説明

組換え一価抗体およびその作製方法

本発明は、インビボ投与された場合に長い半減期を有する一価抗体、このような一価抗体の作製方法、このような抗体を含む薬学的組成物、および該一価抗体の使用を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、一価抗体の作製方法:
i)選択された抗原特異的な抗体のVL領域をコードするヌクレオチド配列およびIgの定常CL領域をコードするヌクレオチド配列を含む、一価抗体の軽鎖をコードする核酸構築物を提供する工程であって、選択された抗原特異的な抗体のVL領域をコードするヌクレオチド配列およびIgのCL領域をコードするヌクレオチド配列が機能的に連結されており、IgG1サブタイプの場合、CL領域をコードするヌクレオチド配列は、CL領域がポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物もしくはヒトに投与された場合に、同一のCL領域のアミノ酸配列を含む他のペプチドとジスルフィド結合または共有結合を形成できるアミノ酸を含まないように改変されている、工程;
ii)選択された抗原特異的な抗体のVH領域をコードするヌクレオチド配列およびヒトIgの定常CH領域をコードするヌクレオチド配列を含む、一価抗体の重鎖をコードする核酸構築物を提供する工程であって、CH領域をコードするヌクレオチド配列は、ヒンジ領域に対応する領域および、Igサブタイプによって必要とされる、CH領域の他の領域、例えばCH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物、ヒトに投与された場合に、同一のヒトIgのCH領域のアミノ酸配列を含む他のペプチドとのジスルフィド結合または共有結合性もしくは安定な非共有結合性の重鎖間結合の形成に関与するアミノ酸残基を含まないように改変されており、選択された抗原特異的な抗体のVH領域をコードするヌクレオチド配列およびIgのCH領域をコードするヌクレオチド配列が機能的に連結されている、工程;
iii)一価抗体を作製するための細胞発現系を提供する工程;
iv)(i)および(ii)の核酸構築物を(iii)の細胞発現系の細胞中で共発現させることによって一価抗体を作製する工程。
【請求項2】
ヒトIgが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、またはIgD抗体、例えばIgG1、IgG2、またはIgG4抗体である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ヒトIgが、SEQ ID NO: 19に示されるアミノ酸のCH領域を有するIgG1であり、CH3領域が以下の一つまたは複数のアミノ酸置換がなされるよう改変されている、請求項1記載の方法:238位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;239位のAsp(D)がGlu(E)により置換されている;292位のLys(K)がArg(R)により置換されている;302位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および328位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項4】
238位のArg(R)がGln(Q)により置換されている、請求項3記載の方法。
【請求項5】
238位のArg(R)がGln(Q)により置換されており、かつ328位のPro(P)がLeu(L)により置換されている、請求項3記載の方法。
【請求項6】
5つ全ての置換がなされている、請求項3記載の方法。
【請求項7】
ヒトIgがIgG1であり、かつCL領域が、SEQ ID NO: 18に示されるアミノ酸配列を有するカッパ軽鎖CLであり、106位の末端システイン残基が別のアミノ酸残基で置換されるかまたは欠失されるよう改変されている、請求項1または3記載の方法。
【請求項8】
ヒトIgがIgG1であり、かつCL領域が、SEQ ID NO: 17に示されるアミノ酸配列を有するラムダ軽鎖CLであり、104位のシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されるかまたは欠失されるよう改変されている、請求項1または3記載の方法。
【請求項9】
ヒトIgが、SEQ ID NO: 19に示されるアミノ酸のCH領域を有するIgG1であり、CH1領域が14位のSer(S)がシステイン残基により置換されるよう改変されている、請求項1、3、7、または8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
ヒトIgがSEQ ID NO: 20に示されるアミノ酸のCH領域を有するIgG2であり、CH3領域が以下の一つまたは複数のアミノ酸置換がなされるよう改変されている、請求項1記載の方法:234位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;276位のMet(M)がVal(V)により置換されている;288位のLys(K)がArg(R)により置換されている;298位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および324位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項11】
234位のArg(R)がGln(Q)により置換されている、請求項10記載の方法。
【請求項12】
234位のArg(R)がGln(Q)により置換されており、かつ324位のPro(P)がLeu(L)により置換されている、請求項10記載の方法。
【請求項13】
5つ全ての置換がなされている、請求項10記載の方法。
【請求項14】
ヒトIgが、SEQ ID NO: 21に示されるアミノ酸のCH領域を有するIgG3であり、CH3領域が以下の一つまたは複数のアミノ酸置換がなされるよう改変されている、請求項1記載の方法:285位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;314位のSer(S)がAsn(N)により置換されている;322位のAsn(N)がLys(K)により置換されている;327位のMet(M)がVal(V)により置換されている;339位のLys(K)がArg(R)により置換されている;349位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;352位のIle(I)がVal(V)により置換されている;365位のArg(R)がHis(H)により置換されている;366位のPhe(F)がTyr(Y)により置換されている;および375位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項15】
285位のArg(R)がGln(Q)により置換されている、請求項14記載の方法。
【請求項16】
285位のArg(R)がGln(Q)により置換されており、かつ375位のPro(P)がLeu(L)により置換されている、請求項14記載の方法。
【請求項17】
10個全ての置換がなされている、請求項14記載の方法。
【請求項18】
以下の工程を含む、一価抗体の作製方法:
i)選択された抗原特異的な抗体のVL領域をコードするヌクレオチド配列およびIgの定常(CL)領域をコードする核酸配列を含む、一価抗体の軽鎖をコードする核酸構築物を提供する工程であって、選択された抗原特異的な抗体のVL領域をコードするヌクレオチド配列およびIgのCL領域をコードする核酸配列が機能的に連結されている、工程;
ii)選択された抗原特異的な抗体のVH領域をコードするヌクレオチド配列およびヒトIgG4のCH領域をコードする核酸を含む、一価抗体の重鎖をコードする核酸構築物を提供する工程であって、重鎖をコードする核酸配列が、重鎖のヒンジ領域に対応する領域がポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物、ヒトに投与された場合に、同一のヒトIgG4の定常(CH)領域のアミノ酸配列を含む他のペプチドとのジスルフィド結合の形成に関与できるアミノ酸残基を含まないように改変されており、選択された抗原特異的な抗体のVH領域をコードする核酸およびIgG4のCH領域をコードする核酸が機能的に連結されている、工程;
iii)一価抗体を作製するための細胞発現系を提供する工程;
iv)(i)および(ii)の核酸構築物を(iii)の細胞発現系の細胞中で共発現させることによって一価抗体を作製する工程。
【請求項19】
重鎖をコードする核酸配列が、重鎖のヒンジ領域に対応する領域がシステイン残基を含まないよう改変されている、請求項1〜18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
作製された一価抗体がヒト抗体である、請求項1〜19のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
作製された一価抗体が、合成抗原(Tyr, Glu)-Ala-Lysに結合しない、請求項1〜20のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
重鎖をコードする核酸配列が、任意のシステイン残基を含む、ヒンジ領域に対応する領域のアミノ酸残基の少なくとも一つが、欠失および/または他のアミノ酸残基で置換されるよう改変されている、請求項1〜21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
重鎖をコードする核酸配列が、ヒンジ領域のシステイン残基が非荷電極性側鎖または非極性側鎖を有するアミノ酸残基で置換されるよう改変されている、請求項22記載の方法。
【請求項24】
非荷電極性側鎖を有するアミノ酸が、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、およびトリプトファンから、独立して選択され、非極性側鎖を有するアミノ酸が、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、およびメチオニンから、独立して選択される、請求項22または23記載の方法。
【請求項25】
核酸配列がヒトIgG4の重鎖をコードし、かつ核酸配列は、重鎖がSEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸106および109に対応するアミノ酸が欠失されたCH領域を含むよう改変されている、請求項22記載の方法。
【請求項26】
核酸配列がヒトIgG4の重鎖をコードし、かつ核酸配列は、重鎖が、SEQ ID NO: 14の配列の少なくともアミノ酸残基106〜109に対応するアミノ酸残基が欠失されたCH領域を含むよう改変されている、請求項22または25記載の方法。
【請求項27】
核酸配列がヒトIgG4の重鎖をコードし、かつ核酸配列は、重鎖が、SEQ ID NO: 14の配列の少なくともアミノ酸残基99〜110に対応するアミノ酸残基が欠失されたCH領域を含むよう改変されている、請求項22〜26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
重鎖をコードする核酸配列が、ヒンジ領域全体が欠失されるよう改変されている、請求項22〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
一価抗体の重鎖をコードする核酸構築物がヒトIgG4のCH領域をコードするヌクレオチド配列を含み、ヒンジ領域をコードする核酸配列のスプライスドナー部位の少なくとも一つのヌクレオチドが別のヌクレオチドで置換されている、請求項1〜28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
一価抗体の重鎖をコードする核酸構築物がヒトIgG4のCH領域をコードするヌクレオチド配列を含み、SEQ ID NO: 13の配列の714位および722位のヌクレオチドに対応するヌクレオチドの各々がSEQ ID NO: 13のその位置に存在するヌクレオチド以外のヌクレオチドで置換されている、請求項29記載の方法。
【請求項31】
一価抗体の重鎖をコードする核酸構築物がSEQ ID NO: 13の配列を含むヒトIgG4のCH領域をコードするヌクレオチド配列を含み、SEQ ID NO: 13の配列のヌクレオチド714および722の各々がSEQ ID NO: 13のその位置に存在するヌクレオチド以外のヌクレオチドで置換されている、請求項30記載の方法。
【請求項32】
一価抗体の重鎖をコードする核酸構築物が、SEQ ID NO: 15のヌクレオチド配列を含む、請求項31記載の方法。
【請求項33】
核酸配列がヒトIgG4の重鎖をコードし、かつ核酸配列は、重鎖が、SEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸残基106および109に対応するアミノ酸残基がシステイン以外のアミノ酸残基で置換されているCH領域を含むよう改変されている、請求項22記載の方法。
【請求項34】
CH領域のヒンジ領域をコードする核酸配列の置換型ヌクレオチドが、部位特異的変異誘発を用いることによって置換される、請求項29〜33のいずれか一項記載の方法。
【請求項35】
一価抗体の軽鎖をコードする核酸構築物がヒトIgGのカッパ鎖のCL領域をコードする配列を含む、請求項1〜34のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
核酸構築物がSEQ ID NO: 1のヌクレオチド配列を含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
一価抗体の軽鎖をコードする核酸構築物がヒトIgGのラムダ鎖のCL領域をコードする配列を含む、請求項1〜34のいずれか一項記載の方法。
【請求項38】
核酸構築物がSEQ ID NO: 3のヌクレオチド配列を含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
核酸構築物がDNA構築物である、請求項1〜38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
(i)、(ii)、(iii)、および/または(iv)の核酸構築物が原核生物発現ベクターである、請求項1〜39のいずれか一項記載の方法。
【請求項41】
細胞発現系が原核細胞発現系である、請求項1〜40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
原核細胞発現系が大腸菌(E.coli)細胞を含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
大腸菌細胞が、内因性プロテアーゼ活性欠損株の細胞である、請求項42記載の方法。
【請求項44】
(i)、(ii)、(iii)、および/または(iv)の核酸構築物が真核生物発現ベクターである、請求項1〜39のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
細胞発現系が真核細胞発現系である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
細胞発現系が哺乳動物細胞発現系である、請求項45記載の方法。
【請求項47】
哺乳動物細胞発現系がCHO細胞を含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
哺乳動物細胞発現系がHEK-293F細胞を含む、請求項46記載の方法。
【請求項49】
発現系のi)およびii)が遺伝子療法に適したDNA構築物を含む、請求項1〜39のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
発現系のi)およびii)が遺伝子療法に適したウイルス構築物である、請求項1〜39のいずれか一項記載の方法。
【請求項51】
哺乳動物細胞発現系のiii)が、i)およびii)を含むヒト細胞であり、かつ作製された一価抗体による治療が必要な患者への移植に適している、請求項1〜39のいずれか一項記載の方法。
【請求項52】
ヒト細胞が患者由来である、請求項51記載の方法。
【請求項53】
作製された一価抗体が治療用のものである、請求項1〜52のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
請求項1〜50および53のいずれか一項記載の方法を使用して獲得された一価抗体。
【請求項55】
請求項1〜50および53のいずれか一項記載の方法を使用して獲得できる一価抗体。
【請求項56】
a)軽鎖が、選択された抗原特異的な抗体の可変(VL)領域のアミノ酸配列およびIgの定常(CL)領域のアミノ酸配列を含み、IgG1サブタイプの場合、定常(CL)領域のアミノ配列が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物もしくはヒトに投与された場合に、同一のIgの定常(CL)領域のアミノ酸配列を含む他のペプチドとのジスルフィド結合または共有結合の形成に関与できるアミノ酸を含まないように改変されており、かつ
b)重鎖が、選択された抗原特異的な抗体の可変(VH)領域のアミノ酸配列およびヒトIgの定常(CH)領域のアミノ酸配列を含み、定常(CH)領域のアミノ酸配列は、ヒンジ領域および、Igサブタイプによって必要とされる、CH領域の他の領域、例えばCH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下でまたは動物もしくはヒトに投与された場合に、同一のヒトIgの定常(CH)領域のアミノ酸配列を含む他のペプチドとのジスルフィド結合または共有結合性もしくは安定な非共有結合性の重鎖間結合の形成に関与するアミノ酸残基を含まないように改変されている、
軽鎖および重鎖を含む一価抗体。
【請求項57】
ヒトIgが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、またはIgD抗体、例えばIgG1、IgG2、またはIgG4抗体である、請求項56記載の一価抗体。
【請求項58】
a)軽鎖が、選択された抗原特異的な抗体の可変(VL)領域のアミノ酸配列およびIgの定常(CL)領域のアミノ酸配列を含み、かつ
b)重鎖が、選択された抗原特異的な抗体の可変(VH)領域のアミノ酸配列およびヒトIgG4の定常(CH)領域のアミノ酸配列を含み、重鎖のアミノ酸配列は、ヒンジ領域に対応する領域に存在するいずれのアミノ酸残基もポリクローナルヒトIgGの存在下でまたはヒトに投与された場合に、同一のヒトIgG4の定常(CH)領域のアミノ酸配列を含む他のペプチドとの安定なジスルフィド結合の形成に関与できないように改変されている、
軽鎖および重鎖を含む一価抗体。
【請求項59】
CL領域がヒトIgGのカッパ軽鎖の定常領域である、請求項56〜58のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項60】
CL領域がSEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含む、請求項59記載の一価抗体。
【請求項61】
CL領域がヒトIgGのラムダ軽鎖の定常領域である、請求項56〜58のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項62】
CL領域がSEQ ID NO: 4のアミノ酸配列を含む、請求項61記載の一価抗体。
【請求項63】
軽鎖および重鎖が一つまたは複数のジスルフィド結合を通じて相互に接続されている、請求項56〜62のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項64】
軽鎖および重鎖がアミド結合を通じて相互に接続されている、請求項56〜63のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項65】
重鎖のアミノ酸配列が、ヒンジ領域に対応する領域がシステイン残基を含まないよう改変されている、請求項56〜64のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項66】
重鎖のアミノ酸配列が、任意のシステイン残基を含むヒンジ領域に対応する領域のアミノ酸残基の少なくとも一つが欠失および/または他のアミノ酸残基で置換されるよう改変されている、請求項56〜65のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項67】
ヒンジ領域のシステイン残基が非荷電極性側鎖または非極性側鎖を有するアミノ酸残基で置換されている、請求項56〜66のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項68】
非荷電極性側鎖を有するアミノ酸が、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、およびトリプトファンから、独立して選択され、非極性側鎖を有するアミノ酸が、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、およびメチオニンから、独立して選択される、請求項67記載の一価抗体。
【請求項69】
重鎖がヒトIgG4の重鎖であり、重鎖のアミノ酸配列は、重鎖がSEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸106および109に対応するアミノ酸が欠失されたCH領域を含むよう改変されている、請求項66記載の一価抗体。
【請求項70】
重鎖がヒトIgG4の重鎖であり、重鎖のアミノ酸配列は、重鎖がSEQ ID NO: 14の配列の少なくともアミノ酸残基106〜109に対応するアミノ酸残基が欠失されたCH領域を含むよう改変されている、請求項66または請求項69記載の一価抗体。
【請求項71】
重鎖がヒトIgG4の重鎖であり、重鎖のアミノ酸配列は、重鎖がSEQ ID NO: 14の配列の少なくともアミノ酸残基99〜110に対応するアミノ酸残基が欠失されたCH領域を含むよう改変されている、請求項66〜70のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項72】
ヒンジ領域全体が欠失されている、請求項66〜71のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項73】
重鎖がSEQ ID NO: 16のアミノ酸配列を含む、請求項69記載の一価抗体。
【請求項74】
重鎖がヒトIgG4の重鎖であり、重鎖のアミノ酸配列は、重鎖がSEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸残基106および109に対応するアミノ酸残基がシステイン以外のアミノ酸残基で置換されたCH領域を含むよう改変されている、請求項66記載の一価抗体。
【請求項75】
重鎖がヒトIgG4の重鎖であり、重鎖のアミノ酸配列は、重鎖がSEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸残基106および109に対応するアミノ酸残基の一方がシステイン以外のアミノ酸残基で置換され、かつSEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸残基106および109に対応するアミノ酸残基のもう一方が欠失されたCH領域を含むよう改変されている、請求項66記載の一価抗体。
【請求項76】
アミノ酸残基106に対応するアミノ酸残基がシステイン以外のアミノ酸残基で置換され、かつアミノ酸残基109に対応するアミノ酸残基が欠失されている、請求項75記載の一価抗体。
【請求項77】
アミノ酸残基106に対応するアミノ酸残基が欠失され、かつアミノ酸残基109に対応するアミノ酸残基がシステイン以外のアミノ酸残基で置換されている、請求項75記載の一価抗体。
【請求項78】
インビトロでの細胞発現系における抗体の組換え発現を含む方法により獲得できる、請求項56〜77のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項79】
方法が以下の工程を含む、請求項78記載の一価抗体:
i)選択された抗原特異的な抗体のVL領域をコードするヌクレオチド配列およびIgの定常CL領域をコードするヌクレオチド配列を含む、一価抗体の軽鎖をコードする核酸構築物を提供する工程であって、選択された抗原特異的な抗体のVL領域をコードするヌクレオチド配列およびIgのCL領域をコードするヌクレオチド配列が機能的に連結されており、IgG1サブタイプの場合、CL領域をコードするヌクレオチド配列は、CL領域がポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物もしくはヒトに投与された場合に、同一のCL領域のアミノ酸配列を含む他のペプチドとジスルフィド結合または共有結合を形成できるアミノ酸を含まないように改変されている、工程;
ii)選択された抗原特異的な抗体のVH領域をコードするヌクレオチド配列およびヒトIgの定常CH領域をコードするヌクレオチド配列を含む、一価抗体の重鎖をコードする核酸構築物を提供する工程であって、CH領域をコードするヌクレオチド配列は、ヒンジ領域に対応する領域および、Igサブタイプによって必要とされる、CH領域の他の領域、例えばCH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物もしくはヒトに投与された場合に、同一のヒトIgのCH領域のアミノ酸配列を含む他のペプチドとのジスルフィド結合または共有結合性もしくは安定な非共有結合性の重鎖間結合の形成に関与するアミノ酸残基を含まないように改変されており、選択された抗原特異的な抗体のVH領域をコードするヌクレオチド配列およびIgのCH領域をコードするヌクレオチド配列が機能的に連結されている、工程;
iii)抗体を作製するための細胞発現系を提供する工程;
iv)(i)および(ii)の核酸構築物を(iii)の細胞発現系の細胞中で共発現させることによって一価抗体を作製する工程。
【請求項80】
ヒトIgが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、またはIgD抗体、例えばIgG1、IgG2、またはIgG4抗体である、請求項79記載の一価抗体。
【請求項81】
方法が以下の工程を含む、請求項78記載の一価抗体:
i)選択された抗原特異的な抗体のVL領域をコードするヌクレオチド配列およびIgGのCL領域をコードするヌクレオチド配列を含む、抗体の軽鎖をコードする核酸構築物を提供する工程;
ii)選択された抗原特異的な抗体のVH領域をコードするヌクレオチド配列およびヒトIgG4のCH領域をコードするヌクレオチド配列を含む、抗体の重鎖をコードする核酸構築物を提供する工程であって、CH領域をコードする核酸配列が、ヒンジ領域に対応する領域がポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物もしくはヒトに投与された場合に、安定なジスルフィド結合の形成に関与できるアミノ酸残基を含まないように改変されている、工程;
iii)一価抗体を作製するための細胞発現系を提供する工程;
iv)(i)の核酸構築物によりコードされる軽鎖および(ii)の核酸構築物によりコードされる重鎖を含む一価抗体を、(iii)の細胞発現系の細胞中で該構築物を共発現させることによって作製する工程。
【請求項82】
4 mg/kgの用量でインビボ投与された場合に、7日間を超えて10 μg/mlを上回る血漿濃度を有する、請求項56〜81のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項83】
4 mg/kgの用量でSCIDマウスにインビボ投与された場合に、7日間を超えて10 μg/mlを上回る血漿濃度を有する、請求項82記載の一価抗体。
【請求項84】
F(ab’)2フラグメントの血漿クリアランスよりも10倍超遅い血漿クリアランスを有する、請求項56〜83のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項85】
F(ab')2フラグメントの配列が一価抗体の対応する領域の配列と同一である、請求項84記載の一価抗体。
【請求項86】
血漿クリアランスがSCIDマウスを用いて測定される、請求項84記載の一価抗体。
【請求項87】
F(ab')2フラグメントのVH領域およびVL領域が一価抗体のVH領域およびVL領域と同一である、請求項84記載の一価抗体。
【請求項88】
インビボ投与された場合に少なくとも5日間の半減期を有する、請求項56〜87のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項89】
インビボ投与された場合に少なくとも5日間から21日間までの半減期を有する、請求項56〜87のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項90】
インビボ投与された場合に少なくとも5日間から14日間までの半減期を有する、請求項56〜87のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項91】
インビボ投与された場合に少なくとも14日間の半減期を有する、請求項56〜87のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項92】
インビボ投与された場合に少なくとも21日間の半減期を有する、請求項56〜87のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項93】
SCIDマウスにインビボ投与された場合に少なくとも5日間の半減期を有する、請求項88記載の一価抗体。
【請求項94】
FcRnに結合できる、請求項56〜93のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項95】
腫瘍抗原に特異的に結合する、請求項56〜94のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項96】
受容体の二量体化により活性化される細胞表面受容体に特異的に結合する、請求項56〜95のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項97】
標的分子に結合した場合に標的分子の多量体化および/または凝集を阻害する、請求項56〜96のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項98】
VEGF、cMet、CD20、CD38、IL-8、CD25、CD74、FcαRI、FcεRI、アセチルコリン受容体、fas、fasL、TRAIL、肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスのエンベロープE2、組織因子、組織因子および第VII因子の複合体、EGFr、CD4、ならびにCD28から選択される標的に結合する、請求項56〜97のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項99】
VEGF、cMet、CD20、CD38、IL-8、CD25、CD74、FcαRI、FcεRI、アセチルコリン受容体、fas、fasL、TRAIL、肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスのエンベロープE2、組織因子、組織因子および第VII因子の複合体、EGFr、CD4、ならびにCD28から選択される標的に特異的に結合する、請求項56〜97のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項100】
請求項56〜97のいずれか一項記載の一価IgG4抗cMet抗体。
【請求項101】
ポリクローナルヒトIgGの存在下で一価形態にある、請求項54〜100のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項102】
ヒトに投与された場合に一価形態にある、請求項54〜100のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項103】
ポリクローナルヒトIgGの存在下で一価形態に解離する、請求項54〜100のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項104】
ヒトに投与された場合に一価形態に解離する、請求項54〜100のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項105】
エフェクター結合ができない、請求項56〜104のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項106】
薬学的用途用に製造される、請求項54〜104のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項107】
以下の工程を含む、請求項56〜106のいずれか一項記載の一価抗体の調製方法:
a)一価抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養する工程;および
b)宿主細胞培養物から一価抗体を回収する工程。
【請求項108】
宿主細胞が原核生物である、請求項107記載の方法。
【請求項109】
宿主細胞が大腸菌細胞である、請求項108記載の方法。
【請求項110】
大腸菌細胞が、内因性プロテアーゼ活性欠損株の細胞である、請求項109記載の方法。
【請求項111】
宿主細胞が真核生物である、請求項107記載の方法。
【請求項112】
宿主細胞がHEK-293F細胞である、請求項111記載の方法。
【請求項113】
宿主細胞がCHO細胞である、請求項111記載の方法。
【請求項114】
宿主細胞がヒト細胞である、請求項111記載の方法。
【請求項115】
一価抗体が培地から回収される、請求項107〜114のいずれか一項記載の方法。
【請求項116】
一価抗体が細胞溶解産物から回収される、請求項107〜114のいずれか一項記載の方法。
【請求項117】
以下を含む、薬学的用途用の一価抗体の発現のための核酸構築物:
i)IgG4のCH領域をコードする核酸配列であって、CH領域においてヒンジ領域に対応する領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物もしくはヒトに投与された場合に、CH領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含むペプチドとの安定なジスルフィド結合の形成に関与できるアミノ酸残基を含まないように改変されている、核酸配列、または
ii)ヒトIgの定常CH領域をコードするヌクレオチド配列であって、ヒンジ領域に対応する領域および、Igサブタイプによって必要とされる、CH領域の他の領域、例えばCH3領域が、ポリクローナルヒトIgGの存在下で、または動物もしくはヒトに投与された場合に、同一のヒトIgのCH領域のアミノ酸配列を含む他のペプチドとのジスルフィド結合または共有結合性もしくは安定な非共有結合性の重鎖間結合の形成に関与するアミノ酸残基を含まないように改変されている、ヌクレオチド配列、または
iii)それらの相補的配列。
【請求項118】
CH領域をコードする核酸配列は、ヒンジ領域に対応する領域がシステイン残基を含まないよう改変されている、請求項117記載の核酸構築物。
【請求項119】
CH領域をコードする核酸配列は、任意のシステイン残基を含むヒンジ領域に対応する領域のアミノ酸残基の少なくとも一つが欠失および/または他のアミノ酸残基で置換されるよう改変されている、請求項117または請求項118記載の核酸構築物。
【請求項120】
IgG4 CH領域をコードする核酸配列は、SEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸106および109に対応するアミノ酸が欠失されるよう改変されている、請求項119記載の核酸構築物。
【請求項121】
IgG4 CH領域をコードする核酸配列は、SEQ ID NO: 14の配列の少なくともアミノ酸残基106〜109に対応するアミノ酸残基が欠失されるよう改変されている、請求項119または請求項120記載の核酸構築物。
【請求項122】
IgG4 CH領域をコードする核酸配列は、SEQ ID NO: 14の配列の少なくともアミノ酸残基99〜110に対応するアミノ酸残基が欠失されるよう改変されている、請求項119〜121のいずれか一項記載の核酸構築物。
【請求項123】
IgG4 CH領域をコードする核酸配列は、ヒンジ領域全体が欠失されるよう改変されている、請求項119〜122のいずれか一項記載の核酸構築物。
【請求項124】
CH領域をコードする核酸配列は、ヒンジ領域をコードする核酸配列のスプライスドナー部位の少なくとも一つのヌクレオチドが別のヌクレオチドで置換されるよう改変されている、請求項117〜123のいずれか一項記載の核酸構築物。
【請求項125】
SEQ ID NO: 13の配列の714位および722位のヌクレオチドに対応するヌクレオチドが、SEQ ID NO: 13のその位置に存在するヌクレオチド以外のヌクレオチドで置換されている、請求項124記載の核酸構築物。
【請求項126】
IgG4 CH領域をコードする核酸配列は、SEQ ID NO: 13の配列のヌクレオチド714および722がSEQ ID NO: 13のその位置に存在するヌクレオチド以外のヌクレオチドで置換されたSEQ ID NO: 13の配列を含む、請求項125記載の核酸構築物。
【請求項127】
CH領域をコードする核酸配列がSEQ ID NO: 15のヌクレオチド配列を含む、請求項126記載の核酸構築物。
【請求項128】
CH領域をコードする核酸配列は、SEQ ID NO: 14の配列のアミノ酸残基106および109に対応するアミノ酸残基がシステイン以外のアミノ酸残基で置換されるよう改変されている、請求項119記載の核酸構築物。
【請求項129】
CH領域をコードする核酸配列の置換型ヌクレオチドが、部位特異的変異誘発を用いて置換される、請求項124〜128のいずれか一項記載の核酸構築物。
【請求項130】
抗原特異的な抗体のVH領域をコードする核酸配列またはその相補的配列を含む、請求項117〜129のいずれか一項記載の核酸構築物。
【請求項131】
VH領域をコードする核酸配列が、CH領域をコードする核酸配列またはその相補的配列に機能的に連結されている、請求項130記載の核酸構築物。
【請求項132】
請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体の重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項117〜131のいずれか一項記載の核酸構築物。
【請求項133】
請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体のVL領域をコードする核酸配列を含む、請求項132記載の核酸構築物。
【請求項134】
一価抗体の軽鎖をコードする核酸構築物が、ヒトIgGのカッパ鎖のCL領域をコードする配列を含む、請求項133記載の核酸構築物。
【請求項135】
SEQ ID NO: 1のヌクレオチド配列を含む、請求項134記載の核酸構築物。
【請求項136】
一価抗体の軽鎖をコードする核酸構築物が、ヒトIgGのラムダ鎖のCL領域をコードする配列を含む、請求項133記載の核酸構築物。
【請求項137】
SEQ ID NO: 3のヌクレオチド配列を含む、請求項136記載の核酸構築物。
【請求項138】
DNA構築物である、請求項117〜137のいずれか一項記載の核酸構築物。
【請求項139】
発現ベクターである、請求項117〜138のいずれか一項記載の核酸構築物。
【請求項140】
発現ベクターが原核生物発現ベクターである、請求項139記載の核酸構築物。
【請求項141】
発現ベクターが真核生物発現ベクターである、請求項139記載の核酸構築物。
【請求項142】
発現ベクターが哺乳動物発現ベクターである、請求項141記載の核酸構築物。
【請求項143】
発現ベクターがヒトにおける遺伝子療法に適している、請求項142記載の核酸構築物。
【請求項144】
発現ベクターがヒトにおける遺伝子療法に適したウイルスベクターである、請求項139記載の核酸構築物。
【請求項145】
請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸構築物を含み、かつ該核酸構築物が抗体の軽鎖をコードしない場合は抗体の軽鎖をコードする核酸配列を含む核酸構築物も含む宿主細胞を培養してポリペプチドを発現させる工程、および細胞培養物から抗体を回収する工程を含む、請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体の調製方法。
【請求項146】
一価抗体が細胞溶解産物から回収される、請求項145記載の方法。
【請求項147】
一価抗体が細胞培地から回収される、請求項145記載の方法。
【請求項148】
請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体を作製するための、請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸構築物の使用。
【請求項149】
一価抗体の作製が、請求項1〜53のいずれか一項記載の方法の使用を含む、請求項148または170記載の使用。
【請求項150】
請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項151】
原核細胞である、請求項150記載の宿主細胞。
【請求項152】
大腸菌細胞である、請求項151記載の宿主細胞。
【請求項153】
真核細胞である、請求項150記載の宿主細胞。
【請求項154】
哺乳動物細胞である、請求項153記載の宿主細胞。
【請求項155】
CHO細胞である、請求項154記載の宿主細胞。
【請求項156】
HEK-293F細胞である、請求項154記載の宿主細胞。
【請求項157】
ヒト細胞である、請求項154記載の宿主細胞。
【請求項158】
患者由来のヒト細胞である、請求項154記載の宿主細胞。
【請求項159】
患者のヒト細胞である、請求項154記載の宿主細胞。
【請求項160】
請求項132〜144のいずれか一項記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項161】
原核細胞である、請求項160記載の宿主細胞。
【請求項162】
大腸菌細胞である、請求項161記載の宿主細胞。
【請求項163】
真核細胞である、請求項162記載の宿主細胞。
【請求項164】
哺乳動物細胞である、請求項163記載の宿主細胞。
【請求項165】
CHO細胞である、請求項164記載の宿主細胞。
【請求項166】
HEK-293F細胞である、請求項164記載の宿主細胞。
【請求項167】
抗体の軽鎖をコードする核酸配列を含む、請求項160〜166のいずれか一項記載の宿主細胞を培養してポリペプチドを発現させる工程、および細胞培養物から抗体を回収する工程を含む、請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体の調製方法。
【請求項168】
抗体が細胞溶解産物から回収される、請求項167記載の方法。
【請求項169】
抗体が細胞培地から回収される、請求項167記載の方法。
【請求項170】
請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体を作製するための、請求項150〜159のいずれか一項記載の宿主細胞の使用。
【請求項171】
一価抗体の作製が、請求項1〜53のいずれか一項記載の方法の使用を含む、請求項170記載の使用。
【請求項172】
治療部分に抱合された、請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体を含む、免疫抱合体(immunoconjugate)。
【請求項173】
治療部分が細胞毒、化学療法薬、免疫抑制剤、または放射性同位元素である、請求項172記載の免疫抱合体。
【請求項174】
医薬として使用するための、請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項175】
抗体が所与の標的または標的エピトープに特異的に結合し、該標的または標的エピトープに対する抗体の結合が疾患の処置に有効である、癌、細胞増殖障害、(自己)免疫障害、炎症障害、および/または血管新生障害を処置するための医薬として使用するための請求項174記載の一価抗体。
【請求項176】
抗体の投与の効果を達成するために免疫系媒介性の活性の関与が必要ないかまたは望ましくなく、かつ該抗体が抗原に特異的に結合する、特定の標的に対する抗体の投与により処置可能である疾患または障害の処置のための医薬として使用するための請求項174または請求項175記載の一価抗体。
【請求項177】
抗原の多量体化が望ましくない免疫複合体を形成し得、かつ抗体が該抗原に特異的に結合する、可溶性抗原をブロックまたは阻害することによって処置可能である疾患または障害の処置のための医薬として使用するための請求項174〜176のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項178】
受容体が該受容体の二量体化によって活性化され得、かつ抗体が該受容体に特異的に結合する、細胞膜結合型受容体をブロックまたは阻害することによって処置可能である疾患または障害の処置のための医薬として使用するための請求項174〜176のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項179】
医薬としての請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体の使用。
【請求項180】
抗体が所与の標的または標的エピトープに特異的に結合し、該標的または標的エピトープに対する抗体の結合が疾患の処置に有効である、医薬が、癌、細胞増殖障害、(自己)免疫障害、炎症障害、および/または血管新生障害の処置に有用である、請求項179記載の使用。
【請求項181】
抗体の投与の効果を達成するために免疫系媒介性の活性の関与が必要ないかまたは望ましくなく、かつ該抗体が抗原に特異的に結合する、医薬が、特定の標的に対する抗体の投与により処置可能な疾患または障害の処置に有用である、請求項179または請求項180記載の使用。
【請求項182】
抗原の多量体化が望ましくない免疫複合体を形成し得、かつ抗体が該抗原に特異的に結合する、医薬が、可溶性抗原をブロックまたは阻害することによって処置可能な疾患または障害の処置に有用である、請求項179〜181のいずれか一項記載の使用。
【請求項183】
受容体が該受容体の二量体化によって活性化され得、かつ抗体が該受容体に特異的に結合する、医薬が、細胞膜結合型受容体をブロックまたは阻害することによって処置可能な疾患または障害の処置に有用である、請求項179〜181のいずれか一項記載の使用。
【請求項184】
抗体が所与の標的または標的エピトープに特異的に結合し、該標的または標的エピトープに対する抗体の結合が疾患の処置に有効である、癌、細胞増殖障害、(自己)免疫障害、炎症障害、および/または血管新生障害の処置のための薬学的組成物の調製のための請求項54〜106のいずれか一項記載の抗体の使用。
【請求項185】
抗体の投与の効果を達成するために免疫系媒介性の活性の関与が必要ないかまたは望ましくなく、かつ該抗体が抗原に特異的に結合する、特定の標的に対する抗体の投与により処置可能である疾患または障害の処置のための薬学的組成物の調製のための請求項54〜106または請求項184のいずれか一項記載の抗体の使用。
【請求項186】
抗原の多量体化が望ましくない免疫複合体を形成し得、かつ抗体が該抗原に特異的に結合する、可溶性抗原をブロックまたは阻害することによって処置可能である疾患または障害の処置のための薬学的組成物の調製のための請求項54〜106または請求項184または請求項185のいずれか一項記載の抗体の使用。
【請求項187】
受容体が該受容体の二量体化によって活性化され得、かつ抗体が該受容体に特異的に結合する、細胞膜結合型受容体をブロックまたは阻害することによって処置可能である疾患または障害の処置のための薬学的組成物の調製のための請求項54〜106または請求項184または請求項185のいずれか一項記載の抗体の使用。
【請求項188】
抗原に特異的に結合する請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体、該抗体を含む薬学的組成物、該抗体を含む免疫抱合体、または請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸構築物を被験体に投与し、それによって被験体における抗原の活性が阻害される工程
を含む、抗原の活性が望ましくない疾患または障害に罹患した被験体における抗原の阻害方法。
【請求項189】
治療的有効量の請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体、該抗体を含む薬学的組成物、該抗体を含む免疫抱合体、または請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸構築物を処置が必要な被験体に投与し、それによって疾患または障害が処置される工程
を含む、疾患または障害の処置方法。
【請求項190】
疾患または障害が癌、細胞増殖障害、(自己)免疫障害、炎症障害、および/または血管新生障害であり、方法が、治療的有効量の、抗原に特異的に結合する請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体、該抗体を含む薬学的組成物、該抗体を含む免疫抱合体、または請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸構築物を処置が必要な被験体に投与する工程を含み、抗体が所与の標的または標的エピトープに特異的に結合し、該標的または標的エピトープへの抗体の結合が疾患の処置に有効である、請求項189記載の方法。
【請求項191】
疾患または障害が特定の標的に対する抗体の投与により処置可能であり、抗体の投与の効果を達成するために免疫系媒介性の活性の関与が必要ないかまたは望ましくなく、方法が、治療的有効量の、受容体に特異的に結合する請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体、該抗体を含む薬学的組成物、該抗体を含む免疫抱合体、または請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸構築物を処置が必要な被験体に投与する工程を含む、請求項189または請求項190記載の方法。
【請求項192】
疾患または障害が可溶性抗原をブロックまたは阻害することによって処置可能であり、該抗原の多量体化が望ましくない免疫複合体を形成し得、方法が、治療的有効量の、抗原に特異的に結合する請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体、該抗体を含む薬学的組成物、該抗体を含む免疫抱合体、または請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸構築物を処置が必要な被験体に投与する工程を含む、請求項189〜191のいずれか一項記載の方法。
【請求項193】
疾患または障害が細胞膜結合型受容体をブロックまたは阻害することによって処置可能であり、該受容体が該受容体の二量体化によって活性化され得、方法が、治療的有効量の、該受容体に特異的に結合する請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体、該抗体を含む薬学的組成物、該抗体を含む免疫抱合体、または請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸構築物を処置が必要な被験体に投与する工程を含む、請求項189〜191のいずれか一項記載の方法。
【請求項194】
一つまたは複数のさらなる治療剤を被験体に投与する工程を含む、請求項189〜193のいずれか一項記載の方法。
【請求項195】
一つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤,希釈剤、または担体と共に請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体を含む、薬学的組成物。
【請求項196】
請求項117〜144のいずれか一項記載の核酸構築物を含む遺伝子導入動物。
【請求項197】
診断剤としての、請求項54〜106のいずれか一項記載の一価抗体の使用。
【請求項198】
長い半減期を有する一価抗体または一価抗体フラグメントの同定方法であって、一価抗体または抗体フラグメントがクリアランスに対するFcRnによる保護について試験される、方法。
【請求項199】
FcRnによりクリアランスから保護される、一価抗体または一価抗体フラグメント。
【請求項200】
FcRnによりクリアランスから保護される、請求項56〜106のいずれか一項記載の一価抗体またはその一価抗体フラグメント。
【請求項201】
インビボ投与された場合に少なくとも5日間の半減期を有する、請求項199または200記載の一価抗体または一価抗体フラグメント。
【請求項202】
インビボ投与された場合に少なくとも5日間から21日間までの半減期を有する、請求項199または200記載の一価抗体または一価抗体フラグメント。
【請求項203】
インビボ投与された場合に少なくとも5日間から14日間までの半減期を有する、請求項199または200記載の一価抗体または一価抗体フラグメント。
【請求項204】
インビボで少なくとも14日間の半減期を有する、請求項199または200記載の一価抗体または一価抗体フラグメント。
【請求項205】
インビボで少なくとも21日間の半減期を有する、請求項199または200記載の一価抗体または一価抗体フラグメント。
【請求項206】
SCIDマウスにインビボ投与された場合に少なくとも5日間の半減期を有する、請求項199または200記載の一価抗体または一価抗体フラグメント。
【請求項207】
FcRnに結合できる、請求項199または200記載の一価抗体または一価抗体フラグメント。
【請求項207】
F(ab')2フラグメントの血漿クリアランスよりも10倍超遅い血漿クリアランスを有する、請求項199または200記載の一価抗体または一価抗体フラグメント。
【請求項208】
ヒトIgが、SEQ ID NO: 19に示されるアミノ酸のCH領域を有するIgG1であり、そのCH3領域が以下の一つまたは複数のアミノ酸置換がなされるよう改変されている、請求項1記載の方法により獲得できる一価抗体:238位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;239位のAsp(D)がGlu(E)により置換されている;292位のLys(K)がArg(R)により置換されている;302位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および328位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項209】
238位のArg(R)がGln(Q)により置換されている、請求項208記載の一価抗体。
【請求項210】
238位のArg(R)がGln(Q)により置換されており、かつ328位のPro(P)がLeu(L)により置換されている、請求項208記載の一価抗体。
【請求項211】
5つ全ての置換がなされている、請求項208記載の一価抗体。
【請求項212】
ヒトIgがIgG1であり、CL領域は、106位の末端システイン残基が別のアミノ酸残基で置換されるかまたは除去されるよう改変されている、SEQ ID NO: 18に示されるアミノ酸配列を有するカッパ軽鎖CLである、請求項208記載の一価抗体。
【請求項213】
ヒトIgがIgG1であり、CL領域は、104位のシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されるかまたは除去されるよう改変されている、SEQ ID NO: 17に示されるアミノ酸配列を有するカッパ軽鎖CLである、請求項208記載の一価抗体。
【請求項214】
ヒトIgが、SEQ ID NO: 19に示されるアミノ酸のCH領域を有するIgG1であり、CH1領域は14位のSer(S)がシステイン残基により置換されるよう改変されている、請求項208記載の一価抗体。
【請求項215】
ヒトIgがSEQ ID NO: 20に示されるアミノ酸のCH領域を有するIgG2であり、CH3領域が以下の一つまたは複数のアミノ酸置換がなされるよう改変されている、請求項208記載の一価抗体:234位のArg(R)がGln(Q)により置換されている;276位のMet(M)がVal(V)により置換されている;288位のLys(K)がArg(R)により置換されている;298位のGln(Q)がGlu(E)により置換されている;および324位のPro(P)がLeu(L)により置換されている。
【請求項216】
234位のArg(R)がGln(Q)により置換されている、請求項208記載の一価抗体。
【請求項217】
234位のArg(R)がGln(Q)により置換されており、かつ324位のPro(P)がLeu(L)により置換されている、請求項208記載の一価抗体。
【請求項218】
合成抗原ペプチド(Tyr, Glu)-Ala-Lysに特異的に結合しない、請求項1〜217のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項219】
作製された一価抗体がヒト抗体である、請求項1〜218のいずれか一項記載の一価抗体。
【請求項220】
医薬としての請求項54〜106および208〜219のいずれか一項記載の一価抗体の使用。
【請求項221】
薬学的組成物の調製のための、請求項54〜106および208〜219のいずれか一項記載の一価抗体の使用。
【請求項222】
薬学的組成物が癌の処置のために調製される、請求項221記載の使用。
【請求項223】
薬学的組成物が炎症状態の処置のために調製される、請求項221記載の使用。
【請求項224】
請求項54〜106および208〜219のいずれか一項記載の一価抗体を含む、薬学的組成物。
【請求項225】
一つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む、請求項224記載の薬学的組成物。
【請求項226】
一つまたは複数のさらなる治療剤をさらに含む、請求項224および225記載の薬学的組成物。
【請求項227】
細胞膜結合型受容体をブロックまたは阻害することによって処置可能な疾患または障害の処置のために製造され、抗体が受容体に特異的に結合する、請求項224〜226のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項228】
可溶性抗原をブロックまたは阻害することによって処置可能な疾患または障害の処置のために製造され、該抗原の多量体化が望ましくない免疫複合体を形成し得、抗体が該抗原に特異的に結合する、請求項224〜226のいずれか一項記載の薬学的組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2009−517006(P2009−517006A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541590(P2008−541590)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000669
【国際公開番号】WO2007/059782
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(507316398)ゲンマブ エー/エス (18)
【Fターム(参考)】