説明

組織試料ハンドリング装置

【課題】効率よく、確実にかつ穏やかに、試料を保持すると共に再解離することができる組織試料ハンドリング装置を提供する。
【解決手段】パラフィン等の包埋媒体の浸潤後に組織学試料を保持する組織試料取扱装置であり、試料は負圧によって組織試料ハンドリング装置に、特に試料保持位置に、固定的に保持可能である。
【効果】液体、特にパラフィン等の包埋媒体、で浸されている試料であっても確実にかつ穏やかに、さらにはダメージを負うことなく、保持し、再載置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2011年4月20日出願に係るドイツ特許出願第10 2011 002 194.9号の優先権(パリ条約による)を主張し、その全記載事項は、引用をもって本書に繰込み記載されているものとする。
本発明は、組織試料ハンドリング装置に関し、特に、例えばパラフィン等の包埋媒体を浸潤(ないし浸透)させた後の組織学試料を保持する組織試料ハンドリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組織学試料を用いて作業するとき、特に、後のミクロトーム工程のために包埋工程の組織学試料を準備するときに、−特に、研究室の異なる位置の間において及び/又は異なる装置間において通常発生する個々の工程間で−、試料を保持し、それを再度正確にかつそっと載置する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE 43 33 118 A1
【特許文献2】DE 20 2009 017 U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記場合の問題点の1つは、試料が通常液体、特に(パラフィン等の)室温で固体化する液体で、浸漬されているか、又は少なくともぬらされていることである;これが機械的な保持具、例えばピンセット、を用いて移動することを非常に困難にしている。さらに、試料にダメージが生ずることもある。
【0005】
例えば、後述する多数の工程中又は工程間において、試料を保持し、再度試料を載置する必要がある:組織学試料を調整する場合、通常、試料はまず種々の薬剤によって固定される。試料の天然の空洞に元々存在する組織液は、複数の工程において、例えばホルマリン等の固定液によって置換される。固定化された試料をミクロトームによって薄片化可能な状態にするために、固定液は、例えばパラフィン、ゼラチン、寒天、ニトロセルロース、ポリエステルワックス、ポリエチレングリコール又は樹脂等の包埋媒体で置換される。後述の工程において、薬剤を試料の周りに流し込むことができるように、試料は通常複数のふるい状開口を有するカセットに配置される。このような特別な形態のカセットは、例えば特許文献1で公知となっている。試料内に例えばパラフィン等の包埋媒体を浸潤させた後に、過剰の包埋媒体が排出される。試料はカセットから取り出される。しかしながら、この工程後、試料はカセット内のどこかには存在しているが、例えば試料に付着しているパラフィン残渣によって、試料は通常カセットカバー、カセットの空洞、及び/又は互いに付着している。互いに付着した試料の塊がカセット内で形成されることもある。この場合、個々の試料を確実に、やさしく保持することは困難である。
【0006】
さらなる試料処理の前に、特に自動機械制御処理の前に、例えば試料をパラフィンブロックに封じるさらなる工程(「ブロッキング」という)の前に、(単数/複数の)試料は分離した状態で存在しなければならない。分離及び単離は、例えばピンセットを使用して実施することができる;しかし、その際、試料がダメージを受けるおそれがあると共に、使用不可になるおそれすらある。特に、後の試料の組織断面の分析において人為的結果(アーチファクト)をもたらす変化を無意識のうちに試料に与えるおそれがある。
【0007】
特許文献2は、固定剤を使用して標本を固定する保持装置を開示する。この保持装置は、加熱冷却可能なプローブを有する。プローブを加熱冷却し、プローブの温度をある範囲に調節する温度調節ユニットを備え、固定剤は、この範囲において、アグリゲーション状態(aggregate state)において固体から液体への変化を示す。組織学試料に付着したパラフィンは、硬化(冷却)状態において、保持された試料をプローブに付着させる接着媒体として使用される。続いて、試料は、プローブを加熱して、パラフィンを再融解させることによってプローブから再び解離させることができる。実際上は、融解したパラフィンは(低下しているとはいえ)プローブとパラフィン間でまだ接着効果を発揮するので、この保持装置は取り扱いが難しい。これにより、特に、自動システムにおいてこの保持装置の使用が不利に妨げられている。
【0008】
本発明の目的は、かくて、効率よく、確実にかつ穏やかに、試料を保持すると共に再解離することができる組織試料ハンドリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、本発明の一視点により、負圧によって試料がハンドリング装置に、特に試料保持位置に、固定的に保持される組織試料ハンドリング装置によって達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、液体、特にパラフィン等の包埋媒体、で浸されている試料であっても確実にかつ穏やかに、さらにはダメージを負うことなく、保持し、再載置することができることに特別な利点がある。本発明によれば、有利にも、保持及び載置操作は正確にかつ信頼度高く機能する。特に例えば自動ブロッキング等の自動試料処理工程の場合の試料の自動取り扱いが本発明の組織試料ハンドリング装置で可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の組織試料ハンドリング装置の概略図。
【図2】負圧制御システム及び分離装置を有する本発明の別の組織試料ハンドリング装置。
【図3】本発明の自動制御される組織試料ハンドリング装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の有利な形態は、従属請求項に記載のとおりであり、ここにその引用をもって明記する。なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら理解を助けるためであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。有利な一形態において、負圧を調節する調節装置が設けられる。例えば、本発明によれば、試料をハンドリング装置に、特に試料保持位置に、固定する機能として、負圧を好ましくは自動的に調節することができる。特に、本発明によれば、試料が吸引され、ハンドリング装置に固定されるときに、試料に作用する力を低下させ、好ましくはハンドリング装置、例えば吸引ノズル、に試料を保持するために必要とされる程度に当該力を制限するために、負圧を好ましくは自動的に低下させる調節が行われる。
【0013】
代替的に又は付加的に、例えば試料を安全にかつ確実に吸引するために、試料がハンドリング装置に固定されない場合に、より大きな負圧(低圧)が提供されると好ましい。負圧の低下(吸引力の低下)は、吸引後、好ましくは再度自動的に、行うことができる。
【0014】
特に自動試料処理のために、本発明の組織試料ハンドリング装置の特に有利な形態において、試料をハンドリング装置に、特に試料保持位置に、固定するかどうかを決定するセンサ装置が設けられる。例えば、センサ装置は、吸引開口に接続されたチャンバ又は導管における現在の各圧力を測定する圧力センサを備えてもよい。この形態においては、固定された試料が吸引開口を全体的に又は部分的にふさいだときにチャンバ又は導管の圧力が急速に低下するという事実に基づいて測定される。
【0015】
本発明によれば、圧力センサは、原則として、試料による吸引開口の全体的又は部分的閉塞が圧力変化をもたらすすべてのチャンバ又は導管(のいずれか)に配置することができる。
【0016】
本発明の組織試料ハンドリング装置は、好ましくは、少なくとも1つの吸引ノズルを備える。特に、吸引ノズルの開口の位置を試料保持位置とすることができる。吸引開口の寸法に関して、吸引ノズルは、好ましくは、固定される試料のサイズに調節される。試料に作用する力を最大可能接触面積に分散するために、吸引ノズルが試料に対して最大可能接触面積を提供すると特に好ましい。
【0017】
一方、試料が固定されずに吸い込まれてしまうような大きさの吸引ノズルの開口は選択されるべきではない。しかしながら、安全のために、本発明によれば、例えば収集ふるいを有する収集装置を、例えば組織試料ハンドリング装置の内部に設けてもよい。
【0018】
有利な形態において、吸引ノズルは交換可能とされる。異なる吸引ノズル、特に異なる開口径を有する吸引ノズルが着脱可能とされ、及び/又は異なる吸引ノズル、特に異なる開口径を有する吸引ノズル用の収容装置、特にターレット又はマガジン、を備える組織試料ハンドリング装置の形態が特に有利であり、特に各利用状況に応じて迅速に適応させることができる。例えば、それぞれ要求される吸引ノズルを、吸引ノズルターレットを回転することによって、顕微鏡の対物レンズのように、動作位置に誘導することができる。
【0019】
本発明の組織試料ハンドリング装置の有利な形態は、特に吸引ノズルを通じて吸引されたガス流から、特に空気流から、液体及び/又は固体、特に液状パラフィンを分離する分離装置を備える。
【0020】
分離装置は、特に、吸引ガス流で吸引された液体を吸引チャンバにおいて凝縮するように組み込み配置された分離チャンバを備えてもよい。分離チャンバにおいて、例えば、吸引されたパラフィンミストからパラフィンを分離することができる。
【0021】
特に効率よく凝縮工程を促進する形態において、分離チャンバは、ガス流の流速が分離チャンバへの入り口において及び/又は分離チャンバを通る流れにおいて減速するように組み込み配置される。これは、例えば、通過断面を広くすることによって実施することができる。代替的又は付加的に、衝撃パネル等の衝撃要素、及び/又は偏向バッフル、及び/又は迷路をガス流に設けてもよい。
【0022】
分離チャンバを空にするために、ガス流で吸引された液体、例えば液状パラフィン、及び/又はガス流で吸引された固体を、ガス流の流れ方向を逆にする(ガス流を逆流させる)ことによって及び/又は正圧によって、吹き出させることができると好ましい。これは、例えば、分離チャンバに負圧ではなく、正圧が印加されることによって、特に圧縮空気導管から正圧を導入することによって実施することができる。代替的に又は付加的に、ガス流を逆流させることによって、ガス流で吸引された液体及び/又はガス流で吸引された固体を負圧によって取り除いてもよい。このため、負圧導管を一時的に吸引ノズルに取り付け(連通させ)てもよい。
【0023】
本発明の他の形態は、メンテナンス及び洗浄時間を非常に短くするために、交換可能な分離チャンバを備える。分離チャンバは、特に、使い捨て容器及び/又は1回使用容器として実施すると好ましい。
【0024】
他の形態において、分離装置は、遠心分離機を備えてもよい。
【0025】
特に有利な形態において、組織試料ハンドリング装置の少なくとも一部を加熱する少なくとも1つの加熱装置が設けられる。これにより、ガス流で吸引された液体が、意図的にではなく及び/又は凝固した液体、例えば凝固パラフィン、が機能損傷を引き起こす位置で、凝固することを確実に防止することができる。
【0026】
特に、1つの吸引ノズル又は複数の吸引ノズルを加熱する少なくとも1つの加熱装置を設けると好ましい。また、導管、特に筒状導管を加熱する少なくとも1つの加熱装置を設けてもよい。
【0027】
本発明の組織試料ハンドリング装置は、保持された試料を所定の又は予め設定可能な載置位置に(特に、自動的に)移動するような形態でもよい。この場合、組織試料ハンドリング装置は、例えば、移動装置、(3次元方向)XYZ操作機、又は例えば取り上げ位置と載置位置間の空間において少なくとも吸引ノズルを移動可能なロボットアームを備えてもよい。
【0028】
本発明の組織試料ハンドリング装置は、取り上げられるべき対象試料及び/又は載置される試料の載置位置を、好ましくは自動的に、検知する画像処理装置を備えてもよい。特に、画像処理システムによって確認された情報に基づいて、試料保持位置の及び/もしくは吸引ノズルの位置及び/もしくは移動距離、及び/又は負圧さらには他のパラメータを開ループ及び/又は閉ループで制御する開ループ及び/又は閉ループ制御装置をさらに設けてもよい。
【0029】
上述のように、本発明の組織試料ハンドリング装置は、自動ハンドリング機械又は自動試料準備機械の一部であると好ましい。
【0030】
本発明のさらなる目的、利点、特徴、及び応用は、図面を参照する以下の実施例の説明から明らかである。説明された及び/又は図示描写されたすべての特徴は、独立して又は有用な組み合わせにおいて、特許請求の範囲におけるグループ分け又は内部参照とは関係なく、本発明の内容を構成する。以下の説明及び特許請求の範囲において、図面参照符号は発明の理解のために付記しているものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0031】
図1は、組織学試料2を保持すると共に再載置する本発明の組織試料ハンドリング装置1の一実施例を概略的に示す。
【0032】
組織試料ハンドリング装置1は、吸引開口4が試料保持位置5とされた吸引ノズル3を備える。試料2は、負圧によって試料保持位置5に固定的に保持されることができる。
【0033】
吸引ノズル3は、分離装置19に、すなわち分離チャンバ7に、加熱可能な吸引管(ないしダクト)6を介して接続されている。吸引管6は加熱装置8を備える。具体的には、吸引管6は、吸引管6周りに巻きつけられた加熱ストリップ(帯状加熱部材)を有する。これにより、ガス流で吸引されたパラフィン等の液体が吸引管6内で硬化すること及び吸引管6を詰まらせることを防止することができる。
【0034】
分離チャンバ7は、導管10用のコネクタ9を備え、これにより分離チャンバ7内、吸引管6内、及び吸引ノズル3内に負圧が発生する。負圧が存在する限り、試料保持位置5に位置する試料は外気圧によって吸引ノズル3の先端に対し位置不動に保持(即ち吸引保持 immobilized)される。試料は、負圧をなくすことによってノズル端から解放(離脱)される。負圧は負圧源(図示外)から導管10を介して導入される。
【0035】
分離チャンバ7、吸引管6及び吸引ノズル3には、導管10を介して、負圧のみではなく(計測された)正圧を導入することができる。この目的は、例えば、分離チャンバ7にて収集されたバラフィンを吹き飛ばす(パージする)こと、又は例えばパラフィンの付着効果のために吸引ノズルに強固に付着している試料を吸引ノズルから解離させることである。
【0036】
図2は、基本的機能に関して図1で示した組織試料ハンドリング装置のように動作する本発明の別の組織試料ハンドリング装置1の一実施例を示す。分離チャンバ7内の負圧の機能として導管10内の負圧を制御する開ループ及び閉ループ制御装置が付加的に設けられている。分離チャンバ7内の負圧は、測定信号を開ループ及び閉ループ制御装置11に送る圧力センサ12を用いて測定される。圧力センサ12は、図示の例では、分離チャンバ7の底部に、特に吸引管6との接続口の近傍に配される。圧力センサ12は、分離チャンバ、吸引ノズルを含む負圧系の圧力を測定しやすい位置に配される。
【0037】
分離チャンバ7の圧力は、吸引開口4が、固定された試料2によって全体的に又は部分的に閉塞されたとき急激に低下するので、開ループ及び閉ループ制御装置11は、試料が試料保持位置5に固定されているかどうかを圧力センサ12を用いて確かめることができる。
【0038】
試料2の適切な処理に関して、開ループ及び閉ループ制御装置11は、試料2が試料保持位置5に保持されたとき、導管10内の負圧を低下(吸引力を低下)させることによって、試料に作用する力を弱め、試料2の吸引ノズル3からの離脱を行うことができる。
【0039】
開ループ及び閉ループ制御装置11によって制御される弁13が、このために導管10に設けられる。
【0040】
図3は、試料2を自律的かつ自動的に例えばカセット14から吸引保持して取り上げると共に、再度他の位置、例えば包埋型15に載置する本発明の自動操作組織試料ハンドリング装置1を示す。
【0041】
組織試料ハンドリング装置1は、中央制御システム17による制御の下で、分離チャンバ7と共に少なくとも吸引ノズルを自由に空間内を移動させることができるXYZ操作機16を備える。
【0042】
中央制御システム17は、(元の位置から)取り上げるべき対象たる試料2及び(移動の後)載置する試料2の各載置位置を自動的に検知する画像処理システム18からXYZ操作機16へ伝送される情報の機能としてXYZ操作機16を制御する。なお、XYZ3次元方向の操作・移動可能なことは、X、Y、Z方向を示す矢印によって、概念的に示す。
【0043】
本発明は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0044】
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【符号の説明】
【0045】
1 組織試料ハンドリング装置
2 試料
3 吸引ノズル
4 吸引開口
5 試料保持位置
6 吸引管(ダクト)
7 分離チャンバ
8 加熱装置
9 コネクタ
10 導管
11 開ループ及び閉ループ制御装置
12 圧力センサ
13 弁
14 カセット
15 包埋型
16 XYZ操作機(移動装置)
17 中央制御システム
18 画像処理システム
19 分離装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包埋媒体の浸潤後に組織学試料を保持する組織試料ハンドリング装置であって、
試料は負圧によって前記組織試料ハンドリング装置に、固定的に保持されることを特徴とする組織試料ハンドリング装置。
【請求項2】
前記負圧を調節する調節装置(11)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項3】
試料が前記組織試料ハンドリング装置に、固定的に保持されているかどうかを確認するセンサ装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項4】
前記センサ装置は、圧力センサ(12)を備え;及び/又は
前記センサ装置は、前記組織試料ハンドリング装置のチャンバ又は導管内の圧力を測定することを特徴とする請求項3に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項5】
前記組織試料ハンドリング装置は少なくとも1つの吸引ノズル(3)を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項6】
前記吸引ノズル(3)が交換可能であり;及び/又は
異なる吸引ノズル(3)が着脱可能であり;及び/又は
前記組織試料ハンドリング装置は異なる吸引ノズル(3)用の収容装置を備えることを特徴とする請求項5に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項7】
ガス流から液体及び/又は固体を分離する分離装置(19)が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項8】
a.前記分離装置(19)は、吸引ガス流で吸引された液体を分離チャンバ(7)内で凝縮させるように組み込み配置された分離チャンバ(7)を備え;及び/又は
b.前記分離装置(19)は、ガス流の風速が分離チャンバ(7)の入り口及び/又は分離チャンバ(7)を通る流れにおいて減少するように取り込み配置された分離チャンバ(7)を備え;及び/又は
c.前記分離装置(19)は、交換可能な分離チャンバ(7)を備え;及び/又は
d.前記分離装置(19)は、使い捨ての容器及び/又は1回使用の容器として構成されている分離チャンバ(7)を備えることを特徴とする請求項7に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項9】
ガス流で吸引された液体及び/又はガス流で吸引された固体が、ガス流を逆方向とすること及び/又は正圧によって、前記組織試料ハンドリング装置から取り除かれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項10】
前記組織試料ハンドリング装置の少なくとも一部を加熱する少なくとも1つの加熱装置(8)が設けられ;及び/又は
1つの吸引ノズル(3)又は複数の吸引ノズル(3)を加熱する少なくとも1つの加熱装置(8)が設けられ;及び/又は
導管を加熱する少なくとも1つの加熱装置(8)が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項11】
前記組織試料ハンドリング装置は、保持した試料を所定のもしくは予め設定可能な載置位置に移動させるように構成され;及び/又は
前記組織試料ハンドリング装置は、移動装置を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項12】
前記組織試料ハンドリング装置は、取り上げる対象たる試料、及び/又は載置する試料の載置位置を検知する画像処理システム(18)を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項13】
前記組織試料ハンドリング装置は、画像処理システム(18)によって確認された情報に基づいて、試料保持位置(5)の及び/もしくは吸引ノズル(3)の位置及び/もしくは移動距離、及び/又は負圧さらには他のパラメータを、開ループ及び/又は閉ループで制御する開ループ及び/又は閉ループ制御装置を備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の組織試料ハンドリング装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の組織試料ハンドリング装置を有する自動ハンドリング機械ないし自動試料準備機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−225919(P2012−225919A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−95452(P2012−95452)
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【出願人】(500113648)ライカ ビオズュステムス ヌスロッホ ゲーエムベーハー (45)
【Fターム(参考)】