説明

組織因子経路インヒビター(TFPI)に対する最適化されたモノクローナル抗体

ヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)に結合する単離されたモノクローナル抗体が提供される。TFPIに結合するモノクローナル抗体をコードする単離された核酸分子もまた考えられる。抗−TFPIモノクローナル抗体を含む医薬組成物および該抗体の投与による凝固における欠乏または欠損を処置する方法もまた提供される。該抗体を生産する方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
組織因子経路インヒビター(TFPI)に対する最適化されたモノクローナル抗体
ワン・ジュオジ、ジュンリアン・パン、ヨアンナ・グルドツィンスカ、クリスチャン・フォツマイアー、ヤン・テベ、イェルク・ビルケンフェルト、ニーナ・ヴォブスト、ジモーネ・ブリュックナー、ズザンネ・シュタイニヒ、ペーター・ショルツ。
【0002】
配列表提出
本出願と関連する配列表をEFS−Webを介して電子形式において出願し、その全体を出典明示により本明細書に包含させる。
【0003】
態様の分野
ヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)に結合する単離されたモノクローナル抗体およびそれらのフラグメントを提供する。
【背景技術】
【0004】
背景
血液凝固は、血液が安定な血餅を形成し、出血を停止させるプロセスである。該プロセスは、血液中に循環している多くのプロ酵素およびプロ補因子(または「凝固因子」)と関連する。これらのプロ酵素およびプロ補因子は、いくつかの経路を介して相互作用し、それらを介して、連続して、または同時にのいずれかで、活性化形態に変換される。最後に、該プロセスは、第Va因子、イオン化カルシウムおよび血小板の存在下で活性化第X因子(FXa)によるプロトロンビンのトロンビンへの活性化をもたらす。活性化トロンビンは、次に、血小板凝集を誘導し、フィブリノーゲンをフィブリンに変換し、次に活性化第XIII因子(FXIIIa)により架橋され、血餅を形成する。
【0005】
第X因子の活性化を引き起こすプロセスは、2つの別個の経路:接触活性化経路(以前は内因性経路として知られていた)および組織因子経路(以前は外因性経路として知られていた)により行われ得る。凝固カスケードが共通の経路に接続した等しく重要な2つの経路からなると以前に考えられていた。現在、血液凝固の開始のための主要な経路は組織因子経路であることが知られている。
【0006】
第X因子は、活性化第VII因子(FVIIa)と一緒に組織因子(TF)により活性化され得る。第VIIa因子およびその必須の補因子であるTFの複合体は、凝固カスケードの強力な開始剤である。
【0007】
凝固の組織因子経路は、組織因子経路インヒビター(「TFPI」)によりネガティブコントロールされる。TFPIは、FVIIa/TF複合体の天然のFXa−依存性フィードバックインヒビターである。それは、多価Kunitz型セリンプロテアーゼインヒビターのメンバーである。生理学的に、TFPIは、活性化第X因子(FXa)に結合し、ヘテロダイマー複合体を形成し、次にFVIIa/TF複合体と相互作用し、その活性を阻害し、したがって凝固の組織因子経路を停止させる。原則として、TFPI活性のブロックは、FXaおよびFVIIa/TF活性を回復させ、したがって組織因子経路の作用期間を延長し、血友病AおよびBにおける共通の欠陥であるFXaの産生を増幅させることができる。
【0008】
実際に、いくつかの予備的実験証拠は、TFPIに対する抗体によるTFPI活性のブロックが長期凝固時間を正常化するか、または出血時間を短縮することが示されている。例えば、Nordfangらは、血友病血漿の長期希釈プロトロンビン時間が、TFPIに対する抗体での血漿処置後、正常化されることを示した(Thromb. Haemost., 1991, 66(4): 464-467)。同様に、Erhardtsenらは、血友病Aウサギモデルにおける出血時間が抗−TFPI抗体により有意に短縮されることを示した(Blood Coagulation and Fibrinolysis, 1995, 6: 388-394)。これらの試験は、抗−TFPI抗体によるTFPIの阻害が血友病AまたはBの処置のために有用であり得ることを示す。ポリクローナル抗−TFPI抗体のみが、これらの試験において使用された。
【0009】
ハイブリドーマ技術を使用して、組換えヒトTFPI(rhTFPI)に対するモノクローナル抗体を製造し、同定した。Yangら Chin. Med. J., 1998, 111(8): 718-721参照。希釈プロトロンビン時間(PT)および活性化部分トロンボプラスチン(APTT)におけるモノクローナル抗体の効果を試験した。実験は、抗−TFPIモノクローナル抗体が、第IX因子欠乏血漿の希釈トロンボプラスチン凝固時間を短縮することを示した。組織因子経路が生理学的凝固だけでなく血友病の出血においてもまた重要な役割を果たすことを示唆する(Yangら Hunan Yi Ke Da Xue Xue Bao, 1997, 22(4): 297-300)。
【0010】
したがって、TFPIに対して特異的な抗体は、血液疾患および癌を処置するために必要である。
【0011】
一般的に、ヒト疾患のための治療抗体は、マウス、キメラ、ヒト化または完全ヒト抗体を創造するために、遺伝子操作を使用して産生されている。マウスモノクローナル抗体は、短い血清半減期、ヒトエフェクター機能を引き起こすことができないこと、およびヒト抗マウス−抗体の生産のため、治療剤として限定された使用であることが示された(Brekke and Sandlie, “Therapeutic Antibodies for Human Diseases at the Dawn of the Twenty-first Century,” Nature 2, 53, 52-62, Jan. 2003)。キメラ抗体は、ヒト抗−キメラ抗体応答を引き起こすことが示されている。ヒト化抗体はさらに、抗体のマウス成分を最小限にする。しかしながら、完全ヒト抗体は、マウス成分と関連する免疫原性を完全に回避する。したがって、遺伝的に操作されたモノクローナル抗体の他の形態と関連する免疫原性を回避するような完全ヒト抗体を開発する必要性が存在する。特に、マウス成分またはマウス起源を有する抗体が使用される場合、必要とされる頻繁な投与期間および長期の治療によって、抗−TFPIモノクローナル抗体での血友病処置のために必要とされる慢性予防処置は、治療に対する免疫応答の発生の高い危険性を有する。例えば、血友病Aに対する抗体治療は、患者の生存のために毎週の投与を必要とし得る。これは、免疫系に対する継続的な抗原投与である。したがって、血友病ならびに関連した凝固における遺伝的および後天的欠乏または欠損に対する抗体治療のための完全ヒト抗体の必要性が存在する。
【0012】
治療抗体は、“Continuous Cultures of Fused Cells Secreting Antibody of Predefined Specificity,” Nature 256, 495-497 (1975)においてKoehlerおよびMilsteinにより記載されているハイブリドーマ技術を介して作製されている。完全ヒト抗体はまた、組換え的に原核生物および真核生物において作製され得る。ハイブリドーマ生産よりむしろ宿主細胞における抗体の組換え生産が治療抗体のために好ましい。組換え生産は、より良い生産物の一貫性、期待できるより高い生産レベル、および動物由来のタンパク質の存在を最小限にするか、または除去するコントロールされた製造という利点を有する。これらの理由のため、組換え的に生産されたモノクローナル抗−TFPI抗体を有することが望ましい。
【0013】
加えて、TFPIが高親和性で活性化第X因子(FXa)に結合するため、有効な抗−TFPI抗体は同程度の親和性を有するべきである。したがって、TFPI/FXa結合と競合することができる結合親和性を有する抗−TFPI抗体を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0014】
概要
ヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)に対するモノクローナル抗体を提供する。該抗体をコードする単離された核酸分子をさらに提供する。抗−TFPIモノクローナル抗体を含む医薬組成物ならびに凝固における遺伝的および後天的欠乏または欠損、例えば、血友病AおよびBの処置方法もまた提供する。抗−TFPIモノクローナル抗体を必要とする患者に投与することによる出血時間を短縮するための方法もまた提供する。本発明のヒトTFPIに結合するモノクローナル抗体を生産するための方法もまた提供する。
【0015】
いくつかの態様において、提供されるTFPIに対するモノクローナル抗体は、例えば、増加した親和性または増加した機能活性を有するように最適化されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、dPTアッセイを使用してヒト血友病A血漿の凝固時間の短縮におけるさらなる効力を示す、単一のアミノ酸置換を有する選択された2A8変異体を説明する棒グラフを示す。
【0017】
【図2】図2は、抗−第VIII因子抗体誘導ヒト血友病血液の凝固時間における選択された単一のアミノ酸変異抗−TFPI抗体の効果を示すグラフを示す。
【0018】
【図3】図3は、4B7−D62Rが、親4B7抗体と比較して、ヒト抗体誘導血友病A血液の凝固時間の短縮においてはるかに良い効力を有し、2A8内の単一のアミノ酸置換と比較して、より低い程度を有することを示すグラフを示す。
【0019】
【図4】図4は、コントロールマウスIgG1(CTX IgG1)と比較して、親抗体2A8および複数のアミノ酸置換を有する2A8変異体(A200)で用量依存的に処置された血友病Aマウスの生存を示す2つのグラフを示す。
【0020】
【図5】図5は、2A8変異体が用量依存的にヒト血友病C(FXI−欠乏)血漿における凝固を増強し、その効果が組換えFVIIaに匹敵したことを示すグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
定義
本明細書において使用される「組織因子経路インヒビター」または「TFPI」なる用語は、細胞により天然に発現されるヒトTFPIのあらゆる変異体、アイソフォームおよび種ホモログを示す。本発明の好ましい態様において、TFPIへの本発明の抗体の結合は血液凝固時間を減少させる。
【0022】
本明細書において使用される「抗体」は、抗体全体およびあらゆる抗原結合フラグメント(すなわち「抗原結合部分」)またはそれらの一本鎖を示す。該用語は、天然であるか、または正常免疫グロブリン遺伝子フラグメント組換え方法により形成される全長免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)、または特異的結合活性を保持する免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、例えば、抗体フラグメントを含む。構造にかかわらず、抗体フラグメントは、全長抗体により認識される抗原と同じ抗原に結合する。例えば、抗−TFPIモノクローナル抗体フラグメントは、TFPIのエピトープに結合する。抗体の抗原結合機能は、全長抗体のフラグメントにより行うことができる。抗体の「抗原結合部分」なる用語に包含される結合フラグメントの例は、(i)V、V、CおよびCH1ドメインからなる一価のフラグメントであるFabフラグメント;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結される2つのFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab’)フラグメント;(iii)VおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の単一アームのVおよびVドメインからなるFvフラグメント、(v)VドメインからなるdAbフラグメント(Wardら (1989) Nature 341:544-546);(vi)単離された相補性決定領域(CDR);(vii)ミニボディ、ジアボディ、トリアボディ、テトラボディおよびカッパボディ(例えば、Illら Protein Eng 1997;10:949-57参照);(viii)ラクダIgG;および(ix)IgNARを含む。さらに、Fvフラグメントの2つのドメインであるVおよびVは別々の遺伝子によりコードされるが、それらは、組換え方法を使用して、VおよびV領域が対になって、一価の分子(一本鎖Fv(scFv)として知られる;例えば、Birdら (1988) Science 242:423-426;およびHustonら (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883参照)を形成する単一のタンパク質鎖として作製されるようにすることができる合成リンカーによって結合させることができる。このような一本鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部分」なる用語内に含まれることが意図される。これらの抗体フラグメントは当業者に知られている慣用の技術を使用して得られ、該フラグメントはインタクトな抗体と同じ方法で有用性について分析される。
【0023】
さらに、抗原結合フラグメントは、抗体模擬物に包含され得ることが考えられる。本明細書において使用される「抗体模擬物」または「模擬物」なる用語は、抗体と同様の結合を示すが、より小さい代替抗体または非抗体タンパク質であるタンパク質を意味する。このような抗体模擬物は、スカフォールドに含まれ得る。「スカフォールド」なる用語は、適合した機能および特性を有する新規産物の操作のためのポリペプチド基本骨格(platform)を示す。
【0024】
本明細書において使用される「結合の阻害」および「結合のブロック」(例えば、TFPIへのTFPIリガンドの結合の阻害/ブロック)なる用語は、互換的に使用され、部分的および完全阻害またはブロックの両方を含む。阻害およびブロックはまた、抗−TFPI抗体と接触していないTFPIと比較して、抗−TFPI抗体と接触しているとき、生理学的基質へのTFPIの結合親和性におけるあらゆる測定可能な減少、例えば、TFPIと第Xa因子との相互作用またはTFPI−第Xa因子複合体と組織因子、第VIIa因子または組織因子/第VIIa因子の複合体との相互作用を、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%ブロックすることを含むことを意図する。
【0025】
本明細書において使用される「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」なる用語は、単一分子組成の抗体分子の調製物を示す。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対する単一の結合特異性および親和性を示す。したがって、「ヒトモノクローナル抗体」なる用語は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列由来の可変および定常領域を有し、単一の結合特異性を示す抗体を示す。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的変異誘発またはインビボでの体細胞変異により導入される変異)を含み得る。
【0026】
本明細書において使用される「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を示すことを意図する(例えば、TFPIに結合する単離された抗体は、TFPI以外の抗原に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、ヒトTFPIのエピトープ、アイソフォームまたは変異体に結合する単離された抗体は、例えば、他の種由来の他の関連抗原(例えば、TFPI種ホモログ)に対する交差反応性を有し得る。さらに、単離された抗体は、他の細胞物質および/または化学物質を実質的に含まないこともある。
【0027】
本明細書において使用される「特異的結合」は、予め決定された抗原に対する抗体結合を示す。一般的に、抗体は、少なくとも約10−1の親和性で結合し、予め決定された抗原または密接に関連した抗原以外の不適切な抗原(例えば、BSA、カゼイン)に対する結合に対する親和性よりも、高い、例えば少なくとも2倍高い親和性で予め決定された抗原に結合する。「抗原を認識する抗体」および「抗原に対して特異的な抗体」なるフレーズは、本明細書において、「抗原に特異的に結合する抗体」なる用語と互換的に使用される。
【0028】
本明細書において使用されるIgG抗体に対する「高親和性」なる用語は、少なくとも約10−1、いくつかの態様において、少なくとも約10−1、いくつかの態様において、少なくとも約10−1、1010−1、1011−1またはそれ以上、例えば、最大1013−1またはそれ以上の結合親和性を示す。しかしながら、「高親和性」結合は、他の抗体アイソタイプに対して変化し得る。例えば、IgMアイソタイプに対する「高親和性」結合は、少なくとも約1.0×10−1の結合親和性を示す。本明細書において使用される「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgMまたはIgG1)を示す。
【0029】
「相補性決定領域」または「CDR」は、結合される抗原の三次元構造に相補的であるN−末端抗原結合表面を形成する抗体分子の重鎖の可変領域または軽鎖の可変領域内の3つの超可変領域の1つを示す。重鎖または軽鎖のN−末端から始めて、これらの相補性決定領域はそれぞれ、「CDR1」、「CDR2」および「CDR3」と示される。CDRは抗原抗体結合に関与し、CDR3は、抗原抗体結合に対して特異的なユニークな領域を含む。したがって、抗原結合部位は、重鎖および軽鎖V領域のそれぞれのCDR領域を含む6つのCDRを含み得る。
【0030】
本明細書において使用される「保存的置換」は、ポリペプチドの生物学的または生化学的機能の喪失をもたらさない同様の生化学的特性を有するアミノ酸の1つ以上のアミノ酸での置換を含むポリペプチドの修飾を示す。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されているものである。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当分野で定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族性側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。本発明の抗体は、保存的アミノ酸置換を有していてもよく、活性を保持しているものを想定する。
【0031】
核酸およびポリペプチドにおいて、「実質的な相同性」なる用語は、2つの核酸または2つのポリペプチドまたはそれらの示された配列が、最適にアラインされ比較されたとき、適当なヌクレオチドまたはアミノ酸挿入または欠失を有し、少なくとも約80%のヌクレオチドまたはアミノ酸、通常少なくとも約85%、好ましくは約90%、91%、92%、93%、94%または95%、さらに好ましくは少なくとも約96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%または99.5%のヌクレオチドまたはアミノ酸で同一であることを示す。あるいは、核酸に対する実質的な相同性は、セグメントが選択的なハイブリダイゼーション条件下で鎖の相補体にハイブリダイズするとき存在する。本発明は、本明細書において記載されている特定の核酸配列およびアミノ酸配列と実質的な相同性を有する核酸配列およびポリペプチド配列を含む。
【0032】
2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要があるギャップの数およびそれぞれのギャップの長さを考慮して、配列により共有される同一の位置の数の関数(すなわち、相同性%=同一の位置の#/全位置の#×100)である。配列の比較および2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学アルゴリズム、例えば、限定はしないが、ベクターNTITMのAlignXTM(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)を使用して成し遂げることができる。AlignXTMにおいて、複数のアラインメントのデフォルトパラメーターは、:ギャップオープンペナルティ:10;ギャップ伸長ペナルティ:0.05;ギャップ分離ペナルティ範囲:8;アラインメントディレイに関する同一性%:40である。(http://www.invitrogen.com/site/us/en/home/LINNEA-Online-Guides/LINNEA-Communities/Vector-NTI-Community/Sequence-analysis-and-data-management-software-for-PCs/AlignX-Module-for-Vector-NTI-Advance.reg.us.htmlでさらに詳細に見られる)。
【0033】
グローバル配列アラインメントとしても示されるクエリー配列(本発明の配列)および対象配列間の最も良い全体の一致を決定するための別の方法は、Higginsら(Computer Applications in the Biosciences (CABIOS), 1992, 8(2): 189-191)のアルゴリズムに基づくCLUSTALWコンピュータープログラム(Thompsonら Nucleic Acids Research, 1994, 2(22): 4673-4680)を使用して決定することができる。配列アラインメントにおいて、クエリーおよび対象配列は両方ともDNA配列である。該グローバル配列アラインメントの結果は同一性パーセントである。ペアワイズアラインメントを介して同一性パーセントを計算するためにDNA配列のCLUSTALWアラインメントにおいて使用される好ましいパラメーターは、マトリックス=IUB、k−タプル=1、トップ ダイアゴナル数=5、ギャップペナルティ=3、ギャップオープンペナルティ=10、ギャップ伸長ペナルティ=0.1である。多数のアラインメントにおいて、以下のCLUSTALWパラメーターが好ましい:ギャップオープンペナルティ=10、ギャップ伸長ペナルティ=0.05;ギャップ分離ペナルティ範囲=8;アラインメントディレイに関する同一性%=40。
【0034】
核酸は、全細胞、細胞溶解物中に存在し得、または部分的に精製された形態もしくは実質的に純粋な形態において存在し得る。核酸は、天然環境と通常関連する他の細胞成分から精製されるとき、「単離」または「実質的に純粋」(に)されている。核酸を単離するために、標準技術、例えば以下のものが使用され得る:アルカリ/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動および他の当分野でよく知られているもの。
【0035】
高親和性および機能活性に関して最適化されたモノクローナル抗体
いくつかの抗−TFPI抗体は、以前の試験において同定されており、2009年8月4日に出願されたPCT出願PCT/US2009/052702(全ての目的のために出典明示により本明細書に包含させる)に記載されている。これらの抗−TFPI抗体はさらに、例えば、TFPIに対する親和性およびブロッキング活性を改善することにより最適化され得る。このような最適化は、例えば、抗体の相補性決定領域(CDR)またはCDRに極めて接近した残基、すなわちCDRに隣接した約3または4つの残基の部位飽和変異誘発を利用することにより行うことができる。
【0036】
TFPIに対する増加した、または高い親和性を有するモノクローナル抗体もまた提供する。いくつかの態様において、抗−TFPI抗体は、少なくとも約10−1、いくつかの態様において、少なくとも約10−1、いくつかの態様において、少なくとも約10−1、1010−1、1011−1またはそれ以上、例えば、最大1013−1またはそれ以上の結合親和性を有する。
【0037】
2A8および4B7として本明細書において示された2つの抗−TFPI親抗体のCDR中の、およびCDRに隣接した部位飽和変異誘発を、親和性および機能活性に対して抗体を最適化するために利用した。同じ最適化が以前のPCT/US2009/052702に記載されている任意の抗体において行われ得ることもまた考えられる。
【0038】
いくつかの態様において、CDRの部位飽和変異誘発は抗−TFPI抗体について行われ得る。2A8において、配列番号:1において示される重鎖におけるCDRは、残基FTFRSYGMS(残基27から35)、SIRGSSSSTYYADSVKG(残基50から66)およびKYRYWFDY(残基99から106)に対応する。配列番号:2において示される2A8軽鎖において、CDRは、残基SGDNLRNYYAH(残基23から33)、YYDNNRPS(残基48から55)およびQSWDDGVPV(残基88から96)に対応する。4B7において、配列番号:3において示される重鎖におけるCDRは、残基DSVSSNSAAWS(残基27から37)、IIYKRSKWYNDYAVSVKS(残基52から70)およびWHSDKHWGFDY(残基102から112)に対応する。配列番号:4において示される4B7軽鎖において、CDRは、配列番号:4の残基RSSQSLVFSDGNTYLN(残基24から39)、KGSNRAS(残基55から61)およびQQYDSYPLT(残基94から102)に対応する。修飾は個々に6つのCDRのいずれかに作製されるか、または修飾の組合せで作製され得る。さらに、2つまたはそれ以上の修飾は、単一のCDRにおいて作製され得る。他の態様において、修飾はまた、CDRに極めて接近して、例えば、それぞれのCDRのいずれかの側の約3または4つの残基に導入され得る。
【0039】
簡潔には、親抗体2A8および4B7を最適化するために、例えば、親和性を改善するために単一および/または複数のアミノ酸修飾を導入し、分析した。第1に、単一のアミノ酸修飾をそれぞれの抗体の6つのCDRまたはCDRに隣接した位置に導入し、次にTFPI−結合特性の分析を行った。TFPIに対する結合シグナルを増加した修飾を、1つまたはそれ以上の他の修飾との組合せのために選択し、結合シグナルのさらなる増加について分析した。それぞれの分析後、選択された抗体変異体を、TFPIに対する親和性およびTFPI活性をブロックする活性および凝固時間を短縮する活性を測定するために使用した。したがって、いくつかの態様において、修飾されていない親抗体と比較してTFPIに対する増加した親和性を有するヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体を提供する。さらに、いくつかの態様において、修飾されていない親抗体と比較してTFPIの増加したブロッキング活性を有するヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体を提供する。いくつかの態様において、修飾されていない親抗体と比較して短縮された凝固時間を有するヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体を提供する。
【0040】
いくつかの態様において、さらなるアミノ酸修飾が、生殖細胞系列配列との相違を減少させるために導入された。他の態様において、アミノ酸修飾が、大規模生産方法のための抗体生産を容易にするために導入された。
【0041】
抗体は種特異的であり得、または多数の種と交差反応し得る。いくつかの態様において、抗体は、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、ブタ、イヌ、ネコまたは他の哺乳動物種のTFPIと特異的に反応するか、または交差反応し得る。
【0042】
抗体は、種々のクラスの抗体のいずれか、例えば、限定はしないが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌IgA、IgDおよびIgE抗体であり得る。
【0043】
1つの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに対する単離された完全ヒトモノクローナル抗体を提供する。
【0044】
別の態様において、ヒト組織因子経路インヒビターのKunitzドメイン2に対する単離された完全ヒトモノクローナル抗体を提供する。
【0045】
2A8変異体
したがって、いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、配列番号:1において示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含み、該アミノ酸配列は1つ以上のアミノ酸修飾を含む抗体を提供する。いくつかの態様において、2A8の重鎖の修飾は置換、挿入または欠失である。
【0046】
いくつかの態様において、置換は2A8の重鎖のCDRに位置する。他の態様において、置換は2A8の重鎖のCDRの外側に位置する。
【0047】
いくつかの態様において、2A8の重鎖の置換は、S31、G33、S35、I51、S54、S55、K99およびF104から選択される位置にある。いくつかの態様において、2A8の重鎖の置換はまた、Q1、R30、M34、S50、R52およびS56から選択される位置を含み得る。例えば、置換はQ1E、R30S、S31P、S31V、G33A、G33K、G33P、M34I、M34K、S35L、S35D、S50A、I51D、I51E、R52S、S54F、S54D、S55A、S55G、S55R、S56G、K99V、K99LおよびF104Yから選択され得る。さらに、いくつかの態様において、抗体はQ1E、R30S、S31P、S31V、G33A、G33K、G33P、M34I、M34K,S35L、S35D、S50A、I51D、I51E、R52S、S54F、S54D、S55A、S55G、S55R、S56G、K99V、K99LおよびF104Yから選択される2つ以上の置換を含み得る。
【0048】
いくつかの態様において、2A8の重鎖は、配列番号:1に対して、S31V+I51D+S54F+K99V;G33P+S35D+S54F+K99L;S35D+I51D+S55R+K99V;S35L+S54F+K99V;S31V+G33P+S35D;S35D+I51D+K99L;S31V+I51D+S55R+K99L;S31V+S35D+I51D+K99V;G33P+I51D+S54F;I51D+S54F+K99L;S35D+K99L;S31V+G33P+I51D+S54F+K99V;S35D+I51E+S55R+K99L;S31V+K99V;S31V+I51E+S55R+K99V;S35D+S55R+K99L;S31V+S54F+K99L;S31V+I51D+S55R+K99V;S31V+S35D+S55R;S31V+S35D;S31V+I51D+S55R;S35D+S54F+S55R+K99L;S31V+S35D+S54F;S31V+S35L+I51D+S54F+K99V;およびS31V+S35L+I51E+S54F+K99Vの置換を有する。
【0049】
いくつかの態様において、2A8の重鎖は、配列番号:1に対して、G33A+S35D+S55R+K99L;G33P+I51D+S54F;G33P+S35D+S54F+K99L;I51D+S54F+K99L;M34I+S35D+S55R+K99L;M34K+S35D+S55R+K99L;Q1E+R30S+S35D+S55G+S56G+K99L;Q1E+R30S+S35D+S55R+S56G+K99L;Q1E+S31V+S50A+I51D+S55R+S56G+K99V;Q1E+S35D+S55R+K99L;R30S+S31V+I51D+S55R+K99V;R30S+S35D+S55R+K99L;S31V+G33A+I51D+S55R+K99V;S31V+G33P+I51D+S54F+K99V;S31V+G33P+S35D;S31V+I51D+R52S+S55R+K99V;S31V+I51D+S54F+K99V;S31V+I51D+S55R;S31V+I51D+S55R+K99L;S31V+I51D+S55R+K99V;S31V+I51D+S55R+S56G+K99V;S31V+I51E+S55R+K99V;S31V+K99V;S31V+S35D;S31V+S35D+I51D+K99V;S31V+S35D+S54F;S31V+S35D+S55R;S31V+S35L+I51D+S54F+K99V;S31V+S35L+I51E+S54F+K99V;S31V+S50A+I51D+S55R+K99V;S31V+S54F+K99L;S35D+I51D+K99L;S35D+I51D+S55R+K99V;S35D+I51E+S55R+K99L;S35D+K99L;S35D+R52S+K99L;S35D+R52S+S55R+K99L;S35D+S50A+K99L;S35D+S50A+S55R+K99L;S35D+S54F+S55R+K99L;S35D+S55G+K99L;S35D+S55R+K99L;S35D+S55R+S56G+K99L;S35D+S56G+K99L;およびS35L+S54F+K99Vの置換を有する。
【0050】
いくつかの態様において、2A8の重鎖は1つ以上の欠失を有する。いくつかの態様において、欠失は2A8の重鎖のCDRに位置する。他の態様において、欠失は2A8の重鎖のCDRの外側に位置する。いくつかの態様において、例えば、欠失はI51、S56およびS57から選択される位置にある。
【0051】
さらに、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、配列番号:2において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、該アミノ酸配列は1つ以上のアミノ酸修飾を含む抗体を提供する。いくつかの態様において、修飾は置換、挿入または欠失である。
【0052】
いくつかの態様において、置換は2A8の軽鎖のCDRに位置する。他の態様において、置換は2A8の軽鎖のCDRの外側に位置する。
【0053】
いくつかの態様において、2A8の軽鎖の置換は、A32、Y48、N51、N52、P54、D91、D92およびV96から選択される位置にある。いくつかの態様において、2A8の軽鎖の置換はまた、D1、I2、A13、S21、N26、R28、N29、H33、Y49、G56、E80、S89、G93、V94およびP95から選択される位置を含み得る。例えば、置換はD1S、I2Y、A13S、S21T、N26A、R28P、N29K、A32N、H33Y、Y48F、Y49R、N51S、N51V、N52G、P54L,G56D、E80M、S89A、D91L、D91R、D91W、D91K、D92S、D92T、G93S、V94T、P95V、P95A、V96G、V96MおよびV96Wから選択され得る。さらに、いくつかの態様において、抗体はD1S、I2Y、A13S、S21T、N26A、R28P、N29K、A32N、H33Y、Y48F、Y49R、N51S、N51V、N52G、P54L、G56D、E80M、S89A、D91L、D91R、D91W、D91K、D92S、D92T、G93S、V94T、P95V、P95A、V96G、V96MおよびV96Wから選択される2つ以上の置換を含み得る。
【0054】
いくつかの態様において、2A8の軽鎖は、配列番号:2に対して、Y48F+N51V;Y48F+N52G;Y48F+D91K;Y48F+D91L+V96W;Y48F+D91W;Y48F+N52G+D91L+V96W;Y48F+N51V+V96W;D91L+V96W;Y48F+N51V+D91W;Y48F+N51V+D91L+V96W;N51V+D91W;Y48F+N51V+G56D+V96W;Y48F+N51V+D91L;およびN51V+D91Kの置換を有する。
【0055】
いくつかの態様において、2A8の軽鎖は、配列番号:2に対して、A13S+Y48F+N51V+D91W;D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51S+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51V+E80M+D91W;D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51V+E80M+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T;D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+Y49R+N51S+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+Y48F+N51V+E80M+D91W;D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+Y48F+N51V+E80M+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T;D1S+Y48F+N51V+D91W;D91L+V96W;H33Y+Y48F+N51V+D91W;I2Y+Y48F+N51V+D91W;N26A+Y48F+N51V+D91W;N29K+Y48F+N51V+D91W;N51V+D91K;N51V+D91W;R28P+Y48F+N51V+D91W;S21T+Y48F+N51V+D91W;Y48F+D91K;Y48F+D91L+D92S+V96W;Y48F+D91L+G93S+V96W;Y48F+D91L+P95V+V96W;Y48F+D91L+V94T+V96W;Y48F+D91L+V96W;Y48F+D91W;Y48F+N51S+D91L+V96W;Y48F+N51V;Y48F+N51V+D91L;Y48F+N51V+D91L+V96W;Y48F+N51V+D91W;Y48F+N51V+D91W+D92S;Y48F+N51V+D91W+G93S;Y48F+N51V+D91W+P95V;Y48F+N51V+D91W+V94T;Y48F+N51V+E80M+D91W;Y48F+N51V+G56D+V96W;Y48F+N51V+S89A+D91W;Y48F+N51V+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T+P95A;Y48F+N51V+V96W;Y48F+N52G;Y48F+N52G+D91L+V96W;およびY48F+S89A+D91L+V96Wの置換を有する。
【0056】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、a)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:1において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:2において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体もまた提供する。作製することができる修飾の例は、上記に提供される。
【0057】
いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、配列番号:5、6、7、8、9、10および11から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0058】
いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、配列番号:12、13、14、15、16、17および18から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0059】
いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:5、6、7、8、9、10および11から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:12、13、14、15、16、17および18から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:5において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:12.において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:6において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:13において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:7において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:14において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:8において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:15において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:9において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:16において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:10において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:17において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:11において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:18において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0060】
4B7変異体
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:3において示されるアミノ酸配列を含む抗体もまた提供する。いくつかの態様において、4B7の重鎖の修飾は置換、挿入または欠失である。
【0061】
いくつかの態様において、置換は4B7の重鎖のCDRに位置する。他の態様において、置換は4B7の重鎖のCDRの外側に位置する。
【0062】
いくつかの態様において、4B7の重鎖の置換は、S30、N32、S57、K58、N61、D62、H103、H107、G109およびY112から選択される位置にある。いくつかの態様において、4B7の重鎖の置換はまた、Q1、S37、G44、I53およびK55から選択される位置を含み得る。例えば、置換はQ1E、S30R、N32D、N32E、S33G、S37N、G44S、I53T、K55Y、S57K、S57R、K58M、N61G、N61T、D62I、D62R、D62Q、D62L、D62S、D62V、D62N、D62K、H103D、H103G、H107M、G109AおよびY112Dから選択され得る。さらに、いくつかの態様において、抗体はQ1E、S30R、N32D、N32E、S33G、S37N、G44S、I53T、K55Y、S57K、S57R、K58M、N61G、N61T、D62I、D62R、D62Q、D62L、D62S、D62V、D62N、D62K、H103D、H103G、H107M、G109AおよびY112Dから選択される2つ以上の置換を含み得る。
【0063】
いくつかの態様において、4B7の重鎖は、配列番号:3に対して、N32D+D62Q+H107M+Y112D;N32D+D62R+H103D+H107M+Y112D;N32D+D62R+H107M+Y112D;N32D+D62R+Y112D;D62Q+Y112D;D62R+Y112D;D62R+H107M+Y112D;N32D+D62Q+Y112D;N32D+D62R+H107M;N32D+D62S+H107M+Y112D;D62Q+H107M+Y112D;N32D+D62R+H103D;D62S+H107M+Y112D;S30R+S57K;N61G+D62V;およびK58M+D62Nの置換を有する。いくつかの態様において、4B7の重鎖は、配列番号:3に対して、D62Q+H107M+Y112D;D62Q+Y112D;D62R+H107M+Y112D;D62R+Y112D;D62S+H107M+Y112D;N32D+D62K+Y112D;N32D+D62Q+H107M+Y112D;N32D+D62Q+Y112D;N32D+D62R+H103D;N32D+D62R+H103D+H107M+Y112D;N32D+D62R+H107M;N32D+D62R+H107M+Y112D;N32D+D62R+Y112D;N32D+D62S+H107M+Y112D;N32D+G44S+D62R+Y112D;N32D+I53T+D62Q+Y112D;N32D+I53T+D62R+Y112D;N32D+K55Y+D62Q+Y112D;N32D+K55Y+D62R+Y112D;N32D+S37N+D62R+Y112D;Q1E+N32D+D62R+Y112D;Q1E+N32D+G44S+K55Y+D62R+Y112D;N32D+G44S+K55Y+D62R+Y112D;S30R+S57K;N61G+D62V;およびK58M+D62Nの置換を有する。
【0064】
さらに、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:4において示されるアミノ酸配列を含む抗体を提供する。いくつかの態様において、4B7の軽鎖の修飾は置換、挿入または欠失から選択される。
【0065】
いくつかの態様において、置換は4B7の軽鎖のCDRに位置する。他の態様において、置換は4B7の軽鎖のCDRの外側に位置する。
【0066】
いくつかの態様において、4B7の軽鎖の置換は、F31、S32、D33、N35、Y37、Y54、G56、S57、S61およびD97から選択される位置にある。いくつかの態様において、4B7の軽鎖の置換はまた、M4、V30、T36、N39、L42、K44、Q50、L51、K55、A60およびS98から選択される位置を含み得る。例えば、置換はM4I、M4L、V30L、F31I、F31M、F31Y、F31H、S32L、S32R、S32Y、D33F、D33R、N35I、N35L、N35T、N35V、T36N、Y37F、N39D、L42Q、K44R、Q50R、L51R、Y54F、K55L、G56D、G56A、G56V、S57Y、A60D、S61C、D97M、D97TおよびS98Hから選択され得る。さらに、いくつかの態様において、抗体はM4I、M4L、V30L、F31I、F31M、F31Y、S32L、S32R、S32Y、D33F、D33R、N35I、N35L、N35T、N35V、T36N、Y37F、N39D、L42Q、K44R、Q50R、Y54F、K55L、G56D、G56A、G56V、S57Y、A60D、S61C、D97M、D97TおよびS98Hから選択される2つ以上の置換を含み得る。
【0067】
いくつかの態様において、4B7の軽鎖は、配列番号:4に対して、S32R+N35T;S32R+N35T+D97T;S32R+D33F+N35I;S32R+D33F+N35I+D97T;S32R+D33F+N35T;S32R+D33F;S32R+D33R+N35I;S32R+D33R+N35I+D97T;S32R+D33R;S32R+D33R+N35T;N35T+D97T;D33F+N35I;D33F+N35I+D97T;D33F+N35T+Y37F;D33R+N35I;D33R+N35I+D97T;D33R+N35T;F31I+S32R+N35I+D97T;F31I+S32R+D33F+N35I+D97T;F31I+S32R+D33F+N35T;F31I+S32R+D33R+N35I+D97T;F31I+N35I;F31I+D33F+N35I;F31I+D33F+N35I+D97T;F31I+D33R+N35I;F31I+D33R;F31M+S32L+D33R+N35I+D97T;F31M+S32R+D33F+N35I;F31M+S32R+D33F+N35I+D97T;F31M+S32R+D33F+D97T;F31M+S32R+D33R+N35I;F31M+S32R+D33R+N35I+D97T;F31M+S32R+D33R;F31M+S32R+D33R+N35T;F31M+D33F+N35I;F31M+D33F;F31M+D33F+N35T;F31M+D33R+N35I;F31M+D33R;S32R+N35I;F31M+D33F+N35T+Y37F;N35V+G56D;N35L+G56A;およびD33F+Y54Fの置換を有する。
【0068】
いくつかの態様において、4B7の軽鎖は、配列番号:4に対して、D33F+N35I;D33F+N35I+D97T;D33F+N35T+Y37F;D33R+N35I;D33R+N35I+D97T;D33R+N35T;F31H+S32R+D33F+N35I+D97T;F31I+D33F+N35I;F31I+D33F+N35I+D97T;F31I+D33F+N35I+K44R;F31I+D33F+N35I+L42Q;F31I+D33F+N35I+S98H;F31I+D33F+N35I+T36N;F31I+D33R;F31I+D33R+N35I;F31I+N35I;F31I+S32R+D33F+N35I+D97T;F31I+S32R+D33F+N35T;F31I+S32R+D33R+N35I+D97T;F31I+S32R+N35I+D97T;F31M+D33F;F31M+D33F+N35I;F31M+D33F+N35T;F31M+D33F+N35T+Y37F;F31M+D33R;F31M+D33R+N35I;F31M+S32L+D33R+N35I+D97T;F31M+S32R+D33F+D97T;F31M+S32R+D33F+N35I;F31M+S32R+D33F+N35I+D97T;F31M+S32R+D33R;F31M+S32R+D33R+N35I;F31M+S32R+D33R+N35I+D97T;F31M+S32R+D33R+N35T;F31Y+S32R+D33F+N35I+D97T;M4I+S32R+D33F+N35I+D97T;M4L+S32R+D33F+N35I+D97T;N35T+D97T;S32R+D33F;S32R+D33F+N35I;S32R+D33F+N35I+A60D+D97T;S32R+D33F+N35I+D97T;S32R+D33F+N35I+D97T+S98H;S32R+D33F+N35I+G56V+D97T;S32R+D33F+N35I+K44R+D97T;S32R+D33F+N35I+K55L+D97T;S32R+D33F+N35I+L42Q+D97T;S32R+D33F+N35I+L51R+D97T;S32R+D33F+N35I+N39D+D97T;S32R+D33F+N35I+Q50R+D97T;S32R+D33F+N35I+T36N+D97T;S32R+D33F+N35T;S32R+D33R;S32R+D33R+N35I;S32R+D33R+N35I+D97T;S32R+D33R+N35T;S32R+N35I;S32R+N35T;S32R+N35T+D97T;V30L+F31I+D33F+N35I;V30L+S32R+D33F+N35I+D97T;V30L+S32R+D33F+N35I+T36N+D97T;V30L+S32R+N35I+T36N;N35V+G56D;N35L+G56A;およびD33F+Y54Fの置換を有する。
【0069】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、a)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:3において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:4において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体もまた提供する。作製することができる修飾の例は上記に提供される。
【0070】
いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、配列番号:19、20、21、22、23、24、25および26から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0071】
いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、配列番号:27、28、29、30、31、32、33および34から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0072】
いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:19、20、21、22、23、24、25および26から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:27、28、29、30、31、32、33および34から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:19において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:27において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:20において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:28において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:21において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:29において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:22において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:30において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:23において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:31において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:24において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:32において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:25において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:33において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体は、a)配列番号:26において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:34において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0073】
2A8/4B7変異体組合せ
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体が2A8および4B7の重鎖および軽鎖の組合せを含み得ることもまた意図される。
【0074】
したがって、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、a)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:1において示されるアミノ酸配列を含む2A8の重鎖;およびb)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:4において示されるアミノ酸配列を含む4B7の軽鎖を含む抗体を提供する。作製することができる修飾の例は上記に提供される。
【0075】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、a)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:3において示されるアミノ酸配列を含む4B7の重鎖;およびb)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:2において示されるアミノ酸配列を含む2A8の軽鎖を含む抗体もまた提供する。作製することができる修飾の例は上記に提供される。
【0076】
いくつかの態様において、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、a)配列番号:5、6、7、8、9、10、11、19、20、21、22、23、24、25および26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖;およびb)配列番号:12、13、14、15、16、17、18、27、28、29、30、31、32、33および34からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体を提供する。
【0077】
核酸、ベクターおよび宿主細胞
任意の上記のモノクローナル抗体をコードする単離された核酸分子もまた提供する。
【0078】
したがって、ヒト組織因子経路インヒビターに結合する抗体であって、1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:1において示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗体をコードする単離された核酸分子を提供する。このような修飾の例は上記されている。
【0079】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する抗体であって、1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:2において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体をコードする単離された核酸分子もまた提供する。このような修飾の例は上記されている。
【0080】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する抗体であって、1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:3において示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗体をコードする単離された核酸分子もまた提供する。このような修飾の例は上記されている。
【0081】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する抗体であって、1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:4において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体をコードする単離された核酸分子もまた提供する。このような修飾の例は上記されている。
【0082】
さらに、任意の上記のモノクローナル抗体をコードする単離された核酸分子を含むベクターおよびこのようなベクターを含む宿主細胞もまた提供する。
【0083】
TFPIに対する抗体を製造する方法
モノクローナル抗体は、本発明の態様のモノクローナル抗体の可変領域をコードするヌクレオチド配列を宿主細胞において発現させることにより組換え的に生産され得る。発現ベクターの手助けで、該ヌクレオチド配列を含む核酸を、生産のために適当な宿主細胞にトランスフェクトし、発現させ得る。したがって、
(a)本発明のモノクローナル抗体をコードする核酸分子を宿主細胞にトラスフェクトすること、
(b)宿主細胞を培養し、宿主細胞において該モノクローナル抗体を発現すること、および所望により
(c)生産されたモノクローナル抗体を単離し、精製すること
を含む、ヒトTFPIと結合するモノクローナル抗体を生産するための方法であって、該核酸分子は本発明のモノクローナル抗体をコードするヌクレオチド配列を含む方法もまた提供する。
【0084】
1つの例において、抗体またはその抗体フラグメントを発現させるために、標準分子生物学技術により得られる部分または全長軽鎖および重鎖をコードするDNAは、遺伝子が転写および翻訳コントロール配列に作動可能に連結されるように、発現ベクターに挿入される。この文脈において、「作動可能に連結される」なる用語は、ベクター内の転写および翻訳コントロール配列が抗体遺伝子の転写および翻訳を調節する意図された機能を果たすように、抗体遺伝子がベクターに連結されることを意味することが意図される。発現ベクターおよび発現コントロール配列は、使用される発現宿主細胞に適合するように選択される。抗体の軽鎖遺伝子および抗体の重鎖遺伝子は、別々のベクターに挿入されるか、またはより一般的には、両方の遺伝子は同じ発現ベクターに挿入され得る。抗体遺伝子は、標準方法(例えば、抗体遺伝子フラグメントおよびベクターにおける相補的制限酵素認識部位のライゲーション、または制限酵素認識部位が存在しないとき、平滑末端ライゲーション)により発現ベクターに挿入される。本明細書に記載されている抗体の軽鎖および重鎖可変領域は、Vセグメントがベクター内でCセグメントに作動可能に連結され、Vセグメントがベクター内でCセグメントに作動可能に連結されるように、所望のアイソタイプの重鎖定常および軽鎖定常領域をすでにコードする発現ベクターに挿入することにより、任意の抗体アイソタイプの全長抗体遺伝子を創造するために使用することができる。さらに、またはあるいは、組換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることができる。シグナルペプチドが抗体鎖遺伝子のアミノ末端にインフレームで連結されるように、抗体鎖遺伝子をベクターにクローニングすることができる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチドまたは異種シグナルペプチド(すなわち、非免疫タンパク質由来のシグナルペプチド)であり得る。
【0085】
抗体鎖コード遺伝子に加えて、本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞における抗体鎖遺伝子の発現をコントロールする調節配列を有する。「調節配列」なる用語は、抗体鎖遺伝子の転写または翻訳をコントロールするプロモーター、エンハンサーおよび他の発現コントロールエレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調節配列は、例えば、Goeddel; Gene Expression Technology. Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)に記載されている。調節配列の選択を含む発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベルなどのような因子に依存し得ることは当業者に理解されよう。哺乳動物宿主細胞発現のための調節配列の例は、哺乳動物細胞において高レベルのタンパク質発現を指向するウイルスエレメント、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP))およびポリオーマ由来のプロモーターおよび/またはエンハンサーを含む。あるいは、非ウイルス調節配列、例えば、ユビキチンプロモーターまたはβ−グロビンプロモーターが使用され得る。
【0086】
抗体鎖遺伝子および調節配列に加えて、組換え発現ベクターは、さらなる配列、例えば、宿主細胞におけるベクターの複製を調節する配列(例えば、複製起点)および選択可能なマーカー遺伝子を有し得る。選択可能なマーカー遺伝子は、ベクターが導入されている宿主細胞の選択を容易にする(例えば、全てAxelらによる米国特許第4,399,216、4,634,665および5,179,017号、参照)。例えば、一般的に、選択可能なマーカー遺伝子は、ベクターが導入されている宿主細胞において薬物、例えば、G418、ハイグロマイシンまたはメトトレキサートに対する耐性を与える。選択可能なマーカー遺伝子の例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増幅でのdhfr−宿主細胞における使用のための)およびネオ遺伝子(G418選択のための)を含む。
【0087】
軽鎖および重鎖の発現のために、重鎖および軽鎖をコードする発現ベクターは、標準技術により宿主細胞にトランスフェクトされる。種々の形態の「トランスフェクション」なる用語は、原核生物または真核生物宿主細胞への外因性DNAの導入のために一般的に使用される多種多様の技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラントランスフェクションなどを含むことを意図する。原核生物または真核宿主細胞のいずれかにおいて本発明の抗体を発現させることが理論的に可能であるが、真核細胞、特に哺乳動物細胞は、原核細胞よりも、適切に折り畳まれ、免疫学的に活性な抗体を集合させ分泌しやすいため、真核細胞、より好ましくは哺乳動物宿主細胞における抗体の発現が最も好ましい。
【0088】
組換え抗体を発現させるための哺乳動物宿主細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(例えば、R. J. Kaufman and P. A. Sharp (1982) Mol. Biol. 159:601-621に記載されているDHFR選択可能なマーカーを使用するUrlaub and Chasin, (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220に記載されているdhfr−CHO細胞を含む)、NSO骨髄腫細胞、COS細胞、HKB11細胞およびSP2細胞を含む。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞に導入されたとき、抗体は、宿主細胞における抗体の発現または宿主細胞が培養される培養培地への抗体の分泌を可能にする十分な期間、宿主細胞を培養することにより生産される。抗体は、標準タンパク質精製方法、例えば、限外ろ過、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーおよび遠心分離を使用して、培養培地から回収することができる。
【0089】
インタクトな抗体を発現させるための部分的抗体配列の使用
抗体は、6つの重鎖および軽鎖CDRに位置するアミノ酸残基を介して主に標的抗原と相互作用する。この理由のため、CDR内のアミノ酸配列は、CDRの外側の配列よりも個々の抗体間でより異なっている。CDR配列が非常に抗体抗原相互作用に関与するため、異なる特性を有する異なる抗体由来のフレームワーク配列上にグラフトされた特定の天然抗体由来のCDR配列を含む発現ベクターを構築することにより、特定の天然抗体の特性を模倣する組換え抗体を発現させることができる(例えば、Riechmann, L.ら 1998, Nature 332:323-327; Jones, P.ら 1986, Nature 321:522-525;およびQueen, C.ら 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86:10029-10033参照)。このようなフレームワーク配列は、生殖細胞系列抗体遺伝子配列を含む公のDNAデータベースから得ることができる。これらの生殖細胞系列配列は、B細胞成熟中のV(D)J連結により形成される完全に集合された可変遺伝子を含まないため、成熟抗体遺伝子配列と異なる。起源の抗体と同様の結合特性を有するインタクトな組換え抗体を再創造するために、特定の抗体の全DNA配列を得る必要はない(WO99/45962参照)。CDR領域にわたる部分的な重鎖および軽鎖配列が、一般的に、この目的のために十分である。部分的な配列は、生殖細胞系列可変および連結遺伝子セグメントが組換え抗体可変遺伝子に寄与することを決定するために使用される。次に、生殖細胞系列配列は、可変領域の欠損部分を満たすために使用される。重鎖および軽鎖リーダー配列は、タンパク質成熟中に開裂され、最終抗体の特性に起因しない。この理由のため、発現構築物のために対応する生殖細胞系列リーダー配列を使用することが必要である。欠損配列を加えるため、クローンcDNA配列は、ライゲーションまたはPCR増幅により合成オリゴヌクレオチドと組み合わせることができる。あるいは、全可変領域は、短い重複オリゴヌクレオチドのセットとして合成され、PCR増幅により組み合わせられ、完全に合成可変領域クローンを創造することができる。このプロセスは、特定の制限酵素認識部位の除去または包含、または特定のコドンの最適化のようなある利点を有する。
【0090】
重鎖および軽鎖転写産物のヌクレオチド配列は、天然配列と同一のアミノ酸コード能力を有する合成V配列を創造するために、合成オリゴヌクレオチドの重複セットを設計するために使用される。合成重鎖および軽鎖配列は、天然配列と異なり得る。例えば、繰り返されたヌクレオチド塩基からなる列が、オリゴヌクレオチド合成およびPCR増幅を容易にするため中断され;最適な翻訳開始部位が、Kozakのルール(Kozak, 1991, J. Biol. Chem. 266:19867-19870)にしたがって組み込まれ;制限酵素認識部位が、翻訳開始部位の上流または下流に操作される。
【0091】
重鎖および軽鎖可変領域両方において、最適化されたコードおよび対応する非コード鎖配列は、対応する非コードオリゴヌクレオチドのほぼ中間点で30−50ヌクレオチド断片に分解される。したがって、それぞれの鎖において、オリゴヌクレオチドは、150−400ヌクレオチドのセグメントにわたる重複二本鎖セットに集合され得る。次に、プールは、150−400ヌクレオチドのPCR増幅産物を生産するために鋳型として使用される。一般的に、単一の可変領域オリゴヌクレオチドセットは、別々に増幅され、2つの重複PCR産物を産生する2つのプールに分解される。次に、これらの重複産物をPCR増幅により組み合わせて、完全可変領域を形成する。また、発現ベクター構築物中に容易にクローニングすることができるフラグメントを産生するために、PCR増幅において重鎖または軽鎖定常領域の重複フラグメントを含むことが望ましいことがある。
【0092】
次に、再構築された重鎖および軽鎖可変領域をクローン化されたプロモーター、翻訳開始、定常領域、3’非翻訳、ポリアデニル化および転写終止配列と組み合わせ、発現ベクター構築物を形成する。重鎖および軽鎖発現構築物は、単一のベクター中に組み合わせられ、次に両方の鎖を発現する宿主細胞を形成するように融合される宿主細胞に共トランスフェクトされるか、連続トランスフェクトされるか、または別々ににトランスフェクトされ得る。
【0093】
したがって、別の局面において、ヒト抗−TFPI抗体の構造的特徴は、TFPIへの結合の機能を保持する構造的に関連したヒト抗−TFPI抗体を創造するために使用される。さらに具体的に、本発明のモノクローナル抗体の具体的に同定された重鎖および軽鎖領域の1つまたはそれ以上CDRは、本発明のさらに組換え的に操作されたヒト抗−TFPI抗体を創造するために、既知のヒトフレームワーク領域およびCDRと組換え的に組み合わされ得る。
【0094】
医薬組成物
治療有効量の抗−TFPIモノクローナル抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物もまた提供する。「薬学的に許容される担体」は、調製物を製剤化または安定化させるための手助けとなり、患者に有意な有害毒物学的効果を引き起こさない活性成分に加えられ得る物質である。このような担体の例は当業者によく知られており、水、糖、例えば、マルトースまたはスクロース、アルブミン、塩、例えば、塩化ナトリウムなどを含む。他の担体は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences by E. W. Martinにおいて記載されている。このような組成物は、治療有効量の少なくとも1つの抗−TFPIモノクローナル抗体を含む。
【0095】
薬学的に許容される担体は、滅菌の水溶液または分散媒体および滅菌の注射可能な溶液または分散媒体の即時調製物のための滅菌粉末を含む。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当分野で知られている。該組成物は、好ましくは非経口注射のために製剤化される。該組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソームまたは他の高薬物濃度に適当な規則構造として製剤化することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適当な混合物を含む溶媒または分散媒体であり得る。いくつかの場合において、等張剤、例えば、糖、多価アルコール、例えば、マンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムを組成物中に含む。
【0096】
滅菌の注射可能な溶液は、必要なとき、上記成分の1つまたは組合せを有する適当な溶媒中に必要な量の活性化合物を含み、次に精密濾過で滅菌することにより調製することができる。一般的に、分散媒体は、基本的な分散媒体および上記成分からの必要な他の成分を含む滅菌のビヒクルに活性化合物を組み込むことにより調製される。滅菌の注射可能な溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製のいくつかの方法は、真空乾燥およびフリーズドライ(凍結乾燥)であり、予め滅菌ろ過処理した溶液から、活性成分プラス任意の付加的な所望の成分の粉末が得られる。
【0097】
医薬的使用
モノクローナル抗体は、凝固における遺伝的および後天的欠乏または欠損を処置するための治療目的のために使用することができる。例えば、上記態様におけるモノクローナル抗体は、TFPIとFXaとの相互作用をブロックするか、またはTF/FVIIa活性のTFPI依存性阻害を防止するために使用され得る。さらに、モノクローナル抗体はまた、FXaのTF/FVIIa−駆動産生を回復させ、FXaのFVIII−もしくはFIX−依存性増幅の欠乏を迂回させるために使用され得る。
【0098】
モノクローナル抗体は、止血の障害、例えば、血小板減少症、血小板障害および出血性障害(例えば、血友病A、血友病Bおよび血友病C)の処置における治療的使用を有する。このような障害は、治療有効量の抗−TFPIモノクローナル抗体を必要とする患者に投与することにより処置され得る。モノクローナル抗体はまた、適応症におけるコントロールされていない出血、例えば、外傷および出血性脳卒中の処置において治療的使用を有する。したがって、治療有効量の本発明の抗−TFPIモノクローナル抗体を必要とする患者に投与することを含む出血時間を短縮するための方法もまた提供する。
【0099】
抗体は、単剤療法または止血障害に対する他の治療と組み合わせて使用することができる。例えば、1つまたはそれ以上の本発明の抗体と凝固因子、例えば、第VIIa因子、第VIII因子または第IX因子との共投与は、血友病を処置するために有用であると考えられる。1つの態様において、(a)ヒト組織因子経路インヒビターに結合する第1の量のモノクローナル抗体および(b)第2の量の第VIII因子または第IX因子を投与することを含む凝固における遺伝的および後天的欠乏または欠損を処置するための方法であって、該第1および第2の量は合わせて、該欠乏または欠損を処置するために有効である方法を提供する。別の態様において、(a)ヒト組織因子経路インヒビターに結合する第1の量のモノクローナル抗体および(b)第VIII因子または第IX因子の第2の量を投与することを含む凝固における遺伝的および後天的欠乏または欠損を処置するための方法であって、該第1および第2の量は合わせて、該欠乏または欠損を処置するために有効であり、さらに、第VII因子は共投与されない方法を提供する。本発明はまた、治療有効量の本発明のモノクローナル抗体および第VIII因子または第IX因子の組合せを含む医薬組成物であって、第VII因子を含まない組成物を含む。「第VII因子」は、第VII因子および第VIIa因子を含む。これらの組合せ治療は、凝固因子の必要な注入頻度を減少させる可能性がある。共投与または併用療法は、それぞれ別々に製剤化された、または1つの組成物中で共に製剤化された2つの治療薬物の投与を意味し、別々に製剤化されたとき、ほぼ同時で、または同じ治療期間にわたってであるが異なる時間で投与される。
【0100】
いくつかの態様において、本明細書に記載されている1つまたはそれ以上の抗体は、止血障害に対し組合せて使用することができる。例えば、2つまたはそれ以上の本明細書に記載されている抗体の共投与は、血友病または他の止血障害を処置するために有用であると考えられる。
【0101】
医薬組成物は、出血症状の重症度により変化し得る、または予防治療の場合、患者の凝固欠乏の重症度により変化し得る用量および頻度で、血友病AまたはBに罹患している対象に非経口的に投与され得る。
【0102】
組成物は、ボーラスとして、または連続的な注入により必要とする患者に投与され得る。例えば、Fabフラグメントとして存在する本願発明の抗体のボーラス投与は、0.0025から100mg/kg体重、0.025から0.25mg/kg、0.010から0.10mg/kgまたは0.10−0.50mg/kgの量であり得る。連続的な注入のために、Fabフラグメントとして存在する本願発明の抗体は、0.001から100mg/kg体重/分、0.0125から1.25mg/kg/分、0.010から0.75mg/kg/分、0.010から1.0mg/kg/分または0.10−0.50mg/kg/分で1−24時間、1−12時間、2−12時間、6−12時間、2−8時間または1−2時間、投与され得る。全長抗体(完全定常領域を有する)として存在する本願発明の抗体の投与のための投与量は、約1−10mg/kg体重、2−8mg/kgまたは5−6mg/kgであり得る。このような全長抗体は、一般的に30分から3時間の期間に延長され注入により投与される。投与の頻度は状態の重症度に依存する。頻度は、週に3回から2週間から6月毎に1回の範囲であり得る。
【0103】
さらに、組成物は、皮下注射を介して患者に投与され得る。例えば、10から100mgの用量の抗−TFPI抗体を、1週間毎、2週間毎または1月毎に皮下注射を介して患者に投与することができる。
【0104】
本明細書において使用される「治療有効量」は、抗−TFPIモノクローナル抗体、または、このような抗体およびインビボで凝固時間を有効に増加させるか、またはさもなければ必要とする患者にインビボで測定可能な利益を与えるために必要である第VIII因子または第IX因子の組合せの量を意味する。正確な量は、限定はしないが、治療組成物の成分および物理的特性、意図される患者集団、個々の患者の検討などを含む多数の因子に依存し、当業者により容易に決定することができる。
【実施例】
【0105】
実施例1.クローニング、発現および抗体発現レベルの定量化
重鎖のC−末端にc−myc−タグおよびヘキサ−ヒスチジンタグを有する野生型Fabs 2A8および4B7の重鎖および軽鎖を、pET28a細菌発現ベクター(Novagen/Merck Chemicals Ltd., Nottingham, UK)にサブクローニングし、Top10F’細胞(Invitrogen GmbH, Karlsruhe, Germany)を形質転換した。あるいは、他の細菌発現ベクター(例えば、pQE vector system, Qiagen GmbH, Hilden, Germany)および株(例えば、DH5α, Invitrogen GmbH, Karlsruhe, Germany)を使用することができる。変異体を、標準オリゴベースの部位特異的変異誘発により産生し、DNAシーケンシングにより確認した。特に、相補性決定領域内または周囲のアミノ酸残基を、重鎖および/または軽鎖内で修飾した。
【0106】
競合物として野生型または変異体抗体を使用可能にするため、重鎖のC−末端に位置するエピトープ−タグを、標準PCRベースの技術を使用して除去するか、または置換した。特に、4B7において、分析された全ての変異体に対してc−myc−タグをヘマグルチニン(HA)エピトープタグに交換した。対照的に、競合物として使用された4B7野生型または変異体は、c−myc−タグを有した。2A8の場合、c−myc−エピトープタグをHA−タグにより置き換えるか、または欠失させ、C−末端で6×ヒスチジン エピトープタグだけを提示する変異体とした。
【0107】
発現のために、変異体をBL21starDE3大腸菌株(Invitrogen, C6010-03)に形質転換し、カナマイシン(30μg/ml)を含むLB培地に植菌し、一晩培養し、37℃で18時間インキュベートした。発現培養物を、一晩培養物をカナマイシン(30μg/ml)を有する新鮮なLB培地中に1:20で植菌することにより産生した。6時間後、1mMのイソプロピル−b−D−1−チオガラクトピラノシド(Roth, 2316.5)を加え、抗体発現を誘導し、培養物をさらに18時間30℃でインキュベートした。あるいは、一晩培養物を、自動誘導培地Overnight Express TB培地(Merck, 71491)中に1:20で植菌し、24時間30℃でインキュベートした。
【0108】
発現レベルの定量化のために、ELISAアプローチを使用した。簡潔には、MTPプレート(Nunc maxisorp black, 460518)を、コーティングバッファー(Candor Bioscience GmbH, 121500)で希釈されたFab−特異的抗体(Sigma, I5260)と共に一晩4℃でインキュベートし、PBST(リン酸緩衝生理食塩水:137mMのNaCl、Merck 1.06404.5000;2.7mMのKCl、Merck 1.04936.1000;10mMのNaHPO4、Merck 1.06586.2500、1.8mMのKHPO4、Merck 1.04871.5000;0.05%のTween 20 Acros Organics、233360010を含む)で洗浄し、PBST中の2%のミルクで室温で1時間ブロックし、再び洗浄した。培養物をPBS中の0.25%のスキムミルク(Fluka analytical, 70166)で希釈し、MTPプレートに室温で1時間結合させた。PBSTで洗浄後、捕獲された抗体をHRP−結合抗−Fab抗体(Sigma, A0293)と共にインキュベートし、該プレートを10μMのamplex red substrate(Invitrogen, A12222)と共に暗所で室温で10から30分間インキュベートし、次に蛍光測定することにより検出した。野生型の精製された抗体(2A8または4B7)と比較した濃度を決定後、発現レベルを標準化した。
【0109】
実施例2.産生された抗体変異体の活性および種間交差反応性の決定
ヒトまたはマウスTFPI(それぞれAmerican Diagnostica, 4900BおよびR&D Systems, 2975-P1)に対する変異された抗体変異体の活性を決定するために、平衡または競合ELISAアッセイフォーマットを使用した。簡潔には、MTPプレート(Mesoscale Discovery, L21XA-4またはNunc maxisorp black, 460518のいずれか)を、それぞれリン酸緩衝生理食塩水(PBS)またはコーティングバッファー(Candor Bioscience GmbH, 121500)で希釈された0.04−2μg/mlのヒトまたはマウスTFPIのいずれかでコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。洗浄後、プレートを室温で1時間PBST中の3%のウシ血清アルブミン(Sigma, A4503)でブロックし、洗浄工程を繰り返した。抗体の結合のために、それぞれの抗体発現レベルに標準化された10−25μlの培養上清(他に示されていないとき)を、RTで1時間プレートに加え、次にPBSTで洗浄した。次に、結合した野生型および変異体をエピトープタグ特異的抗体により検出したか、または競合工程を加えた。競合のために、50−300nMの競合物または遊離抗体を加え、室温で20分から24時間インキュベートした。洗浄後、残った変異体を、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(2A8変異体に対してBiomol、anti−c−myc A190−105Pおよび4B7変異体に対して抗−HA A190−108P)と結合しているエピトープタグ特異的抗体で、または電気化学発光検出(Mesoscale Discovery, R91AN-1)のために製造業者の指示にしたがって予めスルホ−NHS試薬で標識された抗−myc(Sigma, C3956)もしくは抗−HA抗体(Sigma, H6908)により検出した。maxisorpプレートにおけるシグナル検出のために、10μMのamplex red基質(Invitrogen, A12222)を加え、暗所で室温で10から30分間インキュベートし、次に蛍光測定した。MSDプレートにおける検出のために、MSDリードバッファーTをHO(Mesoscale Discovery, R92TC-1)で2×に希釈し、プレートに加え、電気化学発光シグナルを、Mesoscale Discovery Sector Imager 6000を使用して、620nmで検出した。
【0110】
実施例3.単一および複数のアミノ酸置換
2A8の重鎖または軽鎖に導入された単一のアミノ酸置換のいくつかの例を表1に提供する。変異体の発現レベルを、定量化ELISAにおいてクアドロプル(quadruple)で分析した。それぞれの発現レベルに対する標準化後、ヒトおよびマウスTFPIにおいて競合ELISAにおいてクアドロプルで分析し、変異体 対 野生型(wt)比を決定した。誤差は、標準偏差からの誤差伝搬により計算した。
表1.2A8内の単一のアミノ酸置換の分析
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【0111】
2A8 TFPI抗体内の組合せたアミノ酸置換のいくつかの例を表2に提供する。すべての組合せが表2において提供されていないが、TFPI抗体が提供される修飾のあらゆる組合せを含み得ることが考えられる。変異体の発現レベルを、定量化ELISAにおいてクアドロプルで分析した。他に示されていないとき、変異体をそれぞれの発現レベルに対して標準化し、ヒトおよびマウスTFPIにおいて競合ELISAにおいてクアドロプルで分析し、次に変異体 対 参照(HC_K99L)比を計算した。変異体能力を標準化なしで分析した場合、値を「#」でマークしており、アッセイシグナルを発現レベルで割ることにより、変異体 対 参照比を発現レベルに対して標準化した。異なる参照を競合ELISAにおいて使用し、変異体を標準化なしで分析した場合、値は「*」でマークされている。これらの変異体において、表に記載されている値は、比 変異体/代替参照と代替参照/HC_K99Lを掛けることにより計算した。誤差は、標準偏差からの誤差伝搬により計算した。
表2.2A8内の複数のアミノ酸置換の例
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【0112】
4B7の重鎖および/または軽鎖に導入された単一のおよび/または二重のアミノ酸置換のいくつかの例を表3に提供する。変異体の発現レベルを、定量化ELISAにおいてクアドロプルで分析した。それぞれの発現レベルに対する標準化後、ヒトTFPIにおいて競合ELISAおよびマウスTFPIにおいて平衡ELISAにおいてクアドロプルで分析し、変異体 対 野生型比を決定した。誤差は、標準偏差からの誤差伝搬により計算した。
表3.4B7内の単一のおよび二重のアミノ酸置換の分析
【表3−1】

【表3−2】

【0113】
4B7 TFPI抗体内のアミノ酸置換の組合せのいくつかの例を表4に提供する。すべての組合せが表4において提供されていないが、TFPI抗体が提供される修飾のあらゆる組合せを含み得ることが考えられる。変異体の発現レベルを、定量化ELISAにおいてクアドロプルで分析した。他に示されていないとき、変異体をそれぞれの発現レベルに対して標準化し、ヒトおよびマウスTFPIにおいて競合ELISAにおいてクアドロプルで分析し、次に変異体 対 参照(HC_D62R)比を計算した。異なる参照を使用し、変異体を標準化なしで分析した場合、値は「*」でマークされている。これらの変異体において、表に記載されている値は、比 変異体/代替参照と代替参照/HC_D62Rを掛けることにより計算した。誤差は、標準偏差からの誤差伝搬により計算した。nb:結合が、使用されたアッセイ条件下で検出されなかった。
表4.4B7内の複数のアミノ酸置換の例
【表4−1】

【表4−2】

【表4−3】

【0114】
実施例4.抗体の精製
細胞を4℃で30分9000rpmでの遠心分離により回収し、−20℃で貯蔵した。上清をバッファーA(50mMのNaHPO、300mMのNaCl、10mMのイミダゾール pH8.0)でバッファー交換し、濃縮し、2段階精製処理を使用して精製した。簡潔には、100mlの濃縮された上清を5mlのNi−NTA superflow カラム(Qiagen, 1018142)に負荷し、5×カラム容量のバッファーA、次に5×カラム容量の4.3%のバッファーB(50mMのNaHPO4、300mMのNaCl、250mMのイミダゾール pH8.0)で1回洗浄し、7容量のバッファーBで溶離した。画分を合わせ、PBS中で透析した。第2の精製工程において、Ni−NTA精製抗体を軽鎖特異的親和性マトリックス、すなわち2A8および4B7に対してそれぞれcapture selectラムダまたはカッパ(それぞれ、BAC 0849.010およびBAC 0833.10)と共にインキュベートした。4℃で一晩インキュベーション後、マトリックスをカラムに負荷し、5容量のPBS、5容量の500mMのアルギニン、100mMのNaHPO、100mMのNaCl pH6.0および再び5容量のPBSで洗浄した。抗体を6容量の100mMのグリシン pH3.0、次に3容量の100mMのグリシン pH2.0で溶離し、全容量の1/10の1MのHEPES pH7.5で溶出物を中和した。最後に、溶出物を4℃で一晩PBS中で透析した。精製された抗体をSDS−PAGEおよび質量分析により分析した。
【0115】
実施例5.表面プラズモン共鳴(Biacore)を使用するTFPIへの抗体結合の親和性を測定する
ヒトまたはマウスTFPIのいずれかを分析のために表面上に固定した。CM5−チップおよびアミンカップリングキット(GE HealthCare)を、製造業者からの指示にしたがって、リガンドの固定化のために使用した。固定化されたTFPIの量は約70RUであり、100RUのRMaxを産生することができる抗体の量に合わせた。親および親和性成熟抗−TFPI抗体を移動相においた。親和性決定を少なくとも5つの異なる濃度(0.1、0.4、1.6、6.4および25nM)の精製された抗体で行った。
【0116】
CDR領域において単一の変異を含む抗体変異体を分析することにより、本発明者らは、Elisa結合アッセイにおいてより高いシグナルを有する多数のクローンを同定した。選択されたクローンを精製し、ヒトまたはマウスTFPIに対するそれらの親和性をBiacoreを使用して分析した。表5および表6に示されるとおり、これらのクローンは、TFPIに対して、親抗体2A8または4B7よりもより高い親和性を有する。いくつかの2A8変異体が親抗体2A8よりもよりゆっくりな結合速度(ka)を有するが、全てのこれらの変異体は、2A8よりもずっとゆっくりな解離速度(kd)を有する。全体としては、これらの単一の変異は、ヒトTFPIにおいて1.47倍から7.22倍、およびマウスTFPIにおいて1.71倍から7.20倍の範囲で2A8の親和性を増加する。本発明者らが4B7変異体を分析したとき、重鎖CDR2ドメインにおけるD62R変異は、シグナルを有意に増加させた。このクローンを親和性測定のために選択した。表5および表6に示されるとおり、この単一の変異は、ヒトTFPIに対する4B7の親和性を11.1nMから58.2pMに増加させ、191倍改善する。4B7HcD62Rのゆっくりな解離速度(kd)は、主に、4B7の8.40×10−3/sから4B7HcD62Rの1.65×10−4への親和性改善に寄与し、約50倍改善する。同様に、この変異は、マウスTFPIに対する4B7の親和性を58.6nMから427pMに増加させ、137倍改善する。
表5.ヒトTFPIにおける選択された2A8または4B7変異体(単一の変異)の親和性
【表5】

表6.マウスTFPIにおける選択された2A8および4B7変異体(単一の変異)の親和性
【表6】

【0117】
次に、2A8および4B7内の複数の変異の結合親和性を研究した。表7(a)および表8(a)に示されるとおり、CDRドメインにおいて複数の変異を含む2A8の変異体は、ヒトTFPIおよびマウスTFPI結合の両方において単一変異4B7よりもより高い親和性を有する。例えば、2A8−200は、ヒトTFPI結合において2A8よりも53.7倍より高い親和性およびマウスTFPI結合において55.4倍より高い親和性を有する。表7(b)および表8(b)に示されるとおり、CDRドメインにおいて複数の変異を含む4B7の変異体は、ヒトTFPIおよびマウスTFPI結合の両方において単一変異4B7よりもより高い親和性を有する。表7および8において提供される親2A8および4B7配列からのこれらの変異体もまた、配列表に提供されている。配列番号:5−11は、表7および8に記載の2A8の重鎖変異体に対応する。配列番号:12−18は、2A8の軽鎖変異体に対応する。配列番号:19−26は、表7および8に記載の4B7の重鎖変異体に対応する。配列番号:27−34は、4B7の軽鎖変異体に対応する。
表7(a).ヒトTFPIにおける選択された2A8変異体(複数の変異)の親和性
【表7−1】

表7(b).ヒトTFPIにおける選択された4B7変異体(複数の変異)の親和性
【表7−2】

表8(a).マウスTFPIにおける選択された2A8変異体(複数の変異)の親和性
【表8−1】

表8(b).マウスTFPIにおける選択された4B7変異体(複数の変異)の親和性
【表8−2】

【0118】
実施例6.親和性改善抗体はFXa活性の回復におけるさらなる効力を示した
親和性改善抗−TFPI抗体がまた、TFPIタンパク質の阻害効果をブロックすることによるFXa活性の回復の効果を改善するか否かを決定するため、本発明者らはFXa回復アッセイを行った。このアッセイにおいて、種々の示された量の個々の親和性改善抗体(30μL)を、50μlの全反応混合物中の固定された量のヒト、マウスまたはラット組換えTFPI(20μL、6.6nM)と室温で30分インキュベートした。インキュベーション後、50μlのFXa(3.39nM)を反応混合物に加え、37℃で30分間インキュベートした。次に、20μlのSpectrozyme FXa基質を反応混合物に加えた。12分のインキュベーション後、それぞれのウェルの吸光度をプレートリーダー(Molecular Device)を使用して405nmで読んだ。それぞれの実験において、既知の量のTFPIにより阻害される同じ量のFXa(3.39nM)の直線標準曲線を得た。100%回復したFXa活性をTFPIを加えないFXa活性として定義し、0%活性をTFPIタンパク質(6.6nM)の存在下でのFXa活性として定義した。したがって、最大半量阻害濃度(IC50)をそれぞれの個々の抗−TFPI抗体に対して計算し、これらのいくつかを表9に提供した。最大半量有効濃度(EC50)もまた、選択された2A8の第2回の(second-round)変異体に対して計算し、表10に提供した。
表9.親抗体2A8および4B7のそれぞれと比較した、FXa回復アッセイを使用する単一のアミノ酸置換を有する選択された抗−TFPI抗体のIC50および効力改善
【表9】

表10.親2A8と比較した、複数のアミノ酸置換を有する選択された抗−TFPI抗体のEC50および改善倍数
【表10】

【0119】
実施例7.親和性改善抗体はdPTアッセイにおいて凝固時間の短縮においてさらなる効力を示した
これらの親和性改善抗体がまた、凝固時間の短縮において効力を改善するか否かを確認するために、dPTを実施して、ヒト血友病A血漿を使用して凝固時間における選択された親和性成熟抗体の効果を決定する。dPTアッセイは、本質的にWelschら(Thrombosis Res., 1991, 64(2): 213-222)に記載されているとおりに行う。簡潔には、ヒト血友病A血漿(George King Biomedical)を、血漿を0.1容量のコントロールバッファー(ネガティブコントロールとして)または示された抗−TFPI抗体と混合することにより調製する。25℃で30分インキュベーション後、それぞれの調製された血漿サンプル(100μL)をトロンボプラスチンの供給源として100μlの適当に希釈された(1:500希釈)Simplastin(Biometieux)および100μlの25mMの塩化カルシウムと合わせる。凝固時間は、塩化カルシウムを加えた直後に、フィブロメーターSTA4(Stago)を使用して決定する。
【0120】
実施例8.親和性改善抗体は抗−第VIII因子抗体−誘導ヒト血友病A血液を使用して全血凝固時間の短縮においてさらなる効力を示した
親和性改善抗体が、凝固時間の短縮においてさらなる効力を示すか否かを確認するために、本発明者らは、インヒビターを有する血友病A患者由来の血液を模倣するヒトFVIII−中和抗体−誘導血友病A血液における凝固時間に対するこれらの抗体の効果を試験するためにROTEMシステムを使用した。ROTEMシステム(Pentapharm GmbH)は、4チャネル器械、コンピューター、血漿標準、アクチベーターならびに使い捨てカップおよびピンを含む。ROTEM止血システムのトロンボエラストグラフィーパラメーターは、血液凝固が開始する反応時間(データ回収の開始後に2mmの振幅を得るために必要な時間)を反映する凝固時間(CT);凝固伝播を反映する血餅形成時間(CFT)およびアルファ角、ならびに血餅堅固を反映する最大振幅および最大弾性率を含む。ROTEMアッセイにおいて、FVIII活性がFVIIIに対するポリクローナル抗体の添加により中和された300μlの新鮮に採血されたクエン酸全血を、親抗−TFPI抗体と比較して、親和性改善抗−TFPI抗体の効果を試験するために使用した。製造業者の指示にしたがって、全ての成分を再構成し、混合し、それぞれのシステムに必要な期間、データを回収した。簡潔には、20μlのCaCl(200mmol)を有するROTEMカップに、300μlの血液または血漿を自動ピペットで吸引/分配することによりサンプル混合し、サンプルの混合直後に、データ回収を開始した。データは、コンピューター制御(ソフトウェア バージョン2.96)ROTEMシステムを使用して2時間で回収した。
【0121】
血液凝固時間の短縮における親和性改善抗−TFPI抗体の効果の検出におけるROTEMアッセイの典型的な結果は、図2および3において示される。図2は、ヒト抗体−誘導血友病血液の凝固時間において、選択された第1回の(first-round)親和性−成熟抗−TFPI抗体の効果を示す。非常に親和性改善された抗体である2A8−9および2A8−17は、ヒト抗体−誘導血友病A血液において凝固時間の短縮において非常に良い効力を示し、TFPIに対する結合親和性が改善しなかった2A8−10は、親2A8抗体と比較して、同様の凝固効力を維持した。
【0122】
実施例9.親和性改善抗体は血友病Aマウスの尾静脈切断のモデルにおいてより良い生存率を示す
親和性改善抗体が出血マウスにおいて予防効果におけるさらなる効力があるか否かを決定するために、血友病Aマウスの尾静脈切断モデルを使用した。損傷24時間前に、マウスに尾静脈注入を介して種々の示された量の親抗−TFPI抗体2A8または種々の示された量のA200を投与した。投与24時間後に、(直径における)先端から2.7mmで左尾静脈を切断した。生存を、切断後24時間にわたって観察した。生存率は、組換えFVIII(10IU/kgから30IU/kg)を与えたとき、用量依存的であることが証明された。
【0123】
図4は、選択された親和性改善抗体A200が、コントロールマウスIgG1(CTX IgG1)と比較して、血友病Aマウスの生存を用量依存的に有意に延長し、親抗体2A8よりもそれぞれ同量でより良い生存率を示すことを示す
【0124】
実施例10.親和性改善抗体は、ヒト血友病C(FXI−欠乏)血漿を使用して増強した凝固を示した
さらに、ROTEMアッセイを、血友病C患者を模倣するヒト第XI因子欠乏(FXI−欠乏)血漿において凝固時間に対する抗体の効果を試験するために利用した。血漿凝固時間の短縮における親和性改善抗−TFPI抗体の効果の検出におけるこのROTEMアッセイの結果は、図5において示される。図5は、2A8変異体である2A8−200が、ヒト血友病C血漿における凝固を用量依存的に増強し、その効果が組換えFVIIaに匹敵することを示す。
【0125】
本発明は、特定の態様および実施例に関して記載しているが、種々の修飾および変化が行われ得ること、均等物が本発明の精神および範囲から逸脱することなく置き換えられ得ることを理解すべきである。したがって、明細書および実施例は、限定的意味よりもむしろ説明的意味であると考えるべきである。さらに、本明細書において言及されている全ての文献、参考書、特許出願および特許は、出典明示によりそれらの全体を本明細書に包含させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、配列番号:1において示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含み、該アミノ酸配列は1つ以上のアミノ酸修飾を含む抗体。
【請求項2】
修飾が置換、挿入または欠失からなる群から選択される、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項3】
修飾が置換である、請求項2に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項4】
置換がQ1、R30、S31、G33、M34、S35、S50、I51、R52、S54、S55、S56、K99およびF104からなる群から選択される位置にある、請求項3に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項5】
置換がQ1E、R30S、S31P、S31V、G33A、G33K、G33P、M34I、M34K、S35L、S35D、S50A、I51D、I51E、R52S、S54F、S54D、S55A、S55G、S55R、S56G、K99V、K99LおよびF104Yからなる群から選択される、請求項4に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項6】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌IgA、IgDおよびIgE抗体からなる群から選択される、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項7】
Q1E、R30S、S31P、S31V、G33A、G33K、G33P、M34I、M34K、S35L、S35D、S50A、I51D、I51E、R52S、S54F、S54D、S55A、S55G、S55R、S56G、K99V、K99LおよびF104Yからなる群から選択される2つ以上の置換を含む、請求項1に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項8】
配列番号:1において示されるアミノ酸配列を含み、該配列は
(a)G33A+S35D+S55R+K99L;
(b)G33P+I51D+S54F;
(c)G33P+S35D+S54F+K99L;
(d)I51D+S54F+K99L;
(e)M34I+S35D+S55R+K99L;
(f)M34K+S35D+S55R+K99L;
(g)Q1E+R30S+S35D+S55G+S56G+K99L;
(h)Q1E+R30S+S35D+S55R+S56G+K99L;
(i)Q1E+S31V+S50A+I51D+S55R+S56G+K99V;
(j)Q1E+S35D+S55R+K99L;
(k)R30S+S31V+I51D+S55R+K99V;
(l)R30S+S35D+S55R+K99L;
(m)S31V+G33A+I51D+S55R+K99V;
(n)S31V+G33P+I51D+S54F+K99V;
(o)S31V+G33P+S35D;
(p)S31V+I51D+R52S+S55R+K99V;
(q)S31V+I51D+S54F+K99V;
(r)S31V+I51D+S55R;
(s)S31V+I51D+S55R+K99L;
(t)S31V+I51D+S55R+K99V;
(u)S31V+I51D+S55R+S56G+K99V;
(v)S31V+I51E+S55R+K99V;
(w)S31V+K99V;
(x)S31V+S35D;
(y)S31V+S35D+I51D+K99V;
(z)S31V+S35D+S54F;
(aa)S31V+S35D+S55R;
(bb)S31V+S35L+I51D+S54F+K99V;
(cc)S31V+S35L+I51E+S54F+K99V;
(dd)S31V+S50A+I51D+S55R+K99V;
(ee)S31V+S54F+K99L;
(ff)S35D+I51D+K99L;
(gg)S35D+I51D+S55R+K99V;
(hh)S35D+I51E+S55R+K99L;
(ii)S35D+K99L;
(jj)S35D+R52S+K99L;
(kk)S35D+R52S+S55R+K99L;
(ll)S35D+S50A+K99L;
(mm)S35D+S50A+S55R+K99L;
(nn)S35D+S54F+S55R+K99L;
(oo)S35D+S55G+K99L;
(pp)S35D+S55R+K99L;
(qq)S35D+S55R+S56G+K99L;
(rr)S35D+S56G+K99L;および
(ss)S35L+S54F+K99V
からなる群から選択される置換を含む、請求項7に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項9】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、配列番号:2において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、該アミノ酸配列は1つ以上のアミノ酸修飾を含む抗体。
【請求項10】
修飾が置換、挿入または欠失からなる群から選択される、請求項9に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項11】
修飾が置換である、請求項10に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項12】
置換がD1、I2、A13、S21、N26、R28、N29、A32、H33、Y48、Y49、N51、N52、P54、G56、E80、S89、D91、D92、G93、V94、P95およびV96からなる群から選択される位置にある、請求項11に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項13】
置換がD1S、I2Y、A13S、S21T、N26A、R28P、N29K、A32N、H33Y、Y48F、Y49R、N51S、N51V、N52G、P54L、G56D、E80M、S89A、D91L、D91R、D91W、D91K、D92S、D92T、G93S、V94T、P95V、P95A、V96G、V96MおよびV96Wからなる群から選択される、請求項12に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項14】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌IgA、IgDおよびIgE抗体からなる群から選択される、請求項9に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項15】
D1S、I2Y、A13S、S21T、N26A、R28P、N29K、A32N、H33Y、Y48F、Y49R、N51S、N51V、N52G、P54L、G56D、E80M、S89A、D91L、D91R、D91W、D91K、D92S、D92T、G93S、V94T、P95V、P95A、V96G、V96MおよびV96Wからなる群から選択される2つ以上の置換を含む、請求項9に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項16】
配列番号:2において示されるアミノ酸配列を含み、該配列は
(a)A13S+Y48F+N51V+D91W;
(b)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;
(c)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51S+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;
(d)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51V+E80M+D91W;
(e)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51V+E80M+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T;
(f)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+Y49R+N51S+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;
(g)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+Y48F+N51V+E80M+D91W;
(h)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+Y48F+N51V+E80M+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T;
(i)D1S+Y48F+N51V+D91W;
(j)D91L+V96W;
(k)H33Y+Y48F+N51V+D91W;
(l)I2Y+Y48F+N51V+D91W;
(m)N26A+Y48F+N51V+D91W;
(n)N29K+Y48F+N51V+D91W;
(o)N51V+D91K;
(p)N51V+D91W;
(q)R28P+Y48F+N51V+D91W;
(r)S21T+Y48F+N51V+D91W;
(s)Y48F+D91K;
(t)Y48F+D91L+D92S+V96W;
(u)Y48F+D91L+G93S+V96W;
(v)Y48F+D91L+P95V+V96W;
(w)Y48F+D91L+V94T+V96W;
(x)Y48F+D91L+V96W;
(y)Y48F+D91W;
(z)Y48F+N51S+D91L+V96W;
(aa)Y48F+N51V;
(bb)Y48F+N51V+D91L;
(cc)Y48F+N51V+D91L+V96W;
(dd)Y48F+N51V+D91W;
(ee)Y48F+N51V+D91W+D92S;
(ff)Y48F+N51V+D91W+G93S;
(gg)Y48F+N51V+D91W+P95V;
(hh)Y48F+N51V+D91W+V94T;
(ii)Y48F+N51V+E80M+D91W;
(jj)Y48F+N51V+G56D+V96W;
(kk)Y48F+N51V+S89A+D91W;
(ll)Y48F+N51V+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T+P95A;
(mm)Y48F+N51V+V96W;
(nn)Y48F+N52G;
(oo)Y48F+N52G+D91L+V96W;および
(pp)Y48F+S89A+D91L+V96W
からなる群から選択される置換を含む、請求項15に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項17】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、
(a)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:1において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;および
(b)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:2において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む抗体。
【請求項18】
重鎖の修飾が置換である、請求項17に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項19】
重鎖の置換がQ1E、R30S、S31P、S31V、G33A、G33K、G33P、M34I、M34K、S35L、S35D、S50A、I51D、I51E、R52S、S54F、S54D、S55A、S55G、S55R、S56G、K99V、K99LおよびF104Yからなる群から選択される置換を含む、請求項18に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項20】
重鎖が2つ以上の置換を含む、請求項17に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項21】
重鎖が
(a)G33A+S35D+S55R+K99L;
(b)G33P+I51D+S54F;
(c)G33P+S35D+S54F+K99L;
(d)I51D+S54F+K99L;
(e)M34I+S35D+S55R+K99L;
(f)M34K+S35D+S55R+K99L;
(g)Q1E+R30S+S35D+S55G+S56G+K99L;
(h)Q1E+R30S+S35D+S55R+S56G+K99L;
(i)Q1E+S31V+S50A+I51D+S55R+S56G+K99V;
(j)Q1E+S35D+S55R+K99L;
(k)R30S+S31V+I51D+S55R+K99V;
(l)R30S+S35D+S55R+K99L;
(m)S31V+G33A+I51D+S55R+K99V;
(n)S31V+G33P+I51D+S54F+K99V;
(o)S31V+G33P+S35D;
(p)S31V+I51D+R52S+S55R+K99V;
(q)S31V+I51D+S54F+K99V;
(r)S31V+I51D+S55R;
(s)S31V+I51D+S55R+K99L;
(t)S31V+I51D+S55R+K99V;
(u)S31V+I51D+S55R+S56G+K99V;
(v)S31V+I51E+S55R+K99V;
(w)S31V+K99V;
(x)S31V+S35D;
(y)S31V+S35D+I51D+K99V;
(z)S31V+S35D+S54F;
(aa)S31V+S35D+S55R;
(bb)S31V+S35L+I51D+S54F+K99V;
(cc)S31V+S35L+I51E+S54F+K99V;
(dd)S31V+S50A+I51D+S55R+K99V;
(ee)S31V+S54F+K99L;
(ff)S35D+I51D+K99L;
(gg)S35D+I51D+S55R+K99V;
(hh)S35D+I51E+S55R+K99L;
(ii)S35D+K99L;
(jj)S35D+R52S+K99L;
(kk)S35D+R52S+S55R+K99L;
(ll)S35D+S50A+K99L;
(mm)S35D+S50A+S55R+K99L;
(nn)S35D+S54F+S55R+K99L;
(oo)S35D+S55G+K99L;
(pp)S35D+S55R+K99L;
(qq)S35D+S55R+S56G+K99L;
(rr)S35D+S56G+K99L;および
(ss)S35L+S54F+K99V
からなる群から選択される置換を含む、請求項20に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項22】
軽鎖の修飾が置換である、請求項17に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項23】
軽鎖の置換がD1S、I2Y、A13S、S21T、N26A、R28P、N29K、A32N、H33Y、Y48F、Y49R、N51S、N51V、N52G、P54L、G56D、E80M、S89A、D91L、D91R、D91W、D91K、D92S、D92T、G93S、V94T、P95V、P95A、V96G、V96MおよびV96Wからなる群から選択される置換を含む、請求項22に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項24】
軽鎖が2つ以上の置換を含む、請求項17に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項25】
軽鎖が
(a)A13S+Y48F+N51V+D91W;
(b)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;
(c)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51S+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;
(d)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51V+E80M+D91W;
(e)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51V+E80M+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T;
(f)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+Y49R+N51S+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;
(g)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+Y48F+N51V+E80M+D91W;
(h)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+Y48F+N51V+E80M+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T;
(i)D1S+Y48F+N51V+D91W;
(j)D91L+V96W;
(k)H33Y+Y48F+N51V+D91W;
(l)I2Y+Y48F+N51V+D91W;
(m)N26A+Y48F+N51V+D91W;
(n)N29K+Y48F+N51V+D91W;
(o)N51V+D91K;
(p)N51V+D91W;
(q)R28P+Y48F+N51V+D91W;
(r)S21T+Y48F+N51V+D91W;
(s)Y48F+D91K;
(t)Y48F+D91L+D92S+V96W;
(u)Y48F+D91L+G93S+V96W;
(v)Y48F+D91L+P95V+V96W;
(w)Y48F+D91L+V94T+V96W;
(x)Y48F+D91L+V96W;
(y)Y48F+D91W;
(z)Y48F+N51S+D91L+V96W;
(aa)Y48F+N51V;
(bb)Y48F+N51V+D91L;
(cc)Y48F+N51V+D91L+V96W;
(dd)Y48F+N51V+D91W;
(ee)Y48F+N51V+D91W+D92S;
(ff)Y48F+N51V+D91W+G93S;
(gg)Y48F+N51V+D91W+P95V;
(hh)Y48F+N51V+D91W+V94T;
(ii)Y48F+N51V+E80M+D91W;
(jj)Y48F+N51V+G56D+V96W;
(kk)Y48F+N51V+S89A+D91W;
(ll)Y48F+N51V+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T+P95A;
(mm)Y48F+N51V+V96W;
(nn)Y48F+N52G;
(oo)Y48F+N52G+D91L+V96W;および
(pp)Y48F+S89A+D91L+V96W
からなる群から選択される置換を含む、請求項24に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項26】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌IgA、IgDおよびIgE抗体からなる群から選択される、請求項17に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項27】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:3において示されるアミノ酸配列を含む抗体。
【請求項28】
修飾が置換、挿入または欠失からなる群から選択される、請求項27に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項29】
修飾が置換である、請求項28に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項30】
置換がQ1、S30、N32、S37、G44、I53、K55、S57、K58、N61、D62、H103、H107、G109およびY112からなる群から選択される位置にある、請求項29に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項31】
置換がQ1E、S30R、N32D、N32E、S33G、S37N、G44S、I53T、K55Y、S57K、S57R、K58M、N61G、N61T、D62I、D62R、D62Q、D62L、D62S、D62V、D62N、D62K、H103D、H103G、H107M、G109AおよびY112Dからなる群から選択される、請求項30に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項32】
Q1E、S30R、N32D、N32E、S33G、S37N、G44S、I53T、K55Y、S57K、S57R、K58M、N61G、N61T、D62I、D62R、D62Q、D62L、D62S、D62V、D62N、D62K、H103D、H103G、H107M、G109AおよびY112Dからなる群から選択される2つ以上の置換を含む、請求項27に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項33】
配列番号:3において示されるアミノ酸配列を含み、該配列は
(a)D62Q+H107M+Y112D;
(b)D62Q+Y112D;
(c)D62R+H107M+Y112D;
(d)D62R+Y112D;
(e)D62S+H107M+Y112D;
(f)N32D+D62K+Y112D;
(g)N32D+D62Q+H107M+Y112D;
(h)N32D+D62Q+Y112D;
(i)N32D+D62R+H103D;
(j)N32D+D62R+H103D+H107M+Y112D;
(k)N32D+D62R+H107M;
(l)N32D+D62R+H107M+Y112D;
(m)N32D+D62R+Y112D;
(n)N32D+D62S+H107M+Y112D;
(o)N32D+G44S+D62R+Y112D;
(p)N32D+I53T+D62Q+Y112D;
(q)N32D+I53T+D62R+Y112D;
(r)N32D+K55Y+D62Q+Y112D;
(s)N32D+K55Y+D62R+Y112D;
(t)N32D+S37N+D62R+Y112D;
(u)Q1E+N32D+D62R+Y112D;
(v)Q1E+N32D+G44S+K55Y+D62R+Y112D;
(w)N32D+G44S+K55Y+D62R+Y112D
(x)S30R+S57K;
(y)N61G+D62V;および
(z)K58M+D62N
からなる群から選択される置換を含む、請求項32に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項34】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌IgA、IgDおよびIgE抗体からなる群から選択される、請求項27に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項35】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:4において示されるアミノ酸配列を含む抗体。
【請求項36】
修飾が置換、挿入または欠失からなる群から選択される、請求項35に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項37】
修飾が置換である、請求項36に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項38】
置換がM4、V30、F31、S32、D33、N35、T36、Y37、N39、L42、K44、Q50、L51、Y54、K55、G56、S57、A60、S61、D97およびS98からなる群から選択される位置にある、請求項37に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項39】
置換がM4I、M4L、V30L、F31I、F31M、F31Y、F31H、S32L、S32R、S32Y、D33F、D33R、N35I、N35L、N35T、N35V、T36N、Y37F、N39D、L42Q、K44R、Q50R、L51R、Y54F、K55L、G56D、G56A、G56V、S57Y、A60D、S61C、D97M、D97TおよびS98Hからなる群から選択される、請求項38に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項40】
M4I、M4L、V30L、F31I、F31M、F31Y、F31H、S32L、S32R、S32Y、D33F、D33R、N35I、N35L、N35T、N35V、T36N、Y37F、N39D、L42Q、K44R、Q50R、L51R、Y54F、K55L、G56D、G56A、G56V、S57Y、A60D、S61C、D97M、D97TおよびS98Hからなる群から選択される2つ以上の置換を含む、請求項35に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項41】
配列番号:4において示されるアミノ酸配列を含み、該配列は
(a)D33F+N35I;
(b)D33F+N35I+D97T;
(c)D33F+N35T+Y37F;
(d)D33R+N35I;
(e)D33R+N35I+D97T;
(f)D33R+N35T;
(g)F31H+S32R+D33F+N35I+D97T;
(h)F31I+D33F+N35I;
(i)F31I+D33F+N35I+D97T;
(j)F31I+D33F+N35I+K44R;
(k)F31I+D33F+N35I+L42Q;
(l)F31I+D33F+N35I+S98H;
(m)F31I+D33F+N35I+T36N;
(n)F31I+D33R;
(o)F31I+D33R+N35I;
(p)F31I+N35I;
(q)F31I+S32R+D33F+N35I+D97T;
(r)F31I+S32R+D33F+N35T;
(s)F31I+S32R+D33R+N35I+D97T;
(t)F31I+S32R+N35I+D97T;
(u)F31M+D33F;
(v)F31M+D33F+N35I;
(w)F31M+D33F+N35T;
(x)F31M+D33F+N35T+Y37F;
(y)F31M+D33R;
(z)F31M+D33R+N35I;
(aa)F31M+S32L+D33R+N35I+D97T;
(bb)F31M+S32R+D33F+D97T;
(cc)F31M+S32R+D33F+N35I;
(dd)F31M+S32R+D33F+N35I+D97T;
(ee)F31M+S32R+D33R;
(ff)F31M+S32R+D33R+N35I;
(gg)F31M+S32R+D33R+N35I+D97T;
(hh)F31M+S32R+D33R+N35T;
(ii)F31Y+S32R+D33F+N35I+D97T;
(jj)M4I+S32R+D33F+N35I+D97T;
(kk)M4L+S32R+D33F+N35I+D97T;
(ll)N35T+D97T;
(mm)S32R+D33F;
(nn)S32R+D33F+N35I;
(oo)S32R+D33F+N35I+A60D+D97T;
(pp)S32R+D33F+N35I+D97T;
(qq)S32R+D33F+N35I+D97T+S98H;
(rr)S32R+D33F+N35I+G56V+D97T;
(ss)S32R+D33F+N35I+K44R+D97T;
(tt)S32R+D33F+N35I+K55L+D97T;
(uu)S32R+D33F+N35I+L42Q+D97T;
(vv)S32R+D33F+N35I+L51R+D97T;
(ww)S32R+D33F+N35I+N39D+D97T;
(xx)S32R+D33F+N35I+Q50R+D97T;
(yy)S32R+D33F+N35I+T36N+D97T;
(zz)S32R+D33F+N35T;
(aaa)S32R+D33R;
(bbb)S32R+D33R+N35I;
(ccc)S32R+D33R+N35I+D97T;
(ddd)S32R+D33R+N35T;
(eee)S32R+N35I;
(fff)S32R+N35T;
(ggg)S32R+N35T+D97T;
(hhh)V30L+F31I+D33F+N35I;
(iii)V30L+S32R+D33F+N35I+D97T;
(jjj)V30L+S32R+D33F+N35I+T36N+D97T;
(kkk)V30L+S32R+N35I+T36N;
(lll)N35V+G56D;
(mmm)N35L+G56A;および
(nnn)D33F+Y54F
からなる群から選択される置換を含む、請求項40に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項42】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌IgA、IgDおよびIgE抗体からなる群から選択される、請求項35に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項43】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、
(a)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:3において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;および
(b)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:4において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む抗体。
【請求項44】
重鎖の修飾が置換である、請求項43に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項45】
重鎖の置換がQ1E、S30R、N32D、N32E、S33G、S37N、G44S、I53T、K55Y、S57K、S57R、K58M、N61G、N61T、D62I、D62R、D62Q、D62L、D62S、D62V、D62N、D62K、H103D、H103G、H107M、G109AおよびY112Dからなる群から選択される置換を含む、請求項44に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項46】
重鎖が2つ以上の置換を含む、請求項43に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項47】
重鎖が
(a)D62Q+H107M+Y112D;
(b)D62Q+Y112D;
(c)D62R+H107M+Y112D;
(d)D62R+Y112D;
(e)D62S+H107M+Y112D;
(f)N32D+D62K+Y112D;
(g)N32D+D62Q+H107M+Y112D;
(h)N32D+D62Q+Y112D;
(i)N32D+D62R+H103D;
(j)N32D+D62R+H103D+H107M+Y112D;
(k)N32D+D62R+H107M;
(l)N32D+D62R+H107M+Y112D;
(m)N32D+D62R+Y112D;
(n)N32D+D62S+H107M+Y112D;
(o)N32D+G44S+D62R+Y112D;
(p)N32D+I53T+D62Q+Y112D;
(q)N32D+I53T+D62R+Y112D;
(r)N32D+K55Y+D62Q+Y112D;
(s)N32D+K55Y+D62R+Y112D;
(t)N32D+S37N+D62R+Y112D;
(u)Q1E+N32D+D62R+Y112D;
(v)Q1E+N32D+G44S+K55Y+D62R+Y112D;
(w)N32D+G44S+K55Y+D62R+Y112D
(x)S30R+S57K;
(y)N61G+D62V;および
(z)K58M+D62N
からなる群から選択される置換を含む、請求項46に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項48】
軽鎖の修飾が置換である、請求項43に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項49】
軽鎖の置換がM4I、M4L、V30L、F31I、F31M、F31Y、F31H、S32L、S32R、S32Y、D33F、D33R、N35I、N35L、N35T、N35V、T36N、Y37F、N39D、L42Q、K44R、Q50R、L51R、Y54F、K55L、G56D、G56A、G56V、S57Y、A60D、S61C、D97M、D97TおよびS98Hからなる群から選択される置換を含む、請求項48に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項50】
軽鎖が2つ以上の置換を含む、請求項43に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項51】
軽鎖が
(a)D33F+N35I;
(b)D33F+N35I+D97T;
(c)D33F+N35T+Y37F;
(d)D33R+N35I;
(e)D33R+N35I+D97T;
(f)D33R+N35T;
(g)F31H+S32R+D33F+N35I+D97T;
(h)F31I+D33F+N35I;
(i)F31I+D33F+N35I+D97T;
(j)F31I+D33F+N35I+K44R;
(k)F31I+D33F+N35I+L42Q;
(l)F31I+D33F+N35I+S98H;
(m)F31I+D33F+N35I+T36N;
(n)F31I+D33R;
(o)F31I+D33R+N35I;
(p)F31I+N35I;
(q)F31I+S32R+D33F+N35I+D97T;
(r)F31I+S32R+D33F+N35T;
(s)F31I+S32R+D33R+N35I+D97T;
(t)F31I+S32R+N35I+D97T;
(u)F31M+D33F;
(v)F31M+D33F+N35I;
(w)F31M+D33F+N35T;
(x)F31M+D33F+N35T+Y37F;
(y)F31M+D33R;
(z)F31M+D33R+N35I;
(aa)F31M+S32L+D33R+N35I+D97T;
(bb)F31M+S32R+D33F+D97T;
(cc)F31M+S32R+D33F+N35I;
(dd)F31M+S32R+D33F+N35I+D97T;
(ee)F31M+S32R+D33R;
(ff)F31M+S32R+D33R+N35I;
(gg)F31M+S32R+D33R+N35I+D97T;
(hh)F31M+S32R+D33R+N35T;
(ii)F31Y+S32R+D33F+N35I+D97T;
(jj)M4I+S32R+D33F+N35I+D97T;
(kk)M4L+S32R+D33F+N35I+D97T;
(ll)N35T+D97T;
(mm)S32R+D33F;
(nn)S32R+D33F+N35I;
(oo)S32R+D33F+N35I+A60D+D97T;
(pp)S32R+D33F+N35I+D97T;
(qq)S32R+D33F+N35I+D97T+S98H;
(rr)S32R+D33F+N35I+G56V+D97T;
(ss)S32R+D33F+N35I+K44R+D97T;
(tt)S32R+D33F+N35I+K55L+D97T;
(uu)S32R+D33F+N35I+L42Q+D97T;
(vv)S32R+D33F+N35I+L51R+D97T;
(ww)S32R+D33F+N35I+N39D+D97T;
(xx)S32R+D33F+N35I+Q50R+D97T;
(yy)S32R+D33F+N35I+T36N+D97T;
(zz)S32R+D33F+N35T;
(aaa)S32R+D33R;
(bbb)S32R+D33R+N35I;
(ccc)S32R+D33R+N35I+D97T;
(ddd)S32R+D33R+N35T;
(eee)S32R+N35I;
(fff)S32R+N35T;
(ggg)S32R+N35T+D97T;
(hhh)V30L+F31I+D33F+N35I;
(iii)V30L+S32R+D33F+N35I+D97T;
(jjj)V30L+S32R+D33F+N35I+T36N+D97T;
(kkk)V30L+S32R+N35I+T36N;
(lll)N35V+G56D;
(mmm)N35L+G56A;および
(nnn)D33F+Y54F
からなる群から選択される置換を含む、請求項50に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項52】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌IgA、IgDおよびIgE抗体からなる群から選択される、請求項43に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項53】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、
(a)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:1において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;および
(b)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:4において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む抗体。
【請求項54】
重鎖の修飾が置換である、請求項53に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項55】
重鎖の置換がQ1E、R30S、S31P、S31V、G33A、G33K、G33P、M34I、M34K,S35L、S35D、S50A、I51D、I51E、R52S、S54F、S54D、S55A、S55G、S55R、S56G、K99V、K99LおよびF104Yからなる群から選択される置換を含む、請求項54に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項56】
重鎖が2つ以上の置換を含む、請求項53に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項57】
重鎖が
(a)G33A+S35D+S55R+K99L;
(b)G33P+I51D+S54F;
(c)G33P+S35D+S54F+K99L;
(d)I51D+S54F+K99L;
(e)M34I+S35D+S55R+K99L;
(f)M34K+S35D+S55R+K99L;
(g)Q1E+R30S+S35D+S55G+S56G+K99L;
(h)Q1E+R30S+S35D+S55R+S56G+K99L;
(i)Q1E+S31V+S50A+I51D+S55R+S56G+K99V;
(j)Q1E+S35D+S55R+K99L;
(k)R30S+S31V+I51D+S55R+K99V;
(l)R30S+S35D+S55R+K99L;
(m)S31V+G33A+I51D+S55R+K99V;
(n)S31V+G33P+I51D+S54F+K99V;
(o)S31V+G33P+S35D;
(p)S31V+I51D+R52S+S55R+K99V;
(q)S31V+I51D+S54F+K99V;
(r)S31V+I51D+S55R;
(s)S31V+I51D+S55R+K99L;
(t)S31V+I51D+S55R+K99V;
(u)S31V+I51D+S55R+S56G+K99V;
(v)S31V+I51E+S55R+K99V;
(w)S31V+K99V;
(x)S31V+S35D;
(y)S31V+S35D+I51D+K99V;
(z)S31V+S35D+S54F;
(aa)S31V+S35D+S55R;
(bb)S31V+S35L+I51D+S54F+K99V;
(cc)S31V+S35L+I51E+S54F+K99V;
(dd)S31V+S50A+I51D+S55R+K99V;
(ee)S31V+S54F+K99L;
(ff)S35D+I51D+K99L;
(gg)S35D+I51D+S55R+K99V;
(hh)S35D+I51E+S55R+K99L;
(ii)S35D+K99L;
(jj)S35D+R52S+K99L;
(kk)S35D+R52S+S55R+K99L;
(ll)S35D+S50A+K99L;
(mm)S35D+S50A+S55R+K99L;
(nn)S35D+S54F+S55R+K99L;
(oo)S35D+S55G+K99L;
(pp)S35D+S55R+K99L;
(qq)S35D+S55R+S56G+K99L;
(rr)S35D+S56G+K99L;および
(ss)S35L+S54F+K99V
からなる群から選択される置換を含む、請求項56に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項58】
軽鎖の修飾が置換である、請求項53に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項59】
軽鎖の置換がM4I、M4L、V30L、F31I、F31M、F31Y、F31H、S32L、S32R、S32Y、D33F、D33R、N35I、N35L、N35T、N35V、T36N、Y37F、N39D、L42Q、K44R、Q50R、L51R、Y54F、K55L、G56D、G56A、G56V、S57Y、A60D、S61C、D97M、D97TおよびS98Hからなる群から選択される置換を含む、請求項58に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項60】
軽鎖が2つ以上の置換を含む、請求項53に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項61】
軽鎖が
(a)D33F+N35I;
(b)D33F+N35I+D97T;
(c)D33F+N35T+Y37F;
(d)D33R+N35I;
(e)D33R+N35I+D97T;
(f)D33R+N35T;
(g)F31H+S32R+D33F+N35I+D97T;
(h)F31I+D33F+N35I;
(i)F31I+D33F+N35I+D97T;
(j)F31I+D33F+N35I+K44R;
(k)F31I+D33F+N35I+L42Q;
(l)F31I+D33F+N35I+S98H;
(m)F31I+D33F+N35I+T36N;
(n)F31I+D33R;
(o)F31I+D33R+N35I;
(p)F31I+N35I;
(q)F31I+S32R+D33F+N35I+D97T;
(r)F31I+S32R+D33F+N35T;
(s)F31I+S32R+D33R+N35I+D97T;
(t)F31I+S32R+N35I+D97T;
(u)F31M+D33F;
(v)F31M+D33F+N35I;
(w)F31M+D33F+N35T;
(x)F31M+D33F+N35T+Y37F;
(y)F31M+D33R;
(z)F31M+D33R+N35I;
(aa)F31M+S32L+D33R+N35I+D97T;
(bb)F31M+S32R+D33F+D97T;
(cc)F31M+S32R+D33F+N35I;
(dd)F31M+S32R+D33F+N35I+D97T;
(ee)F31M+S32R+D33R;
(ff)F31M+S32R+D33R+N35I;
(gg)F31M+S32R+D33R+N35I+D97T;
(hh)F31M+S32R+D33R+N35T;
(ii)F31Y+S32R+D33F+N35I+D97T;
(jj)M4I+S32R+D33F+N35I+D97T;
(kk)M4L+S32R+D33F+N35I+D97T;
(ll)N35T+D97T;
(mm)S32R+D33F;
(nn)S32R+D33F+N35I;
(oo)S32R+D33F+N35I+A60D+D97T;
(pp)S32R+D33F+N35I+D97T;
(qq)S32R+D33F+N35I+D97T+S98H;
(rr)S32R+D33F+N35I+G56V+D97T;
(ss)S32R+D33F+N35I+K44R+D97T;
(tt)S32R+D33F+N35I+K55L+D97T;
(uu)S32R+D33F+N35I+L42Q+D97T;
(vv)S32R+D33F+N35I+L51R+D97T;
(ww)S32R+D33F+N35I+N39D+D97T;
(xx)S32R+D33F+N35I+Q50R+D97T;
(yy)S32R+D33F+N35I+T36N+D97T;
(zz)S32R+D33F+N35T;
(aaa)S32R+D33R;
(bbb)S32R+D33R+N35I;
(ccc)S32R+D33R+N35I+D97T;
(ddd)S32R+D33R+N35T;
(eee)S32R+N35I;
(fff)S32R+N35T;
(ggg)S32R+N35T+D97T;
(hhh)V30L+F31I+D33F+N35I;
(iii)V30L+S32R+D33F+N35I+D97T;
(jjj)V30L+S32R+D33F+N35I+T36N+D97T;
(kkk)V30L+S32R+N35I+T36N;
(lll)N35V+G56D;
(mmm)N35L+G56A;および
(nnn)D33F+Y54F
からなる群から選択される置換を含む、請求項60に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項62】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌IgA、IgDおよびIgE抗体からなる群から選択される、請求項53に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項63】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、
(a)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:3において示されるアミノ酸配列を含む重鎖;および
(b)1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:2において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む抗体。
【請求項64】
重鎖の修飾が置換である、請求項63に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項65】
重鎖の置換がQ1E、S30R、N32D、N32E、S33G、S37N、G44S、I53T、K55Y、S57K、S57R、K58M、N61G、N61T、D62I、D62R、D62Q、D62L、D62S、D62V、D62N、D62K、H103D、H103G、H107M、G109AおよびY112Dからなる群から選択される置換を含む、請求項64に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項66】
重鎖が2つ以上の置換を含む、請求項63に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項67】
重鎖が
(a)D62Q+H107M+Y112D;
(b)D62Q+Y112D;
(c)D62R+H107M+Y112D;
(d)D62R+Y112D;
(e)D62S+H107M+Y112D;
(f)N32D+D62K+Y112D;
(g)N32D+D62Q+H107M+Y112D;
(h)N32D+D62Q+Y112D;
(i)N32D+D62R+H103D;
(j)N32D+D62R+H103D+H107M+Y112D;
(k)N32D+D62R+H107M;
(l)N32D+D62R+H107M+Y112D;
(m)N32D+D62R+Y112D;
(n)N32D+D62S+H107M+Y112D;
(o)N32D+G44S+D62R+Y112D;
(p)N32D+I53T+D62Q+Y112D;
(q)N32D+I53T+D62R+Y112D;
(r)N32D+K55Y+D62Q+Y112D;
(s)N32D+K55Y+D62R+Y112D;
(t)N32D+S37N+D62R+Y112D;
(u)Q1E+N32D+D62R+Y112D;
(v)Q1E+N32D+G44S+K55Y+D62R+Y112D;
(w)N32D+G44S+K55Y+D62R+Y112D
(x)S30R+S57K;
(y)N61G+D62V;および
(z)K58M+D62N
からなる群から選択される置換を含む、請求項66に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項68】
軽鎖の修飾が置換である、請求項63に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項69】
軽鎖の置換がD1S、I2Y、A13S、S21T、N26A、R28P、N29K、A32N、H33Y、Y48F、Y49R、N51S、N51V、N52G、P54L、G56D、E80M、S89A、D91L、D91R、D91W、D91K、D92S、D92T、G93S、V94T、P95V、P95A、V96G、V96MおよびV96Wからなる群から選択される置換を含む、請求項68に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項70】
軽鎖が2つ以上の置換を含む、請求項63に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項71】
軽鎖が
(a)A13S+Y48F+N51V+D91W;
(b)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;
(c)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51S+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;
(d)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51V+E80M+D91W;
(e)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+N51V+E80M+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T;
(f)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+N29K+Y48F+Y49R+N51S+E80M+D91L+D92S+V94T+V96W;
(g)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+Y48F+N51V+E80M+D91W;
(h)D1S+I2Y+A13S+S21T+R28P+Y48F+N51V+E80M+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T;
(i)D1S+Y48F+N51V+D91W;
(j)D91L+V96W;
(k)H33Y+Y48F+N51V+D91W;
(l)I2Y+Y48F+N51V+D91W;
(m)N26A+Y48F+N51V+D91W;
(n)N29K+Y48F+N51V+D91W;
(o)N51V+D91K;
(p)N51V+D91W;
(q)R28P+Y48F+N51V+D91W;
(r)S21T+Y48F+N51V+D91W;
(s)Y48F+D91K;
(t)Y48F+D91L+D92S+V96W;
(u)Y48F+D91L+G93S+V96W;
(v)Y48F+D91L+P95V+V96W;
(w)Y48F+D91L+V94T+V96W;
(x)Y48F+D91L+V96W;
(y)Y48F+D91W;
(z)Y48F+N51S+D91L+V96W;
(aa)Y48F+N51V;
(bb)Y48F+N51V+D91L;
(cc)Y48F+N51V+D91L+V96W;
(dd)Y48F+N51V+D91W;
(ee)Y48F+N51V+D91W+D92S;
(ff)Y48F+N51V+D91W+G93S;
(gg)Y48F+N51V+D91W+P95V;
(hh)Y48F+N51V+D91W+V94T;
(ii)Y48F+N51V+E80M+D91W;
(jj)Y48F+N51V+G56D+V96W;
(kk)Y48F+N51V+S89A+D91W;
(ll)Y48F+N51V+S89A+D91W+D92S+G93S+V94T+P95A;
(mm)Y48F+N51V+V96W;
(nn)Y48F+N52G;
(oo)Y48F+N52G+D91L+V96W;および
(pp)Y48F+S89A+D91L+V96W
からなる群から選択される置換を含む、請求項70に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項72】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、分泌IgA、IgDおよびIgE抗体からなる群から選択される、請求項63に記載の単離されたモノクローナル抗体。
【請求項73】
抗体の存在下で血液凝固時間が短縮される、前記請求項のいずれかに記載の抗体。
【請求項74】
TFPIに対する増加した親和性を有する、前記請求項のいずれかに記載の抗体。
【請求項75】
TFPIの増加したブロッキング活性を有する、前記請求項のいずれかに記載の抗体。
【請求項76】
治療有効量の請求項1から72のいずれかに記載のモノクローナル抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項77】
治療有効量の請求項76に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、凝固における遺伝的または後天的欠乏または欠損を処置するための方法。
【請求項78】
血友病A、BまたはCを処置する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
治療有効量の請求項76に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、出血時間を短縮するための方法。
【請求項80】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、該抗体は1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:1において示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む核酸分子。
【請求項81】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、該抗体は1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:2において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む核酸分子。
【請求項82】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、該抗体は1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:3において示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む核酸分子。
【請求項83】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、該抗体は1つ以上のアミノ酸修飾を含む配列番号:4において示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む核酸分子。
【請求項84】
請求項80、81、82または83に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項85】
請求項84に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項86】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、配列番号:5、6、7、8、9、10、11、19、20、21、22、23、24、25および26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗体。
【請求項87】
ヒト組織因子経路インヒビターに結合する単離されたモノクローナル抗体であって、配列番号:12、13、14、15、16、17、18、27、28、29、30、31、32、33および34からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−520996(P2013−520996A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556192(P2012−556192)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2011/026766
【国際公開番号】WO2011/109452
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】