説明

組織移植片アンカー

本願発明は、組織移植片を固定する方法に関する。該方法は、骨に穴を形成するステップと、該穴内に組織移植片を挿入するステップと、該穴にカニューレ式アンカーを挿入するステップであって、前記アンカーが該アンカーの外側表面上のねじ部と、形状記憶性質を含んでいるポリマー材料とを備える、該穴にカニューレ式アンカーを挿入するステップと、前記アンカーを変形させ、且つ前記骨に前記アンカーを固定させるために、前記アンカーにエネルギーを提供するステップと、を備え、前記アンカーの変形時に、前記アンカーの各ねじ部の深さは実質的に減少し、それによって前記アンカーと前記組織移植片との間の接触を増加させる。アンカーはまた、開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2009年4月6日付けで提出された米国特許出願第61/166908号のPCT国際出願であり、その開示は、その全体を参照することによって本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本願発明は、組織移植片の固定に関する。
【背景技術】
【0003】
破断され、且つ修復不可能である前十字靭帯(ACL)などの靭帯は、関節鏡を使用して組織移植片によって一般的に置換される。組織移植片は、いわゆる「骨ブロック」を両端部に有する膝蓋腱の一部から、及び半腱様筋(semitendonosis)及び薄筋から採取されることができる。代替的には、組織移植片は、合成材料から、又は合成材料及び天然材料の組み合わせから構成されることができる。
【0004】
置換組織移植片は、大腿骨内の通路において形成されたソケット内に組織移植片の一の端部を固定することによって、且つ脛骨において形成された通路に移植組織片の他の端部を通過させることによって実行される。一般的には、縫合糸は、組織移植片の各端部をアンカー(例えば、干渉ねじ又はポスト)に固定するために使用され、次いで骨に固定される。しかしながら、従来の干渉ねじの欠点は、複数の患者のためのねじの寸法範囲の要求、治療領域とねじとの360°の接触の欠如、腱の滑り、及び腱上のねじによる低い固定力を含む。
【0005】
単純で、設置が容易であり、製造費用のかからない一方、組織移植片のしっかりとした、故障の無い固定を提供する組織移植片アンカーの必要性が残存している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の態様において、本願発明は、組織移植片を固定する方法に関する。該方法は、骨に穴を形成するステップと、該穴内に組織移植片を挿入するステップと、該穴にカニューレ式アンカー(cannulated anchor)を挿入するステップであって、前記アンカーが該アンカーの外側表面上のねじ部と、形状記憶性質を含んでいるポリマー材料とを備える、該穴にカニューレ式アンカーを挿入するステップと、前記アンカーを変形させ、且つ前記骨に前記アンカーを固定させるために、前記アンカーにエネルギーを提供するステップと、を備え、前記アンカーの変形時に、前記アンカーの各ねじ部の深さは実質的に減少し、それによって前記アンカーと前記組織移植片との間の接触を増加させる。
【0007】
一の実施形態において、骨は大腿骨を含む。他の実施形態において、骨は脛骨を含む。更なる他の実施形態において、ポリマー材料は、非晶質ポリマー(amorphous polymer)、半晶質ポリマー、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される。さらなる実施形態において、ポリマー材料は、再吸収可能なポリマー材料を含む。さらにさらなる実施形態において、ポリマー材料は、再吸収可能ではないポリマー材料を含む。一の実施形態において、アンカーの各ねじ部のピッチは、実質的に減少される。他の実施形態において、エネルギー源は体温を含む。
【0008】
他の態様において、本願発明は、アンカーに関する。該アンカーは、近位部分と、ねじ部を有している遠位部分と、前記近位部分と前記遠位部分との間に位置した中間部分であって、前記近位部分及び前記遠位部分の直径より小さい直径を有する中間部分と、前記中間部分に結合されたポリマー材料であって、形状記憶性質を有しているポリマー材料と、を備えている。
【0009】
さらなる他の態様において、本願発明はアンカーに関する。該アンカーは、アンカーの外側表面上のねじ部と、形状記憶性質を含んでいるポリマー材料と、を含んでおり、前記アンカーにエネルギーが提供されると、前記アンカーは、前記アンカーの各ねじ部の深さが実質的に減少されるように変形する。一の実施形態において、アンカーの各ねじ部のピッチは減少される。他の実施形態において、エネルギー源は、体温を含む。
【0010】
さらなる態様において、本願発明はアンカーに関する。該アンカーは、近位部分と、遠位部分と、カニューレと、複数の逆目と複数の溝とを含んでいる外側表面であって、該溝がアンカーの長さ全体に延在している、外側表面と、を含んでおり、前記アンカーは、形状記憶性質を有するポリマー材料を含む。
【0011】
本願発明の適用性のさらなる領域は、これ以降に提供された詳細な説明から明らかになるであろう。本願開示の好ましい実施形態を示すとともに、詳細な説明及び特定の例が、図示の目的のみために意図され、且つ本願発明の技術機範囲を制限するように意図されないことは、理解されるべきである。
【0012】
本願明細書に組み込まれ、且つ本願明細書の一部を形成している添付した図面は、本願発明の複数の実施形態を図示し、記載された説明とともに、本願発明の原理、特性、及び特徴を説明するために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願発明の方法のフローチャートを示す図である。
【図2A】図1の方法の実施形態を図示する図である。
【図2B】図1の方法の実施形態を図示する図である。
【図3】本願発明の組織移植片アンカーの第1の実施形態の断面図である。
【図4A】本願発明の組織移植片アンカーの第2の実施形態を示す図である。
【図4B】本願発明の組織移植片アンカーの第2の実施形態を示す図である。
【図5A】骨内へのアンカーの挿入及びアンカーにエネルギーを提供した後の、図4A及び図4Bの第2の実施形態を示す図である。
【図5B】骨内へのアンカーの挿入及びアンカーにエネルギーを提供した後の、図4A及び図4Bの第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい実施形態(複数の実施形態)の以下の説明は、本質的に単なる例示であり、開示、その適用、又は使用を制限するために決して意図されていない。
【0015】
図1は、本願発明の方法10のフローチャートを示す。該方法10は、骨に穴を形成するステップ11と、該穴内に組織移植片を挿入するステップ12と、該穴にアンカーを挿入するステップ13と、アンカーを変形させ、且つ骨に組織移植片を固定させるためにアンカーにエネルギーを提供するステップ14と、を含む。
【0016】
この方法10の例は、図2A〜図2Bに示される。図2Aは、骨トンネル31内に収容された組織移植片20の端部21と、該端部21の間に配置されたアンカー40と、を示す。骨トンネル31の形成及び骨トンネル31内への組織移植片20の挿入は、当業者に周知な任意の方法を介して行われることができる。アンカー40は、近位端部41と、遠位端部42と、を含む。さらに、アンカー40は、近位端部41から遠位端部42へテーパーされている。カニューレ(cannulation)43は、アンカー40の長さ全体に沿って存在している。しかしながら、アンカーの部分的な長さに延在するカニューレを有するアンカーはまた、本願発明の技術的範囲内である。さらに、アンカー40は、ねじ部45を有する外側表面44を含む。アンカー40は、骨内にアンカーを挿入するための、当業者に周知な任意の器具を使用して、回転運動を介して骨トンネル31内に挿入される。
【0017】
本願発明の目的のために、アンカー40は、形状記憶性質を有する再吸収可能なポリマー材料を含む。使用されることができる特定のポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメタクリル酸メチル(PEMA)、ポリアクリレート、ポリ‐アルファ−ヒドロキン酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリエステル、ポリグリコール酸、ポリグリコール、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、ポリリン酸塩、ポリオキサエステル(polyoxaester)、ポリリン酸エステル(polyphosphoester)、ポリホスホン酸エステル、多糖類、ポリチロシンカーボネイト(polytyrosine carbonates)、ウレタン樹脂、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル(polyhydroxyethylmethacrylate (PHEMA))、ポリエチレングリコール(PEG)、炭酸トリメチレン(triniethyl carbonate)、及びそれらのコポリマー又はポリマーブレンドを含む。さらに、生体活性剤は、ポリマー材料の変形又は分解中に解放されるようにポリマー材料内に組み込まれることができる。それらの生体活性剤は、骨の再生の促進を手助けするために含まれる。例は、骨形態形成蛋白質(bone morphogenic protein)、抗生物質、抗炎症薬、血管形成因子(angiogenic factors)、骨形成因子(osteogenic factors)、モノブチリン(monobutyrin)、大綱生成物(omental extract)、トロンビン、変性タンパク、多血小板血漿/溶液、乏血小板血漿/溶液、骨髄穿刺液、及び、生体細胞、保存細胞、休眠細胞、及び死細胞のような動植物由来の任意の細胞を含む。当業者に周知な他の生体活性剤はまた、使用されることができる。さらに、ポリマー材料は、合成物又はマトリックスとして形成されることができ、繊維、ロッド、プレートリット(platelet)、及び充填剤などの補強材料または補強段階を含む。例えば、ポリマー材料は、ガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維、セラミックス繊維、又はセラミックス微粒子を含むことができる。当業者に周知な他の補強材料又は段階は、使用されることができる。
【0018】
さらに、1つ又は複数の親水性材料は、水の浸入を加速させるために、ポリマーマトリックス内に含まれることができ、それ故に、ポリマー材料の緩和速度を加速させる。親水性材料の例は、上述したようにポリエチレングリコールを含む。当業者に周知な他の親水性材料はまた、使用されることができる。
【0019】
配向ポリマー材料はまた、塩化ナトリウムなどのポロゲン(porogen)を含むことができる。当業者に周知である他のポロゲンはまた、使用されることができる。ポロゲンはその結果、複数の孔をそのままにしている材料から流れ出される場合があり、透水を支援し、それ故に材料の緩和速度を加速させる。ポロゲンは、ポリマー材料に含まれており、材料が配向される前に複数の孔をそのままにするように流れ出されることができる。材料の配向時に、チャンネルは、透水及び緩和速度に役立つために、表面積における増加に起因して材料において発達するであろう。緩和速度がポリマー内への流体の拡散速度に依存するので、それらの複数のチャンネル、複数の孔、複数のポロゲン、及び親水性ユニット(hydrophilic unit)の追加は、それらの材料の緩和速度を高める。
【0020】
使用されたポリマーの種類を決定するために使用された要因は、限定するわけではないが、ポリマー変形の所望の量、変形が起こる所望される速度、ポリマーが吸収される速度、及びポリマーの強度を含む。
【0021】
一般的に、形状記憶性質を呈するポリマーは、ガラス転移温度(T)で弾性率における大きな変化を示す。形状記憶機能は、その特性から利点を得ることによって達成される。すなわち、第1の形状(本来の形状)を有するポリマー材料は、第2の形状(画定した形状)を有する物品を生み出すように加工処理される。この加工処理はまた、材料のポリマー鎖に配向を付与することによって、その形状記憶性質を有する材料を提供する。該物品には次いで、物品をポリマーのガラス転移温度(T)より高いがその溶融温度(T)よりは低い温度(T)まで加熱するために、エネルギーが提供され、それによって物品を変形させ、物品をその本来の形状に戻す。
【0022】
図2Aに示されたアンカー40は、画定された形状を有する、上述した物品を表す。アンカー40にエネルギーが提供されると、図2Bに示されるように、アンカー40は、アンカー40をその本来の形状へ戻るように変形される。変形すると、アンカー40は、軸方向に、又は前記材料の長さに沿って収縮することによって、且つ半径方向に、又は前記材料の幅に沿って膨脹していることによって、形状を変化させる。この膨脹及び収縮は、アンカー40が組織移植片20の端部21と係合し、骨トンネル31の壁部32に向けて端部21を押し付け、それによって移植組織片20を骨30に固定させる。この収縮及び膨脹に加えて、変形時に、アンカー40の各ねじ部の深さ及びピッチは実質的に減少し、それによって、アンカーと移植組織片との間の接触を増加させる。
【0023】
アンカー40を変形させるために使用されることができるエネルギー源は、生理食塩水又は水などの加熱された液体を含む。液体は、シリンジ又は他の供給装置を介して、骨トンネル31内に導入されることができる。さらに、電気手術加熱プローブ、例えば国際特許公開2008/112880号パンフレットに記載された電気手術加熱プローブは、使用されることができ、その開示は、その全体を参照することによって本願明細書に組み込まれる。アンカー40が骨内に配置されると、体熱は、アンカー40を変形させるのに必要なエネルギーを提供するために、血液及び組織から、熱伝導体を介して移動されるであろうことはまた、本願発明の技術的範囲内である。この場合には、体温は、熱エネルギー源として使用されるであろう。
【0024】
アンカー40は、上記のポリマー又はポリマー組成物のダイ圧延、押し出し成形、冷間鍛造、又は成形(すなわち、圧縮流成形処理、又は熱成形処理)によって形成されることができる。他の固体状態加工方法も使用されることができる。
【0025】
図3はアンカー60の断面図を示しており、該アンカー60は本体60aを含み、該本体60aは、近位部分61と、ねじ部62aを有している遠位部分62と、該近位部分61と該遠位部分62との間に位置した中間部分63と、を備えている。該中間部分63は、近位部分61及び遠位部分62の直径より小さい直径を含む。ポリマー材料64のスリーブ64は、中間部分63に結合される。該スリーブ64は、近位端部64a、遠位端部64b、カニューレ64cと、を含む。ポリマー材料は、形状記憶性質を含む。アンカー60は、上述したアンカーと同じように、アンカー60を骨トンネル内に挿入し、スリーブ64を膨脹させ、且つ組織を骨に固定させるために、アンカー60、より具体的にはスリーブ64にエネルギーを提供することによって、組織を骨に結合するときに使用されることができる。骨内へのアンカー60の挿入中に、アンカー60の本体60aは回転し、スリーブ64は静止状態を維持し、それによって、組織がアンカー60との位置合わせ状態を維持することを可能にする。
【0026】
図4A〜図4Bはアンカー100を示しており、該アンカー100は、近位部分101、遠位部分102、カニューレ103、及び複数の逆目(barb)105及び複数の溝106を含んでいる外側表面104を含む。溝106は、アンカー100の長さ全体に延在しており、図4Bにより明白に示されている。アンカー100は、形状記憶性質を有するポリマー材料を含む。
【0027】
図5A及び図5Bに示されるように、アンカー100は、骨トンネル107内への軟部組織108の挿入後に、準備された骨トンネル107内に挿入され、それによって、軟部組織108の両方の端部108a及び108bは、溝106内に収納される。骨トンネル107は、以下にさらに記載される目的のために、図5Aにより明らかに示されるようにアンダーカット部分107aを含む。アンカー100が骨トンネル107内に挿入されると、アンカー100には、アンカー100を変形させるために、上述した方法を介してエネルギーが提供され、それによって、アンカー100が図5Bにより明らかに示されるように、軟部組織108の端部108a及び108bと係合し、骨トンネル107の壁部107bに向けて端部108a及び108bを押し付ける。同様に、図5Bに示されたものは、アンダーカット部分107a内へのアンカー100の膨脹である。アンダーカット部分107a内へのアンカー100の膨脹、及びそれ故に、アンダーカット部分107a内への端部108a及び108bの膨脹は、アンダーカット部分107a内に端部108a及び108bを固定するのに役立ち、骨トンネル107内の軟部組織108の固定をさらに増加させるであろう。さらに、複数の逆目105は、軟部組織108のよりしっかりした係合のために提供され、それ故に、骨トンネル107に対する軟部組織108の固定を増大させる。
【0028】
[例1]
形状記憶性質及び約15mmの直径を有するポリマーロッドは、15mmのダイを通じて、35%w/wの塩化ナトリウムを含有するポリ(DLラクタイドCOグリコライド)80:15(Poly(D,L−lactide−co−glycolide)80:15)の30mmの直径のビレットをダイドローイングすることによって製造された。該ポリマーロッドは複数のサンプルを製造するために機械加工され、それぞれ約13mmの直径及び約35mmの長さを有した。2つの対称的な半体と、41.35mmの長さ及び13.78mmの直径(ねじの最も狭い部分)のねじ穴とを有する金型は、きつく結ばれ、炉内で80℃まで加熱された。機械加工されたサンプルは、金型のねじ穴内に配置され、且つ2.5分間炉内で加熱された。金型は次いで、炉から取り出され、液体窒素内への浸漬によって冷却されて破壊された。金型が冷却されると、金型は液体窒素から取り出され、且つ開かれた。サンプルは、金型におけるねじ穴の形状になるように回復された形状を有した。成形されたサンプルは半分に切断され、該サンプルの一方は約90℃の熱湯内に配置され、形状回復プロセスが停止すると取り除かれる。サンプルが乾燥すると、その直径は22.7mmとして測定され、理論的に回復した直径の87%まで回復する。成形処理中に導入されたねじ部のピッチ及び深さはまた、実質的に減少される。
【0029】
[例2]
それぞれ同じ長さを有し、且つ軟部組織を表す2つの部品のロープは、切断された骨(sawbone)における穴内へ挿入されており、それによって、両方のロープ端部が切断された骨から延在している。例1からの成形されたサンプルは、切断された骨の穴内に配置され、それによってロープは、サンプルと穴の内壁との間に位置される。サンプルには、80℃の温度を有する温水を穴内に挿入することを介してエネルギーが提供され、それによって、サンプルを変形させ、穴の内壁に対してロープの部分を押し付け、それによって穴内のロープを固定する。ロープは、ロープ端部を引っ張ることによって、穴から取り除かれ、且つ引抜き力が検査された。変形したサンプルのための引抜き力は、1000Nであった。
【0030】
管理基準(conrol measure)として、第2の成形されたサンプルは、サンプルにエネルギーを提供することなく、上述した方法と同じ方法で、第2の切断された骨の穴内へ挿入された。ロープは、ロープ端部を引っ張ることによって、穴から取り除かれ、且つ引抜き力が検査された。第2のサンプルのための引抜き力は、500Nであった。
【0031】
それ故に、変形したサンプルは、制御サンプルと比較して骨に対するロープの実質的な固定を提供し、それは、2つのサンプルの間の引抜き力における増加量に反映される。
【0032】
様々な変更は、本願発明の技術的範囲を逸脱することなく、対応する図示を参照して上述されるような例示的な実施形態に対して行われるので、前述した説明及び添付した図面に含まれる全ての事項が、限定よりはむしろ図示として理解されるであろうことは、意図されるべきである。それ故に、本願開示の技術的広がり及び技術的範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではないが、本願明細書に添付された以下の特許請求の範囲及びそれらと同等のものによってのみ確定されるべきである。
【符号の説明】
【0033】
10 方法
11 骨に穴を形成するステップ
12 穴内に組織移植片を挿入するステップ
13 穴にアンカーを挿入するステップ
14 アンカーを変形させ、且つ骨に組織移植片を固定させるためにアンカーにエネルギーを提供するステップ
20 組織移植片
21 端部
31 骨トンネル
32 壁部
40 アンカー
41 近位端部
42 遠位端部
43 カニューレ
44 外側表面
45 ねじ部
60 アンカー
60a 本体
61 近位部分
62 遠位部分
62a ねじ部
63 中間部分
64 スリーブ
64a 近位端部
64b 遠位端部
64c カニューレ
100 アンカー
101 近位部分
102 遠位部分
103 カニューレ
104 外側表面
105 複数の逆目
106 複数の溝
107 骨トンネル
107a アンダーカット部分
107b 壁部
108 軟部組織
108a 端部
108b 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織移植片を固定する方法であって、
骨に穴を形成するステップと、
該穴内に組織移植片を挿入するステップと、
該穴にカニューレ式アンカーを挿入するステップであって、前記アンカーが該アンカーの外側表面上のねじ部と、形状記憶性質を含んでいるポリマー材料とを備える、該穴にカニューレ式アンカーを挿入するステップと、
前記アンカーを変形させ、且つ前記骨に前記アンカーを固定させるために、前記アンカーにエネルギーを提供するステップと、
を備え、
前記アンカーの変形時に、前記アンカーの各ねじ部の深さは実質的に減少し、それによって前記アンカーと前記組織移植片との間の接触を増加させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記骨は、大腿骨を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記骨は、脛骨を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマー材料は、非晶質ポリマー、半晶質ポリマー、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマー材料は、再吸収可能なポリマー材料であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマー材料は、再吸収可能ではないポリマー材料であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アンカーの各ねじ部のピッチは、実質的に減少されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
近位部分と、
ねじ部を有している遠位部分と、
前記近位部分と前記遠位部分との間に位置した中間部分であって、前記近位部分及び前記遠位部分の直径より小さい直径を有する中間部分と、
前記中間部分に結合されたポリマー材料であって、形状記憶性質を有しているポリマー材料と、
を備えているアンカー。
【請求項9】
アンカーの外側表面上のねじ部と、
形状記憶性質を含んでいるポリマー材料と、
を備えているアンカーにおいて、
前記アンカーにエネルギーが提供されると、前記アンカーは、前記アンカーの各ねじ部の深さが実質的に減少されるように変形することを特徴とするアンカー。
【請求項10】
前記アンカーの各ねじ部のピッチは、実質的に減少されることを特徴とする請求項9に記載のアンカー。
【請求項11】
前記エネルギー源は、体温であることを特徴とする請求項9に記載のアンカー。
【請求項12】
前記エネルギー源は、体温であることを特徴とする請求項1に記載のアンカー。
【請求項13】
近位部分と、
遠位部分と、
カニューレと、
複数の逆目と複数の溝とを含んでいる外側表面であって、該溝がアンカーの長さ全体に延在している、外側表面と、
を備えているアンカーにおいて、
前記アンカーは、形状記憶性質を有するポリマー材料を含むことを特徴とするアンカー。

【図1】
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【図2A−2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2012−522622(P2012−522622A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504762(P2012−504762)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/030043
【国際公開番号】WO2010/117982
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】