説明

経皮吸収型製剤

【課題】本発明は、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドを有効成分とし、外用剤基剤を含有し、下記(1)〜(2)の少なくとも一つの条件を満たしている経皮吸収型製剤を提供する。
【解決手段】本発明製剤は皮膚からの吸収性の低い4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドを、皮膚から持続的かつ効率良く体内へ吸収させることができる。
(1)1回の投与剤中の有効成分含有量が約0.1mg〜約10mgである、
(2)大きさが約1cm〜約300cmである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミド(以下、イミダフェナシンと略す。)を有効成分として含有する経皮吸収型製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
イミダフェナシンは選択的M3ムスカリン受容体拮抗作用を有する化合物であり(特開平7-215943号公報;特許文献1)、過活動膀胱に伴う頻尿・尿失禁治療薬として有望である(Bioorg. Med. Chem., 1999年, 第7巻, 1151-1161頁;非特許文献1)。
イミダフェナシンを臨床適用するに当たっては、既に市販されている頻尿・尿失禁治療薬の剤形と同様に、イミダフェナシンを含有する経口固形製剤が提案されている(国際公開第01/34147号パンフレット;特許文献2)。
【0003】
近年、医療の高度化に伴う人口の高齢化が進んでおり、社会に様々な影響を及ぼしている。例えば、寝たきりや認知症等の介護が必要な高齢者の約半数が過活動膀胱であり、頻尿・尿失禁を起こすとも言われている。過活動膀胱とは症状症候群であり、通常、頻尿および夜間頻尿を伴う尿意切迫感を有する状態を意味し、切迫性尿失禁の有無は問わないと定義されている。また、尿失禁とは不随意に尿が漏れる状態で、社会的、衛生的問題を伴うものと定義されている症状である。尿失禁は主に切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁、溢流性尿失禁に分類され、特に切迫性尿失禁は加齢と共に増加する。また将来的には、頻尿・尿失禁患者数の増大および患者層の変化が生じるものと予想される。例えば、頻尿・尿失禁は脳梗塞および脳出血等の脳血管障害、脳脊髄外傷または各種腫瘍手術後の長期寝たきり患者によく起こる。またこれらの高齢者は嚥下困難な場合も多く、一定時間毎に服用する経口剤は、施薬が困難な場合が多い。また、経口投与は肝臓への薬物暴露量が増加し、最高血中濃度も上昇するため副作用発現率が増加する。よって、経口投与が困難な患者の生活の質的向上を図る観点から、より患者指向性の高い非経口型製剤が望まれている。
【0004】
一方、治療の最適化を目的とした薬物送達システム、すなわちドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System)の概念から、従来の外用剤とは一線を画する機能、つまり薬物の効果の持続化および副作用の低減化機能を有する経皮吸収型製剤が注目され、数多くの研究が行われている。詳しくは、効果的な薬物投与経路として非経口型投与経路、特に軟膏剤や貼付剤に代表される経皮投与システム(Transdermal Drug Delivery System)が注目されている。経皮投与では薬物が皮下毛細血管内に直接入るため、肝初回通過効果がなく、ほとんど代謝・分解を受けることなく目的部位に到達するため、薬物の生物学的利用率が高くなる。また、肝機能に個人差の多い高齢者においても安定した血中動態が得られる。
【0005】
しかし、皮膚のバリヤー機能により、概して薬物の経皮吸収性は乏しく、実用的で限られた貼付面積で薬効発現に必要な薬物量を皮膚から送達することは困難な場合が多い。また親水性薬物や塩である薬物は、それ自体の極性が大きく、皮膚からの吸収は困難であることがよく知られている。薬物の経皮吸収において最も大きなバリヤーは、細胞外脂質領域によって分離された小さな角質化細胞残存物の複雑構造である角質層であり、口または胃の粘膜に比較して、はるかに薬物の透過性は低い。また、経皮吸収剤は薬物の安定性、持続性、効果、安全性(副作用発現)、接着性、違和感、皮膚刺激性(紅斑、浮腫、そう痒感、発疹、色素沈着等)等の問題点も多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−215943号公報
【特許文献2】国際公開第01/34147号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Bioorg. Med. Chem., 1999年,第7巻,1151−1161頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
頻尿・尿失禁治療薬として用いられている経口ムスカリン受容体拮抗薬は、一般的に副作用として、口渇、残尿感、排尿困難、便秘、下痢、尿閉、胃部不快感、腹痛、目の異常感(散瞳)、めまい等が発現し、臨床上大きな問題となっている。これらを改良する目的で、選択的M3ムスカリン受容体拮抗薬であるイミダフェナシンが見出され、過活動膀胱患者の頻尿・尿失禁を対象に検討されている。一般的に、一時的な血中濃度の上昇が避けられない経口投与に比べ、安定した血中動態が得られやすく、剥がすことで直ぐに投与を中止することができる経皮吸収型投与剤の方がより安全である。ところが、イミダフェナシンの皮膚からの吸収性は非常に低く、皮膚からの吸収によって薬効発現に十分な血中濃度を長時間確保するのは困難であった。
【0009】
本発明の目的は、上述した課題を解決するためのものであり、イミダフェナシンの皮膚透過量を増やし、イミダフェナシンを長時間皮膚から吸収させることができる経皮吸収型製剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上述した目的を達成すべく鋭意検討した結果、ある4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミド有効成分とし、外用剤基剤を含有し、以下の条件:
(1)1製剤中または1回投与剤中の有効成分含有量が約0.1mg〜約10mgである、
(2)大きさが約1cm〜約300cmである;
のうち少なくとも1つの条件を満たしている経皮吸収型製剤が、本目的を達することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる経皮吸収型製剤に関する。
【0011】
[1]有効成分としての4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドおよび外用剤基剤を含有し、下記(1)〜(2)の少なくとも一つの条件を満たしている経皮吸収型製剤:
(1)1製剤中または1回投与剤中の有効成分含有量が約0.1mg〜約10mgである、
(2)大きさが約1cm〜約300cmである。
[2]外用剤基剤が、(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、シリコーン系樹脂、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂、アクリル系共重合体、および脂環族飽和炭化水素樹脂から選ばれる1種以上の粘着剤、および(ii)両親媒性溶解助剤、経皮透過促進剤および/または皮膚刺激緩和剤を含有する前記1に記載の製剤。
[3]外用剤基剤が、(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、シリコーン系樹脂、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂、および脂環族飽和炭化水素樹脂から選ばれる1種以上の粘着剤、(ii)両親媒性溶解助剤、および(iii)経皮透過促進剤からなる前記2に記載の製剤。
[4](i)粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、シリコーン系樹脂、アクリル系共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂から選ばれる1種以上であり、(ii)両親媒性溶解助剤がN−メチル−2−ピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、トリアセチン、ベンジルアルコール、オレイルアルコール、オレイン酸、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、流動パラフィン、および乳酸セチルから選ばれる1種以上であり、経皮透過促進剤がトリアセチン、クロタミトン、乳酸セチル、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸、およびオレイルアルコールから選ばれる1種以上であり、皮膚刺激緩和剤がクロタミトンである前記2に記載の製剤。
[5]粘着剤が、(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン系樹脂の組み合わせ、(ii)シリコーン系樹脂、(iii)シリコーン系樹脂およびロジン系樹脂の組み合わせ、(iv)シリコーン系樹脂、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、(v)アクリル系共重合体、(vi)アクリル系共重合体およびシリコーン系樹脂の組み合わせ、または(vii)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせである前記4に記載の製剤。
[6](i)粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン系樹脂の組み合わせであり、(ii-1)両親媒性溶解助剤がN−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、トリアセチン、オレイルアルコール、オレイン酸、または乳酸セチルであるか、(ii-2)経皮透過促進剤がトリアセチン、クロタミトン、乳酸セチル、オレイン酸、またはオレイルアルコールであるか、または(ii-3)両親媒性溶解助剤と経皮透過促進剤の組み合わせがオレイン酸とクロタミトン、オレイルアルコールとクロタミトン、乳酸セチルとクロタミトン、またはトリアセチンとクロタミトンである前記2に記載の製剤。
[7](i)粘着剤がシリコーン系樹脂であり、(ii-1)両親媒性溶解助剤がN−メチル−2−ピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、トリアセチン、オレイルアルコール、オレイン酸、または乳酸セチルであるか、(ii-2)経皮透過促進剤がトリアセチン、クロタミトン、乳酸セチル、オレイン酸、またはオレイルアルコールであるか、または(ii-3)両親媒性溶解助剤と経皮透過促進剤の組み合わせがオレイン酸とクロタミトン、またはオレイルアルコールとクロタミトンである前記2に記載の製剤。
[8](i)粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせであり、(ii)両親媒性溶解助剤がN−メチル−2−ピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、トリアセチン、オレイルアルコール、オレイン酸、流動パラフィン、および乳酸セチルから選ばれる1種以上であり、経皮透過促進剤がトリアセチン、クロタミトン、乳酸セチル、オレイン酸、およびオレイルアルコールから選ばれる1種以上であり、皮膚刺激緩和剤がクロタミトンである前記2に記載の製剤。
[9]有効成分1質量部に対して、粘着剤が約25質量部〜約350質量部であり、(i)両親媒性溶解助剤および/または経皮透過促進剤が約2質量部〜約400質量部であるか、(ii)両親媒性溶解助剤および/または経皮透過促進剤が約2質量部〜約200質量部および皮膚刺激緩和剤が約0.1質量部〜約10質量部である前記2に記載の製剤。
[10]両親媒性溶解助剤が(i)流動パラフィン、および(ii)N−メチル−2−ピロリドンおよび/またはプロピレングリコールであり、経皮透過促進剤がオレイン酸である前記3に記載の製剤。
[11]有効成分1質量部に対して、粘着剤が約25質量部〜約350質量部であり、両親媒性溶解助剤が約2質量部〜約400質量部であり、経皮透過促進剤が約2質量部〜約200質量部である前記3に記載の製剤。
[12]さらに、有効成分1質量部に対して、約0.01質量部〜約10質量部のジブチルヒドロキシトルエンまたはDL−α−トコフェロールを含有してなる前記2乃至11のいずれかに記載の製剤。
[13]溶解型、または溶解型と非溶解型の混合型の4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドを有効成分として含有する前記1に記載の製剤。
[14]4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドの血中濃度を投与後から約0.5日間〜約2日間、約10pg/mL〜約10ng/mLの範囲で維持することを特徴とする前記1乃至13のいずれかに記載の製剤。
[15]貼付剤である前記1に記載の製剤。
[16]厚さが約10μm〜約2000μmの粘着膏体を有する前記15に記載の製剤。
[17]プラスター剤またはパップ剤である前記15に記載の製剤。
[18]過活動膀胱に伴う頻尿・尿失禁、喘息、慢性閉塞性肺疾患および過敏性腸症候群から選ばれる疾患の予防および/または治療剤である前記1に記載の製剤。
[19]4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドを有効成分とし、(i)有効成分1質量部に対して約25質量部〜約160質量部の、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせからなる粘着剤、(ii)有効成分1質量部に対して約20質量部〜約80質量部の流動パラフィン、(iii)有効成分1質量部に対して約2質量部〜約100質量部のN−メチル−2−ピロリドンおよび/またはプロピレングリコール、および(iv)有効成分1質量部に対して約2質量部〜約50質量部のオレイン酸を含有し、(v)有効成分の血中濃度を投与後から約0.5日間〜約2日間、約10pg/mL〜約3ng/mLの範囲で維持することを特徴とする、下記(1)〜(3)の少なくとも一つの条件を満たしている貼付剤:
(1)1製剤中または1回投与剤中の有効成分含有量が約0.1mg〜約2mgである、
(2)大きさが約1cm〜約40cmである、
(3)粘着膏体の厚さが約20μm〜約200μmである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、皮膚からの吸収性が低いイミダフェナシンを、皮膚から持続的かつ効率よく安定的に体内へ吸収させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1、2および3(1)〜3(13)で製造した製剤の雄性ヘアレスラットの皮膚透過試験の結果である。
【図2】実施例4(6)〜4(10)で製造した製剤の雄性ヘアレスラットの皮膚透過試験の結果である。
【図3】参考例1、実施例3(11)および実施例2で製造した製剤の、ミニブタ経皮を用いた累積透過量とヘアレスラット経皮を用いた累積透過量の相関関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の経皮吸収型製剤の有効成分であるイミダフェナシンとは、4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドである。4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドは、例えば、特開平7-215943号公報の実施例11に記載の方法によって製造することができる。本発明においては、イミダフェナシンは、その遊離型またはその医学的に許容しうる塩共に使用できる。医学的に許容しうる塩としては、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、または臭化水素酸など)あるいは有機酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、またはベンゼンスルホン酸など)が挙げられる。また本発明の経皮吸収型製剤は、選択的M3ムスカリン拮抗剤である同種化合物;例えば、トルテロジン、ダリフェナシン、およびソリフェナシン等の経皮吸収型製剤としても用いることができる。
【0015】
本発明に用いる経皮吸収型製剤の外用剤基剤としては、両親媒性溶解助剤、懸濁性基剤、軟化剤、乳化剤、緩衝剤、経皮透過促進剤、粘着剤、粘着増強剤、接着剤、皮膚刺激緩和剤および添加剤からなる群より選ばれる基剤を、それぞれ単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましくは、粘着剤、および両親媒性溶解助剤、懸濁性基剤、軟化剤、乳化剤、緩衝剤、経皮透過促進剤、粘着増強剤、接着剤、皮膚刺激緩和剤および添加剤からなる群より選ばれる基剤の単独あるいは2種以上の組み合わせである。
【0016】
粘着剤または粘着増強剤としては、例えば、天然ゴム、生ゴム、高分子量ゴム、RSSNo.1生ゴム、スチレンイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シスポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム(高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレンまたはそれらの混合物)、ハイシスポリイソプレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、シリコーン系樹脂、シリコーンゴム、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、アクリル系共重合体((メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸エステル・酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体溶液、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体溶液、アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー、アクリル酸シルクフィブロイン共重合樹脂、アクリル樹脂アルカノールアミン液等)、ポリブテン、マレイン化ロジングリセリンエステル、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコン等)、脂肪族炭化水素樹脂、石油樹脂(クイントン、エスコレツ等)、テルペン樹脂、高級水性高分子(アクリル酸デンプン等)、親水性高分子(ポリアクリル酸、ポリアクリル酸水溶液、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910等)、マクロゴール400、マクロゴール6000、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、ザンタンガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアノガラクタン、ヒアルロン酸ナトリウム等)、ロジン系樹脂(ロジン、超淡色系ロジン誘導体、水素添加ロジングリセリンエステル等)、プロピレングリコール、ジブチルヒドロキシトルエン、グリセリン、グルコノ−δ−ラクトン、アラビアゴム、アラビアゴム末、エステルガム、ダンマルゴム、加水ラノリン、ゼラチン、デキストリン、カゼインナトリウム、コロジオン、トラガント、トラガント末、コムギデンプン、白色ワセリン、ワセリン・ラノリンアルコール混合物、カルナウバロウ、水アメ、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、軽質無水ケイ酸、トウモロコシ油、ヒマシ油、硫酸化ヒマシ油カリウム塩・アルキルベンゼンスルホン酸塩混合物、酢酸ベンジル、タルク、ポリイソブチレン、ポリテルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、テルペン−フェニル樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
【0017】
両親媒性溶解助剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、L−メントール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、高級脂肪酸エステル(ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル等)、ラウリン酸ジエタノールアミド、クエン酸トリエチル、ジメチルイミダゾリジノン、グリセリン脂肪酸エステル(親油型モノオレイン酸グリセリン等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル(ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等)、ポリオキシエチレンアルキルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、リン酸ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ラウロマクロゴール等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール2000、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、ポリビニルアルコール、ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸・リン酸塩、モノ脂肪酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、エトキシグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール400、メタノール、アセトン、酢酸エチル、乳酸エチル、トリアセチン、パントテニールエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパンジオール、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、ドデシルスルフォキシド、ゲラニオール変性アルコール、8−アセチル蔗糖変性アルコール、リナリールアセテート変性アルコール、フェニルエチルアルコール変性アルコール、ベンジルアルコール、ブタノール、2−ブタノール、グリセリン、高級アルコール(ラウリルアルコール、イソプロパノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール等)、ゲラニオール、ジエチレングリコール、エトキシジグリコール、ジイソプロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノカプレート(S−218)、炭酸プロピレン、チオグリコール酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、氷酢酸、乳酸、酪酸、クエン酸、塩酸、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、ヨウ化カリウム、脂肪酸(カプリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等)、イクタモール、安息香酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルエステル、二塩基酸ジエステル類(セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル等)、ナタネ油、大豆油、大豆レシチン、D−マンニトール、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、中鎖脂肪酸トリグリセリド、β−シクロデキストリン、流動パラフィン、乳酸セチル、乳酸オクチルドデシルが挙げられる。
【0018】
懸濁性基剤としては、例えば、エタノール、ステアリルアルコール、セタノール、多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール4000、マクロゴール600、マクロゴール1500等)、セトマクロゴール1000、グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール等)、高級脂肪酸エステル類(ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、グリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル等)、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、トリオレイン酸ソルビタン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル(ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80等)、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、マクロゴール6000、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、ポビドン、メチレン−β−ナフタリンスルホン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、液状炭化水素類(流動パラフィン等)、動植物油(アーモンド油、ツバキ油、パーシック油、ミンク油、サフラワー油、ヤシ油、ユーカリ油、大豆油、ごま油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ヒマシ油、落花生油、小麦胚芽油等)、大豆レシチン、ミツロウ、サラシミツロウ、硬化油、スクワラン、スクワレン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、アラビアゴム、アラビアゴム末、キサンタンガム、ペクチン、ベントナイト、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、塩化ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、カオリン、カラギーナンカルナウバロウ、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ステアリン酸アルミニウム、リン酸が挙げられる。
【0019】
軟化剤としては、例えば、アラントイン、アルモンド油、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、綿実油・大豆油混合物、プロセス油、牛脂、プロピレングリコール、ポリブテン、グリセリン、流動パラフィン、軽質流動パラフィン、結晶セルロース、マクロゴール1500、スクワラン、スクワレン、精製ラノリン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、モノステアリン酸グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、生ゴム、乳酸エチル、乳酸セチル、乳酸オクチルドデシル、ノニル酸ワニリルアミド、ハイシスポリイソプレンゴムが挙げられる。
【0020】
乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル(モノオレイン酸グリセリン、親油型モノオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸グリセリン・ジオレイン酸グリセリン・プロピレングリコール混合乳化剤等)、ソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル(ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、セトマクロゴール1000、マクロゴール20000、マクロゴール300、マクロゴール400、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラノリン、ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、α−モノイソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(1)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、プロピレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ラウリン酸ジエタノールアミド、脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、蔗糖脂肪酸エステル、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、液状炭化水素類(流動パラフィン、パラフィン等)、動物油、植物油、ミネラル油、綿実油・大豆油混合物、卵黄油、卵黄リン脂質、炭化水素、脂肪酸(ステアリン酸等)、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸ポリオキシル45、ステアリン酸ポリオキシル55、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、高級アルコールシリコーンオイル、ミツロウ、サラシミツロウ、パラフィンワックス、鯨ロウ、スクワラン、スクワレン、カラギーナン、カリ石ケン、薬用石ケン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、還元ラノリン、硫酸化ヒマシ油カリウム塩・アルキルベンゼンスルホン酸塩混合物、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、セバシン酸ジエチル、エタノール、グリセリン、セタノール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール・ポリオキシエチレンステアリルエーテル混合物、セタノール・ポリオキシエチレンセチルエーテル混合ワックス、セタノール・ポリソルベート60混合ワックス、セタノール・モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン混合ワックス、セトステアリルアルコール・セトステアリル硫酸ナトリウム混合物、ペンタエリスチルクエン酸高級脂肪酸エステル・ミツロウ・ノニオン乳化剤混合物、リン酸ジセチル、N−ラルロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、アンソッコウチンキ、中鎖脂肪酸トリグリセリド、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、大豆レシチン、精製大豆レシチン、精製ラノリン、タルク、セチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、水素添加大豆リン脂質、部分水素廉価大豆リン脂質、水素添加ラノリンアルコール、ペクチンが挙げられる。
【0021】
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、コハク酸、dl−リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、乳酸ナトリウム液、ホウ酸、ホウ砂、酢酸、氷酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、無水リン酸−水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、第一、第二または第三リン酸塩(第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、無水リン酸三ナトリウム、リン酸三ナトリウム等)、メタリン酸ナトリウム、ε−アミノカプロン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、アミノ酸もしくはそのアミノ酸の塩(グリシン、L−アルギニン等)、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、塩酸トリエタノールアミン、トリエタノールアミンリン酸エステルナトリウム液、クロロブタノール、ブドウ糖、ローズ油が挙げられる。
【0022】
経皮透過促進剤としては、例えば、トリアセチン(グリセリルトリアセテート)、クロタミトン、尿素、エタノール、デシルメチルスルホキシド、天然精油、テルペン油(ハッカ油、オレンジ油、テレビン油、L−メントール、d−リモネン、メントン、ピネン、ピペリトン、テルピネン、テルピノレン、テルピノール、カルベオール等)、脂肪酸エステル(グリセリルモノラウレート、グリセリルモノオレエート、乳酸セチル、乳酸オクチルドデシル、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等)、二塩基酸ジエステル類(ジエチルセバケート、アジピン酸ジイソプロピル等)、アザシクロアルカン類(エイゾン、1−(2−(デシルチオ)エチル)アザシクロペンタン−2−オン等)、脂肪酸もしくは脂肪族アルコール類(オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイルアルコール、イソプロパノール、ラウリルアルコール等)、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ラウリルジエタノールアミド、イソプロピルミリステート、N-ヒドロキシメチルラクテート、ソルビトール、スクワレン等が挙げられる。
【0023】
皮膚刺激緩和剤としては、グリセリン、クロタミトン、アラントイン、抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン等)、消炎剤(グリチルレチン酸等)、およびステロイド薬等が挙げられる。
【0024】
さらなる添加剤としては、例えば、泥状化剤(ゼラチン等);粉末賦形剤(カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛等);石油樹脂(クイントン、アルコン等);D−ソルビトール;D−ソルビトール液;白糖;界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル(ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ステアリン酸ポリオキシル40等)、ソルビタン脂肪酸エステル(モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等)、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、蔗糖脂肪酸エステル、マクロゴール400、ラウロマクロゴール、リン酸ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテル、リン酸ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、アルキルアリルポリエーテルアルコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリルアルコール、二塩基酸ジエステル類(セバシン酸ジエチル等)、スクワラン、N−ココイル−L−アルギニンエチルエステルDL−ピロリドンカルボン酸塩、N−ココイル−N−メチルアミノエチルスルホン酸ナトリウム、セタノール、セトマクロゴール1000、ラウリル硫酸ナトリウム等);防腐剤および/または酸化防止剤(パラベン類(メチルパラベン等)、ソルビン酸またはその塩類、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、DL−α−トコフェロール、アスコルビン酸パルミテート、ノルジヒドロキシグアイアレチン酸、グアヤコールエステル類、1,3−ブチレングリコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、没食子酸プロピル等)、三価金属イオンを生成する塩(塩化アルミニウム、ミョウバン、アルミニウムアラントイネート等);保湿剤(アルカリ土類金属類(塩化マグネシウム等)、尿素、グリセリン、ヒアルロン酸ナトリウム等);着香料(ハッカ油、オレンジ油、カミツレ油、スペアミント油、チョウジ油、テレビン油、パインオイル、ハッカ水、ヒマラヤスギ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ラベンダー油、ローズ水、ローズ油、ローマカミツレ油、ペルーバルサム、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール、dl−ボルネオール、dl−メントール、l−メントール、ゲラニオール、サリチル酸メチル、シンナムアルデヒド、ピペロナール等);溶剤(有機溶媒(メタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、イソプロパノール、ジエチルエーテル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、メタノール変性アルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等)、塩酸、水、生理食塩水、含水エタノール、不飽和脂肪酸(オレイン酸等)、合成スクワラン、ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、石油ベンジン、トリクロロエタン、8−アセチル蔗糖変性アルコール等)が挙げられる。
【0025】
さらに、外用剤基剤として、例えば水溶性高分子化合物(ポリアクリル酸およびその誘導体、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、ポリエチレングリコール、アラビアゴム、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、天然多糖類等)、脂溶性高分子化合物(天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、スチレンイソブチレンブロック共重合体、スチレンブタジエン共重合体、シリコーン、ラノリン、ワセリン、プラスティベース、蜜蝋、鯨蝋、固形パラフィン等)、脂肪酸およびその誘導体(炭素原子数3〜40の脂肪酸、その脂肪酸エステル、またはその脂肪酸アルカリ金属塩)、動植物性油脂(オリーブ油、ハッカ油、ダイズ油、綿実油、トウモロコシ油、ユーカリ油、ヒマシ油、ゴマ油、アーモンド油、ツバキ油、パーシック油、ミンク油、サフラワー油、ヤシ油等)、アルコール類(炭素原子数1〜40を有し、かつ分子中に水酸基1〜10個を有するアルコール類、例えば、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オクタンジオール、ブタンジオール、D−ソルビット、ベンジルアルコール等)、テルペン系化合物(メントール、メントン、リモネン、ピネン、ピペリトン、テリピネン、テルピノレン、テルピノール、カルベオール等)、界面活性剤(非イオン界面活性剤(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤)および水も用いることができ、それぞれ単独、あるいは2種以上を組み合わせて、または前記した外用剤基剤と組み合わせて使用することもできる。
【0026】
また、経皮吸収型製剤、特に貼付剤において薬物の良好な皮膚移行性を得るためには、確実に貼付剤を皮膚面に固定する必要がある。しかし皮膚接着性が大きすぎると、使用後の剥離除去時に物理的刺激により角質剥離を伴い、皮膚刺激性が生じる。そのため貼付剤の皮膚密着性を高め、物理的皮膚刺激性を低減する方法として、油性ゲル粘着技術がある。油性ゲル粘着技術には、易剥離性吸着剤、皮膚面固定用粘着層を形成する粘着剤および液状成分等が用いられる。易剥離性吸着剤としては、例えば、架橋アクリル系粘着ポリマー、エチレン−酢酸−ビニル共重合体、またはエチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。皮膚面固定用粘着層を形成する粘着剤としては、例えば、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)系、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ビニルエーテル系等を基本に軟化剤および添加剤等を配合して粘着性を調整する方法が挙げられる。液状成分を用いて粘着を調整することもあり、軟化剤として鉱物油、他には脂肪酸エステル等を配合することが挙げられる。
【0027】
本発明の経皮吸収型製剤のうちプラスター剤は、日本薬局方に示されている、インストロン型引張り試験機による絆創膏の粘着力試験法において、荷重は約50g〜約800gであることが好ましく、約50g〜約400gであることがより好ましい。
【0028】
本発明において、経皮吸収型製剤とは、好ましくは貼付剤であり、例えば、プラスター剤(例えば、粘着単層型経皮吸収型製剤、リザーバー型経皮吸収型製剤等)、およびパップ剤が挙げられる。本発明において、プラスター剤、特に粘着単層型経皮吸収型製剤が好ましい。粘着単層型経皮吸収型製剤は、有効成分であるイミダフェナシンと、先述した外用剤基剤から選ばれる基剤を組み合わせることにより形成した粘着性を有する「粘着膏体」、「支持体」および粘着膏体を保護する「剥離ライナー」からなる経皮吸収型製剤構造形成体より構成される。本発明において、粘着単層型経皮吸収型製剤の粘着膏体の厚さは約10μm〜約2000μmである。粘着膏体の厚さは、皮膚への長時間の貼付に耐え、剥離除去時の皮膚面への糊残りを生じ難くするため、プラスター剤の場合は約10μm〜約500μmが好ましく、約10μm〜約200μmがより好ましく、特に約20μm〜約200μmが好ましい。パップ剤の場合は、約300μm〜約2000μmが好ましく、約500μm〜約1500μmがより好ましい。
【0029】
本発明において、有効成分であるイミダフェナシン、および外用剤基剤からなる粘着膏体は、イミダフェナシン、粘着剤、および両親媒性溶解助剤、懸濁性基剤、軟化剤、乳化剤、緩衝剤、経皮透過促進剤、粘着増強剤、および/または皮膚刺激緩和剤からなる。好ましくは、イミダフェナシン、粘着剤、および両親媒性溶解助剤、経皮透過促進剤および/または皮膚刺激緩和剤からなる。さらに好ましくは、イミダフェナシン、粘着剤、両親媒性溶解助剤および経皮透過促進剤からなる。
【0030】
粘着剤としては、特にスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、シリコーン系樹脂、アクリル系共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂から選ばれる1種または2種以上の組み合わせが好ましい。具体的には、(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン系樹脂の組み合わせ、(ii)シリコーン系樹脂、(iii)シリコーン系樹脂およびロジン系樹脂の組み合わせ、(iv)シリコーン系樹脂、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、または(v)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせが好ましい。スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体としては特に限定されないが、日本合成ゴム社製のSIS-5009、SIS-5229等が好ましく用いられる。シリコーン系樹脂としては特に限定されないが、ダウコーニング社のBIO-PSA Q7-4501等が好ましく用いられる。ポリイソブチレンゴムとしては特に限定されないが、高分子量ポリイソブチレン(好ましくは、エクソン化学社製のビスタネックスMML−100等)および/または低分子量ポリイソブチレン(好ましくは、BASFジャパン社製のオパノールB12SPN等)が好ましく用いられる。ロジン系樹脂としては特に限定されないが、荒川化学工業社製の超淡色ロジンエステル(エステルガム)KE311が好ましく用いられる。脂環族飽和炭化水素樹脂としては特に限定されないが、荒川化学工業社製のアルコンP-100が好ましく用いられる。
【0031】
本発明において、粘着剤は粘着膏体質量において約20質量%〜約99.9質量%であることが好ましく、約30質量%〜約97質量%であることがより好ましい。粘着膏体質量はプラスター剤の場合は、約10g/m〜約500g/mが好ましく、より好ましくは約20g/m〜約200g/mである。パップ剤の場合は、約100g/m〜約2000g/mが好ましく、より好ましくは約500g/m〜約1500g/mである。
粘着剤を配合する量としては、イミダフェナシンの1質量部に対して約25質量部〜約350質量部加えるのが好ましく、約25質量部〜約160質量部加えるのがより好ましい。
【0032】
また、本発明に用いられるイミダフェナシンは粘着剤のみでは、皮膚からの吸収性が悪いため、両親媒性溶解助剤、経皮透過促進剤および/または皮膚刺激緩和剤を加えることが好ましい。特に、両親媒性溶解助剤および経皮透過促進剤を加えることが好ましい。
【0033】
両親媒性溶解助剤としては、高級脂肪酸エステル(ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル等)、高級アルコール(ラウリルアルコール、イソプロパノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール等)、脂肪酸(カプリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等)、二塩基酸ジエステル類(セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル等)、トリアセチン、ベンジルアルコール、乳酸セチル、乳酸オクチルドデシルおよび/または流動パラフィンから選ばれる1種または2種以上が好ましく、特にミリスチン酸イソプロピル、オレイルアルコール、オレイン酸、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、トリアセチン、ベンジルアルコールまたは流動パラフィンが好ましい。
両親媒性溶解助剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、またはN−メチル−2−ピロリドンおよびプロピレングリコールを混合したものも好ましい。
両親媒性溶解助剤として、(i)流動パラフィン、および(ii)N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、またはN−メチル−2−ピロリドンおよびプロピレングリコールを混合したものを加えるのがより好ましい。
両親媒性溶解助剤を配合する量としては、イミダフェナシンの1質量部に対して約2質量部〜約400質量部が好ましく、約2質量部〜約100質量部がより好ましい。
両親媒性溶解助剤として流動パラフィンを加える量としては、イミダフェナシンの1質量部に対して約10質量部〜約400質量部加えるのが好ましく、約20質量部〜約80質量部加えるのがより好ましい。
両親媒性溶解助剤としてN−メチル−2−ピロリドンを加える量としては、イミダフェナシンの1質量部に対して約2質量部〜約100質量部加えるのが好ましく、約3質量部〜約20質量部加えるのがより好ましい。
両親媒性溶解助剤としてプロピレングリコールを加える量としては、イミダフェナシンの1質量部に対して約2質量部〜約100質量部加えるのが好ましく、約3質量部〜約20質量部加えるのがより好ましい。
両親媒性溶解助剤としてN−メチル−2−ピロリドンおよびプロピレングリコールを混合したものを加える量としては、イミダフェナシンの1質量部に対して約2質量部〜約100質量部加えるのが好ましく、約3質量部〜約20質量部加えるのがより好ましい。
ここで、N−メチル−2−ピロリドンおよびプロピレングリコールの比は、約10:1〜約1:10が好ましく、約1:1〜約1:3がより好ましい。
【0034】
経皮透過促進剤としては、トリアセチン、脂肪酸もしくは脂肪族アルコール類(オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイルアルコール、イソプロパノール、ラウリルアルコール等)、脂肪酸エステル(グリセリルモノラウレート、グリセリルモノオレエート、乳酸セチル、乳酸オクチルドデシル、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等)が好ましく、特にオレイン酸、オレイルアルコール、トリアセチン、および乳酸セチルが好ましい。とりわけオレイン酸が好ましい。
経皮透過促進剤を配合する量としては、イミダフェナシンの1質量部に対して約2質量部〜約200質量部が好ましい。
経皮透過促進剤としてオレイン酸を加える量としては、イミダフェナシンの1質量部に対して約2質量部〜約50質量部加えるのが好ましく、約3質量部〜約10質量部加えるのがより好ましい。
皮膚刺激緩和剤としては、クロタミトンおよびステロイド薬が好ましい。
【0035】
またイミダフェナシンを長時間皮膚から吸収させるために、イミダフェナシンの1質量部に対して、粘着剤が約25質量部〜約350質量部、両親媒性溶解助剤および/または経皮透過促進剤が約2質量部〜約400質量部配合されているか、あるいは両親媒性溶解助剤および/または経皮透過促進剤が約2質量部〜約200質量部および皮膚刺激緩和剤が約0.1質量部〜約10質量部配合されていることが好ましい。
【0036】
本発明の製剤には、防腐剤および/または酸化防止剤を配合しても良い。防腐剤および/または酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)またはDL−α−トコフェロールが好ましく、その配合量はイミダフェナシンの1質量部に対して約0.01質量部〜約10質量部が好ましい。
【0037】
本発明において、貼付剤の外用剤基剤としては、(A)(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン系樹脂の組み合わせ、(ii)シリコーン系樹脂、(iii)シリコーン系樹脂およびロジン系樹脂の組み合わせ、(iv)シリコーン系樹脂、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、(v)アクリル系共重合体、(vi)アクリル系共重合体およびシリコーン系樹脂の組み合わせ、または(vii)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、および(B)ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、流動パラフィン、オレイン酸、オレイルアルコール、トリアセチン、ベンジルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコールおよび乳酸セチルから選ばれる1種または2種以上の基剤であるか、あるいはさらに(C)クロタミトン、BHTまたはDL−α−トコフェノールを組み合わせた基剤が好ましい。
【0038】
詳しくは、(A)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン系樹脂の組み合わせ、および(B)セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、流動パラフィン、オレイン酸、乳酸セチル、トリアセチン、ミリスチン酸イソプロピルとクロタミトン、オレイン酸とクロタミトン、オレイルアルコールとクロタミトン、乳酸セチルとクロタミトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、クロタミトン、またはトリアセチンとクロタミトンであるか、(A)シリコーン系樹脂、および(B)ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、オレイン酸、オレイルアルコール、オレイン酸とクロタミトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、クロタミトン、またはオレイルアルコールとクロタミトンであるか、(A)シリコーン系樹脂およびロジン系樹脂の組み合わせ、および(B)ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、オレイルアルコール、ミリスチン酸イソプロピルとクロタミトン、オレイン酸とクロタミトン、またはオレイルアルコールとクロタミトンであるか、(A)シリコーン系樹脂、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、および(B)ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、オレイルアルコール、ミリスチン酸イソプロピルとクロタミトン、オレイン酸とクロタミトン、またはオレイルアルコールとクロタミトンであるか、(A)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、および(B)ミリスチン酸イソプロピル、流動パラフィン、オレイン酸、オレイルアルコール、乳酸セチル、トリアセチン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコールおよびクロタミトンから選ばれる1種以上である基剤である。前記1種以上の組み合わせとして好ましくは、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、オレイルアルコール、乳酸セチル、トリアセチン、流動パラフィンとミリスチン酸イソプロピル、流動パラフィンとオレイン酸、流動パラフィンとオレイルアルコール、流動パラフィンと乳酸セチル、流動パラフィンとトリアセチン、流動パラフィンとクロタミトン、流動パラフィンとミリスチン酸イソプロピルとクロタミトン、流動パラフィンとオレイン酸とクロタミトン、流動パラフィンとオレイルアルコールとクロタミトン、流動パラフィンと乳酸セチルとクロタミトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、N−メチル−2−ピロリドンとプロピレングリコール、流動パラフィンとN−メチル−2−ピロリドン、流動パラフィンとプロピレングリコール、流動パラフィンとN−メチル−2−ピロリドンとプロピレングリコール、または流動パラフィンとトリアセチンとクロタミトンである。
より好ましくは、(A)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン系樹脂の組み合わせ、および(B)オレイン酸、乳酸セチル、トリアセチン、オレイン酸とクロタミトン、オレイルアルコールとクロタミトン、乳酸セチルとクロタミトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、クロタミトン、またはトリアセチンとクロタミトンであるか、(A)シリコーン系樹脂、および(B)オレイン酸、オレイルアルコール、オレイン酸とクロタミトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、クロタミトン、またはオレイルアルコールとクロタミトンであるか、(A)シリコーン系樹脂およびロジン系樹脂の組み合わせ、および(B)ミリスチン酸イソプロピル、またはミリスチン酸イソプロピルとクロタミトンであるか、(A)シリコーン系樹脂、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、および(B)オレイルアルコール、またはオレイルアルコールとクロタミトンであるか、(A)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、および(B)流動パラフィンとミリスチン酸イソプロピル、流動パラフィンとオレイン酸、流動パラフィンとオレイルアルコール、流動パラフィンと乳酸セチル、流動パラフィンとトリアセチン、流動パラフィンとクロタミトン、流動パラフィンとオレイン酸とクロタミトン、流動パラフィンとオレイルアルコールとクロタミトン、流動パラフィンと乳酸セチルとクロタミトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、N−メチル−2−ピロリドンとプロピレングリコール、流動パラフィンとN−メチル−2−ピロリドン、流動パラフィンとプロピレングリコール、流動パラフィンとN−メチル−2−ピロリドンとプロピレングリコール、または流動パラフィンとトリアセチンとクロタミトンである。
【0039】
本発明において、特に好ましい外用剤基剤は、(i)(A)粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン系樹脂の組み合わせであり、および(B)両親媒性溶解助剤、経皮透過促進剤および/または皮膚刺激緩和剤がオレイン酸、乳酸セチル、トリアセチン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、クロタミトン、オレイン酸とクロタミトン、オレイルアルコールとクロタミトン、乳酸セチルとクロタミトン、トリアセチンとクロタミトンであるか、(ii)(A)粘着剤がシリコーン系樹脂であり、および(B)両親媒性溶解助剤、経皮透過促進剤および/または皮膚刺激緩和剤がオレイン酸、オレイルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、クロタミトン、オレイン酸とクロタミトン、またはオレイルアルコールとクロタミトンであるか、または (iii)(A)粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせであり、および(B)両親媒性溶解助剤、経皮透過促進剤および/または皮膚刺激緩和剤がミリスチン酸イソプロピル、流動パラフィン、オレイン酸、オレイルアルコール、乳酸セチル、トリアセチン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコールおよびクロタミトンから選ばれる1種以上である。(iii)(B)両親媒性溶解助剤、経皮透過促進剤および/または皮膚刺激緩和剤として好ましくは、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、オレイルアルコール、乳酸セチル、トリアセチン、クロタミトン、流動パラフィンとミリスチン酸イソプロピル、流動パラフィンとオレイン酸、流動パラフィンとオレイルアルコール、流動パラフィンと乳酸セチル、流動パラフィンとトリアセチン、流動パラフィンとクロタミトン、流動パラフィンとミリスチン酸イソプロピルとクロタミトン、流動パラフィンとオレイン酸とクロタミトン、流動パラフィンとオレイルアルコールとクロタミトン、流動パラフィンと乳酸セチルとクロタミトン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、N−メチル−2−ピロリドンとプロピレングリコール、流動パラフィンとN−メチル−2−ピロリドン、流動パラフィンとプロピレングリコール、流動パラフィンとN−メチル−2−ピロリドンとプロピレングリコール、または流動パラフィンとトリアセチンとクロタミトンである。
【0040】
粘着単層型経皮吸収型製剤の構造形成体を構成する支持体は特に限定されないが、皮膚面に貼付した際に著しく違和感を生じない程度に柔軟性を有するものが好ましく、例えば、プラスチックフィルム(ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)、金属箔(アルミニウム箔等)、不織布、綿布、織布、編布、紙等からなる単層フィルムやこれらの積層フィルムが使用できる。剥離ライナーは、本製剤を使用する際に容易に剥がすことができ、剥離ライナーを覆う前の粘着膏体を維持できるものであれば特に限定されない。例えば、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂の処理を施した紙、プラスチックフィルム(ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)などを使用できる。
【0041】
本発明の好ましい投与方法は、1日2回、1日1回、あるいは2〜7日の間に1回貼り替えるか、または就寝前や必要な状況前に貼付する方法である。より好ましくは、1日1回、あるいは2〜4日の間に1回貼り替えるか、または就寝前や必要な状況前に貼付する方法である。
【0042】
貼付部位は、特に限定されないが、例えば耳の後、腕部、腹部(好ましくは、下腹部等)、胸部、背部、腰部、臀部または脚部(好ましくは、大腿部内側、ふくらはぎ等)などであり、1枚または2〜4枚を前記同一部位または異なる部位に貼付する。複数枚を貼付する場合、その位置は特に限定されないが、対称な位置に貼付するのが好ましい。また、皮膚刺激を避けるため、同一箇所に連続して貼付しないことが好ましい。
過活動膀胱(OAB)に伴う頻尿・尿失禁または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防および/または治療におけるイミダフェナシンのヒト有効血中濃度は、動物実験の結果などから外挿することができる。
モルモットを用いた実験より、コリン刺激における膀胱内圧の上昇を抑制するイミダフェナシンのID50値付近の血中濃度は約1ng/mLであった。また、モルモットを用いた実験より、コリン刺激における気道の収縮を抑制するID50値付近の血中濃度も同様に約1ng/mLであった。
モルモットから得られた結果をヒトに外挿する方法として、その値の約1/100倍〜約100倍の数値を用いるのが一般的であるので、ヒトの有効血中濃度は約10pg/mL〜約100ng/mLと推定される。さらにこの値より、目的とする効果が得られ、かつ副作用が発現しない血中濃度は約10pg/mL〜約10ng/mLと合理的に予測される。
血中濃度が10ng/mLを超えると、例えば、口渇、残尿感、排尿困難、目の異常感、便秘、および尿閉等の副作用が発現する。
本発明で示されるイミダフェナシン含有経皮吸収型製剤は、ヒトにおいて約10pg/mL〜約10ng/mLの血中濃度を維持できる製剤である。
ヒトにおける有効血中濃度として好ましくは約10pg/mL〜約3ng/mLであり、より好ましくは約100pg/mL〜約3ng/mLであり、さらに好ましくは約100pg/mL〜約500pg/mLである。該イミダフェナシン血中濃度の範囲は、目的とする効果を発現し、かつ副作用を発現しない至適な範囲である。
ヒトにおける有効血中濃度を維持する期間としては、好ましくは約0.5日間〜約7日間であり、より好ましくは約0.5日間〜約4日間であり、さらに好ましくは約0.5日間〜約2日間である。
【0043】
本発明において、上記ヒトにおける有効血中濃度を維持するための経皮吸収型製剤に配合されるイミダフェナシン量は、投与時間、用いる外用剤基剤、およびそれらの配合量等によっても異なるが、1製剤中あるいは1回投与剤中に約0.01mg〜約10mgが配合されていることが好ましい。特に、24時間貼付する経皮吸収型製剤の場合は、1製剤中あるいは1回投与剤中に約0.1mg〜約1mgが配合されることが好ましく、約0.2mg、約0.3mg、約0.5mg、および約1mgがより好ましい。また、48時間貼付する経皮吸収型製剤の場合は、1製剤中あるいは1回投与剤中に約0.2mg〜約2mgが配合されることが好ましく、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.7mg、約1mg、および約2mgがより好ましい。また、本発明の経皮吸収型製剤が貼付剤の場合、イミダフェナシン量は粘着膏体全体の約0.005質量%〜約30質量%であることが好ましく、約0.05質量%〜約10質量%であることがより好ましい。
【0044】
本発明における、上記ヒトにおける有効血中濃度を維持するための経皮吸収型製剤が貼付剤である場合、その大きさは約1cm〜約300cmであることが好ましく、約1.5cm〜約280cmがより好ましい。プラスター剤である場合は、約1cm〜約140cmが好ましく、特に約1.5cm〜約40cmが好ましい。パップ剤である場合は、140cm〜約280cmが好ましい。またその形態はいかなるものでもあってもよいが、好ましくは正方形、長方形、丸形または楕円形等である。
【0045】
本発明における有効成分であるイミダフェナシンは、溶解型、または溶解型と非溶解型の混合型のいずれで配合されていてもよく、安定性および安全性を保ち、有効成分を効率よく、かつ持続的に皮膚透過させることができれば制限されない。具体的には、実質的に溶解型イミダフェナシンのみを有効成分とするか、あるいは溶解型および非溶解型の混合型イミダフェナシンを有効成分として配合される。
【0046】
一般的に、非溶解型状態の薬物は経皮吸収に関与しないが、粘着膏体中の溶解型薬物の含有量が多いほど、速く経皮吸収される薬物量も多くなり、長時間薬効を持続させることが可能になる。言い換えれば、薬理作用の持続時間は、外用剤基剤に対する薬物の飽和溶解度によって制限されることになる。しかし薬物の溶解度が低い外用剤基剤の場合は、薬物の持続時間や安定した有効血中濃度の持続が充分でないこともある。良好な薬効の持続性を得るためには、さらに溶解度の高い粘着膏体を使用するか、薬物を溶解させた粘着膏体を厚くするか、薬物の含有率を高めるか、皮膚面に接する粘着膏体の面積を大きくするかなどの手段により投与量を増大させる。しかし、これらの方法は、違和感、接着性、皮膚刺激性、経済性等に問題点も多い。
一方、粘着膏体中への溶解薬物量が多く、経皮吸収速度が早い場合は、吸収速度を遅らせ、持続性を得るために、粘着膏体層へさらにシリコーン樹脂やアクリル系共重合体等でコーティングした二層性の粘着膏体層を用いる場合もある。
【0047】
粘着膏体中の溶解型薬物の濃度は、経皮吸収速度に直接的に影響を与え、皮膚へ吸収されることにより減少する。使用する粘着膏体に対する飽和溶解度を超える過剰な薬物は、非溶解型薬物として粘着膏体中に分散されるので、粘着膏体中に含有される溶解型薬物の量は、使用する外用剤基剤により決定される。
【0048】
一方、非溶解型薬物は粘着膏体中に溶解した薬物が皮膚に吸収されて減少した溶解型薬物を粘着膏体中に供給し、補う機能を持つ。その結果、長時間にわたり高い経皮吸収速度が保持され、有効血中濃度が長時間維持される。
【0049】
従って、本発明によると薬物の飽和溶解度の高い粘着膏体を選択して、実質的に溶解型イミダフェナシンのみを有効成分として含有する製剤を作製するか、吸収速度が早い場合は、イミダフェナシンを含まない粘着剤でコーティングし、二層性製剤を作製するか、または溶解型および非溶解型の混合型イミダフェナシンを有効成分として含有する製剤により、経皮吸収性、安定した血中動態パターン、薬効持続性が良好な粘着単層型経皮吸収型製剤を提供することができる。
【0050】
本発明において、溶解型イミダフェナシンとは、イミダフェナシンが完全に溶解された状態で粘着膏体中に存在することであり、詳しくは粘着膏体中にイミダフェナシンの結晶が目視または光学顕微鏡で観察されず、粘着膏体が均一であることである。また、高濃度でも薬物が析出することなく、粘着膏体中に完全に溶解された状態で薬物を保持できることが好ましい。高濃度のイミダフェナシンを溶解型で保持するために、さらに添加剤を用いてもよい。添加剤は粘着剤との相溶性に優れ、イミダフェナシンを充分に溶解し、経時的に粘着剤と添加剤と分離しないものであれば限定されない。これにより、投与初期における経皮吸収速度に優れ、有効血中濃度を長時間維持することができる。
【0051】
本発明において、溶解型および非溶解型の混合型イミダフェナシンとは、イミダフェナシンの溶解状態と非溶解状態、詳しくは溶解状態と結晶状態または非結晶状態で粘着膏体中に混在することである。溶解型による速やかな吸収による粘着膏体中のイミダフェナシンの減少を補うべく、非溶解型イミダフェナシンの再溶解が速やかに起こり、溶解したイミダフェナシンの吸収により薬効持続性が保持される。粘着膏体中の全イミダフェナシンの消失速度に対する、非溶解型イミダフェナシンの消失速度の比は、好ましくは約0.1以上である。消失速度の比が少ない場合には、溶解型薬物の減少に対する非溶解型薬物の再溶解が不充分となるので、薬効の持続性は良くない。
【0052】
本発明の経皮吸収型製剤のうち、貼付剤は一般的な製造法によって製造することができる。例えば、(1)溶剤法、(2)加熱法(ホットメルト法)、または(3)カレンダー法が挙げられる。溶剤法とは、有効成分および外用剤基剤をヘキサン、ゴム揮発油、酢酸エチル、アルコール類、キシレン、クロロホルム、水等の溶剤に溶解し、展延した後に溶剤を乾燥させる方法である。好ましくは約20℃〜約60℃で、約30秒〜約60分乾燥する。加熱法は、有効成分および外用剤基剤を高熱にて溶解混合し、展延して冷却する方法である。カレンダー法とは、有効成分および外用剤基剤をミキサーで混合し、カレンダーロールで展延する方法である。また粘度が比較的低いものは有効成分および外用剤基剤を通常のミキサーで混合し展延される。本発明の製剤の製造法は以上の方法に限定されるものではなく、他の効率的な方法で製造してもよい。
【0053】
本発明の経皮吸収型製剤は、膀胱、気管、消化管等の平滑筋のムスカリン受容体のM3およびM1に選択的に拮抗作用を有するため、過活動膀胱(OAB:Over Active Bladder)に伴う頻尿・尿失禁のみならず、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)、過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)等の予防および/または治療にも有用である。従って、本発明の経皮吸収型製剤は、経口剤や注射剤の場合の一時的に高い薬物(血中)濃度のために起こる副作用(例えば、口渇、残尿感、排尿困難、便秘、目の異常感、および尿閉等)が回避できること、皮膚から持続的に吸収させることができるため経口剤よりも投与回数が少ないこと、さらに副作用が発生した場合に直ちに適用を中断できること等の利点を有する。これにより、本発明の経皮吸収型製剤は高齢者や経口投与が困難な患者の生活の質を向上させた過活動膀胱(OAB)に伴う頻尿・尿失禁、喘息、COPDまたはIBS等の持続的な予防および/または治療薬として大変有用である。特に、COPDの予防および/または治療において、本発明の経皮吸収型製剤は、吸入剤に比べて、血管側から肺胞末梢組織までより効果的に薬物を持続的に到達させることが可能となり、末梢まで吸入剤投与が困難な呼吸機能が低下している患者に対しても有用な製剤となる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例を挙げて、さらに本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0055】
実施例1:
シリコーン系樹脂(Q7-4501、ダウコーニング社製)(1.975g)に、イミダフェナシン(20mg)、オレイルアルコール(200mg)およびクロタミトン(200mg)を分散させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をリリースライナー(Scotch Pack 9742、スリーエムヘルスケア社製)上に、厚みが(約125μm)になるように、アプリケーターを用いて展延した。粘着膏体面を熱風(約50〜60℃)で、20分間乾燥した。乾燥した粘着膏体面を剥離ライナーで覆い、15mm径(1.766cm)の円形にカットして製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0056】
実施例2:
シリコーン系樹脂(Q7-4501、ダウコーニング社製)(1.975g)に、イミダフェナシン(20mg)、オレイン酸(200mg)およびクロタミトン(200mg)を分散させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をリリースライナー(Scotch Pack 9742、スリーエムヘルスケア社製)上に、厚みが(約125μm)になるように、アプリケーターを用いて展延した。粘着膏体面を熱風(約50〜60℃)で、20分間乾燥した。乾燥した粘着膏体面を剥離ライナーで覆い、15mm径(1.766cm)の円形にカットして、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0057】
実施例3(1)〜3(13):
イミダフェナシン(20mg)、以下の表1に示す粘着剤、およびその他の外用剤基剤を用いて、実施例1と同様に操作を行って(ただし、SISおよび超淡色ロジンエステル(エステルガム)を使用した場合は、有機溶媒としてクロロホルム(7.5g)を使用した。)、15mm径(1.766cm)円形の製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0058】
【表1】

【0059】
実施例4(1)〜4(11):
イミダフェナシン、および下記表2に示すその他の外用剤基剤を、SILに分散させるか、あるいはイミダフェナシン、SISおよび超淡色ロジンエステル(エステルガム)および下記表2に示すその他の外用剤基剤をクロロホルム(9.375g)に分散させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をリリースライナー(Scotch Pack 9742、スリーエムヘルスケア社製)上に、厚みが(約125μm)になるように、アプリケーターを用いて展延した。粘着膏体面を熱風(約50〜60℃)で、20分間乾燥した。乾燥した粘着膏体面を剥離ライナーで覆い、2cm×2cm(4cm)の正方形にカットして、各製剤(主成分含量:0.5mg/10cm)を作製した。
【0060】
【表2】

【0061】
実施例5(1):
高分子量ポリイソブチレン(ビスタネックスMML-100、エクソン化学社製)(3g)、低分子量ポリイソブチレン(オパノールB12SPN、BASFジャパン社製)(7g)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS5229、日本合成ゴム社製)(20g)、エステルガム(KE-311、荒川化学工業社製)(10g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP-100、荒川化学工業社製)(20g)、流動パラフィン(クリストール352、カネダ社製)(34g)、ミリスチン酸イソプロピル(日本油脂社製)(5g)、およびイミダフェナシン(1g)をヘキサンに混合溶解させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をシリコーン処理したライナー(PET75μm)上に、乾燥後の厚みが約100μmになるように展延し、約50℃の熱風で5分間乾燥しヘキサンを揮発させた。乾燥した粘着膏体面を支持体(ポリウレタン50μm)で覆い、3.2×3.2mm(10cm)の四角形にカットして、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0062】
実施例5(2):
高分子量ポリイソブチレン(ビスタネックスMML-100、エクソン化学社製)(3g)、低分子量ポリイソブチレン(オパノールB12SPN、BASFジャパン社製)(7g)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS5229、日本合成ゴム社製)(20g)、エステルガム(KE-311、荒川化学工業社製)(10g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP-100、荒川化学工業社製)(20g)、流動パラフィン(クリストール352、カネダ社製)(34g)、オレイルアルコール(日本油脂社製)(2.5g)、クロタミトン(金剛化学社製)(2.5g)、およびイミダフェナシン(1g)をヘキサンに混合溶解させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をシリコーン処理したライナー(PET50μm)上に、乾燥後の厚みが約100μmになるように展延し、約50℃の熱風で5分間乾燥しヘキサンを揮発させた。乾燥した粘着膏体面を支持体(PET15μm)で覆い、3.2×3.2mm(10cm)の四角形にカットして、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0063】
実施例5(3):
高分子量ポリイソブチレン(ビスタネックスMML-100、エクソン化学社製)(3g)、低分子量ポリイソブチレン(オパノールB12SPN、BASFジャパン社製)(7g)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS5229、日本合成ゴム社製)(20g)、エステルガム(KE-311、荒川化学工業社製)(10g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP-100、荒川化学工業社製)(20g)、流動パラフィン(クリストール352、カネダ社製)(29g)、オレイン酸(日本油脂社製)(5g)、クロタミトン(金剛化学社製)(5g)、およびイミダフェナシン(1g)をヘキサンに混合溶解させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をシリコーン処理したライナー(PET75μm)上に、乾燥後の厚みが約100μmになるように展延し、約50℃の熱風で5分間乾燥しヘキサンを揮発させた。乾燥した粘着膏体面を支持体(PET4μm/PE20μm)で覆い、3.2×3.2mm(10cm)の四角形にカットして、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0064】
実施例5(4):
シリコーン系樹脂(Q7-4501、ダウコーニング社製)(74g)、エステルガム(KE-311、荒川化学工業社製)(20g)、ミリスチン酸イソプロピル(日本油脂社製)(2.5g)、クロタミトン(金剛化学社製)(2.5g)、およびイミダフェナシン(1g)を混合溶解させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をシリコーン処理したライナー(PE80μm)上に、乾燥後の厚みが約100μmになるように展延し、約50℃の熱風で5分間乾燥し溶媒を揮発させた。乾燥した粘着膏体面を支持体(PET4μm/40g編布)で覆い、3.2×3.2mm(10cm)の四角形にカットして、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0065】
実施例5(5):
シリコーン系樹脂(Q7-4501、ダウコーニング社製)(74g)、エステルガム(KE-311、荒川化学工業社製)(10g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP-100、荒川化学工業社製)(10g)、オレイルアルコール(日本油脂社製)(2.5g)、クロタミトン(金剛化学社製)(2.5g)、およびイミダフェナシン(1g)を混合溶解させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をシリコーン処理したライナー(上質紙100μm)上に、乾燥後の厚みが約100μmになるように展延し、約50℃の熱風で5分間乾燥し溶媒を揮発させた。乾燥した粘着膏体面を支持体(PET5μm/20g不織布)で覆い、3.2×3.2mm(10cm)の四角形にカットして、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0066】
実施例5(6)〜5(13):
イミダフェナシン(1g)および表3に示す外用剤基剤を用いて、実施例5(1)〜5(5)と同様に操作することによって、それぞれ3.2×3.2mm(10cm)の四角形の製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0067】
【表3】

【0068】
実施例6(1):
高分子量ポリイソブチレン(ビスタネックスMML-100、エクソン化学社製)(3g)、低分子量ポリイソブチレン(オパノールB12SPN、BASFジャパン社製)(6g)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS5229、日本合成ゴム社製)(20g)、エステルガム(KE-311、荒川化学工業社製)(7g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP-100、荒川化学工業社製)(21g)および流動パラフィン(クリストール352、カネダ社製)(37g)に、これら基剤成分にほぼ等重量のヘキサンを加えて撹拌溶解した(A液)。イミダフェナシン(1g)とミリスチン酸イソプロピル(5g)を混合し、90℃で約10分間撹拌した(B液)。B液を30℃に冷却した後、A液に加えて膏体液を調整した。膏体重量を100g/mとするため、膏体液をシリコーン処理したライナー(PET75μm、東レフィルム加工社製)上に、乾燥後の厚みが約100μmになるように自動塗工装置(テスター産業社製)を用いて展延し、自然乾燥した。乾燥した粘着膏体面を支持体(PET/不織布)で覆い、3.2×3.2mm(10cm)の四角形にカットして、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0069】
実施例6(2)〜6(5):
ミリスチン酸イソプロピルの代わりに、表4に記載の成分を用いて、実施例6(1)と同様の操作を行って、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0070】
【表4】

【0071】
実施例7(1):
高分子量ポリイソブチレン(ビスタネックスMML-100、エクソン化学社製)(3g)、低分子量ポリイソブチレン(オパノールB12SPN、BASFジャパン社製)(4g)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS5229、日本合成ゴム社製)(20g)、エステルガム(KE-311、荒川化学工業社製)(2g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP-100、荒川化学工業社製)(26g)および流動パラフィン(クリストール352、カネダ社製)(38.5g)に、これら基剤成分にほぼ等重量のヘキサンを加えて撹拌溶解した(A液)。イミダフェナシン(1g)、N−メチル−2−ピロリドン(3g)およびプロピレングリコール(2.5g)を混合し、75℃で約10分間撹拌した(B液)。B液を30℃に冷却した後、A液に加えて膏体液を調整した。膏体重量を100g/mとするため、膏体液をシリコーン処理したライナー(PET75μm、東レフィルム加工社製)上に、乾燥後の厚みが約100μmになるように自動塗工装置(テスター産業社製)を用いて展延し、自然乾燥した。乾燥した粘着膏体面を支持体(PET/不織布)で覆い、3.2×3.2mm(10cm)の四角形にカットして、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0072】
実施例7(2)〜7(31):
表5および表6に記載のA液およびB液を用いて、実施例7(1)と同様の操作を行って、製剤(主成分含量:0.1〜1mg/10cm)を作製した。
【0073】
【表5】

【0074】
【表6】

高分子量ポリイソブチレン:ビスタネックスMML-100、エクソン化学社製
低分子量ポリイソブチレン:オパノールB12SPN、BASFジャパン社製
SIS:スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS5229、日本合成ゴム社製
エステルガム:KE-311、荒川化学工業社製
脂環族飽和炭化水素樹脂:アルコンP-100、荒川化学工業社製
流動パラフィン:クリストール352、カネダ社製
精製オレイン酸:日本油脂社製
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン
【0075】
実施例8(1)〜8(12):
表7に記載のA液およびB液を用いて、実施例7(1)と同様の操作を行って、製剤(主成分含量:0.5〜1mg/10cm)を作製した。
【0076】
【表7】

高分子量ポリイソブチレン:ビスタネックスMML-100、エクソン化学社製
低分子量ポリイソブチレン:オパノールB12SPN、BASFジャパン社製
SIS:スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS5229、日本合成ゴム社製
エステルガム:KE-311、荒川化学工業社製
脂環族飽和炭化水素樹脂:アルコンP-100、荒川化学工業社製
流動パラフィン:クリストール352、カネダ社製
精製オレイン酸:日本油脂社製BHT:ジブチルヒドロキシトルエン
【0077】
実施例9(1):
シリコーン系樹脂(Q7-4501、ダウコーニング社製)(74g)、エステルガム(KE-311、荒川化学工業社製)(10g)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP-100、荒川化学工業社製)(7g)、精製オレイン酸(日本油脂社製、3g)、N−メチル−2−ピロリドン(2g)、プロピレングリコール(3.5g)およびイミダフェナシン(0.5g)を混合溶解させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をシリコーン処理したライナー(上質紙100μm)上に、乾燥後の厚みが約100μmになるように展延し、自然乾燥し溶媒を揮発させた。乾燥した粘着膏体面を支持体(PET5μm/20g不織布)で覆い、3.2×3.2mm(10cm)の四角形にカットして、製剤(主成分含量:0.5mg/10cm)を作製した。
【0078】
実施例9(2)〜実施例9(8):
精製オレイン酸の代わりに、表8に記載の成分を用いて、実施例9(1)と同様の操作を行って、製剤(主成分含量:0.5mg/10cm)を作製した。ただし、DL−α−トコフェロールを加える場合には、脂環族飽和炭化水素樹脂の量を6.8gとした。
【0079】
【表8】

【0080】
試験例1:経皮透過実験
雄性ヘアレスラット(7週齢、HWY strain、n=4)の腹部摘出除毛皮膚を、フランツ(Franz)型セル(直径1.5cm)に装着した。前記の実施例1、2、3(1)〜(13)、および4(6)〜(10)で作製した製剤を、腹部摘出除毛皮膚の角質層に貼付した。真皮層側のセルには10mMリン酸緩衝液(pH6.0)を適用した。経時的に真皮層側セルからリン酸緩衝液(100μl)を採取し、以下の条件によるHPLC法により、イミダフェナシンの各時間での26時間後の累積透過量を定量し平均値算出した。結果を図1および図2に26時間後の累積透過量を示す。
カラム:TSKgel ODS-80TM、
カラム温度:50℃、
移動層:0.01Mリン酸水溶液:アセトニトリル=73:27、
検出波長:220nm、
インジェクション量:80μl、
リテンション時間:6.6分。
この結果より、外用剤基剤がSILだけからなる実施例3(12)で製造した製剤と、外用剤基剤がNKおよびオレイルアルコールからなる実施例3(13)で製造した製剤では、高い累積透過量が得られなかったが、それ以外の外用剤基剤のうち粘着剤がSISまたはSILを用いて製造した製剤は、高い累積透過量が得られた。
また、以下の表9に示すように、実施例6(3)、7(1)〜7(4)、7(6)、7(9)〜7(12)、7(15)、7(18)、7(20)〜7(21)、7(24)、および7(27)〜7(31)で製造した製剤も高い累積透過量が得られた。
【0081】
【表9】

【0082】
試験例2:経皮透過実験
雌性ミニブタ(5週齢、Yucatan micropig、n=3)の皮膚を約5cm四方の大きさに切り、60℃の温水に1分間浸した。その後、表皮と真皮を剥がした。10mMリン酸緩衝液(pH6.0)に浸したミリポアフィルター(直径25mm、ポアーサイズ0.45μm)上に、剥離した表皮をのせた。表皮上に本発明の製剤を貼り付け、フランツ(Franz)型セル(直径1.5cm)に装着した。経時的に真皮層側セルからリン酸緩衝液(100μl)を採取し、試験例1と同様の条件によるHPLC法により、イミダフェナシンの34時間後の透過量を定量した。
その結果、本発明の製剤は、ミニブタにおいても充分な累積透過量が得られた。例えば、実施例2の製剤の累積透過量の平均値は10.27μg/cmであった。また、後述する参考例1、実施例3(11)および実施例2で製造した製剤のミニブタ経皮を用いた累積透過量とヘアレスラット経皮を用いた累積透過量は、図3に示すように、良好な相関関係が得られた。
【0083】
参考例1:
イミダフェナシン(25mg)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(0.9875g、SIS−5002、日本合成ゴム社製)および超淡色ロジンエステル(エステルガム)(1.2375g、KE−311、荒川化学工業社製)およびミリスチン酸イソプロピル(125mg)をクロロホルム(9.375g)に分散させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をリリースライナー(Scotch Pack 9742、スリーエムヘルスケア社製)上に、厚みが(約125μm)になるように、アプリケーターを用いて展延した。粘着膏体面を熱風(約50〜60℃)で、20分間乾燥した。乾燥した粘着膏体面を剥離ライナーで覆い、15mm径(1.766cm)の円形にカットして、製剤(主成分含量:1mg/10cm)を作製した。
【0084】
試験例3:血中濃度
雄性ヘアレスラット(10週齢、HWY/Slc、n=6)の腹部皮膚を電気バリカンで剪毛した。前記実施例で作製した製剤を腹部に貼付し、不織布粘着包帯(メッシュポア、ニチバン社製)を巻いて48時間閉塞した。48時間後に製剤を除去した。貼付後3、6、9、24、32および48時間に、無麻酔下、頸静脈からヘパリン処理したポリプロピレン製ディスポーザブル注射筒を用いて、採血(約0.3mL)し、血漿をポリプロピレン製容器に移した。得られた血漿は直ちに氷冷し、凍結保存した。その後、各時間におけるイミダフェナシンの血中濃度(ng/mL)を測定し、6検体の平均値を算出した。その結果、外用剤基剤が粘着剤のみの実施例4(11)はほとんど血中に吸収されず本目的を達していなかったが、それ以外の本発明の製剤は、貼付している48時間の間、血中に持続的に吸収され、一定以上の濃度が維持されることが確認された。例えば、実施例4(3)で製造した製剤は、貼付後48時間の血中濃度は0.152±0.049ng/mL〜0.766±0.594ng/mLの範囲で持続的な血中濃度を示した。
また、実施例7(15)、7(21)、7(24)および7(27)〜7(31)で製造した製剤は、表10で示す範囲で持続的な血中濃度を示した。なお、実施例7(15)、7(21)、7(24)および7(27)で製造した製剤については、前記製造方法によって得た製剤を2×2mm(4cm)の四角形にカットしたものを用いて評価した。実施例7(28)〜7(31)は、10cm製剤をそのまま貼付し評価した。
【0085】
【表10】

【0086】
試験例4:ヘアレスラット皮膚一次刺激性の評価
試験例3において、前記実施例で製造した製剤を雄性ヘアレスラット腹部に48時間貼付後、その製剤の除去時(0時間)、除去後24時間、除去後48時間および除去後72時間後の皮膚反応を観察し、P.I.I.を算出し、表11に示すDraizeの評価基準[J. Pharmacol. Exp. Ther., 83, 377〜390, (1944)参照]に従って評価した。
【0087】
【表11】

【0088】
各検体の平均評点を算出した。さらに各検体の平均評点から全検体の平均評点を算出して一次刺激インデックス(primary irritation index;P.I.I.)とした。
各検体の平均評点=各検体の評点の合計/4
P.I.I.=各検体の平均評点の合計/6
安全性区分は、(i)P.I.I.が0のときは刺激性なし、(ii)0を越えて2以下の時は弱い刺激物、(iii)2を越えて5以下の時は中等度の刺激物、(iv)5を越える時は強い刺激物とした。安全性区分が0、および0を越えて2以下の場合は刺激性に問題ないと判断できる。
この結果、本発明の製剤は、いずれも皮膚一次刺激指数が1以下であり、刺激性は弱く、問題なかった。
【0089】
試験例5:ウサギ皮膚一次刺激性の評価
雄性ウサギ(10週齢、体重2.00〜3.50kg)を用いた。貼付の前日(24時間前)に背部の被毛を電気バリカンで取り除き、貼付部位を6箇所作製した。その内、3箇所を正常皮膚とし、残りの3箇所は注射針で角質層に傷をつけて損傷皮膚とした。実施例4(2)、4(3)および4(4)で製造した製剤および陰性対照製剤を、それぞれ正常皮膚と損傷皮膚に貼付した後、ニチバン粘着包帯で固定した。貼付時間は24時間とした。製剤除去後、残存する薬物等を微温湯で湿らせた脱脂綿で軽く拭いた。除去30分間後、除去後24時間、除去後48時間および除去後72時間後の皮膚反応を観察し、P.I.I.を算出し、上記Draizeの基準に従って評価した。陰性対照製剤としては、有効成分を含まない以外は実施例4(2)、4(3)および4(4)の製剤と同じ方法で製造した3種類の製剤を用いた。
この結果、本発明の製剤はいずれも皮膚一次刺激指数が1以下であり、刺激性は弱く、問題なかった。
また、例えば、実施例7(29)および7(30)で製造した製剤、およびそれぞれの陰性対照製剤を正常皮膚と損傷皮膚に48時間貼付して同様の試験を行ったところ、皮膚一次刺激指数はいずれも1以下であり、刺激性は弱く、問題なかった。
【0090】
試験例6:粘着力試験
インストロン型引張り試験機(AUTOGRAPH AGS-1KND;島津製作所製)を用いて測定した。本発明の製剤(20mm×20mm)の側面から10mmの面積に、補助紙(幅25mm、長さ100mm)の長辺の端を貼り付け、あらかじめ常温に30分間放置したフェノール樹脂製の試験板(幅25mm、長さ125mm、厚さ5mm)の中央に、本製剤の残りの粘着面を試験板と補助紙の各長辺が同方向になるように貼り付け、直ちにゴムローラー(850g)を1分間300mmの速さで、本製剤の上を2回通過させた。これを常温に30分間放置した後、試験板に貼りついた補助紙の自由端を180°角に折り返して、引張り試験機を用いて、製剤の自由端は上部に、試験板は下部に留金で堅くはさみ、1分間100mmの速さで連続して引き剥がし、約1mm間隔で4回の荷重を測定した。例えば、実施例4(2)の製剤では平均値が240gであった。
【0091】
試験例7:モルモットにおける有効血中濃度の測定
<膀胱内圧測定法>
雄性Std:Hartley系モルモット(日本エスエルシー株式会社、使用時週齢:6週齢、体重340.6〜488.0g)をウレタンにて麻酔した。腹部を正中切開後、腎臓から膀胱への尿の流入を防ぐために両側の輸尿管を結紮した。膀胱頸部を結紮後に、膀胱頂部より膀胱内圧測定用カテーテルを挿入して結紮固定した。その後、膀胱内圧を測定するために膀胱内に生理食塩液を1mL注入した。次に、左頸静脈にカテーテルを留置した。膀胱内圧は膀胱内圧測定用カテーテルを圧トランスデューサー(日本光電、ライフキット DX−100)に接続し、ひずみ圧力用アンプ(日本光電、CARRIER ANPLIFIER AP−601G)を介して測定した。頸静脈にカテーテルを挿入し、イミダフェナシンを静脈内持続投与した(100μL/kg/分)。薬液投与開始75分後、メタコリン(10μg/kg)を静脈内投与し、膀胱収縮を惹起した。膀胱収縮抑制作用はメタコリンにより惹起された膀胱収縮のピーク高を指標に評価した。
その結果、イミダフェナシンは、0.03、0.1、0.3μg/kg/分で用量に応じた抑制作用が認められ、ID50値は0.064μg/kg/分であった。また、このID50値付近における血中濃度は約1ng/mLであった。
なお、血中濃度測定は血漿を用いてLC/MS/MSにて測定した。
<気道収縮測定法>
雄性Std:Hartley系モルモット(日本エスエルシー株式会社、使用時週齢:6週齢、体重340.6〜488.0g)をウレタンにて麻酔し、気管にカニューレを挿入した。気管カニューレを定量式人工呼吸器に接続し、人工呼吸下、左頸静脈にカテーテルを留置した。気道収縮の測定はKonzett & Rossler法により行った。モルモットを換気量4mL/animal、喚起回数70回/分にて人工呼吸し、通気圧の変化を気管カニューレの副側路に接続したトランスデューサー(UGO BASILE、BRONCHOSPASM TRANSDUCER 7020)により測定した。頸静脈にカテーテルを挿入し、イミダフェナシンを静脈内持続投与した(100μL/kg/分)。薬液投与開始75分後、メタコリン(10μg/kg)を静脈内投与し、気道収縮を惹起した。気道収縮抑制作用はメタコリンにより惹起された気道収縮のピーク高を指標に評価した。
その結果、イミダフェナシンは、0.03、0.1、0.3μg/kg/分で用量に応じた抑制作用が認められ、ID50値は0.061μg/kg/分であった。また、このID50値付近における血中濃度は約1ng/mLであった。
なお、血中濃度測定は血漿を用いてLC/MS/MSにて測定した。
即ち、イミダフェナシン貼付剤が、同程度の血中濃度の維持が可能である製剤においては、OABのみでなく、COPDにも有用であることが確認された。
【0092】
試験例8:気道収縮抑制効果
イミダフェナシン(20mg)、SIS(790mg)および超淡色ロジンエステル(エステルガム)(990mg)およびミリスチン酸イソプロピル(200mg)をクロロホルム(7.5g)に分散させて粘着膏体を調製した。粘着膏体をリリースライナー(Scotch Pack 9742、スリーエムヘルスケア社製)上に、厚みが(約125μm)になるように、アプリケーターを用いて展延した。粘着膏体面を熱風(約50〜60℃)で、20分間乾燥した。乾燥した粘着膏体面を剥離ライナーで覆い、3.2cm×3.2cm(10cm)の正方形にカットして、粘着単層型経皮吸収型製剤(1mg/10cm)を作製した。
GOI(酸素:笑気=3:1、3%イソフルラン)麻酔下、モルモット腹部の毛を剃った。腹部に上記で製造した粘着単層型経皮吸収型製剤を貼付し、サージカルテープで固定した。24時間後の無処置群および貼付群モルモットを、ペントバルビタールナトリウムで麻酔してから切開し、気管にポリエチレン細管を気管カニューレとして装着した。気管カニューレを定量式人工呼吸器(Model SN-480-7、シナノ製作所製)に接続し、換気量(4mL)、換気回数70回/分で人工呼吸した。ガラミンおよびメタコリンを投与するために左頸静脈に生理食塩液を満たしたポリエチレンチューブを挿入した。気道収縮反応は、Konzett & Rossler法により測定した。通気圧の変化は、人工呼吸回路の副側路に接続したトランスデューサー(BRONCHOSPASM TRANSDUCER,Cat No. 7020,UGO BASILE)により測定し、レコーダ(LINEARCORDER,WR3320,グラフテック社製)に記録した。
気道収縮反応を惹起する前に、ガラミン(10mg/mL/kg)を静脈内投与した。気道収縮反応のベースラインが安定していることを確認後、メタコリン(10μg/mL/kg)を静脈内投与して、気道収縮反応を惹起した。その結果、メタコリン誘発気道収縮を、24時間貼付群は完全に抑制した。この結果は、本製剤がCOPDに対して有効であることを示している。
【0093】
上記試験例の結果から、本発明に用いられる経皮吸収型製剤は、イミダフェナシンの低い皮膚透過性を有意に改善し、皮膚刺激性が大変弱く、優れた持続放出性を有する製剤であることがわかった。さらに、本発明の経皮吸収型製剤は、持続的なコリン誘発性気道収縮および膀胱収縮抑制作用を有し、その効果が強いことも確認された。
【0094】
試験例9:安定性試験
本発明の製剤が安定であることは、以下の試験により確認された。
本発明の製剤例を、(1)室温にて6ヶ月、または(2)40℃、相対湿度75%にて6ヶ月保存し、試験検体とした。
ライナーを除いた試験検体1枚を試験管に入れ、ジエチルエーテル(18mL)と内標準溶液を加え、15分間振とうした。この溶液の10mLを取り、減圧下で溶媒を留去した。残渣にヘプタン(10mL)を加え、15分間振とうした。この溶液にリン酸・アセトニトリル混合液(7:3、10mL)を加え、15分間振とうした。この混合液を遠心分離(2500rpm、10分間)し、下層を採取した。残液に再度リン酸・アセトニトリル混合液(7:3、10mL)を加え、15分間振とうした。混合液を遠心分離(2500rpm、10分間)し、下層を採取し、先述の下層と合わせ、リン酸・アセトニトリル混合液(7:3)を加えて正確に25mLとして、試料溶液とした。
試料溶液50μLについて、液体クロマトグラフ法により分析を行い、内標準物質のピーク面積に対するイミダフェナシンのピーク面積の比から検量線に従いイミダフェナシン量を算出した。
その結果、本発明の製剤は安定な製剤であることが分かった。例えば、実施例7(3)で製造した製剤を前記(1)および(2)の条件下保存しても、イミダフェナシンの経時的な含量変化は認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明によれば、皮膚からの吸収性が低いイミダフェナシンを、刺激性が少なく、皮膚から持続的かつ効率良く体内へ吸収させることができる経皮吸収型製剤が提供される。よって、本経皮吸収製剤は、経口投与に比し、効果の持続性、副作用回避、および投与の利便性が向上し、過活動膀胱(OAB)だけでなく、慢性閉塞性肺疾患(COPD)にも有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分としての4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドおよび外用剤基剤を含有し、下記(1)〜(2)の少なくとも一つの条件を満たしている経皮吸収型製剤:
(1)1製剤中または1回投与剤中の有効成分含有量が約0.1mg〜約10mgである、
(2)大きさが約1cm〜約300cmである。
【請求項2】
外用剤基剤が、(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、シリコーン系樹脂、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂、アクリル系共重合体、および脂環族飽和炭化水素樹脂から選ばれる1種以上の粘着剤、および(ii)両親媒性溶解助剤、経皮透過促進剤および/または皮膚刺激緩和剤を含有する請求の範囲1に記載の製剤。
【請求項3】
外用剤基剤が、(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、シリコーン系樹脂、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂、および脂環族飽和炭化水素樹脂から選ばれる1種以上の粘着剤、(ii)両親媒性溶解助剤、および(iii)経皮透過促進剤からなる請求の範囲2に記載の製剤。
【請求項4】
(i)粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、シリコーン系樹脂、アクリル系共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂から選ばれる1種以上であり、(ii)両親媒性溶解助剤がN−メチル−2−ピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、トリアセチン、ベンジルアルコール、オレイルアルコール、オレイン酸、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、流動パラフィン、および乳酸セチルから選ばれる1種以上であり、経皮透過促進剤がトリアセチン、クロタミトン、乳酸セチル、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸、およびオレイルアルコールから選ばれる1種以上であり、皮膚刺激緩和剤がクロタミトンである請求の範囲2に記載の製剤。
【請求項5】
粘着剤が、(i)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン系樹脂の組み合わせ、(ii)シリコーン系樹脂、(iii)シリコーン系樹脂およびロジン系樹脂の組み合わせ、(iv)シリコーン系樹脂、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせ、(v)アクリル系共重合体、(vi)アクリル系共重合体およびシリコーン系樹脂の組み合わせ、または(vii)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせである請求の範囲4に記載の製剤。
【請求項6】
(i)粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびロジン系樹脂の組み合わせであり、(ii-1)両親媒性溶解助剤がN−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、トリアセチン、オレイルアルコール、オレイン酸、または乳酸セチルであるか、(ii-2)経皮透過促進剤がトリアセチン、クロタミトン、乳酸セチル、オレイン酸、またはオレイルアルコールであるか、または(ii-3)両親媒性溶解助剤と経皮透過促進剤の組み合わせがオレイン酸とクロタミトン、オレイルアルコールとクロタミトン、乳酸セチルとクロタミトン、またはトリアセチンとクロタミトンである請求の範囲2に記載の製剤。
【請求項7】
(i)粘着剤がシリコーン系樹脂であり、(ii-1)両親媒性溶解助剤がN−メチル−2−ピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、トリアセチン、オレイルアルコール、オレイン酸、または乳酸セチルであるか、(ii-2)経皮透過促進剤がトリアセチン、クロタミトン、乳酸セチル、オレイン酸、またはオレイルアルコールであるか、または(ii-3)両親媒性溶解助剤と経皮透過促進剤の組み合わせがオレイン酸とクロタミトン、またはオレイルアルコールとクロタミトンである請求の範囲2に記載の製剤。
【請求項8】
(i)粘着剤がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせであり、(ii)両親媒性溶解助剤がN−メチル−2−ピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、トリアセチン、オレイルアルコール、オレイン酸、流動パラフィン、および乳酸セチルから選ばれる1種以上であり、経皮透過促進剤がトリアセチン、クロタミトン、乳酸セチル、オレイン酸、およびオレイルアルコールから選ばれる1種以上であり、皮膚刺激緩和剤がクロタミトンである請求の範囲2に記載の製剤。
【請求項9】
有効成分1質量部に対して、粘着剤が約25質量部〜約350質量部であり、(i)両親媒性溶解助剤および/または経皮透過促進剤が約2質量部〜約400質量部であるか、(ii)両親媒性溶解助剤および/または経皮透過促進剤が約2質量部〜約200質量部および皮膚刺激緩和剤が約0.1質量部〜約10質量部である請求の範囲2に記載の製剤。
【請求項10】
両親媒性溶解助剤が(i)流動パラフィン、および(ii)N−メチル−2−ピロリドンおよび/またはプロピレングリコールであり、経皮透過促進剤がオレイン酸である請求の範囲3に記載の製剤。
【請求項11】
有効成分1質量部に対して、粘着剤が約25質量部〜約350質量部であり、両親媒性溶解助剤が約2質量部〜約400質量部であり、経皮透過促進剤が約2質量部〜約200質量部である請求の範囲3に記載の製剤。
【請求項12】
さらに、有効成分1質量部に対して、約0.01質量部〜約10質量部のジブチルヒドロキシトルエンまたはDL−α−トコフェロールを含有してなる請求の範囲2乃至11のいずれかに記載の製剤。
【請求項13】
溶解型、または溶解型と非溶解型の混合型の4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドを有効成分として含有する請求の範囲1に記載の製剤。
【請求項14】
4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドの血中濃度を投与後から約0.5日間〜約2日間、約10pg/mL〜約10ng/mLの範囲で維持することを特徴とする請求の範囲1乃至13のいずれかに記載の製剤。
【請求項15】
貼付剤である請求の範囲1に記載の製剤。
【請求項16】
厚さが約10μm〜約2000μmの粘着膏体を有する請求の範囲15に記載の製剤。
【請求項17】
プラスター剤またはパップ剤である請求の範囲15に記載の製剤。
【請求項18】
過活動膀胱に伴う頻尿・尿失禁、喘息、慢性閉塞性肺疾患および過敏性腸症候群から選ばれる疾患の予防および/または治療剤である請求の範囲1に記載の製剤。
【請求項19】
4−(2−メチル−1−イミダゾリル)−2,2−ジフェニルブチルアミドを有効成分とし、(i)有効成分1質量部に対して約25質量部〜約160質量部の、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、ロジン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂の組み合わせからなる粘着剤、(ii)有効成分1質量部に対して約20質量部〜約80質量部の流動パラフィン、(iii)有効成分1質量部に対して約2質量部〜約100質量部のN−メチル−2−ピロリドンおよび/またはプロピレングリコール、および(iv)有効成分1質量部に対して約2質量部〜約50質量部のオレイン酸を含有し、(v)有効成分の血中濃度を投与後から約0.5日間〜約2日間、約10pg/mL〜約3ng/mLの範囲で維持することを特徴とする、下記(1)〜(3)の少なくとも一つの条件を満たしている貼付剤:
(1)1製剤中または1回投与剤中の有効成分含有量が約0.1mg〜約2mgである、
(2)大きさが約1cm〜約40cmである、
(3)粘着膏体の厚さが約20μm〜約200μmである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−126739(P2012−126739A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−70208(P2012−70208)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【分割の表示】特願2007−501615(P2007−501615)の分割
【原出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】