説明

経口投与用医薬組成物

【課題】骨粗鬆症治療剤として有用なミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を含有する医薬組成物に関して、薬物の溶出性、錠剤硬度、杵付着性等が改善された高用量製剤を提供する。
【解決手段】前記医薬組成物は、ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を含有し、溶出試験開始後15分後の薬物溶出率が80%以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を含有してなる高用量経口投与用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一般式:
【化1】

(式中、R1,R2,R3,R4は、同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基であり、R5,R6は水素原子又は低級アルキル基であり、nは0又は1である)
で示されるヘテロ環ビスフォスフォン酸誘導体またはその塩並びに該化合物を有効成分とする骨吸収抑制剤に関する発明が開示されている。
【0003】
特許文献1によれば、ヘテロ環ビスフォスフォン酸誘導体またはその塩は、すぐれた血清カルシウム量の低下作用を示し、骨吸収を抑制することが知られている。また、骨吸収の亢進が病態に重要な関与をしていると考えられている疾患である、Paget病、高カルシウム血症、癌の骨転移、骨粗鬆症、及び慢性関節リウマチ等の炎症性関節疾患に伴う骨吸収の亢進(骨粗鬆化)に対して、骨吸収を抑制し、骨量の減少を防止あるいは骨吸収の亢進に伴う血清カルシウム値の上昇等を防止または低下させる薬剤として有用であることが報告されている。また、その改善された製造方法が、特許文献2に開示されている。
【0004】
骨粗鬆症治療剤として、前記ヘテロ環ビスフォスフォン酸誘導体の1つである下記式:
【化2】

で表されるミノドロン酸水和物(化学名:[1-Hydroxy-2-(imidazo[1,2-a]pyridin-3-yl)ethylidene] bisphosphonic acid monohydrate)が「ボノテオ(登録商標)錠1mg」として販売されている。ボノテオ錠1mgは、ミノドロン酸水和物の1日1回型製剤であり、乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、タルク、及び酸化チタンを含有する(非特許文献1)。
【0005】
ビスフォスフォン酸誘導体を有効成分としてなる骨吸収抑制剤としては、特許文献3に、経口投与による食道、胃および腸への悪影響を最小限に抑え、簡便に投与可能なビスフォスフォン酸誘導体、殊にミノドロン酸、その塩またはその水和物を有効成分としてなる骨吸収抑制剤を提供するため、月または4週に4日投与するスケジュールで経口投与される骨吸収抑制剤が開示されている。
【0006】
ビスフォスフォン酸誘導体を含有する製剤としては、特許文献4に、ビスフォスフォン酸誘導体を含有する安定な高用量製剤を提供するためとして、活性物質30.0〜36.0重量%、結合剤4.0〜6.0重量%、賦形剤39.6〜59.4重量%、崩壊剤4.5〜5.5重量%、滑沢剤1.8〜2.2重量%、及び流動性調製剤0.9〜1.1重量%からなる医薬組成物が開示されている。
また、特許文献5には、ビスフォスフォン酸誘導体の安定性を改善した、ビスフォスフォン酸、糖アルコール、水溶性結合剤を造粒物相に含有する経口製剤が開示されている。
一方、特許文献6には、打錠障害を誘引しやすい医薬活性成分の錠剤として、(A)打錠障害を誘引しやすい薬物及び結晶セルロースを含む顆粒及び(B)Mg-St及び結晶セルロースを含む打錠助剤からなる、成形性や薬物の溶出性が優れる錠剤が開示されている。
【0007】
ビスフォスフォン酸誘導体を含有する製剤は、服用方法が厳しく設定されており、より服用間隔を長くした製剤が求められているため、1日1回型製剤に加えて、週1回、さらには4週に1回という服用間隔が長い製剤の開発が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平6-99457号公報
【特許文献2】特許第3385208号明細書
【特許文献3】国際公開WO2005/072747号パンフレット
【特許文献4】特許第4427453号明細書
【特許文献5】国際公開WO2005/030177号パンフレット
【特許文献6】特表2010-517936号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】骨粗鬆症治療剤「ボノテオ(登録商標)錠1mg」添付文書、アステラス製薬株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
骨粗鬆症治療剤「ボノテオ(登録商標)錠1mg」医薬品インタビューフォーム(アステラス製薬株式会社)によると、ミノドロン酸水和物は、第十六改正日本薬局方の通則に記載されている「溶解性」の規定では、水に極めて溶けにくい。更に、pHによって溶解性が変化し、特にpH3以下において極めて溶けにくいことが知られている。
かかる状況下、発明者らは、ミノドロン酸水和物の4週に1回型高用量製剤を提供すべく鋭意検討した結果、従来技術では溶出性に改善の余地があることを知った。また、圧縮成形したところ、杵や臼への付着といった打錠障害が生じることを知った。
本発明は、速やかな溶出性と適度な硬度を有する高用量のミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を含有する医薬組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、打錠障害等がなく、製造可能である高用量のミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を含有する医薬組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の粒子径を有するミノドロン酸水和物を選択・使用することにより、錠剤の良好な溶出性を保持できることを知見して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、特定の粒子径を有する原薬の使用並びにその含有量の選択、更には結晶セルロースの使用並びにその含有量の選択により、薬物の溶出性の改善、錠剤硬度の改善、及び杵付着性の改善等、所望の効果を得られる高用量の医薬組成物を提供するものである。
【0012】
ここに、本発明は、
[1]ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を含有し、溶出試験開始後15分後の薬物溶出率が80%以上である、高用量経口投与用医薬組成物、
[2]ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物の平均粒子径が1μm以上20μm以下である、[1]の高用量経口投与用医薬組成物、
[3]ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を医薬組成物中に0.1重量%以上50重量%以下含有する、[1]または[2]の高用量経口投与用医薬組成物、
[4]ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を医薬組成物中に10mg以上1g以下含有する、[1]〜[3]のいずれかの高用量経口投与用医薬組成物、
[5]更に結晶セルロースを含有する、[1]〜[4]のいずれかの高用量経口投与用医薬組成物、
[6]結晶セルロースの量が、ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物の重量に対して10重量%以上150重量%以下である、[5]の高用量経口投与用医薬組成物、
[7]結晶セルロースの量が、医薬組成物の重量に対して3重量%以上30重量%以下である、[5]または[6]の高用量経口投与用医薬組成物、
[8]結晶セルロースの平均粒子径が50μm以下である、[5]〜[7]のいずれかの高用量経口投与用医薬組成物、
[9]更に、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される1、または2以上の物質を含有する、[1]〜[8]のいずれかの高用量経口投与用医薬組成物、
[10]前記物質の量が、医薬組成物の重量に対して5重量%以上50重量%以下である、[9]の高用量経口投与用医薬組成物、
[11]経口投与用医薬組成物が、錠剤である、[1]〜[10]のいずれかの高用量経口投与用医薬組成物、
[12]ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を造粒する工程、及び該造粒物に各種添加剤を含み圧縮成型する工程、を含む、[1]の高用量経口投与用医薬組成物の製造方法、
に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、(1)薬物溶出性を改善し、(2)流通過程で破損しない程度の錠剤硬度を有し、(3)圧縮成型時における杵付着性を改善する等、の効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0015】
本明細書において「高用量」とは、例えば、医薬組成物中に含有する薬物量がミノドロン酸水和物として10mg以上1g以下、他の態様として10mg以上500mg以下、更なる態様として20mg以上100mg以下である。別の態様として、40mg、50mg、又は60mgである。更に別の態様として50mgである。
【0016】
本明細書において「速やかな溶出性」とは、例えば、第十六改正日本薬局方に記載されている溶出試験法で測定した際の薬物の溶出率が、溶出試験開始後15分で80%以上溶出であると規定する。
【0017】
本明細書において「杵付着性の改善」とは、例えば、圧縮成型した際に、杵に曇りが目視にて見られない態様と規定する。他の態様として、マイクロスコープによって観察し、杵表面に曇りがないことと規定する。
【0018】
本発明では、薬物としてミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を使用する。
【0019】
ここに、ミノドロン酸の製薬学的に許容される塩としては具体的には、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩など無機塩基との塩、アンモニウム塩、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機塩基との塩、リジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸との塩等が挙げられる。
更に、ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩は水和物を形成していてもよい。好適には、下記式(I)で示されるフリー体の水和物であるミノドロン酸水和物である。
【化3】

【0020】
薬物の投与量は投与対象、投与ルート、症状等によって異なるが、例えば成人1日当たり経口投与で0.1mg以上10mg以下、又は、0.5mg以上5mg以下である。他の態様として成人4週間当たり経口投与で3mg以上1g以下、10mg以上500mg以下、又は20mg以上100mg以下である。ある態様としては、成人4週間当たり経口投与で20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg又は80mgである。別の態様としては、成人4週間当たり経口投与で50mgである。本発明の医薬組成物中に0.1重量%以上50重量%以下、他の態様として1重量%以上20重量%以下が適当である。
【0021】
薬物の平均粒子径は、溶出性が改善されれば特に制限されない。例えば、平均粒子径が1μm以上20μm以下である。他の態様として、日本薬局方に記載されているレーザー回折法による粒子径測定法(分散溶媒はエタノール(99.5)、相対屈折率1.18)で測定した際のD50が1μm以上20μm以下である。平均粒子径の測定方法は、例えば、レーザー回折法等が挙げられる。
【0022】
本発明で所望により用いることのできる結晶セルロースは、本発明の効果が得られる限り、特に限定されるものではないが、例えば、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを酸で部分的に解重合し精製することによって得られるもの(第十六改正日本薬局方)を挙げることができる。
結晶セルロースは、製薬学的に許容され、ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物の良好な溶出性を保持し、ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を含む医薬組成物を圧縮成型した際に杵付着等の打錠障害が生じないものであれば、その嵩密度及び平均重合度等に特に制限なく用いることができる。
【0023】
具体的な結晶セルロースの例としては、セオラスPH101(平均粒子径50μm)、セオラスPH102(平均粒子径90μm)、セオラスPH101D(平均粒子径50μm)、セオラスKG802(平均粒子径50μm)、セオラスKG801(平均粒子径50μm)、セオラスUF711(平均粒子径50μm)、セオラスUF702(平均粒子径90μm)、セオラスKG1000(平均粒子径50μm)、セオラスPH301(平均粒子径50μm)、セオラスPH301D(平均粒子径50μm)、セオラスPH301Z(平均粒子径50μm)、セオラスPH302(平均粒子径90μm)、セオラスPH F20JP(平均粒子径20μm)(何れも旭化成)、Avicel PH101、Avicel PH112、Avicel Ph113、Avicel PH200、Avicel PH301、Avicel PH302、Avicel HFE−102、Avicel DG、Avicel PH−105(何れもFMC Biopolymer)、Celex 101(International Specialty Products)、Emcocel 90M、Emcocel LM50M 、Emcocel 50M、Vivacel 12、VIVAPUR(登録商標)101 Premium、VIVAPUR 105、VIVAPUR 301(J.Rettenmaier & Sohne)、Pharmacel 101(DMV-Fonterra Excipients)セルフィア(三栄源エフ・エフ・アイ)が挙げられる。
【0024】
結晶セルロースの形状は、粒状、針状等、特に制限されない。針状のものを粉砕して使用することもできる。
また、他の添加剤(カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グァーガムなど)と複合化された混合物として市販されているものを用いることもできる。
結晶セルロースの平均粒子径は、特に制限されない。例えば、50μm以下、他の態様として1μm以上50μm以下である。結晶セルロースの形状が粒状の場合、平均粒子径の測定方法として、例えば、日本薬局方に記載されている粉体粒度測定法の第2法(ふるい分け法)による測定が挙げられる。
【0025】
結晶セルロースの平均粒子径は、例えば、ロータップ式篩振盪機(平工製作所製シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩(Z8801-1987)を用いて試料10gまたは30gを10分間篩分し、その累積50重量%の粒度を平均粒子径として測定できる。
結晶セルロースの平均粒子径は、45μm以下の留分が多い場合はエアジェットシーブ粒度分布測定機(ALPINE製エアジェットシーブA200LS型)を用いて累積50重量%の粒度から求められる。
また、結晶セルロースは、グレード、形状、平均粒子径等の異なるものを1種または2種以上適宜組合せて使用することができる。
【0026】
結晶セルロースの配合量は、通常ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物が良好な溶出性を示し、杵付着等の打錠障害が発生しない量であれば特に制限されないが、例えば、本発明の医薬組成物中に3重量%以上30重量%以下、他の態様として5重量%以上20重量%以下であるか、あるいはミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物の重量に対して10重量%以上150重量%以下、他の態様として30重量%以上100重量%以下である。
【0027】
本発明の医薬組成物は、所望により、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウムからなる群から選択される1、または2以上の物質を含有することができる。
【0028】
クロスカルメロースナトリウムは、セルロースの多価カルボキシメチルエーテル架橋物のナトリウム塩である(第16改正日本薬局方)。
クロスカルメロースナトリウムは、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、Ac-Di-Sol(FMCバイオポリマー社)、及びKiccolate(旭化成)等を挙げることができる。これらのクロスカルメロースナトリウムを、1種または2種以上組合せて適宜適量添加することができる。
【0029】
クロスポビドンは、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、コリドンCL(BASFジャパン)、コリドンCL-F(BASFジャパン)、コリドンCL-M(BASFジャパン)、コリドンCL-SF(BASFジャパン)を挙げることができる。これらのクロスポビドンを、1種または2種以上組合せて適宜適量添加することができる。
【0030】
カルボキシメチルスターチナトリウムは、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、Primojel(DMV−Fonterra Excipients)を挙げることができ、1種または2種以上組合せて適宜適量添加することができる。
【0031】
クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウムの配合量は、通常ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物が良好な溶出性を示す量であれば特に制限されないが、それらの合計配合量として、例えば、本発明の医薬組成物中に5重量%以上50重量%以下、他の態様として5重量%以上20重量%以下、ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物の重量に対して5重量%以上90重量%以下、他の態様として30重量%以上60重量%以下である。
【0032】
本発明の医薬組成物には、所望によりさらに各種医薬添加剤が適宜使用され、製剤化される。かかる医薬添加剤としては、製薬的に許容され、かつ薬理的に許容されるものであれば特に制限されない。例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、酸味料、発泡剤、人工甘味料、香料、滑沢剤、着色剤、緩衝剤、抗酸化剤、界面活性剤などが使用される。
【0033】
賦形剤としては、例えば、D-マンニトール、乳糖水和物などが挙げられる。
結合剤としては、例えば、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えばトウモロコシデンプン、バレイショデンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。
酸味料としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。
発泡剤としては、例えば重曹などが挙げられる。
人工甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。
香料としては、例えばレモン、レモンライム、オレンジ、メントールなどが挙げられる。
滑沢剤としては、例えば軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸などが挙げられる。
着色剤としては、例えば黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、黒色酸化鉄、食用黄色4号、5号、食用赤色3号、102号、食用青色3号などが挙げられる。
緩衝剤としては、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸またはその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニンまたはその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸またはその塩類などが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルなどが挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0034】
医薬添加剤としては、1種または2種以上組合せて適宜適量添加することができる。
配合量については、いずれの医薬添加剤についても、本発明の所望の効果が達成される範囲内の量で使用される。
【0035】
本発明の医薬組成物としては、通常の錠剤の他、例えば、口腔内崩壊錠等の圧縮成型工程により製造される製剤を包含する。
【0036】
以下に本発明の医薬組成物の製造方法に関して説明する。
本発明の医薬組成物の製造方法は、少なくとも、造粒工程および圧縮成型工程(打錠工程)を含み、所望により、例えば、造粒工程の前に実施可能な粉砕工程、造粒工程と圧縮成型工程との間に実施可能な混合工程、および/または、圧縮成型工程の後に実施可能なフィルムコーティング工程を含むことができる。
【0037】
粉砕工程は、薬物、及び適当な添加剤を通常製薬学的に粉砕できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。粉砕装置としては、例えば衝撃式粉砕機、ハンマーミル、ボールミル、ジェット粉砕機、コロイドミルなどが挙げられる。粉砕条件は適宜選択されれば特に制限されない。
粉砕に連続した各成分の混合工程は、通常製薬学的に各成分を均一に混合できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。
【0038】
造粒工程では、粉砕工程で得られた粉砕品、及び各種添加剤を造粒機に入れ、結合剤液で噴霧する。造粒工程中に乾燥してもよい。造粒機として、例えば流動層造粒機等が挙げられる。
造粒方法として、たとえば、流動層造粒法、溶融造粒法、高速攪拌造粒法、解砕(粉砕)造粒法、押出造粒法、転動造粒法、噴霧造粒法、乾式造粒法あるいはそれらの方法により用いられる装置などが挙げられる。他の態様として流動層造粒法である。
噴霧液の調製条件は適宜選択されれば特に制限されない。
造粒後に乾燥することもできる。乾燥方法は、通常製薬学的に乾燥する方法であれば特に制限されない。
【0039】
混合工程では、造粒品と各種添加剤を混合する。
【0040】
圧縮成型工程(打錠工程)では、混合品を、回転式打錠機を用いて打錠し、打錠品とする。
該工程としては、本発明の医薬組成物を成形する方法であれば装置、手段とも特に制限されない。例えば、造粒し更に滑沢剤を混合した後に圧縮成形し錠剤を製する方法が挙げられる。
打錠装置としては、例えば回転式打錠機、単発打錠機、オイルプレスなどが挙げられる。
打錠圧などの打錠条件としては、錠剤を成型でき、製造工程中に錠剤が破損しない打錠圧であれば特に制限されない。例えば約3kN以上約20kN以下で、他の態様として、約5kN以上約20kNで圧縮成型できる。
また、錠剤硬度としては、流通過程等で破損しない程度の硬度であれば特に制限されない。例えば、80N以上200N以下、他の様態として90N以上170N以下が挙げられる。
【0041】
フィルムコーティング工程として、適宜打錠後に錠剤表面にフィルムコーティングを施してもよい。
方法としては、通常製薬学的にコーティングする方法であれば特に制限されない。例えば、パンコーティング、ディップコーティングなどが挙げられる。
フィルムコーティング剤は、1種または2種以上組合せて適宜適量添加することができる。コーティング率は、錠剤にフィルムを形成する率であれば特に制限されない。例えば、錠剤重量に対して1重量%以上5重量%以下等である。
フィルムコーティング後に乾燥してもよい。方法としては、通常製薬学的に乾燥できる方法であれば特に制限されない。
【実施例】
【0042】
以下、実施例、比較例及び試験例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定解釈されるものではない。
ミノドロン酸水和物は日本特許第3385208号公報に記載の方法により製造したものを使用した。
【0043】
《実施例1》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品(平均粒子径D50:15μm、以下記載無い場合同じ)50部、D-マンニトール158部、及びクロスカルメロースナトリウム9部に、ヒドロキシプロピルセルロースが13.5部となるまで結合剤液を噴霧することにより、流動層造粒機で造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)230.5部、結晶セルロース(PH-101、平均粒子径50μm、旭化成ケミカルズ)45部、クロスカルメロースナトリウム20部とステアリン酸マグネシウム4.5部を容器回転式混合機を用いて混合後、ロータリー打錠機で圧縮成型することにより、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量300mg)。
【0044】
《実施例2》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品60部、D-マンニトール184.8部、及びクロスカルメロースナトリウム10.8部に、ヒドロキシプロピルセルロースが16.2部となるまで結合剤液を噴霧することにより、流動層造粒機で造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)271.8部、結晶セルロース(KG-802、平均粒子径50μm、旭化成ケミカルズ)54部、クロスカルメロースナトリウム25.2部とステアリン酸マグネシウム5.4部を容器回転式混合機に仕込み、混合後、ロータリー打錠機を用いて、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量356.4mg)。
【0045】
《実施例3》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品60部、D-マンニトール184.8部、及びクロスカルメロースナトリウム10.8部に、ヒドロキシプロピルセルロースが16.2部となるまで結合剤液を噴霧することにより、流動層造粒機で造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)271.8部、結晶セルロース(PH-101)54部、クロスカルメロースナトリウム25.2部とステアリン酸マグネシウム5.4部を容器回転式混合機を用いて混合後、ロータリー打錠機で圧縮成型することにより、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量356.4mg)。
【0046】
《実施例4》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品50部、D-マンニトール158部、及びクロスカルメロースナトリウム9部に、ヒドロキシプロピルセルロースが13.5部となるまで結合剤液を噴霧することにより、流動層造粒機で造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)230.5部、結晶セルロース(PH-101)45部、クロスカルメロースナトリウム20部とステアリン酸マグネシウム4.5部を容器回転式混合機を用いて混合後、ロータリー打錠機で圧縮成型することにより、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量300mg)。
【0047】
《実施例5》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品(平均粒子径D50:10μm)50部、D-マンニトール158部とクロスカルメロースナトリウム9部に、ヒドロキシプロピルセルロースが13.5部となるまで結合剤液を噴霧することにより、流動層造粒機で造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)230.5部、結晶セルロース(PH-101)45部、クロスカルメロースナトリウム20部とステアリン酸マグネシウム4.5部を容器回転式混合機を用いて混合後、ロータリー打錠機で圧縮成型することにより、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量300mg)。
【0048】
《実施例6》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品40部と乳糖水和物178.4部を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロースが7.2部となるまで結合剤液を噴霧し、造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)225.6部、クロスカルメロースナトリウム12部とステアリン酸マグネシウム2.4部を容器回転式混合機に仕込み、混合後、オートグラフ(島津製作所製、AGS-20KNG、以下同じ)を用いて、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量240mg)。
【0049】
《実施例7》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品40部と乳糖水和物178.4部を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロースが7.2部となるまで結合剤液を噴霧し、造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)225.6部、クロスポビドン12部とステアリン酸マグネシウム2.4部を容器回転式混合機に仕込み、混合後、オートグラフを用いて、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量240mg)。
【0050】
《実施例8》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品40部と乳糖水和物178.4部を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロースが7.2部となるまで結合剤液を噴霧し、造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)225.6部、カルボキシメチルスターチナトリウム12部とステアリン酸マグネシウム2.4部を容器回転式混合機に仕込み、混合後、オートグラフを用いて、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量240mg)。
【0051】
《実施例9》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品40部と乳糖水和物178.4部を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロースが7.2部となるまで結合剤液を噴霧し、造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)225.6部、クロスカルメロースナトリウム24部とステアリン酸マグネシウム2.4部を容器回転式混合機に仕込み、混合後、オートグラフを用いて、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量252mg)。
【0052】
《実施例10》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品40部と乳糖水和物178.4部を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロースが7.2部となるまで結合剤液を噴霧し、造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)225.6部、クロスポビドン24部とステアリン酸マグネシウム2.4部を容器回転式混合機に仕込み、混合後、オートグラフを用いて、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量252mg)。
【0053】
《実施例11》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品40部と乳糖水和物178.4部を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロースが7.2部となるまで結合剤液を噴霧し、造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)225.6部、カルボキシメチルスターチナトリウム24部とステアリン酸マグネシウム2.4部を容器回転式混合機に仕込み、混合後、オートグラフを用いて、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量252mg)。
【0054】
《比較例1》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品(平均粒子径D50:35μm)50部、D-マンニトール158部、及びクロスカルメロースナトリウム9部に、ヒドロキシプロピルセルロースが13.5部となるまで結合剤液を噴霧することにより、流動層造粒機で造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、比較用の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)230.5部、結晶セルロース(PH-101)45部、クロスカルメロースナトリウム20部とステアリン酸マグネシウム4.5部を容器回転式混合機を用いて混合後、ロータリー打錠機で圧縮成型することにより、比較用の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量300mg)。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
《実施例12》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品60部、D-マンニトール204.6部、及びクロスカルメロースナトリウム10.8部に、ヒドロキシプロピルセルロースが16.2部となるまで結合剤液を噴霧することにより、流動層造粒機で造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)291.6部、結晶セルロース(KG-802)54部、クロスカルメロースナトリウム25.2部とステアリン酸マグネシウム7.3部を容器回転式混合機を用いて混合後、ロータリー打錠機で圧縮成型することにより、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量378mg)。
【0058】
《実施例13》
7重量%のヒドロキシプロピルセルロース溶液を調製し、結合剤液とした。次にミノドロン酸水和物粉砕品60部、D-マンニトール184.8部、及びクロスカルメロースナトリウム10.8部に、ヒドロキシプロピルセルロースが16.2部となるまで結合剤液を噴霧することにより、流動層造粒機で造粒した。結合剤液を噴霧後、造粒品を乾燥し、本発明の医薬品組成物(造粒品)を得た。前記医薬組成物(造粒品)230.5部、結晶セルロース(PH-101)54部、クロスカルメロースナトリウム25.2部とステアリン酸マグネシウム5.4部を容器回転式混合機を用いて混合後、ロータリー打錠機で圧縮成型することにより、本発明の医薬組成物(錠剤)を得た(錠剤質量356.4mg)。
【0059】
【表3】

【0060】
《試験例1:杵付着性》
本発明の医薬組成物(錠剤)の杵付着の有無を評価した。評価は、ロータリー式打錠機(畑鉄工所製、HT-X-SS20、以下同じ)にて実施例、及び比較例の組成物を表3の条件にて打錠後、杵表面を目視観察またはマイクロスコープ(KEYENCE、デジタルマイクロスコープ)によって観察した。杵表面に曇りがある場合、杵付着はあり、曇りがない場合、杵付着はなしとして評価した。結果を表4、5に示す。
結晶セルロースを用いることにより、粉体間の付着力が大きくなり、杵付着性が改善されたと考えられる。ミノドロン酸水和物(7mg)、乳糖、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、及びステアリン酸マグネシウムを含む組成物を圧縮成形したところ、杵や臼への付着といった打錠障害が生じたが、結晶セルロースを用いることにより、杵付着性が改善された。
【0061】
《試験例2:溶出試験》
本発明の医薬組成物(錠剤)及び比較用の医薬品組成物(錠剤)の溶出試験を行った。溶出試験は実施例、及び比較例の錠剤をそれぞれ6錠ずつ用いて日本薬局方溶出試験法に従い行った。試験液として日本薬局方溶出試験第1液900mLを用いた(装置2パドル法パドル回転数50rpmまたは装置1回転バスケット法100rpm)。結果(試験開始後15分後の溶出率D15min)を表4、5に示す。
【0062】
ミノドロン酸水和物の平均粒子径D50がそれぞれ15μm、または10μmである実施例1乃至11はD15minが80%以上であるのに対し、ミノドロン酸水和物の平均粒子径D50が35μmである比較例1はD15minが56%であった。従って、特定の粒子径を有するミノドロン酸水和物を使用することで溶出性が改善した。
【0063】
《試験例3:硬度》
本発明の医薬組成物(錠剤)及び比較用の医薬品組成物(錠剤)の硬度測定を行った。硬度測定は実施例、及び比較例の錠剤をそれぞれ10錠ずつ用いて行った。その平均値を表4、5に示す。
その結果、ミノドロン酸水和物の平均粒子径が小さい実施例は、比較例よりも硬度は高くなった。
【0064】
【表4】

【0065】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の医薬組成物は、骨粗鬆症治療剤として有用なミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を含有する、薬物の溶出性、錠剤硬度、杵付着性等が改善された高用量製剤として使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を含有し、溶出試験開始後15分後の薬物溶出率が80%以上である、高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項2】
ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物の平均粒子径が1μm以上20μm以下である、請求項1に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項3】
ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を医薬組成物中に0.1重量%以上50重量%以下含有する、請求項1または2に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項4】
ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を医薬組成物中に10mg以上1g以下含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項5】
更に結晶セルロースを含有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項6】
結晶セルロースの量が、ミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物の重量に対して10重量%以上150重量%以下である、請求項5に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項7】
結晶セルロースの量が、医薬組成物の重量に対して3重量%以上30重量%以下である、請求項5または6に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項8】
結晶セルロースの平均粒子径が50μm以下である、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項9】
更に、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される1、または2以上の物質を含有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項10】
前記物質の量が、医薬組成物の重量に対して5重量%以上50重量%以下である、請求項9に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項11】
経口投与用医薬組成物が、錠剤である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の高用量経口投与用医薬組成物。
【請求項12】
平均粒子径が1μm以上20μm以下であるミノドロン酸もしくは製薬学的に許容されるその塩又はその水和物を造粒する工程、及び該造粒物に各種添加剤を含み圧縮成型する工程、を含む、請求項1に記載の高用量経口投与用医薬組成物の製造方法。

【公開番号】特開2013−28594(P2013−28594A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−138410(P2012−138410)
【出願日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】