説明

組立式段ボールケース

【課題】 収納物の出し入れを容易にできるとともに、殆ど組み立てた状態で収納物を出し入れすることができ、かつ横方向及び縦方向からの外力に対しても大きな耐久力が得られる組立式段ボールケースを提供する。
【解決手段】 略矩形状に形成された段ボール紙1の目3の方向に沿って第1〜第3の折り曲げ線2a〜2cを形成し、前記段ボール紙1を第1の面4a〜第4の面4dに区画するとともに、その本体部分が略正三角形状に形成された底部5及び蓋部7と、前記底部5の本体部分と係合する第1の係合片9a及び前記蓋部7の本体部分と係合する第2の係合片9bと、前記底部5を閉状態にロックする第1のロック片13及び前記蓋部7を閉状態にロックする第2のロック片16とを前記第1の面4a〜第3の面4cの両端のいずれかにそれぞれ形成し、収納物の出し入れを三角筒状のケースの端面方向から行うことができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は組立式段ボールケースに係わり、例えば、図面やポスターを宅配便で送る際に使用する収納ケースとして用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】図面やポスター等を宅配便で送る場合や保管する場合に、段ボール紙で構成され、その横断面が三角形の筒状ケースが従来より用いられている。このような、段ボール紙で構成された筒状ケースは、組み立てた状態で収納や保管を行うと大きなスペースが必要となるので、最近は使用しないときには1枚のシート状となっていて、使用するときに箱型に組み立てるようにする、所謂、組立式段ボールケースが実用化されている。
【0003】図8に、従来の組立式段ボールケースの一例を示す。図8から明らかなように、従来の組立式段ボールケース80の場合は、図面やポスター等の収納物(以下、単に収納物とする)を出し入れするための開口部がケースの側面方向である。また、1枚のシート状態から箱状に組み立てる途中において、収納物を内部に収納するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の組立式段ボールケース80は、収納物をケースの側面方向から出し入れするようになっているので、収納物によっては出し入れがしにくい場合があった。特に、組立式段ボールケース80の長さと同じような長さの収納物を出し入れする場合には、底部及び蓋部に連なる差し込み部分81、82が邪魔になるので、図示の状態よりも更に前の段階の組み立て状態に戻さなければ収納できない場合があった。
【0005】また、完全に組み立ててしまうと、内部に収納物を収納できないので、図8に示したように、ケースの側面部分を構成する4面のうち、2面は組み立てることができず、半組み立て状態にしておかなければならなかった。前記側面は面積が大きいので、半組み立て状態だと大きなスペースが必要となる問題があった。
【0006】また、従来の組立式段ボールケース80は、段ボール紙の目83が横断面方向に沿っていたので、横方向から加えられる力に対しては強いものの、縦方向から加えられる力に対しては比較的に弱い問題があった。
【0007】本発明は前述の問題点にかんがみ、収納物の出し入れを容易にできるとともに、殆ど組み立てた状態で収納物を出し入れすることができ、かつ横方向及び縦方向からの外力に対しても大きな耐久力が得られる組立式段ボールケースを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の組立式段ボールケースは、略矩形状に形成された段ボール紙に複数の折り曲げ線が形成されていて、前記折り曲げ線に沿って折り曲げることにより所定形状の箱型に形成される組立式段ボールケースにおいて、前記段ボール紙を第1の面〜第4の面に区画するために、前記段ボール紙の目の方向に沿って形成された第1〜第3の折り曲げ線と、前記第1の面の一側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第1の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている底部と、前記第1の面の他側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第1の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている蓋部と、前記第2の面の一側端部に突設され、前記第2の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記底部の本体部分と係合する第1の係合片と、前記第2の面の他側端部に突設され、前記第2の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記蓋部の本体部分と係合する第2の係合片と、前記第3の面の一側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第3の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記底部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記底部を閉状態にロックする第1のロック片と、前記第3の面の他側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第3の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記蓋部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記蓋部を閉状態にロックする第2のロック片とを具備することを特徴としている。
【0009】また、本発明の他の特徴するところは、略矩形状に形成された段ボール紙に複数の折り曲げ線が形成されていて、前記折り曲げ線に沿って折り曲げることにより所定形状の箱型に形成される組立式段ボールケースにおいて、前記段ボール紙を第1の面〜第4の面に区画するために、前記段ボール紙の目の方向に沿って形成された第1〜第3の折り曲げ線と、前記第3の面の一側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第3の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている底部と、前記第3の面の他側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第3の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている蓋部と、前記第1の面の一側端部に突設され、前記第1の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記底部の本体部分と係合する第1の係合片と、前記第1の面の他側端部に突設され、前記第1の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記蓋部の本体部分と係合する第1の係合片と、前記第2の面の一側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第2の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記底部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記底部を閉状態にロックする第1のロック片と、前記第2の面の他側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第2の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記蓋部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記蓋部を閉状態にロックする第2のロック片とを具備することを特徴としている。
【0010】また、本発明のその他の特徴するところは、略矩形状に形成された段ボール紙に複数の折り曲げ線が形成されていて、前記折り曲げ線に沿って折り曲げることにより所定形状の箱型に形成される組立式段ボールケースにおいて、前記段ボール紙を第1の面〜第4の面に区画するために、前記段ボール紙の目の方向に沿って形成された第1〜第3の折り曲げ線と、前記第2の面の一側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第2の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている底部と、前記第2の面の他側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第2の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている蓋部と、前記第1の面の一側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第1の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記底部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記底部を閉状態にロックする第1のロック片と、前記第1の面の他側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第1の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記蓋部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記蓋部を閉状態にロックする第2のロック片と、前記第3の面の一側端部に突設され、前記第3の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記底部の本体部分と係合する第1の係合片と、前記第3の面の他側端部に突設され、前記第3の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記蓋部の本体部分と係合する第2の係合片とを具備することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の組立式段ボールケースの一実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示し、組立式段ボールケースの構成を示す平面図である。
【0012】図1に示したように、本実施の形態の組立式段ボールケースは、略矩形状に形成された段ボール紙に所定の加工を施して三角筒形状の段ボールケースを組み立てることができるようにしている。
【0013】すなわち、略矩形状に形成された段ボール紙1に複数の折り曲げ線2a,2b,2cが形成されている。本実施の形態においては、図1中の破断部に示す段ボール紙の目3の方向に沿って第1の折り曲げ線2a〜第3の折り曲げ線2cを形成するようにしている。前記第1の折り曲げ線2a〜第3の折り曲げ線2cにより、前記略矩形状に形成された段ボール紙1は第1の面4a〜第4の面4dに区画される。
【0014】前記第1の面4aの一側端部に底部5が突設されている。この底部5は、本体部分が略正三角形状に形成されている。また、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片5aが突設されており、前記差し込み片5aと前記本体部分との間に嵌合孔5bが形成されている。また、前記嵌合孔5bに連ねて前記本体部分には指掛け孔5cが形成されている。
【0015】また、前記第1の面4aと前記底部5の本体部分との間、及び前記底部5の本体部分と前記差し込み片5aとの間に折り曲げ線6a,6bがそれぞれ形成されている。これにより、前記底部5の本体部分は前記第1の面4aに対して、また、差し込み片5aは本体部分に対して容易に90°折り曲げることができるようになっている。
【0016】一方、前記第1の面4aの他側端部に蓋部7が突設されている。この蓋部7は、本体部分が略正三角形状に形成されている。また、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片7aが突設されており、前記差し込み片7aと前記本体部分との間に嵌合孔7bが形成されている。また、前記嵌合孔7bに連ねて前記本体部分には指掛け孔7cが形成されている。
【0017】また、前記第1の面4aと前記蓋部7の本体部分との間、及び前記蓋部7の本体部分と前記差し込み片7aとの間に折り曲げ線8a,8bがそれぞれ形成されている。これにより、前記蓋部7の本体部分は前記第1の面4aに対して、また、差し込み片7aは本体部分に対して容易に90°折り曲げることができるようになっている。
【0018】前記第2の面4bの一側端部には第1の係合片9aが突設されている。そして、この第1の係合片9aと前記第2の面4bとの間に折り曲げ線10aが形成されている。この第1の係合片9aは、組み立てた状態において前記底部5の本体部分と係合するものである。
【0019】一方、前記第2の面4bの他側端部には第2の係合片9bが突設されている。そして、この第2の係合片9bと前記第2の面4bとの間に折り曲げ線10bが形成されている。この第2の係合片9bは、組み立てた状態において前記蓋部7の本体部分と係合するものである。
【0020】前記第3の面4cの一側端部の中央部から嵌合部11aが突出している。そして、この嵌合部11aの両側に連ねて、前記第3の面4cに所定長の切れ目11cが形成されていて、この切れ目11cによって区画された第3の面4c部分が可動部11bと成されている。
【0021】前記可動部11bの基部に折り曲げ線12aが形成されているとともに、前記可動部11bと前記嵌合部11aとの間に折り曲げ線12bが形成されている。このような構成により、前記嵌合部11a及び可動部11bによって第1のロック片13が構成される。この第1のロック片13は、前記底部5の差し込み片5aに形成されている前記嵌合孔5bに嵌合して前記底部5を閉状態にロックするためのものである。
【0022】一方、前記第3の面4cの他側端部の中央部から嵌合部14aが突出している。そして、この嵌合部14aの両側に連ねて、前記第3の面4cに所定長の切れ目14cが形成されていて、前記切れ目14cによって区画された第3の面4c部分が可動部14bと成されている。
【0023】前記可動部14bの基部に折り曲げ線15aが形成されているとともに、前記可動部14bと前記嵌合部14aとの間に折り曲げ線15bが形成されている。このような構成により、前記嵌合部14a及び可動部14bによって第2のロック片16が構成される。この第2のロック片16は、前記蓋部7の差し込み片7aに形成されている前記嵌合孔7bに嵌合して前記蓋部7を閉状態にロックするためのものである。
【0024】なお、段ボール紙の端面、特に、段ボール紙の目3に沿った方向においては非常に鋭くなっているので、本実施の形態の組立式段ボールケースにおいては、第1の面4a及び第4の面4dの側端面に波歯20を形成し、素手で取扱っている最中に傷つくのを防止している。
【0025】次に、このように構成された本実施の形態の組立式段ボールケースの組み立て方法を説明する。図2R>2〜図5は、本実施の形態の組立式段ボールケースの組み立て手順を示している。
【0026】図2に示すように、先ず、図2中の白抜きの矢印で示すように、第1〜第3の折り曲げ線2a、2b、2cに沿って各面4a,4b,4c,4dを折り曲げて行く。このようにして、折り曲げて行くと、各面を側面とする三角筒が出来上がる。
【0027】次に、折り曲げ線6aに沿って底部5を折り曲げるとともに、折り曲げ線8aに沿って蓋部7を折り曲げる。また、この時に折り曲げ線6bに沿って差し込み片5aを折り曲げるとともに、折り曲げ線8bに沿って差し込み片7aを折り曲げる。
【0028】また、第2の面4bにおいては、折り曲げ線10a及び折り曲げ線10bに沿って、第1の係合片9a及び第2の係合片9bを約90°折り曲げる。
【0029】さらに、第3の面4cにおいては、第1のロック片13及び第2のロック片16の基部の折り曲げ線12a、15aに沿って軽く折り曲げておく。また、折り曲げ線12b及び折り曲げ線15bに沿って約90°折り曲げるようにする。
【0030】このようにして折り曲げて行くと、図3の斜視図に示すように、断面が略正三角形の箱型のケースが略構成される。そして、組み立ての仕上げは、底部5及び蓋部7を閉じることであるが、これらの閉じ方は同じであるので、図3においては蓋部7を閉じる場合についてのみ示している。
【0031】図3に示したように、蓋部7は最後に閉じる部分であり、この蓋部7を閉じる前に図面やポスター等を内部に収納する。そして、図面やポスター等の収納が済んだら、図3中に白抜きの矢印で示したように、蓋部7を折り曲げてケース本体の端面に重ね、図4に示したように、蓋部7に連設されている差し込み片7aを第3の面4cに沿って差し込む。
【0032】これにより、蓋部7が取り付けられている第1の面4aが第4の面4d側に引き寄せられ、その状態でロックされる。したがって、蓋部7が閉じた状態においては、第1の面4aは閉じた状態に保持される。次に、図5に示したように、蓋部7に形成されている嵌合孔7bに第2のロック片16の嵌合部14aを嵌合させ、蓋部7が開いた状態にならないようにする。
【0033】前述したように、本実施の形態の組立式段ボールケースの場合には、前記第1及び第2のロック片13、16の差し込み方向に沿って段ボールの目3が形成されているので、差し込み方向に対して大きな強度が得られる。これにより、嵌合孔とロック片との嵌合を強くすることができるので、嵌合後にロック片が不測に外れる可能性を小さくすることができる。
【0034】したがって、本実施の形態の組立式段ボールケースの場合には、両面テープやガムテープ等で閉じなくても箱型形状を良好に保持することができ、組み立てが簡単であるとともに、組み立てコストを安価にすることができる。
【0035】また、指掛け孔5c及び7cが形成されているので、内部に収納されている図面やポスターを取り出す場合には、前記指掛け孔5c及び7cを利用するこにより、ロック片13、16の嵌合を容易に外すことができる。
【0036】また、ケースの縦方向から出し入れすることができるので、収納物の出し入れを容易にすることができる。また、ケースを殆ど組み立てた状態で収納物を出し入れすることができるので、予め組み立てておくことができる。したがって、ケースの組み立て作業と収納物の出し入れ作業とを分けて行うことができるので、たくさんのケースを取り扱う場合には、作業を合理化することができる。
【0037】また、段ボール紙の目3がケースの縦方向に向くように構成したので、縦方向からの外力に対して大きな耐久力を得ることができる。そして、断面形状が三角形状なので、横方向に対しても大きな耐久力を得ることができるので、本実施の形態の組立式段ボールケースの場合には、横方向及び縦方向の両方向からの外力に対して大きな耐久力が得られる。
【0038】次に、図6を参照しながら本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、図1に示した第1の実施の形態の組立式段ボールケースと同一の構成部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図6に示したように、本実施の形態の組立式段ボールケースは、第1の面4aの両端に第1および第2の係合片9a及び9bを形成している。
【0039】また、第2の面4bの両端に、第1及び第2のロック片13、16を形成し、第3の面4cの両端に、底部5及び蓋部7を形成している。
【0040】このように構成した本実施の形態の組立式段ボールケースの組み立て手順は、前述した第1の実施の形態における組立式段ボールケースと同様であり、本実施の形態の組立式段ボールケースの場合も良好に使用することができる。
【0041】次に、図7を参照しながら本発明の第3の実施の形態を説明する。この場合も図1に示した第1の実施の形態の組立式段ボールケースと同一の構成部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図7に示したように、本実施の形態の組立式段ボールケースは、第1の面4aの両端に第1および第2のロック片13、16を形成している。
【0042】また、第2の面4bの両端に、底部5及び蓋部7を形成し、第3の面4cの両端に、第1および第2の係合片9a及び9bを形成している。このように構成した本実施の形態の組立式段ボールケースの組み立て手順は、前述した第1及び第2の実施の形態における組立式段ボールケースと同様であり、本実施の形態の組立式段ボールケースの場合も良好に使用することができる。
【0043】前述した第1〜第3の実施の形態の組立式段ボールケースを比較すると、第2の実施の形態の組立式段ボールケースの場合には、第1の面4aに形成した第1および第2の係合片9a及び9bを、第4の面4dを外側から包み込むようにして90°折り曲げており、その状態において底部5及び蓋部7で押さえて形を保持することになるので、第1の実施の形態の場合と比較すると、第1の面4aが外れやすくなる傾向がある。
【0044】また、第3の実施の形態の場合には、第4の面4dから折り曲げて行き、第1の面4aが一番外側となり、最後に第1の面4aの両端に形成されている第1および第2のロック片13、16を嵌合孔5c,7cに嵌合させる形態となる。この場合、第1の実施の形態の場合と比較すると、他の面が外へ広がろうとするする反発力で、第1および第2のロック片13、16の嵌合が外れやすくなる傾向がある。したがって、総合的にみると、第1の実施の形態のように構成した場合に一番優れた性能が得られることになる。
【0045】前述した実施の形態の組立式段ボールケースの大きさは種々に形成することができる。例えば、一例として、各面の大きさで言えば、第1の面4a〜第3の面4cは454mm×166mm程度に形成し、第4の面4dは内側に位置するので、450mm×161mm程度に形成する。
【0046】前述した寸法は一例であり、例えば、その縦、横、高さの寸法を、宅配便の100サイズ、あるいは80サイズに対応するように、各面4a,4b,4c,4dの大きさを決めれば実用上において使いやすい組立式段ボールケースを提供することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明は前述したように、第1〜第3の折り曲げ線によって区画された第1の面〜第4の面によって三角筒の側面を形成し、前記三角筒の端面から収納物を出し入れするようにしたので、収納物の出し入れを容易に行うことができる。
【0048】また、殆ど組み立てた状態で収納物を出し入れすることができるので、ケースの組み立て作業と収納物を内部に収納する作業とを分けて行うことができ、作業効率を合理化することができるとともに、組み立ててから収納物を内部に入れるまでの保管に必要なスペースを可及的に小さくすることができる。
【0049】さらに、段ボール紙の目の方向がケースの長手方向となるようにしたので、横方向に対しては三角形状により大きな耐久力が得られ、縦方向に対しては段ボール紙自体の強度で大きな耐久力が得られるので、結果的に、横方向及び縦方向からの外力に対しても大きな耐久力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す段ボール紙の平面図である。
【図2】第1の実施の形態の組立式段ボールケースの組み立て手順を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の組立式段ボールケースの組み立て手順を示す斜視図である。
【図4】第1の実施の形態の組立式段ボールケースの組み立て手順を示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態の組立式段ボールケースの組み立て手順を示す斜視図である。
【図6】第2の実施の形態を示す段ボール紙の平面図である。
【図7】第3の実施の形態を示す段ボール紙の平面図である。
【図8】従来例を示し、従来の組立式段ボールケースの斜視図である。
【符号の説明】
1 矩形状の段ボール紙
2a〜2c 折り曲げ線
3 段ボール紙の目
4a 第1の面
4b 第2の面
4c 第3の面
4d 第4の面
5 底部
6a、6b 折り曲げ線
7 蓋部
8a、8b 折り曲げ線
9a 第1の係合片
9b 第2の係合片
10a、10b 折り曲げ線
11a 嵌合部
11b 可動部
11c 切れ目
12a、12b 折り曲げ線
13 第1のロック片
14a 嵌合部
14b 可動部
14c 切れ目
15a、15b 折り曲げ線
16 第2のロック片

【特許請求の範囲】
【請求項1】 略矩形状に形成された段ボール紙に複数の折り曲げ線が形成されていて、前記折り曲げ線に沿って折り曲げることにより所定形状の箱型に形成される組立式段ボールケースにおいて、前記段ボール紙を第1の面〜第4の面に区画するために、前記段ボール紙の目の方向に沿って形成された第1〜第3の折り曲げ線と、前記第1の面の一側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第1の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている底部と、前記第1の面の他側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第1の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている蓋部と、前記第2の面の一側端部に突設され、前記第2の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記底部の本体部分と係合する第1の係合片と、前記第2の面の他側端部に突設され、前記第2の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記蓋部の本体部分と係合する第2の係合片と、前記第3の面の一側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第3の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記底部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記底部を閉状態にロックする第1のロック片と、前記第3の面の他側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第3の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記蓋部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記蓋部を閉状態にロックする第2のロック片とを具備することを特徴とする組立式段ボールケース。
【請求項2】 略矩形状に形成された段ボール紙に複数の折り曲げ線が形成されていて、前記折り曲げ線に沿って折り曲げることにより所定形状の箱型に形成される組立式段ボールケースにおいて、前記段ボール紙を第1の面〜第4の面に区画するために、前記段ボール紙の目の方向に沿って形成された第1〜第3の折り曲げ線と、前記第3の面の一側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第3の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている底部と、前記第3の面の他側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第3の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている蓋部と前記第1の面の一側端部に突設され、前記第1の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記底部の本体部分と係合する第1の係合片と、前記第1の面の他側端部に突設され、前記第1の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記蓋部の本体部分と係合する第1の係合片と、前記第2の面の一側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第2の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記底部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記底部を閉状態にロックする第1のロック片と、前記第2の面の他側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第2の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記蓋部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記蓋部を閉状態にロックする第2のロック片とを具備することを特徴とする組立式段ボールケース。
【請求項3】 略矩形状に形成された段ボール紙に複数の折り曲げ線が形成されていて、前記折り曲げ線に沿って折り曲げることにより所定形状の箱型に形成される組立式段ボールケースにおいて、前記段ボール紙を第1の面〜第4の面に区画するために、前記段ボール紙の目の方向に沿って形成された第1〜第3の折り曲げ線と、前記第2の面の一側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第2の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている底部と、前記第2の面の他側端部に突設されていて、その本体部分が略正三角形状に形成されるとともに、前記本体部分の一辺に沿って差し込み片及び嵌合孔が突設され、前記第2の面と前記本体部分との間、及び前記本体部分と前記差し込み片との間に折り曲げ線が形成されている蓋部と、前記第1の面の一側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第1の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記底部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記底部を閉状態にロックする第1のロック片と、前記第1の面の他側端部から突出した嵌合部、及び前記嵌合部の両側に連ねて前記第1の面に形成された所定長の切れ目によって区画された可動部を有し、前記可動部の基部、及び前記可動部と前記嵌合部との間に折り曲げ線が形成されていて、前記蓋部の差し込み片に形成されている前記嵌合孔に嵌合して前記蓋部を閉状態にロックする第2のロック片と、前記第3の面の一側端部に突設され、前記第3の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記底部の本体部分と係合する第1の係合片と、前記第3の面の他側端部に突設され、前記第3の面との間に折り曲げ線が形成されていて、組み立てた状態において前記蓋部の本体部分と係合する第2の係合片とを具備することを特徴とする組立式段ボールケース。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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