説明

組立式実験装置を用いた教育システム

【課題】本発明は、組立式実験装置を用いた効率的、効果的で教育効果の高いシステムであって、学習者・指導者の負担を軽減する教育システムを提供する。
【解決手段】実験に関するコンテンツを格納しネトワークを介して配信するサーバ(メンターサーバ)と、該サーバにネトワークを経由して接続され該コンテンツの配信を受ける端末(学習者端末)と、複数の目的の実験に共通して使用する汎用部品と、該汎用部品と組み合わせて特定の実験目的を構成する専用部品に分割し、該汎用部品と該専用部品を再構成して実験の目的を達成する組立式実験装置とを有し、該組立式実験装置による実験結果を、該学習者端末により、ネトワークを介して、上記メンターサーバへ送信することを特徴とする組立式実験装置を用いた教育システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式実験装置を用いた教育システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及によりIT(情報技術)を活用した教育の配信が開発されており、教育分野、大学での高等教育でも様々な取り組みされている。知識の学習だけではなく、知的創造の方法を学ぶことで、新たな課題へ挑戦する能力を育成することが期待されている。(非特許文献1)一方、科学教育では実験が必須であり、実験目的に応じて多様な装置を用いる。特に、小型の実験装置は、教育や開発・研究の現場で実験を行う場合、高感度や高分解能よりも省スペース、汎用、低価格を優先する場合に使用されることが期待される。特に事務用机程度のスペース内で実験を行いたい場合である。汎用・低価格・可搬容易な実験システムは、教室で学習を行なう場合と比べて、遠隔地にも教育を提供できる点や電子ファイルされた教材が利用できる利便性に勝るe-Learning (以下eラーニング)と組み合せて、その弱点を補完する装置としての役割が期待される。
【0003】
従来、体験学習用に特定目的に限定された実験キットが市販され、また、特定機能を有する分析ユニットを脱着自在とした超小型化学実験装置が提案されている。(特許文献1)
【0004】
また実験依頼者と実験者との間で、通信手段を介して接続された端末機器を用いて実験情報を交換する実験情報交換システムであって、実験内容、実験に必要な準備事項、進捗状況に関する情報を、実験依頼者と実験者とが各自の端末機器のモニター画面に表示される該実験情報に基づいて情報交換を行い、実験を進行させる実験情報交換システムも提案されている。(特許文献2)
【0005】
受講者が自宅で講義を受けられ、講義欠席者や中途入室者のフォローができて、効率的かつ経済的にMR(医薬担当情報者)を養成する教育研修システムを提供するため、講義を録画録音した講義内容コンテンツ及び演習問題コンテンツを有するデータベースを有し、講義内容コンテンツ及び演習問題コンテンツをインターネットの高速通信網を介して受講者の端末に配信するようにしたMR養成のための教育研修システムも提案されている。(特許文献3)
【0006】
【特許文献1】特開2004−243308号公報
【特許文献2】特開2002−049659号公報
【特許文献3】特開2005−208538号公報
【非特許文献1】バーチャル・ユニバーシティ、2001年発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(1)汎用性
しかし上記実験キットまたは実験情報提案システム、教育研修システムは、いずれも特定の技術分野や目的に限定されているので、教育や開発・研究の現場で、eラーニングと組み合わせて多目的に実験を行う場合には不十分である。
【0008】
(2)省スペース、低価格
また教育や開発・研究において、実験は重要不可欠であり、様々な技術分野において複合化、高度化している。そのため高感度、高分解能の新鋭機器が日々開発されているが、それらは、概して、大型・専用・高級化の途をたどっている。そのため実験準備室の棚には年に幾度かしか使用しない専用器具が多数並んでいてスペースを占有し、効果/負担比率を低下させている。それにも関わらず、例えば物理学教育の場合、実験による観測、体験学習が極めて重要であって、ビデオ教材では、不充分であり、物理学の面白さ、楽しさを体験できない。最近の国立教育政策研究所の小・中学生理科の授業の課題調査によると、8割以上の子どもが「実験や観察が好き」と回答したが、実験結果から考察・活用力は定着していない。しかし高価な実験器具は購入できず、購入しても保管場所がないので、少人数による多様な一斉実験をすることができず、結局、授業時間が不足しているのが原因の一つである。
【0009】
(3)可搬性
特定目的のための専用実験装置は完成度が高いが、内部構造が一見しただけでは分かりにくくブラックボックスであり、想定外の使用を行なえるように変形する事が極めて難しい。加えて、教育現場へ持ち運ぶということも容易ではない。
【0010】
(4)学習者・指導者の負担軽減
さらに、授業コースの単元ごとに実施される多様な体験学習(実験)をともなったeラーニングでは、実験の目的、課題、使用物品、実験手順の確認、質問、回答が負担となった。本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、極めて簡単な構成でしかも卓上程度の広さで、異なる技術分野において、多様な実験目的を達成する組立式実験装置を用いた教育システムを提供することを目的とする。
【0011】
(5)教育効果
特に教育現場では、ビデオ画像、シミュレーションモデル、ヴァーチャルリアリティ技術を用いたシステムよりも、実際の実験装置を用いる方が良い場合が多い。特に基礎物理実験では物理現象自体を観察することが重要であるが、従来のシステムでは対応することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(着目点)
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意研究し、実験装置を複数の目的の実験に共通して使用する汎用部品と、該汎用部品と組み合わせて特定の実験目的を構成する専用部品に分割し、該汎用部品と該専用部品を、基板に構成する組立式実験装置(特願2006−069380号)、及びこの実験装置に用いるのに適した各種センサー(特願2005−239958、2006−199741等)を開発した。
【0013】
これらは、教育の現場からの発想である。教育や開発・研究の実験の目的は、高感度や精密な実験の遂行ではなく、現象、原理、法則の確認や材料物質の特徴的物性の確認にあり、例えば用途として大学から高・中・小学校にわたる教育現場での演示や実習を想定している。そこで本発明では机上の小スペース内に、テーマに応じて必要な要素部品を組合せて配置し、多様な実験を可能とする組立式実験装置を用いる。
【0014】
例えば光・音・力・電気信号等の小型発生器と小型検出器を使用する。試料や測定用容器等も小型の物を使用する。基板上への要素部品の脱着とその移動を容易にするためにマグネットを用いる。実験装置は、パソコンと電気信号の入出力装置や小型カメラを通して接続し、いろいろな情報をパソコンに取り込めると共に器具の制御ができるようにする。もちろん、材料や部品の特性を選択する事によって、研究等にも使用可能である。可搬性を利用して、野外フィールドでの実験の可能性もある。
【0015】
このように、本発明は学習者に合わせたきめ細かい個別指導が可能な組立式実験装置を用いた効率的、効果的で教育効果の高いシステムであって、ネットワークを介して双方向コミュニケーションが可能であり、しかも学習者・指導者の負担を軽減する教育システムを提供することにある。上記課題を解決するために、本発明を以下のように構成する。
【0016】
請求項1の発明は、実験に関するコンテンツを有しネットワークを介して配信するサーバ(メンターサーバ)と、該サーバにネトワークを介して接続され該コンテンツの配信を受ける端末(学習者端末)と、複数の目的の実験を実施する組立式実験装置と、該組立式実験装置による実験に関する結果を、該学習者端末により、ネットワークを介して、上記メンターサーバへ送信することを特徴とする組立式実験装置を用いた教育システムである。
【0017】
請求項2の発明は、上記組立式実験装置が、複数の目的の実験に共通して使用する汎用部品と、該汎用部品と組み合わせて特定の実験目的を構成する専用部品に分割し、該汎用部品と該専用部品を組み合わせて実験の目的を達成する組立式実験装置であることを特徴とする請求項1記載の教育システムである。
【0018】
請求項3の発明は、上記実験に関するコンテンツは、実験計画、実験装置情報、実験手順、実験に関するコンテンツを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の実験システムである。
【0019】
請求項4の発明は、上記実験に関するコンテンツは、実験のステップに応じて、メンターサーバから学習者端末へ配信されることを特徴とする請求項1ないしは3いずれか1項に記載の組立式実験装置を用いた教育システムである。
【0020】
請求項5の発明は、実験に関するコンテンツは、予め、学習者端末に配信しておくことを特徴とする請求項1ないしは3いずれか1項記載の組立式実験装置を用いた教育システムである。
【0021】
請求項6の発明は、上記実験に関するコンテンツは、パターン化されたチェックポイントおよび/またはトラブルシューティング、あるいは一定時間間隔で配信されるメッセージを含むことを特徴とする請求項1ないしは5いずれか1項に記載の組立式実験装置を用いた教育システムである。
【0022】
請求項7の発明は、実験に関する結果を学習者端末でレポートフォーマットにより作成されネットワークを介してメンターサーバへ送り、該メンターサーバで該レポートとチェックリストとを対比して選択された回答を学習者端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の組立式実験装置を用いた教育システムである。
【0023】
上記のように構成した本発明により以下の記課題を解決する。
(1)汎用性
実験装置の要素部品の組立、設置、交換を実験者自身が行なえるので実験の仕組が理解しやすいと共に、組合せ方を変える事によって多様な実験が可能となる。しかもネットワークを介して遠隔地から多数の実験者に同時に実験モジュールの組み合わせ、手順を指示できるため、実験者は自立的な実験が可能になり教育効果が極めて高い。
【0024】
(2)省スペース
形状が小型であるため製造や使用時に消費する材料やエネルギーが少なくてすみ安価になる。発展途上国での使用も容易である。
【0025】
(3)可搬性
形状が小型であるため他の場所(教室、学校、工場、自宅など)へ容易に持ち運ぶことができる。野外実験も可能である。
【0026】
(4)学習者・指導者の負担軽減
実験装置自体は小型であるので、パソコンとの接続によって、パソコンがもっている高度な機能(オシロスコープ、波形解析、デジタルマルチメーター、信号発生、作図・画像表示など)を実験に利用する事ができる。実験装置の信号の処理、表示、記憶または実験の制御機能、あるいは実験遂行に有用な情報を提供する手段と有する実験装置の構成も可能である。
【0027】
また実験部品をモジュール化しているため、教育計画・目的に応じて、学習者が、多様な実験を含む授業に対応できる。しかも本発明によれば、実験の進捗に応じて、学習者からの質問に即応することができるので、学習者・指導者の負担軽減しつつ、学習者個人に合わせたきめの細かい指導が可能になり、学習効果を高めることができる。
【実施例】
【0028】
以下に本発明による組立式実験装置を用いた教育システムを、図面に基づいて説明する。
本発明は、図1に示すように、(1)メンターサーバ、(2)学習者端末、(3)ネットワーク、(4)その他の周辺装置(5)組立式実験装置を含む。以下に、説明する。また本発明の教育システムを用いた学習過程のフローチャートを図6〜9に示す。
【0029】
(1)メンターサーバ
メンターサーバは、実験を行う学習者(以下学習者)と指導する者(以下教員)のコミュニケーションを支援・援助するサーバであり、少なくとも、実験計画、実験装置データ、実験手順、チェックポイント、トラブルシューティング、その他、学習者を指導するためのコンテンツ(学習者指導用コンテンツ)を有し、該コンテンツは、インターネット等のネットワークを介して学習者端末へ配信される。なお配信とは、メンターサーバから学習者端末へコンテンツをネットワーク経由で送る場合に限らず、学習者がネットワークを経由してメンターサーバにアクセスする場合等も含む。以下にコンテンツの概要を説明する。
【0030】
(1−1)実験計画
実験計画は、目的、目標、課題を含むコンテンツである。実験目的は、授業のシラバスに従って、例えば表1に示すものが考えられる。
【表1】

【0031】
(1−2)実験装置情報
実験装置情報は、下記(5)の組立式実験装置に関するコンテンツで、実験計画で指定される汎用部品と専用部品の単品機能、組み合わせに関する情報である。学習者が、手元にある実物と対比できるように、部品番号や画像を含むことが望ましい。学習者には予めこれらの部品が送られており、実際に自分が手にしている部品と実験装置情報を比較して確認できる。
【0032】
(1−3)実験手順
実験手順は、実験計画で指示された特定の実験のため組み立てた実験装置を用いた実験の手順を示すコンテンツで、実験の手順、実験装置の使用方法、機能、注意点等を学習者へ提供する。
【0033】
(1−4)チェックポイント、トラブルシューティング、メッセージ
上記学習者指導用コンテンツは、パターン化されたチェックポイントおよび/または、トラブルシューティングを含む。組立式実験装置はモジュール化しているので、チェックポイントもこれに合わせてパターン化することが望ましい。例えば部品の選択、組み合わせ、手順の誤りやすい点について、ツリー形式やメニュー形式で、実験者の質問への回答を得ることができるようにする。あるいは、実験者からのトラブル報告に対する解決を配信できるようにする。予めパターン化されたチェックポイントを学習してから、実験を行うようにすることもできる。
また、学習者が行った実験結果を、学習者端末で、サーバから配信された複数フォーマットから選択されたレポートとして作成し、メンターサーバへ送り、該メンターサーバで、該レポートと、メンターサーバにあるチェックリストとを対比して選択されたトラブルシューティングを、学習者端末に配信するように構成しても良い。
【0034】
また、メンターサーバは、学習者端末へ、図6から9に示す実験のフローチャートにおいて、実験が順調かどうかを確認するメッセージ(例えば図10・チェックポイント)を一定時間間隔で送信し、学習者は、各学習者端末でメッセージを受信する都度、実験が進行中かつ順調であること等を伝える返信を、学習者端末からネットワークを経由してメンターサーバに返信する。メンターサーバは該返信を記録して教員がアクセスする、あるいは教員の利用する端末へ転送する。メンターサーバにメッセージチェック部を設けて、一定時間間隔で該返信を調べ、返信されていない学習者端末アドレスを教員に通知して支援を促すように構成しても良い。さらにメンターサーバは、複数の学習者端末から送られたレポートや採点結果を集中保管して教員が利用できるようにする。
【0035】
(2)学習者端末
学習者端末は、上記メンターサーバが配信する実験計画、実験装置情報、実験手順に関するコンテンツあるいは学習者指導用コンテンツを学習者に提供し、組立式実験装置により得られた実験結果を、オシロスコープ、波形解析、デジタルマルチメーター、信号発生、作図・画像表示などを利用して、解析して、メンターサーバより配信されたフォーマットのレポートにして、ネトワークを介して、メンターサーバへ送信する。該メンターサーバでは、該レポートと、メンターサーバにあるチェックリストとを対比して選択されたトラブルシューティングを、学習者端末に提供するように構成しても良い。メンターサーバは図1においては図示しないが、教員の手元で利用できる情報端末にネットワークを介して接続されていることが望ましい。
【0036】
(3)ネットワーク
インターネット、衛星通信、携帯電話通信網、デジタルテレビジョン、構内ネットワーク等が利用できる。利用分野も、大学、高校、中学、小学校等の教育現場、通信教育、家庭内教育等で用いることができる。
【0037】
(4)その他
学習者と教員のコミュニケーションを円滑にするため、様々な装置を工夫すると良い。例えば、小型カメラで、学習者の実験進捗状況を観察し、あるいは実験装置の不具合箇所をチェックして、その画像を、メンターサーバに送信する。教員はこれらを参照しつつ、あるいはメンターサーバへネットワークを経由してアクセスして、該画像を確認して適切なアドバイスを提供できる。
【0038】
(5)組立式実験装置
本発明の組立式実験装置は、個人の机上で使える小型ものであり、例えば、二人一組で利用する。(5−1)基板、(5−2)学習者端末へのインターフェース・コントローラ、(5−3)、(5−4)汎用部品、専用部品を含む。以下に説明する。
【0039】
(5−1)基板
実験部品を設置する基板は、金属、例えば、鉄板を用いる。表面は、防錆処理され、該基板に、実験要素を固定するビスネジ穴があいている。実験部品に配設したマグネットを介して基板に設置することもできる。制御部は、上記実験装置の基板上または外部に配置して、該実験装置を制御するインターフェースやコントローラを含む。限られたスペースの基板に、いかに、実験部品を構成するかを学習者自身が工夫することにより、高い教育効果を期待できる。
【0040】
(5−2)学習者端末とのインターフェース・コントローラ
組立実験装置を、上記インターフェース、コントローラを介して、上記学習者端末に接続する。学習者端末は、学習者のために、メンターサーバが配信する実験計画、実験装置情報、実験手順に関するコンテンツを受信し、卓上実験装置により得られた実験結果を、オシロスコープ、波形解析、デジタルマルチメーター、信号発生、作図・画像表示などを利用して、データ処理、蓄積、学習者サーバへ送信する。実験結果を解析するソフトウエアを搭載した通信機能を有するノートパソコンを利用するができる。
【0041】
本発明の組立実験装置は、複数の実験目的で共通に使用される汎用部品と、特定の実験目定に最適化された専用部品の組み合わせとして用いられる。実験目的に応じて、該実験装置の要素部品を、複数の実験に共通して使用する汎用部品と、該汎用部品と組み合わせて特定の実験目的を実現する専用部品に分割し、該汎用部品と該専用部品を再構成するようにしたので、単なる実験部品のモジュール化より、少数部品の組み合わせで、以下に述べる多様な実験を、限られたスペースで簡便に行うことができる。以下に、汎用部品と専用部品について、説明する。汎用部品および専用部品はそれぞれパーツ番号が付されており、画像データとともに、メンターサーバに実験装置情報として蓄積されている。
【0042】
(5−3)汎用部品
本発明の実験装置で想定する実験に共通な構成要素を組み合わせたもの(以下汎用部品という)で、例えば、計測・機構部品として、例えば、ノギス、マイクロメーターヘッド、スタンド、CCDカメラ、AD・DA変換器が選択される。複数の基本モジュールを組み合わせて構成することもできる。
【0043】
また、上記実験装置のステージ上または外部に、信号検出手段で検出した信号を処理または制御する操作部、表示装置、制御部、記憶装置を備えても良い。基本部品が共通であれば、予め、基板にネジで固定しておいても良い。例えば、実験分野に応じて、例えば表2の汎用部品を構成する。
【表2】

【0044】
(5−4)専用部品
信号発生器および信号検出器から選択され、表1の目的の実験のために適宜、組み合わされた専用部品を上記汎用部品と組み合わせて、例えば、研究室から教室へ運び、実験装置を再構成する。または、複合した実験目的の場合は、複数の専用部品を組み合わせることもできる。汎用部品は、教育効果を高めるために、底部に配設したマグネットにより、鉄製基板に、脱着自在に配置、移動、変更することができる。
【0045】
学習者は学習者端末と実験装置を用いて、以下の学習ステップで実験を実施する。チェックポイント、トラブルシューティングは、ステップごとに設定しておくと、学習者に合わせたきめの細かい個別指導が可能になり、効率・効果的である。以下に学習ステップを図6〜9により説明する。図6は実験開始から組立実験装置の動作確認のフローチャートを示す。表1の実験テーマから選ばれた実験目的、学習到達目標、実験内容と原理の説明を行う。学習者はメンターサーバの実験計画、実験装置情報を実験者端末からアクセスして確認する。またはこれらをメンターサーバから実験者端末へ予め配信しても良い。
【0046】
学習者の照合を簡単にするため、メンターサーバの実験部部品ファイルは文書だけでなく画像データも蓄積されている。
【0047】
学習者は実験計画に従い、実験部品に関する情報を参照して、実験装置を組み立てる。組み立てる前に、メンターサーバの実験装置のトラブルシューティング(例えば図10)にアクセスして確認後、組立、動作確認・調整、全体の動作を確認する。あるいは動作に不具合がある場合、適切なアドバイスを確認する。学習者がツリー状に構成された問合せとその解説項目を選択して自分で確認できるように実験部品ファイルを参照する画面を学習者端末で構成すると良い。
【0048】
図7は実験開始から実験終了までのフローチャートを示す。実験装置の組立が終わったら小型CCDカメラで実験装置を撮影した画像をネットワークを通してメンターサーバへ送る。教員はメンターサーバからの配信を受けて、該画像により実験装置の修正要否を検討して実験開始の許可をネットワークで実験者端末に送る。メンターサーバが汎用部品と専用部品とその組み立て状況について学習者に選択式の質問を提供して学習者の回答を確認するように構成しても良い。
【0049】
実験者は実験開始許可を実験者端末で受け取ったら、実験を実行してデータを獲得する。
獲得したデータから結果を計算・導出してメンターサーバへ送る。教員は学習者が計算して得た結果と(以下実験結果)と想定(標準結果)を比較して一致、不一致を評価する。
この際チェックポイント(例えば図11の実験結果の処理)を用いれば、教員の負担を軽減できる。実験結果が一致している場合、学習者は第一の課題を終了する。
【0050】
図8は実験結果の提出のフローチャートを示す。学習者の実験結果通知により、メンターサーバが学習者に選択式の質問を提供してその回答を教員はその採点して、実験目標を達成したかどうかを評価、考察、結論する。
【0051】
また、学習者は実験結果をする。教員は、メンターサーバのチェックポイントあるいは標準理由リストを参照して実験結果の評価を行い学習者に通知する。自動採点するように、
構成しても良い。教員は、学習者が実験の目標を達成していない場合や実験結果が標準結果と比較して不充分な場合は、学習者の回答の修正や再実験を指示する。
【0052】
図9はレポート提出と評価・採点のフローチャートを示す。学習者はメンターサーバを参照して実験装置を分解して安全に片づける。実験部品は、授業の単元ごとに提供して再利用することができる。本発明に用いる実験装置は汎用部品と専用部品に分割してあるので、次の目的に移り、実験装置を組み立て直して、あるいは専用部品を追加、変更する。
【0053】
学習者は、メンターサーバのレポート作成フォーマット(図12)により、実験レポートを作成して指定期限まで提出する。教員は、学習者から提出されたレポートを評価・チェック、評価・採点の上返却する。採点の結果、教員は合格をメンターサーバに送り学習者に通知する。学習者は合格レポートを確認して保管する。
【0054】
上述のように実験のステップごとに、チェックポイント、トラブルシューティング、フォーマットを設定することで、学習者と教員の過度の負担を避けつつ、教育効果を高めることができる。また多数の学習者と教員の負担を大幅に軽減することができる。
【0055】
(6)実験例
以下の本実験の具体例を示す。実験に関するコンテンツは、メンターサーバから実験者端末へ配信される。
(実験例1)光の偏光実験
メンターサーバは以下の実験目的、学習到達目標、実験内容と原理の説明を学習者端末にインターネットを介して提供する。
(実験目的と目標)
図2に示すものは、表1・実験1−1−10の光の偏光実験装置である。この実験は光の偏光性を学ぶ目的として、フォトダイオードを用いた光の強度測定法を習得する。
(実験原理)
光は、その進行方向に垂直な方向の電磁場が伝わっていく横波である。白熱電球や太陽光から来る直接の光(自然光)では、光の電場や磁場は、進行方向に垂直な面内で360度のうちいろいろな方向を向いている。このような光波を、偏光フィルターを通すと、電場がある一定方向、即ち、フィルターの透過軸方向に偏った光(直線偏光)が透過する。
この様子は、簾を通して隙間に平行な振動成分だけ伝わる様子に似ている。偏光子の様子は、直線偏光を、再び、偏光フィルターを通すことによって調べることができる。直線偏光の偏光面と2枚目の偏光フィルター(光検子という)の通過軸がなす角をφとすると、2枚目の偏光フィルター(光検子)を通過する波は、透過軸に平行なcosφの成分だけである。光の強度は、振幅の二乗に比例するので、入射光強度をIoとすると透過強度I(φ)は、次式で与えられる
【数1】

従って、φを変えて透過光強度を測定し、この関係が成り立つかどうかを調べることがこの実験の課題となる。次に学習者は配信された実験計画により手元にある実験用具、使用方法確認をして動作試験をするため、メンターサーバの光分野の実験部品ファイルにネットワークを介してアクセスする。実験部品ファイルは、汎用部品ファイルと専用部品フィルに分かれており、照合を簡単にするため該フィルには文書だけでなく画像データも収録されている。以下に、実験部品の分解と組み立て、実験手順について説明する。
【0056】
(汎用部品)
「光」分野汎用部品の基板5(光学台)、光源8(LD光源)、電池6、光源と電池を接続するリード線7、フォトダイオード9(以下PDとする。)とその負荷抵抗、デジタルマルチテスター1(以下、DMTとする。)、そのリード線2を用いる。実験机を基板とし兼用しても良い。
【0057】
(専用部品)
光の偏光測定では、偏光子4、検光子3を用いる。例えば、図2に示すように、プラスチックのケースの底と蓋を用いて、小型にすることができる。
(実験方法とレポート)
次に、学習者は、実験計画、実験装置情報を確認したら、実験装置を組み立て、実験手順を確認したら、完了をメンターサーバへ送る。メンターサーバは、学習者の理解度を確かめる小クイズを設定する。次に、実験者は、以下の手順により実験を行う。
【0058】
(ステップ1)上記組み立てた実験装置により、レーザー光を、偏光子4(プラスチックケースの底)に通して直接偏光した後、検光子3(プラスチックケースのふた)を通過させて、透過光がPD9に入るようにする。PD9は、光の強度Iに比例した電流を流すが、この電流を負荷抵抗に流して電圧に変換してPDと結線されているDMT1(PDとの接続については10参照)で読み取る。
【0059】
(ステップ2)検光子3が取り付けられているケースのふたには、1周95個の刻み目がついている。この刻み目で、2.5個分(9.47°)ずつ、ふたを回転させながら、PD9の電圧を測定し、記録していくと、38回転で1周回転して元の値に戻る。
【0060】
(ステップ3)その際のPD9の測定結果をグラフに表す。横軸を刻み目の数、縦軸をPD9の電圧として測定値をプロットし、曲線で結ぶ。PD9の電圧が最大になる角度をφ=0として、横軸に角度φの目盛りを追加する。
【0061】
(ステップ4)このグラフに、Io cos2φのグラフを計算で求めてプロットして、比較してみる。この時、Ioは、ピーク電圧の値をとる。2つのグラフが重なることを確かめる。上記、グラフの作成は、基板上または基板外のインターフェースを介して実験装置に接続したノート型パーソナルコンピュータで、検出データを処理して、グラフ表示しても良い。この結果に基づき、実験者または観察者に設問しても良い
【0062】
(実験例2)弦の共振実験
メンターサーバは以下の実験目的、学習到達目標、実験内容と原理の説明を学習者端末にインターネットを介して提供する。
(実験目的と目標)
図3、図4、図5aは、表1・1−1−13弦の共振実験を目的とする。交流の電磁石によって鋼鉄線の弦に横振動を起こし、共振状態をつくりだす。この共振が両端を固定した波動方程式であることを確かめる。
【0063】
(実験原理)
振動理論は、二つのナイフエッジA,B間(間隔L)に張った均一な弦が、横振動をしている場合を考える。この運動方程式は、次式で与えられる。弦の密度をσ、張力をTとする。図2に示すAB方向をx軸にとり、Aの座標をx=0,Bの座標をx=Lとする。また、x軸に垂直な弦の横方向の変位を、y(x,t)とすると、弦のxとx+δxの間の微少部分の運動方程式は、yが小さいとき、次式(1)で与えられる。
【0064】
【数2】

図3のA,Bは、支点であって動かないので、常に、y(0,t)=0,y(L,t)=0である。このことを境界条件とする上記方程式(1)の解は、次式(2)の形で与えられる。
【数3】

ここで、nは正の整数、上記(2)式は、nの値に応じて、異なる振動状態を表す。そして、それぞれの振動を、この弦の固有振動といい、その振動数を固有振動数という。固有振動数fnは、次式(3)で与えられる。

【数4】

特に、n=1の場合の基本振動数f1は、次式で与えられる。
【数5】

【0065】
(汎用部品)
「力」分野汎用部品から、基板5に加えて、図4に示す発振回路18を備え同軸線16により交流で駆動する電磁石17、天秤、重り14を用いる。なお、図2で用いた基板5に代えて、実験机としても良い。
【0066】
(専用部品)
弦の共振実験から、鋼鉄製の弦15、ナイフエッジ11a,b、弦の固定板12、滑車13を用いる。
【0067】
次に学習者は、実験計画、実験装置情報、実験手順を確認したら、完了をメンターサーバへ送る。この際、図5aの組み立てた状態を撮影して添付するようにしても良い。メンターサーバは小クイズを設定して学習者の理解度を確かめ、実験許可を通知する。実験部品ファイルは、汎用部品ファイルと専用部品フィルに分かれており、照合を簡単にするため該フィルには文書だけでなく画像データも収録されている。実験者は、以下の手順により実験を行う。
(実験方法とレポート)
以下の手順により実験を行う。
(ステップ1)ドライバーを使って、弦の固定板12のねじに、弦15の端を取り付ける。弦15を滑車13にかけて、弦15がまっすぐになるように、固定板12と滑車13の位置を調整して、それぞれをクランプ等で、図3に示すように基板5または机に固定する。
(ステップ2)弦15に、ナイフエッジ(A,B)11a,bを設置して、その間隔Lを計って記録する。
(ステップ3)図示はしないが、天秤で重り14の質量を計る。重り14をつるした場合の弦15の基本振動を、上記基本振動式によって計算しておく。
(ステップ4)弦15に重り14をつるす。発振器18の出力に、同軸線16により接続した電磁石17を準備する。
(ステップ5)基本振動をさせるため、ナイフエッジ(A,B)11a,bの中点辺りへ電磁石17を近づける。このとき、発振器18の周波数を計算で求めた弦の基本振動数の1/2とすると、弦が大きく振動する。
(ステップ6)重り14の質量を増やし、基本振動と、共振周波数を求める。以上の結果から、実験者に運動方程式を求めさせる。なお、n=2に対する共振(2倍振動)は、電磁石をL/4の位置に置くと良い。振動の様子は、汎用部品としての小型CCDカメラを用いて撮影して、その画像データをノート型パーソナルコンピュータで処理して表示しても良い。
【0068】
(ステップ7)以上の実験から得られた結果を、上記学習者端末に送り、弦の振動を、オシロスコープ、波形解析で解析して、この共振が、両端を固定した波動方程式の固有振動であることを確認する。
【0069】
(ステップ8)実験が終わったら、学習者は、実験完了をメンターサーバへ送る。メンターサーバより学習者端末へ、レポートフォーマットを、学習者端末へ送付する。学習者は、レポートを作成して、メンターサーバへ送る。
【0070】
また実験装置を組み立てた時点で、中間レポートを提出するようにしても良い。即ち、メンターサーバは、実験装置に関するレポートをチェックする。学習者は、実験開始し、実験結果に関するレポートを、メンターサーバへ送付する。教員は、レポートをチェックして、実験結果に関するレポートフォーマットを、学習者端末へ送付する。教員は、レポートが合格したら、単元終了の処理をして、次の単元に進める。
【0071】
このように、本発明では、実験計画、実験装置、実験手順を理解して、実験装置を組み立て、ステップバイステップで、学習を進めながら実験できる。しかも、学習者を無理なく合格レポートに導くことができる。レポートに不備がある場合は、ステップを戻し、アドバイスを予め準備しておけば、指導者の負担も減らすことができる。もちろん、電子メールによる質問、アドバイス等も可能である。
(実験例3)
トラブルシューティングの例を表1・1−1−08光の屈折方法の確認での例を図10に示す。この場3つのケースが設定されており、それぞれについてのチェックポイントとアドバイスが設定され、学習者端末で確認できる。実験装置の組み立て例を図5bに示す。
【0072】
(実験例4)
レポート評価時のチェックリスト例を表1・1−1−02の物質の比熱測定の例を図11に示す。実験方法、実験結果、考察に関してレポート作成の際のチェックポイントが示される。学習者は学習者端末でこれを確認しながら図12のレポートを作成して提出する。
【0073】
本発明によれば、学習者は、各実験ステップにおいて、メンターサーバから、チェックポイント、トラブルシューティングの配信を受、実験のステップ毎に、配信を受けて解決できる。準備や実験の順調な進行を確認しながら指導が進められるので、複数の学習課題を含んだ長いストーリーの展開(深い学習)も可能になる。学習者は負担が少なく、学習意欲が下がらない。物理教育では、少人数あるいは個人の実験体験を組み合わせた一斉授業の教育効果が高いが、本発明によって実現できる。
【0074】
また、本発明によれば、指導者は、メンターサーバに、チェックポイント、トラブルシューティングを予めパターン化して準備することにより、学習者へ問題点の指摘、設問の提示を自動化する。また、レポートの問題点の指摘、返却、修正、修正・再提出を繰返すことで、「合格」レポートまで導くことができる。模範(参考)レポートを提示しても良い。指導者は、最終試験の実施(質疑・応答)と評価をする。また、レポートを複数の指導者に転送することで、水準の高い教育と多面的評価をすることができる。学部や大学間の制限を超えて、実験を伴った質の高い教育を、極めて広範囲に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
上記のように、本発明は、異なる技術分野において多様な実験目的を達成できる組立式実験装置を用いた教育システムを実現できる。しかも、スペースを取らず、加えて可搬性に富むので、特に、在宅学習や、教育や開発・研究の現場で実験を併用するe-ラーニングにおいて、極めて有用であり、多数の学習者に対して、個人のニーズに合わせたきめの細かい指導が可能になる。本発明は、既に広く普及しているeラーニング・プラットフォームでも容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の組立式実験装置を用いた教育システムを説明する図
【図2】本発明の組立実験装置を説明する図。
【図3】本発明の組立実験装置を説明する図。
【図4】本発明の組立実験装置を説明する図。
【図5】本発明の実験装置(a弦の共振実験,b光の屈折実験)を説明する図。
【図6】本発明による学習過程のフローチャートを示す図。
【図7】本発明による学習過程のフローチャートを示す図。
【図8】本発明による学習過程のフローチャートを示す図。
【図9】本発明による学習過程のフローチャートを示す図。
【図10】トラブルシューティングの例
【図11】レポート評価時のチェックリスト例
【図12】レポート作成要フォーマット
【符号の説明】
【0077】
1…DMT
2…リード線
3…検光子
4…偏光子
5…基板
6…電池(電源)
7…リード線
8…光源
9…PD
10…フォトダイオードの結線
11a,b…ナイフエッジ
12…固定板
13…滑車
14…重り
15…弦
16…同軸線
17…電磁石
18…発振器




【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験に関するコンテンツを有しネットワークを介して配信するサーバ(メンターサーバ)と、該サーバにネトワークを介して接続され該コンテンツの配信を受ける端末(学習者端末)と、複数の目的の実験を実施する組立式実験装置と、該組立式実験装置による実験に関する結果を、該学習者端末により、ネットワークを介して、上記メンターサーバへ送信することを特徴とする組立式実験装置を用いた教育システム。
【請求項2】
上記組立式実験装置が、複数の目的の実験に共通して使用する汎用部品と、該汎用部品と組み合わせて特定の実験目的を構成する専用部品に分割し、該汎用部品と該専用部品を組み合わせて実験の目的を達成する組立式実験装置であることを特徴とする請求項1記載の教育システム。
【請求項3】
上記実験に関するコンテンツは、実験計画、実験装置情報、実験手順、学習者と教員用コンテンツを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の実験システム。
【請求項4】
上記実験に関するコンテンツは、実験のステップに応じて、メンターサーバから学習者端末へ配信されることを特徴とする請求項1ないしは3いずれか1項に記載の組立式実験装置を用いた教育システム。
【請求項5】
上記実験に関するコンテンツは、予め、学習者端末に配信しておくことを特徴とする請求項1ないしは3いずれか1項記載の組立式実験装置を用いた教育システム。
【請求項6】
上記実験に関するコンテンツは、パターン化されたチェックポイントおよび/またはトラブルシューティング、あるいは一定時間間隔で配信されるメッセージを含むことを特徴とする請求項1ないしは5いずれか1項に記載の組立式実験装置を用いた教育システム。
【請求項7】
実験に関する結果を学習者端末でレポートフォーマットにより作成されネットワークを介してメンターサーバへ送り、該メンターサーバで該レポートとチェックリストとを対比して選択された回答を学習者端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の組立式実験装置を用いた教育システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−197629(P2008−197629A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320536(P2007−320536)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】