説明

組成物

【課題】 本発明は、化粧料、食品等に好適な、紫外線暴露などによる色素沈着、取り分け、メラニン産生亢進に起因する色素沈着異常、更に言えば、採取された角層細胞においてメラニン存在量が多い人に好適な、皮膚外用剤などの組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】
1)下記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分を含有することを特徴とする組成物を提供することにより、上記課題を解決する。
【化1】



(1)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群よりそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料(但し、医薬部外品を含む)、食品等に好適な組成物に関し、詳しくは、1)下記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分とを含有する組成物に関する。
【0002】
【化1】

(1)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【背景技術】
【0003】
シワ、しみ、たるみ等の皮膚症状は、遺伝的な要因に加え、温度変化、紫外線及び化学物質暴露などの物理的刺激の蓄積により、加齢と共に顕在化する皮膚老化症状である。この様な皮膚症状は、他人が抱く見た目の印象に大きく影響を与えるため、肌の美観を美しく保つことは人々にとっては重要な関心事である。これらの皮膚症状の内、しみ、そばかす、日焼け後の色素沈着などの皮膚症状は、皮膚に存在する色素細胞(メラノサイト)の活性化によりメラニン産生が亢進することにより生じることが明らかにされている。また、メラノサイトにおける過剰又は慢性的なメラニン産生亢進は、角化細胞(ケラチノサイト)へのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などの現象を引き起こし、ケラチノサイトの細胞機能を不活性化させることにより、治り難いしみ、くすみ、重層剥離等の肌症状の悪化を伴う色素沈着引き起こす。この様なメラニン産生亢進が原因で生じる肌症状の悪化を含む色素沈着を予防又は改善するために、美白剤をはじめとする様々な有効成分の研究開発がなされている。特に、美白作用を有する成分の開発は盛んに行われおり、例えば、アスコルビン酸、過酸化水素、コロイド硫黄、グルタチオン、ハイドロキノン、カテコ−ル類などの美白剤が知られ、当該成分を配合した皮膚外用剤も広く使用されている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2を参照)。また、美白剤の研究と共に、色素沈着メカニズムに関する詳細な研究もなされ、それらの成果に基づく多様な作用機序を有する美白剤、例えば、メラニン産生抑制剤(例えば、特許文献1を参照)、チロシナ−ゼ酵素阻害剤(例えば、特許文献2を参照)、チロシナ−ゼ酵素遺伝子発現抑制剤、α−MSH阻害剤(例えば、特許文献3を参照)、抗酸化剤(例えば、特許文献4を参照)等が報告されている。
【0004】
また、美白剤を含有する組成物、取り分け、皮膚外用剤に美白成分を含有させることにより高い美白効果を達成しようとする試みとしては、新規な美白有効成分の創出(例えば、特許文献5を参照)のほか、複数の美白有効成分を組み合わせること(例えば、特許文献6を参照)、更には、処方成分を工夫することにより皮膚透過性又は貯留性(例えば、特許文献7を参照)を高める研究などが行われている。しかしながら、美白剤を含有する皮膚外用剤、複数の美白剤を含有する皮膚外用剤、更には、美白効果を高める処方設計がなされた皮膚外用剤などにおいても、通常の色素沈着に対しては、一定の美白効果が認められるものの、その効果は、必ずしも満足出来るものとはなっていない。特に、ケラチノサイトの細胞機能低下が関与する色素沈着においては、その美白効果は、十分であるとは言い難い。実際、ケラチノサイトの細胞機能低下が関与する治り難いしみ又はくすみ、重層剥離などの肌荒れ症状を伴う色素沈着を呈する人は、皮膚の外観的にもくすんだ印象を与え、この様なくすみを改善させることは困難であるため、この様な人の色黒を改善させる手段の開発が望まれていた。また、前記の美白剤、並びに、当該成分を配合した皮膚外用剤には、安定性及び安全性に課題を有しているものも存した。さらには、これまでの広範囲にわたる美白成分の探索研究により、天然物又は合成化合物等の素材資源もかなり調査研究され、新規有効成分の創出がこれまで以上に困難な状況になることが予測されるため、従来の美白成分が有する美白作用を効果的に発揮させる技術が注目され、その技術開発が、より一層望まれている。
【0005】
立体的に嵩高い芳香族基又は複素芳香族基(特に、ジフェニルメチル基またはトリフェニルメチル基)は、有機低分子化合物、ペプチド及び核酸合成における水酸基またはアミノ基の有効な保護基として広く知られている(例えば、非特許文献3及び非特許文献4を参照)。これらの保護基を利用した反応及び中間化合物(例えば、非特許文献5及び非特許文献6を参照)は、実験室から工業生産までの幅広いスケ−ルにおける有機合成に応用されている。また、その化学構造中に、この様な立体的に嵩高い置換基を有する化合物に関しては、抗腫瘍活性(例えば、非特許文献5を参照)、抗真菌作用(例えば、特許文献8を参照)、抗ヒスタミン作用(例えば、非特許文献6を参照)、ドパミン取り込み阻害作用(例えば、非特許文献7を参照)、カルシウム拮抗作用(例えば、非特許文献8を参照)等の生物活性を示すことが報告されている。しかしながら、前記一般式(1)に表される化合物が、美白成分と共に組成物中に含有させることにより、色素沈着に対する予防又は改善効果が増強されることは全く知られていなかった。さらに、かかる組成物が、メラニン産生亢進によるケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などの現象により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対し有効であることも知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−208073号公報
【特許文献2】特開2009−196895号公報
【特許文献3】特開2001−220347号公報
【特許文献4】特開2010−037299号公報
【特許文献5】特開2009−263258号公報
【特許文献6】特開2004−352630号公報
【特許文献7】特開2007−332115号公報
【特許文献8】特開平09−255634号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】武田克之ら監修、「化粧品の有用性、評価技術と将来展望」、薬事日報社刊(2001年)
【非特許文献2】大森敬之、FRAGRANCE JOURNAL 臨時増刊、No.14、1995、 118−126
【非特許文献3】Theodora W. Green、Protective Groups in Organic Synthesis、A Wiley-Interscience Publication.: 1981、 P173−176 and P273−274
【非特許文献4】泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典、ペプチド合成の基礎と実験: 丸善株式会社、 昭和60年、 P38
【非特許文献5】Naohisa Ogo et. Al.、Bioorganic & Medicinal Chemistry、17(4)、3921−3924(2007)
【非特許文献6】Sasse A., et. al.、Bioorganic & Medicinal Chemistry、8(5)、1139−1149(2000)
【非特許文献7】Dutta AK. et. al.、Bioorganic & Medicinal Chemistry、11(17)、2337−2340(2001)
【非特許文献8】Shanklin JR Jr., et al.、 J. Med. Chem.、34(10)、3011−3022(1991)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、この様な状況下において為されたものであり、紫外線暴露などによる色素沈着、取り分け、メラニン産生亢進に起因する色素沈着異常、更に言えば、採取された角層細胞においてメラニン存在量が多い人に好適な、皮膚外用剤などの組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、紫外線暴露による色素沈着異常の予防又は改善用、更には、メラニン産生亢進に起因する色素沈着異常の予防又は改善に好適な、皮膚外用剤などの組成物を求め、鋭意努力を重ねた結果、1)後記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分とを含有する組成物に、その様な特性が備わっていることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す通りである。
<1> 1)下記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分を含有することを特徴とする、組成物。
【0010】
【化1】

(1)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【0011】
<2> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>に記載の組成物。
【0012】
【化2】

(2)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【0013】
<3> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の組成物。
【0014】
【化3】

(3)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子又はNH基を表し、R1は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を表し、前記の環状脂肪族炭化水素基の環は、R1のもう一方の末端がXに再び結合して形成される環も包含する。]
【0015】
<4> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(4)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の組成物。
【0016】
【化4】

(4)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、酸素原子を表し、R2は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す。]
【0017】
<5> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(5)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の皮膚外用剤。
【0018】
【化5】

(5)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す。]
【0019】
<6> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(6)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の組成物。
【0020】
【化6】

(6)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子又はNH基を表し、R5は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を表し、前記の芳香族炭化水素基の環は、R5のもう一方の末端がXに再び結合して形成される環も包含する。]
【0021】
<7> 前記一般式(1)〜(6)に表される化合物が、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選ばれる1種又は2種以上を有効成分とする、<1>〜<6>の何れか一項に記載の組成物。
【0022】
【化7】

1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)
【0023】
【化8】

1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、
【0024】
【化9】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)
【0025】
【化10】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)
【0026】
【化11】

2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)
【0027】
【化12】

2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)
【0028】
【化13】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)
【0029】
【化14】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)
【0030】
【化15】

1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)
【0031】
【化16】

1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)
【0032】
【化17】

1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)
【0033】
【化18】

1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)
【0034】
<8> 前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、<1>〜<7>の何れか一項に記載の組成物。
<9> 前記美白成分が、メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤よりなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、<1>〜<8>の何れか一項に記載の組成物。
<10> 前記メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤から選択されるものは、次の何れかであることを特徴とする、<1>〜<9>に記載の組成物。
(メラニン産生抑制剤):4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの塩、アスコルビン酸誘導体及び/又はそれらの塩、ハイドロキノン誘導体及び/又はそれらの塩、トラネキサム酸誘導体及び/又はそれらの誘導体、ビタミンE誘導体及び/又はそれらの塩、パンテテイン−S−スルホン酸及び/又はその塩
(α−MSH抑制剤):マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物
(メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤):メチルオフィオポゴナノンB、ソフォラフラバノンA、キク科セイヨウノコギリソウより得られる植物抽出物、ユリ科バクモンドウより得られる植物抽出物
(プロトンポンプ阻害剤):シソ科タチジャコウソウ属タイムより得られる植物抽物、マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物、ショウガ科ショウガ属ショウガより得られる植物抽出物、サイトイモ科ショウブ属ショウブより得られる植物抽出物、ウリ科ヘチマ属ヘチマより得られる植物抽出物、ユキノシタ科アジサイ属アマチャより得られる植物抽出物、サルノコシカケ科マツホド菌核ブクリョウより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属キハギより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属トウクサハギより得られる植物抽出物
<11> 前記美白成分が、組成物全量に対し、0.000001質量%〜15質量%含有することを特徴とする、<1>〜<11>の何れか一項に記載の組成物。
<12> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、<1>〜<11>の何れか一項に記載の組成物。
<13> 美白用であることを特徴とする、<1>〜<12>の何れか一項に記載の組成物。
<14> 紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善用であることを特徴とする、<1>〜<13>の何れか一項に記載の組成物。
<15> メラニン過剰輸送により生じる角化細胞の細胞不活性かが関与する色素沈着異常の予防又は改善用であることを特徴とする、<1>〜<14>に記載の組成物。
<16> 皮膚外用剤であることを特徴とする、<1>〜<15>の何れか一項に記載の組成物。
<17> 1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
<18> 前記一般式(1)に表される化合物が、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選ばれる1種又は2種以上を有効成分とする、<17>に記載の皮膚外用剤。
<19> 前記美白成分が、メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤よりなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、<17>又は<18>に記載の皮膚外用剤。
<20> 前記メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤よりなる群から選択されるものは、次の何れかであることを特徴とする、<17>〜<19>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
(メラニン産生抑制剤):4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの塩、アスコルビン酸誘導体及び/又はそれらの塩、ハイドロキノン誘導体及び/又はそれらの塩、トラネキサム酸誘導体及び/又はそれらの誘導体、ビタミンE誘導体及び/又はそれらの塩、パンテテイン−S−スルホン酸及び/又はその塩
(α−MSH抑制剤):マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物
(メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤):メチルオフィオポゴナノンB、ソフォラフラバノンA、キク科セイヨウノコギリソウより得られる植物抽出物、ユリ科バクモンドウより得られる植物抽出物
(プロトンポンプ阻害剤):シソ科タチジャコウソウ属タイムより得られる植物抽物、マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物、ショウガ科ショウガ属ショウガより得られる植物抽出物、サイトイモ科ショウブ属ショウブより得られる植物抽出物、ウリ科ヘチマ属ヘチマより得られる植物抽出物、ユキノシタ科アジサイ属アマチャより得られる植物抽出物、サルノコシカケ科マツホド菌核ブクリョウより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属キハギより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属トウクサハギより得られる植物抽出物
<21> 水中油乳化剤形であることを特徴とする、<17>〜<20>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
<22> 更に、好ましい製剤成分を含有することを特徴とする、<17>〜<21>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、紫外線暴露などによる色素沈着、取り分け、メラニン産生亢進に起因する色素沈着異常、更に言えば、採取された角層細胞においてメラニン存在量が多い人に好適な、皮膚外用剤などの組成物を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0036】
<本発明の前記一般式(1)に表される化合物及びそれらの薬理学的に許容される塩>
本発明の組成物は、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分とを含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する美白成分、具体的には、メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤よりなる群から選択される1種又は2種以上の美白成分と共に組成物に含有させることにより、美白効果を増強する作用を有する。本発明における美白効果を増強する作用とは、具体的には、紫外線暴露などによる色素沈着に対する予防又は改善効果を増強する作用、さらに好ましくは、過剰及び/又は慢性的なメラニン産生亢進によるケラチノサイトへのメラニン過剰輸送、蓄積及び排出遅延などにより生じる治り難いしみ又はくすみ、重層剥離等の肌荒れを伴う色素沈着に対する予防又は改善効果を増強する作用を意味する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する美白成分と共に組成物中に含有させることにより美白効果を増強させる成分であれば特段の限定なく適応することが出来る。
【0037】
紫外線暴露等の刺激による通常の色素沈着が生じる皮膚においては、メラノサイトにおけるメラニン産生亢進が起こっている。さらに、過度の刺激が皮膚に加えられた場合には、過剰又は慢性的なメラニン産生亢進、さらには、ケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などの現象が起こり、ケラチノサイトの細胞機能不活性化、タ−ンオ−バ−の遅延等のダメ−ジが与えられ、最終的に、治り難いしみ、くすみ、重層剥離などの肌荒れ症状を伴う色素沈着などの皮膚症状の悪化が認められることとなる。この様な、ケラチノサイトの細胞機能低下が関与する色素沈着による皮膚症状の悪化が生じている人においては、角層標本を作製した場合には、有核細胞の出現率が平均に比べ高く、皮膚の重層剥離等の皮膚症状が観察される。本発明の組成物は、前記の皮膚症状を呈する人を対象に使用することが特に好ましいため、角層標本の作製による有核細胞の出現率、皮膚の重層剥離等の皮膚症状の観察による症状を指標とし、投与する対象を設定することが好ましい。
【0038】
ここで前記一般式(1)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。前記Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表す。前記Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、前記Aにおける無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環に関し具体例を挙げれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基、チアゾリル基、イミダゾ−ル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルピリジル基、エチルピリジル基、プロピルピリジル基、メトキシピリジル基、エトキシピリジル基、プロピルオキシピリジル基、ヒドロキシピリジル基、アミノピリジル基、N−メチルアミノピリジル基、N−エチルアミノピリジル基、N−プロピルアミノピリジル基、N,N−ジメチルアミノピリジル基、N,N−ジエチルアミノピリジル基、N,N−ジプロピルアミノピリジル基、フルオロピリジル基、ジフルオロピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基、クロロピリジル基、ブロモピリジル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、イミダゾ−ル基、メチルイミダゾ−ル基、エチルイミダゾ−ル基、プロピルイミダゾ−ル基、メトキシイミダゾ−ル基、エトキシイミダゾ−ル基、プロピルオキシイミダゾ−ル基、ヒドロキシイミダゾ−ル基、アミノイミダゾ−ル基、N−メチルアミノイミダゾ−ル基、N−エチルアミノイミダゾ−ル基、N−プロピルアミノイミダゾ−ル基、N,N−ジメチルアミノイミダゾ−ル基、N,N−ジエチルアミノイミダゾ−ル基、N,N−ジプロピルアミノイミダゾ−ル基、フルオロイミダゾ−ル基、ジフルオロイミダゾ−ル基、トリフルオロメチルイミダゾ−ル基、クロロイミダゾ−ル基、ブロモイミダゾ−ル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。
前記Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表し、具体例を挙げれば、水酸基、アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するアルキルオキシ基を表す。尚、前記Bが、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するジ置換アミノ基、又は、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するジ置換アミノ基を表す場合には、環状脂肪族炭化水素基又は芳香族基の環に、AとBとの接合部位の複素原子が含まれた構造も包含する。
前記一般式(1)に表される化合物の内、より好ましいものとしては、前記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましいものとしては、前記一般式(3)〜(6)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物の内、前記一般式(2)〜(6)に表される化合物に含まれない化合物を具体的に例示すれば、1−[フェニル(ピリジル)メチル]イミダゾ−ル、1−(ジピリジルメチル)イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(ピリジル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(ジピリジル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−(トリピリジルメチル)イミダゾ−ル、2−{[フェニル(ピリジル)メチル]オキシ}エタノ−ル、2−[(ジピリジルメチル)オキシ]エタノ−ル、2−{[ジフェニル(ピリジル)メチル]オキシ}エタノ−ル、2−{[ジピリジル(フェニル)メチル]オキシ}エタノ−ル、2−[(トリピリジルメチル)オキシ]エタノ−ル、2−{[フェニル(ピリジル)メチル]アミノ}エタノ−ル、2−[(ジピリジルメチル)アミノ]エタノ−ル、2−{[ジフェニル(ピリジル)メチル]アミノ}エタノ−ル、2−{[ジピリジル(フェニル)メチル]アミノ}エタノ−ル、2−[(トリピリジルメチル)アミノ]エタノ−ル、2−{[フェニル(ピリジル)メチル]オキシ}エチルアミン、2−[(ジピリジルメチル)オキシ]エチルアミン、2−{[ジフェニル(ピリジル)メチル]オキシ}エチルアミン、2−{[ジピリジル(フェニル)メチル]オキシ}エチルアミン、2−[(トリピリジルメチル)オキシ]エチルアミン、1−[フェニル(ピリジル)メチル]ピロリジン、1−ジピリジルメチルピロリジン、1−[ジフェニル(ピリジル)メチル]ピロリジン、1−[(ジピリジル)フェニルメチル]ピロリジン、1−(トリピリジルメチル)ピロリジン、1−[フェニル(ピリジル)メチル]ピペリジン、1−ジピリジルメチルピペリジン、1−[ジフェニル(ピリジル)メチル]ピペリジン、1−[(ジピリジル)フェニルメチル]ピペリジン、1−(トリピリジルメチル)ピペリジン及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩等が好適に例示出来る。また、前記一般式(1)に表される化合物の内、好ましいものを具体的に例示すれば、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する美白成分と共に組成物中に含有させることにより、美白成分が有する効果を増強し、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0039】
ここで前記一般式(2)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。前記Aにおける無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基のアリ−ル基に関し、好ましいものを具体例に挙げれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基が好適に例示出来る。前記Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表し、具体例を挙げれば、水酸基、アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を有するアルキルオキシ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するモノ又はジ置換アミノ基、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するアルキルオキシ基を表す。尚、前記Bが、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を有するジ置換アミノ基、又は、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を有するジ置換アミノ基を表す場合には、環状脂肪族炭化水素基又は芳香族基の環に、AとBとの接合部位の複素原子が含まれた構造も包含する。前記一般式(2)に表される化合物の内、より好ましいものとしては、前記一般式(3)〜(6)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましい化合物を具体的に例示すれば、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する美白成分と共に組成物中に含有させることにより、美白成分が有する効果を増強し、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0040】
ここで前記一般式(3)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子又はNH基を表し、R1は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を表し、前記の環状脂肪族炭化水素基の環は、R1のもう一方の末端がXに再び結合して形成される環も包含する。前記Aにおける無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群よりそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基のアリ−ル基に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基等が好適に例示出来る。前記Xは、窒素原子又はNH基を表す。
前記R1は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を表し、前記環状脂肪族炭化水素基の環は、R1のもう一方の末端がXに再び結合して形成された環も包含する。前記R1に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、N−シクロプロピル基、N−シクロブチル基、N−シクロペンチル基、N−シクロヘキシル基、N−シクロヘプチル基、N−シクロオクチル基、スクシンイミド基が好適に例示出来る。また、環状脂肪族炭化水素基の環が、R1のもう一方の末端がXに再び結合し形成された環構造を有する置換基(前記X部分を含む)としては、ピロリジノ基、メチルピロリジノ基、エチルピロリジノ基、プロピルピロリジノ基、メトキシピロリジノ基、エトキシピロリジノ基、プロピルオキシピロリジノ基、ヒドロキシピロリジノ基、アミノピロリジノ基、N−メチルピロリジノ基、N−エチルピロリジノ基、N−プロピルピロリジノ基、N,N−ジメチルピロリジノ基、N,N−ジエチルピロリジノ基、N,N−ジプロピルピロリジノ基、フルオロピロリジノ基、ジフルオロピロリジノ基、トリフルオロメチルピロリジノ基、クロロピロリジノ基、ピペリジル基、メチルピペリジル基、エチルピペリジル基、プロピルピペリジル基、メトキシピペリジル基、エトキシピペリジル基、プロピルオキシピペリジル基、ヒドロキシピペリジル基、アミノピペリジル基、N−メチルピペリジル基、N−エチルピペリジル基、N−プロピルピペリジル基、N,N−ジメチルピペリジル基、N,N−ジエチルピペリジル基、N,N−ジプロピルピペリジル基、フルオロピペリジル基、ジフルオロピペリジル基、トリフルオロメチルピペリジル基、クロロピペリジル基、ピペラジノ基、メチルピペラジノ基、エチルピペラジノ基、プロピルピペラジノ基、メトキシピペラジノ基、エトキシピペラジノ基、プロピルオキシピペラジノ基、ヒドロキシピペラジノ基、アミノピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、N−エチルピペラジノ基、N−プロピルピペラジノ基、N,N−ジメチルピペラジノ基、N,N−ジエチルピペラジノ基、N,N−ジプロピルピペラジノ基、フルオロピペラジノ基、ジフルオロピペラジノ基、トリフルオロメチルピペラジノ基、クロロピペラジノ基、モルホリノ基、メチルモルホリノ基、エチルモルホリノ基、プロピルモルホリノ基、メトキシモルホリノ基、エトキシモルホリノ基、プロピルオキシモルホリノ基、ヒドロキシモルホリノ基、アミノモルホリノ基、N−メチルモルホリノ基、N−エチルモルホリノ基、N−プロピルモルホリノ基、N,N−ジメチルモルホリノ基、N,N−ジエチルモルホリノ基、N,N−ジプロピルモルホリノ基、フルオロモルホリノ基、ジフルオロモルホリノ基、トリフルオロメチルモルホリノ基、クロロモルホリノ基等が好適に例示出来、より好ましくは、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリノ基等が好適に例示出来、より好ましくは、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、好ましいものを具体的に例示すれば、N−(ジフェニルメチル)スクシンイミド、N−[(メチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(メチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(エチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(エチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(メトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(エトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(エトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[ビス(フルオロフェニル)メチル]スクシンイミド、N−(トリフェニルメチル)スクシンイミド、N−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(メチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(エチルフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(メトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(エトキシフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]スクシンイミド、N−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]スクシンイミド、N−[トリス(フルオロフェニル)メチル]スクシンイミド、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−[(メチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(アミノフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(クロロフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(クロロフェニル)メチル]ピロリジン、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]ピロリジン、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]ピロリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピロリジン、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]ピロリジン、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−[(メチルフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]ピぺリジン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]ピぺリジン、1−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(アミノフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(クロロフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(クロロフェニル)メチル]ピペリジン、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]ピペリジン、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]ピペリジン、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]ピペリジン、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]ピペリジン、1−(ジフェニルメチル)モルホリン、1−[(メチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[(メトキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[(エチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[(アミノフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]モルホリン、1−[(フルオロフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]モルホリン、1−[(クロロフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(クロロフェニル)メチル]モルホリン、1−(トリフェニルメチル)モルホリン、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]モルホリン、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]モルホリン、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]モルホリン、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]モルホリン、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]モルホリン、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]モルホリン及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましいものとしては、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェ
ニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する美白成分と共に組成物中に含有させることにより、美白成分が有する効果を増強し、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0041】
ここで前記一般式(4)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ル基を表し、Xは、酸素原子を表し、R2は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す。前記Aにおける無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ル基におけるアリ−ル基に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基等が好適に例示出来る。前記Xは、酸素原子を表す。前記R2は、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素を表し、具体例を挙げれば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基、メトキシオクチル基、ジヒドロキシメチル基、ジヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシブチル基、ジヒドロキシペンチル基、ジヒドロキシヘキシル基、ジヒドロキシへプチル基、ジヒドロキシオクチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノペンチル基、アミノヘキシル基、アミノヘプチル基、アミノオクチル基等が好適に例示出来、よりこ好ましくは、ヒドロキシエチル基、アミノエチル基、メトキシエチル基が好適に例示出来る。前記一般式(4)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、1−(ジフェニルメチルオキシ)メタノ−ル、3−(ジフェニルメチルオキシ)プロパノ−ル、4−(ジフェニルメチルオキシ)ブタノ−ル、5−(ジフェニルメチルオキシ)ペンタノ−ル、6−(ジフェニルメチルオキシ)ヘキサノ−ル、7−(ジフェニルメチルオキシ)ヘプタノ−ル、8−(ジフェニルメチルオキシ)オクタノ−ル、1−(トリフェニルメチルオキシ)メタノ−ル、3−(トリフェニルメチルオキシ)プロパノ−ル、4−(トリフェニルメチルオキシ)ブタノ−ル、5−(トリフェニルメチルオキシ)ペンタノ−ル、6−(トリフェニルメチルオキシ)ヘキサノ−ル、7−(トリフェニルメチルオキシ)ヘプタノ−ル、8−(トリフェニルメチルオキシ)オクタノ−ル、1−(ジフェニルメチルオキシ)メチルアミン、3−(ジフェニルメチルオキシ)プロピルアミンアミン、4−(ジフェニルメチルオキシ)ブチルアミン、5−(ジフェニルメチルオキシ)ペンチルアミン、6−(ジフェニルメチルオキシ)ヘキシルアミン、7−(ジフェニルメチルオキシ)ヘプチルアミン、8−(ジフェニルメチルオキシ)オクチルアミン、1−(トリフェニルメチルオキシ)メチルアミン、3−(トリフェニルメチルオキシ)プロピルアミン、4−(トリフェニルメチルオキシ)ブチルアミン、5−(トリフェニルメチルオキシ)ペンチルアミン、6−(トリフェニルメチルオキシ)ヘキシルアミン、7−(トリフェニルメチルオキシ)ヘプチルアミン、8−(トリフェニルメチルオキシ)オクチルアミン、1−(ジフェニルメチルアミノ)メタノ−ル、3−(ジフェニルメチルアミノ)プロパノ−ル、4−(ジフェニルメチルアミノ)ブタノ−ル、5−(ジフェニルメチルアミノ)ペンタノ−ル、6−(ジフェニルメチルアミノ)ヘキサノ−ル、7−(ジフェニルメチルアミノ)ヘプタノ−ル、8−(ジフェニルメチルアミノ)オクタノ−ル、1−(トリフェニルメチルアミノ)メタノ−ル、3−(トリフェニルメチルアミノ)プロパノ−ル、4−(トリフェニルメチルアミノ)ブタノ−ル、5−(トリフェニルメチルアミノ)ペンタノ−ル、6−(トリフェニルメチルアミノ)ヘキサノ−ル、7−(トリフェニルメチルアミノ)ヘプタノ−ル、8−(トリフェニルメチルアミノ)オクタノ−ル、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(メチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(メチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(エチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(エチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(メトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(メトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(エトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(エトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(アミノフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(アミノフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(フルオロフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ビス(フルオロフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[ジフェニル(メチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(メチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(エチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(エチルフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(メトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(エトキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(アミノフェニル)ジフェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(アミノフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチルオキシ]エタノ−ル、2−[トリス(フルオロフェニル)メチルオキシ]エタノ−ル、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(メチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(メチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(エチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(エチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(メトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(メトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(エトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(エトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(アミノフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[(ビス(アミノフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(フルオロフェニル)フェニルメチルオキシエチルアミン、2−[(ビス(フルオロフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、2−[ジフェニル(メチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(メチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(エチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(エチルフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(メトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(エトキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[(アミノフェニル)ジフェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(アミノフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチルオキシ]エチルアミン、2−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチルオキシ]エチルアミン、2−[トリス(フルオロフェニル)メチルオキシ]エチルアミン及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する美白成分と共に組成物中に含有させることにより、美白成分が有する効果を増強し、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0042】
ここで前記一般式(5)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す。前記Aにおける無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ル基におけるアリ−ル基に関し好ましいものを具体的に例示すれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基等が好適に例示出来る。前記Xは、窒素原子を表す。前記R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、R3及びR4に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、水素原子、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基、メトキシオクチル基、ジヒドロキシメチル基、ジヒドロキシエチル基、ジヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシブチル基、ジヒドロキシペンチル基、ジヒドロキシヘキシル基、ジヒドロキシへプチル基、ジヒドロキシオクチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノペンチル基、アミノヘキシル基、アミノヘプチル基、アミノオクチル基等が好適に例示出来、よりこ好ましくは、ヒドロキシエチル基、アミノエチル基、メトキシエチル基が好適に例示出来る。前記一般式(5)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(メチルフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(メチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(エチルフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(エチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(メトキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(メトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(エトキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(エトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(アミノフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(アミノフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(フルオロフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[(ビス(フルオロフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[ジフェニル(メチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(メチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(エチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(エチルフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(メトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(エトキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(エトキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[(アミノフェニル)ジフェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(アミノフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル、2−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチルアミノ]エタノ−ル、2−[トリス(フルオロフェニル)メチルアミノ]エタノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する美白成分と共に組成物中に含有させることにより、美白成分が有する効果を増強し、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0043】
ここで前記一般式(6)に表される化合物に付いて述べれば、式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子又はNH基を表し、R5は、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を表し、前記芳香族炭化水素基は、Xが環内に存在する基も包含する。前記Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、前記Aのジ又はトリアリ−ルメチル基におけるアリ−ル基に関し具体例を挙げれば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基等が好適に例示出来る。Xは、窒素原子又はNH基を表す。前記R5は、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を表し、前記芳香族炭化水素基は、Xが環内に存在する基も包含する基を表す。かかる芳香族炭化水素基に関し具体例を挙げれば、フェニル基、さらに、Xが環内に存在する基としては、ピリジル基、イミダゾ−ル基、フリル基、チエニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、イミダゾ−ル基が好適に例示出来る。前記一般式(6)に表される化合物に関し具体例を挙げれば、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−[(メチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(エチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(エチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(メトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(エトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(エトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(アミノフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(アミノフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(フルオロフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(フルオロフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、1−[ジフェニル(メチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メチルフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(メチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(エチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(エチルフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(エチルフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(メトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(メトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(エトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(メトキシフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(エトキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[(アミノフェニル)ジフェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(アミノフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(アミノフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ジフェニル(フルオロフェニル)メチル]イミダゾ−ル、1−[ビス(フルオロフェニル)フェニルメチル]イミダゾ−ル、1−[トリス(フルオロフェニル)メチル]イミダゾ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する美白成分と共に組成物中に含有させることにより、美白成分が有する効果を増強し、優れた美白作用を発揮する。また、かかる化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れた安全性、安定性を有し、組成物に安定、且つ、安全に含有させることが出来る。
【0044】
また、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する美白成分と共に組成物に含有させることにより、優れた紫外線暴露などによる色素沈着に対する予防又は改善効果の増強作用、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を発揮する。この様な色素沈着の予防又は改善効果の増強作用は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又は薬理学的に許容される塩と、美白成分との薬理学的な相加又は相乗作用に加え、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が有するメラニン産生抑制作用(例えば、PCT/JP2009/071279号公報を参照)、さらには、皮膚透過性又は貯留性の向上などの作用による標的部位への美白成分の送達効率向上作用等によるものと考えられる。
【0045】
前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、市販の相当する試薬を出発原料とし、下記に示す方法に従い又は参考に合成することが出来る。さらに、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、下記に記載されていない化合物の合成方法に関しては、本出願人により出願されたPCT/JP2009/071279号公報に記載の合成方法に従い製造することが出来る。 かかる化合物は、そのまま後述する美白成分と共に組成物中に含有させることにより、紫外線暴露などによる色素沈着に対する予防又は改善効果の増強作用、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を発揮させるために使用することも出来るが、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩の形に変換し、塩として使用することも可能である。例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
【0046】
本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、後述する美白成分と共に働き、紫外線暴露などによる色素沈着に対する予防又は改善効果に対する増強作用、取り分け、メラニンの過剰蓄積及び排出遅延などにより生じるケラチノサイトの細胞機能低下が関与する色素沈着、具体的には、治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果を増強する作用を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.01質量%〜5質量%、さらに好ましくは、0.1質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0047】
<製造例1: 化合物1及び化合物2の製造方法>
化合物1及び化合物2は、特開昭53−16879号公報に記載された方法に従い合成した。尚、化合物2は、和光純薬工業株式会社より試薬として購入することも出来る。
【0048】
【化19】

1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)
【0049】
【化20】

1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)
【0050】
<製造例2: 化合物3及び化合物4の製造方法>
エチレングリコ−ル(3.10g、49.9mmol)(和光純薬)及びトリフェニルクロロメタン(1.39g、49.9mmol)(和光純薬)をピリジン(6mL)(和光純薬)に溶解し、45℃に加温し、2時間撹拌した。反応液に水(50mL)を注ぎ、トルエン(和光純薬)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリム(和光純薬)で乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム(和光純薬):メタノ−ル(和光純薬)=9:1)にて精製し、化合物4(収量0.37g、収率24%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物3を得ることが出来る。
【0051】
<化合物4の物理恒数>
mp.103−106℃
1H-HMR(CDCl3):δ3.26(t、J=4.5Hz、2H)、3.75(t、J=4.5Hz、2H)、7.23−7.54(m、15H).
IR(cm-1): 3337、1448、1093、1061.
【0052】
【化21】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)
【0053】
【化22】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)
【0054】
<製造例3: 化合物5及び化合物6の製造方法>
トリフェニルクロロメタン(1.00g、3.58mmol)(和光純薬)及びアミノエタノール(2.00g、32.7mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、室温にて一晩撹拌した。反応液に水(100mL)を注ぎ、析出物を吸引濾過後、乾燥した。固形物をエタノール(和光純薬)及び水混合溶媒系にて再結晶することにより化合物6(収量0.43g、収率39%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物5を得ることが出来る。
【0055】
<化合物6の物理恒数>
mp.94−97℃
1H-NMR(d−DMSO):δ2.07(t、J=6.0Hz、2H)、3.51(t、J=6.0Hz、2H)、7.15−7.42(m、15H).
IR(cm-1): 3244、1488、1442、1025.
【0056】
【化23】

2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)
【0057】
【化24】

2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)
【0058】
<製造例4: 化合物7及び化合物8の製造方法>
トリフェニルクロロメタン(1.00g、3.58mmol)(和光純薬)及び塩酸エタノ−ルアミン(1.00g、10.3mmol)(和光純薬)をピリジン(4mL)に溶解し、室温にて3日間撹拌した。反応液に水(200mL)を注ぎ、析出物を吸引濾過した。固形物をジエチルエ−テルに縣濁し、3(N)塩酸(和光純薬)を加え、室温にて15分間撹拌した後、不溶物を吸引濾過した。不溶物を酢酸エチル(和光純薬)及び飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬)水溶液の混合溶液に溶解し、振とう後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥した後、吸引濾過、減圧濃縮し、化合物8(収量0.31g、収率28%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物7を得ることが出来る。
【0059】
<化合物8の物理恒数>
mp.87−89℃.
1H−NMR(CDCl3):δ2.88(t、J=5.1Hz、2H)、3.14(t、J=5.1Hz、2H)、7.24−7.51(m、15H).
IR(cm-1): 3378、1594、1448、1054.
【0060】
【化25】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)
【0061】
【化26】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)
【0062】
<製造例5: 化合物9の製造方法>
クロロジフェニルメタン(0.50g、2.47mmol)(和光純薬)、ピロリジン(0.53g、7.45mmol)(東京化成)及びヨウ化カリウム(0.10g、0.60mmol)(和光純薬)をアセトニトリル(20mL)(和光純薬)に加え、2時間還流した。室温まで放却した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬)水溶液を加え、酢酸エチル(和光純薬)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒、クロロホルム(和光純薬):メタノール(和光純薬)=99:1)付し、化合物9(収量0.36g、収率61%)を得た。
【0063】
<化合物9の物理恒数>
mp. 69−72℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.73−1.79(m、4H)、2.40−2.44(m、4H)、4.15(s、1H)、7.12−7.47(m、10H).
IR(cm-1):2793、1452、703.
【0064】
【化27】

1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)
【0065】
<製造例6: 化合物10の製造方法>
ピロリジン(0.26g、3.66mmol)(和光純薬)、トリフェニルクロロメタン(1.02g、3.66mmol)(和光純薬)及び炭酸カリウム(0.51g, 3.66mmol)(和光純薬)をアセトニトリル(30mL)(和光純薬)に加え、5時間還流した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬)水溶液を加え、酢酸エチル(和光純薬)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒n−ヘキサン(和光純薬):酢酸エチル(和光純薬)=9:1)に付し、化合物10(収量0.45g、収率80%)を得た。
【0066】
<化合物10の物理恒数>
mp.127−129℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.53−1.65(m、4H)、2.00−2.30(m、4H)、7.11−7.28(m、5H)、7.48−7.52(m、10H).
IR(cm-1):2961、2819、1486、1448、711.
【0067】
【化28】

1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)
【0068】
<製造例7: 化合物11及び化合物12の製造方法>
ピペリジン(1.50g、17.6mmol)(和光純薬)、トリフェニルクロロメタン(5.40g、19.4mmol)(和光純薬)及び炭酸カリウム(2.68g、19.4mmol)(和光純薬)をアセトニトリル(30mL)(和光純薬)に加え、5時間還流した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬)水溶液を加え、酢酸エチル(和光純薬)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗精製物をクロロホルム(和光純薬)及びn−ヘキサン(和光純薬)の混合溶媒を用いて再結晶し、化合物12(収量1.80g、収率31%)を得た。また、トリフェニルクロロメタンの代わりにジフェニルクロロメタンを使用し同様の操作を行うことにより、化合物11を得ることが出来る。
【0069】
<化合物12の物理恒数>
mp.156−158℃
1H−NMR(CDCl3):δ0.70−3.50(m、10H)、7.14−7.80(m、15H).
IR(cm-1):2923、1485、1448、708.
【0070】
【化28】

1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)
【0071】
【化29】

1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)
【0072】
<本発明の美白成分>
本発明の組成物は、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分を含有することを特徴とする。本発明の美白成分としては、美白作用を有する成分であれば、特段の限定なく適応することが出来、具体例を挙げれば、メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトデンドライト伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤等が好適に例示出来る。本発明の美白成分は、それ自身に美白作用が存するのみならず、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物に含有させることにより、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善効果の増強作用、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果に優れる。この様な、ケラチノサイトの細胞機能低下が関与する色素沈着による皮膚症状の悪化が生じている人においては、角層標本を作製した場合には、有核細胞の出現率が平均に比べ高く、皮膚の重層剥離等の皮膚症状が観察される。本発明の組成物は、前記の皮膚症状を呈する人を対象に使用することが、特に好ましいため、角層標本の作製による有核細胞の出現率、皮膚の重層剥離等の皮膚症状の観察による症状を指標とし、投与する対象を設定することが好ましい。また、前記美白成分としては、単純な化学物質、又は、当該化合物を含有する植物由来の抽出物等の形態が好適に例示出来る。ここで、植物由来の抽出物とは、植物抽出物自体、植物抽出物を分画、精製した分画、植物抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。かかる美白成分を前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物に含有させる場合には、前記美白成分よりなる群から選ばれる美白成分を唯1種のみを含有させることも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。
【0073】
本発明における美白成分の内、メラニン産生抑制剤に付いて述べる。本発明のメラニン産生抑制剤は、メラニン産生抑制作用を有する成分であれば特段の限定なく適応することが出来、より好ましくは、例えば、特開2009−155236号公報に記載のメラニン産生抑制作用試験において、細胞毒性を示さない被験物質添加濃度において、50%以上のメラニン産生抑制作用を示す成分が好適に例示出来る。かかるメラニン産生抑制剤の内、好ましいものを具体的に例示すれば、4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、アスコルビン酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、ハイドロキノン誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、トラネキサム酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、ビタミンE、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、パンテテイン−S−スルホン酸及び/又はその薬理学的に許容される塩が好適に例示出来るまた、前記のメラニン産生抑制剤のほか、4−メトキシサリチル酸などの4−アルコキシサリチル酸及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、5,5’−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオ−ルなどのビフェニル誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸アミド誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、リノ−ル酸などの不飽和脂肪酸及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩なども好適に例示出来る。
【0074】
前記の4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べる。本発明の4−アルキルレゾルシノ−ル誘導体は、メラニン産生抑制作用を有する4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であれば、特段の限定なく適応することが出来、より好ましくは、4−アルキルレゾルシノ−ルの4位アルキル基の炭素数が、炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基、さらに好ましくは、炭素数3〜7の直鎖又は分岐のアルキル基を有する4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩好適に例示出来る。前記の4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に関し好ましいものを具体的に例示すれば、4−メチルレゾルシノ−ル、4−エチルレゾルシノ−ル、4−プロピルレゾルシノ−ル、4−(1−メチルエチル)レゾルシノ−ル、4−n−ブチルレゾルシノ−ル、4−(2−メチルプロピルレゾルシノ−ル)、4−(1−メチルエチルレゾルシノ−ル)、1−エチルプロピルレゾルシノ−ル、1−エチル−2−メチルプロピルレゾルシノ−ル、1−イソプロピル−2−メチルプロピルレゾルシノ−ル、1−ブチルペンチルレゾルシノ−ル、1−イソプロピル−2−メチルプロピルレゾルシノ−ル、1−ブチルペンチルレゾルシノ−ル、1−イソブチル−3−メチルブチルレゾルシノ−ル、4−(1−メチルプロピル)レゾルシノ−ル、4−(1−メチルブチル)レゾルシノ−ル、4−tert−ブチルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩等が好適に例示出来、より好ましくは、4−n−ブチルレゾルシノ−ル及び/又はその薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
【0075】
前記の4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、紫外線暴露などによる色素沈着に対する予防又は改善作用、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.0001質量%〜5質量%、より好ましくは、0.001質量%〜3質量%、さらに好ましくは、0.01質量%〜2質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0076】
前記の4−アルキルレゾルシノ−ルは、相当するアルキル基を有するカルボン酸とレゾルシンを塩化亜鉛の存在下、縮合し、亜鉛アマルガム/塩酸により還元する方法、又は、相当するアルキル基を有するアルコ−ル及びレゾルシンを200〜400℃の高温下にて縮合させる方法等の公知の合成方法(例えば、Lille ,J. ; Bitter, L. A.; Peiner, V. Trudy-Nauchono- Issledovatel' skii Institut Slantsev (1969)、No.18、 127−134、特開2006−124358号公報、特開2006−124357号公報を参照)に従い製造することも出来るし、市販の試薬として購入することも出来る。
【0077】
前記のアスコルビン酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べる。本発明のアスコルビン酸誘導体及びそれらの薬理学的に許容される塩は、メラニン産生抑制作用を有するアスコルビン酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であれば特段の限定なく適応することが出来、より好ましくは、水溶性のアスコルビン酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記のアスコルビン酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に関し、好ましいものを具体的に挙げれば、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸−2−グリコシド(単に、アスコルビン酸グルコシドと表記する場合も存する)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、アスコルビン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかるアルコルビン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、メラニン産生抑制作用に優れるほか、高い水溶性を有するため、製剤化における汎用性に富む。
【0078】
前記のアスコルビン酸、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善効果の増強作用、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.01質量%〜10質量%、より好ましくは、0.05質量%〜5質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0079】
前記のハイドロキノン誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べる。本発明のハイドロキノン誘導体及びそれらの薬理学的に許容される塩は、メラニン産生抑制作用を有するハイドロキノン誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩導体であれば特段の限定なく適応することが出来、好ましいものを具体的に例示すれば、ハイドロキノン配糖体が好適に例示出来る。前記ハイドロキノン配糖体の糖鎖部分としては、L−アラビノ−ス、D−キシロ−ス、D−リボ−ス、D−キシルロ−ス、D−リキソ−ス、D−リブロ−ス等の五炭糖、D−グルコ−ス、D−ガラクト−ス、D-−マンノ−ス、D−タガロ−ス、D−フルクト−ス、L−ソルボ−ス等の六炭糖、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、ムラミン酸等のアミノ酸糖が好適に例示出来る。さらに、ウロン酸又はそのメチル化合物、アセチル化合物としては、D−グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸、L−イズロン酸等のウロン酸又はそれらのメチル化合物、アセチル化合物が好適に例示出来る。前記ハイドロキノン誘導体の内、より好ましいものとしては、ハイドロキノンとグルコ−スが結合した化学構造を有するアルブチン及び/又はその薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
【0080】
前記のハイドロキノン誘導体は、ハイドロキノンと相当する糖より常法により得ることが出来る。例えば、アルブチンは、ハイドロキノンとグルコ−スよりなる溶液に、β−グルコシダ−ゼを用いた酵素反応により合成することが出来る(例えば、特開平05−176785号公報)。
【0081】
また、前記のハイドロキノン誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用の増強効果、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.001質量%〜5質量%、より好ましくは、0.1質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0082】
前記のトラネキサム酸、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べる。本発明のトラネキサム酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、メラニン産生抑制作用を有するトラネキサム酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であれば特段の限定なく適応することが出来る。前記のトラネキサム酸誘導体及びそれらの薬理学的に許容される塩に関し、好ましいものを具体例に例示すれば、トラネキサム酸、トラネキサム酸メチルアミド及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩等が好適に例示出来、より好ましくは、トラネキサム酸及び/又はその薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
【0083】
また、前記のトラネキサム酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用の増強効果、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.01質量%〜10質量%、より好ましくは、0.05質量%〜5質量%、より好ましくは、0.1質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0084】
前記のビタミンE、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べる。本発明のビタミンE、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、メラニン産生抑制作用を有するビタミンE、その誘導体及びそれらの薬理学的に許容される塩であれば特段の限定なく適応することが出来る。前記ビタミンE、その誘導体及びそれらの薬理学的に許容される塩に関し好ましいものを具体的に例示すれば、ビタミンE、ビタミンEアセテ−ト、ビタミンEニコチネ−ト、ビタミンEオロテ−ト及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、ビタミンE及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
【0085】
また、前記のビタミンE、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.05質量%〜10質量%、より好ましくは、0.2質量%〜5質量%、より好ましくは、0.5質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0086】
前記のパンテテイン−S−スルホン酸及び/又はその薬理学的に許容される塩に付いて述べる。本発明のパンテテイン−S−スルホン酸は、遊離酸の形態のみならず、塩の形態で使用することも出来る。前記のパンテテイン−S−スルホン酸の塩としては、薬理学的に許容される塩であれば、特段の限定なく使用出来る。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、モノエタノ−ルアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。中でもアルカリ土類金属塩が好ましく、カルシウム塩が特に好ましい。これは、皮膚外用剤の形態で使用した場合に、特に、生体利用性が高いためである。前記パンテテイン−S−スルホン酸には、光学異性体が存在し、D−体、DL−体のいずれも本発明に使用出来るが、好ましくはD−体である。また、パンテティン−S−スルホン酸及びその塩は既知化合物であり、既に化粧料原料として市販されているものが存し、かかる市販品を購入して使用することが出来る。この様な市販品としては、パンテティン−S−スルホン酸のカルシウム塩である「パンテティンSスルホン酸CA−70」(相互薬工株式会社)が好適に例示できる。
【0087】
また、前記のパンテテイン−S−スルホン酸及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用に対する増強効果、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.001質量%〜1.0質量%、より好ましくは、0.005質量%〜0.8質量%、より好ましくは、0.01質量%〜0.3質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0088】
前記のα−MSH産生抑制剤に付いて述べる。本発明のα−MSH産生抑制剤は、α−MSH産生抑制作用を有する成分であれば特段の限定なく適応することが出来る。本発明のα−MSH産生抑制作用を有する成分としては、例えば、特開2009−067804号公報に記載のα−MSH産生抑制作用評価系において培養細胞内c−AMP産生量を減少させる作用を有する成分が好適に例示出来る。かかるα-MSH産生抑制作用を有する成分としては、マメ科クララ属に属する植物より得られる植物抽出物が好適に例示出来、より好ましくは、マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物が好適に例示出来る。α−MSH産生抑制剤は、生体内におけるメラニン産生に関与する重要な情報伝達物質のα−MSH産生を抑制する、又は、細胞間の情報伝達を阻害することにより細胞内c−AMP産生を抑制し、メラニン産生を抑制する。
【0089】
前記のα−MSH産生抑制剤が、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用に対する増強効果、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.00001質量%〜15質量%、より好ましくは、0.0001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.01質量%〜5質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0090】
前記のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤に付いて述べる。本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤は、メラノサイトの伸長抑制作用を有する成分であれば特段の限定なく適応することが出来る。本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制作用を有する成分としては、例えば、特開2009−046503号に記載のメラノサイトのデンドライト伸長抑制作用評価においてデンドライト伸長抑制作用を有する成分が好適に例示出来る。この様な成分を具体的に例示すれば、メチルオフィオポゴナノンB、ソフォラフラバノンA、キク科セイヨウノコギリソウより得られる植物抽出物、ユリ科バクモンドウより得られる植物抽出物等が好適に例示出来る。メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤は、メラニン産生亢進に起因する色素沈着に加え、メラニン産生量があまり寄与しないメラノサイトのデンドライトからメラニン顆粒の移動亢進により生じる色素沈着に対しても有効である。
【0091】
前記のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤が、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用に対する増強効果、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能低下により生じる治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果への増強効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.01質量%〜10質量%、より好ましくは、0.05質量%〜5質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0092】
前記プロトンポンプ阻害剤に付いて述べる。本発明のプロトンポンプ阻害剤は、プロトンポンプ阻害作用を有する成分であれば、特段の限定なく適応することが出来る。プロトンポンプ阻害剤は、生体膜に存在しプロトンを能動輸送する膜H−ATPase、及び/又は、イオンポンプのNa/K−ATPaseと共役的に働きプロトンを受動輸送するNa/H交換輸送系等に作用し、細胞又は細胞小器官内におけるプロトン濃度を調節する生体機能分子に作用し、プロトン輸送を阻害することにより細胞又は細胞小器官内における酸性化を誘引する作用に優れる。細胞又は細胞小器官内における酸性化作用は、pH依存的に働くイオンチャネル、酵素(例えば、チロシナ−ゼ等)などの生体機能分子の生物活性又は機能に大きな影響を与える。メラニン産生の鍵酵素であるチロシナ−ゼ酵素は、pH変動により大きな影響を受けるため、酸性化によりチロシナ−ゼ活性を低下させメラニン産生が抑制される。本発明のプロトンポンプ阻害作用を有する成分としては、例えば、特願2009−219292号公報に記載のプロトンポンプ阻害作用評価においてプロトンポンプ阻害作用を示す成分が好適に例示出来る。本発明のプロトンポンプ阻害作用を有する成分の内、好ましいものを具体的に例示すれば、シソ科タチジャコウソウ属に属する植物、マメ科クララ属に属する植物、サトイモ科ショウブ属に属する植物、ウリ科ヘチマ属に属する植物、ユキノシタ科アジサイ属に属する植物、サルノコシカケ科マツホド菌核、マメ科ハギ属に属する植物より得られる植物抽出物が好適に例示出来、より好ましくは、シソ科タチジャコウソウ属タイムより得られる植物抽物、マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物、ショウガ科ショウガ属ショウガより得られる植物抽出物、サトイモ科ショウブ属ショウブより得られる植物抽出物、ウリ科ヘチマ属ヘチマより得られる植物抽出物、ユキノシタ科アジサイ属アマチャより得られる植物抽出物、サルノコシカケ科マツホド菌核ブクリョウより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属キハギより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属トウクサハギより得られる植物抽出物が好適に例示出来る。
【0093】
前記のプロトンポンプ阻害作用を有する成分が、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に働き、前記効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.000001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.00001質量%〜5質量%、さらに好ましくは、0.0001質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
【0094】
また、本発明の必須成分にあたるメラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトデンドライト伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤等の美白成分の内、単純な化学物質に関しては、化合物をそのまま使用することも出来るし、薬理学的に許容される塩の形態として利用することも出来る。これらの塩としては、食品、化粧料(皮膚外用剤)、医薬品等で使用されるものであれば、特段の限定無く使用でき、例えば、アルカリ塩であれば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、モノエタノ−ルアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。又、酸との塩であれば、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩等が好適に例示できる。
【0095】
かかる美白成分は、組成物中に前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に含有させることにより、優れた紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用の増強効果、取り分け、メラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などによるケラチノサイトの細胞機能低下が関与する治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善作用の増強効果を発揮する。この様な色素沈着の予防又は改善作用の増強効果は、前記の美白成分が有する色素沈着に対する予防又は改善作用に加え、前記一般式(1)に表される化合物及び/又は薬理学的に許容される塩と、美白成分との薬理学的な相加又は相乗作用、更には、標的部位への美白成分の送達効率を向上させる作用などによるものと考えられる。
【0096】
<本発明の組成物>
本発明の組成物は、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分を含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記の美白成分と共に組成物に含有させることにより、紫外線暴露による色素沈着の予防又は改善作用の増強効果、取り分け、メラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などによるケラチノサイトの細胞機能低下が関与する治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善作用の増強効果を発揮する。この様な色素沈着の予防又は改善作用の増強効果は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又は薬理学的に許容される塩と、美白成分との美白作用における薬理学的な相加又は相乗作用に加え、標的部位への美白成分の送達効率、皮膚貯留又は透過性等を向上させる作用、更には、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩又は美白成分が有する薬理活性によるものと考えられる。また、前記の紫外線暴露により色素沈着が生じている人においては、同時に、メラノサイトにおけるメラニンの過剰産生、並びに、ケラチノサイトへのメラニンの過剰移送によるケラチノサイトの細胞不活性化、タ−ンオ−バ−遅延等のダメ−ジによる肌症状の悪化が生じていることが観察されることが多い。本発明の組成物は、色素沈着に対する予防又は改善作用に加え、メラニンの過剰輸送、蓄積及び排出遅延などの現象に起因する治り難いしみ、くすみ、肌荒れ症状を呈する人を対象に使用されることが好ましい。この様な肌症状を有する人を観察した場合には、有核細胞の増加、重層剥離等の現象が観察されるため、これらを指標とし使用する対象を絞り込むことも有効である。
【0097】
また、1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分を含有することを特徴とする組成物の製剤化にあたっては、通常の食品、医薬品、化粧料などの製剤化で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、経口投与組成物であれば、例えば、乳糖や白糖などの賦形剤、デンプン、セルロ−ス、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロ−スなどの結合剤、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、カルボキシメチルセルロ−スカルシウムなどの崩壊剤、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤、マルチト−ルやソルビト−ルなどの甘味剤、クエン酸などの酸味剤、リン酸塩などの緩衝剤、シェラックやツェインなどの皮膜形成剤、タルク、ロウ類などの滑沢剤、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲルなどの流動促進剤、生理食塩水、ブドウ糖水溶液などの希釈剤、矯味矯臭剤、着色剤、殺菌剤、防腐剤、香料など好適に例示出来る。
【0098】
本発明の組成物としては、医薬品、化粧品、食品、飲料などが好適に例示出来、日常的に摂取出来ることから、食品、化粧品などに適応することが好ましい。その投与経路も、経口投与、経皮投与の何れもが可能であり、解毒(デトックス)の目的では、関連臓器への到達効率のよい経口投与を採用し、食品などの経口投与組成物の形態を採用することが好ましい。また、かかる成分が連続投与される場合、さらには安全性を考慮した場合、経皮的に投与されることが好ましい。皮膚に外用で適応されるものであれば特段の限定なく応用出来、例えば、医薬部外品を含む化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が好ましく例示できる。本発明の皮膚外用剤としては、皮膚に外用で適用されるものであれば、特段の限定無く使用することができ、例えば、化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨などが好適に例示でき、化粧料に適用することが特に好ましい。これは本発明の皮膚外用剤が、比類無き使用感の良さを有しているため、使用感が重要な化粧料に特に好適であるためである。化粧料としては、水中油乳化剤形を応用できるものであれば、特段の限定はなく、例えば、エッセンス、乳液、クリ−ム等の基礎化粧料、アンダ−メ−クアップ、ファンデ−ション、チ−クカラ−、マスカラ、アイライナ−などのメークアップ化粧料、ヘアクリ−ムなどの毛髪化粧料などが好適に例示できる。
【0099】
本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリ−ブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワ−油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パ−ム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、イソステアリルアルコ−ル、ベヘニルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル、ミリスチルアルコ−ル、セトステアリルアルコ−ル等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコ−ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロ−ルプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロ−ルプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエ−テル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコ−ン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノ−ルアミンエ−テル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレ−ト、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコ−ル等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエ−テル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエ−ト、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレ−ト等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレ−ト等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコ−ルモノオレ−ト、POEジステアレ−ト等)、POEアルキルエ−テル類(POE2−オクチルドデシルエ−テル等)、POEアルキルフェニルエ−テル類(POEノニルフェニルエ−テル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエ−テル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエ−テル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパ−ル剤類;レ−キ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマ−等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノ−ル、イソプロパノ−ル等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテ−ト、ビタミンB6ジオクタノエ−ト、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロ−ル、β−トコフェロ−ル、γ−トコフェロ−ル、ビタミンEアセテ−ト等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノ−ル等の抗菌剤;ヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどの有機変性粘土鉱物などが好ましく例示できる。
【0100】
本発明の皮膚外用剤は前記の必須成分を含有し、好ましくは、乳化剤形をとる。乳化剤形の形態としては、油中水乳化剤形でも、水中油乳化剤形でも構わないが、水中油乳化剤形が特に好ましい。ここで、油中水乳化剤形とは外相に油相を有する乳化剤形を総合して称する言葉であり、内相に水相を含有していても良いし、水中油エマルションなどの乳化物を有していても良い。同様に水中油乳化剤形とは、外相に水相を有する乳化物の総称であり、内相に油相を有していても良いし、油中水エマルションなどの乳化物を有していても良い。
【0101】
本発明の皮膚外用剤においては、通常の化粧料などの皮膚外用剤で使用されている非界面活性剤を含有することが出来る。更に、乳化状態を安定に保つ意味でアルキル変性カルボキシビニルポリマ−及び/又はその塩を含有させることも好ましい。かかる成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜0.5質量%であり、より好ましくは0.05〜0.3質量%である。かかる成分は、皮膚に投与後前記必須成分であるアモジメチコンと複合膜を作り、アモジメチコンの効果を増強させるので、その意味でも含有することが好ましい。かかるアルキル変性カルボキシビニルポリマ−には市販品が存し、かかる市販品を購入して使用することが出来る。好ましい市販品としては、日本サ−ファクタント工業株式会社から市販され、炭素数10〜30のアルキル基でアルキル変性されている「ペムレン(PEMUREN;登録商標)TR−1」、「ペムレン(PEMUREN;登録商標)TR−2」、BFグッドリッチ社(米)から市販されている「カ−ボポ−ル(CARBOPOL;登録商標)1382」などがあり、アルキル変性されていないカルボキシビニルポリマ−としては、BFグッドリッチ社(米)から市販されている「カ−ボポ−ル(CARBOPOL;登録商標)Ultrez10」、「カ−ボポ−ル(CARBOPOL;登録商標)940」などがある。このような親水性高分子は、唯一種を用いても、二種以上を組み合わせて用いても構わない。本発明の水中油型乳化組成物は、このような親水性高分子を、0.05〜1質量%含有することが好ましく、0.08〜0.5質量%含有することがより好ましい。これより少ないと乳化系が不安定化するし、これより多いと系の粘度が高くなりすぎて、塗布性が悪くなる。また、この様なアルキル変性カルボキシビニルポリマ−及び/又はその塩を含有させる場合、かかるポリマ−が作り出す乳化構造を強化する意味で、グリセリルアルキルエ−テル、若しくは、グリセリルアルケニルエ−テルを含有させることが好ましい。グリセリルアルキルエ−テルとしては、バチルアルコ−が、グリセリルアルケニルエ−テルとしては、セラキルアルコ−ルが好適に例示出来る。かかるエ−テル類は、0.1質量%〜1質量%含有させることが好ましく、かかる含有量は、アルキル変性カルボキシビニルポリマ−の含有量と等量乃至は5倍量であることが好ましい。この量範囲が、乳化剤形を強化するのに好適であるためである。
【0102】
また、前記の任意成分の中で特に好ましいものとしては、非イオン界面活性剤であり、中でも、親油性の界面活性剤であって、乳化状態に於いて構造形成性に優れるもの好ましく、かかる非イオン界面活性剤としては、ソルビタンステアリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステルなどが特に好適に例示できる。かかる成分の好ましい含有量は0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.2〜3質量%である。かかる成分を加えることにより、皮膚との接着性に優れるようになる。
【0103】
本発明の皮膚外用剤は、前記の任意成分や必須成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0104】
以下に、実施例を挙げて、更に詳細に本発明について説明を加える。
【実施例1】
【0105】
<製造例8: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の製造1>
表1及び表2に示す処方に従って、本発明の組成物(皮膚外用剤)を作製した。即ち、イ、ロ及びハの成分を80℃に加熱し、ロにハを攪拌しながら徐々に加え中和した後、イを徐々に攪拌しながら加え、ホモミキサ−により乳化粒子を均一化し乳液(化粧料1〜14)を得た。同様の操作により、化粧料5の処方成分中、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」を「水」に置換した比較例1、「本発明の美白成分」を「水」に置換した比較例2、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明の美白成分」を共に「水」に置換した比較例3を製造した。
【0106】
【表1】

【0107】
【表2】

【実施例2】
【0108】
<試験例1: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の色素沈着抑制作用評価1>
水中油乳化剤形の化粧料(化粧料1〜14)及び比較例1〜3の化粧料を用い、色素沈着抑制効果を調べた。自由意思で参加したパネラ−の背部に、試験初日(1日目)に1.5cm×1.5cmの試験部位を設け、試験部位の皮膚明度(L*値)を色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて測定した。試験初日に皮膚明度を測定した後、試験部位に最少紅斑量の2倍量(2MED)の紫外線を1回照射した。紫外線照射終了直後より1日3回、14日連続して、各試験部位に各検体(化粧料1〜14又は比較例1〜3の化粧料)を50μL塗布した。塗布終了24時間後(15日目)に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、試験初日のL値に対するΔL*値を算出した。結果を表3に示す。ΔL*値は色素沈着の程度が強いほど低い値となるため、ΔL*値が大きい程、色素沈着が抑制されたと判断することができる。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜14は優れた色素沈着抑制効果を有することが分かる。また、比較例1及び比較例2も色素沈着抑制作用が認められたが、その効果は、化粧料1〜14に比較し弱かった。
【0109】
【表3】

【実施例3】
【0110】
<製造例9: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の製造2>
前記化粧料5に含有される「本発明の前記一般式(1)に表される化合物(化合物12)」及び「本発明の美白成分」の含有量を変化させた化粧料(化粧料15〜24)を実施例1に記載の製造方法に従い作製し、紫外線暴露による色素沈着抑制作用を検討した。前記成分の含有量は、表4に示した通りである。また、前記成分の増減による質量%の変化は、水の質量%を増減させることにより調整した。
【0111】
【表4】

【実施例4】
【0112】
<試験例2: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の色素沈着抑制作用評価2>
実施例3に記載の方法により製造した水中油乳化剤形の化粧料15〜24、更には、実施例1に記載の方法に従い製造した比較例3に関し、実施例2に記載の試験方法に従い、化粧料15〜24、比較例3の色素沈着抑制作用を評価した。結果を表5に示す。
【0113】
【表5】

【実施例5】
【0114】
<製造例10: 本発明の組成物(皮膚外用剤)製造3>
実施例1に記載の化粧料5の処方成分中、「ペムレンTR−2」をPOE(25)ステアリン酸に置換した化粧料25の作製を試みたところ、化粧料25は製造直後に分離しており、乳化物が得られなかった。
【実施例6】
【0115】
<製造例11: 本発明の組成物(皮膚外用剤)の色素沈着抑制作用評価3>
実施例1に記載の方法に従い製造した化粧料2、化粧料5〜9、比較例1〜3に付いて、以下の手順に従い色素沈着抑制作用評価を行った。メラニン量が平均より多いパネラ−の選択にあたっては、皮膚から粘着テ−プストリッピングにより採取した角層細胞の標本を、硝酸銀水溶液を用いたメラニン染色を行うことにより可視化し、これを顕微鏡下観察することにより判定した。また、判定にあたっては、平均的な存在状況を中心にスコア化して判別した。さらに、前記パネラ−の内、角層標本を用い有核細胞の出現率が平均よりも高い、乃至は、重層剥離の度合いが平均よりも多い人を観察により選択しパネラ−とした。前記の特性を有する自由意思で参加したパネラ−の両上腕背部に1.5cm×1.5cmの部位を上下2段に分け測定部位を設け、最少紅斑量(1MED)の紫外線照射を1日1回、3日連続して3回照射した。照射終了後1日より、1日1回28日連続してサンプル50μLを塗布した。1部位は無処置部位とした。塗布終了24時間後に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、無処置部位のL値に対するΔL*値を算出した。L*値は、色素沈着の程度が強いほど低い値となる。従って、ΔL*値が大きい程、色素沈着が抑制されたと判断することができる。結果を表6に示す。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料2、化粧料5〜9は、優れた色素沈着抑制効果を示すことが分かる。
【0116】
【表6】

【実施例7】
【0117】
<製造例12: 本発明の組成物(健康食品)の製造1>
表7及び表8に示す処方に従い、健康食品(健康食品1〜8)を作製した。即ち、処方成分を10重量部の水と共に転動相造粒(不二パウダル株式会社製「ニュ−マルメライザ−」)し、打錠して錠剤状の健康食品を得た。尚、表中の数値の単位は、重量部を表す。本健康食品は、優れた色素沈着予防又は改善効果を有することが分かった。
【0118】
【表7】

【0119】
【表8】

【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、美白用の化粧料、食品等に応用出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)下記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分を含有することを特徴とする、組成物。
【化1】

(1)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基及び/又は無置換又は置換基を有する複素芳香族環よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリ芳香族メチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【請求項2】
前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【化2】

(2)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Bは、Aとの結合部位が複素原子である、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子により置換されていてもよい環状又は非環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。]
【請求項3】
前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【化3】

(3)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子又はNH基を表し、R1は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の環状脂肪族炭化水素基を表し、前記の環状脂肪族炭化水素基の環は、R1のもう一方の末端がXに再び結合して形成される環も包含する。]
【請求項4】
前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(4)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【化4】

(4)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、酸素原子を表し、R2は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す。]
【請求項5】
前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(5)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【化5】

(5)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子に置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表す。]
【請求項6】
前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(6)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【化6】

(6)
[式中、Aは、無置換又は置換基を有するアリ−ル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれるジ又はトリアリ−ルメチル基を表し、Xは、窒素原子又はNH基を表し、R5は、水素原子、水素原子又は炭素原子が複素原子で置換されていてもよい炭素数3〜8の芳香族炭化水素基を表し、前記の芳香族炭化水素基の環は、R5のもう一方の末端がXに再び結合して形成される環も包含する。]
【請求項7】
前記一般式(1)〜(6)に表される化合物が、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選ばれる1種又は2種以上よりなることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の組成物。
【化7】

1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)
【化8】

1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、
【化9】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)
【化10】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)
【化11】

2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)
【化12】

2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)
【化13】

2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)
【化14】

2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)
【化15】

1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)
【化16】

1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)
【化17】

1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)
【化18】

1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)
【請求項8】
前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記美白成分が、メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤よりなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤から選択されるものは、次の何れかであることを特徴とする、請求項1〜9に記載の組成物。
(メラニン産生抑制剤):4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの塩、アスコルビン酸誘導体及び/又はそれらの塩、ハイドロキノン誘導体及び/又はそれらの塩、トラネキサム酸誘導体及び/又はそれらの誘導体、ビタミンE誘導体及び/又はそれらの塩、パンテテイン−S−スルホン酸及び/又はその塩
(α−MSH抑制剤):マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物
(メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤):メチルオフィオポゴナノンB、ソフォラフラバノンA、キク科セイヨウノコギリソウより得られる植物抽出物、ユリ科バクモンドウより得られる植物抽出物
(プロトンポンプ阻害剤):シソ科タチジャコウソウ属タイムより得られる植物抽物、マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物、ショウガ科ショウガ属ショウガより得られる植物抽出物、サイトイモ科ショウブ属ショウブより得られる植物抽出物、ウリ科ヘチマ属ヘチマより得られる植物抽出物、ユキノシタ科アジサイ属アマチャより得られる植物抽出物、サルノコシカケ科マツホド菌核ブクリョウより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属キハギより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属トウクサハギより得られる植物抽出物
【請求項11】
前記美白成分が、組成物全量に対し、0.000001質量%〜15質量%含有することを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の組成物。
【請求項12】
化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の組成物。
【請求項13】
美白用であることを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の組成物。
【請求項14】
紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善用であることを特徴とする、請求項1〜13の何れか一項に記載の組成物。
【請求項15】
メラニン過剰輸送により生じる角化細胞の細胞不活性かが関与する色素沈着異常の予防又は改善用であることを特徴とする、請求項1〜14に記載の組成物。
【請求項16】
皮膚外用剤であることを特徴とする、請求項1〜15の何れか一項に記載の組成物。
【請求項17】
1)前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)美白成分を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
【請求項18】
前記一般式(1)に表される化合物が、1−(ジフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物1)、1−(トリフェニルメチル)イミダゾ−ル(化合物2)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物3)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル(化合物4)、2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物5)、2−[(トリフェニルメチル)アミノ]エタノ−ル(化合物6)、2−[(ジフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物7)、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エチルアミン(化合物8)、1−(ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物9)、1−(トリフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)、1−(ジフェニルメチル)ピペリジン(化合物11)、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン(化合物12)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選ばれる1種又は2種以上を有効成分とする、請求項17に記載の皮膚外用剤。
【請求項19】
前記美白成分が、メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤よりなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項17又は18に記載の皮膚外用剤。
【請求項20】
前記メラニン産生抑制剤、α−MSH抑制剤、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤、プロトンポンプ阻害剤よりなる群から選択されるものは、次の何れかであることを特徴とする、請求項17〜19の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
(メラニン産生抑制剤):4−アルキルレゾルシノ−ル及び/又はそれらの塩、アスコルビン酸誘導体及び/又はそれらの塩、ハイドロキノン誘導体及び/又はそれらの塩、トラネキサム酸誘導体及び/又はそれらの誘導体、ビタミンE誘導体及び/又はそれらの塩、パンテテイン−S−スルホン酸及び/又はその塩
(α−MSH抑制剤):マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物
(メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤):メチルオフィオポゴナノンB、ソフォラフラバノンA、キク科セイヨウノコギリソウより得られる植物抽出物、ユリ科バクモンドウより得られる植物抽出物
(プロトンポンプ阻害剤):シソ科タチジャコウソウ属タイムより得られる植物抽物、マメ科クララ属クララより得られる植物抽出物、ショウガ科ショウガ属ショウガより得られる植物抽出物、サイトイモ科ショウブ属ショウブより得られる植物抽出物、ウリ科ヘチマ属ヘチマより得られる植物抽出物、ユキノシタ科アジサイ属アマチャより得られる植物抽出物、サルノコシカケ科マツホド菌核ブクリョウより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属キハギより得られる植物抽出物、マメ科ハギ属トウクサハギより得られる植物抽出物
【請求項21】
水中油乳化剤形であることを特徴とする、請求項17〜20の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項22】
更に、好ましい製剤成分を含有することを特徴とする、請求項17〜21の何れか一項に記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2012−1519(P2012−1519A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140428(P2010−140428)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】