説明

組織および脈管を識別するシステムおよび方法

【課題】組織パラメータを決定するためのシステムを提供すること。
【解決手段】上記システムは、プロービング信号を組織に適用する手段であって、上記プロービング信号は、上記組織と相互作用するように構成されている、手段と、2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって応答信号を監視する手段と、上記応答信号の振幅を決定する手段と、上記応答信号の上記振幅に基づいて、上記組織の血液循環のレベルを決定する手段と、上記血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定する手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、組織パラメータ(例えば、組織タイプ)を識別し、外科処置中に組織の状態を評価するインビボのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、組織における血液循環の相対的レベルを脈管密閉のためのエネルギーベースの外科用器具を用いて測定するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の背景)
現在、組織タイプを含む組織パラメータを正確に識別することは、任意の外科手術にとっても重要である。外科医が組織をカメラを通してのみ観察し得る腹腔鏡手術中には、特に重要である。しかし、カメラは外科医に、限定された組織の観察を提供し得る。結果として、組織を識別および評価するために、組織の異なる特徴を測定する複数のエクスビボおよびインビボの方法が提案されている。
【0003】
特許文献1は、人間の組織特性をインビボで測定する方法および装置を記載している。方法は、組織の機械的応答を感知することに基づく。方法は、所定の力を患者の表面にプローブを用いて適用することと、適用された力の関数としてプローブの変位を測定することとを含む。次いで、プローブの変位を測定した結果に基づき、組織特性が決定される。
【0004】
特許文献2は、生物学的組織の特徴を決定する方法および装置を記載している。組織特徴は、音波を組織内に導入することと、音波に対する組織の応答を記録することとによって決定される。
【0005】
特許文献3は、超音波測定値と光学的測定値との組み合わせを用いて腰部から組織を分類する方法を記載している。
【0006】
特許文献4において、組織診断および空間的組織マッピングを提供するために、組織を刺激し、組織応答を測定する小型電極アレイが用いられる。
【0007】
特許文献5は、生物学的組織の状態を決定する方法および装置を記載している。方法は、異なる周波数の電気信号を用いて組織を励起させることと、遅延励起信号との応答信号の相互相関を分析することとを含む。次いで、相互相関の結果が自己相関される。相互相関の結果は、組織状態に対応し、自己相関の結果は、組織状態における変化に対応する。
【0008】
特許文献6は、組織タイプを複数の測定技術を用いて認識する装置を開示している。例えば、電気信号が組織に電極を介して適用され、複数の周波数におけるインピーダンスの振幅および位相を測定する。複数の周波数における位相情報は、既知の組織タイプの位相情報と比較され、組織タイプを識別する。
【0009】
特許文献7は、腫瘍を限局性インピーダンス測定値を用いて検出および治療する方法を記載している。方法は、インピーダンス測定装置を提供することを含む。インピーダンス測定装置は、複数の弾性部材を有している。複数の弾性部材は、組織インピーダンスを複数の伝導性経路を通して組織をサンプリングするように配備可能である。次いで、インピーダンス測定値からの情報が組織の状態を決定するために用いられる。
【0010】
特許文献8は、組織をエクスビボで特徴付けるデバイスを記載している。デバイスは、独立した電極のセットを含む。独立した電極は、電圧勾配を組織表面にわたり動かすことと、画像にマッピングされ得るインピーダンススペクトルグラフを獲得することとによって組織をスキャンする。
【0011】
特許文献9は、光源エミッターおよび検出器を含む、組織を破壊せずに調べるツールを記載している。光源エミッターおよび検出器は、組織接触表面において外科用ツール上に直接搭載され得るか、または光ファイバーケーブルを用いて外科領域に遠隔で搭載および誘導され得る。
【0012】
特許文献10は、患者の組織の特性を示す信号を生成するセンサーを含む外科用器具を有しているシステムを記載している。信号は、電流データセットに変換され、格納される。プロセッサが電流データセットを他の以前に格納されたデータセットと比較し、比較を用いて組織の身体的状態を評価および/または組織に実行されている処置を誘導する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0200843号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0154145号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0124902号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0276286号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0283091号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0060696号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2002/0077627号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2009/0253193号明細書
【特許文献9】米国特許第5,769,791号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2009/0054908号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
既存の方法は、さまざまな測定値の組織パラメータを提供し得るが、これらの方法は、実装するのが難しい場合がある。なぜなら、それらは複雑であり、不正確な測定値を提供し得るからである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(要約)
本開示の実施形態に従うシステムおよび方法は、組織パラメータおよび状態に関する正確な情報を提供する。これらのシステムおよび方法はまた、追加の器具またはツールを患者の体内に導入することを必要とせず、腹腔鏡手順の間に、組織パラメータおよび状態を識別するための比較的に迅速かつ簡単な方法を提供する。
【0016】
一局面に従って、本開示は、組織パラメータを決定する方法を特徴とする。方法は、プロービング信号を組織に適用することと、2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって応答信号を監視することと、応答信号の振幅を決定することと、応答信号の振幅に基づいて、組織の血液循環のレベルを決定することと、血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定することとを含む。プロービング信号は、所定の方法で組織と相互作用するように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、組織パラメータは、組織タイプ、例えば、結合組織、筋肉組織、神経組織、または上皮組織である。他の実施形態において、組織タイプは、脈管、例えば、胆管、リンパ管、血管、動脈、細動脈、毛細血管、細静脈、または静脈を含む。なお他の実施形態において、組織パラメータは、組織状態であり、例えば、組織が損傷であるか否かである。
【0018】
いくつかの実施形態において、応答信号の振幅を決定することは、心臓収縮の周波数または心臓収縮の周波数の高調波において応答信号の振幅を決定することを含む。他の実施形態において、組織パラメータを識別する方法は、プロービング信号を組織の異なる部分に適用することと、組織の異なる部分の血液循環のレベルを決定するために、生じた応答信号の振幅を決定することと、組織の異なる部分の血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定することとを含み得る。
【0019】
プロービング信号は、音響信号、光学信号、またはRF信号であり得る。プロービング信号がRF信号である場合において、応答信号を監視することは、10kHzから10MHzまでの範囲内の周波数において応答信号を監視することを含む。いくつかの実施形態において、応答信号を監視することは、エネルギーベースの組織密閉器具を用いて応答信号を監視することを含む。他の実施形態において、応答信号の振幅を決定することは、応答信号の振幅および位相を決定することを含む。
【0020】
別の局面において、本開示は、組織パラメータを決定する別の方法を特徴とする。方法は、プロービング信号を組織に適用することと、2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって組織と相互作用されている応答信号を監視することと、心臓収縮に関連する心臓信号を監視することと、応答信号と心臓信号とを相関させることと、応答信号と心臓信号とを相関させた結果に基づいて、組織の血液循環のレベルを決定することと、組織の血液循環のレベルを決定した結果に基づいて、組織のパラメータを決定することとを含む。いくつかの実施形態において、組織のパラメータは、組織のタイプである。組織のタイプは、結合組織、筋肉組織、神経組織、または上皮組織であり得る。
【0021】
なお別の局面において、本開示は、組織パラメータを決定するためのシステムを特徴とする。システムは、プロービング信号を組織に適用するように構成されているプロービング信号供給源と、2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって応答信号を監視するように構成されている応答信号モニターと、組織の血液循環のレベルを決定するために、応答信号の振幅を分析するように構成されているプロセッサとを含む。プロセッサは、血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定するようにさらに構成されている。いくつかの実施形態において、システムは、電気外科手順の間に電気外科エネルギーを組織に適用するように構成されている電気外科エネルギー供給源をさらに含む。これらの実施形態において、プロービング信号供給源は、電気外科供給源と同一の供給源である。
【0022】
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
組織パラメータを決定するためのシステムであって、該システムは、
プロービング信号を組織に適用する手段であって、該プロービング信号は、該組織と相互作用するように構成されている、手段と、
2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって応答信号を監視する手段と、
該応答信号の振幅を決定する手段と、
該応答信号の該振幅に基づいて、該組織の血液循環のレベルを決定する手段と、
該血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定する手段と
を含む、システム。
(項目2)
組織パラメータを決定するためのシステムであって、該システムは、
プロービング信号を組織に適用する手段であって、該プロービング信号は、該組織と相互作用するように構成されている、手段と、
2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって該組織と相互作用されている応答信号を監視する手段と、
心臓収縮に関連する心臓信号を監視する手段と、
該応答信号と該心臓信号とを相関させる手段と、
該応答信号と該心臓信号とを相関させた結果に基づいて、該組織の血液循環のレベルを決定する手段と、
該組織の該血液循環のレベルを決定することの結果に基づいて、該組織のパラメータを決定する手段と
を含む、システム。
(項目3)
上記組織パラメータは、組織タイプである、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目4)
上記組織タイプは、結合組織、筋肉組織、神経組織、および上皮組織からなるグループから選択される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目5)
上記組織タイプは、脈管タイプを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目6)
上記脈管タイプは、胆管、リンパ管、および血管からなるグループかまたは、動脈、細動脈、毛細血管、細静脈、および静脈からなるグループから選択される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目7)
上記組織パラメータは、組織状態である、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目8)
上記組織状態は、上記組織が損傷であるか否かである、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
上記応答信号の上記振幅を決定する手段は、上記心臓収縮の周波数または該心臓収縮の該周波数の高調波において該応答信号の該振幅を決定する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目10)
上記プロービング信号を組織に適用する手段は、該プロービング信号を該組織の異なる部分に適用する手段を含み、上記応答信号の上記振幅を決定する手段は、該組織の各異なる部分の上記血液循環のレベルを決定するために、各応答信号の該振幅を決定する手段を含み、上記組織パラメータを決定する手段は、該組織の各異なる部分の該血液循環のレベルに基づいて、該組織パラメータを決定する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目11)
上記プロービング信号は、音響信号、光学信号、およびRF信号からなるグループから選択される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目12)
上記応答信号を監視する手段は、エネルギーベースの組織密閉器具を用いて該応答信号を監視する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
上記応答信号の上記振幅を決定する手段は、該応答信号の該振幅および位相を決定する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目14)
組織パラメータを決定するためのシステムであって、該システムは、
プロービング信号を組織に適用するように構成されているプロービング信号供給源と、
2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって応答信号を監視するように構成されている応答信号モニターと、
該組織の血液循環のレベルを決定するために、該応答信号の振幅を分析するように構成されているプロセッサと
を含み、該プロセッサは、該血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定するようにさらに構成されている、システム。
(項目15)
電気外科手順の間に電気外科エネルギーを組織に適用するように構成されている電気外科エネルギー供給源をさらに含み、上記プロービング信号供給源は、該電気外科供給源と同一の供給源である、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目1a)
組織パラメータを決定する方法であって、該方法は、
プロービング信号を組織に適用することであって、該プロービング信号は、該組織と相互作用するように構成されている、ことと、
2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって応答信号を監視することと、
該応答信号の振幅を決定することと、
該応答信号の該振幅に基づいて、該組織の血液循環のレベルを決定することと、
該血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定することと
を含む、方法。
(項目2a)
上記組織パラメータは、組織タイプである、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目3a)
上記組織タイプは、結合組織、筋肉組織、神経組織、および上皮組織からなるグループから選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4a)
上記組織タイプは、脈管タイプを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5a)
上記脈管タイプは、胆管、リンパ管、および血管からなるグループから選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6a)
上記脈管タイプは、動脈、細動脈、毛細血管、細静脈、および静脈からなるグループから選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7a)
上記組織パラメータは、組織状態である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8a)
上記組織状態は、上記組織が損傷であるか否かである、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9a)
上記応答信号の上記振幅を決定することは、上記心臓収縮の周波数または該心臓収縮の該周波数の高調波において該応答信号の該振幅を決定することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10a)
上記プロービング信号を組織に適用することは、該プロービング信号を該組織の異なる部分に適用することを含み、上記応答信号の上記振幅を決定することは、該組織の各異なる部分の上記血液循環のレベルを決定するために、各応答信号の該振幅を決定することを含み、上記組織パラメータを決定することは、該組織の各異なる部分の該血液循環のレベルに基づいて、該組織パラメータを決定することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11a)
上記プロービング信号は、音響信号、光学信号、およびRF信号からなるグループから選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12a)
上記プロービング信号は、RF信号であり、上記応答信号を監視することは、10kHzから10MHzまでの範囲内の周波数において該応答信号を監視することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13a)
上記応答信号を監視することは、エネルギーベースの組織密閉器具を用いて該応答信号を監視することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14a)
上記応答信号の上記振幅を決定することは、該応答信号の該振幅および位相を決定することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15a)
組織パラメータを決定する方法であって、該方法は、
プロービング信号を組織に適用することであって、該プロービング信号は、該組織と相互作用するように構成されている、ことと、
2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって該組織と相互作用されている応答信号を監視することと、
心臓収縮に関連する心臓信号を監視することと、
該応答信号と該心臓信号とを相関させることと、
該応答信号と該心臓信号とを相関させた結果に基づいて、該組織の血液循環のレベルを決定することと、
該組織の該血液循環のレベルを決定することの結果に基づいて、該組織のパラメータを決定することと
を含む、方法。
(項目16a)
上記組織の上記パラメータは、該組織のタイプである、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17a)
上記組織の上記タイプは、結合組織、筋肉組織、神経組織、および上皮組織からなるグループから選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18a)
組織パラメータを決定するためのシステムであって、該システムは、
プロービング信号を組織に適用するように構成されているプロービング信号供給源と、
2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって応答信号を監視するように構成されている応答信号モニターと、
該組織の血液循環のレベルを決定するために、該応答信号の振幅を分析するように構成されているプロセッサと
を含み、該プロセッサは、該血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定するようにさらに構成されている、システム。
(項目19a)
電気外科手順の間に電気外科エネルギーを組織に適用するように構成されている電気外科エネルギー供給源をさらに含み、上記プロービング信号供給源は、該電気外科供給源と同一の供給源である、上記項目のいずれかに記載のシステム。
【0023】
(摘要)
組織または脈管を識別し、かつそれらの状態を評価するための外科用システムおよび対応する方法は、プロービング信号を組織に適用するためのプロービング信号供給源と、組織または脈管の血液循環のレベルに従って変動する応答信号を監視するための応答信号モニターとを含む。応答信号モニターは、2つの連続の心臓収縮の間の間隔と等しい間隔、またはより長い間隔にわたって応答信号を監視する。外科用システムは、組織または組織の異なる部分の血液循環のレベルを決定するために、応答信号の振幅および/または位相を分析し、そして血液循環のレベルに基づいて組織パラメータを決定するマイクロプロセッサを含む。外科用システムは、心臓収縮に関連する心臓信号を監視し得、組織の血液循環のレベルを決定するために、応答信号と心臓信号とを相関させ得る。
【0024】
組織および脈管のインビボ評価のシステムおよび方法は、ここで添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従う、血液循環に基づいて組織および脈管を認識するためのシステムのブロックダイヤグラムである。
【図2A】図2Aは、本開示の実施形態に従う、組織および脈管を把持するためのジョー部材を有する図1の器具の一部分の断面側面図である。
【図2B】図2Bは、本開示の実施形態に従う、組織および脈管を把持するためのジョー部材を有する図1の器具の一部分の断面側面図である。
【図3】図3は、本開示の実施形態に従う、血液循環によって誘起され、かつRFベースの組織密閉デバイスを用いて測定されたインピーダンス変動を示すグラフィックダイヤグラムである。
【図4】図4は、図3に例示されたインピーダンス変動の周波数スペクトル示すグラフィックダイヤグラムである。
【図5】図5は、本開示の実施形態に従って組織および脈管のパラメータを認識するための方法のフローダイヤグラムである。
【図6】図6は、本開示の実施形態に従って組織および脈管のパラメータを認識するための方法のフローダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(詳細な説明)
異なるタイプの人間および動物の組織は、異なる血管の密度(つまり、組織の単位面積または体積あたりの血管の数)を有し、異なるレベルの血液循環(つまり、組織の単位体積あたりの血流の量)を受ける。これらのパラメータは、異なるタイプの組織を外科処置中に識別するために用いられ得る。例えば、組織構造が組織への損傷の結果として変化した場合、血液循環も通常は変化する。この現象は、対応するレベルの血液循環を比較することによって、損傷した組織の部分と通常の組織の部分との区別を可能にする。別の例として、腫瘍が通常の組織において形成され、成長した場合、組織の血管の密度が増える。なぜなら、これらの腫瘍は、その成長のために新たな血管の形成に依存しているからである。したがって、組織の血管の密度または血液循環のレベルを測定することによって、腫瘍と通常の組織との区別が可能である。
【0027】
電気外科処置のような一部の外科処置として、外科医は、血管と他のタイプの脈管(例えば、胆管(bile duct))とを区別する必要があり得る。血管に対して、外科医は、血餅または血管における他の構造変化を検査する必要があり得る。脈管密閉処置として、外科医は、脈管が切断される前に適切に密閉されていることを確認する必要があり得る。これらの処置の全てにおいて、組織または脈管が調査され得ることによって、血液循環状態を評価する。血液循環状態に関する情報は、外科医に組織または脈管のタイプならびに/もしくは組織または脈管の状態に関して通知し得る。
【0028】
図1は、本開示の実施形態に従い、組織または脈管における血液循環に基づいて組織または脈管を認識するエネルギーベースの組織密閉システム100のブロック図である。システム100(および下に記載される方法)は、機械エネルギー、音響エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギーまたは電磁エネルギー(例えば、光エネルギーまたは無線周波数(RF)エネルギー)を含む任意のタイプのエネルギーを用い得ることによって、組織を密閉する。
【0029】
システム100は、電力供給部122、エネルギー出力ステージ124および器具126を含む。電力供給部122は、電力をエネルギー出力ステージ124に供給する。エネルギー出力ステージ124は、エネルギーを生成し、エネルギーを器具126に提供する。同様に、器具126は生成されたエネルギーを組織101に適用する。組織101は、少なくとも1つの脈管102を含む。RFベースの組織密閉システムに対して、エネルギー出力ステージ124はRFエネルギーを生成し、器具126がRFエネルギーを組織101に少なくとも1つの接触を通して適用することによって、組織101を密閉する。
【0030】
システム100は、センサー112、マイクロプロセッサ114、ユーザーインターフェース116およびディスプレイ118も含む。センサー112は、動作部位における組織101のさまざまなパラメータおよび/または特性を感知し、組織101の感知されたパラメータまたは特性を表すセンサー信号をマイクロプロセッサ114に送信する。マイクロプロセッサ114は、センサー信号を処理し、制御信号を処理されたセンサー信号に基づき生成し、電力供給部122および/またはエネルギー出力ステージ124を制御する。例えば、マイクロプロセッサ114は、電力供給部122またはエネルギー出力ステージ124から出力された電圧または電流を処理されたセンサー信号に基づき規制し得る。
【0031】
センサー112は、組織インピーダンス、組織インピーダンスの変化、組織温度、組織温度の変化、漏れ電流、印加された電圧および印加された電流のような、動作部位におけるさまざまな電気状態または電気機械状態を測定するように構成されている。センサー112は、これらの状態のうちの1つ以上を連続的に測定し、その結果、マイクロプロセッサ114が密閉処置中に、電力供給部122および/またはエネルギー出力ステージ124から出力されたエネルギーを絶えず調節し得る。例えば、RFベースの脈管密閉器具において、センサー112は、組織インピーダンスを測定し得る。マイクロプロセッサ114は、エネルギー出力ステージ124によって生成された電圧を調節し得る。
【0032】
ユーザーインターフェース116は、マイクロプロセッサ114に結合され、ユーザーが外科処置中に、組織101に適用されたさまざまなパラメータのエネルギーを制御することを可能にする。例えば、ユーザーインターフェース116は、電圧、電流、電力、周波数および/またはパルスパラメータ(例えば、パルス幅、デューティーサイクル、波高率および/または反復率)のような組織に搬送された1つ以上のパラメータのエネルギーをユーザーが手動で設定、規制および/または制御することを可能にし得る。
【0033】
マイクロプロセッサ114は、ユーザーインターフェース116から受信されたデータを処理し、制御信号を電力供給部122および/またはエネルギー出力ステージ124に出力するソフトウェア指令を実行し得る。ソフトウェア指令は、マイクロプロセッサ114の内蔵メモリ、マイクロプロセッサ114によってアクセス可能な内蔵または外付けメモリバンクおよび/または外付けメモリ(例えば、外付けハードドライブ、フロッピー(登録商標)ディスケットまたはCD−ROM)に格納される。マイクロプロセッサ114によって生成された制御信号は、電力供給部122および/またはエネルギー出力ステージ124に適用される前に、デジタル−アナログ変換器(DAC)(示されていない)によってアナログ信号に変換され得る。
【0034】
RFベースの組織密閉システムのいくつかの実施形態の場合、電力供給部122は、RF電流を発生させる高圧DC電力供給部である。これらの実施形態において、マイクロプロセッサ114は、制御信号を電力供給部に送信することによって、電力供給部122から出力されたRF電圧および電流の振幅を制御する。エネルギー出力ステージ124は、RF電流を受け取り、RFエネルギーの1つ以上のパルスを生成する。マイクロプロセッサ114は、制御信号を生成することによって、パルス幅、デューティーサイクル、波高率および反復率のようなRFエネルギーのパルスパラメータを規制する。他の実施形態において、電力供給部122は、AC電力供給部であり、エネルギー出力ステージ124は、所望の波形を獲得するために電力供給部122によって生成されたAC信号の波形を変え得る。
【0035】
上に記載されたように、エネルギーベースの組織密閉システム100は、ユーザーインターフェース116を含む。ユーザーインターフェース116は、キーボードまたはタッチスクリーンのような入力デバイスを含む。入力デバイスを通して、ユーザーはデータおよび命令を入力する。データは、器具のタイプ、処置のタイプおよび/または組織のタイプを含み得る。命令は、目標実効電圧、電流または電力レベルまたは、他の命令を含み得る。他の命令は、エネルギー出力ステージ124から器具126に搬送されたエネルギーのパラメータを制御する。
【0036】
システム100は、プロービング信号供給源108および応答信号モニター105も含む。プロービング信号供給源108は、プロービング信号109を組織101に適用する。応答信号モニター105は、応答信号104を感知する。応答信号104は、組織101および脈管102によって送信および/または散乱されたプロービング信号109である。プロービング信号109および応答信号104は、音響信号、光信号、RF信号またはこれらの信号の任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、プロービング信号供給源108は、エネルギー出力ステージ124である。エネルギー出力ステージ124は、組織101に適用された電気外科エネルギーと同じプロービング信号109を生成し得ることによって、電気外科処置(例えば、脈管密閉)を実行する。あるいは、エネルギー出力ステージ124は、組織101に適用された電気外科エネルギーのパラメータとは異なるパラメータを有しているプロービング信号109を生成し得る。
【0037】
応答信号モニター105は、センサー信号またはセンサーデータを応答信号104に基づき生成し、センサー信号またはセンサーデータをマイクロプロセッサ114に送信する。マイクロプロセッサ114は、センサー信号またはセンサーデータを処理し、組織101または脈管102における血液循環のレベルを決定する。例えば、マイクロプロセッサ114は、血液循環のレベルをセンサー信号または応答信号104の振幅に基づき決定し得る。
【0038】
応答信号104は、組織タイプに関する情報を提供し得る。例えば、応答信号104は、組織を結合組織、筋肉組織、神経組織、上皮組織またはこれらの組織タイプの任意の組み合わせとして識別し得る。応答信号104は、組織101内の脈管タイプも識別し得る。脈管タイプは、胆管、リンパ管および血管を含む。応答信号104は、組織の所与の部分に存在する血管のタイプを区別し得る。血管のタイプは、動脈、細動脈、毛細管、細静脈および静脈を含む。応答信号104は、組織が損傷しているか否かのような組織の状態を識別するためにも用いられ得る。
【0039】
システム100は、血液循環のレベルを組織パラメータまたは特性を感知することによって決定し得る。組織パラメータまたは特性は、1つの心臓周期を超える期間中に血液循環に依存する。いくつかの実施形態において、システム100は、複数の心臓周期に対する組織パラメータまたは特性をサンプリングし得ることによって血液循環のレベルをより正確に決定する。他の実施形態において、心臓収縮に関連する心臓信号(例えば、心電図信号)がセンサー信号のパラメータと心臓信号との相関を推定するために用いられ得ることによって、血液循環のレベルをより正確に評価する。
【0040】
図2Aおよび図2Bは、ジョー部材203、204を有している図1のエネルギーベースの器具126の実施形態の一部を示す。ジョー部材203、204は、組織101および脈管102を把持および圧縮するように構成されている。ジョー部材203、204は、電極または接触205、206を含む。電極または接触205、206は、エネルギー出力ステージ124に電気的に結合されている。電極205、206は、エネルギーをエネルギー出力ステージ124から受け取り、エネルギーを組織101および脈管102に適用することによって組織101および脈管102を密閉する。
【0041】
上に記載されるように、エネルギーベースの器具126も組織101の所与の体積における血液循環を推定するように構成されている。血液循環を推定するために、組織101の所与の体積は、まず、エネルギーベースの器具126のジョー部材203、204の間に把持される。ジョー部材203、204によって組織101に適用される圧力は、電気接触を電極205、206と組織101との間に提供するように選択される。しかし、組織101に適用された圧力の量は、組織101を組織密閉中に圧縮するために用いられた圧力の量より低くあり得る。次いで、プロービング信号109(例えば、RF信号)が組織101に電極205、206によって適用される。応答信号104(例えば、組織インピーダンス)は、1つ以上の心臓周期中に測定される。
【0042】
心臓周期中に、血管102を流れる血液の圧力が変わる。結果として、組織101の所与の体積における相対的な血液の量も変わる。例えば、図2Aにおいて示されるように、心臓周期の第一の部分中に、血管102内を流れる血液の圧力は低いレベルにあり、組織101の所与の体積内の血液の体積は低いレベルにある。一方で、図1Bにおいて示されるように、心臓周期の第二の部分中に、血管102内を流れる血液の圧力は高いレベルにあり、組織101の所与の体積内の血液の体積は、高いレベルにある。組織101の所与の体積内の血液の体積は、組織101のインピーダンスを測定することによって測定され得る。インピーダンスは、プロービング信号109を組織101に適用することと、応答信号104を感知することとによって測定され得る。
【0043】
心臓周期中、組織の所与の体積における血液の体積は減るので、力がジョー部材203、204に適用されることによってジョー部材203、204の間の距離を増やす。いくつかの実施形態において、システム100は、運動センサーを含む。運動センサーは、ジョー部材203、204の間の距離における変化を感知するように構成されている。この距離情報は、組織101の所与の体積内の血液循環のレベルを推定するために応答信号104と一緒に用いられ得る。
【0044】
上に記載したように、プロービング信号109が脈管に適用される。応答信号104は、時間にわたり測定されることによって、組織101および/または脈管102を識別または組織101および/または脈管102のパラメータを決定する。応答信号104は、組織101の電気インピーダンスの周波数および振幅を含み得る。電気インピーダンスの周波数が心臓収縮の周波数に相関する場合、脈管102は、血管として識別される。脈管が血管として識別された場合、電気インピーダンスの振幅は血液循環のレベルを示し得る。
【0045】
図3は、組織302の実験的に測定されたインピーダンス対時間を示すグラフである。グラフは、組織インピーダンスをオームで示すy軸311と、時間を秒で示すx軸312とを有している。図3において示されるように、測定されたインピーダンス302は、心臓周期に従い絶えず変わる。心臓周期は、測定されたインピーダンス302の最大値の間の距離である。この場合、測定されたインピーダンス302は、約0.1オームの最高最近振幅および約0.8秒の周期(period)(毎分75回の心拍数に対応する)を有している。測定されたインピーダンス302は、心臓周期に従い変わる。なぜなら、組織101の所与の体積内の血液の体積は、心臓周期に従い変わるからである。換言すると、測定されたインピーダンス302は、組織101の所与の体積内の血液の体積に相関する。器具の設計に依存して、血圧の増加が把持された組織を拡張し得、結果としてジョー部材の間の組織体積が変化することもあり得る。この効果も測定されたインピーダンスにおける変動に貢献し得る。
【0046】
図4は、図3に対応する組織の実験的に測定されたインピーダンス変動の周波数スペクトルを示すグラフである。グラフは、組織の実験的に測定されたインピーダンス変動のスペクトルパワー密度を示すy軸411と、ヘルツで周波数を示すx軸412とを有する。グラフは、心臓収縮の基本周波数402との高調波403、404とに関連する変調変動を示す。この場合において、心臓収縮の基本周波数402は、約1.25Hz、図3の約0.8秒の心臓周期に対応する。測定されたインピーダンスはまた、呼吸401に関連する変動と、心臓収縮のための変動と呼吸のための変動との間の内部変調の積とを含む。
【0047】
図5は、本開示の実施形態に従って、組織および脈管のパラメータを識別するための処理のフローダイヤグラムである。処理がステップ501において開始した後に、プロービング信号109は、ステップ502において組織に適用される。プロービング信号109は、応答信号104を生成するために、組織と相互作用する。ステップ504において、応答信号104は、2つの連続の心臓収縮の間の間隔と等しい間隔、またはより長い間隔にわたって監視される。応答信号は、例えば、エネルギーベースの組織密閉器具を用いて、10kHzと10MHzとの間の範囲内の周波数において監視され得る。
【0048】
次に、ステップ506において、応答信号104の振幅が決定される。応答信号104の振幅は、心臓収縮の周波数、または心臓収縮の周波数の高調波において決定され得る。次に、ステップ508において、組織の血液循環のレベルは、応答信号104の振幅に基づいて決定される。他の実施形態において、応答信号104の振幅および位相は、組織の血液循環のレベルを決定するために分析される。最後に、処理がステップ511において終了する前に、ステップ510において、組織パラメータは、血液循環のレベルに基づいて決定される。
【0049】
いくつかの実施形態において、図1のプロービング信号供給源108は、組織の異なる部分にプロービング信号を適用する。次に、応答信号モニター105は、応答信号のパラメータを監視し、マイクロプロセッサ114は、応答信号に基づいて、組織の異なる部分の血液循環のレベルを決定する。マイクロプロセッサ114はまた、組織の異なる部分の血液循環のレベルに基づいて、組織のパラメータを決定し得る。
【0050】
図6は、本開示の他の実施形態に従って、組織および脈管のパラメータを識別するための処理のフローダイヤグラムである。図5におけるように、処理がステップ601において開始した後に、プロービング信号109は、ステップ602において組織に適用される。プロービング信号109は、応答信号104を生成するために、組織と相互作用する。ステップ604において、応答信号104は、2つの連続の心臓収縮の間の間隔と等しい間隔、またはより長い間隔にわたって監視される。加えて、心臓収縮に関連する心臓信号が、ステップ606において監視される。ステップ608において、応答信号104と心臓信号とが相関される。次に、ステップ610において、組織の血液循環のレベルは、応答信号104と心臓信号とを相関させた結果に基づいて決定される。最後に、処理がステップ613において終了する前に、ステップ612において、組織パラメータは、組織の血液循環のレベルを決定した結果に基づいて決定される。前述のように、組織パラメータは、組織タイプ、例えば、結合組織、筋肉組織、神経組織、または上皮組織を含み得る。
【0051】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して本明細書において説明されているが、本開示は、それらの明確な実施形態に限定されないことと、さまざまな他の変化および変更は、本開示の範囲または精神から逸脱することなしに、当業者によって例示的な実施形態においてもたらされ得ることとが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0052】
100 システム
101 組織
102 脈管
104 応答信号
105 応答信号モニター
108 プロービング信号供給源
109 プロービング信号
112 センサー
114 マイクロプロセッサ
116 ユーザーインターフェース
118 ディスプレイ
122 電力供給部
124 エネルギー出力ステージ
126 器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織パラメータを決定するためのシステムであって、該システムは、
プロービング信号を組織に適用する手段であって、該プロービング信号は、該組織と相互作用するように構成されている、手段と、
2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって応答信号を監視する手段と、
該応答信号の振幅を決定する手段と、
該応答信号の該振幅に基づいて、該組織の血液循環のレベルを決定する手段と、
該血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定する手段と
を含む、システム。
【請求項2】
組織パラメータを決定するためのシステムであって、該システムは、
プロービング信号を組織に適用する手段であって、該プロービング信号は、該組織と相互作用するように構成されている、手段と、
2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって該組織と相互作用されている応答信号を監視する手段と、
心臓収縮に関連する心臓信号を監視する手段と、
該応答信号と該心臓信号とを相関させる手段と、
該応答信号と該心臓信号とを相関させた結果に基づいて、該組織の血液循環のレベルを決定する手段と、
該組織の該血液循環のレベルを決定することの結果に基づいて、該組織のパラメータを決定する手段と
を含む、システム。
【請求項3】
前記組織パラメータは、組織タイプである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記組織タイプは、結合組織、筋肉組織、神経組織、および上皮組織からなるグループから選択される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記組織タイプは、脈管タイプを含む、請求項1に従属する請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記脈管タイプは、胆管、リンパ管、および血管からなるグループかまたは、動脈、細動脈、毛細血管、細静脈、および静脈からなるグループから選択される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記組織パラメータは、組織状態である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記組織状態は、前記組織が損傷であるか否かである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記応答信号の前記振幅を決定する手段は、前記心臓収縮の周波数または該心臓収縮の該周波数の高調波において該応答信号の該振幅を決定する手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロービング信号を組織に適用する手段は、該プロービング信号を該組織の異なる部分に適用する手段を含み、前記応答信号の前記振幅を決定する手段は、該組織の各異なる部分の前記血液循環のレベルを決定するために、各応答信号の該振幅を決定する手段を含み、前記組織パラメータを決定する手段は、該組織の各異なる部分の該血液循環のレベルに基づいて、該組織パラメータを決定する手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロービング信号は、音響信号、光学信号、およびRF信号からなるグループから選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記応答信号を監視する手段は、エネルギーベースの組織密閉器具を用いて該応答信号を監視する手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記応答信号の前記振幅を決定する手段は、該応答信号の該振幅および位相を決定する手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
組織パラメータを決定するためのシステムであって、該システムは、
プロービング信号を組織に適用するように構成されているプロービング信号供給源と、
2つの連続の心臓収縮の間の間隔より長い間隔にわたって応答信号を監視するように構成されている応答信号モニターと、
該組織の血液循環のレベルを決定するために、該応答信号の振幅を分析するように構成されているプロセッサと
を含み、該プロセッサは、該血液循環のレベルに基づいて、組織パラメータを決定するようにさらに構成されている、システム。
【請求項15】
電気外科手順の間に電気外科エネルギーを組織に適用するように構成されている電気外科エネルギー供給源をさらに含み、前記プロービング信号供給源は、該電気外科供給源と同一の供給源である、請求項14に記載のシステム。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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