説明

経皮インプラントおよびオストミーの方法

患者の腹壁へ移植するための経皮オストミーインプラント。インプラントは、外部取り外し可能デバイスをインプラントに搭載する円柱形部分と、内方成長メッシュと、インプラントを固定する円形フランジとを含む。円柱形部分および円形フランジは、内方成長メッシュの反対の端に取り付けられる。内方成長メッシュは、インプラントが患者の腹壁に移植されたとき、表皮が内方成長メッシュに接触し、メッシュを通ってインプラントの中の内臓区域の漿膜組織に直接取り付き得るように配列される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経皮オストミーインプラントに関し、経皮ポートと連絡する自制(continent)レザバーを作るために、そのインプラントを用い得る外科手術方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回腸造瘻術および結腸造瘻術は、例えば、悪性疾患または慢性腸炎によって必要とされ得る一般的な処置である。外科手術は、結腸および直腸が取り除かれた場合、回腸造瘻術と呼ばれ、直腸だけが取り除かれた場合、結腸造瘻術と呼ばれる。これらの処置において、回腸または結腸がそれぞれ接続される腹壁に瘻が形成される。ほとんどの場合の瘻は、バッグに接続されなければならない。
【0003】
しかし、従来の回腸造瘻術の代わりに、回腸の遠位部分から「コック嚢」として公知のレザバーを作ることが可能である。レザバーを閉める役割を果たし、コック嚢が断続的にカテーテルによって排水されることを可能にするニップルバルブが作られるような方法で、コック嚢は形成される。
【0004】
これは、いわゆる自制回腸造瘻術(CI)の例である。これは、以前は、従来の回腸造瘻術の魅力的な代替案であったが、現在は、ほとんど用いられない。処置の複雑さおよび合併症に対する高い潜在性(それらのほとんどは、自制ニップルバルブの機能不全に関する)が、今日では多くの外科医が処置を採用することを思いとどまらせている。図1は、(a)従来の回腸造瘻術および(b)コックの嚢回腸造瘻術を例示する。
【0005】
コック嚢の利点および欠点は、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3で論じられる。
【0006】
回腸嚢肛門吻合術(IPAA)は、今日では、これらの患者に対して世界基準であるが、CIと同様に、この処置もリスクがあり、失敗がよくあり、ほとんどは、腸損失を伴ない、嚢摘出につながる。失敗したIPAAのCIへの転換は、好ましい選択であるが、また、外科医は再び、この複雑で信頼の置けない技術を実行することをためらう。
【0007】
それらの先願の特許文献1において、本出願人は、固形壁円柱形本体と、円形フランジの形態の固定区域とを含む経皮オストミーインプラントを開示した。デバイスは、腹壁を通して移植され、筋層の下に配置された固定区域によって固縛されるようにデザインされる。この区域は、ずれストレスを吸収し得、その結果、組織ダメージのリスクを減少させ得る軸方向に弾性な構造を提供するために、S形状部材によって相互接続された内側同心リングおよび外側同心リングを含む。S形状部材の周りのスペースと、リングの数多くのアパーチャを提供することとは、組織内方成長および血管新生を可能にする。デバイスを脈管(結腸など)壁の側面に接続し、取り外し可能な蓋を提供することによって、自制オストミーが提供され得ることが提案される。
【0008】
このインプラントの発展は、特許文献2に開示され、その中で、特許文献1の単一の固形壁円柱形本体が、周囲に一定の距離を置かれたレッグによって、固定区域から一定の距離を置かれた外側皮膚貫通リング状部分によって取って代わられる。このインプラントは、インプラントを通して上に引かれた脈管を収容するようにデザインされている。レッグの間のスペースは、よりしっかりし、安定し、漏れない、よく血管新生した皮膚インプラント接合点を提供するために、腹壁の内側部分と腸の漿膜組織との間の組織接着の生成を可能にする。いくつかの実施形態において、周囲内方成長メッシュが、さらに提供される。これは、円柱形本体と外側リング状部分との間に提供される環状ギャップを有した円柱形本体の長さのほとんどに沿って延在することによって、組織が外側リング状部分内のメッシュを通って成長することを可能にする。
【0009】
さらなる発展の際に、特許文献3において、本出願人は、2つの、軸方向に一定の距離を置かれた管状部分から形成された円柱形本体を提案する。外側管状部分は、皮膚を貫通し、バッグまたは蓋への接続のための手段を提供する。内側管状部分は、先に説明したタイプの固定フランジへ取り付けられる。2つの部分は、腹壁と腸との間の組織接着の生成を可能にする放射状に一定の距離を置かれたレッグまたは硬質円柱形内方成長メッシュかを含む「距離手段」によって、一緒に接続される。この配列の手段によって、インプラントに沿った皮膚からの潜在的な感染経路に中断が提供される。さらに、外側管状部分は、皮膚表面を貫通し、それによって、感染の源が存在し得る皮膚の表面を腸組織から隔離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第1632201号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/099500号
【特許文献3】国際公開第2009/024568号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Wasmuth,H.H.,M.Svinsasほか(2007)、“Surgical load and long−term outcome for patients with Kock continent ileostomy.”Colorectal Dis 9(8):713−7
【非特許文献2】Olof Jonsson,Gunnar Olofsson,Elisabet Lindholm,Harriet Toernqvist,“Long−Time Experience with the Kock Ileal Reservoir for Continent Urinary Diversion,”Reconstructive Urology,Eur Urol 2001;40:632−640
【非特許文献3】Olof Jonsson,Bo Rangert,Frank Aldenborg,Magnus Campanello,Gunnar Wikholm and Staffan Akerlund,“Stabilization of the Nipple Base with Titanium Rings when Reoperating Patients with Continent Urostomies for Nipple Dysfunction”,Scand J Urol Nephro 30:51−56,1996
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第一の局面に従って、患者の腹壁への移植のための経皮オストミーインプラントが提供される。インプラントは、インプラントに外部取り外し可能デバイスを搭載する円柱形部分と、好ましく円柱形な内方成長メッシュと、インプラントを固定する円形フランジとを含んでおり、内方成長メッシュの反対の端へ取り付けられている円柱形部分および円形フランジは、インプラントが患者の腹壁に移植されたとき、表皮が内方成長メッシュに接触し、内方成長メッシュを通ってインプラントの中の腸区域の漿膜組織に直接取り付き得るように、内方成長メッシュは配列される。
【0013】
したがって、本発明は、表皮が漿膜組織に直接取り付くことを可能にすることによって、細菌感染(つまり、バクテリアがインプラント表面に取り付き、それに続いて移動すること)は、防ぎ得るという仮設に基づいている。これは、この取り付きを固形壁皮膚貫通部分によって防ぎ、表皮を漿膜組織から隔離するように配列されていた、先に説明したインプラント構成と顕著な対比にある。表皮漿膜接合点上の漿膜組織のメッシュ構造への取り付けは、安定しており、接合点のレベルまで引っ込まないと仮定すると、安定したシステムが達成され得る。
【0014】
したがって、本発明のインプラントは、リングまたはスクワットシリンダーの形態の円柱形部分を用いて形成され得、円柱形部分は、腹壁の外に完全に露出するように構成されている。典型的には、メッシュの外面が露出され、よく見えることによって、円形フランジに隣接し、表皮に隣接する領域の腹壁に直接接し、途切れなく接することを可能にする。これは、メッシュを通った、円形固定フランジへの接続部から皮膚表面までの組織内方成長を許容する。
【0015】
円柱形部分の下の内方成長メッシュの軸方向(つまり、患者の中央へ向かって軸方向へ)の延長は、円柱形部分が患者の皮膚の表面上に残るのに十分でなければならないことが認識される。したがって、内方成長メッシュは、筋層の上の組織層の厚さよりも大きい軸方向の長さを有する皮膚貫通部を含む。典型的には、皮膚貫通部は、円柱形部分の軸方向の延長よりも大きい。
【0016】
出願人の先願の特許出願より公知なように、円形フランジは、好ましくは、複数の小さなホールによって貫通されることによって、結合組織の内方成長を可能にする。円形フランジは、好ましくは、内側同心リングおよび外側同心リングを含む。内側リングは、円柱形メッシュの1つの端に取り付けられており、外側リングは、内側リングに複数のS形状接続部材によって接続されている。
【0017】
内方成長メッシュは、レーザーカットされたチタン内方成長構造であり得、円柱形部分および円形フランジにレーザー溶接され得る。
【0018】
好ましくは、円柱形部分は、円柱形部分の中に延在するメッシュからWO2007/099500より公知の様態で放射状に外側方向に一定の距離を置かれており、環状ギャップが提供される。先行技術のインプラントにおけるように、本発明の好ましい形態で、環状ギャップは、漿膜組織の脈管からの内方成長を可能にする。これは、表皮漿膜接合点の上に、上で言及した取り付けを形成する。しかし、先行技術と比較して、この組織は、インプラント周囲の表皮にくっついており、隔離されていない。
【0019】
表皮漿膜取り付け表面の提供は、それ自体でさらなる発明的概念であると信じられ、そのため、さらなる局面から観察すると、発明は、漿膜組織を有する脈管(例えば、腸区域)を取り囲み、表皮が漿膜組織に内方成長メッシュを通って直接取り付くことを可能にするための使用において構成されている好ましく円柱形の内方メッシュ構造を含む経皮オストミーインプラントを提供する。好ましくは、メッシュは、表皮漿膜接合点の上(つまり、外側方向に)延在することによって、漿膜組織は、取り付けが表皮漿膜接合点のレベルまで引っ込まない安定した構造を形成するために、メッシュに取り付き得る。
【0020】
インプラントは、いずれかの生物学的に容認可能な材料(例えば、プラスチック)から形成され得るが、インプラントは、好ましくは、工業用純チタンから形成され、グリットまたは酸化アルミニウムブラスト表面のような表面処理および/または電気化学的処理を有し得ることによって、最適な局所解剖学的特徴、物理的表面特性および化学的表面特性(例えば、表面粗さ)などを達成するASTM Grade2チタンから好ましくは形成される。
【0021】
インプラントは、インプラントの円柱形部分に搭載された外部取り外し可能デバイスと組み合わせて、好ましくは用いられる。自制システムに関連して、これは、好ましくは蓋である。しかし、インプラントは、バッグと用いられ得る。さらに、下でより完全に論じるように、インプラントは、インプラントを安定化し、治癒させる際の組織とインプラントとの間の相対的な動きを防ぐ、いわゆる治癒デバイスと共に用いられ得る。
【0022】
まとめると、本発明のインプラントの最も好ましい形態は、所望の形状に機械加工され、酸化アルミニウムでブラストされた工業用純チタン(grade2)から作られる。これは、円柱形部分および円形フランジから構成される。円形フランジは、複数の小さいホールで貫通されることによって、結合組織の内方成長を可能にする。2つの部分は、円柱形メッシュに接続される。円柱形メッシュは、レーザー溶接によってシリンダーおよびフランジに取り付けられたレーザーカットされたチタン内方成長構造である。
【0023】
インプラントは、清浄剤およびアルコール(その後に、オートクレーブによって殺菌される)の中の超音波クリーニングでの浄化を好ましくはされる。
【0024】
発明は、上述のコンポーネント(好ましくは、上述のコンポーネントの好ましい形態)を提供することと、それらを、好ましくはレーザー溶接によって組み立てることとを含むインプラントを作る方法まで延長することが認識される。
【0025】
内方成長メッシュの皮膚貫通部が、埋め込まれ得る所与の患者または患者の分類に対して、筋層の上の組織層の厚さよりも大きい軸方向の長さを有するように、内方成長メッシュの皮膚貫通部の寸法を合わせるステップを、方法は好ましくは含む。
【0026】
したがって、さらなる局面から観察すると、患者または患者の分離に対して、経皮オストミーインプラントを製造する方法が提供される。方法は、外部取り外し可能デバイスをインプラントに搭載する円柱形部分と、好ましく円柱形な内方成長メッシュと、インプラントを固定する円形フランジとを提供するステップと、円柱形部分および円形フランジを内方成長メッシュの反対の端に取り付けるステップとを含み、インプラントが患者または患者のクラスの一員の腹壁の筋層のすぐ上にそれぞれ移植された場合、表皮が内方成長メッシュと接触し、内方成長メッシュを通ってインプラントの中の腸区域の漿膜組織に直接取り付き得るように、内方成長メッシュは、寸法が合わせられている。
【0027】
別の局面から観察すると、発明は、オストミーインプラントを患者の腹壁に移植する方法を提供し、方法は、外部取り外し可能デバイスをインプラントに搭載する円柱形部分と、好ましく円柱形な内方成長メッシュと、インプラントを固定する円形フランジとを有するインプラントを提供することであって、円柱形部分および円形フランジは、内方成長メッシュの反対の端に取り付けられている、ことと、表皮が内方成長メッシュに接触し、内方成長メッシュを通ってインプラントの中の腸区域の漿膜組織に直接取り付き得るように、インプラントを患者の腹壁に移植することとを含む。
【0028】
腸の漿膜組織が、内方成長メッシュを通って表皮に触れ、それによって、オストミーが形成されるように、方法は、腸区域をインプラントを通して引くことを、典型的にはさらに含むことが認識される。
【0029】
方法は、内方成長メッシュが、筋層の上の組織層の厚さよりも大きい軸方向の長さを有する皮膚貫通部を有するように、インプラントを患者に対して選択するステップを含み得る。
【0030】
上で論じたように、インプラントの好ましい形態は、円柱形部分内の軸方向に延在する円柱形メッシュ表面への漿膜組織の取り付けを可能にする。
【0031】
さらなる局面から観察すると、発明は、円柱形内方成長メッシュ構造を提供することと、漿膜組織を有する脈管(例えば、腸区域)をメッシュ構造で(例えば、脈管をメッシュ構造を通して引くことによって)取り囲むことと、表皮が漿膜組織に内方成長メッシュを通って直接取り付くことを可能にすることとを含むオストミーを実行する方法を提供する。漿膜組織のメッシュ構造への取り付きが、取り付きが表皮漿膜接合点のレベルまで引っ込まない安定した構造を形成するために、表皮漿膜点の上(つまり、そこから外側方向)に延在するように、好ましくは、メッシュ構造は、配列される。
【0032】
(インプラントの中へ引かれる程度に制限される)脈管組織の自然な弾性は、インプラントを通してアパーチャをふさぎ、形成されている弁を結果として生じさせるので、発明のインプラントは、自制オストミーが提供されることを可能にするということを、出願人は発見した。レザバーが形成され、流体圧力が制限されると仮定すると、弁は、オストミーが自制であることを可能にする。公知の様態で、カテーテルを用いてレザバーは排水され得る。蓋は、漏れに対するさらなる保護を提供し、露出された脈管を保護するために好ましくは提供される。
【0033】
したがって、さらなる局面から観察すると、発明は、経皮オストミーインプラントを腹部に移植することと、脈管の区域(例えば、腸)をインプラントへ引くことと、脈管の区域を固縛することによって瘻を形成することとを含む自制オストミーを実行する方法を提供し、脈管組織の自然な弾性が、瘻を弾力的にふさぎ、それによって弁を形成するように、インプラントの内径は選択されることによって脈管を締め付ける。
【0034】
インプラントおよび/または方法は、好ましくは本明細書で上述されたものと同じである。
【0035】
発明のこの局面は、また、上の方法によって自制オストミーを形成するように寸法が合わせられているオストミーインプラントと、インプラントがそのような方法で用いられたとき、弁が形成されるように、所与の患者または患者の分類に対してインプラントの寸法を合わせるステップを含むインプラントを製造する方法とまで延長する。再び、製造方法は、好ましくは本明細書で上述されたものと同じである。インプラントは、漏れを防ぎ、および/または瘻を保護するための蓋と組み合わせて、好ましくは用いられるか、または提供される。
【0036】
上で注意したように、治癒デバイスは、外科手術の後で用いられ得、方法は、インプラントを保護し、および/またはインプラントが皮膚レベルの下に引っ込められることを防ぐために、治癒段階中に治癒デバイスをインプラントの円柱形部分に搭載することを好ましくはさらに含む。治癒が完了すると、上で論じたように、蓋は、インプラントの円柱形部分に搭載され得る。
【0037】
方法は、上で説明した好ましい特徴を有するインプラントを好ましくは用いる。
【0038】
上述したように、治癒デバイスの使用は、この発明のある局面の重要な特徴である。したがって、別の局面から観察すると、発明は、自制オストミーのための経皮ポートをそれを必要としている被験体に提供することであって、身体管路の外在化された長さを囲み、係合するために、オストミーインプラントを被験体の腹壁に経皮移植することを含む、ことと、治癒デバイスを提供することによって、インプラントが被験体の腹壁の下に転ずることを防ぐこととの方法を提供する。
【0039】
少なくともその一部が腹壁から外側方向に突出し、端が自由な外リング区域と、腹壁を通って延在し、インプラントの内部固着のために患者の中に延在する内区域とを含み、外リング区域および内区域は共通の軸を有している、本体を好ましくは、インプラントは、含む。したがって、インプラントは、上述したものと同じであり得、上述した好ましい特徴を好ましくは有する。
【0040】
治癒デバイスは、インプラント本体の突出部分および自由な端を密閉するように閉じる役割を果たし得ることによって、治癒を促進する。
【0041】
方法は、被験体の外部筋膜と皮下組織との間にポケットを作ることと、被験体の腹直筋および腹膜を通してチャネルを作ることと、必要に応じて、インプラントを重なる筋膜および下にある筋肉に固縛および安定化することと、皮下組織および皮膚を通してチャネルを作ることと、インプラントの円柱形部分を皮膚を通して挿入することと、ポケットを閉じることと、レザバーの回腸末端部を腹壁およびインプラントを通して引っ張ることと、治癒デバイスをインプラントに取り付けることとを好ましくはさらに含む。
【0042】
発明のこの局面の方法は、少なくともその一部は、腹壁から外側方向に突出し、端が自由な外リング区域と、腹壁を通って延在し、インプラントの内部固着のために患者の中に延在する内区域とを有し、外リング区域および内区域は共通の軸を有している、本体区域を含むインプラントを好ましくは用いる。治癒デバイスは、好ましくはインプラント本体に係合されることによって、インプラントが被験体の腹壁の下に転ずることを防ぐ。治癒デバイスは、また、インプラント本体の突出部分および自由な端を密閉するように閉じるために、好ましくは役割を果たす。
【0043】
本明細書で開示されるように、インプラント本体の特定の構造は、変わり得、(上述の構造と同様に)例えば、WO2007/099500A1、WO2009/024568A1またはEP1632201A1に開示される構造のうちのいずれか1つを含み得る。本体は、また、好ましくは、治癒デバイスへの着脱可能取り付けのための嵌合手段を含む。
【0044】
治癒デバイスは、好ましくは、インプラントの突出部分を取り囲み、密閉するように閉じるキャップまたは蓋をさらに含み、好ましくは、インプラント本体の嵌合手段への着脱可能取り付けのための嵌合手段も含む。
【0045】
好ましい配列において、治癒デバイスのキャップ手段は、インプラントの外周壁に対して密閉する役割を果たすOリングをさらに含み、インプラント本体は、使用の際に、被験体の皮膚表面上に静止する治癒プレートを含む。治癒プレートは、キャップ手段上で補助内部ねじ山に連結する外部ねじ山を有する。
【0046】
本発明のさまざまな局面は、少なくとも好ましい形態で、
(a)治癒および組織内方成長をオストミーを提供するために用いられるインプラントの異なる構造へ提供し、
(b)自制人工尿路開設術、回腸造瘻術、またはオストミーの他の種類を構築し、
(c)オストミーを作るときの細菌感染のリスクを最小化し、
(d)経皮インプラントを用いることによって、CIの問題のある自制ニップルバルブを取って代わる新たな技術を提供することが分かる。
【0047】
発明の実施形態が、添付の図面を参照して、例としてのみ、ここで説明される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、従来の回腸造瘻術(a)およびコック嚢(b)の図面である。
【図2】図2は、発明の実施形態に従った、インプラントの透視図である。
【図3】図3は、図1のインプラントの断面図である。
【図4】図4は、患者の腹壁に移植された図1のインプラントの断面図である。
【図5】図5は、インプラントが接続される嚢を示す図4の図に対応する図である。
【図6】図6は、インプラントを腹壁に位置づける特別にデザインされた挿入器具の透視図である。
【図7】図7は、インプラントを腹壁に位置づける特別にデザインされた挿入器具の透視図である。
【図8】図8は、公知のインプラントの自由な突出端に取り付けられた治癒デバイスの部分的に区分された正面図である。
【図9】図9は、図8に対応する区分された透視図である。
【図10】図10は、治癒デバイスを加えることに先立ち、患者に移植された図8および図9の(公知の)インプラントを示す。
【図11】図11は、インプラントを通した連続性が再建される発明の実施形態の方法の完成を例示する。
【図12】図12は、インプラントを通した連続性が再建される発明の実施形態の方法の完成を例示する。
【図13】図13は、発明の実施形態に従った、移植されたオストミーインプラントの光学顕微鏡図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
まず、図1(a)を参照すると、瘻Sが腹壁Aに形成される従来のオストミーが例示される。腹壁Aを通して、腸管Iは、バッグBに接続され得る。図1(b)は、ニップルバルブNが、自制オストミーを作るために、腸管Iの一部から形成される代替のコック嚢外科手術技術を例示する。
【0050】
図2および図3は、発明の実施形態に従ったインプラントの実施形態1を例示する。実施形態1は、円形固定フランジ2、円柱形メッシュシリンダー3および円柱形端部分4を含む。インプラントは、さまざまなコンポーネントが一緒にレーザー加工された、機械加工されたチタンから形成される。
【0051】
環状ギャップG(図3)は、円柱形端部分4の内側面とメッシュシリンダー3の外側面との間に形成されることに注意されたい。
【0052】
固定フランジ2は、イントロダクションで言及した、出願人の前の特許出願で説明したものと同じものである。固定フランジ2は、S形状部材7によって接続される内側同心リング5および外側同心リング6を有することによって、軸方向に弾性な構造を形成する。複数のホール8は、リングを通った組織の内方成長を可能にするために提供される。
【0053】
メッシュシリンダー3は、機械およびレーザー切断処理から形成される。
【0054】
端部分4は、接続リングの形態である。端部分4は、円周溝9を有することによって、蓋、バッグおよび治癒デバイス(下を参照)のような取り外し可能デバイスの接続を可能にする。
【0055】
図4および図5は、患者に移植された後の使用のインプラント1を例示する。円形固定フランジ2は、筋層Mのすぐ上に配置され、メッシュシリンダー3の皮膚貫通部分の長さLは、端部分4が腹壁の表皮10の表面から完全に離れているのに十分であることに注意されたい。したがって、上で論じた先行技術のインプラントの外側バッグまたは蓋接続部分と異なり、皮膚を貫通しない。下で論じるように、インプラントの異なる長さは、必要に応じて提供され得る。インプラントは、例えば、下の表1および表2に記述される寸法のうちのいずれかを有し得る。
【0056】
腸11の区域は、メッシュシリンダー3の内径を通して外在化される。上で注意したように、表皮10は、内方成長メッシュ3に接触し、そのため、腸11の漿膜表面12に触れ得る。治癒が行われる際に、組織は、メッシュシリンダー3を通って成長することによって、表皮および腸を含む腹壁組織の間に取り付けを提供する。さらに、図4に最も明確に示されるように、漿膜組織は、環状ギャップGへ成長し得る。これに加えて、組織内方成長は、公知の様態で、固定フランジ2を通って、内方成長メッシュの他の部分を通って生じる。
【0057】
図5は、公知の様態で腸に形成されたインプラント1と嚢13との関係を例示する。腸を形成する弾性組織は、インプラントを通過する際に、締め付けられることによって、弁を形成し、これは、嚢がコック嚢に類似した様態で、カテーテルを用いて一定の間隔で空にされ得るように、自制システムを提供する。着脱可能蓋(示されていない)がさらに提供され得ることによって、漏れを防ぎ、瘻を保護する。したがって、バッグの必要性がない。
【0058】
残りの図は、治癒デバイスが採用される発明の実施形態の方法を例示する。インプラントは、上で説明した実施形態のインプラントまたは別のタイプのインプラントであり得る(例えば、出願人本人の国際特許出願WO2007/099500A1、WO2009/024568A1またはEP1632201A1に従ったインプラントであり得、それらの各々の内容は、本明細書でそれらを参照することによって、明示的に援用されている)。したがって、(例えば、工業用純チタンGr.2から作られる)インプラントは、所望の形状に機械加工され、酸化アルミニウムでブラストされる。他の生物学的に容認可能な材料(例えば、プラスチック)も用いられ得る。好ましい材料は、殺菌および医療治療における使用に耐久し得る、寸法が安定している材料である。
【0059】
この実施形態のインプラント20は、円形フランジ22で終わるシリンダー21から構成される。フランジに最も近い円柱形部は、結合組織の内方成長を可能にすることによって、上皮下方増殖を防ぎ、結合組織指状突起鉗合を促進するリブ24によって形成される。リブ24は、数多くのホール25を有する。円柱形部の残りは、固形壁である。先に言及した出願がこのインプラントのさらなる詳細のために言及され得る。円形フランジ22は、複数の小さいホール23で貫通されることによって、結合組織の内方成長を可能にする。レーザーカットされたチタン内方成長メッシュ26は、シリンダーの内側上にレーザー溶接することによって一体化される。
【0060】
方法の第一のステージは、インプラントおよび器具がオートクレーブによる殺菌に先立ち、清浄剤およびアルコールの超音波クリーニングで浄化されることである。
【0061】
さまざまな高さおよび内径を有したインプラントのいくつかのサイズが利用可能である。用いられるバージョンは、手術中に選ばれ、ほとんどは、解剖学的構造に依る。動物実験で用いられる寸法の例が、下の表1に与えられる。
【0062】
【表1】

ヒトへの使用に対して、より大きいサイズが、表2に記述されるように要求される。
【0063】
【表2】

図6および図7に示されるように、特別にデザインされた挿入器具すなわち挿入コーン31が、インプラント20を腹壁に容易に位置付けるために用いられる。挿入コーン31は、インプラントの中にぴったり適合する下部円柱形部分32と、腹壁の弾性開口部を通して押されるようにデザインされている、通例円錐形の上部分33を有する。したがって、コーン31は、インプラント20に適合され、次いで、それらは、皮膚を通して押される。表皮を通して円形切断を作るために、メスが用いられ得るが、(例えば、8mmの)生検皮膚パンチが好ましくは用いられる(例えば、Steifel、ドイツ)。
【0064】
図8および図9に示されるように、治癒デバイス39は、治癒段階中のインプラント20の自由な突出円形端への取り付けのために提供される。治癒デバイス39は、インプラントを保護し、インプラントが皮膚レベルの下に引っ込められることを防ぐ。治癒デバイス39は、皮膚表面上に静止するようにデザインされている治癒プレート35を含む。治癒プレートは、外部ねじ山36が提供される。外部ねじ山36は、随意キャップ38の補助内部ねじ山37に連結する。随意キャップ38は、インプラント20の突出部分を少なくとも治癒中に、随意的には続いて取り囲み、密閉するように閉じるために用いられ得る。治癒デバイスは、また、インプラント20の外周壁に対して密閉する役割を果たすOリング34を含み得る。
【0065】
治癒デバイスは、インプラント50のさらなるデザインに取り付けられて示される。治癒デバイスの内区域は、外リング41から表出する中間区域40を含む。外リング41は、第一の中間区域部分および第二の中間区域部分に軸方向に分割される。第二の中間区域部分は、第一の中間区域部分から表出し、内区域は、固定区域44に延在する。第二の中間区域部分または中間区域は、第二の中間区域部分または中間区域を固定区域44に接続する第一の接続部材45から周囲が離間されている。一体化された内方成長メッシュ46は、第二の中間区域部分または中間区域の内部周囲に沿って提供される。
【実施例】
【0066】
(実験手続きの実施例)
移植時に体重が約25kgの雌のラブラドール犬が実験動物として用いられる。地方倫理委員会適用に従って、動物が準備され、麻酔をかけられ、監視される。
【0067】
1つのデバイスが各動物に移植される。実験は、2ステージ手続きである。第一の手続きにおいて、デバイスは移植され、隔離された回腸レザバーが構築され、インプラントに接続される。第二の手続きにおいて、1つの尿管がレザバーに接続され、人工尿路を作る。
【0068】
(手術手技−ステージ1)
インプラント50は、図10に例示されるように、腹壁49に置かれる。(このインプラントは、上で論じたインプラント1と同じ様態では移植されないことに注意されたい)。皮下フランジ44は、外部筋膜51上に置かれ、円柱形部52は、皮膚54を通って突出する。回腸レザバー55が構築され、レザバーの回腸末端部56は、腹壁49およびインプラント50を通して引っ張られる。回腸レザバー55は、腸から隔離されたままである。インプラント50およびレザバー55は、残されることによって、三週間治癒し、インプラントは筋肉の上に位置付けられ、回腸レザバーは、インプラントに取り付けられる。
【0069】
外科手術ステージ1は、隔離された回腸レザバー55の構築およびインプラント50の適用のために以下のステップを含み得る。
1.動物を背臥位で置く。
2.好ましくは、インプラント部位の周りの範囲を徹底的に剃毛する。
3.適切な腹部切開を作る(例えば、中線10〜12cmの腹部切開)。
4.小腸を調査し、どこで回腸区域を取るか決定する。
5.回腸をステープラーで分割する(例えば、回盲弁から約20〜30cm)。
6.レザバーをコックの様態で、例えば、2×7〜15cmの回腸リムで構築する。
7.腸管の連続性を側面と側面を吻合(例えば、ステープリングまたは縫合)することによって再建する。
8.好ましくは、レザバーの漏れをテストし、容積を計測する。
9.例えば、8mmの真皮パンチ器具またはメスを用いて、皮膚を通して小さい円形切開を側方切開する。
10.鈍的切開(blunt dissection)によって、ポケットを外部筋膜と皮下組織との間に作る。
11.チャネルを直筋および腹膜を通して作る。
12.インプラントおよび挿入コーンを組み立て、外部筋膜、皮下組織および皮膚を通して、ポケットを介して押し進め、挿入コーンを取り外す。
13.可能な場合、吸収不可能性縫合を皮下固定外側リングの各四分円に置くことによって、インプラントを固縛および安定化し、これら縫合を重なる筋膜および下にある筋肉に接続する。
14.例えば、縫合でポケットを閉じる。
15.レザバーの回腸末端部を腹壁およびインプラントを通して引っ張り出す。輸出回腸は、外にめくり返されず、皮膚に縫合されない。輸出区域は、インプラントネックを十分に、約2〜3cm超えて突出する。必要な場合、輸出回腸は、例えば、治癒プレートに取り付けられた縫合で固縛される。
16.インプラントの中を抗菌性薬剤で流す(例えば、ガラマイシン)。
17.レザバーを腹膜に吸収不可能性縫合の連結または類似の固縛手段で固縛する。
18.治癒デバイスをインプラントに取り付ける。
19.随意的にカテーテルをインプラントを通して導入し、治癒プレートに固縛する。
20.腹の切開を閉じる。
【0070】
(手術手技−ステージ2)
ステージ2は、移植の3〜4週間後に実行される。
【0071】
左尿管が識別され、膀胱から取り除かれる。遠位端がレザバーに取り付けられる。
【0072】
Ch4栄養管(Unomedical、デンマーク)が導入され、外の自由な端での吻合を通る。管は、Vicryl Rapis4〜0縫合で尿管に固縛され、腹の外で治癒プレートに固縛される。管は、NaClで流される。
【0073】
したがって、図11および図12に例示されるように、インプラントを通した連続性が再建される。
【0074】
(術後ケア)
術後ケアおよび看護は、倫理適用および指示(SOP)に従って行われる。
【0075】
技術がヒトの患者に適用されたとき、上で説明した2つのステージは、好ましくは単一のステージに結合される。
【0076】
図13は、軟部組織の一体化と、回腸60の漿膜のチタンインプラント61への取り付けとを明示する光学顕微鏡図を示し、腸管の漿膜側が、十分にこの組織へ取り付けられていることを例示する。10サンプルの細胞学的調査は、インプラントの中のメッシュ構造が、感染の中度の徴候を有した、再生成され、よく血管新生された膠原性組織と密接に触れていることを明示する。したがって、細胞学は、軟部組織一体化と、回腸の漿膜のチタンとの取り付けを示す。
【0077】
以前に公知の外科手術処置に反して、永続的な自制オストミーは、輸出内臓区域を経皮チタンインプラントへ取り付けることによって達成され得、ニップルバルブがなくとも可能であることを実験は確認した。
【0078】
細胞学的結果は、皮膚および皮下組織は、インプラントの外面によく一体化し、また、腸管の漿膜表面は、インプラントの内面に一体化および併合することを明示する。
【0079】
したがって、本技術は、問題のあるニップルバルブに取って代わり、コック嚢に対して信頼の置ける自制弁を提案し、ヒトの処置に対する影響力の再興および復興を示し得る。失敗したIPAAの転換は、コック嚢に対する別の示唆である。
【図1(a)】

【図1(b)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の腹壁への移植のための経皮オストミーインプラントであって、
該インプラントは、
円柱形部分であって、外部取り外し可能デバイスを該円柱形部分に搭載する円柱形部分と、
内方成長メッシュと、
該インプラントを固定する円形フランジと、
を含み、
該円柱形部分および該円形フランジは、該内方成長メッシュの互いに対向する端に取り付けられ、
該内方成長メッシュは、該インプラントが患者の該腹壁に移植されたとき、表皮が該内方成長メッシュに接触し、該メッシュを通って該インプラントの中の腸管区域の漿膜組織へ直接取り付くことが可能であるように、配列されている、経皮オストミーインプラント。
【請求項2】
前記円形フランジは、複数の小さいホールによって貫通されることによって、結合組織の内方成長を可能にする、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記内方成長メッシュは、レーザーカットされたチタン内方成長構造である、請求項1または請求項2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記内方成長メッシュは、前記円柱形部分および前記円形フランジにレーザー溶接されている、請求項1、請求項2または請求項3のうちのいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項5】
工業用純チタン、好ましくはGr.2から形成される、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項6】
酸化アルミニウムブラスト表面を有する、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項7】
前記円形フランジは、内側同心リングおよび外側同心リングを含み、該内側リングは、前記内方成長メッシュの1つの端に取り付けられており、該外側リングは、該内側リングに複数のS形状接続部材によって接続されている、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項8】
前記内方成長メッシュの外面は、露出されることによって、前記円形フランジと隣接する領域において、前記腹壁との直接的かつ未破壊の接触を可能にする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項9】
前記内方成長メッシュは、円柱形である、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項10】
環状ギャップが、前記円柱形部分の内面と前記内方成長メッシュとの間に提供される、請求項9に記載のインプラント。
【請求項11】
請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載のインプラントであって、該インプラントは、該インプラントの該円柱形部分に搭載された外部取り外し可能デバイスと組み合わせられる、インプラント。
【請求項12】
オストミーインプラントを患者の腹壁に移植する方法であって、
該方法は、
インプラントを提供することであって、該インプラントは、
円柱形部分であって、外部取り外し可能デバイスを該円柱形部分に搭載する、円柱形部分と、
内方成長メッシュと、
該インプラントを固定する円形フランジと
を有し、該円柱形部分および該円形フランジは、該内方成長メッシュの互いに対向する端に取り付けられている、ことと、
表皮が該内方成長メッシュに接触し、該メッシュを通って該インプラントの中の腸管区域の漿膜組織に直接取り付くことが可能であるように、該インプラントを患者の腹壁に移植することと
を含む、方法。
【請求項13】
前記腸の前記漿膜組織が、表皮に前記内方成長メッシュを通って触れるように、該腸管区域を前記インプラントを通して引くことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記インプラントを保護し、該インプラントが皮膚レベルの下に引っ込められることを防ぐために、治癒段階中に、治癒デバイスを該インプラントの前記円柱形部分に搭載することをさらに含む、請求項12または請求項13に記載の方法。
【請求項15】
蓋を前記インプラントの前記円柱形部分に搭載することをさらに含む、請求項12から請求項14のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記インプラントは、請求項1から請求項11のうちのいずれか一項に記載のインプラントである、請求項12から請求項15のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
自制オストミーに対する経皮ポートをそれを必要とする被験体に提供する方法であって、該方法は、
オストミーインプラントを、身体管路の外在化された長さを囲み、係合するために被験体の腹壁に移植することであって、該インプラントは、少なくともその一部が腹壁から外側方向に突出し、端が自由な外リング区域と、腹壁を通って延在し、該インプラントの内部固着のために患者の中に延在する内区域とを有し、該外リング区域および内区域は、共通の軸を有する、ことと、
治癒デバイスを提供することによって、該インプラントが該被験体の腹壁の下に転ずることを防ぐことと
を含む、方法。
【請求項18】
前記治癒デバイスは、また、前記インプラント本体の前記突出部分および自由な端を密閉するように閉じる役割を果たす、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項17または請求項18に記載の方法であって、該方法は、
前記被験体の外部筋膜と皮下組織との間にポケットを作ることと、
該被験体の直筋および腹膜を通してチャネルを作ることと、
必要に応じて、前記インプラントを該重複する筋膜および下にある筋肉に固縛および安定化することと、
該ポケットを閉じることと、前記レザバーの回腸末端部を前記腹壁および該インプラントを通して引っ張ることと、
前記治癒デバイスを該インプラントに取り付けることと
を含む、方法。
【請求項20】
前記インプラントは、前記治癒デバイスに対してさらに追加の嵌合手段を有したWO2007/099500A1、WO2009/024568A1または欧州特許出願第04077475.4号に開示された構造のうちのいずれか1つを有し、該治癒デバイスは、該インプラントの前記突出部分を囲み、密閉するように閉じるキャップ手段をさらに含み、該キャップ手段は、該インプラントの該嵌合手段への着脱可能取り付けを含む、請求項17、請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記治癒デバイスのキャップ手段は、前記インプラントの外周壁に対して密閉するOリングをさらに含んでおり、該インプラントは、前記被験体の皮膚表面上に静止する治癒プレートを含んでおり、該治癒プレートは、該キャップ手段で補助内部ねじ山に連結する外部ねじ山を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
被験体に自制オストミーに対する経皮ポートを提供するオストミーインプラントであって、該インプラントは、身体管路の外在化された長さを囲み、係合するために被験体の腹壁に位置付け可能であり、該インプラントは、
少なくともその一部が腹壁から外側方向に突出し、端が自由な外リング区域と、腹壁を通って延在し、該インプラントの内部固着のために患者の中に延在する内区域とを含み、該外リング区域および該内区域は共通の軸を有している、本体区域と、
該インプラント本体と係合されることによって、該インプラントが該被験体の腹壁の下に転ずることを防ぐ治癒デバイスであって、該治癒デバイスは、また、該インプラント本体の該突出部分および該自由な端を密閉するように閉じる役割を果たす、治癒デバイスと
を含む、インプラント。
【請求項23】
前記本体は、WO2007/099500A1、WO2009/024568A1または欧州特許出願第04077475.4号に開示される構造のうちのいずれか1つと、前記治癒デバイスに着脱可能取り付きをするための嵌合手段とを有し、該治癒デバイスは、前記インプラントの突出部分を取り囲み、密閉するように閉じるキャップ手段をさらに含み、該キャップ手段は、該インプラント本体の該嵌合手段へ着脱可能取り付きをするための嵌合手段を含む、請求項22に記載のインプラント。
【請求項24】
前記治癒デバイスのキャップ手段は、前記インプラントの外周壁に対して密閉する役割を果たすOリングをさらに含み、該インプラント本体は、前記被験体の皮膚表面上で静止する治癒プレートを含み、該治癒プレートは、該キャップ手段で補助内部ねじ山と連結する外部ねじ山を有する、請求項23に記載のインプラント。
【請求項25】
使用の際に、漿膜組織を有する脈管(例えば、内臓区域)を取り囲み、腹壁の表皮が内方成長メッシュを通って該漿膜組織に直接取り付くことを可能にするように構成されている該内方成長メッシュ構造を含む、経皮オストミーインプラント。
【請求項26】
前記漿膜組織の前記内方成長メッシュへの取り付きは、表皮漿膜接合点の上(外側方向)に延在し得るように配列されている、請求項25に記載のインプラント。
【請求項27】
オストミーを実行する方法であって、該方法は、内方成長メッシュ構造を提供することと、該メッシュ構造を有した漿膜組織を有する脈管(例えば、内臓区域)を取り囲むことと、表皮が該内方成長メッシュを通って該漿膜組織に直接取り付くことを可能にすることとを含む、方法。
【請求項28】
前記メッシュ構造は、漿膜組織の前記内方成長メッシュへの取り付きが、安定した構造を形成するために、表皮漿膜接合点の上に延在するように配列されている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
経皮オストミーインプラントを所与の患者または患者の分類に対して製造する方法であって、該方法は、
外部取り外し可能デバイスを該インプラントに搭載する円柱形部分と、好ましく円柱形な内方成長メッシュと、該インプラントを固定する円形フランジとを提供するステップと、
該円柱形部分および該円形フランジを該内方成長メッシュの反対の端に取り付けるステップと
を含み、該内方成長メッシュは、該インプラントが該患者または患者の分類の一員の腹壁の筋層のすぐ上にそれぞれ移植された場合、表皮が該内方成長メッシュに接触し、該メッシュを通って該インプラントの中の内臓区域の漿膜組織に直接取り付き得るように、寸法が合わせられている、方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−525183(P2012−525183A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507811(P2012−507811)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000851
【国際公開番号】WO2010/125346
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(507139753)
【Fターム(参考)】