説明

組成物

セメント組成物の物性を改善するための組成物であって、下記の液体配合品を含むもの、少なくとも1種のポリアルキレンオキシドであって、アルキレンオキシドユニットがエチレンおよびプロピレンオキシドであるもの、少なくとも1種の水性のパラフィンエマルション、少なくとも1種のシロキサン化合物、および流動性のために必要な場合は水。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学組成物として、セメント組成物の物性を向上せしめるものに関する。
【0002】
該化学組成物は、下記の液体配合品を含むものである。
(i)少なくとも1種のポリアルキレンオキシドであって、アルキレンオキシドユニットがエチレンおよびプロピレンオキシドであるもの;
(ii)少なくとも1種の水性のパラフィンエマルション;および
(iii)少なくとも1種のシロキサン化合物であって、液体であるものおよび水および水性アルカリの少なくとも1種において可溶性であるものの少なくとも1種であるもの。
【0003】
「シロキサン化合物」とは、あらゆるシロキサンベースの材料を意味するものであり、すなわち直鎖または分枝のシロキサン骨格として−SiR−O−SiR−O−の形態を有するものである。そのような化合物のあらゆるものが本発明に適用されるところ、それは液体であるか、または水および水性アルカリの少なくとも1種において少なくとも僅かに可溶性であればよい。
【0004】
本発明において用いられるシロキサン化合物のうち好ましいものは、一般式Iに相当するものから選択される。
【化1】

【0005】
式中、mおよびnは独立して1〜2000であり、好ましくは1〜500であり、より好ましくは1〜200であり、a、b、およびcは独立して0または1であり、そしてX、YおよびZは、以下から選択され、
−O−;
−O−(CH1−30−、この部分構造は直鎖、分枝または少なくとも1種の環を含む構造の少なくとも1種である;
−(CH1−30−、この部分構造は直鎖、分枝または少なくとも1種の環を含む構造の少なくとも1種である;
−CH−CH−CH−O−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−O−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−N−;
【0006】
R、R’およびR’’は独立して以下の少なくとも1種から選択される:
水素、C1−100アルキル、C6−30アリール、C7−30アラルキル;C7−30アルカリル;C1−30ヒドロキシアルキル;C3−200ポリヒドロキシアルキル;ポリエーテルであって、2〜200個の同一または異なるC1−15オキシアルキレンユニットからなるもの;C1−30アミノアルキル;ポリイミノポリアルキレンであって1〜20個の同一または異なるC2−15アルキレンユニットを有するもの;ポリイミノポリオキシアルキレンであって、1〜20個の同一または異なるC2−15オキシアルキレンユニットを有するもの;C3−30四級アンモニウムであって、任意に少なくとも1個のアニオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−30ベタイン;カルボキシルであって、任意に適切なカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−30ポリカルボキシアルキルであって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;スルホ基であって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;チオスルホ基であって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;エポキシド基;グリシジル;アクリレート;C1−30エステル;ポリエステルであって、2〜200個のC2−15二酸およびジエステルモノマーユニットからなるもの;および無機酸のエステル。ただし全てのアルキル鎖は直鎖、分枝または少なくとも1種の環を含むものの少なくとも1種である。
【0007】
より好ましいクラスのシロキサン化合物は、一般式Iに相当するもののうち、a、bおよびcが全て1であり、X、YおよびZが以下から選択されるものを含む。
−O−(CH1−30−、この部分構造は直鎖または分枝である;
−(CH1−30−、この部分構造は直鎖または分枝である;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−;
R、R’およびR’’は独立して以下の少なくとも1種から選択される:
水素、水酸基;ポリエーテルであって、2〜200個の同一または異なるC2−6オキシアルキレンユニットからなるもの、ただし2種または3種以上のオキシアルキレンユニットが存在する場合、少なくともそれぞれのユニットが2個以上存在するもの;C3−30四級アンモニウムであって、任意に少なくとも1個のアニオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−30ベタイン;カルボキシルであって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;スルホ基であって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;チオスルホ基であって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;グリシジル;およびアクリレート。ただし全てのアルキル鎖は直鎖、分枝または少なくとも1種の環を含むものの少なくとも1種である。
【0008】
さらにより好ましいクラスのシロキサン化合物は、一般式Iに相当するもののうち、mおよびnが独立して1〜200から選択され、a、bおよびcが全て1であり、X、YおよびZが以下から選択されるものを含む。
−O−(CH1−12−;
−(CH1−12−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−;
R、R’およびR’’は独立して以下の少なくとも1種から選択される:
水素、水酸基;ポリエーテルであって、2〜200個の同一または異なるC2−6オキシアルキレンユニットからなるもの、ただし2種または3種以上のオキシアルキレンユニットが存在する場合、少なくともそれぞれのユニットが2個以上存在するもの;C3−30四級アンモニウムであって、任意に少なくとも1個のアニオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−30ベタイン;カルボキシルであって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;グリシジル;およびアクリレート。ただし全てのアルキル鎖は直鎖、または分枝である。
【0009】
さらにより好ましいクラスのシロキサン化合物は、一般式Iに相当するもののうち、mが1〜30であり、nが1〜100であり、a、bおよびcが全て1であり、X、YおよびZが以下から選択されるものを含む。
−O−(CH1−6−、
−(CH1−6−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−;
R、R’およびR’’は独立して以下の少なくとも1種から選択される:
水素、水酸基;ポリエーテルであって、2〜200個の同一または異なるC2−6オキシアルキレンユニットからなるもの、ただし2種または3種以上のオキシアルキレンユニットが存在する場合、少なくともそれぞれのユニットが2個以上存在するもの;C3−20四級アンモニウムであって、任意に少なくとも1個のアニオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−10ベタイン;カルボキシルであって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの。ただし全てのアルキル鎖は直鎖、または分枝である。
【0010】
上記シロキサンは、当技術分野において知られているかかる材料のいかなるものであってよい。そのような材料は当技術分野において種々の目的のおいて周知であり、かかる目的の1つは種々の産業における消泡剤としての目的である。好ましい材料は、RおよびR’がメチルまたはエチルであり、nが5〜200であり、より好ましくは10〜150であり、最も好ましくは40〜100であり、mが1〜100であり、より好ましくは2〜40であり、最も好ましくは5〜10であるものである。
前記2つの異なるシロキサンユニットの配置は、ランダムにまたはブロック単位で、分子内において行ってよい。1種以上の部分構造R’’を用いることができる。R’’の例には、エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーとして10から100ユニットのものが包含される。
【0011】
シロキサンとして本発明において有用なものは、乾燥セメント組成物に導入するかまたはかかる組成物に、水と混合する際に、配置する直前に添加することができる。必要な量はセメントの種類およびシロキサンの正確な特性に依存するが、典型的な重量比の範囲はセメントの重量に対して0.05重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜5重量%、さらにより好ましくは0.1重量%〜2重量%であり最も好ましくは0.2重量%〜1重量%である。
本願発明の別の態様においては、前記シロキサンを用いる際に疎水性であり、微粉砕したシリカを併用してもよい。前記シリカの添加はシロキサンの添加とは別々に行うことが可能であるが、好ましくはシロキサンに導入され、これは例えば配合(blend)または混合によって行われる。シリカの量はシロキサンの重量に対して20%までであり、好ましくは10%を超えない量である。本発明のさらに別異の態様においては、シロキサンにさらに乳化剤を含有せしめてもよい。あらゆる適切な乳化剤を用いることができ、量は当技術分野において認識されている量である。市販の乳化剤には既に乳化剤を含有しているものがあり、この場合には添加は不要である。
好ましくは、ポリアルキレンオキシドはポリエチレンオキシドである。重量平均分子量は100,000〜8,000,000であり、好ましくは2,000,000〜5,000,000である。
【0012】
数多くの種類のパラフィンエマルションが入手可能であり、これらのいずれをも本発明の実施に用いることができる。「パラフィンエマルション」とは、水性のエマルションであって高級アルカンとして融点が常温より高く、エマルションを乾燥しても、塗料がフィルムを形成する意味においてのフィルムを形成しないものを意味する(Roempp"Chemie Lexikon", 9th edition(Thieme Verlag1989), volume1, page 102も参照。この全内容は参照として本願に取り込まれる)。前記エマルションはあらゆる至便な方法によって安定化させていいが、好ましくはイオンによって乳化した(好ましくはアニオンによって安定化した)パラフィン混合物(融点45〜51℃)として粒子径が2μMより小さいものを用いる。そのようなパラフィンエマルションの例はMobilの"Mobilcer"55または"Mulrex"62、Cray Valleyの"Ubatol"FPG 860およびTrueb Emulsion Chemieの"Tecol"BC 60/40である。
【0013】
前記化学組成物における3種の成分および水の濃度を下に記す(全成分の重量に対するパーセント表記として)。場合によっては、前記3種の成分の配合品は十分に液体状態であって水を必要としないが、一般にはある量の水を必要とし、比較的高い割合で必要とする場合もある(例えばポリエチレンオキシドの分子量が大きい場合)。
【0014】
【表1】

【0015】
前記3種類の材料は乾燥セメント、モルタルまたはコンクリートミックスに混合してもよく、この場合は水の添加のみを必要とし、または前記材料は個別にまたはあらゆる組み合わせによって合わせての添加を、水が添加されつつあるセメントミックスに、最終的に使用する前に行ってもよい。好ましくは、前記3種を(必要な場合には水とともに)単一の混和剤として組み合わせる。本材料の貯蔵期間は長く、事前に調製することなく用いることができる。用いる際には、本化学組成物をセメントに対して0.01〜100重量%の量において添加する。水の含量は広範囲に改変することが可能であり、それは所望の効果に依存する。好ましくは、比較的少ない水含量、すなわち好ましくは組成物に対して50重量%未満である。その場合、セメントに対する好ましい重量比は0.05〜10%であり、より好ましくは0.1〜3%であり最も好ましくは0.2〜2%である。
【0016】
本組成物の使用によって、相当かつ多大なる有益な効果が、あらゆるセメント組成物に対して本組成物を導入することによってもたらされる。収縮や亀裂を少なくし、またはなくすことさえできることは上記のとおりであるが、それらのみならず、顕著な改善効果も物性にもたらされ得る。かかる物性とは、凍結融解抵抗性および浸透性等であり、有意な流動化効果ももたらされ得る。改善の特性および程度はセメントミックスの種類および種々の構成原料の特性および濃度によって変わるが、常にある程度の改善がなされる。したがって、本発明によって、セメント組成物の物性を改変する方法が与えられ、該方法は液体のセメントミックスに上記化学組成物を添加することを含む。本発明は、物性が向上したセメント組成物として、上記化学組成物を含むものも与える。
【0017】
前記1種または3種の材料に加えて、セメントミックスの材料として当技術分野において公知のものの添加を、特定の機能の遂行のために当技術分野において認識されている量で行うこともできる。そのような材料に包含されるのは(限定されないが)流動化剤および高性能流動化剤、硬化剤、凍結防止剤、顔料、空気連行剤、遅延剤ならびに補強繊維として金属、ガラスまたはポリマー製のものである。
本発明を以下の非限定的な例を参照してさらに説明する。
【0018】
数多くの材料に対する試験を標準のコンクリートミックス中において行った。かかるミックスのデザインは以下のとおりである:
セメント450kg/m
骨材
0−4mm 990kg/m
4−8mm 660kg/m
水−セメント比=0.47
試験を行った材料は以下のとおり:
混和剤1−配合品として、市販のパラフィンワックスエマルション(Trueb Emulsion Chemieの"Tecol"BC60/40)および分子量4,000,000のポリエチレンオキシド(Union Carbide の"Polyox"(商標)301)を含む。該配合品は40重量%のパラフィンワックスエマルションと1重量%のポリエチレンオキシドを含有する。
混和剤2−混和剤1+シロキサン(ポリエーテルシロキサンとして、m+n=75であり、分子当たり平均6.5個のエチレンオキシド/プロピレンオキシド側鎖を有し、分子量1800のもの)
混和剤3−市販のネオペンチルグリコールベース収縮減少剤
混和剤4−市販の収縮減少剤としてポリオキシアルキレンエーテルの配合品
【0019】
全ての場合において、セメントの重量に対して1%の混和剤を用いるが、例外的に混和剤2においては混和剤1およびシロキサンをそれぞれ1%ずつ用いる。
乾燥自由収縮(drying free shrinkage)をドイツ標準試験法DIN52 450によって測定する。結果は下記の表に示すとおりである。
【0020】
【表2】

【0021】
混和剤2の性能は他の混和剤に比べて明らかに良好である。とくに注目すべきことは、混和剤1の収縮性能が、最も悪いものから最もよいものへ移行したことであって、これはシロキサンを増やして混和剤2としたことによる。また、セメントミックスの流動性がより良好であり、最終のセメント組成物への水の浸透性は本発明の組成物を含有しない同一の組成物より低いことも見出される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント組成物の物性を改善するための組成物であって、下記の液体配合品を含むもの
(i)少なくとも1種のポリアルキレンオキシドであって、アルキレンオキシドユニットがエチレンおよびプロピレンオキシドであるもの;
(ii)少なくとも1種の水性のパラフィンエマルション;および
(iii)少なくとも1種のシロキサン化合物であって、液体であるものおよび水および水性アルカリの少なくとも1種において可溶性であるものの少なくとも1種であるもの。
【請求項2】
シロキサンが一般式Iに相当するものから選択される、請求項1に記載の組成物:
【化1】

式中、mおよびnは独立して1〜2000であり、好ましくは1〜500であり、より好ましくは1〜200であり、a、b、およびcは独立して0または1であり、そしてX、YおよびZは、以下から選択され、
−O−;
−O−(CH1−30−、この部分構造は直鎖、分枝または少なくとも1種の環を含む構造の少なくとも1種である;
−(CH1−30−、この部分構造は直鎖、分枝または少なくとも1種の環を含む構造の少なくとも1種である;
−CH−CH−CH−O−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−O−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−N−;
R、R’およびR’’は独立して以下の少なくとも1種から選択される:
水素、C1−100アルキル、C6−30アリール、C7−30アラルキル;C7−30アルカリル;C1−30ヒドロキシアルキル;C3−200ポリヒドロキシアルキル;ポリエーテルであって、2〜200個の同一または異なるC1−15オキシアルキレンユニットからなるもの;C1−30アミノアルキル;ポリイミノポリアルキレンであって1〜20個の同一または異なるC2−15アルキレンユニットを有するもの;ポリイミノポリオキシアルキレンであって、1〜20個の同一または異なるC2−15オキシアルキレンユニットを有するもの;C3−30四級アンモニウムであって、任意に少なくとも1個のアニオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−30ベタイン;カルボキシルであって、任意に適切なカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−30ポリカルボキシアルキルであって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;スルホ基であって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;チオスルホ基であって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;エポキシド基;グリシジル;アクリレート;C1−30エステル;ポリエステルであって、2〜200個のC2−15二酸およびジエステルモノマーユニットからなるもの;および無機酸のエステル。ただし全てのアルキル鎖は直鎖、分枝または少なくとも1種の環を含むものの少なくとも1種である。
【請求項3】
シロキサンが一般式Iに相当するもののうち、a、bおよびcが全て1であり、X、YおよびZが以下から選択される、請求項1または2に記載の組成物:
−O−(CH1−30−、この部分構造は直鎖または分枝である;
−(CH1−30−、この部分構造は直鎖、分枝である;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−;
R、R’およびR’’は独立して以下の少なくとも1種から選択される:
水素、水酸基;ポリエーテルであって、2〜200個の同一または異なるC2−6オキシアルキレンユニットからなるもの、但し、2種または3種以上のオキシアルキレンユニットが存在する場合、少なくともそれぞれのユニットが2個以上存在するもの;C3−30四級アンモニウムであって、任意に少なくとも1個のアニオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−30ベタイン;カルボキシルであって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;スルホ基であって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;チオスルホ基であって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;グリシジル;およびアクリレート。ただし全てのアルキル鎖は直鎖、分枝または少なくとも1種の環を含むものの少なくとも1種である。
【請求項4】
シロキサンが一般式Iに相当するもののうち、mおよびnが独立して1〜200から選択され、a、bおよびcが全て1であり、X、YおよびZが以下から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物:
−O−(CH1−12−、
−(CH1−12−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−;
R、R’およびR’’は独立して以下の少なくとも1種から選択される:
水素、水酸基;ポリエーテルであって、2〜200個の同一または異なるC2−6オキシアルキレンユニットからなるもの、但し、2種または3種以上のオキサアルキレンユニットが存在する場合、少なくともそれぞれのユニットが2個以上存在するもの;C3−30四級アンモニウムであって、任意に少なくとも1個のアニオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−30ベタイン;カルボキシルであって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;グリシジル;およびアクリレート。ただし全てのアルキル鎖は直鎖、または分枝である。
【請求項5】
シロキサンが一般式Iに相当するもののうち、mが1〜30であり、nが1〜100であり、a、bおよびcが全て1であり、X、YおよびZが以下から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物:
−O−(CH1−6−;
−(CH1−6−;
−CH−CH−CH−O−CH−CHOH−CH−;
R、R’およびR’’は独立して以下の少なくとも1種から選択される:
水素、水酸基;ポリエーテルであって、2〜200個の同一または異なるC2−6オキシアルキレンユニットからなるもの、但し、2種または3種以上のオキシアルキレンユニットが存在する場合、少なくともそれぞれのユニットが2個以上存在するもの;C3−20四級アンモニウムであって、任意に少なくとも1個のアニオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;C4−10ベタイン;カルボキシルであって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの;スルホ基であって、任意に少なくとも1個のカチオンによって完全にまたは部分的にイオン化されているもの。ただし全てのアルキル鎖は直鎖、または分枝である。
【請求項6】
ポリアルキレンオキシドがポリエチレンオキシドである、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
ポリアルキレンオキシドの重量平均分子量が100,000〜8,000,000であり、好ましくは2,000,000〜5,000,000である、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
パラフィンエマルションがイオン的に乳化されたパラフィン混合物であって、融点として45〜51℃を有し、粒子径が2μM未満である、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
セメント組成物の物性を改善する方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を液体のセメントミックスに添加することを含む方法。
【請求項10】
物性が向上したセメントミックスであって、請求項1〜8のいずれかに記載の化学組成物を含む組成物であるセメントミックス。

【公表番号】特表2006−523170(P2006−523170A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504554(P2006−504554)
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002255
【国際公開番号】WO2004/089852
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【Fターム(参考)】