説明

経口投与用放出制御型薬物送達システム

本発明は、経口投与用放出制御型薬物送達システム及び前記システムに利用される放出制御型多孔性膜形成組成物に関するものであって、薬理学的活性成分を含むコア;及び前記コアの外面にコーティングされ、セルロース系化合物、ポリメタクリレート、アセテート系の化合物、ポリアミド、ポリウレタン、及びスルホン化ポリスチレンからなる群より選択される一つ以上のフィルム形成物質を含む放出制御型多孔性膜;で構成される本発明の経口投与用放出制御型薬物送達システムを利用すれば、薬物の放出速度を調節することができるので、胃腸管で効率的かつ持続的に薬物を放出することができ、多孔性膜の厚さ、膜構成物質の組成、可塑剤の量、賦形剤の量によって薬物の放出時間を調節することができ、既存の錠剤や顆粒剤に少量の多孔性膜をコーティングして放出制御型製剤を製造できるので、製造が簡単であり、製品の原価を減少させることができるだけでなく、膜の安定性が優れていて長期保管や温度、湿度に影響を受けない経口投与用放出制御型製剤を製造することができ、大量生産が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口投与用放出制御型薬物送達システム及び前記システムに利用される放出制御型多孔性膜形成組成物に係り、外部要因の影響を受けずに薬物の放出速度を調節できて、胃腸管で効率的かつ持続的に薬物を放出することができる経口投与用放出制御型薬物送達システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
体内への吸収速度があまりにも遅くて薬物の生体利用率が低かったり、吸収速度があまりにも速くて過度に速く体外に放出される場合には、薬物送達速度を制御しなければならない。このために、機械的システム又は浸透圧を利用したポンプ、膜を使用し拡散を制御するシステム、生体内で分解されたり又は分解されない高分子物質を利用したシステム、及びこれらを多様に組み合わせて使用している。
【0003】
浸透膜を使用して拡散を制御する浸透圧制御システムのうちの一つである放出制御システムとして、下記特許文献1にインドメタシンがコーティングされたペレットを含む放出制御型調剤が開示されている。前記ペレットは、インドメタシンを支持するノン−パレイユ(non-pareil)ビード及び結合剤で構成され、次いでヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、及び可塑剤の混合物である水不溶性膜でコーティングされる。これはヒドロキシプロピルセルロースに対するエチルセルロースの比率、つまり、水不溶性膜の構成成分に水溶性高分子物質を追加することによって薬物放出を抑制する方式である。
【0004】
下記特許文献2には、低水溶性を有する速放出性(rapid-release)形態のジヒドロピリジン(例えば、ニフェジピン(nifedipine)、ニトレンジピン(nitrendipine)、ニモジピン(nimodipine)、及びニソルジピン(nisoldipine))を含むコア及び徐放出性形態のジヒドロピリジンを含む固体薬剤が開示されている。この薬剤は、水性環境に置かれると、直ちに膨脹層が膨脹して薬物を放出するので、初期に相対的に必要量以上の薬物を放出し、放出後期には薬物放出量が減少するため、持続的なゼロ次放出速度を得難い。
【0005】
下記特許文献3には、半透過性膜を利用する半透過性投与型システムが開示されているが、前記半透過性膜はこの膜を貫通する一つ以上の“出口経路”を含み、浸透剤、中性及びイオン性ヒドロゲル、並びに薬物を含有するコアを囲む。前記システムの膜は、水に透過的な性質を有しているので水が半透過性膜を通じてコアに移動し、システム内に入った水はヒドロゲルを溶解し、浸透剤のイオン化に起因した圧力をシステム内部に高める。窮極的に、薬物、ヒドロゲル、及びその他コアの賦形剤を含有しながら溶けている形態のイオン性ヒドロゲルが、“出口経路”を通じてコアからシステム外部に圧出される形態を取ることにより薬物を送達するシステムである。
【0006】
下記特許文献4は、薬理的活性成分が含まれた層と薬物放出を制御する層とを含み、さらに詳しくは、薬理的活性成分が含まれた中間層の上と下に各々薬物の放出を助ける層が位置してサンドウィッチ形の三層で構成された圧縮コアと、半透過性膜外部とを含む経口型薬物送達システムを開示している。しかし、前記システムは、薬物層を速放出性層と徐放出性層とに区分して製造しなければならず、内部コアとそれを囲んだ薬物層とを区分して製造しなければならない。
【0007】
下記特許文献5及び特許文献6は、水溶性薬理的活性成分及び水溶性高分子送達体などを混合して圧縮製造されたコアの内部を、ドーナッツ模様に貫通してシリンダー型の孔を形成した後、シリンダー型の孔部位を除いて不活性外皮でコーティングしたシステムを開示している。このシステムは、コーティングされていないシリンダー型の孔が水性環境に露出される場合、シリンダー型の孔を介して水溶性薬物が一定に放出されるようにした。前記システムはゼロ次線形の薬物放出には効果的であるが、水溶性薬物にのみ使用可能であるという問題点がある。
【0008】
下記特許文献7には、最外層に使用されるゼラチン硬質カプセルと、これをコーティングする放出制御型高分子物質を含む放出制御型放出カプセルとが開示されている。しかし、前記カプセルを放出制御型高分子物質でコーティングすると、カプセルのキャップ部分又は屈曲した部分にコーティングが不完全になるために薬物が過剰放出されるという問題があり、これによってコーティング所要時間が多くなる問題点がある。
【0009】
下記特許文献8には、時間−特異性を有する薬物送達システムが開示されている。この薬物送達システムは、薬理学的活性物質を含むコアと、このコアを囲む膨潤性高分子コーティング層とを含む。前記薬物送達システムは、膨潤性コーティング層の表面が腐食されながら薬物が放出される。しかし、膨潤性高分子の腐蝕程度が溶出液条件(pH)によって大きな差を見せるため、所望の時間内に薬物放出がうまく行われないという問題点がある。
【0010】
下記特許文献9は、ジルチアゼムを含有して1日1回服用可能な膜コーティングされたペレットが、溶出速度調節のために多重膜とこの膜に薬物が含まれている形態と類似な構造の膜(類似マトリックス膜)とを組み合わせた複合多重膜構造を有するペレット調剤及びその製造方法が開示されている。この文献は、コア又は顆粒上にジルチアゼム含有層と、溶出調節のための水溶性又は水不溶性のポリマーとジルチアゼムとの混合によってなる類似マトリックス膜とからなる。また、膜が5−30%で存在することを特徴とする。しかし、このような膜は、5%以下であると放出制御型薬物の送達が不可能であり、30%以上であると薬物が放出されない問題がある。
【0011】
また、下記特許文献10には、エマルジョン方法による多孔性マトリックス放出制御型製剤の製造方法が開示されている。つまり、高分子化合物と界面活性剤が溶解された有機溶媒に、薬物が含まれた水溶液を分散、攪拌してエマルジョンを製造した後、所望のマトリックス形態に製造し、直ちに凍結乾燥して常温で一定時間乾燥したり凍結乾燥機を利用する多孔性マトリックス製造方法が紹介されているが、エマルジョンを利用した方法は膜の均一性に問題があり得るだけでなく、製造された高分子膜が不安定であるか又は細孔の大きさが大きくなる問題がある。
【特許文献1】米国特許第4,752,470号
【特許文献2】米国特許第4,892,741号
【特許文献3】米国特許第4,971,790号
【特許文献4】米国特許第6,046,177号
【特許文献5】米国特許第6,110,500号
【特許文献6】米国特許第6,126,956号
【特許文献7】米国特許第6,030,641号
【特許文献8】米国特許第6,190,692号
【特許文献9】大韓民国公開特許公報第1997−032869号
【特許文献10】大韓民国公開特許公報第2000−69800号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、前述の問題点を解決するために本発明は、薬物放出を効率的かつ持続的に調節することのできる経口投与用放出制御型薬物送達システム、及びこれに利用される放出制御型多孔性膜形成組成物を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明は、薬理学的活性成分を含むコア;及び前記コアの外面にコーティングされ、セルロース系化合物、ポリメタクリレート及びその誘導体、ポリアミド、ポリウレタン、及びスルホン化ポリスチレンからなる群より選択された一つ以上のフィルム形成物質を含む放出制御型多孔性膜;で構成される経口投与用放出制御型薬物送達システムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の経口投与用放出制御型薬物送達システムを利用すれば、薬物の放出速度を調節することができるので、胃腸管で効率的かつ持続的に薬物を放出することができ、多孔性膜の厚さ、膜構成物質の組成、可塑剤の量、賦形剤の量によって薬物の放出時間を調節することができ、既存の錠剤や顆粒剤に少量の多孔性膜をコーティングして放出制御型製剤を製造できるので、製造が簡単であり製品の原価を減少させることができるだけでなく、膜の安定性が優れていて長期保管や温度、湿度に影響を受けない経口投与用放出制御型製剤を製造することができ、大量生産が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の一例を示す図1に示されているように、本発明の経口投与用放出制御型薬物送達システム1において、前記コアは、結晶性コア物質(a);前記結晶性コア物質の外面にコーティングされ、薬理学的に使用可能な水分吸収促進物質を含む水分吸収促進層(b);前記水分吸収促進層の外面にコーティングされ、薬理学的活性成分を含む有効成分層(c);で構成できる。
【0016】
前記結晶性コア物質は結晶性物質を使用し、このような結晶性物質としては、砂糖、砂糖を利用して製造されたノン−パレイユなどが挙げられる。結晶性コアとして用いられる物質の大きさによってペレットの大きさを決定することができる。好ましい結晶性コア物質の直径は50乃至825μmである。結晶性コア物質の直径が50μmより小さいと、コーティング時にコア物質が凝集したり均一なコーティングが難しいという問題があり、825μmより大きいと、最終の結果物が所望の大きさより大きくなる問題と持続的な流動化の問題とが発生する。
【0017】
前記薬理学的に使用可能な水分吸収促進物質は水溶液の吸収速度を促進させる物質であって、このような役割を果たす物質としては当該分野に知られた物質は全て使用可能であるが、その代表的な例として、塩、糖類、ウレア、又は酒石酸がある。前記塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム又は重炭酸カルシウムなどを含むことができ、前記糖類としては、マンニトール(mannitol)、グルコース(glucose)、ラクトース(lactose)、フルクトース(fructose)又はスクロース(sucrose)などを含むことができる。
【0018】
前記薬理学的に使用可能な水分吸収促進物質の使用量又は使用される水分吸収促進物質の種類と組成によって、薬物の放出を速く又は遅く調節することができる。これは水分の吸収速度が互いに異なることによって可能になる。前記水分吸収促進層は、コーティング機を利用して結晶性コア物質上に形成し、水分吸収促進層が形成された後もペレット形状を保つ。この時、製造されたペレットの直径は70乃至1500μmが好ましい。前記ペレットの大きさが前記範囲を超えると、充填が難しくなり、コーティング時の顆粒の流動性が減少する問題が発生するおそれがあるので好ましくない。
【0019】
前記薬理学的活性成分としては、メシル酸ドキサゾシン、塩酸アンブロキソール(ambroxol hydrochloride)、塩酸アルブテロール(albuterol hydrochloride)、テオフィリン(theophylline)、アセトアミノフェン(acetoaminophen)、メチルフェニデート(methylphenidate)、ヒドロモルフォン(hydromorphon)、グリピザイド(glipizide)、ニフェジピン(nifedipine)、シムバスタチン(simvastatin)、ニトレンジピン(nitrendipine)、ロバスタチン(lovastatin)、プラゾシン(prazocin)、イスラジピン(isradipine)、メトプロロール(metoprolol)、オキシブチニン(oxybutynin)、ジルチアゼム(diltiazem)、エナラプリル(enalapril)又はベラパミル(verapamil)などを使用することができる。
【0020】
前記薬理学的活性成分は、本発明の経口投与用放出制御型薬物送達システムの全重量の0.1乃至90重量%で存在する。前記薬理学的活性成分の使用量が0.1重量%未満であると、有効物質の濃度が少ないため、投与されるペレットの量が多くならなければならず、90重量%を超えると、有効物質の濃度が高くて徐放出性を調節し難い問題がある。
【0021】
前記有効成分層は結合剤をさらに含むことができる。前記結合剤としては、水膨潤性及び/もしくは水溶解性物質であるヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含むセルロース誘導体又はポリビニルピロリドンのうちから一つ以上を使用することができる。前記結合剤は、薬理学的活性成分の使用量の50重量%以下の範囲で使用し、使用量が50重量%を超えると、コーティング液の粘度が増加してコーティング液の移送が難しく、よく乾燥されないため、顆粒同士で凝固する現象が発生する。
【0022】
前記有効成分層は、薬理学的に許容可能な水溶性高分子をさらに含むことができる。前記水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースの中から一つ以上を使用することができる。前記水溶性高分子は、薬理学的活性成分の使用量の50重量%以下の範囲で使用する。
【0023】
前記有効成分層は、薬理学的に許容可能な添加剤をさらに含むことができる。前記添加剤としては、必要に応じて賦形剤、タルク(talc)を含む潤滑剤、色素又は甘味料などを使用することができる。また、分散剤、乳化剤又は湿潤剤、及び染料を追加的に含むこともできる。例えば、ラクトース、マグネシウムステアレート、微細結晶セルロース、澱粉、ステアリン酸、リン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、スクロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール又は通常安定剤として利用されたり薬物製剤に使用される他の成分を含むことができる。前記添加剤は、必要に応じて0乃至80重量%で使用することができる。
【0024】
前記有効成分層まで形成された生成物はペレットタイプであって、このペレットの直径は90乃至2000μmであるのが好ましい。
【0025】
前記有効成分層の外面に形成された放出制御型多孔性膜は、セルロース系化合物、ポリメタクリレート、アセテート系の化合物、ポリアミド、ポリウレタン又はスルホン化ポリスチレンより選択された一つ以上のフィルム形成物質を含む。
【0026】
前記セルロース系化合物としては、非可塑化セルロースアセテート、可塑化セルローストリアセテート、トリアセテートセルロース、アセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートメチルカルバメート、セルロースアセテートコハク酸エステル、セルロースアセテートジメチルアミノアセテート、セルロースアセテートエチルカーボネート、セルロースアセテートメチルスルホネート、セルロースアセテートブチルスルホネート、セルロースエーテル、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートオクテート、セルロースアセテートラウレート、及びメチルセルロースもしくはアセチル化ヒドロキシエチルセルロースを有するセルロースアセテートからなる群より選択されるものを使用することができる。
【0027】
前記フィルム形成物質は、前記コア100重量部に対して0.1乃至50重量部の量で存在するのが好ましく、0.1乃至30重量部の量で存在するのがより好ましく、0.1乃至1重量部の量で存在するのが最も好ましい。前記フィルム形成物質が前記コア100重量部に対して0.1重量部未満であると、フィルムが形成できないために膜が形成されない問題点があり、50重量部を超えると、薬物が放出されないという問題点がある。
【0028】
前記フィルム形成物質は、セルロースアセテートとポリメタクリレートを9乃至1:1乃至9の重量比で含む。
【0029】
前記ポリメタクリレートは、商品名でオイドラギット(Eudragit)E、オイドラギットL、オイドラギットS、オイドラギットRL、オイドラギットRS、オイドラギットNE30D、オイドラギットFS、オイドラギットFDなどを使用することができる。
【0030】
前記アセテート系の化合物としては、寒天アセテート(agar acetate)、アミローズトリアセテート、ベータグルカンアセテート(β−glucan acetate)などを使用することができる。
【0031】
前記フィルム形成物質は、可塑剤及び/もしくは崩壊剤をさらに含むことができる。
前記可塑剤としては、ポリエチレングリコール、グリセロール、グリセロール誘導体又は脂肪酸クエン酸エステル誘導体などを使用することができ、前記崩壊剤としては、澱粉グリコライドナトリウム、カルシウム−カルボキシルメチルセルロース又は脂肪酸グリコール誘導体などを使用することができる。
【0032】
前記放出制御型多孔性膜を形成したのちのシステムの形状もペレットタイプであり、その直径は100乃至2200μmであるのが好ましい。
【0033】
本発明の経口投与用放出制御型薬物送達システムでは、水溶液又は人の体液(胃液、腸液など)において可塑剤と崩壊剤が膜から溶出して徐放出性層に孔隙を形成し、これを通じて薬物が拡散、透過して放出される。
【0034】
本発明の経口投与用放出制御型薬物送達システムにおいて、薬理学的活性成分を含むコアを放出制御型多孔性膜でコーティングする工程は、一般的なコーティング工程を広く使用することができ、コーティング工程を実施できるように溶媒を含む。このような溶媒としては、エタノール、アセトン、水などを一つ以上混合して使用することができる。
【0035】
また、本発明は、経口投与用放出制御型薬物送達システムを製造するにおいて、放出制御型多孔性膜を形成するのに利用する組成物を提供する。
【0036】
前記放出制御型多孔性膜形成組成物は、セルロース系化合物、ポリメタクリレート、アセテート系の化合物、ポリアミド、ポリウレタン又はスルホン化ポリスチレンから選択された一つ以上のフィルム形成物質を含む。
【0037】
前記セルロース系化合物としては、非可塑化セルロースアセテート、可塑化セルローストリアセテート、トリアセテートセルロース、アセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートメチルカルバメート、セルロースアセテートコハク酸エステル、セルロースアセテートジメチルアミノアセテート、セルロースアセテートエチルカーボネート、セルロースアセテートメチルスルホネート、セルロースアセテートブチルスルホネート、セルロースエーテル、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートオクテート、セルロースアセテートラウレート、及びメチルセルロースもしくはアセチル化ヒドロキシエチルセルロースを有するセルロースアセテートからなる群より選択されるものを使用することができる。
【0038】
前記フィルム形成物質は、セルロースアセテートとポリメタクリレートを9乃至1:1乃至9の重量比で含む。
【0039】
前記ポリメタクリレートとしては、商品名でオイドラギットE、オイドラギットL、オイドラギットS、オイドラギットRL、オイドラギットRS、オイドラギットNE30D、オイドラギットFS、オイドラギットFDなどを使用することができる。
【0040】
前記アセテート系の化合物としては、寒天アセテート、アミローズトリアセテート、ベータグルカンアセテートなどを使用することができる。
【0041】
本発明の放出制御型多孔性膜形成組成物は、可塑剤及び/もしくは崩壊剤をさらに含むことができる。
【0042】
前記可塑剤としては、ポリエチレングリコール、グリセロール、グリセロール誘導体又は脂肪酸クエン酸エステル誘導体などを使用することができ、放出制御型多孔性膜形成組成物の全体100重量部に対して1乃至40重量部の量で含むのが好ましい。
【0043】
前記崩壊剤としては、澱粉グリコライドナトリウム、カルシウム−カルボキシルメチルセルロース又は脂肪酸グリコール誘導体などを使用することができ、放出制御型多孔性膜形成組成物の全体100重量部に対して0.1乃至10重量部の量で含むのが好ましい。
【0044】
〔実施例〕
以下、本発明を下記の実施例によってより具体的に説明するが、本発明が実施例に限られるわけではない。
【0045】
1.単層コーティング
<実施例1>
セルロースアセテート0.61重量%、オイドラギットRL0.41重量%、ポリエチレングリコール0.41重量%、グリセロール0.41重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.41重量%、水0.51重量%、エタノール5.12重量%、アセトン51.2重量%、トリエチルクエン酸エステル0.06重量%、及び澱粉グリコライドナトリウム0.2重量%を混合して、放出制御型多孔性膜形成組成物を製造した。
流動層コーティング機を利用し、難溶性ニフェジピンが含まれているペレットコア40.66重量%を前記組成物でコーティングするが、コーティング条件は、一般的にスプレーエアー圧1.65psi、放出口エアー温度28℃、吸入口エアー温度38℃、流速12、放出口エアー比37%に維持して経口投与用放出制御型薬物送達システムを製造した。
【0046】
<実施例2>
セルロースアセテート3重量%、オイドラギットRL2重量%、ポリエチレングリコール0.4重量%、グリセロール0.4重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.4重量%、水0.51重量%、エタノール4.1重量%、アセトン48.1重量%、トリエチルクエン酸エステル0.09重量%、及び澱粉グリコライドナトリウム0.2重量%を混合して放出制御型多孔性膜形成組成物を製造した。
流動層コーティング機を利用し、難溶性ニフェジピンが含まれているペレットコア40.66重量%を前記組成物で、実施例1と同一のコーティング条件にしてコーティングし経口投与用放出制御型薬物送達システムを製造した。
【0047】
<実施例3>
セルロースアセテート6重量%、オイドラギットRL4重量%、ポリエチレングリコール0.41重量%、グリセロール0.4重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.41重量%、水0.2重量%、エタノール3.12重量%、アセトン45.2重量%、トリエチルクエン酸エステル0.06重量%、及び澱粉グリコライドナトリウム0.2重量%を混合して放出制御型多孔性膜形成組成物を製造した。
流動層コーティング機を利用し、難溶性ニフェジピンが含まれているペレットコア40.66重量%を前記組成物で、実施例1と同一のコーティング条件にしてコーティングし経口投与用放出制御型薬物送達システムを製造した。
【0048】
<実施例4>
セルロースアセテート0.3重量%、オイドラギットRL0.2重量%、ポリエチレングリコール0.41重量%、グリセロール0.41重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.41重量%、水0.51重量%、エタノール5.22重量%、アセトン51.6重量%、トリエチルクエン酸エステル0.06重量%、及び澱粉グリコライドナトリウム0.2重量%を混合して放出制御型多孔性膜形成組成物を製造した。
流動層コーティング機を利用し、難溶性ニフェジピンが含まれているペレットコア40.66重量%を前記組成物で、実施例1と同一のコーティング条件にしてコーティングし経口投与用放出制御型薬物送達システムを製造した。
【0049】
<実施例5>
セルロースアセテート0.3重量%、オイドラギットRL0.2重量%、ポリエチレングリコール0.41重量%、グリセロール0.41重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.41重量%、水0.51重量%、エタノール5.22重量%、アセトン51.6重量%、トリエチルクエン酸エステル0.06重量%、及び澱粉グリコライドナトリウム0.2重量%を混合して放出制御型多孔性膜形成組成物を製造した。
流動層コーティング機を利用し、水溶性メシル酸ドキサゾシンが含まれているペレットコア40.66重量%を前記組成物で、実施例1と同一のコーティング条件にしてコーティングし経口投与用放出制御型薬物送達システムを製造した。
【0050】
<実施例6>
薬理学的活性成分として水溶性メシル酸ドキサゾシンが含まれているペレットコアを使用したことを除いては、前記実施例1と同様に実施して経口投与用放出制御型薬物送達システムを製造した。
【0051】
<実施例7>
薬理学的活性成分として水溶性メシル酸ドキサゾシンが含まれているペレットコアを使用したことを除いては、前記実施例2と同様に実施して経口投与用放出制御型薬物送達システムを製造した。
【0052】
<実施例8>
薬理学的活性成分として水溶性メシル酸ドキサゾシンが含まれているペレットコアを使用したことを除いては、前記実施例3と同様に実施して経口投与用放出制御型薬物送達システムを製造した。
【0053】
2.多層コーティング
<実施例9>
1)水分吸収促進層の一次コーティング
砂糖3.96重量%を流動層コーティング機に入れた後、前記流動層コーティング機に水分吸収促進層組成物を投入し、前記砂糖を1次コーティングして砂糖の外面に水分吸収促進層を形成した。前記水分吸収促進物質は、ラクトース17.96重量%、結合剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース3.56重量%、可塑剤であるポリエチレングリコール0.32重量%を、蒸溜水20.8重量%、アセトン29.7重量%、エタノール23.7重量%に入れて溶解又は分散させて製造した。前記コーティング工程は、スプレーエアー圧1.45psi、放出口エアー温度29℃、吸入口エアー温度38℃、流速10、放出口エアー比35%の条件で実施した。
【0054】
2)有効成分層の2次コーティング
前記水分吸収促進層が形成されたペレット10.2重量%を流動層コーティング機に入れ、有効成分層組成物で2次コーティングした。この有効成分層組成物は、ラクトース13.67重量%、ニフェジピン3.58重量%、結合剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース0.7重量%、フルクトース3.58重量%、ポリエチレングリコール0.05重量%、蒸溜水19.1重量%、アセトン34.82重量%、エタノール14.3重量%を混合して製造した。前記コーティング工程は、スプレーエアー圧1.55psi、放出口エアー温度35.9℃、吸入口エアー温度53℃、流速12、放出口エアー比37%の条件で実施した。
【0055】
3)放出制御型多孔性膜の3次コーティング
前記2次コーティングされたペレット40.8重量%を放出制御型多孔性膜組成物で3次コーティングした。この徐放出性組成物は、セルロースアセテート0.61重量%、オイドラギットRL0.41重量%、ポリエチレングリコール0.41重量%、グリセロール0.41重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.41重量%、水0.51重量%、エタノール5.1重量%、アセトン51.08重量%、トリエチルクエン酸エステル0.06重量%、澱粉グリコライドナトリウム0.2重量%を混合して製造した。前記コーティング工程は、スプレーエアー圧1.65psi、放出口エアー温度28℃、吸入口エアー温度38℃、流速12、放出口エアー比37%の条件で実施した。
【0056】
<実施例10>
前記実施例9と同様に水分吸収促進層及び有効成分層を形成し、放出制御型多孔性膜の3次コーティングにおいて、前記2次コーティングされたペレット40.8重量%に、セルロースアセテート0.495重量%、オイドラギットRL0.495重量%、ポリエチレングリコール0.41重量%、グリセロール0.41重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.41重量%、水0.51重量%、エタノール5.1重量%、アセトン51.08重量%、トリエチルクエン酸エステル0.09重量%、澱粉グリコライドナトリウム0.2重量%を混合して製造した放出制御型多孔性組成物を使用したことを除いては、前記実施例9と同様に実施した。
【0057】
<実施例11>
前記実施例9と同様に水分吸収促進層及び有効成分層を形成し、3次コーティングにおいては、前記2次コーティングされたペレット40.8重量%に、セルロースアセテート0.87重量%、オイドラギットRL0.87重量%、ポリエチレングリコール0.4重量%、グリセロール0.4重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.4重量%、水0.51重量%、イソプロピルアルコール11.67重量%、アセトン43.75重量%、トリエチルクエン酸エステル0.13重量%、澱粉グリコライドナトリウム0.2重量%を混合して製造した放出制御型多孔性組成物を使用したことを除いては、前記実施例9と同様に実施した。
【0058】
<実験例1>
前記実施例1乃至8によって製造された経口投与用放出制御型薬物送達システムの溶出量を測定するために、HPLCを利用して次の分析条件で分析した。その結果を図2乃至図3に各々示した。
移動相:水/メタノール/シアン酸メチル=1/1/1の体積比
カラム:ODS−C18、250×4.6mm、5μm
流速:1.0mL/分
検出器:235nm
溶出条件:1%−SDS(ラウリル硫酸ナトリウム)溶液、900mL
図2乃至図3に示したように、フィルム形成物質の含量によって時間による薬物放出速度を調節することができることが分かる。つまり、フィルム形成物質の量が増加するにつれて時間による薬物の溶出量速度が減少して、線状グラフを示すことが分かる。
【0059】
<実験例2>
前記実施例9乃至11によって製造されたニフェジピン含有多層顆粒のニフェジピンの溶出量を測定するために、実験例1と同一の条件で分析した。また、人の人体に投与する際、人によって胃、腸の活動性が異なるので、各臓器での顆粒優秀性を評価するために、放出機パドルの回転速度を50rpm、100rpm、及び150rpmに変更しながら溶出量を測定した。図4に実施例9の結果を、図5に実施例10の結果を、図6に実施例11の結果を示した。図4乃至図6に示したように、回転速度に関係なく、実施例9乃至11によって製造された顆粒は薬物放出が優れていることが分かる。
【0060】
また、図7に、実施例9乃至11を従来市販されている錠剤(比較例1)と比較して薬物溶出率を測定した結果を示した。その結果、図7に示したように、実施例9の場合は初期2時間の間に薬物放出が優れている反面、比較例1は初期2時間の間は薬物放出がほとんど起こらないことが分かる。また、比較例1は、薬物放出が時間によってほとんど線状で起こるが、初期薬物放出を調節できないのに反し、実施例10及び11の場合には薬物放出パターンを調節できることが分かる。
【0061】
前述のように、本発明の放出制御型多孔性膜形成組成物で製造された経口投与用放出制御型薬物送達システムは、薬物の放出速度を調節することができるので、胃腸管で効率的かつ持続的に薬物を放出することができる。また、多孔性膜の厚さ、膜構成物質の組成、可塑剤の量、賦形剤の量によって薬物の放出時間を調節することができるだけでなく、既存の錠剤や顆粒剤に少量の多孔性膜をコーティングすることによる放出制御型製剤の製造が簡単であり、製品の原価を減少させることができ、膜の安定性が優れていて長期保管や温度、湿度に影響を受けない経口投与用放出制御型製剤を製造することができ、大量生産が可能である。
【0062】
〔産業上利用可能性〕
本発明は、経口投与用放出制御型薬物送達システム及び前記システムに利用される放出制御型多孔性膜形成組成物に関するものであって、薬理学的活性成分を含むコア;及び前記コアの外面にコーティングされ、セルロース系化合物、ポリメタクリレート、アセテート系の化合物、ポリアミド、ポリウレタン、及びスルホン化ポリスチレンからなる群より選択される一つ以上のフィルム形成物質を含む放出制御型多孔性膜;で構成される本発明の経口投与用放出制御型薬物送達システムを利用すれば、薬物の放出速度を調節することができるので、胃腸管で効率的かつ持続的に薬物を放出することができ、多孔性膜の厚さ、膜構成物質の組成、可塑剤の量、賦形剤の量によって薬物の放出時間を調節することができ、既存の錠剤や顆粒剤に少量の多孔性膜をコーティングして放出制御型製剤を製造できるので、製造が簡単であり製品の原価を減少させることができるだけでなく、膜の安定性が優れていて長期保管や温度、湿度に影響を受けない経口投与用放出制御型製剤を製造することができ、大量生産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の経口投与用放出制御型薬物送達システムの一例の概略図である。
【図2】本発明の実施例1乃至4によって製造された、難溶性薬物であるニフェジピンを含有した経口投与用放出制御型薬物送達システムの時間による薬物溶出傾向を示した図である。
【図3】本発明の実施例5乃至8によって製造された水溶性薬物であるメシル酸ドキサゾシンを含有した経口投与用放出制御型薬物送達システムの時間による薬物溶出傾向を示した図である。
【図4】放出機パドルの各種回転速度にて測定した本発明の実施例9によって製造されたニフェジピンを含有した経口投与用放出制御型薬物送達システムの時間による薬物溶出傾向を示した図である。
【図5】放出機パドルの回転速度にて測定した本発明の実施例10によって製造されたニフェジピンを含有した経口投与用放出制御型薬物送達システムの時間による薬物溶出傾向を示した図である。
【図6】放出機パドルの回転速度にて測定した本発明の実施例11によって製造されたニフェジピンを含有した経口投与用放出制御型薬物送達システムの時間による薬物溶出傾向を示した図である。
【図7】本発明の実施例9乃至11によって製造されたニフェジピンを含有した経口投与用放出制御型薬物送達システムと比較例1の薬物送達システムとの時間による薬物溶出傾向を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬理学的活性成分を含むコア;並びに前記コアの外面にコーティングされ、セルロース系化合物、ポリメタクリレート、アセテート系の化合物、半透過性ポリアミド、半透過性ポリウレタン、及び半透過性スルホン化ポリスチレンからなる群より選択される一つ以上のフィルム形成物質を含む放出制御型多孔性膜;で構成される、経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項2】
前記コアが、結晶性コア物質;前記結晶性コア物質の外面にコーティングされ、薬理学的に使用可能な水分吸収促進物質を含む水分吸収促進層;及び前記水分吸収促進層の外面にコーティングされ、薬理学的活性成分を含む有効成分層;で構成される、請求項1に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項3】
前記結晶性コア物質が、砂糖又は砂糖を利用して製造されたノン−パレイユであることを特徴とする、請求項2に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項4】
前記水分吸収促進物質が、塩、糖類、ウレア、及び酒石酸からなる群より選択されることを特徴とする、請求項2に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項5】
前記塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及び重炭酸カルシウムからなる群より選択されることを特徴とする、請求項4に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項6】
前記糖類が、マンニトール、ラクトース、フルクトース、グルコース、及びスクロースからなる群より選択されることを特徴とする、請求項4に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項7】
前記有効成分層が、薬理学的に許容可能な水溶性高分子をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項8】
前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択されることを特徴とする、請求項7に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項9】
前記薬理学的活性成分が、メシル酸ドキサゾシン、塩酸アンブロキソール、塩酸アルブテロール、テオフィリン、アセトアミノフェン、メチルフェニデート、ヒドロモルフォン、グリピザイド、ニフェジピン、シムバスタチン、ニトレンジピン、ロバスタチン、プラゾシン、イスラジピン、メトプロロール、オキシブチニン、ジルチアゼム、エナラプリル、及びベラパミルからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項10】
前記セルロース系化合物が、非可塑化セルロースアセテート、可塑化セルローストリアセテート、トリアセテートセルロース、アセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートメチルカルバメート、セルロースアセテートコハク酸エステル、セルロースアセテートジメチルアミノアセテート、セルロースアセテートエチルカーボネート、セルロースアセテートメチルスルホネート、セルロースアセテートブチルスルホネート、セルロースエーテル、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートオクテート、セルロースアセテートラウレート、及びメチルセルロースもしくはアセチル化ヒドロキシエチルセルロースを有するセルロースアセテートからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項11】
前記フィルム形成物質が、前記コア100重量部に対して0.1乃至50重量部の量で存在することを特徴とする、請求項1に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項12】
前記フィルム形成物質がセルロースアセテートとポリメタクリレートを含むことを特徴とする、請求項1又は11に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項13】
前記フィルム形成物質が、セルロースアセテートとポリメタクリレートを9乃至1:1乃至9の重量比で含むことを特徴とする、請求項12に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項14】
前記フィルム形成物質が可塑剤及び/もしくは崩壊剤をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項15】
前記可塑剤が、ポリエチレングリコール、グリセロール、グリセロール誘導体、及び脂肪酸クエン酸エステル誘導体からなる群より選択されることを特徴とする、請求項14に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項16】
前記崩壊剤が、澱粉グリコライドナトリウム、カルシウム−カルボキシルメチルセルロース、及び脂肪酸グリコール誘導体からなる群より選択されることを特徴とする、請求項14に記載の経口投与用放出制御型薬物送達システム。
【請求項17】
セルロース系化合物、ポリメタクリレート、アセテート系の化合物、半透過性ポリアミド、半透過性ポリウレタン、及び半透過性スルホン化ポリスチレンからなる群より選択される一つ以上のフィルム形成物質を含む、経口投与用薬物送達システム用放出制御型多孔性膜形成組成物。
【請求項18】
前記セルロース系化合物が、非可塑化セルロースアセテート、可塑化セルローストリアセテート、トリアセテートセルロース、アセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートメチルカルバメート、セルロースアセテートコハク酸エステル、セルロースアセテートジメチルアミノアセテート、セルロースアセテートエチルカーボネート、セルロースアセテートメチルスルホネート、セルロースアセテートブチルスルホネート、セルロースエーテル、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートオクテート、セルロースアセテートラウレート、及びメチルセルロースもしくはアセチル化ヒドロキシエチルセルロースを有するセルロースアセテートからなる群より選択されることを特徴とする、請求項17に記載の経口投与用薬物送達システム用放出制御型多孔性膜形成組成物。
【請求項19】
前記フィルム形成物質がセルロースアセテートとポリメチルメタクリレートを含むことを特徴とする、請求項17に記載の経口投与用薬物送達システム用放出制御型多孔性膜形成組成物。
【請求項20】
前記フィルム形成物質が、セルロースアセテートとポリメチルメタクリレートを9乃至1:1乃至9の重量比で含むことを特徴とする、請求項19に記載の経口投与用薬物送達システム用放出制御型多孔性膜形成組成物。
【請求項21】
前記放出制御型多孔性膜形成組成物が可塑剤及び/もしくは崩壊剤をさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の経口投与用薬物送達システム用放出制御型多孔性膜形成組成物。
【請求項22】
前記可塑剤が、ポリエチレングリコール、グリセロール、グリセロール誘導体、及び脂肪酸クエン酸エステル誘導体からなる群より選択されることを特徴とする、請求項21に記載の経口投与用薬物送達システム用放出制御型多孔性膜形成組成物。
【請求項23】
前記崩壊剤が、澱粉グリコライドナトリウム、カルシウム−カルボキシルメチルセルロース、及び脂肪酸グリコール誘導体からなる群より選択されることを特徴とする、請求項21に記載の経口投与用薬物送達システム用放出制御型多孔性膜形成組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−520421(P2007−520421A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515340(P2006−515340)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001437
【国際公開番号】WO2004/112746
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(398043850)コリア リサーチ インスティテュート オブ ケミカル テクノロジー (21)
【Fターム(参考)】