説明

経皮ホルモン送達システム:組成物および方法

【課題】本発明は稔性制御のための、および種々の疾患および状態についての治療としてのホルモン治療に関する。
【解決手段】経皮ホルモン送達システム(THDS)を開示する。THDSは稔性制御に有用であり、プロゲスチンおよびエストロゲンホルモン、特にプロゲスチン、レボノルゲストレルの着実な送達により治療可能な種々の疾患および状態のための治療として有用である。THDSは、支持層、少なくともプロゲスチンホルモンの有効量を含む隣接する粘着性ポリマーマトリクス、予め決められた量で存在する一つ以上の経皮透過増強剤により増強される送達を含む。THDSは、皮膚と接触する小さい表面積、例えば20平方センチメートル未満から有効な1日用量のプロゲスチンおよびエストロゲンホルモンを提供することができる。THDSを利用した稔性制御方法および種々のホルモン補充療法もまた開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、1999年11月24日に出願された米国仮出願60/167,535の利益を主張する2000年11月22日に出願された国際出願番号PCT/US00/32043の米国国内出願である2002年5月23日に出願された米国出願番号10/130,913の一部継続出願である2003年7月17日に出願された米国出願番号10/621,711に優先権を主張し、これらそれぞれのすべての内容は本明細書に引用される。本発明は稔性制御のための、および種々の疾患および状態についての治療としてのホルモン治療に関する。具体的に本発明は、ステロイドホルモンの着実な送達のための経皮ホルモン送達システムに関連する製剤および使用方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
種々の科学論文および特許公報は、本発明が関連する技術の情勢を記載するために本明細書に引用される。これらそれぞれの公報は、そのまま本明細書に引用される。
【0003】
合成エストロゲンおよび/またはプロゲスチンを用いたホルモン治療は現在、稔性を制御するため、および数多くのものの中でニキビの制御、子宮内膜症の治療、無月経の誘発もしくは予防、妊娠の支援および乳汁漏出症の治療などの種々のホルモン関連状態または欠如の治療または予防のために使用される。伝統的に、合成エストロゲンおよび合成プロゲスチンの組合せは、経口投与剤形にて従来使用されていた。合成プロゲスチンおよびエストロゲンの組合せは効果的に排卵を抑制するが、いくつかの望ましくない副作用がこのタイプの経口避妊薬と関連する。例えば脳梗塞および心筋梗塞などの血栓塞栓症および関連する血管障害の発生率は、経口避妊薬を使用する女性においてより高く、相対的な危険性は、対照母集団と比較して11倍大きいことがある。さらに危険性は35歳を超える女性において急増する。避妊薬の使用はまた、良性肝臓腫瘍の増大する徴候および胆嚢疾患の増大する危険性とも関連している。さらに致命的異常は、女性が妊娠した後、経口避妊薬を服用し続けた場合に生じることがある。
【0004】
経皮ホルモン送達は、多くの利点を提供し、経口避妊薬およびホルモン治療と関連するいくつかの不都合を回避する。具体的に、経皮的速度制御薬投与は、経口治療と関連する吸収および代謝における変動を避ける。短い生物学的半減期で薬理学的に活性な物質の使用を容認する一続きの薬物投与をさらに提供する。さらに、経皮レジメにおける過剰服用または過小服用の機会が減り、複数日の簡便な経皮レジメに従う患者は毎日の経口服用を行う患者よりも優れている。
【0005】
それゆえ1)高レベルのプロゲスチンの使用、2)合成または天然エストロゲンのいずれかの使用、3)各月経周期のための最小数の投与量単位の使用を許可し、さらに稔性制御または望ましくない代謝的もしくは化学的分解生成物の産生を最小限にするか、もしくはまったくなしにする他の治療目標を完全に確実にするために適当なレベルのプロゲスチンおよびエストロゲンホルモンを提供する製剤および経皮システムを提供することが非常に望ましい。
【0006】
近年、女性の稔性制御のための種々の経皮避妊薬送達システムが発展している。米国特許番号5,296,230は、支持層、微量分散投与量のエストロゲンおよびプロゲスチンホルモンを含む支持層に付着したポリマー層、および粘着層を含む、経皮稔性制御ポリマーマトリクス投与量単位を記載する。米国特許番号5,560,922は、天然エストロゲン、17β−エストラジオールもしくはエチニルエストラジオール、またはそれらと支持層、およびホルモンを放出するマイクロ貯槽(microreservior)を含む隣接するポリアクリレート粘着性ポリマー層を含む投与量単位における天然プロゲステロンもしくはプロゲスチンの量との組合せの送達を開示する。
【0007】
米国特許番号5,788,983は、経皮ポリマー投与量単位、支持層および貯槽層を開示し、該貯槽層は、使用中に皮膚と接触する、可変吸収速度を提供する異なる医薬的治療薬を適宜含んでいてもよい、複数領域を有する。米国特許番号5,762,956は、経皮避妊薬送達装置および該装置を利用した稔性制御方法を記載する。システムは、支持層、および稔性を制御するために有効なホルモンをその中に分散させた粘着性ポリマーマトリクス、ならびに特定の相対重量比における三つの経皮透過増強剤の組合せを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記経皮送達システムは、十分な量のプロゲスチン、特にレボノルゲストレルを、それのみまたは選択されたエストロゲンとの適切なバランスのいずれかで、1つ以上の種々の理由のために送達するそれらの能力に不十分である。例えば米国5,296,230、米国5,560,922および米国5,788,983に記載のシステムは、例えば100cmまでの表面積を有する扱いにくい大きさの投与量単位を含む。米国5,762,956に記載の投与量単位は、その称するところによればより小さいが、送達されるプロゲスチンの量は着実ではない。
【0009】
従って、送達するのに困難な高血清レベルのレボノルゲストレルなどのプロゲスチンを確実に達成することができ、避妊および他の目的のために最小限の副作用でプロゲスチンおよび選択されたエストロゲンの所望のプロファイルを確実に達成することができる、経皮ホルモン送達システムおよびその中で用いるためのドラッグデリバリー構築についての技術が必要である。投与量単位が適度な大きさであり、外見上目立たず、確実に粘着力があるのもまた所望である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本発明は、ステロイドホルモンの経皮吸収を増強するための経皮透過増強剤組成物、ホルモン送達製剤、支持層と、稔性制御または他のホルモン治療に有効な少なくとも一つのホルモンをその中に分散させた粘着性ポリマーマトリクスを含む経皮ホルモン送達システム(THDS)、および関連する組成物および方法を目的とする。ホルモン送達製剤は、THDSの粘着性ポリマーマトリクスに利用することができ、本明細書に特定されている一つ以上の経皮透過増強剤、保湿剤/可塑剤およびポリマーを含む。THDSにおけるそれぞれの経皮透過増強剤の相対量および絶対量は、特定量の出発物質を利用し、乾燥時間および温度などのTHDSを産生するための工程パラメータを制御することにより最適ホルモン送達について調節される。
【0011】
本発明の一つの態様によれば、経皮透過増強剤組成物は、一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモンの送達のための経皮ホルモン送達システムを製造する際の使用のために提供される。組成物は、医薬的に許容される有機溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ヒドロキシ酸(例えば乳酸)の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、ヒドロキシ酸(例えば乳酸)の低級(C−C)アルキルエステル、およびカプリン酸などのC−C18飽和または不飽和脂肪酸の組合せを含む。DMSO、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸を利用する好ましい具体的態様にて、四つの賦形剤はそれぞれ2:1:1:0.8〜6:1:1:0.8、より具体的にはそれぞれ3:1:1:0.8〜4:1:1:0.8の重量比にて混合される。特定の具体的態様にて、乳酸の脂肪族アルコールエステルは乳酸ラウリルであり、乳酸の低級アルキルエステルは乳酸エチルである。
【0012】
本発明の別の態様は、支持層と、経皮的に送達される一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモンを分散させたポリマーマトリクス、好ましくは粘着性ポリマーマトリクスを含むタイプの経皮ホルモン送達システムを製造する際の使用のためのポリマー製剤を特徴とする。本製剤はポリマーを含み、重量百分率基準で、保湿剤/可塑剤を約0%から約5%、および医薬的に許容される有機溶媒(例えばジメチルスルホキシド)とヒドロキシ酸(例えば乳酸)の脂肪族(C−C20)アルコールエステルとヒドロキシ酸(例えば乳酸)の低級(C−C)アルキルエステルとカプリン酸などのC−C18飽和または不飽和脂肪酸の組合せを含む経皮透過増強剤組成物を約10%から約30%含む。DMSO、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸を利用する好ましい具体的態様において、四つの賦形剤はそれぞれ2:1:1:0.8〜6:1:1:0.8、より具体的には3:1:1:0.8〜4:1:1:0.8の重量比で混合される。好ましいポリマーは、粘着性ポリマーであり、いくつかの具体的態様にて、粘着性ポリマーはポリアクリレート粘着性共重合体である。より具体的には、ポリアクリレート粘着性共重合体は、2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを含み、約3%から約60%w/w酢酸ビニルをさらに含む。いくつかの具体的態様にて、保湿剤/可塑剤はポリビニルピロリドン/酢酸ビニルである。いくつかの具体的態様にて、乳酸の脂肪族アルコールエステルは乳酸ラウリルであり、乳酸の低級アルキルエステルは乳酸エチルである。
【0013】
本発明のいくつかの具体的態様にて、ポリマー製剤はプロゲスチンを含み、これは好ましい具体的態様にてレボノルゲストレルである。ポリマー製剤はまた、プロゲスチンおよびエストロゲン、具体的にはレボノルゲストレルおよびエチニルエストラジオールまたは17β−エストラジオールを含むことができる。このタイプの製剤の典型的な具体的態様は、重量百分率基準で、ポリアクリレート粘着性共重合体を約79.65%、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルを約1.25%、ジメチルスルホキシドを約9.51%、乳酸ラウリルを約3.10%、乳酸エチルを約3.10%、カプリン酸を約2.39%、レボノルゲストレルを約0.58%およびエチニルエストラジオールを約0.28%含む。他の具体的態様にて、ポリマー製剤はプロゲスチン、エストロゲンおよびテストステロンを含む。さらに他の具体的態様にて、製剤はテストステロンのみを含む。
【0014】
本発明の別の態様は、経皮透過増強剤に実質的に不透過である支持層と、経皮的に送達されるプロゲスチンおよびエストロゲンホルモンを含むTHDSを特徴とする。ホルモンは、支持層に添加される粘着性ポリマーマトリクス中に分散させる。粘着性ポリマーマトリクスは上記粘着性ポリマー製剤から製造される。THDSの製造が完了した後、粘着性ポリマーマトリクスは、粘着性ポリマーマトリクスの最終重量百分率基準で、保湿剤/可塑剤(約0%から約5%)、約4%から約12%のジメチルスルホキシドなどの医薬的に許容される有機溶媒、約4.2%から約12.6%のヒドロキシ酸(例えば乳酸)の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、約0.7%から約2.3%のヒドロキシ酸(例えば乳酸)の低級(C−C)アルキルエステル、および約3%から約9%のカプリン酸などのC−C18脂肪酸を含む混合物である経皮透過増強剤の組合せ(約12%から約36%)、および予め決められた1日用量の各ホルモンを約1日から約9日間提供するために有効な量の一つ以上のそれぞれのホルモンを含む。いくつかの具体的態様にて、プロゲスチンはレボノルゲストレルであり、エストロゲンはエチニルエストラジオールまたは17β−エストラジオールである。別の具体的態様は、(1)プロゲスチンのみ、(2)プロゲスチンおよびエストロゲンに加えてテストステロン、または(3)テストステロンのみの送達のためのTHDSの適合を含む。
【0015】
本発明の特定の具体的態様にて、保湿剤/可塑剤はポリビニルピロリドン/酢酸ビニルである。粘着性共重合体はポリアクリレート共重合体、好ましくは2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを含む共重合体を含み、約3〜60%w/w酢酸ビニルをさらに含む。
【0016】
THDS製造後における特定量の上記経皮透過増強剤に加えて、いくつかの具体的態様は、重量比でDMSOが約4〜8部、乳酸の脂肪族アルコールエステルが約4〜8部、乳酸の低級アルキルエステルが約1部、カプリン酸が約3〜6部の割合で存在する増強剤を必要とする。DMSOと乳酸の脂肪族アルコールエステルが約1.5:1から約1:1.5の重量比で存在することが好ましい。
【0017】
特定の具体的態様にて、THDSはエチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレルの送達のために構築され、ここに、エチニルエストラジオールは、約1日から約9日間の期間に約10μgから50μg/日の速度にて経皮的に送達され、レボノルゲストレルは、約1日から約9日間の期間に少なくとも20μg/日、より具体的には少なくとも30μg/日の速度にて経皮的に送達される。使用の際、THDSは十分なレボノルゲストレルを経皮的に送達し、少なくとも1000pg/mlの安定した血清濃度を産生する。
【0018】
本発明のTHDSは、プロゲスチン、エストロゲンおよびテストステロンホルモンの、比較的小さな表面積からの着実な送達でさえ可能にする。従って本発明の別の態様は、支持層および粘着性ポリマーマトリクスを含むTHDSを特徴とし、ここに、粘着性ポリマーマトリクスは、約20cmの最大表面積次元および約300μmの最大断面次元を有し、レボノルゲストレルを約1日から約9日間少なくとも20μg/日、より好ましくは少なくとも30μg/日にて送達することができる。好ましい具体的態様にて、粘着性ポリマーマトリクスは、17.5cmまたは15cmの最大表面積次元を有する。特定の具体的態様にて、THDSは、レボノルゲストレルの送達のために構築され、少なくとも1000pg/mlの血清濃度のレボノルゲストレルを与えるのに十分な量のレボノルゲストレルを送達する。
【0019】
他の具体的態様にて、THDSはレボノルゲストレル、およびエチニルエストラジオールまたは17β−エストラジオールなどのエストロゲンの送達のために構築される。より具体的には、エストロゲンはエチニルエストラジオールであり、約1日から約9日間10μgから50μg/日で経皮的に送達される。
【0020】
本発明のTHDSは、適当な量の粘着性ポリマー、保湿剤/可塑剤、経皮透過増強剤およびホルモンを混合することにより製造され、次いで該混合物を支持層上にコーティングし、予め決められた時間予め決められた温度でコーティングされた混合物を乾燥する。別の具体的態様にて、粘着性ポリマー製剤は、放出性ライナー(release liner)の一部分上にコーティングされる。成分の出発量および工程パラメータ(例えばコーティング厚および乾燥時間および温度)は、それぞれの経皮透過増強剤の最終重量比および重量百分率に到達するように調節する。具体的には、方法は以下を含む: (1)粘着性ポリマー製剤の重量百分率基準で、保湿剤/可塑剤(約0%から約5%)、DMSOなどの医薬的に許容される有機溶媒、乳酸などのヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、乳酸などのヒドロキシル酸の低級(C−C)アルキルエステルおよびカプリン酸などのC−C18脂肪酸を含む混合物である経皮透過増強剤の組合せ(約10%から約30%)、および約1日から約9日間予め決められた1日用量の各ホルモンを提供するために有効な量の一つ以上の選択されたホルモンと、粘着性共重合体溶液を組み合わせることにより粘着性ポリマー製剤を製造し、それにより粘着性ポリマーマトリクス出発溶液を形成させること、(2)支持層上にて粘着性ポリマー出発溶液をコーティングすること、および(3)上記経皮ホルモン送達システムを産生するために十分な時間および温度にてコーティングされた支持層を乾燥すること。特定の具体的態様にて、粘着性ポリマー出発製剤は、約300μmから約800μmの厚さにて支持層上にコーティングされ、コーティングされた物質を約5分から約25分間約40℃から約80℃の温度にて乾燥する。
【0021】
いくつかの具体的態様にて、THDS投与量単位は重層層とともに提供される。重層層は支持層に添加されることがあるか、または使用者の分別における適用のために別々に提供することができる。重層層は、粘着剤でコーティングし、支持層および粘着性ポリマーマトリクスの一部または全部の境界線を越えて拡張する。別の具体的態様にて、非粘着性ポリマーは粘着性ポリマーの代わりに用いられ、皮膚接着は重層中に存在する粘着剤により達成される。
【0022】
本発明の別の態様により、稔性制御の方法が提供され、これはそのような治療を所望する対象の皮膚への上記THDSの適用を含む。THDSは、月経周期の連続4週のうち3週について各週一回を稔性制御が所望されるような延長される連続月経周期に置き換えられる。特定の具体的態様にて、THDSはレボノルゲストレルおよびエストロゲン、好ましくはエチニルエストラジオールまたは17β−エストラジオールを送達する。他の具体的態様にて、THDSはプロゲスチンのみ、好ましくはレボノルゲストレルの送達のために適合される。
【0023】
好ましい具体的態様にて、本方法は、エチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレルの経皮送達を含み、ここに、エチニルエストラジオールは約1日から約9日間の期間に約10μgから50μg/日の速度にて送達され、レボノルゲストレルは約1日から約9日間の期間に少なくとも20μg/日、好ましくは少なくとも30μg/日の速度にて送達される。本方法のこれらの具体的態様にて、レボノルゲストレルは少なくとも1000pg/mlの血中濃度を産生するために十分な量にて送達され、これは必要な稔性制御血清レベルを超える。
【0024】
上述の方法は、完全に月経を排除することを望む個体に適合できる。この場合には、THDSは稔性制御として延長される連続週に各週一回置き換えられ、月経の排除が所望される。
【0025】
別の適合にて、本発明のTHDSはテストステロンのみの送達のために構築される。THDSは、治療を所望する間延長される連続週のために各週一回THDSを適用することを含む治療による、性的衝動(男性および女性の両方)の減少を生じるテストステロンレベルの循環の欠乏の治療に使用される。
【0026】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記載および実施例への言及により理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
具体的態様の詳細な記載
以下の記載は本発明の種々の具体的態様であり、本明細書記載のTHDSの粘着性ポリマーマトリクスを製造するために用いられる製剤、ならびに避妊および他の目的のために、送達するのに困難な高血清レベルのレボノルゲストレルなどのプロゲスチン、およびプロゲスチンおよび選択されたエストロゲンおよび/または他のホルモンの所望のプロファイルを確実に達成することができるようなTHDSを製造するための工程パラメータが挙げられる。これらの製剤およびこれらの製剤を用いて産生されるTHDSは、現在開示され、または入手可能なものと異なり、経皮ホルモン送達の技術に有意な発展を構成する。一つの態様にて、本発明のTHDSは、支持層に添加される粘着性ポリマーマトリクス中に分散させた、プロゲスチン、最も適切にはレボノルゲストレル、およびエストロゲン、最も適切にはエチニルエストラジオールまたは17−βエストラジオールを含む。別の態様にて、THDSはプロゲスチンのみを含む。他の態様にて、THDSはプロゲスチン、エストロゲンおよびテストステロンまたはテストステロンのみを含む。
【0028】
本発明のTHDSの投与量単位は、本明細書にてときどき「パッチ」として言及され、その最も単純な形態において、送達されるホルモンおよびそれらのホルモンの適当な速度の経皮送達を促進する他の賦形剤を含む粘着性ポリマーマトリクスが添加される支持層を含む。簡潔に、投与量単位は、粘着性ポリマー、ホルモンおよび賦形剤を出発製剤中にて組み合わせ、支持層上(または別の具体的態様にて放出性ライナー上)に該製剤をコーティングし、ホルモンおよび賦形剤がホルモンの送達に最適な特定量にて存在する投与量単位を産生するために設計される特定の時間、特定の温度にてコーティングされた支持層を乾燥することにより製造される。本明細書に詳細に記載される理由のために、出発製剤中のそれぞれの成分の量は、製造工程が完了した後の最終THDSに見られる成分の量と異なる。これらを区別するために、用語「粘着性ポリマー製剤」、「粘着性ポリマー溶液」または「出発溶液」は本明細書にて、支持層上へのコーティングおよび乾燥の前の出発製剤を意味するために用いる。用語「粘着性ポリマーマトリクス」は本明細書にて、支持層上にコーティングされ、乾燥した後(すなわち「製造後」)の粘着性ポリマー溶液を意味するために用いる。
【0029】
粘着性ポリマー製剤の成分
経皮透過増強剤: 経皮送達システムから放出される薬物分子は、皮膚の各層を透過することができなければならない。薬物分子の透過速度を増大させるために、経皮的ドラッグデリバリーシステムは特に、皮膚の最外層、角質層の透過性を増大することができなければならず、分子の透過に最も抵抗性を示す。この点について、本発明は、特定量にて一つ以上の経皮透過増強剤を使用する経皮ホルモン送達システムを提供する。それは透過ホルモンの十分な流量を提供する、経皮透過増強剤の絶対量および相対量の制御である。経皮透過増強剤はまた、これらのホルモンの所望の透過速度比を提供し、経皮的避妊用送達システムから放出され、所望の効果を産生するために体内に送達される所望の量を達成する。
【0030】
好ましい経皮透過増強剤の組合せは、本発明の実践に用いられる。本組合せは、(1)ジメチルスルホキシド(DMSO)などの医薬的に許容される有機溶媒、(2)乳酸ラウリルなどのヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、(3)乳酸エチルなどのヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステル、および(4)カプリン酸などのC−C18脂肪酸の混合物を含む。最適なホルモン送達のために、これらの経皮透過増強剤は、以下の詳細に記載のように、粘着性ポリマーマトリクス内に特定量にて存在する。いくつかの具体的態様にて、一つ以上の経皮透過増強剤は、ポリマーマトリクスから排除することができる。しかし、特定量の残存する増強剤およびその重量百分率における相対比(出発溶液および最終投与量単位の両方にて)は、本明細書記載の範囲内にとどまるべきである。
【0031】
好ましい具体的態様にて、医薬的に許容される有機溶媒はDMSOである。本発明における使用に適切な他の有機溶媒としては、2、3例を挙げると、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどのC−C分枝鎖または非分枝鎖アルコール、ならびにアゾン(ラウロカプラム(laurocapram): 1−ドデシルヘキサヒドロ−2H−アゼピン−2−オン)およびメチルスルホニルメタンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
ヒドロキシ酸の脂肪族アルコールエステルは好ましくは、乳酸ラウリルなどの乳酸の脂肪族アルコールエステルである。しかし、他のヒドロキシ酸および脂肪族アルコールを使用することができる。別のヒドロキシ酸としては、グリコール酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸およびマンデル酸などのアルファ−ヒドロキシ酸、ならびにベータ−ヒドロキシ酸、サリチル酸が挙げられるが、これらに限定されない。別の脂肪族アルコールとしては、2、3例を挙げると、ミリスチル、パルミチルまたはオレイルアルコールなどのいずれかのC−C20飽和または不飽和脂肪族アルコールが挙げられる。
【0033】
ヒドロキシ酸の低級アルキルエステルはまた、好ましくは乳酸、最も好ましくは乳酸エチルを使用する。しかし、グリコール酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、マンデル酸およびサリチル酸などの他のヒドロキシ酸もまた、使用することができる。さらに、イソプロピルミリスチン酸(IPM)は、ヒドロキシ酸の低級アルキルエステルの代用物として使用することができる。
【0034】
発明者は、経皮透過増強剤製剤中の中鎖から長鎖脂肪酸の包含が、本発明に使用されるホルモンの経皮送達プロファイルを改善することを発見している。カプリン酸が使用に好ましい。しかし他のC−C18飽和または不飽和脂肪酸は、2、3例を挙げると、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸およびミリスチン酸を使用することができるが、これらに限定されない。
【0035】
上記の経皮透過増強剤の組合せは、経皮送達装置のいずれかのタイプからステロイドホルモンの経皮送達を増強するために使用することができる。本明細書に詳細に記載の粘着性ポリマーマトリクスタイプシステムは、使用のために好ましい。しかし増強剤の組合せはまた、2、3例を挙げると、非粘着性ポリマーならびに多層または貯槽型経皮送達システムに利用することができる。
【0036】
ホルモン: 上記経皮透過増強剤を利用したTHDSは、経皮送達の可能ないずれかのタイプのホルモンを送達するために使用することができる。より具体的には、本発明のTHDSは、動物のステロイドホルモンの送達のために構築される。ある具体的態様にて、プロゲスチンおよびエストロゲンの組合せは、一つ以上の次の目的のために利用される: (1)稔性の制御、(2)ニキビの制御、(3)子宮内膜症の治療、および(4)無月経の誘発。別の具体的態様にて、プロゲスチンのみは、一つ以上の次の目的のために利用される: (1)稔性の制御、(2)妊娠の支援、(3)エストロゲンが逆に示される個体(例えば授乳中の女性)のための別のホルモン治療として、および(4)乳汁漏出症の予防。さらに別の具体的態様にて、プロゲスチン、エストロゲンおよびテストステロンの組合せは、女性のこれらのホルモン欠乏の治療のためのホルモン補充療法として利用される。さらに別の具体的態様は、テストステロンのみの送達のために構築されるTHDSを目的とし、これは男性および女性の両方におけるテストステロン欠乏に由来する減少した性的衝動の治療に有用である。
【0037】
レボノルゲストレルを含む本発明のTHDSは、組合せホルモン送達およびプロゲスチンのみの送達の両方に好ましい。レボノルゲストレルは、経皮送達に扱いにくいことが知られているが、このホルモンは本発明のTHDSから有効に送達される。長期間、典型的に数日、好ましくは1週間から9日間にわたる比較的安定した速度でのホルモンの制御放出に伴い、対象は長期間にわたる安定したホルモンの導入の利益を提供される。
【0038】
レボノルゲストレルは、重量−用量基準で強力なプロゲスチンであり、これはプロゲスチンがエストロゲンよりもはるかに少ない程度の経皮吸収を示すことが多いため、重要な因子である。部分的にまたは全体で用いることができる他のプロゲスチンは、ノルゲストレル、ノルゲスチメート(norgestimate)、デソゲストレル、ゲストデン(gestodene)、ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、ヒドロゲステロン(hydrogesterone)、エチノジオールジアセテート、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸ノルエチンドロン、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、ゲストーゲン、および生体適合性があり、経皮的に吸収可能な他のいくつかのものがある。これらとしては、経皮的に吸収されるプロゲスチンの生体適合性誘導体が挙げられ、このうちのいくつかは経皮吸収後、有利にもとのプロゲスチンに生体変換することができる。プロゲスチンおよび選択される他のホルモンは、互いに高い適合性を有するべきである。
【0039】
プロゲスチンのエストロゲンとの組合せについて、合成ホルモン、エチニルエストラジオールが特に適切である。このホルモンは、両ホルモンについて望ましい日速度で本発明のTDHSにより、特に適切なプロゲスチン、レボノルゲストレルとともに経皮的に送達することができる。エチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレルは両立でき、粘着性ポリマー製剤中に分散させることができる。典型的に、一週間治療のために設計される経皮投与量単位は、少なくとも約20μg/日のレボノルゲストレル(または等価有効量の別のプロゲスチン)および10〜50μg/日のエチニルエストラジオール(または等価有効量の別のエストロゲン)を送達するべきである。そのようなそれぞれの量のプロゲスチンおよびエストロゲンは、排卵を阻害し、正常な女性の生理および特性を維持するために必要であると考えられる。本発明にて、経皮的に送達されるレボノルゲストレルの量は、15cm経皮送達装置により1日から約1週間よりも長い期間、好ましくは30μg/日である。
【0040】
生体適合性があり、経皮的に吸収され得、好ましくは17β−エストラジオールに生体変換され得る17β−エストラジオールの誘導体もまた、吸収量が必要な1日用量のエストロゲン成分に合い、ホルモン成分が適合性を有する場合に、使用することができる。そのようなエストラジオールの誘導体としては、モノまたはジエステルのいずれかのエステルが挙げられる。モノエステルは、3−または17−エステルのいずれかであることができる。エストラジオールエステルは、例示的に挙げると、エストラジオール−3,17−ジアセテート、エストラジオール−3−アセテート、エストラジオール17−アセテート、エストラジオール−3,17−二吉草酸、エストラジオール−3−吉草酸、エストラジオール−17−吉草酸、3−モノ−、17−モノ−および3,17−二ピバル酸エステル、3−モノ−、17−モノ−および3,17−二プロピオン酸エステル、3−モノ−、17−モノ−および3,17−ジシクロペンチル−プロピオン酸エステル、対応するシピオネート、ヘプタのエート、ベンゾエートなどのエステル、エチニルエストラジオール、エストロン、および経皮的に吸収可能な他のエストロゲン性ステロイドおよびその誘導体であることができる。
【0041】
上記のものとエストラジオール自体との組合せ(例えば、エストラジオールおよびエストラジオール−17−吉草酸の組合せまたはさらにエストラジオール−17−吉草酸およびエストラジオール−3,17−二吉草酸の組合せ)は有益な結果で用いることができる。例えば発情ステロイド成分の総重量に基づく各化合物の15〜80%は、所望の結果を得るために使用することができる。他の組合せもまた、治療される対象の体内の17β−エストラジオールの所望の吸収およびレベルを得るために使用することができる。
【0042】
テストステロンを含む製剤は、経皮的に吸収される天然テストステロンまたは合成テストステロンを利用することができる。例えばメチルテストステロンは本発明における使用のために適切である。更年期前の女性において、テストステロン産生速度は約300μg/日である。従って、テストステロン送達のためのTHDSは、部分的または全体的欠乏を補う量のテストステロン、すなわち約300μg/日までの量の送達のために構築すべきである。同様に、男性のテストステロン欠乏の治療のために、THDSは約3〜6mg/日まで送達するために構築すべきである。
【0043】
ホルモンが純粋な化合物の形態だけでなく、経皮的に適用されることがある他の医薬品または上記所望の目的物と不適合でない他の成分との混合物も用いることができることが認識されよう。従ってホルモンの単純な薬理学的に許容される誘導体、例えばエーテル、エステル、アミド、アセタール、塩などを、適切な場合、用いることができる。いくつかの場合において、そのような誘導体が好ましいことがある。プロゲスチン化合物および発情ステロイドは、ホルモン含有粘着性ポリマーマトリクスを製造する際に通常同時に分散もしくは溶解させ、または別々に分散もしくは溶解させることがある。
【0044】
粘着性ポリマー: 一般に、生物学的に許容される粘着性ポリマーマトリクスを形成させるために用いられるポリマーは、ホルモンが制御速度にて通過することができる薄膜またはコーティングを形成させることが可能なものである。適切なポリマーは、装置が接触する体液または組織と生物学的および医薬的に適合性があり、非アレルギー性であり、それらに不溶である。マトリクスの溶解または腐食がホルモンの放出速度ならびに除去の都合上適切な場所に残存する投与量単位の機能に影響を与えるため、可溶性ポリマーの使用は避けるべきである。
【0045】
粘着性ポリマー製剤に適切な物質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコンエラストマー、特に医療グレードのポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、塩化ポリエチレン、塩化ポリビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、架橋ポリメタクリレートポリマー(ハイドロゲル)、塩化ポリビニリデン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンビニルオキシエタノール共重合体、シリコン共重合体、例えばポリシロキサンポリカーボネート共重合体、ポリシロキサン酸化ポリエチレン共重合体、ポリシロキサン−ポリメタクリレート共重合体、ポリシロキサン−アルキレン共重合体(例えばポリシロキサン−エチレンシラン共重合体)など、セルロースポリマー、例えばメチルセルロースまたはエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびセルロースエステル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
【0046】
好ましい粘着性ポリマーは、室温以下のガラス転移温度によりポリマーから選択されるべきである。ポリマーは室温における結晶化度を有することがあるが、必ずしも必要ではない。架橋モノマー単位または部位は、そのようなポリマーに組み込むことができる。例えばポリアクリレートポリマーに組み込むことができる架橋モノマーとしては、ブチレンジアクリレートおよびブチレンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのポリオールのポリメタクリル酸エステルが挙げられる。そのような部位を提供する他のモノマーとしては、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエートなどが挙げられる。
【0047】
好ましい粘着性ポリマー製剤は、一般式(I):
【化1】

[式中、Xは粘着性ポリマーにおける所望の特性を提供するために十分な単位を繰り返す数を示し、RはHまたは低級(C−C10)アルキル、例えばエチル、ブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシルなどである]
で示されるポリアクリレート粘着性ポリマーを含む。より詳細には、粘着性ポリマーマトリクスが2−エチルヘキシルアクリレートモノマーおよびおよそ50〜60%w/wの酢酸ビニルをコモノマーとして有するポリアクリレート粘着性共重合体を含むことが好ましい。本発明に用いる適切なポリアクリレート粘着性共重合体の例としては、一定の割合の酢酸ビニルコモノマーを含むナショナル・スターチ・アンド・ケミカル会社(National Starch and Chemical Co.), Bridgewater, N.J.によるDuro Tak 87-4098の商号で市販のものが挙げられるが、これに限定されない。
【0048】
保湿剤/可塑剤: 好ましい可塑剤/保湿剤は、粘着性ポリマー製剤に分散させる。保湿剤の製剤中への取り込みは、皮膚表面において投与量単位に湿気を吸収させ、これは次いで皮膚のかぶれを軽減し、送達システムの粘着性ポリマーマトリクスの失敗を予防する補助をする。可塑剤/保湿剤は、製薬業界で用いられる従来の可塑剤、例えばポリビニルピロリドン(PVP)であることがある。特に、PVP/酢酸ビニル共重合体、例えば約50,000からの分子量を有するものなどは、本発明における使用に適切である。PVP/酢酸ビニルは、ポリマーマトリクスの剛性を制御するために作用する可塑剤、ならびにマトリクスの湿気含有量を調整するために作用する保湿剤としての双方で作用する。好ましいPVP/酢酸ビニルは、ニュージャージー、ウェインのInternational Specialty Products, Inc. (ISP)により提供される、PVPおよび酢酸ビニルがそれぞれほぼ等しい重量百分率にて存在するPVP/VA S−630である。
【0049】
支持層: 支持層は、ホルモンおよび粘着性ポリマーマトリクスの他の賦形剤に不浸透性であるいずれかの適切な物質から製造することができる。支持層は、マトリクス層のための保護カバーとして供し、支援機能を提供する。支持層は、ホルモン含有粘着性ポリマーマトリクスと実質的に同じ大きさであるように形成することができるか、または以下により詳細に記載するように、支持層の拡張表面が粘着性重層のための基質であることができるように外見上粘着性ポリマーマトリクスの側面を超えて拡張することができるようなより大きな面積であることができる。支持層は、所望の保護機能および支援機能を提供するだろう適当な厚さであることができる。適切な厚さは、約10〜約300ミクロンである。より詳細には、厚さは約150ミクロン未満であるが、より詳細には、約100ミクロン未満であり、最も詳細には、厚さは約50ミクロン未満である。
【0050】
支持層を製造するために適切な物質の例は、高密度および低密度のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリ(エチレンフタレート)などのポリエステルのフィルム、金属ホイル、そのような適切なポリマーフィルムの金属ホイルラミネートなどである。ポリエステルフィルム、例えばScotchpak(登録商標)9732(3Mカンパニー)は特に、本発明における使用に適切である。
【0051】
粘着性ポリマー製剤の製造: 本発明に従って、THDS投与量単位は、製造工程の完了におけるパッチ(patch)内の成分の濃度に注意して製造される。従って、適当な最終量および最終割合の成分を達成するために変化することがあるパラメータとしては、出発製剤ならびに以下に記載のパッチを製造するために利用される工程パラメータが挙げられる。
【0052】
ホルモン含有粘着性ポリマー製剤を製造する際、上記式のポリアクリレート粘着性ポリマーが好ましくは利用される。ホルモンは、各投与量単位に所望であるホルモン投与量および治療期間により決定される量にて加える。
【0053】
一般的に言えば、出発製剤が粘着性ポリマー出発溶液の重量に基づき、約10〜約30パーセントの経皮透過増強剤の組合せを含むことが好ましい。より好ましくは、粘着性ポリマー出発溶液の重量に基づき、約13〜27%、さらにより好ましくは、約16〜24%またはさらにより好ましくは、約19〜21%の経皮透過増強剤の組合せを使用する。好ましい具体的態様にて、経皮透過増強剤は、それぞれ2:1:1:0.8〜6:1:1:0.8の重量比(粘着性ポリマーマトリクスの重量%)のDMSO、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸にて粘着性ポリマー出発溶液中にて製剤化される。より詳細には、割合は3:1:1:0.8〜4:1:1:0.8である。これらの重量比は特に、粘着性溶液の支持層上への500μm〜700μmの厚さのコーティングおよび約15分間の約60℃での乾燥を含む工程パラメータを用いて製造されたTHDSに適切である。
【0054】
実施例1〜3に存在するデータに見られるように、種々の経皮透過増強剤の差動利得/損失はTHDSを製造する工程中に起こる。例えば実施例1〜3に記載の工程パラメータ下、粘着性ポリマーマトリクスの製造後におけるDMSOの重量百分率は出発製剤に加えられる量の約65〜90%である。同様に、乳酸エチルはその初期量の約50〜75%に減少する。一方、乳酸ラウリルの最終量は出発百分率の約2.6〜4倍であり、カプリン酸も同様に、初期出発百分率の約2.5〜3.9倍に増大する。これらの差は、それぞれの経皮透過増強剤の揮発性の違いを伴って混合される、製造後マトリクスの容積における全面的な減少から生じると考えられる。観察される変化についての内在する理由にかかわらず、出発製剤におけるそれぞれの増強剤の量は、工程中に起こる差動利得または損失を考慮に入れるべきである。当業者は本明細書に提供される情報ならびに薬剤師および医薬品化学者に一般に利用できる情報を利用して、出発物質のための適当な調節を行うことができよう。
【0055】
ホルモン含有粘着性ポリマーマトリクスが送達に所望な投与量を超えるいくらか過剰の分散させたホルモンを含むことが好ましい。これを達成するために、出発製剤は所望の投与量の約5.0〜約50倍過剰量のホルモンを含むことができる。より好ましい過剰量は、経皮的に吸収される所望の投与量の約10〜約25倍である。
【0056】
エストロゲンおよびプロゲスチンの送達のために構築されるTHDSにて、出発製剤が少なくとも約1.8:1、さらにより好ましくは約2:1の比のプロゲスチン:エストロゲンを含むことが好ましい。特定の作用機序により結合されるものではないが、エストロゲンは性ホルモン結合グロブリンの産生を誘発することが知られており、プロゲスチンと結合するため、より少量のエストロゲンの包含は、遊離プロゲスチンの血中量を増大させると考えられる。この理由のために、プロゲスチン:エストロゲンの比が有意であると考えられるだけでなく、製剤中のエストロゲンの全体量が好ましくは最小限、例えば本明細書記載の出発粘着性ポリマー製剤の重量で約0.3%未満まで保たれる。
【0057】
利用されるホルモンおよび所望のドラッグデリバリーにより、適切な量の可塑剤は粘着性ポリマーマトリクスの重量に基づき、0〜約10パーセントまで変化し得る。好ましくは、最終投与量単位に存在する保湿剤/可塑剤の量は、5%未満である。PVP/酢酸ビニルは、これを使用する場合、保湿剤/可塑剤の重量百分率が最終生成物にて出発製剤と比較してより大きいことに注意し、パッチの最終乾燥マトリクスの重量に基づき、0.5〜約5パーセントまで変化するPVP/酢酸ビニル内容物を含む水溶液として加えることができる。
【0058】
実施例1は、本発明の典型的な出発製剤を示す。本製剤は、以下に記載の好ましい製造工程パラメータを用いた使用に適している。
【0059】
好ましくは、粘着性ポリマーとの混合前に、用いられるホルモンは可塑剤および経皮透過増強剤の組合せを含む溶液に溶解させ、分散させる。より好ましくは、増強剤の組合せおよび可塑剤溶液を一緒にし、それにホルモンを加えて混合する。
【0060】
典型的に、粘着性ポリマー溶液は、増強剤の組合せ/可塑剤溶液に分散させたホルモンの溶液に加える。粘着性ポリマーの混合物および可塑剤/増強剤/ホルモン溶液は次いで高回転力ミキサーを用いて徹底的に混合し、粘着性ポリマー中にホルモンの均質な分散または溶液を形成させる。次いで混合した溶液は、脱気するまで、例えば少なくとも1時間から24時間まで静置する。
【0061】
THDS投与量単位の製造: 脱気してすぐに、粘着性ポリマー溶液を支持層物質に適用し、次いでセット温度にてセット時間乾燥した。別の具体的態様にて、粘着性ポリマーマトリクスは支持層の代わりに放出性ライナーに適用することもある。従って、粘着性ポリマーマトリクスの支持層への適用に対する本明細書の参照は、この別の具体的態様を含むことが理解されよう。脱気された粘着性ポリマーマトリクスの支持層への適用は、本目的に通常用いられる市販の実験用コーティング/乾燥器具を用いて達成することができる。例えば、Werner Mathis Model LTSV/LTH器具ならびにWerner Mathis AG(チューリッヒ、スイス)から入手可能な他の実験用コーティング装置を利用することができる。他の適切な装置としては、Cheminstruments, Inc.(シンシナティ、オハイオ州)により生産される器具が挙げられるが、これに限定されない。
【0062】
支持層に適用される粘着性ポリマー溶液の厚さ、ならびに乾燥時間および温度は、パッチ内のホルモンおよび透過増強剤の最終濃度および割合を達成するために変化し得るすべての工程パラメータである。例えば実施例3により詳細に記載されているように、支持層に適用される粘着性ポリマーマトリクス厚(例えば300〜800μm)における変化は、他の二つの工程パラメータ、乾燥時間および乾燥温度が一定を保つ場合、経皮透過増強剤の全体的により大きな保持を生じることが見出されている。一方、乾燥時間の変化、例えば5〜25分または乾燥温度の変化、例えば40〜100℃は、増強剤に依存してより大きい程度または小さい程度まで経皮透過増強剤の保持における全体的損失を生じる。
【0063】
従って、粘着性ポリマー出発製剤における適当量の出発物質の選択に加えて、(1)支持層上に広がる脱気された粘着性ポリマー溶液の初期厚、(2)乾燥時間および(3)乾燥温度の適当な組合せが、以下に記載するように、THDSにおける経皮透過増強剤およびホルモンの最終組成物を達成するために選択することができることは、当業者により認識されよう。脱気された粘着性ポリマーマトリクスの適切な初期厚は、300〜800μm、より詳細には400または500〜700μmで、平均厚約600〜700μmの範囲であることができる。適切な乾燥時間は少なくとも5分であるべきであるが、他の選択される工程パラメータにより、10、15、20、25分またはそれ以上の範囲であることができる。同様に適切な乾燥温度も、選択される工程パラメータにより40、50、60、70または80℃の範囲である。好ましい具体的態様にて、コーティングされた溶液の初期厚は約500〜700μm、より好ましくは600〜700μmであり、乾燥温度は約50〜80℃、より好ましくは55〜65℃、さらにより好ましくは約60℃であり、乾燥時間は約10〜20分、より好ましくは約15分である。本発明の典型的な具体的態様は、600〜700μmの初期コーティング厚、60℃の乾燥温度および15分の乾燥時間を利用する。
【0064】
製造工程が終了した後、乾燥粘着性ポリマーマトリクスにおける増強剤混合物の全体量は、特にアクリレート共重合体が用いられる場合、約12〜36%w/wのポリマーマトリクスであり、より具体的には約15〜33%、さらにより具体的には約18〜30%、さらにより具体的には約21〜27%、最も具体的には約23〜25%w/wである。
【0065】
製造後、本発明のTHDSはまた、粘着性ポリマーマトリクスの重量基準で特定量の個別の経皮透過増強剤を含み、これは上記理由のため乾燥前量とは異なる。従って、乾燥粘着性ポリマー層において、DMSOはポリマーマトリクスの重量で約4%〜12%、より具体的には約5%〜11%、さらにより具体的には約6〜10%、さらにより具体的には約7〜9%、最も具体的には粘着性ポリマーマトリクスの重量で約8%を含む。乳酸の脂肪族アルコールエステルは、ポリマーマトリクスの重量で約4.2%〜12.6%、より具体的には約5.2%〜11.6%、さらにより具体的には約6.2〜10.6%、さらにより具体的には約7.2〜9.6%、最も具体的には粘着性ポリマーマトリクスの重量で約8.4%を含む。乳酸の低級アルキルエステルは、ポリマーマトリクスの重量で約0.7%〜2.3%、より具体的には約1.0%〜2.0%、さらにより具体的には約1.2〜1.8%、最も具体的には粘着性ポリマーマトリクスの重量で約1.5%を含む。カプリン酸はポリマーマトリクスの重量で約3%〜9%、より具体的には約4%〜8%、さらにより具体的には約5〜7%、最も具体的には粘着性ポリマーマトリクスの重量で約6%を含む。
【0066】
製造後、経皮透過増強剤は、以下の重量比で粘着性ポリマーマトリクス中に存在することもまた好ましい: 乳酸の低級アルキルエステルの各部分について、約4〜8部のDMSO、約4〜8部の乳酸の脂肪族アルコールエステルおよび約3〜6部の割合のカプリン酸。別の方法で述べると、典型的な比は、(4〜8):(4〜8):1:(3〜6)のDMSO:脂肪族アルコール乳酸エステル:低級アルキル乳酸エステル:カプリン酸である。乳酸ラウリルを脂肪族アルコール乳酸エステルとして、および乳酸エチルを低級アルキル乳酸エステルとして利用する好ましい具体的態様にて、DMSO:乳酸ラウリルの重量比は、好都合である約1:1の比で約1:1.5〜1.5:1にて維持される。
【0067】
乾燥粘着性ポリマーマトリクスは次いで、一つの放出性ライナー(例えばScotchpak(登録商標)1022または9744, 3M Co., St. Paul Minn.)(または別の具体的態様を用いる場合には支持層)、好ましくは経皮ホルモン送達システムのシートを形成するために同じ大きさのものでラミネートする。得られたシートは、鋼尺金型および液圧プレスを用いた所望の形状および大きさで、ディスクまたは四角形などを形成するように切ることができる。ディスクまたは四角形は一般に約60cmの面積を超えるべきではない。好ましくはディスクまたは四角形は約5〜50cm、より好ましくは約8〜約40cmであろう。最も好ましくは、ディスクは約10〜約20cmであろう。15cmのディスクはその比較的小さいサイズのため好ましく、さらに高レベルのホルモンを分散させることが可能である。本発明の特別な具体的態様は、10、12.5、15、17.5または20cmの表面積を有するパッチを特徴付ける。しかし他の大きさを利用することができる。本発明のTHDSの利点は、本明細書に例示されるScotchpak(登録商標)9732支持層などの薄く、半透明な物質で製造することができることである。パッチの小さいサイズおよび目立たない外見は使用者に外見的な美しさを訴える。
【0068】
本発明の好ましい具体的態様にて、THDSパッチは重層フィルムで適合され、これはまた当技術で入手可能な種々の薄く、好ましくは半透明のフィルムから選択することもできる。一つの具体的態様にて、重層はすべての方向におけるパッチの境界線を越えて拡張するよう設計され、典型的に約0.1〜1.0cm、より具体的には約0.3〜0.7cm、さらにより具体的には約0.5cmの差でパッチの境界線を越える。別の具体的態様にて、重層はパッチの端を一部超えて設計、すなわちパッチの端を超えて拡張する重層物質の「タブ」を形成する。重層はTHDSの他の要素で製造することができ、すなわち、THDSの製造中支持層に添加することができる。あるいは、重層は別々に、例えば、重層が使用者の分別にて適用されてよいそれ自体の放出性ライナー(releasable liner)とともに、別の袋で製造することができる。重層システムはパッチおよび他の真皮装置にて一般に利用され、いずれかの標準的手順により製造することができる。
【0069】
重層なしのパッチが本発明に従う使用に適切であるにもかかわらず、重層を含むパッチはその適用期間(典型的に1週間)THDSのより安全な粘着性の利点を提供する。さらに重層なしのTHDSにて、パッチの境界線は粘着性ポリマーマトリクスから粘着性であることができ、これはパッチのまさに端まで拡張される。粘着性のある境界線は外部環境からの汚れ、衣料品の糸くずなどを蓄積し得、パッチの端における外見上美しくない「暗い輪」の原因となる。重層スタイルパッチにて、THDS境界線は、重層により外部環境から遮蔽され、重層の境界線は外部環境に対してはるかに薄い端を暴露する(例えば好ましい具体的態様にて、重層フィルムおよび粘着剤の合わせた厚さは約75〜100μmである)。これはパッチ上の外部物質の蓄積を最小限にし、重層様システムの別の外見的な利点を構成し、「暗い輪」が実質的に回避される。
【0070】
重層でまたはそれなしで得られたTHDS投与量単位は次いで、経皮治療に適用されるまで、ペーパーおよび/またはホイル袋などの適当な貯蔵用包装中に置く。
【0071】
THDSパッチにおける経皮透過増強剤の最終絶対量および相対量の重要性のために、一つ以上の上記の製剤または工程パラメータが変化する場合、製造工程における重要な最終工程は、工程が完了した後、これらの成分量を定量することである。これは当業者によく知られている標準的分析的技術、例えば成分の溶媒抽出に次ぐ液体またはガスクロマトグラフィーにより、達成することができる。適切な方法の例は実施例2に記載される。
【0072】
使用方法: 本発明のTHDSは、治療される特定の状態に相応の予め決められた量の時間、対象の皮膚にパッチを適用する一般的方法を用いる。対象は、本発明が種々の獣医学的目的のための動物に実行され得るが、典型的に哺乳類であり、最も典型的にはヒトである。典型的にそうである必要はないが、パッチは、一つ以上の有効量のホルモンを送達し1〜7から9日間所望の効果を達成するために製剤化される。継続的なホルモン送達について、パッチは、有効量以下のその中のホルモンの削除前に新鮮なパッチで置き換える。典型的な一連の継続治療にて、パッチは毎週一回置き換えられる。
【0073】
女性における稔性制御は、本発明のTHDSの好ましい使用である。プロゲスチンおよびエストロゲンを用いる避妊システムについて、本発明のTHDSはホルモン放出の増大した速度を提供し、それによりホルモンの高速度の送達を提供する。本発明のTHDSにより送達され得るレボノルゲストレルのレベルは、避妊に必要な約1000pg/mlのレベルを超える。実際、1500〜2000pg/mlを超えるレベルは本発明のシステムで到達する(実施例4参照)。さらにエチニルエストラジオールの血清レベルは、約20〜80pg/mlの範囲であり、それにより子宮内膜の有効な補助を提供する。ホルモンの適当な血清レベルは、上記のような比較的小さいパッチ、好ましくは10〜20cm、具体的には面積で10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20(または例えば12.5もしくは17.5などの中間増分)cmを用いることにより得ることができ、これは使用者の利便性を増強する。
【0074】
特定の状態下(例えばエストロゲン使用に対して命令される他の健康状態)、稔性はプロゲスチンのみを用いて制御することができる。レボノルゲストレルは使用に好ましいことが多いが、十分量のレボノルゲストレルの経皮送達は従来問題になっていた。本発明のTHDSはその使用を通して達成し得る高血清濃度のレボノルゲストレルの場合、この点で特に有利である。エストロゲンなしの稔性制御について、300pg/mlの連続血清レベルは皮下レボノルゲストレルインプラントに有効と見られる。この血清レベルは本発明のTHDSを用いて容易に達成可能である。
【0075】
稔性制御のためのホルモンの経皮投与のためのレジメはよく知られている。パッチは1〜7から9日間稔性制御量のホルモンを送達するために通常製剤化される。28日サイクルからなる典型的レジメにて、パッチを三週間毎週一回置き換える。四週目にて使い古しのパッチがないか、またはプラセボパッチを使い切ることができる。
【0076】
別のレジメにて、パッチは4週目に使い古すことができ、従ってホルモンの連続的経皮供給を提供する。このレジメは完全に月経を回避したいと願う女性により利用することができる。それは無期限に継続してもよく、または数ヶ月(例えば3、4または6ヶ月)後に終了してもよい。
【0077】
本発明のTHDSは稔性制御以外の指示のために利用することができる。例えば、稔性制御量のエストロゲン/プロゲスチン組合せはまた、ニキビの制御、子宮内膜症の症状の制御および無月経の誘発にも利用されてきた。稔性制御量にてプロゲスチン(例えばレボノルゲストレル)のみで構築されたTHDSはまた、妊娠を支援するため、およびエストロゲンが逆に示される個人(例えば乳癌の危険性における女性)における使用のため、ならびに男性または非授乳期の女性における母乳の分泌である乳汁漏出症の阻害のための有用性を見出すこともある。
【0078】
本発明のTHDSは、現在入手可能な経皮ホルモンおよび避妊システムへの多くの利点を提供する。上記に詳細に記載のように、主要な利点は、高量の稔性制御ホルモン、特にレボノルゲストレルの比較的小さい表面積のパッチからの送達を含み、これは薄く、半透明の支持および重層物質から製造することができ、それによりその外見上の受容性を増大する。これらの特徴は、本明細書記載の複数の目的のための本発明のTHDSの有用性および望ましさに加えられる。さらにそのような治療に関連することが多い乳房の圧痛および充血は、本発明のTHDSを用いた患者において、吐き気および/または嘔吐の発生を有する他のシステムと比較して、著しく減少することが見出されている。
【実施例】
【0079】
次の実施例は、本発明をより詳細に記載する。これらは本発明を例示するものであり、限定するものではない。
【0080】
実施例1
避妊における使用のためのTHDS投与量単位の製造
物質: mg wt%
保湿剤PVP/VA-S630: 9.66 1.25
経皮透過増強剤:
DMSO 73.77 9.51
乳酸ラウリル(Ceraphyl(登録商標31) 24.59 3.10
乳酸エチル 24.59 3.10
カプリン酸 18.54 2.39
粘着性ポリマー: Duro Tak 87-4098 617.59 79.65
ホルモン:
レボノルゲストレル 4.48 0.58
エチニルエストラジオール 2.20 0.28
支持層−Scotchpak(登録商標)9732(3M Company) 16シート ―
放出性ライナー−Scotchpak(登録商標)1022(3M Company)16シート ―
計 775.41mg 100.00%
【0081】
工程:
ホルモンをPVP/酢酸ビニルおよび経皮透過増強剤の組合せを含む溶液に溶解させ、分散させた。Duro-Tak 87-4098(固体含有率33%)粘着性ポリマー溶液を加え、内容物に封をした。およそ200rpm、室温にて磁気撹拌棒を用いて溶液を3時間撹拌し、均質な溶液を形成させた。撹拌した溶液を1時間撹拌しないで、すべての気泡が消失するまで放置させることにより脱気した。脱気した溶液を支持層上に700μmの厚さまでコーティングした後、実験用コーティング/乾燥機械(モデルLTSV/LTH, Werner Mathis、スイス)を用いて60℃にて15分間乾燥した。乾燥した粘着性ポリマーマトリクスを支持層と同じ大きさの放出性ライナーでラミネートし、THDSのシートを形成させた。鋼尺金型および液圧プレスを用い、4000psiにてシートを15cmの投与量単位に切った。各投与量単位はペーパーまたはホイル袋に個別に包装し、4℃にて貯蔵した。
【0082】
実施例2
乾燥粘着性ポリマーマトリクスの定量分析
実施例1記載のように製造したTHDS投与量単位を定量分析し、製造後の各成分量を測定した。レボノルゲストレル(LNG)およびエチニルエストラジオール(EE)の量を次のように測定した。投与量単位をそのホイル袋から取り出し、放出性ライナーを取り除いた。投与量単位を粘着側で一緒に折りたたみ、抽出コンテナーに置き、これにメタノール100mlを加えた。コンテナーを激しく手で振盪した後、投与量単位上のすべての粘着剤が溶解するまでオービタル・シェーカー(orbital shaker)上に少なくとも12時間置いた。抽出溶液21mlを遠心分離チューブ中に置き、HPLCグレードの水9mlを加え、メタノール70%を含むメタノール水溶液を得た。サンプルを遠心分離し、上清をHPLCバイアル中の0.45μm(ナイロンまたはテフロン(登録商標))ろ紙に通してろ過した。UVモニターを備えた高圧液体クロマトグラフィーにろ液を注入した。
【0083】
他の賦形剤の量は次のように測定した。投与量単位はそのホイル袋から取り出し、放出性ライナーを取り除いた。投与量単位は粘着剤側で一緒に折りたたみ、断片に切り、抽出コンテナー内に置き、これにテトラヒドロフラン(THF)2mlを加えて粘着剤を溶解させた。4時間後、0.01%(v/v)酢酸ヘキシル(内部標準として)を含むヘキサン38mlをTHF溶液(容積比5%THF)に加えた。投与量単位が完全に溶解するまでコンテナーを振盪した。サンプルを遠心分離し、HPLCバイアルに移した。FID検出器を備えたガスクロマトグラフィー中にろ液を注入した。以下に結果を示す。
【0084】
粘着性ポリマーマトリクスの平均厚: 100μm
粘着性ポリマーマトリクスの平均組成:
成分: mg/15 cm2パッチ wt%
PVP/VA-S630: 10.0 3.34
Duro Tak 87-4098: 211.3 70.43
増強剤:
DMSO: 24.0 8.00
乳酸ラウリル: 25.2 8.40
乳酸エチル: 4.5 1.50
カプリン酸: 18.0 6.00
ホルモン:
レボノルゲストレル 4.7 1.57
エチニルエストラジオール 2.3 0.77
計: 300.0 100.00
【0085】
実施例3
粘着性ポリマーマトリクスにおける経皮透過増強剤の最終組成物への工程パラメータの効果
粘着性ポリマーマトリクスにおける経皮透過増強剤の最終組成物へのTHDS製造パラメータの効果を試験した。4つの工程パラメータを変化させた: 乾燥温度、乾燥時間、初期コーティング厚および初期製剤中の全増強剤の重量百分率。以下の表に結果を示す。各値は4つのパッチの平均を示す。値は粘着性ポリマーマトリクスのmg/gにて得られる。
第1表: 工程パラメータを変化させたパッチ中の増強剤組成物
【表1】

【0086】
実施例4
臨床検討
非盲検、用量反応、4サイクルの多施設検討を、実施例1記載のプロトコールにより産生されたTHDSによる治療の後、LNG、EE、プロゲステロン、LHおよびエストラジオールのレベルを測定するために行った。臨床検討の目的は: (1)正常な排卵期の女性における7日LNG/EE THDSの安全性を測定すること、(2)LNG/EE THDSによる治療後のLNGおよびEEの血清レベルを測定すること、(3)LNG/EE THDSによる治療後の排卵の指示としてプロゲステロンの血清レベルを測定すること、および(4)LNG/EE THDSによる治療後のLHおよびエストラジオールのレベルを測定することである。
【0087】
LNGおよびEEの血清レベルは検討を通して毎週3回測定した。LH、エストラジオールおよびプロゲステロンの血清レベルもまた、検討を通して毎週3回測定した。3ng/mlと等しいか、または大きいレベルのプロゲステロンを排卵の推定証拠としてみなした。スポッティングの出現、破綻出血、消退出血および無月経を日記カードから測定することによりサイクル対照を評価した。2つまでの衛生保護パッドの使用を必要とする軽い流量としてスポッティングを定義した。3つ以上の衛生保護パッドの使用を必要とするより重い流量として破綻出血を定義した。21日目よりも前に始まり、その日を過ぎて連続する出血を除く5〜21日目に起こるいずれかの出血またはスポッティングとしてスポッティングおよび/または破綻出血を定義した。全28日サイクル中にいずれの出血も起こらないものとして無月経を定義した。22日目またはその後の期間中(THDSを適用しない7日期間中)に2日以上のスポッティングまたは出血のいずれかとして消退出血を定義した。
【0088】
後見なしの患者により記載された有害事象により安全性を評価した。健康診断、生命徴候および検査機能における変化もまた測定した。
【0089】
LNG血清サンプルをRIAにより分析し、EE血清サンプルをガスクロマトグラフィー/質量分析により分析し、検討中定期的にそれらのホルモンの対象の血清レベルを測定した。処方のためのそれぞれ15、17.5および20cmのパッチについて予備結果を以下の表に示す。
第2表: 臨床試験におけるレボノルゲストレルおよびエチニルエストラジオールの血清レベル
THDSの投与の4つのサイクル中の対象
【表2】

【0090】
本発明は上記例示された具体的態様に限定されないが、特許請求の範囲内で変動および改変が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物が医薬的に許容される有機溶媒、ヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、ヒドロキシル酸の低級(C−C)アルキルエステルおよびC−C18脂肪酸の組合せからなることを特徴とする、ステロイドホルモンの経皮的吸収を増強させるための経皮透過増強剤組成物。
【請求項2】
医薬的に許容される有機溶媒がジメチルスルホキシドである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ヒドロキシ酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸の脂肪族アルコールエステルである、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
ヒドロキシ酸の低級アルキルエステルが乳酸の低級アルキルエステルである、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
−C18脂肪酸がカプリン酸である、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸がそれぞれ2:1:1:0.8から6:1:1:0.8の重量比で存在する、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸がそれぞれ3:1:1:0.8から4:1:1:0.8の重量比で存在する、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
乳酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸ラウリルである、請求項6記載の組成物。
【請求項10】
乳酸の低級アルキルエステルが乳酸エチルである、請求項6記載の組成物。
【請求項11】
一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンおよびテストステロンホルモンを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
プロゲスチンがレボノルゲストレルである、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
エストロゲンがエチニルエストラジオールまたは17−βエストラジオールである、請求項11記載の組成物。
【請求項14】
プロゲスチンとエストロゲンを少なくとも約1.8:1の重量比で含む、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
プロゲスチンとエストロゲンを少なくとも約2:1の重量比で含む、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
組成物の重量で約1.5パーセント未満の量にてエストロゲンを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項17】
テストステロンを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項18】
プロゲスチン、エストロゲンおよびテストステロンを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項19】
ジメチルスルホキシド、乳酸ラウリル、乳酸エチルおよびカプリン酸を約3:1:1:0.8の重量比で含む、請求項1記載の組成物。
【請求項20】
レボノルゲストレルとエチニルエストラジオールを約1.8:1の重量比で含み、エチニルエストラジオールが組成物の重量で約1.5%未満含まれる、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
支持層、および経皮的に送達される一つ以上のステロイドホルモンを分散させるポリマーマトリクスを含むような経皮ホルモン送達システムを製造する際に使用するためのポリマー製剤であって、該製剤がポリマーと、重量百分率基準で、保湿剤/可塑剤(約0%から約5%)、および医薬的に許容される有機溶媒、ヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、ヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステルおよびC−C18脂肪酸の組合せを含む経皮透過増強剤組成物(約10%から約30%)を含むポリマー製剤。
【請求項22】
ポリマーが粘着性ポリマーである、請求項21記載の製剤。
【請求項23】
粘着性ポリマーがポリアクリレート粘着性共重合体である、請求項22記載の製剤。
【請求項24】
ポリアクリレート粘着性共重合体が2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを含む、請求項23記載の製剤。
【請求項25】
ポリアクリレート粘着性共重合体がさらに約3%から約60%w/w酢酸ビニルを含む、請求項24記載の製剤。
【請求項26】
保湿剤/可塑剤がポリビニルピロリドン/酢酸ビニルである、請求項21記載の製剤。
【請求項27】
医薬的に許容される有機溶媒がジメチルスルホキシドである、請求項21記載の製剤。
【請求項28】
ヒドロキシ酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸の脂肪族アルコールエステルである、請求項21記載の製剤。
【請求項29】
ヒドロキシ酸の低級アルキルエステルが乳酸の低級アルキルエステルである、請求項21記載の製剤。
【請求項30】
−C18脂肪酸がカプリン酸である、請求項21記載の製剤。
【請求項31】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸を含む、請求項21記載の製剤。
【請求項32】
乾燥前にジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸がそれぞれ2:1:1:0.8から6:1:1:0.8の重量比で存在する、請求項31記載の製剤。
【請求項33】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸がそれぞれ3:1:1:0.8から4:1:1:0.8の重量比で存在する、請求項32記載の製剤。
【請求項34】
支持層上でのコーティング、およびステロイドホルモンを送達するための粘着性ポリマーマトリクスを形成させるために適切な条件下における乾燥に際して、重量比でジメチルスルホキシドを約4〜8部、乳酸の脂肪族アルコールエステルを約4〜8部、乳酸の低級アルキルエステルを約1部、カプリン酸を約3〜6部の割合で含む、請求項32記載の製剤。
【請求項35】
乾燥後にジメチルスルホキシドと乳酸の脂肪族アルコールエステルが約1.5:1から約1:1.5の重量比で存在する、請求項34記載の製剤。
【請求項36】
乾燥条件が約60℃にて約15分である、請求項34記載の製剤。
【請求項37】
乳酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸ラウリルである、請求項31記載の製剤。
【請求項38】
乳酸の低級アルキルエステルが乳酸エチルである、請求項31記載の製剤。
【請求項39】
プロゲスチンを含む、請求項21記載の製剤。
【請求項40】
プロゲスチンがレボノルゲストレルである、請求項39記載の製剤。
【請求項41】
プロゲスチンおよびエストロゲンを含む、請求項21記載の製剤。
【請求項42】
プロゲスチンとエストロゲンが少なくとも1.8:1の重量比で存在する、請求項41記載の製剤。
【請求項43】
プロゲスチンとエストロゲンが少なくとも2:1の重量比で存在する、請求項42記載の製剤。
【請求項44】
エストロゲンが製剤の重量基準で約0.3%未満である、請求項41記載の製剤。
【請求項45】
プロゲスチンがレボノルゲストレルであり、エストロゲンがエチニルエストラジオールまたは17β−エストラジオールである、請求項41記載の製剤。
【請求項46】
重量百分率基準で、ポリアクリレート粘着性共重合体を約79.65%、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルを約1.25%、ジメチルスルホキシドを約9.51%、乳酸ラウリルを約3.10%、乳酸エチルを約3.10%、カプリン酸を約2.39%、レボノルゲストレルを約0.58%およびエチニルエストラジオールを約0.28%含む、請求項45記載の製剤。
【請求項47】
支持層上でのコーティング、およびステロイドホルモンを送達するための粘着性ポリマーマトリクスを形成させるために適切な条件下における乾燥に際して、粘着性ポリマーマトリクスの重量百分率基準でジメチルスルホキシドを約4%から約12%、乳酸ラウリルを約4.2%から約12.6%、乳酸エチルを約0.7%から約2.3%およびカプリン酸を約3%から約9%含む、請求項46記載の製剤。
【請求項48】
乾燥条件が約60℃にて約15分間である、請求項47記載の製剤。
【請求項49】
テストステロンをさらに含む請求項41記載の製剤。
【請求項50】
テストステロンを含む請求項21記載の製剤。
【請求項51】
経皮透過増強剤および経皮的に送達される一つ以上のステロイドホルモンに対して実質的に不透過である支持層、および該支持層に添加される粘着性ポリマーマトリクスを含む、経皮ホルモン送達システムであって、
粘着性ポリマーマトリクスが粘着性ポリマーを含み、さらに粘着性ポリマーマトリクスの最終重量百分率基準で、
a)保湿剤/可塑剤(約0%から約5%)、
b)約4%から約12%の医薬的に許容される有機溶媒、約4.2%から約12.6%のヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、約0.7%から約2.3%のヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステルおよび約3%から約9%のC−C18脂肪酸を含む混合物である経皮透過増強剤の組合せ(約12%から約36%)、および
c)予め決められた1日用量の一つ以上のホルモンを約1日から約9日間提供するために有効な量の一つ以上のステロイドホルモン
を含む、経皮ホルモン送達システム。
【請求項52】
プロゲスチンおよびエストロゲンを含む、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項53】
テストステロンをさらに含む、請求項52記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項54】
プロゲスチンのみを含む、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項55】
テストステロンのみを含む、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項56】
プロゲスチンがレボノルゲストレルである、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項57】
エストロゲンがエチニルエストラジオールまたは17β−エストラジオールである、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項58】
保湿剤/可塑剤がポリビニルピロリドン/酢酸ビニルである、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項59】
粘着性ポリマーがポリアクリレート共重合体を含む、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項60】
ポリアクリレート共重合体が2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを含む、請求項59記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項61】
ポリアクリレート共重合体が約3〜60%w/w酢酸ビニルをさらに含む、請求項60記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項62】
医薬的に許容される有機溶媒がジメチルスルホキシドである、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項63】
ヒドロキシ酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸の脂肪族アルコールエステルである、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項64】
ヒドロキシ酸の低級アルキルエステルが乳酸の低級アルキルエステルである、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項65】
−C18脂肪酸がカプリン酸である、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項66】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸を含む、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項67】
乳酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸ラウリルである、請求項66記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項68】
乳酸の低級アルキルエステルが乳酸エチルである、請求項66記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項69】
経皮透過増強剤が重量比で約4〜8部のジメチルスルホキシド、約4〜8部の乳酸の脂肪族アルコールエステル、約1部の乳酸の低級アルキルエステル、および約3〜6部のカプリン酸の割合で存在する、請求項66記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項70】
ジメチルスルホキシドと乳酸の脂肪族アルコールエステルが約1.5:1から約1:1.5の重量比で存在する、請求項66記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項71】
エチニルエストラジオールが約1日から9日間の期間に約10μg/日から50μg/日の速度にて経皮的に送達され、レボノルゲストレルが約1日から9日間の期間に少なくとも20μg/日の速度にて経皮的に送達される、エチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレルの送達のために構築される、請求項52記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項72】
レボノルゲストレルが約1日から9日間の期間に少なくとも約30μg/日の速度にて経皮的に送達される、請求項71記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項73】
レボノルゲストレルが少なくとも1000pg/mlの安定した状態の血清濃度を産生するために十分な量にて経皮的に送達される、請求項71記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項74】
粘着性ポリマーマトリクスが約10〜約300μmの厚さを有する、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項75】
粘着性ポリマーマトリクスが約20cm以下の表面積を有する、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項76】
粘着性ポリマーマトリクスが約17.5cm以下の表面積を有する、請求項75記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項77】
重層層をさらに含み、該重層層が粘着剤でコーティングされ、支持層および粘着性ポリマーマトリクスの一部または全部の境界線を超えて拡張する、請求項51記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項78】
重層層が支持層の非真皮側に添加されるように、システムとともに製造される、請求項77記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項79】
重層層がシステムと別に製造される、請求項77記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項80】
非粘着性ポリマーが粘着性ポリマーの代わりに用いられ、皮膚接着が粘着剤でコーティングされた重層層を通して有効である、請求項77記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項81】
経皮透過増強剤、および経皮的に送達される一つ以上のステロイドホルモンを含む粘着性ポリマーマトリクスに対して実質的に不透過である支持層を含む、経皮ホルモン送達システムを製造する方法であって、
a)粘着性ポリマー出発溶液の重量百分率基準で、
1)保湿剤/可塑剤(約0%から約5%)、
2)医薬的に許容される有機溶媒、ヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、ヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステルおよびC−C18脂肪酸を含む混合物である経皮透過増強剤の組合せ(約10%から約30%)、および
3)予め決められた1日用量のホルモンを約1日から約9日間提供するために有効な量の一つ以上のステロイドホルモン
と粘着性ポリマーを組み合わせることにより粘着性ポリマー出発溶液を形成させる、粘着性ポリマー出発溶液を構築する工程、
b)該粘着性ポリマー出発溶液を支持層上にコーティングする工程、および
c)粘着性ポリマーマトリクスが300μm未満の厚さであり、経皮透過増強剤が、医薬的に許容される有機溶媒(約4%から約12%)、ヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル(約4.2%から約12.6%)、ヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステル(約0.7%から約2.3%)およびC−C18脂肪酸(約3%から約9%)の量で存在する、経皮ホルモン送達システムを産生するために十分な時間および温度にてコーティングされた支持層を乾燥する工程
を含む方法。
【請求項82】
粘着性ポリマー出発溶液が約300μmから約800μmの厚さにて支持層上にコーティングされる、請求項81記載の方法。
【請求項83】
コーティングされた支持層が約5分から約25分間乾燥される、請求項81記載の方法。
【請求項84】
コーティングされた支持層が約40℃から約80℃の温度にて乾燥される、請求項81記載の方法。
【請求項85】
経皮ホルモン送達システムが乾燥後、粘着性ポリマーマトリクスに添加される放出性ライナーとともに提供される、請求項81記載の方法。
【請求項86】
経皮ホルモン送達システムが乾燥後、重層層とともに提供され、該重層層が粘着剤でコーティングされ、支持層および粘着性ポリマーマトリクスの境界線の一部または全部を超えて拡張する、請求項85記載の方法。
【請求項87】
重層層が経皮ホルモン送達システムと別に製造され、それ自体の放出性ライナーとともに提供される、請求項86記載の方法。
【請求項88】
重層層が経皮ホルモン送達システムと一緒に製造され、その重層を含むシステムが重層層の粘着剤および粘着性ポリマーマトリクスに添加される放出性ライナーとともに提供される、請求項86記載の方法。
【請求項89】
粘着性ポリマー出発溶液が約600μmから700μmの厚さにて支持層上にコーティングされ、コーティングされた支持層が約55℃から65℃にて約13分から17分間乾燥される、請求項81記載の方法。
【請求項90】
一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモンを対象に投与する方法であって、そのような治療を所望する対象の皮膚に、医薬的に許容される有機溶媒、ヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、ヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステルおよびC−C18脂肪酸の組合せを含む経皮透過増強剤組成物内に分散させた一つ以上のホルモンを適用することを特徴とする方法。
【請求項91】
医薬的に許容される有機溶媒がジメチルスルホキシドである、請求項90記載の方法。
【請求項92】
ヒドロキシ酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸の脂肪族アルコールエステルである、請求項90記載の方法。
【請求項93】
ヒドロキシ酸の低級アルキルエステルが乳酸の低級アルキルエステルである、請求項90記載の方法。
【請求項94】
−C18脂肪酸がカプリン酸である、請求項90記載の方法。
【請求項95】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸を含む、請求項90記載の方法。
【請求項96】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸がそれぞれ2:1:1:0.8から6:1:1:0.8の重量比で存在する、請求項95記載の方法。
【請求項97】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸がそれぞれ3:1:1:0.8から4:1:1:0.8の重量比で存在する、請求項96記載の方法。
【請求項98】
乳酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸ラウリルである、請求項95記載の方法。
【請求項99】
乳酸の低級アルキルエステルが乳酸エチルである、請求項96記載の方法。
【請求項100】
対象に一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモンを投与する方法であって、
そのような治療を所望する対象の皮膚に、経皮透過増強剤および経皮的に送達される一つ以上のホルモンに対して実質的に不透過である支持層、および該支持層に添加される粘着性ポリマーマトリクスを含む、経皮ホルモン送達システム(ここに、粘着性ポリマーマトリクスは、粘着性共重合体を含み、さらに、粘着性ポリマーマトリクスの最終重量百分率基準で、a)保湿剤/可塑剤(約0%から約5%)、b)約4%から約12%の医薬的に許容される有機溶媒、約4.2%から約12.6%のヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、約0.7%から約2.3%のヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステルおよび約3%から約9%のC−C18脂肪酸を含む混合物である経皮透過増強剤の組合せ(約12%から約36%)、およびc)有効量のホルモンを提供するために十分な量の一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモンを含む)を適用することを特徴とする方法。
【請求項101】
有効量が予め決められた日数からなる期間送達される、請求項100記載の方法。
【請求項102】
経皮ホルモン送達システムが、各期間一回、治療が所望であるように延長される連続した期間に置き換えられる、請求項101記載の方法。
【請求項103】
経皮ホルモン送達システムがレボノルゲストレルを送達する、請求項100記載の方法。
【請求項104】
経皮ホルモン送達システムがエチニルエストラジオールまたは17β−エストラジオールを送達する、請求項100記載の方法。
【請求項105】
経皮ホルモン送達システムが予め決められた稔性制御1日用量のプロゲスチンおよびエストロゲンを約1日から約9日間提供し、経皮ホルモン送達システムが、月経周期の連続4週のうちの3週について各週一回、稔性制御が所望であるときに延長される連続月経周期に置き換えられる、稔性制御のために適合される、請求項102記載の方法。
【請求項106】
経皮ホルモン送達システムがエチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレルの送達のために構築され、エチニルエストラジオールが約1日から約1週間の期間約10μg/日から50μg/日の速度にて経皮的に送達され、レボノルゲストレルが約1日から約9日間の期間少なくとも20μg/日の速度にて経皮的に送達される、請求項105記載の方法。
【請求項107】
レボノルゲストレルが約1日から約9日間の期間少なくとも30μg/日の速度にて経皮的に送達される、請求項106記載の方法。
【請求項108】
レボノルゲストレルが少なくとも1000pg/mlの安定した状態の血清濃度を産生するために十分な量にて経皮的に送達され、エチニルエストラジオールが約20から約80pg/mlの血清濃度を産生するために十分な量にて経皮的に送達される、請求項105記載の方法。
【請求項109】
経皮ホルモン送達システムがプロゲスチンのみの送達のために構築される、請求項100記載の方法。
【請求項110】
経皮ホルモン送達システムが、稔性制御および月経の排除が所望であるときに延長される所望数の連続週に各週一回置き換えられる、実質的に月経を排除するために適合される、請求項105記載の方法。
【請求項111】
経皮透過増強剤および経皮的に送達されるテストステロンホルモンに対して実質的に不透過である支持層、および支持層に添加される粘着性ポリマーマトリクスを含む経皮ホルモン送達システムを、そのような治療を所望する対象の皮膚に適用することを特徴とする、性的衝動を改善する方法であって、
粘着性ポリマーマトリクスが、粘着性共重合体を含み、さらに粘着性ポリマーマトリクスの最終重量百分率基準で、
a)保湿剤/可塑剤(約0%から約5%)、
b)約4%から約12%の医薬的に許容される有機溶媒、約4.2%から約12.6%のヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、約0.7%から約2.3%のヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステルおよび約3%から約9%のC−C18脂肪酸を含む混合物である経皮透過増強剤の組合せ(約12%から約36%)、および
c)有効量のホルモンを提供するために十分な量のテストステロンホルモン
を含む方法。
【請求項112】
有効量が予め決められた日数からなる期間送達される、請求項111記載の方法。
【請求項113】
経皮ホルモン送達システムが、各期間一回、治療が所望であるように延長される連続した期間に置き換えられる、請求項112記載の方法。
【請求項114】
経皮透過増強剤および経皮的に送達される一つ以上のホルモンに対して実質的に不透過である支持層、および支持層に添加される粘着性ポリマーマトリクスを含み、予め決められた量のホルモンを含む、経皮ホルモン送達システムであって、粘着性ポリマーマトリクスが約20cm以下の表面積および約300μm以下の厚さを有し、送達システムが約1日から約9日間少なくとも20μg/日でレボノルゲストレルを送達することができる、経皮ホルモン送達システム。
【請求項115】
約1日から約9日間少なくとも30μg/日でレボノルゲストレルを送達することができる、請求項114記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項116】
重層層をさらに含み、重層層が粘着剤でコーティングされ、支持層および粘着性ポリマーマトリクスの一部または全部の境界線を越えて拡張する、請求項114記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項117】
重層層が、支持層の非真皮側に添加されるように、システムとともに製造される、請求項116記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項118】
重層層がシステムと別に製造される、請求項116記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項119】
非粘着性ポリマーが粘着性ポリマーの代わりに用いられ、皮膚接着が粘着剤コーティングされた重層層を通じて有効である、請求項116記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項120】
レボノルゲストレルの送達のために構築される、請求項114記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項121】
少なくとも1000pg/mlの安定した状態の血清濃度のレボノルゲストレルを与えるために十分な量のレボノルゲストレルを送達する、請求項120記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項122】
レボノルゲストレルと、エチニルエストラジオールおよび17β−エストラジオールからなる群から選択されるエストロゲンの送達のために構築される、請求項120記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項123】
エストロゲンがエチニルエストラジオールであり、エチニルエストラジオールが約1日から約9日間10μgから50μg/日にて経皮的に送達される、請求項122記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項124】
プロゲスチンのみの送達のために構築される、請求項114記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項125】
プロゲスチン、エストロゲンおよびテストステロンの送達のために構築される、請求項114記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項126】
テストステロンのみの送達のために構築される、請求項114記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項127】
粘着性ポリマーマトリクスが、粘着性ポリマーを含み、さらに粘着性ポリマーマトリクスの最終重量百分率基準で、
a)保湿剤/可塑剤(約0%から約5%)、
b)約4%から約12%の医薬的に許容される有機溶媒、約4.2%から約12.6%のヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、約0.7%から約2.3%のヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステルおよび約3%から約9%のC−C18脂肪酸を含む混合物である経皮透過増強剤の組合せ(約12%から約36%)、および
c)予め決められた1日用量の各ホルモンを約1日から約9日間提供するために有効な量の一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモン
を含む、請求項114記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項128】
保湿剤/可塑剤がポリビニルピロリドン/酢酸ビニルである、請求項127記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項129】
粘着性ポリマーがポリアクリレート共重合体を含む、請求項127記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項130】
ポリアクリレート共重合体が2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを含む、請求項129記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項131】
ポリアクリレート共重合体がさらに約3〜60%w/w酢酸ビニルを含む、請求項129記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項132】
医薬的に許容される有機溶媒がジメチルスルホキシドである、請求項127記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項133】
ヒドロキシ酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸の脂肪族アルコールエステルである、請求項127記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項134】
ヒドロキシ酸の低級アルキルエステルが乳酸の低級アルキルエステルである、請求項127記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項135】
−C18脂肪酸がカプリン酸である、請求項127記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項136】
ジメチルスルホキシド、乳酸の脂肪族アルコールエステル、乳酸の低級アルキルエステルおよびカプリン酸を含む、請求項127記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項137】
乳酸の脂肪族アルコールエステルが乳酸ラウリルである、請求項136記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項138】
乳酸の低級アルキルエステルが乳酸エチルである、請求項136記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項139】
経皮透過増強剤が重量比で約4〜8部のジメチルスルホキシド、約4〜8部の乳酸の脂肪族アルコールエステル、約1部の乳酸の低級アルキルエステル、および約3〜6部の割合のカプリン酸で存在する、請求項136記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項140】
ジメチルスルホキシドと乳酸の脂肪族アルコールエステルが約1.5:1から約1:1.5の重量比で存在する、請求項139記載の経皮ホルモン送達システム。
【請求項141】
経皮透過増強剤に対して実質的に不透過である支持層、および経皮的に送達される一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモンを含む粘着性ポリマーマトリクスを含む、経皮ホルモン送達システムを製造する方法であって、
a)粘着性ポリマー出発溶液の重量百分率基準で、
1)保湿剤/可塑剤(約0%から約5%)、
2)医薬的に許容される有機溶媒、ヒドロキシ酸の脂肪族(C−C20)アルコールエステル、ヒドロキシ酸の低級(C−C)アルキルエステルおよびC−C18脂肪酸を含む混合物である経皮透過増強剤の組合せ(約10%から約30%)、および
3)予め決められた1日用量の各ホルモンを予め決められた日数を含む期間提供するために有効な量の一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモン
と粘着性ポリマーを組み合わせることにより、粘着性ポリマー出発溶液を構築する工程、
b)該粘着性ポリマー出発溶液を支持層上にコーティングする工程、および
c)粘着性ポリマーマトリクスが約20cm以下の表面積および約300μm以下の厚さを有し、送達システムが約1日から約9日間少なくとも20μg/日のレボノルゲストレルを送達することができる、経皮ホルモン送達システムを産生するために十分な時間および温度にてコーティングされた支持層を乾燥する工程
を含む方法。
【請求項142】
粘着性ポリマーマトリクス出発溶液が約300μmから約800μmの厚さで支持層上にコーティングされる、請求項141記載の方法。
【請求項143】
コーティングされた支持層が約5分から約25分間乾燥される、請求項141記載の方法。
【請求項144】
コーティングされた支持層が約40℃から約80℃の温度にて乾燥される、請求項141記載の方法。
【請求項145】
経皮ホルモン送達システムが乾燥後、粘着性ポリマーマトリクスに添加される放出性ライナーとともに提供される、請求項141記載の方法。
【請求項146】
経皮ホルモン送達システムが乾燥後、重層層とともに提供され、重層層が粘着剤でコーティングされ、支持層および粘着性ポリマーマトリクスの一部または全部の境界線を越えて拡張する、請求項145記載の方法。
【請求項147】
重層層が経皮ホルモン送達システムと別に製造され、それ自体の放出性ライナーとともに提供される、請求項146記載の方法。
【請求項148】
重層層が経皮ホルモン送達システムと一緒に製造され、その重層を含むシステムが重層層の粘着剤および粘着性ポリマーマトリクスに添加される放出性ライナーとともに提供される、請求項146記載の方法。
【請求項149】
粘着性ポリマーマトリクス出発溶液が約600μmから700μmの厚さで支持層上にコーティングされ、コーティングされた支持層が約55℃から65℃にて約13分から17分間乾燥される、請求項141記載の方法。
【請求項150】
一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモンを対象に投与する方法であって、そのような治療を所望する対象の皮膚に、経皮透過増強剤および経皮的に送達されるホルモンに対して実質的に不透過である支持層、および該支持層に添加される粘着性ポリマーマトリクスを含み、一つ以上のプロゲスチン、エストロゲンまたはテストステロンホルモンを含む、経皮ホルモン送達(ここに、粘着性ポリマーマトリクスは、最大表面積約20cmおよび最大厚約300μmであり、送達システムは、約1日から約9日間少なくとも20μg/日のレボノルゲストレルを送達することができる)を適用する方法。
【請求項151】
経皮ホルモン送達システムが、治療が所望であるように延長される連続した期間に定期的に置き換えられる、請求項150記載の方法。
【請求項152】
経皮ホルモン送達システムがレボノルゲストレルを送達する、請求項150記載の方法。
【請求項153】
経皮ホルモン送達システムがエチニルエストラジオールまたは17β−エストラジオールを送達する、請求項150記載の方法。
【請求項154】
経皮ホルモン送達システムが約1日から約9日間予め決められた稔性制御1日用量のプロゲスチンおよびエストロゲンを提供し、経皮ホルモン送達システムが月経周期の4連続週のうちの3週について各週一回、稔性制御が所望であるときに延長される連続月経周期に置き換えられる、稔性制御に適合される、請求項151記載の方法。
【請求項155】
経皮ホルモン送達システムがレボノルゲストレルを送達する、請求項154記載の方法。
【請求項156】
経皮ホルモン送達システムがエチニルエストラジオールまたは17β−エストラジオールを送達する、請求項155記載の方法。
【請求項157】
経皮ホルモン送達システムがエチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレルの送達のために構築され、エチニルエストラジオールが約1日から約1週間の期間約10μgから50μg/日の速度にて経皮的に送達され、レボノルゲストレルが約1日から約9日間の期間少なくとも20μg/日の速度にて経皮的に送達される、請求項154記載の方法。
【請求項158】
レボノルゲストレルが約1日から約9日間の期間少なくとも30μg/日の速度にて経皮的に送達される、請求項157記載の方法。
【請求項159】
レボノルゲストレルが少なくとも1000pg/mlの安定した状態の血清濃度を産生するために十分な量にて経皮的に送達され、エチニルエストラジオールが約20から約80pg/mlの血清濃度を産生するために十分な量にて経皮的に送達される、請求項157記載の方法。
【請求項160】
経皮ホルモン送達システムがプロゲスチンのみの送達のために構築される、請求項150記載の方法。
【請求項161】
経皮ホルモン送達システムがプロゲスチンおよびエストロゲンに加えてテストステロンの送達のために構築される、請求項150記載の方法。
【請求項162】
経皮ホルモン送達システムが、稔性制御および月経の排除が所望であるときに延長される所望数の連続週に各週一回置き換えられ、実質的に月経を排除するために適合される、請求項154記載の方法。

【公開番号】特開2012−92130(P2012−92130A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−280826(P2011−280826)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【分割の表示】特願2006−520415(P2006−520415)の分割
【原出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【出願人】(506016716)アジル・セラピューティクス・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】AGILE THERAPEUTICS, INC.
【Fターム(参考)】