説明

組成物、それから形成された複合体、それを利用した電極及び複合膜、並びにそれを採用した燃料電池

【課題】組成物、それから形成された複合体、それを利用した電極及び複合膜、並びにそれを採用した燃料電池を提供する。
【解決手段】架橋性化合物と、下記化学式1の化合物から選択される一つ以上と、を含む組成物、それから形成された複合体、それを利用した電極、複合膜、及びそれらを採用した燃料電池が提供される:


化学式1で、a、Rは、詳細な説明で定義された通りである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、それから形成された複合体、それを利用した電極及び複合膜、並びにそれを採用した燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、使われる電解質及び使われる燃料の種類によって、高分子電解質型燃料電池(PEMPC:polymer electrolyte membrane fuel cell)、直接メタノール燃料供給方式(DMFC:direct methanol fuel cell)、リン酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、固体酸化物形燃料電池(SOFC)などに区分可能である。
【0003】
低温で作動する他種と比べ、100℃以上の高温及び無加湿の条件で作動するPEMFCは、加湿装置を使わないので、水管理などの制御が簡単であり、システムの信頼性が高いと知られている。また、加湿装置が不要であり、高温作動を介して、燃料極でのCO被毒に対する耐性が高くなるので、改質器も単純化することができ、高温無加湿システムへの関心が高くなっている。
【0004】
前述のように、PEMFCの作動温度を高温化しようとする動きによって、高温で作動することができる燃料電池への関心が高くなっている。
【0005】
ところで、これまで開発された電解質膜は、前記温度範囲で満足すべきレベルの機械的強度及び耐久性を示すことができずに、改善の余地が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、組成物、それから形成された複合体、それを利用した電極及び複合膜、その製造方法、並びにそれを採用してセル性能にすぐれる燃料電池を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面によって、下記化学式1で表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上、及び架橋性化合物を含む組成物が提供される。
【0008】
【化1】

【0009】
前記化学式1で、aは、0、1、または2であり、bは、0、1、2、3、または4であり、a+bが1、2、3、4、または5であることを条件とし、
各Rは、独立に、置換または非置換のC−C40アルキル基、置換または非置換のC−C40アルコキシ基、置換または非置換のC−C40アルケニル基、置換または非置換のC−C40アルキニル基、置換または非置換のC−C40アリール基、置換または非置換のC−C40アリールオキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C40炭素環基、置換または非置換のC−C40炭素環オキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基である。
【0010】
他の側面によって、前述の組成物の重合生成物である複合体が提供される。
さらに他の側面によって、前述の複合体を含む複合膜が提供される。
さらに他の側面によって、前述の組成物、または前記組成物の重合生成物である複合体を含む電極が提供される。
【0011】
さらに他の側面によって、カソード、アノード、及びそれらの間に介在された電解質膜を含み、前記電解質膜が、前述の複合膜である燃料電池が提供される。
【0012】
さらに他の側面によって、カソード、アノード、及びそれらの間に介在された電解質膜を含み、前記カソードとアノードとから選択されるから選択される一つ以上が、前述の組成物、または前記組成物の重合生成物である複合体を含む燃料電池が提供される。
【0013】
さらに他の側面によって、化学式1で表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上、及び架橋性化合物を混合して組成物を得る段階と、前記組成物をコーティング及び熱処理し、下記化学式1の化合物から選択されるから選択される一つ以上、及び架橋性化合物を含む組成物の重合生成物である複合体を含む複合膜を得る段階と、を含む複合膜の製造方法が提供される。
【0014】
【化2】

【0015】
前記化学式1で、aは、0、1、または2であり、bは、0、1、2、3、または4であり、a+bが1、2、3、4、または5であることを条件とし、
各Rは、独立に、水素原子、水素、置換または非置換のC−C40アルキル基、置換または非置換のC−C40アルコキシ基、置換または非置換のC−C40アルケニル基、置換または非置換のC−C40アルキニル基、置換または非置換のC−C40アリール基、置換または非置換のC−C40アリールオキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C40炭素環基、置換または非置換のC−C40炭素環オキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、機械的強度が改善された複合膜と、それを利用して耐久性が改善された高効率化された燃料電池と、を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】燃料電池の一具現例を示す分解斜視図である。
【図2】図1の燃料電池を構成する膜電極接合体(MEA)の断面模式図である。
【図3A】実施例1,3,4及び5による複合体の赤外線(IR)吸収スペクトルを示したグラフである。
【図3B】評価例2によって、実施例1〜6及び比較例1によって製造されたリン酸ドーピング複合膜のリン酸含浸後、引っ張り強度及び延伸率の評価結果を示したグラフである。
【図4】評価例3によって、実施例1,2によって製造された複合膜において、温度による伝導度変化を示したグラフである。
【図5】評価例4による電池のセル性能評価結果を示したグラフである。
【図6】評価例4によって、製作された実施例2の電解質膜を採用した電池の耐久性評価結果を示したグラフである。
【図7】評価例4によって、製作された比較例1のPBI膜を採用した電池の耐久性評価結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
下記化学式1で表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上、及び架橋性化合物を含む組成物が提供される。
【0019】
【化3】

【0020】
前記化学式1で、aは、0、1、または2であり、bは、0、1、2、3、または4であり、a+bが1、2、3、4、または5であることを条件とし、
各Rは、独立に、置換または非置換のC−C40アルキル基、置換または非置換のC−C40アルコキシ基、置換または非置換のC−C40アルケニル基、置換または非置換のC−C40アルキニル基、置換または非置換のC−C40アリール基、置換または非置換のC−C40アリールオキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C40炭素環基、置換または非置換のC−C40炭素環オキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基である。
【0021】
前記化学式1で、aが0である場合、(HO)は存在せず、環の炭素原子上のあらゆる開放原子価は置換基Rまたは水素原子で充たされる。同様に、前記化学式1で、bが0である場合、置換基Rは存在せず、あらゆる開放原子価は(HO)または水素で充たされ、ここで、a+bは4以下であり、環の炭素原子開放原子価は水素原子で充たされる。
前記化学式1で、aが0、1または2である場合、それぞれ4個、3個または2個の置換基Rが存在することになるが、これらは互いに同一であるか、あるいは異なる置換基であってもよい。
前記化学式1の化合物からは、例えば、置換基Rを持たない化合物を排除してよい。
前記化学式1の化合物から選択されるから選択される一つ以上としては、下記化学式2で表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上、または下記化学式3で表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上を有することができる。
【化4】

【0022】
前記化学式2でRは、置換または非置換のC10−C30アルキル基、置換または非置換のC10−C30アルケニル基、及び置換または非置換のC10−C30アルキニル基であり、
【0023】
【化5】

前記化学式3でRは、置換または非置換のC10−C30アルキル基、置換または非置換のC10−C30アルケニル基、及び置換または非置換のC10−C30アルキニル基からなる群から選択される。
【0024】
前記化学式1の化合物から選択されるから選択される一つ以上は、下記化学式2Aで表示される化合物、化学式2Bで表示される化合物、化学式2Cで表示される化合物、化学式2Dで表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上を含む混合物であってもよい。
【0025】
【化6】

【0026】
【化7】

【0027】
【化8】

【0028】
【化9】

【0029】
前記化学式1で表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上は、下記化学式3Aで表示される化合物、下記化学式3Bで表示される化合物、下記化学式3Cで表示される化合物、下記化学式3Dで表示される化合物、及び下記化学式3Eで表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上であってもよい。
【0030】
【化10】

【0031】
【化11】

【0032】
【化12】

【0033】
【化13】

【0034】
【化14】

【0035】
前記化学式2Aで表示される化合物、前記化学式2Bで表示される化合物、前記化学式2Cで表示される化合物、前記化学式2Dで表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上を含む混合物の例としては、下記化学式2Eで表示される混合物であってもよい。この混合物は、下記化学式2Eから分かるように、化学式2Aで表示される化合物1〜5重量%、化学式2Bで表示される化合物30〜35重量%、化学式2Cで表示される化合物20〜25重量%、化学式2Dで表示される化合物40〜45重量%からなる。
【0036】
【化15】

【0037】
前記化学式2EにおいてRは、次の通りである。
【化16】

【0038】
前記Rに係わる化学式で%は、重量%を意味する。
前記化学式2Eで表示される混合物は、メタ位置に、4種の飽和または不飽和のアルキル基を有するフェノール誘導体の混合物である。このような混合物は、植物から抽出して得ることができる。このような植物は、亜熱帯や熱帯地域で幅広く栽培されており、前記混合物は、価格が非常に安くて持続的な供給が可能である。
【0039】
前記化学式3Aで表示される化合物、前記化学式3Bで表示される化合物、前記化学式3Cで表示される化合物、及び前記化学式3Dで表示される化合物から選択されるから選択される一つ以上は、例えば、化学式3Aで表示される化合物、前記化学式3Bで表示される化合物、前記化学式3Cで表示される化合物、前記化学式3Dで表示される化合物、及び下記化学式3Eで表示される化合物の混合物であってもよい。
【0040】
前記化学式3Aで表示される化合物、前記化学式3Bで表示される化合物、化学式3Cで表示される化合物、前記化学式3Dで表示される化合物、及び下記化学式3Eで表示される化合物の含量は、一般的なレベルである。
【0041】
前記化学式3Aで表示される化合物、前記化学式3Bで表示される化合物、化学式3Cで表示される化合物、前記化学式3Dで表示される化合物、及び下記化学式3Eで表示される化合物の混合物は、例えば、ウルシオール(urushiol)を有することができる。
【0042】
前記化学式1で表示される化合物から選択される一つ以上は、例えば、下記化学式2Fで表示される混合物を挙げることができるが、それは、前記化学式2Eから分かるように、化学式2Aで表示される化合物3重量%、化学式2Bで表示される化合物34重量%、化学式2Cで表示される化合物22重量%及び化学式2Dで表示される化合物40〜45重量%からなる混合物である。
【0043】
【化17】

前記化学式2FにおいてRは、次の通りである。
【化18】

【0044】
前記Rに係わる化学式で%は、重量%を意味する。
前記化学式2Fで表示される混合物は、メタ位置に4種の飽和または不飽和のアルキル基を有するフェノール誘導体の混合物である。
【0045】
前記化学式1で表示される化合物から選択される一つ以上の化合物は、側鎖に、飽和または不飽和の炭化水素基を有している。従って、この化合物は、架橋性化合物と重合反応が可能なだけではなく、化合物の自家架橋結合が可能であり、物性が強化された複合体及び複合膜を製造することができる。
【0046】
前記組成物で、化学式1の化合物から選択される一つ以上の含量は、架橋性化合物100重量部を基準にして、5ないし60重量部、例えば、10ないし40重量部である。
【0047】
前記化学式1の化合物の含量が前記範囲であるとき、前記組成物を利用した複合体及びそれを利用した形成された複合膜の物理的特性が優れている。
【0048】
前記架橋性化合物は、化学式1の化合物と架橋することができる官能基を有している化合物であるならば、すべて使用可能である。
【0049】
前記架橋性化合物は、例えば、窒素含有芳香族化合物であるならば、全て使用可能であり、具体的には、5員環(five membered cycle)の窒素含有芳香族化合物、ポリピリミジンのような6員環(six membered cycle)の窒素含有芳香族化合物などが使用可能である。
【0050】
前記架橋性化合物は、アゾール系高分子、ポリオキサゾール、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリケトンからなる群から選択された一つ以上である。
【0051】
前記架橋性化合物としてアゾール系高分子が使われる場合、最終的に得られた生成物は、前記化学式1で表示される化合物とアゾール系高分子との重合反応で得られた結果物をいう。
【0052】
前記組成物には、架橋性化合物以外に、後述する下記化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上の化合物を含んでもよい。このように、化学式4ないし9で表示される化合物がさらに含まれる場合には、化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上の重合体が、架橋性化合物、化学式1の化合物とグラフト重合し、グラフト共重合体を形成することも可能である。
【0053】
前記用語「化学式1で表示される化合物と架橋性化合物との重合反応生成物」は、前述の構造を含む意味で使われもする。
【0054】
【化19】

【0055】
前記化学式4で、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC4−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、
は、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20アリールアルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールアルキル基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、または置換または非置換のC−C20ヘテロ環アルキル基であり、
【化20】

前記化学式5でR’は、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20アリールアルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールアルキル基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、または置換または非置換のC−C20ヘテロ環アルキル基であり、
は、置換または非置換のC−C20アルキレン基、置換または非置換のC−C20アルケニレン基、置換または非置換のC−C20アルキニレン基、置換または非置換のC−C20アリーレン基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリーレン基、−C(=O)−、−SO−からなる群から選択され、
【化21】

前記化学式6で、A、B、C、D、Eは、いずれも炭素であるか、あるいはA、B、C、D、Eから選択される一つまたは二つは窒素(N)であり、その残りは、炭素(C)であり、
及びRは、互いに連結されて環を形成し、
前記環が、C−C10シクロアルキル基、C−C10ヘテロアリール基、融合されたC−C10ヘテロアリール基、C−C10ヘテロ環基、または融合されたC−C10ヘテロ環基であり、
【化22】

前記化学式7でA’は、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、置換または非置換のC−C20シクロアルキル基、または置換または非置換のC−C20アルキル基であり、
ないしR16は互いに独立して、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20シクロアルキル基、C−C20ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、またはヒドロキシ基であり、
【化23】

前記化学式8で、R17及びR18は互いに独立して、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、または下記化学式8Aで表示される基であり、
【化24】

前記化学式8及び8Aで、R19及びR19’は互いに独立して、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20シクロアルキル基、ハロゲン化されたC−C20シクロアルキル基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基であり、
【化25】

前記化学式9で、R20、R21及びR22から選択される隣接した2個以上の基は、互いに連結され、下記化学式9Aで表示される基であり、
前記R20、R21及びR22のうち選択されていない残りの基は、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20炭素環基、ハロゲン化されたC−C20炭素環基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基であり、
23、R24及びR25から選択される隣接した2個以上の基は、互いに連結され、下記化学式9Aで表示される基であり、
前記R23、R24及びR25のうち選択されていない残りの基は、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20炭素環基、ハロゲン化されたC−C20炭素環基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基であり、
【化26】

前記化学式9AでR’は、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20アリールアルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールアルキル基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、または置換または非置換のC−C20ヘテロ環アルキル基であり、
*は、化学式9のR20、R21及びR22から選択される隣接した2個以上の基と、R23、R24及びR25から選択される隣接した2個以上の基とにそれぞれ連結される位置を表示する。
【0056】
前記組成物で、前記化学式4−9で表示される化合物から選択される一つ以上の化合物の含量は、架橋性化合物100重量部に対して、5ないし70重量部、例えば、20ないし50重量部である。
【0057】
前記化学式4−9で表示される化合物から選択される一つ以上の化合物の含量が、前記範囲であるとき、前記組成物を利用して、物性にすぐれる複合体及び複合膜を製作することができる。
【0058】
前記組成物の重合反応生成物である複合体を利用した複合膜が提供される。
前記複合膜は、機械的強度及び耐久性にすぐれる。このような複合膜は、電解質膜、例えば、燃料電池用電解質膜に使用可能である。
【0059】
前記複合体は、化学式1の化合物と、架橋性化合物との重合生成物、または化学式1の化合物と、架橋性化合物と、前記化学式4−9で表示される化合物から選択される一つの重合生成物である重合体とが複合化された物質であり、このように、前記複合体を利用して電解質膜を製造すれば、電解質膜の引っ張り強度及び延伸率が優れており、機械的物性が向上し、加工しやすいだけではなく、電解質膜からリン酸系物質の流出が抑制され、電解質膜の伝導度が向上する。従って、このような電解質膜を利用すれば、電解質膜のリン酸流出抑制により、長期耐久性と、セル電圧などのセル性能とが改善された燃料電池を製作することができる。
前記電解質膜の引っ張り強度及び延伸率は、リン酸系物質を含浸した後でも優れている。
【0060】
前記複合体が化学式1の化合物から選択される一つ以上、架橋性化合物、及び化学式2ないし7から選択される一つ以上の重合生成物である重合体が複合化された物質というのは、赤外線吸収スペクトルまたは核磁気共鳴スペクトルによって知ることができる。
【0061】
前述の組成を有する電解質膜は、化学式1の化合物から選択される一つ以上、架橋性化合物であるアゾール系高分子;または化学式1の化合物から選択される一つ以上、架橋性化合物、及び化学式4ないし9から選択される一つ以上の化合物の相互作用によって、それを利用すれば、耐久性及びセル性能にすぐれる燃料電池を製作することができる。
【0062】
前記相互作用は、例えば、フェノール性誘導体(phenolic derivative)である化学式1の化合物と、芳香族化合物(aromatic compound)であるアゾール系高分子、及び/または化学式4ないし9から選択される一つ以上の化合物の酸化カップリング(oxidative coupling)による重合反応を有することができる。
【0063】
前記組成物は、リン酸系物質をさらに含んでもよい。
前記リン酸系物質としては、ポリリン酸、ホスホン酸(HPO)、オルトリン酸(HPO)、ピロリン酸(H)、トリリン酸(H10)、メタリン酸、その誘導体などを使うことができ、例えば、リン酸を使う。
【0064】
前記リン酸系物質の含量は、前記化学式1の化合物100重量部を基準にして、1ないし500重量部である。リン酸系物質の含量が前記範囲であるとき、リン酸系物質を小含量でドーピングしても、プロトン伝導度にすぐれる複合膜を製造することができる。
【0065】
前記アゾール系高分子は、高分子内の反復単位が、少なくとも1つの窒素元素を有するアリール環一つ以上を含む高分子を指す。
【0066】
前記アリール環は、1ないし3個の窒素原子を有する5員環または6員環が、他の環、例えば、他のアリール環またはヘテロアリール環に融合されもする。これと係わり、前記窒素原子は、酸素原子、リン原子及び/または硫黄原子によって置換可能である。前記アリール環の代表的な例としては、フェニル、ナフチル、ヘキサヒドロインジル(hexahydroindyl)、インダニル(indanyl)またはテトラヒドロナフチルである。
【0067】
前記アゾール系高分子は、前述のように、反復単位内に、少なくとも1つのアミノ基を有する。これと係わって、アミノ基は、アリール環の一部分またはアリールユニットの置換基部分であって、一次アミノ基、二次アミノ基または三次アミノ基として存在することができる。
【0068】
前記用語アミノ基は、窒素原子が少なくとも1つの炭素またはヘテロ原子に共有結合された場合を示す。アミノ基は、例えば、−NH及び置換された部分(substituted moieties)を含む。
【0069】
前記用語アルキルアミノ基は、窒素が少なくとも1つの付加的なアルキル基に結合されたアルキルアミノ基、窒素の少なくとも一つまたは二つ以上が独立して選択されたアリール基に結合されたアリールアミノ基及びジアリールアミノ基を含む。
【0070】
アゾール系高分子及びそれを含んだ高分子フィルムの製造方法は、US2005/256296号に公知されている。
【0071】
前記アゾール系高分子としては、下記化学式10ないし23で表示されるアゾールユニットを含むアゾール系高分子である。
【0072】
【化27】

【0073】
【化28】

【0074】
【化29】

【0075】
【化30】

【0076】
【化31】

【0077】
【化32】

【0078】
【化33】

【0079】
【化34】

【0080】
【化35】

【0081】
【化36】

【0082】
【化37】

【0083】
【化38】

【0084】
【化39】

【0085】
【化40】

【0086】
前記化学式10ないし23で、Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、それらは、それぞれ単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、それらは、それぞれ単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、それらは、それぞれ単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、それらは、それぞれ単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、それらは、それぞれ単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Arは、互いに同一であるか、あるいは異なっており、単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Ar10は、互いに同一であるか、あるいは異なっており、単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
Ar11は、互いに同一であるか、あるいは異なっており、単環または多環であるC−C20アリーレン基またはC−C20ヘテロアリーレン基であり、
ないしX11は、同一であるか、あるいは異なっており、酸素、硫黄または−N(R’)であり、前記R’は、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基またはC−C20アリーレン基であり、
は、同一であるか、あるいは異なっており、水素、C−C20アルキル基、またはC−C20アリール基を示し、
、nないしn16及びmは、互いに独立して、10以上の定数であり、例えば、100以上の定数であって、100ないし100,000である。
【0087】
前記アリーレン基またはヘテロアリーレン基は、例えば、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルメタン、ジフェニルジメチルメタン、ビスフェノン、ジフェニルスルホン、キノリン、ピリジン、ビピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、テトラアジン、ピロール、ピラゾール、アントラセン、ベンゾピロ−ル、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサチアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾピリジン、ベンゾピラジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、ベンゾトリアジン、インドリジン、キノリジン、ピリドピリジン、イミダゾピリミジン、ピラジノピリミジン、カルバゾール、アジリジン、フェナジン、ベンゾキノリン、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾプテリジン、フェナントロリンまたはフェナントレンであり、それらは、置換基を有することができる。
【0088】
前記Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10、Ar11は、全ての可能な置換パターンを有することができる。例えば、フェニレンの場合、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10及びAr11は、オルトフェニレン、メタフェニレンまたはパラフェニレンである。
【0089】
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基及びt−ブチル基のようなC−C単鎖アルキル基であり、前記アリール基は、例えば、フェニル基またはナフチル基である。
前記置換基としては、フッ素のようなハロゲン原子;アミノ基;ヒドロキシ基;またはメチル基、エチル基のような単鎖アルキル基である。
前記アゾール系高分子の具体的な例としては、ポリイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリキノキサリン、ポリチアジアゾール、ポリピリジン、ポリピリミジンまたはポリテトラアザピレンを有することができる。
【0090】
前記アゾール系高分子は、前記化学式10ないし化学式23のうち、少なくとも2個のユニットを含むコポリマーまたはブレンドであってもよい。前記アゾール系高分子は、化学式10ないし化学式23のうち、少なくとも2個のユニットを含むブロックコポリマー(ジブロック、トリブロック)、ランダム共重合体、周期共重合体(periodic copolymer)または交互ポリマー(alternating polymer)である。
【0091】
前記化学式10及び/または11のユニットのみを含むアゾール系高分子が使われる。
前記アゾール系高分子は、下記化学式24ないし50で表示される高分子を例として挙げることができる。
【0092】
【化41】

【0093】
【化42】

【0094】
【化43】

【0095】
【化44】

【0096】
【化45】

【0097】
【化46】

【0098】
【化47】

【0099】
【化48】

【0100】
【化49】

【0101】
【化50】

【0102】
【化51】

【0103】
【化52】

【0104】
【化53】

【0105】
【化54】

【0106】
【化55】

【0107】
【化56】

【0108】
【化57】

【0109】
【化58】

【0110】
【化59】

【0111】
【化60】

【0112】
【化61】

【0113】
【化62】

【0114】
【化63】

【0115】
【化64】

【0116】
【化65】

【0117】
【化66】

【化67】

【0118】
前記化学式24ないし化学式50で、l、n17ないしn43及びmないしmは、それぞれ10以上の定数、例えば、100以上の定数であり、
zは、化学結合を示すか、−(CH−、−C(=O)−、−SO−、−C(CH−または−C(CF−であり、sは、1ないし5の定数である。
前記アゾール系高分子としては、下記化学式51のポリ(2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール)(m−PBI)、または下記化学式52のポリ(2,2’−(p−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール)(p−PBI)を有する化合物を使うことができる。
【0119】
【化68】

【0120】
前記化学式51でnは、10以上の定数であり、
【化69】

【0121】
前記化学式52でn2は、10以上の定数である。
前記化学式51または52で表示される化合物の数平均分子量は、100万以下である。
前記アゾール系高分子として、下記化学式53で表示されるベンズイミダゾール系高分子を使うことも可能である。
【0122】
【化70】

【0123】
前記化学式53で、R及びR10は互いに独立して、水素、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC3−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20テロアリールオキシ基であるか、あるいはR及びR10は、互いに連結され、C−C20炭素環またはC−C20ヘテロ環を形成し、
Ar12は、置換または非置換のC−C20アリーレン基、または置換または非置換のC−C20ヘテロアリーレン基であり、
11ないしR13は、それぞれ一置換または多置換された置換基を示し、
水素、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基であり、
Lはリンカー(linker)を示し、
は、0.01ないし1であり、
は、0または1であり、
は、0ないし0.99であり、
kは、10ないし250の数である。
【0124】
前記ベンズイミダゾール系高分子は、下記化学式54または化学式55で表示される化合物であってもよい。
【化71】

【0125】
前記化学式54でk1は、重合度であって、10ないし300の数である。
【化72】

【0126】
前記化学式55でmは、0.01ないし1であり、一実施例によれば、1または0.1ないし0.9であり、n44は、0ないし0.99であり、例えば、0または0.1ないし0.9であり、
は、10ないし250の数である。
【0127】
以下、前述の化学式4ないし化学式9で表示される化合物について、具体的に説明する。
前記化学式4で表示される化合物の例としては、下記化学式56ないし104で表示される化合物を挙げることができる。
【0128】
【化73】

【0129】
【化74】

【0130】
【化75】

【0131】
【化76】

【0132】
【化77】

【0133】
【化78】

【0134】
【化79】

【0135】
【化80】

【0136】
【化81】

【0137】
【化82】

【0138】
【化83】

【0139】
【化84】

【0140】
【化85】

【0141】
【化86】

【0142】
【化87】

【0143】
【化88】

【0144】
【化89】

【0145】
【化90】

【0146】
【化91】

【0147】
【化92】

【0148】
【化93】

【0149】
【化94】

【0150】
【化95】

【0151】
【化96】

【0152】
【化97】

【0153】
【化98】

【0154】
【化99】

【0155】
【化100】

【0156】
【化101】

【0157】
【化102】

【0158】
【化103】

【0159】
【化104】

【0160】
【化105】

【0161】
【化106】

【0162】
【化107】

【0163】
【化108】

【0164】
【化109】

【0165】
【化110】

【0166】
【化111】

【0167】
【化112】

【0168】
【化113】

【0169】
【化114】

【0170】
【化115】

【0171】
【化116】

【0172】
【化117】

【0173】
【化118】

【0174】
【化119】

【0175】
【化120】

【0176】
【化121】

【0177】
前記化学式5で表示される化合物の例としては、下記化学式105ないし109で表示される化合物を挙げることができる。
【0178】
【化122】

【0179】
【化123】

【0180】
【化124】

【0181】
【化125】

【0182】
【化126】

【0183】
前記化学式105ないし109でR’は、−CH−CH=CH、または下記化学式110で表示される基である。
【0184】
【化127】

【0185】
前記化学式5で表示される化合物の具体的な例としては、下記化学式111−114で表示される化合物を挙げることができる。
【0186】
【化128】

【0187】
【化129】

【0188】
【化130】

【0189】
【化131】

【0190】
前記化学式6で表示される化合物として、下記化学式115ないし118で表示される化合物がある。
【0191】
【化132】

前記化学式115でR’’’は、水素またはC−C10アルキル基であり、
【0192】
【化133】

【0193】
【化134】

【0194】
【化135】

前記化学式115ないし118で、前記
【化136】

が、化学式118Aで表示される基から選択される一つである。
【0195】
【化137】

【0196】
前記化学式6で表示される化合物の非制限的な例としては、下記化学式119ないし139で表示される化合物がある。
【0197】
【化138】

【0198】
【化139】

【0199】
【化140】

【0200】
【化141】

【0201】
【化142】

【0202】
【化143】

【0203】
【化144】

【0204】
【化145】

【0205】
【化146】

【0206】
【化147】

【0207】
【化148】

【0208】
【化149】

【0209】
【化150】

【0210】
【化151】

【0211】
【化152】

【0212】
【化153】

【0213】
【化154】

【0214】
【化155】

【0215】
【化156】

【0216】
【化157】

【0217】
【化158】

前記化学式7で表示される化合物で、A’は、下記化学式140または141で表示される一つであってもよい。
【0218】
【化159】

【0219】
【化160】

【0220】
前記化学式140及び141でRは、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20炭素環基、ハロゲン化されたC−C20炭素環基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基である。
【0221】
前記化学式7で表示される化合物は、下記化学式142または143で表示される化合物であってもよい。
【0222】
【化161】

【0223】
【化162】

前記化学式142及び143でRは、下記化学式143Aで表示される基から選択される一つである。
【0224】
【化163】

前記化学式7の化合物の具体的な例としては、下記化学式144ないし149で表示される化合物がある。
【0225】
【化164】

【0226】
【化165】

【0227】
【化166】

【0228】
【化167】

【0229】
【化168】

【0230】
【化169】

前記化学式8で表示される化合物の例としては、下記化学式150,151または152で表示される化合物がある。
【0231】
【化170】

【0232】
【化171】

前記化学式150及び151でR17’は、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、C−C10アリール基、またはC−C10アリールオキシ基であり、
19’は、下記化学式151Aで表示される基のうち選択され、
【0233】
【化172】

【0234】
【化173】

前記化学式152で、R17”は、C−C10アリール基であり、
19”は、下記化学式152Aで表示される基のうち選択される。
【0235】
【化174】

前記化学式8で表示される化合物の例としては、下記化学式153または154で表示される化合物から選択される一つであってもよい。
【0236】
【化175】

【0237】
【化176】

前記化学式153及び154でR19’は、下記化学式154Aで表示される基のうち選択される。
【0238】
【化177】

前記化学式8で表示される化合物は、下記化学式155ないし161で表示される化合物であってもよい。
【0239】
【化178】

【0240】
【化179】

【0241】
【化180】

【0242】
【化181】

【0243】
【化182】

【0244】
【化183】

【0245】
【化184】

前記化学式9で表示される化合物の例としては、下記化学式162ないし164で表示される化合物を挙げることができる。
【0246】
【化185】

【0247】
【化186】

【0248】
【化187】

前記化学式162ないし164でRは、下記化学式164Aで表示される基のうち一つである。
【0249】
【化188】

前記化学式9で表示される化合物の具体的な例としては、下記化学式165ないし172で表示される化合物を挙げることができる。
【0250】
【化189】

【0251】
【化190】

【0252】
【化191】

【0253】
【化192】

【0254】
【化193】

【0255】
【化194】

【0256】
【化195】

【0257】
【化196】

前記アゾール系高分子は、例えば、2,5−ポリベンズイミダゾール、ポリ(2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)(m−PBI)、またはポリ(2,2’−(p−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)(p−PBI)をいう。
【0258】
前記複合膜は、リン酸系物質をさらに含む。
前記リン酸系物質としては、リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸(HPO)、オルトリン酸(HPO)、ピロリン酸(H)、トリリン酸(H10)、メタリン酸、その誘導体などを使うことができ、例えば、リン酸を使う。
【0259】
前記リン酸系物質の濃度は、80ないし100重量%であり、例えば、約85重量%である。前記リン酸系物質の含量は、85重量%のリン酸水溶液の使用時、化学式1の化合物100重量部を基準にして、1ないし500重量部を使う。リン酸系物質の含量が前記範囲であるとき、伝導度及び機械的物性にすぐれる複合膜及び電解質膜を製作することができる。
【0260】
以下、前記化学式1の化合物から選択される一つ以上、架橋性化合物の重合生成物;または前記化学式1の化合物から選択される一つ以上、架橋性化合物及び化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上の複合体を含む複合膜の製造方法を提供する。
まず、化学式1の化合物から選択される一つ以上と、架橋性化合物とを混合して組成物を得る。
次に、前記組成物をコーティング及び熱処理する過程を経れば、複合体を含む複合膜を得ることができる。
【0261】
前記組成物のコーティングは、特別に制限されるものではなく、ディッピング、スプレーコーティング、スクリーンプリンティング、ドクターブレードを利用したコーティング、グラビアコーティング、ディップコーティング、ロ−ルコティング、コンマコーティング、シルクスクリーンまたはそれらの混合方式を使うことができる。
【0262】
例えば、前記組成物のコーティングは、前記組成物を基材上に供給し、所定温度で放置し、前記組成物が基材上に等しく広がるようにした後、ドクターブレードなどのコーティング器を利用して、所望の厚さの膜に成形することができる。
【0263】
前記化学式1の化合物から選択される一つ以上、及び架橋性化合物の混合は、各成分の付加順序、溶媒の使用において、特別に限定されるものではない。
【0264】
前記混合は、一例を挙げれば、架橋性化合物、化学式1の化合物から選択される一つ以上、及び第1溶媒を同時に混合する過程によって、実施することもできる。かような混合過程を経れば、組成物内で、各構成成分が等しく分散または混合するだけではなく、前記組成物を利用した複合膜の作業性に非常にすぐれる。
【0265】
前記組成物には、前記化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上をさらに付け加えることができる。このとき、第2溶媒を付け加えることも可能である。
【0266】
前述の架橋性化合物、化学式1の化合物から選択される一つ以上、及び第1溶媒の混合時、遊星ボールミル(planetary ball mill)のようなボールミルを使用すれば、粉砕混合が可能である。
【0267】
前記熱処理は、室温(20〜25℃)ないし300℃で実施することができる。例えば、約150℃で実施される。かような熱処理温度で実施するとき、機械的物性にすぐれる複合膜を得ることができる。
【0268】
前記第1溶媒及び第2溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルホルムアミドなどがある。
【0269】
前記第1溶媒及び第2溶媒の含量は、化学式1の化合物から選択される一つ以上の含量によって調節し、前記第1溶媒の含量は、化学式1の化合物から選択される一つ以上100重量部を基準にして、100ないし1,000重量部である。そして、前記第2溶媒の含量は、化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上の総重量100重量部を基準にして、100ないし1,000重量部である。
【0270】
前記第1溶媒及び第2溶媒の含量が前記範囲であるとき、組成物内の固形分含量が適切に制御され、組成物の粘度が適切であり、それを利用した複合膜形成のための作業性にすぐれる。
【0271】
一具現例によれば、前記組成物は、例えば、前記組成物を基材上にコーティング及び熱処理して膜を形成し、前記基材から膜を分離して電解質膜を得ることができる。
【0272】
前記熱処理は、150ないし250℃で実施する。熱処理が前記範囲でなされるとき、機械的強度低下のなしに、伝導度にすぐれる複合膜を均一な厚さで得ることができる。
【0273】
前記基材としては、特別に制限されるものではなく、例えば、ガラス板、離型フィルム、アノード電極など、多様な支持体が使われもする。
【0274】
前記離型フィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、マイラー膜などを使うことができる。
【0275】
前記複合膜を電解質膜として利用する場合、電解質膜にリン酸系物質を供給することができる。ここで、前記リン酸系物質を供給するとき、反応温度は、30ないし120℃、例えば、約60℃で実施する。
【0276】
前記電解質膜にリン酸系物質を供給する方式は、特別に制限されるものではないが、例えば、前記電解質膜をリン酸系物質に浸漬する。
【0277】
前記過程によって得た電解質膜は、厚みが1ないし100μm、例えば、30ないし90μmである。前記複合膜は、前述のように、薄膜厚としても形成が可能である。
【0278】
前記電解質膜は、無加湿型プロトン伝導体、高温無加湿の条件で作動する燃料電池に有用である。ここで、「高温」というのは、特別に制限されるものではないが、例えば、250ないし400℃を指す。
【0279】
前記燃料電池は、前述の複合膜を電解質膜として使用し、カソードとアノードとの間に介在させて形成され、高温及び無加湿の条件で、プロトン伝導度及び寿命特性にすぐれ、高効率特性を示す燃料電池である。
【0280】
前記燃料電池は、特別にその用途が限定されるものではないが、例えば、固体酸化物燃料電池、水素イオン交換膜燃料電池などに使われもする。
【0281】
図1は、本発明の一具現例による燃料電池を示す分解斜視図であり、図2は、図1の燃料電池を構成する膜電極接合体(MEA)の断面模式図である。
【0282】
図1に示す燃料電池1は、2個の単位セル11が、1対のホルダー12,12に狭持されて構成されている。単位セル11は、膜電極接合体10と、膜電極接合体10の厚み方向の両側に配置されたバイポーラ板20,20とから構成されている。バイポーラ板20,20は、導電性を有した金属またはカーボンなどで構成されており、膜電極接合体10にそれぞれ接合することにより、集電体として機能すると共に、膜電極接合体10の触媒層に対して、酸素及び燃料を供給する。
【0283】
また、図1に示す燃料電池1は、単位セル11の数が2個であるが、単位セルの数は、2個に限定されるものではなく、燃料電池に要求される特性によって、数十ないし数百位まで増やすこともできる。
【0284】
膜電極接合体10は、図2に示すように、電解質膜100と、電解質膜100の厚み方向の両側に配置された触媒層110,110’と、触媒層110,110’にそれぞれ積層された第1ガス拡散層121,121’と、第1ガス拡散層121,121’にそれぞれ積層された第2ガス拡散層120,120’とから構成される。
前記電解質膜100は、一具現例による複合膜を採用する。
触媒層110,110’は、燃料極及び酸素極として機能するものであり、触媒及びバインダが含まれてそれぞれ構成されており、前記触媒の電気化学的な表面積を拡大させることができる物質がさらに含まれもする。
【0285】
第1ガス拡散層121,121’及び第2ガス拡散層120,120’は、それぞれ、例えば、カーボンシート、カーボンペーパーなどから形成されており、バイポーラ板20,20を介して供給された酸素及び燃料を、触媒層110,110’の全面に拡散させる。
【0286】
この膜電極接合体10を含む燃料電池1は、例えば、250ないし400℃の温度で作動し、一方の触媒層側に、バイポーラ板20を介して、燃料として、例えば、水素が供給され、他方の触媒層側には、バイポーラ板20を介して、酸化剤として、例えば、酸素が供給される。そして、一方の触媒層において、水素が酸化されてプロトンが生じ、このプロトンが電解質膜100を伝導して他方の触媒層に逹し、他方の触媒層において、プロトンと酸素とが電気化学的に反応して水を生成すると共に、電気エネルギーを発生させる。また、燃料として供給される水素は、炭化水素またはアルコールの改質によって生じた水素でもあり、また酸化剤として供給される酸素は、空気に含まれる状態で、供給されもする。
【0287】
以下、一具現例による電解質膜を利用した燃料電池の製造方法について説明する。
燃料電池用電極は、触媒とバインダとを含む触媒層を具備する。
前記触媒としては、白金(Pt)単独;または金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、スズ、モリブデン、コバルト、クロムからなる群で選択された一種以上の金属と、白金との合金あるいは混合物を使うか、あるいは前記触媒金属が、カーボン系担体に担持された担持触媒であってもよい。例えば、白金(Pt)、白金コバルト(PtCo)及び白金ルテニウム(PtRu)からなる群から選択された一つ以上の触媒金属や、前記触媒金属がカーボン系担体に担持された担持触媒を使う。
【0288】
前記バインダとしては、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、及びパーフルオロエチレンからなる群から選択された一つ以上を使用し、バインダの含量は、触媒1重量部を基準にして、0.001ないし0.5重量部である。もしバインダの含量が前記範囲であるとき、触媒層の支持体に対する結着力にすぐれる。
【0289】
前記電極間に、化学式1で表示される化合物から選択される一つ以上と、架橋性化合物とを含む複合体;または化学式1で表示される化合物から選択される一つ以上と、架橋性化合物と、化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上とを含む電解質膜を介在させれば、燃料電池を製作することができる。
【0290】
他の一具現例によれば、一具現例による化学式1の化合物から選択される一つ以上と架橋性化合物とを含む組成物、または前記組成物から形成された複合体は、電極製造時に利用可能である。
【0291】
前記組成物には、前記化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上をさらに含んでもよい。
【0292】
一具現例による電極製造方法によれば、第3溶媒に触媒を分散して分散液を得る。
前記第3溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)などを使用し、その含量は、触媒100重量部を基準にして、100ないし1,000重量部である。
【0293】
前記分散液に、前記化学式1の化合物から選択される一つ以上、アゾール系高分子、及び化学式2ないし7で表示される化合物から選択される一つ以上を付加及び混合して撹拌し、触媒層形成用の組成物を得る。前記組成物には、バインダがさらに含まれもする。
【0294】
前記触媒層形成用の組成物を、カーボン支持体表面にコーティングして電極を完成する。ここで、カーボン支持体は、ガラス基板上に固定することが、コーティング作業において容易である。そして、前記コーティング法としては、特別に制限されるものではないが、ドクターブレードを利用したコーティング、バーコーティング(barcoating)、スクリーンプリンティングなどの方法を利用することができる。
【0295】
前記触媒層形成用の組成物をコーティングした後で熱処理する過程を経るが、20ないし150゜Cの温度範囲で実施する。
【0296】
最終的に得られた燃料電池用電極は、前記化学式1の化合物から選択される一つ以上、及び架橋性化合物を含む組成物;または前記化学式1の化合物から選択される一つ以上、架橋性化合物、及び化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上を含んでもよい。または、前述の熱処理過程及び/または電極を具備した電池の作動中、化学式1の化合物から選択される一つ以上と架橋性化合物との重合反応;または前記化学式1の化合物から選択される一つ以上、架橋性化合物、及び化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上の重合反応が起き、そこから形成された複合体を含みもする。
【0297】
以下、化学式で使われる置換基の定義について説明する。
化学式で使われる用語アルキル基は、完全飽和された分枝型または非分枝型(または直鎖または線形)の炭化水素をいう。
前記アルキル基の非制限的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、n−ヘプチル基などを挙げることができる。
前記アルキル基のうち一つ以上の水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたC−C20アルキル基(例:CCF、CHCF、CHF、CClなど)、C−C20アルコキシ基、C−C20アルコキシアルキル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボン酸基やその塩、スルホニル基、スルファモイル(sulfamoyl)基、スルホン酸基やその塩、リン酸やその塩、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20ヘテロアルキル基、C−C20アリール基、C−C20アリールアルキル基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールアルキル基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20ヘテロアリールオキシアルキル基、またはC−C20ヘテロアリールアルキル基で置換されもする。
【0298】
用語ハロゲン原子は、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素などを含む。
用語ハロゲン原子で置換されたC−C20アルキル基は、一つ以上のハロ基(halo group)が置換されたC−C20アルキル基をいい、非制限的な例としては、モノハロアルキル基、ジハロアルキル基またはパーハロアルキル基を含んだポリハロアルキル基を有することができる。
モノハロアルキル基は、アルキル基内に1つのヨウ素、臭素、塩素またはフッ素を有する場合であり、ジハロアルキル基及びポリハロアルキル基は、二つ以上の同一であるか、あるいは異なるハロ原子を有するアルキル基を示す。
【0299】
化学式で使われる用語アルコキシ基は、アルキル−O−を示し、前記アルキル基は、前述の通りである。前記アルコキシ基の非制限的な例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基などがある。前記アルコキシ基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同一の置換基で置換可能である。
【0300】
化学式で使われる用語アルコキシアルキルはアルキル基が前述のアルコキシによって置換された場合をいう。前記アルコキシアルキルのうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と等しい置換基で置換可能である。このように、前記用語アルコキシアルキルは、置換されたアルコキシアルキル部分を含む。
【0301】
化学式で使われる用語アルケニル基は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する分枝型または非分枝型の炭化水素をいう。アルケニル基の非制限的な例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基などを挙げることができ、前記アルケニル基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同一の置換基で置換されもする。
【0302】
化学式で使われる用語アルキニル基は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する分枝型または非分枝型の炭化水素をいう。前記アルキニル基の非制限的な例としては、エチニル基、ブチニル基、イソブチニル基、イソプロピニル基などを挙げることができる。
前記アルキニル基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同一の置換基で置換されもする。
【0303】
化学式で使われる用語アリール基は、単独または組み合わせて使用され、一つ以上の環を含む芳香族炭化水素を意味する。
前記用語アリール基は、芳香族環が、一つ以上のシクロアルキル環に融合された基も含む。
前記アリール基の非制限的な例としては、フェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基などがある。
また、前記アリール基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0304】
用語アリールアルキル基は、アリール基に置換されたアルキル基を意味する。アリールアルキル基の例としては、ベンジル基またはフェニル−CHCH−を有することができる。
【0305】
化学式で使われる用語アリールオキシ基は、−0−アリールを意味し、アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基などがある。前記アリールオキシ基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0306】
化学式で使われる用語ヘテロアリール基は、N、O、PまたはSから選択される一つ以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である単環式(monocyclic)または二環式(bicyclic)の有機化合物を意味する。前記ヘテロアリール基は、例えば、1〜5個のヘテロ原子を含み、5−10環員(ring member)を含んでもよい。前記SまたはNは、酸化され、さまざまな酸化状態を有することができる。
【0307】
単環式ヘテロアリール基は、チエニル基、プリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,2,5−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,2,5−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル基、イソチアゾール−5−イル基、オキサゾール−2−イル基、オキサゾール−4−イル基、オキサゾール−5−イル基、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、イソオキサゾール−5−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−5−イル基、1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,3−トリアゾール−5−イル基、テトラゾリル基、ピリド−2−イル基、ピリド−3−イル基、ピラジン−2―イル基、ピラジン−4−イル基、ピラジン−5−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、または5−ピリミジン−2−イルを有することができる。
【0308】
用語ヘテロアリール基は、ヘテロ芳香族環が一つ以上のアリール基、脂環族基(cyclyaliphatic)、またはヘテロ環基に融合された場合を含む。
【0309】
二環式ヘテロアリール基の例としては、、インドリル基(indolyl)、イソインドリル基(isoindolyl)、インダゾリル基(indazolyl)、インドリジニル基(indolizinyl)、プリニル基(purinyl)、キノリジニル基(quinolizinyl)、キノリニル基(quinolinyl)、イソキノリニル基(isoquinolinyl)、シンノリニル基(cinnolinyl)、プタラジニル基(phthalazinyl)、ナフチリジニル基(naphthyridinyl)、キナゾリニル基(quinazolinyl)、キノキサリニル基(quinoxalinyl)、フェナントリジニル基(phenanthridinyl)、フェナントロリニル基(phenanthrolinyl)、フェナジニル基(phenazinyl)、フェノチアジニル基(phenothiazinyl)、フェノキサジニル基(phenoxazinyl)、ベンズイソキノリニル基(benzisoqinolinyl)、チエノ[2,3−b]フラニル基(thieno[2,3−b]furanyl)、フロ[3,2−b]−ピラニル基(furo[3,2−b]−pyranyl)、5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル基(5H−pyrido[2,3−d]−o−oxazinyl)、1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル基(1H−pyrazolo[4,3−d]−oxazolyl)、4H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル基(4H−imidazo[4,5−d]thiazolyl)、ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル基(pyrazino[2,3−d]pyridazinyl)、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル基(imidazo[2,1−b]thiazolyl)、イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニル基(imidazo[1,2−b][1,2,4]triazinyl)、7−ベンゾ[b]チエニル基(7−benzo[b]thienyl)、ベンゾオキサゾリル基(benzoxazolyl)、ベンズイミダゾリル基(benzimidazolyl)、ベンゾチアゾリル基(benzothiazolyl)、ベンゾオキサピニル基(benzoxapinyl)、ベンゾオキサジニル基(benzoxazinyl)、1H−ピロロ[1,2−b][2]ベンズアザピニル基(1H−pyrrolo[1,2−b][2]benzazapinyl)、ベンゾフリル基(benzofuryl)、ベンゾチオフェニル基(benzothiophenyl)、ベンゾトリアゾリル基(benzotriazolyl)、ピロロ[2,3−b]ピリジニル基(pyrrolo[2,3−b]pyridinyl)、ピロロ[3,2−c]ピリジニル基(pyrrolo[3,2−c]pyridinyl)、ピロロ[3,2−b]ピリジニル基(pyrrolo[3,2−b]pyridinyl)、イミダゾ[4,5−b]ピリジニル基(imidazo[4,5−b]pyridinyl)、イミダゾ[4,5−c]ピリジニル基(imidazo[4,5−c]pyridinyl)、ピラゾロ[4,3−d]ピリジニル基(pyrazolo[4,3−d]pyridinyl)、ピラゾロ[4,3−c]ピリジニル基(pyrazolo[4,3−c]pyridinyl)、ピラゾロ[3,4−c]ピリジニル基(pyrazolo[3,4−c]pyridinyl)、ピラゾロ[3,4−d]ピリジニル基(pyrazolo[3,4−d]pyridinyl)、ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル基(pyrazolo[3,4−b]pyridinyl)、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基(imidazo[1,2−a]pyridinyl)、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル基(pyrazolo[1,5−a]pyridinyl)、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル基(pyrrolo[1,2−b]pyridazinyl)、イミダゾ[1,2−c]ピリミジニル基(imidazo[1,2−c]pyrimidinyl)、ピリド[3,2−d]ピリミジニル基(pyrido[3,2−d]pyrimidinyl、ピリド[4,3−d]ピリミジニル基(pyrido[4,3−d]pyrimidinyl)、ピリド[3,4−d]ピリミジニル基(pyrido[3,4−d]pyrimidinyl)、ピリド[2,3−d]ピリミジニル基(pyrido[2,3−d]pyrimidinyl)、ピリド[2,3−b]ピラジニル基(pyrido[2,3−b]pyrazinyl)、ピリド[3,4−b]ピラジニル基(pyrido[3,4−b]pyrazinyl)、ピリミド[5,4−d]ピリミジニル基(pyrimido[5,4−d]pyrimidinyl)、ピラジノ[2,3−b]ピラジニル基(pyrazino[2,3−b]pyrazinyl)、またはピリミド[4,5−d]ピリミジニル基(pyrimido[4,5−d]pyrimidinyl)を有することができる。
【0310】
前記ヘテロアリールのうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0311】
用語ヘテロアリールアルキル基は、ヘテロアリール基に置換されたアルキル基を意味する。
【0312】
用語ヘテロアリールオキシ基は、−O−ヘテロアリール部分を意味する。前記ヘテロアリールオキ基シのうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0313】
用語ヘテロアリールオキシアルキル基は、ヘテロアリールオキシ基に置換されたアルキル基を意味する。前記ヘテロアリールオキシアルキル基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0314】
化学式で使われる炭素環基は、飽和または部分的に不飽和の非芳香族(non-aromatic)の単環式、二環式または三環式の炭化水素基をいう。
【0315】
前記単環式炭化水素基の例としては、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基などがある。
【0316】
前記二環式炭化水素基の例としては、ボルニル基(bornyl)、デカヒドロナフチル基(decahydronaphthyl)、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基(bicyclo[2.1.1]hexyl)、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基(bicyclo[2.2.1]heptyl)、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル基(bicyclo[2.2.1]heptenyl)、またはビシクロ[2.2.2]オクチル基(bicyclo[2.2.2]octyl)がある。
【0317】
前記三環式炭化水素基の例としては、アダマンチル(adamantyl)などがある。
【0318】
前記炭素環基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
用語“炭素環オキシ基(carbocyclic oxy group)”は“-O-炭素環(carbon ring)”を意味する。
用語“炭素環アルキル基(carbocyclic alkyl group)”は“-アルキレン-炭素環”を意味する。
用語“ヘテロ環アルキル基(heterocyclic alkyl group)”は“-アルキレン-ヘテロ環”を意味する。
用語“炭素環アルキル基(carbocyclic alkyl group)は炭素環に置換されたアルキル基を意味する。
【0319】
化学式で使われるヘテロ環基は、窒素、硫黄、リン、酸素などのようなヘテロ原子を含んでいる5ないし10の原子からなる環基を指し、具体的な例としては、ピリジルなどがあり、かようなヘテロ環基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様に置換可能である。
【0320】
用語ヘテロ環オキシ基は、−O−ヘテロ環基を意味し、ヘテロ環オキシ基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様に置換可能である。
【0321】
用語スルホニル基は、R”−SO−を意味し、R”は、水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリール−アルキル基、ヘテロアリール−アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シクロアルキル基またはヘテロ環基である。
用語スルファモイル基は、HNS(O)−、アルキル−NHS(O)−、(アルキル)NS(O)−アリール−NHS(O)−、アルキル−(アリール)−NS(O)−、(アリール)NS(O)−、ヘテロアリール−NHS(O)−、(アリール−アルキル)−NHS(O)−、または(ヘテロアリール−アルキル)−NHS(O)−を含む。
【0322】
前記スルファモイル基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様に置換可能である。
【0323】
前記用語アミノ基は、窒素原子が少なくとも1つの炭素またはヘテロ原子に共有結合された場合を示す。アミノ基は、例えば、−NH及び置換された部分(substituted moieties)を含む。
【0324】
前記用語アルキルアミノ基は、窒素が少なくとも1つの付加的なアルキル基に結合されたアルキルアミノ基、窒素が少なくとも一つまたは二つ以上が独立して選択されたアリール基に結合されたアリールアミノ基及びジアリールアミノ基を含む。
【0325】
用語アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基は、それぞれ1価のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びヘテロアリール基が2価の基(divalent group)に変更されたことを除いては、同様に定義される。
【0326】
前記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基のうち一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様に置換可能である。
【0327】
以下、下記実施例を挙げて説明するが、それらに限定されるということを意味するものではない。
【0328】
実施例1:複合体及び複合膜の製造(カルダノール:PBI=10:90重量比)
下記化学式51で表示される化合物(m−PBI)1.35g、化学式2Fで表示される化合物(カルダノール)0.15g、N,N−ジメチルアセトアミド8.5gを混合し、PBIが完全に溶解されるまで撹拌した。撹拌された溶液の一定量をガラス板上に、約40μm厚に塗膜してそれをオーブンに入れた。温度を25ないし250℃に徐々に昇温し、塗膜を乾燥及び硬化させた。
【0329】
前記オーブンの温度を徐々に常温に下げた後、前記ガラス基板の表面から膜を分離し、カルダノールとPBIとの重合生成物である複合体を含む複合膜を製造した。
【0330】
【化197】

前記化学式2FでRは、次の通りである。
【0331】
【化198】

前記%は、重量%を示す。
【0332】
【化199】

【0333】
前記化学式51でnは、30である。
前記複合膜を80℃、85重量%のHPO溶液に十分に浸してから取り出し、リン酸ドーピング複合膜を製造した。
【0334】
実施例2:複合体及び複合膜の製造(カルダノール:PBI=20:80重量比)
前記化学式51で表示される化合物(m−PBI)を1.2g、化学式2Fの化合物(カルダノール)を0.3gに変えたことを除き、実施例1と同一の方法によって実施し、複合体、複合膜及びリン酸ドーピング複合膜を製造した。
【0335】
実施例3:複合体及び複合膜の製造(カルダノール:PBI=23:77重量比)
前記化学式51で表示される化合物(m−PBI)を1.155g、化学式2Fの化合物(カルダノール)を0.345gに変えたことを除き、実施例1と同一の方法によって実施し、複合体、複合膜及びリン酸ドーピング複合膜を製造した。
【0336】
実施例4:複合体及び複合膜の製造(カルダノール:PBI=33:67重量比)
前記化学式51で表示される化合物(m−PBI)を1.005g、化学式2Fの化合物(カルダノール)を0.495gに変えたことを除き、実施例1と同一の方法によって実施し、複合体、複合膜及びリン酸ドーピング複合膜を製造した。
【0337】
実施例5:複合体及び複合膜の製造(カルダノール:PBI=41:59重量比)
前記化学式51で表示される化合物(m−PBI)を0.885g、化学式2Fの化合物(カルダノール)を0.615gに変えたことを除き、実施例1と同一の方法によって実施し、複合体、複合膜及びリン酸ドーピング複合膜を製造した。
【0338】
実施例6:複合体及び複合膜の製造(カルダノール:PBI:BOA=42:42:16重量比)
前記化学式51で表示される化合物(m−PBI)1.85g、化学式2Fの化合物(カルダノール)0.74gに、下記化学式158で表示される化合物1.85gをさらに付加したことを除き、実施例1と同一の方法によって実施し、複合体、それを含む複合膜及びリン酸ドーピング電解質膜を製造した。
【0339】
【化200】

【0340】
実施例7:複合体及び複合膜の製造
化学式2Fの化合物(カルダノール)の代わりに、ウルシオールを使ったことを除き、実施例1と同一の方法によって実施し、複合体、複合膜及びリン酸ドーピング複合膜を製造した。
【0341】
実施例8−12:複合体及び複合膜の製造
化学式2Fの化合物(カルダノール)の代わりに、ウルシオールを使ったことを除き、実施例2−6とそれぞれ同一の方法によって実施し、複合体、複合膜及びリン酸ドーピング電解質膜を製造した。
【0342】
比較例1:PBI膜の製造
下記化学式51で表示される化合物(m−PBI)1.5gを、DMAc 8.5gと混合し、PBIが完全に溶解されるまで撹拌した。撹拌された溶液の一定量をガラス板上に約40μm厚に塗膜し、それをオーブンに入れた。温度を25ないし250℃に徐々に昇温し、塗膜を乾燥及び硬化させた。
前記オーブンの温度を徐々に常温に下げた後、前記ガラス基板の表面から膜を分離してPBI膜を製造した。
【0343】
【化201】

前記化学式51でnは、30である。
前記PBI膜を80℃、85重量%のHPO溶液に十分に浸漬して取り出し、リン酸ドーピングPBI膜を製造した。
【0344】
評価例1:複合体の分光学的データ
前記実施例1,3,4及び5によって製造された複合体のIRスペクトルを調査し、図3Aに示した。
【0345】
評価例2:複合膜の機械的強度分析
前記実施例1〜6及び比較例1によって製造されたリン酸ドーピング複合膜の表面のリン酸を拭き取って重量を測定し、下記数式1によって、リン酸含浸レベルを計算し、下記表1に示した。
【0346】
(数1)
PO含浸レベル(%)=(W−W)/W×100
前記数式1でW及びWは、それぞれリン酸に含浸した後並びにその前での膜の重量を示したものである。
【0347】
【表1】

【0348】
前記実施例1〜6及び比較例1による複合膜の引っ張り強度及び延伸率を、UTM(モデル:universal testing machine(Lloyd LR−10K))を利用して測定し、試片は、ASTM standard D638(Type V specimens)を利用して、一括的に製作して評価した。
【0349】
前記引っ張り強度及び延伸率の評価結果は、図3Bに示した通りである。
図3Bは、リン酸含浸後の電解質膜の引っ張り強度及び延伸率を示したものである。
一般的にPBIは、リン酸含浸レベルが高くなるほど、PBI電解質膜の機械的強度が急減する。図3Bを参照し、リン酸含浸後の実施例1〜6の複合膜は、リン酸の含浸レベルが、前記表1に示されたように、比較例1のPBI膜に比べて高いにもかかわらず、実施例1〜6の複合膜の引っ張り強度及び延伸率が、比較例1の場合に比べて改善していることが分かった。
【0350】
評価例3:複合膜の伝導度の評価
前記実施例1,2によって製造された複合膜において、温度による伝導度変化を調査し、その結果を図4に示した。
前記伝導度は、Bekktec装備を使用し、無加湿、水素(H)(流量:約10SCCM)条件で、4プローブイン・プレーン(probe-in plane)法を使って評価する。
図4を参照し、実施例1,2の複合膜は、伝導度にすぐれるということを確認することができた。
【0351】
評価例4:燃料電池のセル性能評価
前記実施例2による複合膜及び比較例1のPBI膜を、電解質膜としてそれぞれ使用し、この電解質膜の両側にカソード及びアノードを配置して電池を製作した。
【0352】
前記カソード及びアノードは、下記過程によって製造されたものを使用した。
イソプロピルアルコール3ml中のカーボンに、50重量%のPtCoが担持されたPtCo/Cに、10重量%のナフィオン(デュポン社)水系分散液4.5gを滴下させた後で機械的に撹拌し、カソード触媒層形成用の組成物を準備した。
【0353】
前記カソード触媒層形成用の組成物を、炭素ペーパーの一面にコーティングし、カソードを製造した。
【0354】
前記カソード触媒層形成用の組成物で、PtCo/Cの代わりに、PtRu/C(カーボンに50重量%のPtRuが担持される)を使用したことを除き、前記カソード製造過程と同一に実施してアノードを製造した。
【0355】
燃料電池性能評価のために、アノードとカソードとに、無加湿Hと無加湿0とをそれぞれ、約50ccm及び約100ccm供給し、無加湿条件で、100ないし200℃で電池を動作させ、電流密度によるセル電圧変化を調査して図5に示した。
【0356】
それを参照し、実施例2の電解質膜を採用した電池は、比較例1のPBI膜を利用した場合と同様に、優れたセル電圧特性を有するということが分かった。
【0357】
評価例5:セル耐久性分析
前記評価例4によって製作された実施例2の電解質膜を採用した電池と、比較例1のPBI膜を採用した電池とのセル耐久性を分析し、その結果をそれぞれ図6及び図7に示した。
【0358】
図6は、評価例4によって製作された実施例2の電解質膜を採用した電池の耐久性評価結果を示したグラフであり、図7は、評価例4によって製作された比較例1のPBI膜を採用した電池の耐久性評価結果を示したグラフである。
【0359】
前記セル耐久性は、開放回路電圧(OCV)と、高電流密度状態(0ないし1Acm−2)とが反復される、約1時間所要のALT(accelerated life time test)モードのサイクルを実施しつつ、開放回路電圧(OCV)の変化を観察することによって評価する。
【0360】
図6を参照し、実施例2による電解質膜を採用した電池は、図7の比較例1によるPBI膜を採用した電池の場合と異なり、約1,500サイクル経過した後にも、セル電圧特性が安定して維持されていることから見て、長期耐久性にすぐれるということが分かった。
【0361】
以上、本発明の望ましい実施例について説明したが、本発明がそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で、さまざまに変形して実施することが可能であり、それらも発明の範囲に属することは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0362】
本発明の組成物、それから形成された複合体、それを利用した電極及び複合膜、並びにそれを採用した燃料電池は、例えば、電源関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0363】
1 燃料電池
10 膜電極接合体
11 単位セル
12 ホルダー
20 バイポーラ板板
100 電解質膜
110,110’ 触媒層
120,120’ 第2ガス拡散層
121,121’ 第1ガス拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表示される化合物から選択される一つ以上、及び架橋性化合物を含む組成物:
【化1】

前記化学式1で、aは、0、1、または2であり、bは、0、1、2、3、または4であり、a+bが1、2、3、4、または5であることを条件とし、
各Rは、独立に、置換または非置換のC−C40アルキル基、置換または非置換のC−C40アルコキシ基、置換または非置換のC−C40アルケニル基、置換または非置換のC−C40アルキニル基、置換または非置換のC−C40アリール基、置換または非置換のC−C40アリールオキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C40炭素環基、置換または非置換のC−C40炭素環オキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基である。
【請求項2】
前記化学式1で表示される化合物から選択される一つ以上が、
下記化学式2で表示される化合物から選択される一つ以上、または下記化学式3で表示される化合物から選択される一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の組成物:
【化2】

前記化学式2でRは、置換または非置換のC10−C30アルキル基、置換または非置換のC10−C30アルケニル基、及び置換または非置換のC10−C30アルキニル基からなる群から選択され、
【化3】

前記化学式3でRは、置換または非置換のC10−C30アルキル基、置換または非置換のC10−C30アルケニル基、及び置換または非置換のC10−C30アルキニル基からなる群から選択される。
【請求項3】
前記化学式1の化合物から選択される一つ以上は、
下記化学式2Aで表示される化合物、化学式2Bで表示される化合物、化学式2Cで表示される化合物及び化学式2Dで表示される化合物から選択される一つ以上を含む混合物であることを特徴とする請求項1に記載の組成物:
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【請求項4】
前記混合物は、
化学式2Aで表示される化合物1〜5重量%、化学式2Bで表示される化合物30〜35重量%、化学式2Cで表示される化合物20〜25重量%、化学式2Dで表示される化合物40〜45重量%からなる混合物であることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記混合物は、
化学式2Aで表示される化合物3重量%、化学式2Bで表示される化合物34重量%、化学式2Cで表示される化合物22重量%、化学式2Dで表示される化合物41重量%からなる混合物であることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記化学式1で表示される化合物から選択される一つ以上は、
下記化学式3Aで表示される化合物、下記化学式3Bで表示される化合物、下記化学式3Cで表示される化合物、下記化学式3Dで表示される化合物、及び下記化学式3Eで表示される化合物から選択される一つ以上を含む混合物であることを特徴とする請求項1に記載の組成物:
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【請求項7】
前記組成物が、
下記化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物:
【化13】

前記化学式4で、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、
は、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20アリールアルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールアルキル基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、または置換または非置換のC−C20ヘテロ環アルキル基であり、
【化14】

前記化学式5でR’は、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20アリールアルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールアルキル基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、または置換または非置換のC−C20ヘテロ環アルキル基であり、
は、置換または非置換のC−C20アルキレン基、置換または非置換のC−C20アルケニレン基、置換または非置換のC−C20アルキニレン基、置換または非置換のC−C20アリーレン基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリーレン基、−C(=O)−、−SO−からなる群から選択され、
【化15】

前記化学式6で、A、B、C、D、Eは、いずれも炭素であるか、あるいはA、B、C、D、Eから選択される一つまたは二つは、窒素(N)であり、その残りは、炭素(C)であり、
及びRは、互いに連結されて環を形成し、
前記環が、C−C10シクロアルキル基、C−C10ヘテロアリール基、融合されたC−C10ヘテロアリール基、C−C10ヘテロ環基、または融合されたC−C10ヘテロ環基であり、
【化16】

前記化学式7でA’は、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、置換または非置換のC−C20シクロアルキル基、または置換または非置換のC−C20アルキル基であり、
ないしR16は互いに独立して、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20シクロアルキル基、C−C20ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、またはヒドロキシ基であり、
【化17】

前記化学式8で、R17及びR18は互いに独立して、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、または下記化学式8Aで表示される基であり、
【化18】

前記化学式8及び8Aで、R19及びR19’は互いに独立して、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20シクロアルキル基、ハロゲン化されたC−C20シクロアルキル基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基であり、
【化19】

前記化学式9で、R20、R21及びR22から選択される隣接した2個以上の基は、互いに連結され、下記化学式9Aで表示される基であり、
前記R20、R21及びR22のうち選択されていない残りの基は、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20炭素環基、ハロゲン化されたC−C20炭素環基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基であり、
23、R24及びR25から選択される隣接した2個以上の基は、互いに連結され、下記化学式9Aで表示される基であり、
前記R23、R24及びR25のうち選択されていない残りの基は、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20炭素環基、ハロゲン化されたC−C20炭素環基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基であり、
【化20】

前記化学式9AでR’は、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20アリールアルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールアルキル基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、または置換または非置換のC−C20ヘテロ環アルキル基であり、
*は、化学式9のR20、R21及びR22から選択される隣接した2個以上の基と、R23、R24及びR25から選択される隣接した2個以上の基とにそれぞれ連結される位置を表示する。
【請求項8】
前記化学式1で表示される化合物から選択される一つ以上の含量は、
架橋性化合物100重量部を基準にして、5ないし60重量部であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上の含量は、
架橋性化合物100重量部を基準にして、5ないし70重量部であることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記架橋性化合物が、
アゾール系高分子、ポリオキサゾール、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリケトンからなる群から選択された一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記アゾール系高分子が、
2,5−ポリベンズイミダゾール、ポリ(2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)(m−PBI)、またはポリ(2,2’−(p−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)(p−PBI)であることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
リン酸系物質をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記リン酸系物質の含量は、
前記化学式1の化合物から選択される一つ以上100重量部を基準にして、1ないし500重量部であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の組成物の重合生成物である複合体。
【請求項15】
請求項14に記載の複合体を含む複合膜。
【請求項16】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の組成物、または前記組成物の重合生成物である複合体を含む電極。
【請求項17】
カソード、アノード、及びそれらの間に介在された電解質膜を含み、
前記電解質膜が、請求項15に記載の複合膜である燃料電池。
【請求項18】
カソード、アノード、及びそれらの間に介在された電解質膜を含み、
前記カソードとアノードとから選択される一つ以上が、請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の組成物、または前記組成物の重合生成物である複合体を含む燃料電池。
【請求項19】
下記化学式1で表示される化合物から選択される一つ以上、及び架橋性化合物を混合して組成物を得る段階と、
前記組成物をコーティング及び熱処理し、下記化学式1の化合物から選択される一つ以上、及び架橋性化合物を含む組成物の重合生成物である複合体を含む複合膜を得る段階と、を含む複合膜の製造方法:
【化21】

前記化学式1で、aは、0、1、または2であり、
各Rは、独立に、水素、置換または非置換のC−C40アルキル基、置換または非置換のC−C40アルコキシ基、置換または非置換のC−C40アルケニル基、置換または非置換のC−C40アルキニル基、置換または非置換のC−C40アリール基、置換または非置換のC−C40アリールオキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C40ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C40炭素環基、置換または非置換のC−C40炭素環オキシ基、置換または非置換のC−C40ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基である。
【請求項20】
前記組成物が、
下記化学式4ないし9で表示される化合物から選択される一つ以上を含むことを特徴とする請求項19に記載の複合膜の製造方法:
【化22】

前記化学式4で、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、
は、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20アリールアルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールアルキル基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、または置換または非置換のC−C20ヘテロ環アルキル基であり、
【化23】

前記化学式5でR’は、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20アリールアルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールアルキル基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、または置換または非置換のC−C20ヘテロ環アルキル基であり、
は、置換または非置換のC−C20アルキレン基、置換または非置換のC−C20アルケニレン基、置換または非置換のC−C20アルキニレン基、置換または非置換のC−C20アリーレン基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリーレン基、−C(=O)−、−SO−からなる群から選択され、
【化24】

前記化学式6で、A、B、C、D、Eは、いずれも炭素であるか、あるいはA、B、C、D、Eから選択される一つまたは二つは、窒素(N)であり、その残りは、炭素(C)であり、
及びRは、互いに連結されて環を形成し、
前記環が、C−C10シクロアルキル基、C−C10ヘテロアリール基、融合されたC−C10ヘテロアリール基、C−C10ヘテロ環基、または融合されたC−C10ヘテロ環基であり、
【化25】

前記化学式7でA’は、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、置換または非置換のC−C20シクロアルキル基、または置換または非置換のC−C20アルキル基であり、
ないしR16は互いに独立して、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20シクロアルキル基、C−C20ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、またはヒドロキシ基であり、
【化26】

前記化学式8で、R17及びR18は互いに独立して、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、または下記化学式8Aで表示される基であり、
【化27】

前記化学式8及び8Aで、R19及びR19’は互いに独立して、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20シクロアルキル基、ハロゲン化されたC−C20シクロアルキル基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基であり、
【化28】

前記化学式9で、R20、R21及びR22から選択される隣接した2個以上の基は、互いに連結され、下記化学式9Aで表示される基であり、
前記R20、R21及びR22のうち選択されていない残りの基は、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20炭素環基、ハロゲン化されたC−C20炭素環基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基であり、
23、R24及びR25から選択される隣接した2個以上の基は、互いに連結され、下記化学式9Aで表示される基であり、
前記R23、R24及びR25のうち選択されていない残りの基は、水素、C−C20アルキル基、C−C20アルコキシ基、C−C20アリール基、C−C20アリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20アリール基、ハロゲン化されたC−C20アリールオキシ基、C−C20ヘテロアリール基、C−C20ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリール基、ハロゲン化されたC−C20ヘテロアリールオキシ基、C−C20炭素環基、ハロゲン化されたC−C20炭素環基、C−C20ヘテロ環基、またはハロゲン化されたC−C20ヘテロ環基であり、
【化29】

前記化学式9AでR’は、置換または非置換のC−C20アルキル基、置換または非置換のC−C20アルコキシ基、置換または非置換のC−C20アルケニル基、置換または非置換のC−C20アルキニル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20アリールアルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリールアルキル基、置換または非置換のC−C20炭素環基、置換または非置換のC−C20炭素環アルキル基、置換または非置換のC−C20ヘテロ環基、または置換または非置換のC−C20ヘテロ環アルキル基であり、
*は、化学式9のR20、R21及びR22から選択される隣接した2個以上の基と、R23、R24及びR25から選択される隣接した2個以上の基とにそれぞれ連結される位置を表示する。
【請求項21】
前記組成物が、リン酸系物質をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の複合膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−104063(P2013−104063A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−251138(P2012−251138)
【出願日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】