組織表面の輪郭に基づく放射線外科手術治療計画
2次元画像データスライスから、組織表面、例えば、心臓の内側表面の3次元モデルを生成する、システム。本表面上では、1つ以上のパターン線が、例えば、医師によって、ユーザインターフェースを使用して、描写され、表面上の所望の病変を指定する。パターン線から、病変の3次元体積が、既知の制約を使用して、決定可能である。有利には、3次元体積によって生成される一連の境界は、個々のCTスキャン上に逆投影され、次いで、標準的放射線外科手術計画ツールに転送されてもよい。また、線量分布図が、モデル上に投影され、計画を評価するのを支援してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2009年7月17日出願の米国仮出願第61/226,613号(代理人整理番号No.021902−002100US)の利益を主張し、この仮出願の全開示が本明細書において参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
頭部、脊椎、腹部、および胸部における腫瘍および他の標的は、放射線外科手術を使用して、正常に治療されている。放射線外科手術の際、電離放射線の一連のビームは、多くの場合、異なる位置および配向からのMeV X線ビーム場を含む、放射線ビームによって、多くの場合、標的領域における範囲に関して、患者の外部から指向される。ビームは、腫瘍の生態を改変するように、標的組織に向かって、中間組織を通して、指向可能である。ビーム軌跡は、中間および他の側副組織への放射線曝露を制限するのに有用である一方、標的における累積放射線線量が、腫瘍を治療可能にする。CYBERKNIFE放射線外科手術システム(Accuray Inc.)およびTRILOGY放射線外科手術システム(Varian Medical Systems)は、既知の放射線外科手術治療システムのうちの2つである。
【0003】
現代の放射線外科手術システムは、標的組織の位置を検証し、微量の患者の運動に適応するように、画像化を治療システムに組み込む。また、いくつかのシステムは、呼吸の際に運動する組織を治療する能力を有し、本特徴は、放射線外科手術から恩恵を受けることが可能な患者の数を有意に拡大させている。
【0004】
また、心房細動および他の不整脈の治療のために、心臓の選択された面積に向かっての放射線の指向を含む、生理学的運動を被る他の組織の放射線外科手術治療も提案されている。心房細動の際、心房は、その系統的ポンプ作用を失う。健康な洞律動では、心房は、収縮し、弁が開放し、血液が、心室、すなわち、下方室を充填する。次いで、心室は、収縮し、各心拍の系統的サイクルを完了させる。対照的に、心房細動は、心房にわたって進行し、心臓の上方室を痙攣または細動させる、電気エネルギーの突発として特色化される。心房細動の際、各心拍に伴って、血液を心房から心室内へと十分に排出することが不可能である。適切な病変パターンに基づいて、心臓に向かって電離放射線を指向することによって、結果として生じる瘢痕組織は、電気信号の再循環を防止し、それによって、心房細動を減少または排除し得る。
【0005】
腫瘍等の標準的放射線外科手術治療では、コンピュータ断層(CT)撮像が、一連の平面X線スキャンを提供する。腫瘍に隣接するX線に対して、計画医師が、標的組織の境界を描写し、スキャン上に描写される境界は、腫瘍および腫瘍を包囲する境界(ならびに、典型的には、安全のために、治療される組織の一部の付加的派生物または辺縁を含む)を通して横断する。腫瘍は、典型的には、1つの器官内に含有される(しかしながら、代替として、器官表面を越えて、接する器官まで延在し得る)ため、計画された治療境界は、組織/組織界面輪郭から極めて独立している。故に、治療計画は、典型的には、腫瘍が視認可能な各CTスキャン上の腫瘍を囲繞する一連の円として、作成される。
【0006】
標準的放射線外科手術計画インターフェースを使用して、従来の平面CTスキャン上にパターンを形成するために、適切な不整脈病変治療計画を作成することは困難である。医師は、多数のCTスキャンを評価し、心臓の各平面スライスにおける治療計画を表す、適切な線および/または円を描写しなければならない。医師は、各平面スキャンから、所望の治療面積を視覚化することが可能でなければならない。これは、単に不便であるように考えられるが、本発明に関連する作業は、心臓の幾何学形状に照らして、既存の放射線外科手術治療計画ツールを使用して、不整脈治療計画を効率的に確立することは、驚くほど困難であることを示唆する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下は、本発明の基礎的理解を提供するために、本発明のいくつかの実施形態の簡略化された概要を提示する。本概要は、本発明の広範的概観ではない。本発明の重要/決定的要素を識別すること、または発明の範囲を特定することを意図するものではない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明に対する前置きとして、簡略化された形式において、本発明のいくつかの実施形態を提示することである。
【0008】
ある実施形態によると、システムは、心臓の組織表面、具体的には、内側表面(血液/心臓組織界面)の3次元モデルを生成する。本表面上では、1つ以上のパターン線が、例えば、医師によって、ユーザインターフェースを使用して、描写され、収縮性通路を阻害するための表面上の所望の病変を指定する。パターン線から、病変の3次元体積が、既知の制約(病変の内側心臓組織から十分な厚さを提供し、心臓壁を通して延在させる、病変にわたる収縮の伝播を防止するために十分な幅を提供する等)を使用して、決定可能である。有利には、3次元体積によって生成される一連の境界は、個々のCTスキャン上に逆投影され、次いで、標準的放射線外科手術計画ツールに転送されてもよい。
【0009】
放射線外科手術計画ツールは、既存の軌跡計算ルーチンを使用して、いくつかの放射線外科手術軌跡または輪郭を有する、放射線外科手術計画を生成してもよい。軌跡が、所望の病変を形成するように識別されると、「線量分布図」が、ディスプレイを伴う、新しい計画ツールに出力され、病変を形成するために十分な放射線を受容する、組織表面(例えば、血液/心臓組織界面)における面積を提供可能となる。
【0010】
放射線外科手術治療の計画を促進するために、医師は、典型的には、組織表面のモデルへの点および線スナッピングによって、3次元組織表面上の場所をグラフィック的に識別するであろう。出力病変表示は、組織表面に沿った単純等線量輪郭として計算されてもよい。
【0011】
ある実施形態では、放射線外科手術方法は、非腫瘍性疾患である、心臓を有する患者の身体を治療するために提供される。方法は、3次元画像データを心臓から入手するステップと、画像データを利用して、心臓の組織表面の3次元モデルを生成するステップと、疾患を緩和するために、所望の電離放射線治療病変パターンの表面モデルに関するユーザ入力を受信するステップと、所望の病変パターンに基づいて、3次元画像データに対して計画された病変パターンに関する情報を出力するステップと、を含む。
【0012】
3次元モデルを生成するステップは、心臓の血液と組織との間の境界に基づいて、心臓のモデルを生成するステップを含んでもよい。境界は、例えば、心臓の内側表面組織であってもよい。
【0013】
心臓からの3次元画像データは、2次元データの複数のスライスであってもよい。3次元モデルを生成するステップは、2次元データの各スライスにおける血液と心臓組織との間の境界の区分に基づいて、心臓のモデルを生成するステップを含んでもよい。3次元モデルは、例えば、区分をともに積層または組み立てることによって、かつ区分間の表面を延在させることによって、形成されてもよい。ある実施形態では、出力ステップは、2次元データの複数のスライスのそれぞれに上に病変パターンを投影するステップを含む。
【0014】
病変の3次元体積は、ユーザ入力に基づいて生成されてもよく、情報は、3次元体積に基づいて生成されてもよい。体積は、例えば、ユーザ入力を収縮性通路を阻害するために十分な幅に拡張する、ユーザ入力を心臓の組織を通して貫壁性に貫通するために十分な奥行に拡張する、またはユーザ入力を治療が生じる着目組織の面積を網羅するように拡張することによって、生成されてもよい。
【0015】
別の実施形態によると、放射線外科手術方法は、非腫瘍性疾患である、心臓を有する患者の身体を治療するために提供される。方法は、3次元画像データを心臓から入手するステップと、画像データを利用して、心臓の組織表面の3次元モデルを生成するステップと、疾患を緩和するために、所望の電離放射線治療病変パターンの表面モデルに関するユーザ入力を受信するステップと、所望の病変パターンに基づいて、電離放射線治療計画を投影し、所望の治療計画に基づいて、画像データに対して線量分布図を投影するステップと、を含む。
【0016】
方法はさらに、病変パターンのユーザ入力をモデルの表面にスナッピングするステップを含んでもよい。線量パターンは、ユーザ入力に関して評価され、十分な治療を決定してもよく、例えば、表面の周囲の線量パターンを調査し、ループが、表面の周囲に完全な円を形成することを確認するステップを伴ってもよい。調査ステップは、閾値に関してループの厚さを評価するステップを伴ってもよい。
【0017】
別の実施形態によると、放射線外科手術システムは、非腫瘍性疾患である、心臓を伴う患者の身体を治療するために提供される。システムは、3次元計画画像データを心臓から入手するための画像捕捉デバイスと、画像データに基づいて、心臓の表面モデルを生成するために、画像データに連結される、モデル化モジュールと、表面モデル上の心臓の標的領域を識別するための入力と、を含む、プロセッサシステムであって、入力をモデル化モジュールに連結し、したがって、表面モデル上の入力に応答して、画像データ上に病変パターンを生成する、プロセッサシステムと、を含む。
【0018】
なおも別の実施形態によると、放射線外科手術システムは、非腫瘍性疾患である、心臓を伴う患者の身体を治療するために提供される。システムは、3次元計画画像データを心臓から入手するための画像捕捉デバイスと、身体の外側から電離放射線の複数のビームを伝送するための放射線源と、心臓の標的領域を識別するための入力を有する、計画化モジュールであって、標的領域および計画画像データに応答して、放射線ビームの計画を生成し、計画に基づいて、線量分布図を投影する、計画化モジュールと、画像データに基づいて、心臓の表面モデルを生成するための画像データに連結される、モデル化モジュールと、を含む、プロセッサシステムであって、計画化モジュールをモデル化モジュールに連結し、表面モデル上に線量分布図を投影する、プロセッサシステムと、を含む。
【0019】
本発明の性質および利点のより完全な理解のために、以下の発明を実施するための形態および付随の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、実施形態と併用され得る、例示的改良型定位固定放射線外科手術システムを例証する。
【図2】図2は、実施形態による、放射線外科手術治療の方法を表す、工程図である。
【図3】図3は、本明細書の実施形態による、心臓表面の3次元モデルの表現であって、左図に、病変計画が追加され、右図に、線量分布図が追加されている。
【図4】図4は、本明細書の実施形態と併用され得る、コンピュータシステムのブロック図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態を実行し得る、複数のモジュールを図式的に例証する。
【図6】図6は、ある実施形態による、着目表面の3次元モデルを生成する方法を表す、工程図である。
【図7】図7は、ある実施形態による、心臓の内側表面の3Dモデルの表現である。
【図8】図8は、ある実施形態による、図6で生成された表面のモデルを利用して、治療計画を調製するための方法を表す、工程図である。
【図9】図9は、ある実施形態による、図7の表面の外側に描写される、焼灼線100の表現である。
【図10】図10は、図7の表面が生成される心臓の基準面の表現であって、図9の焼灼線の交差点を示す。
【図11】図11は、ある実施形態による、図9の焼灼線から生成されたループの表現である。
【図12】図12は、ある実施形態による、中実体積を形成するようにモザイク状に構成された図11のループの表現である。
【図13】図13は、ある実施形態による、その上に投影された計画標的体積を伴う、心臓の軸方向スライスである。
【図14】図14は、ある実施形態による、図13と同一軸方向スライスであるが、心臓上に投影された血液標的体積を示す。
【図15】図15は、ある実施形態による、図13と同一軸方向スライスであるが、心臓上に投影される空洞を示す。
【図16】図16は、ある実施形態による、輪郭を示す、放射線輪郭分布である。
【図17】図17は、図17に示される輪郭を伴う、心臓の軸方向スライスである。
【図18】図18は、ある実施形態による、生成された表面に関して、線量分布図を評価する方法を表す、工程図である。
【図19】図19は、ある実施形態による、焼灼線とともに、生成された表面上に投影された線量分布図を示す。
【図20】図20は、その上に示される線量分布図および焼灼線を伴う、図19の生成された表面の軸方向スライスである。
【図21】図21は、ある実施形態による、線量が十分であるかどうかを決定する方法を表す、工程図である。
【図22】図22は、ある実施形態による、生成された組織表面上に線量範囲を示す、表面パッチを示す。
【図23】図23は、線量表面パッチのループが、生成された表面の周囲に完全である、生成された表面を示す。
【図24】図24は、線量表面パッチのループが、生成された表面の周囲に完全ではない、生成された表面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明では、本発明の種々の実施形態について説明される。説明の目的のために、具体的構成および詳細が、実施形態の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、また、本発明が、具体的詳細を伴わずに実践され得ることは、当業者には明白であろう。さらに、周知の特徴は、説明される実施形態を曖昧にしないために、省略または簡略化され得る。
【0022】
本明細書の実施形態は、放射線外科手術治療計画を対象とする。いくつかの説明される実施形態は、心臓および/または冠動脈の非腫瘍性疾患の治療のための放射線外科手術計画を対象とするが、本明細書に説明される特徴は、そのような文脈に限定されない。
【0023】
本明細書に説明される放射線外科手術治療計画は、既知の放射線送達システム内に含まれる、またはそこから派生する、多くの構成要素を利用してもよい。実施例として、例示的改良型CYBERKNIFE定位固定放射線外科手術システム10が、図1に例証される。放射線外科手術システム10は、ロボットアーム14上に搭載された軽量線形加速器12を含む。画像誘導システム16は、ロボットアーム14と標的部位との間の位置合わせを向上させるように、2方向診断X線源18および画像検出器20を含む。標的領域内の組織は、高コントラスト画像を提示し得ないため、画像誘導システム16は、画像処理技法を使用して、1つ以上の代理構造の場所を識別してもよく、代理として、典型的には、高コントラスト天然組織構造(骨等)、または標的組織との相関関係において運動する、人工埋込基準マーカを含む。また、標的追跡は、特に、呼吸に対応する胸壁の運動を識別するために、1つ以上の表面画像カメラ22を利用してもよい。カメラ22は、患者の胸部上で視認可能な発光ダイオード(LED)または他の高コントラスト基準マーカを監視してもよい。患者支持部24は、患者(および、治療部位)をロボットアーム14と整合させるステップを促進するように、整合アーム26によって、移動可能に支持される。
【0024】
次に、図2を参照すると、比較的に単純な治療工程図40は、本発明の実施形態による、放射線外科手術治療の前および間に使用される方法を表すことが可能である。内部組織は、典型的には、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)、超音波画像診断、X線撮像、光コヒーレンス断層撮影、これらの組み合わせ、または他の撮像モダリティ等の遠隔撮像モダリティを使用して、計画目的のために撮像される42。実際には、放射線再モデル化のために標的化される組織構造は、十分なコントラストを有する代理構造が、画像データ内で視認可能であって、標的組織場所を識別する限り、必ずしも、画像内で視認可能である必要はないことに留意されたい。多くの実施形態において使用される計画撮像は、3次元組織体積の時間系列を含み、時間系列は、典型的には、1つ以上の運動サイクル(心臓または心拍サイクル、呼吸または呼気サイクル等)に及ぶであろう。例示的実施形態では、画像データは、体積または3次元画像データを提供するように、心臓を通した一連のCTスライスを含む。3次元心臓画像の時系列は、好ましくは、画像計画データが、効果的に、3次元画像データセットの時系列を含み、心拍の際の心臓組織の運動に関する情報を提供するように、心拍サイクルを通して分布される時間において、入手される。
【0025】
撮像42から取得された撮像データに基づいて、計画44は、標的部位における組織の治療のために調製可能である。計画44の完了後、心臓の放射線外科手術治療46は、患者を患者支持部24上に位置付け、患者をロボットアーム14と整合させ、線形加速器12から計画された一連の放射線ビームを心臓の標的領域に指向することによって、開始されてもよい。
【0026】
本明細書の実施形態は、計画44の開発を支援する、システムおよび方法を対象とし、既存または新しく開発され撮像42および治療46と併用されてもよい。しかしながら、本明細書に定義される計画44の利点の1つは、前述のCT撮像等の既存の撮像法およびMULTIPLAN計画ツール(Accuray,Inc.)等の従来の放射線外科手術計画ツールと併用されてもよいことである。撮像は、例えば、前述の形態または他の形態をとってもよいが、実施形態では、体積または3次元画像データを提供するように、心臓を通した従来の一連のスライス(例えば、CTスライス)を利用する。治療46は、従来または改良型であってもよく、一実施形態は、米国特許出願第61/271,177号「Heart Treatment Kit, System, and Method for Radiosurgically Alleviating Arrhythmia」(弁理士整理番号第021902-002000US号)に並行して説明されており、その全開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0027】
治療計画44は、典型的には、標的領域および標的領域内で交差する一連の放射線ビームを含む。標的組織内の放射線線量は、少なくとも、所望の病変を提供するために十分であるべきである。典型的には、放射線線量は、組織を焼灼し、心臓内の収縮性通路を阻害し、不整脈原性を阻害する等のために十分であろう。標的組織外部の放射線線量は、好ましくは、側副組織への過度の損傷を阻害するように、比較的に急勾配を伴って減少し、特有の敏感および/または重要組織構造における放射線線量は、多くの場合、有害な副作用を回避するように、所望の最大閾値を下回って維持されるであろう。
【0028】
次に、大まかに説明される、図2および3を参照すると、例示的治療計画化モジュールは、概して、CTスライスからの表面52の3Dモデル(図3)を生成する44Aが、他の撮像データが使用されてもよい。ユーザインターフェースによって、システムユーザは、組織の表面、図面内に示される実施例では、心臓の表面52を参照して、所望の病変パターン50(図3)を入力可能となる44B。不整脈を阻害するための心臓の可動組織の治療の場合、基準心臓表面52は、1つ以上の心臓チャンバの血液/組織界面または内側表面および隣接する血管を含んでもよい。代替実施形態は、基準表面として、心臓の外側表面を採用してもよいが、内側表面は、画像入手ステップ42の際、造影剤を導入することによって、3次元計画画像データからより容易に識別され得る。したがって、組織と血液との間に明確な分界が存在し、表面52のより精密な画定を可能にする。病変パターン50は、以下に詳述されるように、計画44の一部で使用される。
【0029】
44Cでは、病変パターン50によって生成された一連の境界が、個々のCTスキャンスライス上に逆投影され、次いで、従来の放射線外科手術計画ツールに転送されてもよい。したがって、従来の放射線外科手術ツールへの入力は、概して、従来の方法における入力と同一である(すなわち、個々のCTスキャンスライス上に画定される境界)。しかしながら、本開示の背景技術で説明されるように、従来の方法は、外科医に、各個々のスライス上での描画を要求する。対照的に、本明細書の方法およびシステムは、表面52のソリッドモデル上に入力された入力病変パターン50を生成する。
【0030】
ある実施形態では、後述のように、線量分布図54(図3の右側)の視覚化が、表面52上に表示するために提供されてもよい。線量分布図54は、従来の放射線外科手術ツールによる出力病変表示として、受信されてもよく44D、実施形態によると、例えば、表面52上の等線量輪郭として、表示されてもよい44D。病変パターン50と同様に、線量分布図54は、以下に詳述されるように、計画44を生成または承認するステップの一部で使用されてもよい。
【0031】
本明細書の実施形態は、表面52を生成し所望の病変パターン50を示し、線量分布図54を提供するために、コンピュータ実装方法を利用し、および/または本明細書に説明されるシステムの方法または機能を操作してもよい。この目的を達成するために、図4は、本明細書に説明される実施形態において利用され得る、例示的コンピュータシステム58の簡略化ブロック図である。コンピュータシステム58は、典型的には、バスサブシステム62を介して、いくつかの周辺デバイスと通信する、少なくとも1つのプロセッサ60を含む。これらの周辺デバイスは、メモリサブシステム66およびファイル記憶サブシステム68を含む、記憶サブシステム64、ユーザインターフェース入力デバイス70、ユーザインターフェース出力デバイス72、ならびにネットワークインターフェースサブシステム74を含んでもよい。ネットワークインターフェースサブシステム74は、他の撮像デバイス、データベース等との通信のために、インターフェースを通信ネットワーク75に提供する。
【0032】
プロセッサ60は、オペレータからの任意のデータ入力と併せて、メモリサブシステム66内に格納された実行命令を使用して、コンピュータシステム58の操作を行う。そのようなデータは、例えば、グラフィカルユーザインターフェース等のユーザインターフェース入力デバイス70を通した入力であることが可能である。したがって、プロセッサ60は、実行命令がメモリからロードされる、実行領域を含むことが可能である。次いで、これらの実行命令は、プロセッサ60に、コマンドをコンピュータシステム58に送信させるであろう。本開示では、「プロセッサ」として説明されるが、プロセッサの機能は、1つのコンピュータ内またはいくつかのコンピュータにわたって分散される、多数のプロセッサによって行われてもよい。
【0033】
ユーザインターフェース入力デバイス70は、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、またはグラフィックスタブレット等のポインティングデバイス、スキャナ、フットペダル、ジョイスティック、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーン、音声認識システム等のオーディオ入力デバイス、マイクロホン、および他の種類の入力デバイスを含んでもよい。一般に、用語「入力デバイス」の使用は、種々の従来および周辺デバイスならびにコンピュータシステムに情報を入力するための方法を含むものと意図される。そのような入力デバイスは、多くの場合、コンピュータネットワークまたは有形記憶媒体からコンピュータ実行可能コードをダウンロードするために使用され、本発明の方法のいずれかのために、ステップを具現化する、あるいは命令をプログラムするであろう。
【0034】
ユーザインターフェース出力デバイス72は、ディスプレイサブシステム、プリンタ、ファックス機器、またはオーディオ出力デバイス等の非視覚ディスプレイを含んでもよい。ディスプレイサブシステムは、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルデバイス、投影デバイス等であってもよい。また、ディスプレイサブシステムは、オーディオ出力デバイスを介して等、非視覚ディスプレイを提供してもよい。一般に、用語「出力デバイス」の使用は、種々の従来および周辺デバイスならびにコンピュータシステムからユーザに情報を出力する方法を含むものと意図される。
【0035】
記憶サブシステム64は、種々の実施形態の機能性を提供する、基礎的プログラミングおよびデータ構築を格納する。例えば、本明細書に説明される実施形態の機能性を実装するデータベースおよびモジュールは、記憶サブシステム64内に格納されてもよい。これらのソフトウェアモジュールは、概して、プロセッサ60によって実行される。分散環境では、ソフトウェアモジュールは、複数のコンピュータシステムのメモリ内に格納され、複数のコンピュータシステムのプロセッサによって実行されてもよい。記憶サブシステム64は、典型的には、メモリサブシステム66およびファイル記憶サブシステム68を含む。
【0036】
メモリサブシステム66は、典型的には、プログラム実行の際の命令およびデータの記憶のための主要ランダムアクセスメモリ(RAM)76ならびに固定命令が格納される読取専用メモリ(ROM)78を含む、いくつかのメモリを含む。ファイル記憶サブシステム68は、プログラムおよびデータファイルのための永続的(不揮発性)記憶を提供し、ハードディスクドライブ、関連付けられた可撤性メディアを伴うフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトデジタル読取専用メモリ(CD-ROM)ドライブ、光ドライブ、DVD、CD-R、CD-RW、あるいは可撤性メディアカートリッジまたはディスクを含んでもよい。ドライブのうちの1つ以上は、コンピュータシステムに連結された他の敷地において、他の接続されたコンピュータ上の遠隔場所に位置してもよい。本発明の機能性を実装するデータベースおよびモジュールもまた、ファイル記憶サブシステム68によって格納されてもよい。
【0037】
バスサブシステム62は、意図されるように、コンピュータシステムの種々の構成要素およびサブシステムを相互に通信させるための機構を提供する。コンピュータシステムの種々のサブシステムおよび構成要素は、同一物理的場所にある必要はないが、分散ネットワーク内の種々の場所に分散されてもよい。バスサブシステム62は、単一バスとして、図式的に示されるが、バスサブシステムの代替実施形態は、多数のバスを利用してもよい。
【0038】
コンピュータシステム58自体は、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ワークステーション、コンピュータ端末、ネットワークコンピュータ、ディスプレイユニット内のモジュール、メインフレーム、または任意の他のデータ処理システムを含む、様々な種類であることが可能である。コンピュータおよびネットワークの絶え間なく変わる性質のため、図4に描写されるコンピュータシステム58の説明は、本発明の一実施形態を例証する目的のための具体的実施例として意図されるにすぎない。図4に描写されるコンピュータシステム58より多いまたは少ない構成要素を有する、コンピュータシステムの多くの他の構成が可能である。
【0039】
図5は、本発明の実施形態を実行し得る、複数のモジュール80を図式的に例証する。モジュール80は、ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、またはそれらの組み合わせであってもよい。モジュール80が、ソフトウェアモジュールである場合、モジュールは、コンピュータ可読媒体上に具現化され、プロセッサ60によって処理されるであろう。
【0040】
デジタルデータモジュール82は、CT体積または他の診断画像を受信し、既にデジタル化されていない場合、画像のデジタルデータファイルを作成する。3Dモデル化モジュール84は、デジタルデータファイルからの所望の表面の有限要素またはソリッドモデルを構築する。そのような3Dモデル化モジュールは、周知であって、例示的実装詳細は、図6の説明とともに、以下に提供される。しかしながら、簡単に説明すると、3Dモデル化モジュール84は、CT体積のスライスを処理し、表面52(図3)として投影される、着目表面の有限要素またはソリッドモデルを作成する。参照を容易にするために、以降では、「表面52」とは、着目表面、本明細書に説明される実施形態では、心臓組織の内側表面の3Dモデルを指す。
【0041】
表面52は、所望の配向、断面、または他の所望の視点を確認するように、例えば、コンピューティングデバイス58のためのディスプレイ上に示されてもよく、ユーザによって、例えば、ユーザインターフェース入力デバイス70を介して、実装されてもよい。パニングならびにピッチおよびヨー移動も同様に提供されてもよい。
【0042】
計画化モジュール85によって、システムのユーザは、病変パターン50(図3)を生成可能となる。計画化モジュール85はまた、病変パターンをCTスライス上に逆投影してもよい。
【0043】
線量分布図モジュール86は、線量分布図54を受信または生成してもよい。線量分布図モジュール86の例示的実装は、例えば、図18および21の議論とともに、後述される。
【0044】
図3および5に示されるように、線量分布図モジュール86および3Dモデル化モジュール84は、標準的治療計画化モジュール88と併用されてもよい。そのような治療計画化モジュールの実施例は、MULTIPLAN治療モジュールであるが、他の治療モジュールが使用されてもよい。
【0045】
図6は、ある実施形態による、着目表面、例えば、表面52を生成する方法を表す、工程図である。602では、CT体積に関する情報は、例えば、モジュール82を介して、入力される。本入力は、例えば、各CTスライスのために提供される組織-血液境界情報を際立たせるように生成されたCT体積であってもよい。本明細書に説明される実施例では、組織-血液境界は、心臓の内側境界であって、その境界は、例えば、血液に造影剤を添加することによって、際立たせられる。CTデータの各スライスにおける血液(添加された造影剤を含む)と心臓組織との間の境界は、心臓サイクル位相と関連付けられた体積データセットの1つ、いくつか、または全部において区分化可能である。区分化された領域は、ともに積層または組み立てられ、表面52を形成可能である。CTデータは、例えば、左心房および肺静脈を限定するように編集されてもよい。
【0046】
604から610では、表面52等の3D表面を生成するように、スライスの境界間に適用され得る、平滑化技法の実施例が提供される。他の平滑化技法が使用されてもよい。平滑化は、例えば、モジュール84を介して行われてもよい。
【0047】
604では、ボクセル編集が行われ、CT体積が、3次元空間内のブロックのグリットに変換される。606(随意)では、接続が行われる。608では、例えば、ボクセルを通して進められ、一度に8つの隣接場所をとり(したがって、仮想立方体を形成し)、次いで、立方体を通過する等密度面の一部を表すために必要とされる多角形を決定する、マーチングキューブコンピュータグラフィックスアルゴリズムを利用して、表面生成が行われる。次いで、個々の多角形は、所望の表面に融合される。
【0048】
610では、所望の表面が、例えば、図7における表面52として示されるように、出力される。本明細書の実施例の場合、表面52は、心臓の内側表面を表す。図6に示されるプロセス全体は、区分化方式を使用して、自動化されてもよい。
【0049】
図8は、図6で生成された表面52を利用して、治療計画を調製するための方法を表す、工程図である。802から開始し、焼灼線100(図9)が、表面52上に画定される。例えば、焼灼線100は、表面52、例えば、ユーザインターフェース入力デバイス70を利用して、表面52の外側上に描写またはスナッピングされてもよい。実施例では、医師は、表面に沿ってクリックしてもよく、焼灼線100は、クリック間の直線として延在されてもよい。平滑化が、有効化されてもよい。所望に応じて、医師が、表面の所望の視点にアクセスし、焼灼線100を適切に配向可能となるように、表面52は、画面上で回転、パニング、および拡大されてもよく、あるいはピッチまたはヨーが変更されてもよい。そのような操作特徴は、既存の3Dモデル化およびディスプレイソフトウェアにおいて周知である。
【0050】
ユーザインターフェース入力デバイス70を介して、焼灼線100を適用することによって、計画医療従事者は、心臓組織表面52に対して、一連の線または曲線として、適切な病変パターンを入力可能となる。焼灼線100は、非常に薄い線として、またはシステムまたはユーザによって画定される厚さとして、適用されてもよい。焼灼線の厚さは、同様に、3Dデータセットから自動的に抽出されてもよい。ある実施形態によると、焼灼線は、病変にわたっての収縮の伝播を防止するために十分な幅で表示される。そのような幅の使用は、ユーザが、病変パターンの場所および幅のより現実的概念を有し得るように、システムのユーザに直感的視覚フィードバックを提供する。
【0051】
所望に応じて、804では、焼灼線は、1つ以上の基準面に示されてもよい。実施例として、図10に示されるように、表面52が生成された心臓の基準面は、交差点102を示す。交差点102は、所与の基準面において、焼灼線100の断面を表す。基準面は、ディスプレイ上に同時に、または表面52の視点と基準面との間をトグルすることによって、示されてもよい。基準面は、例えば、単一CTスライスからのデータを表してもよい。
【0052】
806では、焼灼線100は、所望の療法利点を提供するための体積まで拡張され、3次元において、ディスプレイ上に視覚化されてもよい。804は、806後に生じ得るが、実際は、別様に本明細書に記載がない限り、本開示の工程図に記載される作用は、提示される順番に限定されない。体積を3次元に視覚化するために、焼灼線100は、ループ104(図11)を生成することによって等、3次元厚が与えられてもよい。ある実施形態によると、表面52は、心臓の内側表面を表すため、ループ104は、焼灼線100の周囲に半径を有するループを生成することによって生成され、半径は、治療される組織の厚さと略同等またはそれより若干厚い。したがって、厚さは、心臓壁を通して延在するために、病変のための内側心臓表面から十分であってもよい。半径は、焼灼線の周囲に適用されてもよく、または別個の幅および長さ半径が使用されてもよい。幅は、例えば、病変にわたっての収縮の伝播を防止するために十分であるように選択されてもよい。ある実施例では、ループ104は、2ミリメートルの半径を利用して生成されてもよいが、他の半径が使用されてもよく、前述のように、ループは、必ずしも、幅および厚さが均一である必要はない。焼灼線の厚さは、同様に、3次元データセットから自動的に抽出されてもよい。
【0053】
ある実施形態では、ループ104は、治療計画目的のために、肺静脈口(PVOS)を包囲し、計画標的体積(PTV)を画定する。PTVは、望ましくは、治療が生じる、着目組織の面積を表す。心臓の実施例では、PTVは、好ましくは、心臓の外側表面から内側表面の心臓の組織であって、収縮性通路を阻害するために十分な幅である。
【0054】
808では、各ループ104によって画定される非平面多角形が、モザイク状に構成され、中実体積106(図12)を形成する。モザイク状構成は、例えば、三角形にモザイク状に構成された非平面多角形をもたらし、焼灼線の厚さに膨張されてもよい。中実体積106は、血液標的体積(BTV)を表す。
【0055】
図13は、PTV108を示す、心臓の軸方向スライスである。図13におけるPTV108は、2つの円として示され、PTVによって形成されたループ104の断面を表す。図14は、図13と同一軸方向スライスであるが、BTV110を示す。BTV110は、中実体積106によって表され、治療の所望の面積(すなわち、PTV)に加えて、恐らく血液である、その間の面積を含み、図14では、細長い不整形楕円によって表される。一般に、血液は、治療の際、害無く、照射されてもよいが、治療計画は、BTVが、PTVを治療するために十分な程度に全場所で放射されることを想定して、調製されてもよい。810では、空洞112(図15の軸方向スライスに示される)が、PTVをBTVから取り去ることによって計算される。空洞112は、血液と想定されるBTVの面積を表す。
【0056】
812では、PTVおよびBTVは、基準面のそれぞれに輪郭を生成するようにスキャン変換される。既存の放射線外科手術放射線ビーム計算モジュールを使用して、結果として生じる放射線輪郭分布を決定してもよい。放射線敏感構造の識別に対する既存の放射線外科手術計画アプローチが、実装されてもよい。そのような既存の計算モジュールへの入力は、従来のCTスライス等のスライスを介しての入力を要求し得る。したがって、そのような計算モジュールが使用される場合、CTスライスは、中実体積(図6)を生成するために利用され、計画は、中実体積(図8)上に形成され、次いで、各スライスにおける計画が、計算モジュールに逆提供され、輪郭を生成する。したがって、出力814は、元々のCTスライスのそれぞれに対する出力であってもよい。生成された輪郭114の実施例は、図16に示される。輪郭114の軸方向スライスの実施例は、図17に示される。
【0057】
代替として、焼灼線100は、心臓および/または呼吸器ゲート4DCTデータセットを使用して画定されてもよい。経時的に入手されたN(典型的には、N=10)体積のCTデータが存在すると仮定する。心臓-壁表面(例えば、表面52)が、各CT体積から構築され、Nのそのような表面をもたらすであろう。各表面を使用して、一式の焼灼線が、ユーザによって画定され、Nのそのような焼灼線をもたらすであろう。次いで、本時変焼灼線および時変CTデータは、治療計画を生成するために、治療計画局線治療計画化モジュール、例えば、MULTIPLANにインポートされるであろう。代替として、その体積が全個々の焼灼線からの体積を含むであろう、1つの焼灼線セットが、計画のために生成および使用可能である。
【0058】
ある実施形態によると、表面上の焼灼線の配置は、部分的または完全に、自動化されてもよい。可能性として考えられる焼灼線のテンプレートが、ユーザに提供されてもよく、次いで、ユーザは、表面上の適切な場所に、選択されたテンプレートをドラッグおよびドロップしてもよい。ユーザは、表面上の周囲を移動させることによって、焼灼線を局所的に修正してもよい。厚さはまた、変更されてもよい。
【0059】
輪郭114は、例えば、DICOM RTSS(放射線療法構造セット)ファイルとして保存されてもよい。それらが出力される計画ツールは、例えば、MULTIPLANであってもよい。ある実施形態では、MULTIPLANにおける最適化は、BTVを使用して行われる一方、評価は、PTVを使用して行われる。BTVの体積は、一般に、PTVより有意に大きい。BTVはまた、PTVより球形に位相的により近い形状であって、放射パターンによって形成される孔に位相的により近い。これらの理由から、BTVに基づく治療計画の実装が、好ましい。PTVに基づく計画の最適化は、焦点が、治療が所望される実際の面積上であるため、好ましい。
【0060】
別の実施形態では、基準面または斜面における2D輪郭としての焼灼線を計画化モジュールに伝送する代わりに、焼灼線は、3D形状として、計画化モジュールに伝送されてもよい。
【0061】
所望の病変パターンの入力とともに、図5の右側に図式的に例証されるように、計画化モジュールおよびユーザインターフェースは、好ましくは、予測された心臓表面病変54の形態として、好ましくは、心臓の表面に沿った実際の放射線曝露の予測を出力するであろう。予測された病変54は、随意に、既存の放射線外科手術治療計画ツールからの放射線ビームおよび放射線線量出力に基づいて、壊死閾値を上回る放射線線量を受容する、心臓組織表面52の部分を表してもよい。代替パターンは、不整脈を阻害するように、療法再モデル化のための放射線の十分な線量を受容するであろう、組織の予測を表してもよい。ユーザは、計画治療モジュール88への反復入力およびそこからの出力に基づいて、計画を相互作用的に開発してもよい。
【0062】
理想的には、線量分布図は、焼灼線に対応するはずである。本明細書の実施形態は、焼灼線に対応する線維性組織のリングとして治療を提供する、計画を作成することを目指す。
【0063】
図18は、ある実施形態による、生成された表面52に関して、線量分布図を評価する方法を表す、工程図である。1802では、線量分布図が、生成され、1804において、表面52にオーバレイされる。所望に応じて、焼灼線100は、1806において、表面52上に表示される。
【0064】
図19に示されるように、表面52に対して、焼灼線100および線量分布図120を表示することによって、線量分布図が医師によって意図される標的を網羅するかどうかの視覚的検査が可能となる。この目的を達成するために、1808では、医師は、線量分布図が標的を網羅するかどうかを視覚的に評価してもよい。図19から分かるように、少なくとも図面に示される図の場合、線量分布図120は、焼灼線100を完全に網羅する。表面の回転、パニング、または拡大、あるいはピッチおよび/またはヨーの調節が、線量範囲の完全検査のために要求されてもよい。
【0065】
線量分布図120は、例えば、特定の閾値を上回る全線量値、または代替として、最小値と最大値との間の範囲にある線量値を表してもよい。所望に応じて、図20に示されるように、各基準面の軸方向スライスが提供されてもよく、線量分布図120および焼灼線100が、その上に示される。本表現によって、医師は、各スライスを視認し、線量が標的を適切に網羅(例えば、囲繞)していることを保証可能となる。
【0066】
図21は、代替実施形態による、線量が十分であるかどうかの決定の方法を表す、工程図である。図21における方法は、表面52の線量分布図をクリッピングするステップを伴い、前述の視覚検査に加えて、またはその代わりに、使用されてもよく、線量分布図は、輪郭として以上に表される。2102では、容認可能線量値に対応する領域が、例えば、焼灼線100と異なる色として、表面52にクリッピングされる。線量値は、等線量方式で表されてもよく、異なる線量は、異なる方法、例えば、異なる色として、表示される。代替として、前述の実施形態におけるように、値を超えるまたは範囲内にある全線量が、表示されてもよい。
【0067】
線量値を表面にクリッピングすることによって、線量は、表面52上に湾曲表面パッチ124(図22)として表される。線量値が正確に選択される場合、線維症が、表面パッチ124上で生じるはずである。医師は、焼灼線100に関して、表面パッチ124を視覚的に評価し、十分な線量が提供されるかどうかを決定してもよい。例えば、表面パッチは、治療される組織内の収縮性通路を阻害するために十分な幅であるかどうかを決定するために評価されてもよい。
【0068】
加えて、2104において、焼灼線100を除去して、または除去せずに、医師は、表面パッチ124を評価し、表面パッチが、連続的ループを形成するかどうかを決定してもよい。ループにいくつかの破損が存在する場合、収縮性通路の阻害は、放射線外科手術治療によって提供され得ない。この目的を達成するために、2106では、医師は、連続的ループが形成されるように、表面パッチ124が表面52の周囲で接続されているかどうかを評価する。そうではない場合、ソフトウェアまたはユーザによる認識によって、エラーが、2108において発生され、医師に、新しい計画を構築させる、あるいはコンピュータシステム58に、エラーメッセ?ジを発生させる、または別の様式で処理させてもよい。ループが接続されている場合、医師は、2110において、治療を進めてもよい。
【0069】
図23は、表面52の周囲に完全なループ126が、表面パッチ124によって形成される、表面52を示す。医師および/またはコンピュータシステム58は、医師が、ループ126を完全に検査し得るように、表面52を回転および別様に操作してもよい。代替実施形態では、ソフトウェアは、ループ126にわたって調査し、ループが開始位置に戻り、繊維性領域が接続されていることを確実にすることを確認してもよい。本同一ソフトウェアまたは視覚検査を使用して、ループがループ126全体の周囲に十分な幅であるかどうかを決定してもよい。例えば、ソフトウェアは、表面52の周囲をクロールし、ループ126のピクセル幅を評価してもよい。ピクセル幅が、閾値を下回る場合、エラーが発生されてもよい。
【0070】
治療の際の可能性として考えられる不整合エラー(x、y、z平行移動、およびロール、ピッチ、ヨー、回転エラー)の任意の影響が、本システムによって評価されてもよい。表面またはCTデータセットは、PVOSにおける繊維性ループの連続に及ぼす任意の不整合の影響を理解するように、線量分布図に関連して平行移動および回転されてもよい。代替として、線量分布図は、表面またはCTデータセットに関連して、平行移動または回転されてもよい。
【0071】
図24は、表面52の周囲に全体的に延在していない、部分的ループ128を示す。本実施例では、医師またはソフトウェアは、新しい治療計画が調製されることを要求してもよく、または別様にエラーを発生させてもよい(例えば、2108において)。
【0072】
輪郭が承認された後、計画44は、完了し、実装されてもよい。心臓46の放射線外科手術治療は、例えば、患者を患者支持部24上に位置付け、患者をロボットアーム14と整合させ、線形加速器12からの計画された一連の放射線ビームを心臓の標的領域に指向することによって、開始されてもよい。
【0073】
他の変形例も、本発明の精神内にある。したがって、本発明は、種々の修正および代替構造を被り得るが、そのうちのある例証される実施形態が、図面に示され、詳細に前述されている。しかしながら、本発明を開示される具体的形態または複数の形態に限定することを意図するものではなく、対照的に、添付の請求項に定義されるように、発明の精神および範囲内にある全修正、代替構造、および均等物を網羅することを意図することを理解されたい。
【0074】
本発明を説明する文脈(特に、以下の請求項の文脈)における、用語「a」、「an」、および「the」ならびに類似参照の使用は、別様に本明細書に示されない限り、または文脈によってそれとは逆であることが明示的に示されない限り、単数形および複数形の両方を網羅するものと解釈されたい。用語「含む」、「有する」、「含む」、および「含有する」は、別様に注記されない限り、非制限用語として解釈されたい(すなわち、「それを含むが、それに限定されない」を意味する)。用語「接続される」は、介在するものが存在する場合でも、部分的または全体的にその中に含有される、それに取着される、またはともに結合されるものとして解釈されたい。本明細書の値の範囲の列挙は、別様に本明細書に示されない限り、単に、範囲内にある各別個の値を個々に参照する簡略方法としての役割を果たすものとして意図され、各別個の値は、本明細書に個々に列挙されるように、明細書に組み込まれる。本明細書に説明される全方法は、別様に本明細書に示されない限り、または別様に文脈によってその逆であることが示されない限り、任意の好適な順序で行うことが可能である。本明細書に提供される、あらゆる実施例または例示的用語(例えば、「等」)の使用は、単に、本発明の実施形態の理解をより容易にすることを意図し、別様に請求されない限り、発明の範囲に制限を課すものではない。明細書中のいかなる用語も、本発明の実践に不可欠として、いかなる請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0075】
本発明を実行するために、発明者らに周知の最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が、本明細書に説明される。それらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を熟読することによって、当業者に明白となるであろう。発明者らは、当業者が、必要に応じて、そのような変形例を採用することを予期し、かつ発明者らは、本発明が、具体的に本明細書に説明されるものと別様に実践されることを意図する。故に、本発明は、適用法によって許可されるように、本明細書に添付の請求項に列挙される主題の全修正および均等物を含む。さらに、別様に本明細書に示されない限り、または別様に文脈によってそれとは逆であることが示されない限り、その可能性として考えられる全変形例における、前述の要素の任意の組み合わせは、本発明によって包含される。
【0076】
本明細書に引用される、刊行物、特許出願、および特許を含む、全参考文献は、各参考文献が個々に、かつ具体的に、参照することによって組み込まれるように示され、本明細書に全体として記載される場合と同程度に、参照することによって、本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2009年7月17日出願の米国仮出願第61/226,613号(代理人整理番号No.021902−002100US)の利益を主張し、この仮出願の全開示が本明細書において参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
頭部、脊椎、腹部、および胸部における腫瘍および他の標的は、放射線外科手術を使用して、正常に治療されている。放射線外科手術の際、電離放射線の一連のビームは、多くの場合、異なる位置および配向からのMeV X線ビーム場を含む、放射線ビームによって、多くの場合、標的領域における範囲に関して、患者の外部から指向される。ビームは、腫瘍の生態を改変するように、標的組織に向かって、中間組織を通して、指向可能である。ビーム軌跡は、中間および他の側副組織への放射線曝露を制限するのに有用である一方、標的における累積放射線線量が、腫瘍を治療可能にする。CYBERKNIFE放射線外科手術システム(Accuray Inc.)およびTRILOGY放射線外科手術システム(Varian Medical Systems)は、既知の放射線外科手術治療システムのうちの2つである。
【0003】
現代の放射線外科手術システムは、標的組織の位置を検証し、微量の患者の運動に適応するように、画像化を治療システムに組み込む。また、いくつかのシステムは、呼吸の際に運動する組織を治療する能力を有し、本特徴は、放射線外科手術から恩恵を受けることが可能な患者の数を有意に拡大させている。
【0004】
また、心房細動および他の不整脈の治療のために、心臓の選択された面積に向かっての放射線の指向を含む、生理学的運動を被る他の組織の放射線外科手術治療も提案されている。心房細動の際、心房は、その系統的ポンプ作用を失う。健康な洞律動では、心房は、収縮し、弁が開放し、血液が、心室、すなわち、下方室を充填する。次いで、心室は、収縮し、各心拍の系統的サイクルを完了させる。対照的に、心房細動は、心房にわたって進行し、心臓の上方室を痙攣または細動させる、電気エネルギーの突発として特色化される。心房細動の際、各心拍に伴って、血液を心房から心室内へと十分に排出することが不可能である。適切な病変パターンに基づいて、心臓に向かって電離放射線を指向することによって、結果として生じる瘢痕組織は、電気信号の再循環を防止し、それによって、心房細動を減少または排除し得る。
【0005】
腫瘍等の標準的放射線外科手術治療では、コンピュータ断層(CT)撮像が、一連の平面X線スキャンを提供する。腫瘍に隣接するX線に対して、計画医師が、標的組織の境界を描写し、スキャン上に描写される境界は、腫瘍および腫瘍を包囲する境界(ならびに、典型的には、安全のために、治療される組織の一部の付加的派生物または辺縁を含む)を通して横断する。腫瘍は、典型的には、1つの器官内に含有される(しかしながら、代替として、器官表面を越えて、接する器官まで延在し得る)ため、計画された治療境界は、組織/組織界面輪郭から極めて独立している。故に、治療計画は、典型的には、腫瘍が視認可能な各CTスキャン上の腫瘍を囲繞する一連の円として、作成される。
【0006】
標準的放射線外科手術計画インターフェースを使用して、従来の平面CTスキャン上にパターンを形成するために、適切な不整脈病変治療計画を作成することは困難である。医師は、多数のCTスキャンを評価し、心臓の各平面スライスにおける治療計画を表す、適切な線および/または円を描写しなければならない。医師は、各平面スキャンから、所望の治療面積を視覚化することが可能でなければならない。これは、単に不便であるように考えられるが、本発明に関連する作業は、心臓の幾何学形状に照らして、既存の放射線外科手術治療計画ツールを使用して、不整脈治療計画を効率的に確立することは、驚くほど困難であることを示唆する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下は、本発明の基礎的理解を提供するために、本発明のいくつかの実施形態の簡略化された概要を提示する。本概要は、本発明の広範的概観ではない。本発明の重要/決定的要素を識別すること、または発明の範囲を特定することを意図するものではない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明に対する前置きとして、簡略化された形式において、本発明のいくつかの実施形態を提示することである。
【0008】
ある実施形態によると、システムは、心臓の組織表面、具体的には、内側表面(血液/心臓組織界面)の3次元モデルを生成する。本表面上では、1つ以上のパターン線が、例えば、医師によって、ユーザインターフェースを使用して、描写され、収縮性通路を阻害するための表面上の所望の病変を指定する。パターン線から、病変の3次元体積が、既知の制約(病変の内側心臓組織から十分な厚さを提供し、心臓壁を通して延在させる、病変にわたる収縮の伝播を防止するために十分な幅を提供する等)を使用して、決定可能である。有利には、3次元体積によって生成される一連の境界は、個々のCTスキャン上に逆投影され、次いで、標準的放射線外科手術計画ツールに転送されてもよい。
【0009】
放射線外科手術計画ツールは、既存の軌跡計算ルーチンを使用して、いくつかの放射線外科手術軌跡または輪郭を有する、放射線外科手術計画を生成してもよい。軌跡が、所望の病変を形成するように識別されると、「線量分布図」が、ディスプレイを伴う、新しい計画ツールに出力され、病変を形成するために十分な放射線を受容する、組織表面(例えば、血液/心臓組織界面)における面積を提供可能となる。
【0010】
放射線外科手術治療の計画を促進するために、医師は、典型的には、組織表面のモデルへの点および線スナッピングによって、3次元組織表面上の場所をグラフィック的に識別するであろう。出力病変表示は、組織表面に沿った単純等線量輪郭として計算されてもよい。
【0011】
ある実施形態では、放射線外科手術方法は、非腫瘍性疾患である、心臓を有する患者の身体を治療するために提供される。方法は、3次元画像データを心臓から入手するステップと、画像データを利用して、心臓の組織表面の3次元モデルを生成するステップと、疾患を緩和するために、所望の電離放射線治療病変パターンの表面モデルに関するユーザ入力を受信するステップと、所望の病変パターンに基づいて、3次元画像データに対して計画された病変パターンに関する情報を出力するステップと、を含む。
【0012】
3次元モデルを生成するステップは、心臓の血液と組織との間の境界に基づいて、心臓のモデルを生成するステップを含んでもよい。境界は、例えば、心臓の内側表面組織であってもよい。
【0013】
心臓からの3次元画像データは、2次元データの複数のスライスであってもよい。3次元モデルを生成するステップは、2次元データの各スライスにおける血液と心臓組織との間の境界の区分に基づいて、心臓のモデルを生成するステップを含んでもよい。3次元モデルは、例えば、区分をともに積層または組み立てることによって、かつ区分間の表面を延在させることによって、形成されてもよい。ある実施形態では、出力ステップは、2次元データの複数のスライスのそれぞれに上に病変パターンを投影するステップを含む。
【0014】
病変の3次元体積は、ユーザ入力に基づいて生成されてもよく、情報は、3次元体積に基づいて生成されてもよい。体積は、例えば、ユーザ入力を収縮性通路を阻害するために十分な幅に拡張する、ユーザ入力を心臓の組織を通して貫壁性に貫通するために十分な奥行に拡張する、またはユーザ入力を治療が生じる着目組織の面積を網羅するように拡張することによって、生成されてもよい。
【0015】
別の実施形態によると、放射線外科手術方法は、非腫瘍性疾患である、心臓を有する患者の身体を治療するために提供される。方法は、3次元画像データを心臓から入手するステップと、画像データを利用して、心臓の組織表面の3次元モデルを生成するステップと、疾患を緩和するために、所望の電離放射線治療病変パターンの表面モデルに関するユーザ入力を受信するステップと、所望の病変パターンに基づいて、電離放射線治療計画を投影し、所望の治療計画に基づいて、画像データに対して線量分布図を投影するステップと、を含む。
【0016】
方法はさらに、病変パターンのユーザ入力をモデルの表面にスナッピングするステップを含んでもよい。線量パターンは、ユーザ入力に関して評価され、十分な治療を決定してもよく、例えば、表面の周囲の線量パターンを調査し、ループが、表面の周囲に完全な円を形成することを確認するステップを伴ってもよい。調査ステップは、閾値に関してループの厚さを評価するステップを伴ってもよい。
【0017】
別の実施形態によると、放射線外科手術システムは、非腫瘍性疾患である、心臓を伴う患者の身体を治療するために提供される。システムは、3次元計画画像データを心臓から入手するための画像捕捉デバイスと、画像データに基づいて、心臓の表面モデルを生成するために、画像データに連結される、モデル化モジュールと、表面モデル上の心臓の標的領域を識別するための入力と、を含む、プロセッサシステムであって、入力をモデル化モジュールに連結し、したがって、表面モデル上の入力に応答して、画像データ上に病変パターンを生成する、プロセッサシステムと、を含む。
【0018】
なおも別の実施形態によると、放射線外科手術システムは、非腫瘍性疾患である、心臓を伴う患者の身体を治療するために提供される。システムは、3次元計画画像データを心臓から入手するための画像捕捉デバイスと、身体の外側から電離放射線の複数のビームを伝送するための放射線源と、心臓の標的領域を識別するための入力を有する、計画化モジュールであって、標的領域および計画画像データに応答して、放射線ビームの計画を生成し、計画に基づいて、線量分布図を投影する、計画化モジュールと、画像データに基づいて、心臓の表面モデルを生成するための画像データに連結される、モデル化モジュールと、を含む、プロセッサシステムであって、計画化モジュールをモデル化モジュールに連結し、表面モデル上に線量分布図を投影する、プロセッサシステムと、を含む。
【0019】
本発明の性質および利点のより完全な理解のために、以下の発明を実施するための形態および付随の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、実施形態と併用され得る、例示的改良型定位固定放射線外科手術システムを例証する。
【図2】図2は、実施形態による、放射線外科手術治療の方法を表す、工程図である。
【図3】図3は、本明細書の実施形態による、心臓表面の3次元モデルの表現であって、左図に、病変計画が追加され、右図に、線量分布図が追加されている。
【図4】図4は、本明細書の実施形態と併用され得る、コンピュータシステムのブロック図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態を実行し得る、複数のモジュールを図式的に例証する。
【図6】図6は、ある実施形態による、着目表面の3次元モデルを生成する方法を表す、工程図である。
【図7】図7は、ある実施形態による、心臓の内側表面の3Dモデルの表現である。
【図8】図8は、ある実施形態による、図6で生成された表面のモデルを利用して、治療計画を調製するための方法を表す、工程図である。
【図9】図9は、ある実施形態による、図7の表面の外側に描写される、焼灼線100の表現である。
【図10】図10は、図7の表面が生成される心臓の基準面の表現であって、図9の焼灼線の交差点を示す。
【図11】図11は、ある実施形態による、図9の焼灼線から生成されたループの表現である。
【図12】図12は、ある実施形態による、中実体積を形成するようにモザイク状に構成された図11のループの表現である。
【図13】図13は、ある実施形態による、その上に投影された計画標的体積を伴う、心臓の軸方向スライスである。
【図14】図14は、ある実施形態による、図13と同一軸方向スライスであるが、心臓上に投影された血液標的体積を示す。
【図15】図15は、ある実施形態による、図13と同一軸方向スライスであるが、心臓上に投影される空洞を示す。
【図16】図16は、ある実施形態による、輪郭を示す、放射線輪郭分布である。
【図17】図17は、図17に示される輪郭を伴う、心臓の軸方向スライスである。
【図18】図18は、ある実施形態による、生成された表面に関して、線量分布図を評価する方法を表す、工程図である。
【図19】図19は、ある実施形態による、焼灼線とともに、生成された表面上に投影された線量分布図を示す。
【図20】図20は、その上に示される線量分布図および焼灼線を伴う、図19の生成された表面の軸方向スライスである。
【図21】図21は、ある実施形態による、線量が十分であるかどうかを決定する方法を表す、工程図である。
【図22】図22は、ある実施形態による、生成された組織表面上に線量範囲を示す、表面パッチを示す。
【図23】図23は、線量表面パッチのループが、生成された表面の周囲に完全である、生成された表面を示す。
【図24】図24は、線量表面パッチのループが、生成された表面の周囲に完全ではない、生成された表面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明では、本発明の種々の実施形態について説明される。説明の目的のために、具体的構成および詳細が、実施形態の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、また、本発明が、具体的詳細を伴わずに実践され得ることは、当業者には明白であろう。さらに、周知の特徴は、説明される実施形態を曖昧にしないために、省略または簡略化され得る。
【0022】
本明細書の実施形態は、放射線外科手術治療計画を対象とする。いくつかの説明される実施形態は、心臓および/または冠動脈の非腫瘍性疾患の治療のための放射線外科手術計画を対象とするが、本明細書に説明される特徴は、そのような文脈に限定されない。
【0023】
本明細書に説明される放射線外科手術治療計画は、既知の放射線送達システム内に含まれる、またはそこから派生する、多くの構成要素を利用してもよい。実施例として、例示的改良型CYBERKNIFE定位固定放射線外科手術システム10が、図1に例証される。放射線外科手術システム10は、ロボットアーム14上に搭載された軽量線形加速器12を含む。画像誘導システム16は、ロボットアーム14と標的部位との間の位置合わせを向上させるように、2方向診断X線源18および画像検出器20を含む。標的領域内の組織は、高コントラスト画像を提示し得ないため、画像誘導システム16は、画像処理技法を使用して、1つ以上の代理構造の場所を識別してもよく、代理として、典型的には、高コントラスト天然組織構造(骨等)、または標的組織との相関関係において運動する、人工埋込基準マーカを含む。また、標的追跡は、特に、呼吸に対応する胸壁の運動を識別するために、1つ以上の表面画像カメラ22を利用してもよい。カメラ22は、患者の胸部上で視認可能な発光ダイオード(LED)または他の高コントラスト基準マーカを監視してもよい。患者支持部24は、患者(および、治療部位)をロボットアーム14と整合させるステップを促進するように、整合アーム26によって、移動可能に支持される。
【0024】
次に、図2を参照すると、比較的に単純な治療工程図40は、本発明の実施形態による、放射線外科手術治療の前および間に使用される方法を表すことが可能である。内部組織は、典型的には、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)、超音波画像診断、X線撮像、光コヒーレンス断層撮影、これらの組み合わせ、または他の撮像モダリティ等の遠隔撮像モダリティを使用して、計画目的のために撮像される42。実際には、放射線再モデル化のために標的化される組織構造は、十分なコントラストを有する代理構造が、画像データ内で視認可能であって、標的組織場所を識別する限り、必ずしも、画像内で視認可能である必要はないことに留意されたい。多くの実施形態において使用される計画撮像は、3次元組織体積の時間系列を含み、時間系列は、典型的には、1つ以上の運動サイクル(心臓または心拍サイクル、呼吸または呼気サイクル等)に及ぶであろう。例示的実施形態では、画像データは、体積または3次元画像データを提供するように、心臓を通した一連のCTスライスを含む。3次元心臓画像の時系列は、好ましくは、画像計画データが、効果的に、3次元画像データセットの時系列を含み、心拍の際の心臓組織の運動に関する情報を提供するように、心拍サイクルを通して分布される時間において、入手される。
【0025】
撮像42から取得された撮像データに基づいて、計画44は、標的部位における組織の治療のために調製可能である。計画44の完了後、心臓の放射線外科手術治療46は、患者を患者支持部24上に位置付け、患者をロボットアーム14と整合させ、線形加速器12から計画された一連の放射線ビームを心臓の標的領域に指向することによって、開始されてもよい。
【0026】
本明細書の実施形態は、計画44の開発を支援する、システムおよび方法を対象とし、既存または新しく開発され撮像42および治療46と併用されてもよい。しかしながら、本明細書に定義される計画44の利点の1つは、前述のCT撮像等の既存の撮像法およびMULTIPLAN計画ツール(Accuray,Inc.)等の従来の放射線外科手術計画ツールと併用されてもよいことである。撮像は、例えば、前述の形態または他の形態をとってもよいが、実施形態では、体積または3次元画像データを提供するように、心臓を通した従来の一連のスライス(例えば、CTスライス)を利用する。治療46は、従来または改良型であってもよく、一実施形態は、米国特許出願第61/271,177号「Heart Treatment Kit, System, and Method for Radiosurgically Alleviating Arrhythmia」(弁理士整理番号第021902-002000US号)に並行して説明されており、その全開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0027】
治療計画44は、典型的には、標的領域および標的領域内で交差する一連の放射線ビームを含む。標的組織内の放射線線量は、少なくとも、所望の病変を提供するために十分であるべきである。典型的には、放射線線量は、組織を焼灼し、心臓内の収縮性通路を阻害し、不整脈原性を阻害する等のために十分であろう。標的組織外部の放射線線量は、好ましくは、側副組織への過度の損傷を阻害するように、比較的に急勾配を伴って減少し、特有の敏感および/または重要組織構造における放射線線量は、多くの場合、有害な副作用を回避するように、所望の最大閾値を下回って維持されるであろう。
【0028】
次に、大まかに説明される、図2および3を参照すると、例示的治療計画化モジュールは、概して、CTスライスからの表面52の3Dモデル(図3)を生成する44Aが、他の撮像データが使用されてもよい。ユーザインターフェースによって、システムユーザは、組織の表面、図面内に示される実施例では、心臓の表面52を参照して、所望の病変パターン50(図3)を入力可能となる44B。不整脈を阻害するための心臓の可動組織の治療の場合、基準心臓表面52は、1つ以上の心臓チャンバの血液/組織界面または内側表面および隣接する血管を含んでもよい。代替実施形態は、基準表面として、心臓の外側表面を採用してもよいが、内側表面は、画像入手ステップ42の際、造影剤を導入することによって、3次元計画画像データからより容易に識別され得る。したがって、組織と血液との間に明確な分界が存在し、表面52のより精密な画定を可能にする。病変パターン50は、以下に詳述されるように、計画44の一部で使用される。
【0029】
44Cでは、病変パターン50によって生成された一連の境界が、個々のCTスキャンスライス上に逆投影され、次いで、従来の放射線外科手術計画ツールに転送されてもよい。したがって、従来の放射線外科手術ツールへの入力は、概して、従来の方法における入力と同一である(すなわち、個々のCTスキャンスライス上に画定される境界)。しかしながら、本開示の背景技術で説明されるように、従来の方法は、外科医に、各個々のスライス上での描画を要求する。対照的に、本明細書の方法およびシステムは、表面52のソリッドモデル上に入力された入力病変パターン50を生成する。
【0030】
ある実施形態では、後述のように、線量分布図54(図3の右側)の視覚化が、表面52上に表示するために提供されてもよい。線量分布図54は、従来の放射線外科手術ツールによる出力病変表示として、受信されてもよく44D、実施形態によると、例えば、表面52上の等線量輪郭として、表示されてもよい44D。病変パターン50と同様に、線量分布図54は、以下に詳述されるように、計画44を生成または承認するステップの一部で使用されてもよい。
【0031】
本明細書の実施形態は、表面52を生成し所望の病変パターン50を示し、線量分布図54を提供するために、コンピュータ実装方法を利用し、および/または本明細書に説明されるシステムの方法または機能を操作してもよい。この目的を達成するために、図4は、本明細書に説明される実施形態において利用され得る、例示的コンピュータシステム58の簡略化ブロック図である。コンピュータシステム58は、典型的には、バスサブシステム62を介して、いくつかの周辺デバイスと通信する、少なくとも1つのプロセッサ60を含む。これらの周辺デバイスは、メモリサブシステム66およびファイル記憶サブシステム68を含む、記憶サブシステム64、ユーザインターフェース入力デバイス70、ユーザインターフェース出力デバイス72、ならびにネットワークインターフェースサブシステム74を含んでもよい。ネットワークインターフェースサブシステム74は、他の撮像デバイス、データベース等との通信のために、インターフェースを通信ネットワーク75に提供する。
【0032】
プロセッサ60は、オペレータからの任意のデータ入力と併せて、メモリサブシステム66内に格納された実行命令を使用して、コンピュータシステム58の操作を行う。そのようなデータは、例えば、グラフィカルユーザインターフェース等のユーザインターフェース入力デバイス70を通した入力であることが可能である。したがって、プロセッサ60は、実行命令がメモリからロードされる、実行領域を含むことが可能である。次いで、これらの実行命令は、プロセッサ60に、コマンドをコンピュータシステム58に送信させるであろう。本開示では、「プロセッサ」として説明されるが、プロセッサの機能は、1つのコンピュータ内またはいくつかのコンピュータにわたって分散される、多数のプロセッサによって行われてもよい。
【0033】
ユーザインターフェース入力デバイス70は、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、またはグラフィックスタブレット等のポインティングデバイス、スキャナ、フットペダル、ジョイスティック、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーン、音声認識システム等のオーディオ入力デバイス、マイクロホン、および他の種類の入力デバイスを含んでもよい。一般に、用語「入力デバイス」の使用は、種々の従来および周辺デバイスならびにコンピュータシステムに情報を入力するための方法を含むものと意図される。そのような入力デバイスは、多くの場合、コンピュータネットワークまたは有形記憶媒体からコンピュータ実行可能コードをダウンロードするために使用され、本発明の方法のいずれかのために、ステップを具現化する、あるいは命令をプログラムするであろう。
【0034】
ユーザインターフェース出力デバイス72は、ディスプレイサブシステム、プリンタ、ファックス機器、またはオーディオ出力デバイス等の非視覚ディスプレイを含んでもよい。ディスプレイサブシステムは、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルデバイス、投影デバイス等であってもよい。また、ディスプレイサブシステムは、オーディオ出力デバイスを介して等、非視覚ディスプレイを提供してもよい。一般に、用語「出力デバイス」の使用は、種々の従来および周辺デバイスならびにコンピュータシステムからユーザに情報を出力する方法を含むものと意図される。
【0035】
記憶サブシステム64は、種々の実施形態の機能性を提供する、基礎的プログラミングおよびデータ構築を格納する。例えば、本明細書に説明される実施形態の機能性を実装するデータベースおよびモジュールは、記憶サブシステム64内に格納されてもよい。これらのソフトウェアモジュールは、概して、プロセッサ60によって実行される。分散環境では、ソフトウェアモジュールは、複数のコンピュータシステムのメモリ内に格納され、複数のコンピュータシステムのプロセッサによって実行されてもよい。記憶サブシステム64は、典型的には、メモリサブシステム66およびファイル記憶サブシステム68を含む。
【0036】
メモリサブシステム66は、典型的には、プログラム実行の際の命令およびデータの記憶のための主要ランダムアクセスメモリ(RAM)76ならびに固定命令が格納される読取専用メモリ(ROM)78を含む、いくつかのメモリを含む。ファイル記憶サブシステム68は、プログラムおよびデータファイルのための永続的(不揮発性)記憶を提供し、ハードディスクドライブ、関連付けられた可撤性メディアを伴うフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトデジタル読取専用メモリ(CD-ROM)ドライブ、光ドライブ、DVD、CD-R、CD-RW、あるいは可撤性メディアカートリッジまたはディスクを含んでもよい。ドライブのうちの1つ以上は、コンピュータシステムに連結された他の敷地において、他の接続されたコンピュータ上の遠隔場所に位置してもよい。本発明の機能性を実装するデータベースおよびモジュールもまた、ファイル記憶サブシステム68によって格納されてもよい。
【0037】
バスサブシステム62は、意図されるように、コンピュータシステムの種々の構成要素およびサブシステムを相互に通信させるための機構を提供する。コンピュータシステムの種々のサブシステムおよび構成要素は、同一物理的場所にある必要はないが、分散ネットワーク内の種々の場所に分散されてもよい。バスサブシステム62は、単一バスとして、図式的に示されるが、バスサブシステムの代替実施形態は、多数のバスを利用してもよい。
【0038】
コンピュータシステム58自体は、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ワークステーション、コンピュータ端末、ネットワークコンピュータ、ディスプレイユニット内のモジュール、メインフレーム、または任意の他のデータ処理システムを含む、様々な種類であることが可能である。コンピュータおよびネットワークの絶え間なく変わる性質のため、図4に描写されるコンピュータシステム58の説明は、本発明の一実施形態を例証する目的のための具体的実施例として意図されるにすぎない。図4に描写されるコンピュータシステム58より多いまたは少ない構成要素を有する、コンピュータシステムの多くの他の構成が可能である。
【0039】
図5は、本発明の実施形態を実行し得る、複数のモジュール80を図式的に例証する。モジュール80は、ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、またはそれらの組み合わせであってもよい。モジュール80が、ソフトウェアモジュールである場合、モジュールは、コンピュータ可読媒体上に具現化され、プロセッサ60によって処理されるであろう。
【0040】
デジタルデータモジュール82は、CT体積または他の診断画像を受信し、既にデジタル化されていない場合、画像のデジタルデータファイルを作成する。3Dモデル化モジュール84は、デジタルデータファイルからの所望の表面の有限要素またはソリッドモデルを構築する。そのような3Dモデル化モジュールは、周知であって、例示的実装詳細は、図6の説明とともに、以下に提供される。しかしながら、簡単に説明すると、3Dモデル化モジュール84は、CT体積のスライスを処理し、表面52(図3)として投影される、着目表面の有限要素またはソリッドモデルを作成する。参照を容易にするために、以降では、「表面52」とは、着目表面、本明細書に説明される実施形態では、心臓組織の内側表面の3Dモデルを指す。
【0041】
表面52は、所望の配向、断面、または他の所望の視点を確認するように、例えば、コンピューティングデバイス58のためのディスプレイ上に示されてもよく、ユーザによって、例えば、ユーザインターフェース入力デバイス70を介して、実装されてもよい。パニングならびにピッチおよびヨー移動も同様に提供されてもよい。
【0042】
計画化モジュール85によって、システムのユーザは、病変パターン50(図3)を生成可能となる。計画化モジュール85はまた、病変パターンをCTスライス上に逆投影してもよい。
【0043】
線量分布図モジュール86は、線量分布図54を受信または生成してもよい。線量分布図モジュール86の例示的実装は、例えば、図18および21の議論とともに、後述される。
【0044】
図3および5に示されるように、線量分布図モジュール86および3Dモデル化モジュール84は、標準的治療計画化モジュール88と併用されてもよい。そのような治療計画化モジュールの実施例は、MULTIPLAN治療モジュールであるが、他の治療モジュールが使用されてもよい。
【0045】
図6は、ある実施形態による、着目表面、例えば、表面52を生成する方法を表す、工程図である。602では、CT体積に関する情報は、例えば、モジュール82を介して、入力される。本入力は、例えば、各CTスライスのために提供される組織-血液境界情報を際立たせるように生成されたCT体積であってもよい。本明細書に説明される実施例では、組織-血液境界は、心臓の内側境界であって、その境界は、例えば、血液に造影剤を添加することによって、際立たせられる。CTデータの各スライスにおける血液(添加された造影剤を含む)と心臓組織との間の境界は、心臓サイクル位相と関連付けられた体積データセットの1つ、いくつか、または全部において区分化可能である。区分化された領域は、ともに積層または組み立てられ、表面52を形成可能である。CTデータは、例えば、左心房および肺静脈を限定するように編集されてもよい。
【0046】
604から610では、表面52等の3D表面を生成するように、スライスの境界間に適用され得る、平滑化技法の実施例が提供される。他の平滑化技法が使用されてもよい。平滑化は、例えば、モジュール84を介して行われてもよい。
【0047】
604では、ボクセル編集が行われ、CT体積が、3次元空間内のブロックのグリットに変換される。606(随意)では、接続が行われる。608では、例えば、ボクセルを通して進められ、一度に8つの隣接場所をとり(したがって、仮想立方体を形成し)、次いで、立方体を通過する等密度面の一部を表すために必要とされる多角形を決定する、マーチングキューブコンピュータグラフィックスアルゴリズムを利用して、表面生成が行われる。次いで、個々の多角形は、所望の表面に融合される。
【0048】
610では、所望の表面が、例えば、図7における表面52として示されるように、出力される。本明細書の実施例の場合、表面52は、心臓の内側表面を表す。図6に示されるプロセス全体は、区分化方式を使用して、自動化されてもよい。
【0049】
図8は、図6で生成された表面52を利用して、治療計画を調製するための方法を表す、工程図である。802から開始し、焼灼線100(図9)が、表面52上に画定される。例えば、焼灼線100は、表面52、例えば、ユーザインターフェース入力デバイス70を利用して、表面52の外側上に描写またはスナッピングされてもよい。実施例では、医師は、表面に沿ってクリックしてもよく、焼灼線100は、クリック間の直線として延在されてもよい。平滑化が、有効化されてもよい。所望に応じて、医師が、表面の所望の視点にアクセスし、焼灼線100を適切に配向可能となるように、表面52は、画面上で回転、パニング、および拡大されてもよく、あるいはピッチまたはヨーが変更されてもよい。そのような操作特徴は、既存の3Dモデル化およびディスプレイソフトウェアにおいて周知である。
【0050】
ユーザインターフェース入力デバイス70を介して、焼灼線100を適用することによって、計画医療従事者は、心臓組織表面52に対して、一連の線または曲線として、適切な病変パターンを入力可能となる。焼灼線100は、非常に薄い線として、またはシステムまたはユーザによって画定される厚さとして、適用されてもよい。焼灼線の厚さは、同様に、3Dデータセットから自動的に抽出されてもよい。ある実施形態によると、焼灼線は、病変にわたっての収縮の伝播を防止するために十分な幅で表示される。そのような幅の使用は、ユーザが、病変パターンの場所および幅のより現実的概念を有し得るように、システムのユーザに直感的視覚フィードバックを提供する。
【0051】
所望に応じて、804では、焼灼線は、1つ以上の基準面に示されてもよい。実施例として、図10に示されるように、表面52が生成された心臓の基準面は、交差点102を示す。交差点102は、所与の基準面において、焼灼線100の断面を表す。基準面は、ディスプレイ上に同時に、または表面52の視点と基準面との間をトグルすることによって、示されてもよい。基準面は、例えば、単一CTスライスからのデータを表してもよい。
【0052】
806では、焼灼線100は、所望の療法利点を提供するための体積まで拡張され、3次元において、ディスプレイ上に視覚化されてもよい。804は、806後に生じ得るが、実際は、別様に本明細書に記載がない限り、本開示の工程図に記載される作用は、提示される順番に限定されない。体積を3次元に視覚化するために、焼灼線100は、ループ104(図11)を生成することによって等、3次元厚が与えられてもよい。ある実施形態によると、表面52は、心臓の内側表面を表すため、ループ104は、焼灼線100の周囲に半径を有するループを生成することによって生成され、半径は、治療される組織の厚さと略同等またはそれより若干厚い。したがって、厚さは、心臓壁を通して延在するために、病変のための内側心臓表面から十分であってもよい。半径は、焼灼線の周囲に適用されてもよく、または別個の幅および長さ半径が使用されてもよい。幅は、例えば、病変にわたっての収縮の伝播を防止するために十分であるように選択されてもよい。ある実施例では、ループ104は、2ミリメートルの半径を利用して生成されてもよいが、他の半径が使用されてもよく、前述のように、ループは、必ずしも、幅および厚さが均一である必要はない。焼灼線の厚さは、同様に、3次元データセットから自動的に抽出されてもよい。
【0053】
ある実施形態では、ループ104は、治療計画目的のために、肺静脈口(PVOS)を包囲し、計画標的体積(PTV)を画定する。PTVは、望ましくは、治療が生じる、着目組織の面積を表す。心臓の実施例では、PTVは、好ましくは、心臓の外側表面から内側表面の心臓の組織であって、収縮性通路を阻害するために十分な幅である。
【0054】
808では、各ループ104によって画定される非平面多角形が、モザイク状に構成され、中実体積106(図12)を形成する。モザイク状構成は、例えば、三角形にモザイク状に構成された非平面多角形をもたらし、焼灼線の厚さに膨張されてもよい。中実体積106は、血液標的体積(BTV)を表す。
【0055】
図13は、PTV108を示す、心臓の軸方向スライスである。図13におけるPTV108は、2つの円として示され、PTVによって形成されたループ104の断面を表す。図14は、図13と同一軸方向スライスであるが、BTV110を示す。BTV110は、中実体積106によって表され、治療の所望の面積(すなわち、PTV)に加えて、恐らく血液である、その間の面積を含み、図14では、細長い不整形楕円によって表される。一般に、血液は、治療の際、害無く、照射されてもよいが、治療計画は、BTVが、PTVを治療するために十分な程度に全場所で放射されることを想定して、調製されてもよい。810では、空洞112(図15の軸方向スライスに示される)が、PTVをBTVから取り去ることによって計算される。空洞112は、血液と想定されるBTVの面積を表す。
【0056】
812では、PTVおよびBTVは、基準面のそれぞれに輪郭を生成するようにスキャン変換される。既存の放射線外科手術放射線ビーム計算モジュールを使用して、結果として生じる放射線輪郭分布を決定してもよい。放射線敏感構造の識別に対する既存の放射線外科手術計画アプローチが、実装されてもよい。そのような既存の計算モジュールへの入力は、従来のCTスライス等のスライスを介しての入力を要求し得る。したがって、そのような計算モジュールが使用される場合、CTスライスは、中実体積(図6)を生成するために利用され、計画は、中実体積(図8)上に形成され、次いで、各スライスにおける計画が、計算モジュールに逆提供され、輪郭を生成する。したがって、出力814は、元々のCTスライスのそれぞれに対する出力であってもよい。生成された輪郭114の実施例は、図16に示される。輪郭114の軸方向スライスの実施例は、図17に示される。
【0057】
代替として、焼灼線100は、心臓および/または呼吸器ゲート4DCTデータセットを使用して画定されてもよい。経時的に入手されたN(典型的には、N=10)体積のCTデータが存在すると仮定する。心臓-壁表面(例えば、表面52)が、各CT体積から構築され、Nのそのような表面をもたらすであろう。各表面を使用して、一式の焼灼線が、ユーザによって画定され、Nのそのような焼灼線をもたらすであろう。次いで、本時変焼灼線および時変CTデータは、治療計画を生成するために、治療計画局線治療計画化モジュール、例えば、MULTIPLANにインポートされるであろう。代替として、その体積が全個々の焼灼線からの体積を含むであろう、1つの焼灼線セットが、計画のために生成および使用可能である。
【0058】
ある実施形態によると、表面上の焼灼線の配置は、部分的または完全に、自動化されてもよい。可能性として考えられる焼灼線のテンプレートが、ユーザに提供されてもよく、次いで、ユーザは、表面上の適切な場所に、選択されたテンプレートをドラッグおよびドロップしてもよい。ユーザは、表面上の周囲を移動させることによって、焼灼線を局所的に修正してもよい。厚さはまた、変更されてもよい。
【0059】
輪郭114は、例えば、DICOM RTSS(放射線療法構造セット)ファイルとして保存されてもよい。それらが出力される計画ツールは、例えば、MULTIPLANであってもよい。ある実施形態では、MULTIPLANにおける最適化は、BTVを使用して行われる一方、評価は、PTVを使用して行われる。BTVの体積は、一般に、PTVより有意に大きい。BTVはまた、PTVより球形に位相的により近い形状であって、放射パターンによって形成される孔に位相的により近い。これらの理由から、BTVに基づく治療計画の実装が、好ましい。PTVに基づく計画の最適化は、焦点が、治療が所望される実際の面積上であるため、好ましい。
【0060】
別の実施形態では、基準面または斜面における2D輪郭としての焼灼線を計画化モジュールに伝送する代わりに、焼灼線は、3D形状として、計画化モジュールに伝送されてもよい。
【0061】
所望の病変パターンの入力とともに、図5の右側に図式的に例証されるように、計画化モジュールおよびユーザインターフェースは、好ましくは、予測された心臓表面病変54の形態として、好ましくは、心臓の表面に沿った実際の放射線曝露の予測を出力するであろう。予測された病変54は、随意に、既存の放射線外科手術治療計画ツールからの放射線ビームおよび放射線線量出力に基づいて、壊死閾値を上回る放射線線量を受容する、心臓組織表面52の部分を表してもよい。代替パターンは、不整脈を阻害するように、療法再モデル化のための放射線の十分な線量を受容するであろう、組織の予測を表してもよい。ユーザは、計画治療モジュール88への反復入力およびそこからの出力に基づいて、計画を相互作用的に開発してもよい。
【0062】
理想的には、線量分布図は、焼灼線に対応するはずである。本明細書の実施形態は、焼灼線に対応する線維性組織のリングとして治療を提供する、計画を作成することを目指す。
【0063】
図18は、ある実施形態による、生成された表面52に関して、線量分布図を評価する方法を表す、工程図である。1802では、線量分布図が、生成され、1804において、表面52にオーバレイされる。所望に応じて、焼灼線100は、1806において、表面52上に表示される。
【0064】
図19に示されるように、表面52に対して、焼灼線100および線量分布図120を表示することによって、線量分布図が医師によって意図される標的を網羅するかどうかの視覚的検査が可能となる。この目的を達成するために、1808では、医師は、線量分布図が標的を網羅するかどうかを視覚的に評価してもよい。図19から分かるように、少なくとも図面に示される図の場合、線量分布図120は、焼灼線100を完全に網羅する。表面の回転、パニング、または拡大、あるいはピッチおよび/またはヨーの調節が、線量範囲の完全検査のために要求されてもよい。
【0065】
線量分布図120は、例えば、特定の閾値を上回る全線量値、または代替として、最小値と最大値との間の範囲にある線量値を表してもよい。所望に応じて、図20に示されるように、各基準面の軸方向スライスが提供されてもよく、線量分布図120および焼灼線100が、その上に示される。本表現によって、医師は、各スライスを視認し、線量が標的を適切に網羅(例えば、囲繞)していることを保証可能となる。
【0066】
図21は、代替実施形態による、線量が十分であるかどうかの決定の方法を表す、工程図である。図21における方法は、表面52の線量分布図をクリッピングするステップを伴い、前述の視覚検査に加えて、またはその代わりに、使用されてもよく、線量分布図は、輪郭として以上に表される。2102では、容認可能線量値に対応する領域が、例えば、焼灼線100と異なる色として、表面52にクリッピングされる。線量値は、等線量方式で表されてもよく、異なる線量は、異なる方法、例えば、異なる色として、表示される。代替として、前述の実施形態におけるように、値を超えるまたは範囲内にある全線量が、表示されてもよい。
【0067】
線量値を表面にクリッピングすることによって、線量は、表面52上に湾曲表面パッチ124(図22)として表される。線量値が正確に選択される場合、線維症が、表面パッチ124上で生じるはずである。医師は、焼灼線100に関して、表面パッチ124を視覚的に評価し、十分な線量が提供されるかどうかを決定してもよい。例えば、表面パッチは、治療される組織内の収縮性通路を阻害するために十分な幅であるかどうかを決定するために評価されてもよい。
【0068】
加えて、2104において、焼灼線100を除去して、または除去せずに、医師は、表面パッチ124を評価し、表面パッチが、連続的ループを形成するかどうかを決定してもよい。ループにいくつかの破損が存在する場合、収縮性通路の阻害は、放射線外科手術治療によって提供され得ない。この目的を達成するために、2106では、医師は、連続的ループが形成されるように、表面パッチ124が表面52の周囲で接続されているかどうかを評価する。そうではない場合、ソフトウェアまたはユーザによる認識によって、エラーが、2108において発生され、医師に、新しい計画を構築させる、あるいはコンピュータシステム58に、エラーメッセ?ジを発生させる、または別の様式で処理させてもよい。ループが接続されている場合、医師は、2110において、治療を進めてもよい。
【0069】
図23は、表面52の周囲に完全なループ126が、表面パッチ124によって形成される、表面52を示す。医師および/またはコンピュータシステム58は、医師が、ループ126を完全に検査し得るように、表面52を回転および別様に操作してもよい。代替実施形態では、ソフトウェアは、ループ126にわたって調査し、ループが開始位置に戻り、繊維性領域が接続されていることを確実にすることを確認してもよい。本同一ソフトウェアまたは視覚検査を使用して、ループがループ126全体の周囲に十分な幅であるかどうかを決定してもよい。例えば、ソフトウェアは、表面52の周囲をクロールし、ループ126のピクセル幅を評価してもよい。ピクセル幅が、閾値を下回る場合、エラーが発生されてもよい。
【0070】
治療の際の可能性として考えられる不整合エラー(x、y、z平行移動、およびロール、ピッチ、ヨー、回転エラー)の任意の影響が、本システムによって評価されてもよい。表面またはCTデータセットは、PVOSにおける繊維性ループの連続に及ぼす任意の不整合の影響を理解するように、線量分布図に関連して平行移動および回転されてもよい。代替として、線量分布図は、表面またはCTデータセットに関連して、平行移動または回転されてもよい。
【0071】
図24は、表面52の周囲に全体的に延在していない、部分的ループ128を示す。本実施例では、医師またはソフトウェアは、新しい治療計画が調製されることを要求してもよく、または別様にエラーを発生させてもよい(例えば、2108において)。
【0072】
輪郭が承認された後、計画44は、完了し、実装されてもよい。心臓46の放射線外科手術治療は、例えば、患者を患者支持部24上に位置付け、患者をロボットアーム14と整合させ、線形加速器12からの計画された一連の放射線ビームを心臓の標的領域に指向することによって、開始されてもよい。
【0073】
他の変形例も、本発明の精神内にある。したがって、本発明は、種々の修正および代替構造を被り得るが、そのうちのある例証される実施形態が、図面に示され、詳細に前述されている。しかしながら、本発明を開示される具体的形態または複数の形態に限定することを意図するものではなく、対照的に、添付の請求項に定義されるように、発明の精神および範囲内にある全修正、代替構造、および均等物を網羅することを意図することを理解されたい。
【0074】
本発明を説明する文脈(特に、以下の請求項の文脈)における、用語「a」、「an」、および「the」ならびに類似参照の使用は、別様に本明細書に示されない限り、または文脈によってそれとは逆であることが明示的に示されない限り、単数形および複数形の両方を網羅するものと解釈されたい。用語「含む」、「有する」、「含む」、および「含有する」は、別様に注記されない限り、非制限用語として解釈されたい(すなわち、「それを含むが、それに限定されない」を意味する)。用語「接続される」は、介在するものが存在する場合でも、部分的または全体的にその中に含有される、それに取着される、またはともに結合されるものとして解釈されたい。本明細書の値の範囲の列挙は、別様に本明細書に示されない限り、単に、範囲内にある各別個の値を個々に参照する簡略方法としての役割を果たすものとして意図され、各別個の値は、本明細書に個々に列挙されるように、明細書に組み込まれる。本明細書に説明される全方法は、別様に本明細書に示されない限り、または別様に文脈によってその逆であることが示されない限り、任意の好適な順序で行うことが可能である。本明細書に提供される、あらゆる実施例または例示的用語(例えば、「等」)の使用は、単に、本発明の実施形態の理解をより容易にすることを意図し、別様に請求されない限り、発明の範囲に制限を課すものではない。明細書中のいかなる用語も、本発明の実践に不可欠として、いかなる請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0075】
本発明を実行するために、発明者らに周知の最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が、本明細書に説明される。それらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を熟読することによって、当業者に明白となるであろう。発明者らは、当業者が、必要に応じて、そのような変形例を採用することを予期し、かつ発明者らは、本発明が、具体的に本明細書に説明されるものと別様に実践されることを意図する。故に、本発明は、適用法によって許可されるように、本明細書に添付の請求項に列挙される主題の全修正および均等物を含む。さらに、別様に本明細書に示されない限り、または別様に文脈によってそれとは逆であることが示されない限り、その可能性として考えられる全変形例における、前述の要素の任意の組み合わせは、本発明によって包含される。
【0076】
本明細書に引用される、刊行物、特許出願、および特許を含む、全参考文献は、各参考文献が個々に、かつ具体的に、参照することによって組み込まれるように示され、本明細書に全体として記載される場合と同程度に、参照することによって、本明細書に組み込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓を有する患者の身体を治療するための放射線外科手術方法であって、
該心臓は、非腫瘍性疾患を有し、該方法は、
3次元画像データを該心臓から入手することと、
該画像データを利用して、該心臓の組織表面の3次元モデルを生成することと、
該疾患を緩和するために、所望の電離放射線治療病変パターンの該表面モデルに関するユーザ入力を受信することと、
該所望の病変パターンに基づいて、該3次元画像データに対して計画された病変パターンに関する情報を出力することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記3次元モデルを生成することは、前記心臓の血液と組織との間の境界に基づいて、該心臓のモデルを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記境界は、前記心臓組織の内側表面を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記心臓からの3次元画像データは、2次元データの複数のスライスを含み、前記3次元モデルを生成することは、該2次元データの各スライスにおける前記血液と前記心臓組織との間の境界の区分に基づいて、該心臓のモデルを生成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記3次元モデルは区分をともに積層または組み立てることによって、かつ該区分間の表面を延在させることによって、形成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
出力することは、前記病変パターンを前記2次元データの複数のスライスのそれぞれに投影することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記心臓からの3次元画像データは、2次元データの複数のスライスを含み、出力することは、前記病変パターンを該2次元データの複数のスライスのそれぞれに投影することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ入力に基づいて、病変の3次元体積を生成することと、該3次元体積に基づいて、前記情報を生成することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を、収縮性通路を阻害するために十分な幅に拡張することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を前記心臓の組織を貫壁性に貫通するために十分な奥行に拡張することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を前記治療が生じる着目組織の面積を網羅するように拡張することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記情報に基づいて、電離放射線治療計画を生成することと、該治療計画に基づいて、線量分布図をソリッドモデルに投影することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記病変パターンに関するユーザ入力を前記モデルの表面にスナッピングすることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザ入力に関して、前記線量パターンを評価し、十分な治療を決定することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
評価することは、表面の周囲の線量パターンを調査し、ループが、前記表面の周囲に包囲周縁を形成することを確認することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
調査することは、閾値に関して、前記ループの厚さを評価することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
心臓を有する患者の身体を治療するための放射線外科手術方法であって、
該心臓は、非腫瘍性疾患を有し、
該方法は、
3次元画像データを該心臓から入手することと、
該画像データを利用して、該心臓の組織表面の3次元モデルを生成することと、
該疾患を緩和するために、所望の電離放射線治療病変パターンの該表面モデルに関するユーザ入力を受信することと、
該所望の病変パターンに基づいて、電離放射線治療計画を生成し、該所望の治療計画に基づいて、該画像データに対する線量分布図を投影することと
を含む、方法。
【請求項18】
前記病変パターンの前記ユーザ入力を前記モデルの表面にスナッピングすることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ユーザ入力に関して、前記線量パターンを評価し、十分な治療を決定することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
評価することは、前記表面の周囲の線量パターンを調査し、ループが、前記表面の周囲に完全な円を形成することを確認する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
調査することは、閾値に関して、前記ループの厚さを評価することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
心臓を有する患者の身体を治療するための放射線外科手術システムであって、
該心臓は、非腫瘍性疾患を有し、
3次元計画画像データを該心臓から入手するための画像捕捉デバイスと、
該画像データに基づいて、該心臓の表面モデルを生成するために、該画像データに連結される、モデル化モジュールと、該表面モデル上の該心臓の標的領域を識別するための入力と、を含む、プロセッサシステムであって、該入力を該モデル化モジュールに連結し、したがって、該表面モデルに関する該入力に応答して、該画像データ上に病変パターンを生成する、プロセッサシステムと
を含む、システム。
【請求項23】
前記モデル化モジュールは、前記心臓の血液と組織との間の境界に基づいて、該心臓の3次元モデルを生成するように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記境界は、前記心臓組織の内側表面を含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記心臓からの前記3次元計画画像データは、2次元データの複数のスライスを含み、前記モデル化モジュールは、該2次元データの各スライスにおける前記血液と前記心臓組織との間の境界の区分に基づいて、前記3次元の心臓モデルを生成するように構成される、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記モデル化モジュールは、前記区分を一緒に積層または組み立てることによって、かつ該区分間の表面を延在させることによって、前記3次元前記心臓のモデルを生成するように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記処理システムは、生成することが、前記病変パターンを前記2次元データの複数のスライスのそれぞれに投影することを含むように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記心臓からの3次元画像データは、2次元データの複数のスライスを含み、前記処理システムは、生成することが、前記病変パターンを該2次元データの複数のスライスのそれぞれに投影することを含むように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記処理システムは、前記入力に基づいて、病変の3次元体積を生成するように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を、収縮性通路を阻害するために十分な幅に拡張することを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を前記心臓の組織を貫壁性に貫通するために十分な奥行に拡張することを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を前記治療が生じる着目組織の面積を網羅するように拡張することを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項33】
心臓を有する患者の身体を治療するための放射線外科手術システムであって、
該心臓は、非腫瘍性疾患を有し、
3次元計画画像データを該心臓から入手するための画像捕捉デバイスと、
該身体外から電離放射線の複数のビームを伝送するための放射線源と、
該心臓の標的領域を識別するための入力を有する、計画化モジュールであって、該標的領域および該計画画像データに応答して、該放射線ビームの計画を生成し、該計画に基づいて、線量分布図を投影する、計画化モジュールと、該画像データに基づいて、該心臓の表面モデルを生成するために、該画像データに連結される、モデル化モジュールと、を含む、プロセッサシステムであって、該計画化モジュールを該モデル化モジュールに連結し、該線量分布図を該表面モデル上に投影する、プロセッサシステムと
を含む、システム。
【請求項34】
前記プロセッサシステムは、前記病変パターンの前記ユーザ入力を前記モデルの表面にスナッピングするように構成される、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記プロセッサシステムは、前記ユーザ入力に関して、前記線量パターンを評価し、十分な治療を決定するように構成される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
評価することは、前記表面の周囲の線量パターンを調査し、前記ループが、前記表面の周囲に完全円を形成することを確認することを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
調査することは、閾値に関して、前記ループの厚さを評価することを含む、請求項36に記載の装置。
【請求項1】
心臓を有する患者の身体を治療するための放射線外科手術方法であって、
該心臓は、非腫瘍性疾患を有し、該方法は、
3次元画像データを該心臓から入手することと、
該画像データを利用して、該心臓の組織表面の3次元モデルを生成することと、
該疾患を緩和するために、所望の電離放射線治療病変パターンの該表面モデルに関するユーザ入力を受信することと、
該所望の病変パターンに基づいて、該3次元画像データに対して計画された病変パターンに関する情報を出力することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記3次元モデルを生成することは、前記心臓の血液と組織との間の境界に基づいて、該心臓のモデルを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記境界は、前記心臓組織の内側表面を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記心臓からの3次元画像データは、2次元データの複数のスライスを含み、前記3次元モデルを生成することは、該2次元データの各スライスにおける前記血液と前記心臓組織との間の境界の区分に基づいて、該心臓のモデルを生成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記3次元モデルは区分をともに積層または組み立てることによって、かつ該区分間の表面を延在させることによって、形成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
出力することは、前記病変パターンを前記2次元データの複数のスライスのそれぞれに投影することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記心臓からの3次元画像データは、2次元データの複数のスライスを含み、出力することは、前記病変パターンを該2次元データの複数のスライスのそれぞれに投影することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ入力に基づいて、病変の3次元体積を生成することと、該3次元体積に基づいて、前記情報を生成することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を、収縮性通路を阻害するために十分な幅に拡張することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を前記心臓の組織を貫壁性に貫通するために十分な奥行に拡張することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を前記治療が生じる着目組織の面積を網羅するように拡張することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記情報に基づいて、電離放射線治療計画を生成することと、該治療計画に基づいて、線量分布図をソリッドモデルに投影することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記病変パターンに関するユーザ入力を前記モデルの表面にスナッピングすることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザ入力に関して、前記線量パターンを評価し、十分な治療を決定することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
評価することは、表面の周囲の線量パターンを調査し、ループが、前記表面の周囲に包囲周縁を形成することを確認することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
調査することは、閾値に関して、前記ループの厚さを評価することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
心臓を有する患者の身体を治療するための放射線外科手術方法であって、
該心臓は、非腫瘍性疾患を有し、
該方法は、
3次元画像データを該心臓から入手することと、
該画像データを利用して、該心臓の組織表面の3次元モデルを生成することと、
該疾患を緩和するために、所望の電離放射線治療病変パターンの該表面モデルに関するユーザ入力を受信することと、
該所望の病変パターンに基づいて、電離放射線治療計画を生成し、該所望の治療計画に基づいて、該画像データに対する線量分布図を投影することと
を含む、方法。
【請求項18】
前記病変パターンの前記ユーザ入力を前記モデルの表面にスナッピングすることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ユーザ入力に関して、前記線量パターンを評価し、十分な治療を決定することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
評価することは、前記表面の周囲の線量パターンを調査し、ループが、前記表面の周囲に完全な円を形成することを確認する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
調査することは、閾値に関して、前記ループの厚さを評価することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
心臓を有する患者の身体を治療するための放射線外科手術システムであって、
該心臓は、非腫瘍性疾患を有し、
3次元計画画像データを該心臓から入手するための画像捕捉デバイスと、
該画像データに基づいて、該心臓の表面モデルを生成するために、該画像データに連結される、モデル化モジュールと、該表面モデル上の該心臓の標的領域を識別するための入力と、を含む、プロセッサシステムであって、該入力を該モデル化モジュールに連結し、したがって、該表面モデルに関する該入力に応答して、該画像データ上に病変パターンを生成する、プロセッサシステムと
を含む、システム。
【請求項23】
前記モデル化モジュールは、前記心臓の血液と組織との間の境界に基づいて、該心臓の3次元モデルを生成するように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記境界は、前記心臓組織の内側表面を含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記心臓からの前記3次元計画画像データは、2次元データの複数のスライスを含み、前記モデル化モジュールは、該2次元データの各スライスにおける前記血液と前記心臓組織との間の境界の区分に基づいて、前記3次元の心臓モデルを生成するように構成される、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記モデル化モジュールは、前記区分を一緒に積層または組み立てることによって、かつ該区分間の表面を延在させることによって、前記3次元前記心臓のモデルを生成するように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記処理システムは、生成することが、前記病変パターンを前記2次元データの複数のスライスのそれぞれに投影することを含むように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記心臓からの3次元画像データは、2次元データの複数のスライスを含み、前記処理システムは、生成することが、前記病変パターンを該2次元データの複数のスライスのそれぞれに投影することを含むように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記処理システムは、前記入力に基づいて、病変の3次元体積を生成するように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を、収縮性通路を阻害するために十分な幅に拡張することを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を前記心臓の組織を貫壁性に貫通するために十分な奥行に拡張することを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記体積を生成することは、前記ユーザ入力を前記治療が生じる着目組織の面積を網羅するように拡張することを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項33】
心臓を有する患者の身体を治療するための放射線外科手術システムであって、
該心臓は、非腫瘍性疾患を有し、
3次元計画画像データを該心臓から入手するための画像捕捉デバイスと、
該身体外から電離放射線の複数のビームを伝送するための放射線源と、
該心臓の標的領域を識別するための入力を有する、計画化モジュールであって、該標的領域および該計画画像データに応答して、該放射線ビームの計画を生成し、該計画に基づいて、線量分布図を投影する、計画化モジュールと、該画像データに基づいて、該心臓の表面モデルを生成するために、該画像データに連結される、モデル化モジュールと、を含む、プロセッサシステムであって、該計画化モジュールを該モデル化モジュールに連結し、該線量分布図を該表面モデル上に投影する、プロセッサシステムと
を含む、システム。
【請求項34】
前記プロセッサシステムは、前記病変パターンの前記ユーザ入力を前記モデルの表面にスナッピングするように構成される、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記プロセッサシステムは、前記ユーザ入力に関して、前記線量パターンを評価し、十分な治療を決定するように構成される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
評価することは、前記表面の周囲の線量パターンを調査し、前記ループが、前記表面の周囲に完全円を形成することを確認することを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
調査することは、閾値に関して、前記ループの厚さを評価することを含む、請求項36に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2012−533365(P2012−533365A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520835(P2012−520835)
【出願日】平成22年7月19日(2010.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/042439
【国際公開番号】WO2011/009121
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(512011336)サイバーハート, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月19日(2010.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/042439
【国際公開番号】WO2011/009121
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(512011336)サイバーハート, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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