組積用ブロック及び組積ブロックの構築方法
【課題】組積ブロックの外縁にも化粧面を形成しつつ、水平方向に回転可能に形成することのできる組積ブロックを提供する。
【解決手段】少なくとも一方の表面に化粧面を形成した矩形ブロックからなる組積用ブロックであって、前記矩形ブロックの隣接する二側面に化粧面を形成するとともに化粧面を設けない他の側面に配筋用凹部が形成された第一ブロックと、前記矩形ブロックの一側面に化粧面を形成するとともに他の側面に配筋用凹部が形成された第二ブロックと、前記矩形ブロックの全側面に配筋用凹部が形成された第三ブロックと、を備えたことを特徴とする組積用ブロックとその構築方法を提供することにより、前記課題を解決する。
【解決手段】少なくとも一方の表面に化粧面を形成した矩形ブロックからなる組積用ブロックであって、前記矩形ブロックの隣接する二側面に化粧面を形成するとともに化粧面を設けない他の側面に配筋用凹部が形成された第一ブロックと、前記矩形ブロックの一側面に化粧面を形成するとともに他の側面に配筋用凹部が形成された第二ブロックと、前記矩形ブロックの全側面に配筋用凹部が形成された第三ブロックと、を備えたことを特徴とする組積用ブロックとその構築方法を提供することにより、前記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックを組積することにより塀や擁壁を構築し、あるいは床材として敷設する組積用ブロック及び組積ブロックの構築方法に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来から組積用ブロックとして上下に貫通する複数の空洞が設けられたコンクリートブロックが用いられていた。そしてこの空洞に配筋し、さらにモルタルを充填させることにより組積ブロックが構築されていた(本明細書において「組積ブロック」はブロックを組積した後のものを指す語として用い、「組積用ブロック」とは個々のブロックを指すものとする。)。
【0003】
しかし従来の組積用ブロックは、90度水平方向に回転して組積すると、空洞が設けられていない面が現れるため、内部に配筋したり、モルタルを充填させることができなくなる、という問題が生じていた。
【0004】
この問題を解決するために、特許文献1に示す発明が開発された。この発明においては少なくとも一方の表面に化粧面が形成された、正面視正方形の組積用ブロックであって、四方の側壁の全てに配筋用凹部が形成されたことを特徴とする組積用ブロックが開示されている。この発明によれば、この組積用ブロックの一の姿勢と水平方向に90度回転させた姿勢でも組積することが出来る。
【0005】
【特許文献1】特開2002−121846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る発明では、化粧面が表面のみに形成されるだけであり、側面には配筋用の空洞が現れるため、外縁のブロックやコーナー部分において外観が損なわれるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明では上記問題を解決するべく、外縁にも化粧面を形成しつつ、水平方向に回転可能に形成することのできる組積用ブロック及びその組積方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
下記の構成とすることにより、前記課題を解決する。
【0009】
(1)少なくとも一方の表面に化粧面を形成した矩形ブロックからなる組積用ブロックであって、前記矩形ブロックの隣接する二側面に化粧面を形成するとともに化粧面を設けない他の側面に配筋用凹部が形成された第一ブロックと、前記矩形ブロックの一側面に化粧面を形成するとともに他の側面に配筋用凹部が形成された第二ブロックと、前記矩形ブロックの全側面に配筋用凹部が形成された第三ブロックと、を備えたことを特徴とする組積用ブロックを提供する。これは個々のブロックに係る発明であり、これら三種類のブロックを組み合わせて組積ブロックを構築することになる。
【0010】
(2)(1)に記載の第一ブロックをコーナーに配置し、(1)に記載の第二ブロックを側縁側あるいは天端側に配置し、請求項1に記載の第三ブロックを第一及び第二ブロックで囲まれた内部に配置することにより、組積ブロック内部に配筋可能としたことを特徴とする組積ブロックの構築方法を提供する。これは(1)に記載の組積用ブロックを用いて組積ブロックを構築する方法に関する発明である。
【0011】
(3)縦方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第一及び第三ブロックと、縦方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第二ブロックと、横方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第二ブロックと、を組み合わせることにより、複数の模様パターンで組積可能としたことを特徴とする(2)に記載の組積ブロックの構築方法を提供する。これは(1)に記載の組積用ブロックに対し、複数の条を設ける化粧を施し、それを用いて組積ブロックを構築する方法に関する発明である。
【発明の効果】
【0012】
本発明では水平方向に90度、180度、270度に回転させても内部に配筋可能な構成とすることができる。
【0013】
そして表面に化粧面を形成した本発明のブロックを組み合わせることにより、組積ブロックの模様パターンのバリエーションを増やすことができる。
【0014】
表面のみならず、組積ブロック外縁(本明細書においては、側縁及び天端を含む語として用いることとする。)に現れる組積用ブロック側面についても化粧面で形成された面で構成することができるので、外観を良くすることができる。
【0015】
第二のブロックは側縁側だけでなく天端側のブロックとしても用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る組積用ブロックはコンクリートブロックであり、骨材・水・セメントを混合して、所定の型枠で成型され、その後、脱型、養生を経て製造されるものである。配合条件は従来の方法により、適宜決定される。
【0017】
本発明に係る組積用ブロックに設けられる配筋用凹部は型枠により成型される。組積用ブロック表面と側面に施される化粧面は従来と同様に成型段階で施しても良いし、ショットブラスト加工や研磨加工を養生後に施しても良い。
【0018】
図面を用いて本発明を説明する。図1は本発明に係る第一ブロックの斜視図であり、図2は本発明に係る第二ブロックの斜視図である。また、図3は本発明に係る第三ブロックの斜視図であり、図4は図1乃至図3のブロックを組積した図である。(尚、本明細書中では「組積」とはコンクリートブロックを積み上げて擁壁や塀を構築するのみならず、床材としてコンクリートブロックを敷設する行為をも含むものとして用いている。)。本発明に係る組積用ブロックは矩形ブロックである。尚、矩形とは長方形、正方形を含む形状であるが、水平方向に回転可能なように、正方形であることが好ましい。
【0019】
まず、図1に示す第一ブロックはコーナーに配置されるものである。第一ブロックは少なくとも一方の表面に化粧面が形成されており、二側面にも化粧面が形成されている。化粧面とは模様を付して外観を良くしたり、ショットブラスト加工や研磨加工等による意匠を施した面をいう。この第一ブロックはコーナーに設けられるので、外観から視認される三側面に化粧面が形成されたものを用いる。
【0020】
化粧面が形成されない他の側面には配筋用凹部が形成されている。この凹部が隣接するブロックとの間に空洞を生じさせ、配筋を可能にすることとなる。
【0021】
図2に示す第二ブロックは側縁又は天端側に配置されるものである。第二ブロックは少なくとも一方の表面に化粧面が形成されており、側面のうちの一面にも化粧面が形成されている。この第二ブロックは側縁又は天端側に設けられるので、外観から視認される一面に化粧面が形成されたものを用いるのである。そして化粧面が形成されない他の側面には配筋用凹部が形成されている。
【0022】
従来は側縁用のブロックを天端用に用いることはできなかったが、本発明においては三種類のブロックを組み合わせることによって、第二のブロックを側縁用としても、また天端用としても、組積可能な構成とすることができた。
【0023】
図3に示す第三ブロックは第一ブロックと第二ブロックに囲われた中間に配置されるものである。第三ブロックは少なくとも一方の表面に化粧面が形成されており、側面の全体には配筋用凹部が形成されている。
【0024】
第一乃至第三ブロックを組積したものが図4に示す図である。この図から明らかなように、本発明にかかる第一乃至第三ブロックを組み合わせることによって各ブロックの間に配筋可能な構成とすることができる。これによりこれら各ブロックを水平方向に90度、180度、270度に回転させて組積可能であり、かつ内部に配筋も可能である。組積する際には配筋用凹部に鉄筋とモルタルを充填しつつ行う。尚、すべての空洞部分に配筋する必要はなく、必要とされる強度に応じて決定される。例えば図14の太線に示すような位置に鉄筋とモルタルを充填すればよい(尚、図14は後述する実施例5の図である)。
【0025】
本発明によれば、外縁には化粧面が形成されるので、美感を損なうことはない。このような構成とすることにより、下記の実施例で述べるように模様のパターンが増加し、美感を向上させることができる。
【0026】
図13は使用態様を示す図である(尚、図13は後述する実施例5の使用態様図である)。塀や擁壁のように、各ブロックを上方に積み上げる場合は、底面が地面と接することとなるので、側縁側と天端側に第二ブロックを用いればよい。しかし、組積ブロックを床材等として用いる場合等のように、四方から側面が視認されることとなる場合は、コーナー以外の外縁すべてを第二ブロックで構成することが好ましい。
【実施例1】
【0027】
本発明に係る第一乃至第三ブロックの化粧面に条を設けた実施例について説明する。図5はコーナーに配置される第一ブロック、図6は外縁に配置される第二ブロック、図7は中間に配置される第三ブロックを示した図である。図8は図5乃至図7のブロックをA方向、B方向から見た場合の側面図である。
【0028】
外縁に配置される第二ブロックは条の方向を異ならせて2つのパターンを形成した(以下、図6の(1)を「外縁Aブロック」、(2)を「外縁Bブロック」という。)。これにより組積ブロックの表面から生じる模様について、複数のパターンが生じる。
【実施例2】
【0029】
実施例1に記載の第一乃至第3のブロックを用いて組積した場合の組積ブロックのパターンを図9に示す。第一ブロックを縦の模様となるようコーナーに配置し、第二ブロックのうち、外縁Bブロックを天端側に、外縁Aブロックを側縁側に配置する。そして第三ブロックを中間に配置すると、組積ブロック全体として縦の条の模様が形成されることとなる。
【実施例3】
【0030】
実施例1に記載の第一乃至第3のブロックを用いて組積した場合の組積ブロックのパターンを図10に示す。第一ブロックを横の模様となるようにコーナーに配置し、第二ブロックのうち、外縁Aブロックを天端側に、外縁Bブロックを側縁側に配置する。そして第三ブロックを中間に配置すると、組積ブロック全体として横の条の模様が形成されることとなる。
【実施例4】
【0031】
実施例1に記載の第一乃至第3のブロックを用いて組積した場合の組積ブロックのパターンを図11に示す。第一ブロックを縦の模様となるようにコーナーに配置し、第二ブロックのうち、外縁Bブロックを天端側に、外縁Aブロックと外縁Bブロックを左右の側縁側に交互に配置する。そして第三ブロックを同行の側縁側のブロックと同様の模様を形成する姿勢にして、中間に配置する。こうして組積ブロック全体として、行ごとに縦と横の模様が交互に形成されることとなる。
【実施例5】
【0032】
実施例1に記載の第一乃至第3のブロックを用いて組積した場合の組積ブロックのパターンを図12に示す。隣接するブロックが縦の条の模様なら横の条の模様に、隣接するブロックが横の条の模様なら縦の条の模様となるように、第一ブロックをコーナーに配置し、第二ブロックの外縁A・外縁Bブロックを天端及び側縁側に交互に配置する。そして第三ブロックを同行の外縁のブロックと90度異なる姿勢にして、中間に配置する。こうして組積ブロック全体として、縦と横の模様のブロックが市松模様のように、交互に形成されることとなる。
【0033】
尚、上記実施例は模様の一例であって、化粧面に各種模様を付すことによって様々な模様パターンのバリエーションを生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第一ブロックの斜視図である。
【図2】本発明に係る第二ブロックの斜視図である。
【図3】本発明に係る第三ブロックの斜視図である。
【図4】図1乃至図3のブロックを組積した図である。
【図5】実施例1のブロック第一ブロックの斜視図である。
【図6】実施例1のブロック第二ブロックの斜視図である。
【図7】実施例1のブロック第三ブロックの斜視図である。
【図8】図5乃至図7のブロックの側面図である。
【図9】実施例2に係る組積ブロックの図である。
【図10】実施例3に係る組積ブロックの図である。
【図11】実施例4に係る組積ブロックの図である。
【図12】実施例5に係る組積ブロックの図である。
【図13】本発明に係るブロックの使用態様図である。
【図14】鉄筋とモルタルの充填される位置を表す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックを組積することにより塀や擁壁を構築し、あるいは床材として敷設する組積用ブロック及び組積ブロックの構築方法に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来から組積用ブロックとして上下に貫通する複数の空洞が設けられたコンクリートブロックが用いられていた。そしてこの空洞に配筋し、さらにモルタルを充填させることにより組積ブロックが構築されていた(本明細書において「組積ブロック」はブロックを組積した後のものを指す語として用い、「組積用ブロック」とは個々のブロックを指すものとする。)。
【0003】
しかし従来の組積用ブロックは、90度水平方向に回転して組積すると、空洞が設けられていない面が現れるため、内部に配筋したり、モルタルを充填させることができなくなる、という問題が生じていた。
【0004】
この問題を解決するために、特許文献1に示す発明が開発された。この発明においては少なくとも一方の表面に化粧面が形成された、正面視正方形の組積用ブロックであって、四方の側壁の全てに配筋用凹部が形成されたことを特徴とする組積用ブロックが開示されている。この発明によれば、この組積用ブロックの一の姿勢と水平方向に90度回転させた姿勢でも組積することが出来る。
【0005】
【特許文献1】特開2002−121846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る発明では、化粧面が表面のみに形成されるだけであり、側面には配筋用の空洞が現れるため、外縁のブロックやコーナー部分において外観が損なわれるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明では上記問題を解決するべく、外縁にも化粧面を形成しつつ、水平方向に回転可能に形成することのできる組積用ブロック及びその組積方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
下記の構成とすることにより、前記課題を解決する。
【0009】
(1)少なくとも一方の表面に化粧面を形成した矩形ブロックからなる組積用ブロックであって、前記矩形ブロックの隣接する二側面に化粧面を形成するとともに化粧面を設けない他の側面に配筋用凹部が形成された第一ブロックと、前記矩形ブロックの一側面に化粧面を形成するとともに他の側面に配筋用凹部が形成された第二ブロックと、前記矩形ブロックの全側面に配筋用凹部が形成された第三ブロックと、を備えたことを特徴とする組積用ブロックを提供する。これは個々のブロックに係る発明であり、これら三種類のブロックを組み合わせて組積ブロックを構築することになる。
【0010】
(2)(1)に記載の第一ブロックをコーナーに配置し、(1)に記載の第二ブロックを側縁側あるいは天端側に配置し、請求項1に記載の第三ブロックを第一及び第二ブロックで囲まれた内部に配置することにより、組積ブロック内部に配筋可能としたことを特徴とする組積ブロックの構築方法を提供する。これは(1)に記載の組積用ブロックを用いて組積ブロックを構築する方法に関する発明である。
【0011】
(3)縦方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第一及び第三ブロックと、縦方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第二ブロックと、横方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第二ブロックと、を組み合わせることにより、複数の模様パターンで組積可能としたことを特徴とする(2)に記載の組積ブロックの構築方法を提供する。これは(1)に記載の組積用ブロックに対し、複数の条を設ける化粧を施し、それを用いて組積ブロックを構築する方法に関する発明である。
【発明の効果】
【0012】
本発明では水平方向に90度、180度、270度に回転させても内部に配筋可能な構成とすることができる。
【0013】
そして表面に化粧面を形成した本発明のブロックを組み合わせることにより、組積ブロックの模様パターンのバリエーションを増やすことができる。
【0014】
表面のみならず、組積ブロック外縁(本明細書においては、側縁及び天端を含む語として用いることとする。)に現れる組積用ブロック側面についても化粧面で形成された面で構成することができるので、外観を良くすることができる。
【0015】
第二のブロックは側縁側だけでなく天端側のブロックとしても用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る組積用ブロックはコンクリートブロックであり、骨材・水・セメントを混合して、所定の型枠で成型され、その後、脱型、養生を経て製造されるものである。配合条件は従来の方法により、適宜決定される。
【0017】
本発明に係る組積用ブロックに設けられる配筋用凹部は型枠により成型される。組積用ブロック表面と側面に施される化粧面は従来と同様に成型段階で施しても良いし、ショットブラスト加工や研磨加工を養生後に施しても良い。
【0018】
図面を用いて本発明を説明する。図1は本発明に係る第一ブロックの斜視図であり、図2は本発明に係る第二ブロックの斜視図である。また、図3は本発明に係る第三ブロックの斜視図であり、図4は図1乃至図3のブロックを組積した図である。(尚、本明細書中では「組積」とはコンクリートブロックを積み上げて擁壁や塀を構築するのみならず、床材としてコンクリートブロックを敷設する行為をも含むものとして用いている。)。本発明に係る組積用ブロックは矩形ブロックである。尚、矩形とは長方形、正方形を含む形状であるが、水平方向に回転可能なように、正方形であることが好ましい。
【0019】
まず、図1に示す第一ブロックはコーナーに配置されるものである。第一ブロックは少なくとも一方の表面に化粧面が形成されており、二側面にも化粧面が形成されている。化粧面とは模様を付して外観を良くしたり、ショットブラスト加工や研磨加工等による意匠を施した面をいう。この第一ブロックはコーナーに設けられるので、外観から視認される三側面に化粧面が形成されたものを用いる。
【0020】
化粧面が形成されない他の側面には配筋用凹部が形成されている。この凹部が隣接するブロックとの間に空洞を生じさせ、配筋を可能にすることとなる。
【0021】
図2に示す第二ブロックは側縁又は天端側に配置されるものである。第二ブロックは少なくとも一方の表面に化粧面が形成されており、側面のうちの一面にも化粧面が形成されている。この第二ブロックは側縁又は天端側に設けられるので、外観から視認される一面に化粧面が形成されたものを用いるのである。そして化粧面が形成されない他の側面には配筋用凹部が形成されている。
【0022】
従来は側縁用のブロックを天端用に用いることはできなかったが、本発明においては三種類のブロックを組み合わせることによって、第二のブロックを側縁用としても、また天端用としても、組積可能な構成とすることができた。
【0023】
図3に示す第三ブロックは第一ブロックと第二ブロックに囲われた中間に配置されるものである。第三ブロックは少なくとも一方の表面に化粧面が形成されており、側面の全体には配筋用凹部が形成されている。
【0024】
第一乃至第三ブロックを組積したものが図4に示す図である。この図から明らかなように、本発明にかかる第一乃至第三ブロックを組み合わせることによって各ブロックの間に配筋可能な構成とすることができる。これによりこれら各ブロックを水平方向に90度、180度、270度に回転させて組積可能であり、かつ内部に配筋も可能である。組積する際には配筋用凹部に鉄筋とモルタルを充填しつつ行う。尚、すべての空洞部分に配筋する必要はなく、必要とされる強度に応じて決定される。例えば図14の太線に示すような位置に鉄筋とモルタルを充填すればよい(尚、図14は後述する実施例5の図である)。
【0025】
本発明によれば、外縁には化粧面が形成されるので、美感を損なうことはない。このような構成とすることにより、下記の実施例で述べるように模様のパターンが増加し、美感を向上させることができる。
【0026】
図13は使用態様を示す図である(尚、図13は後述する実施例5の使用態様図である)。塀や擁壁のように、各ブロックを上方に積み上げる場合は、底面が地面と接することとなるので、側縁側と天端側に第二ブロックを用いればよい。しかし、組積ブロックを床材等として用いる場合等のように、四方から側面が視認されることとなる場合は、コーナー以外の外縁すべてを第二ブロックで構成することが好ましい。
【実施例1】
【0027】
本発明に係る第一乃至第三ブロックの化粧面に条を設けた実施例について説明する。図5はコーナーに配置される第一ブロック、図6は外縁に配置される第二ブロック、図7は中間に配置される第三ブロックを示した図である。図8は図5乃至図7のブロックをA方向、B方向から見た場合の側面図である。
【0028】
外縁に配置される第二ブロックは条の方向を異ならせて2つのパターンを形成した(以下、図6の(1)を「外縁Aブロック」、(2)を「外縁Bブロック」という。)。これにより組積ブロックの表面から生じる模様について、複数のパターンが生じる。
【実施例2】
【0029】
実施例1に記載の第一乃至第3のブロックを用いて組積した場合の組積ブロックのパターンを図9に示す。第一ブロックを縦の模様となるようコーナーに配置し、第二ブロックのうち、外縁Bブロックを天端側に、外縁Aブロックを側縁側に配置する。そして第三ブロックを中間に配置すると、組積ブロック全体として縦の条の模様が形成されることとなる。
【実施例3】
【0030】
実施例1に記載の第一乃至第3のブロックを用いて組積した場合の組積ブロックのパターンを図10に示す。第一ブロックを横の模様となるようにコーナーに配置し、第二ブロックのうち、外縁Aブロックを天端側に、外縁Bブロックを側縁側に配置する。そして第三ブロックを中間に配置すると、組積ブロック全体として横の条の模様が形成されることとなる。
【実施例4】
【0031】
実施例1に記載の第一乃至第3のブロックを用いて組積した場合の組積ブロックのパターンを図11に示す。第一ブロックを縦の模様となるようにコーナーに配置し、第二ブロックのうち、外縁Bブロックを天端側に、外縁Aブロックと外縁Bブロックを左右の側縁側に交互に配置する。そして第三ブロックを同行の側縁側のブロックと同様の模様を形成する姿勢にして、中間に配置する。こうして組積ブロック全体として、行ごとに縦と横の模様が交互に形成されることとなる。
【実施例5】
【0032】
実施例1に記載の第一乃至第3のブロックを用いて組積した場合の組積ブロックのパターンを図12に示す。隣接するブロックが縦の条の模様なら横の条の模様に、隣接するブロックが横の条の模様なら縦の条の模様となるように、第一ブロックをコーナーに配置し、第二ブロックの外縁A・外縁Bブロックを天端及び側縁側に交互に配置する。そして第三ブロックを同行の外縁のブロックと90度異なる姿勢にして、中間に配置する。こうして組積ブロック全体として、縦と横の模様のブロックが市松模様のように、交互に形成されることとなる。
【0033】
尚、上記実施例は模様の一例であって、化粧面に各種模様を付すことによって様々な模様パターンのバリエーションを生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第一ブロックの斜視図である。
【図2】本発明に係る第二ブロックの斜視図である。
【図3】本発明に係る第三ブロックの斜視図である。
【図4】図1乃至図3のブロックを組積した図である。
【図5】実施例1のブロック第一ブロックの斜視図である。
【図6】実施例1のブロック第二ブロックの斜視図である。
【図7】実施例1のブロック第三ブロックの斜視図である。
【図8】図5乃至図7のブロックの側面図である。
【図9】実施例2に係る組積ブロックの図である。
【図10】実施例3に係る組積ブロックの図である。
【図11】実施例4に係る組積ブロックの図である。
【図12】実施例5に係る組積ブロックの図である。
【図13】本発明に係るブロックの使用態様図である。
【図14】鉄筋とモルタルの充填される位置を表す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の表面に化粧面を形成した矩形ブロックからなる組積用ブロックであって、
前記矩形ブロックの隣接する二側面に化粧面を形成するとともに化粧面を設けない他の側面に配筋用凹部が形成された第一ブロックと、
前記矩形ブロックの一側面に化粧面を形成するとともに他の側面に配筋用凹部が形成された第二ブロックと、
前記矩形ブロックの全側面に配筋用凹部が形成された第三ブロックと、
を備えたことを特徴とする組積用ブロック。
【請求項2】
請求項1に記載の第一ブロックをコーナーに配置し、請求項1に記載の第二ブロックを側縁側あるいは天端側に配置し、請求項1に記載の第三ブロックを第一及び第二ブロックで囲まれた内部に配置することにより、組積ブロック内部に配筋可能としたことを特徴とする組積ブロックの構築方法。
【請求項3】
縦方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第一及び第三ブロックと、
縦方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第二ブロックと、
横方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第二ブロックと、
を組み合わせることにより、複数の模様パターンで組積可能としたことを特徴とする請求項2に記載の組積ブロックの構築方法。
【請求項1】
少なくとも一方の表面に化粧面を形成した矩形ブロックからなる組積用ブロックであって、
前記矩形ブロックの隣接する二側面に化粧面を形成するとともに化粧面を設けない他の側面に配筋用凹部が形成された第一ブロックと、
前記矩形ブロックの一側面に化粧面を形成するとともに他の側面に配筋用凹部が形成された第二ブロックと、
前記矩形ブロックの全側面に配筋用凹部が形成された第三ブロックと、
を備えたことを特徴とする組積用ブロック。
【請求項2】
請求項1に記載の第一ブロックをコーナーに配置し、請求項1に記載の第二ブロックを側縁側あるいは天端側に配置し、請求項1に記載の第三ブロックを第一及び第二ブロックで囲まれた内部に配置することにより、組積ブロック内部に配筋可能としたことを特徴とする組積ブロックの構築方法。
【請求項3】
縦方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第一及び第三ブロックと、
縦方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第二ブロックと、
横方向に複数の条を設けた化粧面を表面に形成した前記第二ブロックと、
を組み合わせることにより、複数の模様パターンで組積可能としたことを特徴とする請求項2に記載の組積ブロックの構築方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−291782(P2007−291782A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122680(P2006−122680)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(592088622)マチダコーポレーション株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(592088622)マチダコーポレーション株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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