説明

組立式犬用トイレ

使い捨て紙オムツを使用する組立式ペットトイレであって、フレーム(1)とフレームの下面にあるフック材料(4)とを備える。フレームは、4つのコーナーソケット(3)と4つの挿込棒(2)とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペットトイレ、特に組立式犬用トイレに関する。本発明出願は、同一出願人が同日に提出した、名称が「犬用トイレ」である意匠出願と関連する。ここでは、参照の方式で該意匠出願の全ての内容を引用する。
【背景技術】
【0002】
従来のペットトイレ、例えば犬用トイレには、主に二種類がある。一つは、糞を収集する装置が設けられる犬用トイレである。例えば、アメリカ特許公開発行物US2008/0178817A1 、US2008/0245309A1及び中国実用新案特許CN2567979Yに開示されたものである。CN2567979Yに開示された犬用トイレは、組合わせたクリップ式犬用トイレであり、ケース式フレームと糞を収集するトレイとを含む。そのうち、フレームとトレイとがクリップ方式で組合わせることにより、フレームに対し便利にトレイを取り外すことができる。このような犬用トイレは、上記トレイなど糞を収集する装置をよく清掃しなければならないため、とても不便である。また、このような犬用トイレは構造が複雑であるため、生産コストも高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
もう一つは、市場で販売している紙オムツ(使い捨て紙オムツ)を、糞を収集する装置とする犬用トイレである。例えば、中国実用新案特許CN201226710Yに開示されたものである。このような犬用トイレは、上下の二つのフレームを含むトレイ式犬用トイレである。使用される時、使い捨て紙オムツは上下の二つのフレームの間に挟まれる。このような犬用トイレは、通常の、糞を収集する装置の代わりに、使い捨て紙オムツを採用するため、糞を収集する装置の清掃による不便さを除くことができる。しかし、このような犬用トイレには下記の欠陥が存在する。1)フレームが一体構造であり、収縮して保存することができないため、搬送及び携帯が不便である。2)上下のフレームを頻繁に開閉しなければならないため、使用寿命に影響を及ぼす。3)使い捨て紙オムツを固定する操作が複雑である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一つの目的は、組立が便利で、搬送コストが低く且つ携帯が便利である組立式ペットトイレ、例えば犬用トイレを提供することである。
【0005】
本発明のもう一つの目的は、紙オムツを迅速且つ便利に固定又は取り外すことができる紙オムツを使用するペットトイレ、例えば犬用トイレを提供することである。
【0006】
本発明の一形態によれば、ペットトイレを組立てる組立部材を提供することができる。該組立部材は、複数のコーナーソケットと複数の挿込棒を含む。各コーナーソケットは、二つの接合端を有する。各挿込棒は、二つの接合端を有する。挿込棒の接合端は、対応したコーナーソケットの接合端と分離可能に接合する。コーナーソケットの下面及び/又は挿込棒の下面にはフック材料(hook material)が設置される。このような組立部材を便利且つ迅速にペットトイレに組立てる。また、包装、搬送又は携帯の過程において組立てる必要がないため、該組立部材の空間が狭く、便利に包装、搬送又は携帯できる。例えば、該組立部材を便利にスーパーの展示棚に掛けることができる。
【0007】
コーナーソケットの下面に凹溝を設置する。フック材料がフック材料固定装置に固定され、且つフック材料固定装置が凹溝内に係着して、フック材料が凹溝から露出する。凹溝内にばねが設置される。ばねによりフック材料固定装置を凹溝から張り出させる。凹溝の底部に二つのばね中空保持ポストを設置することが好ましい。コイルばねに囲まれるように各ばね中空保持ポストが設置される。フック材料固定装置には二つの挿込ピンが設置され、それぞれ相応のばね中空保持ポストに挿入する。地面が滑らかではない場合も、このような構造により、組立後のペットトイレがある程度のバランスを維持することができる。
【0008】
フック材料固定装置は、押え板と、押え板の周囲を囲む係着フレームとを含む。フック材料は、係着フレームと押え板との間に係着される。フック材料は、押え板の表面に粘着される。このような構造により、フック材料を確実に保持することを確保できる。
【0009】
フック材料は、コーナーソケットの下面及び/又は挿込棒の下面に直接に粘着できる。このような構造により、生産の工程を簡素化にできる。
【0010】
コーナーソケットの接合端に挿込穴が設置される。挿込棒の接合端にプラグが設置される。プラグが挿込穴と互いに係合する。このような構造により、迅速且つ便利にペットトイレを組立てることを確保する。
【0011】
フック材料は、Y型フック配列を含む。このような構造により、フック材料と使い捨て紙オムツとの確実な噛み合いを確保できる。犬が紙オムツで(水平方向に沿う)繰り返し掻いても紙オムツがずれない。紙オムツを取り外す必要があれば、(縦に)簡単に取り外せる。
【0012】
前記複数のコーナーソケットが4つであることが好ましい。前記複数の挿込棒は2対である。各対の挿込棒における各挿込棒の長さが等しい。このような構造により、矩形のペットトイレを形成できる。規格が異なる市販している矩形の使い捨て紙オムツに応じ、長さが異なる挿込棒を選択できる。勿論、組立部材も、より多くのコーナーソケット又は挿込棒を予備品として使用できる。
【0013】
本発明の又一形態によれば、フレームと、フレームの下面に設置された、使い捨て紙オムツと噛み合うフック材料とを含み、使い捨て紙オムツを使用するペットトイレを提供する。このような構造により、紙オムツを迅速且つ便利に固定又は取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の組立後のペットトイレの平面図である。
【図2】本発明の組立後のペットトイレの底面図である。
【図3】本発明のペットトイレを組立てるためのコーナーソケットの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本文に記載された「上」、「下」、「水平」、「縦」など方向を示す用語が、組合わせた後のペットトイレの正常の使用状態に対するものである。例えば、下面とは、組合わせた後のペットトイレが正常に地面に置かれた時、地面と接触する表面である。
【0016】
図1は、本発明の組合わせ後のペットトイレ、例えば犬用トイレを示す。該ペットトイレは、市販された、良く見られる使い捨て紙オムツの矩形形状と一致する略矩形のフレーム1を含む。矩形のフレーム1は、四つのコーナーソケット3と四つの挿込棒2からなる。
【0017】
当業者なら理解できるように、本発明のペットトイレのフレーム1の形状は、矩形に限定されない。これに対し、使用する使い捨て紙オムツの形状に応じ、フレーム1の形状が正方形、三角形(三つのコーナーソケットと三つの挿込棒とを採用する)、円形(コーナーソケットと挿込棒とがいずれも弧状である)など任意適切の形状でもいい。
【0018】
コーナーソケット3の接合端は、挿込穴31と側壁開口32(図3に示すように)とを備えている。挿込棒2の接合端は、コーナーソケット3の対応挿込穴31に挿入され、且つ側壁開口32と係合する弾性プラグ(図示せず)を備える。このように、挿込棒2がコーナーソケット3に便利に挿入でき、且つ係合する。あるいは、コーナーソケット3が挿込棒2に挿入され、且つ係合してもよい。このような分離可能な係合方式は、本分野の一般的な設置方式であり、簡明のため、ここでは挿込棒2の接合端の具体的な構造についての詳細を省略する。
【0019】
図2に示すように、フレーム1のコーナーソケット3の下面(或いは底面と呼ぶ)にフック材料4が設置される。フック材料4は陽性噛合(係合)材料であり、Y型フック配列を含み、プラスチックベース材料により射出成型されたものである。フックがY型形状であるので、フック材料4は、市販されている使い捨て紙オムツ(図示せず)の無織布材料(陰性噛合(係合)材料)と緊密に噛み合うことができる。たとえ犬が紙オムツを(水平方向に沿う)繰り返し掻いても紙オムツがずれない。紙オムツを取り外す必要があれば、縦に、簡単に取り外せる。フックの形状はY型であることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。これに対し、紙オムツの材料と噛み合わせる任意適切なフック材料を選択してもいい。
【0020】
当業者なら分かるように、フック材料4がコーナーソケット3の下面のみに設置されるとは限らない。挿込棒2が長い場合、フック材料4は挿込棒2の下面に設置されてもいいし、又はフレーム1が円形である場合、フック材料4がフレーム1(挿込棒2及び/又はコーナーソケット3)の任意の適切な位置に設置されてもいい。下記の記載がフック材料4の最適な設置方式を詳しく説明しているが、当業者なら分かるように、生産の工程を節約するために、フック材料4は粘着又は他の方式で挿込棒2の下面及び/又はコーナーソケット3の下面に直接に設置されてもいい(図2に示す)。
【0021】
図3に示すように、コーナーソケット3の下面に凹溝6が設置されている。フック材料4がフック材料固定装置5の外面に固定されている。フック材料固定装置5は凹溝6内に係着されるとともに、使い捨て紙オムツと噛み合わせるようにフック材料4を凹溝6から露出させる。
【0022】
フック材料固定装置5は、押さえ板51と、押さえ板を囲むように設置された係着フレーム52とを備えている。フック材料4の四周が使用過程において不意に巻き上げられることを防止するように、フック材料4は係着フレーム52と押さえ板51との間に係着されている。また、フック材料4を更に固定するために、フック材料4は押さえ板の表面に粘着されている。係着フレーム52の係合部53と凹溝6の側壁開口とが係合されることにより、フック材料固定装置5が凹溝6から離脱することを防止する。
【0023】
凹溝6の底部に二つのばね中空保持ポスト8が設けられている。ばね中空保持ポスト8の各々において、ばね中空保持ポスト8を取り囲むようにコイルばね7が設けられている。フック材料固定装置5の押さえ板51の内面に二つの挿込ピン54が設置され、それぞれ対応したばね中空保持ポスト8に挿入される。コイルばね7によりフック材料固定装置5を凹溝6から所定量張り出させている。このような構造配置により、地面が滑らかではない場合も、組立後のペットトイレがある程度のバランスを維持することができる。
【0024】
フック材料4とばね7を除き、挿込棒2とコーナーソケット3など上記の部材が、いずれも射出成型で一体成形できる。このため、生産の効率を大幅に向上でき、製品のコストも低減できる。
【0025】
以下、本発明のペットトイレの使用方法について、簡単に説明する。まず、図1に従って、本発明のペットトイレのフレーム1を組合わせる。次は、市場で販売されている使い捨て紙オムツをフレーム1のコーナーソケット3の下面に粘着させ、地面に置く。このように、犬などのペットが、フレーム1内に入り、紙オムツの上で排泄できる。最後に、使用済みの使い捨て紙オムツをフック材料4から剥がし、且つ新しい使い捨て紙オムツに取り換えればいい。
【0026】
上記は例示の方式で、本発明のペットトイレを記載しているが、当業者なら理解できるように、上記の内容が本発明を限るものではなく、説明するものに過ぎない。
【符号の説明】
【0027】
1 フレーム
2 挿込棒
3 コーナーソケット
4 フック材料
5 フック材料固定装置
6 凹溝
7 コイルばね
8 ばね中空保持ポスト
31 挿込穴
32 側壁開口
51 押さえ板
52 係着フレーム
54 挿込ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットトイレを組立てる組立部材であって、複数のコーナーソケットと、複数の挿込棒とを備え、
前記コーナーソケットの各々が、二つの接合端を有し、
前記挿込棒の各々が、二つの接合端を有し、挿込棒の各接合端が対応したコーナーソケットの接合端と分離可能に接合され、
コーナーソケットの下面及び/又は挿込棒の下面にはフック材料が設置されたペットトイレを組立てる組立部材。
【請求項2】
前記コーナーソケットの下面に凹溝が設置され、前記フック材料がフック材料固定装置に固定され、前記フック材料固定装置が凹溝内に係合され且つ前記フック材料が前記凹溝から露出していることを特徴とする請求項1に記載の組立部材。
【請求項3】
前記凹溝内には、前記フック材料固定装置を前記凹溝から張り出させるばねが設置されていることを特徴とする請求項2に記載の組立部材。
【請求項4】
前記凹溝の底部に二つのばね中空保持ポストが設置され、前記ばね中空保持ポストの各々には、前記ばね中空保持ポストを囲むようにコイルばねが設置され、前記フック材料固定装置に二つの挿込ピンが設置され、それぞれ対応した前記ばね中空保持ポストに挿入されていることを特徴とする請求項3に記載の組立部材。
【請求項5】
前記フック材料固定装置が、押さえ板と、前記押さえ板の四周を囲むように設置された係着フレームとを含み、前記フック材料が前記係着フレームと前記押さえ板との間に係合されていることを特徴とする請求項2に記載の組立部材。
【請求項6】
前記フック材料が前記押さえ板の表面に粘着されていることを特徴とする請求項5に記載の組立部材。
【請求項7】
前記フック材料が前記コーナーソケットの下面及び/又は前記挿込棒の下面に直接に粘着されていることを特徴とする請求項1に記載の組立部材。
【請求項8】
前記コーナーソケットの接合端に挿込穴が設置され、前記挿込棒の接合端にプラグが設置され、前記プラグが前記挿込穴と互いに係合していることを特徴とする請求項1の組立部材。
【請求項9】
前記フック材料がY型フック配列を含むことを特徴とする請求項1の組立部材。
【請求項10】
前記複数のコーナーソケットが4つであり、前記複数の挿込棒が2対であり、各対の挿込棒における各挿込棒の長さが等しいことを特徴とする請求項1の組立部材。
【請求項11】
使い捨て紙オムツを使用するペットトイレであって、
フレームと、
フレームの下面に設置されたフック材料とを含み、
前記フック材料が使い捨て紙オムツと噛み合うことを特徴とする使い捨て紙オムツを使用するペットトイレである。
【請求項12】
前記フック材料がY型フック配列を含むことを特徴とする請求項11に記載のペットトイレ。
【請求項13】
四つのコーナーソケット及び第1対の挿込棒と第2対の挿込棒とを含むフレームを有するペットトイレであって、
コーナーソケットの各々が、二つの接合端を備え、
前記挿込棒の各々が、二つの接合端部を備え、前記挿込棒の接合端が対応したコーナーソケットの接合端と分離可能に接合することを特徴とする請求項11のペットトイレ。
【請求項14】
前記コーナーソケットの下面にフック材料が設置されていることを特徴とする請求項13のペットトイレ。
【請求項15】
第1対の挿込棒の長さが第2対の挿込棒の長さより大きく、第1対の挿込棒の各挿込棒の下面にもフック材料が設置されていることを特徴とする請求項14のペットトイレ。
【請求項16】
前記コーナーソケットの下面に凹溝が設置され、前記フック材料がフック材料固定装置に固定され、前記フック材料固定装置が前記凹溝内に係着され、且つ前記フック材料が凹溝を露出させていることを特徴とする請求項13のペットトイレ。
【請求項17】
前記凹溝内にばねが設置され、前記ばねにより前記フック材料固定装置を前記凹溝から張り出させることを特徴とする請求項16に記載のペットトイレ。
【請求項18】
前記凹溝の底部に二つのばね中空保持ポストが設けられ、前記ばね中空保持ポストの各々には、前記ばね中空保持ポストを囲むようにコイルばねが設けられ、前記フック材料固定装置に二つの挿込ピンが設置され、それぞれ対応した前記ばね中空保持ポストに挿入されていることを特徴とする請求項17に記載のペットトイレである。
【請求項19】
前記フック材料固定装置は、押さえ板と、前記押さえ板の四周を囲むように設置された係着フレームとを含み、前記フック材料が前記押さえ板の表面に粘着し、且つ前記係着フレームと前記押さえ板との間に係着されていることを特徴とする請求項16に記載のペットトイレ。
【請求項20】
前記フック材料が前記係着フレームの下面に直接に粘着されていることを特徴とする請求項11に記載のペットトイレ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−513204(P2012−513204A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542646(P2011−542646)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【国際出願番号】PCT/CN2009/001264
【国際公開番号】WO2010/072045
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(511154043)
【氏名又は名称原語表記】ZHANG, Guoqiang
【住所又は居所原語表記】Room 1620, A2 Bailang Yuan 36A Fuxing Road Haidian District Beijing 100039 P.R.CHAINA
【Fターム(参考)】