説明

組立式コンテナ

【課題】金属製ワイヤーを折曲して設けた枠体と、布製等のシートを着脱自在に捲廻装着せしめて組立てるようにして、コンパクトな梱包によって運賃の節約と、収納時の整理整頓時の空間占拠率を著減した組立式コンテナを提供する。
【解決手段】内側に補強杆5を設けた補強枠部を取着したワイヤー6,7,8,9を折曲せしめた下方に折曲する脚3付き台部を構成する前方枠部1と後方枠部2に、下方部が回動自在にして、且上方に外側方向に折曲するフック17を有するシートが引掛け可能な係止杆16を接着する前方枠体部6と後方枠体部Cを対向状に取付けた。台部の前方枠部と後方枠部と、前方枠体部の係止杆と後方枠体部の係止杆とにシートを捲廻し、捲廻されたシートの端部を接着した。左枠体部dの引掛け杆28と右枠体部eの引掛け杆28にシートを捲廻させると共に、前記左右両枠体部の下方部にも捲廻して前記シートの両端部を接着した。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、組立式コンテナの技術分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンテナは、枠体部にシートを捲廻すると、分離が容易にできない状態で組立てられていた。
【0003】
さらに従来のコンテナは、枠体部とシートとを分解するのに、時間がかかりすぎる欠陥があった。そのため応々にして圧漬状態にして廃棄するケースもあった。
【0004】
また従来のコンテナは、シートが汚損しても取外してクリーニングすることができなかった。
【0005】
また従来のコンテナは、資源の有効利用が十分でなかった。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、金属製ワイヤーを折曲して設けた枠体と、布製等のシートを着脱自在に捲廻装着せしめて組立てるようにして、コンパクトな梱包によって運賃の節約と、収納時の整理整頓時の空間占拠率を著減できた。
【0007】
さらに本考案は、シートが汚損したとき、分離して何回でもクリーニングができるようにした。
【0008】
また本考案は、不要になって廃棄するとき容易に分離し、殊に枠体が金属製資材のときは資源の再利用を可能ならしめた。
【0009】
さらに本考案は、枠体に対しシートの装着がシンプルなので、購入者らが極めて容易に組立てることができる。
【0010】
また本考案は、堅固な構造にしてあるので、コンテナを積重しても、圧潰し変形したりしない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は、内側に補強杆を設けた補強枠部を取着したワイヤーを折曲せしめた下方に折曲する脚付き台部を構成する前方枠部と後方枠部に、下方部が回動自在にして、且上方に外側方向に折曲するフックを有するシートが引掛け可能な係止杆を接着する前方枠体部と後方枠体部を対向状に取付け、 前記台部の左右両サイドに接着した左側パイプ杆と右側パイプ杆に、下方部が回動自在にして、上方にシートが引掛け可能な引掛け杆を取着した左枠体部と右枠体部を対向状に取付け、 前記台部の前方枠部と後方枠部と、前方枠体部の係止杆と後方枠体部の係止杆とにシートを捲廻し、捲廻されたシートの端部を接着せしめ、 前記左枠体部の引掛け杆と右枠体部の引掛け杆にシートを捲廻させると共に、前記左右両枠体部の下方部にも捲廻して前記シートの両端部を接着せしめ組立てたことを特徴とする組立式コンテナである。
【0012】
請求項2記載の考案は、前記台部の前方枠部と後方枠部と接続する前記前方枠体部と後方枠体部の下方部を、前記台部の前方枠部と後方枠部の両サイドにパイプ状の接続部を取着し、前記接続部に前記前方枠体と後方枠体部の下方部に内側方向に折曲する脚部を挿入せしめ、回動自在にしたことを特徴とする請求項1記載の組立式コンテナである。
【0013】
請求項3記載の考案は、前記前方枠体部と後方枠体部に取着した係止杆のフックを、前記左枠体部と右枠体部が組立てた時に起立せしめた際に傾倒しない形状にて形成せしめることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の組立式コンテナである。
【0014】
請求項4記載の考案は、前記左枠体部と右枠体部の下方部に構成する下方接続杆を、前記補強枠部に接着せしめたパイプ杆に回動自在に挿入せしめたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の組立式コンテナである。
【0015】
請求項5の考案は、前記台部の下方に折曲する脚部を、前記前方枠部と前記後方枠部の左右両サイドを直角状に下方へ折曲せしめ、且折曲部分が水平状に接続して形成されていると共に、前記左枠体部と前記右枠体部の上方を夫々外側方に直角状に折曲した水平状把持部を形成し、且前記水平状把持部より若干内側寄りに空隙部を有する補強杆を夫々接着せしめ、重合時に前記台部の脚部が前記空隙部内に嵌挿するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の組立式コンテナである。
【0016】
【考案の実施の形態】
請求項1〜5記載の考案に関する実施の形態は共通するので、以下のとおり一括して説明する。
【0017】
図面においてaはワイヤーを折曲せしめ形成した台部であり、以下の構成からなる。
【0018】
前記台部aは、一本のワイヤーを折曲せしめたものであり、その構成は水平状の前方枠部1と所定の間隔を有し、対称的に形成した水平状後方枠部2とを有し、且前記前後方両枠部1、2の夫々の左右両サイドを下方に直角状に所定の高さだけ折曲し、折曲した端部を接続せしめ水平状の脚部3を夫々形成する。この脚部3は後述する組立式コンテナを積重せしめたときに必要な構成部材である。
【0019】
以上が台部aの構成である。
【0020】
本考案は前記台部aに、内側に1〜複数の補強杆5を接続せしめた通常四辺形状の補強枠部4を図面図示のとおり、前記前後方枠部1、2に接続する。
【0021】
前記補強枠部4は、前方ワイヤー6、後方ワイヤー7、左側ワイヤー8、右側ワイヤー9とを四辺形状にワイヤーを折曲せしめ形成する。補強杆5は、左右両側ワイヤー8、9の間に接着する。
【0022】
前記台部aに補強枠部4を図面図示のように接続すると、台部aの強度は著しく増大する。
【0023】
bは前方枠体部であり、cは後方枠体部であり、対称的にワイヤーを通常四辺形状に折曲せしめ形成するものであり、以下の構成からなっている。
【0024】
即ち前方枠体部bは、左右両サイドに前記前後方両枠部1、2の長さより若干短目の水平状の上方杆10の左右両端部を下方へ直角状に折曲して、所定の高さを有する直立状の左支持杆11と右支持杆12を夫々形成し、且前記両支持杆11、12の下方端部を内側方向に直角状に折曲して脚部13、14を形成する。
さらに前記上方杆10より下方に若干の空隙部15を設けて前記支持杆11、12に係止杆16を接着する。さらに前記係止杆16は、前記支持杆11、12の外側方より飛出した端部を外側方に直角状に折曲してフック17を夫々形成する。
【0025】
18は前方枠部1寄りの前記補強枠部4の前方ワイヤー6に水平状にパイプを短くカットして形成の接続部である。この接続部18は、図面図示のとおり4個所接続する。前記4個の接続部18に、前記脚部13、14を夫々挿入する。
【0026】
前記接続部18は、前記のものとは異なり、長いパイプ状のものを使用すれば、前方部に1本、後方部に1本計2本でもよい。
【0027】
上記のように前方枠体部bの脚部13、14を接続部18に挿入すると、前記前方枠体部bは、前記脚部13、14を基点にして外側方もしくは内側方に傾倒する。
【0028】
さらに後方枠体部cも、前方枠体部bと同形状にて形成し、その構成部材も全く同じ構成である。そして各構成部材の記号も全く同じであるので、その具体的説明は省略した。さらに後方枠部2に接続部18を介して後方枠体部cを接続すると、前記前方枠体部bと同様に、内側方もしくは外側方に傾倒する。
【0029】
19は前記補強枠部4の左側ワイヤー8と平行状にして、且隣接せしめて接着した左側パイプ杆である。20も前記補強枠部4の右側ワイヤー9と平行状にして、且隣接せしめて接着した右側パイプ杆である。
【0030】
dは左枠体部であり以下の構成からなる。
【0031】
台部aの前方枠部1と後方枠部2の幅員と稍同じ幅員で直立する2本の垂直部21、22の下方端部を内側方に直角状に折曲して脚部23、24を夫々形成する。
【0032】
さらに前記2本の垂直部21、22の上方部は、外側方に直角状に折曲して水平状把持部25を形成する。
【0033】
また前記水平状把持部25において、若干の空隙部26を設けて、若干内側寄りに補強杆27を、前記把持部25と平行状に接着する。28は前記垂直部21、22の上方に接着した水平状のシートの引掛け杆である。
【0034】
前記脚部23、24は、前記補強枠部4の左右両サイドに接着せしめた左右両側パイプ杆19、20に挿入する。
【0035】
前記のように左枠体部dを前記パイプ杆19と接続すると図面図示のように直立状態になって、フック17によって係止され、且組立てられて傾倒が阻止される。さらに前記フック17を解除すると、内外側方に傾倒する。
【0036】
他方右枠体部eも、前記左枠体部dと構成が全く同一であるし、直立時にはフック17によって組立てられて傾倒しない。さらに前記フック17を解除すると内外側方に自在に傾倒する。なお構成部材は前記左枠体部dと同じである。
【0037】
Sは装着するシートであり、布製もしくは合成樹脂製、もしくはゴム製等の何れでもよい。
【0038】
前記シートSの装着は、台部aと前後枠体部b、cとを1枚のシートSを捲廻して装着し、他のシートSは、左右両枠体部d、eと台部aとを捲廻して装着する。
【0039】
上記のシートSの装着時において、接着手段は、取付けテープ式とするが限定しない。接着個所は通常台部aの底面部とするが限定しない。
【0040】
上記の構成からなるコンテナを構成する台部aと各枠体部b、c、d、eに対し、シートSを装着する工程は以下のとおりである。
【0041】
第1の装着は、シートSを台部aの底面に当て、夫々のシートSの端部を前方枠部1と後方枠部2に夫々捲廻する。さらに係止杆16に内側より外側方に捲廻して台部aの底面部にシートSの端部を引出してやる。
【0042】
さらに他方のシートSを後方枠部2から係止杆16に内側より外側方に捲廻して台部aの底面部にシートSの端部を引出してやる。そしてシートSの両端部を取付けテープ式等にて接続する。
【0043】
上記が台部aと左右両枠体部b、cとのシートSの捲廻方法である。
【0044】
つぎに台部aと左右両枠体部d、eにシートSを捲廻するには、シートSを台部aの底面に当て夫々のシートSの端部を左右両枠体部d、eの引掛け杆28に捲廻して、台部aの底面部へと引出してやる。
【0045】
前記のように引出されたシートSの端部を取付けテープ等を介して接着する。
【0046】
さらに前記のように組立てられたコンテナを積重するには、下方のコンテナを構成する左右枠体部b、cの把持部25、25の空隙部26、26内に、上方のコンテナの台部aの脚部3、3を嵌挿する。
【0047】
【考案の効果】
請求項1記載の考案は、内側に補強杆を設けた補強枠部を取着したワイヤーを折曲せしめた下方に折曲する脚付き台部を構成する前方枠部と後方枠部に、下方部が回動自在にして、且上方に外側方向に折曲するフックを有するシートが引掛け可能な係止杆を接着する前方枠体部と後方枠体部を対向状に取付け、前記台部の左右両サイドに接着した左側パイプ杆と右側パイプ杆に、下方部が回動自在にして、上方にシートが引掛け可能な引掛け杆を取着した左枠体部と右枠体部を対向状に取付け、前記台部の前方枠部と後方枠部と、前方枠体部の係止杆と後方枠体部の係止杆とにシートを捲廻し、捲廻されたシートの端部を接着せしめ、前記左枠体部の引掛け杆と右枠体部の引掛け杆にシートを捲廻させると共に、前記左右両枠体部の下方部にも捲廻して前記シートの両端部を接着せしめ組立てた組立式コンテナなので、台部に対し前方、後方及び左右両サイドの枠体部は傾倒してコンパクトになり、そのためシートも折畳んで梱包できる。
【0048】
さらに本考案は、前記のように各構成部材とシートを購入者が取扱い説明書をみながら容易に組立てができる。
【0049】
また本考案は、シートが汚れたら、取外しクリーニングして何回でも使用でき経済性は良好である。
【0050】
さらに本考案は、線材とシートとを容易に分離することができるので、殊に線材は再利用ができる。
【0051】
請求項2記載の考案は、前記台部の前方枠部と後方枠部と接続する前記前方枠体部と後方枠体部の下方部を、前記台部の前方枠部と後方枠部の両サイドにパイプ状の接続部を取着し、前記接続部に前記前方枠体と後方枠体部の下方部に内側方向に折曲する脚部を挿入せしめ、回動自在にした組立式コンテナなので、台部と前後方枠体部とをきわめて容易に折畳むことができる。
【0052】
請求項3記載の考案は、前記前方枠体部と後方枠体部に取着した係止杆のフックを、前記左枠体部と右枠体部が組立てた時に起立せしめた際に傾倒しない形状にて形成せしめる組立式コンテナなので、前後枠体部と左右両枠体部とは組立てられると容易に離脱しない。
【0053】
請求項4記載の考案は、前記左枠体部と右枠体部の下方部に構成する下方接続杆を、前記補強枠部に接着せしめたパイプ杆に回動自在に挿入せしめた組立式コンテナなので、左右両枠体部を容易に折畳むことができる。
【0054】
請求項5記載の考案は、前記台部の下方に折曲する脚部を、前記前方枠部と前記後方枠部の左右両サイドを直角状に下方へ折曲せしめ、且折曲部分が水平状に接続して形成されていると共に、前記左枠体部と前記右枠体部の上方を夫々外側方に直角状に折曲した水平状把持部を形成し、且前記水平状把持部より若干内側寄りに空隙部を有する補強杆を夫々接着せしめ、重合時に前記台部の脚部が前記空隙部内に嵌挿するようにした組立式コンテナなので、組立てられた複数のコンテナを確実に積重できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案組立式コンテナの斜視図である。
【図2】図1のコンテナのシートを取外した状態の斜視図である。
【図3】図2のコンテナの各構成部材を折畳んだ状態の斜視図である。
【図4】シートの装着工程を示す斜視図である。
【図5】図4と同じ斜視図である。
【図6】2枚のシートを装着した状態の背面図である。
【図7】図6シートを接着した状態の背面図である。
【図8】コンテナを積重した状態の斜面図である。
【図9】シートを装着したコンテナの積重状態を示す斜面図である。
【符号の説明】
a 台部
b 前方枠体部
c 後方枠体部
d 左枠体部
e 右枠体部
S シート
1 前方枠部
2 後方枠部
3 脚部
4 補強枠部
5 補強杆
6 前方ワイヤー
7 後方ワイヤー
8 左側ワイヤー
9 右側ワイヤー
10 上方杆
11 左支持杆
12 右支持杆
13 脚部
14 脚部
15 空隙部
16 係止杆
17 フック
18 接続部
19 左側パイプ杆
20 右側パイプ杆
21 垂直部
22 垂直部
23 脚部
24 脚部
25 水平状把持部
26 空隙部
27 補強杆
28 引掛け杆

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】内側に補強杆を設けた補強枠部を取着したワイヤーを折曲せしめた下方に折曲する脚付き台部を構成する前方枠部と後方枠部に、下方部が回動自在にして、且上方に外側方向に折曲するフックを有するシートが引掛け可能な係止杆を接着する前方枠体部と後方枠体部を対向状に取付け、前記台部の左右両サイドに接着した左側パイプ杆と右側パイプ杆に、下方部が回動自在にして、上方にシートが引掛け可能な引掛け杆を取着した左枠体部と右枠体部を対向状に取付け、前記台部の前方枠部と後方枠部と、前方枠体部の係止杆と後方枠体部の係止杆とにシートを捲廻し、捲廻されたシートの端部を接着せしめ、前記左枠体部の引掛け杆と右枠体部の引掛け杆にシートを捲廻させると共に、前記左右両枠体部の下方部にも捲廻して前記シートの両端部を接着せしめ組立てたことを特徴とする組立式コンテナ。
【請求項2】前記台部の前方枠部と後方枠部と接続する前記前方枠体部と後方枠体部の下方部を、前記台部の前方枠部と後方枠部の両サイドにパイプ状の接続部を取着し、前記接続部に前記前方枠体と後方枠体部の下方部に内側方向に折曲する脚部を挿入せしめ、回動自在にしたことを特徴とする請求項1記載の組立式コンテナ。
【請求項3】前記前方枠体部と後方枠体部に取着した係止杆のフックを、前記左枠体部と右枠体部が組立てた時に起立せしめた際に傾倒しない形状にて形成せしめることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の組立式コンテナ。
【請求項4】前記左枠体部と右枠体部の下方部に構成する下方接続杆を、前記補強枠部に接着せしめたパイプ杆に回動自在に挿入せしめたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の組立式コンテナ。
【請求項5】前記台部の下方に折曲する脚部を、前記前方枠部と前記後方枠部の左右両サイドを直角状に下方へ折曲せしめ、且折曲部分が水平状に接続して形成されていると共に、前記左枠体部と前記右枠体部の上方を夫々外側方に直角状に折曲した水平状把持部を形成し、且前記水平状把持部より若干内側寄りに空隙部を有する補強杆を夫々接着せしめ、重合時に前記台部の脚部が前記空隙部内に嵌挿するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の組立式コンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【登録番号】実用新案登録第3088746号(U3088746)
【登録日】平成14年7月10日(2002.7.10)
【発行日】平成14年9月27日(2002.9.27)
【考案の名称】組立式コンテナ
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2002−468(U2002−468)
【出願日】平成14年2月5日(2002.2.5)
【出願人】(000244202)明道株式会社 (2)