組立てブロック
【課題】基板を容易かつ高精度に接合でき、ブロック板同士をジョイントを介して確実に連結できるようにする。
【解決手段】平面形状が正方形状及び正三角形状のブロック板1と、このブロック板1同士を連結するジョイント2との組み合わせから成る組立てブロックにおいて、各ブロック板1の重なり合う二枚の基板3,4のうち、一方の基板3に、各辺に対応して切り込みによりコーナー側から中央側へ延びる切起片5を形成し、他方の基板4に、切起片5に対応してコーナー側から中央側へ延びるスリット8を設け、切起片5を起立させてスリット8に差し込むと、切起片5の係合部7がスリット8の端縁に係合して、基板3,4が固定され、ジョイント2の差込片10をブロック板1の受口13に差し込むと、差込片10の括れ部11が切起片5に係合して、ブロック板1同士の連結状態が維持されるようにする。
【解決手段】平面形状が正方形状及び正三角形状のブロック板1と、このブロック板1同士を連結するジョイント2との組み合わせから成る組立てブロックにおいて、各ブロック板1の重なり合う二枚の基板3,4のうち、一方の基板3に、各辺に対応して切り込みによりコーナー側から中央側へ延びる切起片5を形成し、他方の基板4に、切起片5に対応してコーナー側から中央側へ延びるスリット8を設け、切起片5を起立させてスリット8に差し込むと、切起片5の係合部7がスリット8の端縁に係合して、基板3,4が固定され、ジョイント2の差込片10をブロック板1の受口13に差し込むと、差込片10の括れ部11が切起片5に係合して、ブロック板1同士の連結状態が維持されるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、この発明は、ブロック板をジョイントを介して順次連結することにより、三次元的な立体を組み立てることができる組立てブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の組立てブロックとして、本出願人は、下記特許文献1に記載されたようなものを提案している。この組立てブロックは、図20に示すように、平面形状が正方形及び正三角形のブロック板51と、このブロック板51同士を連結するジョイント52との組み合わせから構成されている。
【0003】
ブロック板51は、可撓性を有するプラスチック製の二枚の基板53,54を、各コーナーの接合部55で熱溶着等により貼り合わせて形成したものであり、ブロック板51の周囲各辺には、基板53,54間に受口56が設けられている。また、この受口56に臨んで、基板54の端縁を弧状に切り欠いた誘導用のポケット57が形成され、受口55から内側へ少し離れて、膨出した係止突起58が設けられている。
【0004】
ジョイント52は、容易に撓めて曲げられる一枚のプラスチック板から成り、その両側には端縁の中央側が突き出した差込片59が設けられ、差込片59の中央部には、係止穴60が設けられている。
【0005】
このような組立てブロックにおいて、ブロック板51同士をジョイント52により連結するには、ジョイント52の差込片59を各ブロック板51の受口56に差し込む。このとき、差込片59がポケット57で受口56に誘導されるので、差込片59を受口56に容易に差し込むことができる。そして、差込片59を受口56に奥まで押し込むと、係止突起58が係止穴60に係合して、ブロック板51同士の連結状態が維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−132762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような組立てブロックでは、製造に際し、基板53,54の接合部55を所定の位置及び形状に管理しなければ、ジョイント52の差込片59を受口56に差し込めなくなるおそれがある。
【0008】
また、係止突起58を所定の位置及び高さに形成しなければ、ブロック板51同士を連結できなくなるおそれもある。
【0009】
そこで、この発明は、二枚の基板を重ね合わせてブロック板を形成する形式の組立てブロックにおいて、基板を容易かつ高精度に接合でき、ブロック板同士をジョイントを介して確実に連結できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明は、平面形状が正方形状及び正三角形状のブロック板と、このブロック板同士を連結するジョイントとの組み合わせから成り、前記ブロック板は、可撓性を有する二枚の基板を重ね合わせ、この二枚の基板間にブロック板の周囲各辺で開いた受口を設けたものとし、前記ジョイントは、撓めて曲げられる一枚の板の両側に差込片を有するものとし、ジョイントの差込片をブロック板の受口に差し込むと、ブロック板同士が連結されるようにした組立てブロックにおいて、前記各ブロック板の重なり合う二枚の基板のうち、一方の基板に、各辺に対応して切り込みによりコーナー側から中央側へ延びる切起片をヒンジ線が基端となるように形成し、他方の基板に、切起片に対応してコーナー側から中央側へ延びるスリットを設け、切起片をヒンジ線を軸に起立させてスリットに差し込むと、切起片の係合部がスリットの端縁に係合して、基板同士が固定され、ジョイントの差込片をブロック板の受口に差し込むと、差込片の括れ部が切起片に係合して、ブロック板同士の連結状態が維持されるようにしたのである。
【0011】
また、前記切起片の係合部は、ヒンジ線から他方の基板の厚さ分だけ離れて側方へ突き出すものとし、前記スリットは、端部に鉤部を設けたものとし、切起片の係合部を鉤部に対応して撓めつつスリットに差し込み、係合部を復元させると、係合部がスリットの端縁に臨む部分に係合し、基板同士が固定されるようにしたのである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る組立てブロックでは、製造に際して、一方の基板の切起片を他方の基板のスリットに差し込むだけで、基板同士を位置決めすると同時に接合状態で固定できるので、接着に伴う位置合わせ等の手間を要することなく、基板を精度よく接合できる。
【0013】
また、使用時には、ジョイントの差込片を基板の切起片に係合させることにより、ブロック板同士をジョイントを介して確実に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】正方形状のブロック板を構成する基板を示す図
【図2】同上の基板を分離した状態を示す斜視図
【図3】同上の基板を接合した状態を示す斜視図
【図4】三角形状のブロック板を構成する基板を示す図
【図5】同上の基板を分離した状態を示す斜視図
【図6】同上の基板を接合した状態を示す斜視図
【図7】ブロック板における基板の接合過程を示す部分拡大斜視図
【図8】同上の基板の接合状態を示す部分拡大斜視図
【図9】(a)基本形式のジョイントを示す斜視図、(b)同上の折曲形式のジョイントを示す斜視図、(c)同上の広幅形式のジョイントを示す斜視図
【図10】ブロック板へのジョイント差込過程を示す斜視図
【図11】ブロック板のジョイントを介した連結状態を示す斜視図
【図12】ブロック板を連結したジョイントの折曲状態を示す斜視図
【図13】図12のXIII−XIII線に沿った断面図
【図14】三方向への連結状態を示す斜視図
【図15】広幅形式のジョイントを使用した連結例を示す平面図
【図16】構成要素の連結例を示す(a)上方斜視図、(b)下方斜視図
【図17】捻り柱状体の作例を示す斜視図
【図18】立方体の作例を示す斜視図
【図19】鳥型置物の作例を示す(a)左側面図、(b)斜視図
【図20】従来の組立てブロックを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
この組立てブロックは、可撓性を有するプラスチック製の薄板を打ち抜いて製造されるものであり、図1乃至図3に示す平面形状が正方形状のブロック板1と、図4乃至図6に示す平面形状が正三角形状のブロック板1と、図9(a),(b),(c)に示す3種類のジョイント2とから構成される。
【0017】
図1及び図4に示すように、ブロック板1を形成する二枚の基板3,4のうち、一方の基板3は、各辺が膨出するように湾曲している。この基板3には、各辺に対応して切り込みによりコーナー側から中央側へ延びる切起片5がヒンジ線6を基端として形成され、切起片5には、ヒンジ線6から他方の基板4の厚さ分だけ離れて側方へ突き出すように、係合部7が設けられている。
【0018】
他方の基板4は、各辺が直線とされ、基板3と重ねた際、各コーナーは基板4と一致するようになっている。この基板4には、切起片5に対応してコーナー側から中央側へ延びるスリット8が設けられ、スリット8は、基板3のコーナー側の端部に屈曲した鉤部9を有するものとされている。
【0019】
これらの基板3,4からブロック板1を形成するには、図2及び図5に示すように、まず、基板3において、切起片5をヒンジ線6を軸に起立させる。なお、この工程は、基板3の打抜と同時に行なうことができる。
【0020】
次に、基板3の切起片5を基板4のスリット8に差し込む。このとき、図7に示すように、切起片5の係合部7をスリット8の鉤部9に対応して撓めつつスリット8に差し込んで、図8に示すように、係合部7を弾性により復元させると、係合部7がスリット8の端縁に臨む部分に係合し、基板3,4が固定される。
【0021】
このように基板3,4を重合状態で固定すると、ブロック板1には、基板3,4の間に周囲各辺で開く受口13が形成され、各受口13に臨んで、一方の基板3が他方の基板4よりも各辺の中央側へかけて大きく迫り出す誘導段部14が形成される。
【0022】
一方、各ジョイント2は、一枚の柔軟なプラスチック板から成り、図9に示すように、ブロック板1の一辺の長さに相当する長さ方向の両側に、テーパ状の迫出部分から段部を介して大きく突き出した差込片10を設け、差込片10の両側縁に括れ部11を形成した形状とされている。
【0023】
これらのジョイント2のうち、図9(a)に示すものは基本形式であり、図9(b)に示すものは、中央の罫線12に沿って120°の角度で折り曲げる形式となっている。図9(c)に示すものは、図9(a)に示すものより幅が広い形式となっている。
【0024】
このような組立てブロックにおいて、ブロック板1同士をジョイント2により連結するには、図10及び図11に示すように、ジョイント2の差込片10を各ブロック板1の受口13に差し込む。このとき、誘導段部14に差込片10を載せると、差込片10を受口13に容易に差し込むことができる。
【0025】
そして、差込片10を受口13に奥まで押し込むと、差込片10の括れ部11が切起片5に係合して、差込片10が受口13から抜け止めされ、ブロック板1同士の連結状態が維持される。
【0026】
上記のような組立てブロックでは、製造に際して、一方の基板3の切起片5を他方の基板4のスリット8に差し込むだけで、基板3,4を位置決めすると同時に接合状態で固定できるので、接着に伴う位置合わせ等の手間を要することなく、基板3,4を精度よく接合できる。
【0027】
また、使用時には、ジョイント2の差込片10を基板3の切起片5に係合させることにより、ブロック板1同士をジョイント2を介して確実に連結することができる。
【0028】
このようにして、ブロック板1同士をジョイント2を介して連結すると、図12及び図13に示すように、ジョイント2を任意の角度に曲げることができるので、様々な角度に屈曲した面を構成することができる。
【0029】
また、図14に示すように、ブロック板1の受口13に、複数枚のジョイント2を差し込んで曲げることにより、複数の方向へブロック板1を連結することもできる。なお、ブロック板1同士を120°の角度で連結する場合には、図9(b)に示す予め折り曲げられたジョイント2を使用すればよい。
【0030】
また、図15に示す連結例の下段部のように、隣り合うブロック板1の間隔が大きくなる部分には、図9(c)に示す幅の広いジョイント2を使用すればよい。
【0031】
このような組立てブロックによると、図16に示すように、正方形及び正三角形のブロック板1を適宜組み合わせ、自由な角度で連結して、多様な面構成の立体を組み立てることができる。
【0032】
例えば、照明器具のセード等として使用するため、透明なブロック板1及びジョイント2を用いて、図17に示すような捻り柱状体の立体や、図18に示すような立方体を製作することができる。また、インテリア用品として、図19に示すような鳥型の置物を製作することもできる。
【符号の説明】
【0033】
1 ブロック板
2 ジョイント
3,4 基板
5 切起片
6 ヒンジ線
7 係合部
8 スリット
9 鉤部
10 差込片
11 括れ部
12 罫線
13 受口
14 誘導段部
【技術分野】
【0001】
この発明は、この発明は、ブロック板をジョイントを介して順次連結することにより、三次元的な立体を組み立てることができる組立てブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の組立てブロックとして、本出願人は、下記特許文献1に記載されたようなものを提案している。この組立てブロックは、図20に示すように、平面形状が正方形及び正三角形のブロック板51と、このブロック板51同士を連結するジョイント52との組み合わせから構成されている。
【0003】
ブロック板51は、可撓性を有するプラスチック製の二枚の基板53,54を、各コーナーの接合部55で熱溶着等により貼り合わせて形成したものであり、ブロック板51の周囲各辺には、基板53,54間に受口56が設けられている。また、この受口56に臨んで、基板54の端縁を弧状に切り欠いた誘導用のポケット57が形成され、受口55から内側へ少し離れて、膨出した係止突起58が設けられている。
【0004】
ジョイント52は、容易に撓めて曲げられる一枚のプラスチック板から成り、その両側には端縁の中央側が突き出した差込片59が設けられ、差込片59の中央部には、係止穴60が設けられている。
【0005】
このような組立てブロックにおいて、ブロック板51同士をジョイント52により連結するには、ジョイント52の差込片59を各ブロック板51の受口56に差し込む。このとき、差込片59がポケット57で受口56に誘導されるので、差込片59を受口56に容易に差し込むことができる。そして、差込片59を受口56に奥まで押し込むと、係止突起58が係止穴60に係合して、ブロック板51同士の連結状態が維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−132762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような組立てブロックでは、製造に際し、基板53,54の接合部55を所定の位置及び形状に管理しなければ、ジョイント52の差込片59を受口56に差し込めなくなるおそれがある。
【0008】
また、係止突起58を所定の位置及び高さに形成しなければ、ブロック板51同士を連結できなくなるおそれもある。
【0009】
そこで、この発明は、二枚の基板を重ね合わせてブロック板を形成する形式の組立てブロックにおいて、基板を容易かつ高精度に接合でき、ブロック板同士をジョイントを介して確実に連結できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明は、平面形状が正方形状及び正三角形状のブロック板と、このブロック板同士を連結するジョイントとの組み合わせから成り、前記ブロック板は、可撓性を有する二枚の基板を重ね合わせ、この二枚の基板間にブロック板の周囲各辺で開いた受口を設けたものとし、前記ジョイントは、撓めて曲げられる一枚の板の両側に差込片を有するものとし、ジョイントの差込片をブロック板の受口に差し込むと、ブロック板同士が連結されるようにした組立てブロックにおいて、前記各ブロック板の重なり合う二枚の基板のうち、一方の基板に、各辺に対応して切り込みによりコーナー側から中央側へ延びる切起片をヒンジ線が基端となるように形成し、他方の基板に、切起片に対応してコーナー側から中央側へ延びるスリットを設け、切起片をヒンジ線を軸に起立させてスリットに差し込むと、切起片の係合部がスリットの端縁に係合して、基板同士が固定され、ジョイントの差込片をブロック板の受口に差し込むと、差込片の括れ部が切起片に係合して、ブロック板同士の連結状態が維持されるようにしたのである。
【0011】
また、前記切起片の係合部は、ヒンジ線から他方の基板の厚さ分だけ離れて側方へ突き出すものとし、前記スリットは、端部に鉤部を設けたものとし、切起片の係合部を鉤部に対応して撓めつつスリットに差し込み、係合部を復元させると、係合部がスリットの端縁に臨む部分に係合し、基板同士が固定されるようにしたのである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る組立てブロックでは、製造に際して、一方の基板の切起片を他方の基板のスリットに差し込むだけで、基板同士を位置決めすると同時に接合状態で固定できるので、接着に伴う位置合わせ等の手間を要することなく、基板を精度よく接合できる。
【0013】
また、使用時には、ジョイントの差込片を基板の切起片に係合させることにより、ブロック板同士をジョイントを介して確実に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】正方形状のブロック板を構成する基板を示す図
【図2】同上の基板を分離した状態を示す斜視図
【図3】同上の基板を接合した状態を示す斜視図
【図4】三角形状のブロック板を構成する基板を示す図
【図5】同上の基板を分離した状態を示す斜視図
【図6】同上の基板を接合した状態を示す斜視図
【図7】ブロック板における基板の接合過程を示す部分拡大斜視図
【図8】同上の基板の接合状態を示す部分拡大斜視図
【図9】(a)基本形式のジョイントを示す斜視図、(b)同上の折曲形式のジョイントを示す斜視図、(c)同上の広幅形式のジョイントを示す斜視図
【図10】ブロック板へのジョイント差込過程を示す斜視図
【図11】ブロック板のジョイントを介した連結状態を示す斜視図
【図12】ブロック板を連結したジョイントの折曲状態を示す斜視図
【図13】図12のXIII−XIII線に沿った断面図
【図14】三方向への連結状態を示す斜視図
【図15】広幅形式のジョイントを使用した連結例を示す平面図
【図16】構成要素の連結例を示す(a)上方斜視図、(b)下方斜視図
【図17】捻り柱状体の作例を示す斜視図
【図18】立方体の作例を示す斜視図
【図19】鳥型置物の作例を示す(a)左側面図、(b)斜視図
【図20】従来の組立てブロックを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
この組立てブロックは、可撓性を有するプラスチック製の薄板を打ち抜いて製造されるものであり、図1乃至図3に示す平面形状が正方形状のブロック板1と、図4乃至図6に示す平面形状が正三角形状のブロック板1と、図9(a),(b),(c)に示す3種類のジョイント2とから構成される。
【0017】
図1及び図4に示すように、ブロック板1を形成する二枚の基板3,4のうち、一方の基板3は、各辺が膨出するように湾曲している。この基板3には、各辺に対応して切り込みによりコーナー側から中央側へ延びる切起片5がヒンジ線6を基端として形成され、切起片5には、ヒンジ線6から他方の基板4の厚さ分だけ離れて側方へ突き出すように、係合部7が設けられている。
【0018】
他方の基板4は、各辺が直線とされ、基板3と重ねた際、各コーナーは基板4と一致するようになっている。この基板4には、切起片5に対応してコーナー側から中央側へ延びるスリット8が設けられ、スリット8は、基板3のコーナー側の端部に屈曲した鉤部9を有するものとされている。
【0019】
これらの基板3,4からブロック板1を形成するには、図2及び図5に示すように、まず、基板3において、切起片5をヒンジ線6を軸に起立させる。なお、この工程は、基板3の打抜と同時に行なうことができる。
【0020】
次に、基板3の切起片5を基板4のスリット8に差し込む。このとき、図7に示すように、切起片5の係合部7をスリット8の鉤部9に対応して撓めつつスリット8に差し込んで、図8に示すように、係合部7を弾性により復元させると、係合部7がスリット8の端縁に臨む部分に係合し、基板3,4が固定される。
【0021】
このように基板3,4を重合状態で固定すると、ブロック板1には、基板3,4の間に周囲各辺で開く受口13が形成され、各受口13に臨んで、一方の基板3が他方の基板4よりも各辺の中央側へかけて大きく迫り出す誘導段部14が形成される。
【0022】
一方、各ジョイント2は、一枚の柔軟なプラスチック板から成り、図9に示すように、ブロック板1の一辺の長さに相当する長さ方向の両側に、テーパ状の迫出部分から段部を介して大きく突き出した差込片10を設け、差込片10の両側縁に括れ部11を形成した形状とされている。
【0023】
これらのジョイント2のうち、図9(a)に示すものは基本形式であり、図9(b)に示すものは、中央の罫線12に沿って120°の角度で折り曲げる形式となっている。図9(c)に示すものは、図9(a)に示すものより幅が広い形式となっている。
【0024】
このような組立てブロックにおいて、ブロック板1同士をジョイント2により連結するには、図10及び図11に示すように、ジョイント2の差込片10を各ブロック板1の受口13に差し込む。このとき、誘導段部14に差込片10を載せると、差込片10を受口13に容易に差し込むことができる。
【0025】
そして、差込片10を受口13に奥まで押し込むと、差込片10の括れ部11が切起片5に係合して、差込片10が受口13から抜け止めされ、ブロック板1同士の連結状態が維持される。
【0026】
上記のような組立てブロックでは、製造に際して、一方の基板3の切起片5を他方の基板4のスリット8に差し込むだけで、基板3,4を位置決めすると同時に接合状態で固定できるので、接着に伴う位置合わせ等の手間を要することなく、基板3,4を精度よく接合できる。
【0027】
また、使用時には、ジョイント2の差込片10を基板3の切起片5に係合させることにより、ブロック板1同士をジョイント2を介して確実に連結することができる。
【0028】
このようにして、ブロック板1同士をジョイント2を介して連結すると、図12及び図13に示すように、ジョイント2を任意の角度に曲げることができるので、様々な角度に屈曲した面を構成することができる。
【0029】
また、図14に示すように、ブロック板1の受口13に、複数枚のジョイント2を差し込んで曲げることにより、複数の方向へブロック板1を連結することもできる。なお、ブロック板1同士を120°の角度で連結する場合には、図9(b)に示す予め折り曲げられたジョイント2を使用すればよい。
【0030】
また、図15に示す連結例の下段部のように、隣り合うブロック板1の間隔が大きくなる部分には、図9(c)に示す幅の広いジョイント2を使用すればよい。
【0031】
このような組立てブロックによると、図16に示すように、正方形及び正三角形のブロック板1を適宜組み合わせ、自由な角度で連結して、多様な面構成の立体を組み立てることができる。
【0032】
例えば、照明器具のセード等として使用するため、透明なブロック板1及びジョイント2を用いて、図17に示すような捻り柱状体の立体や、図18に示すような立方体を製作することができる。また、インテリア用品として、図19に示すような鳥型の置物を製作することもできる。
【符号の説明】
【0033】
1 ブロック板
2 ジョイント
3,4 基板
5 切起片
6 ヒンジ線
7 係合部
8 スリット
9 鉤部
10 差込片
11 括れ部
12 罫線
13 受口
14 誘導段部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が正方形状及び正三角形状のブロック板(1)と、このブロック板(1)同士を連結するジョイント(2)との組み合わせから成り、前記ブロック板(1)は、可撓性を有する二枚の基板(3,4)を重ね合わせ、この二枚の基板(3,4)間にブロック板(1)の周囲各辺で開いた受口(13)を設けたものとし、前記ジョイント(2)は、撓めて曲げられる一枚の板の両側に差込片(10)を有するものとし、ジョイント(2)の差込片(10)をブロック板(1)の受口(13)に差し込むと、ブロック板(1)同士が連結されるようにした組立てブロックにおいて、
前記各ブロック板(1)の重なり合う二枚の基板(3,4)のうち、一方の基板(3)に、各辺に対応して切り込みによりコーナー側から中央側へ延びる切起片(5)をヒンジ線(6)が基端となるように形成し、他方の基板(4)に、切起片(5)に対応してコーナー側から中央側へ延びるスリット(8)を設け、切起片(5)をヒンジ線(6)を軸に起立させてスリット(8)に差し込むと、切起片(5)の係合部(7)がスリット(8)の端縁に係合して、基板(3,4)が固定され、ジョイント(2)の差込片(10)をブロック板(1)の受口(13)に差し込むと、差込片(10)の括れ部(11)が切起片(5)に係合して、ブロック板(1)同士の連結状態が維持されるようにしたことを特徴とする組立てブロック。
【請求項2】
前記切起片(5)の係合部(7)は、ヒンジ線(6)から他方の基板(4)の厚さ分だけ離れて側方へ突き出すものとし、前記スリット(8)は、端部に鉤部(9)を設けたものとし、切起片(5)の係合部(7)を鉤部(9)に対応して撓めつつスリット(8)に差し込み、係合部(7)を復元させると、係合部(7)がスリット(8)の端縁に臨む部分に係合し、基板(3,4)が固定されることを特徴とする請求項1に記載の組立てブロック。
【請求項1】
平面形状が正方形状及び正三角形状のブロック板(1)と、このブロック板(1)同士を連結するジョイント(2)との組み合わせから成り、前記ブロック板(1)は、可撓性を有する二枚の基板(3,4)を重ね合わせ、この二枚の基板(3,4)間にブロック板(1)の周囲各辺で開いた受口(13)を設けたものとし、前記ジョイント(2)は、撓めて曲げられる一枚の板の両側に差込片(10)を有するものとし、ジョイント(2)の差込片(10)をブロック板(1)の受口(13)に差し込むと、ブロック板(1)同士が連結されるようにした組立てブロックにおいて、
前記各ブロック板(1)の重なり合う二枚の基板(3,4)のうち、一方の基板(3)に、各辺に対応して切り込みによりコーナー側から中央側へ延びる切起片(5)をヒンジ線(6)が基端となるように形成し、他方の基板(4)に、切起片(5)に対応してコーナー側から中央側へ延びるスリット(8)を設け、切起片(5)をヒンジ線(6)を軸に起立させてスリット(8)に差し込むと、切起片(5)の係合部(7)がスリット(8)の端縁に係合して、基板(3,4)が固定され、ジョイント(2)の差込片(10)をブロック板(1)の受口(13)に差し込むと、差込片(10)の括れ部(11)が切起片(5)に係合して、ブロック板(1)同士の連結状態が維持されるようにしたことを特徴とする組立てブロック。
【請求項2】
前記切起片(5)の係合部(7)は、ヒンジ線(6)から他方の基板(4)の厚さ分だけ離れて側方へ突き出すものとし、前記スリット(8)は、端部に鉤部(9)を設けたものとし、切起片(5)の係合部(7)を鉤部(9)に対応して撓めつつスリット(8)に差し込み、係合部(7)を復元させると、係合部(7)がスリット(8)の端縁に臨む部分に係合し、基板(3,4)が固定されることを特徴とする請求項1に記載の組立てブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−40288(P2012−40288A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185951(P2010−185951)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000115371)ヨシリツ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000115371)ヨシリツ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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