説明

組織アレイの作製方法

【課題】さまざまな径のロール状の組織片であっても、基体ブロックに確実に固定させることができる、組織アレイの作製方法を提供する。
【解決手段】シート状組織片8がロール状に巻回されて形成されたロール状組織片6が、基板上にアレイ状に配列されてなる組織アレイを作製する作製方法において、溶融した包埋剤を流し込んで貯留させる容器10内に、複数のロール状組織片6の軸線方向が鉛直方向を向くように保持する保持部材16を配置して、保持部材16に各ロール状組織片6を保持させ、容器10内に包埋剤を流し込んで複数のロール状組織片6がアレイ状に配列されてなる基体ブロック40を形成し、ロール状組織片6が輪切り状となるように基体ブロック40をスライスし、スライス片を基板上に設置することにより、組織アレイを作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に組織片がアレイ状に配列されてなる組織アレイを作製する方法であって、詳細には、組織片がロール状に巻回されてなるロール状の組織片を用いて組織アレイを作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織の検査や解析には、基板上に複数の組織片を配列して構成した組織アレイが用いられる。組織アレイは、被検物質を特異的に染色する染色液を塗布等することにより、病変組織の有無の検査、遺伝子やタンパク質の解析、スクリーニングなどに用いられる。
【0003】
組織アレイを構成する組織片の形成については、パラフィンなどの包埋剤で包埋された組織ブロックにパンチングして組織ブロックを円形にくりぬいてコアを採取することが一般的に行われていた。
しかしながら、このような組織片の形成方法によれば、コア採取後にスライスしたときに、組織ブロック中の病変組織において特に関心が高い関心部位が欠損してしまう可能性があるという問題があった。
【0004】
また生体組織の研究を行う研究者の中には、組織ブロックに穴を開けてしまうと当該部分が完全に組織ブロックから無くなってしまうので、後の研究にとって好ましくないと考える者もいる。
そこで、組織ブロックから円形のコアをくりぬく方法ではなく、別の方法で組織アレイを構成する組織片を形成することが検討されてきた。
【0005】
上記のような問題を解決すべく提案された方法が特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1及び特許文献2に開示された組織片の形成方法では、まず組織ブロックをミクロトーム等でスライスし、シート状の組織片を得る。そして、シート状の組織片をロール状に巻回する。
巻回されたロール状の組織片は、パラフィンなどの包埋剤がブロック状に形成された基体ブロックの空孔内に挿入される。基体ブロックに所定数のロール状の組織片が配列されたところで、この基体ブロックを、ロール状の組織片が輪切り状となるようにスライスし、スライス片をスライドガラス等の基板に設置することにより、組織アレイが形成される。
【0006】
なお、パラフィンなどの包埋剤がブロック状に形成された基体ブロックの空孔内に、ロール状の組織片を挿入する際には、ロール状の組織片の直径と、空孔の直径とが一致することが好ましい。それぞれの直径を一致させることにより、位置決めを確実に行うことが可能となるためである。
【0007】
このように、特許文献1及び特許文献2に記載された形成方法においては、シート状の組織片をロール状に巻回することにより、広範囲の組織の様々な箇所を1つの組織片の中に入れることができるので、病変組織において特に関心が高い関心部位の欠損という問題を解決することができる。
そして、組織ブロックには穴を開けずに、表面が薄くスライスされただけで残すことができ、後の研究にも役立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2010/027012号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2008/108410号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、特許文献1及び特許文献2に記載された方法では、パラフィンなどの包埋剤がブロック状に形成された基体ブロックの空孔内に、形成したロール状の組織片を挿入している。
しかしながら、ロール状の組織片は、組織片の大きさや厚さによってその直径が異なってくる。したがって、予め決められた直径の空孔を基体ブロックに形成したとしても、その空孔よりの大きい直径のロール状の組織片の場合には、空孔内にロール状の組織片を挿入することができず、また空孔よりも小さい直径のロール状の組織片の場合には、空孔内でロール状の組織片が動いて位置が確実に固定できないという課題がある。
【0010】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、さまざまな径のロール状の組織片であっても、基体ブロックに確実に固定させることができる、組織アレイの作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる組織アレイの作製方法によれば、シート状の組織片がロール状に巻回されて形成されたロール状組織片が、基板上にアレイ状に配列されてなる組織アレイを作製する作製方法において、溶融した包埋剤を流し込んで貯留させる容器内に、複数のロール状組織片の軸線方向が鉛直方向を向くように保持する保持部材を配置して、保持部材に各ロール状組織片を保持させ、容器内に包埋剤を流し込んで複数のロール状組織片がアレイ状に配列されてなる基体ブロックを形成し、ロール状組織片が輪切り状となるように基体ブロックをスライスし、スライス片を基板上に設置することにより、組織アレイを作製することを特徴としている。
この方法によれば、複数のロール状組織片を保持し、その周囲を溶融した包埋剤で包埋して基体ブロックを作製することができるので、複数のロール状組織片が確実に配列された組織アレイを作製することができる。
【0012】
前記保持部材として、少なくともロール状組織片の最低直径と同じ径の挿入孔が複数形成された弾性部材を用い、ロール状組織片の外周面を保持することを特徴としてもよい。
この方法によれば、各ロール状組織片がそれぞれ異なる直径であっても、弾性部材の挿入孔が各ロール状組織片を保持することが可能となる。
【0013】
なお、前記挿入孔は多角形状であることを特徴としてもよい。
すなわち、ロール状組織片は断面がほぼ円形であるので、挿入孔断面が円形であると弾性部材の保持力では保持しにくい場合もあるが、多角形状とすることで断面円形のロール状組織片を確実に保持できる。また、挿入孔の断面を多角形状にすることにより、ロール状組織片と弾性部材との接触面積を減らし、弾性力を軽減してより挿入孔の径を拡がりやすくし、ロール状組織片の直径のバラツキに対しての許容量を大きくすることができる。
【0014】
また、前記保持部材として、少なくともロール状組織片の最低直径と同じ辺の長さの格子升が複数形成された格子状部材を用い、ロール状組織片の外周面を保持することを特徴としてもよい。
この方法によれば、各ロール状組織片がそれぞれ異なる直径であっても、格子状部材の各辺が弾性変形して各ロール状組織片を保持することが可能となる。
【0015】
さらに、前記保持部材として、複数のロール状組織片の軸芯部分に挿入される棒状保持部材を用い、ロール状組織片の軸芯部分を保持することを特徴としてもよい。
この方法によれば、各ロール状組織片の直径がそれぞれ異なっていても、各ロール状組織片を保持することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の組織アレイの作製方法によれば、さまざまな径のロール状の組織片であっても、基体ブロックに確実に固定させることができ、組織アレイの作製を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】シート状の組織片の切り出しを説明する説明図である。
【図2】シート状の組織片を芯棒に巻き付けている途中の様子を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態におけるロール状組織片を配列させるための構成の組み立て分解図である。
【図4】第1の実施形態におけるロール状組織片を配列させるための構成を示す説明図である。
【図5】図5の構成によって作製された基体ブロックを示す説明図である。
【図6】組織アレイシートの斜視図である。
【図7】第1の実施形態における保持部材の他の例を示す説明図である。
【図8】第2の実施形態におけるロール状組織片を配列させるための構成の組み立て分解図である。
【図9】第2の実施形態におけるロール状組織片を配列させるための構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本実施形態に係る組織アレイの作製方法について説明する。
まず、組織アレイに用いられるロール状組織片について、図1〜図2に基づいて説明する。
ロール状組織片6は、シート状の組織片をロール状に巻回して構成されたものである。その製造方法について簡単に説明すると、パラフィンなどの包埋剤で包埋された組織ブロック5をミクロトーム4で100μm程度の厚さのシート状に切り出してシート状組織片8を形成する。そして、シート状の組織片8を芯棒11に巻き付けてロール状組織片6として形成する。巻き付ける際には、確実にロール状に巻回できるように、加熱しながら行うとよい。
また、図2で示した芯棒11は、組織片をロール状に巻回した後に、抜き取ってもよい。
【0019】
(第1の実施形態)
次に、上述したロール状組織片を用いて組織アレイを作製する方法の第1の実施形態について、図3〜図6に基づいて説明する。
複数のロール状組織片6は、溶融した包埋剤(本実施形態ではパラフィン)を貯留できるような形状に形成された容器内に配列される。容器としては、病理標本を作製するために組織片を包埋する包埋皿10と包埋枠14を用いることができる。
以下では、包埋皿10と包埋枠14を用いた実施形態の説明をする。
【0020】
包埋皿10は、中央が凹んで溶融パラフィンを貯留できる貯留部20が形成されている。貯留部20の周囲は、貯留部20の上端から外方に向けて形成された段部であって、上面が平面状に形成された包埋枠載置部22が形成されている。包埋枠載置部22の周囲は、外側が外壁面と同一平面に形成されて、包埋枠載置部22に載置された包埋枠14の側面を覆うように上方に突出する壁部24が形成されている。
【0021】
包埋枠14は、包埋皿10の包埋枠載置部22の上に載置されて包埋皿10と一体にして用いられる。
包埋枠14の中央は、包埋皿10の貯留部20の平面視したときの形状と同じかまたは小さく形成されている連通孔28が形成されている。包埋枠14を包埋皿10に載置すると、包埋皿10の貯留部20と包埋枠14の連通孔28とが連通し、深い貯留部となる。
【0022】
本実施形態では、複数のロール状組織片6は、弾性体で形成された保持部材16によって保持される。弾性体としては、スポンジ、ゴムなどの材質を用いることができる。
保持部材16の大きさは、包埋枠14の連通孔28にちょうどはめ込むことができる大きさであり、厚さは包埋枠14の連通孔28の上下方向の長さとほぼ同一に形成されている。
また、保持部材16の平面視形状は、包埋枠14の連通孔28の平面視形状とほぼ同一であるが、一部に切り欠き部29が形成されている。この切り欠き部29から溶融パラフィンを流し込むことができる。
【0023】
保持部材16には、その厚さ方向(上下方向)に貫通してロール状組織片6を保持するための挿入孔30が複数形成されている。
挿入孔30の直径は、ロール状組織片6の予想される最小の直径よりもやや小さい径とする。このようにすれば、最も細いロール状組織片6であっても、挿入孔30に挿入されたロール状組織片6は、挿入孔30を押し広げており、保持部材16は弾性変形している。この弾性変形が戻ろうとする力により、ロール状組織片6の外周面は挿入孔30の内壁面によって確実に保持され、包埋皿10の貯留部20に対して固定することができる。
【0024】
また、保持部材16の挿入孔30は、断面を円形ではなく、断面多角形状に形成するとよい。つまり、挿入孔30の断面が円形である場合と比較して、挿入孔30の内壁面に角があれば、この角がロール状組織片6の外周面を確実に押圧して固定機能を上げることができる。また、挿入孔30の断面を多角形状にすることにより、ロール状組織片6と弾性部材との接触面積を減らし、弾性力を軽減してより挿入孔30の径を拡がりやすくし、ロール状組織片6の直径のバラツキに対しての許容量を大きくすることができる。
【0025】
包埋皿10の貯留部20の内底面には、両面テープ12を配置しておくとよい。両面テープ12の一方の面(下面)は貯留部20の内底面に貼着して固定され、他方の面(上面)は、保持部材16に保持された複数のロール状組織片6の下端面に貼着する。
このようにして、複数のロール状組織片6の下端面を両面テープ12に貼着させて固定することにより、複数のロール状組織片6の下端面が同一平面になるように揃うことができる。このため、ロール状組織片6の安定した配列を行うことができる。
【0026】
なお、両面テープ12を用いなくても、保持部材16に保持されたロール状組織片6の上端面を押圧することにより、ロール状組織片6の下端面を包埋皿10の貯留部20の内底面に当接させてロール状組織片6の安定した配列を行うことができる。
【0027】
続いて、上述してきた器具を用いて組織アレイを作製する手順を説明する。
まず、包埋皿10の貯留部20の内底面に両面テープ12を配置する。
保持部材16の各挿入孔30に、ロール状組織片6を挿入する。ちなみに、挿入するロール状組織片6の長さが、包埋皿10の貯留部20の内底面から包埋枠14の連通孔28に装着された保持部材16の上面までの長さとなるように、各ロール状組織片6を予め切り揃えておく。また、各ロール状組織片6の長さは、基体ブロック40の形成後に切り揃えてもよい。
【0028】
そして、包埋枠14の連通孔28には、複数のロール状組織片6が保持された保持部材16を装着する。このとき、包埋枠14と保持部材16とを接着剤などで固定することが好ましい。
保持部材16が装着された包埋枠14を包埋皿10の包埋枠載置部22に載置する。
このときの状態が図4に示される。
【0029】
保持部材16によって複数のロール状組織片6が保持された状態で包埋皿10の貯留部20内に溶融パラフィンを流し込む。流し込む口は、保持部材16の切り欠き部29から行うとよい。
その後、溶融パラフィンが固化するまで冷却を行う。
【0030】
溶融パラフィンが固化すると、パラフィン内に複数のロール状組織片6が配列して包埋された基体ブロック40が完成する。図5には、包埋皿10から包埋枠14ごと基体ブロック40を抜き取ったところを示している。
基体ブロック40は、包埋枠14と一体に取り扱うことが好ましい。すなわち、包埋皿10から包埋枠14を取り外し、包埋枠14も含めて基体ブロック40として取り扱う。
包埋枠14には、メモなどを書き込む領域も存在するので、基体ブロック40の情報を書き込んでおけば後の研究等に役立つし、また取り違え等の防止にもなる。さらに、基体ブロック40をミクロトーム等で薄切(スライス)する際には、組織ブロックの固定のために包埋枠14を何らかの固定手段で固定すればよいので、基体ブロック40からのスライス片の作製が容易となる。
【0031】
図6に示すように、基体ブロック40をスライスすることによって得られたシート状のものが組織アレイシート19である。そして、組織アレイシート19を基板(図示せず)上に配置することによって、組織アレイが作成される。なお、基板としては、スライドガラス、ナイロン膜基板、又はシリコン基板等の種々の基板を用いることができる。
【0032】
なお、本実施形態における保持部材の他の例を図7に基づいて説明する。
この保持部材33には、ロール状組織片6の予想される最小の直径よりもやや小さい辺の長さを有する複数の格子升34が形成された格子状部材が用いられる。
保持部材33の大きさは、包埋枠14の連通孔28にちょうどはめ込むことができる大きさであり、厚さは包埋枠14の連通孔28の上下方向の長さとほぼ同一に形成されている。
格子状部材としては、弾性変形可能な複数の板状部材を格子状に組み合わせることで形成することができる。
【0033】
かかる保持部材33によれば、各格子升34にロール状組織片6を保持させることができる。また、かかる保持部材33も包埋枠14の連通孔28に装着して用いる。このとき、包埋枠14と保持部材33とを接着剤などで固定することが好ましい。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、ロール状組織片を用いて組織アレイを作製する方法の第2の実施形態について、図8〜図9に基づいて説明する。
なお、上述した実施形態で説明した構成と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
【0035】
本実施形態における保持部材41は、ロール状組織片6の軸芯部分に挿入されてロール状組織片6の軸芯部分を保持する棒状部材42が複数設けられて構成されている。ロール状組織片6の形成時に芯棒11を引き抜けば、ロール状組織片6の軸芯部分は空洞が形成され、ここに棒状部材42を挿入させることができる。また、芯棒11を引き抜かない場合であっても、芯棒11が筒状に形成されたものであれば、この筒状の内部に棒状部材42を挿入させることができる。
これら複数の棒状部材42は、基台44の上面に上方に突出して配置されており、基台44は、包埋皿10の貯留部20の内底面に配置可能な大きさに形成されている。
なお、保持部材41の棒状部材42は、先端分が尖鋭に形成されていてもよい。
【0036】
次に、第2の実施形態における組織アレイを作製する手順を説明する。
まず、包埋皿10の貯留部20の内底面に保持部材41を配置する。
ロール状組織片6の軸芯部分に保持部材41の棒状部材42を挿入させ、複数のロール状組織片6を包埋皿10内で配列させ、固定する。ちなみに、挿入するロール状組織片6の長さが、包埋皿10の貯留部20の内底面から包埋枠14の上面までの長さとなるように、各ロール状組織片6を予め切り揃えておく。また、各ロール状組織片6の長さは、基体ブロック40の形成後に切り揃えてもよい。
そして、包埋枠14を包埋皿10の包埋枠載置部22に載置する。
このときの状態が図8に示される。
【0037】
保持部材41によって複数のロール状組織片6が保持された状態で包埋皿10の貯留部20内に溶融パラフィンを流し込む。溶融パラフィンは、包埋枠14の連通孔28における各ロール状組織片6同士の隙間から流し込まれる。
その後、溶融パラフィンが固化するまで冷却を行う。
【0038】
なお、溶融パラフィンが固化すると、パラフィン内に複数のロール状組織片6が配列して包埋された基体ブロック40が完成するが、基体ブロック40をスライスして組織アレイを作製するまでの過程については第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0039】
なお、本実施形態で使用される包埋剤としてはパラフィンを例に挙げているが、他にセロイジン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル酸樹脂などの非親水性包埋剤、カーボワックス、ゼラチンなど親水性包埋剤、それらが複数混合された包埋剤が挙げられる。
好ましい包埋剤としては、パラフィンおよびポリエチレンなどの合成ポリマーの添加剤を含有するパラフィンなどのパラフィン類が挙げられる。
【0040】
本発明によれば、上述してきた第1の実施形態のように、ロール状組織片6の外周面を保持する方法であっても、第2の実施形態のように、ロール状組織片6の軸芯部分を保持する方法であっても、ロール状組織片を用いて確実に基体ブロックに固定でき、組織アレイを確実に作製できる。
【符号の説明】
【0041】
4 ミクロトーム
5 組織ブロック
6 ロール状組織片
8 シート状組織片
10 包埋皿
11 芯棒
12 両面テープ
14 包埋枠
16 保持部材
19 組織アレイシート
20 貯留部
22 包埋枠載置部
24 壁部
28 連通孔
29 切り欠き部
30 挿入孔
33 保持部材
34 格子升
40 基体ブロック
41 保持部材
42 棒状部材
44 基台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の組織片がロール状に巻回されて形成されたロール状組織片が、基板上にアレイ状に配列されてなる組織アレイを作製する作製方法において、
溶融した包埋剤を流し込んで貯留させる容器内に、複数のロール状組織片の軸線方向が鉛直方向を向くように保持する保持部材を配置して、保持部材に各ロール状組織片を保持させ、
容器内に包埋剤を流し込んで複数のロール状組織片がアレイ状に配列されてなる基体ブロックを形成し、
ロール状組織片が輪切り状となるように基体ブロックをスライスし、スライス片を基板上に設置することにより、組織アレイを作製することを特徴とする組織アレイの作製方法。
【請求項2】
包埋剤がパラフィン類であることを特徴とする請求項1記載の組織アレイの作製方法。
【請求項3】
前記保持部材として、少なくともロール状組織片の最低直径と同じ径の挿入孔が複数形成された弾性部材を用い、ロール状組織片の外周面を保持することを特徴とする請求項1または請求項2記載の組織アレイの作製方法。
【請求項4】
前記挿入孔は多角形状であることを特徴とする請求項3記載の組織アレイの作製方法。
【請求項5】
前記保持部材として、少なくともロール状組織片の最低直径と同じ辺の長さの格子升が複数形成された格子状部材を用い、ロール状組織片の外周面を保持することを特徴とする請求項1または請求項2記載の組織アレイの作製方法。
【請求項6】
前記保持部材として、複数のロール状組織片の軸芯部分に挿入される棒状保持部材を用い、ロール状組織片の軸芯部分を保持することを特徴とする請求項1または請求項2記載の組織アレイの作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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