるが、この例では、14個のヘッドのうち、円周50の一部である円弧領域51に対応する5個のヘッドが切り欠かれている(つまり配設が省略されている)。そして、ヘッドHA1〜HA9は、円周50のうち円弧領域51以外の領域に、密集して配置されている。なお、切り欠かれるヘッドの個数は、上記の5個に限らず、1個以上の任意の個数である。
【0022】
図2を参照して、組合せ計量装置1Aと同様に組合せ計量装置1Bにおいても、ヘッドHB1〜HB9は、分散テーブル2Bの周囲の円周上に並んで配置されており、また、最大14個のヘッドのうち5個のヘッドが切り欠かれている。そして、組合せ計量装置1Aと組合せ計量装置1Bとは、それぞれのヘッドが切り欠かれた領域同士を対向させ、かつ、当該領域を相互に共有するような格好で、互いに連結されている。
【0023】
図6は、ヘッドHA5の構成を模式的に示す側面図である。ヘッドHA5は、トラフ3A5、プールホッパ4A5、計量ホッパ5A5、及び貯留ホッパ6A5を備えて構成され
ている。計量ホッパ5A5は、ロードセル等の計量手段8A5に連結されている。貯留ホッパ6A5の下端部は、集合シュート7Aの開口上面7AUの上方にまで延在している。集合シュート7Aの底部には、物品排出口7ALが形成されている。
【0024】
図示は省略するが、他のヘッドHA1〜HA4,HA6〜HA9も、ヘッドHA5と同様の構成を有している。以下、ヘッドHA1〜HA9がそれぞれ有するトラフ3A1〜3A9、プールホッパ4A1〜4A9、計量ホッパ5A1〜5A9、貯留ホッパ6A1〜6A9、計量手段8A1〜8A9を総称して、それぞれ「トラフ3A」、「プールホッパ4A」、「計量ホッパ5A」、「貯留ホッパ6A」、「計量手段8A」とも称する。
【0025】
図7は、物品排出口7AL,7BLとヘッドHA1〜HA9,HB1〜HB9との位置関係を説明するための図である。図7の(A)は、組合せ計量装置1の上面構造の一部を抜き出して示す上面図であり、図7の(B)は、図7の(A)に対応する正面図であり、図7の(C)は、図7の(B)中のラインY−Yに沿った位置に関する断面図である。
【0026】
図7の(C)を参照して、組合せ計量装置1Aにおいて、平面視上、物品排出口7ALは、貯留ホッパ6A1〜6A9が並ぶ円周の中心(中心近傍を含む)に位置している。従って、各貯留ホッパ6A1〜6A9の下端から物品排出口7ALまでの距離は、互いに等しい。
【0027】
図8は、物品排出口7ALとプールホッパ4A1〜4A9との位置関係を説明するための図である。組合せ計量装置1Aにおいて、平面視上、物品排出口7ALは、プールホッパ4A1〜4A9(又は計量ホッパ5A1〜5A9)が並ぶ円周50の中心(中心近傍を含む)に位置している。図示は省略するが、組合せ計量装置1Bについても同様であり、平面視上、物品排出口7BLは、各ヘッドHB1〜HB9のプールホッパ(又は計量ホッパ)が並ぶ円周の中心(中心近傍を含む)に位置している。
【0028】
また、図7の(B)及び(C)を参照して、組合せ計量装置1Bにおいては、組合せ計量装置1Aにおける貯留ホッパ6A1〜6A9の代わりに、集合シュート6B1〜6B3が設けられている。集合シュート6B1は、ヘッドHB1,HB2の各計量ホッパから排出された物品を集合させて、集合シュート7Bに供給する。集合シュート6B2は、ヘッドHB3〜HB6の各計量ホッパから排出された物品を集合させて、集合シュート7Bに供給する。集合シュート6B3は、ヘッドHB8,HB9の各計量ホッパから排出された物品を集合させて、集合シュート7Bに供給する。図7の(C)を参照して、組合せ計量装置1Bにおいて、物品排出口7BLは、集合シュート6B1〜6B3が並ぶ円周の中心(中心近傍を含む)に位置している。従って、各集合シュート6B1〜6B3の下端から物品排出口7BLまでの距離は、互いに等しい。なお、集合シュート6B1〜6B3の代わりに、各ヘッドHB1〜HB9ごとに個別に設けられた個別シュートを用いることもできる。また、集合シュート6B1〜6B3や個別シュートの代わりに、組合せ計量装置1Aと同様に貯留ホッパを用いることもできる。
【0029】
なお、組合せ計量装置においては、物品の落下衝撃を低減させることや、物品落下時の弁別性を向上させることを目的として、排出シュート部にリングシャッタを取り付けて使用することがある。リングシャッタを使用すれば、計量ホッパから排出された物品の落下を搬送経路の途中にて一旦停止させることができるため、物品の落下速度が低下する。その結果、物品への落下衝撃を低減することができる。また、リングシャッタによって物品を一旦まとめて保持することにより、物品落下時の弁別性を向上することができる。
【0030】
図19は、リングシャッタの構造を模式的に示す側面図である。リングシャッタは、ゴム製の円筒形のシャッタ部82と、シャッタ部82の上端に固定された金属製の円管状の
支持部81と、上下方向に駆動可能な金属製の円管状の駆動部80とを備えている。支持部81は、パチン錠83等の簡易な固定具によって駆動部80に着脱可能である。図19の(A)には、支持部81及びシャッタ部82を駆動部80に取り付けた状態を示しており、図19の(B)には、支持部81及びシャッタ部82を駆動部80から取り外した状態を示している。また、駆動部80及び支持部81には、両者の固定位置を規定するための位置決め構造84が形成されている。清掃作業や点検作業を行う際には、パチン錠83を解除して支持部81及びシャッタ部82を駆動部80から取り外すことにより、その作業を容易に行うことが可能となる。
【0031】
以下、図5,6を参照して、組合せ計量装置1Aの動作について説明する。計量対象である食品等の物品は、分散テーブル2Aの上方から、分散テーブル2Aの上面の中央部に落下投入される。分散テーブル2A上に投入された物品は、分散テーブル2Aによって放射状に分散されつつ、分散テーブル2Aの外周縁から排出されて、各ヘッドHA1〜HA9のトラフ3Aの内端部に供給される。トラフ3Aは、分散テーブル2Aから供給された物品を、振動によって、内側から外側に向けて搬送する。トラフ3Aの外端部から排出された物品は、プールホッパ4Aに供給され、プールホッパ4A内で一時的に貯留される。プールホッパ4Aから排出された物品は、計量ホッパ5Aに供給され、計量ホッパ5A内で一時的に貯留されるとともに、計量手段8Aによってその重量が計量される。計量ホッパ5Aから排出された物品は、貯留ホッパ6Aに供給され、その計量値と関連付けられて、貯留ホッパ6A内で一時的に貯留される。そして、物品を貯留している全ての貯留ホッパ6A(及び計量ホッパ5A)のうち、目標重量に一致又は最も近接する重量値を実現するホッパの組合せが演算によって求められ、選択された一又は複数のホッパから物品が排出される。貯留ホッパ6Aから排出された物品は、集合シュート7A内に供給され、集合シュート7Aによって集合されて、集合シュート7Aの底部の物品排出口7ALから下流機器(例えば包装機)に向けて排出される。なお、集合シュート7Aと下流機器との間に、下流機器の動作と同期をとるためのタイミングホッパが配設される場合もある。
【0032】
図9は、分散テーブル2Aの具体的な構成を示す斜視図である。また、図10は、図9に示した矢印Z1の方向から分散テーブル2Aを眺めた上面図であり、図11は、図9に示した矢印Z2の方向から分散テーブル2Aを眺めた側面図であり、図12は、図9に示した矢印Z3の方向から分散テーブル2Aを眺めた背面図である。
【0033】
図9〜12に示すように、分散テーブル2Aは、中央部が高く周縁部が低い円錐状の傾斜面を有する円錐部2A1と、円錐部2Aを取り囲むように形成された水平面を有する円板部2A2とを有している。円錐部2A1は、円板部2A2の非周縁部上に取り付けられている。円板部2A2の外周のうちの一部領域上には、壁部材2A3が取り付けられている。支持具2A5によって、壁部材2A3の背面と円板部2A2の裏面とが互いに固定されている。壁部材2A3の端部2A4は、物品の引っ掛かりや、衝突による物品の損傷を回避すべく、外側に向けての曲げ加工がなされている。円板部2A2の外周のうちの一部領域上に壁部材2A3が取り付けられることにより、当該一部領域は、分散テーブル2Aから物品が排出されない非排出領域として規定される。図1に示すように、分散テーブル2Aの非排出領域は、ヘッドが切り欠かれた領域に一致している。なお、図示は省略するが、分散テーブル2Bも分散テーブル2Aと同様の構造を有している。
【0034】
図13は、分散テーブル2A上の物品の流れを示す図である。物品は、図示しない供給装置から、砂地ハッチングを付した物品投入領域E上に落下投入される。分散テーブル2Aを円周方向に振動させることにより、物品は、図13中の矢印で示すように、分散テーブル2A上を反時計回りの方向に進行(回転進行)しながら放射状に分散されて、各ヘッドHA1〜HA9に供給される。また、壁部材2A3が形成されている非排出領域においては、分散テーブル2A上から物品は排出されない。
【0035】
図14は、図13の一部を拡大して示す図である。分散テーブル2Aの外周のうちの一部の領域(壁部材2A3に沿う領域)は、非排出領域100として規定されている。
【0036】
例えば、回転進行方向の最下流に位置するヘッドHA9に関しては、物品供給経路P1と物品供給経路P2とが設けられている。物品供給経路P1は、図13に示した物品投入領域Eから、分散テーブル2Aの半径方向(厳密には回転に起因してカーブする)に沿って、ヘッドHA9のトラフ3A9に向かう経路である。物品供給経路P2は、回転進行方向の上流側から、分散テーブル2Aの円周方向に沿って、ヘッドHA9のトラフ3A9に向かう経路である。
【0037】
また、ヘッドHA9に関しては、ヘッドHA9に向かって分散テーブル2A上(物品供給経路P1,P2)を搬送されてきた物品のうち、ヘッドHA9のトラフ3A9に供給されなかった余剰の物品を非排出領域100に向けて排出するための、物品排出経路P3が設けられている。つまり、非排出領域100は、回転進行方向の最下流に位置するヘッドHA9に関する物品排出経路P3として機能する。
【0038】
また例えば、回転進行方向の最上流に位置するヘッドHA1に関しては、物品供給経路Q1と物品供給経路Q2とが設けられている。物品供給経路Q1は、図13に示した物品投入領域Eから、分散テーブル2Aの半径方向(厳密には回転に起因してカーブする)に沿って、ヘッドHA1のトラフ3A1に向かう経路である。物品供給経路Q2は、非排出領域100から、分散テーブル2Aの円周方向に沿って、ヘッドHA1のトラフ3A1に向かう経路である。つまり、非排出領域100は、回転進行方向の最上流に位置するヘッドHA1に関する物品供給経路Q2として機能する。また、非排出領域100は、ヘッドHA9に関する物品排出経路P3としての機能と、ヘッドHA1に関する物品供給経路Q2としての機能を有することから、ヘッドHA9からヘッドHA1に向けての物品の循環路として機能する。
【0039】
また、ヘッドHA1に向かって分散テーブル2A上(物品供給経路Q1,Q2)を搬送されてきた物品のうち、ヘッドHA1のトラフ3A1に供給されなかった余剰の物品は、物品排出経路Q3に沿って、回転進行方向の下流側に向かって分散テーブル2A上を流れていく。
【0040】
ここで、図14に示すように、円錐部2A1は、その中心Tが円板部2A2の中心Sに対して下流領域のヘッド寄りに偏心して、円板部2A2上に取り付けられている。これにより、分散テーブル2Aの上流領域(ヘッドHA1〜HA3近傍)には、円板部2A2の周縁と円錐部2A1の周縁との間隔が広い領域(以下「幅広領域」と称す)が生じ、分散テーブル2Aの下流領域(ヘッドHA7〜HA9近傍)には、円板部2A2の周縁と円錐部2A1の周縁との間隔が狭い領域(以下「幅狭領域」と称す)が生じる。物品排出経路Q3は幅広領域内に形成されるため、円錐部2A1の中心Tと円板部2A2の中心Sとが一致する場合と比較すると、多くの物品が物品排出経路Q3に沿って分散テーブル2A上を流れていく。
【0041】
図13,14では分散テーブル2Aについて説明したが、分散テーブル2Bについても同様である。
【0042】
図15〜17は、円錐部2A1の上面を透視して分散テーブル2Aの構造を示す上面図である。円錐部2A1は、固定具50,51によって円板部2A2上に取り付けられる。円錐部2A1は、固定具50に形成された直線状の貫通溝に沿って、固定具50とともに直線方向に移動可能である。また、円錐部2A1は、固定具51に形成された円弧状の貫
通溝に沿って、回転方向に移動可能である。つまり、固定具50,51は、円板部2A2上における円錐部2A1の取り付け位置を調整するための調整手段として機能する。図15には、初期位置に固定された状態の円錐部2A1を示している。図16には、図15の状態から、壁部材2A3から遠ざかる方向に移動された状態の円錐部2A1を示している。図17には、図16の状態から、時計回りの方向に回転された状態の円錐部2A1を示している。
【0043】
図18は、図15中のラインXVIII−XVIIIに沿った位置に関して、円錐部2A1及び円板部2A2の断面構造を示す断面図である。物品進行方向の上流領域(図18では円錐部2A1よりも右方の領域)においては、スペーサ60の頂部によって裏面側から押し上げられることによって円板部2A2の周縁部が反り上がっており、これにより、円板部2A2の周縁部の高さは円板部2A2の中央部の高さよりも高くなっている。また、矢印Kで示すようにスペーサ60は上下方向に可動であり、スペーサ60の頂部の高さによって、円板部2A2の周縁部の高さを調整することが可能である。つまり、スペーサ60は、円板部2A2の周縁部の高さを調整するための調整手段として機能する。
【0044】
本実施の形態に係る組合せ計量装置によれば、図14に示したように、円錐部2A1は、その中心Tが円板部2A2の中心Sに対して偏心して円板部2A2上に取り付けられている。これにより、分散テーブル2Aには、円板部2A2の周縁と円錐部2A1の周縁との間隔が広い領域(幅広領域)と狭い領域(幅狭領域)とが生じる。従って、幅広領域を物品進行方向の上流とし、幅狭領域を下流とすることにより、円板部2A2の周縁からの物品の排出を、上流領域においては抑制し、下流領域においては促進することができる。そのため、分散テーブル2Aから各ヘッドへの物品の供給量が上流領域のヘッドにおいて過多となり下流領域のヘッドにおいて過少となるという事態を回避できる。その結果、分散テーブル2Aから各ヘッドへの物品の供給量を均一にすることが可能となる。
【0045】
また、本実施の形態に係る組合せ計量装置によれば、図15〜17に示したように、分散テーブル2Aは、円板部2A2上における円錐部2A1の取り付け位置を調整するための調整手段(固定具50,51)を有する。従って、分散テーブル2Aから各ヘッドへの物品の供給量が均一となるように、円板部2A2上における円錐部2A1の取り付け位置を調整手段によって適切に調整することが可能となる。
【0046】
また、本実施の形態に係る組合せ計量装置によれば、図18に示したように、物品進行方向の上流領域において、円板部2A2の周縁部の高さは円板部2A2の中央部の高さよりも高い。これにより、上流領域において、円板部2A2の周縁からの物品の排出をさらに抑制することが可能となる。その結果、円錐部2A1の取り付け位置の調整によっては上流領域における物品の排出抑制効果が十分でない場合であっても、分散テーブル2Aから各ヘッドへの物品の供給量を均一にすることが可能となる。
【0047】
また、本実施の形態に係る組合せ計量装置によれば、図18に示したように、分散テーブル2Aは、円板部2A2の周縁部の高さを調整するための調整手段(スペーサ60)を有する。従って、分散テーブル2Aから各ヘッドへの物品の供給量が均一となるように、円板部2A2の周縁部の高さを調整手段によって適切に調整することが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
1,1A,1B 組合せ計量装置
2A,2B 分散テーブル
2A1 円錐部
2A2 円板部
3A1,3A9 トラフ
4A1〜4A9 プールホッパ
5A5 計量ホッパ
6A1〜6A9 貯留ホッパ
7A,7B 集合シュート
50,51 固定具
60 スペーサ
HA1〜HA9,HB1〜HB9 ヘッド
P3 物品排出経路
Q2 物品供給経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方から投入された物品を放射状に分散させて複数のヘッドのホッパ内に供給し、目標重量に応じて選択した一つ以上のホッパ内に貯留されている物品を集合させて排出する、組合せ計量装置であって、
上方から投入された物品を分散させる分散部を備え、
前記分散部は、その周縁から物品が排出される円板部と、前記円板部上に取り付けられる円錐部とを有し、
前記円錐部は、その中心が前記円板部の中心に対して偏心して前記円板部上に取り付けられている、組合せ計量装置。
【請求項2】
前記分散部は、前記円板部上における前記円錐部の取り付け位置を調整するための調整手段をさらに有する、請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記分散部上における物品進行方向の上流領域において、前記円板部の周縁部の高さは前記円板部の中央部の高さよりも高い、請求項1又は2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記分散部は、前記円板部の前記周縁部の高さを調整するための調整手段をさらに有する、請求項3に記載の組合せ計量装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−80818(P2011−80818A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232207(P2009−232207)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)