説明

組織内部成長材料でライニング加工されたカニューレおよびその使用方法

ポンプ(50)と患者(14)の循環系との間において流体を移動させるためのカニューレ(92)。カニューレ(92)は、近位部分(98)と遠位部分(100)との間の中間部分(96)と、近位部分(98)と遠位部分(100)との間に延在するルーメン(102)とを備えるライナ(94)を備える。ライナ(94)の少なくとも中間部分(96)は、内皮細胞成長を支援するための組織内部成長材料から構成される。ジャケット(110)が、ライナ(94)の少なくとも一部を囲む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年2月11日に出願された(係属中)米国仮特許出願第61/303,351号の利益を主張するものである。該出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概してカニューレに関し、より詳細には循環補助システムのポンプと共に使用するためのカニューレに関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの心臓は、血管網全体に血液を送り出す役割を果たす筋肉である。静脈は、心臓に血液を運ぶ血管であり、動脈は、心臓から離れる方向に血液を運ぶ。ヒトの心臓は、2つの心房腔および2つの心室腔から構成される。心房腔は、身体から血液を受け、比較的大きな筋肉壁を有する心室腔は、心臓から血液を送り出す。中隔が、心臓の左側と右側とを隔てる。
【0004】
特にうっ血性心不全(一般的に心臓病と呼ばれる)を患う患者において、心臓の血液循環を補助するために、様々なデバイスおよび方法が利用されてきた。うっ血性心不全は、全身に血液を満たすかまたは全身に血液を送り出す心臓の機能を損なう、構造的または機能的な心疾患に至る症状である。一般的には、これらのデバイスは、皮下ポンプポケット内に配置され得るポンプと、血管網にポンプを流体装着するカニューレとを備える。1つのカニューレは、心臓の左側からポンプに酸素を含む血液を送るために使用され、もう1つのカニューレは、ポンプから動脈網に血液を導くために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第11/627,444号(米国特許出願公開第2007/0197854号明細書)
【特許文献2】米国特許出願第11/846,839号(米国特許出願公開第2008/0076959号明細書)
【特許文献3】米国特許出願第12/392,623号(米国特許出願公開第2009/0182188号明細書)
【特許文献4】米国特許出願第12/256,911号(米国特許出願公開第2009/0112050号明細書)
【特許文献5】米国特許出願第12/829,425号
【特許文献6】米国特許出願第13/025,757号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
移植型ポンプで心臓を補助することによって利点が得られるが、血管内にカニューレが存在することにより問題が生じ得る。血管網の動脈および静脈は、それぞれ最外層から内側の順に3つの層、すなわち外膜、中膜、および内膜を備える、特定的な解剖学的構造を有する。内皮細胞およびタンパク質エラスチンの組み合わせを含む内膜は、複数の機能を果たす生物学的障壁をもたらす。1つの基本的機能は、凝血を阻み、円滑な血液流を促進する、平滑内側表面の維持である。内皮細胞は、血圧調節および凝固などのプロセスを補助する様々な調整化合物を分泌する。従来のカニューレが血管内に位置決めされると、カニューレを構成するポリマーもしくはウレタンにより、またはカニューレ自体が単に存在することにより、内膜の内皮細胞が物理的に、および/または化学的に攪乱され、プロトロンビン環境(prothrombotic environment)を誘発する場合がある。血栓形成物が、補助デバイスの移植型ポンプ内に流れ込んで、ポンプの故障を引き起こす場合があり、または脳卒中もしくは腎梗塞などの血栓塞栓症(thrombolic event)を誘発する場合がある。したがって、血管の本来の生物学的構造および血管の枠組みを模倣した環境をカニューレ内に作り出して、血栓塞栓症の発生を低減させることが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な一実施形態においては、本発明は、ポンプと患者の循環系との間において流体を移動させるためのカニューレに関する。このカニューレは、近位部分と遠位部分との間の中間部分と、近位部分と遠位部分との間に延在するルーメンとを有するライナを備える。ライナの少なくとも中間部分は、内皮細胞成長を支援するための組織内部成長材料から構成される。ジャケットが、ライナの少なくとも一部を囲む。
【0008】
別の例示的な実施形態においては、本発明は、ポンプと患者の循環系との間において流体を移動させるためのカニューレに関する。このカニューレは、近位部分と遠位部分との間の中間部分と、近位部分と遠位部分との間に延在するルーメンとを有するライナを備える。ライナの少なくとも中間部分は、内皮細胞成長を支援するための組織内部成長材料から構成される。補強構造体が、カニューレの長さ部分に沿ったよじれを阻止するために中間部分の少なくとも一部を囲む。ジャケットが、補強構造体およびライナの少なくとも一部を囲む。
【0009】
別の例示的な実施形態によれば、本発明は、患者の心臓とポンプとの間において流体を移動させるための流入カニューレに関する。この流入カニューレは、近位部分と遠位部分との間の中間部分と、近位部分と遠位部分との間に延在するルーメンとを有するライナを備える。ライナの少なくとも中間部分は、内皮細胞成長を支援するための組織内部成長材料から構成される。先端部が、心臓の壁部に対して流入カニューレを固定するために、流入カニューレの遠位部分に結合される。流入カニューレのハブが、流入カニューレの近位部分に結合され、ポンプにこの流入カニューレを固定する。
【0010】
さらに別の例示的な実施形態によれば、本発明は、ポンプと患者の循環系の動脈構造体との間において流体を移動させるための流出カニューレに関する。この流出カニューレは、近位部分と遠位部分との間の中間部分と、近位部分と遠位部分との間に延在するルーメンとを有するライナを備える。ライナの少なくとも中間部分は、内皮細胞成長を支援するための組織内部成長材料から構成される。ハブが、ポンプにこの流出カニューレを固定するために、流出カニューレの近位部分に結合される。流出カニューレの遠位端部が、動脈構造体に結合されるように構成される。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によるカニューレ送達システムが説明される。このカニューレ送達システムは、送達シースおよび拡張器を備える。送達シースは、近位端部および遠位端部を有する本体部と、近位端部と遠位端部との間に延在するルーメンとを有する。本体部の遠位端部は、2つの状態、すなわち比較的小さな直径の第1の状態と比較的大きな直径の第2の状態とを有するバルーン拡張可能なセクションを備える。この第2の状態において、バルーン拡張可能なセクションは、カニューレを収容するように、およびカニューレに対して移動するように構成される。拡張器は、送達シースのバルーン拡張可能なセクション内に位置決めされる、遠位に配置された膨張部材を有する。この遠位に配置された膨張部材の膨張により、バルーン拡張可能なセクションは、第1の状態から第2の状態に拡張される。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態は、組織内にカニューレを経皮挿入する方法に関する。この方法は、組織中の穿刺部を通して送達シースを導くステップを含む。送達シースは、近位端部および遠位端部を有する本体部と、これら近位端部と遠位端部との間に延在するルーメンとを有する。本体部の遠位端部は、第1の潰縮状態にあるバルーン拡張可能なセクションを備える。バルーン拡張可能なセクション内に位置決めされた膨張部材が、膨張され、バルーン拡張可能なセクションを第1の潰縮状態から第2の拡張状態へと拡張させる。これにより、組織中の穿刺部が拡張される。膨張部材は、収縮され、カニューレが送達シースのルーメン内に送られ、この送達シースのルーメンを通りバルーン拡張可能なセクションまで送られ得るように、送達シースから引き戻される。送達シースは、カニューレに対して引き戻され、このカニューレは、拡張された穿刺部を通り延在する。
【0013】
別の例示的な実施形態においては、本発明は、可撓性カニューレ本体部、先端部、アンカ、および多孔性ポリマー構造体を備えるカニューレアセンブリに関する。先端部は、可撓性カニューレ本体部の遠位部分に結合され、アンカは、先端部に結合される。アンカは、収縮状態から拡張状態へと展開されるように構成される。拡張状態において、アンカは、心臓組織の少なくとも一方の側に係合し、少なくとも一方の方向へのカニューレの移動を阻止する。多孔性ポリマー構造体は、アンカに隣接する先端部の外側表面に結合され、組織内部の成長を促進するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】心臓が断面で示される、循環補助システムの概略図である。
【図1A】心臓が断面で示される、他の位置の循環補助システムの概略図である。
【図2】部分断面で示した、カニューレの例示的な一実施形態の側面立面図である。
【図3】部分断面で示した、循環補助システムと共に使用するための流入カニューレの例示的な一実施形態の側面立面図である。
【図3A】断面で示した、流入カニューレの別の実施形態の、拡大され断片化された側面立面図である。
【図4A】送達シース、拡張器、およびガイドワイヤを備えるカニューレ送達システムの例示的な一実施形態の分解側面立面図である。
【図4B】潰縮状態で示した、図4Aのカニューレ送達システムの組立側面立面図である。
【図4C】組織壁を横切って図4Bの組立済みのカニューレ送達システムを前進させる例示的な一方法の拡大側面立面図である。
【図4D】組織壁を横切って図4Bの組立済みのカニューレ送達システムを前進させる例示的な一方法の拡大側面立面図である。
【図4E】組織壁を横切って図4Bの組立済みのカニューレ送達システムを前進させる例示的な一方法の拡大側面立面図である。
【図4F】組織壁を貫通した状態に位置決めされた送達シースを通して流入カニューレを前進させる例示的な一方法の拡大側面立面図である。
【図5A】遠位端部に先端部が結合された流入カニューレの別の実施形態の側面立面図である。
【図5B】遠位端部に先端部が結合された流入カニューレのさらに別の実施形態の側面立面図である。
【図6A】部分断面で示した、循環補助システムと共に使用するための流出カニューレの例示的な一実施形態の側面立面図である。
【図6B】部分断面で示した、循環補助システムと共に使用するための流出カニューレの別の一実施形態の側面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、植え込まれた循環補助システム10を図示する。例示のために、右心房16、左心房18、右心室20、および左心室22を有する患者14の心臓12を含む所定の解剖学的構造を示す。左鎖骨下静脈24、右鎖骨下静脈26、左頸静脈28、および右頸静脈30からの血液は、上大静脈32を経由して右心房16に進入し、身体の下方部分からの血液は、下大静脈34を経由して右心房16に進入する。血液は、右心房16から右心室20に、そして肺(図示せず)に送り出されて、酸素が含まされる。肺から帰還する血液は、肺静脈36を経由して左心房18に進入し、次いで左心室22内に送り出される。左心室22を出た血液は、大動脈38に進入し、左鎖骨下動脈40、左総頸動脈42、ならびに右鎖骨下動脈46および右総頸動脈48を含む腕頭動脈44内に流入する。
【0016】
この植え込まれた循環補助システム10に関しては、2つのカニューレが、血管網とポンプ50との間に延在する。このポンプ50は、遠心駆動型および/または軸流駆動型であることが可能な任意の移植型ポンプまたは体外ポンプであってもよい。しかし、他の実施形態においては他のタイプのポンプを使用することができるが、これらのポンプには米国特許出願公開第2007/0197854号明細書として公開された米国特許出願第11/627,444号に記載されているものなどのポンプが含まれ得ることが、当業者には理解されるであろう。該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0017】
ケーブル52は、ポンプ50から、ケーブル52が患者14から出て電源(図示せず)に接続される腹中の位置まで、経皮的に延在し得る。適切な電源は、ケーブル52を介してポンプ50に電力を送出する任意のユニバーサルタイプの電源であってもよく、充電式バッテリパックを含み得るが、これに限定されるものではない。
【0018】
図示するように、医師は、少なくとも皮下に、および任意には筋下において、静脈アクセス部位56の付近に配置されたポンプポケット54の中に移植型ポンプ50を位置決めしてもよく、または、代替的に、外部にポンプ50を保持してもよい。
【0019】
第1の、流入カニューレ58は、左心房18内の先端部60から、心房内中隔62を越えて、経皮的に静脈アクセス部位56(ここでは右鎖骨下静脈26に位置するものとして示される)に延在する。流入カニューレ58は、静脈アクセス部位56を通りポンプ50の入力ポート64に延在する。図示しないが、代替的には、流入カニューレ58は、心臓12の左側または右側のいずれかに外科手術により連結されて、米国特許出願公開第2008/0076959号として公開された米国特許出願第11/846,839号に概して記載されている態様で、胸腔を経由してポンプ50に延在してもよい。該出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。先端部60は、米国特許出願第12/392,623号(米国特許出願公開第2009/0182188号明細書として公開)および米国特許出願第12/256,911号(米国特許出願公開第2009/0112050号明細書として公開)に記載されているものを含む様々な形状を有してもよい。該出願の開示もまた、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。いずれの場合においても、この例示的な先端部60は、第1の展開可能アンカ66および第2の展開可能アンカ68を備え、これらのアンカそれぞれは、先端部60を心房内中隔62に固定するための複数のストラット70、72をそれぞれ備える。
【0020】
第2の、流出カニューレ74は、ポンプ50の出力ポート76から動脈アクセス部位78(ここでは右鎖骨下動脈46中に図示される)まで延在する。流出カニューレ74は、1つまたは複数の縫合糸80、または米国特許出願第12/829,425号において教示されるものなどの1つまたは複数の吻合コネクタにより、動脈アクセス部位78にて固定されてもよい。該出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0021】
あるいは、医師は、心臓12の心尖84を経由して左心室22の中に、別の実施形態の先端部82を外科手術により位置決めしてもよい。本明細書と同日付けで出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/025,757号においてさらに詳細に説明されているこの先端部82は、遠位先端部端部88から近位方向に延在する1つまたは複数の開口86を備える。開口86は、遠位先端部端部88が左心室22内の組織によって閉塞するようになる場合であっても、左心室22から流入カニューレ58のルーメン90(図3)内へ血液が流れることを可能とする。この特定の実施形態の先端部82を備えることは、必要ではなく、代わりに心尖84を貫通する挿入に適した他の先端部と置き換えることができる。流出カニューレ74は、ポンプ50から上行大動脈38中の動脈アクセス部位78’まで延在してもよい。また、個別の必要に応じて、および患者14の固有の解剖学的構造に対応するように、他の構成(図示せず)を使用してもよい。
【0022】
図1および図1Aの循環補助システム10と共に、公知の従来的なカニューレを使用することにより、プロトロンビン環境が誘発される場合がある。故に、流入カニューレ58もしくは流出カニューレ74、またはそれらの両方を、血管の本来の生物学的構造および枠組みを模倣した態様で構成してもよい。これに応じて、次に図2を参照して、1つのそのような生体適合性カニューレ92の構造をさらに詳細に説明する。
【0023】
ライナ94は、近位部分98と遠位部分100との間に中間部分96を備え、ルーメン102がライナ94の中を貫通して延在する。いくつかの実施形態においては、ライナ94の部分96、98、100は、生体適合性カニューレ92の全長にわたって延在する単一構造体として構成される。あるいは、ライナ94の長さの大部分、すなわち中間部分96が、組織内部成長材料から構成され、近位部分98および遠位部分100が、以下に記載するような他の材料を含む。組織内部成長材料は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、織成ポリエステル繊維管(例えばDACRONブランドのポリエステル繊維)、ベロア、または、内皮細胞が付着し、以下においてさらに詳細に説明するような態様でカニューレ92内に生体安定環境をもたらす足場を形成する同様の材料などの、多孔性ポリマー材料であってもよい。あるいは、近位部分98および遠位部分100は、ポリマー材料から構成され、中間部分96の各端部に追加される。近位部分98および遠位部分100に適したポリマー材料には、ポンプ50(図1)に対して、または遠位に配置されたカニューレ先端部60(図1)に対してカニューレ92を連結することの可能な、ポリウレタンまたはシリコーンなどのエラストマー材料が含まれ得る。
【0024】
ライナ94の1つまたは複数の部分が、補強構造体104に囲まれてもよく、これにより、所望のレベルの可撓性を与えつつカニューレ92の潰縮またはよじれが阻止されるが、補強構造体104は、近位部分98および遠位部分100が、先端部60(図1)に対する、またはポンプ50(図1)に対する装着のために適宜に応じて可撓性を有した状態に留まり得るように、近位部分98および遠位部分100までは通常延在しない。補強構造体104は、コイル106(図2に図示)または編組体108(図6A)として、ステンレス鋼、クロムコバルト、もしくはニッケルチタンなどの金属材料から、または剛性ポリマー材料から構成されてもよい。
【0025】
ライナ94および補強構造体104は、ポリマー材料から構成され得るジャケット110で覆われる。熱溶融プロセスにより、ライナ94は、ジャケット110のポリマー材料に接合され、補強構造体104を封入する。いくつかの実施形態においては、ライナ94の外側表面は、溶解型のポリウレタンまたはシリコーンの薄層で被覆されてもよい。この低粘性コーティングにより、ライナ94の多孔性ポリマー材料の構造体内への、ジャケット110のポリマー材料の導入が容易になる。ウレタンベースの構成物については、ライナ94とジャケット110との間の接合は、溶融プロセスにより生じ、シリコーンベースの構成物については、ライナ94とジャケット110との間の接合は、構成物の硬化サイクルの間の架橋プロセスにより生じる。ジャケット110の近位端部は、ポンプ50(図1)に対するカニューレ92の結合に適応するように、要求通りに構成され得る。これは、ハブを形成するためのフレア状セクションまたは拡張セクションを含んでもよく、図3および図5Aを参照して以下においてさらに詳細に説明される。
【0026】
ライナ94が単一構造体として構成される実施形態においては、ジャケット110は、ライナ94の組織内部成長材料に直接的に接合されることが理解されよう。
【0027】
図3は、本発明の1つまたは複数の実施形態と一貫性のある態様で構成された図1の流入カニューレ58を図示する。図示するように、ライナ112は、組織内部成長材料からなる単一構造体として構成される。ライナ112の中間部分114は、補強構造体116(コイル118として図示される)を備え、近位部分120および遠位部分122は、補強構造体116を備えない。また、仮想線で示すように、流入カニューレ58は、ライナ112と補強構造体116(それがある場合)、および/またはジャケット126との間に、中間部分114に少なくとも部分的に沿って延在する、1つまたは複数の長手方向補強体124を備えてもよい。補強構造体116に加えて、長手方向補強体124は、流入カニューレ58の長さ部分にわたってより良好な長手方向制御をもたらす。長手方向補強体124を構成するために、例えばナイロンまたはポリプロピレンなどの非吸収性縫合材料を含む、任意の半可撓性材料または可撓性材料を使用してもよいが、金属材料、合金、および/または他の材料を使用してもよい。
【0028】
先端部60のアンカ66、68のストラット70、72は、超弾性材料のシートから構造体を化学エッチングし、エッチングされた構造体を電解研磨してこの形成プロセスの際に生じた粗いエッジを除去し、次いでこの構造体を超弾性状態へと加熱することにより、構成され得る。この超弾性状態により、アンカ66、68は、折畳み位置(第2のアンカ68を参照)から、先端部60から放射状に延在した展開位置(第1のアンカ66を参照)へと、展開可能となり得る。アンカ66、68ごとに4つのストラット70、72が図示されるが、任意の個数のストラットを使用し得ることが容易に理解されよう。
【0029】
具体的には図示しないが、いくつかの実施形態においては、ストラット70、72は、先端部60が血管構造体の中に挿入された場合に、複数のストラット70、72のみに比べて、血管構造体の組織に係合するためのさらに大きな表面を提供する、多孔性ポリマー構造体内に封入される。さらに、多孔性ポリマー構造体は、組織内部成長の余地を与えるものであり、欠陥構造体の壁部からの組織は、多孔性ポリマー構造体の中で成長し、この中にはまり込み、それによりさらに高い構造安定性および封止能力をもたらす。第1のアンカ66および第2のアンカ68のさらなる詳細は、米国特許出願第12/256,911号に見ることができる。
【0030】
先端部60は、研磨チタンまたは他の適切な材料から構成されてもよく、流体乱流と血栓形成のリスクとを軽減する設計を有してもよい。またこの先端部設計により、流入カニューレ58のライナ112の遠位部分122への先端部60の結合が容易になり得る。例えば、いくつかの実施形態においては、先端部60の近位端部が、流入カニューレ58からの先端部60の望ましくない脱落を阻止するために、1つまたは複数の返し部128を備えてもよい。さらに、または代替的に、先端部60は、UV接着剤132(図5A)に封入された縫合糸タイ130(図5A)により流入カニューレ58に結合および/または固定されてもよい。このUV接着剤132は、公知の態様で硬化される。縫合糸タイ130は、先端部60に対して流入カニューレ58を締め付け、固定するように作用可能である。さらに他の実施形態においては、先端部60は、追加的にまたは代替的に、先端部60に対してカニューレ58を加締めまたは圧着させるように作用可能なバンド134(図5B)によって流入カニューレ58に固定されてもよい。任意には、バンド134(図5B)は、白金イリジウム、ステンレス鋼、タングステン、またはタンタルなどの放射線不透過性材料を含むがそれらに限定されない、外科医が先端部60の位置を遠隔的に判定することが可能となる材料から構成されてもよい。このような遠隔可視化は、X線またはリアルタイムの蛍光透視法などの任意の公知の態様において達成され得る。バンド134(図5B)は、本明細書において記載される実施形態のいずれかと一貫性のある、組織内部成長材料から構成されたカバー136でさらに覆われるか、または封入されてもよい。
【0031】
流入カニューレ58の近位端部は、ポンプ50(図1)の流入ポート64(図1)に結合されるように構成されたハブ138を形成するように拡張されてもよい。
【0032】
組織内部成長材料を含む流入カニューレの構成により、ルーメン90を通り流れる血液からの内皮細胞の付着の余地が与えられる。内皮細胞は、付着すると、細胞分裂および増殖して、組織内部成長材料から構成されるライナ112の長さ部分を覆い得る。この内皮細胞成長により、血管の本来の環境をより正確に再現した生体安定層が形成される。この生体安定層により、プロトロンビン環境の内皮性生成を誘発する攪乱が低減される。したがって、血栓形成の低減により、ポンプの故障の発生が減少する。
【0033】
図3Aは、流入カニューレ58の代替的な一実施形態を図示する。さらに具体的には、組織内部成長材料から構成された外側層139が、ジャケット126の外側表面に追加される。組織内部成長材料は、延伸された延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、織成ポリエステル繊維管(例えばダクロン(登録商標)製のポリエステル繊維)、ベロア、または、内皮細胞が固着する足場を形成する同様の材料などの、多孔性ポリマー材料であってもよい。外側層139は、流入カニューレ58の中間部分114を覆って延在するが、所望に応じて遠位部分122および近位部分120を覆って延在してもよい。この外側層139を備えることは、例えば図1に図示するように流入カニューレ58が血管網内に位置する場合には、および特に血流が流入カニューレ58により停滞し得る場合には、有益である。流入カニューレ58が、図1に図示するように、右鎖骨下静脈26および上大静脈32を貫通して延在する際に、流入カニューレ58は、特に静脈壁の湾曲部分に沿って、静脈壁の内側表面に接触する傾向が生じ得る。流入カニューレ58が静脈壁に接触するこれらの区域は、血流の低下、すなわち停滞が生じ、ここからさらに血栓形成に至る場合がある。外側層139としての組織内部成長材料を流入カニューレ58に含めることにより、血管環境を再現し、他の場合であればプロトロンビン環境を生じさせたであろう攪乱を低減させる、生体安定環境がもたらされる。外側層139は、ここでは流入カニューレと共に図示したが、外側層139は、所望に応じて流出カニューレ74の1つまたは複数の部分の上に備えられてもよいことが容易に理解されよう。
【0034】
流入カニューレ58は、米国特許出願第11/846,839号に記載されているものなどの外科的方法において、または米国特許出願第12/256,911号において記載されているものなどの経皮的な態様で、送達され得る。経皮送達は、図4Aに図示する送達システム140によって進めることができる。送達システム140は、本明細書においては単一壁部構造体として示されるが、3つの薄層壁部として構成され得る本体部144を有する、送達シース142を備える。外側層は、ポリウレタン、ナイロン−11、ナイロン−12、またはペバックス(登録商標)から構成されてもよく、内側層は、ヒドロゲルコーティングを有する、ePTFE、ウレタン、またはナイロンから作製されたライナから構成することが可能であり、中間層は、送達シース142に構造的安定性を与えるために、ステンレス鋼ワイヤ、ニチノール、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維などの編組材料から構成することが可能である。内側層または内側ライナは、マンドレル上に押出成形および配置されてもよく、中間層および外側層はそれぞれ、内側層を覆って形成されるか、または他の態様で配置される。次いで、ポリウレタンが、アセンブリ全体を覆って配置され、安定性のためにチューブを覆って熱収縮ラッピングされる。あるいは、送達シース142は、リフロープロセスにより積層されてもよい。いくつかの例においては、超弾性コイル(図示せず)が、送達シース142の周囲に設けられて、送達シース142の剛性を高めてもよい。あるいは、金属編組体(図示せず)を送達シース142の周囲に設けることも可能である。ポリマー層が、超弾性コイル(図示せず)を囲むことにより、血管網内において送達シース142が移動する際の摩擦を低減させてもよい。
【0035】
送達シース142の遠位端部は、バルーン拡張可能なセクション146を備えてもよく、このバルーン拡張可能なセクション146は、2つの状態、すなわち第1の非拡張状態(図4Bに図示)および第2の拡張状態(図4Aに図示)を有する多層構成であってもよい。この多層構成は、従順もしくは容易な膨張を目的としてペバックス(登録商標)製のポリマーもしくはポリウレタンなどの比較的低デュロメータの材料から、または耐膨張性が比較的高いバルーン拡張可能なセクション146を目的としてナイロンもしくはポリエチレンテレフタレート(PET)などの比較的高デュロメータの材料から形成されてもよい。代替的な一構成としては、バルーン拡張可能なセクション146は、ePTFE、ダクロン(登録商標)製のポリエステル繊維、またはベロアなどの多孔性ポリマー材料を用いて、層間にバルーン拡張可能な構造体148を挟んだ内側層および外側層として構成されてもよい。バルーン拡張可能な構造体148は、カバー付きステント状構成に類似し得るような態様で、内側層と外側ジャケットとの間に位置してもよく、金属合金(例えばステンレス鋼、もしくはクロムコバルト、CrCo)、または剛性ポリマーなどの、流入カニューレ58(図1)の挿入の際に組織の反動による送達シース142の潰縮を防止するのを補助する変形可能材料から構成されてもよい。1つの適切なバルーン拡張可能な構造体148は、バルーン拡張可能なステントの構成に類似する態様でハイポチューブ(hypo−tube)から機械加工されてもよい。近位支持構造体が使用される場合には、バルーン拡張可能な構造体148の近位セクションが、超弾性コイル(図示せず)の遠位端部に結合されてもよい。
【0036】
ハブ150が、謬着、溶接、または他の手段により、送達シース142の近位端部に装着される。ハブ150は、フラッシュ弁156に延在する導管154を有する側部ポート152を備えてもよい。具体的には図示しないが、ハブ150は、体液の逆流を防止するために任意の適切な止血シールを備えてもよく、本明細書において示される構造に限定されるべきではない。
【0037】
バルーン装置などの拡張器158は、収縮状態にある際に、ハブ150を通り、送達シース142のルーメン内に、バルーン拡張可能なセクション146に装填される。拡張器158は、任意の市販のバルーンカテーテルであってもよく、カテーテル本体部160と、本明細書においてはバルーン164として具体的に示す拡張可能な遠位部分162とを概して備える。いくつかの実施形態においては、バルーン164の長さは、バルーン164を1度のみ膨張させることが必要となるように、送達シース142のバルーン拡張可能なセクション146の長さと実質的に同様であるが、バルーン拡張可能なセクション146の長さ部分がバルーン164を越える他の実施形態においては、バルーン拡張可能なセクション146の長さ部分全体を完全に拡張させることを確実にするために、複数回の膨張/収縮が必要となり得る。さらに、バルーン164の拡張時直径が、バルーン拡張可能なセクション146の所望の拡張時直径と実質的に合致する場合には、バルーン164を完全に膨張させることにより、所望の直径のバルーン拡張可能なセクション146が得られるが、バルーンの部分的膨張が、バルーン拡張可能なセクションの所望の拡張時直径よりも大きな直径を有する実施形態もまた、許容され得ることが理解されよう。カテーテル本体部160およびカテーテル本体部160のハブ166は、1つのチューブまたはルーメンがガイドワイヤ168を収容し、もう1つのチューブまたはルーメンがバルーン164の膨張/収縮を容易化するように、マルチルーメンチューブまたはマルチチューブを備えてもよい。また、ガイドワイヤ168自体が、血管系内におけるガイドワイヤ168の移動を容易化するように構成されたハブ170を備えてもよい。
【0038】
ガイドワイヤ168を備える送達システム140が、図4Bに示され、拡張器158は、送達シース142のルーメンを貫通して延在し、バルーン拡張可能なセクション146は、非拡張状態すなわち潰縮状態にある際に、典型的には圧接によりバルーン164に押し付けられる。
【0039】
送達システム140の使用は、図1をやはり参照して図4C〜図4Eにおいて図示するように、流入カニューレ58を植え込むために手術部位までガイドワイヤ168を前進させることによって進めることができる。特定の例示的な実施形態においては、ガイドワイヤ168が、右鎖骨下静脈26の静脈アクセス部位56を介して挿入され、上大静脈32を経由して右心房16内に前進され得る。右心房16から、ガイドワイヤ168は、心房内中隔62を穿刺し、左心房18の体積内に進入する。図示しないが、この処置は、ガイドワイヤ168に替えて経中隔ニードルを用いて進めることもできることが容易に理解されよう。
【0040】
次いで、送達シース142は、拡張器158と共に、ガイドワイヤ168上を心房内中隔62の右心房側まで前進され得る。送達シース142のバルーン拡張可能なセクション146およびバルーン164は、共に潰縮され、したがって小さな外形を有するため、送達システム140は、ガイドワイヤ168上を、前述の穿刺部を通り左心房18内に前進し得る。バルーン拡張可能なセクション146がテーパ形状であることにより、前述の穿刺部が拡張され、心房内中隔62を貫通した送達シース142の挿入が容易になる。送達システム140の位置決めは、拡張器158(図4Eを参照)上に位置決めされていると共に、放射線不透過性材料から構成され、且つ上述のように可視化される、1つまたは複数のマーカバンド170の生体内局在によって容易化され得る。
【0041】
図4Dに図示するように、送達シース142が心房内中隔62を貫通して挿入された状態において、拡張器158のバルーン164が、公知の態様で膨張されることにより、バルーン164は、送達シース142のバルーン拡張可能なセクション146の内側表面に対接した状態で拡張され得る。また、バルーン拡張可能なセクション146は、拡張することにより、穿刺部をさらに拡張させる。
【0042】
図4Eは、1つまたは複数の膨張/収縮ステップによりバルーン拡張可能なセクション146の完全な拡張が確保された後の、バルーン164の収縮および引戻しを図示する。バルーン拡張可能なセクション146は、完全拡張状態を維持し、流入カニューレ58が通過する際の組織の反動を阻止する。
【0043】
図4Fは、送達シース142のルーメンを通り心房内中隔62に進められる流入カニューレ58を図示する。先端部60上のアンカ66、68の展開は、米国特許出願第12/256,911号明細書において詳細に説明された態様で進められ得る。約言すれば、先端部60を備える流入カニューレ58が、送達シース142を越えて左心房18の体積内に進められ、送達シース142により拘束されていない第1のアンカ66が、展開され、放射状に外側に拡張される。送達シース142は、流入カニューレ58と共に引き戻され、第1のアンカ66は、左心房18内において心房内中隔62に隣接して配置される。次いで、流入カニューレ58の位置を保持しつつ、送達シース142がさらに引き戻されて、それにより第2のアンカ68を展開させることにより、図1に図示するように、先端部60は、心房内中隔62を跨いで延在し、アンカ66、68は、心房内中隔62の両側に配置される。
【0044】
図5Aおよび図5Bに図示する流入カニューレ58は、バンド172などの組織内部成長部材を備える。バンド172は、先端部60の外側表面の一部分のみを覆うが、他の形態の組織内部成長部材が、代わりに使用されてもよく、先端部60の外側表面全体を覆ってもよい。バンド172は、環状であり、第1のアンカ66と第2のアンカ68との間に外周表面に沿って位置する。バンド172は、組織内部成長に関連して本明細書で論じる任意の材料などの、組織内部成長を促進する任意の適切な材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態においては、バンド172を収容するために第1のアンカ66と第2のアンカ68との間の距離を広げることが有利となる場合がある。先端部60が、心房内中隔62(図1)に固定されると、この中隔62(図1)の組織が、バンド172を構成する材料内へと少なくとも部分的に成長し、それにより中隔62(図1)に対して先端部60をさらに固定することができる。さらに他の実施形態においては、バンド172を構成する材料は、コーティングを備えてもよく、または別様に、手術部位の心房内中隔62(図1)を構成する組織の治癒を促進する材料を注入されてもよい。コーティングは、組織内部成長をさらに促進するプロトロンビンコーティングまたはリン酸カルシウム(Ca3(PO4)2)からなるコーティングを備えてもよい。
【0045】
次に図6Aを参照すると、本発明の1つまたは複数の実施形態と一貫した態様で構成された図1の流出カニューレ74が、詳細に図示される。流出カニューレ74のライナ176は、単一構造体として図示されているが、これは必須ではない。ライナ176の中間部分178は、ねじれ抵抗用の補強構造体180としての編組体108を備えるが、コイル106(図2)または他の適切な構造体を代替的に使用してもよい。さらに、図示するような補強構造体180は、近位部分182および遠位部分184の可撓性を維持するために、これらの部分を覆っては延在していないが、これは、必須と見なされるべきではない。
【0046】
ライナ176の遠位部分184は、ジャケット186を遠位方向に越えて延在し、遠位部分184におけるライナ17の外径が、中間部分178を覆うジャケット186の外径と実質的に同様となることで突出セクション188を形成するように、径厚の比較的厚い材料から構成される。このようにすることで、突出セクション188は、本明細書においては右鎖骨下動脈46(図1)として示される動脈構造体との吻合連結をもたらすために使用され得るが、突出セクション188は必須ではなく、動脈構造体に流出カニューレ74を装着するためにアンカ、縫合糸、または他の手段を備える先端部を使用してもよいことが、当業者には理解されよう。
【0047】
流出カニューレ74の近位端部は、拡張されて、ポンプ50(図1)の流出ポート76(図1)に結合されるように構成されたハブ190を形成することができる。
【0048】
組織内部成長材料を含む流出カニューレの構成により、流出カニューレ74のルーメン192を通り流れる血液による内皮細胞の付着の余地が与えられる。やはり、内皮細胞が、付着し、有糸分裂し、増殖して、組織内部成長材料から構成されるライナ176の長さ部分を覆うと、血管の本来の環境をより正確に再現した生体安定層が形成される。この生体安定層により、プロトロンビン環境の内皮性生成を誘発する攪乱が低減される。したがって、血栓形成の低減により、流出カニューレに起因する血栓塞栓症、すなわち腎梗塞および/または脳卒中の発生が低下する。
【0049】
図6Bは、ライナ196の近位部分198が、ライナ196の遠位部分200の第2の直径D2のルーメンよりも概して大きな第1の直径D1のルーメンを有するように、テーパ状の直径を有するライナ196を有する流出カニューレ194の代替的な一実施形態を図示する。この構成は、ポンプ50(図1)への装着のために比較的大きな直径が必要であり、容器においては比較的小さな直径が望まれる場合に、特に有利である。本明細書において示すように、比較的小さな直径の遠位部分200は、上述の構成と同様の突出セクション202として構成される。本実施形態において示すように、突出セクション202は、ジャケット204の外径に合致するように構成される必要はなく、代わりに流出カニューレ194の長さにわたって同一の直径を維持してもよい。
【0050】
テーパ状カニューレは、約6mm〜約10mmの範囲にわたるD1と、約3mm〜約7mmの範囲にわたるD2とを有してもよい。また、流出カニューレ194は、本明細書においては、流出カニューレ194の全長にわたり延在するテーパ部を備えるものとして示したが、例えばテーパ部が中間部分206と遠位部分200との間にのみ延在するなど、他の構成をも利用し得る。
【0051】
上述のように、流出カニューレ194は、ライナ196の少なくとも中間部分206にわたって、コイル210として示す補強構造体208を備えてもよい。また、流出カニューレ194の近位端部は、拡張されて、ハブ212を形成してもよい。
【0052】
カニューレ58、74が、位置決めされ、ポンプ50に結合されると、循環補助システム10は、心臓12が図1に図示したような血管網中に患者の血液を送り出すのを補助するために使用することができる。患者14の心拍出量に応じて、血流の一部分が、本来の態様で進み、酸素を含む血液が、左心房18から左心室22内へ大動脈38まで移動する。大動脈38から、血液は、左鎖骨下動脈40、左総頸動脈42、および腕頭動脈44内に移動する。血流の別の部分は、流入カニューレ58に進入し、流入カニューレ58のルーメン94を通りポンプ50まで移動することにより、人工経路に沿って進む。血液は、ポンプ50から、流出カニューレ74を通り特定の動脈構造体まで流れる。
【0053】
様々な好ましい実施形態を説明することにより本発明を例示し、これらの実施形態を幾分か詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲をかかる詳細に制限または何らかの意味で限定することは、本出願人の意図するところではない。当業者には、さらなる利点および変更が容易に明らかになろう。本発明の種々の特徴は、ユーザの必要性および嗜好性に応じて、単独でまたは任意の組合せにおいて使用されてもよい。本明細書においては、現時点において認識されているような本発明の好ましい実施方法と共に、本発明を説明した。しかし、本発明自体は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されるべきである。
【符号の説明】
【0054】
10 循環補助システム
12 心臓
14 患者
16 右心房
18 左心房
20 右心室
22 左心室
24 左鎖骨下静脈
26 右鎖骨下静脈
28 左頸静脈
30 右頸静脈
32 上大静脈
34 下大静脈
36 肺静脈
38 大動脈
40 左鎖骨下動脈
42 左総頸動脈
44 腕頭動脈
46 右鎖骨下動脈
48 右総頸動脈
50 移植型ポンプ
52 ケーブル
56 静脈アクセス部位
54 ポンプポケット
58 流入カニューレ
60 カニューレ先端部
62 心房内中隔
64 流入ポート
66 第1の展開可能アンカ
68 第2の展開可能アンカ
70 ストラット
72 ストラット
74 第2の流出カニューレ
76 出力ポート
78 動脈アクセス部位
78’ 動脈アクセス部位
80 縫合糸
82 先端部
84 心尖
86 開口
88 遠位先端部端部
90 ルーメン
92 生体適合性カニューレ
94 ライナ
96 中間部分
98 近位部分
100 遠位部分
102 ルーメン
104 補強構造体
108 編組体
110 ジャケット
112 ライナ
114 中間部分
116 補強構造体
118 コイル
120 近位部分
122 遠位部分
124 長手方向補強体
126 ジャケット
128 返し部
130 縫合糸タイ
132 UV接着剤
134 バンド
136 カバー
138 ハブ
139 外側層
140 送達システム
144 本体部
146 バルーン拡張可能なセクション
148 バルーン拡張可能な構造体
150 ハブ
152 側部ポート
154 導管
156 フラッシュ弁
158 拡張器
160 カテーテル本体部
162 拡張可能な遠位部分
164 バルーン
166 ハブ
168 ガイドワイヤ
170 ハブ
172 バンド
176 ライナ
178 中間部分
180 補強構造体
182 近位部分
184 遠位部分
186 ジャケット
188 突出セクション
190 ハブ
192 ルーメン
194 流出カニューレ
196 ライナ
198 近位部分
200 遠位部分
202 突出セクション
204 ジャケット
208 補強構造体
210 コイル
212 ハブ
D1 第1の直径
D2 第2の直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプと患者の循環系との間において流体を移動させるためのカニューレであって、
近位部分と遠位部分との間の中間部分、および前記近位部分と前記遠位部分との間に延在するルーメンを備えるライナであって、少なくとも前記中間部分は、内皮細胞成長を支援するための組織内部成長材料から構成され、前記近位部分は、前記ポンプに連結するように構成され、前記遠位部分は、前記循環系に連結するように構成される、ライナと、
前記ライナの少なくとも一部を囲むジャケットと
を備える、カニューレ。
【請求項2】
前記組織内部成長材料は、延伸ポリテトラフルオロエチレンである、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項3】
前記組織内部成長材料は、多孔性ポリマー材料、織成ポリエステル材料、またはベロアである、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項4】
前記ライナの前記近位部分および前記遠位部分は、ポリマー材料から構成される、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項5】
前記ポリマー材料は、エラストマー材料である、請求項4に記載のカニューレ。
【請求項6】
前記エラストマー材料は、ポリウレタンまたはシリコーンである、請求項5に記載のカニューレ。
【請求項7】
前記ジャケットは、ポリマー材料から構成され、前記ライナに接合される、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項8】
前記ライナの外側表面が、前記ジャケットに接合される前に、適合性のポリウレタン溶液またはシリコーン溶液で被覆される、請求項7に記載のカニューレ。
【請求項9】
前記ジャケットは、ポリウレタンから構成され、溶融プロセスにより前記ライナに接合される、請求項7に記載のカニューレ。
【請求項10】
前記ジャケットは、シリコーンから構成され、架橋プロセスにより前記ライナに接合される、請求項7に記載のカニューレ。
【請求項11】
前記遠位部分も、前記組織内部成長材料から構成される、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項12】
前記遠位部分を構成する組織内部成長材料の直径が、前記中間部分を構成する前記組織内部成長材料の直径よりも大きい、請求項11に記載のカニューレ。
【請求項13】
前記ジャケットは、前記遠位部分の前記組織内部成長材料を囲まない、請求項11に記載のカニューレ。
【請求項14】
前記ライナは、前記組織内部成長材料から構成された前記遠位部分、前記中間部分、および前記近位部分を有する単一構造体として構成される、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項15】
前記カニューレの長さ部分に沿ったよじれを阻止するために前記ライナの前記中間部分の少なくとも一部を囲む補強構造体であって、前記ライナおよび前記ジャケットにより封止される、補強構造体
をさらに備える、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項16】
前記補強構造体は、コイルまたは編組体である、請求項15に記載のカニューレ。
【請求項17】
前記コイルまたは前記編組体は、ステンレス鋼、クロムコバルト、超弾性材料、または剛性ポリマー材料から構成される、請求項16に記載のカニューレ。
【請求項18】
前記ライナと前記ジャケットとの間に位置決めされ、前記近位部分と前記遠位部分との間に少なくとも部分的に延在する、1つまたは複数の長手方向補強体
をさらに備える、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項19】
前記1つまたは複数の長手方向補強体は、1つまたは複数の縫合糸を備える、請求項18に記載のカニューレ。
【請求項20】
前記ポンプに前記カニューレを固定するための、近位に配置されたハブ
をさらに備える、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項21】
前記患者の心臓、動脈、または静脈の中の1つの壁部を貫通して挿入されるように構成された、遠位に配置された先端部
をさらに備える、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項22】
前記遠位に配置された先端部は、外側表面を有し、前記外側表面の少なくとも一部分が、組織内部成長材料を含む、請求項21に記載のカニューレ。
【請求項23】
前記遠位に配置された先端部は、前記遠位に配置された先端部から放射状に延在し、前記カニューレに対して印加される近位方向力に抵抗するように構成された、少なくとも1つのアンカを備える、請求項21に記載のカニューレ。
【請求項24】
前記遠位に配置された先端部は、前記少なくとも1つのアンカに隣接する組織内部成長材料を含む外側表面を有する、請求項23に記載のカニューレ。
【請求項25】
前記外側表面上の前記組織内部成長材料は、プロトロンビンコーティングをさらに備える、請求項24に記載のカニューレ。
【請求項26】
前記遠位に配置された先端部は、少なくとも1つの返し部、少なくとも1つの縫合糸、または少なくとも1つのバンドにより前記カニューレに固定される、請求項23に記載のカニューレ。
【請求項27】
前記少なくとも1つのバンドは、組織内部成長材料をさらに含む、請求項26に記載のカニューレ。
【請求項28】
前記ライナの前記遠位部分の少なくとも一部が、心臓、動脈、または静脈の中の1つの壁部との吻合連結をもたらすように構成される、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項29】
前記カニューレは、遠位端部および近位端部、ならびに前記遠位端部と前記近位端部との間に延在するテーパ状内径を有する、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項30】
前記ジャケットの少なくとも一部を囲む外側層であって、前記組織内部成長材料から構成される、外側層
をさらに備える、請求項1に記載のカニューレ。
【請求項31】
ポンプと患者の循環系との間において流体を移動させるためのカニューレであって、
近位部分と遠位部分との間の中間部分、および前記近位部分と前記遠位部分との間に延在するルーメンを備えるライナであって、少なくとも前記中間部分は、内皮細胞成長を支援するための組織内部成長材料から構成され、前記近位部分は、前記ポンプに連結するように構成され、前記遠位部分は、前記循環系に連結するように構成される、ライナと、
前記カニューレの長さ部分に沿ったよじれを阻止するために前記ライナの前記中間部分の少なくとも一部を囲む補強構造体と、
前記補強構造体および前記ライナの少なくとも一部を囲むジャケットと
を備える、カニューレ。
【請求項32】
前記組織内部成長材料は、多孔性ポリマー材料、織成ポリエステル材料、またはベロアである、請求項31に記載のカニューレ。
【請求項33】
前記ライナの前記近位部分および前記遠位部分は、ポリマー材料から構成される、請求項31に記載のカニューレ。
【請求項34】
前記ライナは、前記組織内部成長材料から構成された前記遠位部分、前記中間部分、および前記近位部分を有する単一構造体として構成される、請求項31に記載のカニューレ。
【請求項35】
前記補強構造体は、ステンレス鋼、クロムコバルト、超弾性材料、または剛性ポリマー材料から構成される、請求項31に記載のカニューレ。
【請求項36】
前記ジャケットは、ポリマー材料から構成され、前記ライナに接合される、請求項31に記載のカニューレ。
【請求項37】
前記患者の心臓、動脈、または静脈の中の1つの壁部を貫通して挿入されるように構成された、遠位に配置された先端部
をさらに備える、請求項31に記載のカニューレ。
【請求項38】
前記遠位に配置された先端部は、外側表面を有し、前記外側表面の少なくとも一部分が、組織内部成長材料を含む、請求項37に記載のカニューレ。
【請求項39】
前記遠位に配置された先端部は、少なくとも1つの返し部、少なくとも1つの縫合糸、または少なくとも1つのバンドにより前記カニューレに固定される、請求項37に記載のカニューレ。
【請求項40】
前記ポンプに前記カニューレを連結するための、近位に配置されたハブ
をさらに備える、請求項31に記載のカニューレ。
【請求項41】
前記ライナと前記ジャケットとの間に位置決めされ、前記近位部分と前記遠位部分との間に少なくとも部分的に延在する、1つまたは複数の長手方向補強体
をさらに備える、請求項31に記載のカニューレ。
【請求項42】
前記ジャケットの少なくとも一部を囲む外側層であって、前記組織内部成長材料から構成される、外側層
をさらに備える、請求項31に記載のカニューレ。
【請求項43】
患者の心臓からポンプに流体を移動させるための流入カニューレであって、
近位部分と遠位部分との間の中間部分、および前記近位部分と前記遠位部分との間に延在するルーメンを備えるライナであって、少なくとも前記中間部分は、内皮細胞成長を支援するための組織内部成長材料から構成される、ライナと、
前記遠位部分に結合され、心臓の壁部を貫通して挿入されるように構成される先端部と、
前記近位部分に結合され、前記ポンプに前記流入カニューレを固定するように構成されるハブと
を備える、流入カニューレ。
【請求項44】
前記流入カニューレの長さ部分に沿ったよじれを阻止するために前記ライナの前記中間部分の少なくとも一部を囲む補強構造体
をさらに備える、請求項43に記載の流入カニューレ。
【請求項45】
前記補強構造体および前記ライナの少なくとも一部を囲むジャケット
をさらに備える、請求項43に記載の流入カニューレ。
【請求項46】
前記ジャケットの少なくとも一部を囲む外側層であって、前記組織内部成長材料から構成される、外側層
をさらに備える、請求項45に記載の流入カニューレ。
【請求項47】
前記先端部は、前記遠位先端部から放射状に延在し、前記流入カニューレに対して印加される近位方向力に抵抗するように構成された、少なくとも1つのアンカを備える、請求項43に記載の流入カニューレ。
【請求項48】
前記先端部は、前記少なくとも1つのアンカに隣接する組織内部成長材料を含む外側表面を有する、請求項47に記載の流入カニューレ。
【請求項49】
前記外側表面上の前記組織内部成長材料は、プロトロンビンコーティングをさらに備える、請求項48に記載の流入カニューレ。
【請求項50】
前記先端部は、少なくとも1つの返し部、少なくとも1つの縫合糸、または少なくとも1つのバンドにより前記流入カニューレに固定される、請求項43に記載の流入カニューレ。
【請求項51】
心臓から前記ポンプまで経皮的に延在する、請求項43に記載の流入カニューレ。
【請求項52】
前記ライナと前記ジャケットとの間に位置決めされ、前記近位部分と前記遠位部分との間に少なくとも部分的に延在する、1つまたは複数の長手方向補強体
をさらに備える、請求項43に記載の流入カニューレ。
【請求項53】
ポンプから患者の血管網内の動脈構造体まで流体を移動させるための流出カニューレであって、
近位部分と遠位部分との間の中間部分、および前記近位部分と前記遠位部分との間に延在するルーメンを備えるライナであって、少なくとも前記中間部分は、内皮細胞成長を支援するための組織内部成長材料から構成される、ライナと、
前記近位部分に結合され、前記ポンプに前記流出カニューレを固定するように構成されるハブと
前記動脈構造体に結合されるように構成された遠位端部と
を備える、流出カニューレ。
【請求項54】
前記流出カニューレの長さ部分に沿ったよじれを阻止するために前記ライナの前記中間部分の少なくとも一部を囲む補強構造体
をさらに備える、請求項53に記載の流出カニューレ。
【請求項55】
前記補強構造体および前記ライナの少なくとも一部を囲むジャケット
をさらに備える、請求項53に記載の流出カニューレ。
【請求項56】
前記ジャケットの少なくとも一部を囲む外側層であって、前記組織内部成長材料から構成される、外側層
をさらに備える、請求項55に記載の流出カニューレ。
【請求項57】
前記遠位部分も、前記中間部分を構成する前記組織内部成長材料の外径よりも大きな外径を有する前記組織内部成長材料から構成される、請求項53に記載の流出カニューレ。
【請求項58】
前記遠位端部は、吻合コネクタを備える、請求項53に記載の流出カニューレ。
【請求項59】
組織内にカニューレを経皮挿入するための送達システムであって、
(i)送達シースであって、
(a)近位端部、遠位端部、および前記近位端部と前記遠位端部との間に延在するルーメンを有する本体部、および
(b)前記本体部の前記遠位端部に結合され、第1の状態および第2の状態を有するように構成された、バルーン拡張可能なセクションであって、前記第1の状態における該バルーン拡張可能なセクションの直径が、前記第2の状態における該バルーン拡張可能なセクションの直径よりも小さく、前記第2の状態における該バルーン拡張可能なセクションの前記直径は、カニューレを収容し、前記カニューレに対して移動するように構成される、バルーン拡張可能なセクション
を備える、送達シースと、
(ii)本体部、および遠位に配置された膨張部材を有する拡張器と
を備え、
前記拡張器は、前記膨張部材が前記送達シースの前記バルーン拡張可能なセクション内に位置決めされるように、前記送達シースの前記ルーメンを貫通して延在し、前記送達シースは、前記遠位膨張部材の膨張により前記バルーン拡張可能なセクションが前記第1の状態から前記第2の状態に拡張されるように構成される、送達システム。
【請求項60】
前記送達シースは、止血弁を中に配設した前記本体部の前記近位端部上にハブを備える、請求項59に記載の送達システム。
【請求項61】
前記バルーン拡張可能なセクションは、バルーン拡張可能な材料から構成される、請求項59に記載の送達システム。
【請求項62】
組織内にカニューレを経皮挿入する方法であって、
前記組織中の穿刺部を通して送達シースを導くステップであって、前記送達シースは、近位端部、遠位端部、および前記近位端部と前記遠位端部との間に延在するルーメンを有する本体部と、前記本体部の前記遠位端部に結合される前記バルーン拡張可能なセクションとを備え、前記バルーン拡張可能なセクションは、第1の潰縮状態にある、ステップと、
前記バルーン拡張可能なセクションが前記第1の潰縮状態から第2の拡張状態に拡張され、前記組織中の前記穿刺部を拡張させるように、バルーン拡張可能なセクション内に位置決めされた膨張部材を膨張させるステップと、
前記膨張部材を収縮させ、前記送達シースから引き戻すステップと、
前記送達シースの前記ルーメンを通して前記バルーン拡張可能なセクションにカニューレを導くステップと、
前記カニューレが前記組織中の前記拡張された穿刺部を通り延在するように、前記カニューレに対して前記送達シースを引き戻すステップと
を含む、方法。
【請求項63】
患者の心臓から血液を導くためのカニューレアセンブリであって、
近位部分および遠位部分、ならびに前記近位部分と前記遠位部分との間のルーメンを備える可撓性カニューレ本体部と、
前記可撓性カニューレ本体部の前記遠位部分に結合される先端部と、
前記先端部と結合され、収縮状態から拡張状態へと展開されるように構成されたアンカであって、前記拡張状態においては心臓組織の少なくとも一方の側に係合するように構成され、前記可撓性カニューレ本体部の縦方向中心軸に沿った少なくとも一方の方向への前記カニューレアセンブリの移動を阻止するように作動可能である、アンカと、
前記アンカに隣接する前記先端部の外側表面に結合され、組織内部成長を促進するように構成された組織内部成長部材と
を備える、カニューレアセンブリ。
【請求項64】
前記可撓性カニューレ本体部の少なくとも一部分を囲む外側層であって、前記組織内部成長材料から構成される外側層
をさらに備える、請求項63に記載のカニューレアセンブリ。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2013−519450(P2013−519450A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553039(P2012−553039)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/024558
【国際公開番号】WO2011/100568
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(508226322)サーキュライト・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】