説明

経口投与用の多微粒子状医薬製剤

本発明の目的は、アルコールとある種の放出調節医薬製剤又は食事療法製剤との同時摂取に付随する投与量のダンピングの危険性を最小限にすることにある。本発明は、少なくとも1種の有効成分の調節放出用のリザーバ型の微粒子を含む経口製剤に関する。本発明は、アルコールの存在下で有効成分の用量の即時放出に対して抵抗性のあることを特徴とする。特に、本発明の経口製剤は、アルコール溶液中で有効成分の50%を放出するのに要する時間がアルコールを含有していない水性媒体中で有効成分の50%を放出するのに要する時間に比べて3倍よりも長いことを特徴とする。上記製剤は、水和又は溶媒和の速度又は能力がアルコール溶液中よりもアルコールを含有していない水性媒体中でより大きい製薬学的に許容し得る化合物である薬剤Dを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口投与を目的とした医薬有効成分(AP)の調節放出用の医薬製剤又は食事療法製剤(dietetic form)の分野に関する。
【0002】
本発明は、少なくとも1種のAPを含有し且つアルコール溶液中でAPの調節放出を維持することができる経口投与用の製剤に関する、すなわち製剤は、アルコールの存在下で投与量のダンピングの傾向がない。好ましくは、本発明は、放出特性がアルコール溶液中で著しく影響を受けない調節放出医薬製剤に関する。
【0003】
本発明は、さらに詳しくは、前述の段落で言及した型の製剤であって、多数のリザーバ微粒子を含む製剤に関する。
【0004】
本発明は、さらにいっそう詳しくは、投与中のアルコールの摂取が推奨されない医薬製剤に関する。
【0005】
本発明は、さらに上記で定義した医薬製剤の調製プロセスに関する。
【背景技術】
【0006】
薬物を投与するための調節放出医薬製剤の重要性は、周知である。特に、調節放出医薬製剤は、有効血漿中AP濃度を即時放出製剤の場合よりも長く維持できることから、治療要求についてよりよい適用範囲を提供する。さらに、調節放出医薬製剤は、過剰血漿中AP濃度のピークの大きさ及び数を避け、制限することを可能にし、それによって薬物の毒性及び副作用を軽減する。さらにまた、その増加する作用時間によって、これらの系は、1日当たりの投薬単位の数を制限することを可能にし、従って患者に対する制約を減らし且つ治療のコンプライアンスを改善する。
【0007】
従って、薬物の作用を持続させることを可能にする系が探索され、本目的に関して多数の文献が存在する。Buri、Puisieux、Doelker and BenoitによるFormes Pharmaceutiques Nouvelles (New Pharmaceutical Forms), Lavoisier 1985, pp175-227(非特許文献1)が、これに関して参照し得る。
【0008】
調節放出(MR)製剤が、特に狭い治療域を有するAP、すなわちその有効量が好ましない効果が現われる有効量と類似しているAPについて、血漿ピーク(Cmax)を平均化するために開発され、その目的は、血漿中濃度を、望ましくない効果の危険性のある値よりも低い値で長期間維持することにある。
【0009】
このような製剤はまた、患者が投薬単位の数を増やすことを必要とせずに、APによる生体のより安定で且つ連続する浸透を可能にするために開発されている。従って、1回の投薬単位中に24時間の治療に必要とされるAPの量を含有する製剤があり、この製剤は、当然のことながら、1日に1回だけの投与を目的とする。
【0010】
調節放出製剤としては、APの放出を、APを包み込むコーティングによって制御する系が挙げられ、これらの系はリザーバ系とも呼ばれる。マトリックス系と呼ばれる別の群においては、例えばポリマーを基材とするマトリックスに均質に分散させたAPが、錠剤から拡散と浸食によって放出される。
【0011】
APの放出を、持続した放出を目的としたAPの量の偶発的な即時放出を招く多量の過剰投与を避けるように、効果的に制御することを確実にするために、多数の研究が行われている。この制御は、APが調節放出法から最も頻繁に恩恵を受ける狭い治療域を有する活性生成物であることから、実際には極めて重要である。この場合に、前記の偶発的な即時放出(投与量のダンピング)は、使用する技法が達成しようと試みつつあった効果とまさに反対の効果を有する。
【0012】
投与量のダンピングは、例えば、患者が飲み込む前に咀嚼し、胃内で徐々に崩壊する段階を短絡させるモノリシックマトリックス錠剤の場合に起こり得る。咀嚼に付随する危険性を避ける好都合な方法は、それぞれの微粒子が調節放出特性を有する微粒子製剤を調製することからなる。
【0013】
多(微細)粒子製剤の使用は、多量放出の危険性を制限し、胃排出に付随する個人間及び個人内変動を減らすことを可能にする。
【0014】
PCT出願第WO-A-96/11675号明細書(特許文献1)には、医薬及び/又は栄養有効成分(AP)の経口投与用の調節放出マイクロカプセルが記載され、その大きさは1000μmまたはそれ未満である。これらのマイクロカプセルは、膜形成性ポリマー(エチルセルロース)、疎水性可塑剤(ヒマシ油)、界面活性剤及び/又は潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム)及び窒素含有ポリマー(ポリビニルピロリドン:ポビドン、PVP)の混合物からなるコーティング材で被覆された粒子からなる。これらのマイクロカプセルはまた、小腸内に長時間(少なくとも5時間)滞留できること、及びこの滞留時間中に、小腸内で自然通過時間よりも長い時間にわたってAPの吸収を可能にすることができることによって特徴付けられる。
【0015】
PCT出願第WO-A-03/030878号明細書(特許文献2)には、APの放出が二重放出誘発機構、すなわち「誘発時間」及び「誘発pH」によって制御される多マイクロカプセル経口医薬製剤が記載されている。この製剤は、APを含有し且つ中性pHでイオン化される官能基を有する親水性ポリマーA(Eudragit(登録商標)L)と疎水性化合物B(40〜90℃で溶融する植物性ワックス)を含む(この場合、B/Aは0.2〜1.5である)コーティング(最大40重量%)で被覆されているコアを含むマイクロカプセル(200〜600μm)からなる。
【0016】
前記マイクロカプセルのコーティングは、必須成分A及びBの他に、その他の慣用成分、例えば、特に、
着色剤;
可塑剤、例えばセバシン酸ジブチル;
親水性化合物、例えばセルロース及びその誘導体又はポリビニルピロリドン及びその誘導体;並びに
これらの混合物
を含むことができる。
【0017】
これらの例は、種々のAP調節放出系の欠点を回避するためになされた努力を例証する。
【0018】
しかし、最近、これらの努力にもかかわらず、MR医薬製剤はアルコールが同時に摂取されると、大量のAPがあまりにも急速に放出され得ることが明らかになった。
【0019】
従って、米国では2005年10月に、食品医薬品局(Food and Drug Administration)が、アルコールによって誘発される可能性のある投与量のダンピングに対するMR製剤の耐性の研究がある種の薬物について行う価値があるという見解を表明した。
【0020】
実際に、最近の研究は、アルコールの存在がMR医薬製剤に含有されるAPの放出を促進し得ることを明らかにしている。最初の分析において、このアルコールの作用は、調節放出系の崩壊によって又は有意な量のアルコールの存在下でのAPの溶解度の変化によって説明できる。この状況は、多量のアルコール飲料が摂取される場合、アルコール飲料が高いアルコール濃度を有する場合及び患者が空腹である場合に、遭遇する可能性が大きいと思われ、その結果はより深刻であると思われる。実際に、この最後の場合には、胃は、本質的に少量の胃液と混合された摂取飲料を含有する。従って、実際問題として、MR医薬製剤の投与と同時のアルコールの摂取は、患者においてAPの増進性かつ潜在的に危険な放出をもたらし得る。APの種類によって、このAPの増進された放出は、よくても、MR医薬製剤を全体として効力をなくさせ、最悪の場合では患者の生命予後を危険にさらす。
【0021】
この有害な放出増進は、例えば酸性の胃媒体中への過度に早い放出がその崩壊をもたらし、従って治療の無効化を招き得るプロトンポンプ阻害剤の場合のように、薬物の活性の失活をもたらし得る。
【0022】
反対に、より危険な場合は、ある種の精神安定薬、抗うつ薬又はアヘン鎮痛薬の場合であり、この場合にはそれは過剰投与後の副作用の重さのために問題となる生命予後である。
【0023】
APの多量放出が特に有害である薬物の一つの具体的な群は、アルコールとの好ましくない薬理学的相互作用、不適合性又は副作用の悪化を有する製品群である。
従って、例えば、アヘン鎮痛薬群の薬物は、呼吸抑制を誘発し得るという望ましくない作用がある;これは、誤った経路及びアルコール依存症によって常習的に引き起こされる嚥下肺臓疾患のために、アルコールの同時消費によって悪化し得る。
同様に、広範囲にわたって使用される薬物、例えば精神安定薬及び抗うつ薬は、中枢神経系に影響を及ぼし(覚醒状態の喪失、傾眠の危険性)、これらはアルコールの同時摂取によって悪化する。
アルコールと抗ヒスタミン薬との相互作用(鎮静効果の増強、傾眠及び注意力の喪失、めまい)及びアルコールと非ステロイド系抗炎症薬すなわちNSAI(消化管出血の危険性の増強)もまた挙げ得る。
【0024】
モノリシックマトリックス製剤の場合には、偶発的な投与量のダンピングは、消化器系内でAPの極めて高い濃度をもたらし、そこで製剤が局在し、これが病変を引き起こし得る。
【0025】
アルコールの存在下での投与量のダンピングの問題は、特に多微粒子状製剤の場合には、未だ十分に解決されていない。特に、アルコール溶液中でAPの調節放出を維持できるAPの経口投与用の調節放出多微粒子状医薬製剤であって、すなわちそのAP放出特性を患者の生命予後を損なう危険に増進しない、好ましくはそのAP放出特性がアルコール溶液中で著しく影響を受けない調節放出多微粒子状医薬製剤に対する需要がある。
【特許文献1】国際公開第96/11675号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/030878号パンフレット
【非特許文献1】Buri、Puisieux、Doelker and Benoit, Formes Pharmaceutiques Nouvelles (New Pharmaceutical Forms), Lavoisier 1985, pp175-227
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の一つの重要な目的は、少なくとも1種の医薬又は食事療法有効成分(AP)の調節放出用の多微粒状医薬製剤であって、経口投与を目的とし且つ前記医薬製剤の投与中のアルコールの摂取によって誘発される投与量のダンピングを回避又は制限することを可能にし、それによって大きな治療安全性及びよりよい効果を提供する多微粒子状医薬製剤を提供することにある。
【0027】
本発明の別の重要な目的は、少なくとも1種のAPの調節放出用の多微粒子状医薬製剤であって、経口投与を目的とし且つAPの放出がアルコールの存在によって著しく影響を受けない多微粒子状医薬製剤を提供することにある。
【0028】
本発明の微粒子は、場合により経口服用されるべき錠剤、分包剤、カプセル剤、懸濁剤などに加工することができる。
【0029】
本発明の別の重要な目的は、少なくとも1種のAPの調節放出用の多微粒子状医薬製剤であって、経口投与を目的とし且つ従来使用されているエタノールを含有していない溶解媒体中のインビトロAP放出特性が、エタノールが添加されている同じ媒体中で得られるAP放出特性に類似している多微粒子状医薬製剤を提供することにある。
【0030】
本発明の別の重要な目的は、少なくとも1種のAPの調節放出用の多微粒子状医薬製剤であって、経口投与を目的とし且つ患者の生命予後を損なわないエタノールの存在下でのインビトロ放出特性を有する多微粒子状医薬製剤を提供することにある。
【0031】
本発明の別の重要な目的は、少なくとも1種のAPの調節放出用の多微粒子状医薬製剤であって、経口投与を目的とし且つ国際特許出願第WO-A-96/11675号及び第WO-A-03/03878号明細書に記載の製剤に比べて、特にアルコール溶液中の挙動に関して改良されている多微粒子状医薬製剤を提供することにある。
【0032】
本発明の別の重要な目的は、少なくとも1種のAPの調節放出用の多微粒状医薬製剤であって、経口投与を目的とし且つそのインビトロAP放出特性がアルコール溶液中で著しく影響されないか、又は少なくともその放出を患者の生命予後を損なう危険性には増進しない多微粒状医薬製剤を得るためのプロセスを提供することにある。
【0033】
定義
本発明の開示に関して、
略語「AP」は、単一の有効成分と、数種の有効成分の混合物との両方を示す。APは、遊離の形態であるか、あるいは塩、エステル、水和物、溶媒和物、多形体、異性体の形態又はその他の製薬学的に許容し得る形態であり得る;
摂取されたアルコールは、種々のアルコール飲料、例えばビール、ワイン、カクテル、スピリッツ又はこれらの混合物が起源のものであり得る;
インビトロで、「アルコール」という用語は、エタノールを表し、「アルコール溶液」又は「アルコール媒体」という用語は、エタノールの水溶液を表す;
「ヒプロメロース」という用語は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースすなわちHPMCを表す;
「リザーバ微粒子」とは、APの調節放出を可能にする少なくとも一つのコーティングで個々に被覆されている、APを含む微粒子を示す;
「微粒子」とは、任意に、必ずしも被覆されているとは限らない、APを含むリザーバ微粒子及び/又はAP微粒子を示す;
インビトロ溶解特性は、従来使用されている溶解媒体を記載している欧州薬局方(第5版、§2.9.3)の指示通りに調製される。多量のアルコールを吸収している患者の胃液をシミュレートするために、溶解媒体は、エタノールを加えることによって変性される(q.s.p. 20容量%〜40容量%);
略号「MR」は、調節された放出を表す;
「調節放出」という用語は、APのインビトロでの放出が、APの75%が0.75時間を超える時間、好ましくは1時間を超える時間、特に好ましくは1.5時間を超える時間にわたって放出されるようなものであることを示す。調節放出医薬製剤は、例えば即時放出相及び徐放相を含み得る。調節放出は、特に持続放出及び/又は遅延放出であり得る。調節放出医薬製剤は、当分野では周知である;例えば、Remington:The science and practice of pharmacy, 19th edition, Mack Publishing Co., Pennsylvania, USA参照;
「即時放出」とは、放出が調節型ではないことを意味し、即時放出製剤による比較的短時間にわたるAPの大部分の放出を表し、例えばAPの少なくとも75%が0.75時間内に、好ましくは30分内に放出される;
本発明の多微粒子状経口医薬製剤は、サイズが1ミリメートルよりも小さい多数の微粒子からなる。特に明示しない限りは、本開示において言及される微粒子の直径は、体積平均直径である。これらの多微粒子状製剤は、モノリシック経口製剤、例えば錠剤、カプセル剤、分包剤及び再構成可能懸濁剤に変えることができる;
2つの溶解特性の間の類似性は、欧州医薬品評価機関の文献「Qualite des produits a liberation modifiee」、文書番号CPMP/QWP/604/96 (Annex 3) に定義されるような類似性因子f2を使用して評価される。50〜100の間のf2値は、2つの溶解特性が類似していることを示す;
「投与量のダンピング」とは、経口摂取後の用量の即時及び望まれない放出を意味すると理解される。
【0034】
発明の簡単な説明
本発明者の功績は、アルコール溶液中で観察されるAP放出特性の変化を排除するか又は減らすことを可能にする製剤を見出したことにある。
【0035】
本発明者らは、アルコールによって誘発される投与量のダンピングに対して抵抗性を有するMR医薬製剤を開発した。この好都合な特性は、特にインビボで予期される物理化学的特性を再現する条件下で実証できる。(典型的には長期間の節酒または控え目と交互する週末の)一時的な高摂取によって特徴付けられるアルコール中毒の形である暴飲(binge drinking)は、ある種の環境においてますます広く行きわたった社会活動になっており、これと平行して、多量のアルコールも摂取した患者内でのMR医薬製剤含有AP用量の偶発的な放出によって示される危険性が増大している。
【0036】
本発明者らは、アルコールの存在下で種々のMR医薬製剤の感受性を調べた。アルコールによって誘発される投与量のダンピングに対するMR医薬製剤の抵抗性を測定するために選択されるアプローチは、MR医薬製剤に関する従来の溶解試験を、エタノールを例えば20%又は40%(v/v)の濃度で溶解媒体に導入することによって変更することからなる。最終的な容量の大きさのオーダーは50〜900mlである。
【0037】
多数のMR医薬製剤について、前記製剤のアルコール飲料との同時投与は、APの放出の望まれていない増進を招くことが観察される。この問題を解決するために、本発明は、経口投与を目的とした少なくとも1種の医薬APの調節放出用の新規な多微粒子状医薬製剤であって、アルコール溶液中でAPの調節放出を維持できること、好ましくは、放出特性がアルコール溶液中で著しく影響を受けないことを特徴とする新規な多微粒子状医薬製剤に関する。
【0038】
より正確には、本発明は、少なくとも1種のAPの調節放出用のリザーバ型微粒子を含む経口医薬製剤に関する。前記製剤は、アルコールの存在下でAPの即時放出に対して抵抗性である。
【0039】
好ましくは、水性溶解媒体中及びアルコール溶液中の両方で少なくとも1種のAPの調節放出用のリザーバ型微粒子を含む本発明の経口医薬製剤は、アルコール溶液中でAPの50%を放出するのに要する時間が、
アルコールを含有していない水性媒体中でAPの50%を放出するのに要する時間に比べて1/3未満には短縮されない;
好ましくは、アルコールを含有していない水性媒体中でAPの50%を放出するのに要する時間に比べて1/2未満には短縮されない;
好ましくは、アルコールを含有していない水性媒体中でAPの50%を放出するのに要する時間に比べて1/1.5未満には短縮されない;
好ましくは、前記で定義された類似性因子f2に従って水性媒体中で要する時間に類似している;又は
アルコールを含有していない水性媒体中でAPの50%を放出するのに要する時間よりも長い;
ことを特徴とする。
【0040】
本発明のこの医薬製剤は、リザーバ型微粒子と少なくとも1種の薬剤D(これは、水和又は溶媒和の速度又は能力がアルコール溶液中よりもアルコールを含有していない水性媒体中で大きい製薬学的に許容し得る化合物である)とを含む。リザーバ微粒子は、好ましくは2000μmよりも小さい平均直径、特に好ましくは50〜800μmの平均直径、極めて特に好ましくは100〜600μmの平均直径を有する。また、リザーバ微粒子は、個々で、APを含むコアであって、
消化管の液に溶解しない少なくとも1種のポリマーA;
少なくとも1種の可塑剤B;及び
場合によっては少なくとも1種の界面活性剤C
を含むコーティングで被覆されているコアからなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の経口用医薬又は食事療法製剤は、リザーバ型の微粒子を含み、水性溶解媒体中及びアルコール溶液中の両方でAPの調節放出を可能にする。本発明のこの製剤は、多微粒子状である、すなわち、特に、APを含む被覆されるか又はフィルムコーティングされたコアを有するリザーバ微粒子を含む。このAPコア、すなわちAP微粒子は、
粉末状の粗製(精製)AP、及び/又は
種々のその他の成分と混合されたAPのマトリックス顆粒、及び/又は
APを含有する少なくとも一つの層で被覆された、例えばセルロース又は糖の不活性支持体などの支持された顆粒、
であり得る。
【0042】
マトリックス顆粒の場合には、マトリックスは、APと、場合によってはその他の製薬学的に許容し得る賦形剤、例えば結合剤、界面活性剤、崩壊剤、充填剤、及びpHを制御又は調節するための薬剤(緩衝剤)を含有する。
【0043】
支持された顆粒の場合には、不活性支持体は、スクロース及び/又はデキストロース及び/又はラクトース及び/又はスクロース/デンプン混合物から構成され得る。不活性支持体はまた、セルロース微小球であるか又は製薬学的に許容し得る賦形剤の任意のその他の粒子であり得る。好都合には、不活性支持体は、1〜800μm、好ましくは20〜500μmの平均直径を有する。
【0044】
APの他に、活性層は、場合によっては1種又はそれ以上の製薬学的に許容し得る賦形剤、例えば結合剤、界面活性剤、崩壊剤、充填剤、及びpHを制御又は調節するための薬剤(緩衝剤)を含有し得る。
【0045】
本発明の製剤は、リザーバ粒子以外のAP微粒子を含むことができ、可能な例はAPの即時放出用微粒子である。後者は、本発明のリザーバ微粒子の調製に有用であり且つ1種又はそれ以上のAPを含む微粒子と同じ種類の未被覆AP微粒子であり得る。
【0046】
また、本発明の製剤を構成する微粒子(リザーバ微粒子及び/又は未被覆微粒子)の群は、種々の微粒子の集団から作製でき、これらの微粒子の集団は、前記微粒子に含有されるAPの性質及び/又はコーティングの組成及び/又はコーティングの厚みにおいて少なくとも相互に異なる。
【0047】
第一の実施形態において、APの調節放出用の微粒子の少なくともいくつかはそれぞれ、APの調節放出を可能にする少なくとも1つのコーティングで被覆されたAP微粒子を含有する。
【0048】
好ましくは、AP微粒子は、APと、1種又はそれ以上の製薬学的に許容し得る賦形剤を含む顆粒である。
【0049】
第二の実施形態において、APの調節放出用の微粒子の少なくともいくつかはそれぞれ、不活性支持体、APを含み且つ不活性支持体を被覆する少なくとも1つの活性層、及びAPの調節放出を可能にする少なくとも1つのコーティングを含有する。
【0050】
上記で認められるように、リザーバ微粒子は個々で、APを含有し且つコーティングで被覆されるコアからなる。コーティングは、APの調節放出を左右する。コーティングは、
消化管の液に溶解しない少なくとも1種のポリマーA;
少なくとも1種の可塑剤B;及び
場合によっては少なくとも1種の界面活性剤C
を含む。
【0051】
リザーバ微粒子のコーティングは、消化管の液に溶解しない少なくとも1種のポリマーAを、薬剤Dを除いたコーティングの重量の70%〜95%、好ましくは75%〜95%、特に好ましくは80%〜95%の量で含有する。ポリマーAは、好ましくは、次の製品群:
水不溶性セルロース誘導体、
(メタ)アクリル(コ)ポリマー誘導体、及び
これらの混合物
から選択される。
【0052】
特に好ましくは、ポリマーAは、次の製品群:すなわち、エチルセルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、A型及びB型アンモニオ−メタクリル酸コポリマー(Eudragit(登録商標)RS、Eudragit(登録商標)RL、Eudragit(登録商標)RS PO、Eudragit(登録商標)PL PO)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(Eudragit(登録商標)NE 30D)及びこれらの混合物から選択され、エチルセルロース及び/又は酢酸セルロースが特に好ましい。
【0053】
可塑剤Bは、リザーバ微粒子のコーティング中に、薬剤Dを除いたコーティングの重量の1%〜30%(w/w)、好ましくは2%〜25%(w/w)、特に好ましくは5%〜20%の量で存在する。可塑剤Bは、特に、次の製品群:
グリセロール及びそのエステル、好ましくは次の下位群:アセチル化グリセリド、グリセリルモノステアレート、グリセリルトリアセテート、グリセリルトリブチラートから選択されるグリセロール及びそのエステル、
フタル酸エステル、好ましくは次の下位群:フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクルから選択されるフタル酸エステル、
クエン酸エステル、好ましくは次の下位群:アセチルクエン酸トリブチルエステル、アセチルクエン酸トリエチルエステル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチルから選択されるクエン酸エステル、
セバシン酸エステル、好ましくは次の下位群:セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチルから選択されるセバシン酸エステル、
アジピン酸エステル、
アゼライン酸エステル、
安息香酸エステル、
クロロブタノール、
ポリエチレングリコール、
植物油、
フマル酸エステル、好ましくはフマル酸ジエチル、
リンゴ酸エステル、好ましくはリンゴ酸ジエチル、
シュウ酸エステル、好ましくはシュウ酸ジエチル、
コハク酸エステル、好ましくはコハク酸ジブチル、
酪酸エステル、
セチルアルコールエステル、
マロン酸エステル、好ましくはマロン酸ジエチル、
ヒマシ油(これが特に好ましい)、及び
これらの混合物
から選択される。
【0054】
界面活性剤Cは、リザーバ微粒子のコーティング中に、薬剤Dを除いたコーティングの重量の0%〜30%(w/w)、好ましくは0%〜20%(w/w)、特に好ましくは5%〜15%の量で存在する。界面活性剤Cは、好ましくは次の製品群:
脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩(ドデシル硫酸ナトリウム塩及びドキュセートナトリウムが好ましい)、
ポリオキシエチレン化油、好ましくはポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油、
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、
ポリオキシエチレン化ソルビタンエステル、
ポリオキシエチレン化ヒマシ油誘導体、
ステアリン酸塩、好ましくはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム又はステアリン酸亜鉛、
ポリソルベート、
ステアリルフマル酸塩、好ましくはステアリルフマル酸ナトリウム、
ベヘン酸グリセロール、
塩化ベンザルコニウム、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド、及び
これらの混合物
から選択される。
【0055】
単層又は多層コーティングは、コーティングの分野で従来使用されている種々のその他の追加の補助剤を含むことができ、可能な例は、顔料、着色剤、充填剤、消泡剤などである。
本発明の一つの具体的な実施形態において、リザーバ微粒子によるAPの調節放出を左右するコーティングは、単層又は単一コーティングからなる。これは、その調製を簡単にし、コーティング率を制限する。
【0056】
好都合には、コーティングは、APの放出が終わるまで生体中で裂ける及び/又は破れるのを回避するのに十分な機械的強度を有する。APの完全な溶出が観察された後でさえもコーティングがその物理的整合性を保つことができる能力は、特に2μm〜100μmのコーティング厚、すなわち3〜85%のコーティング率(微粒子の全重量に対する薬剤Dを除くコーティングの重量)について観察される。
【0057】
アルコール耐性の機能化は調節放出医薬製剤に要求されるその他の規格値を犠牲にしては得られないことに注意することが重要である。特に、本発明の医薬製剤は、水への広範囲にわたる溶解性、例えば1リットル当たり数百ミリグラム〜1リットル当たり数百グラムの溶解性を有する多数のAPに適合させることができる。
【0058】
また、本発明の医薬製剤は、広範囲にわたる時間、例えば1時間〜30時間、好ましくは2時間〜16時間にわたってAPの放出を調節することを可能にする。コーティングの組成及び/又は厚み、特に、及び/又微粒子の平均サイズを変えることによって放出時間を調節することは、当業者の理解の範囲内である。
【0059】
薬剤Dは、水和又は溶媒和の速度又は能力がアルコール溶液中よりもアルコールを含有していない水性媒体中で大きい製薬学的に許容し得る化合物である。薬剤Dは:
溶解速度がアルコール溶液中よりも水中で大きい化合物;
水に溶解し且つアルコール溶液に溶解しない化合物;又は
水及びアルコール溶液に溶解せず且つアルコール溶液中よりも水中でより多く又はより早く膨潤する化合物;
であり得る。
【0060】
好ましくは、薬剤Dは、次の製品群:
架橋カルボキシアルキルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロース(例えば、クロスカルメロースナトリウム)、
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシド)、
(ヒドロキシ)(アルキル)セルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース[すなわち、HPMC])、
カルボキシアルキルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)及びその塩、
セルロース(粉末状又は微晶性)、
ポラクリリンカリウム、
多糖類、例えば:
天然デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン又はジャガイモデンプン)又は加工デンプン(例えば、グリコール酸ナトリウムで加工されたデンプン)、
アルギン酸及びその塩、例えばアルギン酸ナトリウム、
グアーガム、
カラゲナン、
プルラン類、
ペクチン、
キトサン及びその誘導体、及び
これらの混合物、
タンパク質、例えば:
ゼラチン、
アルブミン、
カゼイン、
ラクトグロブリン、及び
これらの混合物、
クレー、例えばベントナイト、ラポナイト、並びに
これらの混合物
から選択される。
【0061】
特に好ましくは、薬剤Dは、次の製品群:
ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース[すなわち、HPMC])、
グアーガム、
カラゲナン、
プルラン、及び
これらの混合物、
から選択される。
【0062】
薬剤Dは、種々の方法で、場合によっては相互に組み合わせて、本発明の医薬製剤に配合することができる。薬剤Dは:
APコア(又は未被覆AP微粒子)の構成成分の一つ、すなわち、
微粒子の不活性支持体中、及び/又は
微粒子の不活性支持体上に沈着させたAP含有層中、及び/又は
APを含有する顆粒中
の構成成分の一つ;及び/又は
微粒子のコーティングの構成成分の一つ;及び/又は
微粒子と混合されるもの;及び/又は
モノリシック製剤の外部構成成分(例えば、カプセル、錠剤又はカプセルのコーティングの構成成分)の一つ
であり得る。
【0063】
本発明の第一の実施形態において、薬剤Dは、APコア又は未被覆AP微粒子中に存在する。好ましくは、薬剤Dは、微粒子のコア中に、APコアの全重量の5〜70%、好ましくは15%〜60%の量で存在する。
【0064】
本発明の第二の実施形態において、薬剤Dは、微粒子のコーティング中に存在する。この場合には、薬剤Dは、コーティング層の内部又は拡散を制御するコーティングの外部を単独で構成することができる。薬剤Dはまた、APの調節放出を左右するコーティングの構成成分A、B及び場合によってはCと混合することもできる。好ましくは、薬剤Dは、コーティング中に、コーティングの全重量の3〜30%、好ましくは10%〜20%の量で存在する。次の化合物が、好ましいものとして選択される。ポリマーAがエチルセルロースであり、可塑剤Bがヒマシ油であり、界面活性剤がポリソルベートであり且つ薬剤Dがグアーガム、ヒプロメロース[すなわち、HPMC]、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プルラン、グリコール酸デンプン及びこれらの混合物から選択される。
【0065】
第三の実施形態において、薬剤Dは、微粒子を含む顆粒又はペレットあるいは錠剤の結合剤層に含まれる。顆粒、ペレット又は錠剤は、当業者に公知の方法、例えば造粒、押出し又は圧縮によって得られる。薬剤Dは、微粒子との混合物中に、該混合物の全重量に基づいて2〜30%(w/w)、好ましくは5%〜25%(w/w)、特に好ましくは5%〜20%(w/w)の量で存在する。
【0066】
第四の実施形態において、薬剤Dは、微粒子を含有するカプセルを構成する物質の成分の一つである。例えば、カプセルは、薬剤D、好ましくはプルラン、ヒプロメロース[すなわち、HPMC]又はこれらの混合物を基材とするカプセルの形態である。
【0067】
第五の実施形態において、薬剤Dは、微粒子を含有するカプセル又は微粒子を含有する錠剤上に沈着させたコーティング中に存在する。例えば、カプセルは、ゼラチンを基材とし、コーティングは、薬剤Dとしてカルボキシメチルセルロースナトリウムを、好ましくは空カプセル重量に基づいてカルボキシメチルセルロースナトリウムを25%(w/w)の量で含有する。
【0068】
第四及び第五の実施形態において、仕上げ層はカプセル又は錠剤の表面に沈着され得る。
【0069】
薬剤Dが関係する限り、第五の実施形態は、相互に組み合わせ得る。実施形態のそれぞれについて、異なる薬剤Dを組み込むこともできる。
【0070】
好ましくは、本発明の製剤は、それぞれ微粒子を含有する一つの剤形又はいくつかの同じ剤形(例えば、錠剤、カプセル又は分包剤)からなる。
【0071】
本発明の製剤はまた、投与前に粉末と水から再構成される複数投与量の経口懸濁液であり得る。
【0072】
本発明の製剤はまた、錠剤を含有するカプセルであり得、前記錠剤はAPのリザーバ微粒子を含有する;前記錠剤は、1種又はそれ以上の薬剤Dを含有することができ、カプセルは1種又はそれ以上の薬剤Dで被覆できる。
【0073】
都合よくは、APの調節放出用の微粒子を含有する製剤はまた、従来の製薬学的に許容し得る賦形剤、例えば微粒子を錠剤形態で提供するのに有用な賦形剤を含む。これらの賦形剤は、特に下記の:
圧縮助剤、例えば微晶性セルロース又はマンニトール、
着色剤、
崩壊剤、
流動促進剤、例えばタルク又はコロイドシリカ、
滑剤、例えばベヘン酸グリセロール又はステアリン酸グリセロール、
香味料、
防腐剤、及び
これらの混合物
であり得る。
【0074】
最終医薬製剤は、錠剤又はカプセルとして、その体裁、すなわち色、外観、風味マスキングなどを向上させるために当業者に公知の技法及び処方に従って被覆され得る。
【0075】
本発明の新規APベースの医薬製剤は、その構造、体裁及び組成において独創的であり、特に1回の1日用量で経口投与され得る。
【0076】
異なるAP放出動態を有する(例えば即時放出及び調節放出を有する)少なくとも2種類の微粒子を、一つの同じカプセル、一つの同じ錠剤又は経口服用されるべき懸濁剤用の一つの同じ粉末に混合することが好都合であり得る。また、それ自体の放出特性に従って放出されるそれぞれ異なるAPを含有する2種類(又はそれ以上)の微粒子を混合することが好都合であり得る。
【0077】
従って、本発明は、特に多微粒子状医薬製剤であって、複数の微粒子の集団を含有し、前記微粒子の集団が存在するAPの性質及び/又はコーティングの組成及び/又はコーティングの厚み及び/又は薬剤Dの配置において少なくとも相互に異なるものであることを特徴とする多微粒子状医薬製剤に関する。
【0078】
本発明はまた、異なるAP放出動態、例えば即時放出及び調節放出を有するか、又は異なるAP放出動態による調節放出を有する、少なくとも2種類の微粒子を含む多微粒子状医薬製剤に関する。
【0079】
本発明はまた、さらに数種のAPの混合物を含み、これらAPそれぞれが同じか又は異なる放出動態を有する微粒子に含有される多微粒子状医薬製剤に関する。
【0080】
限定を意味することなく、それにもかかわらず、本発明の医薬製剤は、APを含有する100〜500,000個のリザーバ微粒子を含む1回の1日経口用量として提供できることにおいて特に重要であることが強調されねばならない。
【0081】
また、本発明は、多微粒子状経口用医薬又は食事療法製剤を、好ましくは錠剤、経口服用されるべき懸濁剤用散剤、又はカプセル剤として製造するための前記で定義した微粒子の使用に関する。
【0082】
最後に、本発明はまた、本質的にアルコールの存在下で投与量のダンピングの危険性に関して安全である医薬製剤を投与することからなる改良された治療処置に関する。
【0083】
本発明の別の特徴に従って、本発明はまた、前記で定義したような微粒子それ自体に関する。
【0084】
本発明はまた、上記で定義したような本発明の医薬製剤を得るためのプロセスに関し、前記方法は、本質的に:、
a)APのコア(未被覆微粒子)を:
APを、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dあるいは製薬学的に許容し得る賦形剤と共に押出/球形化すること;及び/又は
APを、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dあるいは製薬学的に許容し得る賦形剤と共に湿式造粒すること;及び/又は
APを、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dあるいは製薬学的に許容し得る賦形剤と共に圧縮すること;及び/又は
APを、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dあるいは製薬学的に許容し得る賦形剤と共に、水性媒体又は有機溶媒中の分散液又は溶液として、薬剤Dの不活性支持体又は粒子の表面に噴霧すること;及び/又は
APの粉末又は結晶を篩過すること;
によって調製すること;
b)APのリザーバ微粒子を:
空気流動層において、1種又はそれ以上の化合物A及びBと、場合によっては1種又はそれ以上の化合物C及び/又はDとを含有する溶液又は分散液を、APの微粒子上に噴霧する(但し、APの微粒子は、1種又はそれ以上の薬剤Dで予め被覆されていてもよく;APの被覆微粒子は、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dで被覆されることができる)ことによって調製すること;
c)薬物の最終製剤を:
カプセル剤又は分包剤に導入するために、APのリザーバ微粒子を、薬剤Dと共に造粒する及び/又は押出/球形化すること;又は
APのリザーバ微粒子を、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤D及び製薬学的に許容し得る賦形剤と共に混合して、錠剤を得ること(但し、この錠剤は、場合によってはコーティングドラム中で、薬剤D及び/又は製薬学的に許容し得る賦形剤を含有する1つ又はそれ以上の層で被覆することができる);又は
APのリザーバ微粒子をカプセルに導入すること(但し、前記カプセルは、場合によりドラム又は空気流動層中で1種又はそれ以上の薬剤D及び/又は製薬学的に許容し得る賦形剤で被覆することができる);又は
APのリザーバ微粒子を、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤D及び/又は製薬学的に許容し得る賦形剤と共に分包剤に導入すること;又は
APのリザーバ微粒子を含有する錠剤をカプセルに導入すること(但し、前記錠剤は1種又はそれ以上の薬剤Dを含有し且つカプセルは1種又はそれ以上の薬剤Dで被覆することができる)
によって調製すること
からなるいくつかの工程で構成される。
【0085】
これらは、本発明の製剤を簡単で、経済的な方法で製造することを可能にする好都合な一般的な方法である。
【0086】
本発明は、水へのAPの溶解性と関係なく実施できる。APの4つの分類が、その溶解性に従って、米国食品医薬局のBiopharmaceutics Classification System(Amidon G.L. et al., 「A theoretical basis for a biopharmaceutics drug classification: the correlation of in vivo drug product dissolution and in vivo bioavailability」, Pharmaceutical Research, 1995, vol.12, 413-420)において定義される。これらの異なる分類に属するAPは、本発明に従って使用できる。
【0087】
本発明の被覆微粒子に含有されるAPは、以下の活性物質の分類、すなわちアルコール依存症治療薬、アルツハイマー病治療薬、麻酔薬、先端巨大症治療薬、鎮痛薬、抗喘息薬、アレルギー治療薬、抗癌剤、抗炎症薬、抗凝固薬及び抗血栓薬、抗痙攣薬、抗癲癇薬、抗糖尿病薬、制吐薬、抗緑内障薬、抗ヒスタミン薬、抗感染症薬、抗パーキンソン病薬、抗コリン作用薬、鎮咳薬、炭酸脱水酵素阻害剤、心臓血管薬:脂質低下薬、抗不整脈薬、血管拡張薬、抗狭心症薬、高血圧治療薬、血管保護剤及びコリンエステラーゼ阻害剤、中枢神経系疾患治療薬、中枢神経系刺激薬、避妊薬、妊娠促進薬、分娩誘発剤及び阻害剤、嚢胞性線維症治療薬、ドーパミン受容体作動薬、子宮内膜症治療薬、勃起障害治療薬、不妊治療薬、胃腸疾患治療薬、免疫調節剤及び免疫抑制剤、記憶障害治療薬、抗片頭痛薬、筋弛緩薬、ヌクレオシドアナローグ、骨粗鬆症治療薬、副交感神経作動薬、プロスタグランジン、精神治療薬:鎮静薬、睡眠薬、精神安定剤、神経弛緩薬、抗不安薬、精神刺激薬及び抗うつ薬、皮膚科治療薬、ステロイド及びホルモン、アンフェタミン類、食欲減退薬、非鎮痛鎮痛剤(les anti-douleurs non analgesiques)、抗癲癇薬、バルビツレート類、ベンゾジアゼピン類、睡眠薬、緩下薬及び向精神薬の少なくとも一つから選択されることが都合がよい。
【0088】
アルコール依存症治療薬の例は、クロラゼペート、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、ジスルフィラム、ヒドロキシジン、ナルトレキソン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0089】
麻酔薬の例は、リドカイン、ミダゾラム並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0090】
鎮痛薬及び/又は抗炎症薬の例は、パラセタモール、アスピリン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、セレコキシブ、クロフェナドール(clofenadol)、コリン、クロニジン、コデイン、ジクロフェナク、ジフルニサル、ジヒドロコデイン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロモルフィン、エチルモルフィン、エトドラク、エレトリプタン、エプタゾシン、エルゴタミン、フェンタニル、フェノプロフェン、ヒアルロン酸、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒラン(hylane)、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、ケトチフェン、レボメサドン、レバロルファン、レボルファノール、リドカイン、メフェナム酸、メロキシカム、メペリジン、メタドン、モルヒネ、ナブメトン、ネホパム、ナロキソン 、ナルトレキソン、ナプロキセン、ナラトリプタン、ネファゾドン、ノルメタドン、オキサプロジン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、ペチジン、フェンピラミド、ピリトラミド、ピロキシカム、プロポキシフェン、リザトリプタン、ケトプロフェン、スリンダク、スマトリプタン、テバコン、チリジン、トルメチン、トラマドール、ゾルミトリプタン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0091】
抗喘息薬の例は、アブルカスト、アゼラスチン、ブナプロラスト、シナルカスト、クロミトリル、クロモリン、エノフェラスト、イサモキソール、ケトチフェン、レブクロマカリム、ロドキサミド、モンテルカスト、オンタゾラスト、オキサルバゾール、オキサトミド、ピリプロストカリウム、ピロラート、ポビルカスト、エダミン、プランルカスト、クァゾラスト、レピリナスト、リトルカスト、スルカスト、テトラゾラストメグルミン、チアラミド、チベネラスト、トメルカスト、トラニラスト、ベルルカスト、ベロフィリン、ザリルルカスト並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0092】
抗癌剤の例は、アドリアマイシン、アルデスロイキン、アロプリノール、アルトレタミン、アミホスチン、アナストゾール、アスパラギナーゼ、ベタメタゾン、ベキサロテン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、共役エストロゲン、コルチゾン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、デニロイキン、デキサメタゾン、ディスコデルモライド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エロポシデム、エピルビシン、エポエチン、エポチロン類、エストラムスチン、エステル化エストロゲン、エチニルエトラジオール、エトポシド、エキセメスタン、フラボピリドール、フルコナゾール、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フロクスウリジン、ゲムシタビン、ヘキサメチルメラミン、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシ尿素、イホスファミド、レミポシド(lemiposide)、レトロゾール、ロイプロリド、レバミゾール、レボチロキシン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メゲストロール、メトトレキセート、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサトロン、ミトゾロミド、ムタマイシン、ニルタミド、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プレドニゾロン、プロカルバジン、セムスチン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テモゾラミド、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、トムデックス、トレミフェン、トレチノイン、セムスチン、ストレプトゾシン、ベルテプロフィン(verteprofine)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0093】
抗凝固薬及び抗血栓薬の例は、ワルファリン、ダナパロイド、アルプロスタジル、アナグレライド、アルガトロバン、アタプロスト、ベータプロスト(betaprost)、カモナグレル、シロスタゾール、クリンプロスト、クロピドグレル、クロリクロメン、デルマタン、デシルジン、ドミトロバン、ドロタベリン、エポプロステノール、フラダフィバン、ガベキサート、イロプロスト、イソボグレル、ラミフィバン、レフラダフィバン、レピルジン、レボシメンダン、レキシパファント、メラガトラン、ナファグレル、ナファモスタット、ニゾフェノン、オルビフィバン(orbifiban)、オザグレル、パミコグレル、キノベンダン(quinobendan)、サルポグラレート、サチグレル、シメンダン、チクロピジン、バピプロスト、チロフィバン、ゼミロフィバン、Y20811並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0094】
抗痙攣薬の例は、カルバマゼピン、クロナゼパム、クロルアゼピン(clorazepine)、ジアゼパム、ジバルプロエックス、エトスクシミド、エトチオン、フェルバメート、フォスフェニトイン、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メホバルビタール、メタルビタール、メトスクシミド、オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、チアガビン、トピラメート、バルプロ酸、ビガバトリン、ゾニサミド並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0095】
抗糖尿病薬の例は、アカルボース、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、エパルレスタット、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブリド、グリヘキサミド、メトホルミン、ミグリトール、ナテグリニド、オルリスタット、フェンブタミド、ピオグリタゾン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トルシクラミド、トルレスタット、トログリタゾン、ボグリボース並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0096】
制吐薬の例は、アルプラゾラム、ベンズキナミド、ベンズトロピン、ベタヒスチン、クロルプロマジン、デキサメタゾン、ジフェニドール、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドラセトロン、ドンペリドン、ドロナビノール、ドロペリドール、グラニセトロン、ハロペリドール、ロラゼパム、メクリジン、メチルプレドニゾロン、メトクロプラミド、オンダンセトロン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、スコポラミン、トリブチン、トリエチルペラジン、トリフルプロマジン、トリメトベンズアミド、トロピセトロン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0097】
抗緑内障薬の例は、アルプレノキシム、ダピプラゾール、ジピベフリン、ラタノプロスト、ナボクテート、ピマビン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0098】
抗ヒスタミン薬又はβ作動薬の例は、アセプロマジン、アクリバスチン、アクチバスチン、アルブテロール、アリメマジン、アンタゾリン、アゼラスチン、ビトルテロール、アンレキサノクス、ベンジダミン、ブロムフェニラミン、セチリジン、クロルフェニラミン、シメチジン、シンナリジン、クレスマチン、クロフェダノール、シクロヘプタジン、シプロヘプタジン、ジフェンクロキサジン、ジフェンヒドラミン、ドタリジン、エフェドリン、エピナスチン、エピネフリン、エチルノルエピネフリン、フェンペンタジオール、フェンポテロール(fenpoterol)、フェキソフェナジン、フルルビプロフェン、ヒドロキシジン、イソエタリン、イソプロテレノール、ケトロラク、レボセチリジン、レボメプロマジン、ロラチジン、メキタジン、メタプロテレノール、ニアプラジン、オキサトミド、オキソメマジン、フェニルエフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、プロメタジン、シュードエフェドリン、ピリラミン、ラニチジン、サルメテロール、テルブタリン、テルフェナジン、トラニラスト、キサンチン誘導体並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0099】
抗感染症薬、特に抗生物質、抗真菌薬及び抗ウイルス薬の例は、アバカビル、アシクロビル、アルベンダゾール、アマンタジン、アンホテリシン、アミカシン、アミノサリチル酸、アモキシシリン、アンピシリン、アンプレナビル、アトバキン(atovaquine)、アジスロマイシン、アズトレオナム、セファクロル、セファドロキシル、セファゾリン、セフジニル、セフェキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフチブテン、セファレキシン、クロロキン、シドフォビル、シラスタチン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クリンダマイシン、ダルホプリスチン、ダプソン、デラビルジン、デメクロサイクリン、ジダノシン、ドキシサイクリン、エファビレンツ、エノキサシン、エリスロマイシン、エタンブトール、エチオナミド、ファムシクロビル、フルコナゾール、フルシトシン、ホスカルネット、ガンシクロビル、ガチフロキサシン、グリセオフルビン、ヒドロキシクロロキン、インジナビル、イソニアジド、イトラコナゾール、イベルメクチン、ケトコナゾール、ラミブジン、レボフロキサシン、リニゾリド(linizolide)、ロメフロキサシン、ロラカルベフ、メベンダゾール、メフロキン、メタンアミン、メトロニダゾール、ミノサイクリン、モキセフロキサシン、ナリジクス酸、ネルフィナビル、ネオマイシン、ネビラピン、ニトロフラントイン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オセルタミビル、オキシテトラサイクリン、ペニシリンV、ペルフロキサシン、プラジカンテル、ピラチナミド、ピリメタミン、キニジン、キヌプリスチン、レトナビル、リバビリン、リファブチン、リファンピシン、リマンタジン、サキナビル、スパルフロキシン、スタブジン、ストレプトマイシン、スルファメトキサゾール、テトラマイシン、テルビナフィン、テトラサイクリン、チアベンダゾール、トブラマイシン、トリメトプリム、トロレアンドマイシン、トロバフロキサシン、バラシクロビル、バンコマイシン、ザルシタビン、ザナミビル、ジドブジン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0100】
抗パーキンソン病薬の例は、アマンタジン、アドロゴリド、アルチニクリン、ベンズアトロピン、ビペリデン、ブラゾフェンシン、ブロモクリプチン、ブジピン、カベルゴリン、CHF−1301、ジヒドレキシジン、エンタカポン、エチレボドパ、イダゾキサン、イオメタパン、ラザベキド、メレボドパ、カルビドパ、レボドパ、モフェギリン、モキシラプリン、ペルゴリド、プラミペキソール、キネロラン、ラサジリン、ロピニロール、セリギリン、タリペキソール、トルカポン、トリヘキシフェニジル並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0101】
抗リウマチ薬の例は、アザチオプリン、ベタメタゾン、セレコキシブ、シクロスポリン、ジクロフェナク、ヒドロキシクロロキン、インドメタシン、メルカプトブラン二酸、メチルプレドニゾロン、ナプロキセン、ペニシラミン、ピロキシカム、プレドニゾロン、スルファサラジン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0102】
血小板凝集阻害剤の例は、アナグレライド、アスピリン、シロスタゾール、クロピドグレル、ジピリダモール、エポプロステノール、エプチフィバチド、チクロピジン、チノフィバン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0103】
鎮痙薬及び抗コリン作用薬の例は、アスピリン、アトロピン、ジクロフェナク、ヒヨスチアミン、メソプロストール(mesoprostol)、メトカルバモール、フェノバルビタール、スコポラミン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0104】
鎮咳薬の例は、パラセタモール、アクリバスチン、ベンゾナテート、ベラクタント、ブロムフェニラミン、カフェイン、カルファクタント、カルベタペンタン、クロルフェニラミン、コデイン、コルフスセリン(colfuscerine)、デキストロメトロファン、ドキシラミン、フェキソフェナジン、グアフェネシン、メタプロテレノール、モンテルカスト、ペントキシフィリン、フェニルエフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、シュードエフェドリン、ピリラミン、テルブタリン、テオフィリン、ザフィルルーカスト、ジロートン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0105】
炭酸脱水酵素阻害剤の例は、アセタゾールアミド、ジクロルフェンアミド、ドルゾラミド、メタゾラミド、セゾラミド並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0106】
心臓血管治療薬、特に脂質低下薬、抗不整脈薬、血管拡張薬、抗狭心症薬、高血圧治療薬及び血管保護薬の例は、アセブトロール、アデノシン、アミダロン、アミロリド、アムロジピン、硝酸塩アミル、アテノロール、アトルバスタチン、ベンゼプリル、ベプリジル、ベタキサロール、ビソプロロール、カンデサルタン、カプトプリル、カルテオロール、カルベジロール、セリバスタチン、クロルタリドン、クロルチアゾール、クロフィブレート、クロニジン、コレスチポール、コレセベラム、ジゴキシン、ジルチアゼム、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドキサゾシン、エナラプリル、エポプロステロール、エプロサルタン、エスモロール、エタクリン酸、エリスチリル、フェロジピン、フェノイダパム(fenoidapam)、フォシノプリル、フレカイニド、フロセミド、フルバスタチン、ゲムフィブロジル、ヒドロクロルチアジド、ヒドロフルメタジン、イブチリド、インダパミド、イソソルビド、イルベサルタン、ラベトロール、ラシジピン、リシノプリル、ロサルタン、ロバスタチン、メカミラミン、メトプロロール、メタルミノル(metarminol)、メタゾロン、メチルクロチアジド、メチルドーパ、メチロシン、メキシレチン、ミドロジン(midrodine)、ミルリノン、モエキシプリル、ナドロール、ナイアシン、ニカルジピン、ニコランジル、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトログリセリン、フェノキシベンズアミン、ペリンドプリル、ポリチアジド、プラバスタチン、プラゾシン、プロカインアミド、プロパフェノン、プロプラノロール、クアンファシン、キナプリル、キニジン、ラニプリル(ranipril)、シムバスタチン、ソタロール、スピロノラクトン、テルミサルタン、テラゾシン、チモロール、トカインアミド、トルセミド、トランドラプリル、トリアムテレン、トラピジル、バルサルタン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0107】
血管拡張薬の例は、アデノシン、アルベリン、カフェイン、ジヒドロエルゴコルニン、エナラプリル、エノキシモン、イロプロスト、カレワン(kalleone)、リドフラジン、ニカルジピン、ニモジピン、ニコチン酸、パパベリン、ピロカルピン、サルブタモール、テオフィリン、トランドラプリル、ウラジピル、ビンカミン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0108】
コリンエステラーゼ阻害剤の例は、ドネペジル、ネオスチグミン、ピリドスチグミン、リバスチグミン、タクリン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0109】
中枢神経系刺激薬の例は、カフェイン、ドキサプラム、デキソアンフェタミン、ドネペジル、メタムフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ネオスチグミン、ペモリン、フェンテルミン、ピリドスチグミン、リバスチグミン、タクリン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0110】
避妊薬の例は、デソゲストラール(desogestral)、エチニルエトラジオール、エチノジオール、レボノルゲストレル、メドロキシプロゲステロン、メストラノール、ノルゲスチメート、ノルエチンドロン、ノルゲストレル並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0111】
嚢胞性線維症治療薬の例は、パンクレリパーゼ、トブラマイシン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0112】
ドーパミン受容体作動薬の例は、アマンタジン、カベルゴリン、フェノルドパム、ペルゴリド、プラミペザル(pramipezal)、ロピニロール並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0113】
子宮内膜症治療薬の例は、ダナゾール、ノルエチンドロン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0114】
勃起障害治療薬の例は、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ヨヒンビン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0115】
不妊治療薬の例は、クロミフェン、プロゲステロン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0116】
胃腸疾患治療薬の例は、アロセトロン、ビサコジル、次サリチル酸ビスマス、セレコキシブ、シメチジン、ジフォキシン(difoxine)、ジフェノキシラート、ドキュセート、エソメプラゾール、ファモチジン、グリコピロレート、ランソプラゾール、ロペラミド、メトクロプラミド、ニザチジン、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、ラニチジン、シメチコン、スクラルファート並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0117】
免疫調節剤及び免疫抑制剤の例は、アザチオプリン、セフチゾキシム、シクロスポリン、レフルノミド、レバミゾール、ミコフェノレート、フタリドミド(phthalidomide)、リバビリン、シロリムス、タクロリムス並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0118】
アルツハイマー病治療薬の例は、CP118954、ドネペジル、ガランタミン、メトリホネート、レバスチグミン(revastigmine)、タクリン、TAK−147並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0119】
抗片頭痛薬の例は、パラセタモール、ジヒドロエルゴタミン、ジバルプロエックス、エルゴタミン、プロプラノロール、リザトリプタン、スマトリプタン、トリメトレキセート並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0120】
筋弛緩薬の例は、アザプロパゾン、バクロフェン、カリソプロドール、キニーネ誘導体、クロロメザノン、カルバミン酸クロルフェネシン、クロロゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、塩化ジメチルツボクラリン、フェニラミドール、グアイフェネシン、メマンチン、メフェネシン、メプロバメート、メタミゾール、メタキサロン、メトカルバモール、オルフェナドリン、フェナゾン、フェンプロバメート、テトラゼパム、チザニジン、チバメート並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0121】
ヌクレオシドアナローグの例は、アバカビル、アシクロビル、ジダノシン、ガンシクロビル、ゲムシタビン、ラミブジン、リバビリン、スタブジン、ザルシタビン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0122】
骨粗鬆症治療薬の例は、アレンドロネート、カルシトニン、エストラジオール、エストロピペート、メドロキシプロゲステロン、ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、パミドロネート、ラロキシフェン、リセドロネート、ゾレドロネート並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0123】
副交感神経作動薬の例は、ベタネコール、ビペリジン、エドロホニウム、グリコピロレート、ヒオスチアミン、ピロカルピン、タクリン、ヨヒンビン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0124】
プロスタグランジンの例は、アルプロスタジル、エポプロステロール、ミソプロストール並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0125】
精神治療薬の例は、アセトフェナジン、アレンテモール、アルペルチン、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アプリプラゾール(apriprazole)、アザペロン、バテラピン、ベフィピリド(befipiride)、ベンペリドール、ベンジンドピリン、ビミチル(bimithil)、ビリペロン、ブロホキシン、ブロムペリドール、ブロニペリドール(broniperidol)、ブプロピオン、ブスピロン、ブタクラモル、ブタペラジン、カルフェナジン、カルボトロリン、クロルアゼピン、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、シンペレン、シントリアミド(cintriamide)、シタロプラム、クロマクラン、クロナゼパム、クロペンチキソール、クロピモジド、クロピパザン、クロロペロン、クロチアピン、クロチキサミド、クロザピン、シクロフェナジン、ダピプラゾール、ダポキセチン、デシプラミン、ジバルプロエックス、ジピリダモール、ドキセピン、ドロペリドール、デュロキセチン、エルトプラジン、エプチピロン(eptipirone)、エタゾレート、フェニミド、フリバンセリン、フルシンドール、フルメザピン、フルオキセチン、フルフェナジン、フルスピペロン、フルスピリレン、フルトロリン、フルボキサミン、ジェピロン、ゲボトロリン、ハロペミド、ハロペリドール、ヒドロキシジン、ヒドロキシノルトリプチリン、イロペリドン、イミドリン、ラモトリジン、ロクサピン、エンペロン、マザペルチン、メホバルビタール、メプロバメート、メソリダジン、メソリダジン、ミルナシプラン、ミルタゼピン、メチアピン、ミレンペロン、ミリペルチン、モリンドン、ナファドトリド、ナラノール、ネファゾドン、ネフルモジド、オカペリドン、オダピパム、オランザピン、オキセチアジン、オキシペロミド、パゴクロン、パリペリドン、パロキセテン、ペンフルリドール、ペンチアピン、パーフェナジン、フェネルジン、ピモジド、ピノキセピン、ピパンペロン、ピペラセタジン、ピポチアジン、ピキンドン、ピラセタム、ピルリンドール、ピバガビン、プラミペキソール、プロクロルペラジン、プロマジン、クエチアピン、レボキセチン、レモキシプリド、リスペリドン、リムカゾール、ロボルゾタン(robolzotan)、セレギリン、セペリドール(seperidol)、セルトラリン、セルチンドール、セテプチリン(seteptiline)、セトペロン、スピペロン、スニピトロン(sunipitrone)、テピリンドール、チオリダジン、チオチキセン、チアプリド、チオペリドン、チオスピロン、トピラメート、トラニルシプロミン、トリフルオペラジン、トリフルペリドール、トリフルプロマジン、トリミプラミン、ベンラファキシン、ジプラシドン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0126】
鎮静薬、睡眠薬及び精神安定剤の例は、ブロマゼパム、ブスピロン、クラゾラム、クロバザム、クロラゼペート、ジアゼパム、デモキセパム、デキスメデトミジン、ジフェニルヒドラミン、ドキシラミン、エンシプラジン、エストラゾラム(estrazolam)、ヒドロキシジン、ケタゾラム、ロラザトン(lorazatone)、ロラゼパム、ロクサピン、メダゼパム、メペリジン、メトバルビタール、ミダゾラム、ナビロン、ニソバマート、オキサゼパム、ペントバルビタール、プロメタジン、プロポフォール、トリアゾラム、ザレプロン、ゾルピデム並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0127】
皮膚科治療薬の例は、アシトレチン、アルクロメタゾン、アリトレチノイン、ベタメタゾン、カルシポトリエン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロトリマゾール、シクロスポリン、デソニド、ジフルオロゾン、ドキセピン、エフロミチン(eflomithine)、フィナステリド、フルランドレノリド、ヒドロクロロキン、ヒドロキノン、ヒドロキシジン、ケトコナゾール、マフェニド、マラチオン、メノベンゾン、ネオスチグミン、ナイスタチン、ポドフィロトキシン、ポビドン、タザロテン、トレチノイン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0128】
ステロイド及びホルモンの例は、アルクロメタゾン、ベタメタゾン、シトロレリックス、クロベタゾール、クロコルトロン、コルチゾン類、ダナゾール、デソニド、デソゲストレル、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、エストラジオール、エストロゲン類、エストロピペート、エチニルエストラジオール、フルオシノロン、フルランドレノリド、フルチカゾン、ハロベタゾール、ヒドロコルチゾン、ロイプロリド、レボノルゲストレル、レボチロキシン、メドロキシプロゲステロン、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、モメタゾン、ノルエチンドロン、ノルゲストレル、オキサンドロロン、オキシメトロン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プロゲステロン、スタノゾロール、テストステロン並びにこれらの塩、エステル、水和物、多形体及び異性体である。
【0129】
また、欧州特許出願第EP0609961号明細書の第4〜8頁に示されるAPのリストも参照し得る。使用するAPは例えば、次の活性物質の分類、すなわち、アンフェタミン類、鎮痛薬、食欲減退薬、鎮静薬、抗うつ薬、抗癲癇薬、抗片頭痛薬、抗パーキンソン病薬、鎮咳薬、抗不安薬、バルビツレート類、ベンゾジアゼピン類、睡眠薬、緩下薬、神経弛緩薬、オピエート、精神刺激薬、向精神薬、鎮静薬及び刺激薬の少なくとも一つに属する。APが鎮痛性AP(aAP)である場合には、それはオピオイドであることが好ましい。
【0130】
さらにより正確には、使用するAPは、次の化合物から選択される。すなわち、アニレリジン、アセトルフィン、アセチルアルファメチルフェンタニル、アセチルジヒドロコデイン、アセチルメタドール、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファアセチルメタドール、アルファメプロジン、アルファプロジン、アルファメタドール、アルファメチルフェンタニル、α−メチルチオ−フェンタニル、アルファプロジン、アニレリジン、ブトルファノール、ベンゼチジン、ベンジルモルフィン、β−ヒドロキシフェンタニル、β−ヒドロキシ−メチル−3−フェンタニル、ベータアセチルメタドール、ベータメプロジン、ベータメタドール、ベータプロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、酪酸ジオキサフェチル、クロニタゼン、シクラゾシン、大麻、セトベミドン、クロニタゼン、コデイン、コカ、コカイン、コドキシム、デゾシン、ジメノキサドール、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、デキストロプロポキシフェン、ジアムプロミド、ジエチル−チアムブテン、ジフェノキシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジフェノキシラート、ジピパノン、ドロナビノール、ドロテバノール、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エクゴニン、エフェドリン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、エトキセリジン、フェンタニル、フレチジン、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフィノール、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、ロフェンタニル、レボメトルファン、レボモルアミド、レボフェナシルモルファン、レボルファノール、メプタジノール、メペリジン、メタゾシン、メタドン、メチルデソルフィン、メチルジヒドロモルヒネ、メチルフェニデート、メチル−3−チオフェンタニル、メチル−3−フェンタニル、メトポン、モラミド、モルフェリジン、モルヒネ、ミロフィン、ナビロン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ニココジン、ニコジコジン、ニコモルヒネ、ノルアシメタドール、ノルコデイン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、フェナドキソン、フェノペリジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、パラフルオロフェンタニル、ペンタゾシン、ペチジン、フェナムプロミド、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、ホルコデイン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロプラノロール、プロペリジン、プロピラム、ラセメトルファン、ラセモラミド、ラセモルファン、ラミフェンタニル、スフェンタニル、テトラヒドロカンナビノール、テバコン、テバイン、チオフェンタニル、チリジン、トリメペリジン、トラマドール並びにこれらの製薬学的に許容し得る塩、エステル、水和物、多形体及び異性体、並びにこれらの混合物から選択される。
【0131】
予想することができる抗炎症APの中で、次のセレコキシブ、イブプロフェン、パラセタモール、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン 、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミネオプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロクス酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラック、チオピナック、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザック、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミン酸、トルフェナム酸、ジフルリザール、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム並びにこれらの製薬学的に許容し得る塩、エステル、水和物、多形体及び異性体、並びにこれらの混合物を挙げ得る。
【0132】
本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。以下の実施例は、単に例として示すものであり、本発明の良好な理解を与え、その種々の実施形態及び/又は実施の様式、並びにその種々の利点を実証することを可能にする。本発明の種々の実施形態は、図1〜5に非限定的な実施例として例証される。
【0133】
図1は、微粒子11を表し、そのAPコア12はコーティング13で被覆され、その上に薬剤D14が沈着されている。コーティング13は、ポリマーA、可塑剤B及び場合によっては界面活性剤Cを含有する。
【0134】
図2は、微粒子21を表し、そのAPコア22は薬剤D1を含有する。APコア22は、コーティング23で被覆され、該コーティングもまた薬剤D2を含有する。薬剤D1及びD2は、互いに同一であるか又は異なることができる。
【0135】
図3は、例えば押出しによって得られるペレット又は顆粒39を表し、これは、少なくとも1種の薬剤Dを含有する結合剤相35中に微粒子31を含有する。微粒子31は、リザーバ微粒子及び場合によっては未被覆AP微粒子を含む。
【0136】
図4は、薬剤D2を含有する結合剤42中に、本発明の微粒子41、例えばリザーバ微粒子及び場合によっては即時放出微粒子を含有する錠剤49を表す。錠剤49は、薬剤D1を含有するコーティング45で被覆される。薬剤D1及びD2は、互いに同一であるか又は異なることができる。
【0137】
図5は、カプセル59を表し、その壁56は、薬剤Dを基材とするコーティング55で被覆される。カプセル59は、本発明の微粒子51、例えばリザーバ微粒子及び場合によっては即時放出微粒子を含有する。
【実施例】
【0138】
実施例1:アシクロビルカプセル(薬剤Dは微粒子の不活性支持体中に含有される。)
工程1
288gのアシクロビル及び72gのヒドロキシプロピルセルロース(Klucel EF(登録商標)/Aqualon)を、840gの水に分散させる。得られる懸濁液を、空気流動層(Glatt GPCG1)中の240gのグアーガム(Danisco)上に噴霧する。
【0139】
工程2
1.4gのエチルセルロース(Ethocel 20 Premium/Dow)、9.24gの酢酸酪酸セルロース(CAB171-15/Eastman)、1.68gのポリソルベート80(Tween 80/Uniqema)及び1.68gのクエン酸トリエチル(Morflex)を、アセトン94%及び水6%からなる混合物に溶解する。この溶液を、56gのアシクロビル顆粒(工程1で調製した)上に噴霧する。
【0140】
次いで、得られた微粒子を、サイズ0のゼラチンカプセルに入れる(カプセル当たりアシクロビル150mgの用量を得る)。
【0141】
900mlの0.1N HCl中で及び500mlのエタノール/0.1N HCl混合物(40/60(v/v))中での75rpmのパドル攪拌による時間(h)の関数としての溶解D(%)の特性を、図6に示す。
【0142】
媒体0.1N HCl中での溶解特性及びエタノール/0.1N HCl(40/60(v/v))中での溶解特性は、極めて類似していることが認められる。特に、エタノールの存在下で放出された量の実質的な促進はない(すなわち、投与量のダンピングはない)。
【0143】
実施例2:メトホルミンカプセル(薬剤Dはカプセルコーティング中に含有される。)
工程1
500gのメトホルミンを、2586gの水に分散させる。得られる溶液を、Glatt GPCG1中で450gのセルロース微小球(Asahi-Kasei)上に噴霧する。
【0144】
工程2
228gのエチルセルロース(Ethocel 20 Premium/Dow)、30gのポビドン(Plasdone K29-32/Intenational Specialty Products Inc.)、12gのポリオキシル−40硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレングリセロールトリヒドロキシステアレート:Cremophor RH 40/ISP)及び30gのヒマシ油を、60%のアセトン及び40%のイソプロパノールからなる混合物に溶解する。この溶液を、工程1で調製する700gのメトホルミン顆粒上に噴霧する。
【0145】
次いで、得られる微粒子を、サイズ2のゼラチンカプセルに入れる(カプセル当たりメトホルミン150mgの用量を得る)。次いで、このカプセルを、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Blanose 7 LF/Aqualon)の溶液を用いて、60mgのゼラチン当たり20mgのカルボキシメチルセルロースナトリウムの割合でフィルムコーティングする。
【0146】
900mlの0.1N HCl中で及び500mlのエタノール/0.1N HCl混合物(40/60(v/v))中での75rpmのパドル攪拌による溶解特性を、図7に示す。
【0147】
媒体0.1N HCl中での溶解特性及びエタノール/0.1N HCl(40/60(v/v))中での溶解特性は、極めて類似していることが認められる。特に、エタノールの存在下で放出された量の実質的な促進はない(すなわち、投与量のダンピングはない)。
【0148】
実施例3:アシクロビルカプセル(薬剤Dは微粒子の不活性支持体中及びカプセル構成成分中に含有される。)
工程1
288gのアシクロビル及び72gのヒドロキシプロピルセルロース(Klucel EF(登録商標)/Aqualon)を、840gの水に分散させる。得られる懸濁液を、Glatt GPCG1中で240gのグアーガム(Danisco)上に噴霧する。
【0149】
工程2
9.84gのエチルセルロース(Ethocel 20 Premium/Dow)、0.24gのポビドン(Plasdone K29-32/ISP)、0.24gのソルビタンモノオレエート(SAPn 80/Uniqema)及び1.68gのヒマシ油(Garbit Huilerie)を、60%のアセトン及び40%のイソプロパノールからなる混合物に溶解する。この溶液を、48gのアシクロビル顆粒(工程1で調製した)上に噴霧する。
【0150】
次いで、得られる微粒子を、サイズ0の植物性カプセル(ヒプロメロース[すなわち、HPMC]を基材とする)に入れる(カプセル当たりアシクロビル150mgの用量を得る)。
【0151】
900mlの0.1N HCl中で、及び500mlのエタノール/0.1N HCl混合物(40/60(v/v))中での75rpmのパドル攪拌による溶解特性を、図8に示す。
【0152】
媒体0.1N HCl中での溶解特性及びエタノール/0.1N HCl(40/60(v/v))中での溶解特性は、極めて類似していることが認められる。特に、エタノールの存在下で放出された量の実質的な促進はない(すなわち、投与量のダンピングはない)。
【0153】
実施例4:メトホルミンカプセル(薬剤Dは微粒子と混合される。)
工程1
350gのメトホルミン、50gのヒドロキシプロピルセルロース(Klucel EF(登録商標)/Aqualon)及び100gのデンプングリコール酸ナトリウム(Primojel/Avebe)を、700gの水及び467gのエタノールに分散させる。得られる溶液を、Glatt GPCG1中で500gのグアーガム(Danisco)上に噴霧する。
【0154】
工程2
224gのエチルセルロース(Ethocel 20 Premium/Dow)、5.2gのソルビタンモノオレエート(SAPn 80/Uniqema)及び31.2gのヒマシ油(Garbit Huilerie)を、60%のアセトン及び40%のイソプロパノールからなる混合物に溶解する。この溶液を、390gのメトホルミン顆粒(工程1で調製した)上に噴霧する。
【0155】
工程3
工程2の最後に得られた200gの微粒子を、65gのマンニトール(Pearlitol SD 200)、30gのヒプロメロース[すなわち、HPMC](Methocel E5)、5gのステアリン酸マグネシウム及び約60gの水と混合し、1.5mmの網目(FitzAPtrick MG-55押出機)に通して押出する。次いで、得られる棒状物を、粗度1mmのプレート上で1500rpmの速度で球形化する(FitzAPtrick Q-230.T laboratory spheronizer)。
【0156】
次いで、得られる微粒子を、サイズ0のゼラチンカプセルに入れる(カプセル当たりメトホルミン80mgの用量を得る)。
【0157】
900mlの0.1N HCl中、及び500mlのエタノール/0.1N HCl混合物(40/60(v/v))中での75rpmのパドル攪拌による溶解特性を、図9に示す。
【0158】
媒体0.1N HCl中での溶解特性、及びエタノール/0.1N HCl(40/60(v/v))中での溶解特性は、極めて類似していることが認められる。
【0159】
両方の場合に、APの約75%が45分で放出され、これはMR製剤の限界を表す。さらにAPの放出を遅らせるために、当業者は、特に微粒子のサイズを大きくするか又は被覆率を大きくできる。
【0160】
実施例5:水溶液及びアルコール溶液中での薬剤Dの挙動
種々の化合物Dを、水を入れた小瓶(図の左側の小瓶)又は40/60(v/v)の割合のエタノール/水溶液を入れた小瓶(図の右側の小瓶)に入れた。
【0161】
図10は、水及びエタノールに溶解しないがアルコール溶液中よりも水中でよりよく膨潤する物質(この場合はデンプングリコール酸ナトリウム(Primojel(登録商標)/Avebe))の場合の15分後の外観を表す。
【0162】
図11は、水に溶解するが、水/エタノール混合に溶解しない物質(この場合はグアーガム(Grindsted(登録商標)Guar/Danisco))の場合を表す。
【0163】
図12は、溶解速度が水/エタノール混合物よりも水でより高い物質{−この場合はヒプロメロース[すなわち、HPMC](Methocel(登録商標)E5/Dow)}の場合の30分後の外観を表す。
【0164】
実施例6:メトホルミンカプセル(薬剤Dは微粒子と混合される。)
工程1
1700gのメトホルミンを、2348gの水に溶解する。得られる溶液を、Glatt GPCG1中で300gのセルロース微小球(Cellets 90/Pharmatrans)上に噴霧する。
【0165】
工程2
249.6gのエチルセルロース(Ethocel 20 Premium/Dow)、19.2gのポビドン(Plasdone K29-32/ISP)、12.8gのポリオキシ−40硬化ヒマシ油(Cremophor RH 40/BASF)及び38.4gのヒマシ油(Garbit Huilerie)を、60%のアセトン及び40%のイソプロパノールからなる混合物に溶解する。この溶液を、480gのメトホルミン顆粒(工程1で調製するもの)上に噴霧する。
【0166】
工程3
工程2で得られた6gの微粒子を、0.4gのヒプロメロース[すなわち、HPMC](Methocel E4M/Colorcon)、0.2gのヒドロキシプロピルセルロース(Klucel HF/Aqualon)及び0.04gのステアリン酸マグネシウムと、回転ドラム混合機(Mini 80/Engelsmann AG)で30分間混合する。次いで、得られる混合物を、サイズ0のゼラチンカプセルに入れる(カプセル当たりメトホルミン150mgの用量を得る)。
【0167】
900mlの0.1N HCl中、900mlのエタノール/0.1N HCl混合物(5/95(v/v))中で及び900mlのエタノール/0.1N HCl混合物(20/80(v/v))中での75rpmのパドル攪拌による溶解特性を、図13に示す。
【0168】
媒体0.1N HCl中での溶解特性はエタノール含有媒体中での溶解特性に類似するか又はそれよりも速いことが認められる。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】被覆された微粒子の構造の略図である。
【図2】被覆された微粒子の構造の略図である。
【図3】微粒子と結合剤としての薬剤Dとを含むペレット又は顆粒の構造の略図である。
【図4】微粒子を含有する被覆錠剤の略図である。
【図5】薬剤Dを基材とするコーティングで被覆されたカプセルの略図である。前記カプセルは微粒子を含有する。
【図6】実施例1で調製されたアシクロビルカプセルの溶解を表す。
【図7】実施例2で調製されたメトホルミンカプセルの溶解を表す。
【図8】実施例3で調製されたアシクロビルカプセルの溶解を表す。
【図9】実施例4で調製されたメトホルミンカプセルの溶解を表す。
【図10】デンプングリコール酸ナトリウム(Primojel(登録商標)/Aveb)の接触時間15分後の水中での挙動(図10A)及びアルコール溶液中(図10B)での挙動を表す。
【図11】グアーガム(Grindsted(登録商標)Guar/Danisco)の接触時間15分後の水中での挙動(図11A)及びアルコール溶液中(図11B)での挙動を表す。
【図12】ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel(登録商標)E5/Dow)の接触時間30分後の水中での挙動(図12A)及びアルコール溶液中(図12B)での挙動を表す。
【図13】実施例6で調製されたメトホルミンカプセルの溶解を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の有効成分(AP)の調節放出用のリザーバ型微粒子を含む経口用医薬製剤又は食事療法製剤であって、アルコールの存在下でAPの投与量の即時ダンピングに対して抵抗性であることを特徴とする、経口用医薬製剤又は食事療法製剤。
【請求項2】
アルコール溶液中でAPの50%を放出するのに要する時間が、
アルコールを含有していない水性媒体中でAPの50%を放出するのに要する時間に比べて1/3未満には短縮されないこと;
好ましくは、アルコールを含有していない水性媒体中でAPの50%を放出するのに要する時間に比べて1/2未満には短縮されないこと;
好ましくは、アルコールを含有していない水性媒体中でAPの50%を放出するのに要する時間に比べて1/1.5未満には短縮されないこと;
好ましくは、類似因子f2に従ってアルコールを含有していない水性媒体中で要する時間に類似していること;又は
アルコールを含有していない水性媒体中でAPの50%を放出するのに要する時間よりも長いこと
を特徴とする、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
水和又は溶媒和の速度又は能力がアルコール溶液中よりもアルコールを含有していない水性媒体中でより大きい製薬学的に許容し得る化合物である少なくとも1種の薬剤Dを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
リザーバ型微粒子であって:
その平均直径が、2000μmよりも小さい、特に好ましくは50〜800μmであり、さらに特に好ましくは100〜600μmであり、並びに
それが独立して、APを含有し且つコーティングで被覆されているコアからなる、
リザーバ型微粒子を含み、前記コーティングが:
胃腸管の液に溶解しない少なくとも1種のポリマーA;
少なくとも1種の可塑剤B;及び
場合により少なくとも1種の界面活性剤C
を含むものであること
を特徴とする、請求項3に記載の製剤。
【請求項5】
薬剤Dが、
APコア(又は未被覆AP微粒子)の構成成分の一つ、すなわち、
微粒子の不活性支持体中、及び/又は
微粒子の不活性支持体上に沈着させたAP含有層中、及び/又は
APを含有する顆粒中
の構成成分の一つであること;及び/又は
微粒子のコーティングの構成成分の一つであること;及び/又は
微粒子と混合されること;及び/又は
モノリシック製剤の外部構成成分の一つであること
を特徴とする請求項3又は4に記載の微粒状製剤。
【請求項6】
薬剤Dが、APコア中に、APコアの全重量に基づいて5%〜70%(w/w)、好ましくは15%〜60%(w/w)の量で存在することを特徴とする、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
薬剤Dが、コーティング中にコーティングの全重量に基づいて3%〜30%(w/w)、好ましくは10%〜20%(w/w)の量で存在することを特徴とする、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
薬剤Dが、微粒子との混合物中に、前記混合物の全重量に基づいて2%〜30%(w/w)、好ましくは5%〜25%(w/w)、特に好ましくは5%〜20%(w/w)の量で存在することを特徴とする、請求項5に記載の製剤。
【請求項9】
薬剤Dが、次の製品群:
架橋カルボキシアルキルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロース(例えば、クロスカルメロースナトリウム)、
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシド)、
(ヒドロキシ)(アルキル)セルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース[すなわち、HPMC])、
カルボキシアルキルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)及びその塩、
セルロース(粉末状又は微晶質)、
ポラクリリンカリウム、
多糖類、例えば:
天然デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン又はジャガイモデンプン)又は加工デンプン(例えば、グリコール酸ナトリウムで加工させたデンプン)、
アルギン酸及びその塩、例えばアルギン酸ナトリウム、
グアーガム、
カラゲナン、
プルラン、
ペクチン、
キトサン及びその誘導体、並びに
これらの混合物、
タンパク質、例えば:
ゼラチン、
アルブミン、
カゼイン、
ラクトグロブリン、及び
これらの混合物、
クレー、例えばベントナイト、ラポナイト、並びに
これらの混合物
から選択されることを特徴とする、請求項3から8のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項10】
薬剤Dが、次の製品群:
ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース[すなわち、HPMC])、
グアーガム、
カラゲナン、
プルラン、及び
これらの混合物、
から選択されることを特徴とする、請求項3〜9のいずれか一項に記載の多微粒子状医薬製剤。
【請求項11】
ポリマーAが、リザーバ微粒子のコーティング中に、薬剤Dを除いたコーティングの全重量の70%〜95%(w/w)、好ましくは75%〜95%(w/w)、特に好ましくは80%〜95%(w/w)の量で存在する、
可塑剤Bが、リザーバ微粒子のコーティング中に、薬剤Dを除いたコーティングの全重量の1〜30%(w/w)、好ましくは2〜25%(w/w)、特に好ましくは5〜20%(w/w)の量で存在する、及び
界面活性剤Cが、リザーバ微粒子のコーティング中に、薬剤Dを除くコーティングの全重量の0〜30%(w/w)、好ましくは0〜20%(w/w)、特に好ましくは5〜15%(w/w)の量で存在する
ことを特徴とする、請求項4〜10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
ポリマーAが、次の製品群:
水不溶性セルロース誘導体、
(メタ)アクリル(コ)ポリマー誘導体、及び
これらの混合物、
から選択されることを特徴とする、請求項4から11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
Aが、次の製品群:エチルセルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、A型及びB型アンモニオメタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)RS、Eudragit(登録商標)RL、Eudragit(登録商標)RS PO、Eudragit(登録商標)PL PO)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(Eudragit(登録商標)NE 30D)及びこれらの混合物から選択される(エチルセルロース及び/又は酢酸セルロースが特に好ましい)ことを特徴とする、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項14】
可塑剤Bが、次の製品群:
グリセロール及びそのエステル、好ましくは次の下位群:アセチル化グリセリド、グリセリルモノステアレート、グリセリルトリアセテート、グリセリルトリブチラート由来のグリセロール及びそのエステル、
フタル酸エステル、好ましくは次の下位群:フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル由来のフタル酸エステル、
クエン酸エステル、好ましくは次の下位群:アセチルクエン酸トリブチルエステル、アセチルクエン酸トリエチルエステル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル由来のクエン酸エステル、
セバシン酸エステル、好ましくは次の下位群:セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル由来のセバシン酸エステル、
アジピン酸エステル、
アゼライン酸エステル、
安息香酸エステル、
クロロブタノール、
ポリエチレングリコール、
植物油、
フマル酸エステル、好ましくはフマル酸ジエチル、
リンゴ酸エステル、好ましくはリンゴ酸ジエチル、
シュウ酸エステル、好ましくはシュウ酸ジエチル、
コハク酸エステル、好ましくはコハク酸ジブチル、
酪酸エステル、
セチルアルコールエステル、
マロン酸エステル、好ましくは マロン酸ジエチル、
ヒマシ油(これが特に好ましい)、及び
これらの混合物
から選択されることを特徴とする、請求項4から13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
界面活性剤Cが、次の製品群:
脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩(ドデシル硫酸ナトリウム及びドキュセートナトリウムが好ましい)、
ポリオキシエチレン化油、好ましくはポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油、
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、
ポリオキシエチレン化ソルビタンエステル、
ポリオキシエチレン化ヒマシ油誘導体、
ステアリン酸塩、好ましくはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム又はステアリン酸亜鉛、
ポリソルベート、
ステアリルフマル酸塩、好ましくはステアリルフマル酸ナトリウム、
ベヘン酸グリセロール、
塩化ベンザルコニウム、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド、及び
これらの混合物
から選択されることを特徴とする、請求項4から14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項16】
ポリマーAがエチルセルロースであり;
可塑剤Bがヒマシ油であり;
界面活性剤Cがポリソルベートであり;並びに
薬剤Dがグアーガム、ヒプロメロース[すなわち、HPMC]、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プルラン、デンプングリコール酸ナトリウム及びこれらの混合物から選択される
ことを特徴とする、請求項4に記載の医薬製剤。
【請求項17】
押出し粒子を含有し、前記粒子が、
少なくとも1種のAPの調節放出用のリザーバ型微粒子、及び
少なくとも1種の薬剤D(但し、薬剤Dは、微粒子の5〜20%(w/w)に相当する)
を含むことを特徴とする、請求項3から16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項18】
カプセル、好ましくはゼラチンカプセルであり、前記カプセルが、
空カプセル重量に基づいて25%(w/w)のカルボキシメチルセルロースナトリウムの量のカルボキシメチルセルロースナトリウムを基材とするコーティングで被覆され、且つ
リザーバ型微粒子を含有する、
ことを特徴とする、請求項3から16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項19】
薬剤D、好ましくはプルランを基材とするカプセルであることを特徴とする、請求項3から16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項20】
薬剤D、好ましくはヒプロメロース(すなわちHPMC)を基材とするカプセルであることを特徴とする、請求項3から16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項21】
多数の微粒子の集団を含有し、前記微粒子の集団が、存在するAPの性質及び/又はコーティングの組成及び/又はコーティングの厚み及び/又は薬剤Dの配置の少なくとも一つにおいて相互に異なることを特徴とする、請求項3から19のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項22】
異なるAP放出動態を有する微粒子、例えば即時放出性を有する微粒子及び調節放出性を有する微粒子、又は異なる放出動態による調節放出性を有する微粒子のうち少なくとも2種類を含む、請求項20に記載の医薬製剤。
【請求項23】
さらに数種のAPの混合物を含み、数種のAPのそれぞれが、同じ放出動態又は異なる放出動態を有する微粒子中に含有される、請求項20又は21に記載の医薬製剤。
【請求項24】
いくつかの工程において、本質的に:
a)APのコア(未被覆微粒子)を:
APを、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dあるいは製薬学的に許容し得る賦形剤と共に押出す/球形化すること;及び/又は
APを、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dあるいは製薬学的に許容し得る賦形剤と共に湿式造粒すること;及び/又は
APを、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dあるいは製薬学的に許容し得る賦形剤と共に圧縮すること;及び/又は
APを、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dあるいは製薬学的に許容し得る賦形剤と共に、水性又は有機溶媒の分散液又は溶液として、薬剤Dの不活性支持体又は粒子上に噴霧すること;及び/又は
APの粉末又は結晶を篩過すること;
によって調製すること;
b)APのリザーバ微粒子を:
空気流動層において、1種又はそれ以上の化合物A及びBと、場合によっては1種又はそれ以上の化合物C及び/又はDとを含有する溶液又は分散液を、APの微粒子上に噴霧する(但し、APの微粒子は、1種又はそれ以上の薬剤Dで予め被覆されていてもよく;APの被覆微粒子は、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤Dで被覆されることができる)ことによって調製すること;
c)薬物の最終製剤を:
カプセル剤又は分包剤に導入するために、APのリザーバ微粒子を、薬剤Dと共に造粒する及び/又は押出し/球形化すること;又は
APのリザーバ微粒子を、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤D及び製薬学的に許容し得る賦形剤と共に混合して、錠剤を得ること(但し、この錠剤は、場合によってはコーティングドラム中で、薬剤D及び/又は製薬学的に許容し得る賦形剤を含有する1つ又はそれ以上の層で被覆することができる);又は
APのリザーバ微粒子をカプセルに導入すること(但し、前記カプセルは、場合によりドラム又は空気流動層中で1種又はそれ以上の薬剤D及び/又は製薬学的に許容し得る賦形剤で被覆することができる);又は
APのリザーバ微粒子を、場合によっては1種又はそれ以上の薬剤D及び/又は製薬学的に許容し得る賦形剤と共に分包剤に導入すること;又は
APのリザーバ微粒子を含有する錠剤をカプセルに導入すること(但し、前記錠剤は1種又はそれ以上の薬剤Dを含有し且つカプセルは1種又はそれ以上の薬剤Dで被覆することができる)
によって調製することからなる、請求項1〜23のいずれか一項に記載の医薬製剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−526825(P2009−526825A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554786(P2008−554786)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051528
【国際公開番号】WO2007/093642
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(505437321)フラメル・テクノロジーズ (14)
【Fターム(参考)】