説明

組成物

i)塩であり、8個から14個の炭素を有するアルキル基を含むクレンジング用アニオン性界面活性剤を含むクリーニング相、
ii)
(a)脂肪物質、
(b)16個から30個の炭素を有するアルキル基を含む、ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤、
(c)カチオン性界面活性剤
を含む、総電荷を持たないまたはアニオン性である水性コンディショニングゲルネットワーク、および
iii)エステル化されたスクロース
を含む、シャンプー組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エステル化されたスクロースを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エステル化された糖を含む組成物は、US932610およびUS3950510に開示されている。
【0003】
コンディショニングゲルネットワークを含有する組成物は、同時係属出願のEP08168600に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第932610号明細書
【特許文献2】米国特許第3950510号明細書
【特許文献3】欧州特許第08168600号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特に高温における製品安定性に関して、エステル化された糖を含有するシャンプーの性能を改善する必要性がなお存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、
i)塩であり、8個から14個の炭素を有するアルキル基を含むクレンジング用アニオン性界面活性剤を含むクリーニング相、
ii)
(a)脂肪物質、
(b)16個から30個の炭素を有するアルキル基を含む、ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤、
(c)カチオン性界面活性剤
を含む、総電荷を持たないまたはアニオン性である水性コンディショニングゲルネットワーク、および
iii)エステル化されたスクロース
を含む、シャンプー組成物を提供する。
【0007】
本発明は、
i)
(a)脂肪物質、
(b)16個から30個の炭素を有するアルキル基を含む、ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤、
(c)カチオン性界面活性剤
を含む、総電荷を持たないまたはアニオン性である水性コンディショニングゲルネットワークを形成するステップ、
ii)生成したゲルネットワークを、主要界面活性剤の希釈溶液に添加するステップ、および
iii)エステル化されたスクロースを、生成した組成物に添加するステップ
を含む、シャンプー組成物を製造する方法にさらに関する。
【0008】
i)
(a)脂肪物質、
(b)16個から30個の炭素を有するアルキル基を含む、ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤、
(c)カチオン性界面活性剤、
(d)エステル化されたスクロース
を含む、総電荷を持たないまたはアニオン性である水性コンディショニングゲルネットワークを形成するステップ、および
ii)生成したゲルネットワークを、主要界面活性剤の希釈溶液に添加するステップ
を含む、シャンプー組成物を製造する方法がさらに開示される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ゲルネットワーク
好ましくは、ゲルネットワーク中のアニオン性およびカチオン性界面活性剤の炭素の数は、4個以内、好ましくは互いに2個の炭素であり、最も好ましくは同じ数の炭素を有する。より好ましくは、界面活性剤は、炭素が4個以内の、より好ましくは炭素が2個以内の、最も好ましくは同じ長さの単一アルキル基を含む。これは、ゲルネットワークの安定性を維持する助けをする。
【0010】
好ましくは、ゲルネットワークのカチオン性界面活性剤中の炭素は、単一アルキル基中に存在する。より好ましくは、ゲルネットワークのカチオン性界面活性剤は16−30個の炭素を有する。
【0011】
好ましくは、カチオン性界面活性剤は、式:N(R)(R)(R)(R)(式中、R、R、RおよびRは、独立に(C16からC30)アルキルまたはベンジルである。)を有する。
【0012】
好ましくは、R、R、RおよびRのうちの1つ、2つまたは3つは、独立に(C16からC30)アルキルであり、その他のR、R、RおよびR基は、(C−C)アルキルまたはベンジルである。
【0013】
場合によって、アルキル基は、1つまたは複数のエステル(−OCO−もしくは−COO−)および/またはエーテル(−O−)結合をアルキル鎖中に含んでもよい。アルキル基は、場合によって、1つまたは複数の水酸基で置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖であっても分岐していてもよく、3個以上の炭素原子を有するアルキル基に関しては環状であってもよい。アルキル基は、飽和していてもよいまたは1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を含有していてもよい(例えばオレイル)。アルキル基は、場合によって、1つまたは複数のエチレンオキシ基によってアルキル鎖上でエトキシ化される。
【0014】
本発明によるコンディショナー組成物における使用に適したカチオン性界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、PEG−2−オレアンモニウムクロリドおよびこれらの対応する水酸化物が挙げられる。さらに好適なカチオン性界面活性剤として、CTFA名称クアテルニウム(Quaternium)−5、クアテルニウム−31およびクアテルニウム−18を有する物質が挙げられる。前述の物質のいずれの混合物も好適な場合がある。本発明によるコンディショナーにおける使用に特に有用なカチオン性界面活性剤は、例えばHoechst CelaneseからGENAMIN CTACとして市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。本発明によるコンディショナーにおける使用に特に有用な別のカチオン性界面活性剤は、例えばClariantからGENAMIN KDMPとして市販されているベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0015】
本発明における使用に適したカチオン性界面活性剤の部類であり、単独または1つもしくは複数の他のコンディショニング用カチオン性界面活性剤との混合剤のいずれかにおける別の例は、以下の(i)および(ii)の組み合わせである。
(i)一般式(I)に相当するアミドアミン:
【0016】
【化1】

(式中、Rは、10個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、RおよびRは、独立に、炭素原子1個から10個のヒドロカルビル鎖から選択され、mは、1から約10の整数である。)、および
(ii)酸。
【0017】
本明細書で使用される場合、ヒドロカルビル鎖という用語は、アルキル鎖またはアルケニル鎖を意味する。
【0018】
好ましいアミドアミン化合物は、式(I)(式中、Rは、約11個から約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル残基、好ましくは1個から約4個の炭素原子を有するアルキル基であり、mは、1から約4の整数である。)に相当するものである。
【0019】
好ましくは、RおよびRは、メチル基またはエチル基である。
【0020】
好ましくは、mは、2または3であり、すなわちエチレン基またはプロピレン基である。
【0021】
本明細書に有用な好ましいアミドアミンとして、ステアラミド−プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミンおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0022】
本明細書で有用な特に好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびこれらの混合物である。
【0023】
本明細書に有用な市販のアミドアミンとして、Inolex(Philadelphia Pennsylvania, USA)から入手可能な商標名LEXAMINE S−13およびNikko(Tokyo, Japan)から入手可能な商標名AMIDOAMINE MSPのステアラミドプロピルジメチルアミン、Nikkoから入手可能な商標名AMIDOAMINE Sのステアラミドエチルジエチルアミン、Croda(North Humberside, England)から入手可能な商標名INCROMINE BBのべヘンアミドプロピルジメチルアミンおよびScher(Clifton New Jersey, USA)から入手可能な商標名SCHERCODINEシリーズの種々のアミドアミンが挙げられる。
【0024】
酸(ii)は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンをプロトン化できる、任意の有機酸または無機酸であってもよい。本明細書に有用な好適な酸として、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸およびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0025】
酸の主な役割は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンをプロトン化することであり、したがってヘアトリートメント組成物中その場(in situ)で第3級アミン塩(TAS)を形成することである。TASは、実質的には、非永久的な第4級アンモニウムまたは擬似4級アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0026】
好適には、酸は、存在するすべてのアミドアミンをプロトン化するのに十分な量、すなわち組成物中に存在するアミドアミンの量に対して少なくとも等モルの濃度で含まれる。
【0027】
カチオン性界面活性剤の濃度は、一般的に、組成物の総重量を基としてカチオン性界面活性剤の総重量が、0.01%から10%、より好ましくは0.02%から7.5%、最も好ましくは0.05%から5%の範囲である。
【0028】
アニオン性界面活性剤は、16−30個の炭素、好ましくは16−22個の炭素を有するアルキル鎖を含む。
【0029】
アニオン性界面活性剤は、好ましくは長鎖脂肪酸石鹸ではない。
【0030】
好ましくは、ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤中の炭素は、単一アルキル基中に存在する。
【0031】
好ましくは、アニオン性塩は、硫酸塩、スルホン酸塩、サルコシン酸塩またはイセチオン酸塩、より好ましくは、硫酸塩、最も好ましくは、セチルステアリル硫酸ナトリウムである。
【0032】
ゲルネットワークは、ゲルネットワークに対して全体としてアニオン性電荷を実現するため、またはゲルネットワークに対して総電荷を持たないためのアニオン性界面活性剤を含む。
【0033】
ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤は、組成物の0.1重量%から5重量%、より好ましくは0.5重量%から2.0重量%で存在する。
【0034】
ゲルネットワークは、脂肪物質を含む。
【0035】
好ましくは、脂肪物質は、脂肪酸アミド、脂肪アルコール、脂肪酸エステルおよびこれらの混合物から選択される。好ましくは、脂肪物質は脂肪アルコールである。
【0036】
好ましくは、脂肪物質は、14個から30個、より好ましくは16個から22個の炭素原子を有する脂肪性基を含む。好適な脂肪アルコールの例として、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。好適な脂肪酸エステルの例は、モノステアリン酸グリセリンである。
【0037】
本発明の組成物中の脂肪物質の濃度は、好都合には、組成物の0.01重量%から10重量%、好ましくは0.1重量%から5重量%である。
【0038】
好ましくは、(a)および(b)の比率は、0.1:1から100:1、好ましくは1.2:1から50:1、より好ましくは1.5:1から10:1、最も好ましくは約2:1である。
【0039】
好ましくは、ゲルネットワークのアニオン性物質および脂肪物質は、4個以内、好ましくは2個の炭素、最も好ましくは同じ数の炭素を有するアルキル基を含有する。より好ましくは、これらは、4個以内、より好ましくは2個以内、最も好ましくは同じ長さの単一アルキル基を含む。これは、ゲルネットワークの安定性を維持する助けをする。
【0040】
エステル化された糖
本発明の組成物は、エステル化された糖を含む。
【0041】
好ましい形態の非界面活性剤によってエステル化された糖は、アルキル炭素鎖C2からC6を有する。
【0042】
エステル化された糖がスクロースであればさらに好ましく、特に好ましくはスクロースアセテートイソブチレート(SAIB)である。
【0043】
好ましくは、非界面活性剤のエステル化された糖は、20℃で非晶質である。
【0044】
組成物中のエステル化された糖の濃度は、好ましくは、全組成物の0.001重量%から10重量%、より好ましくは0.01重量%から5重量%、最も好ましくは0.02重量%から2重量%である。
【0045】
毛髪に付着したエステル化された糖の量が、毛髪1gあたり0.3mgから12mg、好ましくは0.6mgから6mg、より好ましくは1mgから1.5mgであればさらに好ましい。
【0046】
非界面活性剤のエステル化された糖は、糖のための溶媒を含む組成物から送達されるならば好ましい。好適な溶媒として、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、トリカプリル酸/トリカプリン酸グリセリル(caprylic/capric triglycerides)またはこれらの混合物が挙げられる。水は、これらの溶媒と共に存在していてもよい。エタノールが特に好ましく、エタノールと水の混合物が特に有益である。
【0047】
溶媒に対するスクロースアセテートイソブチレートの重量比が0.01:100から1:100、より好ましくは2:1から1:40、最も好ましくは1:1から1:20である場合に好ましい。
【0048】
クレンジング相
クリーニング相は、クレンジング用界面活性剤を含む。クレンジング相のアニオン性界面活性剤は塩であり、8個から14個の炭素、より好ましくは10個から12個、最も好ましくは12個の炭素を有する。より好ましくは、これらの炭素は単一アルキル基中に存在する。
【0049】
好ましくは、塩は、硫酸塩、スルホン酸塩、サルコシン酸塩またはイセチオン酸塩である。
【0050】
好ましくは、クレンジング用アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリメチルアミン、ラウレス硫酸トリメチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリメチルエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリン酸モノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびこれらの混合物から選択される。
【0051】
好ましいクレンジング用アニオン性界面活性剤として、アルカリ金属のアルキル硫酸塩、より好ましくはアルキルエーテル硫酸塩が挙げられる。特に好ましいクレンジング用アニオン性界面活性剤として、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0052】
クレンジング相は、組成物の0.5重量%から70重量%、好ましくは5重量%から60重量%、より好ましくは7重量%から56重量%のクレンジング用界面活性剤を含む。
【0053】
好ましいクレンジング用アニオン性界面活性剤は、pH感応性ではないので、組成物のpHに関係なく、界面活性剤として有益である。
【0054】
本発明は、典型的な濃度のクレンジング用界面活性剤を含む通常のシャンプー組成物と濃縮シャンプーとの両方を含む。通常のシャンプーにおいて、クレンジング用界面活性剤の濃度は、組成物の5重量%から26重量%であり、一方で濃縮シャンプーの場合、クレンジング用界面活性剤の濃度は、27重量%から70重量%である。
【0055】
好ましくは、組成物は、脂肪酸を含まない。好ましくは、組成物は、アルキル鎖中に10個から20個の炭素原子を有する脂肪酸を含まない。脂肪酸は、低品質のコンディショニングとして毛髪に益があるだけなので、望ましくない。
【0056】
付着ポリマー
好ましい実施形態において、本発明による組成物は、カチオン性付着ポリマーを含む。
【0057】
好適なカチオン性付着補助ポリマーは、カチオン置換したホモポリマーでもよく、または2種以上のモノマーから形成されてもよい。ポリマーの重量平均(M)分子量は、一般的に、10万から200万ダルトンである。ポリマーは、第4級アンモニウム基またはプロトン化されたアミノ基などの基またはこれらの混合物を含有するカチオン性窒素を有する。ポリマーの分子量が低すぎれば、コンディショニング効果は低くなる。高すぎれば、注ぐときに組成物の糸引きをもたらす高伸長粘度の問題が生じることがある。
【0058】
カチオン性窒素含有基は、一般的に、カチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部分上に置換基として存在する。したがって、ポリマーがホモポリマーでない場合、スペーサー非カチオン性モノマー単位を含有し得る。このようなポリマーは、CTFA Cosmetic Ingredient Directory、第3版に記載されている。カチオン性モノマー単位の非カチオン性モノマー単位に対する比は、一般的に0.2から3.0meq/gである必要範囲のカチオン性の電荷密度を有するポリマーを得るように選択される。ポリマーのカチオン性電荷密度は、化学的な窒素定量試験を受ける米国薬局方(US Pharmacopoeia)記載のケルダール法(Kjeldahl method)によって好適に決定される。
【0059】
好適なカチオン性ポリマーとして、例えばカチオン性アミン官能基または第4級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、水溶性スペーサーモノマー、例えば(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリジンとのコポリマーが挙げられる。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくはC1−C7アルキル基、より好ましくはC1−3アルキル基を有する。その他の好適なスペーサーとして、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが挙げられる。
【0060】
カチオン性アミンは、特定の種類および組成物のpHに応じて、第1級、第2級または第3級アミンでもよい。一般的に、第2級および第3級アミン、特に第3級アミンが好ましい。
【0061】
アミン置換されたビニルモノマーおよびアミンは、アミン形態で重合でき、次いで四級化によりアンモニウムに転換できる。
【0062】
カチオン性ポリマーは、アミンおよび/もしくは四級化アンモニウム置換されたモノマーならびに/または相溶性スペーサーモノマーに由来するモノマー単位の混合物を含むことができる。
【0063】
好適なカチオン性ポリマーとして、例えば、以下が挙げられる。
−カチオン性ジアリル第4級アンモニウム含有ポリマー(例えば、業界(CTFA)においてそれぞれポリクアテルニウム6およびポリクアテルニウム7と呼ばれる、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーならびにアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマーを含める。);
−3個から5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーのアミノアルキルエステルの無機酸塩(米国特許第4009256号に記載されている。);
−カチオン性ポリアクリルアミド(WO95/22311に記載されている。)。
【0064】
使用できる他のカチオン性ポリマーとして、カチオン性多糖ポリマー、例えばカチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体およびカチオン性グアーガム誘導体が挙げられる。
【0065】
本発明の組成物における使用に適したカチオン性多糖ポリマーとして、次式のモノマーが挙げられる:
A−O−[R−N(R)(R)(R)X
(式中、Aは、無水グルコース残基、例えばデンプンまたはセルロース無水グルコース残基である。Rは、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基もしくはヒドロキシアルキレン基またはこれらの組み合わせである。R、RおよびRは、独立に、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシアリール基を表し、各基は約18個までの炭素原子を含有する。それぞれのカチオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R、RおよびRにおける炭素原子の合計)は、好ましくは約20個以下であり、Xはアニオン性の対イオンである)。
【0066】
別のタイプのカチオン性セルロースとして、業界(CTFA)においてポリクアテルニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウムで置換されているエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、例えば、商標名Polymer LM−200でAmerchol Corporationから入手可能である。
【0067】
他の好適なカチオン性多糖ポリマーとして、第4級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許第3962418号に記載されている。)およびエーテル化セルロースとデンプンとのコポリマー(例えば、米国特許第3958581号に記載されている。)が挙げられる。
【0068】
使用できる特に好適なタイプのカチオン性多糖ポリマーは、カチオン性グアーガム誘導体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(RhodiaからJAGUAR商標シリーズで市販されている。)である。このような物質の例は、JAGUAR C13S、JAGUAR C14、JAGUAR C15およびJAGUAR C17である。
【0069】
上記カチオン性ポリマーのいずれの混合物が使用できる。
【0070】
カチオン性ポリマーは、一般的に、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の総重量に基づいて、カチオン性ポリマーの総重量が0.01%から5%、好ましくは0.05%から2%、より好ましくは0.07%から1.2%の濃度で、存在する。
【0071】
溶媒
好ましくは、本発明のヘアケア組成物は、水性である、すなわちこれらは水または水溶液またはリオトロピック液晶相を主要成分として有する。
【0072】
好適には、組成物は、組成物の総重量に基づいて、10重量%から98重量%、好ましくは30重量%から95重量%の水を含む。
【0073】
シリコーン
本発明による組成物は、好ましくはシリコーンを含む。
【0074】
特に好ましいシリコーンコンディショニング剤は、シリコーンエマルション、例えば、ポリジオルガノシロキサン、特にCTFA名称ジメチコーンを有するポリジメチルシロキサン、CTFA名称ジメチコノールを有するヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンおよびCTFA名称アモジメチコンを有するアミノ官能ポリジメチルシロキサンなどのシリコーンから形成されるものである。
【0075】
エマルション滴は、通常、0.01から20マイクロメートル、より好ましくは0.2から10マイクロメートルの範囲の、本発明の組成物におけるSauter平均液滴直径(D3、2)を有していてもよい。
【0076】
Sauter平均液滴直径(D3、2)を測定する好適な方法は、Malvern Mastersizerなどの機器を使用するレーザー光散乱による。
【0077】
本発明の組成物における使用に適したシリコーンエマルションは、Dow CorningおよびGE Siliconesなどのシリコーン供給業者から入手可能である。このような予め形成されたシリコーンエマルションの使用は、処理の簡略化およびシリコーン粒径の制御を行うのに好ましい。このような予め形成されたシリコーンエマルションは、通常、アニオン性もしくは非イオン性の乳化剤またはこれらの混合物などの好適な乳化剤をさらに含むことになり、乳化重合などの化学的乳化プロセスによってまたは高剪断ミキサーを使用する機械的乳化によって調製できる。0.15マイクロメートル未満のSauter平均液滴直径(D3、2)を有する、予め形成されたシリコーンエマルションは、一般的に、マイクロエマルションと呼ばれる。
【0078】
好適な予め形成されたシリコーンエマルションの例として、すべてDow Corningから入手可能なエマルションDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788ならびにマイクロエマルションDC2−1865およびDC2−1870が挙げられる。DC7051は、好ましいシリコーンである。これらはすべて、ジメチコノールのエマルション/マイクロエマルションである。また、DC2−8177およびDC939(Dow Corning製)およびSME253(GE Silicones製)などのアモジメチコンエマルションも好適である。
【0079】
また、例えばWO03/094874に記載されているように、特定のタイプの高分子量の界面活性ブロックコポリマーがシリコーンエマルション液滴とブレンドされているシリコーンエマルションも好適である。このような物質において、シリコーンエマルション液滴は、好ましくは、上記のものなどのポリジオルガノシロキサンから形成される。界面活性ブロックコポリマーの好ましい形態の1つは、次式の通りである:
HO(CHCHO)(CH(CH)CHO)(CHCHO)
(式中、xの平均値は4以上であり、yの平均値は25以上である)。
【0080】
別の好ましい形態の界面活性ブロックコポリマーは、次式の通りである:
(HO(CHCHO)(CH(CH)CHO)−N−CH−CH−N((OCHCH(CH))(OCHCHOH)
(式中、aの平均値は2以上であり、bの平均値は6以上である)。
【0081】
上記のシリコーンエマルションのいずれの混合物も使用できる。
【0082】
上記のシリコーンエマルションは、一般的に、本発明の組成物中に、組成物の総重量に基づいて、シリコーンの総重量が0.05%から15%、好ましくは0.5%から12%の濃度で、存在する。
【0083】
シリコーンは、好ましくは、0.5重量%から15重量%、より好ましくは1重量%から12重量%で存在する。
【0084】
場合によって、本発明の組成物は、性能および/または消費者の受容性を向上させるために、下記のさらなる成分を含有してもよい。
【0085】
組成物に審美的、物理的またはクレンジング特性を付与するのを助けるために、組成物は、共界面活性剤を含むことができる。
【0086】
共界面活性剤の例は、組成物の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%、好ましくは0.7重量%から6重量%の範囲の量で含むことができる、非イオン性界面活性剤である。
【0087】
例えば、本発明のシャンプー組成物中に含むことができる代表的な非イオン性界面活性剤として、脂肪族(C−C18)第1級または第2級直鎖または分岐鎖アルコールまたはフェノールと、通常、エチレンオキシドであり、一般的に6個から30個のエチレンオキシド基を有するアルキレンオキシドとの縮合物が挙げられる。
【0088】
他の代表的な非イオン性界面活性剤として、モノまたはジアルキルアルカノールアミドが挙げられる。例として、ココモノまたはジエタノールアミドおよびココモノイソプロパノールアミドが挙げられる。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、ココモノエタノールアミドである。
【0089】
本発明のシャンプー組成物中に含むことができる、さらなる非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)である。典型的には、APGは、1つまたは複数のグリコシル基のブロックに連結された(場合によって架橋基を介する。)アルキル基を含むものである。好ましいAPGは、次式によって定義される:
RO−(G)
(式中、Rは、飽和または不飽和であってもよい分岐鎖または直鎖アルキル基であり、Gは、サッカリド基である)。
【0090】
Rは、約Cから約C20の平均アルキル鎖長を表すことができる。好ましくは、Rは、約Cから約C12の平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくは、Rの値は、約9.5から約10.5にある。Gは、CまたはCモノサッカリド残基から選択でき、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノースおよびこれらの誘導体を含む群から選択できる。好ましくは、Gはグルコースである。
【0091】
重合度nは、約1から約10以上の値を有していてもよい。好ましくは、nの値は、約1.1から約2にある。最も好ましくは、nの値は、約1.3から約1.5にある。
【0092】
本発明における使用に適したアルキルポリグリコシドは、市販されており、例えば、SeppicからのOramix NS10;HenkelからのPlantaren 1200およびPlantaren 2000として同定される物質が挙げられる。
【0093】
本発明の組成物中に含むことができる、他の糖由来の非イオン性界面活性剤として、例えばWO9206154およびUS5194639に記載されているようなC10−C18 N−アルキル(C−C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えばC12−C18 N−メチルグルカミドおよびN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えばC10−C18 N−(3−メトキシプロピル)グルカミドが挙げられる。
【0094】
共界面活性剤の好ましい例は、組成物の総重量に基づいて0.5重量%から約10重量%、好ましくは1重量%から6重量%の範囲の量で含まれ得る、両性または双性イオン性界面活性剤である。
【0095】
両性または双性イオン性界面活性剤の例として、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートが挙げられ、ここでアルキル基およびアシル基は8個から19個の炭素原子を有する。
【0096】
本発明のシャンプーに使用するための典型的な両性および双性イオン性界面活性剤として、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインおよびココアンホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0097】
特に好ましい両性または双性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0098】
前述の両性または双性イオン性界面活性剤のいずれの混合物も好適な場合がある。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインと、上記のさらなる両性または双性イオン性界面活性剤との混合物である。好ましいさらなる両性または双性イオン性界面活性剤は、ココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0099】
本発明のシャンプー組成物中の界面活性剤(任意の共界面活性剤および/または任意の乳化剤を含む。)の総量は、一般的に、組成物の総重量に基づいて、界面活性剤の総重量が1%から70%、好ましくは2%から65%、より好ましくは8%から60%である。
【0100】
懸濁化剤
好ましくは、本発明の水性シャンプー組成物は、懸濁化剤をさらに含む。好適な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16個から22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは、組成物に真珠光沢を付与するため、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能性助剤で架橋されたアクリル酸のポリマーも使用できる。これらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの好適なコポリマーの例は、Carbopol 1342である。すべてのCarbopol(商標)物質は、Goodrichから入手可能である。
【0101】
アクリル酸エステルおよびアクリレートエステルの好適な架橋ポリマーは、Premulen TR1またはPremulen TR2である。好適なヘテロ多糖ガムは、例えばKelzan muとして入手可能なキサンタンガムである。
【0102】
上記の懸濁化剤のいずれの混合物も使用できる。アクリル酸の架橋ポリマーと、結晶性長鎖アシル誘導体との混合物が好ましい。
【0103】
懸濁化剤は、一般的に、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の総重量に基づいて、懸濁化剤の総重量が0.1%から10%、好ましくは0.5%から6%、より好ましくは0.9%から4%の濃度で、存在する。
【0104】
好ましくは、組成物は、20rpmでスピンドルRV5を使用してBrookfield Viscometer上で測定した場合、30℃での測定値として2000から7000cPsの粘度を有する。
【0105】

組成物は、好ましくは、油を含む。油は、パーソナルケア製品で通常使用されている任意の油、例えばポリオレフィン油、エステル油、トリグリセリド油、炭化水素油およびこれらの混合物でもよい。好ましくは、油は、軽油である。油は、本発明の組成物によって見出されるコンディショニングとしての有益性を向上させる。
【0106】
好ましい油として、以下から選択されるものが挙げられる:
30℃での測定値として0.1−500センチポイズの粘度を有する油。
最大20%の低粘度率(500cps未満)を含有する、500センチポイズを超える粘度(500−500000cps)を有する油。
【0107】
好ましい油の一つのタイプは、ポリアルファオレフィン油である。
【0108】
好適なポリアルファオレフィン油として、6個から16個、好ましくは6個から12個の炭素を有する1−アルカレンモノマー由来のものが挙げられる。物質の限定されない例として、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテンなどの分岐異性体およびこれらの混合物が挙げられる。
【0109】
好ましいポリアルファロエフィン(polyalphaloefins)として、Mobilから市販されている約500の数平均分子量を有する商標名Puresyn 6、約3000の分子量を有するPuresyn 100および約6000の分子量を有するPuresyn 300のポリデセンが挙げられる。
【0110】
好ましくは、ポリアルファオレフィン油は、組成物の0.05重量%から10重量%、特に0.2重量%から5重量%、とりわけ0.5重量%から3重量%で存在する。
【0111】
ホホバ、ダイズ、ヒマワリ種子油、米ぬか、アボカド、アーモンド、オリーブ、ごま油、ヒマシ油、ココナッツ、ココナッツパーム油、ヒマワリ油、ミンク油;カカオ脂;牛脂、ラードなどの天然の油脂;上記の油を水素化することによって得られる硬化油;ならびにミリスチン酸グリセリドおよび2−エチルヘキサン酸グリセリドなどの合成モノ、ジおよびトリグリセリドを含めた油脂を含むトリグリセリド油も好適である。
【0112】
好ましくは、トリグリセリド油は、存在する場合、組成物の0.05重量%から10重量%、特に0.2重量%から5重量%、とりわけ0.5重量%から3重量%の濃度である。
【0113】
本発明による使用に非常に適した油は、炭化水素油である。炭化水素油は、少なくとも12個の炭素原子を有し、パラフィン油、ポリオレフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカンならびにこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物および長鎖炭化水素の分岐鎖異性体も使用できる。ポリイソブチレンなどのC2−6アルケニルモノマーのポリマー炭化水素も好適である。
【0114】
好ましくは、炭化水素油は、組成物の0.05重量%から10重量%、特に0.2重量%から5重量%、とりわけ0.5重量%から3重量%で存在する。
【0115】
少なくとも10個の炭素原子を有するエステル油も好適であり、脂肪酸またはアルコール由来のヒドロカルビル鎖を有するエステルが挙げられる。典型的なエステル油は、式:R’COOR(式中、R’およびRは、独立にアルキル基またはアルケニル基を指し、R’およびR中の炭素原子の合計は、少なくとも10個、好ましくは少なくとも20個である。)である。カルボン酸のジおよびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルも使用できる。
【0116】
好ましくは、エステル油は、組成物の0.05重量%から10重量%、特に0.2重量%から5重量%、とりわけ0.5重量%から3重量%で存在する。
【0117】
好ましくは、組成物は、10個から14個の炭素を有するアルキル基を含むクレンジング用アニオン性界面活性剤を含む。
【0118】
本発明の組成物に使用できるさらなる成分は、炭化水素油またはエステル油である。シリコーン油と同様、これらの物質は、本発明の組成物によって見出されるコンディショニングとしての有益性を向上できる。
【0119】
好適な炭化水素油は、少なくとも12個の炭素原子を有し、パラフィン油、ポリオレフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカンならびにこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物および長鎖炭化水素の分岐鎖異性体も使用できる。ポリイソブチレンなどのC2−6アルケニルモノマーのポリマー炭化水素も好適である。
【0120】
好適なエステル油は、少なくとも10個の炭素原子を有し、脂肪酸またはアルコール由来のヒドロカルビル鎖を有するエステルが挙げられる。典型的なエステル油は、式:R’COOR(式中、R’およびRは、独立にアルキル基またはアルケニル基を指し、R’およびR中の炭素原子の合計は、少なくとも10個、好ましくは少なくとも20個である。)カルボン酸のジおよびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルも使用できる。
【0121】
上記の炭化水素/エステル油のいずれの混合物も使用できる。
【0122】
本発明の組成物中の炭化水素油およびエステル油を組み合わせた合計量は、好適には、組成物の0.05重量%から10重量%、特に0.2重量%から5重量%、とりわけ0.5重量%から3重量%の範囲であってもよい。
【0123】
他の成分
本発明の組成物は、性能および/または消費者の受容性を向上させるために他の成分を含有してもよい。このような成分として、香料、染料および顔料、pH調整剤、真珠光沢剤(pearlescers)または乳白剤、粘度調整剤ならびに防腐剤または抗菌剤が挙げられる。これらの成分のそれぞれは、その目的を実現するために有効な量で存在する。一般的に、これらの場合による成分は、全組成物の最大5重量%までの濃度で個別に含まれる。
【0124】
本発明は、以下の限定されない実施例によってさらに例示され、この実施例において、すべてのパーセンテージは、別段の指定がない限り、総重量に基づいて重量で見積もられる。
【実施例】
【0125】
【表1】




【0126】
プロセス1
サイドポット中で、少なくとも7%の水を約80℃まで加熱した。これに、高速撹拌を用いて、カチオン性界面活性剤(ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド)、脂肪アルコール、スクロースアセテートイソブチレートおよび副次的アニオン性界面活性剤(セチルステアリル硫酸ナトリウム)を添加した。均一の分散液を得たら、同じ速度で撹拌して、この混合液を約45℃に冷却した。次いで、この混合液を主要界面活性剤の希釈溶液(ラウレス硫酸ナトリウム)に添加し、その後、残りの成分を中程度の速度で撹拌しながら添加した。
【0127】
プロセス2
サイドポット中で、少なくとも7%の水を約80℃まで加熱した。これに、高速撹拌を用いて、カチオン性界面活性剤(ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド)、脂肪アルコールおよび副次的アニオン性界面活性剤(セチルステアリル硫酸ナトリウム)を添加した。均一な分散液を得たら、同じ速度で撹拌して、この混合液を約45℃に冷却した。次いで、この混合液を主要界面活性剤の希釈溶液(ラウレス硫酸ナトリウム)に添加し、その後、残りの成分を中程度の速度で撹拌しながら添加し、塩を添加した後にスクロースアセテートイソブチレートを添加した。
【0128】
結果
ゲル相でない0.3%SAIBを有する比較例のシャンプーは、12週間の保管後の45℃での保管で安定していない。コンディショニングゲルネットワークを使用する本発明の実施例は、45℃での12週間の保管後に安定している。
【0129】
スクロースアセテートイソブチレートを含む配合物が毛髪に良好なコンディショニングとしての有益性を与えることも留意すべきである。油を含めば、このコンディショニングとしての有益性はさらに向上する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)塩であり、8個から14個の炭素を有するアルキル基を含むクレンジング用アニオン性界面活性剤を含むクリーニング相、
ii)
(a)脂肪物質、
(b)16個から30個の炭素を有するアルキル基を含む、ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤、
(c)カチオン性界面活性剤
を含む、総電荷を持たないまたはアニオン性である、水性コンディショニングゲルネットワーク、および
iii)エステル化されたスクロース
を含む、シャンプー組成物。
【請求項2】
証明されたスクロースがスクロースアセテートイソブチレートである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
油をさらに含む、請求項1または2のいずれかに記載の組成物。
【請求項4】
油が鉱油である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
脂肪物質が、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸および脂肪酸アミドから選択される、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
脂肪物質が、直鎖または分岐状であり、14個から30個の炭素を有する、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤が、16個から22個の炭素を有する、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
ゲルネットワーク用カチオン性界面活性剤が、16個から30個の炭素を有する、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
(a)および(b)の間の比が、0.1:1から100:1、好ましくは1.2:1から50:1、より好ましくは1.5:1から10:1、最も好ましくは約2:1である、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
カチオン性付着ポリマーを含む、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
懸濁化剤をさらに含む、請求項1から10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
シリコーンを含む、請求項1から11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
クレンジング用アニオン性界面活性剤が、硫酸塩、スルホン酸塩、サルコシン酸塩またはイセチオン酸塩である、請求項1から12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
i)
(a)脂肪物質、
(b)16個から30個の炭素を有するアルキル基を含む、ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤、
(c)カチオン性界面活性剤
を含む、総電荷を持たないまたはアニオン性である水性コンディショニングゲルネットワークを形成するステップ、
ii)生成したゲルネットワークを、主要界面活性剤の希釈溶液に添加するステップ、および
iii)エステル化されたスクロースを、生成した組成物に添加するステップ
を含む、シャンプー組成物を製造する方法。
【請求項15】
i)
(a)脂肪物質、
(b)16個から30個の炭素を有するアルキル基を含む、ゲルネットワーク用アニオン性界面活性剤、
(c)カチオン性界面活性剤、
(d)エステル化されたスクロース
を含む、総電荷を持たないまたはアニオン性である水性コンディショニングゲルネットワークを形成するステップ、および
ii)生成したゲルネットワークを、主要界面活性剤の希釈溶液に添加するステップ
を含む、シャンプー組成物を製造する方法。

【公表番号】特表2013−518070(P2013−518070A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550390(P2012−550390)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050614
【国際公開番号】WO2011/092083
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】