説明

経口投与用ワクチン製剤

【課題】経口投与した場合でも、有効な免疫誘導が可能であり、特に魚類に対しても容易に投与でき、ワクチンとして有効な製剤を提供する。
【解決手段】ワクチンの水性懸濁液または水溶液及びポリエチレングリコールを含む芯材と、該芯材を被包する、親油性界面活性剤及び油脂から形成される中間層と、該中間層を被包する一層またはそれ以上の外層を含む多層構造のカプセル剤である経口投与用ワクチン製剤、特に魚類用のワクチン製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口投与用のワクチン製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
養殖魚の生産においては、疾病から養殖魚を守るために、抗生物質等の投与や、抗生物質等の薬液への浸漬などが一般的に行われてきたが、耐性菌の出現や食用魚への薬剤の残留等の問題があるため、近年ではワクチン接種による疾病の予防方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−312595号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、稚魚に一尾ずつ注射するのは膨大な労力を要し、コストも高くなるという問題がある。従って、特に養殖魚等の魚類の疾病予防のためには、経口投与可能なワクチンの開発が望まれている。しかしながら、ワクチンを経口投与した場合、胃の消化酵素による抗原の変性や消化管粘膜での免疫誘導の困難性のため、十分な免疫誘導を達成するのが困難である。従って、経口投与した場合でも、注射によるワクチン接種と同等の免疫誘導が可能な経口投与用ワクチン製剤が望まれている。
【0005】
本発明の発明者は、そのようなワクチン製剤の開発のための鋭意研究の結果、ワクチンの水性懸濁液または水溶液及びポリエチレングリコールを含む芯材と、該芯材を被包する、親油性界面活性剤及び油性基材を含む中間層と、該中間層を被包する外層からなるカプセルを経口投与した場合に、十分に免疫を誘導し、疾病を予防し得ることを見出した。さらに、予想に反して、本発明のカプセルにおいては、外層を腸溶性としなくとも、高い効果が得られることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記のワクチン製剤に関する。
(1)ワクチンの水性懸濁液または水溶液及びポリエチレングリコールを含む芯材と、該芯材を被包する、親油性界面活性剤及び油脂から形成される中間層と、該中間層を被包する一層またはそれ以上の外層を含む多層構造のカプセル剤である経口投与用ワクチン製剤。
(2)魚類用のワクチン製剤である(1)のワクチン製剤。
(3)直径が0.1〜10.0mmである(1)または(2)のワクチン製剤。
(4)芯材がさらにアジュバントを含む(1)〜(3)のいずれかのワクチン製剤。
(5)ポリエチレングリコールの分子量が190〜630である(1)〜(4)のいずれかのワクチン製剤。
(6)芯材が、ポリエチレングリコールを、ワクチン水性懸濁液1重量部に対して1〜20重量部の量で含む(1)〜(5)のいずれかのワクチン製剤。
【0007】
(7)中間層の親油性界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、飽和ポリグリコール化グリセリド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群より選択される1種またはそれ以上の物質である(1)〜(6)のいずれかのワクチン製剤。
(8)中間層の油脂が、中鎖脂肪酸トリグリセリドである(1)〜(7)のいずれかのワクチン製剤。
(9)中間層の親油性界面活性剤と油脂の比率が重量比で9:1〜7:3である(1)〜(8)のいずれかのワクチン製剤。
(10)外層が、ゼラチンを主材とするゼラチン皮膜である(1)〜(9)のいずれかのワクチン製剤。
(11)外層が、腸溶性付与物質を含有しないことを特徴とする(1)〜(10)のいずれかのワクチン製剤。
(12)ワクチンがアユ冷水病用ワクチンである(1)〜(11)のいずれかのワクチン製剤。
【0008】
本発明は、さらに、上記ワクチン製剤を経口投与することからなる養殖魚の疾病の予防または治療方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のワクチン製剤は、経口投与した場合でもワクチンとして高い効果を奏する。従って、簡便且つ安全性の高い方法で、疾病を予防することができる。また、本発明のワクチン製剤は、カプセルの形態であるため、魚類に投与する場合でも、容易に経口投与することができる。従って、養殖魚等の魚類の疾病を効率良く予防することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の経口投与用ワクチン製剤は、ワクチンの水性懸濁液または水溶液及びポリエチレングリコールを含む芯材と、該芯材を被包する、親油性界面活性剤及び油脂から形成される中間層と、該中間層を被包する一層またはそれ以上の外層を含む多層構造、好ましくは三層構造のカプセル剤である。
【0011】
本発明のワクチン製剤は、特に、養殖魚、例えば、アユ、サケ、マス、ニジマス、フナ、コイ、ブリ、マダイ、クロダイ、スズメダイ、イシダイ、イシガキダイ、スズキ、ハマチ、カンパチ、マグロ、カレイ、ヒラメ、ヒラマサ、チョウザメ、アジ、シマアジ、トラフグ、ウナギ、ナマズ、キジハタ、サバ、または観賞魚、例えばコイ、金魚、エンゼルフィッシュその他の熱帯魚等の魚類に投与されるワクチン製剤であり得る。
【0012】
本発明において、ワクチンの水性懸濁液または水溶液は、常法により製造される、疾病の原因となるウイルスまたは細菌由来の不活化ワクチン、弱毒化ワクチン、サブユニットワクチンから得られる。好ましくは不活化ワクチンを使用する。ワクチンは1種類のみ用いても、混合して用いてもよい。
【0013】
魚類の疾病の原因となるウイルスまたは細菌の例を下記に示す。魚類の疾病の原因となる細菌の例としては、冷水病の原因菌であるフラボバクテリウム サイクロフィラム(Flavobacterium psychrophilum)、養殖魚のアスペルギルス症原因菌Aspergillus flavus、Aspergillus parasiticus、養殖クルマエビの黒鰓病原因菌Fusarium moniliforme、養殖クルマエビの黒鰓病原因菌Fusarium solani、甲殻類及び魚類真菌症・真菌性中毒症原因菌Saprolegnia diclina、カンパチのノカルディア症原因菌Nocardia kampachi、養殖ナマズの急性貧血症候群原因菌Bacillus thuringiensis、ブリ等の連鎖球菌感染症原因菌Lactococcus garvieae、ボツリヌス菌タイプE感染症の原因菌Clostridium botulinum、魚壊疽原因菌Edwardsiella tarda、アユのシュードモナス症原因菌Pseudomonas mendocina、Pseudomonas plecoglossicida、Pseudomonas putida、ビブリオ症(ウナギ)原因菌Listonella anguillarum、Photobacterium damselae ssp.anguillarum、スズメダイの潰瘍性病変原因菌Photobacterium damselae ssp.damselae、類結節症(魚類)原因菌Photobacterium damselae ssp.piscicida、ビブリオ(魚類)症原因菌Vibrio salmonicida、Vibrio viscosus、Vibrio wodanis、エドワジュラ症原因菌等が挙げられる。魚類の疾病の原因ウイルスの例としては、コイヘルペスウイルス(CNGV、KHV)、サケ・マスヘルペスウイルス (CSHV、CSTV、NTV、NeVTA、OKV、SaHV-1、SaHV-2等)、金魚ヘルペスウイルス(CyHV-1、CyHV-2等)、カワカマスヘルペスウイルス、カレイ・ヒラメヘルペスウイウルス (PiHV-1) ニジマスヘルペスウイルス (RKV)、シロチョウザメヘルペスウイルス、ヤマメヘルペスウイルス(YTV)、キンギョイリドウイルス(GFV-1、GFV-2等)、マダイ、ブリ、カンパチ等のイリドウイルス、リムフォキスティス症ウイルス (LCDV-1、LCDV-2等)、伝染性造血器壊死症ウイルス(EHNV)、ニジマスウイルス (RTV)、養殖ハタ昏睡症候群ウイルス(RFPV)、マダイラナウイルス等のラナウイルス、伝染性膵臓壊死症ウイルス(IPNV)、ブリウイルス性腹水症ウイルス(YAV)、カレイウイルス性神経壊死症ウイルス (BFNNV、HNNV、JFNNV等)、ハタウイルス性神経壊死症ウイルス(DGNNV、GNNV、MGNNV、RGNNV等)、スズキウイルス性神経壊死症ウイルス(SBNNV)、トラフグウイルス性神経壊死症ウイルス(TPNNV)、ラブドウイルス (EEV-B12、EEV-C26、HIRRV、SHRV、EVA EVEX、PFRV、RGRCV等)、ウィルス性出血性敗血症ウイルス(VHSV)、コイ春ウイルス病ウイルス (SVCV)、サケ、マスのビルナウイルスが挙げられる。
【0014】
魚類以外の動物(ヒトを含む)の疾病の原因菌及び原因ウイルスの例としては、サルモネラ(Salmonella)、ネイセリア(Neisseria)、ボレリア(Borrelia)、クラミジア(Chlamydia)、ボルデテラ(Bordetella)等の細菌、プラスモジウム(plasmodium)、トキソプラズマ(Toxoplasma)等の寄生虫、HIV、サイトメガロウイルスもしくはバリセラゾスターウイルス(Varicella Zoster Virus)のようなヒトまたはその他の動物のヘルペスウイルス、B型、A型もしくはC型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス等のウイルスが挙げられる。
【0015】
本発明のワクチン製剤は、好ましくは直径0.1〜10.0mm、より好ましくは1.0〜8.0mm、特に1.0〜3.0mmのゼラチンまたは非ゼラチンソフトカプセルである。
【0016】
本発明において使用されるポリエチレングリコールの分子量は、好ましくは190〜630、より好ましくは300〜500、特に380〜420である。
ワクチンの含有量は、ワクチンの種類により異なるが、例えば、1個あたり1×10CFU以上、好ましくは1×10CFU〜1×10CFUの不活化ワクチンを含む。
【0017】
芯材はアジュバントを含んでいても、含んでいなくてもよい。
アジュバントとしては、例えば、ミョウバン、水酸化アルミニウムゲル、モノホスホリルリン脂質を使用することができる。好ましくは水溶性アジュバントを使用する。
【0018】
芯材中のポリエチレングリコールの量は、ワクチンの水性懸濁液1重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜6重量部である。
【0019】
中間層を構成する親油性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、飽和ポリグリコール化グリセリド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等、またはそれらの混合物を使用することができる。好ましくは、縮合リシノール酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、パルミチン酸エステル、イソステアリン酸エステル、リノール酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸、またはそれらの混合物等を使用することができる。
【0020】
中間層を構成する油脂の例としては、脂肪酸、植物油、合成油等が挙げられる。好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドである。
【0021】
親油性界面活性剤と油脂の混合比は、重量比で、好ましくは、19:1〜1:1、より好ましくは9:1〜7:3である。
外層は好ましくはゼラチンを主材とし、より好ましくは、ゼラチン、可塑剤及び水から形成される。ゼラチンとしては、ウシ由来ゼラチン、ブタ由来ゼラチンまたは魚類等の水生生物由来のゼラチンを使用することができる。
【0022】
可塑剤の例としては、グリセリン、ソルビトールが挙げられるが、グリセリンが好ましい。
【0023】
本発明のワクチン製剤は、中間層用組成物及び外層用組成物を同時に吐出させて製造する。製造方法は、芯材、これを被包する中間層、さらに中間層を被包する外層からなるカプセルが形成される限り、当業界で公知の任意の方法により製造することができる。
【0024】
例えば、当業界で知られているシームレスカプセルの製造方法により製造することができる。より詳しくは、同心の多重ノズルから、芯材用組成物、中間層用組成物、外層用組成物を同時に吐出させ、硬化液中に滴下させ、表面張力により球状として硬化させ、生成したカプセルを0〜10℃で冷却固化し、1500〜3000rpmで20秒間〜3分間遠心分離にかけ、脱油し、乾燥して、三層構造のシームレスカプセルを形成することができる。なお、多重ノズルに振動を与えながら吐出させるのが好ましい。
【0025】
本発明において、芯材と中間層との重量比は、芯材:中間層として、30:1〜1:30、好ましくは4:1〜1:4である。
【0026】
本発明の養殖魚の免疫方法において、ワクチンの投与量は、養殖魚の種類、または予防すべき疾病により異なるが、アユを冷水病に対して免疫する場合、アユの体重1gあたり、1.0×10CFU以上、好ましくは1.0×10〜1.0×10CFUとなるように投与する。
【実施例】
【0027】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例1:
芯材用組成物として、3重量%のアユ冷水病ワクチン濃縮液、12重量%のアジュバント(セピック社製IMS-1312)及び85重量%のマクロゴール400からなる組成物を調製した。アユ冷水病ワクチン濃縮液は、冷水病のアユから分離された冷水病菌株FPSG990302株を改変サイトファーガ培地で96時間インキュベーションし、ホルマリンを0.3%濃度となるように添加した後、4℃で24時間以上保存して不活化して得られたワクチン原液(10CFU/ml)を、4℃、5000rpmで30分間遠心分離し、上清を除去した後、原液の1/10容量となるように、滅菌PBS(−)水溶液を添加混合することにより製造した。
【0029】
中間層組成物としては、80重量%のショ糖酢酸イソ酪酸(イーストマン社製)及び20重量%の中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる組成物を調製した。
外層用組成物としては、ゼラチン22.5重量%、グリセリン2.5重量%、水75重量%からなる組成物を調製した。
【0030】
上記の組成物を用い、同心三重ノズルを備えたシームレスカプセル製造装置(製品名:スフェレックス、フロイント社製)により、粒径が平均で約1.5mm、各層の組成比が、芯材10.5重量%、中間層40.1重量%、外層49.4重量%である三層構造のシームレスカプセルを製造した。得られたシームレスカプセルは、カプセル1gあたり9×10CFUの不活化ワクチンを含有する。
【0031】
試験例
上記で製造したシームレスカプセルの経口投与によるワクチンとしての効果を、冷水病菌の生菌液への浸漬による攻撃試験により評価した。
試験例において、アユとしては、日清マリンテック株式会社より購入したワクチン投与歴のない体重約5gの人工種苗アユを、1週間予備飼育して異常のないことを確認してから使用した。アユの飼育は、100リットル容量のポリカーボネート水槽を用いて、免疫化・馴化期間中は15〜18℃、生菌注射による攻撃後は14〜15℃で、流水飼育により行った。
【0032】
上記実施例1で製造したシームレスカプセルを、アユ60尾に、1日当たり約3.36gの量で、5日間経口投与した(以下、ワクチン経口投与群と記す)。
【0033】
比較のために、実施例1のワクチン原液とセピック社製アジュバントMontanidae ISA 763Aを容積比3:7でルアーロック式ガラスシリンジを用いて混合し、注射用ワクチンを調製し、アユ57尾の腹腔内に25μl/尾の量で、経口試験の4日目に相当する日に、1回注射した(以下、ワクチン注射群と記す)。
【0034】
また、コントロールとしては、ワクチン投与を行わないアユ60尾を用いた(以下、ワクチン非投与群と記す)。
【0035】
ワクチンの経口投与開始から19日目に、各群のアユを冷水病菌の生菌液に浸漬した。生菌液としては、冷水病菌FPSG990302株を改変サイトファーガ液体培地で15℃、96時間インキュベーションした後、7.1×10CFU/mlに調製したものを用いた。
冷水病の生菌液による攻撃から21日間の死亡数を測定した。ワクチン経口投与群における死亡数は25であり、死亡率は44%であった。ワクチン注射群における死亡数は21であり、死亡率は37%であった。ワクチン非投与群における死亡数は41であり、死亡率は68%であった。
【0036】
これにより、実施例1のワクチン製剤が、経口投与した場合でも、腹腔内注射によるワクチン投与と同等の有効性を有し、冷水病に対する十分な予防効果を達成し得ることがあきらかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワクチンの水性懸濁液または水溶液及びポリエチレングリコールを含む芯材と、該芯材を被包する、親油性界面活性剤及び油脂から形成される中間層と、該中間層を被包する一層またはそれ以上の外層を含む多層構造のカプセル剤である経口投与用ワクチン製剤。
【請求項2】
魚類用のワクチン製剤である請求項1記載のワクチン製剤。
【請求項3】
直径が0.1〜10.0mmである請求項1または2記載のワクチン製剤。
【請求項4】
芯材がさらにアジュバントを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のワクチン製剤。
【請求項5】
ポリエチレングリコールの分子量が190〜630である請求項1〜4のいずれか1項に記載のワクチン製剤。
【請求項6】
芯材が、ポリエチレングリコールを、ワクチン水性懸濁液1重量部に対して1〜20重量部の量で含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のワクチン製剤。
【請求項7】
中間層の親油性界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、飽和ポリグリコール化グリセリド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群より選択される1種類またはそれ以上の物質である請求項1〜6のいずれか1項に記載のワクチン製剤。
【請求項8】
中間層の油脂が、中鎖脂肪酸トリグリセリドである請求項1〜7のいずれか1項に記載のワクチン製剤。
【請求項9】
中間層の親油性界面活性剤と油脂の比率が重量比で9:1〜7:3である請求項1〜8のいずれか1項に記載のワクチン製剤。
【請求項10】
外層が、ゼラチンを主材とするゼラチン皮膜である請求項1〜9のいずれか1項に記載のワクチン製剤。
【請求項11】
外層が、腸溶性付与物質を含有しないことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のワクチン製剤。
【請求項12】
ワクチンがアユ冷水病用ワクチンである請求項1〜11のいずれか1項に記載のワクチン製剤。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のワクチン製剤を経口投与することからなる養殖魚の疾病の予防または治療方法。

【公開番号】特開2008−137933(P2008−137933A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325025(P2006−325025)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000222200)東洋カプセル株式会社 (14)
【Fターム(参考)】