組立装置
【課題】 従来のように基台の剛性を高める必要がなく、組立作業台の水平出しが容易になり、さらにロボットの可動範囲内に多くの組立ツールを設置でき、多種類の組立体の組み立てに適した組立装置を提供すること。
【解決手段】 組立装置1は、支持部材21,22によって天吊り状に支持される組立ロボット11,12と、組立ロボット11,12の可動範囲内に対して部品供給を行う部品供給ユニット41,42,43,44と、組立ロボット11,12の可動範囲内に設けられる組立作業台31,32,33とを備える。組立ロボット11,12は、部品供給ユニット41,42,43,44から部品を取り出し、組立作業台31,32,33上のほぼ全面に配置された多くの治具9を用いつつ、組立動作を行う。
【解決手段】 組立装置1は、支持部材21,22によって天吊り状に支持される組立ロボット11,12と、組立ロボット11,12の可動範囲内に対して部品供給を行う部品供給ユニット41,42,43,44と、組立ロボット11,12の可動範囲内に設けられる組立作業台31,32,33とを備える。組立ロボット11,12は、部品供給ユニット41,42,43,44から部品を取り出し、組立作業台31,32,33上のほぼ全面に配置された多くの治具9を用いつつ、組立動作を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部品を組み付けて組立体を組み立てる組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多点数の部品から構成される組立体をロボットにより自動的に組み立てる組立装置が知られている。例えば、特許文献1に記載される組立装置では、基台上にロボットが設置され、ロボットの設置された複数の基台の間に組立作業台が設けられている。そして複数のロボットが互いに協働しながら、組立作業台上で組立体を組み立てるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−354919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の組立装置は、基台上にロボットが設置されるため、基台の剛性を高めて基台上面を水平状態に保つことが必要であった。したがって、基台そのものが高コスト化するという問題が生じていた。
【0005】
また、他の基台や組立作業台を隣接配置して使用する場合、基台上面を、他の基台や組立作業台の上面と一体的な水平面に設置する必要がある。しかし、ロボットの設置された基台の上面を、他の基台や組立作業台と一体的な水平面に設定するには、かなり煩雑な手間がかかることになり、組立装置の設置作業を効率的に行うことができないという問題があった。
【0006】
さらに、基台の上面にロボットを設置する場合、ロボットは、平面視で、基台に取り付けられた基端部の周囲にその可動範囲を有し、その基端部近傍にはロボットハンドをアクセスさせることができないのが一般的である。そのため、基台にロボットが設置されることにより、基台上面において、治具や組立ツールを載置できるスペースが小さくなり、基台上に載置できる治具や組立ツールの数や大きさを制限することになっていた。一般に治具や組立ツールを変更しないで組み立て可能な組立体の種類は少なく、従来は、他の種類の組立体を組み立てようとするときには、基台に載置される治具や組立ツールを交換する作業を別に行う必要があり、効率的に組立体を変更することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、従来のように基台の剛性を高める必要がなく、組立作業台の水平出しが容易になり、さらにロボットの可動範囲内に多くの組立ツールを設置でき、多種類の組立体の組み立てに適した組立装置を提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる組立装置は、所定の支持部材によって天吊り状に支持される組立ロボットと、前記組立ロボットの可動範囲内に対して部品供給を行う部品供給ユニットと、前記組立ロボットの可動範囲内に設けられる組立作業台と、を備え、前記組立ロボットが、前記部品供給ユニットから部品を取り出し、前記組立作業台上で組立動作を行うように構成される。
【0009】
上記の組立装置においては、前記組立ロボットが、前記組立作業台の上方に支持されることが好ましい。
【0010】
また、上記の組立装置においては、前記部品供給ユニットとして、第1の部品供給ユニットと第2の部品供給ユニットとを備え、前記第1および第2の部品供給ユニットが互いに対向して配置されることが好ましい。
【0011】
また、その場合には、前記組立作業台が、前記第1および第2の部品供給ユニットの間に配置されることが好ましい。
【0012】
また、上記の組立装置においては、前記支持部材が支持柱と前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有し、前記組立ロボットが前記梁部材と接続される接続部を備え、前記組立ロボットへの電力供給を行うケーブルが前記接続部に対して接続されており、前記組立ロボットが前記接続部に対して旋回可能であるとともに、前記接続部が前記梁部材に対して旋回可能であることが好ましい。
【0013】
また、上記の組立装置においては、前記組立ロボットの可動範囲内を撮影するように監視カメラが設けられることが好ましい。
【0014】
また、上記の組立装置においては、複数台の組立ロボットが設けられ、各組立ロボットの可動範囲の一部が互いに重複する重複範囲を有しており、前記組立作業台は少なくとも前記重複範囲に設置されることが好ましい。
【0015】
またその場合には、前記組立作業台が、前記重複範囲に設置される共用組立作業台と、各組立ロボットの可動範囲であって前記重複範囲以外の範囲に設置される専用組立作業台とを備えることが好ましい。
【0016】
また、上記の組立装置においては、第1の組立ロボットを天吊り状に支持する第1の支持部材と、第2の組立ロボットを天吊り状に支持する第2の支持部材とが対向して配置され、前記第1および第2の支持部材はそれぞれ、支持柱と、前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有しており、前記第1の支持部材における前記梁部材と、前記第2の支持部材における前記梁部材とが、棒状の連結部材によって連結される構成であることが好ましい。
【0017】
また、上記の組立装置においては、前記組立作業台が前記支持部材と接合する接合部を有し、前記接合部に対して前記支持部材が接合することによって、前記組立ロボットの位置決めが行われるように構成されることが好ましい。また、その場合、前記接合部は、平面視で、正方形の四隅に切り欠き部が形成された形状を有し、前記切り欠き部に対して前記支持部材の支持柱を収容可能であることが好ましい。
【0018】
また、上記の組立装置においては、前記組立作業台が矩形状に形成されるとともに、前記支持部材が支持柱と前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを備えて形成され、平面視で、前記組立ロボットが前記組立作業台のほぼ中央に設置されるとともに、前記支持柱が前記組立作業台のコーナー部に設置されることが好ましい。
【0019】
また、上記の組立装置においては、前記組立ロボットが、少なくとも4自由度を有するロボットであることが好ましい。また、6自由度を有するロボットであることがより好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、天吊り状に支持された組立ロボットが、部品供給ユニットから部品を取り出し、組立ロボットの可動範囲内に設けられた組立作業台上で組立動作を行うように構成されている。そのため、組立作業台の上面全体に治具や組立ツール等を設置でき、多種類の組立体の組み立てに適した組立装置となっている。また、組立作業台そのものに剛性を求める必要がなくなり、コストの低廉化が図られるとともに、組立作業台の平面出しが容易になる。
【0021】
また、組立ロボットが組立作業台の上方に支持されることにより、組立作業台に対して効率的にアクセスできるようになる。
【0022】
また、部品供給ユニットとして、第1の部品供給ユニットと第2の部品供給ユニットとを備え、第1および第2の部品供給ユニットが互いに対向して配置されることにより、組立ロボットの扱うことができる部品数が増加し、さらに多種類の組立体の組み立てに適したものとなる。
【0023】
また、組立作業台が、第1および第2の部品供給ユニットの間に配置されることにより、組立ロボットが第1および第2の部品供給ユニットから部品を受け取って組立作業台上で組立作業を行う際のアームの移動量が最小限に抑えられ、組み立て作業が効率的に行われる。
【0024】
また、支持部材が、支持柱と、その支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有し、組立ロボットが梁部材と接続される接続部を備え、組立ロボットへの電力供給を行うケーブルがその接続部に対して接続されており、組立ロボットが接続部に対して旋回可能であるとともに、接続部が梁部材に対して旋回可能なように構成されることで、ケーブルを損傷させることなく、組立ロボットの旋回角度を増加させることができる。
【0025】
また、組立ロボットの可動範囲内を撮影するように監視カメラを設けることにより、組立ロボットにトラブルが発生した場合でもその状況を容易に把握できる。そして迅速にトラブルに対処することができる。
【0026】
また、組立ロボットが複数台設けられ、各組立ロボットの可動範囲の一部が互いに重複する重複範囲を有しており、組立作業台は少なくとも重複範囲に設置されることにより、複数の組立ロボットが互いに協働して組立作業を行うことができるようになる。そして、より複雑な組立体を組み立てることができるようになる。
【0027】
また、組立作業台が、重複範囲に設置される共用組立作業台と、各組立ロボットの可動範囲であって重複範囲以外の範囲に設置される専用組立作業台とを備えることにより、各組立ロボットは、独自の組立動作と、協働して行う組立動作との双方を行うことができ、効率的な組立作業が行える。
【0028】
また、第1の組立ロボットを天吊り状に支持する第1の支持部材と、第2の組立ロボットを天吊り状に支持する第2の支持部材とが対向して配置され、第1および第2の支持部材が、それぞれ、支持柱と、支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有しており、第1の支持部材における梁部材と、第2の支持部材における梁部材とが、棒状の連結部材によって連結されることにより、第1および第2の支持部材における梁部材をより安定した設置状態にできる。
【0029】
また、組立作業台が支持部材と接合する接合部を有し、その接合部に対して支持部材が接合することによって、組立ロボットの位置決めが行われるように構成されることにより、極めて簡単に組立ロボットの位置決めを行うことができ、組立装置の設置作業を効率化できる。
【0030】
また、その接合部が、平面視で、正方形の四隅に切り欠き部が形成された形状を有しており、その切り欠き部に対して支持部材の支持柱を収容することができるので、組立装置の設置スペースを小さくできる。
【0031】
また、組立作業台が矩形状に形成されるとともに、支持部材が支持柱とその支持柱から水平方向に延設される梁部材とを備えて形成され、平面視で、組立ロボットが組立作業台のほぼ中央に設置されるとともに、支持柱が組立作業台のコーナー部に設置されることにより、組立ロボットが旋回動作を行う時に、支持柱が障害になることはなく、組立ロボットがスムーズに旋回動作できる範囲を大きくすることができる。
【0032】
また、組立ロボットが、少なくとも4自由度を有することにより、部品供給ユニットから部品を取り出し、その部品を組立作業台上の任意の位置に載置することができる。特に、組立ロボットが、6自由度を有するロボットであることにより、横方向からの部品の組み付けが可能になり、複雑な組立体を製造するのに適した構成となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0034】
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図3はそれぞれ組立装置1の一例を示す斜視図であり、各図にはそれぞれ共通のXYZ三次元座標系を示している。なお、図1は部品供給ユニット41,42,43,44に部品トレイがセットされた状態(稼働状態)を示しており、図2は部品トレイを取り除いた状態を示している。また図3は、組立装置1を構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。
【0035】
各図に示されるように、この組立装置1は、組立ロボット11,12、部品供給ユニット41,42,43,44及び組立作業台31,32,33を備えて構成されている。図1乃至図3の構成例では、2台の組立ロボット11,12がそれぞれ支持部材21,22に対して天吊状に固定されており、組立ロボット11,12の下方に、組立作業台31,32,33が配置されている。また、組立作業台31,32に隣接して部品供給ユニット41,42,43,44が配置されている。
【0036】
支持部材21は、支持柱21aと、その支持柱21aから水平方向に延設される梁状部材21bと、支持柱21aの基端部を支持するベース部21cを備えており、梁状部材21bの内部側に組立ロボット11が固定され、組立ロボット11を天吊状に支持している。また、支持部材22も同様に構成されており、支持柱22aと梁状部材22bとベース部22cを備え、梁状部材22bの内部側に組立ロボット12が固定されて、組立ロボット12を天吊状に支持している。組立ロボット11,12はそれぞれ梁状部材21b,22bの下方空間をその可動範囲としている。
【0037】
組立ロボット11のアームが鉛直方向に伸びた状態で考えると、組立ロボット11は、鉛直軸まわりの3つの旋回自由度と、水平軸まわりの3つの回動自由度とがアーム結合された合計6自由度を有する天吊型ロボットであり、そのアーム先端部は各種組立作業に適した組立ツールを着脱可能なメカニカルハンドとして構成されている。
【0038】
他方の組立ロボット12は、鉛直軸まわりの3つの旋回自由度がアーム結合され、そのアーム先端部に鉛直軸方向に沿って移動する直進自由度を有する合計4自由度の天吊型ロボットである。この組立ロボット12のアーム先端部もまた、各種組立作業に適した組立ツールを着脱可能なメカニカルハンドとして構成されている。
【0039】
組立ロボット11,12の下方に配置される組立作業台31,32,33は、組立ロボット11,12の配列方向に沿って一列状に連結配置されている。組立作業台31は組立ロボット11の直下に配置され、組立作業台32は組立ロボット12の直下に配置される。これら組立作業台31,32は、平面視がほぼ正方形状の作業台として構成されている。そして組立作業台33は、組立作業台31と32との間に配置された、平面視が長方形状の作業台となっている。これらの組立作業台31,32,33の天板には、各ロボット11,12が組み付け作業を行う際に使用する、同種又は異種の複数の治具9や組立ツール等が配置される。よって、組立装置1においては、各組立ロボット11,12が、組立作業台31,32,33上に載置される様々な治具9や組立ツールを使用しながら、組立作業台31,32,33上で任意の組立体の組立動作を行うことになる。
【0040】
部品供給ユニット41,42,43,44は、組立体の様々な部品を収容する複数の部品トレイ8が多段積載される部品トレイ積載部40aと、部品トレイ積載部40aに多段積載される複数の部品トレイ8のうちからひとつの部品トレイ8を取り出して組立作業台31,32の端部上方位置に差し出すことで部品トレイ8を組立スペースに供給する供給部40bとを備えている。部品供給ユニット41,42は、組立ロボット11の直下に配置される組立作業台31に隣接して配置され、組立作業台31を挟んだ状態で互いに対向するように配置される。そして部品供給ユニット41,42は、組立ロボット11によって取り扱われる部品が収容された部品トレイ8を、組立ロボット11の可動範囲内に供給する。また、部品供給ユニット43,44は、組立ロボット12の直下に配置される組立作業台32に隣接して配置され、組立作業台32を挟んだ状態で互いに対向するように配置される。そして部品供給ユニット43,44は、組立ロボット12によって取り扱われる部品が収容された部品トレイ8を、組立ロボット12の可動範囲内に供給する。
【0041】
そして図3に示されるように、組立装置1は、組立ロボット11,12が支持部材21,22によってそれぞれ天吊状に支持されたロボットユニットと、組立作業台31,32,33と、部品供給ユニット41,42,43,44とがそれぞれ独立ユニットとして構成されており、組立装置1を実際に使用するときには、それら各ユニットが互いに組み合わせられ、上記のような配置関係に固定される。
【0042】
具体的な設置作業は、つぎのような手順で進められる。まず、はじめに組立作業台31,32,33が設置され、各作業台の上面が均一な水平面とみなせるように水平出し作業が行われる。そして組立作業台31,32,33の設置が終了すると、部品供給ユニット41,42,43,44が組立作業台31,32,33に隣接して設置される。そして最後に、ロボットユニットが組立作業台31,32に隣接して設置されることになる。
【0043】
各ユニットの下面には図示しない車輪が設けられ、比較的簡単に移動できるようになっていて、かつ設置時には車輪を固定することにより、若しくは他の固定脚によって固定することにより、各ユニットの位置を固定できるようになっている。特に、支持部材21のベース部21cは組立作業台31の下方空間に入り込み、組立ロボット11が組立作業台31の上方位置に固定される。また同様に、支持部材22のベース部22cは組立作業台32の下方空間に入り込み、組立ロボット12が組立作業台32の上方位置に固定される。
【0044】
このように組立ロボット11,12を天吊状に支持することにより、ロボットユニットを、組立装置1の設置作業の最終段階で、組立作業台31,32,33にドッキングできるようになり、組立装置1の設置作業の初期段階で組立ロボット11,12の存在が邪魔になることはなく、据え置き型ロボットの場合に比べて組立装置1の設置作業が著しく簡単になる。
【0045】
図4は、各ユニットが組み付けられた状態での組立装置1の平面図である。図4においては、XY平面での組立ロボット11の可動範囲をR1で示しており、組立ロボット12の可動範囲をR2で示している。
【0046】
組立装置1では、組立ロボット11の可動範囲R1が組立作業台31の上面のほぼ全体をカバーしており、部品供給ユニット41,42によって組立作業台31の端部上方に供給される部品トレイ8(図4においては波線で図示)に対して、組立ロボット11がアクセスできるようになっている。また、組立作業台31に設置される治具9は組立ロボット11に専用の治具となっている。それ故、組立作業台31は組立ロボット11の専用組立作業台となっている。
【0047】
また組立ロボット12の可動範囲R2は組立作業台32の上面のほぼ全体をカバーするように構成されている。そして組立ロボット12は、部品供給ユニット43,44によって組立作業台32の端部上方に供給される部品トレイ8(図4においては波線で図示)に対してアクセスすることができ、トレイ内の部品を取り出すことができるようになっている。そして組立作業台32に設置される治具9は組立ロボット12に専用の治具であり、組立作業台32は組立ロボット12の専用組立作業台となっている。
【0048】
組立装置1においては、組立ロボット11の可動範囲R1と、組立ロボット12の可動範囲R2とが互いに重複する重複範囲R3を有している。この重複範囲R3は、2台の組立ロボット11,12が協働して組み付け動作を行うことのできるスペースである。組立作業台33はこの重複範囲R3に配置されており、組立作業台33には組立ロボット11,12の双方がアクセスできるようになっている。それ故、組立作業台33に設置される治具9は、2台の組立ロボット11,12に共通の治具であり、組立作業台33は各組立ロボット11,12の共用組立作業台となっている。
【0049】
そして本実施形態においては、組立ロボット11,12が天吊状に支持されており、組立作業台31,32,33には治具9や組立ツール、若しくは組立体が置かれるだけである。言い換えれば、組立作業台31,32,33には、組立ロボット11,12と比較して極めて軽量のもの(治具や組立ツール、若しくは組立体)が載置されるだけであるので、天板の剛性を高める必要がなくなる。よって、組立作業台11,12のコスト低廉を実現できる。
【0050】
また、組立作業台31,32,33が従来の基台と同じサイズで形成されることを想定すると、本実施形態の組立作業台31,32,33にはロボットを設置する必要がないので、その上面を有効に活用することができ、従来よりも多くの治具9や組立ツール等を設置することができるようになる。したがって、従来よりもより多くの部品を取り扱うことができるようになり、組み立て可能な品目数を増加させることができる。また、治具9等の置き換え作業を頻繁に行う必要がなくなり、組立装置1の稼働効率を向上させることもできる。
【0051】
また、上述したように複数の組立作業台31,32,33が互いに隣接して設置されるときには、それぞれの天板が水平な同一面となるように水平出しが行われる。そうすることにより、各組立ロボット11,12が、専用組立作業台と共用組立作業台との双方を使用して組み付け動作を行う場合であっても、作業台ごとに座標系を変換する必要がなくなり、速やかに組立装置1の動作を開始させることができる。本実施形態では、組立作業台31,32,33に組立ロボット11,12が据え置き設置されていないことから、この水平出し作業が極めて簡単になっており、組立装置1の設置作業を効率的に行うことができるという利点がある。
【0052】
また、ロボットユニットが隣接設置される組立作業台31,32が、平面視でほぼ正方形の形状であるので、組立作業台31,32の4方向のうちの任意の方向からロボットユニットをドッキングでき、組立装置1の配置構成をフレキシブルに変更できるようになっている。
【0053】
次に、図5は6自由度を有する組立ロボット11の一構成例を示す側面図である。図5を参照しつつ、組立ロボット11に対して接続される電気ケーブルとロボットの旋回動作について説明する。
【0054】
図5に示すように、組立ロボット11は、梁状部材21bの内部に設けられた板状部材の下面に対して、固定部材11c、接続部材11bおよびロボット基端部11aがこの順で接続された構造を有しており、接続部材11bには組立ロボット11に対して電力供給や制御信号の供給を行うための電気ケーブル11dが接続されている。
【0055】
このような構成において、固定部材11cおよび接続部材11bが梁状部材21bに対して固定され、ロボット基端部11aのみが鉛直軸α1に対して旋回動作する場合を考える。接続部材11bに接続された電気ケーブル11dは接続部材11bの内部を通って、ロボット基端部11aの内部側へと接続されている。この内部配線されるケーブルは、一般的に長さにあまり余裕のない状態で収容されている。よって、ロボット基端部11aのみが鉛直軸α1を中心に旋回動作を行うと、接続部材11b内部に配線された電気ケーブルにねじれ等が生じ、所定量以上の旋回動作を行うと断線等の不具合が生じる可能性がある。そのため、ロボット基端部11aのみが鉛直軸α1を中心に旋回動作を行う場合、ロボット基端部11aから先端側のロボットアームは所定角度以上の旋回動作を行うことができなくなる。例えば、ロボット基端部11aの旋回角度が360°未満の範囲となっていれば、アーム先端部は組立作業台31の上面のほぼ全域にアクセスすることができなくなる。
【0056】
そこで、本実施形態においては、接続部材11bに接続される電気ケーブル11dが所定量以上の撓みを有するように設けられ、接続部材11bが固定部材11c(梁状部材21b)に対して旋回動作を行うように構成される。接続部材11bの固定部材11cに対する旋回動作は、鉛直軸α2を中心に行われる。このような構成とされることにより、ロボット基端部11aの旋回角度が制限されている場合であっても、接続部材11bを旋回させることにより、アーム先端部には360°以上の旋回動作を生じさせることができ、組立作業台31の上面のほぼ全域にアクセスできるようになる。したがって、電気ケーブル11dが、図5に示されるように、主たる旋回動作を行うロボット基端部11aよりも固定部側に設けられている場合には、電気ケーブル11dの接続された接続部材11bを副次的に旋回させることにより、ケーブルの断線を防止しつつ、アーム先端部のアクセス領域を広く確保できるようになる。
【0057】
なお、副次的に接続部材11bを旋回させるための駆動手段は、例えば接続部材11bの内部に設けられたモータ等によって行われるようにしてもよいし、梁状部材21bに取り付けられた外部モータによって組立ロボット11の全体を旋回させるものあっても構わない。また、6自由度を有する組立ロボット11に限られるものではなく、4自由度を有する組立ロボット12であっても同様である。また、副次的な旋回動作は、180°程度の旋回角度を有することが好ましい。
【0058】
以上のように本実施形態の組立装置1は、組立ロボット11,12が支持部材21,22によって天吊り状に支持されており、組立ロボット11,12の下方空間にはロボットアームのアクセスを妨げる障害物が何も存在しないことになる。それ故、組立ロボット11,12は天吊り状に支持された下方空間を組立動作のための作業空間として有効に利用できるようになり、組立ロボット11,12の可動範囲内に設けられる組立作業台31,32,33のほぼ全面を利用して組立作業を行うことができる。その結果、組立作業台31,32,33に設置できる治具9等の種類や数を増加させることができ、効率的に多種類の組立体の組み立てに適したものとなっている。
【0059】
また組立装置1では、部品供給ユニット41,42が互いに対向して配置されており、部品供給ユニット41,42のそれぞれが組立ロボット11の可動範囲内に部品供給を行うので、組立ロボット11の可動範囲内に供給される部品数や部品の種類を増加させている。同様に、部品供給ユニット43,44もまた互いに対向して配置されており、部品供給ユニット43,44のそれぞれが組立ロボット12の可動範囲内に部品供給を行うので、組立ロボット12の可動範囲内に供給される部品数や部品の種類を増加させている。したがって、これら部品供給ユニット41,42,43,44の配置により、組立装置1は多種類の組立体の組み立てにさらに適したものとなっている。
【0060】
また組立作業台31が部品供給ユニット41,42の間に配置され、組立作業台32が部品供給ユニット43,44の間に配置されることにより、各組立ロボット11,12が部品供給ユニット41,42,43,44から部品を受け取って組立作業台31,32上で組立作業を行う際のアームの移動量が最小限に抑えられる。したがって、組み立て作業が効率的に行われることになる。
【0061】
また本実施形態においては、組立ロボット11,12の可動範囲の一部が互いに重複する重複範囲R3を有しており、組立ロボット11,12に共用の組立作業台33はその重複範囲R3に設置されるので、2台の組立ロボット11,12が協働して組立体の組み立て作業を行うことができ、複雑な組立体であっても組み付けることができるようになる。
【0062】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。図6乃至図8は第2の実施の形態における組立装置1aの一構成例を示す図である。なお、各図において、第1の実施の形態と同様の構成部材に対しては同一符号を付している。
【0063】
本実施形態においては、各組立ロボット11,12を天吊り状に支持する梁状部材21b,22bに、各組立ロボット11,12の可動範囲内を撮影する監視カメラ51,52が設けられる。
【0064】
図7に示すように、監視カメラ51は、組立ロボット11を支持する梁状部材21bの先端部に取り付けられ、組立ロボット11が動作する下方空間を撮影するように構成される。なお、監視カメラ52も同様の取り付け態様であり、組立ロボット12を支持する梁状部材22bの先端部に取り付けられ、組立ロボット12が動作する下方空間を撮影するように構成される。
【0065】
図8は組立装置1aの平面図である。監視カメラ51は組立ロボット11の可動範囲R1をその撮影範囲に収め、監視カメラ52は組立ロボット12の可動範囲R2をその撮影範囲に収める。また監視カメラ51,52は、各組立ロボット11,12の可動範囲が重複する重複領域R3を、その撮影範囲に収めている。したがって、各監視カメラ51,52は組立ロボット11,12の動作状態を監視でき、組立ロボット11,12にトラブルが発生した場合でもその状況を容易に把握できるようになっている。特に監視カメラ51,52によって撮影される映像を記録するように構成しておけば、トラブル発生時点の映像を確認することができるので、迅速なメンテナンスが可能になる。
【0066】
なお、1台の監視カメラで、2台の組立ロボット11,12の可動範囲R1,R2を十分にカバーして撮影できる場合には、監視カメラ51,52のいずれか一方のみを設置すればよい。
【0067】
以上のように、本実施形態の組立装置1aは、組立ロボット11,12の可動範囲内を撮影する監視カメラ51,52を備えるので、トラブルが発生したときの原因を容易に把握でき、迅速にトラブルへの対処を行えるという点で、第1の実施の形態で示した組立装置1よりもさらに有益なものとなっている。
【0068】
<第3の実施の形態>
本実施形態においては、第1及び第2の実施の形態で説明した組立装置1,1aの、各ユニットの配置に関するいくつかのバリエーションについて説明する。なお、本実施形態においても、第1の実施の形態で説明した部材と同様の構成部材については同一符号を付している。
【0069】
図9および図10は、第1の実施の形態で説明した支持部材21,22のそれぞれに対し、6自由度を有する組立ロボット11が天吊り状に支持された組立装置1bを示す図であり、図9は各ユニットが組み付けられた状態を、図10は組立装置1bを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。これらの図に示されるように、このユニット配置形態では、2台の組立ロボットが共に6自由度を有するロボットとなっている。
【0070】
6自由度を有する組立ロボット11は横方向からの部品の組み付けを行うことができるので、複雑な組み付け作業に適したロボットである。したがって、この組立装置1bは、複雑な組立体を製造するのに適したユニット構成となっている。
【0071】
なお、4自由度を有する組立ロボットは上下方向の組み付け作業に適している。そのため、4自由度と6自由度とのいずれの組立ロボットを使用するかは、最終的な組立体を得るために必要な組み付け動作によって決定されるものである。それ故、組立ロボットの配置は必ずしも限定されるものではない。
【0072】
ただし、組立ロボットは、部品供給ユニット41,42,43,44から部品を取り出し、その部品を組立作業台31,32,33上の任意の位置に載置するという動作を最低限行わなければならないため、少なくとも4自由度の動作を行うことが好ましい。
【0073】
別のバリエーションについて説明する。図11および図12は各組立ロボット11,12に専用の組立作業台31,32が設けられず、共用の組立作業台33のみが設けられた組立装置1cを示す図であり、図11は各ユニットが組み付けられた状態を、図12は組立装置1cを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。
【0074】
例えば、各組立ロボット11,12が専用の治具9等を使用して独自の組み付け作業を行う必要がない場合には、図11および図12に示されるように専用組立作業台を設けずに、共用組立作業台33のみを設けるようにしてもよい。
【0075】
さらに別のバリエーションについて説明する。図13および図14は各組立ロボット11,12に部品を供給するための部品供給ユニットが1台ずつ設けられる場合の組立装置1dを示す図であり、図13は各ユニットが組み付けられた状態を、図14は組立装置1dを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。
【0076】
例えば、各組立ロボット11,12が使用する部品数が少ない場合には、上述したように部品供給ユニット41,42および43,44を対向して配置する必要がなく、それぞれのロボットに対して1台ずつの部品供給ユニット41,43を設けるようにすればよい。したがって、図13および図14に示される構成は、部品点数の少ない場合に適した構成となっている。
【0077】
なお、図13および図14の構成において専用組立作業台31,32を組立ロボット11,12に対応して配置するようにしてもよい。
【0078】
以上、第1及び第2の実施の形態に係る組立装置1,1aの、ユニット配置に関するいくつかのバリエーションを例示したが、本発明の配置態様は上述したものに限定されるものではない。各ユニットの配置態様は、組立体の部品数や組み付け作業の態様などに応じて適宜変更し得るものである。
【0079】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。図15乃至図17は第4の実施の形態における組立装置1eの一構成例を示す図である。なお、各図において、第1の実施の形態と同様の構成部材に対しては同一符号を付している。
【0080】
各図に示されるように、本実施の形態に係る組立装置1eでは、支持部材21,22の梁状部材21b,22bが平面視で略L字状に形成され、L字状梁状部材21b,22bの一端側に支持柱21a,22aが取り付けられ、他端側に組立ロボット11,12が天吊状に固定される。具体的には、梁状部材21bは、支持柱21aの上端に固定され、Y方向に延設される第1部材211と、第1部材211の先端側部に固定され、−X方向に延設される第2部材212と備え、第2部材212の先端部に対して組立ロボット11が天吊状に取り付けられるようになっている。同様に、梁状部材22bは、支持柱22aの上端に固定され、−Y方向に延設される第1部材221と、第1部材221の先端側部に固定され、X方向に延設される第2部材222と備え、第2部材222の先端部に対して組立ロボット12が天吊状に取り付けられるようになっている。
【0081】
支持部材21の第2部材212と支持部材22の第2部材222は、同一直線上に位置するように配置され、2つの梁状部材21bおよび22bが、棒状の連結部材23によって互いに連結固定されるように組み付けられる(図15参照)。これにより、梁状部材21b,22bがより安定するようになる。
【0082】
支持部材21,22を上記のように構成することにより、組立ロボット11,12を支持するための支持柱21a,22aを、組立作業台31,33のコーナー部分に配置することができるようになる。
【0083】
そして本実施形態において、組立作業台31,33は、平面視で、ほぼ正方形の形状のコーナー部分(四隅)が切除された形状を有し、その四隅の切り欠き部に対して支持柱21a,22aを収容できるようになっている。
【0084】
したがって、本実施形態においては、支持柱21a,22aが+X方向側若しくは−X方向側に突き出た状態になることを防止することができ、組立装置1eの設置スペースを小さくできる。
【0085】
また、組立作業台31,33の四隅の切り欠き部は、支持柱21a,22aを収容して支持柱21a,22aと接合することにより、支持部材21,22の位置決めを簡単に行うことができる位置決め機構としての機能も有している。
【0086】
また、支持部材21,22を上記のように構成することによって、図17に示すように、組立ロボット11,12の可動範囲R1,R2の外部に、支持柱21a,22aを配置できるようになり、組立ロボット11,12の旋回動作時に支持柱21a,22aが障害物となることを抑制でき、スムーズな旋回動作を実現できる。換言すると、支持部材21,22の梁状部材21b,22bを略L字状に形成することで、組立ロボット11,12の可動範囲R1,R2の半径を比較的大きくできるようになり、組立ロボット11,12がスムーズに旋回動作可能な可動範囲R1,R2を広くできる構成となっている。
【0087】
以上のように、本実施形態の組立装置1eでは、支持部材21の梁状部材21bと、支持部材22の梁状部材22bとが連結部材23によって連結されるので、組立ロボット11,12を支持する梁状部材21b,22bの安定性を向上できる。
【0088】
また、本実施形態では、組立作業台31,32が、平面視で、正方形の四隅に切り欠き部が形成された形状を有しており、その切り欠き部に対して支持部材21,22の支持柱21a,22aを収容可能なように構成されている。そのため、組立装置1eの設置スペースを小さくできるようになっている。
【0089】
さらに、本実施形態では、支持柱21a,22aによって支持される梁状部材21b,22bが平面視で略L字状に形成されており、支持柱21a,22aが平面視で組立作業台のコーナー部に配置されるので、組立ロボット11,12の旋回動作時に支持柱21a,22aが障害になることはなく、組立ロボット11,12がスムーズに旋回動作できる範囲を大きくできる構造となっている。この構造は、特に、組立作業台31,32の四隅に切り欠き部が設けられ、支持柱21a,22aがその切り欠き部に収容される構造と相俟って、設置スペースを小さくしつつも、組立ロボット11,12の可動範囲R1,R2を大きくできるという二重の作用効果を奏する構造となっている。
【0090】
<第5の実施の形態>
本実施形態においては、第4の実施の形態で説明した組立装置1eの、各ユニットの配置に関するいくつかのバリエーションについて説明する。なお、本実施形態においても、第1および第4の実施の形態で説明した部材と同様の構成部材については同一符号を付している。
【0091】
図18および図19は、第4の実施の形態で説明した支持部材21,22のそれぞれに対し、6自由度を有する組立ロボット11が天吊り状に支持された組立装置1fを示す図であり、図18は各ユニットが組み付けられた状態を、図19は組立装置1fを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。これらの図に示されるように、このユニット配置形態では、2台の組立ロボットが共に6自由度を有するロボットとなっている。
【0092】
6自由度を有する組立ロボット11は横方向からの部品の組み付けを行うことができるので、複雑な組み付け作業に適したロボットである。したがって、この組立装置1fは、複雑な組立体を製造するのに適したユニット構成となっている。
【0093】
なお、4自由度を有する組立ロボットは上下方向の組み付け作業に適している。そのため、4自由度と6自由度とのいずれの組立ロボットを使用するかは、最終的な組立体を得るために必要な組み付け動作によって決定されるものである。それ故、組立ロボットの配置は必ずしも限定されるものではない。
【0094】
ただし、組立ロボットは、部品供給ユニット41,42,43,44から部品を取り出し、その部品を組立作業台31,32,33上の任意の位置に載置するという動作を最低限行わなければならないため、少なくとも4自由度の動作を行うものであることが好ましい。
【0095】
別のバリエーションについて説明する。図20および図21は各組立ロボット11,12に専用の組立作業台31,32が設けられず、共用の組立作業台33のみが設けられた組立装置1gを示す図であり、図20は各ユニットが組み付けられた状態を、図21は組立装置1gを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。例えば、各組立ロボット11,12が専用の治具9等を使用して独自の組み付け作業を行う必要がない場合には、図20および図21に示されるように専用組立作業台を設けずに、共用組立作業台33のみを設けるようにしてもよい。
【0096】
さらに別のバリエーションについて説明する。図22および図23は各組立ロボット11,12に部品を供給するための部品供給ユニットが1台ずつ設けられる場合の組立装置1hを示す図であり、図22は各ユニットが組み付けられた状態を、図23は組立装置1hを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。
【0097】
例えば、各組立ロボット11,12が使用する部品数が少ない場合には、上述したように部品供給ユニット41,42および43,44を対向して配置する必要がなく、それぞれのロボットに対して1台ずつの部品供給ユニット41,43を設けるようにすればよい。したがって、図22および図23に示される構成は、部品点数の少ない場合に適した構成となっている。
【0098】
なお、図22および図23の構成において専用組立作業台31,32を組立ロボット11,12に対応して配置するようにしてもよい。
【0099】
以上、第4の実施の形態に係る組立装置1eの、ユニット配置に関するいくつかのバリエーションを例示したが、本発明の配置態様は上述したものに限定されるものではない。各ユニットの配置態様は、組立体の部品数や組み付け作業の態様などに応じて適宜変更し得るものである。また、第2の実施の形態で説明したように、監視カメラを設けて、組立ロボット11,12の動作空間を撮影するように構成することもできる。
【0100】
<第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施形態においては、支持部材21が、位置決め機構として機能する組立作業台31の四隅の切り欠き部のうちの隣接する2カ所の切り欠き部に対して接合することにより、組立ロボットの位置決めを高精度に行うことができる構成について説明する。
【0101】
図24及び図25は第6の実施の形態における組立装置1iの一構成例を示す図であり、図24は、ロボットユニットと組立作業台とを分離した状態を示しており、図25はロボットユニット及び組立作業台を組み付けた状態を示している。なお、各図において、第1の実施の形態と同様の構成部材に対しては同一符号を付している。
【0102】
本実施形態においては、支持部材21の支持柱21aが組立作業台31の幅とほぼ同程度の間隔で並設され、その並設された支持柱21aの上端に設けられる梁状部材21bによって組立ロボット11が天吊状に支持された構造となっている。そして、各支持柱21aの2カ所の所定高さ位置に、組立作業台31の位置決め機構31aと接合する位置決め部21dが水平方向に凸設されている。
【0103】
そして図25に示されるように、支持部材21を組立作業台31に向かって押し込むことによって、支持柱21aに形成された位置決め部21dが位置決め機構31aに入り込み、これらが互いに接合する状態で支持部材21が固定される。このとき、組立作業台31に対するロボットユニットの位置(より厳密には、組立ロボット11の位置)が所定の状態に位置決めされることになり、比較的簡単に組立ロボット11を設置できるようになる。
【0104】
したがって、本実施形態における組立装置1iは、組立作業台31が支持部材21と接合する接合部31aを有しており、その接合部31aに対して支持部材21が接合することにより、組立ロボット11の位置決めがなされる構造となっている。そのため、組立ロボット11の設置作業を簡単に行うことができるようになっている。
【0105】
また、支持部材21と組立作業台31との接合は、平面視によると組立作業台31の両端で行われるため、第4の実施の形態のような1カ所での位置決め方法と比較すると、より高い精度で組立ロボット11の位置決めを行うことができるようになる。
【0106】
また、本実施形態においても、組立ロボット11が平面視で組立作業台31のほぼ中央に設置されており、かつ、支持柱21aが平面視で組立作業台31のコーナー部に設置される。そのため、本実施形態の組立装置1iもまた、組立ロボットが旋回動作を行う時に、支持柱21aが障害になることはなく、組立ロボットがスムーズに旋回動作できる範囲を大きくすることができるように構成されている。
【0107】
<第7の実施の形態>
本実施形態においては、第6の実施の形態で示した位置決め機構を適用しつつ、第1若しくは第4の実施の形態などで説明したユニット配置を実現する形態について説明する。
【0108】
図26および図27は、第7の実施の形態における組立装置1jの一構成例を示す図であり、図26は各ユニットを分離した状態を示しており、図27は各ユニットを組み付けた状態を示している。なお、各図において、上述した実施の形態と同様の構成部材に対しては同一符号を付している。
【0109】
本実施形態においては、組立作業台31に隣接配置される支持部材21に対して位置決め部21dが形成されており、組立作業台31の四隅にはその位置決め部21dに接合する位置決め機構31aが形成されている。また、組立作業台32に隣接配置される支持部材22には位置決め部22dが形成されており、組立作業台32の四隅にはその位置決め部22dに接合する位置決め機構32aが形成されている。
【0110】
そして、各ユニットを組み付ける際には、位置決め部21d,22dが、対応する位置決め機構31a,32aに接合するようにして設置することにより、図27のような組立装置1jを簡単に組み上げることができるようになる。
【0111】
したがって、第6の実施の形態において説明した位置決め機構は、組立装置におけるユニット配置がどのような態様であっても期待した効果を発揮するものである。
【0112】
以上、本発明に関するいくつか実施の形態について説明したが、本発明は上述のものに限定されるものではなく、上述した構成の他に、種々の変形した構成を適宜採用し得るものであることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】部品トレイがセットされた組立装置の一例を示す斜視図である。
【図2】部品トレイを取り除いた状態の組立装置を示す図である。
【図3】組立装置を一体的に組み付ける前の状態を示す図である。
【図4】各ユニットが組み付けられた状態での組立装置の平面図である。
【図5】6自由度を有する組立ロボットの一構成例を示す側面図である。
【図6】監視カメラを備えた組立装置の一構成例を示す図である。
【図7】監視カメラを備えた組立装置の一構成例を示す図である。
【図8】監視カメラを備えた組立装置の一構成例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態のユニット配置のバリエーションを示す図である。
【図10】第1の実施の形態のユニット配置のバリエーションを示す図である。
【図11】第1の実施の形態のユニット配置の別のバリエーションを示す図である。
【図12】第1の実施の形態のユニット配置の別のバリエーションを示す図である。
【図13】第1の実施の形態のユニット配置のさらに別のバリエーションを示す図である。
【図14】第1の実施の形態のユニット配置のさらに別のバリエーションを示す図である。
【図15】第4の実施の形態の組立装置の一例を示す斜視図である。
【図16】第4の実施の形態の組立装置を一体的に組み付ける前の状態を示す図である。
【図17】第4の実施の形態の組立装置の概略平面図である。
【図18】第4の実施の形態のユニット配置のバリエーションを示す図である。
【図19】第4の実施の形態のユニット配置のバリエーションを示す図である。
【図20】第4の実施の形態のユニット配置の別のバリエーションを示す図である。
【図21】第4の実施の形態のユニット配置の別のバリエーションを示す図である。
【図22】第4の実施の形態のユニット配置のさらに別のバリエーションを示す図である。
【図23】第4の実施の形態のユニット配置のさらに別のバリエーションを示す図である。
【図24】第6の実施の形態における組立装置の一構成例を示す図である。
【図25】第6の実施の形態における組立装置の一構成例を示す図である。
【図26】第7の実施の形態における組立装置の一構成例を示す図である。
【図27】第7の実施の形態における組立装置の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0114】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j 組立装置
11,12 組立ロボット
21,22 支持部材
21a,22a 支持柱
21b,22b 梁状部材
21d,22d 位置決め部
31,32 組立作業台(専用組立作業台)
31a,32a 位置決め機構(接合部)
33 組立作業台(共用組立作業台)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部品を組み付けて組立体を組み立てる組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多点数の部品から構成される組立体をロボットにより自動的に組み立てる組立装置が知られている。例えば、特許文献1に記載される組立装置では、基台上にロボットが設置され、ロボットの設置された複数の基台の間に組立作業台が設けられている。そして複数のロボットが互いに協働しながら、組立作業台上で組立体を組み立てるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−354919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の組立装置は、基台上にロボットが設置されるため、基台の剛性を高めて基台上面を水平状態に保つことが必要であった。したがって、基台そのものが高コスト化するという問題が生じていた。
【0005】
また、他の基台や組立作業台を隣接配置して使用する場合、基台上面を、他の基台や組立作業台の上面と一体的な水平面に設置する必要がある。しかし、ロボットの設置された基台の上面を、他の基台や組立作業台と一体的な水平面に設定するには、かなり煩雑な手間がかかることになり、組立装置の設置作業を効率的に行うことができないという問題があった。
【0006】
さらに、基台の上面にロボットを設置する場合、ロボットは、平面視で、基台に取り付けられた基端部の周囲にその可動範囲を有し、その基端部近傍にはロボットハンドをアクセスさせることができないのが一般的である。そのため、基台にロボットが設置されることにより、基台上面において、治具や組立ツールを載置できるスペースが小さくなり、基台上に載置できる治具や組立ツールの数や大きさを制限することになっていた。一般に治具や組立ツールを変更しないで組み立て可能な組立体の種類は少なく、従来は、他の種類の組立体を組み立てようとするときには、基台に載置される治具や組立ツールを交換する作業を別に行う必要があり、効率的に組立体を変更することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、従来のように基台の剛性を高める必要がなく、組立作業台の水平出しが容易になり、さらにロボットの可動範囲内に多くの組立ツールを設置でき、多種類の組立体の組み立てに適した組立装置を提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる組立装置は、所定の支持部材によって天吊り状に支持される組立ロボットと、前記組立ロボットの可動範囲内に対して部品供給を行う部品供給ユニットと、前記組立ロボットの可動範囲内に設けられる組立作業台と、を備え、前記組立ロボットが、前記部品供給ユニットから部品を取り出し、前記組立作業台上で組立動作を行うように構成される。
【0009】
上記の組立装置においては、前記組立ロボットが、前記組立作業台の上方に支持されることが好ましい。
【0010】
また、上記の組立装置においては、前記部品供給ユニットとして、第1の部品供給ユニットと第2の部品供給ユニットとを備え、前記第1および第2の部品供給ユニットが互いに対向して配置されることが好ましい。
【0011】
また、その場合には、前記組立作業台が、前記第1および第2の部品供給ユニットの間に配置されることが好ましい。
【0012】
また、上記の組立装置においては、前記支持部材が支持柱と前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有し、前記組立ロボットが前記梁部材と接続される接続部を備え、前記組立ロボットへの電力供給を行うケーブルが前記接続部に対して接続されており、前記組立ロボットが前記接続部に対して旋回可能であるとともに、前記接続部が前記梁部材に対して旋回可能であることが好ましい。
【0013】
また、上記の組立装置においては、前記組立ロボットの可動範囲内を撮影するように監視カメラが設けられることが好ましい。
【0014】
また、上記の組立装置においては、複数台の組立ロボットが設けられ、各組立ロボットの可動範囲の一部が互いに重複する重複範囲を有しており、前記組立作業台は少なくとも前記重複範囲に設置されることが好ましい。
【0015】
またその場合には、前記組立作業台が、前記重複範囲に設置される共用組立作業台と、各組立ロボットの可動範囲であって前記重複範囲以外の範囲に設置される専用組立作業台とを備えることが好ましい。
【0016】
また、上記の組立装置においては、第1の組立ロボットを天吊り状に支持する第1の支持部材と、第2の組立ロボットを天吊り状に支持する第2の支持部材とが対向して配置され、前記第1および第2の支持部材はそれぞれ、支持柱と、前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有しており、前記第1の支持部材における前記梁部材と、前記第2の支持部材における前記梁部材とが、棒状の連結部材によって連結される構成であることが好ましい。
【0017】
また、上記の組立装置においては、前記組立作業台が前記支持部材と接合する接合部を有し、前記接合部に対して前記支持部材が接合することによって、前記組立ロボットの位置決めが行われるように構成されることが好ましい。また、その場合、前記接合部は、平面視で、正方形の四隅に切り欠き部が形成された形状を有し、前記切り欠き部に対して前記支持部材の支持柱を収容可能であることが好ましい。
【0018】
また、上記の組立装置においては、前記組立作業台が矩形状に形成されるとともに、前記支持部材が支持柱と前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを備えて形成され、平面視で、前記組立ロボットが前記組立作業台のほぼ中央に設置されるとともに、前記支持柱が前記組立作業台のコーナー部に設置されることが好ましい。
【0019】
また、上記の組立装置においては、前記組立ロボットが、少なくとも4自由度を有するロボットであることが好ましい。また、6自由度を有するロボットであることがより好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、天吊り状に支持された組立ロボットが、部品供給ユニットから部品を取り出し、組立ロボットの可動範囲内に設けられた組立作業台上で組立動作を行うように構成されている。そのため、組立作業台の上面全体に治具や組立ツール等を設置でき、多種類の組立体の組み立てに適した組立装置となっている。また、組立作業台そのものに剛性を求める必要がなくなり、コストの低廉化が図られるとともに、組立作業台の平面出しが容易になる。
【0021】
また、組立ロボットが組立作業台の上方に支持されることにより、組立作業台に対して効率的にアクセスできるようになる。
【0022】
また、部品供給ユニットとして、第1の部品供給ユニットと第2の部品供給ユニットとを備え、第1および第2の部品供給ユニットが互いに対向して配置されることにより、組立ロボットの扱うことができる部品数が増加し、さらに多種類の組立体の組み立てに適したものとなる。
【0023】
また、組立作業台が、第1および第2の部品供給ユニットの間に配置されることにより、組立ロボットが第1および第2の部品供給ユニットから部品を受け取って組立作業台上で組立作業を行う際のアームの移動量が最小限に抑えられ、組み立て作業が効率的に行われる。
【0024】
また、支持部材が、支持柱と、その支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有し、組立ロボットが梁部材と接続される接続部を備え、組立ロボットへの電力供給を行うケーブルがその接続部に対して接続されており、組立ロボットが接続部に対して旋回可能であるとともに、接続部が梁部材に対して旋回可能なように構成されることで、ケーブルを損傷させることなく、組立ロボットの旋回角度を増加させることができる。
【0025】
また、組立ロボットの可動範囲内を撮影するように監視カメラを設けることにより、組立ロボットにトラブルが発生した場合でもその状況を容易に把握できる。そして迅速にトラブルに対処することができる。
【0026】
また、組立ロボットが複数台設けられ、各組立ロボットの可動範囲の一部が互いに重複する重複範囲を有しており、組立作業台は少なくとも重複範囲に設置されることにより、複数の組立ロボットが互いに協働して組立作業を行うことができるようになる。そして、より複雑な組立体を組み立てることができるようになる。
【0027】
また、組立作業台が、重複範囲に設置される共用組立作業台と、各組立ロボットの可動範囲であって重複範囲以外の範囲に設置される専用組立作業台とを備えることにより、各組立ロボットは、独自の組立動作と、協働して行う組立動作との双方を行うことができ、効率的な組立作業が行える。
【0028】
また、第1の組立ロボットを天吊り状に支持する第1の支持部材と、第2の組立ロボットを天吊り状に支持する第2の支持部材とが対向して配置され、第1および第2の支持部材が、それぞれ、支持柱と、支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有しており、第1の支持部材における梁部材と、第2の支持部材における梁部材とが、棒状の連結部材によって連結されることにより、第1および第2の支持部材における梁部材をより安定した設置状態にできる。
【0029】
また、組立作業台が支持部材と接合する接合部を有し、その接合部に対して支持部材が接合することによって、組立ロボットの位置決めが行われるように構成されることにより、極めて簡単に組立ロボットの位置決めを行うことができ、組立装置の設置作業を効率化できる。
【0030】
また、その接合部が、平面視で、正方形の四隅に切り欠き部が形成された形状を有しており、その切り欠き部に対して支持部材の支持柱を収容することができるので、組立装置の設置スペースを小さくできる。
【0031】
また、組立作業台が矩形状に形成されるとともに、支持部材が支持柱とその支持柱から水平方向に延設される梁部材とを備えて形成され、平面視で、組立ロボットが組立作業台のほぼ中央に設置されるとともに、支持柱が組立作業台のコーナー部に設置されることにより、組立ロボットが旋回動作を行う時に、支持柱が障害になることはなく、組立ロボットがスムーズに旋回動作できる範囲を大きくすることができる。
【0032】
また、組立ロボットが、少なくとも4自由度を有することにより、部品供給ユニットから部品を取り出し、その部品を組立作業台上の任意の位置に載置することができる。特に、組立ロボットが、6自由度を有するロボットであることにより、横方向からの部品の組み付けが可能になり、複雑な組立体を製造するのに適した構成となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0034】
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図3はそれぞれ組立装置1の一例を示す斜視図であり、各図にはそれぞれ共通のXYZ三次元座標系を示している。なお、図1は部品供給ユニット41,42,43,44に部品トレイがセットされた状態(稼働状態)を示しており、図2は部品トレイを取り除いた状態を示している。また図3は、組立装置1を構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。
【0035】
各図に示されるように、この組立装置1は、組立ロボット11,12、部品供給ユニット41,42,43,44及び組立作業台31,32,33を備えて構成されている。図1乃至図3の構成例では、2台の組立ロボット11,12がそれぞれ支持部材21,22に対して天吊状に固定されており、組立ロボット11,12の下方に、組立作業台31,32,33が配置されている。また、組立作業台31,32に隣接して部品供給ユニット41,42,43,44が配置されている。
【0036】
支持部材21は、支持柱21aと、その支持柱21aから水平方向に延設される梁状部材21bと、支持柱21aの基端部を支持するベース部21cを備えており、梁状部材21bの内部側に組立ロボット11が固定され、組立ロボット11を天吊状に支持している。また、支持部材22も同様に構成されており、支持柱22aと梁状部材22bとベース部22cを備え、梁状部材22bの内部側に組立ロボット12が固定されて、組立ロボット12を天吊状に支持している。組立ロボット11,12はそれぞれ梁状部材21b,22bの下方空間をその可動範囲としている。
【0037】
組立ロボット11のアームが鉛直方向に伸びた状態で考えると、組立ロボット11は、鉛直軸まわりの3つの旋回自由度と、水平軸まわりの3つの回動自由度とがアーム結合された合計6自由度を有する天吊型ロボットであり、そのアーム先端部は各種組立作業に適した組立ツールを着脱可能なメカニカルハンドとして構成されている。
【0038】
他方の組立ロボット12は、鉛直軸まわりの3つの旋回自由度がアーム結合され、そのアーム先端部に鉛直軸方向に沿って移動する直進自由度を有する合計4自由度の天吊型ロボットである。この組立ロボット12のアーム先端部もまた、各種組立作業に適した組立ツールを着脱可能なメカニカルハンドとして構成されている。
【0039】
組立ロボット11,12の下方に配置される組立作業台31,32,33は、組立ロボット11,12の配列方向に沿って一列状に連結配置されている。組立作業台31は組立ロボット11の直下に配置され、組立作業台32は組立ロボット12の直下に配置される。これら組立作業台31,32は、平面視がほぼ正方形状の作業台として構成されている。そして組立作業台33は、組立作業台31と32との間に配置された、平面視が長方形状の作業台となっている。これらの組立作業台31,32,33の天板には、各ロボット11,12が組み付け作業を行う際に使用する、同種又は異種の複数の治具9や組立ツール等が配置される。よって、組立装置1においては、各組立ロボット11,12が、組立作業台31,32,33上に載置される様々な治具9や組立ツールを使用しながら、組立作業台31,32,33上で任意の組立体の組立動作を行うことになる。
【0040】
部品供給ユニット41,42,43,44は、組立体の様々な部品を収容する複数の部品トレイ8が多段積載される部品トレイ積載部40aと、部品トレイ積載部40aに多段積載される複数の部品トレイ8のうちからひとつの部品トレイ8を取り出して組立作業台31,32の端部上方位置に差し出すことで部品トレイ8を組立スペースに供給する供給部40bとを備えている。部品供給ユニット41,42は、組立ロボット11の直下に配置される組立作業台31に隣接して配置され、組立作業台31を挟んだ状態で互いに対向するように配置される。そして部品供給ユニット41,42は、組立ロボット11によって取り扱われる部品が収容された部品トレイ8を、組立ロボット11の可動範囲内に供給する。また、部品供給ユニット43,44は、組立ロボット12の直下に配置される組立作業台32に隣接して配置され、組立作業台32を挟んだ状態で互いに対向するように配置される。そして部品供給ユニット43,44は、組立ロボット12によって取り扱われる部品が収容された部品トレイ8を、組立ロボット12の可動範囲内に供給する。
【0041】
そして図3に示されるように、組立装置1は、組立ロボット11,12が支持部材21,22によってそれぞれ天吊状に支持されたロボットユニットと、組立作業台31,32,33と、部品供給ユニット41,42,43,44とがそれぞれ独立ユニットとして構成されており、組立装置1を実際に使用するときには、それら各ユニットが互いに組み合わせられ、上記のような配置関係に固定される。
【0042】
具体的な設置作業は、つぎのような手順で進められる。まず、はじめに組立作業台31,32,33が設置され、各作業台の上面が均一な水平面とみなせるように水平出し作業が行われる。そして組立作業台31,32,33の設置が終了すると、部品供給ユニット41,42,43,44が組立作業台31,32,33に隣接して設置される。そして最後に、ロボットユニットが組立作業台31,32に隣接して設置されることになる。
【0043】
各ユニットの下面には図示しない車輪が設けられ、比較的簡単に移動できるようになっていて、かつ設置時には車輪を固定することにより、若しくは他の固定脚によって固定することにより、各ユニットの位置を固定できるようになっている。特に、支持部材21のベース部21cは組立作業台31の下方空間に入り込み、組立ロボット11が組立作業台31の上方位置に固定される。また同様に、支持部材22のベース部22cは組立作業台32の下方空間に入り込み、組立ロボット12が組立作業台32の上方位置に固定される。
【0044】
このように組立ロボット11,12を天吊状に支持することにより、ロボットユニットを、組立装置1の設置作業の最終段階で、組立作業台31,32,33にドッキングできるようになり、組立装置1の設置作業の初期段階で組立ロボット11,12の存在が邪魔になることはなく、据え置き型ロボットの場合に比べて組立装置1の設置作業が著しく簡単になる。
【0045】
図4は、各ユニットが組み付けられた状態での組立装置1の平面図である。図4においては、XY平面での組立ロボット11の可動範囲をR1で示しており、組立ロボット12の可動範囲をR2で示している。
【0046】
組立装置1では、組立ロボット11の可動範囲R1が組立作業台31の上面のほぼ全体をカバーしており、部品供給ユニット41,42によって組立作業台31の端部上方に供給される部品トレイ8(図4においては波線で図示)に対して、組立ロボット11がアクセスできるようになっている。また、組立作業台31に設置される治具9は組立ロボット11に専用の治具となっている。それ故、組立作業台31は組立ロボット11の専用組立作業台となっている。
【0047】
また組立ロボット12の可動範囲R2は組立作業台32の上面のほぼ全体をカバーするように構成されている。そして組立ロボット12は、部品供給ユニット43,44によって組立作業台32の端部上方に供給される部品トレイ8(図4においては波線で図示)に対してアクセスすることができ、トレイ内の部品を取り出すことができるようになっている。そして組立作業台32に設置される治具9は組立ロボット12に専用の治具であり、組立作業台32は組立ロボット12の専用組立作業台となっている。
【0048】
組立装置1においては、組立ロボット11の可動範囲R1と、組立ロボット12の可動範囲R2とが互いに重複する重複範囲R3を有している。この重複範囲R3は、2台の組立ロボット11,12が協働して組み付け動作を行うことのできるスペースである。組立作業台33はこの重複範囲R3に配置されており、組立作業台33には組立ロボット11,12の双方がアクセスできるようになっている。それ故、組立作業台33に設置される治具9は、2台の組立ロボット11,12に共通の治具であり、組立作業台33は各組立ロボット11,12の共用組立作業台となっている。
【0049】
そして本実施形態においては、組立ロボット11,12が天吊状に支持されており、組立作業台31,32,33には治具9や組立ツール、若しくは組立体が置かれるだけである。言い換えれば、組立作業台31,32,33には、組立ロボット11,12と比較して極めて軽量のもの(治具や組立ツール、若しくは組立体)が載置されるだけであるので、天板の剛性を高める必要がなくなる。よって、組立作業台11,12のコスト低廉を実現できる。
【0050】
また、組立作業台31,32,33が従来の基台と同じサイズで形成されることを想定すると、本実施形態の組立作業台31,32,33にはロボットを設置する必要がないので、その上面を有効に活用することができ、従来よりも多くの治具9や組立ツール等を設置することができるようになる。したがって、従来よりもより多くの部品を取り扱うことができるようになり、組み立て可能な品目数を増加させることができる。また、治具9等の置き換え作業を頻繁に行う必要がなくなり、組立装置1の稼働効率を向上させることもできる。
【0051】
また、上述したように複数の組立作業台31,32,33が互いに隣接して設置されるときには、それぞれの天板が水平な同一面となるように水平出しが行われる。そうすることにより、各組立ロボット11,12が、専用組立作業台と共用組立作業台との双方を使用して組み付け動作を行う場合であっても、作業台ごとに座標系を変換する必要がなくなり、速やかに組立装置1の動作を開始させることができる。本実施形態では、組立作業台31,32,33に組立ロボット11,12が据え置き設置されていないことから、この水平出し作業が極めて簡単になっており、組立装置1の設置作業を効率的に行うことができるという利点がある。
【0052】
また、ロボットユニットが隣接設置される組立作業台31,32が、平面視でほぼ正方形の形状であるので、組立作業台31,32の4方向のうちの任意の方向からロボットユニットをドッキングでき、組立装置1の配置構成をフレキシブルに変更できるようになっている。
【0053】
次に、図5は6自由度を有する組立ロボット11の一構成例を示す側面図である。図5を参照しつつ、組立ロボット11に対して接続される電気ケーブルとロボットの旋回動作について説明する。
【0054】
図5に示すように、組立ロボット11は、梁状部材21bの内部に設けられた板状部材の下面に対して、固定部材11c、接続部材11bおよびロボット基端部11aがこの順で接続された構造を有しており、接続部材11bには組立ロボット11に対して電力供給や制御信号の供給を行うための電気ケーブル11dが接続されている。
【0055】
このような構成において、固定部材11cおよび接続部材11bが梁状部材21bに対して固定され、ロボット基端部11aのみが鉛直軸α1に対して旋回動作する場合を考える。接続部材11bに接続された電気ケーブル11dは接続部材11bの内部を通って、ロボット基端部11aの内部側へと接続されている。この内部配線されるケーブルは、一般的に長さにあまり余裕のない状態で収容されている。よって、ロボット基端部11aのみが鉛直軸α1を中心に旋回動作を行うと、接続部材11b内部に配線された電気ケーブルにねじれ等が生じ、所定量以上の旋回動作を行うと断線等の不具合が生じる可能性がある。そのため、ロボット基端部11aのみが鉛直軸α1を中心に旋回動作を行う場合、ロボット基端部11aから先端側のロボットアームは所定角度以上の旋回動作を行うことができなくなる。例えば、ロボット基端部11aの旋回角度が360°未満の範囲となっていれば、アーム先端部は組立作業台31の上面のほぼ全域にアクセスすることができなくなる。
【0056】
そこで、本実施形態においては、接続部材11bに接続される電気ケーブル11dが所定量以上の撓みを有するように設けられ、接続部材11bが固定部材11c(梁状部材21b)に対して旋回動作を行うように構成される。接続部材11bの固定部材11cに対する旋回動作は、鉛直軸α2を中心に行われる。このような構成とされることにより、ロボット基端部11aの旋回角度が制限されている場合であっても、接続部材11bを旋回させることにより、アーム先端部には360°以上の旋回動作を生じさせることができ、組立作業台31の上面のほぼ全域にアクセスできるようになる。したがって、電気ケーブル11dが、図5に示されるように、主たる旋回動作を行うロボット基端部11aよりも固定部側に設けられている場合には、電気ケーブル11dの接続された接続部材11bを副次的に旋回させることにより、ケーブルの断線を防止しつつ、アーム先端部のアクセス領域を広く確保できるようになる。
【0057】
なお、副次的に接続部材11bを旋回させるための駆動手段は、例えば接続部材11bの内部に設けられたモータ等によって行われるようにしてもよいし、梁状部材21bに取り付けられた外部モータによって組立ロボット11の全体を旋回させるものあっても構わない。また、6自由度を有する組立ロボット11に限られるものではなく、4自由度を有する組立ロボット12であっても同様である。また、副次的な旋回動作は、180°程度の旋回角度を有することが好ましい。
【0058】
以上のように本実施形態の組立装置1は、組立ロボット11,12が支持部材21,22によって天吊り状に支持されており、組立ロボット11,12の下方空間にはロボットアームのアクセスを妨げる障害物が何も存在しないことになる。それ故、組立ロボット11,12は天吊り状に支持された下方空間を組立動作のための作業空間として有効に利用できるようになり、組立ロボット11,12の可動範囲内に設けられる組立作業台31,32,33のほぼ全面を利用して組立作業を行うことができる。その結果、組立作業台31,32,33に設置できる治具9等の種類や数を増加させることができ、効率的に多種類の組立体の組み立てに適したものとなっている。
【0059】
また組立装置1では、部品供給ユニット41,42が互いに対向して配置されており、部品供給ユニット41,42のそれぞれが組立ロボット11の可動範囲内に部品供給を行うので、組立ロボット11の可動範囲内に供給される部品数や部品の種類を増加させている。同様に、部品供給ユニット43,44もまた互いに対向して配置されており、部品供給ユニット43,44のそれぞれが組立ロボット12の可動範囲内に部品供給を行うので、組立ロボット12の可動範囲内に供給される部品数や部品の種類を増加させている。したがって、これら部品供給ユニット41,42,43,44の配置により、組立装置1は多種類の組立体の組み立てにさらに適したものとなっている。
【0060】
また組立作業台31が部品供給ユニット41,42の間に配置され、組立作業台32が部品供給ユニット43,44の間に配置されることにより、各組立ロボット11,12が部品供給ユニット41,42,43,44から部品を受け取って組立作業台31,32上で組立作業を行う際のアームの移動量が最小限に抑えられる。したがって、組み立て作業が効率的に行われることになる。
【0061】
また本実施形態においては、組立ロボット11,12の可動範囲の一部が互いに重複する重複範囲R3を有しており、組立ロボット11,12に共用の組立作業台33はその重複範囲R3に設置されるので、2台の組立ロボット11,12が協働して組立体の組み立て作業を行うことができ、複雑な組立体であっても組み付けることができるようになる。
【0062】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。図6乃至図8は第2の実施の形態における組立装置1aの一構成例を示す図である。なお、各図において、第1の実施の形態と同様の構成部材に対しては同一符号を付している。
【0063】
本実施形態においては、各組立ロボット11,12を天吊り状に支持する梁状部材21b,22bに、各組立ロボット11,12の可動範囲内を撮影する監視カメラ51,52が設けられる。
【0064】
図7に示すように、監視カメラ51は、組立ロボット11を支持する梁状部材21bの先端部に取り付けられ、組立ロボット11が動作する下方空間を撮影するように構成される。なお、監視カメラ52も同様の取り付け態様であり、組立ロボット12を支持する梁状部材22bの先端部に取り付けられ、組立ロボット12が動作する下方空間を撮影するように構成される。
【0065】
図8は組立装置1aの平面図である。監視カメラ51は組立ロボット11の可動範囲R1をその撮影範囲に収め、監視カメラ52は組立ロボット12の可動範囲R2をその撮影範囲に収める。また監視カメラ51,52は、各組立ロボット11,12の可動範囲が重複する重複領域R3を、その撮影範囲に収めている。したがって、各監視カメラ51,52は組立ロボット11,12の動作状態を監視でき、組立ロボット11,12にトラブルが発生した場合でもその状況を容易に把握できるようになっている。特に監視カメラ51,52によって撮影される映像を記録するように構成しておけば、トラブル発生時点の映像を確認することができるので、迅速なメンテナンスが可能になる。
【0066】
なお、1台の監視カメラで、2台の組立ロボット11,12の可動範囲R1,R2を十分にカバーして撮影できる場合には、監視カメラ51,52のいずれか一方のみを設置すればよい。
【0067】
以上のように、本実施形態の組立装置1aは、組立ロボット11,12の可動範囲内を撮影する監視カメラ51,52を備えるので、トラブルが発生したときの原因を容易に把握でき、迅速にトラブルへの対処を行えるという点で、第1の実施の形態で示した組立装置1よりもさらに有益なものとなっている。
【0068】
<第3の実施の形態>
本実施形態においては、第1及び第2の実施の形態で説明した組立装置1,1aの、各ユニットの配置に関するいくつかのバリエーションについて説明する。なお、本実施形態においても、第1の実施の形態で説明した部材と同様の構成部材については同一符号を付している。
【0069】
図9および図10は、第1の実施の形態で説明した支持部材21,22のそれぞれに対し、6自由度を有する組立ロボット11が天吊り状に支持された組立装置1bを示す図であり、図9は各ユニットが組み付けられた状態を、図10は組立装置1bを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。これらの図に示されるように、このユニット配置形態では、2台の組立ロボットが共に6自由度を有するロボットとなっている。
【0070】
6自由度を有する組立ロボット11は横方向からの部品の組み付けを行うことができるので、複雑な組み付け作業に適したロボットである。したがって、この組立装置1bは、複雑な組立体を製造するのに適したユニット構成となっている。
【0071】
なお、4自由度を有する組立ロボットは上下方向の組み付け作業に適している。そのため、4自由度と6自由度とのいずれの組立ロボットを使用するかは、最終的な組立体を得るために必要な組み付け動作によって決定されるものである。それ故、組立ロボットの配置は必ずしも限定されるものではない。
【0072】
ただし、組立ロボットは、部品供給ユニット41,42,43,44から部品を取り出し、その部品を組立作業台31,32,33上の任意の位置に載置するという動作を最低限行わなければならないため、少なくとも4自由度の動作を行うことが好ましい。
【0073】
別のバリエーションについて説明する。図11および図12は各組立ロボット11,12に専用の組立作業台31,32が設けられず、共用の組立作業台33のみが設けられた組立装置1cを示す図であり、図11は各ユニットが組み付けられた状態を、図12は組立装置1cを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。
【0074】
例えば、各組立ロボット11,12が専用の治具9等を使用して独自の組み付け作業を行う必要がない場合には、図11および図12に示されるように専用組立作業台を設けずに、共用組立作業台33のみを設けるようにしてもよい。
【0075】
さらに別のバリエーションについて説明する。図13および図14は各組立ロボット11,12に部品を供給するための部品供給ユニットが1台ずつ設けられる場合の組立装置1dを示す図であり、図13は各ユニットが組み付けられた状態を、図14は組立装置1dを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。
【0076】
例えば、各組立ロボット11,12が使用する部品数が少ない場合には、上述したように部品供給ユニット41,42および43,44を対向して配置する必要がなく、それぞれのロボットに対して1台ずつの部品供給ユニット41,43を設けるようにすればよい。したがって、図13および図14に示される構成は、部品点数の少ない場合に適した構成となっている。
【0077】
なお、図13および図14の構成において専用組立作業台31,32を組立ロボット11,12に対応して配置するようにしてもよい。
【0078】
以上、第1及び第2の実施の形態に係る組立装置1,1aの、ユニット配置に関するいくつかのバリエーションを例示したが、本発明の配置態様は上述したものに限定されるものではない。各ユニットの配置態様は、組立体の部品数や組み付け作業の態様などに応じて適宜変更し得るものである。
【0079】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。図15乃至図17は第4の実施の形態における組立装置1eの一構成例を示す図である。なお、各図において、第1の実施の形態と同様の構成部材に対しては同一符号を付している。
【0080】
各図に示されるように、本実施の形態に係る組立装置1eでは、支持部材21,22の梁状部材21b,22bが平面視で略L字状に形成され、L字状梁状部材21b,22bの一端側に支持柱21a,22aが取り付けられ、他端側に組立ロボット11,12が天吊状に固定される。具体的には、梁状部材21bは、支持柱21aの上端に固定され、Y方向に延設される第1部材211と、第1部材211の先端側部に固定され、−X方向に延設される第2部材212と備え、第2部材212の先端部に対して組立ロボット11が天吊状に取り付けられるようになっている。同様に、梁状部材22bは、支持柱22aの上端に固定され、−Y方向に延設される第1部材221と、第1部材221の先端側部に固定され、X方向に延設される第2部材222と備え、第2部材222の先端部に対して組立ロボット12が天吊状に取り付けられるようになっている。
【0081】
支持部材21の第2部材212と支持部材22の第2部材222は、同一直線上に位置するように配置され、2つの梁状部材21bおよび22bが、棒状の連結部材23によって互いに連結固定されるように組み付けられる(図15参照)。これにより、梁状部材21b,22bがより安定するようになる。
【0082】
支持部材21,22を上記のように構成することにより、組立ロボット11,12を支持するための支持柱21a,22aを、組立作業台31,33のコーナー部分に配置することができるようになる。
【0083】
そして本実施形態において、組立作業台31,33は、平面視で、ほぼ正方形の形状のコーナー部分(四隅)が切除された形状を有し、その四隅の切り欠き部に対して支持柱21a,22aを収容できるようになっている。
【0084】
したがって、本実施形態においては、支持柱21a,22aが+X方向側若しくは−X方向側に突き出た状態になることを防止することができ、組立装置1eの設置スペースを小さくできる。
【0085】
また、組立作業台31,33の四隅の切り欠き部は、支持柱21a,22aを収容して支持柱21a,22aと接合することにより、支持部材21,22の位置決めを簡単に行うことができる位置決め機構としての機能も有している。
【0086】
また、支持部材21,22を上記のように構成することによって、図17に示すように、組立ロボット11,12の可動範囲R1,R2の外部に、支持柱21a,22aを配置できるようになり、組立ロボット11,12の旋回動作時に支持柱21a,22aが障害物となることを抑制でき、スムーズな旋回動作を実現できる。換言すると、支持部材21,22の梁状部材21b,22bを略L字状に形成することで、組立ロボット11,12の可動範囲R1,R2の半径を比較的大きくできるようになり、組立ロボット11,12がスムーズに旋回動作可能な可動範囲R1,R2を広くできる構成となっている。
【0087】
以上のように、本実施形態の組立装置1eでは、支持部材21の梁状部材21bと、支持部材22の梁状部材22bとが連結部材23によって連結されるので、組立ロボット11,12を支持する梁状部材21b,22bの安定性を向上できる。
【0088】
また、本実施形態では、組立作業台31,32が、平面視で、正方形の四隅に切り欠き部が形成された形状を有しており、その切り欠き部に対して支持部材21,22の支持柱21a,22aを収容可能なように構成されている。そのため、組立装置1eの設置スペースを小さくできるようになっている。
【0089】
さらに、本実施形態では、支持柱21a,22aによって支持される梁状部材21b,22bが平面視で略L字状に形成されており、支持柱21a,22aが平面視で組立作業台のコーナー部に配置されるので、組立ロボット11,12の旋回動作時に支持柱21a,22aが障害になることはなく、組立ロボット11,12がスムーズに旋回動作できる範囲を大きくできる構造となっている。この構造は、特に、組立作業台31,32の四隅に切り欠き部が設けられ、支持柱21a,22aがその切り欠き部に収容される構造と相俟って、設置スペースを小さくしつつも、組立ロボット11,12の可動範囲R1,R2を大きくできるという二重の作用効果を奏する構造となっている。
【0090】
<第5の実施の形態>
本実施形態においては、第4の実施の形態で説明した組立装置1eの、各ユニットの配置に関するいくつかのバリエーションについて説明する。なお、本実施形態においても、第1および第4の実施の形態で説明した部材と同様の構成部材については同一符号を付している。
【0091】
図18および図19は、第4の実施の形態で説明した支持部材21,22のそれぞれに対し、6自由度を有する組立ロボット11が天吊り状に支持された組立装置1fを示す図であり、図18は各ユニットが組み付けられた状態を、図19は組立装置1fを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。これらの図に示されるように、このユニット配置形態では、2台の組立ロボットが共に6自由度を有するロボットとなっている。
【0092】
6自由度を有する組立ロボット11は横方向からの部品の組み付けを行うことができるので、複雑な組み付け作業に適したロボットである。したがって、この組立装置1fは、複雑な組立体を製造するのに適したユニット構成となっている。
【0093】
なお、4自由度を有する組立ロボットは上下方向の組み付け作業に適している。そのため、4自由度と6自由度とのいずれの組立ロボットを使用するかは、最終的な組立体を得るために必要な組み付け動作によって決定されるものである。それ故、組立ロボットの配置は必ずしも限定されるものではない。
【0094】
ただし、組立ロボットは、部品供給ユニット41,42,43,44から部品を取り出し、その部品を組立作業台31,32,33上の任意の位置に載置するという動作を最低限行わなければならないため、少なくとも4自由度の動作を行うものであることが好ましい。
【0095】
別のバリエーションについて説明する。図20および図21は各組立ロボット11,12に専用の組立作業台31,32が設けられず、共用の組立作業台33のみが設けられた組立装置1gを示す図であり、図20は各ユニットが組み付けられた状態を、図21は組立装置1gを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。例えば、各組立ロボット11,12が専用の治具9等を使用して独自の組み付け作業を行う必要がない場合には、図20および図21に示されるように専用組立作業台を設けずに、共用組立作業台33のみを設けるようにしてもよい。
【0096】
さらに別のバリエーションについて説明する。図22および図23は各組立ロボット11,12に部品を供給するための部品供給ユニットが1台ずつ設けられる場合の組立装置1hを示す図であり、図22は各ユニットが組み付けられた状態を、図23は組立装置1hを構成する各ユニットを一体的に組み付ける前の状態(分解状態)を示している。
【0097】
例えば、各組立ロボット11,12が使用する部品数が少ない場合には、上述したように部品供給ユニット41,42および43,44を対向して配置する必要がなく、それぞれのロボットに対して1台ずつの部品供給ユニット41,43を設けるようにすればよい。したがって、図22および図23に示される構成は、部品点数の少ない場合に適した構成となっている。
【0098】
なお、図22および図23の構成において専用組立作業台31,32を組立ロボット11,12に対応して配置するようにしてもよい。
【0099】
以上、第4の実施の形態に係る組立装置1eの、ユニット配置に関するいくつかのバリエーションを例示したが、本発明の配置態様は上述したものに限定されるものではない。各ユニットの配置態様は、組立体の部品数や組み付け作業の態様などに応じて適宜変更し得るものである。また、第2の実施の形態で説明したように、監視カメラを設けて、組立ロボット11,12の動作空間を撮影するように構成することもできる。
【0100】
<第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施形態においては、支持部材21が、位置決め機構として機能する組立作業台31の四隅の切り欠き部のうちの隣接する2カ所の切り欠き部に対して接合することにより、組立ロボットの位置決めを高精度に行うことができる構成について説明する。
【0101】
図24及び図25は第6の実施の形態における組立装置1iの一構成例を示す図であり、図24は、ロボットユニットと組立作業台とを分離した状態を示しており、図25はロボットユニット及び組立作業台を組み付けた状態を示している。なお、各図において、第1の実施の形態と同様の構成部材に対しては同一符号を付している。
【0102】
本実施形態においては、支持部材21の支持柱21aが組立作業台31の幅とほぼ同程度の間隔で並設され、その並設された支持柱21aの上端に設けられる梁状部材21bによって組立ロボット11が天吊状に支持された構造となっている。そして、各支持柱21aの2カ所の所定高さ位置に、組立作業台31の位置決め機構31aと接合する位置決め部21dが水平方向に凸設されている。
【0103】
そして図25に示されるように、支持部材21を組立作業台31に向かって押し込むことによって、支持柱21aに形成された位置決め部21dが位置決め機構31aに入り込み、これらが互いに接合する状態で支持部材21が固定される。このとき、組立作業台31に対するロボットユニットの位置(より厳密には、組立ロボット11の位置)が所定の状態に位置決めされることになり、比較的簡単に組立ロボット11を設置できるようになる。
【0104】
したがって、本実施形態における組立装置1iは、組立作業台31が支持部材21と接合する接合部31aを有しており、その接合部31aに対して支持部材21が接合することにより、組立ロボット11の位置決めがなされる構造となっている。そのため、組立ロボット11の設置作業を簡単に行うことができるようになっている。
【0105】
また、支持部材21と組立作業台31との接合は、平面視によると組立作業台31の両端で行われるため、第4の実施の形態のような1カ所での位置決め方法と比較すると、より高い精度で組立ロボット11の位置決めを行うことができるようになる。
【0106】
また、本実施形態においても、組立ロボット11が平面視で組立作業台31のほぼ中央に設置されており、かつ、支持柱21aが平面視で組立作業台31のコーナー部に設置される。そのため、本実施形態の組立装置1iもまた、組立ロボットが旋回動作を行う時に、支持柱21aが障害になることはなく、組立ロボットがスムーズに旋回動作できる範囲を大きくすることができるように構成されている。
【0107】
<第7の実施の形態>
本実施形態においては、第6の実施の形態で示した位置決め機構を適用しつつ、第1若しくは第4の実施の形態などで説明したユニット配置を実現する形態について説明する。
【0108】
図26および図27は、第7の実施の形態における組立装置1jの一構成例を示す図であり、図26は各ユニットを分離した状態を示しており、図27は各ユニットを組み付けた状態を示している。なお、各図において、上述した実施の形態と同様の構成部材に対しては同一符号を付している。
【0109】
本実施形態においては、組立作業台31に隣接配置される支持部材21に対して位置決め部21dが形成されており、組立作業台31の四隅にはその位置決め部21dに接合する位置決め機構31aが形成されている。また、組立作業台32に隣接配置される支持部材22には位置決め部22dが形成されており、組立作業台32の四隅にはその位置決め部22dに接合する位置決め機構32aが形成されている。
【0110】
そして、各ユニットを組み付ける際には、位置決め部21d,22dが、対応する位置決め機構31a,32aに接合するようにして設置することにより、図27のような組立装置1jを簡単に組み上げることができるようになる。
【0111】
したがって、第6の実施の形態において説明した位置決め機構は、組立装置におけるユニット配置がどのような態様であっても期待した効果を発揮するものである。
【0112】
以上、本発明に関するいくつか実施の形態について説明したが、本発明は上述のものに限定されるものではなく、上述した構成の他に、種々の変形した構成を適宜採用し得るものであることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】部品トレイがセットされた組立装置の一例を示す斜視図である。
【図2】部品トレイを取り除いた状態の組立装置を示す図である。
【図3】組立装置を一体的に組み付ける前の状態を示す図である。
【図4】各ユニットが組み付けられた状態での組立装置の平面図である。
【図5】6自由度を有する組立ロボットの一構成例を示す側面図である。
【図6】監視カメラを備えた組立装置の一構成例を示す図である。
【図7】監視カメラを備えた組立装置の一構成例を示す図である。
【図8】監視カメラを備えた組立装置の一構成例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態のユニット配置のバリエーションを示す図である。
【図10】第1の実施の形態のユニット配置のバリエーションを示す図である。
【図11】第1の実施の形態のユニット配置の別のバリエーションを示す図である。
【図12】第1の実施の形態のユニット配置の別のバリエーションを示す図である。
【図13】第1の実施の形態のユニット配置のさらに別のバリエーションを示す図である。
【図14】第1の実施の形態のユニット配置のさらに別のバリエーションを示す図である。
【図15】第4の実施の形態の組立装置の一例を示す斜視図である。
【図16】第4の実施の形態の組立装置を一体的に組み付ける前の状態を示す図である。
【図17】第4の実施の形態の組立装置の概略平面図である。
【図18】第4の実施の形態のユニット配置のバリエーションを示す図である。
【図19】第4の実施の形態のユニット配置のバリエーションを示す図である。
【図20】第4の実施の形態のユニット配置の別のバリエーションを示す図である。
【図21】第4の実施の形態のユニット配置の別のバリエーションを示す図である。
【図22】第4の実施の形態のユニット配置のさらに別のバリエーションを示す図である。
【図23】第4の実施の形態のユニット配置のさらに別のバリエーションを示す図である。
【図24】第6の実施の形態における組立装置の一構成例を示す図である。
【図25】第6の実施の形態における組立装置の一構成例を示す図である。
【図26】第7の実施の形態における組立装置の一構成例を示す図である。
【図27】第7の実施の形態における組立装置の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0114】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j 組立装置
11,12 組立ロボット
21,22 支持部材
21a,22a 支持柱
21b,22b 梁状部材
21d,22d 位置決め部
31,32 組立作業台(専用組立作業台)
31a,32a 位置決め機構(接合部)
33 組立作業台(共用組立作業台)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の支持部材によって天吊り状に支持される組立ロボットと、
前記組立ロボットの可動範囲内に対して部品供給を行う部品供給ユニットと、
前記組立ロボットの可動範囲内に設けられる組立作業台と、
を備え、
前記組立ロボットは、前記部品供給ユニットから部品を取り出し、前記組立作業台上で組立動作を行うことを特徴とする組立装置。
【請求項2】
請求項1に記載の組立装置において、
前記組立ロボットは、前記組立作業台の上方に支持されることを特徴とする組立装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組立装置において、
前記部品供給ユニットは、第1の部品供給ユニットと第2の部品供給ユニットとを備え、前記第1および第2の部品供給ユニットは互いに対向して配置されることを特徴とする組立装置。
【請求項4】
請求項3に記載の組立装置において、
前記組立作業台は、前記第1および第2の部品供給ユニットの間に配置されることを特徴とする組立装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の組立装置において、
前記支持部材は、支持柱と、前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有し、
前記組立ロボットは前記梁部材と接続される接続部を備え、前記組立ロボットへの電力供給を行うケーブルが前記接続部に対して接続されており、前記組立ロボットは前記接続部に対して旋回可能であるとともに、前記接続部は前記梁部材に対して旋回可能であることを特徴とする組立装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立ロボットの可動範囲内を撮影するように設けられた監視カメラをさらに備えることを特徴とする組立装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立ロボットが複数台設けられ、各組立ロボットの可動範囲の一部が互いに重複する重複範囲を有しており、前記組立作業台は少なくとも前記重複範囲に設置されることを特徴とする組立装置。
【請求項8】
請求項7に記載の組立装置において、
前記組立作業台は、前記重複範囲に設置される共用組立作業台と、各組立ロボットの可動範囲であって前記重複範囲以外の範囲に設置される専用組立作業台とを備えることを特徴とする組立装置。
【請求項9】
請求項1ないし4のいずれかに記載の組立装置において、
第1の組立ロボットを天吊り状に支持する第1の支持部材と、第2の組立ロボットを天吊り状に支持する第2の支持部材とが対向して配置され、前記第1および第2の支持部材はそれぞれ、支持柱と、前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有しており、前記第1の支持部材における前記梁部材と、前記第2の支持部材における前記梁部材とが、棒状の連結部材によって連結されることを特徴とする組立装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立作業台は前記支持部材と接合する接合部を有し、前記接合部に対して前記支持部材が接合することにより、前記組立ロボットが位置決めされることを特徴とする組立装置。
【請求項11】
請求項10に記載の組立装置において、
前記接合部は、平面視で、正方形の四隅に切り欠き部が形成された形状を有し、前記切り欠き部に対して前記支持部材の支持柱を収容可能であることを特徴とする組立装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立作業台が矩形状に形成されるとともに、前記支持部材が支持柱と前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを備えて形成されており、
平面視で、前記組立ロボットが前記組立作業台のほぼ中央に設置されるとともに、前記支持柱が前記組立作業台のコーナー部に設置されることを特徴とする組立装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立ロボットは、少なくとも4自由度を有することを特徴とする組立装置。
【請求項14】
請求項13に記載の組立装置において、
前記組立ロボットは、6自由度を有することを特徴とする組立装置。
【請求項1】
所定の支持部材によって天吊り状に支持される組立ロボットと、
前記組立ロボットの可動範囲内に対して部品供給を行う部品供給ユニットと、
前記組立ロボットの可動範囲内に設けられる組立作業台と、
を備え、
前記組立ロボットは、前記部品供給ユニットから部品を取り出し、前記組立作業台上で組立動作を行うことを特徴とする組立装置。
【請求項2】
請求項1に記載の組立装置において、
前記組立ロボットは、前記組立作業台の上方に支持されることを特徴とする組立装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組立装置において、
前記部品供給ユニットは、第1の部品供給ユニットと第2の部品供給ユニットとを備え、前記第1および第2の部品供給ユニットは互いに対向して配置されることを特徴とする組立装置。
【請求項4】
請求項3に記載の組立装置において、
前記組立作業台は、前記第1および第2の部品供給ユニットの間に配置されることを特徴とする組立装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の組立装置において、
前記支持部材は、支持柱と、前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有し、
前記組立ロボットは前記梁部材と接続される接続部を備え、前記組立ロボットへの電力供給を行うケーブルが前記接続部に対して接続されており、前記組立ロボットは前記接続部に対して旋回可能であるとともに、前記接続部は前記梁部材に対して旋回可能であることを特徴とする組立装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立ロボットの可動範囲内を撮影するように設けられた監視カメラをさらに備えることを特徴とする組立装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立ロボットが複数台設けられ、各組立ロボットの可動範囲の一部が互いに重複する重複範囲を有しており、前記組立作業台は少なくとも前記重複範囲に設置されることを特徴とする組立装置。
【請求項8】
請求項7に記載の組立装置において、
前記組立作業台は、前記重複範囲に設置される共用組立作業台と、各組立ロボットの可動範囲であって前記重複範囲以外の範囲に設置される専用組立作業台とを備えることを特徴とする組立装置。
【請求項9】
請求項1ないし4のいずれかに記載の組立装置において、
第1の組立ロボットを天吊り状に支持する第1の支持部材と、第2の組立ロボットを天吊り状に支持する第2の支持部材とが対向して配置され、前記第1および第2の支持部材はそれぞれ、支持柱と、前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを有しており、前記第1の支持部材における前記梁部材と、前記第2の支持部材における前記梁部材とが、棒状の連結部材によって連結されることを特徴とする組立装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立作業台は前記支持部材と接合する接合部を有し、前記接合部に対して前記支持部材が接合することにより、前記組立ロボットが位置決めされることを特徴とする組立装置。
【請求項11】
請求項10に記載の組立装置において、
前記接合部は、平面視で、正方形の四隅に切り欠き部が形成された形状を有し、前記切り欠き部に対して前記支持部材の支持柱を収容可能であることを特徴とする組立装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立作業台が矩形状に形成されるとともに、前記支持部材が支持柱と前記支持柱から水平方向に延設される梁部材とを備えて形成されており、
平面視で、前記組立ロボットが前記組立作業台のほぼ中央に設置されるとともに、前記支持柱が前記組立作業台のコーナー部に設置されることを特徴とする組立装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の組立装置において、
前記組立ロボットは、少なくとも4自由度を有することを特徴とする組立装置。
【請求項14】
請求項13に記載の組立装置において、
前記組立ロボットは、6自由度を有することを特徴とする組立装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−43844(P2006−43844A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−231073(P2004−231073)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成16年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)/ロボットセルを用いた次世代生産システムの基盤技術研究開発」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成16年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)/ロボットセルを用いた次世代生産システムの基盤技術研究開発」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
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