説明

経皮パッチ

本発明は、ニトログリセリンの投与に適した経皮パッチに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニトログリセリンの投与用の経皮パッチに関する。
【背景技術】
【0002】
ニトログリセリンは、狭心症の予防及び処置に使用される血管拡張薬である。
【0003】
皮膚に対する高い透過能ゆえ、この活性本体は、経皮投与に特に適する。
【0004】
数年来、活性本体の投与用に、種々の数の経皮システムが開発されている。これらのうち、いわゆる、支持層と薬物/接着剤ブレンドとからなる薬物含有接着性パッチ(drug−in−adhesive patch)は、製造の観点から、特に大きな利点を有することが証明されている。これらのパッチにおいて、薬物は、接着剤に直接分散し、その後、同時に複数の機能を実行する。実際、パッチを皮膚に近接して接着保持することに加えて、接着剤は、薬物の貯蔵庫(reservoir)として機能し、且つ薬物の放出用の調節剤としても機能する。
【0005】
しかしながら、薬物含有接着性パッチを処方することは、かなりの欠点を有するものであって、ポリマーの接着剤の本質的な特性は、活性本体及びその他の可能な成分の添加によって改変されてしまう。従って、高い含量の活性本体により、しばしば、ポリマーの接着性及び粘着性や、活性本体の放出の制御能の両方に損失を与える。
【0006】
従って、薬物含有接着性パッチは、活性本体の量に対する接着剤の量が高い比率を有することを特徴とするとともに、また、十分量の薬物の放出を達成するため、患者の使用がそれほど容易でない大きな表面積を有する。
【0007】
この欠点を克服することを目的として、薬物含有接着性パッチの処方には、吸収促進剤がしばしば使用され、これは、皮膚の活性本体に対する透過性を増加し得る物質であり、パッチに含有される活性本体の量及びパッチの寸法を低減し得る。
【0008】
例えば、ニトログリセリンの場合、吸収促進剤としてオレイン酸エチルを含有するMinitran patch(3MイタリアS.p.a)は、ニトログリセリンを基礎とした市販の経皮パッチであるが、これは、in vivoにおいて、放出される量に対する含有する活性本体の量が最も好ましいものである。
【0009】
特に、このMinitranにより、54gのニトログリセリン、147mgのアクリル酸共重合体誘導体、13mgのオレイン酸エチル及び2.16gのモノラウリン酸グリセリンからなる処方で、15mg/日の活性本体の投与が可能である。
【0010】
特許文献1は、ニトログリセリンの投与用の、吸収促進剤としてソルビタンエステルを含有する経皮パッチを開示する。その筆者は、このパッチがMinitranで観察されるものよりも大きな、皮膚に対する非常に高い透過率を有することを特徴とすると述べている。
【0011】
しかしながら、吸収促進剤を使用することは、これらの物質が皮膚構造に相互作用するため皮膚の炎症をしばしば引き起こすという、パッチに対する患者の抵抗性を低減するという欠点を有する。
【特許文献1】欧州特許第0561983号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、吸収促進剤が存在せず、過剰の表面積を有するパッチを調製する必要なく、活性本体の十分な血漿濃度を得る、新規の経皮処方を提供することが強く求められている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、ニトログリセリンの投与に適した薬物含有接着性パッチの調製用の新規の処方を見出し、これは、吸収促進剤を使用する必要がなく、十分量のニトログリセリンを透過させ得るものである。
【0014】
詳細には、本発明は、経皮パッチを提供するものであって、この経皮パッチは:
a)ニトログリセリンに不透過性のバック層と;
b)マトリクス層と;
を有し、
前記マトリクス層は:
I)乾燥質量を基礎として、35重量%〜50重量%のニトログリセリンと;
II)乾燥重量を基礎として、40重量%〜80重量%の、Duro−Tak87−2852の商標名で市販の、自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)乾燥重量を基礎として、1.5重量%以上2.5重量%未満のソルビタンモノラウレートと;
IV)乾燥重量を基礎として、1重量%〜3重量%のプロピレングリコールと;
を有する。
【0015】
好ましくは、上記のマトリクスは、少なくとも1:1の比率のポリマー:ニトログリセリンの比率を有する。
【0016】
本発明者らは、驚くべきことに、下記の例で示すように、特許文献1においてソルビタンモノラウレートが吸収促進剤として述べられているにもかかわらず、この物質は、2.5重量%未満の量でパッチのマトリクスに存在している場合、吸収促進剤として作用せず、ポリマー接着剤の特性を調節する機能のみを有することを見出した。
【0017】
本発明の特定の処方では、驚くべきことに、機能的な特徴、特に接着能及び放出制御能に影響を与えることなく、高い含量でパッチにニトログリセリンを導入することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
従って、本発明のパッチは、吸収促進剤などの炎症を惹起し得る物質を使用することなく、満足のいくニトログリセリンの透過動態を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、ニトログリセリンの投与に適した薬物含有接着性型の経皮パッチを提供するものであって、この経皮パッチは:
a)低密度のポリエチレンからなる、ニトログリセリンに不透過性のバック層と;
b)マトリクス層と;
を有し、
このマトリクス層は:
I)乾燥質量を基礎として、35重量%〜50重量%の、好ましくは、40重量%〜45重量%のニトログリセリンと;
II)乾燥重量を基礎として、40重量%〜80重量%の、好ましくは50重量%〜55重量%の、Duro−Tak87−2852の商標名で市販の、自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)乾燥重量を基礎として、1.5重量%以上2.5重量%未満のソルビタンモノラウレートと;
IV)乾燥重量を基礎として、1重量%〜3重量%のプロピレングリコールと;
V)0重量%〜7.5重量%のその他の医薬的に許容な賦形剤と;
を有する。
【0020】
好ましくは、本発明のパッチのマトリクスは、少なくとも1:1の比率のポリマー:ニトログリセリンの比率を有する。
【0021】
特定の好適な適用例によると、本発明のパッチのマトリクスは、下記の百分率の成分を有する。つまり:
I)43重量%〜44重量%のニトログリセリンと;
II)52重量%〜53重量%の自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)1.5重量%以上2.5重量%未満のソルビタンモノラウレートと;
IV)1重量%〜2重量%のプロピレングリコールと;
V)0重量%〜2重量%のその他の医薬的に許容な賦形剤と;
を有する。
【0022】
好適実施例によると、本発明のパッチは、上記の(V)の賦形剤を含有しない。
【0023】
好ましくは、本発明の経皮パッチは、24時間で5mg、10mg又は15mgのニトログリセリンの放出を達成するような寸法及び成分を有する。
【0024】
本発明の経皮パッチの特定の好適実施例は、下記の通りである。
【0025】
・パッチ1。皮膚に適用されるマトリクスの表面は、6〜7.3cmの、好ましくは6.7cmの面積を有し、マトリクスは、下記の成分を有する。つまり:
I)24mg〜29mgの、好ましくは26.6mgのニトログリセリンと;
II)28.7mg〜35.1mgの、好ましくは31.9mgの自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)1.3mg〜1.6mgの、好ましくは1.5mgのソルビタンモノラウレートと;
IV)0.8mg〜1.0mgの、好ましくは0.9mgのプロピレングリコールと;
を有する。
【0026】
上述のパッチは、5mg/24時間のニトログリセリンの放出を達成するのに適する。
【0027】
・パッチ2。皮膚に適用されるマトリクスの表面は、12〜14.6cmの、好ましくは13.3cmの面積を有し、マトリクスは、下記の成分を有する。つまり:
I)47.7mg〜58.3mgの、好ましくは53.0mgのニトログリセリンと;
II)57.1mg〜69.8mgの、好ましくは63.5mgの自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)2.7mg〜3.3mgの、好ましくは3mgのソルビタンモノラウレートと;
IV)1.5mg〜1.9mgの、好ましくは1.7mgのプロピレングリコールと;
を有する。
【0028】
上述のパッチは、10mg/24時間のニトログリセリンの放出を達成するのに適する。
【0029】
・パッチ3。皮膚に適用されるマトリクスの表面は、18〜22cmの、好ましくは20.0cmの面積を有し、マトリクスは、下記の成分を有する。つまり:
I)72mg〜88mgの、好ましくは80mgのニトログリセリンと;
II)86.2mg〜105.4mgの、好ましくは95.8mgの自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)4mg〜4.9mgの、好ましくは4.5mgのソルビタンモノラウレートと;
IV)2.3mg〜2.9mgの、好ましくは2.6mgのプロピレングリコールと;
を有する。
【0030】
上述のパッチは、15mg/24時間のニトログリセリンの放出を達成するのに適する。
【0031】
上記のパッチ1、2及び3は、上記のMinitransと生物学的に等価であるが、これと比較すると、吸収促進剤を含有しないという利点を有し、従って、患者に対して、より耐性の高いものである。
【0032】
また、本発明は、上記のパッチの調製方法を提供するものであって、下記のステップを有する。つまり:
a)活性本体とマトリクスのその他の成分とを含有する半固形の接着物を調製するステップと;
b)均一で均質なフィルムを得るように、前記の物を、例えば、シリコン処理したポリエステルなどのシリコン処理した支持体上に塗布するステップと;
c)前記のフィルムを乾燥するステップと;
d)前記の接着剤のフィルムを下地(backing)に結合するステップと;
e)前記のパッチを所望の形状及び寸法に切断するステップと;
を有する。
【0033】
上述の各ステップは、当業者に周知の、薬物含有接着性パッチの調製に通常利用される方法に従って、実行される。
【0034】
(実験例)
(例1)
1日当たり5mg、10mg及び15mgのニトログリセリンをそれぞれ放出し得るパッチの調製
下記の成分の接着性の半固形物を、周辺温度で、ステンレス製のスチール攪拌機中で調製する。
【0035】
【表1】

【0036】
澄明な黄色の外観の上記の物を、載置して、攪拌段階で導入される空気を消失させる。
【0037】
均一で均質なフィルムを得るため、ニトログリセリンを含有する上記の接着物を、工業用の塗布機上に塗布する;シリコン処理したポリエステルの裏地(liner)を、塗布用の支持体として用いる。なお、これは、パッチの最終的な防護層を形成する。ローラー間のギャップは、分散される上記の物を決定付けるものであるが、91.32g/mとすべく、乾燥重量の関数として、制御される;乾燥物の質量は、39.9g/mのニトログリセリンの濃度に対応する。
【0038】
このステップの直後、熱風乾燥機中で乾燥することにより、溶媒を蒸発させる。
【0039】
この乾燥工程の終期において、裏地を有するフィルムを、低密度ポリエチレンの下地に結合し、マスターロールで巻き取る;異なる親和性の接着性フィルムは、下地と比較して、後者の上に移行し接着剤に固定され得る。
【0040】
得られたマスターロールを、糸巻き(bobbin)に切断する。なお、この寸法は、最終的なパッチの投与量に従って、変更する。
【0041】
このように切断した糸巻きを成型機上に負荷し、下記の表に示す所望の形状の特性に従って、パッチを打ち抜く。
【0042】
【表2】

【0043】
下記の製造に従って、各個単体を最初に梱包する。
【0044】
二次的な梱包において、15のパッチ及び説明書を段ボール箱中に載置する。
【0045】
(例2)
ニトログリセリンの透過動態のin vitroにおける分析
ソルビタンモノラウレートのニトログリセリンの透過動態に及ぼす影響を分析するため、マウスの皮膚及びヒトの皮膚に対する、異なる濃度のソルビタンモノラウレートを含有する経皮パッチからのニトログリセリンの透過性を、Franzの拡散セル(Hanson−Research製)中で測定した。
【0046】
試験は、イタリア薬局方11版及び欧州薬局方4版に従って、行った。
【0047】
詳細には、単一の成分の重量百分率として示した下記の成分を有する2つのパッチを調製した。
【0048】
【表3】

【0049】
2a)マウスの皮膚に対する透過性試験
この透過性の試験は、15mmの開口(メンブレンの表面積1.766cm)と7mLのセルの容量とで改変したFranzの拡散セルを用いて行った。一定に攪拌して保持したpH7のリン酸緩衝液をセル中での受容用の液体として用いた。
【0050】
最大で6週齢のCDF1マウスを屠殺し、その背部から採取したサンプルの皮膚を脱毛し、生理的溶液(0.9%の塩化ナトリウム滅菌水溶液)中で洗浄した。
【0051】
皮膚撒布の除去から1時間以内に、皮膚のサンプルをセルの開口部に載置し、メンブレンを形成し、分析対象の経皮パッチを、それぞれ、メンブレン上に載置して、クリップで留めた。
【0052】
所定の間隔で、300μLの受容用溶液を除去し、それぞれの時間で等量のリン酸緩衝液に交換した。
【0053】
透過性試験を行った条件を、下記の表にまとめる。
【0054】
【表4】

【0055】
50:50のメタノール/水の混液を移動相として用いたHPLC分析により、各サンプル中のニトログリセリンの量を同定した。
【0056】
各パッチで得た結果を下記の表に示す。
【0057】
【表5】

【0058】
【表6】

【0059】
独立のサンプルについてのt検定を用いて、各パッチで得た結果を分析した。
【0060】
t検定の結果を下記の表に示す。その結果、パッチA及びBで得た皮膚の透過性の動態に、有意差はなかった。
【0061】
【表7】

【0062】
時間(時間)の関数として、皮膚に対して透過した薬物の蓄積量(μg/cm)の回帰直線により、各パッチについて、定常状態における流速を同定した。その結果を下記の表に示す。
【0063】
【表8】

【0064】
得た結果が示すように、この試験で比較した2つのパッチで得た皮膚に対するニトログリセリンの透過率は、非常に似通ったものであった。
【0065】
従って、ソルビタンモノラウレートを2.44%で含有するマトリクスのパッチで観察された透過性は、ソルビタンモノラウレートを含有しないパッチで観察されたものと同等である。従って、本発明における結果は、分析した濃度において、ソルビタンモノラウレートは、吸収促進剤として作用しないことを示す。
【0066】
2b)ヒトの皮膚に対する透過性の試験
外科的手法により、同様の被検者の腹部の皮膚を採取した。
【0067】
60℃±1℃の蒸留水に皮膚を1分間浸漬した後、真皮を除去して、角質層及び表皮からなるメンブレン(SCEメンブレン)を調製した。このメンブレンを、約25%の周囲湿度で、アルミニウムシートに包んで、約−20℃±1℃の温度で必要となるまで保持して、乾燥した。この乾燥したサンプルを、生理食塩水中、周囲温度で16時間浸漬することで、再水和した。
【0068】
その後、5mLの受容用容量、及び0.636cmの拡散面積を有する改変したFranzの拡散セル上に各メンブレンを載置し、クリップで留めた。
【0069】
試験の開始時において、2.54cmの面積を有するパッチを、ドナー相としてこの拡散セルに適用した。
【0070】
上記の受容用液体は、pH7.4のリン酸緩衝液からなり、マグネティックスターラーで連続して攪拌し、37℃±1℃の温度で保持し、皮膚の表面を32℃±1℃の温度に保持した。予め設定した間隔(1時間、3時間、5時間、8時間及び24時間)において、200μLのサンプルを上記の受容用成分から除去し、新鮮な受容用液体と交換した。
【0071】
各セルで得た定量の結果を、下記の表に示す。
【0072】
【表9】

【0073】
【表10】

【0074】
独立のサンプルについてのt検定を用いて、得た結果を分析した。
【0075】
t検定の結果を下記の表に示す。その結果、パッチA及びBで得た皮膚の透過性の動態には、有意差はなかった。
【0076】
【表11】

【0077】
時間(時間)の関数として、皮膚に対して透過した薬物の蓄積量(μg/cm)の回帰直線により、各パッチについて、定常状態における流速を同定した。その結果を下記の表に示す。その結果、2つのパッチ間で有意差がないことを確認した。
【0078】
しかしながら、ヒトの皮膚で行った試験においても確認したように、試験した濃度でのソルビタンモノラウレートは、吸収促進剤として作用しない。
【0079】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物含有接着性型の経皮パッチであって、
a)ニトログリセリンに不透過性のバック層と;
b)マトリクス層と;
を有し、前記マトリクス層は:
I)乾燥質量を基礎として、35重量%〜50重量%のニトログリセリンと;
II)乾燥重量を基礎として、40重量%〜80重量%の自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)乾燥重量を基礎として、1.5重量%以上2.5重量%未満のソルビタンモノラウレートと;
IV)乾燥重量を基礎として、1重量%〜3重量%のプロピレングリコールと;
V)0重量%〜7.5重量%のその他の医薬的に許容な賦形剤と;
を有することを特徴とする経皮パッチ。
【請求項2】
前記マトリクス層は、下記の百分率の成分:
I)乾燥質量を基礎として、40重量%〜45重量%のニトログリセリンと;
II)乾燥重量を基礎として、50重量%〜55重量%の自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)乾燥重量を基礎として、1.5重量%以上2.5重量%未満のソルビタンモノラウレートと;
IV)乾燥重量を基礎として、1重量%〜3重量%のプロピレングリコールと;
V)0重量%〜7.5重量%のその他の医薬的に許容な賦形剤と;
を有することを特徴とする請求項1に記載のパッチ。
【請求項3】
前記マトリクス層は、下記の百分率の成分:
I)乾燥質量を基礎として、43重量%〜44重量%のニトログリセリンと;
II)乾燥質量を基礎として、52重量%〜53重量%の自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)1.5重量%以上2.5重量%未満のソルビタンモノラウレートと;
IV)1重量%〜2重量%のプロピレングリコールと;
V)0重量%〜2重量%のその他の医薬的に許容な賦形剤と;
を有することを特徴とする請求項2に記載のパッチ。
【請求項4】
前記のポリマー:ニトログリセリンの比率は、少なくとも1:1であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項5】
前記の(V)の賦形剤を含有しないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項6】
皮膚に適用されるマトリクスの表面は、6〜7.3cmの面積を有し、マトリクスは、下記の成分:
I)24mg〜29mgのニトログリセリンと;
II)28.7mg〜35.1mgの自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)1.3mg〜1.6mgのソルビタンモノラウレートと;
IV)0.8mg〜1.0mgのプロピレングリコールと;
を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項7】
前記の皮膚に適用されるマトリクスの表面は、6.7cmの面積を有することを特徴とする請求項6に記載のパッチ。
【請求項8】
前記のマトリクスは、下記の成分:
I)26.6mgのニトログリセリンと;
II)31.9mgの自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)1.5mgのソルビタンモノラウレートと;
IV)0.9mgのプロピレングリコールと;
を有することを特徴とする請求項6又は7に記載のパッチ。
【請求項9】
皮膚に適用されるマトリクスの表面は、12〜14.6cmの面積を有し、マトリクスは、下記の成分:
I)47.7mg〜58.3mgのニトログリセリンと;
II)57.1mg〜69.8mgの自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)2.7mg〜3.3mgのソルビタンモノラウレートと;
IV)1.5mg〜1.9mgのプロピレングリコールと;
を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項10】
前記の皮膚に適用されるマトリクスの表面は、13.3cmの面積を有することを特徴とする請求項9に記載のパッチ。
【請求項11】
前記のマトリクス層は、下記の成分:
I)53.0mgのニトログリセリンと;
II)63.5mgの自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)3mgのソルビタンモノラウレートと;
IV)1.7mgのプロピレングリコールと;
を有することを特徴とする請求項9又は10に記載のパッチ。
【請求項12】
皮膚に適用されるマトリクスの表面は、18〜22cmの面積を有し、マトリクスは、下記の成分:
I)72mg〜88mgのニトログリセリンと;
II)86.2mg〜105.4mgの自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)4mg〜4.9mgのソルビタンモノラウレートと;
IV)2.4mg〜2.8mgのプロピレングリコールと;
を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパッチ。
【請求項13】
前記の皮膚に適用されるマトリクスの表面は、20cmの面積を有することを特徴とする請求項12に記載のパッチ。
【請求項14】
前記のマトリクスは、下記の成分:
I)80mgのニトログリセリンと;
II)95.8mgの自己架橋性アクリル酸/2−酢酸エチル/アクリル酸メチルの共重合体と;
III)4.5mgのソルビタンモノラウレートと;
IV)2.6mgのプロピレングリコールと;
を有することを特徴とする請求項12又は13に記載のパッチ。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のパッチの調製方法であって:
a)活性本体とマトリクスのその他の成分とを含有する半固形の接着物を調製するステップと;
b)均一で均質なフィルムを得るように、前記の物を、シリコン処理した支持体上に塗布するステップと;
c)前記のフィルムを乾燥するステップと;
d)前記の接着剤のフィルムを下地に結合するステップと;
e)前記のパッチを所望の形状及び寸法に切断するステップと;
を有することを特徴とする方法。

【公表番号】特表2008−534474(P2008−534474A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502401(P2008−502401)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060930
【国際公開番号】WO2006/100251
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507318510)ブーティ ソシエタ ペル アチオニ (1)
【Fターム(参考)】