説明

経皮吸収製剤

【課題】従来の経皮吸収製剤に比較して皮膚刺激性が小さく、皮膚への濡れ性、なじみが良好で、皮膚に対して十分な粘着力を持ち、十分な量の生理活性物質を含有させることが出来、かつ生理活性物質の放出性の良い経皮吸収製剤を提供することにある。
【解決手段】支持体上に粘着剤組成物層が形成された皮膚貼付剤において、該粘着剤組成物層が少なくとも2種類以上の高分子材料を混合してなり、かつその少なくともひとつがシロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料であって、該粘着剤組成物層の少なくとも1層が生理活性物質を含有することを特徴とする経皮吸収製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚粘着特性および皮膚固定性に優れた経皮吸収製剤に関するものである。さらに詳しくは、生理活性物質の種類によらず、粘着特性および固定性に優れた経皮吸収製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、皮膚疾患部のみでなく全身作用を目的とした経皮吸収製剤は、ドラッグデリバリーシステムの概念に基づいて著しい発展がみられ、特に徐放性製剤としての有用性が認められてきている。従来、この種の経皮吸収製剤としては、生理活性物質不透過性の支持体上に生理活性物質と通常この生理活性物質の放出を促進する放出補助物質とを含む粘着性を有するポリマー層を設けたものなどが知られており、身体面に貼り付けることによって身体の疾患部または循環系へ生理活性物質を投与させるものである。
【0003】
この経皮吸収製剤の粘着基剤としては、安全性が高く、粘着特性のバランスも良く、生理活性物質の放出性の良いものが求められている。特に全身作用を目的とした経皮吸収製剤では、生理活性物質保持担体からの生理活性物質放出が重要な因子となることが知られている。経皮吸収製剤の粘着層としてアクリル系粘着剤を用い経皮吸収促進剤を加えたり、骨格を変成することが行われているが(特許文献1)、粘着性が低下したり皮膚刺激性が強くなったりといった安全性に問題点がある。経皮吸収製剤の基剤としては、シリコーンエラストマーは特に安全性が高く、体内埋込用製剤及び経皮吸収製剤の基剤として有効であることが知られている。 しかしながら、付加反応硬化型のシリコーン粘着剤においては、生理活性物質や添加剤によって硬化が阻害される問題が知られている(例えば、特許文献2、3)。
【特許文献1】特開2004−97730
【特許文献2】特許第3085150
【特許文献3】特許第3461404
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、皮膚への濡れ性、なじみが良好で、多量の生理活性物質を含有することができる経皮吸収製剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題に鑑み鋭意検討の結果、以下のような特徴を有する本発明を完成した。すなわち、支持体上に粘着剤組成物層が形成された皮膚貼付剤において、該粘着剤組成物層が少なくとも2種類以上の高分子材料を混合してなり、かつその少なくともひとつがシロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料であって、該粘着剤組成物層の少なくとも1層が生理活性物質を含有することを特徴とする経皮吸収製剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明の経皮吸収製剤によればこれまでの経皮吸収製剤に比較して皮膚刺激性が小さく、皮膚への濡れ性、なじみが良好で、十分な粘着力を持ち、長時間の皮膚への固定が良好で、十分な量の生理活性物質を含有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明について詳細に説明する。
【0008】
本発明は支持体上に少なくとも一層の粘着剤層が設けられてなる。
【0009】
本発明の経皮吸収製剤に用いる支持体は、硬化前の粘着剤組成物を保持し得るものであれば特に限定はないが、粘着剤組成物中に含有される生理活性物質などが支持体中を通って背面から失われて含有量の低下を起こさないものが好ましい。具体的には、ポリエーテルウレタン等のウレタン系ポリマー、ポリエーテルアミド等のアミド系ポリマー、ポリアクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系ポリマー、ポリエーテルポリエステル等のエステル系ポリマー等が例示される。支持体は、単層であっても複数の層からなる積層体でもよく、積層体の場合には、各層が同一材料からなるものでも、異なる種類の材料からなるものでもよい。皮膚貼付中に蒸れ等が生じないように、支持体の材料を、不織布、織布等の布、水蒸気透過性のポリマーシートから選択することが好ましい。さらには同じ理由で基材に適宜穿孔を設けてもよい。基材の厚みは特に限定されず、目的や用途に応じて適宜選択することができ、10〜5000μmが例示される。
【0010】
本発明に用いられる粘着剤組成物層が少なくとも2種類以上の高分子材料を混合してなることは、シロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料において、添加剤や生理活性物質による硬化阻害を回避する点から好ましい。また、粘着剤組成物層が少なくとも2種類以上の高分子材料を混合してなることは、生理活性物質の溶解性の向上や、皮膚に対する生理活性物質の放出性の向上に寄与する場合がある。
【0011】
本発明に用いられる高分子材料のうち少なくともひとつが、シロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料であることは、皮膚へのぬれ性および皮膚へのなじみの点から好ましい。
【0012】
本発明において、上記支持体の片面に積層され、シロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料と混合され用いられる高分子材料としては、
a)天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2‐ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、二トリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)等の合成ゴム
b)ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン等のポリオルガノシロキサン系ポリマー
c)ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ2−エチルヘキシルアクリレート等のポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ2−エチルへキシルメタクリレート等のポリメタアクリル酸エステル、アクリル酸・アクリル酸ブチル共重合体等の(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのポリアクリレート系ポリマー
d)ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等のビニル系ポリマー
e)ナイロン12、ナイロン−6,6等のポリアミド系ポリマー
f)ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリマー
g)アクリル酸デンプン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、ザンタンガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアノガラクタン、ヒアルロン酸ナトリウム等の親水性高分子
等が挙げられる。
【0013】
本発明における経皮吸収製剤の粘着剤組成物層は、これらの高分子材料のうち少なくとも1種類以上をシロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料と混合することにより形成することが好ましいが、これ以外の高分子材料を否定するものではない。また、粘着剤組成物層が複数積層されてもよい。
【0014】
本発明に用いられる、シロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料は(A)1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリエーテル系重合体、(B)1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒からなる混合物を硬化してなる。
【0015】
重合体(A)は、1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリエーテル系重合体である。アルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素二重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。アルケニル基としては、炭素数が好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜6個の脂肪族不飽和炭化水素基(例:ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等)、炭素数が好ましくは3〜20個、より好ましくは3〜6個の環式不飽和炭化水素基(例:シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等)、メタクリル基等が挙げられる。
【0016】
合成反応上、容易に行える点から、好ましいアルケニル基には、以下の(1)、(2)
が挙げられる。下記式において、Rは水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、好ましくは水素原子またはメチル基である。
(1)HC=C(R)−
(2)HC(R)=CH−
重合体(A)は、1分子中に平均して少なくとも1個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個のアルケニル基を有する。重合体(A)1分子中のアルケニル基の数が平均して1個未満では硬化性が不十分になり、また1分子中に含まれるアルケニル基の数が多すぎると網目構造が密になるため、粘着特性が低下する傾向にある。
【0017】
重合体(A)の基本骨格たるポリエーテル系重合体の典型例としては、一般式(−R−O−)で表される繰り返し単位からなるポリオキシアルキレン系重合体が挙げられる。ここで、−R−は、2価のアルキレン基である。粘着特性、皮膚刺激性、皮膚への濡れ性から、好ましい重合体(A)の主鎖はポリオキシプロピレンである(すなわち、上記−R−が−CHCH(CH)−である)。また、入手上、作業性の点からも好ましい。上記ポリエーテル系重合体は、1種類の繰り返し単位からなるものであっても、複数の繰り返し単位からなるものであってもよい。上記ポリエーテル系重合体は、直鎖状の重合体であってもよいし、分岐を有する重合体であってもよい。
【0018】
重合体(A)のアルケニル基以外の部分はすべてポリエーテル骨格からなることが好ましいが、それ以外の構造単位を含んでいてもよい。その場合、重合体(A)に占めるポリエーテル骨格の総和は好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上である。
【0019】
室温での作業性がよく、良好な粘着特性が得られる点から、重合体(A)の分子量は、数平均で3000〜50000が好ましく、4000〜50000がより好ましく、5000〜30000が特に好ましい。数平均分子量が3000未満のものでは、得られる硬化物が脆くなる傾向があり、逆に数平均分子量が50000を超えると、高粘度になって作業性が低下する傾向にある。上記分子量は、GPCで測定されるポリスチレン換算数平均分子量である。アルケニル基のポリエーテル系重合体への結合様式は特に限定はなく、アルケニル基の直接結合、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ウレア結合等が例示される。
【0020】
重合体(A)の製造方法は特に限定なく、例えば、ポリエーテル系重合体を得た後にアルケニル基を導入する方法が例示される。この場合、ポリエーテル系重合体は種々の公知の製造法を適用することができ、さらに市販のポリエーテル系重合体を用いてもよい。また、ポリエーテル系重合体にアルケニル基を導入する方法もまた公知であり、例えば、アルケニル基を有するモノマー(例:アリルグリシジルエーテル)とポリエーテル系重合体を合成するためのモノマーとを共重合させる方法や、官能基(例:水酸基、アルコキシド基)を所望の部分(主鎖の末端等)に予め導入しておいたポリエーテル系重合体に、当該官能基に対して反応性を有する官能基とアルケニル基とを両方有する化合物(例:アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリル酸クロライド等)を反応させる方法等が挙げられる。
【0021】
化合物(B)は、分子中に1〜10個のヒドロシリル基を有する化合物である。ヒドロシリル基とはSi−H結合を有する基を意味する。本発明においては、同一ケイ素原子(Si)に水素原子(H)が2個結合している場合は、ヒドロシリル基2個と計算する。化合物(B)の、ヒドロシリル基以外の化学構造は特に限定はない。滴定によって得られるSiH基価から算出される化合物(B)の数平均分子量は、好ましくは400〜3000であり、より好ましくは500〜1000である。数平均分子量が低すぎると加熱硬化時に揮発し易く、十分な硬化物が得られ難い傾向にあり、高すぎると硬化速度が遅くなる傾向にあるためである。
【0022】
化合物(B)1分子に含まれるヒドロシリル基の個数は、1〜10個であり、好ましくは2〜8個である。ヒドロシリル基が2個以上であれば、硬化の際に複数の重合体(A)分子を架橋することができ、皮膚用粘着剤として好ましい凝集力を発現し、皮膚へ貼付して剥離した時に糊残り等が起こり難くなる。但し、ヒドロシリル基の数によっては、架橋が密になりすぎて、皮膚用粘着剤として皮膚粘着力、タック感等の粘着物性が低下する原因となりやすい。なお、架橋の粗密は、重合体(A)の主鎖たるポリエーテル部同士間の粗密に影響し、さらには粘着剤全体の透湿性にも影響を及ぼす。よって、粘着特性とのバランスを考慮して化合物(B)のヒドロシリル基の数を選択すべきである。また化合物(B)は単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。化合物(B)は、重合体(A)と良好に相溶するものが好ましい。原材料の入手のし易さや、重合体(A)への相溶性の面から、好適な化合物(B)として、有機基で変性されたオルガノハイドロジェンシロキサンが例示される。オルガノハイドロジェンシロキサンの典型例は、下記(3)で表される化合物である。
【0023】
【化1】

上記(3)のaの値が分子中のヒドロシリル基の数の数と一致する。a+bの値は特に限定はないが好ましくは2〜50である。Rは主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基である。上記(3)の化合物は、未変性のメチルハイドロジェンシリコーンを変性してRを導入することにより得ることができる。未変性のメチルハイドロジェンシリコーンとは、上記(3)においてRが全てHである化合物に相当し、株式会社シーエムシー発行(1990.1.31)の「シリコーンの市場展望−メーカー戦略と応用展開−」にも記載されているように、各種変性シリコーンの原料として用いられている。Rの導入のための有機化合物としては、α−オレフィン、スチレン、α−メチルスチレン、アリルアルキルエーテル、アリルアルキルエステル、アリルフェニルエーテル、アリルフェニルエステル等が挙げられる。変性のために加える上述の有機化合物の量によって、変性後の分子中のヒドロシリル基の数を調節することができる。
【0024】
粘着剤層を形成するための粘着剤組成物における重合体(A)と化合物(B)の量の比は、重合体(A)に由来するアルケニル基の総量に対する、化合物(B)に由来するヒドロシリル基の総量によって表現される。粘着剤組成物中のアルケニル基の総量1モルあたりのヒドロシリル基の総量の大小によって、硬化後の架橋密度の高低がきまる。適度な粘着性付与と糊残りの減少等とのバランスを考慮すると、アルケニル基の総量1モルあたりのヒドロシリル基の総量は、好ましくは0.1〜5.0モルであり、より好ましくは0.4〜4.0モルである。
【0025】
触媒(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては特に限定されず、ヒドロシリル化反応を促進するものであれば任意のものを使用できる。具体的には、塩化白金酸、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン錯体や白金−1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体)、白金−オレフィン錯体(例えば、
Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt[(MeViSiO)(但し、x、y、zは正の整数を示す))等が例示される。これらのうちでも、触媒の活性の点からは、強酸の共役塩基を配位子として含まない白金錯体触媒が好ましく、白金−ビニルシロキサン錯体がより好ましく、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン錯体または白金−1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体が特に好ましい。
【0026】
触媒(C)の量は特に制限はないが、重合体(A)のアルケニル基の総量1モルに対して、好ましくは5×10−8〜5×10−3モルであり、より好ましくは5×10−6〜5×10−3モルである。上記範囲内であれば、適切な硬化速度、安定な硬化性、必要なポットライフの確保等が達成し易くなる。
【0027】
本発明の経皮吸収製剤における粘着剤組成物層は、上述した粘着剤組成物を硬化してなるものである。ここで、硬化とは、上記高分子材料を混合した粘着剤組成物を加熱することで、加熱により重合体(A)と化合物(B)とでヒドロシリル化反応を行わせることをいう。硬化条件としては、40〜180℃で1〜60分間放置することが例示される。硬化をより完全にしたい場合には、さらに40〜80℃にて数日間放置しておいてもよい。
硬化の際の粘度は、好ましくは10〜1000Pa・sである。この粘度は(A)〜(C)成分の量の比や上述した化合物(B)のための貯蔵安定剤の種類・量によって制御し得る。
【0028】
本発明の経皮吸収製剤の粘着剤組成物層におけるシロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料の含有量は50重量%〜98重量%であることが好ましい。50重量%以下であると、皮膚への刺激性や皮膚への接着性の点から不十分であり、98重量%以上になると、粘着剤組成物の硬化が不十分となるため好ましくない。
【0029】
本発明において、高分子材料を混合する方法としては、特に規定されるものではないが、これら複数の高分子材料は互いに均一に分散していることが、生理活性物質の放出性の向上に寄与する場合がある。
【0030】
本発明においては、粘着剤組成物中に成分(D)として、有機液状成分を含有させることができる。液状成分(D)の添加は、皮膚貼付用粘着テープや経皮吸収製剤を皮膚面から剥離する際の痛みや皮膚刺激性の低減や、粘着剤が可塑化されることによる生理活性物質の拡散性向上、皮膚面への生理活性物質の放出性向上等に寄与する場合がある。
【0031】
本発明に用いる液状成分(D)としては、特に限定するものではないが、各成分と相溶性を有し、粘着剤層中に均一に溶解分散できるものが好ましい。
【0032】
このような液状成分(D)としては、
a)エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、トリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール
b)オリーブ油、つばき油、大豆油、ひまし油、ラノリンなどの油脂類
c)オレイン酸などの脂肪酸
d)ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセキスオレエート、などの液状界面活性剤
e)カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ブチル、ラウリン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソトリデシル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、セバシン酸ジエチル、カプリル酸グリセリド、ペラルゴン酸グリセリド、カプリン酸グリセリド、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのその他の脂肪酸エステル
f)流動パラフィン、スクワラン、スクワレンなどの炭化水素
g)エタノール、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、イソソルビトール、ジメチルデシルスルホキシド、メチルオクチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ドデシルピロリドンなどの有機溶剤
等が挙げられる。これら有機液状成分は必要に応じて1種類以上を混合して用いることができる。
【0033】
上記有機液状成分のうち、好ましい液状成分として、生理活性物質の拡散性に優れることから脂肪酸エステルが挙げられる。
【0034】
これら液状成分(D)の含有量は、重合体(A)の重量1に対して、0.001〜2.0、好ましくは0.001〜1.5である。液状成分(D)の含有量がこの重量比を外れた場合には、実用的な皮膚接着性や低皮膚刺激性を得ることができず、また、生理活性物質の放出性の点でも十分ではない。
【0035】
粘着剤層の形成のための粘着剤組成物には、上記(A)〜(D)の以外の成分を含んでいてもよい。それらの成分としては、粘着付与剤、接着付与剤、化合物(B)のための貯蔵安定剤さらにその他の成分が挙げられる。
【0036】
粘着付与剤としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレンフェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、フェノール−変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、テルペン樹脂などが挙げられる。粘着特性を良好にするためにこれらを用いる場合には、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これら粘着付与剤、接着付与剤を用いる場合の使用量は、重合体(A)と化合物(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは15〜50重量部である。使用量が多すぎると、粘着剤層の透湿性が低下するので好ましくない。
【0037】
化合物(B)のための貯蔵安定剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、錫系化合物、有機過酸化物などが例示される。貯蔵安定剤は、化合物(B)におけるヒドロシリル基(Si−H基)のSi−OH基への転化(長時間の放置や湿分の混入に起因する)を抑制し、塗工のポットライフを向上させることができる。貯蔵安定剤の配合量は、化合物(B)に起因して粘着剤組成物に含まれるヒドロシリル基の総量1モルに対して、好ましくは10−6〜10−1モルである。
【0038】
粘着剤層を形成するための粘着剤組成物には、粘着剤層の耐水性、耐汗性、吸水性などの向上のための水溶性有機ポリマーや吸水性ポリマーを添加してもよいし、さらにその他可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤などを配合してもよい。このとき有機溶剤は使用しないことが好ましいが、その使用を否定するものではない。
【0039】
本発明における生理活性物質は特に制限はなく使用可能である。具体的な生理活性物質としては、
1.β−アドレナリン性作動薬、例えば、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、カルブテロール、クレンブテロール、クロルプレナリン、デノパミン、ジオキセテドリン、ドペキサミン、エフェドリン、エピネフリン、エタフェドリン、エチルノルエピネフリン、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イボパミン、イソエタリン、イソプロテレナール、マブテロール、メタプロテレノール、メトキシフェナミン、オキシフェドリン、ピルブテロール、プレナルテロール、プロカテロール、プロトキロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、ソテレノール、テルブテロール及びキサモテロール
2.β−アドレナリン性遮断薬、例えば、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ベフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、塩酸ブチドリン、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、クロラノロール、ジレバロール、エパノロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラナロール、メトプロロール、モプロロール、ナドキソロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オキシプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、スルフィナロール、タリノロール、テルタトロール、チモロール、トリプロロール及びキシベノロール
3.鎮痛剤、例えば、クロロブタノール;麻薬性鎮痛剤、例えば、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベンジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、臭化メチルコデイン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、エノール酢酸ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペンチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、塩酸メタドン、メトポン、モルフィネ、モルフィネ誘導体、ミロフィネ、ナルブフィネ、ナルセイン、ニコモルフィネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィネ、ノルピパノン、阿片、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェオペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル及びチリジン並びに非麻薬性鎮痛剤、例えば、アセトアミノフェン、アセチルサリチルサリチル酸及びアルクロフェナック
4.抗狭心症薬、例えば、アセブトロール、アルプレノロール、アミノダロン、アムロジピン、アロチノロール、アテノロール、ベプリジル、ベバントロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、カロゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、マレイン酸シネパゼット、ジルチアゼム、エパノロール、フェロジピン、ガロパミル、イモールアミン、インデノロール、二硝酸イソソルビド、イスラジピン、リマプロスト、メピンドロール、メトプロロール、モルシドミン、ナドロール、ニカルジピン、ニフェジピン、ニフェナロール、ニルバジピン、ニプラジロール、ニソルジピン、ニトログリセリン、オキシプレノロール、オキシフェドリン、オザグレル、ペンブトロール、四硝酸ペンタエリスリトール、ピンドロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、テロジリン、チモロール、トリプロロール及びベラパミル
5.抗不整脈薬、例えば、アセブトール、アセカイン、アデノシン、アジマリン、アルプレノロール、アミオダロン、アモプロキサン、アプリンジン、アロチノロール、アテノロール、ベバントロール、トシル酸ブレチリウム、ブブモロール、ブフェトロール、ブナフチン、ブニトロロール、ブプラノロール、塩酸ブチドリン、ブトベンジン、カポベン酸、カラゾロール、カルテオロール、シフェンリン、クロラノロール、ジソピラミド、エンカイニド、エスモロール、フレカイニド、ガロパミル、ヒドロキニジン、インデカイニド、インデノロール、臭化イプラトロピウム、リドカイン、ロラジミン、ロルカイニド、メオベンチン、メチプラノロール、メキシレチン、モリシジン、ナドキソロール、ニフェナロール、オキシプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、ピルメノール、プラクトロール、プラジマリン、塩酸プロカインアミド、プロネタロール、プロパフェノン、プロプラノロール、ピリノリン、硫酸キニジン、キニジン、ソタロール、タリノロール、チモロール、トカイニド、ベラパミル、ビクイジル及びキシベノロール
6.抗うつ薬:二環系、例えば、ビネダリン、カロキサゾン、シタロプラム、ジメタザン、インダルピン、フェンカミン、塩酸インデロキサジン、ネフォパム、ノミフェンシン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、セルトラリン、チアゼシム、トラゾドン及びゾメタピン;ヒドラジド/ヒドラジン系、例えば、ベンモキシン、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアラミド、オクタモキシン及びフェネルジン;ピロリドン系、例えば、コチニン、ロリシプリン及びロリプラム;四環系、例えば、マプロチリン、メトラリンドール、ミアンセリン及びオキサプロチリン。三環系、例えば、アジナゾラム、アミトリプチリン、アミトリプチリノキシド、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメトラクリン、ドチエピン、ドキセピン、フルアシジン、イミプラミン、イミプラミンN−オキシド、イプリンドール、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オピプラモール、ピゾチリン、プロピゼピン、プロトリプチリン、キヌプラミン、チアネプチン及びトリミプラミン;及びその他、例えば、アドラフィニル、ベナクチジン、ブプロピオン、ブタセチン、デアノール、アセグルミン酸デアノール、アセトアミド安息香酸デアノール、ジオキサドロール、エトペリドン、フェバルマメート、フェモキセチン、フェンペンタジオール、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ハイパーシニン、レボファセトペラン、メジホキサミン、ミナプリン、モクロベミド、オキサフロザン、ピベラリン、プロリンタン、ピリスクシデアノール、塩化ルビジウム、スルピリド、スルトプリド、テニロキサジン、トザリノン、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、L−トリプトファン、リスペリドン、ビロキサジン及びジメルジン
7.抗エストロゲン剤、例えば、酢酸デルマジノン、エタモキシトリフェトール、タモキシフェン及びトレミフェン
8.抗ゴナドトロピン剤、例えば、ダナゾール、ゲストリノン及びパロキシプロピオン
9.抗高血圧剤:アリールエタノールアミン誘導体、例えば、アモスラロール、ブフラロール、ジレバロール、ラベタロール、プロネタロール、ソタロール及びスルフィナロール;アリールオキシプロパノールアミン誘導体、例えば、アセブトロール、アルプレノロール、アロチノロール、アテノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテゾロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、エパノロール、インデノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ニプラジロール、オキシプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、タリノロール、テトラオロール、チモロール及びトリプロロール;ベンゾチアジアジン誘導体、例えば、アルチアジド、ベンドロフルメチアジドベンズチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ブチアジド、クロロチアジド、クロルタリドン、シクロペンチアジド、シクロチアジド、ジアゾキシド、エピチアジド、エチアジド、フェンクイゾン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロチアジド、メチクラン、メトラゾン、パラフルチジド、ポリチアジド、テトラクロルメチアジド及びトリクロルメチアジド;N−カルボキシアルキル(ペプチド/ラクタム)誘導体、例えば、アラセプリル、カプトプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラット、ホシノプリル、リシノプリル、モベルチプリル、ペリンドプリル、キナプリル及びラミプリル;ジヒドロピリジン誘導体、例えば、アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニソルジピン及びニトレンジピン;グアニジン誘導体、例えば、ベタニジン、デブリソクイン、グアナベンズ、グアナクリン、グアナドレル、グアナゾジン、グアネチジン、グアンファシン、グアノクロル、グアノキサベンズ及びグアノキサン;ヒドラジン及びフタラジン系、例えば、ブドララジン、カドララジン、ジヒドララジン、エンドララジン、ヒドラカルバジン、ヒドララジン、フェニプラジン、ピルドララジン及びトドララジン;イミダゾール誘導体、例えば、クロニジン、ロフェキシジン、フェントルアミン、チアメニジン及びトロニジン;四級アンモニウム化合物、臭化アザメトニウム、塩化クロルイソンダミン、ヘキサメトニウム、ビス(硫酸メチル)ペンタシニウム、臭化ペンタメトニウム、酒石酸ペントリニウム、塩化フェナクトピニウム及びメト硫酸トリメチジウナム;キナゾリン誘導体、例えば、アルフゾシン、ブナゾシン、ドキサゾシン、プラソシン、テラゾシン及びトリマゾシン;レセルピン誘導体、ビエタセルピン、デセルピジン、レシンナミン、レセルピン及びシロシンゴピン;スルホンアミド誘導体、例えば、アンブシド、クロパミド、フロセミド、インダパミド、キネタゾン、トリパミド及びキシパミド;及びその他、例えば、アジマリン、γ−アミノ酪酸、ブフェニオード、クロルタリドン、シクレタイン、シクロシドミン、タンニン酸クリプテナミン、フェノルドパム、フロセクイナン、インドラミン、ケタンセリン、メトブタメート、メカミルアミン、メチルドーパ、メチル4−ピリジルケトンチオセミカルバルゾン、メトラゾン、ミノキシジル、ムゾリミン、パルジリン、ペンピジン、ピナシジル、ピペロキサン、プリマペロン、プロトベラトリネス、ラウバシン、レシメトール、リルメニデン、サララシン、ニトロプルシッドナトリウム、チクリナフェン、トリメタファン、カムシレート、チロシナーゼ及びウラピジル
10.抗炎症(非ステロイド系)剤:アミノアリールカルボン酸誘導体、例えば、エンフェナム酸、エトフェナメート、フルフェナム酸、イソニキシン、メクロフェナム酸、メファナム酸、ニフルム酸、タルニフルメート、テロフェナメート及びトルフェナム酸;アリール酢酸誘導体、例えば、アセメタシン、アルクロフェナック、アンフェナック、ブフェキサマック、シンメタシン、クロピラック、ジクロフェナックナトリウム、エトドラック、フェルビナック、フェンクロフェナック、フェンクロラック、フェンクロジン酸、フェンチアザック、グルカメタシン、イブフェナック、インドメタシン、イソフェゾラック、イソキセパック、ロナゾラック、メチアジン酸、オキサメタシン、プログルメタシン、スリンダック、チアラミド、トルメチン及びゾメピラック;アリール酪酸誘導体、例えば、ブマジゾン、ブチブフェン、フェンブフェン及びキセンブシン;アリールカルボン酸誘導体、例えば、クリダナック、ケトロラック及びチノリジン;アリールプロピオン酸誘導体、例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェノプロフェン、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、イブプロキサム、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピケトプロフェン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プロチジン酸、スプロフェン及びチアプロフェン酸;ピラゾール系、例えば、ジフェナミゾール及びエピリゾール;ピラゾロン系、例えば、アパゾン、ベンズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、モラゾン、オキシフェンブタゾン、フェニブタゾン、ピペブゾン、プロピフェナゾン、ラミフェナゾン、スキシブゾン及びチアゾリノブタゾン;サリチル酸誘導体、例えば、アセタミノサロール、アスピリン、ベノリレート、ブロモサリゲニン、アセチルサリチル酸カルシウム、ジフルニサル、エテルサレート、フェンドサル、ゲンチジン酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸イミダゾール、アセチルサリチル酸リシン、メサルアミン、サリチル酸モルホリン、サリチル酸1−ナフチル、オルサラジン、パルサルミド、アセチルサリチル酸フェニル、サリチル酸フェニル、サラセタミド、サリチルアミンo−酢酸、サリチル硫酸、サルサレート及びスルファサラジン;チアジンカルボキサミド系、例えば、ドロキシカム、イソキシカム、ピロキシカム及びテノキシカム;及びその他、例えば、ε−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメチオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、ベンダザック、ベンジダミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾン、グアヤズレン、ナブメトン、ニメスリド、オルゴテイン、オキサセプロール、パラニリン、ペリソキサール、ピホキシム、プロクアゾン、バルデコキシブ、ケトロラク、プロキサゾール及びテニダップ
11.抗腫瘍剤:2−アミノレブリン酸及びアルキル化剤:スルホン酸アルキル系、例えば、ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン;アジリジン系、例えば、ベンゾデパ、カルボクオン、メツレデパ及びウレデパ;エチレンイミン及びメチルメラミン系、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド及びトリメチロロメラミン;ナイトロジェンマスタード系、例えば、クロルアンブシル、クロルナファジン、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロルエタミン、塩酸メクロルエタミンオキシド、メルファラン、ノベンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド及びウラシルマスタード;ニトロソウレア系、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン及びラニムスチン;及びその他、例えば、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール及びピポブロマン;抗生物質、例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシンF1、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カルビシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトマイシン、マイコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、プリカマイシン、ポルフィロマイシン、プロマイシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン及びゾルビシン;抗代謝剤:葉酸類縁体、例えば、デノプテリン、メソトレキセート、プテロプテリン及びトリメトレキセート;プリン類縁体、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン及びチオグアナイン;及びピリミジン類縁体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン、フルロオウラシル及びテガフール;酵素、例えば、L−アスパラギナーゼ;及びその他、例えば、アセグラトン、アンサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、カルボプラチン、シスプラチン、デホファミド、デメコルシン、ジアジクオン、エルホルニチン、酢酸エリプチニウム、エトグルシド、エトポシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターロイキン−2、レンチナン、ロニダミン、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダモール、ニトラクリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ポドフィリン酸、2−エチチドラジド、プロカルバテニポシド、テヌアゾン酸、トリアジクオン、2,2′,2″−トリクロロトリエチルアミン、ウレタン、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビンデシン;抗腫瘍(ホルモン性)剤:アンドロゲン系、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン及びテストラクトン;抗副腎系、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン及びトリロスタン;抗アンドロゲン系、例えば、フルタミド及びニルタミド;及び抗エストロゲン系、例えば、タモキシフェン及びトレミフェン
12.抗パーキンソン剤、例えば、アマンタジン、ベンセラジド、ビエタナウチン、ビペリデン、ブロモクリプチン、ブジピン、カルビドーパ、デプレニル、デキセチミド、ジエタジン、ドロキシドーパ、エトプロパジン、エチルベンズヒドラミン、レボドーパ、ナキサゴリド、ペルゴリド、ピロヘプチン、プリジノール、プロジピン、テルグリド、チグロイジン及び塩酸トリヘキシフェニジル
13.抗前立腺肥大症剤、例えば、カプロン酸ゲストノロン、メパルトリシン
14.抗精神病薬:ブチロフェノン系、例えば、ベンペリドール、ブロムペリドール、ドロペリドール、フルアニゾン、ハロペリドール、メルペロン、モペロン、ピパンペロン、スニペロン、チミペロン及びトリフルペリドール;フェノチアジン系、例えば、アセトフェナジン、ブタペラジン、カルフェナジン、クロルプロエタジン、クロルプロマジン、クロスピラジン、シアメマジン、ジキシラジン、フルフェナジン、イミクロパジン、メパジン、メソリダジン、メトキシプロマジン、メトフェナゼート、オキサフルマジン、ペラジン、ペリシアジン、ペリメタジン、ペルフェナジン、ピペラセタジン、ピポチアジン、プロクロルペラジン、プロマジン、スルホリダジン、チオプロパゼート、チオリダジン、トリフルオペラジン及びトリフルプロマジン;チオキサンテン系、例えば、クロルプロチキセン、クロペンチキソール、フルペンチキソール及びチオチキセン;他の三環系、例えば、ベンズキナミド、カルピプラミン、クロカプラミン、クロマクラン、クロチアピン、クロザピン、オピプラモール、プロチペンジル、テトラベナジン及びゾテピン;及びその他、例えば、アリザプリド、アミスルプリド、ブラメート、フルスピリレン、モリンドン、ペンフルリドール、ピモジド、スピリレン及びスルピリド
15.鎮痙剤、例えば、アリベンドール、アンブセタミド、アミノプロマジン、アポアトロピン、硫酸メチルベボニウム、ビエタミベリン、ブタベリン、臭化ブトロピウム、臭化N−ブチルスコポルアンモニウム、カロベリン、臭化シメトロピウム、シンナメドリン、クレボプリド、臭酸コニイン、塩酸コニイン、ヨウ化シクロニウム、ジフェメリン、ジイソプロミン、酪酸ジオキサフェチル、臭化ジポニウム、ドロフェニン、臭化エメプロニウム、エタベリン、フェクレミン、フェナラミド、フェノベリン、フェンピプラン、臭化フェンピベリニウム、臭化フェントニウム、フラボキセート、フロプロピオン、グルコン酸、グアイアクタミン、ヒドラミトラジン、ヒメクロモン、レイオピロール、メベベリン、モキサベリン、ナフィベリン、オクタミラミン、オクタベリン、ペンタピペリド、塩酸フェナマシド、フロログルシノール、臭化ピナベリウム、ピペリレート、塩酸ピポキソラン、プラミベリン、臭化プリフィニウム、プロペリジン、プロピバン、プロピロマジン、プロザピン、ラセフェミン、ロシベリン、スパスモリトール、ヨウ化スチロニウム、スルトロポニウム、ヨウ化チエモニウム、臭化チキジウム、チロプラミド、トレピブトン、トリクロミル、トリホリウム、トリメブチン、N,N−1−トリメチル−3,3−ジフェニルプロピルアミン、トロペンジル、塩化トロスピウム及び臭化キセニトロピウム
16.抗不安薬:アリールピペラジン系、例えば、ブスピロン、ゲピロン及びイプサピロン;ベンゾジアゼピン誘導体、例えば、アルプラゾラム、ブロマゼパム、カマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロラゼペート、コチアゼパム、クロキサゾラム、ジアゼパム、エチルロフラゼペート、エチゾラム、フルイダゼパム、フルタゾラム、フルトプラゼパム、ハラゼパム、ケタゾラム、ロラゼパム、ロキサピン、メダゼパム、メタクラゼパム、メキサゾラム、ノルダゼパム、オキサゼパム、オキサゾラム、ピナゼパム、プラゼパム及びトフィソパム;カルバメート系、例えば、シクラルバメート、エミルカメート、ヒドロキシフェナメート、メプロバメート、フェンプロバメート及びチバメート;及びその他、例えば、アルピデン、ベンゾクタミン、カプトジアミン、クロルメザノン、エチホキシン、フルオレゾン、グルタミン酸、ヒドロキシジン、メクロラルウレア、メフェノキサロン、オキサナミド、フェナグリコドール、スリクロン
17.カルシウム調節剤、例えば、カルシフェジオール、カルシトニン、カルシトリオール、クロドロン酸、ジヒドロタキステロール、エルカトニン、エチドロン酸、イプリフラボン、パミドロン酸、パラチロイドホルモン及び酢酸テリパラチド
18.強心剤、例えば、アセフィリン、アセチルジギチトキシン、2−アミノ−4−ピコリン、アンリノン、ベンフロジルセミコハク酸塩、ブクラスデシン、セルベロシド、カンホタミド、コンバラトキシン、シマリン、デノパミン、デスラノシド、ジタリン、ジギタリス、ジギトキシン、ジゴキシン、ドブタミン、ドーパミン、ドペキアミン、エノキシモン、エリスロフレイン、フェナルコミン、ギタリン、ギトキシン、グリコシアミン、ヘプタミノール、ヒドラスチニン、イボパミン、ラノトジセス、メタミバム、ミルリノン、ネリイホリン、オレアンドリン、ウーアバイン、オキシフェドリン、プレナルテロール、プロシラリジン、レシブホゲニン、シラレン、シラレニン、ストロファンチン、スルマゾール、テオブロミン及びキサモテロール
19.キレート化剤、例えば、デフェロジミン、ジチオカルブナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、ペニシルアミン、ペンテン酸カルシウム三ナトリウム、ペンテクチン酸、スクシメール及びトリエンチン
20.ドーパミンレセプター作動薬、例えば、ブロモクリプチン、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、リスリド、ナキサゴリド及びペルゴリド
21.酵素誘導物質(肝)、例えば、フルメシノール
22.エストロゲン:非ステロイド系エストロゲン、例えば、ベンゼストロール、ブロパロエストロール、クロロトリアニセン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ジプロピオン酸ジエチルスチルベストロール、ジメストロール、ホスフェストロール、ヘキセストロール、メタレンストリル及びメテストロール;及びステロイド系エストロゲン、例えば、コルポルモン、接合エストロゲンホルモン、エクイレニン、エクイリン、エストラジオール、安息香酸エストラジオール、17β−シピオン酸エストラジオール、エストリオール、エストロン、エチニルエストラジオール、メストラノール、メキセストロール、ミタトリエンジオール、酪酸クロベタゾン、キネストラジオール及びキネストロール
23.グルココルチコイド、例えば、21−アセトキシプレフネノロン、アアルクロメタゾン、アルゲストン、アミシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタソール、ブロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコルト、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、エノキソロン、フルアザコルト、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、ホルモコルタル、ハルシノニド、ハロメタゾン、酢酸ハロプレドン、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾン、21−コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、テブト酸ヒドロコルチゾン、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチオルプレドニゾロン、フラン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、21−ジエチルアミノ酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾンナトリウム、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、21−m−スルホ安息香酸プレドニゾロンナトリウム、21−ステアロイルグルコール酸プレドニゾロン、テブト酸プレドニゾロン、21−トリメチル酢酸プレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、21−ジエチルアミノ酢酸プレドニリデン、チキソコルタール、トリアンシノロン、トリアンシノロンアセトニド、トリアンシノロンベネトニド及びトリアンシノロンヘキサセトニド
24.ミネラルコルチコイド、例えば、アルドステロン、デオキシコルチコステロン、酢酸デオキシコルチコステロン及びフルドロコルチゾン
25.モノアミンオキシダーゼ阻害剤、例えば、デプレニル、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、モクロベミド、オクトモキシン、パルギリン、フェネルジン、フェノキシプロパジン、ピバリルベンズヒドラジン、プロジピン、トロキサトン及びトラニルシプロミン
26.筋弛緩剤(骨格)、例えば、アフロクアロン、アルクロニウム、ベシル酸アトラクリウム、バクロフェン、ベンゾクタミン、塩化ベンゾキノニウム、C−カレバッシン、カリソプロドール、クロルメザノン、カルバミン酸クロルフェネシン、クロルプロエタジン、クロゾキサゾン、クラレ、シクラルバメート、シクロベンザプリン、ダントロレン、臭化デカメトニウム、ジアゼパム、エペリゾン、臭化ファザジニウム、フルメトラミド、トリエトヨウ化ガラミン、臭化ヘキサカルバコリン、臭化ヘキサフルオレニウム、イドロシラミド、硫酸メチルラウエキシウム、レプトダクチリン、メマンチン、メフェネシン、メフェノキサロン、メタキサロン、メトカルバモール、ヨウ化メトクリン、ニメタゼパム、オルフェナドリン、臭化パンクロニウム、フェンプロバメート、フェニラミドール、臭化ピペクリウム、プロモキソラン、硫酸キニン、スチラメート、臭化スクシニルコリン、塩化スクシニルコリン、ヨウ化スクシニルコリン、臭化スキセトニウム、テトラゼパム、チオコルキコシド、チザニジン、トルペリゾン、塩化ツボクラリン、臭化ベクロニウム、メシル酸プリジノール及びゾキソラミン
27.麻薬拮抗薬、例えば、アミフェナゾール、シクラゾシン、レバロルファン、ナジド、ナルムフェン、ナロルフィン、ジニコチン酸ナロルフィン、ナロキソン及びナルトレキソン
28.プロゲストーゲン、例えば、アリルエストレノール、アナゲストン、酢酸クロルマジノン、酢酸デルマジノン、デメゲストン、デソゲストレル、ジメチステロン、ジドロゲステロン、エチステロン、エチノジオール、酢酸フルロゲストン、ゲストデン、カプロン酸ゲストノロン、ハロプロゲステロン、17−ヒドロキシ−16−メチレンプロゲステロン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、カプロン酸17α−ヒドロキシゲステロン、リネストレノール、メドロゲストン、メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メレンゲストロール、ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、ノルゲステロン、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、ノルゲストリエノン、ノルビニステロン、ペンタゲストロン、プロゲステロン、プロメゲストン、キンゲストロン及びトレンゲストン及びそのエステル
29.血管拡張剤(冠動脈)、例えば、アモトリフェン、ベンダゾール、ヘミスクシン酸ベンフロジル、ベンジオダロン、クロアシジン、クロモナール、クロベンフロール、クロニトレート、ジラゼップ、ジピリダモル、ドロプレニラミン、エフロキセート、エリトリトール、四硝酸エリトリチル、エタフェノン、フェンジリン、フロレジル、ガングレフェン、ヘキセストロールビス(β−ジエチルアミノエチルエーテル)、ヘキソベンジン、トシル酸イトラミン、ケリン、リドフラジン、六硝酸マンニトール、メジバジン、ニコランジル、ニトログリセリン、四硝酸ペンタエリトリトール、ペントリニトロール、ペルヘキシリン、ピメフィリン、プレニラミン、硝酸プロパチル、ピリドフィリン、トラピジル、トリクロミル、トリメタジジン、リン酸トロルニトレート及びビスナジン及び末梢血管拡張剤、例えば、ニコチン酸アルミニウム、バメタン、ベンシクラン、ベタヒスチン、ブラジキニン、ブロビンカミン、ブホニオード、ブフロメジル、ブタラミン、セチエジル、シクロニケート、シネパジド、シンナリジン、シクランデレート、ジクロル酢酸ジイソプロピルアミン、エレドイシン、フェノキシジル、フルナリシン、ヘロニケート、イフェンプロジル、ナイアシン酸イノシトール、イソキシスプリン、カリジン、カリクレイン、モキシシリテ、ナフロニル、ニカメテート、ニセルゴリン、ニコフラノース、ニコチニルアルコール、ニリドリン、ペンチフィリン、ペントキシフィリン、ピリベジル、プロタグランジンE1、スロクチジル及びナイアシン酸キサンチナール
30.ベンゾジアゼピン拮抗薬、例えば、フルマゼニル
31.気管支拡張剤:エフェドリン誘導体、例えば、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、カルブテロール、クレンブテロール、クロルプレナリン、ジオキセテドリン、エフェドリン、エピニフリン、エプロジノール、エタフェドリン、エチルノルエピネフリン、フェノテロール、ヘキソプレナリン、イソエタリン、イソプロテレノール、マブテロール、メタプロテレノール、N−メチルエフェドリン、ピルブテロール、プロカテロール、プロトキロール、レプロテロール、リミテロール、ソテレノール、テルブタリン及びツロブテロール;四級アンモニウム化合物、例えば、硫酸メチルベボニウム、臭化クルトロピウム、臭化イプラトロピウム及び臭化オキシトロピウム;キサンチン誘導体、例えば、アセフィリン、アセフィリンピペラジン、アンブフィリン、アミノフィリン、バミフィリン、コリンテオフィリネート、ドキソフィリン、ダイフィリン、エンプロフィリン、エタミフィリン、エトフィリン、グアイチリン、プロキシフィリン、テオブロミン、1−テオブロミン酢酸及びテオフィリン;及びその他、例えば、フェンスピリド、メジバジン、メトキシフェナミン及びトレトキノール
32.その他、オキシブチニンなどの失禁治療薬、リセドロネートなどの骨粗鬆症治療薬、酢酸ケトフェチンなどの抗ヒスタミン治療薬、トルブタミドなどの糖尿病治療薬、コルヒチンなどの通風治療薬
等が挙げられる。これらは必要に応じて二種類以上併用することができる。
【0040】
これら生理活性物質を含有する粘着剤組成物層が少なくとも一つ存在すれば複数の粘着層を積層してもよい。
【0041】
支持体への粘着剤層の積層方法は特に限定されず、例えば、支持体の一方の面に上記粘着剤組成物を塗工した後に上述の条件で硬化させる方法や、予め離型剤を施したシート(剥離シート)に上記粘着剤組成物を塗工して硬化した後に支持体を貼りあわせる方法が挙げられる。離型剤としてはシリコーン系、オレフィン系、フッ素系等の各種離型剤が公知であり、適宜使用することができる。中でも、コストや剥離性確保の面からオレフィン系や無溶剤付加硬化型シリコーン系の離型剤が好ましい。
【0042】
粘着剤層の厚さは特に限定なく、例えば10〜5000μmでもよい。
【実施例】
【0043】
以下、実施例を示すことで、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
【0044】
(重合体(A)の合成)
苛性アルカリを用いた重合法により、数平均分子量3000のオキシプロピレン重合体グリコールを得た。特開平5−117521号公報の合成例1の方法に準じ、そのオキシプロピレン重合体グリコールを開始剤として複合金属シアン化物錯体触媒(亜鉛ヘキサシアノコバルテート)を用いてプロピレンオキシドを重合し、数平均分子量28000の重合物を得た。この重合物に対して、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液と塩化アリルを使用して末端をアリル基に変換した後、脱塩精製して、1分子中に概ね2個のアリル基末端を有するポリオキシアルキレン重合体(重合体(A))を得た。得られた重合体のアリル末端基量は0.12mmol/gであった。
【0045】
(化合物(B)の合成)
下記式(4)で表されるメチルハイドロジェンシリコーン(式中、xは平均5である)に白金触媒存在下、全ヒドロシリル基量の0.6当量のα−メチルスチレンを添加し、1分子中に平均2.5個のヒドロシリル基を有する化合物(化合物(B))を得た。この化合物のヒドロシリル基含有量は3.2mmol/gであった。
【0046】
【化2】

(実施例1)
重合体(A)100重量部に対して、DURO−TAK387−2052(NSC社製)20重量部、化合物(B)を2.3重量部、ヒドロシリル化触媒である白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(3重量%白金イソプロパノール溶液)0.1重量部、マレイン酸ジメチル0.03重量部、リドカインが1.0重量%になるように加え、十分に混合して粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物をポリエステルフィルム(厚さ25μm)上に厚みが50μmになるよう塗布したのち、130℃で5分間加熱し、本発明の貼付剤を得た。
【0047】
(比較例1)
重合体(A)100重量部に対して、化合物(B)を2.3重量部、ヒドロシリル化触媒である白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(3重量%白金イソプロパノール溶液)0.1重量部、マレイン酸ジメチル0.03重量部、リドカインが1.0重量%になるように加え、十分に混合して粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物をポリエステルフィルム(厚さ25μm)上に厚みが50μmになるよう塗布したのち、130℃で5分間加熱したところ、硬化せず、貼付剤を作成することはできなかった。
【0048】
(比較例2)
DURO−TAK387−2052(NSC社製)100重量部、リドカインが1.0重量%になるように加え、十分に混合して粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物をポリエステルフィルム(厚さ25μm)上に厚みが50μmになるよう塗布したのち、130℃で5分間加熱し、貼付剤を得た。
【0049】
(硬化性の判定)
触感により判定した。
【0050】
判定基準 ○:手に粘着剤組成物が転写しない
×:手に粘着剤組成物が転写される
(接着力試験)
幅25mmに裁断した帯状の各製剤サンプルをSUS304の板に貼付し、重さ2Kgのゴムローラーを速度2m/minの条件で1往復させて密着させた後、1時間放置した。各テープをSUS304板から300mm/minの速度にて180°の角度で剥がす際の応力を粘着力の測定値とした。
【0051】
【表1】

上記結果より、本発明が、これまでの粘着剤に比較して皮膚刺激性が小さく、十分な量の生理活性物質を含有させることが出来、かつ生理活性物質の放出性の良い経皮吸収製剤を提供することが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に粘着剤組成物層が形成された皮膚貼付剤において、該粘着剤組成物層が少なくとも2種類以上の高分子材料を混合してなり、かつその少なくともひとつがシロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料であって、該粘着剤組成物層の少なくとも1層が生理活性物質を含有することを特徴とする経皮吸収製剤。
【請求項2】
請求項1に記載のシロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料が
(A)1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリエーテル系重合体、
(B)1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物、
(C)ヒドロシリル化触媒
からなる混合物を硬化してなる高分子材料であることを特徴とする請求項1に記載の経皮吸収製剤。
【請求項3】
該粘着剤組成物層におけるシロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料の含有量が50重量%〜98重量%であることを特徴とする請求項1および2に記載の経皮吸収製剤。
【請求項4】
生理活性物質を上記シロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料以外の成分に溶解したのち、シロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料の未硬化混合物に添加し、これを硬化してなることを特徴とする請求項1〜3に記載の経皮吸収製剤。
【請求項5】
該粘着剤組成物層が、さらに
(D)有機液状成分
を混合してなる請求項1〜4に記載の経皮吸収製剤。
【請求項6】
重合体(A)のポリエーテル系重合体がポリオキシプロピレンであることを特徴とする請求項2〜5記載の経皮吸収製剤。
【請求項7】
ヒドロシリル化触媒(C)が白金−ビニルシロキサン錯体であることを特徴とする、請求項2〜6に記載の経皮吸収製剤。
【請求項8】
液状成分(D)が脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項2〜7に記載の経皮吸収製剤。
【請求項9】
重合体(A)と液状成分(D)の含有比率が1.0:0.001〜1.0:1.5であることを特徴とする請求項2〜8に記載の経皮吸収製剤。

【公開番号】特開2008−214312(P2008−214312A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57278(P2007−57278)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】