説明

組立て容器

【課題】光学フィルムや医療用フィルム等を引出しに収納してシート状で運搬・保管することができ、これらを外圧や衝撃あるいは塵埃、水分等から保護するとともに、容器及び引出しを、ともにシート状に展開してコンパクトに運搬・保管が可能な組立て容器を提供する。
【解決手段】シート状引出しDを備えた容器Cであって、前記容器Cが組立て及び分解が可能であり、前記シート状引出しDがシート状基材31に積載物34の支持部32を設けてなり、前記支持部32が不使用時には該シート状基材31中に埋没し、使用時には該シート状基材31から起立して積載物34の支持部32を形成することを特徴とする組立て容器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式の容器に関し、更に詳しくは、液晶表示装置等に用いられる偏光フィルムや位相差フィルム等の光学フィルム、医療用フィルム、燃料電池のセパレーター等を引出しに収納してシート状で運搬・保管することができ、これらを外圧や衝撃あるいは塵埃、水分等から保護すると共に、容器及び引出しをともにシート状に展開してコンパクトに運搬・保管が可能な、繰り返して使用できる組立て容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の組立て容器としては、例えば、インナーリブを有する中空板からなり、平板部とその両側にヒンジ部を介して起立した側壁部とからなるコの字状部材2個を90度偏位させて対向させたことを特徴とする樹脂製容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−238014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の樹脂製容器は、上記公報の図6に記載されているように、フィルム等を芯管の外周上巻回してなるロール状製品を収納するためのものである。
【0004】
このようなロール状製品は、巻き終りの端部からフィルム等を繰り出して所定のサイズのシート状にカットされ使用に供されるが、カットされたシート状のフィルムには巻きぐせが残っているため円弧状に曲がり、液晶表示装置等に装着する際に、作業性を低下させる原因となっている。また、用途によっては、品質を低下させる場合もある。
【0005】
この問題を解消するために、上記容器に引出しを取り付け、予め所定のサイズにカットされたシートを積載することが考えられるが、通常、引出しは底部と積載物の厚みと同等又はそれ以上の側壁を有する凹状のケースからなるため、例えば、用済み後に、容器は分解してシート状に展開した状態でコンパクトに積み重ねができるものの、引出しは側壁が嵩張るため積み重ねた場合にも嵩張りが大きくなり、運搬や保管にスペースをとり、運搬、保管効率の低下が避けられない。
【0006】
本発明はかかる実情に鑑み、上記従来技術の問題点を解消し、側壁を有さず、使用時には支持部を形成し、不使用時には平面状のままとなし得るシート状の引出しを採用することにより、光学フィルム等を巻きぐせのつかないシート状で運搬又は保管できるとともに、容器を分解する際に引出しを積み重ねた場合においてもシート状であるので嵩張ることがなく、また軽量性に富み、取り扱いが容易であるとともに、運搬や保管にスペースをとらず、運搬、保管効率が良好な組立て容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の請求項1は、シート状引出しを備えた容器であって、前記容器が組立て及び分解が可能であり、前記シート状引出しがシート状基材に積載物の支持部を設けてなり、前記支持部が不使用時には該シート状基材中に埋没し、使用時にはシート状基材から起立して支持部を形成することを特徴とする組立て容器を内容とするものである。
【0008】
本発明の請求項2は、支持部が、サイズの異なる積載物を支持することができることを特徴とする請求項1記載の組立て容器を内容とする。
【0009】
本発明の請求項3は、支持部が、積載物の少なくとも対角線上の両隅部を支持することを特徴とする請求項1又は2記載の組立て容器を内容とする。
【0010】
本発明の請求項4は、支持部が、シート状基材に該支持部の形状に沿った起伏自在の切り込み部により設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組立て容器を内容とする。
【0011】
本発明の請求項5は、支持部の形状に沿った切り込み部が略台形状からなり、上底の両端から下底への垂線で区画される下底の部分は谷折り可能であり、且つ、上底両端から下底への垂線の部分が谷折り可能であることを特徴とする請求項5記載の組立て容器を内容とする。
【0012】
本発明の請求項6は、シート状基材が樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組立て容器を内容とする。
【0013】
本発明の請求項7は、シート状基材が発泡樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組立て容器を内容とする。
【0014】
本発明の請求項8は、組立て及び分解可能な容器が、樹脂製の中空板からなる平板部とその両側にヒンジ部を介して起立した側壁部とからなる2個のコの字状部材からなり、少なくとも一つのコの字状部材の両側壁部の内側にはシート状引出しの案内溝を有してなり、2個のコの字状部材を90度偏位させて対向させ、両部材の接合部を係合部材で係合したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の組立て容器を内容とする。
【0015】
本発明の請求項9は、平板部とその両端の側壁部とを、ヒンジ部付近に設けた凹部と凸部との嵌合により自己起立性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の組立て容器を内容とする。
【0016】
本発明の請求項10は、引出しを引き出す方向の側壁が、容器を段積みした状態で外方向に倒れることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の組立て容器を内容とする。
【0017】
本発明の請求項11は、一のコの字状部材の平板部の外表面に凹陥部を設け、他のコの字状部材の平板部の外表面に、該凹陥部と嵌合する隆起部を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の組立て容器を内容とする。
【0018】
本発明の請求項12は、積載物が光学フィルムであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の組立て容器を内容とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の組立容器は、シート状基材に積載物の支持部を設け、該支持部が不使用時(不要時)には該シート状基材中に埋没して板状を維持し、使用時(必要時)には、シート状基材から起立させ支持部を形成するシート状引出しを採用したことにより、例えば、用済み後に、組立容器を分解してシート状に展開して積み重ねができるとともに、引出しも支持部をシート状基材中に埋没できるので嵩張ることなく積み重ねて輸送や保管ができる。従って、輸送や保管に広いスペースをとらず、輸送や保管の効率が向上するとともに、従来の引出しのように側壁がないので軽量性に富む。
【0020】
また、光学フィルム等をシート状で運搬又は保管できるので、ロール状製品からのカット品のように巻きぐせがなく、液晶表示装置等への装着作業性も良好である。
【0021】
支持部を、サイズの異なる積載物を支持できるように複数個設けることにより、サイズの異なる積層物を1種の引出しで対応することができる。
【0022】
支持部が、積載物の少なくとも対角線上の両隅部を支持するように配することにより、効率的に且つ確実に積層物を支持することができる。
【0023】
支持部を、シート状基材に該支持部の形状に沿った起伏自在の切り込み部により設けることにより、支持部の使用時には該切り込み部を起立させて積載物を支持させ、不使用時には、該切り込み部を伏せた状態とし、シート状基材中に埋没させることができる。
【0024】
支持部の形状に沿った起伏自在の切り込み部を略台形状とし、上底の両端から下底への垂線で区画される下底の部分は谷折り可能とし、且つ、上底両端から下底への垂線の部分も谷折り可能とすることにより、容易に支持部を形成し、又は伏せることができるので好都合である。
【0025】
シート状基材は、樹脂、特に発泡樹脂からなるのが、成形性、コスト、軽量性等の点で好ましい。
【0026】
また、本発明に用いられる組立て及び分解可能な容器は、樹脂製の中空板からなり、平板部とその両側にヒンジ部を介して起立した側壁部とからなるコの字状部材2個からなり、少なくとも一つのコの字部材の側壁には、シート状引出しの案内溝を有してなり、2個のコの字状部材を90度偏位させて対向させ、両部材の接合部を係合部材で係合した容器が、軽量で十分な強度を有する点で好ましい。
【0027】
平板部とその両端の側壁部とを、ヒンジ部付近に設けた凹部と凸部との嵌合により自己起立性を有することにより、2個のコの字状部材の組み付けが容易となる。
とする。
【0028】
引出しを引き出す方向の側壁が、容器を段積みした状態で外方向に倒れるようにすれば、容器を段積みした状態でも引出しを引き出して積載物を取り出したり、又は収納することが可能となる。
【0029】
一のコの字状部材の平板部の外表面に凹陥部を設け、他のコの字状部材の平板部の外表面に、該凹陥部と嵌合する隆起部を設けると、段積みした際に、上部の容器と下部の組立容器との間で凹陥部と隆起部とが嵌合するので、例えば、輸送の際に横揺れしたり、振動が加わっても荷崩れすることがない。
【0030】
本発明における積載物は、ロール状製品からのカット品のように巻きぐせ(円弧状の曲がり)がないので、特に、高品質が要求される光学フィルム等に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の組立て容器は、容器内にシート状引出しを備えた組立て及び分解可能な容器であって、前記容器が組立て分解可能であり、前記シート状引出しがシート状基材に積載物の支持部を設けてなり、前記支持部が不使用時(不要時)には該シート状基材中に埋没させ、使用時(必要時)にはシート状基材から起立させて支持部を形成することを特徴とする。
【0032】
本発明における組立て及び分解可能な容器としては、樹脂製の樹脂製の中空板からなり、平板部とその両側にヒンジ部を介して起立した側壁部とからなる2個のコの字状部材からなり、少なくとも一つのコの字状部材の側壁部の内側には、シート状引出しの案内溝を有してなり、2個のコの字状部材を90度偏位させて対向させ、両部材の接合部を係合部材で係合してなる容器が、軽量で強度が大きく、また安価である点で好ましい。
【0033】
樹脂製の中空板としては、中空二重壁構造の樹脂製のブロー成形品において、ブロー成形時に内壁側にウエルドリブを形成して内外壁を一体的に結合して相互に補強させたものでもよく、また、中空二重壁構造の間に、断面視でアルファベットのI字状に形成されるインナーリブを形成して内外壁を一体的に結合して相互に補強されたものでもよい。
前者のウエルドリブ型の場合は、ウエルドリブの部分が窪みとして表れるので美観を低下させるばかりでなく、クリーニングの際に洗浄水や洗浄液が溜まり、これらを除去するのが面倒であるが、後者のインナーリブ型ではこのような問題がない。
【0034】
樹脂製の中空板の材料としては、ブロー成形が可能で、上記したウエルドリブ型又はインナーリブ型の補強中空板を容易に製造でき、ヒンジの耐久性や耐衝撃性に優れ、また、リサイクルも容易な樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合樹脂等のポリオレフィン系樹脂が好適である。
【0035】
2個のコの字状部材のうちの少なくとも一のコの字状部材の両側壁部の内側には、シート状引出しの案内溝が設けられる。案内溝は1条又は2条以上設けられる。案内溝の上限は特に制限されず、容器の大きさや積載物の大きさ、積載量等により適宜決定すればよいが、概ね10個程度が好ましい。
【0036】
平板部と両側の側壁とは、例えば、ヒンジ部付近に設けた凹部と凸部との嵌合による自己起立性を付与すると、組み付けが容易になる点で好ましい。
【0037】
また、引出しを引き出す方向の側壁が、組立容器を段積みした状態でも係合部材による係合を解けば外方向に倒れることが好ましく、このようにすることにより、組立容器を段積みした状態で、任意の組立容器の引出しを取り出し、積載物を取り出したり、又は、積載物を収納することができる。
【0038】
また、2個のコの字状部材の一のコの字状部材の平板部の外表面には凹陥部を設け、他のコの字状部材の平板部の外表面には該凹陥部と嵌合する隆起部を設けることにより、組立容器を段積みした際に、上部の組立て容器の凹陥部又は隆起部と、下部の組立て容器の隆起部又は凹陥部とが嵌合し、例えば、輸送の際に横揺れや振動が加わっても荷崩れすることがないので好ましい。
【0039】
一方、本発明におけるシート状引出しは、シート状基材にフィルム等の積載物の動きや移動を防ぐための支持部を設けてなるが、該支持部は積載物の支持部として使用しない時には該シート状基材中に埋没し、積載物の支持部として使用する際には該シート状基材から起立させて支持部を形成するように設けられる。
【0040】
このような支持部としては、例えば、シート状基材に該支持部の形状に沿った起伏自在の切り込み部によって設けられるのが好ましく、また、切り込み部は略台形状からなり、上底の両端から下底への垂線で区画される下底の部分は谷折り可能とし、上底両端から下底への垂線の部分も谷折り可能としたものが挙げられる。
【0041】
支持部は、積載物が輸送中の横揺れや振動により動いたり、移動したりするのを防止するように設けられるが、積層物の少なくとも対角線上の両隅部を支持するように設けることが好ましく、例えば、積載物の隅部を挟んで直角の位置に支持部が設けられる。
また、積載部は用途によって種々のサイズのものがあるので、各サイズの積載物の少なくとも対角線上の両隅部が支持されるように、支持部を複数個設けるのが好ましい。
【0042】
シート状基材は、成形性及びコストの点から樹脂製のものが好ましく、また、成形性、コスト、軽量性の点から発泡樹脂製のものが好ましい。
このような樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合物等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチロール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂等が挙げられ、発泡樹脂としては、上記ポリオレフィン系樹脂、ポリスチロール樹脂等が好ましい。発泡樹脂は発泡倍率が大きくなると強度が不十分となるので2〜4倍程度の低発泡倍率のものが好ましい。勿論、強度が不十分な場合には、シート状引出しの裏面に補強リブ等を設けて補強することもできる。
【0043】
本発明の組立て容器は、収納物(積載物)を外圧や衝撃、塵埃、水分等から保護するとともに、各種サイズの積載物をシート状のままで輸送や保管ができるので、ロール状製品からのカット品のように巻きぐせ(円弧状の曲がり)がなく、液晶表示装置等に用いられる偏光フィルム、位相差フィルム等の光学フィルム、医療用のプラスチックフィルム、燃料電池のセパレーター等、高品質が要求されるのフィルムやシートに特に好適である。
【実施例】
【0044】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されないことは云うまでもない。
【0045】
実施例1
図1は、組立て及び分解が可能な容器を形成するための2個のコの字状部材(以下、単に部材と記す)のうちの一の部材Xの展開平面図、図2は、同他の部材Yの展開平面図、図3は、これらの部材XとYとを90度偏位させて対向させた状態の斜視図、図4は、部材X、Yがそれぞれに設けられた係合部材を係合させた容器の斜視図である。
【0046】
図1〜図4に示すように、部材X、Yはともに樹脂製の中空板からなり、部材Xは、図1に示すように、平板部1とその両側に薄肉部からなるヒンジ部2を介して連設された側壁部3とからなる。
【0047】
平板部1は、長辺側の辺縁に嵌合凹溝4を有するとともに、係止部5aを有する舌片状の係合部材5を各辺に2個ずつ備え、平板部1の中央部の裏側には段積用の凹陥部6を備えている。
【0048】
側壁部3は、短辺側の辺縁に嵌合凹溝4を有するとともに、長辺側には嵌合凸条7が設けられ、裏側には、把手部8が設けられ、更にその両側に係止部9aを有する係合部材9が設けられている。
【0049】
一方、部材Yは、図2に示すように、平板部11とその両側にヒンジ部12を介して連設された側壁部13とからなる。
【0050】
平板部11は長辺側の辺縁に嵌合凹溝14を有するとともに、係止部15aを有する舌片状の係合部材15を各辺に2個ずつ備え、その中央部の裏側には段積用の隆起部16を備えている。
【0051】
側壁部13は、2つの短辺側と1つの長辺側の辺縁に嵌合突条17を備え、シート状引出しの案内溝(図では5個)が凹設されている。
【0052】
2個の部材XとYは、図3に示すように、相互に90度偏位させて対向させ、両部材X、Yを組み付けて、図4に示すように、本発明における組立て及び分解可能な容器Cが形成される。
即ち、部材Yの側壁部13の嵌合突条17が部材Xの嵌合凹溝4と嵌合し、また部材Yの嵌合凹溝14が部材Yの嵌合突条7と嵌合し、更に、部材Yの舌片状の係合部材15の係止部15aが部材Xの係合部材9の係止部9aと係合するとともに、部材Xの係合部材5の係止部5aが部材Yの係合部19の係止部19aと係合して容器Cが形成される。
【0053】
次に、シート状引出しDは、図5〜図8に示すように、発泡合成樹脂(発泡倍率2倍のポリスチロール樹脂)からなるシート状基材31に支持部32が設けられ、該支持部32は切り込み33によって設けられている。
即ち、該支持部32は略台形状からなり、上底32aの両端から下底32bへの垂線で区画される下底部分32cは谷折り可能とされ、また、上底32aの両端から下底への垂線部分32dも谷折り可能とされ、波線で示した部分が切り込みによりシート状基材31から切り離せるように形成されている。かくして、支持部32は、下底32bのうちの32cの部分(実線の部分)を、矢示したように、シート状基材31に対し略垂直に起立させ、両側の略三角形状の部分32eを矢示したように略90度起立させることにより、三角形状部32eが支持部32を支えるのである(図8参照)。尚、谷折りされる部分は、谷折りし易いように、予め線状に薄肉にしたり、裏側に厚さの1/2以下程度の深さのスリットを刻設しておくのが好ましい。更に、起立した支持部32を前傾しないように固定手段を設けてもよい。
【0054】
支持部32は、図5に示すように、予め積載物のサイズに合わせて設け、種々のサイズの積載物にも対応できるようにするのが好ましい。図5では2種類のサイズの場合を示しているが、例えば、図示した支持部の配設で、図7に示すように、多くの異なるサイズの積載物に対応することができる。図中、33はシート状引出しDを引き出す際の手指挿入口である。
【0055】
シート状引出しDは、図9に示すように、光学フィルム等の積載物(通常:100枚とか200枚とかの単位で、フィルムやビニールで包装したもの)34の両隅部を支持部32により支持した状態で容器Cの案内溝18に摺動的に装入される。
用済み後は、容器Cは係合部材15と9、5と19の係合を解いて、部材X、部材Yはそれぞれ図1、図2に示す如くシート状に展開し、また、シート状引出しDは起立した支持部32を寝かせて起立前の状態のシート状としてそれぞれ積み重ねて輸送され又は保管される。
【0056】
実施例2
本実施例の組立て容器は、図10〜12に示すように、部材Xの側壁部3の上端部3aと、これに接する部材Yの平板部11の先端部11aをともに平坦部として、図12に示すように、本発明の組立て容器を段積みした状態でも、任意の組立て容器の舌片状の係合部材15と係合部材9との係合を解くことにより側壁部3が外方向に倒れ、シート状引出しDを引き出せるようにした他は実施例1の場合と同様である。
【0057】
実施例3
本実施例の組立て容器は、図13、図14に示すように、部材Xの平板部1及び側壁部3のヒンジ部2付近に凹部(又は凸部)35、凸部(又は凹部)36を設けるとともに、部材Yも同様に、平板部11及び側壁部13のヒンジ部12付近に凹部(又は凸部)35、凸部(又は凹部)36を設け、凹部(又は凸部)35と凸部(又は凹部)36とを嵌合させることにより、部材X及び部材Yをコの字状に仮固定できるようにして、部材X、Yの組み付けを容易とした他は実施例1の場合と同様である。
【0058】
以上の実施例においては、長方形状の組立て容器について説明したが、長方形状に限られず、正方形であってもよいことは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
叙上のとおり、本発明の組立容器は、シート状基材に積載物の支持部を設け、該支持部が不使用時(不要時)には該シート状基材中に埋没して板状を維持し、使用時(必要時)には、シート状基材から起立させ支持部を形成するシート状引出しを採用したことにより、例えば、用済み後に、組立容器を分解してシート状に展開して積み重ねができるとともに、引出しも支持部をシート状基材中に埋没できるので嵩張ることなく積み重ねて輸送や保管ができる。従って、輸送や保管に広いスペースをとらず、輸送や保管の効率が向上するとともに、従来の引出しのように側壁がないので軽量性に富む。
【0060】
また、光学フィルム等をシート状で運搬又は保管できるので、ロール状製品からのカット品のように巻きぐせがなく、従って、高品質であり、且つ液晶表示装置等への装着作業性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例を示し、容器を形成する一のコの字状部材の一例を示す展開平面図である。
【図2】容器を形成する他のコの字状部材の一例を示す展開平面図である。
【図3】2個のコの字状部材を90度偏位させて対向させた状態を示す斜視図である。
【図4】2個のコの字状部材を係合部材を係合・嵌合させた容器の斜視図である。
【図5】シート状引出しの一例を示す平面図である。
【図6】シート状引出しの支持部を示す拡大概略図である。
【図7】シート状引出しの支持部と積載物との関係を示す概略図である。
【図8】シート状引出しの支持部を起立させた状態を示す斜視図である。
【図9】容器内にシート状引出しを一部装入した状態を示す概略斜視図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す要部断面図である。
【図11】舌片状の係合部材を解いた状態を示す概略断面図である。
【図12】段積みした状態で、組立て容器からシート状引出しを引き出した状態を示す概略断面図である。
【図13】本発明の更に他の実施例を示し、一のコの字状部材の展開平面図である。
【図14】他のコの字状部材の展開平面図である。
【符号の説明】
【0062】
1、11 平板部
2、12 ヒンジ部
3、13 側壁部
4、14 嵌合凹溝
5、15 舌片状の係合部材
5a、15a 係止部
6 段積用の凹陥部
7、17 嵌合突条
8 把手部
9、19 係合部材
9a、19a 係止部
16 段積用の隆起部
18 案内溝
31 シート状基材
32 支持部
32a 上底
32b 下底
32c 垂線で区画される下底の部分
32d 垂線部分
32e 略三角形状の部分
33 手指挿入口
34 積載物
35 凹部(又は凸部)
36 凸部(又は凹部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状引出しを備えた容器であって、前記容器が組立て及び分解が可能であり、前記シート状引出しがシート状基材に積載物の支持部を設けてなり、前記支持部が不使用時には該シート状基材中に埋没し、使用時にはシート状基材から起立して支持部を形成することを特徴とする組立て容器。
【請求項2】
支持部が、サイズの異なる積載物を支持することができることを特徴とする請求項1記載の組立て容器。
【請求項3】
支持部が、積載物の少なくとも対角線上の両隅部を支持することを特徴とする請求項1又は2記載の組立て容器。
【請求項4】
支持部が、シート状基材に該支持部の形状に沿った起伏自在の切り込み部により設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組立て容器。
【請求項5】
支持部の形状に沿った切り込み部が略台形状からなり、上底の両端から下底への垂線で区画される下底の部分は谷折り可能であり、且つ、上底両端から下底への垂線の部分が谷折り可能であることを特徴とする請求項5記載の組立て容器。
【請求項6】
シート状基材が樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組立て容器。
【請求項7】
シート状基材が発泡樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組立て容器。
【請求項8】
組立て及び分解可能な容器が、樹脂製の中空板からなる平板部とその両側にヒンジ部を介して起立した側壁部とからなる2個のコの字状部材からなり、少なくとも一つのコの字状部材の両側壁部の内側にはシート状引出しの案内溝を有してなり、2個のコの字状部材を90度偏位させて対向させ、両部材の接合部を係合部材で係合したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の組立て容器。
【請求項9】
平板部とその両端の側壁部とが、ヒンジ部付近に設けた凹部と凸部との嵌合により自己起立性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の組立て容器。
【請求項10】
引出しを引き出す方向の側壁が、容器を段積みした状態で外方向に倒れることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の組立て容器。
【請求項11】
一のコの字状部材の平板部の外表面に凹陥部を設け、他のコの字状部材の平板部の外表面に、該凹陥部と嵌合する隆起部を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の組立て容器。
【請求項12】
積載物が光学フィルムであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の組立て容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−22631(P2007−22631A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211327(P2005−211327)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(393030958)村角株式会社 (18)
【Fターム(参考)】