説明

経口投与に好適なGC−C受容体アゴニストポリペプチドの安定な固体製剤

経口投与に好適なリナクロチドの固体の安定な製剤およびそのような製剤を調製するための方法を、本明細書で記載する。本明細書で記載される製剤は、アミノ酸配列Cys Cys Glu Tyr Cys Cys Asn Pro Ala Cys Thr Gly Cys Tyrからなるポリペプチド(「リナクロチド」)またはその薬学的に許容される塩を含む。本明細書で記載されるリナクロチド製剤は安定で、薬物を製造、貯蔵および分配するのに十分な有効期間を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は経口投与に適したグアニル酸シクラーゼ−C受容体アゴニストポリペプチドの固体製剤およびそのような製剤を調製するための方法に関する。
【0002】
優先権の主張
本出願は2008年8月15日に出願された米国特許出願第61/089,422号、および2009年8月3日に出願された、“Stable Solid Formulation of a GC−C Receptor Agonist Polypeptide Suitable for Oral Administration”という題目の米国特許仮出願に対し優先権を主張する。上記の出願の内容の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
多くの治療用ポリペプチドが水溶液形態で製剤化されているが、これはそれらがこの形態で最も活性であるからである。しかしながら、ほとんどのポリペプチドは水溶液中で特に安定というわけではなく、そのため、製剤はしばしば半減期が短く、冷蔵を必要とする。ポリペプチドの水溶液は凍結乾燥、噴霧乾燥または他の方法により乾燥させることができるが、そのような乾燥製剤もまた、不安定であり、ポリペプチドの水溶液に比べ活性が低い可能性がある。水溶液および乾燥製剤の両方において起こる典型的な分解機序は、凝集および酸化分解または加水分解を含む。このように、治療用ポリペプチドの多くが、水溶液であるか、乾燥されたかに関係なく、安全性が制限されているために、冷蔵条件下で貯蔵される。
【0004】
リナクロチドは、グアニル酸シクラーゼ−C(GC−C)受容体を活性化するアミノ酸配列Cys Cys Glu Tyr Cys Cys Asn Pro Ala Cys Thr Gly Cys Tyrを有するペプチドである。リナクロチドは、経口で投与してもよく、過敏性腸症候群(IBS)および慢性便秘(CC)を含む胃腸障害または病状の治療に有用である。リナクロチドを含む製剤は、時間に伴う分解を避けるために冷蔵する必要がある。しかしながら、冷蔵は薬物の商品流通および患者による貯蔵の両方に対し不便である。このため、室温で少なくとも12ヶ月安定な固体リナクロチド製剤が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
経口投与に好適な、固体のリナクロチドの安定した製剤およびそのような製剤を調製するための方法を、本明細書で記載する。本明細書で記載される製剤は、アミノ酸配列Cys Cys Glu Tyr Cys Cys Asn Pro Ala Cys Thr Gly Cys Tyrからなるポリペプチド(「リナクロチド」)またはその薬学的に許容される塩を含有する。
【0006】
本明細書で記載されるリナクロチド製剤は、安定で、薬物を製造、貯蔵および分配するのに十分な有効期間を有する。例えば、本明細書で記載される製剤は、室温貯蔵条件(例えば、25℃/60%相対湿度(RH))で少なくとも12ヶ月の有効期間を有すると予測される。さらなる実施形態では、本明細書で記載される製剤は、室温貯蔵条件(例えば、25℃/60%RH)で少なくとも18ヶ月または少なくとも24ヶ月の有効期間を有すると予測される。
【0007】
いくつかの実施形態では、リナクロチド参照標準に対し高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により決定される重量/重量に基づくアッセイ法で評価すると、パッケージ試料を加速条件(40℃/75%RH)で貯蔵した場合、3ヶ月後に、組成物中のリナクロチドの元の量の95%以上が残っている製剤が記載されている。さらなる実施形態では、パッケージ試料を加速条件(40℃/75%RH)で貯蔵した場合、少なくとも6ヶ月後に、組成物中のリナクロチドの元の量の90%以上が残っている。他の実施形態では、パッケージ試料を加速条件(40℃/75%RH)で貯蔵した場合、少なくとも3ヶ月の過程にわたり、HPLCにより面積%として決定されるリナクロチドのクロマトグラフィー純度が95%以上のままである製剤が記載されている。さらなる実施形態では、パッケージ試料を加速条件(40℃/75%RH)で貯蔵した場合、少なくとも6ヶ月の過程にわたり、HPLCにより面積%により決定されるリナクロチドのクロマトグラフィー純度が90%以上のままである。このように、例えば、リナクロチドの酸化生成物、リナクロチドの加水分解生成物またはリナクロチドのホルムアルデヒド−媒介イミン生成物(「ホルムアルデヒドイミン生成物」)などの他の生成物への分解を受けるリナクロチドは約10%以下である。
【0008】
1つの実施形態では、本発明は、リナクロチドを含む薬学的組成物であって、乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、薬学的組成物を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である薬学的組成物を含む。さらなる実施形態では、乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、薬学的組成物を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%または2%未満である。別の実施形態では、本発明は、リナクロチドを含む薬学的組成物であって、乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、薬学的組成物を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である薬学的組成物を含む。さらなる実施形態では、乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、薬学的組成物を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%または2%未満である。
【0009】
1つの実施形態では、本発明はリナクロチドを含む薬学的組成物の単位剤形であって、乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、単位剤形を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である単位剤形を含む。さらなる実施形態では、乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、単位剤形を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%または2%未満である。別の実施形態では、本発明はリナクロチドを含む薬学的組成物の単位剤形であって、乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、単位剤形を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である単位剤形を含む。さらなる実施形態では、乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、単位剤形を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%または2%未満である。
【0010】
1つの実施形態では、本発明は、リナクロチドを含む薬学的組成物の複数の単位剤形を含む密閉容器であって、25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む密閉容器を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である密閉容器を含む。さらなる実施形態では、25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む密閉容器を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%または2%未満である。別の実施形態では、本発明は、リナクロチドを含む薬学的組成物の複数の単位剤形を含む密閉容器であって、40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む密閉容器を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である密閉容器を含む。さらなる実施形態では、40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む密閉容器を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%または2%未満である。
【0011】
1つの実施形態では、本発明はリナクロチドを含む薬学的組成物であって、乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、薬学的組成物を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である薬学的組成物を含む。さらなる実施形態では、乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、薬学的組成物を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である。別の実施形態では、本発明はリナクロチドを含む薬学的組成物であって、乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、薬学的組成物を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である薬学的組成物を含む。さらなる実施形態では、乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、薬学的組成物を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である。
【0012】
1つの実施形態では、本発明はリナクロチドを含む薬学的組成物の単位剤形であって、乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、単位剤形を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である単位剤形を含む。さらなる実施形態では、乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、単位剤形を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である。別の実施形態では、本発明はリナクロチドを含む薬学的組成物の単位剤形であって、乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、単位剤形を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である単位剤形を含む。さらなる実施形態では、乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、単位剤形を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である。
【0013】
1つの実施形態では、本発明は、リナクロチドを含む薬学的組成物の複数の単位剤形を含む密閉容器であって、乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、密閉容器を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である密閉容器を含む。さらなる実施形態では、25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む密閉容器を18ヶ月または24ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である。別の実施形態では、本発明は、リナクロチドを含む薬学的組成物の複数の単位剤形を含む密閉容器であって、40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む密閉容器を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である密閉容器を含む。さらなる実施形態では、40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む密閉容器を3ヶ月または6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である。
【0014】
いくつかの実施形態では、リナクロチドおよび下記:
【0015】
【化1】

【0016】
を含む加水分解生成物を含む薬学的組成物が提供される。
【0017】
いくつかの実施形態では、加水分解生成物は組成物の約15重量%未満、組成物の約10重量%未満、組成物の約7重量%未満、または組成物の約5重量%未満を占める。他の実施形態では、加水分解生成物は組成物の約0.01重量%〜約15重量%、組成物の約0.05重量%〜約10重量%、組成物の約0.05重量%〜約7重量%、または組成物の約0.05重量%〜約5重量%を占める。さらなる実施形態では、リナクロチドおよび加水分解生成物を含む薬学的組成物を投与することを含む、胃腸障害の治療を必要とする患者において胃腸障害を治療する方法が提供される。
【0018】
いくつかの実施形態では、リナクロチドおよび下記:
【0019】
【化2】

【0020】
を含むホルムアルデヒドイミン生成物を含む薬学的組成物が提供される。
【0021】
いくつかの実施形態では、ホルムアルデヒドイミン生成物は組成物の約15重量%未満、組成物の約10重量%未満、組成物の約7重量%未満、または組成物の約5重量%未満を占める。他の例示的な実施形態では、ホルムアルデヒドイミン生成物は組成物の約0.01重量%〜約15重量%、組成物の約0.05重量%〜約10重量%、組成物の約0.05重量%〜約7重量%、または組成物の約0.05重量%〜約5重量%を占める。さらなる実施形態では、リナクロチドおよびホルムアルデヒドイミン生成物を含む薬学的組成物を投与することを含む、胃腸障害の治療を必要とする患者において胃腸障害を治療する方法が提供される。
【0022】
いくつかの実施形態では、リナクロチドおよびリナクロチド酸化生成物を含む薬学的組成物が提供される。1つの実施形態では、リナクロチド酸化生成物は1542.8の分子量を有し、リナクロチド内の6つのシステイニルの硫黄の1つに単一酸素原子を付加したものとして形成する可能性が最も高い。その生成物の1つの可能性のある構造を下記:
【0023】
【化3】

【0024】
に示すが、当業者であれば、酸素原子は他の5つの硫黄原子のいずれにも結合され得ることを認識するであろう。
【0025】
別の実施形態では、2つ以上の酸素原子をリナクロチドに付加させてもよく、これにより、その分子量が、付加される酸素原子あたり16AU増加するであろう。
【0026】
いくつかの実施形態では、リナクロチド酸化生成物は組成物の約15重量%未満、組成物の約10重量%未満、組成物の約7重量%未満、または組成物の約5重量%未満を占める。他の例示的な実施形態では、リナクロチド酸化生成物は組成物の約0.01重量%〜約15重量%、組成物の約0.05重量%〜約10重量%、組成物の約0.05重量%〜約7重量%、または組成物の約0.05重量%〜約5重量%を占める。さらなる実施形態では、リナクロチドおよびリナクロチド酸化生成物を含む薬学的組成物を投与することを含む、胃腸障害の治療を必要とする患者において胃腸障害を治療する方法が提供される。
【0027】
重量/重量に基づくアッセイ値(「重量/重量アッセイ」)は、例えば、HPLCにより、試料中のリナクロチドの量を、リナクロチド参照標準と比較することにより決定し得る。本明細書で使用されるように、室温または加速条件で貯蔵した後、特定の時間点(例えば、加速条件下[40℃/75%RH]での3ヶ月もしくは6ヶ月の貯蔵、または室温条件下[25℃/60%RH]での12、18もしくは24ヶ月の貯蔵)での、組成物中のリナクロチドの重量を、初期時間(例えば、薬学的組成物を臨床使用または患者使用のために発売した時(発売日))での組成物中のリナクロチドの重量と比較し、重量/重量アッセイ値を提供する。例えば、加速条件(40℃/75%RH)で特定の時間貯蔵した後、組成物中のリナクロチドの重量を測定し、発売日の試料中に存在したリナクロチドの重量と比較する。別の実施例では、室温条件(25℃/60%RH)で特定の時間貯蔵した後、組成物中のリナクロチドの重量を測定し、発売日の試料中に存在したリナクロチドの重量と比較する。このように、「パッケージ試料を加速条件(40℃/75%RH)で貯蔵した場合少なくとも6ヶ月後に、組成物中のリナクロチドの元の量の90%以上が残っている」という表現は、加速条件での少なくとも6ヶ月の貯蔵後、HPLCにより決定した、重量/重量に基づくアッセイ法において測定した組成物中のリナクロチドの重量が、初期時間(例えば、リナクロチド組成物の発売日)に存在する組成物中のリナクロチドの量の90%以上であること意味する。
【0028】
リナクロチドのクロマトグラフィー純度は、本明細書で記載される条件下でHPLCを実施することにより評価し得る。リナクロチドピーク下面積を測定し、溶媒ピークおよび任意のポリペプチドに関連しないピーク(すなわち、プラセボにおいて観察され得る賦形剤に関連するピーク)を排除した全てのピーク下の総面積と比較する。本明細書で使用されるように、室温または加速条件で貯蔵した後、特定の時間点(例えば、加速条件下[40℃/75%RH]での3ヶ月もしくは6ヶ月の貯蔵、または室温条件下[25℃/60%RH]での12、18もしくは24ヶ月の貯蔵)での、組成物中のリナクロチドのクロマトグラフィー純度を、初期時間(例えば、薬学的組成物を臨床使用または患者使用のために発売した時(発売日))での組成物中のリナクロチドのクロマトグラフィー純度と比較し、クロマトグラフィー純度値を提供する。例えば、加速条件(40℃/75%RH)で特定の時間貯蔵した後、組成物中のリナクロチドのクロマトグラフィー純度を測定し、発売日の組成物中のリナクロチドのクロマトグラフィー純度と比較する。別の実施例では、室温条件(25℃/60%RH)で特定の時間貯蔵した後、組成物中のリナクロチドのクロマトグラフィー純度を測定し、発売日の組成物中のリナクロチドのクロマトグラフィー純度と比較する。
【0029】
本開示は、(a)(i)リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩、(ii)Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaもしくはAl3+から選択されるカチオン、および/または立体障害第一級アミン(例えば、ロイシン)、ならびに、場合により、(iii)薬学的に許容される結合剤を含む溶液、例えば水溶液(「コーティング溶液」)を提供すること、および(b)コーティング溶液を薬学的に許容されるフィラーに塗布し、ポリペプチド−コートフィラーを生成させる(例えば、薬学的に許容されるフィラーをコーティング溶液で噴霧、混合またはコーティングすることによる)ことを含む、リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を調製するための方法を特徴とする。方法は場合により、(i)ポリペプチド−コートフィラーを薬学的に許容されるグライダント、薬学的に許容される滑沢剤またはグライダントおよび滑沢剤の両方として作用する薬学的に許容される添加物と混合すること、(ii)ポリペプチド−コートフィラーをポリペプチド−コートされていないフィラーと混合すること、(iii)ポリペプチド−コートフィラーを他の添加物と混合すること、(iii)薬学的に許容されるコーティング添加物をポリペプチド−コートフィラーに塗布することのうちの1つ以上を含むことができる。最終的な薬学的組成物はカプセル(例えば、ゼラチンカプセル)に入れることができ、または錠剤を形成するために使用することができる。
【0030】
Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択されるカチオンが貯蔵中にリナクロチドの酸化生成物の形成を抑制するのに有用であることが見出されている。立体障害第一級アミン、例えばロイシンが貯蔵中にリナクロチドのホルムアルデヒドイミン付加物(「ホルムアルデヒドイミン生成物」)の形成を抑制するのに有用であることもまた見出されている。このように、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択されるカチオン(例えば、Zn2+、Mg2+またはCa2+から選択される二価カチオン)、および/または立体障害第一級アミン、例えば、アミノ酸を含むリナクロチド製剤は、薬物を製造、貯蔵および分配するのに十分な有効期間を有する(クロマトグラフィー純度によりおよび/または重量/重量アッセイ法により測定されるように)。さらに、立体障害アミンのみが存在すると、貯蔵中のリナクロチドの加水分解生成物の形成が増加する可能性があるが、立体障害第一級アミンとカチオンの組み合わせ、例えば、ロイシンとCa2+の組み合わせにより、貯蔵中のリナクロチドの加水分解生成物ならびにリナクロチドの酸化生成物の形成が抑制され、重量/重量アッセイ法および/またはクロマトグラフィー純度により決定される全体の安定性がよりいっそう大きくなる。
【0031】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体、リナクロチドおよびMg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+、および立体障害第一級アミンから選択される1つ以上の作用物質を含み、作用物質が、前記作用物質を有しない薬学的組成物に対し、組成物の少なくとも1つの属性を改善する、薬学的組成物が提供される。さらなる実施形態では、作用物質はMg2+、Ca2+またはZn2+である。さらなる実施形態では、作用物質はCa2+である。いくつかの実施形態では、カチオンは、限定はされないが、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸マンガン、塩化マンガン、リン酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、または硫酸アルミニウムとして提供される。さらなる実施形態では、カチオンは、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化マンガン、塩化カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化アルミニウムとして提供される。他の実施形態では、カチオンは塩化カルシウム、塩化マグネシウムまたは酢酸亜鉛として提供される。
【0032】
別の実施形態では、作用物質は立体障害第一級アミンである。さらなる実施形態では、立体障害第一級アミンはアミノ酸である。まだその上さらなる実施形態では、アミノ酸は天然アミノ酸である。よりさらなる実施形態では、天然アミノ酸は、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、トリプトファン、メチオニンおよびバリンからなる群より選択され、まだその上さらに、天然アミノ酸はロイシン、イソロイシン、アラニンまたはメチオニンであり、別の実施形態では、天然アミノ酸はロイシンまたはメチオニンであり、その上さらに、天然アミノ酸はロイシンである。別の実施形態では、立体障害第一級アミンは非天然アミノ酸またはアミノ酸誘導体(例えば、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、ランチオニンまたはテアニン)である。さらなる実施形態では、立体障害第一級アミンはシクロヘキシルアミン、2−メチルブチルアミンまたはキトサンである。
【0033】
他の実施形態では、薬学的に許容される担体、リナクロチド、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択されるカチオン(例えば、Zn2+、Mg2+またはCa2+から選択される二価カチオン)、および立体障害第一級アミンを含む薬学的組成物が提供される。1つの実施形態では、カチオンはCa2+である。別の実施形態では、カチオンはMg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+のうちの2つまたは3つの混合物(例えば、Zn2+、Mg2+またはCa2+のうちの2つまたは3つの混合物)である。さらなる実施形態では、薬学的組成物は、薬学的に許容される結合剤および/または薬学的に許容されるグライダント、滑沢剤またはグライダントおよび滑沢剤の両方として作用する添加物ならびに/または抗酸化剤をさらに含む。さらなる実施形態では、立体障害第一級アミンはアミノ酸である。まだその上さらなる実施形態では、アミノ酸は天然アミノ酸である。よりさらなる実施形態では、天然アミノ酸は、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、トリプトファン、メチオニンおよびバリンからなる群より選択され、まだその上さらに、天然アミノ酸はロイシン、イソロイシン、アラニンまたはメチオニンであり、別の実施形態では、天然アミノ酸はロイシンまたはメチオニンであり、その上さらに、天然アミノ酸はロイシンである。別の実施形態では、立体障害第一級アミンは1つを超える立体障害第一級アミンの混合物とすることができる。例えば、立体障害第一級アミンは2つ以上の立体障害第一級アミンの混合物、例えば、2つ以上のアミノ酸の混合物とすることができる。
【0034】
いくつかの場合では、担体に塗布する水溶液中でのカチオン:立体障害第一級アミン:リナクロチド(例えば、Ca2+:ロイシン:リナクロチド)のモル比は5〜100:5〜50:1である。カチオン:立体障害第一級アミン(例えば、Ca2+:ロイシン)のモル比は、2:1以上(例えば、5:1〜2:1)であることが所望され得る。このように、いくつかの場合では、担体に塗布するカチオン:立体障害第一級アミン:リナクロチド(例えば、Ca2+:ロイシン:リナクロチド)のモル比は100:50:1、100:30:1、80:40:1、80:30:1、80:20:1、60:30:1、60:20:1、50:30:1、50:20:1、40:20:1、20:20:1、10:10:1、10:5:1または5:10:1である。結合剤、例えば、メチルセルロースが担体に塗布されるリナクロチド溶液中に存在する場合、0.5重量%〜2.5重量%(例えば、0.7%〜1.7%または0.7%〜1%または1.5%〜0.7%)で存在することができる。
【0035】
所定の重量のフィラー(例えば、微結晶セルロース)に塗布されるリナクロチドの重量は約0.02:100〜約2.67:100で変動し得る。このように、約0.05mg〜約6.0mgのリナクロチドを225mgのフィラーに塗布することができる。さらなる実施形態では、所定の重量のフィラーに塗布されるリナクロチドの重量は、約0.05mg〜約2.0mgのリナクロチド(例えば、225mgのフィラーに対し、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7mgのペプチド)である。
【0036】
様々な実施形態では、立体障害第一級アミンはアミノ酸(例えば、天然アミノ酸またはヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、メチオニン、アスパラギン、チロシン、トレオニン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、またはバリンから選択される天然アミノ酸)である。他の場合では、立体障害第一級アミンは非天然アミノ酸またはアミノ酸誘導体(例えば、ランチオニン、テアニンまたは1−アミノシクロヘキサン)である。他の場合では、立体障害第一級アミンはアミノ糖(例えば、キトサンまたはグルコサミン)である。
【0037】
いくつかの場合では、立体障害第一級アミンは下記式:
【0038】
【化4】

【0039】
を有し、式中、R、RおよびRは独立して、H、−C(O)OH、場合により−COH、−CONHまたは5〜10員アリールもしくはヘテロアリールで置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、またはC1〜C6チオアルコキシアルキルから選択され、ここで、上記アルキルまたはアリール基のいずれも、ハロゲンまたは−NHで一置換または複数置換され得、ただし、R、RおよびRの2つ以下がHであることを条件とする。さらなる実施形態では、R、RおよびRの1つ以下がHであることを条件とする。
【0040】
本明細書で使用されるとき、「アルキル」という用語は、飽和直鎖または分枝鎖の一価炭化水素基を示す。別記しない限り、アルキル基は1〜20個の炭素原子(例えば、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子または1〜3個の炭素原子)を含む。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0041】
n−m「アルコキシアルキル」およびCn−m「チオアルコキシアルキル」という用語は、1つ以上のアルコキシまたはチオアルコキシ基で置換されたアルキルを意味し、場合によっては、アルキル基およびアルコキシ基、またはアルキル基とチオアルコキシ基の炭素の合わせた総数は、場合によっては、nとmの間の値である。例えば、C4−6アルコキシアルキルはアルキル部分とアルコキシ部分に分けられた計4〜6個の炭素を有し、例えば、−CHOCHCHCH、−CHCHOCHCHまたは−CHCHCHOCHとすることができる。
【0042】
本明細書で使用されるとき、単独で、またはより大きな部分の一部として使用される「アリール」(「アリール環」または「アリール基」などの場合)という用語は、炭素環系を示し、この系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、分子の残りに対して単一の結合点を有する。別記しない限り、アリール基は単環式、二環式または三環式であり得、6〜18個の環員を含有する。アリール環の例としては、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、テトラリン、フルオレニル、およびアントラセニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0043】
「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアリールアルコキシ」において見られるような、単独で、またはより大きな部分の一部として使用される「ヘテロアリール」(または「複素環式芳香族」または「ヘテロアリール基」または「芳香族複素環」)という用語は、環系を示し、この系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、1つ以上のヘテロ原子を含有し、系中の各環が3〜7個の環員を含有し、分子の残りに対して単一の結合点を有する。別記しない限り、ヘテロアリール環系は、単環式、二環式または三環式であり得、計5〜14個の環員を含む。1つの実施形態では、ヘテロアリール系中の環は全て芳香族である。ヘテロアリール環が1つ以上の芳香族または非芳香族炭素環または複素環、またはそれらの組み合わせと縮合されたヘテロアリールラジカルもまた、ラジカルまたは結合点がヘテロアリール環中にある限り、この定義に含まれる。二環6.5複素環式芳香族系は、本明細書で使用されるように、例えば、第2の5員環に縮合され、ラジカルまたは結合点が6員環上にある6員複素環式芳香族環である。
【0044】
ヘテロアリール環としは、下記単環:2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、N−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル)、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラゾリル(例えば、5−テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば、2−トリアゾリルおよび5−トリアゾリル)、2−チエニル、3−チエニル、ピラゾリル(例えば、2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、および下記二環:ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾピラジニル、ベンゾピラノニル、インドリル(例えば、2−インドリル)、プリニル、キノリニル(例えば、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)、およびイソキノリニル(例えば、1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、または4−イソキノリニル)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0045】
様々な場合において、抗酸化剤は、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、ビタミンE、没食子酸プロピル、アスコルビン酸およびその塩またはエステル、トコフェロールおよびそのエステル、α−リポ酸、β−カロテンから選択され、薬学的に許容される結合剤は、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンであり、薬学的に許容される結合剤は、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、アルファ化ジャガイモデンプン、コメデンプン、コムギデンプンおよびデンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch glycollate))、マルトデキストリンまたはセルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース)から選択され、薬学的許容されるフィラーはセルロース(例えば、マイクロファインセルロースまたは微結晶セルロース、例えば、Celphere CP−305またはAvicel)であり、薬学的に許容されるフィラーは糖または糖アルコール(例えば、マンニトール、イソマルト、ソルビトール、デキストロース、キシリトール、スクロースおよびラクトース)であり、フィラーは50μm〜1000μmの平均直径を有する粒子を含み、滑沢剤および/またはグライダントは、タルク、ロイシン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびポリビニルアルコールから選択され、滑沢剤および/またはグライダントは、ステアリン酸カルシウム、鉱物油、植物油、ポリエチレングリコール(PEG、例えば、室温で液体または固体であるPEG)、安息香酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウムから選択される。
【0046】
いくつかの場合では、製剤を調製するための方法において使用されるリナクロチド溶液は7未満のpH(例えば、1〜3のpHまたは約1.5〜約2.5のpH)を有する。pHは例えば、リン酸を用いて調節することができる。いくつかの場合では、溶液は緩衝化されている。様々な薬学的に許容される緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)を使用することができる。
【0047】
いくつかの場合では、製剤を調製するための方法において使用されるリナクロチド溶液はカチオン(例えば、CaCl)および立体障害第一級アミン(例えば、ロイシン)の両方を含む。
【0048】
いくつかの場合では、リナクロチド溶液はCaClおよびロイシンを含み、結合剤はメチルセルロースであり、フィラーは微結晶セルロースであり、グライダントおよび/または滑沢剤はタルクまたはロイシンを含む。
【0049】
本明細書で記載された方法のいずれかにより調製された薬学的組成物もまた提供される。
【0050】
別の態様では、薬学的に許容される担体、リナクロチドおよび(i)Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択されるカチオン、または(ii)立体障害第一級アミンから選択される1つ以上の作用物質を含む薬学的組成物が開示される。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は少なくとも1つのカチオンおよび少なくとも1つの立体障害第一級アミンを含む。
【0051】
様々な胃腸障害を治療するために薬学的組成物を使用する方法もまた記載される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】HPLCによるリナクロチドの分析の一例を示す図である。図1で、「酸化」はリナクロチド酸化生成物を示し、「ホルムアルデヒドイミン」はリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物を示し、「加水分解」はリナクロチド加水分解生成物を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
この図は、例として提供したものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0054】
リナクロチドを含む経口組成物は、様々な胃腸障害を治療するために使用することができる。様々な実施形態では、患者は胃腸障害を患っており、患者は消化管運動障害、慢性偽性腸閉塞、偽性結腸閉塞、クローン病、十二指腸胃逆流、消化不良、機能性消化不良、非潰瘍性消化不良、機能性胃腸障害、機能性胸焼け、胃食道逆流症(GERD)、胃不全麻痺、過敏性腸症候群、術後イレウス、潰瘍性大腸炎、慢性便秘、便秘、便秘と関連する疼痛、ならびに便秘と関連する障害および病状(例えば、オピエート鎮痛剤の使用に関連する便秘、術後便秘、および神経障害と関連する便秘、ならびに本明細書で記載される他の病状および障害)からなる群より選択される障害を患っており、患者は、消化管運動障害、慢性偽性腸閉塞、偽性結腸閉塞、クローン病、十二指腸胃逆流、消化不良、機能性消化不良、非潰瘍性消化不良、機能性胃腸障害、機能性胸焼け、胃食道逆流症(GERD)、胃不全麻痺、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(例えば、下痢型過敏性腸症候群(d−IBS)、便秘型過敏性腸症候群(c−IBS)および/または交代型過敏性腸症候群(a−IBS))、術後イレウス、潰瘍性大腸炎、慢性便秘、便秘、便秘と関連する疼痛、ならびに便秘と関連する障害および病状(例えば、オピエート鎮痛剤の使用に関連する便秘、術後便秘、および神経障害と関連する便秘、ならびに本明細書で記載される他の病状および障害)を患っており、患者はローマ基準(Rome Criteria)(例えば、Rome II)に従い、機能性胃腸障害と診断されており、患者はローマ基準(例えば、Rome II)に従い、過敏性腸症候群(例えば、(例えば、下痢型−IBS、便秘型−IBSおよび/または交代型−IBS)と診断されている。
【0055】
成人のためのリナクロチドの用量範囲は一般に、経口で、1日あたり25μg〜6mgである。さらなる実施形態では、用量範囲は経口で、1日あたり25μg〜2mgである。いくつかの実施形態では、成人に対する用量範囲は経口で、1日あたり50μg〜1mg(例えば、50μg、67.5μg、100μg、133μg、150μg、200μg、250μg、266μg、300μg、350μg、400μg、450μg、500μg、550μg、600μg、650μg、700μg、750μg、800μg、850μg、900μg、950μgまたは1mg)である。さらなる実施形態では、用量範囲は経口で1日あたり、100μg〜600μgである。他の実施形態では、用量は、経口で1日あたり、50μg、67.5μg、100μg、133μg、150μg、200μg、266μg、300μg、400μg、500μgまたは600μgのリナクロチドである。1つの実施形態では、リナクロチド組成物がそのような投与量で、またはそのような投与量の倍数として有効である別々の単位、単位剤形、(例えば、錠剤、カプセル、サシェ)で提供される。ある実施形態では、単位剤形および1日用量は等しい。様々な実施形態では、単位剤形は、食物と共に一日のいずれかの時間で、食物なしで一日のいずれかの時間で、一晩絶食後食物と共に(例えば、朝食と共に)投与される。様々な実施形態では、単位剤形は1日に1回、1日に2回、または1日に3回投与される。単位剤形は場合により他の添加物を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ、2つまたは3つの単位剤形は経口用1日用量のリナクロチドを含む。患者に投与される化合物の正確な量は主治医の責任であろう。しかしながら、使用した用量は、患者の年齢および性別、治療される正確な障害、およびその重篤度を含む多くの因子に依存する。
【0056】
1つの実施形態では、便秘を伴う過敏性腸症候群(IBS−c)の治療が必要な成人患者に1日1回、有効量の、本明細書で記載される薬学的組成物を投与することを含む、当該治療の必要な成人患者において、便秘を伴う過敏性腸症候群(IBS−c)を治療するための方法が提供される。様々な実施形態では、薬学的組成物は1日あたり、単位用量あたり、133μgまたは266μgのリナクロチドを含む。他の実施形態では、薬学的組成物は、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間またはそれを超える期間投与される。いくつかの実施形態では、リナクロチド組成物を用いた治療は、腹痛の軽減、1週間中の完全に自発的な便通(CSBM)の数の増加、1週間中の自発的な便通(SBM)の数の増加、便の固さの改善、排便いきみの軽減、腹部不快感の軽減、腹部膨満の軽減またはIBS−c症状重篤度の軽減から選択される少なくとも1つの症状を改善する。
【0057】
1つの実施形態では、慢性便秘の治療が必要な患者に1日1回、有効量の、本明細書で記載される薬学的組成物を投与することを含む、当該治療の必要な成人患者において、慢性便秘を治療するための方法が提供される。様々な実施形態では、薬学的組成物は1日あたり、単位用量あたり、133μgまたは266μgのリナクロチドを含む。他の実施形態では、薬学的組成物は、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間またはそれを超える期間投与される。いくつかの実施形態では、リナクロチド組成物を用いた治療は、1週間中の完全に自発的な便通(CSBM)の数の増加、1週間中の自発的な便通(SBM)の数の増加、便の固さの改善、排便いきみの軽減、腹部不快感の軽減、腹部膨満の軽減または便秘の重篤度の軽減から選択される少なくとも1つの症状を改善する。
【0058】
各便通における便の固さは、7点ブリストル大便形状スケール(Bristol Stool Form Scale、BSFS)により観察し得る(1=硬い塊、2=塊の多いソーセージ状、3=亀裂ソーセージ状、4=滑らかなソーセージ状、5=柔らかい塊、6=泥状、7=水様)。排便いきみは、7点イースオブパッセージスケール(Ease of Passage Scale)により観察し得る(1=手による摘便/浣腸の必要性、2=重篤な排便いきみ、3=中程度の排便いきみ、4=軽度の排便いきみ、5=排便いきみなし、6=切迫、7=失禁)。CSBMは、SBM後の完全に空になった感覚(はい/いいえ)により測定し得る。腹部不快感、腹部膨満および便秘の重篤度は、例えば、5点順序スケールを用いて測定し得る(1=なし、2=軽度、3=中度、4=重度、5=非常に重度)。
【0059】
本発明のカチオンは、薬学的に許容される塩、すなわち、適切な対イオンを有するカチオンとして提供し得る。本発明において使用し得る薬学的に許容される塩の例としては、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸マンガン、塩化マンガン、リン酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、または硫酸アルミニウムが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩としては、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛および塩化亜鉛が挙げられる。さらなる実施形態では、使用し得る、薬学的に許容される塩は塩化カルシウム、塩化マグネシウムおよび酢酸亜鉛である。
【0060】
本明細書で使用されるとき、「結合剤」という用語は、本発明の実施において使用し得る、任意の薬学的に許容される結合剤を示す。薬学的に許容される結合剤の例としては、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンおよびアルファ化デンプン(例えば、Colorcon, Ltd.により販売されているSTARCH 1500(登録商標)およびSTARCH 1500 LM(登録商標))または他のデンプン)、マルトデキストリン、ゼラチン、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカント末、グアーゴム、セルロースおよびその誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース(例えば、FMC Corporation, Marcus Hook, PA, USAにより販売されているAVICEL(商標)、例えば、AVICEL−PH−101(商標)、AVICEL−PH−103(商標)およびAVICEL−PH−105(商標)))、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドンK30)、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0061】
本明細書で使用されるとき、「フィラー」という用語は、本発明の実施において使用し得る、任意の薬学的に許容されるフィラーを示す。薬学的に許容されるフィラーの例としては、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶セルロース(例えば、Avicel PH101またはCelphere CP−305)、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン(例えば、Starch 1500)、アルファ化デンプン、ラクトース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、トレハロース、スクロース、マルトース、イソマルト、ラフィノース、マルチトール、メレジトース、スタキオース、ラクチトール、パラチニット、キシリトール、ミオイノシトール、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0062】
リナクロチドでコーティングするために特に使用し得る薬学的に許容されるフィラーの例としては、タルク、微結晶セルロース(例えば、Avicel PH101またはCelphere CP−305)、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、ラクトース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、トレハロース、スクロース、マルトース、イソマルト、二塩基性リン酸カルシウム、ラフィノース、マルチトール、メレジトース、スタキオース、ラクチトール、パラチニット、キシリトール、マンニトール、ミオイノシトール、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0063】
本明細書で使用されるとき、「添加物」という用語は任意の薬学的に許容される添加物を示す。薬学的に許容される添加物としては、崩壊剤、分散添加物、滑沢剤、グライダント、抗酸化剤、コーティング添加物、希釈剤、界面活性剤、香味添加物、湿潤剤、吸収促進添加物、放出制御添加物、固化阻止添加物、抗菌剤(例えば、保存剤)、着色剤、乾燥剤、可塑剤および染料が挙げられるが、それらに限定されない。
【0064】
本明細書で使用されるとき、「賦形剤」は任意の薬学的に許容される添加物、フィラー、結合剤または作用物質である。
【0065】
本明細書で使用されるとき、「精製リナクロチド」は、90%以上純粋または95%以上純粋なリナクロチドまたは薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される方法および組成物中で使用されるリナクロチドは精製されている。リナクロチド純度は、例えば、実施例21で記載されているように逆相HPLCを用い、リナクロチドのクロマトグラフィー純度により、測定することができる。リナクロチドアッセイ法(w/w)は、例えば、実施例21に記載されているように、逆相HPLCを使用することにより、参照標準を用いた外部較正による定量を用いて、決定することができる。
【0066】
1つの態様では、薬学的組成物は、リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩を含む溶液を、薬学的に許容されるフィラー上に噴霧し、リナクロチド−コートフィラーを生成させることにより調製し得る。1つの実施形態では、方法は、(a)(i)リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩、(ii)Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択されるカチオン、および/または立体障害第一級アミン(例えば、ロイシン)、ならびに、場合により、(iii)薬学的に許容される結合剤を含む溶液、例えば水溶液(「コーティング溶液」)を提供すること、および(b)コーティング溶液を薬学的に許容されるフィラーに塗布し、ポリペプチド−コートフィラーを生成させる(例えば、薬学的に許容されるフィラーをコーティング溶液で噴霧、混合またはコーティングすることによる)ことを含む。方法は場合により、(i)ポリペプチド−コートフィラーを薬学的に許容されるグライダント、薬学的に許容される滑沢剤またはグライダントおよび滑沢剤の両方として作用する薬学的に許容される添加物と混合すること、(ii)ポリペプチド−コートフィラーをポリペプチド−コートされていないフィラーと混合すること、(iii)ポリペプチド−コートフィラーを他の添加物と混合すること、ならびに(iv)薬学的に許容されるコーティング添加物をポリペプチド−コートフィラーに塗布することのうちの1つ以上を含むことができる。最終的な薬学的組成物はカプセル(例えば、ゼラチンカプセル)に入れることができ、または錠剤を形成するために使用することができる。
【0067】
別の実施形態では、薬学的組成物は、薬物の微粒子(例えば、マイクロカプセルまたはマイクロスフェア)を調製するために使用される技術である、噴霧乾燥により調製される。噴霧乾燥させたペプチドは一般に、溶解のときにその生物学的活性を保持し、均一粒子サイズおよび球状を含む有用な物理的特性を有し得る。さらに、噴霧乾燥により調製された微粒子はしばしば、自由流動性であり、これは、錠剤形成およびカプセル充填などの医薬品製造過程に役立つ。噴霧乾燥過程はまた、臨床的製造および商業的製造のために容易に拡大し得るので有用である。
【0068】
このように、本開示は、(a)(i)リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩、および(ii)Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択されるカチオン、および/または立体障害第一級アミン(例えば、ロイシン)を含む溶液、例えば水溶液または有機溶液を提供すること、および(b)リナクロチド含有溶液を噴霧乾燥させ微粒子を生成させることを含む、リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を調製するための方法を特徴とする。リナクロチド含有溶液は場合により、ポリマー、例えば、本明細書で記載される結合剤のうちの1つ以上、脂質またはリン脂質、および/またはフィラー、例えばマンニトールを含むことができる。方法は、場合により、(i)リナクロチド微粒子を薬学的に許容されるグライダント、薬学的に許容される滑沢剤またはグライダントおよび滑沢剤の両方として作用する薬学的に許容される添加物と混合する工程、(ii)微粒子をフィラーと混合する工程、および/または(iii)微粒子を他の添加物と混合する工程のうちの1つ以上の追加の工程を含むことができる。最終的な薬学的組成物はカプセル(例えば、ゼラチンカプセル)に入れることができ、または錠剤を形成するために使用することができる。
【0069】
他の実施形態では、薬学的組成物は、(i)リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩、および(ii)Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択されるカチオン、および/または立体障害第一級アミン(例えば、ロイシン)を含む溶液、例えば水溶液または有機溶液の噴霧凍結乾燥、超臨界流体処理または凍結乾燥により調製される。
【0070】
いくつかの実施形態では、リナクロチド組成物は経口投与のための固体形態で提供される。そのような形態の例としては、錠剤、サシェ、ペレット、カプセルまたは粉末が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物は、単位剤形、例えば、錠剤、カプセル、サシェまたはペレットを製造するために使用することができる。経口投与される組成物は、例えば、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、潤滑添加物、界面活性添加物または分散添加物、香味添加物、および湿潤剤を含むことができる。経口投与される製剤、例えば錠剤は、場合により、コートすることができ、または切れ目を付けることができ、その中のリナクロチドを持続放出、遅延放出または制御放出させるように製剤化させることができる。リナクロチドは他の薬剤と同時投与させることができ、または同時に製剤化することができる。1つの実施形態では、リナクロチド組成物は胃腸障害を治療するために使用される他の薬剤と同時投与することができる。リナクロチド組成物はまた、胃腸管以外の障害、例えば、うっ血性心不全および良性前立腺肥大を治療するために使用することができる。
【0071】
組成物は、例えば、様々な追加の溶媒、分散剤、コーティング、吸収促進添加物、放出制御添加物、および1つ以上の不活性添加物(例えば、デンプン、ポリオール、顆粒化添加物、微結晶セルロース、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊添加物、などが挙げられる)などを含むことができる。所望であれば、開示した組成物の錠剤は標準水性または非水性技術によりコートし得る。組成物はまた、例えば、固化阻止添加物、保存剤、甘味添加物、着色剤、香味剤、乾燥剤、可塑剤、染料などを含むことができる。
【0072】
好適な崩壊剤としては、例えば、寒天−寒天、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、他のデンプン類、アルファ化デンプン、粘土、他のアルギン類、他のセルロース類、ゴム類、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
好適な滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール類、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、ピーナツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリル酸エチル、寒天、シロイドシリカゲル(AEROSIL 200, W.R. Grace Co., Baltimore, MD USA)、合成シリカの凝固エアロゾル(Evonik Degussa Co., Plano, TX USA)、焼成二酸化ケイ素(pyrogenic silicon dioxide)(CAB−O−SIL, Cabot Co., Boston, MA USA)およびそれらの混合物が挙げられる。
【0074】
好適なグライダントとしては、例えば、ロイシン、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク、および三塩基性リン酸カルシウムが挙げられる。
【0075】
好適な固化阻止添加物としては、例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0076】
例えば、リナクロチド組成物のための保存剤として使用し得る、好適な抗菌添加物としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、塩化セチルピリジニウム、クレゾール、クロロブタノール、デヒドロ酢酸、エチルパラベン、メチルパラベン、フェノール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チメルソル(thimersol)、チモ(thymo)、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0077】
好適なコーティング添加物としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、製薬用グレーズ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテートフタレート、シェラック、スクロース、二酸化チタン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、およびそれらの混合物が挙げられる。好適な保護コーティングとしてはAquacoat(例えば、Aquacoatエチルセルロース水性分散物、15%w/w、FMC Biopolymer、ECD−30)、Eudragit(例えば、Eudragit E PO PE−EL、Roehm Pharma Polymers)およびOpadry(例えば、Opadry AMB分散物、20%w/w、Colorcon)が挙げられる。
【0078】
ある実施形態では、リナクロチド組成物のための好適な添加物としては、スクロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、クロスポビドンまたはBHAのうちの1つ以上が挙げられる。
【0079】
ある実施形態では、「95%」という用語は95.0%であり得、「90%」という用語は90.0%であり得、「10%」という用語は10.0%であり得、「9%」という用語は9.0%であり得、「8%」という用語は8.0%であり得、「7%」という用語は7.0%であり得、「6%」という用語は6.0%であり得、「5%」という用語は5.0%であり得、「4%」という用語は4.0%であり得、「3%」という用語は3.0%であり得、「2%」という用語は2.0%であり得、「1%」という用語は1.0%であり得る。
【0080】
ある実施形態では、リナクロチド組成物は単位剤形で提供される。いくつかの実施形態では、単位剤形はカプセル、錠剤、サシェ、ペレットまたは粉末である。1つのそのような実施形態では、単位剤形はカプセルまたは錠剤である。そのような単位剤形は、容器、例えば、限定されないが、紙または段ボール箱、ガラスまたはプラスチック瓶またはジャー、再封可能な袋(例えば、異なる容器に入れるために「詰め替え」錠剤を保持するため)、または治療スケジュールに従いパックから取り出すための個々の用量を有するブリスターパックに含ませ得る。単一剤形を提供するために、1つを超える容器を単一パッケージ内で共に使用できることは実現可能である。例えば、錠剤またはカプセルを1つの瓶に入れることができ、それを今度は1つの箱に入れる。いくつかの実施形態では、単位剤形は、乾燥剤をさらに含む1つの容器内で提供される。さらなる実施形態では、単位剤形、例えば、ある量の錠剤またはカプセルは、乾燥剤を含む1つの容器、例えば、瓶、ジャーまたは再封可能な袋で提供される。さらなる実施形態では、単位剤形を含む容器は投与または投薬指示と共にパッケージされる。ある実施形態では、リナクロチド組成物はキット中で提供される。本明細書で記載されたリナクロチド組成物および併用療法薬は、各々が個々にパッケージまたは製剤化されている単回または複数回用量の2つ以上の作用物質、または一緒にパッケージまたは製剤化されている単回または複数回用量の2つ以上の作用物質を含む、1つのキットとしてパッケージすることができる。このようにリナクロチド組成物は第1の容器中に存在することができ、キットは場合により、1つ以上の作用物質を第2の容器中に含むことができる。1つ以上の容器が1つのパッケージ内に入れられ、パッケージは場合により投与または投薬指示を含むことができる。
【実施例】
【0081】
実施例
下記実施例は本発明の単なる例示にすぎず、本発明に包含される多くの変更物および等価物は本開示を読むと当業者には明らかとなるので、いかなる意味においても本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0082】
リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩は、当技術分野において公知の標準技術、例えば、化学合成または組換え発現、その後の標準技術による精製を用いて、生成および精製され得る。
【0083】
製剤化スキームA
コーティング溶液の調製
約32g〜42gの精製水を塩酸と混合し、1.5〜2.0のpHを有する溶液を生成させる。カチオンは、使用する場合、所望の濃度を提供する量で溶液に添加し、透明溶液を生成させるのに十分な時間溶液を混合する。立体障害第一級アミンは、使用する場合、所望の濃度を提供する量で溶液に添加し、透明溶液を生成させるのに十分な時間溶液を混合する。他の添加物、例えば、抗酸化剤を、所望であれば、その後添加する。溶液のpHを試験し、必要であれば、塩酸を添加して、1.5〜2.0のpHを有する溶液を生成させる。その後、結合剤を溶液に添加し、混合物をその後十分な時間撹拌し、透明溶液を達成する。所望の量のリナクロチドを溶液に添加し、30〜100分間混合し、コーティング溶液を提供する。
【0084】
活性ビーズの調製
約30〜36gの乾燥微結晶セルロースビーズをミニカラム流動床コーター(Mini Column Fluid Bed Coater)に添加する。微結晶セルロースビーズを、積層前に流動化させ、加熱する。次に、コーティング溶液をビーズに積層させる。噴霧温度を、入口温度、噴霧速度、噴霧圧、および空気体積を制御することにより、24℃〜55℃で制御する。全コーティング溶液をビーズに積層させた後、ビーズを乾燥させる。この過程の生成物を活性ビーズと呼ぶ。
【0085】
保護コーティングを有する活性ビーズの調製
約35gの活性ビーズをミニカラム流動床コーターに添加する。活性ビーズを、Aquacoat(例えば、Aquacoatエチルセルロース水性分散物、15%w/w、FMC Biopolymer、ECD−30)、Eudragit(例えば、Eudragit E PO PE−EL、Roehm Pharma Polymers)またはOpadry(例えば、Opadry AMB分散物、20%w/w、Colorcon)でコートする前に流動化させ、加熱する。次に、コーティング溶液をビーズに積層させる。噴霧温度を、入口温度、噴霧速度、噴霧圧、および空気体積を制御することにより、24℃〜55℃で制御する。全コーティング溶液をビーズに積層させた後、ビーズを乾燥させる。
【0086】
製剤化スキームB
コーティング溶液の調製
約8.3kgの精製水を塩酸と混合し、1.5〜2.0のpHを有する溶液を生成させる。カチオンは、使用する場合、所望の濃度を提供する量で溶液に添加し、透明溶液を生成させるのに十分な時間溶液を混合する。立体障害第一級アミンは、使用する場合、所望の濃度を提供する量で溶液に添加し、透明溶液を生成させるのに十分な時間溶液を混合する。他の添加物、例えば、抗酸化剤を、所望であれば、その後添加する。その後、結合剤を溶液に添加し、溶液を十分な時間混合し、透明溶液を達成する。溶液のpHを試験し、必要であれば、塩酸を添加して、1.5〜2.0のpHを有する溶液を生成させる。これが溶液1である。約8.3kgの精製水を塩酸と混合し、1.5〜2.0のpHを有する溶液を生成させる。所望の量のリナクロチドを溶液に添加し、10〜30分間混合する。溶液のpHを試験し、必要であれば、塩酸を添加して、1.5〜2.0のpHを有する溶液を生成させる。これが溶液2である。溶液1および溶液2をその後、共に混合する。溶液のpHを試験し、必要であれば、塩酸を添加して、1.5〜2.0のpHを有する溶液を生成させる。これがコーティング溶液である。
【0087】
活性ビーズの調製
約24.19kgの微結晶セルロースビーズをGlatt GPCG−30 Fluid BedのWurster Columnに添加する。微結晶セルロースビーズを流動化させ、加熱し、45〜47℃の温度を生成させる。次に、コーティング溶液をビーズに積層させる。生成物噴霧温度を、入口温度、噴霧速度、噴霧圧、および空気体積を制御することにより、37℃〜47℃で制御する。全コーティング溶液をビーズに積層させた後、ビーズを37℃〜47℃の生成物乾燥温度を用いて乾燥させる。この過程の生成物を活性ビーズと呼ぶ。
【0088】
実施例1〜15:リナクロチド製剤の調製
実施例1〜15のリナクロチド製剤を、本質的には、製剤スキームAで記載されるように生成し、ここで、表1は、カチオン、立体障害第一級アミン、結合剤、リナクロチドおよびビーズの量を提供し、一方、表2はビーズをコートした条件を提供する。
【0089】
【表1−1】

【0090】
【表1−2】

【0091】
「カチオン」は実施例で使用される塩に含まれる二価カチオンを示し、「アミン」は立体障害第一級アミンを示し、[]はカチオンおよび/またはアミンのリナクロチドに対するモル比を示す。
**このおよび下記全ての実施例におけるリナクロチドの量は、リナクロチド医薬品原薬(API)の各製造ロットに対して提供された分析証明において列挙されているように、ペプチド含有量およびクロマトグラフィー純度に基づき決定する。
【0092】
【表2】

【0093】
実施例16:リナクロチド製剤の調製
実施例16のリナクロチド製剤を、本質的には、製剤スキームBで記載されるように生成し、ここで、表3は、カチオン、立体障害第一級アミン、結合剤、リナクロチドおよびビーズの量を提供し、一方、表4はビーズをコートした条件を提供する。
【0094】
【表3】

【0095】
【表4】

【0096】
実施例17:リナクロチド製剤の調製
実施例17のリナクロチド製剤を、製剤が22.96mgのブチルヒドロキシアニソール(BHA)を含むことを除き、本質的には製剤スキームAで記載されるように生成し、ここで、表5は、カチオン、立体障害第一級アミン、結合剤、リナクロチドおよびビーズの量を提供し、一方、表6はビーズをコートした条件を提供する。
【0097】
【表5】

【0098】
【表6】

【0099】
実施例18:リナクロチド製剤を含むカプセルの調製
活性ビーズ上のリナクロチド含有量は、実施例21で記載されるように、または他の等価の方法により測定し得る。
【0100】
経口投与に好適なカプセルを形成するために、適切な量の活性ビーズを使用してゼラチンカプセル(例えば、サイズ2ゼラチンカプセル)を充填する。適切な量の活性ビーズは1つのカプセルあたり、±5%の範囲を有する50μg〜2mgのリナクロチドを含み得る。いくつかの実施形態では、活性ビーズ上のリナクロチドの適切な量は、50μg、67.5μg、100μg、133μg、150μg、200μg、266μg、300μg、400μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、1mg、2mg、4mgまたは6mgとし得る。特定の実施形態では、活性ビーズ上のリナクロチドの適切な量は、67.5μg、100μg、133μg、150μg、200μg、266μg、300μg、400μg、500μg、600μgである。さらに特定の実施形態では、活性ビーズ上のリナクロチドの適切な量は、1つのカプセルあたり、67.5μg、133μg、150μg、266μgまたは300μgである。
【0101】
別の実施形態では、所望の数のゼラチンカプセルを充填するために適切な量の活性ビーズを容器に入れる。1つ以上の薬学的に許容されるフィラーまたは他の薬学的に許容される添加物を、所望であれば、容器に添加し得る。いくつかの実施形態では、フィラーまたは添加物はタルク、ロイシン、微結晶セルロースまたはマンニトールである。容器の中身を混合し、混合物を使用して、ゼラチンカプセルを、適切な量の、リナクロチドを含む活性ビーズで充填させる(例えば、±5%の範囲を有する、1つのカプセルあたり50μg〜2mgのリナクロチド)。
【0102】
別の実施形態では、適切な量の活性ビーズを使用してゼラチンカプセルを充填し、1つ以上の薬学的に許容されるフィラーまたは他の薬学的に許容される添加物をゼラチンカプセルに添加する。
【0103】
実施例19:リナクロチド製剤を含むカプセルの調製
コーティング溶液の調製
最初に、41.98gの精製水を1.13gの塩酸と混合し、1.5〜2.0のpHを有する溶液を生成させた。次に、7.49gの塩化カルシウム二水和物および6.68gのロイシンを溶液に添加し、これをその後、30分間混合し、透明溶液を生成させた。pHを試験し、1.70gの塩酸を添加し、1.5〜2.0のpHを有する溶液を生成させた。次に、13.27gのヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Dow Chemical Company、Midland、MI)を溶液に添加し、混合物を60分間撹拌し、透明溶液を達成した。次に、4.39gのリナクロチドを溶液に添加し、90分間混合した。溶液のpHは1.73であった。これをコーティング溶液とした。
【0104】
活性ビーズの調製
674.5gの微結晶セルロースビーズ(Celphere CP−305;旭化成株式会社(東京;日本))をGlatt GPCG−2 Fluid BedのWurster Columnに添加した。微結晶セルロースビーズを60℃の生成物温度で30分間、流動化させ、加熱した。次に、コーティング溶液をビーズに積層させた。生成物温度を、80℃の入口温度、5.0〜11g/分の噴霧速度、2.0 barの噴霧圧、および40〜50mhの空気体積により、45℃〜49℃で制御した。全コーティング溶液をビーズに積層させた後、ビーズを46.9℃〜50.9℃の生成物温度を用いて10分間乾燥させた。この過程の生成物を活性ビーズと呼んだ。
【0105】
上記で記載されるように調製した製剤から抽出したリナクロチドの逆相液体クロマトグラフィーは、抽出リナクロチドおよびリナクロチド参照標準は、同じ保持時間を示すこと、製剤化過程の結果有意の純度変化はなかったことを証明した。
【0106】
カプセルを形成するために、49.50gの活性ビーズを透明袋に添加した。次に、60メッシュスクリーンを通して選別した0.25gのロイシンを袋に添加した。袋を縛り、全ての材料を混合するために125回転混合した。次に、60メッシュスクリーンを通して選別した0.25gのタルクを袋に添加した。袋を縛り、全ての材料を混合するために125回転混合した。全ての材料が混合されるとすぐに、混合物を使用して、±5%の範囲を有する227mg/カプセルの標的重量でサイズ2ゼラチンカプセルを充填した。
【0107】
実施例20:リナクロチド製剤を含むカプセルの調製
実施例16に従い活性ビーズを調製した。活性ビーズをリナクロチド含有量に対して試験した。活性ビーズのアッセイ法に基づき、MG2 Futuraカプセル化機を用いて、適切な量の活性ビーズ(96mg〜123mg)をサイズ2ハードゼラチンカプセルに充填し、300μgのリナクロチド濃度を達成した。
【0108】
実施例15に従い活性ビーズを調製した。活性ビーズをリナクロチド含有量に対して試験した。活性ビーズのアッセイ法に基づき、MG2 Futuraカプセル化機を用いて、適切な量の活性ビーズ(48mg〜62mg)をサイズ2ハードゼラチンカプセルに充填し、150μgのリナクロチド濃度を達成した。
【0109】
実施例21:リナクロチド含有量および純度の測定
リナクロチド含有量および純度、ならびにリナクロチド関連物質の測定値は、逆相勾配液体クロマトグラフィーにより、Agilent Series 1100 LCシステムを使用し、Chemstation Rev A.09.03ソフトウエアまたは等価物を用いて決定し得る。YMC Pro(商標) C18カラム(寸法:3.0×150mm、3.5μm、120Å;Waters Corp.,Milford,MA)または等価物を使用し、40℃で維持する。移動相A(MPA)は0.1%トリフルオロ酢酸を有する水から構成され、一方移動相B(MPB)は95%アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸を有する5%水から構成される。リナクロチドおよびその関連物質の溶出は0%から47%のMPBの勾配で28分、続いて100%のMPBまでの傾斜で4分、100%MPBで5分保持し、カラムを洗浄して達成する。カラムの再平衡化を1分で0%MPBに戻し、続いて100%MPAで10分保持することにより実施する。流速は0.6mL/分であり、検出は220nmのUVで達成する。
【0110】
分析のための試料を、リナクロチドカプセルの中身を0.1N HClに添加し、20μgリナクロチド/mLの標的濃度を得ることにより調製する。この溶液100μLをカラム上に注入する。
【0111】
調製した試料中のリナクロチド濃度を、同様に調製した外部リナクロチド標準に対して決定することにより、リナクロチド含有量を測定する。
【0112】
HPLCによるリナクロチドの分析の一例を図1に示すが、ここで、「酸化」はリナクロチド酸化生成物を示し、「ホルムアルデヒドイミン」はリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物を示し、「加水分解」はリナクロチド加水分解生成物を示す。
【0113】
実施例22:リナクロチド製剤安定性試験
実施例1〜15および17の製剤では、ゼラチンカプセルを約225mgの活性ビーズで充填した。5つの充填カプセルをプラスチック瓶に入れた。瓶は1〜2gの乾燥剤を含み、誘導密封させた。瓶を6ヶ月40°C/75% RHで貯蔵した。
【0114】
リナクロチド含有量および純度、ならびにリナクロチド関連物質の量を、本質的に実施例21で記載されるように、または等価の方法により測定した。結果を表7に示す。
【0115】
【表7−1】

【0116】
【表7−2】

【0117】
実施例16の製剤では、ゼラチンカプセルを約113mgの総ビーズで充填した。35の充填カプセルをプラスチック瓶に入れた。瓶は2gの乾燥剤を含み、誘導密封させた。瓶を1ヶ月40°C/75%RHで貯蔵した。
【0118】
リナクロチド含有量および純度、ならびにリナクロチド関連物質の量を、本質的に実施例21で記載されるように、または等価の方法により測定し得る。結果を表8に示す。
【0119】
【表8】

【0120】
実施例23:リナクロチド加水分解生成物の単離および調製
7位のAsnをAsp(リナクロチドの番号付けはN末端Cysの1から開始する)に変換するとリナクロチド加水分解生成物が生じる。その構造を下記に示す。
【0121】
【化5】

【0122】
リナクロチド加水分解生成物は、標準固相ペプチド合成技術を用いて、同一性の確認のために独立して合成されている。リナクロチド加水分解生成物はまた、当技術分野で知られている他の方法により、例えば、クロマトグラフィー技術を用いたリナクロチド調製物からの単離により、またはリナクロチド加水分解生成物(Cys Cys Glu Tyr Cys Cys Asp Pro Ala Cys Thr Gly Cys Tyr)をコードする核酸の組換え発現により、場合により、続いてシステイン残基を酸化させてジスルフィド結合を形成させることにより調製し得る。
【0123】
実施例24:リナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物の単離および調製
ホルムアルデヒド媒介反応を介してN−末端Cys(Cys1)にイミンを付加すると、ホルムアルデヒドイミン生成物が生じる。生成物の提案された構造を下記に示す。
【0124】
【化6】

【0125】
リナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物は、無水エタノール中室温で、4日間、リナクロチドをホルムアルデヒド(1:5モル比)と反応させることにより、同一性の確認のために独立して合成されている。ホルムアルデヒドイミン生成物はまた、当技術分野で知られている他の方法により、例えば、クロマトグラフィー技術を用いたリナクロチド調製物からの単離により、または化学的ペプチド合成またはリナクロチドをコードする核酸の組換え発現、続く本明細書で記載されるホルミル化により、または当技術分野で知られている他の方法により、場合により、続いてシステイン残基を酸化させてジスルフィド結合を形成させることにより調製し得る。
【0126】
実施例25:リナクロチド酸化生成物の単離および調製
リナクロチド酸化生成物は1542.8の分子量を有する。酸化生成物は、単一酸素原子をリナクロチド中の6つのシステイニルの硫黄の1つに付加すると形成する可能性が最も高い。生成物の1つの可能性のある構造を下記に示すが、当業者であれば、酸素原子は他の5つの硫黄のいずれにも結合され得ることを認識するであろう。
【0127】
【化7】

【0128】
この同定を裏付けるために、リナクロチドを過酸化水素(3%水溶液)と室温または40℃で最大24時間まで反応させることにより、リナクロチド酸化生成物を生成させている。得られた生成物は1〜10%酸化生成物が豊富である。リナクロチド酸化生成物はまた、当技術分野で知られている他の方法により、例えば、クロマトグラフィー技術を用いたリナクロチド調製物からの単離により、または化学的ペプチド合成またはリナクロチドをコードする核酸の組換え発現、続いてシステイン残基を酸化させてジスルフィド結合を形成させることにより、続いて、リナクロチドを過酸化水素または同様の酸化試薬と反応させ、リナクロチド酸化生成物を形成させることにより、調製し得る。
【0129】
実施例26:リナクロチド錠剤製剤
流動床造粒
リナクロチド、CaCl、ロイシンおよびポリビニルピロリドン(PVP)K30を0.0001N HClに溶解し、コーティング溶液を形成させた(表9を参照されたい)。イソマルトを流動床のボウルに添加した。イソマルト粉末を流動化させながら、薬物溶液を、生成物温度を約40℃として、約10g/分の速度で上面噴霧させ、粉末をコーティング溶液でコートした。噴霧を終了すると、リナクロチド顆粒を30分間乾燥させ、生成物を放出させた。
【0130】
【表9】

【0131】
リン酸二カルシウムまたはAvicelもまた、流動床造粒のためのフィラーとして使用した。
【0132】
湿式造粒
リナクロチドの重量を量り、撹拌しながら250gの0.1N HCl(pH1.7)に溶解し、溶液1を形成させた(表10を参照されたい)。CaClおよびロイシンの重量を量り、撹拌しながら100gの0.1N HClに溶解し、溶液2を形成させた。溶液1および溶液2を共に、撹拌しながら混合し、コーティング溶液を形成させた。Avicelを高せん断造粒機のボウルに添加した。500rpmで混合しながら、コーティング溶液をAvicel中に添加した。溶液の添加を終了すると、顆粒を混合し、1分間せん断した。得られた湿式顆粒を流動床のボウルに添加し、15分間乾燥させ、その後、リナクロチド顆粒を放出させた。
【0133】
【表10】

【0134】
湿式造粒製剤化では、CaClおよびロイシンのリナクロチドに対するモル比をそれぞれ、60〜100、30〜50の範囲で調節した。また、スクロースを一例では添加した。表11を参照されたい。
【0135】
【表11】

【0136】
錠剤製剤
リナクロチド顆粒を下記賦形剤と混合し(表12を参照されたい)、圧縮して約4kpの硬度を有する錠剤とした。
【0137】
【表12】

【0138】
イソマルト、デンプン1500またはリン酸二カルシウムもまた、上記製剤化に基づき、錠剤フィラーとして使用した(表13を参照されたい)。
【0139】
【表13】

【0140】
40℃および75%相対湿度で2週間貯蔵した後、表13で記載される錠剤は全て、リナクロチドのアッセイ値が90%を超えることを示した。
【0141】
実施例27〜53:リナクロチド製剤の調製
実施例27〜53のリナクロチド製剤を本質的には製剤スキームAおよび実施例1〜15で記載されるように生成させた。リナクロチドコーティング溶液は0.7%の結合剤(w/v)を含有し、実施例1〜15で記載されるように、コーティング溶液をCelphere CP−305ビーズ上に噴霧させた。表14はカチオン、アミンおよび/または他の賦形剤の型をリナクロチドに対するそれらのモル比、ならびに使用した結合剤の型と共に提供し、一方、表15はビーズをコートした条件を提供する。
【0142】
【表14−1】

【0143】
【表14−2】

【0144】
【表14−3】

【0145】
「カチオン」は実施例で使用される塩に含有されるカチオンを示し、「アミン」は立体障害第一級アミンを示し、[モル比]はカチオン:アミン:リナクロチド:添加物(該当する場合)のモル比を示す。
【0146】
【表15】

【0147】
処理問題は、実施例32(アルギン酸カルシウム)、34(ステアリン酸カルシウム)および43(CaCl:ビタミンE)では、ビーズ上への噴霧中に経験した。このように、コーティング溶液をCelphereビーズと混合し、ビーズをトレイ上で乾燥させた。
【0148】
実施例54:リナクロチド製剤安定性試験
実施例27〜53の製剤では、ゼラチンカプセルを約225mgの活性ビーズ(600μgリナクロチド/カプセル)で充填した。5つの充填カプセルをプラスチック瓶に入れた。瓶は1gの乾燥剤を含み、誘導密封させた。瓶を3ヶ月または6ヶ月40°C/75%RHで貯蔵した。
【0149】
リナクロチド含有量(μg/mg)およびクロマトグラフィー純度%(%CP)を、本質的には実施例21で記載されるように、または等価の方法により測定した。結果を表16A(3ヶ月安定性)または表16B(6ヶ月安定性)で提供する。
【0150】
【表16A】

【0151】
アッセイ法に対する値の変動[w/w 最初からの%]は、小規模で製造されたこれらカプセルロットに対する含量均一性の不完全な制御を反映する。
【0152】
実施例32、34および43に対する、処理中に遭遇した困難およびその結果得られた改良処理手順(以上を参照されたい)は、これらの試料で観察されたより低い安定性を説明することができるであろうと考えられる。
【0153】
【表16B−1】

【0154】
【表16B−2】

【0155】
【表16B−3】

【0156】
6ヶ月時点での実施例27〜53のクロマトグラフィー純度値は、非定型に、低く、特にこれらの試料に対する3ヶ月時点に関して低いようにみえる。安定化または不安定化効果に対する相対的な傾向は、内部参照実験としての実施例27および実施例31と比較することにより確立することができ、これらでは、クロマトグラフィー純度値が、実施された他の研究において一貫して観察されたものより約6〜8%低い(例えば、実施例2および9を参照されたい)。同じ製剤に対し、表16Aで提供した3ヶ月データは、より典型的なクロマトグラフィー純度値を示す。このように、6ヶ月での低いクロマトグラフィー純度値は、これらの特定の貯蔵条件に対する6ヶ月の不十分な乾燥剤能力に起因する可能性がある。この仮定は、観察された、水分への曝露を示す不純物ピークにより裏付けられる。
【0157】
実施例55:25°C/60%RHで24ヶ月のリナクロチド製剤安定性試験
実施例8〜15および17の製剤では、ゼラチンカプセルを約225mgの活性ビーズで充填した。5つの充填カプセルをプラスチック瓶に入れた。瓶は1gの乾燥剤を含み、誘導密封させた。瓶を25°C/60%RHで24ヶ月間貯蔵した。
【0158】
リナクロチド含有量および純度ならびにリナクロチド関連物質の量を、本質的には実施例21で記載されるように、または等価の方法により測定した。結果を表17で提供する。
【0159】
【表17】

【0160】
1)実施例10に関し、Aquacoat(Aquacoatエチルセルロース水性分散物、15%w/w、FMC Biopolymer、ECD−30)の追加の保護コーティングを有する。
2)実施例10に関し、Opadry(Opadry AMB分散物、20%w/w、Colorcon)の追加の保護コーティングを有する。
3)実施例10に関し、Eudragit(Eudragit E PO,Degussa,Roehm Pharma Polymers;SLS,Stearic Acid)の追加の保護コーティングを有する。
【0161】
実施例56:リナクロチド錠剤製剤および安定性試験
活性リナクロチド顆粒を、本質的には実施例26で記載されるように、表18で記載される試薬を用い、流動床造粒により製造した。リナクロチド顆粒を表19で記載される賦形剤と混合し、圧縮して約4kpの硬度を有する錠剤とした。
【0162】
35の錠剤を5gの乾燥剤を有する60ccの瓶にパッケージし、40°C/75%RHで最大3ヶ月間、または30°C/65%RHで最大3ヶ月間貯蔵した。
【0163】
リナクロチド含有量および純度ならびにリナクロチド関連物質の量を、本質的には実施例21で記載されるように、または等価の方法により測定した。結果を表20で提供する。
【0164】
【表18】

【0165】
【表19】

【0166】
【表20】

【0167】
実施例57:リナクロチドカプセル製剤
実施例57のリナクロチド製剤を本質的には実施例16で記載されるように製造した。表21は完全なリナクロチドビーズ薬物層溶液に対する、コーティング溶液成分およびそれらの理論的重量(mg/g)および(kg/バッチ)を提供する。表22はリナクロチド活性ビーズの調製のための成分および理論的重量(mg/g)および(kg/バッチ)を提供する。リナクロチド製剤を本質的には実施例20で記載されるように、ハードゼラチンカプセル、サイズ2(重量61mg)でカプセル化した。150μgのリナクロチドカプセルは56mgのリナクロチドビーズ(600μgリナクロチド/225mgビーズ)を含み、一方、300μgのリナクロチドカプセルは113mgのリナクロチドビーズ(600μgリナクロチド/225mgビーズ)を含んだ。
【0168】
【表21】

【0169】
【表22】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である薬学的組成物。
【請求項2】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が、9%、8%、7%、6%、5%または4%未満である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の単位剤形であって、(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である、単位剤形。
【請求項4】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が、9%、8%、7%、6%、5%または4%未満である、請求項3に記載の単位剤形。
【請求項5】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の複数の単位剤形を含む密閉容器であって、(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を18ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である、密閉容器。
【請求項6】
(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を18ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が9%、8%、7%、6%、5%または4%未満である、請求項5に記載の密閉容器。
【請求項7】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である、薬学的組成物。
【請求項8】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の単位剤形であって、(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である、単位剤形。
【請求項10】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である、請求項9に記載の単位剤形。
【請求項11】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の複数の単位剤形を含む密閉容器であって、(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を18ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定した前記単位剤形中のリナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である、密閉容器。
【請求項12】
(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を18ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値の減少が9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である、請求項11に記載の密閉容器。
【請求項13】
各単位剤形が50μg〜2mgのリナクロチドを含む、請求項3〜4または9〜10のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項14】
各単位剤形が50μg〜2mgのリナクロチドを含む、請求項5〜6または11〜12のいずれか一項に記載の密閉容器。
【請求項15】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を24ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である、請求項1または2のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項16】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を24ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である、請求項3または4のいずれかに記載の単位剤形。
【請求項17】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を24ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度の減少が10%未満である、請求項5または6のいずれかに記載の密閉容器。
【請求項18】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を24ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である、請求項7または8のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項19】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を24ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である、請求項9または10のいずれかに記載の単位剤形。
【請求項20】
(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を最初に24ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値の減少が10%未満である、請求項11または12のいずれかに記載の密閉容器。
【請求項21】
薬学的に許容される担体、リナクロチドおよび(i)Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択されるカチオン、または(ii)立体障害第一級アミンから選択される1つ以上の作用物質を含む薬学的組成物であって、前記作用物質が、(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を最初に18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を最初に6ヶ月貯蔵した後、前記作用物質を有しない薬学的組成物に対し、前記組成物の少なくとも1つの属性を改善し、前記属性が、リナクロチド含有量により測定されるリナクロチドの分解速度の減少、リナクロチドのクロマトグラフィー純度により測定されるリナクロチドの分解速度の減少、リナクロチド量に対するリナクロチド酸化生成物の量の減少、リナクロチド量に対するリナクロチド加水分解生成物の量の減少、またはリナクロチド量に対するリナクロチドのリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物の量の減少から選択される、薬学的組成物。
【請求項22】
前記作用物質が、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+である、請求項21に記載の薬学的組成物。
【請求項23】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸マンガン、塩化マンガン、リン酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、または硫酸アルミニウムとして提供される、請求項22に記載の薬学的組成物。
【請求項24】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化マンガン、塩化カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化アルミニウムとして提供される、請求項23に記載の薬学的組成物。
【請求項25】
前記作用物質がMg2+、Ca2+またはZn2+である、請求項22に記載の薬学的組成物。
【請求項26】
前記Mg2+、Ca2+またはZn2+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウムまたは酢酸亜鉛として提供される、請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項27】
前記作用物質がCa2+である、請求項22に記載の薬学的組成物。
【請求項28】
前記Ca2+が塩化カルシウムとして提供される、請求項27に記載の薬学的組成物。
【請求項29】
前記作用物質が立体障害第一級アミンである、請求項21に記載の薬学的組成物。
【請求項30】
前記立体障害第一級アミンがアミノ酸である、請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項31】
前記アミノ酸が天然アミノ酸である、請求項30に記載の薬学的組成物。
【請求項32】
前記天然アミノ酸が、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、トリプトファン、またはバリンである、請求項31に記載の薬学的組成物。
【請求項33】
前記天然アミノ酸がヒスチジン、フェニルアラニン、ロイシン、メチオニン、イソロイシン、トリプトファン、またはバリンである、請求項32に記載の薬学的組成物。
【請求項34】
前記天然アミノ酸がロイシン、イソロイシン、アラニンまたはメチオニンである、請求項33に記載の薬学的組成物。
【請求項35】
前記天然アミノ酸がロイシンまたはメチオニンである、請求項34に記載の薬学的組成物。
【請求項36】
前記天然アミノ酸がロイシンである、請求項35に記載の薬学的組成物。
【請求項37】
前記立体障害第一級アミンが非天然アミノ酸またはアミノ酸誘導体である、請求項30に記載の薬学的組成物。
【請求項38】
前記非天然アミノ酸が1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、ランタニンまたはテアニンである、請求項37に記載の薬学的組成物。
【請求項39】
前記立体障害第一級アミンが下記式:
【化8】

を有し、式中、R、RおよびRは独立して、H、−C(O)OH、場合により−COH、−CONHまたは5〜10員アリールもしくはヘテロアリールで置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシアルキル、またはC〜Cチオアルコキシアルキルから選択され、ここで、上記アルキルまたはアリール基のいずれも、ハロゲンまたは−NHで一置換または複数置換され得、ただし、R、RおよびRの2つ以下がHであることを条件とする、請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項40】
前記立体障害第一級アミンがシクロヘキシルアミンまたは2−メチルブチルアミンである、請求項39に記載の薬学的組成物。
【請求項41】
前記立体障害第一級アミンが重合体アミンである、請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項42】
前記重合体アミンがキトサンである、請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項43】
Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+をさらに含む、請求項29〜42のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項44】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸マンガン、塩化マンガン、リン酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、または硫酸アルミニウムとして提供される、請求項43に記載の薬学的組成物。
【請求項45】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化マンガン、塩化カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化アルミニウムとして提供される、請求項44に記載の薬学的組成物。
【請求項46】
Mg2+、Ca2+またはZn2+をさらに含む、請求項29〜42のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項47】
前記Mg2+、Ca2+またはZn2+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウムまたは酢酸亜鉛として提供される、請求項46に記載の薬学的組成物。
【請求項48】
Ca2+をさらに含む、請求項46に記載の薬学的組成物。
【請求項49】
前記Ca2+が塩化カルシウムとして提供される、請求項48に記載の薬学的組成物。
【請求項50】
抗酸化剤をさらに含む、請求項21〜49のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項51】
前記抗酸化剤が、BHA、ビタミンEまたは没食子酸プロピルである、請求項50に記載の薬学的組成物。
【請求項52】
薬学的に許容される担体、リナクロチド、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択されるカチオン、および立体障害第一級アミンを含む薬学的組成物。
【請求項53】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸マンガン、塩化マンガン、リン酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、または硫酸アルミニウムとして提供される、請求項52に記載の薬学的組成物。
【請求項54】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化マンガン、塩化カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化アルミニウムとして提供される、請求項53に記載の薬学的組成物。
【請求項55】
前記カチオンがMg2+、Ca2+またはZn2+から選択される、請求項52に記載の薬学的組成物。
【請求項56】
前記Mg2+、Ca2+またはZn2+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウムまたは酢酸亜鉛として提供される、請求項55に記載の薬学的組成物。
【請求項57】
前記カチオンがCa2+である、請求項55に記載の薬学的組成物。
【請求項58】
前記Ca2+が塩化カルシウムとして提供される、請求項57に記載の薬学的組成物。
【請求項59】
前記立体障害第一級アミンがアミノ酸である、請求項52〜56のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項60】
前記アミノ酸が天然アミノ酸である、請求項59に記載の薬学的組成物。
【請求項61】
前記天然アミノ酸が、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、トリプトファン、メチオニンまたはバリンである、請求項60に記載の薬学的組成物。
【請求項62】
前記天然アミノ酸がヒスチジン、フェニルアラニン、ロイシン、メチオニン、イソロイシン、トリプトファン、またはバリンである、請求項61に記載の薬学的組成物。
【請求項63】
前記天然アミノ酸がロイシン、イソロイシン、アラニンまたはメチオニンである、請求項62に記載の薬学的組成物。
【請求項64】
前記天然アミノ酸がロイシンである、請求項63に記載の薬学的組成物。
【請求項65】
前記立体障害第一級アミンが非天然アミノ酸またはアミノ酸誘導体である、請求項52に記載の薬学的組成物。
【請求項66】
前記非天然アミノ酸が1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、ランタニンまたはテアニンである、請求項65に記載の薬学的組成物。
【請求項67】
前記立体障害第一級アミンが下記式:
【化9】

を有し、式中、R、RおよびRは独立して、H、−C(O)OH、場合により−COH、−CONHまたは5〜10員アリールもしくはヘテロアリールで置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシアルキル、またはC〜Cチオアルコキシアルキルから選択され、ここで、上記アルキルまたはアリール基のいずれも、ハロゲンまたは−NHで一置換または複数置換され得、ただし、R、RおよびRの2つ以下がHであることを条件とする、請求項52に記載の薬学的組成物。
【請求項68】
前記立体障害第一級アミンがシクロヘキシルアミンまたは2−メチルブチルアミンである、請求項67に記載の薬学的組成物。
【請求項69】
前記立体障害第一級アミンが重合体アミンである、請求項52に記載の薬学的組成物。
【請求項70】
前記立体障害第一級アミンがキトサンである、請求項69に記載の薬学的組成物。
【請求項71】
薬学的に許容されるグライダント、滑沢剤またはグライダントおよび滑沢剤の両方として作用する添加物をさらに含む、請求項52〜70のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項72】
抗酸化剤をさらに含む、請求項52〜71のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項73】
前記抗酸化剤が、BHA、ビタミンEまたは没食子酸プロピルである、請求項72に記載の薬学的組成物。
【請求項74】
薬学的に許容される結合剤をさらに含む、請求項52〜73のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項75】
前記薬学的に許容される結合剤が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、デンプン、マルトデキストリンまたはセルロースエーテルから選択される、請求項74に記載の薬学的組成物。
【請求項76】
前記薬学的に許容される結合剤がセルロースエーテルである、請求項75に記載の薬学的組成物。
【請求項77】
前記セルロースエーテルが、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される、請求項76に記載の薬学的組成物。
【請求項78】
薬学的に許容されるフィラーをさらに含む、請求項52〜77のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項79】
前記薬学的に許容されるフィラーがセルロース、イソマルト、マンニトールまたは二塩基性リン酸カルシウムである、請求項78に記載の薬学的組成物。
【請求項80】
前記セルロースが、マイクロファインセルロースおよび微結晶セルロースから選択される、請求項79に記載の薬学的組成物。
【請求項81】
前記薬学的に許容されるフィラーが、150μm〜1000μmの平均直径を有する粒子を含む、請求項78〜80のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項82】
前記薬学的組成物がフィラーを含み、リナクロチドの薬学的に許容されるフィラーに対する重量比が1:25〜1:2,500である、請求項52〜81のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項83】
リナクロチドの薬学的に許容されるフィラーに対する前記重量比が1:100〜1:2000である、請求項82に記載の薬学的組成物。
【請求項84】
リナクロチドの薬学的に許容されるフィラーに対する前記重量比が1:100〜1:1000である、請求項83に記載の薬学的組成物。
【請求項85】
前記立体障害アミンがロイシンであり、ロイシンのリナクロチドに対するモル比が少なくとも10:1である、請求項52〜84のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項86】
ロイシンのリナクロチドに対する前記モル比が少なくとも20:1である、請求項85記載の薬学的組成物。
【請求項87】
ロイシンのリナクロチドに対する前記モル比が少なくとも30:1である、請求項86記載の薬学的組成物。
【請求項88】
前記カチオンがCa2+であり、Ca2+のロイシンに対するモル比が少なくとも1:1である、請求項52〜87のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項89】
Ca2+のロイシンに対する前記モル比が少なくとも1.5:1である、請求項88に記載の薬学的組成物。
【請求項90】
Ca2+のロイシンに対する前記モル比が少なくとも2:1である、請求項89に記載の薬学的組成物。
【請求項91】
カチオン:立体障害第一級アミン:リナクロチドのモル比が40〜100:20〜50:1である、請求項52〜84のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項92】
前記カチオンがCa2+であり、前記立体障害第一級アミンがロイシンである、請求項91に記載の薬学的組成物。
【請求項93】
Ca2+:ロイシン:リナクロチドのモル比が、100:30:1、80:40:1、80:30:1、80:20:1、60:30:1、60:20:1、50:30:1、50:20:1、40:20:1、20:20:1、10:10:1、10:5:1、5:10:1または5:5:1である、請求項92に記載の薬学的組成物。
【請求項94】
Ca2+:ロイシン:リナクロチドの前記モル比が、60:30:1である、請求項93に記載の薬学的組成物。
【請求項95】
Ca2+がCaClとして提供される、請求項92〜94のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項96】
請求項92〜95のいずれか一項に記載の薬学的組成物を含む単位剤形。
【請求項97】
各単位剤形が、50μg〜1mgのリナクロチドを含む、請求項96記載の単位剤形。
【請求項98】
各単位剤形がカプセルまたは錠剤であり、前記単位剤形が、67.5μg、100μg、133μg、150μg、200μg、266μg、300μg、400μg、500μgまたは600μgのリナクロチドを含む、請求項97に記載の単位剤形。
【請求項99】
(a)(i)リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩、
(ii)Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaもしくはAl3+から選択されるカチオン、または立体障害第一級アミンのうちの1つ以上、および、
(iii)場合により、薬学的に許容される結合剤
を含む水溶液を提供すること、ならびに
(b)前記水溶液を薬学的に許容されるフィラーに塗布し、リナクロチド−コートフィラーを生成させること
を含む、リナクロチドまたはその塩を含む薬学的組成物を調製するための方法。
【請求項100】
前記水溶液が立体障害第一級アミンを含む、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸マンガン、塩化マンガン、リン酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、または硫酸アルミニウムとして提供される、請求項99に記載の方法。
【請求項102】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化マンガン、塩化カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化アルミニウムとして提供される、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記カチオンがMg2+、Ca2+またはZn2+から選択される、請求項99に記載の方法。
【請求項104】
前記Mg2+、Ca2+またはZn2+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウムまたは酢酸亜鉛として提供される、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記カチオンがCa2+である、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
前記Ca2+が塩化カルシウムとして提供される、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記立体障害第一級アミンがアミノ酸である、請求項99に記載の方法。
【請求項108】
前記アミノ酸が天然アミノ酸である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記天然アミノ酸が、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、トリプトファン、メチオニンまたはバリンである、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記天然アミノ酸がヒスチジン、フェニルアラニン、ロイシン、メチオニン、イソロイシン、トリプトファン、またはバリンである、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記天然アミノ酸がロイシン、イソロイシン、アラニンまたはメチオニンである、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記天然アミノ酸がロイシンである、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記立体障害第一級アミンが非天然アミノ酸またはアミノ酸誘導体である、請求項99に記載の方法。
【請求項114】
前記非天然アミノ酸が1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、ランタニンまたはテアニンである、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記立体障害第一級アミンが下記式:
【化10】

を有し、式中、R、RおよびRは独立して、H、−C(O)OH、場合により−COH、−CONHまたは5〜10員アリールもしくはヘテロアリールで置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシアルキル、またはC〜Cチオアルコキシアルキルから選択され、ここで、上記アルキルまたはアリール基のいずれも、ハロゲンまたは−NHで一置換または複数置換され得、ただし、R、RおよびRの2つ以下がHであることを条件とする、請求項99に記載の方法。
【請求項116】
前記立体障害第一級アミンがシクロヘキシルアミンまたは2−メチルブチルアミンである、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記立体障害第一級アミンが重合体アミンである、請求項99に記載の方法。
【請求項118】
前記立体障害第一級アミンがキトサンである、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記水溶液が抗酸化剤をさらに含む、請求項99〜118に記載の方法。
【請求項120】
前記抗酸化剤が、BHA、BHT、ビタミンE、没食子酸プロピル、アスコルビン酸およびその塩またはエステル、トコフェロールおよびそのエステル、α−リポ酸、またはβ−カロテンである、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記水溶液が、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+から選択される前記カチオンおよび前記立体障害第一級アミンの両方を含む、請求項99に記載の方法。
【請求項122】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸マンガン、塩化マンガン、リン酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸カリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、または硫酸アルミニウムとして提供される、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaまたはAl3+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化マンガン、塩化カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化アルミニウムとして提供される、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記カチオンがMg2+、Ca2+またはZn2+から選択される、請求項121に記載の方法。
【請求項125】
前記Mg2+、Ca2+またはZn2+が、塩化マグネシウム、塩化カルシウムまたは酢酸亜鉛として提供される、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記カチオンがCa2+である、請求項124に記載の方法。
【請求項127】
前記Ca2+が塩化カルシウムとして提供される、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記立体障害第一級アミンがアミノ酸である、請求項121に記載の方法。
【請求項129】
前記アミノ酸が天然アミノ酸である、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記天然アミノ酸が、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、トリプトファン、メチオニンまたはバリンである、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記天然アミノ酸がヒスチジン、フェニルアラニン、ロイシン、メチオニン、イソロイシン、トリプトファン、またはバリンである、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記天然アミノ酸がロイシン、イソロイシン、アラニンまたはメチオニンである、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記天然アミノ酸がロイシンである、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
前記立体障害第一級アミンが非天然アミノ酸またはアミノ酸誘導体である、請求項121に記載の方法。
【請求項135】
前記非天然アミノ酸が1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、ランタニンまたはテアニンである、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記立体障害第一級アミンが下記式:
【化11】

を有し、式中、R、RおよびRは独立して、H、−C(O)OH、場合により−COH、−CONHまたは5〜10員アリールもしくはヘテロアリールで置換されたC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシアルキル、またはC〜Cチオアルコキシアルキルから選択され、ここで、上記アルキルまたはアリール基のいずれも、ハロゲンまたは−NHで一置換または複数置換され得、ただし、R、RおよびRの2つ以下がHであることを条件とする、請求項121に記載の方法。
【請求項137】
前記立体障害第一級アミンがシクロヘキシルアミンまたは2−メチルブチルアミンである、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記立体障害第一級アミンが重合体アミンである、請求項121に記載の方法。
【請求項139】
前記立体障害第一級アミンがキトサンである、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記水溶液が抗酸化剤をさらに含む、請求項121〜140に記載の方法。
【請求項141】
前記抗酸化剤が、BHA、BHT、ビタミンE、没食子酸プロピル、アスコルビン酸およびその塩またはエステル、トコフェロールおよびそのエステル、α−リポ酸、またはβ−カロテンである、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記抗酸化剤が、BHAである、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記結合剤が存在し、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、デンプン、マルトデキストリンまたはセルロースエーテルから選択される、請求項99〜142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記薬学的に許容される結合剤がセルロースエーテルである、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記セルロースエーテルが、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記フィラーがセルロース、イソマルト、マンニトールまたは二塩基性リン酸カルシウムから選択される、請求項99〜145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
前記フィラーが、マイクロファインセルロースまたは微結晶セルロースである、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記水溶液が噴霧により前記フィラーに塗布される、請求項99〜147のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
前記水溶液が混合により前記フィラーに塗布される、請求項99〜147のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
リナクロチドの薬学的に許容されるフィラーに対する重量比が1:100〜1:25000である、請求項99〜149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
リナクロチドの薬学的に許容されるフィラーに対する前記重量比が1:100〜1:1000である、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
カチオン:立体障害第一級アミン:リナクロチドのモル比が40〜100:20〜30:1である、請求項121〜151のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
前記カチオンがCa2+である、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記立体障害第一級アミンがロイシンである、請求項152に記載の方法。
【請求項155】
前記カチオンがCa2+であり、前記立体障害第一級アミンがロイシンであり、Ca2+:ロイシン:リナクロチドの前記モル比が、100:30:1、80:40:1、80:30:1、80:20:1、60:30:1、60:20:1、50:30:1、50:20:1、40:20:1、20:20:1、10:10:1、10:5:1または5:5:1である、請求項152に記載の方法。
【請求項156】
Ca2+:ロイシン:リナクロチドの前記モル比が、60:30:1である、請求項155に記載の方法。
【請求項157】
薬学的に許容されるフィラーがセルロース、イソマルト、マンニトールまたは二塩基性リン酸カルシウムから選択される、請求項152〜156のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
前記薬学的に許容されるフィラーが、マイクロファインセルロースまたは微結晶セルロースである、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
薬学的に許容される結合剤が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、デンプン、マルトデキストリンまたはセルロースエーテルである、請求項152〜158のいずれか一項に記載の方法。
【請求項160】
前記薬学的に許容される結合剤がセルロースエーテルである、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記薬学的に許容される結合剤が、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
(c)コーティングをリナクロチド−コートフィラーに塗布することをさらに含む、請求項99〜161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
前記コーティングがAquacoat、EudragitまたはOpadryから選択される、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記リナクロチド−コートフィラーを1つ以上の薬学的に許容される添加物と混合させる、請求項99〜163のいずれか一項に記載の方法。
【請求項165】
前記リナクロチド−コートフィラーを、それぞれ、錠剤またはカプセル中で、錠剤化またはカプセル化することをさらに含む、請求項99〜164のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
前記リナクロチド−コートフィラーを、カプセル中でカプセル化する、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
前記カプセルがゼラチンカプセルである、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
各カプセルまたは錠剤が50μg〜1mgのリナクロチドを含む、請求項165〜167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
各カプセルまたは錠剤が、50μg、67.5μg、100μg、133μg、150μg、200μg、266μg、300μg、400μg、500μgまたは600μgのリナクロチドを含む、請求項168に記載の方法。
【請求項170】
各カプセルまたは錠剤が、67.5μg、133μg、150μg、266μgまたは300μgのリナクロチドを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
腸運動障害、過敏性腸症候群、便秘、便秘と関連する疼痛、消化不良、胃不全麻痺、慢性偽性腸閉塞、クローン病、潰瘍性大腸炎、または炎症性腸疾患を患う患者を治療するための方法であって、有効量の、請求項1〜98のいずれか一項に記載の薬学的組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項172】
前記過敏性腸症候群が、便秘型過敏性腸症候群または交代型過敏性腸症候群である、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
前記過敏性腸症候群が、便秘型過敏性腸症候群である、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
前記便秘が、慢性便秘、特発性便秘、術後イレウス、またはオピエート使用により引き起こされる便秘である、請求項171に記載の方法。
【請求項175】
前記便秘が慢性便秘である、請求項174に記載の方法。
【請求項176】
前記薬学的組成物が50μg〜1mgのリナクロチドを含む、請求項171〜175のいずれか一項に記載の方法。
【請求項177】
前記薬学的組成物が、50μg、67.5μg、100μg、133μg、150μg、200μg、266μg、300μg、400μg、500μgまたは600μgのリナクロチドを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記薬学的組成物が、67.5μg、133μg、150μg、266μgまたは300μgのリナクロチドを含む、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
前記薬学的組成物を1日1回、1日2回、1日3回または1日4回投与する、請求項171〜178のいずれか一項に記載の方法。
【請求項180】
前記薬学的組成物を1日1回または1日2回投与する、請求項179に記載の方法。
【請求項181】
前記薬学的組成物を1日1回投与する、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
前記薬学的組成物を1日1回、1つまたは2つの錠剤またはカプセルとして投与する、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記薬学的組成物を単一の錠剤またはカプセルとして投与する、請求項182に記載の方法。
【請求項184】
少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%または少なくとも50重量%のリナクロチド加水分解生成物である組成物。
【請求項185】
少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%のリナクロチド加水分解生成物である、請求項184に記載の組成物。
【請求項186】
少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%のリナクロチド加水分解生成物である、請求項185に記載の組成物。
【請求項187】
少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%または少なくとも50重量%のリナクロチド酸化生成物である組成物。
【請求項188】
少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%のリナクロチド酸化生成物である、請求項187に記載の組成物。
【請求項189】
少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%のリナクロチド酸化生成物である、請求項188に記載の組成物。
【請求項190】
少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%または少なくとも50重量%のリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物である組成物。
【請求項191】
少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%のリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物である、請求項190に記載の組成物。
【請求項192】
少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%のリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物である、請求項191に記載の組成物。
【請求項193】
(a)リナクロチドを含む医薬製剤試料を提供すること、
(b)リナクロチド酸化生成物、リナクロチド加水分解生成物およびリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物からなる群より選択される前記試料中の少なくも1つの分解生成物の量を測定すること、
(c)前記リナクロチド酸化生成物、前記リナクロチド加水分解生成物および/または前記リナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物の測定量を、リナクロチド酸化生成物、リナクロチド加水分解生成物および/またはリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物の参照標準量と比較して、前記医薬製剤の純度を評価すること、
を含む、リナクロチドを含む医薬製剤の純度を評価する方法。
【請求項194】
(a)参照マーカーおよびリナクロチドを含む参照試料を提供すること、
(b)前記参照試料に対しHPLCを実施し、リナクロチドと比較した前記参照マーカーの相対保持時間を決定すること、
(c)リナクロチドを含む前記試料に対しHPLCを実施しリナクロチドと比較した不純物の相対保持時間を決定すること、
(d)工程(b)および(c)において決定した前記相対保持時間を比較し、前記相対保持時間が実質的に同じである場合、前記不純物は前記参照マーカーと同じであると同定すること
を含み、
前記参照マーカーはリナクロチド酸化生成物、リナクロチド加水分解生成物またはリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物からなる群より選択される、
リナクロチドを含む試料中で不純物を同定するための方法。
【請求項195】
(a)公知の量の参照試料をリナクロチド試料に添加すること、
(b)前記リナクロチド試料をHPLCにかけること、
(c)不純物と関連するHPLCピーク面積を同定し、測定すること、
(d)前記参照標準と関連するHPLCピーク面積を同定し、測定すること、
(e)工程(c)および(d)の結果に基づき前記リナクロチド試料中の前記不純物の量を計算すること、
を含み、
前記参照試料は、リナクロチド酸化生成物、リナクロチド加水分解生成物またはリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物からなる群より選択される、
リナクロチド試料中で不純物の量を決定するための方法。
【請求項196】
(a)未知の濃度の不純物を含むリナクロチド試料を提供すること、
(b)既知の濃度の前記不純物の試料を提供すること、
(c)前記リナクロチド試料の少なくとも一部および前記不純物試料の少なくとも一部をHPLCにかけること、
(d)前記リナクロチド試料および前記不純物試料から得られた前記不純物のピークの面積を測定すること、
(e)工程(d)の測定値に基づき前記リナクロチド試料中の前記不純物の量を計算すること、
を含み、
前記不純物は、リナクロチド酸化生成物、リナクロチド加水分解生成物またはリナクロチドホルムアルデヒドイミン生成物からなる群より選択される、
リナクロチド試料中で不純物の量を決定するための方法。
【請求項197】
下記構造:
【化12】

を有する加水分解生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して2重量%未満を占める、請求項1、2、15または21〜95のいずれか一項に記載の薬学的組成物、請求項3、4、16または96〜98のいずれか一項に記載の単位剤形、または請求項5、6、17または238のいずれか一項に記載の密閉容器。
【請求項198】
前記加水分解生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して1重量%未満または0.5重量%未満を占める、請求項197記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項199】
前記加水分解生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して0.1重量%未満または0.05重量%未満を占める、請求項198記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項200】
下記構造:
【化13】

を有するホルムアルデヒドイミン生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して2重量%未満を占める、請求項1、2、15または21〜95のいずれか一項に記載の薬学的組成物、請求項3、4、16または96〜98のいずれか一項に記載の単位剤形、または請求項5、6、17または238のいずれか一項に記載の密閉容器。
【請求項201】
前記ホルムアルデヒドイミン生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して1重量%未満または0.5重量%未満を占める、請求項200記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項202】
前記ホルムアルデヒドイミン生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して0.1重量%未満または0.05重量%未満を占める、請求項201記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項203】
1542.8の分子量を有するリナクロチド酸化生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して2重量%未満を占める、請求項1、2、15または21〜95のいずれか一項に記載の薬学的組成物、請求項3、4、16または96〜98のいずれか一項に記載の単位剤形、または請求項5、6、17または238のいずれか一項に記載の密閉容器。
【請求項204】
前記リナクロチド酸化生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して1重量%未満または0.5重量%未満を占める、請求項203記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項205】
前記リナクロチド酸化生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して0.1重量%未満または0.05重量%未満を占める、請求項204記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項206】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度が90%以上である薬学的組成物。
【請求項207】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度が91%、92%、93%、94%、95%または96%以上である、請求項206に記載の薬学的組成物。
【請求項208】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の単位剤形であって、(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度が90%以上である単位剤形。
【請求項209】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度が91%、92%、93%、94%、95%または96%以上である、請求項208に記載の単位剤形。
【請求項210】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の複数の単位剤形を含む密閉容器であって、(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を18ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度が90%以上である、密閉容器。
【請求項211】
(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を18ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度が91%、92%、93%、94%、95%または96%以上である、請求項210に記載の密閉容器。
【請求項212】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値が90%以上である薬学的組成物。
【請求項213】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値が91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%以上である、請求項212に記載の薬学的組成物。
【請求項214】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の単位剤形であって、(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定したリナクロチドのアッセイ値が90%以上である単位剤形。
【請求項215】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を18ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値が91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%以上である、請求項214に記載の単位剤形。
【請求項216】
リナクロチドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物の複数の単位剤形を含む密閉容器であって、(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を18ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を6ヶ月貯蔵した後、重量/重量に基づいて決定した前記単位剤形中のリナクロチドのアッセイ値が90%以上である、密閉容器。
【請求項217】
(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を18ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値が91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%以上である、請求項216に記載の密閉容器。
【請求項218】
各単位剤形が50μg〜2mgのリナクロチドを含む、請求項208〜209または214〜215のいずれか一項に記載の単位剤形、あるいは請求項210〜211または216〜217のいずれか一項に記載の密閉容器。
【請求項219】
各単位剤形が、67.5μg、100μg、133μg、150μg、200μg、266μg、300μg、400μg、500μgまたは600μgのリナクロチドを含む、請求項218に記載の単位剤形または密閉容器。
【請求項220】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を24ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度が90%を超える、請求項206または207のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項221】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を24ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度が90%を超える、請求項208または209のいずれかに記載の単位剤形。
【請求項222】
(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を最初に24ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を最初に6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのクロマトグラフィー純度が90%を超える、請求項210または211のいずれかに記載の密閉容器。
【請求項223】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記薬学的組成物を最初に24ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記薬学的組成物を最初に6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値が90%を超える、請求項212または213のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項224】
(a)乾燥剤を含む密閉容器中、25℃、60%相対湿度で、前記単位剤形を最初に24ヶ月貯蔵した後、または(b)乾燥剤を含む密閉容器中、40℃、75%相対湿度で、前記単位剤形を最初に6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値が90%を超える、請求項214または215のいずれかに記載の単位剤形。
【請求項225】
(a)25℃、60%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を最初に24ヶ月貯蔵した後、または(b)40℃、75%相対湿度で、乾燥剤を含む前記密閉容器を最初に6ヶ月貯蔵した後、前記リナクロチドのアッセイ値が90%を超える、請求項216または217のいずれかに記載の密閉容器。
【請求項226】
下記構造:
【化14】

を有する加水分解生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して2重量%未満を占める、請求項206、207もしくは223のいずれか一項に記載の薬学的組成物、請求項208、209もしくは224のいずれか一項に記載の単位剤形、あるいは請求項210、211もしくは225のいずれか一項に記載の密閉容器。
【請求項227】
前記加水分解生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して1重量%未満または0.5重量%未満を占める、請求項226に記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項228】
前記加水分解生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して0.1重量%未満または0.05重量%未満を占める、請求項227に記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項229】
下記構造:
【化15】

を有するホルムアルデヒドイミン生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して2重量%未満を占める、請求項206、207または223のいずれか一項に記載の薬学的組成物、請求項208、209または224のいずれか一項に記載の単位剤形、あるいは請求項210、211または225のいずれか一項に記載の密閉容器。
【請求項230】
前記ホルムアルデヒドイミン生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して1重量%未満または0.5重量%未満を占める、請求項229に記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項231】
前記ホルムアルデヒドイミン生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して0.1重量%未満または0.05重量%未満を占める、請求項230に記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項232】
1542.8の分子量を有するリナクロチド酸化生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して2重量%未満を占める、請求項206、207または223のいずれか一項に記載の薬学的組成物、請求項208、209または224のいずれか一項に記載の単位剤形、あるいは請求項210、211または225のいずれか一項に記載の密閉容器。
【請求項233】
前記リナクロチド酸化生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して1重量%未満または0.5重量%未満を占める、請求項225に記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項234】
前記リナクロチド酸化生成物が、前記リナクロチドの重量と比較して0.1重量%未満または0.05重量%未満を占める、請求項233に記載の薬学的組成物、単位剤形または密閉容器。
【請求項235】
請求項21〜95のいずれか一項に記載の薬学的組成物を含む単位剤形。
【請求項236】
50μg〜1mgのリナクロチドを含む、請求項235に記載の単位剤形。
【請求項237】
前記単位剤形がカプセルまたは錠剤であり、各単位剤形が67.5μg、100μg、133μg、150μg、200μg、266μg、300μg、400μg、500μgまたは600μgのリナクロチドを含む、請求項236に記載の単位剤形。
【請求項238】
請求項96〜98または235〜237のいずれか一項記載の複数の単位剤形を含む密閉容器。
【請求項239】
便秘を伴う過敏性腸症候群(IBS−c)の治療の必要な成人患者において、便秘を伴う過敏性腸症候群(IBS−c)を治療するための方法であって、前記患者に1日1回、有効量の、請求項1〜95のいずれか一項に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
【請求項240】
前記有効量が266μgのリナクロチドである、請求項239に記載の方法。
【請求項241】
前記有効量が133μgのリナクロチドである、請求項239に記載の方法。
【請求項242】
前記治療が少なくとも1週間の期間である、請求項239〜241のいずれか一項記載の方法。
【請求項243】
前記治療が少なくとも4週間の期間である、請求項242に記載の方法。
【請求項244】
前記治療が、腹痛の軽減、1週間中の完全に自発的な便通(CSBM)の数の増加、1週間中の自発的な便通(SBM)の数の増加、便の固さの改善、排便いきみの軽減、腹部不快感の軽減、腹部膨満の軽減またはIBS−c症状重篤度の軽減から選択される少なくとも1つの症状を改善する、請求項239に記載の方法。
【請求項245】
前記治療が、腹痛の軽減、腹部不快感の軽減または腹部膨満の軽減から選択される少なくとも1つの症状を改善する、請求項244に記載の方法。
【請求項246】
前記治療が、1週間中のCSBMの数の増加、1週間中の自発的な便通SBMの数の増加、便の固さの改善または排便いきみの軽減から選択される少なくとも1つの症状を改善する、請求項244に記載の方法。
【請求項247】
カプセルまたは錠剤が前記薬学的組成物を含む、請求項239〜246のいずれか一項記載の方法。
【請求項248】
慢性便秘の治療の必要な成人患者において、慢性便秘を治療するための方法であって、前記患者に1日1回、有効量の、請求項1〜95のいずれか一項に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
【請求項249】
前記有効量が266μgのリナクロチドである、請求項248に記載の方法。
【請求項250】
前記有効量が133μgのリナクロチドである、請求項248に記載の方法。
【請求項251】
前記治療が少なくとも1週間の期間である、請求項248〜250のいずれか一項記載の方法。
【請求項252】
前記治療が少なくとも4週間の期間である、請求項251に記載の方法。
【請求項253】
前記治療が、1週間中の完全に自発的な便通(CSBM)の数の増加、1週間中の自発的な便通(SBM)の数の増加、便の固さの改善、排便いきみの軽減、腹部不快感の軽減、腹部膨満の軽減または便秘の重篤度の軽減から選択される少なくとも1つの症状を改善する、請求項248に記載の方法。
【請求項254】
前記治療が、腹部不快感の軽減、腹部膨満の軽減または便秘の重篤度の軽減から選択される少なくとも1つの症状を改善する、請求項253に記載の方法。
【請求項255】
前記治療が、1週間中のCSBMの数の増加、1週間中の自発的な便通SBMの数の増加、便の固さの改善または排便いきみの軽減から選択される少なくとも1つの症状を改善する、請求項253に記載の方法。
【請求項256】
カプセルまたは錠剤が前記薬学的組成物を含む、請求項248〜255のいずれか一項記載の方法。
【請求項257】
(a)(i)リナクロチドまたはその薬学的に許容される塩、
(ii)Mg2+、Ca2+、Zn2+、Mn2+、K、NaもしくはAl3+から選択されるカチオン、または立体障害第一級アミンのうちの1つ以上、
を含む溶液を提供すること、および
(b)前記溶液を噴霧乾燥させ、リナクロチド微粒子を生成させること
を含む、リナクロチドまたはその塩を含む薬学的組成物を調製するための方法。
【請求項258】
前記溶液が水溶液である、請求項257に記載の方法。
【請求項259】
前記溶液が結合剤またはフィラーをさらに含む、請求項257に記載の方法。
【請求項260】
リナクロチド、
Ca2+
ロイシン、および
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
を含み、
前記リナクロチドが100μg〜600μgの量で薬学的組成物中に存在し、Ca2+:ロイシン:リナクロチドのモル比が5〜100:5〜50:1である、薬学的組成物。
【請求項261】
前記リナクロチドが266μgの量で存在する、請求項260に記載の薬学的組成物。
【請求項262】
前記Ca2+がCaClとして提供される、請求項260〜261に記載の薬学的組成物。
【請求項263】
前記CaClが1541μgの量で存在する、請求項262に記載の薬学的組成物。
【請求項264】
前記ロイシンが687μgの量で存在する、請求項260〜263に記載の薬学的組成物。
【請求項265】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが700μgの量で存在する、請求項260〜264に記載の薬学的組成物。
【請求項266】
コートビーズを含む薬学的組成物であって、前記ビーズがリナクロチドを含むコーティング溶液でコートされている薬学的組成物。
【請求項267】
前記コーティング溶液が、
リナクロチド、
Ca2+
ロイシン、および
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
を含み、
前記リナクロチドが100μg〜600μgの量で薬学的組成物中に存在し、前記Ca2+:ロイシン:リナクロチドのモル比が5〜100:5〜50:1である、請求項266に記載の薬学的組成物。
【請求項268】
前記リナクロチドが266μgの量で存在する、請求項267に記載の薬学的組成物。
【請求項269】
前記Ca2+がCaClとして提供される、請求項267〜268に記載の薬学的組成物。
【請求項270】
前記CaClが1541μgの量で存在する、請求項269に記載の薬学的組成物。
【請求項271】
前記ロイシンが687μgの量で存在する、請求項267〜270に記載の薬学的組成物。
【請求項272】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが700μgの量で存在する、請求項267〜271に記載の薬学的組成物。
【請求項273】
前記ビーズが微結晶セルロースを含む、請求項267〜272に記載の薬学的組成物。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2012−500196(P2012−500196A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523004(P2011−523004)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/004675
【国際公開番号】WO2010/019266
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(511039371)アイロンウッド ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】