説明

経皮送達デバイス

皮膚、経皮、粘膜、または経粘膜送達装置は、成分収納貯蔵器の上にあり、かつこれに付着された微小突起列を有する裏打ち層、そこを貫通する少なくとも1つの開口部を有する貯蔵器用のカバー、接着剤層、およびライナー層を含んでいる。このライナー層を除去したとき、この装置は、皮膚または粘膜の所望の区域の上に配置され、接着剤によってそこに適用することができ、成分が貯蔵器から少なくとも1つの開口部を通って皮膚または粘膜まで流れることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2004年3月24日に出願された米国仮出願第60/555,841号の利益を主張する。この特許の内容全体は、参照して本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の背景)
従来の金属針薬物送達の欠点を克服するか、または少なくともその代替方法を提供するための、最小侵襲性の経皮薬物送達系の概念は、長期間にわたって開発されてきた。これらの最小侵襲性の経皮粘膜薬物送達系は、薬品が皮膚の角質層、および粘膜の上皮細胞を通過するようにさせ、これによって薬品がこの皮膚および粘膜バリヤーを迂回し、薬品を真皮および粘膜またはこれらのより低部の組織の微小血管中に、および潜在的には体循環中に送達することを可能にするように設計されてきた。
【0003】
本発明は、このような経皮薬物送達装置に関する。このような装置は典型的には、送達されることになる薬品を含有するパッチを含んでいる。このパッチは典型的には、患者の皮膚への接着のための接着剤層を含んでいる。この薬品は、貯蔵器中に液体として、またはゲルとして存在してもよく、またはパッチの接着剤層中に組み込まれていてもよい。このパッチは、ヒトの皮膚に適用され、薬品は、皮膚を通って患者の組織、ならびに皮膚、粘膜、および経粘膜系に入る。
【背景技術】
【0004】
いくつかの薬物送達系では、薬品の局所投与の準備において、皮膚の角質層が除去される。角質層の除去は典型的には、皮膚を機械的装置で削ること(scrapping)によって、またはテープストリップを皮膚の表面に繰返し貼り、ついでテープを取り除いて皮膚の角質層を除去することによって行なわれる。皮膚の角質層のこれらの除去方法のどちらも、薬品の局所投与の準備において使用されている、やっかいで制御されない方法である。
【0005】
強制的に角質層を通される中空マイクロニードルを含む経皮送達装置もまた、開発されてきた。Prausnitzらの特許文献1は、シールがその間に配置されている、一列の中空マイクロニードルを含むハウジングの上に配置された、1つまたはそれ以上の薬品貯蔵器を有するマイクロニードル薬物送達装置を開示している。この装置の皮膚への接着を容易にするために、接着剤層が、これらの基底部にあるマイクロニードル間に挟まれて加えられるか、またはこのマイクロニードルに隣接した取り付けカラーもしくはタブへ加えられる。貯蔵器からの薬品の送達は、シールを取り除くか、または破って、力を加えることによって、例えば貯蔵器の頂部を押すことによって開始され、貯蔵器の内容物を、これらのマイクロニードルを通って流出させる。このマイクロニードル装置は、使用者が(1)送達が開始されたかどうかを決定すること、および/または(2)この貯蔵器が空にされたことを確認することができるように、フィードバック手段を含んでいる。代表的なフィードバック手段は、音、色彩変化指示器、または変形可能な貯蔵器の形状の変化を包含する。Gertsekの特許文献2は、Prausnitzの特許文献1と類似であるが、微小突起列から離れるように伸びているカラーを形成するハウジングを有する。この装置が皮膚に接着されるように、感圧接着剤がこのカラーの裏面に加えられている。
【0006】
Shermanらの特許文献3は、貯蔵器が中空でなくて、溝部を含んでいてもよい、一列の微小突起の上に配置されている経皮送達装置を開示している。これらの微小突起は、この装置が少なくとも一方向に動かされたときに、皮膚から皮膚細胞を削るために用いられる。貯蔵器から強制的に出された薬物は、微小突起列の間を流れ落ち、患者の皮膚を通って中に入る。
【0007】
上記のマイクロニードルまたは微小突起列装置のすべては、マイクロニードルまたは微小突起列のため、および成分貯蔵器のためのなんらかの型のハウジングを用いた、比較的嵩張ったおよび/または剛性の装置である。このハウジングは典型的には、プラスチック材料からできている。Gertsekの特許文献2は、可撓性プラスチックまたはゴム様材料からできているハウジングまたはブラダー(bladder)を提案している。
【0008】
本明細書に用いられているような「微小突起」は、マイクロニードル、ならびにほかの型の小さい擦過突起を包含する普通名称として用いられる。この用語の「微小」部分は通常、非常に小さいので、顕微鏡でしか見られない何かを意味すると理解される。しかしながら当該分野において、この用語の微小部分は、多くの場合典型的には、少なくとも裸眼で見るのに十分なほど大きい、比較的小さい突起を意味すると理解される。本明細書に用いられているような「経皮」とは、皮膚、粘膜、および経粘膜も同様に包含する普通名称として用いられる。
【特許文献1】米国特許第6,611,707B1号明細書
【特許文献2】米国特許第6,656,147号明細書
【特許文献3】米国特許第6,821,281号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明の1つの局面において、マイクロニードルまたは微小突起列は、フィルム型の成分送達装置中に組み込まれている。成分貯蔵器の上にあるフィルムの裏打ち層は、これに付着された微小突起列を含んでいる。剥離ライナーフィルムは、この裏打ち層および微小突起列の上にある。
【0010】
本発明のこれらの目的およびほかの目的、利点、および特徴は、記載された明細書および添付図面を参照して、より十分に理解され、正しく認識されるであろう。
【0011】
様々な層についての厚さおよび形状は、この装置の理解を容易にするために、これらの図面において誇張されていることが理解されるであろう。これらの図面は、「一定の比例に拡大している」わけではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
(基本的な貯蔵器系)
好ましい実施形態において、装置1は、成分貯蔵器18の上にある空洞部または貯蔵器16を有する裏打ち層(時にはベースまたは裏打ち部材と呼ばれる)10を含んでいる(図1、2、3、および4)。中に開口部15を有する保持リングまたはカバー14は、貯蔵器18の外周の周りの裏打ち部材10へ、第一リング様シール17を介して密閉されている。シール17は、貯蔵器18に収納されている成分による分解、浸透、または可溶化を受けない材料からできている。シール17は、本発明のほかの局面によれば省かれてもよい。シール17が使用されないならば、カバー14は、ヒートシールされるか、あるいまた、直接裏打ちへ付けられる。接着剤層11は、裏打ち部材10へ接着され、この装置を患者の皮膚または粘膜へ接着させるのに役立つ。接着剤層11は、カバー14の一部分を覆ってもよいが、接着剤層11が開口部15を覆わないように、開口部11aを含んでいる。接着剤層11は好ましくは、開口部15を取囲んでいる区域において暴露されたカバー14の表面のリング様縁部を残し、この区域は、本明細書において、カバーシール表面14aと呼ばれる。微小突起部材または層19は、接着剤層11とライナー12との間に配置されている。本明細書において用いられているような微小突起という用語は、患者の皮膚を突き通すことができるあらゆる型の突起具を記載するために総称的に用いられている。このようにして微小突起は、中空でない針、中空針、中空でない突起、もしくはほかのこのような形状、中空突起もしくはほかのこのような形状、溝のある突起、または患者の皮膚を突き通すことができるあらゆるほかの形状であってもよい。
【0013】
本発明の装置の平面図である図1に戻ると、貯蔵器18から患者の皮膚への薬物の放出のために、カバー14中に開口部15がある。この貯蔵器は、織布もしくは不織布層を含んでいる薄い吸収性成分を収納しうる。これ自体は、裏打ち層10へ密閉されているカバー14の中に収納されている。使い捨て剥離ライナー12を除去するのを補助するために、キスカットライン12aが、剥離ライナー12中に存在する。装置1はあらゆる形状であってもよいが、図1は、本発明の好ましい形状を示している。
【0014】
(出入口(port)取付部品の設計)
装置1は場合により、管6に連結された取付部品(fitting)5を含んでいてもよい。取付部品5は、雄型取付部品8を有するルアー・ロック(Luer Lock)取付部品であってもよく、この雄型取付部品8は、取り外し可能にではあるが、密閉的に雌型取付部品9に連結されている。ポンプ7は、貯蔵器18を加圧して、貯蔵器18中の成分の経皮送達を促進するために使用されてもよい。ポンプ7は、シリンジ、貯蔵器18の上に上げられたI.V.バッグ、または手動的に動力供給される機械的ポンプを含んでいてもよい。あるいはまたポンプ7は、予め決定されたプログラムまたはスケジュールにしたがって圧力を与えるために、制御器(図示されていない)に操作可能に連結されている動力付きポンプを含んでいてもよい。同様に、ルアー・ロック取付部品の代わりに、注射可能なシール層(図示されていない)が用いられてもよい。再シール可能な膜を突き刺し、これによってポンプ7と貯蔵器18との間に流体連絡を与えるために、管6に付着された中空針(図示されていない)が用いられる。
【0015】
微小突起層19は、ベース19a、およびベース19aから突出している複数の突起19bを含んでいる。微小突起層19はまた、この装置1が使用中であるときに、貯蔵器の成分がこれらの開口部11aおよび19cを通って流れ込むことができるように、接着剤層11中の開口部11aに対応する、貫通した少なくとも1つの開口部19cを含んでいる。ライナー12は、少なくとも開口部15、およびカバー14のシール表面14aを覆い、リング様第二シール21によってシール表面に密閉される。第二シール21は、貯蔵器中のこれらの成分のいずれによる分解も受けない材料からできている。好ましくはライナー12は、装置1のための剥離ライナーを含んでおり、したがって開口部15およびシール表面14を覆うのみならず、微小突起層19中の少なくとも1つの開口部19cおよび接着剤層11中の開口部11aを剥離可能に覆う。下により詳細に記載されているように、装置1が用いられるとき、剥離ライナー12は除去され、これによって開口部15を暴露する。装置1がついで適用され、接着剤層11を介して患者の皮膚または粘膜へ接着される。この適用プロセスの間、貯蔵器16およびカバー開口部15が、成分が送達されることになる区域の上に配置されて、微小突起層19は、患者の皮膚または粘膜の中に所望の深さまで押し下げられる。
【0016】
(貯蔵器シェルカバー)
好ましい実施形態の装置はまた、貯蔵器の上にある部分16の外側を覆っているシェル2を含んでいてもよい(図2)。この装置のシェル2は、蒸発または湿潤による損失を防ぐために、治療部位へ送達されることになる液体に対して不透過性または不浸透性であるべきである。シェル2はまた、放射エネルギー源、例えば紫外線および可視光に対して活性成分および/または液体を保護しうる。シェル2は、寸法安定性または寸法不安定性であってもよく、好ましくは寸法不安定性である。寸法不安定性シェルは、1psiまたはそれ以下の圧縮力に耐えることができない。すなわち少なくとも一部潰れるか、圧潰される。シェル2に適した材料は、セラミック、金属、例えばチタン、アルミニウム、もしくは鋼、プラスチック、例えばポリオレフィン、バレックス、スチレン、ポリエステル、ポリアクリル、ビニルポリマー、ポリアミド、ポリフルオロカーボン、ポリイミド、ポリラクタム、ポリアラミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリジエン、またはこれらの組合わせもしくは複合材料を包含しうるが、これらに限定されるわけではない。このシェルは、裏打ち層10を含んでいる材料のフィルムの貯蔵器の上にある部分16に代わりうるであろうことが理解されるであろう。この場合、読者は、これの考察のためには、このシェルが裏打ち層10の一部であると考えるべきである。このシェルはその場合、送達されることになる成分を収納するための上にある貯蔵器部分16を画定している裏打ち層10の部分であろう。貯蔵器の上にある部分16は、上で考察されたように、寸法安定性または寸法不安定性であってもよい。貯蔵器の上にある部分16の周りの第一ヒートシール17はまた、これに収納された成分および活性物質による浸透、崩壊、または分解、例えば溶解に抵抗性があるべきである。
【0017】
開口部15のサイズまたは直径は、活性成分を送達したいと思う速度、または貯蔵器16から送達したいと思う活性成分の総量の関数として様々であってもよい。意図された用途に応じて、開口部15の直径は、0.05〜5.0インチであってもよい。より大きい開口部は、貯蔵器18中のヒドロゲルの使用を必要とし、したがってこの成分溶液は、ライナー12が除去されたときに貯蔵器区域16から直ちに流れ出るわけではない。図2に示されているような好ましい実施形態において、開口部15の直径は、約0.125インチである。同様にカバー14は、複数の開口部15を有してもよい。開口部15の幾何学形状(geometry)は、多くの形状、すなわち、円形、長方形、楕円形、正方形などの形状にあってもよい。
【0018】
(貯蔵器層)
成分は、多様な方法のいずれかにおいて貯蔵器18中に収納されていてもよい。例えば成分貯蔵器18は、上にある空洞部または貯蔵器16の中で、単純に液体またはゲルマトリックス形態にあってもよい。これらの成分は、ヒドロゲル材料のパッド中に含有されていてもよく、これは基本的には、開口部15を通って送達されることになる成分を含有するゲルマトリックスを含んでいる。あるいはまた成分は、上にある貯蔵器16の下に位置する、織布または不織布吸収性材料貯蔵器パッド18の中に含有されていてもよい。これは例えば、5.0ミル・ストラテックス(STRATEX)(登録商標)90%ポリプロピレン/10%不織布レーヨンからできている。吸収性織布または不織布材料に適したほかの材料は、あらゆる寸法不安定性材料、例えば織布ポリエステル布、貼り合せナイロン繊維、綿ゲージ、ファイバーグラス、ポリエステル繊維、および綿繊維を包含する。この材料は、一部または完全に、使用者の皮膚または粘膜へ送達されることになる1つまたは複数の成分を含有しうる。同様に、開口部15のサイズおよび形状は、特定の用途の必要条件に応じて様々にされてもよい。同様に、複数の開口部15が使用されてもよい。この装置1がかなり長期間、一般に垂直な皮膚表面上で用いられることになるならば、開口部15は、中心を外れて配置されてもよく、使用者がこの装置を真直ぐな向きで適用しうるように、裏打ち10上に矢印またはほかの印が備えられていてもよい。このようにして、開口部15は、これらの成分が、確実に貯蔵器18から開口部15を通って流れるように、空洞部18の底部に配置されてもよい。
【0019】
(貯蔵器に収納された成分)
本発明において用いられているような1つまたは複数の成分という用語は、成分貯蔵器18に収納されているすべての成分のことを言い、使用者の皮膚または粘膜へ、またはこれを通って送達されることになる成分のことだけではない。後者は、最も広い意味で「活性」成分と呼ばれてもよい。しかしながら「活性」成分という用語は、送達されることになる成分を薬品に限定するよう意図されているわけではない。その理由は、ほかの型の成分が、薬品として役立つ以外の目的で送達されることがあるからである。
【0020】
場合により、速度制御膜層13が、装置1の層のいずれかの間に配置されていてもよい(図4)。速度制御層13は、好ましくは裏打ち層10とカバー14との間、またはカバー14と接着剤層11との間に配置されている。図4において、速度制御膜13は、ベース層10とカバー14との間に位置する。速度制御膜は、濃密、微孔質、または多孔質材料のフィルムであってもよい。
【0021】
あるいはまた、カバー14は、開口部、例えばカバー14中の開口部15を有していない、図5に示されているような速度制御膜13と完全に代えられてもよいであろう。この速度制御層は、貯蔵器18からの成分を収納している貯蔵器の皮膚または粘膜への通過速度を制御する微孔質開口部を含んでいてもよい。速度制御膜13が、カバー14の代わりに使用されるとき、外側保護層32の暴露された内側表面部分32aは、リング様第二シール21によって、速度制御膜13のシール表面13aに密閉される。このシール21は、貯蔵器18中に収納された成分のいずれかに暴露されたとき、分解されず、浸透性になったりまたは可溶化されたりしない材料からできている。
【0022】
(裏打ち層)
裏打ち層またはベース部材10は、貯蔵器18中に収納された成分に対して実質的に不浸透性である比較的硬質なポリマー材料、または比較的軟質なポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート(P.E.T.)またはポリ塩化ビニル(P.V.C.)材料からできている。適切な材料の一例は、3.0ミル、3M(登録商標)9722ポリエチレンフィルムである。ベース部材10は、熱成形されて、貯蔵器16を形成する。裏打ち層またはベース部材10は、約1/2ミル〜約5ミル厚さ、好ましくは約1ミル〜約4ミル厚さ、最も好ましくは約3ミル厚さであってもよい。保持リングまたはカバー14もまた、貯蔵器18中に収納された成分に対して実質的に不浸透性である材料、例えば貯蔵器16を形成する4.0ミル・ロールプリント(ROLLPRINT)(登録商標)ポリエチレンフィルムからできている。好ましくはカバー14の厚さは、約1ミル〜約10ミル厚さ、好ましくは約2ミル〜約8ミル厚さ、最も好ましくは約3ミル〜6ミル厚さであってもよい。
【0023】
(皮膚または粘膜接着剤層)
接着剤層11は、好ましくは3つの異なる層の複合材料である(図2、3、および4)。接着剤層11は、典型的には次の層の複合材料である。すなわち、例えば1.0ミルのナショナル・スターチ(NATIONAL STARCH)80−1197(商標)アクリル接着剤からできている第一または上部接着剤層20;例えば0.5ミルPETフィルムの層からできているバリヤー層22;および患者の皮膚と接触する、例えば3.0ミルのナショナル・スターチ80−1197(商標)アクリル接着剤からできている第二または低部接着剤層24である。接着剤層11は、好ましくは約1ミル〜約10ミル、より好ましくは約2ミル〜約8ミル、および最も好ましくは約4ミル〜約6ミルの厚さを有する。第一または上部接着剤層20および第二または低部接着剤層24は各々、好ましくは約1/2ミル〜約5ミルの厚さを有し、一方、バリヤー層22は、好ましくは約1/2ミル〜約7ミルの厚さを有する。第二または低部接着剤層の厚さは、経皮装置のサイズ、所望の使用の長さ、および接着剤の攻撃性に応じて様々であってもよい。
【0024】
装置1を皮膚または粘膜に付着させるのに適したほかの材料は、接着性の裏面を有する耐水性テープまたはほかの材料を含んでいてもよい。感圧接着剤または感圧接着剤の組合わせが好ましい。この接着剤は、貯蔵器18中の成分による浸透および/または溶解に対して抵抗性があってもよいが、このことは、上で考察された第一シール17および第二シール21から考えて、不可欠ではない。ほかの適切な接着剤は、次のものを包含しうるが、これらに限定されるわけではない:A)溶媒ベースのアクリル接着剤、例えばモンサントGMS737、ミズーリ州セントルイスのモンサント社(Monsanto Corporation,St.Louis,Mo)の商標;ナショナル・スターチ・デュロタック(Durotak)72−9720および80−1197、ニュージャージー州ブリッジウオーターのナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社の商標;アッシュランドのアロセット(AROSET)11 13−AD−40および1085−A−45、ケンタッキー州アッシュランドのアッシュランド・オイル社(Ashland Oil Co.)の商標;B)溶媒ベースのゴム接着剤、例えばナショナル・スターチ36−6172;C.アクリル・エマルジョン接着剤、例えば:モンサントGME2397ローム・アンド・ハースN580、ペンシルベニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース社(Rohm & Haas Co.);ウノカル(Unocal)76RES9646、カリフォルニア州ロス・アンジェルスのウノカル社の商標;およびアッシュランドのアロセット2022−W−50;およびC)接着剤転写テープ、例えば3M F−9465PC、ミネソタ州セントポールの3M社の商標;エイベリー−デニソン(Avery−Denison)MED1116、カリフォルニア州パサデナのエイベリー・デニソン社の商標;ARケア(ARCare)7530、ペンシルベニア州グレン・ロックのアドヒーシブ・リサーチ社(Adhesive Research Inc.)の商標;およびRX230U、コネチカット州ブルームフィールドのコーティング・サイエンス(Coating Science)社の商標。
【0025】
上部および低部接着剤層20および24はどちらも、中間バリヤー層22に接着されている。接着剤層20の方は、裏打ち部材10に接着され、同様にカバー14にも一部接着されているが、カバー14のシール表面14aを超えてその上まで伸びているわけではない。接着剤層11は、あらゆる形状であってもよいが、しかしながらリング形状が好ましい。
【0026】
(微小突起層)
微小突起層19が、接着剤層11とライナー12との間に配置されている。微小突起層19は、微小突起19bに隣接したベース層19aを含んでいる。微小突起層19は、装置1が使用中のとき、貯蔵器収納成分がこれらの開口部を通って流れるように、接着剤層11中の開口部と対応する少なくとも1つの開口部19cをその中に含んでいる。ライナー12に隣接した微小突起層側が、微小突起層19から突出する微小突起19bを含んでいる。上記のように、微小突起19bは、この微小突起の内部縦軸に沿って伸びている、1つまたはそれ以上の通路または孔を含んでいてもよい。しかしながら微小突起19bはまた、孔がない(すなわち内部通路を有しない)ものであってもよい。あるいはまた装置1は、孔がない微小突起および孔を含有する微小突起の両方の組合わせを有する微小突起層19を含んでいてもよい。貯蔵器18中の1つまたは複数の成分は、微小突起中のこれらの孔または通路を通って流れることができるか、または装置1が使用中であるとき、中空でない微小突起の周りで、およびこれらの間を流れることができる。微小突起層19はまた、あらゆる形状であってもよく、これは、あらゆる幾何学形状、または好ましくはその中心に開口部19cを有するリング形状を包含するが、これらに限定されるわけではない。これらの微小突起それ自体は、あらゆる形状であってもよい。ベース層19aは、好ましくは可撓性材料から形成されるが、また剛性材料であってもよい。本発明の装置は、ベース層19aが可撓性であることを要求する、患者の皮膚または粘膜の区域に適用されてもよい。微小突起層19のベース層19aは、好ましくは約1ミル〜約10ミル厚さ、より好ましくは約2ミル〜約8ミル厚さ、最も好ましくは約4ミル〜6ミル厚さである。微小突起層19の微小突起19bは、好ましくはベース層19aから、約20〜約500ミクロン、より好ましくは約50〜約400ミクロン、最も好ましくは約100〜約250ミクロンの長さだけ突出している。しかしながらこれらの微小突起は、特定の用途に応じて、より長くてもよい(例えば500〜1,000ミクロンまたはそれ以上)。
【0027】
(通路付き表面流層)
微小突起ベース層19aは、接着剤層11の少なくとも一部分に隣接する表面19f(図6)を含んでいる。これは場合により、1つまたはそれ以上の成分の流れを貯蔵器18から方向付けるための波形または通路19eを含んでいる。あるいはまた、接着剤層11に隣接する微小突起層側19fが、実質的に平滑である(すなわち波形がない/通路がない)ならば、実質的に平滑な微小突起層側19fに隣接する接着剤層側は、実質的に平滑な微小突起層側と接着剤層11との間で、1つまたはそれ以上の成分の流れを方向付けるための波形または通路を作り出すための、パターンコーティングされた接着剤を含んでいてもよい。上記の波形または通路が、微小突起ベース層19a、またはパターンコーティングされた接着剤の中のどちらかに存在するとき、1つまたはそれ以上の活性成分は、貯蔵器18からカバー14中の開口部を通って流れ、接着剤層11および1つまたはそれ以上の成分の少なくとも一部分は、通路に導かれて、接着剤層11と微小突起ベース層19aとの間を側面方向に流れる。1つまたはそれ以上の成分はついで、微小突起19b中の開口部を通って、またはベース層19a中の開口部を通って下方に流れ、ついで微小突起19aの周りで、およびこれらの間を下方に流れ、ついで皮膚の角質層を通ってその中に流れ込む。
【0028】
(微小突起組成物)
微小突起層19は、合成および/または天然由来の熱成形ポリマー材料を包含するが、これらに限定されるわけではないあらゆる材料からなっていてもよい。例えば適切な生物学的適合性の生物分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン、ポリエステラミド、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリウレタン、およびこれらのコポリマーおよびブレンドを包含する。代表的な非生物分解性ポリマーは、ポリアクリレート、エチレン−ビニルアセテートのポリマー、およびほかのアシル置換セルロースアセテート、非分解性ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホネートポリオレフィン、ポリ酸化エチレン、これらのブレンドおよびコポリマーを包含する。ほかの可能性のある材料は、製薬グレードのステンレス鋼、金、チタン、ニッケル、鉄、錫、クロム、銅パラジウム、白金、およびこれらおよび/またはほかの金属の合金を包含する。これに加えて、ガラス、セラミック、エポキシド、または上記のもののいずれかのあらゆる組合わせ、もしくは誘導体(derivation)が使用されてもよい。しかしながら好ましい材料は、ポリアミド、例えばナイロンである。
【0029】
(剥離ライナー層)
剥離ライナー12はまた、好ましくは次のような複数の材料層からなる。すなわち、例えばロパレックス(LOPAREX)(登録商標)(レキサム(REXAM)(登録商標))92A剥離コーティングからできている剥離コーティング層26;例えば3.0ミルPETフィルムからできているバリヤー層28;例えば1.0ミル・ナショナル・スターチ80−1197(商標)アクリル接着剤からできている接着剤層30;および例えばトーラス(TOLAS)(商標)4050からできている、ポリアミドとポリオレフィン層との共積層されたフィルムである外側保護層32である。剥離ライナー12を構成するこれらの層は、微小突起の長さに合わせるため、および貯蔵および輸送の間に微小突起の適切な保護を提供するために、厚さが変えられてもよい。例えばこれらの微小突起がより長いならば、その場合には剥離ライナー12を構成する層の厚さはより厚くなるであろう。逆にこれらの微小突起の長さがより短いならば、剥離ライナー12を構成するこれらの層は、より薄くなるであろう。
【0030】
剥離コーティング層26は、バリヤー層28に接着されている。接着剤層30は、バリヤー層28の他方の側に、および外側保護層32に接着されている。層のこの全体の集成体は、単一の剥離ライナーとして機能する。
【0031】
剥離コーティング層26、バリヤー層28、および接着剤層30は好ましくは、それぞれ開口部26a、28a、および30aを有し、これらは、微小突起層19の外側外辺部と、または存在する場合は、1つまたはそれ以上のマトリックス活性リングの外側外辺部と同一の広がりを有する。換言すれば、剥離ライナー12の層26、28、および30は、部分的にカバー14の表面を覆うか、まったく表面を覆わず、シール表面14aおよび開口部15を暴露されたままに放置する。他方、外側保護層32は、このような開口部を有さず、カバー14のシール表面14aおよび開口部15を完全に覆っている。このようにして、これは好ましくは、外側保護層32の暴露された内側表面部分32aであり、この外側保護層32は、貯蔵器18中に収納されることになるいずれの成分によっても分解、浸透、または可溶化を受けない、第二シール21と以前に呼ばれたものによって、カバー14のシール表面14aへ密閉される。外側保護層32は、これが上方に伸びて開口部26a、28a、および30aの中に入るような形状であってもよい。
【0032】
当業者は、貯蔵器18中に収納されることになる特定の成分によって分解可能ではないであろうような、第一シール17および第二シール21のための様々な接着剤を選択することができるが、第一シール17および第二シール21は、好ましくはヒートシールである。このようにしてカバー14は好ましくは、貯蔵器18を取囲んでいるこれらの区域において裏打ち層10にヒートシールされ、剥離ライナー12の外側層32は好ましくは、区域32Aにおいてシール表面14Aにヒートシールされる。区域32Aをシール表面14Aへ密閉するために用いられる材料およびシール条件は好ましくは、接着剤複合材料11から剥離ライナー12を除去するために力が加えられたときに、この第二シール21が「剥離可能である」ようなものである。これに対して、カバー14と裏打ち層10との間の第一シール17は、この集成体から剥離ライナー12を除去するために力が加えられたとき、カバー14が裏打ち層10から剥がし取られない程度に「永久的」であるべきである。
【0033】
(活性成分の送達)
好ましい実施形態の装置1は、短期間に(すなわち1装着あたり約0.1時間〜約24時間)高濃度で活性成分を送達する。より低い濃度でのいくつかの活性成分は、約24時間以上の間送達されうる。好ましい実施形態の装置1は、接着剤フィルムを好ましい実施形態の装置1中に加えたり、組み込んだりすることなく(すなわち皮膚と、活性成分を含有する液体との間に層をともなわずに)、液体溶液中の活性成分を送達するのに有用である。好ましい実施形態の装置1は、次の状態を治療するため、または次の活性成分を送達するために用いられてもよい。これらの状態および活性成分は、次のものを包含するが、これらに限定されるわけではない。すなわち、疣(すなわちサリチル酸、および/またはほかの角質溶解薬);にきび(すなわちサリチル酸、ベンゾイル過酸化物、抗生物質、および/またはほかの角質溶解薬);疼痛(すなわち局所麻酔剤、非ステロイド抗炎症薬);保湿剤(すなわち、尿素、水);指および足指の爪の基部の肉部(toenail bed)(すなわち、尿素、水、抗かび剤);皮膚緩衝(すなわち緩衝剤);ワクチン(すなわち痘瘡、はしか、インフルエンザ、炭疽病、ポリオなど);低溶解性薬品;比較的大きい分子量の分子(すなわち、約500〜約1,500分子量の分子、例えばヘパリン、LHRH);比較的大きい巨大分子(すなわち、DNA、抗体、成長因子、VIII因子)ワクチン;創傷の手当(すなわち、水、1つまたは複数の創傷清拭剤、酵素);サンプリングおよび診断剤(すなわち、グルコース、乳酸、カリウム、アレルゲンなど);イオン泳動法、エレクトロポレーション、音響泳動法(sonophoresis)、ラジオ周波数、熱強化(貯蔵器)(すなわち、電極(アノード、カソード));微小針(貯蔵器)(すなわち、単独で、またはイオン泳動法、エレクトロポレーション、音響泳動法、ラジオ周波数、熱強化と組み合わせて)である。好ましい実施形態の装置1はまた、ほかの要素と組み合わされてもよく、ほかの活性成分を送達し、および/または診断目的のために皮膚に1つまたは複数の分子を送達しうる。
【0034】
(層の説明)
次のものは、裏打ち層10から剥離ライナー12まで(図2において上から下へ)、次の層番号および説明による、装置1における層列の説明である。
【0035】
10.裏打ち層、すなわち3.0ミル、3M(登録商標)9722ポリエチレンフィルム;
18.貯蔵器成分、すなわち5.0ミル・ストラテックス(登録商標)90%ポリプロピレン/10%不織布レーヨン;
14.カバーまたは保持リング、すなわち4.0ミル・ロールポイント(登録商標)ポリエチレンフィルム;
11.接着剤層
20.第一接着剤コーティング、すなわち1.0ミル・ナショナル・スターチ80−1197アクリル接着剤
22.バリヤー層、すなわち0.5ミルPETフィルム;および
24.第二接着剤コーティング、すなわち3.0ミル・ナショナル・スターチ80−1197アクリル接着剤
19.微小突起層、すなわちポリアミド、例えばナイロン;
12.剥離ライナー;
26.剥離コーティング層、すなわちロパレックス(登録商標)(レキサム(登録商標))92A剥離コーティング
28.バリヤー層、すなわち3.0ミルPETフィルム;
30.接着剤コーティング、すなわち1.0ミル・ナショナル・スターチ80−1197(商標);および
32.外側保護層、すなわちトーラス(商標)4050。
【0036】
好ましい実施形態の装置1のあらゆる商業的に公知の生産方法が用いられてもよい。しかしながら、装置1の1つの好ましい生産方法は、次の工程を含む:1)裏打ち10および貯蔵器の上にある部分16において用いられる材料を予め切断する工程(すなわちカバー14およびあらゆる織布および/または不織布成分を予め切断する工程);2)第一接着剤層20および第二接着剤層24からストリップ層を剥がし取り、皮膚接触接着剤層11を、微小突起層19の少なくとも一部分、および剥離ライナー12の少なくとも一部分に接着させる工程;3)完了された工程2の集成体上の定位置にカバー14を配置し、外側保護層32にカバー14をヒートシールし、取り除けておく工程;4)裏打ち材料中に、貯蔵器の上にある部分16を形成する工程;5)この形成された貯蔵器中に成分18を入れ、1つまたは複数のあらゆる活性成分を挿入し、貯蔵器16の上の定位置に、完了された工程3の集成体を置き、裏打ち10をカバー14にヒートシールする工程;6)最終形状をダイカットする工程;7)欠陥および汚染を検査する工程;および8)最終装置1を袋(pouch)に入れ、この袋を密閉する工程。
【0037】
使用中、剥離ライナー12は、微小突起経皮送達装置1から除去され、これによって剥離ライナー12とカバー14のシール表面14Aとの間の第二シール21を破り、微小突起および/またはマイクロニードルを含んでいる微小突起層側を暴露し、接着剤層11の少なくとも一部分を暴露する。ついで、微小突起経皮送達装置1は、被験体の皮膚または粘膜に適用される。適用している間、微小突起および/またはマイクロニードルは、皮膚、または粘膜の上皮細胞の角質層を突き刺し、皮膚または粘膜中に穿孔を作り出し、所望の深さまで押し下げられる。貯蔵器16中に収納された成分は、カバー14中の1つまたはそれ以上の開口部を通って流れ、皮膚または粘膜と接触する。接着剤層11の少なくとも一部分は、皮膚または粘膜と接触し、接着性シールを形成し、第二貯蔵器の外側境界線を生じる。皮膚または粘膜と接触したとき、貯蔵器からの成分は、微小突起および/またはマイクロニードルによって皮膚または粘膜中に作り出された穿孔を通って染み出る。あるいはまた、貯蔵器18からの成分は、カバー14中の開口部15を通過することができ、成分の一部分は、上記のようにこれらの穿孔を通って皮膚の中に直接染み出しうるが、これらの成分の別個の部分は、接着剤層11に隣接する微小突起層側の中の通路を介して、微小突起および/またはマイクロニードル中の任意の孔を通って導かれ、皮膚の角質層を通って送達されうる。あるいはまた、接着剤層に隣接する微小突起層側が実質的に平滑であるならば、これらの通路は、パターンコーティング接着剤によって作り出されてもよい。適用および成分送達プロセスの間、第二貯蔵器は、これらの成分を収納している。
【0038】
(フォース・ゲージ指示器)
本発明の微小突起経皮送達装置のもう1つの実施形態は、装置50を含んでいる(図3)。装置50は、上記のような装置1と同一であるが、さらにフォース・ゲージ34も含んでいる。フォース・ゲージ34は、裏打ち層10またはシェル2中に構造的に組み込まれていてもよく、または別個の付属品であって、裏打ち層10がフォース・ゲージ34を受け入れるのに適合しているものであってもよい。フォース・ゲージ34は、指示器、例えば音響、視覚、またはほかの感覚指示器を含んでいる。
【0039】
微小突起経皮送達装置50の適用は、上記の適用プロセスと実質的に同様である。しかしながら、マイクロニードルおよび/または微小突起を被験体の皮膚において所望の深さまで押し下げるために、圧力がフォース・ゲージ34に加えられる。角質層中において微小突起および/またはマイクロニードルを押し下げるために適量の圧力を加えたとき、感覚指示器が活性化される(すなわち、色を変える、形を変える、音を出すなど)。このことは、この装置を適用している人に、微小突起および/またはマイクロニードルが患者の皮膚において適切に押し下げられたことを知らせる。
【0040】
フォース・ゲージ34は、あらゆる材料からなっていてもよい。これは、以前に開示された微小突起材料のすべて、プラスチック、ゴム、または上記のもののいずれかのあらゆる組合わせもしくは誘導体を包含するが、これらに限定されるわけではない。フォース・ゲージ34は、この形状が感覚指示器になりうるか、またはこれに連結されうるかぎり、あらゆる形状であってもよい。図解されたフォース・ゲージ34は、公知の予め決定された力を加えたときに圧潰するディンプルまたはドームの形態にある。フォース・ゲージ34は、圧潰するときに聞き取れるカチっという音を発生しうる。使用者によって加えられている力の大きさはまた、これが圧潰するときに急激に減少する。力の低下および/またはカチっという音は、使用者にフィードバックを与え、これによって適量の力が用いられたことを示している。
【0041】
(二次活性マトリックス)
さらにもう1つの実施形態において図4を参照すると、微小突起経皮送達装置100は、好ましい実施形態に記載された装置1と実質的に同じ要素を含んでいる(図2参照)が、さらに1つまたはそれ以上のマトリックス活性リング36も含んでいる。1つまたはそれ以上のマトリックス活性リング36は、接着剤層11と剥離ライナー12との間に配置されている。1つまたはそれ以上のマトリックス活性リング36は、あらゆる活性および/または非活性成分を含有しうる。これらは、即時作用活性成分、制御された、徐放性、もしくは長時間活性成分、あらゆる非活性成分、および/または装置1の貯蔵器18中に収納された成分と不適合な成分を包含するが、これらに限定されるわけではない。1つまたはそれ以上のマトリックス活性リング36は、あらゆる材料からなっていてもよい。これは、必要量だけ取り出される(be dispensed)ことになる成分を組み込んでいるゲルマトリックス、または活性成分を吸収し、これらを放出する吸収性材料を包含するが、これらに限定されるわけではない。これはまた、マトリックス中に必要量だけ取り出されることになる成分を組み込んでいる接着性マトリックスを含んでいてもよい。1つまたはそれ以上のマトリックス活性リング36の全体の厚さは、比較的薄い。
【0042】
場合により、微小突起層19もまた、この実施形態に含まれていてもよい。微小突起層19がこの実施形態において使用されるとき、1つまたはそれ以上の成分18は、貯蔵器16からカバー14中の開口部15を通って流れ、接着剤層11、および貯蔵器18からの1つまたはそれ以上の成分の少なくとも一部分は、通路で導かれて、接着剤層11と微小突起層19との間で側面方向に流れる。1つまたはそれ以上の成分はついで、マイクロニードル中の開口部を通って下方に流れ、皮膚の角質層を通ってその中に流れ込む。1つまたはそれ以上のマトリックス活性リング36および微小突起層19の両方が、この実施形態の装置において使用されるとき、1つまたはそれ以上のマトリックス活性リング36は、接着剤層11に隣接し、微小突起層19中の少なくとも1つの開口部から遠位にある。
【0043】
(微小突起リコイル層)
図6を参照すると、経皮送達装置は、リコイル装置、例えば圧縮性/弾性フォームの薄層60を含みうる。使用中、使用者は、マイクロニードル19bを皮膚の中に押し込むために、微小突起部材19へ力を加える。マイクロニードル19bが皮膚に入るにつれて、フォーム層60は圧縮され、したがって表面61は、ライン「A」によって示されているようにシフトする。使用者によって力が解放されたとき、フォーム60は、マイクロニードル19bを皮膚から引っ張り出す傾向がある力を発生させ、これによってリコイル装置を提供する。
【0044】
さらに図7を参照すると、弾性材料のリング65もまた、リコイル装置を提供するために使用されうる。図7に図解されているように、弾性リング65は、活性リング36と実質的に同じ形状および位置を有してもよい。弾性リング65は、接着剤24を介してバリヤー層22に接着されうる。あるいはまた(alternately)、弾性リング65は、活性リング36の外側の周りに同心的に伸びることもありうるであろう(図示されていない)。
【0045】
図6に示されている微小突起層19は、微小突起層19を通る貯蔵器18からの成分の流れを与えるために、貫通する複数の開口部19dを含んでいる。上で考察されたように、中空マイクロニードルを通る開口部もまた使用することができるであろう。
【0046】
(微小突起保護スペーサー)
図8に例証されているように、バンパーガード、例えばリング70が、ライナー12に接着されていてもよい。リング70は、実質的に非圧縮性の材料、例えば適切なポリマー材料からできており、出荷、貯蔵などの間、外側保護層32が衝突されるなどした場合、マイクロニードル19bへの損傷を防ぐ。使用中、リング70は、装置1の適用の直前にライナー12とともに除去される。バンパーガードは多様な形状を有しうるであろうことは容易に理解されるであろう。例えばバンパーガードは、浅いカップまたはキャップの形状を有しうるであろう。これは、リング70と一体的に形成され、マイクロニードル19bの上に伸びて、さらにマイクロニードル19bを保護する、比較的剛性の材料のシート(図示されていない)を含んでいる。
【0047】
(追加の別個の成分区画)
さらに図9を参照すると、貯蔵器18は、2つまたはそれ以上の異なる成分を保持する多重の別個区画18a、18bを含みうるであろう。貯蔵器区画18aおよび18bは、カバー14および裏打ち層10によって完全に密封されうることが理解されるであろう。これらの多重区画は、互いに適合しない異なる成分などのために使用されうる。
【0048】
添付図面を参照して本発明の特定の好ましい実施形態を記載したが、本発明は、これらの正確な実施形態に限定されるわけではないこと、および様々な変更および修正が、添付クレームによって規定されているような本発明の範囲または精神から逸脱することなく、当業者によって本発明において実施されうることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、好ましい実施形態の装置の上部平面図である。
【図2】図2は、好ましい実施形態の装置の原理サブアセンブリーの分解断面図である。
【図3】図3は、第二の好ましい実施形態の装置の原理サブアセンブリーの分解断面図である。
【図4】図4は、第三の好ましい実施形態の装置の原理サブアセンブリーの分解断面図である。
【図5】図5は、第四の好ましい実施形態の装置の原理サブアセンブリーの分解断面図である。
【図6】図6は、微小突起部材およびリコイル装置の部分断面図である。
【図7】図7は、本発明の別の局面によるリコイル装置を含んでいる装置の原理サブアセンブリーの分解断面図である。
【図8】図8は、本発明の別の局面によるバンパーガードを含んでいる装置の原理サブアセンブリーの分解断面図である。
【図9】図9は、本発明の別の局面による複数の離散チャンバを有する貯蔵器を含んでいる装置の原理サブアセンブリーの分解断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分送達装置であって、
成分収納貯蔵器;
該成分収納貯蔵器の上にある裏打ち層;
複数の微小突起を有する微小突起列;および
該裏打ち層および該微小突起列の上にある剥離ライナー
を含んでいる装置。
【請求項2】
前記裏打ち層が、約1/2ミル〜約5ミル厚さである、請求項1に記載の成分送達装置。
【請求項3】
前記剥離ライナーフィルムは、約1ミル〜約10ミル厚さである、請求項2に記載の成分送達装置。
【請求項4】
さらに、前記成分収納貯蔵層と前記裏打ち層フィルムとの間に配置されている接着剤層も含み、前記微小突起列が、該接着剤層によって該裏打ち層フィルムへ接着されている、請求項1に記載の成分送達装置。
【請求項5】
前記微小突起列は、微小突起がベース層から突出しているベース層から構成され、該ベース層は、約1ミル〜約10ミル厚さであり、前記微小突起は、長さが約20〜約500ミクロンである、請求項1に記載の成分送達装置。
【請求項6】
前記ベース層は、約2ミル〜約8ミル厚さであり、前記微小突起は、長さが約50〜約500ミクロンである、請求項5に記載の成分送達装置。
【請求項7】
前記ベース層は、約4ミル〜約6ミル厚さであり、前記微小突起は、長さが約100〜約250ミクロンである、請求項6に記載の成分送達装置。
【請求項8】
前記剥離ライナーフィルムは、外側保護層およびその上の少なくとも1つの接着剤層を含み、該接着剤層は、前記裏打ち層と該外側保護層との間の微小突起列の厚さに少なくとも一部合わせるために、該微小突起列とほぼ同一の広がりを有する被覆範囲(coverage)の中に隙間を含んでいる、請求項5に記載の成分送達装置。
【請求項9】
前記剥離ライナーフィルムはさらに、前記接着剤層に接着されたバリヤー層、および該バリヤー層上の剥離コーティング層を含み、該バリヤー層および該剥離コーティング層は、該接着剤層の被覆範囲中の隙間とサイズがほぼ対応する隙間を含んでいる、請求項8に記載の成分送達装置。
【請求項10】
前記裏打ち層およびカバー層は、これらの間にスペースを画定しており、前記貯蔵器は、該裏打ち層フィルムと該裏打ち層に付着されたカバー層との間にスペースを含み、該カバー層は、該貯蔵器の中に収納された成分が該貯蔵器から通ることができるように、少なくとも1つの開口部を覆っている、請求項1に記載の成分送達装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの開口部は、複数の微小孔を含んでいる、請求項10に記載の成分送達装置。
【請求項12】
前記微小突起列は、前記裏打ち層に付着されている、請求項1に記載の成分送達装置。
【請求項13】
微小突起経皮送達装置であって、
外辺部を画定している成分収納貯蔵器;
該成分収納貯蔵器の上にある裏打ち部材であって、該貯蔵器中に収納されている成分に対して実質的に不浸透性である材料からできている裏打ち部材;
該貯蔵器用のカバーであって、該貯蔵器中に収納されている成分に対して実質的に不浸透性である材料からできているが、外辺部を画定している少なくとも1つの開口部を有し、したがって貯蔵器から送達されることになる成分は該開口部を通って流れるが、該カバーができている材料を通っては容易に流れないカバー;
該貯蔵器の外辺部で該裏打ち部材へ該カバーを密閉する第一シールであって、該貯蔵器中に収納されているいずれの成分によっても浸透、崩壊、または分解を受けない第一シール;
該装置を患者の皮膚または粘膜に接着させるための、該裏打ち部材へ接着された接着剤層であって、該カバー中の開口部の外辺部まで伸びておらず、したがって該開口部の外辺部を取囲んでいる該カバーの一部分が暴露され、これによってカバーシール表面を画定している接着剤層;
該接着剤層に少なくとも一部接着された微小突起層であって、該貯蔵器から送達されることになる成分が該微小突起層中の開口部を通って流れるように、該カバー中の開口部と一般に整列された、これを貫通する少なくとも1つの開口部を含み、該微小突起層は、該装置が被験体の皮膚または粘膜に適用されたとき、皮膚または粘膜の少なくとも一部を突き刺す微小突起層;
第二シール;
該カバーのシール表面および該カバー中の開口部を覆っているライナーであって、該第二シールによって該カバーのシール表面へ剥離可能に密閉され、該第二シールが、該貯蔵器中のいずれの成分によっても浸透、崩壊、または分解を受けないライナーを含んでおり、
これによって、該貯蔵器中に収納された成分は、貯蔵および非使用の間、該第一および第二シールによってその中に密閉されるが、該ライナーが装置から除去され、該装置が皮膚または粘膜に適用されたとき、該微小突起層および該カバー中の開口部を通って自由に流れ、被験体の皮膚または粘膜の上に流れる装置。
【請求項14】
前記接着剤層は、前記カバーの少なくとも一部分の上にある、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ライナーは、前記装置用の剥離ライナーであり、該剥離ライナーは、前記微小突起層、前記接着剤層、前記シール表面、および前記カバーの開口部を覆っている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第一および第二シールは、それぞれ前記カバーと前記裏打ち部材との間、および前記ライナーと該カバーとの間にヒートシールを含んでいる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ライナーは、
外側保護層およびバリヤー層、およびその間にある接着剤コーティングであって、該バリヤー層が暴露表面上に剥離コーティングを有する暴露表面を有するもの
を含んでいる複合部材であり、
該バリヤー層は、開口部であって、該開口部および前記カバーのシール表面を暴露するのに十分なほど大きい開口部をその中に有し、これによって該外側保護層が、前記第二シールによって該カバーのシール表面へ直接密閉されている、
請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記微小突起層は、そこから突出した微小突起を有するベース層を含んでいる、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記微小突起層は、前記貯蔵器からの成分の流れを与えるために接着剤層に隣接した、ベース層中の通路付き表面を含んでいる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記接着剤層は、
第一接着剤コーティング、第二接着剤コーティング、およびその間にあるバリヤー層を含んでいる複合部材であり、
該バリヤー層は、開口部であって、該開口部および前記カバーのシール表面を暴露するのに十分なほど大きい開口部をその中に有し、これによって該外側保護層が、前記第二シールによって該カバーのシール表面へ直接密閉されている、
請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記微小突起層に隣接する前記第二接着剤コーティングは、パターンコーティングされた接着剤を含んでいる、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記ライナーの剥離コーティングは、前記接着剤層の第二接着剤コーティングの少なくとも一部分へ剥離可能に接着されている、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記貯蔵器に収納されている成分は、液体を含んでいる、請求項13に記載の装置。
【請求項24】
前記貯蔵器は、吸収性材料を含んでいる、請求項13に記載の装置。
【請求項25】
前記貯蔵器に収納されている成分は、ゲルを含んでいる、請求項13に記載の装置。
【請求項26】
前記カバーと前記貯蔵器との間に配置された速度制御膜を含んでいる、請求項13に記載の装置。
【請求項27】
前記カバーと前記接着剤層との間に配置された速度制御膜を含んでいる、請求項13に記載の装置。
【請求項28】
前記微小突起層は、前記貯蔵器からの成分の流れを与えるために前記接着剤層に隣接した、ベース層中の通路付き表面を含んでいる、請求項13に記載の装置。
【請求項29】
前記裏打ち部材は、前記成分収納貯蔵器の上にあり、該裏打ち部材は、フォース・ゲージを含んでおり、該フォース・ゲージは、前記微小突起層が患者の皮膚において所望の深さまでいつ浸透したかを表示する指示器を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記接着剤層が、前記カバーの少なくとも一部分の上にある、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記ライナーは、前記装置用の剥離ライナーであり、該剥離ライナーは、前記微小突起層、前記接着剤層、前記シール表面、および前記カバーの開口部を実質的に覆っている、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記第一および第二シールは、それぞれ前記カバーと前記裏打ち部材との間、および前記ライナーと該カバーとの間のヒートシールである、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記ライナーは、
外側保護層、および暴露表面を有するバリヤー層を含んでいる複合部材であり、該ライナーはさらに、該外側保護層と該バリヤー層との間の接着剤コーティング、および該バリヤー層の暴露表面上の剥離コーティングを含んでおり、
該バリヤー層は、開口部であって、該開口部および前記カバーのシール表面を暴露するのに十分なほど大きい開口部をその中に有し、これによって該外側保護層が、前記第二シールによって該カバーのシール表面へ直接密閉されている、
請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記接着剤層は、
第一接着剤コーティング、第二接着剤コーティング、およびこれらの間にあるバリヤー層を含んでいる複合部材であり、
該バリヤー層は、その第一接着剤コーティングおよびその第二接着剤コーティングを含んでおり、開口部であって、該開口部および前記カバーのシール表面を暴露するのに十分なほど大きい開口部をその中に有し、これによって該外側保護層が、前記第二シールによって該カバーのシール表面へ直接密閉されている、
請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記ライナーの剥離コーティングは、前記接着剤層の第二接着剤コーティングの少なくとも一部分へ剥離可能に接着されている、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
経皮送達装置であって、
成分を収納し、かつ外辺部を画定している貯蔵器;
該貯蔵器の上にある裏打ち部材であって、該貯蔵器の中に収納されている成分に対して実質的に不浸透性である材料からできている裏打ち部材;
該貯蔵器用のカバーであって、該貯蔵器中に収納されている成分に対して実質的に不浸透性である材料からできているが、外辺部を画定する少なくとも1つの開口部を有し、したがって該貯蔵器からの成分は該開口部を通って流れるが、該カバーができている材料を通っては容易に流れないカバー;
該貯蔵器の外辺部で該裏打ち部材へ該カバーを密閉する第一シールであって、該貯蔵器に収納されているいずれの成分によっても浸透、崩壊、または分解を受けない第一シール;
該装置を患者の皮膚または粘膜に接着させるための、該裏打ち部材に接着された接着剤層であって、該カバー中の開口部の外辺部まで伸びておらず、したがって該開口部の外辺部を取囲んでいるカバーの一部分が暴露され、これによってカバーシール表面を画定している接着剤層;
該接着剤層へ少なくとも一部接着された成分収納材料層であって、該開口部の外辺部まで伸びていない成分収納材料;
該カバーのシール表面、および該カバー中の開口部を覆っているライナー;
該カバーのシール表面へ該ライナーを剥離可能に密閉している第二シールであって、該貯蔵器中のいずれの成分によっても浸透、崩壊、または分解を受けない第二シール
を含み、
これによって、該貯蔵器中に収納された成分は、貯蔵および非使用の間、該第一および第二シール、該カバーおよび該ライナーによってその中に密閉されるが、該ライナーが該装置から除去され、該装置が被験体の皮膚または粘膜に適用されたとき、該開口部を通って自由に流れ、このような皮膚または粘膜の上に流れる装置。
【請求項37】
さらに、前記接着剤層へ少なくとも一部接着された微小突起層も含み、該微小突起層は、前記貯蔵器からの成分が前記開口部を通って流れることができるように、該カバー中の開口部と実質的に整列された、貫通する少なくとも1つの開口部を含み、該微小突起層は、該装置が患者の皮膚または粘膜に適用されたときに、該皮膚または粘膜の少なくとも一部を突き刺し、
前記成分収納材料層中の開口部は、該微小突起層が該成分収納材料層中の開口部の中に配置されるほど十分に大きい、
請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記ライナーは、前記装置用の剥離ライナーであり、該剥離ライナーは、前記微小突起層および前記接着剤層、ならびに前記シール表面、および前記カバーの開口部を覆っている、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記第一および第二シールは、それぞれ前記カバーと前記裏打ち部材との間、および前記ライナーと該カバーとの間にヒートシールを含んでいる、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記ライナーは、
外側保護層、およびこれらの間に接着剤コーティングを有するバリヤー層であって、該バリヤー層が暴露表面を画定し、該外側保護層がさらに、該バリヤー層の暴露表面上の剥離コーティングを含んでいるもの
を含んでいる複合部材であり、
該バリヤー層は、その接着剤コーティングおよびその剥離コーティングを含んでおり、開口部であって、該開口部および前記カバーのシール表面を暴露するのに十分なほど大きい開口部をその中に有し、これによって該外側保護層が、第二シールによって該カバーのシール表面へ直接密閉されている、
請求項36に記載の装置。
【請求項41】
前記ライナーの剥離コーティングは、前記接着剤層の第二接着剤コーティングへ剥離可能に接着されている、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
速度制御膜が、前記カバーと前記貯蔵器との間に配置されている、請求項37に記載の装置。
【請求項43】
速度制御膜が、前記カバーと前記接着剤層との間に配置されている、請求項37に記載の装置。
【請求項44】
微小突起経皮送達装置であって、
外辺部を画定している成分収納貯蔵器;
該貯蔵器の上にある裏打ち部材であって、該貯蔵器中に収納されている成分に対して実質的に不浸透性である材料からできている裏打ち部材;
該貯蔵器を覆っている膜であって、該装置によって適量だけ取り出されることになる成分によって浸透可能である膜;
該貯蔵器中に収納されることになるいずれの成分によっても浸透、崩壊、または分解を受けない第一シールによって、該貯蔵器の外辺部において該裏打ち部材へ該膜を密閉する第一シール;
該装置を患者の皮膚または粘膜に接着させるための、該裏打ち部材に接着された接着剤層であって、該膜の一部分が暴露されて表面を密閉する膜を画定するように、該膜の少なくとも一部分と整列された開口部をその中に含んでいる接着剤層;
該接着剤層へ少なくとも一部接着された微小突起層であって、該膜を通って該貯蔵器から送達されることになる成分が、該接着剤層中の開口部および該微小突起層中の開口部を通って流れることができるように、該接着剤層中の開口部と実質的に整列された、貫通する少なくとも1つの開口部を含み、該装置が被験体の皮膚または粘膜に適用されたとき、該皮膚または粘膜の少なくとも一部を突き刺す微小突起層;
貯蔵器中に収納されているいずれの成分によっても浸透、崩壊、または分解を受けない第二シール;
該膜のシール表面を覆っているライナーであって、第二シールによって該膜のシール表面へ剥離可能に密閉されているライナー
を含み、
貯蔵器中に収納された成分は、貯蔵および非使用の間、第一および第二シール、およびライナーによってその中に密閉されるが、ライナーが該装置から除去され、該装置が、被験体の皮膚または粘膜に適用されたとき、該膜および開口部を通って、このような皮膚または粘膜の上に自由に流れる装置。
【請求項45】
前記接着剤層は、少なくとも一部、膜の上に伸びている、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記裏打ち部材が、フォース・ゲージを含み、該フォース・ゲージは、前記微小突起層が患者の皮膚において所望の深さまでいつ浸透したかを表示する指示器を含んでいる、請求項44に記載の装置。
【請求項47】
前記フォース・ゲージは、前記裏打ち部材の盛り上がった区域を構成する、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
経皮送達装置であって、
成分収納貯蔵器;
該貯蔵器の上にある裏打ち部材であって、該貯蔵器中に収納されている成分に対して実質的に不浸透性である材料からできている裏打ち部材;
該貯蔵器中に収納されることになるいずれの成分によっても浸透、崩壊、または分解を受けない第一シール;
該貯蔵器を覆っている微孔質材料からできている膜であって、該第一シールによって該貯蔵器の外辺部において該裏打ち部材に密閉されている膜;
該装置を患者の皮膚または粘膜に接着させるための、該裏打ち部材に接着された接着剤層であって、該膜の一部分が暴露されて、表面を密閉している膜を画定するように、該膜の少なくとも一部分と整列された開口部をその中に含んでいる接着剤層;
該接着剤層に少なくとも一部接着された成分収納材料層であって、該接着剤層中の開口部と整列された開口部を含んでいる成分収納材料層;
該貯蔵器中に収納されているいずれの成分によっても浸透、崩壊、または分解を受けない第二シール;
該膜の該シール表面を覆っているライナーであって、該第二シールによって該膜のシール表面へ剥離可能に密閉されているライナー
を含み、
これによって、該貯蔵器中に収納された成分が、貯蔵および非使用の間、該第一および第二シール、および該ライナーによってその中に密閉されるが、該ライナーが該装置から除去され、該装置が、被験体の皮膚または粘膜に適用されたとき、該開口部を通って、このような皮膚または粘膜の上に自由に流れる装置。
【請求項49】
前記ライナーは、
外側保護層、およびこれらの間に接着剤コーティングを有するバリヤー層、および該バリヤー層の暴露表面上の剥離コーティング
を含んでいる複合部材であり、
該バリヤー層は、その接着剤コーティングおよびその剥離コーティングを含んでおり、開口部であって、該開口部および該カバーのシール表面を暴露するのに十分なほど大きい開口部をその中に有し、これによって該外側保護層が、第二シールによって該カバーのシール表面へ直接密閉されている、
請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記微小突起層は、少なくとも1つの微小突起を含んでおり、該微小突起層は、合成材料からなる、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記貯蔵器が、互いから密閉された第一および第二区画を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項52】
前記貯蔵器に加圧するために貯蔵器に操作可能に連結されたポンプを含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項53】
前記ポンプがシリンジを含んでいる、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記ポンプが、導管および取り外し可能な取付部品によって貯蔵器に連結されている、請求項52に記載の装置。
【請求項55】
前記ポンプが、前記貯蔵器に付着されたフィルム層を含んでいる再シール出入口を通って伸びている針によって該貯蔵器に連結されている、請求項52に記載の装置。
【請求項56】
微小突起を患者の皮膚から離して、そして皮膚から外すように引っ張るリコイル力を生じる傾向がある弾性部材を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項57】
前記弾性部材が、微小突起列の少なくとも一部分を横断して伸びているフォーム層を含んでいる、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記弾性部材がリング様形状を有し、前記微小突起列の外辺部の周りに伸びている、請求項56に記載の装置。
【請求項59】
前記微小突起列が、貫通する複数の開口部を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項60】
前記微小突起列に隣接したバンパー部材を含んでおり、該バンパー部材は、使用前に該微小突起を損傷から保護するのに十分な厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項61】
前記バンパー部材が、前記微小突起列の少なくとも一部分の周りに伸びている、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記バンパー部材は、リング様形状を有し、実質的に圧縮不能な材料でできている、請求項61に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−535346(P2007−535346A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505178(P2007−505178)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/009854
【国際公開番号】WO2005/094526
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(505316978)コリウム インターナショナル, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】