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経皮デリバリーシステム
説明

経皮デリバリーシステム

【課題】スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムの提供。
【解決手段】該システムは、被験者に適用したとき一定状態の無痛覚を誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有し、システムからのスフェンタニルの流束に対する剤形速度制御度が高いこと、システムから皮膚を介するスフェンタニルの正味流束が高いこと、優れた剪断時間を示す接着部材である浸透エンハンサーが不要であること、システムからのスフェンタニルの正味流束の変動係数が小さいこと、デリバリー効率が高いこと、及びシステムからのスフェンタニルの定常状態正味流束が実質的に一定であることを含めた1つ以上の特性を有しており、被験者に適用したとき無痛覚を長期間誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを投与するための経皮デリバリーシステムの使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には経皮デリバリーシステムに関し、より具体的にはスフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムに関する。この経皮デリバリーシステムは、鎮痛効果を与えるためにスフェンタニルを個人に対して長期間にわたり投与するために使用され得る。
【背景技術】
【0002】
公知の店頭販売医薬化合物(例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン及び他の非ステロイド系抗炎症性化合物)から新しく開発された化合物(例えば、シクロオキシゲナーゼII阻害剤化合物)に至る範囲の多くの薬剤が疼痛の治療に使用されている。ケシから誘導されるアヘン、ヘロイン及びモルヒネを含めた各種形態のアヘン剤は非常に強力な鎮痛性を有している。アヘン剤は疼痛、特に非常に重症の疼痛を治療するための麻酔用にも広く使用されてきた。これらの天然アヘン剤に加えて、メタドン、フェンタニル及びフェンタニルの類似薬(例えば、スフェンタニル、アルフェンタニル、ロフェンタニル、カルフェンタニル、レミフェンタニル等)を含めた多くの合成オピオイドが現在までに合成されている。オピオイドの中で、モルヒネは低コストで、各種原因による疼痛を緩和する薬物としての能力があり、またこの薬物を扱った多くの経験があるという少なくとも一部の理由から、今でも疼痛管理のための選択薬である。治療上の利点及び薬物を扱った多くの経験があるにもかかわらず、多くの疼痛管理専門家はモルヒネ及び他のオピオイドが長期間疼痛治療を必要とする患者に対して過小にしか処方されていないと考えている。
【0003】
過小処方の1つの理由は、通常オピオイドの長期間投与に伴う副作用のリスク(例えば、アヘン剤耐性、依存性、便秘及び/または他の望ましくない副作用の発生)である(例えば、Moulinら,Can.Med.Assoc.J.,146:891−7(1992)参照)。オピオイドに耐性となった患者は、満足な鎮痛効果を得るために用量を増加させる必要があり、生命を脅かす恐れがある更に望ましくない副作用(例えば、呼吸抑制)の発生の危険にさらされる。投与される用量及び投与期間の長さのような要因に関係する身体依存性は通常オピオイドの投与を中止することによってのみ解決され、その結果非常に痛い禁断症状が発症する。オピオイド投与に関連し得る他の副作用には少ない咳反射、気管支痙攣、悪心、嘔吐、末梢血管拡張、起立性低血圧、心臓に対する迷走神経衝撃、平滑筋(括約筋)の収縮、胃腸管における少ない蠕動運動(例えば、便秘)、尿閉、体温及び睡眠パターンの調節の変化、並びにヒスタミン、アドレナリン及び抗利尿ホルモンの放出が含まれる。呼吸機能に対するネガティブ作用は、特に呼吸機能の抑制を受けやすい術後患者に対し著しい影響を及ぼす。終末期の患者のように副作用に関する懸念以上に疼痛緩和の必要性が深刻な場合でさえも、多くの医者は患者と接する他人が必要以上の薬物を乱用する懸念があり、または薬物を頻繁に処方すると犯罪捜査を招くこともあるのでオピオイドを処方するのを避けている。
【0004】
一般的にオピオイドに関連する上記欠点に加えて、モルヒネはそれ自体も特別の副作用を伴っており、この副作用は特に長期間疼痛治療を受けているかまたは緩和を得るために高用量の薬物を必要とする患者で顕著であり、たまに治療に耐えられないほど重篤である。モルヒネ使用、特に高用量のモルヒネ使用に関連するこれらの副作用の幾つかには悪心、嘔吐及び重度の便秘が含まれる。更に、Sjorgenら(Pain,59:313−316(1994))はモルヒネ使用に関連する痛覚過敏症状(常態では痛くない特定刺激に対する強い応答)、異痛(刺激が常態では痛くないときでも痛いと感じる感覚)及び筋クローヌスを報告している。よって、モルヒネ及びその代謝物はこうした異常な感受性を誘発し得ると仮定された。
【0005】
フェンタニル及びその類似薬は元々麻酔薬として開発され、米国ではバランス全身麻酔における静脈投与を制限する目的で、主麻酔薬として、またはスフェンタニルの場合には分娩・出産中に硬膜外投与するために一般に使用されている。しかしながら、これらの薬物は強力な鎮痛性をも有しており、特定の類似薬に応じてモルヒネよりも数百〜数千倍強力である。幾つかの研究から、フェンタニル及びその類似薬がモルヒネに比して高い力価及び少ない副作用を有しているためにモルヒネの代わりに使用され得ると実際示唆されている(例えば、Sjorgenら,Pain,59:313−316(1994)参照)。しかしながら、フェンタニル及びその類似薬は、経口吸収されず、非常に強力(少量を非常に正確に且つ適切に投与する必要がある)であり、身体での半減期が非常に短いために頻繁に投与する必要があるのでモルヒネよりも投与するのが難しい。このため、オピオイド鎮痛薬をデリバリーするための慣用方法は上記デリバリー要件を満たすには十分でないと見なされている。
【0006】
例えば、フェンタニルは少ない静脈用量で単回投与されてきたが、この投与方法では長期間治療に実際的でないことに加えて、脂肪貯蔵への再分布及び血漿濃度の急速低下のために作用時間が短く、迅速にもとの状態に戻ってしまう。フェンタニル及びスフェンタニルの皮下注入は限定された基準で実験の対象となっているが、この注入法は長期間疼痛治療として実用的でない。例えば、フェンタニル及びスフェンタニルの皮下デリバリーはモルヒネ投与に関連する重大な副作用を被っている少数の患者における代替治療として使用されている。Paixら,Pain,63:263−9(1995)。これらの治療では、薬物は外部注射器ドライバーを用いて比較的低い薬物濃度及び比較的高い容量速度(例えば、3〜40mL/日のオーダー)で皮下スペースに注入された。これらの治療アプローチは、長期間治療には実用的でないとする幾つかの重大な欠点を有している。第1に、外部ソースからの薬物の投与は患者の動き易さに悪影響を与え、よって外来患者には不都合であり、皮下デリバリー部位の感染率が高まり、薬物が違法使用に流用される可能性がある。第2に、大容量の流体を注入すると注入部位に組織損傷または浮腫が生ずることがある。加えて、皮下スペースの吸収能がデリバリーされ得る流体の容量を制限し、この容量制限のために投与され得る薬物の量が制限され得る。
【0007】
オピオイド鎮痛薬をデリバリーするための便利な方法の代替として、経皮パッチ技術及び徐放性インプラント技術が開発された。例えば、フェンタニル経皮パッチは市販されている(DURAGESIC(登録商標),ニュージャージー州タイタスビルに所在のJanssen Pharmaceutica Products)。このフェンタニルパッチは疼痛管理用のための3日製品として提供されており、2.5〜10mgのフェンタニル薬物を含有するシステムで入手可能である。製品はかなりの商業的成功を収めているが、製品が使用している経皮パッチ技術の固有の制限により従来のシステムの代替としては余り理想的でない。最も重大なことは、フェンタニルパッチではフェンタニルの皮膚へのデリバリー速度が3日の適用期間で広く変動し、更に患者間でデリバリーされるフェンタニルの量が大きく変動する。DURAGESIC(登録商標)フェンタニル経皮システムパッケージ・インサート2004。従って、この製品は公称流束(平均皮膚に対して1時間あたりで体循環にデリバリーされるフェンタニルの平均量)値に基づいて滴定した用量を個々の患者に使用している。
【0008】
更に、移植可能な浸透ポンプのスフェンタニル製品(CHRONOGESIC(登録商標),カリフォルニア州キュパーティーノに所在のDurect Corporation)は臨床試験の後期段階にある。スフェンタニルポンプ製品は全移植のために、特に皮下スペースへの全移植のために適しており、よって身体の皮膚バリアーを横断する必要を解消することで、既存の経皮システムで見られるデリバリー変動性の制限が避けられる。スフェンタニルポンプは現在疼痛管理のための3ヶ月製品として提供されており、9〜40mgのスフェンタニル薬物を含有するシステムで試験されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Moulinら,Can.Med.Assoc.J.,146:891−7(1992)
【非特許文献2】Sjorgenら、Pain,59:313−316(1994)
【非特許文献3】Paixら,Pain,63:263−9(1995)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムを提供する。よって、本発明の目的は、皮膚を介するスフェンタニルの高いデリバリー速度を少ないデリバリー変動度で与え、スフェンタニル薬物のデリバリーに対して高度のシステム制御を与えるスフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムを提供することである。
【0011】
より具体的には、本発明の目的は、システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度を制御し、システムから皮膚を介する正味流束が少なくとも約1μg/cm/時であるスフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムを提供することである。このシステムは浸透エンハンサーを含んでいない。
【0012】
剤形速度制御(J/J)は、本発明の1態様では少なくとも約50%であり、他のシステムでは少なくとも約60%であり、更に他のシステムでは少なくとも約65%以上である。剤形速度制御は単独でまたは組み合わせた多種多様のメカニズム/構成要素により与えられ得る。例えば、速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物を用いることにより少なくとも部分的に与えられ得る。或いはまたは加えて、スフェンタニルのシステムからのデリバリーに対して制御を与えるために速度制御膜を使用してもよい。
【0013】
本発明の別の目的は、スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムを提供することである。このシステムはマトリックスタイプの経皮パッチシステムであり、スフェンタニル薬物を含有する感圧性接着性マトリックスを含む。このシステムは浸透エンハンサーを含んでいない。マトリックスの接着性は、システムが剪断時間測定試験を用いて測定して約1〜40分の剪断時間を有するように選択される。
【0014】
本発明の1態様では、接着性マトリックスがシステムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与える。別の態様では、このシステムは該システムからのスフェンタニルの正味流束が実質的に高いことを特徴とする。この点で、特定システムでの該システムから皮膚を介するスフェンタニルの正味流束は少なくとも約1μg/cm/時であるが、他のシステムでの正味流束は少なくとも約1.5μg/cm/時である。特定システムでは、経皮デリバリーシステムの全サイズは接着性マトリックスが約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有するように最小限に維持される。
【0015】
本発明の更に別の目的は、スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムを提供することである。このシステムは、システムからの皮膚を介するスフェンタニルの正味流束を少なくとも約1μg/cm/時としながら、システムからのスフェンタニルの流束に対して少なくとも約50%の剤形速度制御(J/J)を与える。このシステムは浸透エンハンサーを含んでいない。
【0016】
本発明の1態様では、システムからのスフェンタニルの流束に対する剤形速度制御(J/J)はより高くてもよく、例えば少なくとも約60%であり、更に他のシステムでは剤形速度制御は少なくとも約65%である。これらのシステムでは、剤形速度制御は単独でまたは組み合わせて多種多様のメカニズム/構成要素により与えられ得る。例えば、剤形速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物を用いることにより少なくとも部分的に与えられ得る。或いはまたは加えて、スフェンタニルのシステムからのデリバリーに対して制御を与えるために速度制御膜を使用してもよい。本発明のシステムでは高度にシステム制御されるが、いずれも浸透エンハンサーを使用することなく、特定システムはシステムから皮膚を介して少なくとも約1.5μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を与えることができ、更に他のシステムは約2μg/cm/時の正味流束を与えることができる。
【0017】
本発明の更なる目的は、浸透エンハンサーを使用することなくシステムからスフェンタニルの高い正味流束を与えることができ、正味流束の変動係数(ΔJ/J)が低く、約50%以下に維持されるスフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムを提供することである。被験者に適用したとき、このシステムは、システムからの皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を正味流束の変動係数が約50%以下のように非常に低い該システムからの正味流束の変動度で与える。このシステムは浸透エンハンサーを含んでいない。
【0018】
本発明の1態様では、低変動性システムは更にシステムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与える。より具体的には、特定システムでは、更に該システムからの正味流束の変動度を非常に低く保ちながら該システムからのスフェンタニルの流束に対して少なくとも約50%の剤形速度制御(J/J)を与えることができる。特定システムでは、該システムからのスフェンタニルの流束に対する剤形速度制御(J/J)はより高くてもよく、例えば少なくとも約60%であり、更に他のシステムでの剤形速度制御は少なくとも約65%である。剤形速度制御は単独でまたは組み合わせて多種多様のメカニズム/構成要素により与えられ得る。例えば、剤形速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物及び/または速度制御膜を用いることにより少なくとも部分的に与えられ得る。本発明のシステムからの正味流束の変動度は低いにかかわらず、いずれも浸透エンハンサーを使用することなく、特定システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1.5μg/cm/時のオーダーのスフェンタニルの高い正味流束を与えることができ、更に他のシステムは約2μg/cm/時の正味流束を与えることができる。
【0019】
本発明の更なる目的は、被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するために使用され得、治療期間終了時のデリバリー効率が少なくとも約50%、より好ましくは約60%、更に好ましくは70%である、すなわちスフェンタニルの最高約70%が被験者に対して3日間にわたりデリバリーされる小型システムを提供することである。従って、スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムが提供される。このシステムは、被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有しているリザーバを含む。このリザーバは接着性または非接着性マトリックスであり得、乾燥非水和状態での厚さが約1.25〜5ミルである。このシステムでは、被験者に3日間以上適用した後リザーバからのスフェンタニルの(薬物)デリバリー効率は少なくとも約70%までである。
【0020】
本発明の1態様では、5日間の終了時のデリバリー効率を少なくとも約70%に維持しながらリザーバは被験者に適用したとき無痛覚を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有しており、更に他のシステムは7日間の終了時のデリバリー効率を少なくとも約70%に維持しながらリザーバは被験者に適用したとき無痛覚を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している。特定の他のシステムでは、デリバリー効率は適用期間の終了時少なくとも約80%である。本発明の高効率経皮デリバリーシステムの全システムサイズをできる限り小型化することが好ましい。従って、本発明の特定の態様では、高効率システムは約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有するリザーバを含む。更に別の態様では、高効率システムは実質的に小さいリザーバ容量、例えば約0.2ml以下の容量を有する。特定システムでのリザーバ容量は約0.0025〜0.154mlである。
【0021】
本発明の別の目的は、スフェンタニルがバッキング層に接着させた接着性マトリックス中に含有されているモノリシック経皮デリバリーシステムを提供することである。従って、スフェンタニルを皮膚を介して投与するためのモノリシック経皮デリバリーシステムが提供される。このシステムは、感圧性接着性マトリックスにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量のスフェンタニルを含有している感圧性接着性マトリックスを含む。システムを被験者に適用したとき、このシステムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束を少なくとも約24時間与える。このシステムは浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいない。本発明の特徴は、浸透エンハンサーも速度制御膜も使用せず、上記の高い基準に見合うことができる高い正味流束システムを与えることができ、定常状態に達したときにシステムは該システムからのスフェンタニルの一定の定常状態流束を長時間与えるためにシステムが実質的に0次放出を達成するような少なくとも一次放出速度プロファイルを示す。特定システムにおいてシステムは、皮膚を介して該システムから少なくとも約1μg/cm/時の実質的に一定なスフェンタニルの定常状態正味流束を、少なくとも約36時間与える。
【0022】
本発明の1態様では、特定システムは該システムから皮膚を介してスフェンタニルのより高い定常状態正味流束、例えば幾つかのシステムでは少なくとも約1.5μg/cm/時、他のシステムでは約2μg/cm/時の正味流束を与えることもできる。特定システムでは、経皮デリバリーシステムの全体サイズは、接着性マトリックスが約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有するように最小限に保たれる。
【0023】
本発明の更なる目的は、スフェンタニルを皮膚を介して投与するためのモノリシック経皮デリバリーシステムを提供することである。このシステムは、感圧性接着性マトリックスにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量のスフェンタニルを含有している感圧性接着性マトリックスを含む。システムを被験者に適用したとき、システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を与える。このシステムは該システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与えるが、浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいない。前記システムにおいて、スフェンタニルはデポ剤として提供され、よってシステム中に溶解及び非溶解スフェンタニルの両方が存在するようにシステムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量でシステム中に存在している。
【0024】
本発明の1態様では、システムから実質的に高い正味流束速度を与えながらもシステムからのスフェンタニルの流束に対する剤形速度制御(J/J)は少なくとも約50%である。特定システムでは、該システムからのスフェンタニルの流束に対する剤形速度制御(J/J)はより高くてもよく、例えば少なくとも約60%でもよく、他のシステムでの剤形速度制御は少なくとも約65%である。剤形速度制御は単独でまたは組み合わせて多種多様のメカニズム/構成要素により与えられ得る。例えば、剤形速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物及び/または速度制御膜を用いることにより少なくとも部分的に与えられ得る。浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいないにもかかわらず、特定システムでは該システムから皮膚を介して少なくとも約1.5μg/cm/時のオーダーのスフェンタニルのより高い正味流束を与えることができ、他のシステムでは約2μg/cm/時の正味流束を与えることができる。
【0025】
本発明の更に別の目的は、少なくとも約48時間の単回投与期間中はスフェンタニルのデリバリー速度が実質的に一定であり、前記一定のデリバリー速度は当該投与期間中約1.8以下の最大/最小比を有する血漿スフェンタニル濃度を確立し、維持するのに十分である、生きている被験者の皮膚を介してスフェンタニルを投与するための経皮デリバリーシステムを提供することである。
【0026】
本発明の1態様では、経皮デリバリーシステムからのスフェンタニルのデリバリー速度は実質的に0次である。本発明の他の態様では、スフェンタニルのデリバリー速度は投与期間にわたり全体としての減少または増加が約5〜6%であることを特徴とし、スフェンタニルのデリバリー速度は投与期間にわたり全体としての減少または増加が実質的にないことが好ましい。本発明の経皮デリバリーシステムは、定常状態で少なくとも約1〜10μg/時のデリバリー速度を与えることができ、投与期間は少なくとも約48時間〜7日間である。ある実施態様では、システムからの皮膚を介する正味流束は少なくとも約1μg/cm/時であり、システムは浸透エンハンサーを含んでいない。本発明の他の態様では、システムは剪断時間測定試験を用いて測定して約1〜40分の剪断時間を有する。更に別の態様では、システムは該システムからのスフェンタニルの流束に対して少なくとも約50%の剤形速度制御(J/J)及び該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時の正味流束を与える。別の態様では、システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を約50%以下の変動係数(ΔJ/J)で与えるか、またはシステムは感圧性接着性マトリックスにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量のスフェンタニルを含有している感圧性接着性マトリックスを含むモノリシックシステムであり、本発明のシステムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束を少なくとも約24時間与える。更に別の態様では、システムは感圧性接着性マトリックスにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量のスフェンタニル活性薬物を含有している感圧性接着性マトリックスを含むモノリシックシステムであり、システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時の正味流束を与え、該システムからのスフェンタニルの流束に対する剤形制御はシステムそれ自体により与えられる。好ましくは、上記のシステムは浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいない。
【0027】
本発明の作用効果は、経皮デリバリーシステムが被験者において3〜7日間持続して無痛覚を与えることができることである。本発明の別の作用効果は、用量及びサイズが異なるものを多数提供するようにシステムが容易に構築されることであり、更に優先的な薬理学的放出特性及びプロファイルを与えることができることである。本発明の更なる作用効果は、システムにより与えられるシステム制御によりデリバリーされるスフェンタニルの血漿濃度を最大に制御することができ、従って治療効果が得られることである。
【0028】
本発明の上記及び他の目的、態様及び作用効果は本明細書の開示から当業者は容易に分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の経皮デリバリーシステムの断面図を示す。
【図2】本発明の別の経皮デリバリーシステムの断面図を示す。
【図3】本発明の経皮デリバリーシステムを得るための作製方法の概略図を示す。
【図4】本発明の経皮デリバリーシステムを用いた実施例1のインビトロ皮膚流束研究の結果を示す。
【図5A】本発明の経皮デリバリーシステムを用いた実施例2のインビトロシステム流束研究の結果を示す。
【図5B】本発明の経皮デリバリーシステムを用いた実施例2のインビトロシステム流束研究の結果を示す。
【図6】1.42cmの薬物放出界面表面積を有する経皮デリバリーシステムを用いた実施例3の薬物動態学的研究の結果を示す。
【図7】“薄い”経皮デリバリーシステムを付けた試験被験者について実施例4で測定したスフェンタニル血漿レベルを示す。
【図8】“厚い”経皮デリバリーシステムを付けた試験被験者について実施例4で測定したスフェンタニル血漿レベルを示す。
【図9】実施例4の4つすべての試験群についての平均スフェンタニル血漿レベルを示す。
【図10】2cmの及び8cmの“薄い”及び“厚い”経皮デリバリーシステムを用いた実施例5のIVIVC研究で得たインビトロ累積放出データ(通気性オーバーレイを含む)を示す。
【図11】2cmの及び8cmの“薄い”及び“厚い”経皮デリバリーシステムを用いた実施例5のIVIVC研究で得たインビボ入力データを示す。
【図12】2cmの及び8cmの“薄い”及び“厚い”経皮デリバリーシステムを用いた実施例5のIVIVC研究で得たインビトロ及びインビボ累積放出データを示す。
【図13】2cmの“薄い”及び“厚い”経皮デリバリーシステムを用いた実施例5のIVIVC研究で得たインビトロ及びインビボ累積放出データを示す。
【図14】8cmの“薄い”及び“厚い”経皮デリバリーシステムを用いた実施例5のIVIVC研究で得たインビトロ及びインビボ累積放出データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を詳細に説明する前に、本発明は具体的に例示されている材料または方法パラメーターそのものに限定されず、よって勿論変更可能であると理解される。本明細書中で使用した技術用語は、本発明の具体的実施形態を説明することのみを目的としており、これに限定されるとは解釈されないとも理解される。
【0031】
本明細書中に上記または下記して挙げられている刊行物及び特許文献は参照により本明細書に組み入れられる。
【0032】
本明細書及び請求の範囲中で使用される場合、単数形は、内容が他の方法で明確に指示されていない限り、複数形を含むことに留意すべきである。よって、例えば「ポリマー」の言及は2つ以上の分子の混合物を含み、「溶媒」の言及は2つ以上の組成物の混合物を含み、「接着剤」の言及は2つ以上の材料の混合物を含み、その他諸々である。加えて、本明細書及び請求の範囲中に特定の範囲が規定されている場合、修飾語「約」の使用はこの範囲で規定される値または量のすべてに適用される。よって、「約1〜12重量%」という言い回しは「約1〜約12重量%」を意味し、「約1〜10cm」という言い回しは「約1〜約10cm」を意味し、その他諸々である。
【0033】
本発明の目的は、スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムを提供することである。
【0034】
スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムは、最初1987年にGaleらの米国特許第4,588,580号において示唆された。Galeらの特許は、市販されているDURAGESIC(登録商標)フェンタニル経皮パッチ製品中に使用されている経皮パッチ技術を特許請求している。その後20年にわたり、広範囲の経皮デリバリー手法、経皮パッチ設計及び成分、並びに経皮デリバリー技術に関して実に数千件の特許が出願された。これらの新しい特許出願の多くは、Galeら特許のようにスフェンタニルパッチに対する示唆を含んでいたが、これらの示唆は適切なスフェンタニルシステムを実際設計する方法の授権的開示内容を提供するというよりは冗長な薬物のリスト中にスフェンタニル薬物を含めることにより与えられている。しかしながら、20年も前から示唆されているにもかかわらず、臨床試験に入ったスフェンタニルパッチは今までにない。
【0035】
フェンタニルパッチの商業的成功及び特許文献からの一定の示唆があるにもかかわらず、製薬研究及び開発並びに臨床状況からスフェンタニル経皮システムが明らかに存在していないことは、一般的には経皮デリバリー、特にスフェンタニル薬物に関する多数の要件に起因し得る。これらの要件のすべては経皮業界で十分に認識されている。まず、すべての経皮デリバリーシステムは薬物の経皮吸収に対する天然バリアーを解消しなければならず、そのバリアー機能は皮膚が元々備えているものである。特定の薬物の物理的及び化学的特性により、薬物が経皮吸収により皮膚バリアー(表皮)を横切って移動し得る程度は影響を受け、よって薬物はその皮膚透過性または表皮透過性により特徴づけられ得る。高い皮膚透過度を示す薬物は経皮デリバリーシステムの良好な候補であり、低い皮膚透過度しか示さない薬物は通常良好な候補でないと見なされる。
【0036】
特定薬物に対するヒト皮膚透過性も非常に大きく変動する。実際、皮膚透過性は領域毎に(例えば、大腿からの皮膚は胸部からの皮膚とは異なる透過性を有し、これらの透過性はいずれも腕からの皮膚と異なる)、個人により(例えば、異なる個人からの皮膚は異なる透過性を有する)、及び更には同一領域でも特定の部位により(例えば、特定の個人の前腕上の異なる部位からの皮膚は異なる透過性を有する)かなり変動することは公知である。L.A.Goldsmith編,“Physiology,Biochemistry,and Molecular Biology of the Skin”,第2版,p.1447−1479,英国オックスフォードに所在のオックスホード大学出版(1991年)発行中のShawら。これらの変動は70%くらいと報告されている。従って、皮膚バリアーを解消するだけでなく、経皮デリバリーシステム設計は薬物が皮膚を横断できる程度における広い変動も考慮しなければならない。
【0037】
経皮デリバリーシステムにおける別の固有の特徴は、システムが薬物を放出する皮膚表面積(標的表面または薬物放出界面)とシステムからデリバリーされ得る薬物の量の関係に関する。経皮デリバリーシステムは治療中、標的表面との均密な接触を維持していなければならない。従って、実際には経皮システムのサイズには上限があり、これは所与のパッチが個人による通常の屈曲及び運動に応答して標的表面から持ち上げられ、剥がれやすくなってしまうサイズにより規定される。合理的な経皮パッチのサイズは通常約40cm以下の薬物放出界面表面積を有している。しかしながら、経皮デリバリーシステムのサイズをこのように制限すると、該システムからデリバリーされ得る薬物の量が制限される。従って、乏しい皮膚透過性を有する薬物の場合、薬物のデリバリー速度を許容できるレベルまでに上げるためには通常パッチサイズを大きくしなければならない。
【0038】
スフェンタニル薬物それ自体の特徴に関して、スフェンタニルが非常に高い力価を有していることは公知であり、フェンタニルよりも7.5〜15倍強力であると報告されている。Galeらの米国特許第4,588,580号参照。また、スフェンタニルは比較的狭い治療指数を有し、非常に高い力価を有しているが故に過剰投与時死に至る恐れがあるかなり望ましくない副作用を発現する。スフェンタニルの皮膚透過性は非常に低く、例えばGaleらの特許ではフェンタニルは乏しい皮膚透過性を有しており、スフェンタニルはフェンタニルよりも更に低い透過性を有していることが指摘されており、Venkatramanらの米国特許出願公開第2003/0026829号にはスフェンタニルの皮膚透過性がフェンタニルよりも50〜75%少ないことが指摘されている。従って、経皮に関する当業者はスフェンタニル経皮デリバリーシステムを設計する際に矛盾する選択に直面している。スフェンタニルの皮膚透過性が乏しいために、所与のシステムからデリバリーされ得るスフェンタニルの量は過度に少ないと予想される。これより、例えばスフェンタニルの狭い治療指数に適合するのに十分な速度までデリバリーを増加させるには例えば浸透エンハンサーを使用することによりスフェンタニル皮膚透過性を向上させるための技術を採用しなければならないと示唆される。しかしながら、スフェンタニルの副作用プロファイルから、過剰投与の可能性があるためにデリバリー速度を制限したシステムを設計するという完全に相反することが示唆される。
【0039】
上記スフェンタニルに関して考慮すべき特殊な設計要件に、経皮デリバリーシステム性能に関して考慮すべき要件、例えば皮膚変動の影響を減らさなければならないことを組み合わせるとしたら、有効なスフェンタニル経皮デリバリーシステムが今までに開発されなかったことは当然である。当業者は上に検討した設計懸案を残しており、経皮スフェンタニルシステムについて2つのアプローチが示唆され、これが20年たっても残っており、問題に対して2つの類似のアプローチを与えている。スフェンタニルシステムについての第1の示唆はGaleらの米国特許第4,588,580号に記載されている。この文献において、Galeらはフェンタニル及びスフェンタニルの皮膚透過性が低いことを指摘している。Galeらより与えられたシステム設計に関する2つの示唆は、薬物を連続的にデリバリーし、システム制御を持たない(その代わりに、薬物の入力速度を制御するために皮膚透過性に依存している)マトリックスタイプシステムを提供するか、または好ましくは薬物を皮膚を介してデリバリーする最大速度をシステムそれ自体が制御するシステムを提供することであった。システム制御を与える第2の設計では、Galeらは皮膚浸透エンハンサーを用いて皮膚を介する薬物(フェンタニルまたはスフェンタニル)の流束を実質的に増加させなければならないと教示している。Galeらからの第2の示唆を使用して、システム制御パッチを提供すべくフェンタニル薬物のリザーバに速度制御膜が設けられているDURAGESIC(登録商標)経皮フェンタニルシステムを設計した。アルコールが浸透エンハンサーとしてリザーバに添加されており、ここでアルコールは速度制御膜を介するフェンタニル流束を強化し、フェンタニルに対する皮膚透過性を高めるべく機能する。この特定の設計により、(浸透エンハンサーが添加されているために)フェンタニル薬物を許容できる高速でデリバリーできるが、正味デリバリーがなお特に個人間予想から大きく変動する経皮デリバリーシステム(DURAGESIC(登録商標)Fentanyl Transdermal System Package Insert,2004)が提供される。フェンタニルシステムでは個人間変動は許容できるのに対して、スフェンタニルシステムでは安全性を考慮すると許容できないであろう。Galeらが示唆している他の代替システム、すなわちデリバリー速度を制御するために皮膚透過性にのみ依存するシステムもスフェンタニルシステムに関して許容できないほど高い変動度を有している。
【0040】
スフェンタニル経皮デリバリーシステムに関して2番目に示唆されているアプローチは、Galeらの報告からほぼ20年たってVenkatramanらの米国特許出願公開第2003/0026829号において提供された。この文献において、Venkatramanらはフェンタニル及びスフェンタニルの皮膚透過性が低いことを指摘しており、特にスフェンタニルの皮膚透過性はフェンタニルよりも50〜75%低いと指摘していた。また、安全性プロファイルのためにフェンタニル及びスフェンタニル薬物は注意深く取り扱わなければならないことも指摘された。スフェンタニルに関して示唆されているシステム設計は飽和以下のシステム(スフェンタニル薬物は特定システムにおけるスフェンタニル薬物の溶解限界以下の量で存在している)モノリシックマトリックスを使用しており、このシステムは速度制御されない。従って、Venkatramanらの経皮システムでは、該システムにおけるスルフェンタニル薬物の飽和レベルに比例した低速度でスフェンタニル薬物を投与することが想定され、デリバリー速度の制御については皮膚透過性に依存している。このアプローチは、一般的にはGaleらが示唆している第1アプローチ、すなわち速度制御されないシステムである。Venkatramanらは、飽和システム(例えば、デポ剤システム)は高いデリバリー速度を与えるが、それでもその飽和以下システムを選択しなければならないと教示している。Venkatramanらのシステムからのスフェンタニルのデリバリーに関するインビトロデータの検討から、正味流束は低く(2〜11%のスフェンタニルを含有するシステムの場合、正味流束は0.1〜0.9μg/cm/時である)、更に正味デリバリーは実質的に変動することが分かる。ここで再び、前記変動はフェンタニル経皮システムでは問題ないが、スフェンタニル経皮デリバリーシステムでは不適当であると考えられている。
【0041】
本出願人は、今回これらの過去に示唆されているアプローチを大きく逸脱させた
スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムを開発した。このシステムは、皮膚を介したシステムからの高い全正味流束を特に少ない変動(変動係数)で有するにもかかわらず、システムからのスフェンタニルのデリバリーに対して高度のシステム制御(剤形速度制御)を有することを特徴としている。本発明のデリバリーシステムは驚くことに浸透エンハンサーを使用せずに上記した性能特徴を与えることができる。
【0042】
Prescottら編,“Rate Control in Drug Therapy”,p.65−70,エジンバラに所在のChurchill Livingstone(1985年)発行中のShawら,“Transdermal Dosage Forms”から、速度制御された経皮デリバリーシステムでは正味流束(J)、皮膚を介する流束(J)及び剤形からの流束(J)の関係が
【数1】

【0043】
(式I)
により表され得ることは公知である。
【0044】
剤形から皮膚を介する正味流束の変動(ΔJ/J)、皮膚流束の変動(ΔJ/J)、(J/J)として定義されるシステムにより与えられる剤形速度制御の程度の関係は下記式:
【数2】

【0045】
(式II)
により表され得る。
【0046】
式I及び式IIで表される関係から分かるように、経皮デリバリーシステムでは、高度の剤形速度制御を発揮する能力により、皮膚流束変動が剤形から皮膚を介する正味流束の変動に及ぼし得る影響が実質的に解消され得る。本発明の経皮デリバリーシステムは高度の剤形速度制御を与えるように設計されている。従って、本発明の1実施形態で、皮膚を介してスフェンタニルを投与するための経皮デリバリーシステムが提供される。このシステムは、該システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御及び該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時の正味流束を与える。このシステムは浸透エンハンサーを含んでいない。本発明の特定のシステムでは、剤形速度制御(J/J)は少なくとも約50%であり、他のシステムでは少なくとも約60%、更に他のシステムでは少なくとも約65%以上である。剤形速度制御は単独でまたは組み合わせた多種多様のメカニズム/構成要素により与えられ得る。例えば、速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物を用いることにより少なくとも部分的に与えられ得、前記マトリックスを構築するために使用される材料は、経皮デリバリーシステムからのスフェンタニル薬物のデリバリーに対して制御を与えるように選択される。或いはまたは加えて、システムからのスフェンタニルのデリバリーに対して制御を与えるために速度制御膜を使用してもよい。
【0047】
本発明の経皮デリバリーシステムにおいて、スフェンタニル薬物は全システムの約1〜20重量パーセント(wt%)の量、好ましくは約1〜20wt%の量、より好ましくは約1〜12wt%の量で該システムに存在し得る。特定のシステムでは、スフェンタニルはデポ剤として提供され、よってシステム中に溶解及び非溶解スフェンタニルの両方が存在するようにシステムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量でシステム中に存在している。経皮デリバリーシステムはいずれの場合も、該システムを被験者の皮膚に適用したときに約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える十分な量のスフェンタニル薬物を含んでいる。本発明の特定の他のシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したときに約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与え、更に他のシステムは約1〜2μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えることができる。
【0048】
本発明の経皮デリバリーシステムは、被験者の皮膚に適用したときに、被験者において適当な無痛覚状態を3日間以上誘導し、維持するために使用され得るように十分な量のスフェンタニルを含有している。他のシステムは、被験者において適当な無痛覚状態を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有し、更に他のシステムは被験者において適当な無痛覚状態を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している。
【0049】
本発明の経皮デリバリーシステムを長期間使用することを意図する場合、そのシステム設計に対して考慮すべき要件は更にある。特に、経皮デリバリーシステムは治療中、標的表面(薬物放出接触表面)と緊密に接触し続けなければならない。不十分な接着性を有する及び/または余りに硬直で可撓性でないシステムは、標的皮膚表面からずれやすく、よってシステムからのスフェンタニルのデリバリーの意図する速度が遮断されるか、または少なくとも遅くなる。余りに大きいパッチも個人による通常の屈曲及び運動に応答して標的表面から持ち上げられ、剥がれやすい。加えて、システムの接着性には、通常の日常活動(例えば、入浴及びシャワー)及び運動または労作による発汗から生ずる皮膚水和の変化を考慮しなければならない。
【0050】
従って、本発明に従って経皮デリバリーシステムを構成する際に使用される材料は、標的皮膚表面とシステムの薬物放出界面の接触が、皮膚部位が通常の運動、伸長及び屈曲する間も維持されるように、適当なドレープ、すなわち可撓性を有するパッチを提供するように選択される。モノリシックマトリックスタイプシステム(スフェンタニルを接着性担体組成物、例えば感圧性接着剤と混合して、スフェンタニルに対する担体マトリックス及び標的皮膚表面に対してシステムを貼着する手段を備えている)として提供される経皮デリバリーシステムでは、接着剤は本発明のシステムに適していると見なされる特定時間内の剪断時間を有するように選択される。
【0051】
より具体的には、剪断時間測定試験を利用して、本発明に従って構成したモノリシック経皮デリバリーシステムの接着性を評価することができる。剪断時間測定試験は以下のよう実施される。スチール板から形成したバーを用意する。このバーを水平面上に置き、バーの表面を適当なアルコールティッシュを用いて(通常メタノールを用いて3回)清浄し、乾燥させる。1/2インチ幅のサンプル経皮パッチを用意する。バーとの接触が1/2インチ×1/2インチになるようにサンプルパッチの第1端をバーの清浄表面に置く(サンプルをバーの底面から1/2インチ離れた表面に適用する)。サンプルパッチの第2端はバーの下に自由に垂らす。重りホルダーをサンプルパッチの自由端に取り付ける。次いで、バーに接着しているパッチとバーの面が完全に垂直であるようにバーを支持構造物を用いて適当な高さでつり下げる。この組立て手順の間に、サンプルパッチに剥離力を加えないように注意する。次いで、サンプルパッチの自由端の重りホルダーに100gを注意深く取り付け、サンプルパッチが垂直試験バーの面から完全に剥がれるのに要した時間を記録することにより試験を実施する。剪断時間測定試験により測定した適当な剪断時間から、サンプル接着剤系は適当な皮膚接着性及び適当な冷流動性を有していることが分かる。剪断時間測定試験の合格点の試験結果は約1〜40分である。長時間接着するパッチは通常皮膚表面に非常にしっかりと接着しており、通常の動作の影響下でずれない。短時間しか接着しないパッチは、適所に保持するのに適した接着性を有していない。好ましい実施形態では、接着剤系は約2〜20分、より好ましくは約5〜15分の剪断時間測定試験結果を有するべきである。
【0052】
従って、本発明の実施形態で、スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムが提供される。本発明のこのシステムはマトリックスタイプの経皮パッチシステムであり、スフェンタニル薬物を含有している感圧性接着性マトリックスを含む。このシステムは浸透エンハンサーを含んでいない。前記マトリックスの接着性は、システムが剪断時間測定試験で測定して約1〜40分の剪断時間を有するように選択される。このシステムでは、接着性マトリックスは該システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与える。このシステムは、該システムからのスフェンタニルの正味流束が実質的に高いことを特徴とする。この点で、特定のシステムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を与え、他のシステムは少なくとも約1.5μg/cm/時の正味流束を与える。特定の好ましいシステムでは、経皮デリバリーシステムの全サイズは、接着性マトリックスが約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有するように最小限に維持される。特定のシステムにおいて、スフェンタニル薬物は全システムの約1〜20重量パーセント(wt%)の量、好ましくは約1〜12wt%の量で存在し得る。特定の他のシステムでは、スフェンタニルはデポ剤として提供され、よってシステム中に溶解及び非溶解スフェンタニルの両方が存在するようにシステムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量でシステム中に存在している。経皮デリバリーシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えるのに十分な量のスフェンタニル薬物を含んでいる。本発明の特定の他のシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与え、更に他のシステムは約1〜2μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えることができる。
【0053】
本発明の接着性経皮デリバリーシステムは、被験者の皮膚に適用したとき被験者において適当な無痛覚状態を3日間以上誘導し、維持するために使用され得るように十分な量のスフェンタニルを含有している。他のシステムは被験者において適当な無痛覚状態を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有しており、更に他のシステムは被験者において適当な無痛覚状態を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している。
【0054】
1つの特定の実施形態で、本発明の接着性経皮デリバリーシステムは、いずれもが約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有する接着性マトリックスを有しているが用量が異なる経皮パッチが寸法的に階層化されたファミリーとして提供される。例えば、ファミリーはそれぞれ2、4、6及び8cmの薬物放出界面表面積を有する4つのパッチを含み得、これらのパッチはそれぞれ1、2、3及び4mgのスフェンタニル薬物を含有している。この場合、これらのパッチのサイズは健康サービス業者に対して視覚的手がかりを与えることで、不適切な用量のスフェンタニルを含有している経皮デリバリーシステムが誤って適用されることを多分避けられる。加えて、重ね用量(nested doses)を個人に都合よく投与することができ、ファミリーのうち1つ以上のサイズ別パッチを簡単に適用/除去して用量の段階的漸増/漸減をなすことができる。本発明の接着剤系が示す優れた接着性により、用量を現場で減少させることができ、特定のパッチ(例えば、4mgのスフェンタニルを含有している8cmパッチ)を半分、三等分または四等分に分けて、小さいサイズ、よってより少ない用量のスフェンタニルを有する十分に作用可能な種々のパッチ(例えば、2mgのスフェンタニルを含有する4cmパッチ、または1mgのスフェンタニルを含有する2cmパッチ)を得ることができる。この点で、特定のパッチをより小さいサイズ及び用量の2つ以上のパッチに正確に分けるのを容易にすべく、対象パッチの裏にしるしを付けてもよい。
【0055】
本発明の経皮デリバリーシステムの驚くべき特徴は、浸透エンハンサーを使用せずに高いシステム制御及びシステムからのスフェンタニルの高い正味流束を与えることができることである。更に驚くことは、高いシステム制御及びスフェンタニルの正味流束を示す経皮デリバリーシステムが小型で、通常従来の経皮システムのサイズの約20%のオーダーで提供され得ることである。従って、1実施形態では、皮膚を介してスフェンタニルを投与するための経皮デリバリーシステムが提供される。このシステムは、皮膚を介する該システムからのスフェンタニルの正味流束を少なくとも約1μg/cm/時としながら、該システムからのスフェンタニルの流束に対して少なくとも約50%の剤形速度制御(J/J)を与える。このシステムは浸透エンハンサーを含んでいない。特定のシステムでは、システムからのスフェンタニルの流束に対する剤形速度制御(J/J)はより高くてもよく、例えば少なくとも約60%であり、更に他のシステムでの剤形速度制御は少なくとも約65%である。本発明の他のシステムのように、剤形速度制御は単独でまたは組み合わせた多種多様のメカニズム/構成要素により与えられ得る。例えば、剤形速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物を用いることにより少なくとも部分的に与えられ得、マトリックスを構築するために使用される材料は経皮デリバリーシステムからのスフェンタニル薬物のデリバリーを制御するように選択される。或いはまたは加えて、システムからのスフェンタニルのデリバリーを制御するために速度制御膜を使用してもよい。本発明のシステムではこれほど高度にシステム制御されているにもかかわらず、特定のシステムは、いずれも浸透エンハンサーを使用することなく、該システムから皮膚を介して少なくとも約1.5μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を与えることができ、更に他のシステムは約2μg/cm/時の正味流束を与えることができる。
【0056】
特定の高いシステム制御/高い正味流束システムにおいて、スフェンタニル薬物は全システムの約1〜20重量パーセント(wt%)の量、好ましくは約1〜12wt%の量で存在し得る。特定の他のシステムでは、スフェンタニルはデポ剤として提供され、よってシステム中に溶解及び非溶解スフェンタニルの両方が存在するようにシステムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量でシステム中に存在している。経皮デリバリーシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えるように、十分な量のスフェンタニル薬物を含んでいる。本発明の特定の他のシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与え、更に他のシステムは約1〜2μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えることができる。
【0057】
本発明の高いシステム制御/高い正味流束経皮デリバリーシステムは、被験者の皮膚に適用したときその被験者において適当な無痛覚状態を3日間以上誘導し、維持するために使用され得るように十分な量のスフェンタニルを含有している。他のシステムは被験者において適当な無痛覚状態を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有し、更に他のシステムは被験者において適当な無痛覚状態を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している。
【0058】
本発明の経皮デリバリーシステムの別の驚くべき特徴は、浸透エンハンサーを使用せずに該システムからスフェンタニルのこれほど高い正味流束を与えることができ、正味流束の変動係数(ΔJ/J)が低く、約50%以下に保持されていることである。更に驚くことは、スフェンタニルのこれほど高い正味流束及び正味流束のこれほど小さい変動を示す経皮デリバリーシステムがこれほど小型で、通常従来の経皮システムのサイズの約20%のオーダーで提供され得ることである。従って、1実施態様で、スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムが提供される。被験者に適用したとき、システムは、正味流束の変動係数(ΔJ/J)が約50%以下であるようにシステムからの正味流束の変動係数を非常に低くして、該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を与える。このシステムは浸透エンハンサーを含んでいない。
【0059】
特定の好ましい低変動性システムでは、本発明のシステムは更に該システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与える。より具体的には、特定のシステムは更に該システムからのスフェンタニルの流束に対して少なくとも約50%の剤形速度制御(J/J)を与えることができ、しかも該システムからの正味流束の変動度は非常に低い。特定のシステムでは、システムからのスフェンタニルの流束に対する剤形速度制御(J/J)はより高くてもよく、例えば少なくとも約60%であり、更に他のシステムでの剤形速度制御は少なくとも約65%である。本発明の他のシステムのように、剤形速度制御は単独でまたは組み合わせた多種多様のメカニズム/構成要素により与えられ得る。例えば、剤形速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物及び/または速度制御膜を用いることにより少なくとも部分的に与えられ得る。本発明のシステムからの正味流束の変動度は低いにもかかわらず、いずれも浸透エンハンサーを使用せずに、特定システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1.5μg/cm/時のオーダーのスフェンタニルのより高い正味流束を与えることができ、更に他のシステムは約2μg/cm/時の正味流束を与えることができる。
【0060】
特定の低い変動性/高い正味流束システムでは、スフェンタニル薬物は全システムの約1〜20重量パーセント(wt%)の量、好ましくは約1〜12wt%の量で存在し得る。特定の他のシステムでは、スフェンタニルはデポ剤として提供され、よってシステム中に溶解及び非溶解スフェンタニルの両方が存在するようにシステムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量でシステム中に存在している。経皮デリバリーシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えるのに十分な量のスフェンタニル薬物を含んでいる。本発明の特定の他のシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与え、更に他のシステムは約1〜2μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えることができる。
【0061】
本発明の低い変動性/高い正味流束経皮デリバリーシステムは、被験者の皮膚に適用したときその被験者において適当な無痛覚状態を3日間以上誘導し、維持するために使用され得るように十分な量のスフェンタニルを含有している。他のシステムは被験者において適当な無痛覚状態を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有しており、更に他のシステムは被験者において適当な無痛覚状態を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している。
【0062】
本発明の経皮デリバリーシステムのさらに別の驚くべき特徴は、被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するために非常に小型のシステムが使用され得、治療期間の終了時のデリバリー効率は少なくとも約70%であり、すなわちスフェンタニルの少なくとも約70%が3日間かけて被験者にデリバリーされる。所与の経皮デリバリーシステムの任意の時点でのデリバリー効率、すなわちシステム効率は、実質的に0次でシステムからデリバリーされるスフェンタニルの量を投与開始時にシステム中に含有されていたスフェンタニルの総量で割ることにより求められ得る。加えて、新しいシステム中に含有されているスフェンタニルの量は公知であるので、例えば3日間の投与期間後に被験者から外した所与パッチのデリバリー効率は、システム中に残存しているスフェンタニルを抽出してスフェンタニルの残存量を測定し、その後この量を出発量と比較することにより容易に求めることができる。本発明では、経皮デリバリーシステムは、スフェンタニルがシステムにおいて非常に低い溶解度を有し、スフェンタニルが含有されているリザーバの厚さが最小に保たれ、全システムのサイズができる限り小型化されるように設計される。加えて、例えばスフェンタニルが厳しくコントロールされた粒度分布でシステムに添加されているように、システム効率に対して他の制御を使用してもよい。
【0063】
従って、1実施形態で、スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムが提供される。このシステムは、被験者に適用したときに無痛覚を3日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有するリザーバを含む。このリザーバは接着性または非接着性マトリックスであり得、約1.25〜5ミルの乾燥非水和状態での厚さを有する。このシステムは、被験者に3日間以上適用した終了時リザーバから少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%のスフェンタニルのデリバリー効率を与える。特定のシステムでは、リザーバは被験者に適用したとき無痛覚を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有しており、しかも5日間終了時最高少なくとも約70%のデリバリー効率が維持されている。更に他のシステムは、被験者に適用したとき無痛覚を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有しているリザーバを含み、しかも7日間終了時最高少なくとも約70%のデリバリー効率が維持されている。特定の他のシステムでは、適用期間の終了時のデリバリー効率はより高くてもよく、例えば少なくとも約80%である。本発明の高効率経皮デリバリーシステムの全システムサイズをできるだけ小型化することが好ましい。従って、好ましい実施形態では、高効率システムは約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有するリザーバを含む。更に好ましい実施形態では、高効率システムは実質的に小さいリザーバ容量(例えば、約0.2ml以下の容量)を有する。特定のシステムでは、リザーバは約0.0025〜0.154mlの容量を有する。
【0064】
特定のシステムでは、高効率の経皮デリバリーシステム中のリザーバは接着性マトリックス組成物を含む。特定の好ましいシステムでは、本システムは更に該システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与える。より具体的には、特定のシステムはシステムから高いデリバリー効率も与えながら、更に該システムからのスフェンタニルの流束に対して少なくとも約50%の剤形速度制御(J/J)を与えることができる。特定のシステムでは、該システムからのスフェンタニルの流束に対する剤形速度制御(J/J)はより高くてもよく、例えば少なくとも約60%であり、更に好ましい他のシステムでの剤形速度制御は少なくとも約65%である。本発明の他のシステムのように、剤形速度制御は単独でまたは組み合わせた多種多様のメカニズム/構成要素により与えられ得る。例えば、剤形速度制御は、製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物及び/または速度制御膜を用いることにより、少なくとも部分的に与えられ得る。加えて、特定の他の高効率システムは該システムから皮膚を介してスフェンタニルの比較的高い正味流束、例えば幾つかのシステムでは少なくとも約1μg/cm/時、他のシステムでは少なくとも約1.5μg/cm/時、または約2μg/cm/時の正味流束を与えることもできる。こうした高効率/高流束システムでも浸透エンハンサーを備える必要がなく、そのため本システムの幾つかは浸透エンハンサーを含んでいないことに注目できる。
【0065】
本発明の特定の高効率経皮デリバリーシステムでは、スフェンタニル薬物は全システムの約1〜20重量パーセント(wt%)の量、好ましくは約1〜12wt%の量で存在し得る。特定の他のシステムでは、スフェンタニルはデポ剤として提供され、よってシステム中に溶解及び非溶解スフェンタニルの両方が存在するようにシステムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量でシステム中に存在している。経皮デリバリーシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えるのに十分な量のスフェンタニル薬物を含んでいる。本発明の特定の他のシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与え、更に他のシステムは約1〜2μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えることができる。
【0066】
本発明の経皮デリバリーシステムは、液体−またはゲル−リザーバタイプ或いはマトリックス−タイプのデバイスとして提供され得る。これらの構成はいずれも当然に、デバイスの外表面を保護するバッキング層及び被験者の皮膚に張り付けるために使用されるデバイスの接着部分を覆う剥離ライナーまたは層を含む。剥離ライナーは適用前に取り外され、これによりデバイスの接着部分が露出する。接着部分は典型的には感圧性接着剤である。従って、図1及び2を参照すると、経皮パッチデバイスは全体をで示す。デバイスはバッキング層、スフェンタニル薬物を含有しているリザーバ及び剥離ライナーを含む。リザーバは液体またはゲルリザーバであり得、または自己接着性または非接着性であり得るマトリックス担体であってもよい。特に図2を参照すると、リザーバが液体またはゲルリザーバ、或いは非接着性マトリックスのいずれかであるデバイスでは、デバイスは更にデバイスを皮膚に接着させるのに役立つ接着性層10を含む。接着性層10は通常リザーバ上に設けられる薬物透過性接着剤である。幾つかのデバイスでは、追加の層12を速度制御膜として使用してもよく、この層はスフェンタニル薬物が該層を介して選択的に移動するように選択される。
【0067】
薬物含有リザーバに接着しているバッキング層は、使用中にデバイスの上層として役立ち、デバイスの主たる構造部材として機能する。よって、バッキング層は典型的にはスフェンタニル薬物に対して実質的に非透過性のエラストマー材料からなるシートまたはフィルムであり、前記エラストマー材料は可撓性であることが好ましい。このバッキング層は典型的には約0.1〜5ミル、好ましくは約0.5〜2ミル、より好ましくは約1〜1.5ミルの厚さを有し、通常、関節または他の湾曲域を含めた任意の皮膚域に具合よく貼付できるようにデバイスを皮膚の輪郭に沿わすことができる材料である。従って、皮膚とデバイスの可撓性または弾性の差のため及び運動等によりもたらされる通常の機械的歪みに応答してデバイスが皮膚から外れる可能性は少ない。バッキング層は更にモノリシック(単一層)または多層(マルチラミネート)であり得、更に繊維を含む通気性または密封性材料であり得る。最も一般的には、バッキング層は高分子材料または高分子材料のラミネートである。適当な材料にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ブロックコポリマー(例えば、PEBAX)、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、コーテッド紙製品、金属又は金属化シート等、並びにその任意の組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
好ましい実施形態では、バッキング層は低−、中−または高密度ポリエチレン材料、またはポリエステル材料を含んでなる。特に好ましい実施形態では、バッキング層はポリエチレンとアルミニウム蒸着ポリエステルのラミネート(例えば、SCOTCHPAK(登録商標)1109 Backing,ミネソタ州セントポールに所在の3Mから市販されている)またはポリエステルとポリエチレン/エチレン酢酸ビニルのラミネート(例えば、SCOTCHPAK(登録商標)9733 Backing,3Mから市販されている)を含んでなる。
【0069】
リザーバはバッキング層の上に配置されている。リザーバは当業界で周知の多数の一般材料から形成され得る。リザーバが液体またはゲルタイプのリザーバであるデバイスでは、水性ゲルシステムを形成するために適当なゲル化剤(例えば、セルロース材料)を使用してもよい。リザーバがマトリックスタイプのリザーバのデバイスでは、リザーバは、スフェンタニルが所望の溶解度範囲内の溶解度を有する高分子材料(例えば、ポリウレタン、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリアクリレート、スチレンブロックコポリマー等)から形成され得る。好ましくは、リザーバは、製薬上許容される感圧性接着剤、好ましくはポリイソブチレン、ポリアクリレートまたはスチレンブロックコポリマーを主成分とする接着剤から形成される接着剤タイプのマトリックスである。
【0070】
より具体的には、経皮デリバリーシステムをモノリシック接着性マトリックスデバイスとして提供する本発明の実施形態では、リザーバは当業界で公知の一般的な感圧性接着剤から形成され得る。よって、本発明を実施する際に使用するのに適した感圧性接着剤にはポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリイソブチレン(PIB)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレンブロックポリマー、上記したもののブレンド及び組合せ等が含まれるが、これらに限定されない。適当なスチレンブロックコポリマーを主成分とする接着剤には、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(SBS)、スチレン−エチレンブテン−スチレンコポリマー(SEBS)及びそのジブロックアナログが含まれるが、これらに限定されない。適当なアクリルポリマーは、例えばアクリル酸、アクリル酸アルキル、メタクリル酸エステル、共重合可能な第2級モノマーまたは官能基を有するモノマーから選択される少なくとも2つ以上の成分を有するコポリマーまたはターポリマーを含んでなる。モノマーの例にはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルブチル、メタクリル酸2−エチルブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸tert−ブチルアミノエチル、メタクリル酸tert−ブチルアミノエチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル等が含まれるが、これらに限定されない。例えばD.Satas編,「Handbook of Pressure−Sensitive Adhesive Technology」,第2版,ニューヨークに所在のVan Nostrand Reinhold(1989年)発行,p.396−456のSatas,「Acrylic Adhesives」を参照されたい。好ましい実施形態では、感圧性接着剤は、官能基も架橋も持たないアクリレート(例えば、DURO−TAK(登録商標)87−9301,ニュージャージー州ブリッジウェーターに所在のNational Starch & Chemicalから入手可能)または−COOH及び−OH官能基を有するアクリレート−酢酸ビニルのブレンド(DURO−TAK(登録商標)87−2051及び87−2287,National Starch & Chemical)である。
【0071】
特定の他の好ましい実施態様では、リザーバはポリイソブチレン材料を含有するモノリシック接着性マトリックスから形成される。ポリイソブチレンが高分子量ポリイソブチレン(約450,000〜2,100,000粘度平均分子量)及び低分子量ポリイソブチレン(約1,000〜450,000粘度平均分子量)のブレンドを含んでなることが好ましい。本発明のポリイソブチレン組成物において、該組成物中の高分子量:低分子量ポリイソブチレンを約20:80〜約70:30、好ましくは約40:60〜約50:50の比で使用することが好ましい。
【0072】
特に好ましい実施形態では、感圧性接着剤は低分子量及び高分子量ポリイソブチレン(PIB)ポリマーの組合せ、例えば粘度平均分子量が約1,100,000の高分子量PIB(OPANOL(登録商標)B100,ニュージャージー州ノースマウントオリーブに所在のBASFから入手可能)と粘度平均分子量が約50,000〜55,000の低分子量PIB(OPPANOL(登録商標)B12,BASFから入手可能)の組合せである。別の好ましい実施形態では、感圧性接着剤は粘度平均分子量が約1,100,000の高分子量PIB(VISTANEX(登録商標)MM L−100,テキサス州ヒューストン所在のExxon Mobil)と粘度平均分子量が約50,000〜55,000の低分子量PIB(OPPANOL(登録商標)B11 SFN,BASFから入手可能)の組合せである。
【0073】
実際、リザーバを形成する材料は総リザーバ材料の約1〜約25wt%、好ましくは約2〜約20wt%、より好ましくは約4〜約15wt%、更に好ましくは約6〜約12wt%という薬物に対する溶解度を有する。リザーバは、接着性コーティングの有無によって約の分の厚さを有する。
【0074】
リザーバは更にスフェンタニル薬物を含有しており、他の任意成分、例えば担体、ビヒクル、添加剤、賦形剤、安定剤、染料、希釈剤、可塑剤、粘着付与剤、結晶化インヒビター、溶解度エンハンサー、不活性充填剤、酸化防止剤、抗刺激剤、血管収縮剤、及び本発明の経皮デリバリーシステムと共に投与するのに適した薬理活性を持たない他の材料を含有していてもよい。これらの任意成分は、非毒性であり、システムからのスフェンタニルのデリバリーを干渉せず、他の理由による生化学的または他の欠点もないので、製薬上許容される。感圧性接着剤を本発明に従って使用する場合、この感圧性接着剤も製薬上許容されなければならならい。材料の例には水、鉱油、シリコーン、無機ゲル、水性エマルジョン、液体糖、ワックス、石油ゼリー、並びに各種の他の油及び高分子材料が含まれる。
【0075】
従って、リザーバが接着性マトリックスである本発明の特定の経皮デリバリーシステムでは、リザーバは例えば速粘着(粘着付与剤)を低下させる、低温流れを低下させる、粘度を上昇させる及び/またはマトリックス構造を強化することにより接着性を改善し得る1つ以上の材料を含んでなる。適当な材料の例には脂肪族炭化水素;芳香族炭化水素;水素化エステル;ポリテルペン、ポリブテン、二酸化ケイ素、シリカ、水素化ウッドロジン;粘着付与樹脂、石油化学供給材料をカチオン重合してまたは石油化学供給材料を熱重合後水素化して作成される脂肪族炭化水素樹脂、ロジンエステル粘着付与剤、鉱油、ポリブチルメタクリレート、高分子量アクリル酸及び任意のその組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
特定のシステムでは、リザーバは、例えば除去及び交換可能とすることによりデバイスの接着性を改善する1つ以上の粘度強化剤を含む。粘度強化剤は更に、典型的な乱用条件下でスフェンタニル薬物を抽出(アルコール抽出)させない高粘性組成物を提供すべく、スフェンタニル薬物と優先的に会合させることにより経皮デリバリーシステムの乱用の可能性を減らすのにも役立ち得る。前記材料は非水溶性であり、37℃で少なくとも5,000cP(場合により、少なくとも10,000、15,000、20,000、25,000、または更には50,000cP)の粘度を有し、周囲条件または生理学的条件下ではうまく結晶化しない高粘性液体担体材料(“HVLCM”)であり得る。用語「非水溶性」は、周囲条件下で1重量%未満の程度しか水に溶解しない材料を指す。特に好ましい粘度強化剤は、蔗糖酢酸イソ酪酸エステル(SAIB)または糖アルコール部分と1つ以上のアルカン酸部分の幾つかの他のエステルである。これらの材料は生体接着性を有する。
【0077】
実際、少量のSAIBまたは類似の粘度強化剤が、感圧性材料(例えば、PIBまたはアクリル系接着剤ベース)に添加される。SAIB材料は疎水性が低く、表面張力が低いので、(SAIB材料を加えて)合成した接着/粘着剤混合物はシステムを複数回適用し、皮膚表面から除いた後でも感圧性を保持できる。これにより、長期間パッチを付けている被験者は、シャワーまたは激しい運動を行っている間はデバイスを外し、その後接着性を失うことなくデバイスを再び利用することができる。
【0078】
可塑剤が使用されているシステムでは、リザーバは更に可塑剤材料を含み得、前記可塑剤材料は典型的には不活性、有機、無極性、非揮発性水性液体である。特に、可塑剤は疎水性液体であり得る。よって、適当な可塑剤材料にはポリブテン、鉱油、アマニ油、パルミチン酸オクチル、スクアレン、スクアラン、シリコーン油、ステアリン酸イソブチル、オリーブ油、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の材料を含めた各種長鎖脂肪族エステル及びアルコールが含まれるが、これらに限定されない。本発明において使用するのに特に好ましいものは、軽鉱油と実質的に同等の粘度を有するポリブテン(例えば、イリノイ州ネイパービルに所在のBP Amocoから入手可能であるIDOPOL(登録商標)L−14またはH−100)である。
【0079】
加えて、リザーバは1つ以上の充填剤材料を含み得る。適当な充填剤には金属酸化物、無機塩、合成ポリマー、クレー等が含まれるが、これらに限定されない。金属酸化物は二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン及び酸化カルシウムであり得る。無機塩は炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸カルシウム等であり得る。合成ポリマーにはメタクリル樹脂、ナイロン、ポリエチレン等を含まれ得る。適当なクレー化合物にはタルク、ベントナイト及びカオリンが含まれる。
【0080】
再び図1及び2を参照すると、デバイスは更に可剥性剥離ライナーを含む。剥離ライナーは、皮膚に適用する前にデバイスを保護するためにだけ役立つ使い捨て部材である。典型的には、剥離ライナーはスフェンタニル薬物及びシステムの他の成分が透過できない材料から形成され、リザーバから容易に除去され得る。剥離ライナーは通常バッキング層と同一材料から作成され得る。よって、適当な材料には場合により金属化されていてもよい高分子材料が含まれる。高分子材料の例にはポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、紙等、及びその組合せが含まれる。好ましい実施形態では、保護層はシリコーン化ポリエステルシートを含んでなるかまたはフルオロポリマーコーティングを有する。特に好ましい材料はSCOTCHPAK(登録商標)9744(3Mから入手可能)及びMEDIRELEASE(登録商標)2249(ミネソタ州セントポールに所在のMylan Tech.から入手可能)である。
【0081】
ここで図2を参照すると、本発明の特定の経皮デリバリーシステムはデバイスを皮膚に貼付させるのに役立つ接着性層10を含み得る。接着性層10は通常、リザーバ上に設けられる薬物透過性感圧性接着剤である。一般的な感圧性接着剤は当業界で周知である。よって、接着性層10で使用するのに適した一般的な感圧性接着剤にはポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリイソブチレン(PIB)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレンブロックポリマー、並びに上記したもののブレンド及び組合せ等が含まれるが、これらに限定されない。これらの材料は上に詳しく開示されている。接着性層は速度制御層または膜の用途としても役立ち得る。しかしながら、幾つかのシステムでは追加の層12が速度制御膜として付加されている。適当な速度制御膜材料は当業界で公知であり、この中には低〜高密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン及びスチレンポリブタジエンが含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
スフェンタニル薬物は本発明の経皮デリバリーシステム中に遊離塩基形態で配合されている。特に、スフェンタニルの化学名はN−[4−(メトキシメチル)−1−[2−(2−チエニル)エチル]−4−ピペリジニル]−N−フェニルプロパンアミドである。スフェンタニル塩基の分子量は386.56であり、以下の構造式:
【化1】

【0083】
を有する。
【0084】
スフェンタニル薬物はリザーバに約0.1〜約2mg/cm、好ましくは約0.3〜約0.8mg/cm、更により好ましくは約0.4〜約0.7mg/cmの量添加されている。
【0085】
多種多様の経皮デリバリーシステムの構成が本発明を実施する際に使用するのに適しているが、システムをバッキング層に接着させた接着性マトリックス中にスフェンタニルが含有されているモノリシックデバイスとして提供することが好ましい。従って、本発明の1実施形態では、スフェンタニルを皮膚を介して投与するためのモノリシック経皮デリバリーシステムを提供する。このシステムは、感圧性接着性マトリックスにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量のスフェンタニルを含有する感圧性接着性マトリックスを含む。システムを被験者に適用したとき、システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束を少なくとも約24時間与える。このシステムは浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいない。浸透エンハンサーも速度制御膜も使用していない高正味流束システムが上記の高い基準を満たし得、定常状態に達すると、該システムからスフェンタニルの一定の定常状態流束を長期間にわたり与えるべく、システムが実質的に0次の放出を達成するように少なくとも一次放出速度プロファイルを与えることも再び驚くことである。特定システムでは、システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束を少なくとも約36時間与える。
【0086】
更に、特定のシステムは該システムから皮膚を介してスフェンタニルのより高い定常状態正味流束を与えることもでき、例えば幾つかのシステムでは少なくとも約1.5μg/cm/時であり、他のシステムでは約2μg/cm/時である。特定の好ましいシステムでは、接着性マトリックスが約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有するように経皮デリバリーシステムの全体サイズを最小に保つ。
【0087】
本発明の一定の定常状態流束経皮デリバリーシステムの幾つかでは、スフェンタニル薬物は全システムの約1〜20重量パーセント(wt%)の量、好ましくは約1〜12wt%の量で存在し得る。経皮デリバリーシステムは、システムを被験者の皮膚に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えるのに十分な量のスフェンタニル薬物を有している。本発明の更に他のシステムは、システムを被験者の皮膚に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与え、他のシステムは約1〜2μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えることができる。本発明のシステムは、被験者の皮膚に適用したときその被験者に適当な無痛覚状態を3日間以上誘導し、維持するために使用され得るように十分な量のスフェンタニルを含有している。他のシステムは被験者に適当な無痛覚状態を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有し、更に他のシステムは被験者に適当な無痛覚状態を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している。
【0088】
本発明の別の関連実施形態では、スフェンタニルを皮膚を介して投与するためのモノリシック経皮デリバリーシステムを提供する。このシステムは、マトリックスにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量のスフェンタニルを含有している感圧性接着性マトリックスを含む。システムを被験者に適用したとき、システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を与える。このシステムは該システムからのスフェンタニルの流束に対する剤形速度制御を与えるが、このシステムは浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいない。これらのシステムでは、スフェンタニルはデポ剤として提供され、よってシステム中に溶解及び非溶解スフェンタニルの両方が存在するようにシステムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量でシステム中に存在している。特定のシステムでは、該システムから正味流束の実質的に高い速度をも示しながら、該システムからのスフェンタニルの流速に対する剤形速度制御(J/J)は少なくとも約50%である。特定のシステムでは、該システムからのスフェンタニルの流速に対する剤形速度制御(J/J)はより高くてもよく、例えば少なくとも約60%であり、更に他のシステムでの剤形速度制御は少なくとも約65%である。本発明の他のシステムと同様に、剤形速度制御は単独でまたは組み合わせた多種多様のメカニズム/構成要素により与えられ得る。例えば、速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物及び/または速度制御膜を用いることにより少なくとも部分的に与えられ得る。浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいないにもかかわらず、特定のシステムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1.5μg/cm/時のオーダーのスフェンタニルのより高い正味流束を与えることができ、更に他のシステムは約2μg/cm/時の正味流束を与えることができる。
【0089】
本発明のモノリシックシステムの幾つかでは、スフェンタニル薬物は全システムの約1〜20重量パーセント(wt%)、好ましくは約1〜12wt%の量で存在し得る。本発明の経皮デリバリーシステムは、システムを被験者の皮膚に適用したときに約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えるために、十分な量のスフェンタニル薬物を有している。本発明の特定の他のシステムは、該システムを被験者の皮膚に適用したときに約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与え、更に他のシステムは約1〜2μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与えることができる。本発明のシステムの驚くべき特徴は、システムから皮膚を介してスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束を少なくとも約24時間与えることもできることである。特定の他のシステムは更に、少なくとも約1.5μg/cm/時のスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束(J)を与えることもできる。更に他のシステムは、スフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束(J)を少なくとも約36時間与えることができる。特定の好ましいシステムでは、接着性マトリックスが約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有するように経皮デリバリーシステムの全体サイズは最小に保たれる。
【0090】
モノリシック経皮デリバリーシステムは、被験者の皮膚に適用したときその被験者において適当な無痛覚状態を3日間以上誘導し、維持するために使用され得るように十分な量のスフェンタニルを含有している。他のシステムは被験者において適当な無痛覚状態を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有し、更に他のシステムは被験者において適当な無痛覚状態を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している。
【0091】
本発明の更なる関連実施形態では、スフェンタニルを生きている被験者の皮膚を介して 投与するための経皮デリバリーシステムを提供する。このシステムは少なくとも約48時間の単回適用投与期間にわたりスフェンタニルの実質的に一定のデリバリー速度を示し、一定のデリバリー速度は当該投与期間にわたり約1.8以下の最小/最大比を有する血漿スフェンタニル濃度を確立し、維持するのに十分である。特定のシステムでは、経皮デリバリーシステムからのスフェンタニルのデリバリー速度は、実質的に0次である。他のシステムでは、スフェンタニルのデリバリー速度は投与期間にわたり全体として約5〜6%低下または増加することを特徴とし、好ましくはスフェンタニルのデリバリー速度は投与期間にわたり全体として実質的に上昇も低下しないことを特徴とする。本発明の経皮デリバリーシステムは、少なくとも約1〜10μg/hrの定常状態でデリバリー速度を与えることができ、投与期間は少なくとも約48時間〜7日間で延長される。更に、本発明の上記のすべての経皮デリバリーシステムは、少なくとも約48時間の単回適用投与期間にわたりスフェンタニルの実質的に一定のデリバリー速度を与え、一定のデリバリー速度は当該投与期間にわたり約1.8以下の最小/最大比を有する血漿スフェンタニル濃度を確立し、維持するのに十分であるように作製され得る。
【0092】
本発明の経皮デリバリーシステムはすべて、公知の技術を用いて容易に作製され得る。例えば、マトリックスタイプのシステムを作製するためには、適当な高分子リザーバ材料の溶液を二重遊星形ミキサーに添加した後、所望量のスフェンタニルベースを添加し得る。典型的には、高分子リザーバ材料は接着性ポリマーであり、このポリマーは有機溶媒(例えば、エタノール、酢酸エチル及びヘキサン)中で可溶化され得る。成分を許容できる程度に均一とするのに適した時間混合した後、生じた混合物を流延ダイに供給し得る。この場合、マトリックス/スフェンタニル混合物を可動ウェブまたはベルト上に湿ったフィルムとして流延し得、これをラインを介して引き出した後一連のオーブンを使用して流延溶媒を許容できる残留限界まで蒸発させる。その後、乾燥させたリザーバフィルムは選択したバッキング膜に貼り合わせ、巻取りロールに巻取られ得る。その後の操作で、個々の経皮パッチを打抜き、分け、単位包装する。別の方法では、リザーバを当業界で公知の装置を用いる乾式混合及び熱フィルム形成を用いて形成し得る。好ましくは、材料を乾式混合し、スロットダイを用いて押出した後適当な厚さまで圧延する。
【0093】
マトリックスとしてポリイソブチレン/ポリイソブチレンブレンドを含む本発明の特定の好ましいモノリシックシステムを作製するとき、ポリイソブチレンに対してスフェンタニルにとっては非溶媒である溶媒(例えば、ヘプタン、ヘキサンまたはシクロヘキサンのような低分子量炭化水素溶媒)を使用することが好ましい。好ましくは、ポリイソブチレン組成物の混合物は約65〜90重量%の溶媒、より好ましくは約70〜約85重量%の溶媒を含む。
【0094】
本発明に従って製造されるモノリシック経皮デリバリーシステムの好ましい作製方法は以下の通りである。予め秤量した量の高分子量や低分子量のPIB及びポリブテンを予め秤量した量のn−ヘプタンが収容されているガラス容器に添加し、容器を密封する。密封した容器中のPIB画分及びポリブテンを室温で磁気撹拌機を用いてn−ヘプタン中に完全に溶解させる。1つ以上の不活性成分をポリブテン−PIB組成物に添加しなければならないときにはn−ヘプタンポリマー溶液を混合し続けてもよい。低分子量PIB、高分子量PIB、ポリブテン油及びn−ヘプタンの典型的な質量比はそれぞれ1.23:1:2.1:10.1である。溶液中のすべての他の非溶媒材料を犠牲にして少量の特定添加剤を添加してもよい。
【0095】
ポリブテン−ポリイソブチレンの上記n−ヘプタン溶液に予め秤量した量のスフェンタニルを添加し、スフェンタニル及びビヒクルを完全に平衡化するためにスフェンタニル懸濁液を磁気撹拌機を用いて室温で約2日間均質に混合する。その後、撹拌操作を約15分間中止し、空気泡をスフェンタニル懸濁液から除去する。これを直ちに電動式フィルムアプリケーター(Elcometer,Inc.)または精密ガラスプレート/平方マルチプルクリアランスアプリケーター(Gardner PG&T Co.)のいずれかを用いて懸濁液を正確な厚さでコーティングするために剥離ライナーのピースに移される。
【0096】
剥離ライナー部分上の湿った懸濁液フィルムを室温で約20分間風乾し、対流オーブン(Blue M Electric,CSP Series Class A Oven)を用いて70℃で30分間乾燥する。剥離ライナーフィルム上にコーティングされてなるオーブン乾燥したスフェンタニル懸濁液フィルム(リザーバ/剥離ライナーラミネート)を室温まで冷却し、バッキングフィルムの切り取ったピースを精密ガラスプレート上にのせたままリザーバ/剥離ライナーラミネート上にラミネートする。アルミニウムローラー(直径1インチ、長さ4インチ)または貼合わせ装置(Roll over Roll Coater,SciMac Scientific Machine)の一部を用いて絞り出し、空洞域をリザーバ/剥離ライナーラミネートから排除して貼合わせステップを助ける。
【0097】
スフェンタニル経皮デリバリーシステム作製の最終ステップは、最終ラミネートをスチール製ルールダイ及びパンチプレス(Schmidt Toggle Press,Schmidt Feintechnik Corp.)を用いて所要のシステムサイズ(Apex Die,Inc.)に打抜くことを含む。システムの切り口の外観を検査する。システムの全厚さ及び重量をそれぞれ一対のキャリパー(Mitutoyo Corp.)及び精密秤を用いて測定し、記録する。
【0098】
その後、システムをアルミニウムホイルパウチに入れ、パウチの開放端部をインパルスヒートシーラー(Impulse Heat Sealer,Clamco)を用いて熱封する。パウチに適当にラベルを付け、カウントし、記録する。
【0099】
ここで図3を参照すると、システムの各単位操作に必要な材料、道具及び装置と共にシステム作製ステップを示すフローダイアグラムが図示されている。
【0100】
経皮デリバリーシステムを作製したら、以下の方法を用いて被験者に長期間無痛覚を与えるために使用する。本明細書中で使用されている用語「被験者」は「個人」と同義的に使用され、無痛覚状態が求められている任意の脊椎動物を指す。よって、この用語は広義には本発明のシステムで治療したい動物、例えば鳥類、魚類、及びヒトを含めた哺乳動物を指す。特定の実施形態では、本発明のシステム及び方法は獣医学診療及び酪農、例えば鳥類及び哺乳動物において長期間の無痛覚が好都合または望ましい場合にはいつでも持続的な無痛覚を与えるのに適している。特定の場合には、組成物は愛玩動物(例えば、イヌまたはネコ)で使用するのに特に適しており、ウマにも使用され得る。好ましい実施形態では、用語「被験者」はヒト被験者を意図する。更に、用語「被験者」は特定の年齢を指さず、よって本発明のシステムは任意の年齢の被験者(例えば、小児、青年、成人及び高齢の被験者)で使用するのに適している。
【0101】
本発明に従って作製されるスフェンタニルを含有する適当な経皮デリバリーシステムは、被験者の皮膚の清潔で乾いた、好ましくは無毛域、例えば上腕内表面または上部臀部に適用する。システムを続けて適用するためには異なる皮膚域を選択することが考えられる。皮膚に適用したら、経皮デリバリーシステムのリザーバ中のスフェンタニルは皮膚に拡散し、血流に吸収されて全身麻酔効果が生ずる。無痛覚の開始は各種要因(例えば、スフェンタニルの力価、皮膚におけるスフェンタニルの溶解度及び拡散度、標的皮膚の厚さ、デバイスリザーバ中のスフェンタニルの濃度等)に依存する。通常、被験者は最初の適用から約1〜6時間以内に十分な効果を実感する。連続的無痛覚を望む場合は、使い果たしたシステムを外し、新しいシステムを新しい場所に適用する。例えば、本発明の3〜7日システムを順次外し、投与期間の終わりに新しいシステムと交換して慢性痛を緩和させることができる。こうして、システム適用を実質的に途絶えることなく継続的に使用して、血漿スフェンタニルレベルを実質的に一定のレベルで維持することができる。従って、用量を経時的に増量させてもよく、突出痛を処置するために他の麻酔薬を同時使用することも意図される。
【実施例】
【0102】
本発明を実施するための具体的実施形態の例を以下に示す。これらの例は例示のためにのみ提示されており、本発明の範囲を決して限定するつもりはない。
【0103】
実施例1:インビトロでのヒト皮膚を介するスフェンタニル流束
インビトロでの浸透スフェンタニル流束研究を、死体ドナーからのヒト皮膚(採皮した全厚さ)を用いて実施した。16人の別々のドナーからの大腿皮膚を実験で用いた。1人のドナーあたり少なくとも5つの複数皮膚サンプルを用いた(総数n=82)。インビトロでの皮膚薬物流束実験の前に、皮膚組織をピンホールのような異常がないかルーペを用いて調べた。異常域を除き、無傷の皮膚域を1インチの円に切り取った。高分子量/低分子量ポリイソブチレン(PIB)ブレンドを接着剤として用いたモノリシック接着性マトリックスパッチを上記したように作製した。試験では、スフェンタニル経皮デリバリーシステムを、事前に切り取った皮膚サンプルの角質層側に載せた。次いで、皮膚組織の真皮側を受容器チャンバに向かい合わせて、システムと事前に切り取った皮膚検体のアセンブリを改変フランツセルの受容器側の上端部上に載せた。フランツセルのドナー側は皮膚/システムアセンブリ上にしっかりと置き、受容器チャンバには0.01%アジ化ナトリウムを含有するクエン酸バッファー(pH5.0)を充填した。試験システムを有するフランツセルは、実験中32℃で平衡化した。所定間隔(通常6時間、1、2、3、4、5、6及び7日間)で全受容器溶液をフランツセルから収集し、新しい受容器媒体を再充填した。受容器溶液のスフェンタニル濃度を、HPLCクロマトグラフ法を用いてアッセイした。皮膚/試験システムアセンブリの各々について、累積デリバリー量及び皮膚薬物流束を計算した。図3は、16人の別々のドナーから得たヒト死体標本を介する7日間にわたる実測スフェンタニル皮膚流束を示す。全平均スフェンタニル皮膚流束は約1.9μg/cm/時であり、変動係数は40%であった。
【0104】
実施例2:インビトロでの経皮デリバリーシステムからのスフェンタニル流束
1cmまたは1.42cmの薬物放出界面表面積を有するスフェンタニル経皮デリバリーシステム。接着剤に高分子量/低分子量ポリイソブチレン(PIB)ブレンドを用い、スフェンタニルを含有するモノリシック接着性マトリックスパッチを上記したように作製した。
【0105】
試験では、パッチの薬物放出表面を放出媒体に向き合わせ、放出媒体に浸漬できるようにスフェンタニル経皮デリバリーシステムをステンレス鋼製ホルダー上に接着保持し、1L容器を有するUSP溶解装置IIの中央に配置した。正確には、600mLの脱気した0.005Nリン酸ナトリウム(pH5.5)バッファー溶液を容器中に入れ、32℃で維持した。溶解実験中、パドル速度は50rpmに維持した。
【0106】
1、2、4、8、12、16、24、36及び48時間の時間間隔で、溶解媒体を1mLずつ容器から抜き取り、HPLCバイアルに分配した。サンプルのスフェンタニルアッセイのために以下の条件を使用した:
モード: 無勾配、
移動相: A−75% HO中0.1% トリエチルアミン(HPOでpH=3.0に調節)
B−25% 100% アセトニトリル、
停止時間: 4.0分、
ポスト時間: なし、
カラム温度: 40℃、
流速: 1.0mL/分、
UV検出: 230nm、
注入容量: 10μL、
オートサンプラー温度:周囲室温、
保持時間: 2分間。
【0107】
スフェンタニル濃度、容器中に残存しているバッファー溶液の総容量及び時間間隔から、パッチから溶解または放出されたスフェンタニルの累積量を経時的に計算することができ、サンプル経皮デリバリーシステムからのスフェンタニルの溶解速度または放出速度を計算した。
【0108】
溶解速度試験からの結果を図5A及び5Bに図示し、下表1及び2に示す。
【表1】

【表2】

【0109】
実施例3:ラットに単回適用後のスフェンタニル経皮デリバリーシステムの薬物動態評価
1cmまたは1.42cm(いずれも1cmあたり約0.67mgのスフェンタニル遊離塩基を含有する)の薬物放出界面表面積を有するスフェンタニル経皮デリバリーシステムをそれぞれ5匹の7〜8週令の雄及び雌ラット(Charles River LabsのCD(Crl:CD(登録商標)(SD)1 GS BR))に適用した。システムは接着剤に高分子量/低分子量ポリイソブチレン(PIB)ブレンドを用いたモノリシック接着性マトリックスパッチであり、上記のとおり作製した。
【0110】
投与する少なくとも16時間前に、各動物の背部及び肩部を剃毛し、標的適用域を水で洗った。皮膚を擦らないように注意した。経皮デリバリーシステムの1つを背側正中線に適用し、システムの上及び動物の周りに巻いた弾性ラップにより皮膚に接触させて保持した。PK試験の間、動物は認可されているげっ歯類飼料#8728C(Harlan Teklad,Inc)及び水を自由に飲食でき、温度18〜26℃、相対湿度50±20%及び12時間明/12時間暗周期の管理環境下に収容した。
【0111】
血液サンプル(各約1ml)を各動物から時間0(システム適用前)及びシステム適用から24、48、96及び168時間後に採取した。血液は頸静脈穿刺により採取し、EDTAカリウム抗凝固剤が収容されている管に移した。
【0112】
血液サンプルは湿った氷上、冷却Kryoracks中または約5℃に維持した後遠心して、血漿を得た。遠心は30分間の収集の間実施した。血漿サンプルを管に移し、ドライアイス上に維持した後、約−70℃で保存した。
【0113】
血漿サンプル中のスフェンタニルをHPLCを用いてアッセイした。ラット血漿中のスフェンタニルを測定するための分析技術は次の通りである:ラット血漿中のスフェンタニルはポジティブエレクトロスプレーモードでHPLC/MS/MS法を用いて測定した。分析カラムは、スフェンタニルは387.4/238.0amu、内部標準は337.4/188.0amuの遷移の質量検出を有するYMCベーシック(50×2mm,5u)であった。
【0114】
研究結果を下表3に示す。
【表3】

【0115】
1.42cmパッチ試験からのデータは図6にも図示する。図6から分かるように、1.42cmの薬物放出界面表面積を有する1つの経皮デリバリーシステムからデリバリーされるスフェンタニルの血漿濃度は、システム適用から約24時間目からほぼ一定のレベルを確保しながら上昇し、このレベルは168時間(7日間)維持し継続された。7日間のデリバリーの間、雄ラット及び雌ラットにおける24〜168時間のスフェンタニル血漿濃度はそれぞれ約1,150±260pg/ml及び1,140±270pg/mlであった。雄ラット及び雌ラット間でスフェンタニル血漿濃度に統計上有意差はなく、システムからの薬物デリバリー速度及び薬物動態学的パラメーター(例えば、全身薬物クリアランス)に関してPK試験で使用したラットの雄と雌の両性間で有意差がないことが示唆される。
【0116】
スフェンタニル血漿濃度の変動は雄ラット及び雌ラットの両方において明らかに等しく低く(変動係数=約23%)、複数のラットにおける薬物の全身クリアランスの変動が低いだけでなく、最も重要なことにスフェンタニル経皮デリバリーシステムからの雄及び雌の両性の複数のラットの皮膚を介する速度制御薬物デリバリーが有意に高く、皮膚スフェンタニル浸透性に関する雄及び雌の両性のラット間の変動が減少または実質的に解消されるという事実が確認された。
【0117】
実施例3:スフェンタニル経皮デリバリーシステムの作製
接着剤に高分子量/低分子量ポリイソブチレン(PIB)ブレンドまたはアクリルポリマーのいずれかを用いて、一連の3日及び7日モノリシック接着性マトリックスパッチを以下のように作製する。システムは、1〜4mgのスフェンタニルを含み、それぞれ2〜8cmの薬物放出界面表面積を有するシステムからシステムのサイズに応じて約90〜360μg/日のスフェンタニルをヒト被験者にデリバリーするように作製する。各システムは適当な医薬ラベルを付けたアルミニウムホイルパッチに個別包装する。
【0118】
7日システムの成分を下表4にリストする。
【表4】

【0119】

【0120】
3日間システムの成分を下表5にリストする。
【表5】

【0121】

【0122】
実施例4:インビボでの7日スフェンタニル経皮デリバリーシステムの薬物動態試験
2及び8cmの活性表面積を有するサイズの異なる2つのスフェンタニル経皮デリバリーシステム(パッチ)を作製し、臨床薬物動態学的性能試験で使用した。経皮パッチは、上表4に記載した“主”原料を用いて7日システムとして作製した。特に、経皮パッチを作製するために使用した処方物は以下の通りであった(全乾燥重量パーセントで):Oppanol B100(15.4%);Oppanol B12 SFN(22.0%);Indopol Polybutene L−14(48.5%);CAB−O−Sil M−5P(6.4%);及びスフェンタニル(7.7%)。Scotchpak #9744剥離ライナー(3M)及びScotchpak #1109バッキング材料(3M)を用いて最終パッチとした。流延厚さが異なる以外、2つのサイズのパッチはすべての点で同一であった。すなわち、“薄い”パッチはバルクマトリックス/薬物処方物の公称15ミル(湿潤)コーティング厚さを有して作製され、“厚い”パッチは同一バルク処方物の公称25ミル(湿潤)コーティング厚さを有して作製された。パッチ中に存在するスフェンタニルの量は流延厚さに比例し、よって“薄い”パッチは“厚い”パッチに比して1cmあたりより少ないスフェンタニル薬物含量を有していた。本研究で使用したサイズが2cm及び8cmの薄い及び厚いスフェンタニルパッチロットについてロット放出時間で測定したパッチあたりの平均スフェンタニル含量を表6に要約する。表6から分かるように、厚い2cm及び8cmパッチは対応する薄い2cm及び8cmパッチよりも少なくとも約75%多いスフェンタニル含量を有していた。
【表6】

【0123】
本研究は、24人の健康なヒトボランティアを各群6人(n=6)として4つの試験群に分けて実施した。スフェンタニルパッチをナロキソンで遮断した被験者の胸部に適用した。パッチが適所に留まっていることを確保するために、各被験者に対して通気性オーバーレイテープを使用した。本研究では、まず低用量(48μg/6時間)のスフェンタニルを静脈(IV)注射し、その後2cmの厚い及び薄いパッチを適用するか、または高用量(192μg/6時間)のスフェンタニルをIV注射し、その後8cmの厚い及び薄いパッチを適用した。パッチを7日間適所に残し、各試験被験者の血漿スフェンタニルレベルを7日間の試験期間中周期的に標準LC/MS法を用いて評価した。2cmパッチを付けた被験者で実測されたスフェンタニル血漿レベルを下表7に示し、8cmパッチを付けた被験者で実測されたスフェンタニル血漿レベルを下表8に示す。4群すべての試験群についてのスフェンタニル血漿レベルの平均及び標準偏差を下表9に報告し、研究の1〜7日間の平均血漿レベルを下表10に報告する。図7は薄いパッチを付けた被験者についてのスフェンタニル血漿レベルの測定値を図示し、図8は厚いパッチを付けた被験者についてのスフェンタニル血漿レベルの測定値を図示する。最後に、図9は4つの試験群すべてからの平均スフェンタニル血漿レベルを図示する。
【表7】

【0124】

【表8】

【0125】

【表9】

【0126】

【表10】

【0127】
表7〜10に示したデータの検討から分かるように、厚いパッチ(ロット25A)は薄いパッチ(ロット24A)に比して約75%多いスフェンタニル薬物含量を有していたが、達成されるスフェンタニル血漿レベルは2cm経皮パッチの間で有意な差がない。これと同一の所見は、8cm経皮パッチに関しても得られ得る。図7〜9に図示したデータでも分かるように、(厚い及び薄い)パッチからのスフェンタニルのインビボ流束は少なくとも約7日の単回適用投与期間にわたり本質的に一定のままであった。更に、表7〜10に示したデータに関して、経皮パッチでは少なくとも約48時間〜最長7日の単回適用投与期間にわたりスフェンタニルのデリバリー速度は実質的に一定であり、一定のデリバリー速度は約1.8以下の最小/最大比を有する血漿スフェンタニル濃度を確立し、当該投与期間にわたり維持するのに十分であった。
【0128】
実施例5:7日スフェンタニル経皮デリバリーシステムについてのインビトロ/インビボ相関試験
実施例1及び2に記載した方法を用いて得たインビトロの流束データが、実施例4で測定した本発明のスフェンタニル経皮デリバリーシステムのインビボ性能を予想できるかを調べるために(インビトロ/インビボ相関、すなわち「IVIVC」)、以下のモデル化試験を実施した。多くのインビボ試験被験者では、経皮パッチ適用時に検出可能なスフェンタニル濃度が存在していたので(データ示さず)、IVIVCモデルにおいて、経皮デリバリーシステムからの入力を求めるために出発条件を考慮する必要であった。コンパートメントモデル化アプローチを使用した。データに関して、経皮デリバリーシステム入力関数(従来のデコンボリューションとは異なる)の構造に関する仮定を立てるためにモデル化が必要であった。予備コンボリューションに基づいて、初期の遅れ及びインビボ研究の7日間にわたるデリバリー速度の変化の両方を考慮する4ノックスプライン関数を選択した。よって、各々の静脈注射(IV)/経皮デリバリーシステムの組合せに関して、IV及び経皮デリバリーデータを2コンパートメントPKモデルを用いて同時にモデル化した。経皮デリバリーシステムからの典型的な入力関数を得、実施例1及び2の方法を用いて得たインビトロ累積放出データと相関させて、実施例4に記載したインビボ研究で使用した薄い及び厚い2及び8cmパッチを評価した。一致させるために、実施例4で使用した同一の通気性オーバーレイテープをフランツセル装置上に載せた経皮デリバリーシステムに適用した。IVIVCモデル化研究の結果を図10〜14に図示する。図10〜14の検討から分かるように、実施例1及び2の方法を用いて得たインビトロの死体皮膚流束データは本発明の経皮デリバリーシステムからのインビボ入力を表す。この点で、2及び8cmパッチについてインビボで実測したスフェンタニルの平均皮膚流束は約1.1μg/cm/時である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スフェンタニルを生きている被験者の皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムであって、前記システムは少なくとも約48時間の単回適用投与期間にわたりスフェンタニルの実質的に一定のデリバリー速度を与え、前記した一定のデリバリー速度は投与期間にわたり約1.8以下の最小/最大比を有する血漿スフェンタニル濃度を確立し、維持するのに十分である前記経皮デリバリーシステム。
【請求項2】
スフェンタニルのデリバリー速度は実質的に0次である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項3】
スフェンタニルのデリバリー速度は投与期間にわたり全体として約5〜6%低下することを特徴とする請求項2に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項4】
スフェンタニルのデリバリー速度は投与期間にわたり全体として約5〜6%増加することを特徴とする請求項2に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項5】
スフェンタニルのデリバリー速度は投与期間にわたり全体として実質的に増加も減少もしないことを特徴とする請求項2に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項6】
定常状態でのデリバリー速度は少なくとも約1μg/時である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項7】
定常状態でのデリバリー速度は少なくとも約1.5μg/時である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項8】
定常状態でのデリバリー速度は少なくとも約2μg/時である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項9】
定常状態でのデリバリー速度は少なくとも約3μg/時である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項10】
定常状態でのデリバリー速度は少なくとも約5μg/時である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項11】
定常状態でのデリバリー速度は少なくとも約10μg/時である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項12】
投与期間は少なくとも約48時間である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項13】
投与期間は少なくとも約3日間である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項14】
投与期間は少なくとも約7日間である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項15】
システムから皮膚を介する正味流束は少なくとも約1μg/cm/時である請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項16】
システムは浸透エンハンサーを含んでいない請求項15に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項17】
システムは剪断時間測定試験を用いて測定して約1〜40分の剪断時間を有している請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項18】
システムは該システムからのスフェンタニルの流束に対して少なくとも約50%の剤形速度制御(J/J)及び該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時の正味流束を与える請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項19】
システムは浸透エンハンサーを含んでいない請求項18に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項20】
システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を約50%以下の変動係数(ΔJ/J)で与える請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項21】
システムは浸透エンハンサーを含んでいない請求項20に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項22】
システムは感圧性接着性マトリックスにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量のスフェンタニルを含有している感圧性接着性マトリックスを含むモノリシックシステムであり、更に前記システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束を少なくとも約24時間与える請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項23】
システムは浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでない請求項22に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項24】
システムは感圧性接着性マトリックスにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量のスフェンタニルを含有している感圧性接着性マトリックスを含むモノリシックシステムであり、更に前記システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時の正味流束を与え、前記システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形制御を与える請求項1に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項25】
システムは浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいない請求項24に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項26】
スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムであって、前記システムは該システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御及び該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時の正味流束を与え、更に前記システムは浸透エンハンサーを含んでいない前記経皮デリバリーシステム。
【請求項27】
剤形速度制御(J/J)は少なくとも約50%である請求項26に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項28】
剤形速度制御(J/J)は少なくとも約60%である請求項26に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項29】
剤形速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物により与えられる制御を含む請求項26に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項30】
剤形速度制御は速度制御膜により与えられる制御を含む請求項26に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項31】
スフェンタニルはシステム中に全システムの約1〜20wt%の量で存在している請求項26に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項32】
スフェンタニルはシステム中に該システムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量で存在している請求項26に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項33】
システムは被験者に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項26に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項34】
システムは被験者に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項33に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項35】
被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項26に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項36】
被験者に適用したとき無痛覚を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項35に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項37】
被験者に適用したとき無痛覚を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項35に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項38】
スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムであって、前記システムはスフェンタニルを含有している感圧性接着性マトリックスを含んでなり、前記システムは浸透エンハンサーを含まず、更に前記システムは剪断時間測定試験を用いて測定して約1〜40分の剪断時間を有する前記経皮デリバリーシステム。
【請求項39】
接着性マトリックスはシステムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与える請求項38に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項40】
システムは該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を与える請求項39に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項41】
接着性マトリックスは約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有する請求項38に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項42】
スフェンタニルはシステム中に全システムの約1〜20wt%の量で存在している請求項38に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項43】
スフェンタニルはシステム中に該システムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量で存在している請求項38に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項44】
システムは被験者に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項38に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項45】
システムは被験者に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項44に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項46】
被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項38に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項47】
被験者に適用したとき無痛覚を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項46に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項48】
被験者に適用したとき無痛覚を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項46に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項49】
スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムであって、前記システムは該システムからのスフェンタニルの流束に対して少なくとも約50%の剤形速度制御(J/J)及び前記システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時の正味流束を与え、更に前記システムは浸透エンハンサーを含んでいない前記経皮デリバリーシステム。
【請求項50】
システムは少なくとも約60%の剤形速度制御(J/J)を与える請求項49に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項51】
システムから皮膚を介する正味流束(J)は少なくとも約1.5μg/cm/時である請求項49に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項52】
剤形速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物により与えられる制御を含む請求項49に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項53】
剤形速度制御は速度制御膜により与えられる制御を含む請求項49に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項54】
スフェンタニルはシステム中に全システムの約1〜20wt%の量で存在している請求項49に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項55】
スフェンタニルはシステム中に該システムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量で存在している請求項49に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項56】
システムは被験者に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項49に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項57】
システムは被験者に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項56に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項58】
被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項49に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項59】
被験者に適用したとき無痛覚を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項58に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項60】
被験者に適用したとき無痛覚を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項58に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項61】
スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムであって、前記システムは被験者に適用したとき該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を約50%以下の変動係数(ΔJ/J)で与え、更に前記システムは浸透エンハンサーを含んでいない前記システム。
【請求項62】
システムは更に該システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与える請求項61に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項63】
剤形速度制御(J/J)は少なくとも約50%である請求項62に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項64】
剤形速度制御(J/J)は少なくとも約60%である請求項62に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項65】
剤形速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物により与えられる制御を含む請求項61に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項66】
剤形速度制御は速度制御膜により与えられる制御を含む請求項61に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項67】
スフェンタニルはシステム中に全システムの約1〜20wt%の量で存在している請求項61に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項68】
スフェンタニルはシステム中に該システムにおけるスフェンタニルの飽和点を超える量で存在している請求項61に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項69】
システムは被験者に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項61に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項70】
システムは被験者に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項69に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項71】
被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項61に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項72】
被験者に適用したとき無痛覚を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項71に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項73】
被験者に適用したとき無痛覚を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項71に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項74】
スフェンタニルを皮膚を介して投与するための経皮デリバリーシステムであって、前記システムは被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有しているリザーバを含み、前記リザーバは約1.25〜5ミルの乾燥非水和状態での厚さを有し、前記システムは被験者への3日間以上の適用の終了時にリザーバからスフェンタニルの少なくとも約70%のデリバリー効率を与える前記システム。
【請求項75】
システムは被験者への3日間以上の適用の終了時にリザーバからスフェンタニルの少なくとも約80%のデリバリー効率を与える請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項76】
リザーバは被験者に適用したとき無痛覚を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有しており、システムは被験者への5日間以上の適用の終了時にリザーバからスフェンタニルの少なくとも約70%のデリバリー効率を与える請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項77】
リザーバは被験者に適用したとき無痛覚を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有しており、システムは被験者への7日間以上の適用の終了時にリザーバから少なくとも約70%のスフェンタニルのデリバリー効率を与える請求項76に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項78】
リザーバは約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有している請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項79】
リザーバは接着性マトリックスを含んでなる請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項80】
システムは該システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与える請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項81】
剤形速度制御(J/J)は少なくとも約50%である請求項80に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項82】
剤形速度制御(J/J)は少なくとも約60%である請求項80に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項83】
剤形速度制御は製薬上許容される接着性マトリックス担体組成物により与えられる制御を含む請求項80に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項84】
スフェンタニルはシステム中に全システムの約1〜20wt%の量で存在している請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項85】
スフェンタニルはシステム中に該システムにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量で存在している請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項86】
システムは被験者に適用したとき約0.01〜200μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項87】
システムは被験者に適用したとき約1〜20μg/時でスフェンタニルを投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項86に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項88】
リザーバは約0.0025〜0.154mlの容量を有する請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項89】
システムは浸透エンハンサーを含んでいない請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項90】
システムからのスフェンタニルの正味流束(J)は少なくとも約1μg/cm/時である請求項74に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項91】
正味流束(J)は少なくとも約1.5μg/cm/時である請求項90に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項92】
感圧性接着性マトリックスにおけるスフェンタニルの溶解度を超える量のスフェンタニルを含有している感圧性接着性マトリックスを含むスフェンタニルを皮膚を介して投与するためのモノリシック経皮デリバリーシステムであって、前記システムは被験者に適用したとき該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束を少なくとも約24時間与え、更に前記システムは浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいない前記システム。
【請求項93】
システムは少なくとも約1.5μg/cm/時のスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束(J)を与える請求項92に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項94】
システムはスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束(J)を少なくとも約36時間与える請求項92に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項95】
システムは被験者に適用したときスフェンタニルを約1〜20μg/時で投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項92に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項96】
スフェンタニルはシステム中に全システムの約1〜20wt%の量で存在する請求項92に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項97】
被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項96に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項98】
被験者に適用したとき無痛覚を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項96に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項99】
被験者に適用したとき無痛覚を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項96に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項100】
接着性マトリックスは約1〜10cmの薬物放出界面表面積を有する請求項92に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項101】
感圧性接着性マトリックスにおけるスフェンタニルの飽和点を超える量のスフェンタニルを含有している感圧性接着性マトリックスを含むスフェンタニルを皮膚を介して投与するためのモノリシック経皮デリバリーシステムであって、前記システムは被験者に適用したとき該システムから皮膚を介して少なくとも約1μg/cm/時のスフェンタニルの正味流束を与え、更に前記システムは該システムからのスフェンタニルの流束に対して剤形速度制御を与えるが、浸透エンハンサーも速度制御膜も含んでいない前記システム。
【請求項102】
剤形速度制御(J/J)は少なくとも約50%である請求項101に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項103】
剤形速度制御(J/J)は少なくとも約60%である請求項101に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項104】
システムは該システムから皮膚を介してスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束を少なくとも約24時間与える請求項101に記載の経皮デリバリーシステム,。
【請求項105】
システムは少なくとも約1.5μg/cm/時のスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束(J)を与える請求項101に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項106】
システムはスフェンタニルの実質的に一定の定常状態正味流束(J)を少なくとも約36時間与える請求項104に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項107】
システムは被験者に適用したときスフェンタニルを約1〜20μg/時で投与するのに十分な定常状態正味流束を与える請求項104に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項108】
スフェンタニルはシステム中に全システムの約1〜20wt%の量で存在している請求項101に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項109】
被験者に適用したとき無痛覚を3日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項108に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項110】
被験者に適用したとき無痛覚を5日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項108に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項111】
被験者に適用したとき無痛覚を7日間以上誘導し、維持するのに十分な量のスフェンタニルを含有している請求項108に記載の経皮デリバリーシステム。
【請求項112】
接着性マトリックスは約1〜10cmの皮膚界面表面積を有している請求項101に記載の経皮デリバリーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−79281(P2013−79281A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−2422(P2013−2422)
【出願日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【分割の表示】特願2007−538106(P2007−538106)の分割
【原出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(508027589)デュレクト コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】