説明

経路データ生成装置、経路案内装置、経路データ生成方法、経路案内方法、およびコンピュータプログラム

【課題】経路を案内する際に、所定の広がりを有する領域への接近または進入に応じて、ユーザにその領域の情報を提供する。
【解決手段】(a)出発地から目的地に至る経路を決定する(S210)。(b)所定の共通の享受物を享受できる地点を含む特定領域の位置情報と、享受物の情報と、を対応づけて格納する領域データベースを参照して、経路の近傍の特定領域を決定する(S224,S226)。(c)経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内に使用される第1種の情報と、近傍領域内またはその近傍の経路上の地点において享受物に関する近傍領域の紹介を行うための第2種の情報と、を含む経路データを生成する(S236)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出発地から目的地に至る経路を案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、出発地から目的地に至る経路の近傍の販売店の情報を提供する技術が存在する。たとえば、ある従来技術においては、ナビゲーション装置の制御回路は、メッシュ情報のどこに案内経路が含まれるかを算出し、経路メッシュ情報とする。制御回路は、経路メッシュ情報を外部局へ送信する。
【0003】
外部局の制御部は、販売店情報を確認して、経路メッシュ情報に対応するメッシュの範囲に存在する販売店の識別情報とリンクされている販売店情報から特売品情報が格納されている販売店情報を検索する。そして、制御部は、販売店情報を制御回路へ送信する。制御回路は、案内経路と共に販売店情報を表示装置に表示する。
【0004】
【特許文献1】特開2005−241379号公報
【0005】
しかし、上記の技術は、経路とともに地図上に静的に販売店情報を表示するものに過ぎない。このため、経路を案内する際の画面表示が煩雑となる。また、経路を案内する際に、所定の広がりを有する領域への接近または進入に応じて、ユーザにその領域の情報を提供することはできない。このような問題は、物の販売や購入に関する情報の提供に限らず、経路を案内する際に所定の広がりを有する領域に関する情報を提供しようとする場合について、広く存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願に係る発明の少なくとも一部は、経路を案内する際に、所定の広がりを有する領域への接近または進入に応じて、ユーザにその領域の情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、その一態様において、目的地に至る経路のデータを生成する際に、以下のような処理を行う。その処理は、
(a)出発地から目的地に至る経路を決定する工程と、
(b)所定の共通の享受物を享受できる複数の地点を含む特定領域の位置に関する情報と、前記享受物に関する情報と、を対応づけて格納する領域データベースを参照して、近傍領域として、前記経路の近傍の所定の範囲と重複する特定領域を決定する工程と、
(c)前記経路の位置に関する情報を含み、前記経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内に使用される第1種の情報と、前記近傍領域の位置の情報と前記享受物に関する情報とを含み、前記経路上の地点であって前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲に含まれる地点において前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行うための第2種の情報と、を含む経路データを生成する工程と、を含む。
【0008】
このような態様とすれば、経路データに基づく経路案内において、経路データが有する第1の情報に基づいて経路に沿ってユーザを移動させることができ、さらに、近傍領域に接近したときまたは近傍領域に進入したときに、経路データが有する第2の情報に基づいて、近傍領域の紹介を行うことができる。すなわち、経路データに基づいて経路を案内する際に、所定の広がりを有する領域への接近または進入に応じて、ユーザにその領域の情報を提供することができる。
【0009】
なお、「享受物」は、ユーザが所有することができる有体物(たとえば、おみやげや、飲食店における飲食物など)だけではなく、ユーザが所有することができる有体物ではないもの、すなわち、ユーザが享受できるサービスやユーザが楽しむことができる景色など(紅葉を楽しむこと、桜をたのしむことなど)を含む。
【0010】
また、「経路の近傍の所定の範囲」は、あらかじめ定められた範囲であって、経路を含む所定の範囲とすることができる。なお、近傍領域を決定する際には、経路の近傍の所定の範囲と重複するすべての特定領域を近傍領域とする必要はない。すなわち、経路の近傍の所定の範囲と重複する特定領域の中から所定の基準に従って領域を選択して、近傍領域とすることができる。
【0011】
「近傍領域の近傍の所定の範囲」は、あらかじめ定められた範囲であって、近傍領域を含む所定の範囲とすることができる。「近傍領域の近傍の所定の範囲」は、たとえば、近傍領域の外縁から所定の距離以内の範囲とすることができる。
【0012】
前記第1種の情報は、さらに、
前記移動案内に際して前記ユーザに提供される情報と、
前記移動案内を行う前記経路上の第1種の地点を表す情報と、を含むことが好ましい。
前記第2種の情報は、さらに、
前記近傍領域の紹介を行う第2種の地点として、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の前記所定の範囲に含まれる前記地点を表す情報を含むことが好ましい。
前記工程(c)は、
(c1)前記経路の位置に関する情報に基づいて、前記第1種の地点を決定する工程と、
(c2)前記経路の位置に関する情報および前記近傍領域の位置の情報、ならびに前記第1種の地点の情報に基づいて、前記第2種の地点として、前記経路上の地点であって、前記第1種の地点を含む所定の範囲に含まれず、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の前記所定の範囲に含まれる地点を、決定する工程と、を含むことが好ましい。
【0013】
このような態様とすれば、移動案内を妨げることなく、経路案内において近傍領域の紹介を行うことができる。よって、ユーザは、経路案内に従って、目的地に向かって安全に移動しつつ、近傍領域の紹介を受けることができる。
【0014】
なお、本明細書において「経路案内」とは、目的地に至るまでの案内全体を意味する。そして、「移動案内」とは、経路に沿って移動させるために行われる案内を意味する。「移動案内」の例としては、たとえば、個々の交差点や分岐における進行方向の提示などがある。
【0015】
前記工程(c1)は、複数の前記第1種の地点を決定する工程とすることができる。
前記工程(c2)は、
前記経路上において隣接する二つの前記第1種の地点の間の区間であって、前記経路上の前記区間の距離が所定値よりも短い区間内には、前記第2種の地点を決定せず、
前記経路上において隣接する二つの前記第1種の地点の間の区間であって、前記経路上の前記区間の距離が所定値よりも長い区間内に、前記第2種の地点を決定する工程を含むことが好ましい。
【0016】
このような態様とすれば、経路データに基づいて経路案内を行う際に、移動案内と近傍領域の紹介が立て続けに、または重複して起こることを防止できる。このため、経路案内を受けるユーザを混乱させる可能性が低い。
【0017】
なお、目的地に至る経路を案内する際には、以下のような処理を実行することが好ましい。その処理は、目的地に至る経路を案内する方法であって、
(d)上述の工程(a)〜(c)により前記経路データを生成する工程と、
(e)前記経路データに基づいて、前記目的地まで移動するための案内を行う工程と、を含み、
前記工程(e)は、
(e1)前記第1種の情報に基づいて、前記経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内を行う工程と、
(e2)前記第2種の情報に基づいて、前記経路上の地点であって前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲に含まれる前記地点において前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行う工程と、を含む。
【0018】
このような態様としても、経路データに基づいて経路を案内する際に、所定の広がりを有する領域への接近または進入に応じて、ユーザにその領域の情報を提供することができる。
【0019】
なお、前記工程(e1)は、
現在位置が前記経路上の第1種の地点にあるときに、前記第1種の情報に基づいて、前記移動案内を行う工程を含み、
前記工程(e2)は、
現在位置が、前記経路上の地点であって、前記第1種の地点を含む所定の範囲に含まれず、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲に含まれる地点にあるときに、前記第2種の情報に基づいて、前記近傍領域の案内を行う工程を含むことが好ましい。
【0020】
このような態様とすれば、経路案内において、移動案内を妨げることなく、近傍領域の紹介を行うことができる。よって、ユーザは、経路案内に従って、目的地に向かって安全に移動しつつ、近傍領域の紹介を受けることができる。
【0021】
また、前記工程(e2)は、
前記工程(e1)において前記移動案内が行われた時刻から第1の所定時間以上後であって、次に前記工程(e1)において前記移動案内が行われる予定の時刻よりも第2の所定時間以上前の時刻において、前記近傍領域の案内を行う工程であることが好ましい。
【0022】
このような態様とすれば、経路データに基づいて経路を案内する際に、移動案内と近傍領域の紹介が立て続けに、または重複して起こることを防止できる。このため、経路案内を受けるユーザを混乱させる可能性が低い。
【0023】
なお、前記目的地まで移動するための案内を行う際には、
前記享受物に関する所定の表示を行うことによって、前記近傍領域の紹介を行い、
前記表示を行った後、所定時間後に所定の条件下で自動的に前記表示を消すことが好ましい。
【0024】
このような態様とすれば、近傍領域の紹介の表示は、経路案内において表示され続けるのではなく、所定時間の間のみ行われる。このため、近傍領域の紹介の表示のために経路案内の表示が目に付きにくくなってしまうことがない。
【0025】
前記目的地まで移動するための案内を行っている時に、前記複数の地点のうちの一つを指定する入力を受け取り、
前記指定された地点を経由して前記目的地に至る経路を決定し、
前記指定された地点を経由する前記経路に基づいて、前記経路データを生成し、
前記経路データに基づいて、前記指定された地点を経由して前記目的地まで移動するための案内を行うことが好ましい。
【0026】
このような態様とすれば、ユーザは、経路案内に従って目的地に向かって移動している際に、容易に寄り道をすることができる。
【0027】
なお、前記領域データベースが、前記経路において利用される移動手段と対応づけて前記特定領域の位置に関する情報を格納している場合には、以下のような態様とすることが好ましい。
前記工程(a)は、異なる移動手段で移動すべき複数の区間を含む経路を決定する工程を含む。
前記工程(b)は、前記領域データベースを参照して、前記各区間において前記近傍領域を前記区間の移動手段に応じて決定する工程を含む。
【0028】
このような態様とすれば、経路案内において、移動手段に応じて近傍領域を紹介することで、ユーザの利便性を高めることができる。
【0029】
前記工程(a)は、あらかじめ定められた駅で停止する交通機関を利用して移動すべき区間を含む経路を決定する工程を含み、
前記工程(b)は、
前記経路のうち前記交通機関の区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記駅近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記交通機関の区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記駅近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する工程を含むことが好ましい。
【0030】
あらかじめ定められた駅で停止する交通機関(たとえば、列車、バス、連絡船、航空機など)を利用して移動すべき区間においては、停止する駅の近傍以外については、特定領域を紹介されてもユーザは寄り道をすることができない。上記のような態様とすれば、そのような不要な特定領域の紹介が行われないため、経路の案内をより分かりやすくすることができる。
【0031】
なお、前記工程(b)は、
前記経路のうち前記交通機関の区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記経路において前記交通機関に乗るべき駅近傍の所定の範囲、または前記経路において前記交通機関を降りるべき駅近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記交通機関の区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記経路において前記交通機関に乗るべき前記駅近傍の所定の範囲、または前記経路において前記交通機関を降りるべき前記駅近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する工程を含むことが好ましい。
【0032】
多くの場合、ユーザは、交通機関に乗るべき駅および降りるべき駅以外については、寄り道をしない。上記のような態様とすれば、そのようなユーザに望まれない特定領域の紹介が行われないため、経路の案内をより分かりやすくすることができる。
【0033】
前記工程(a)は、高速道路を利用して移動すべき区間を含む経路を決定する工程を含み、
前記工程(b)は、
前記経路のうち前記高速道路の区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記高速道路のインターチェンジ近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記高速道路の区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記高速道路の前記インターチェンジ近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する工程を含むことが好ましい。
【0034】
高速道路を利用して移動すべき区間においては、インターチェンジの近傍以外については、特定領域を紹介されてもユーザは寄り道をすることができない。上記のような態様とすれば、そのような不要な特定領域の紹介が行われないため、経路の案内をより分かりやすくすることができる。
【0035】
前記工程(b)は、
前記経路のうち前記高速道路の区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記経路において前記高速道路に乗るべきインターチェンジ近傍の所定の範囲、または前記経路において前記高速道路を降りるべきインターチェンジ近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記高速道路の区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記経路において前記高速道路に乗るべき前記インターチェンジ近傍の所定の範囲、または前記経路において前記高速道路を降りるべき前記インターチェンジ近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する工程を含むことが好ましい。
【0036】
多くの場合、ユーザは、高速道路に乗っている間は、特定領域を紹介されても寄り道をしない。上記のような態様とすれば、そのようなユーザに望まれない特定領域の紹介が行われないため、経路の案内をより分かりやすくすることができる。
【0037】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、経路探索装置および経路探索方法、経路データ生成装置および経路データ生成方法、経路案内装置および経路案内方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である経路探索システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の経路探索システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、領域情報サーバ180と、携帯電話200と、を含む。
【0039】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0040】
GPSユニット201は、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0041】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0042】
通信部205は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。
【0043】
時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0044】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU、RAM、ROMを備えている。たとえば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア212を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、現在位置から目的地までの経路を表す経路データを入手して、その経路を表示パネル202に表示することができる。なお、経路データを入手する主制御部210の機能部を、図1において経路準備ユニット231として示す。また、経路データに基づいて表示パネル202に経路を表示し、ルートガイドを行う主制御部210の機能部を、図1において経路案内ユニット232として示す。
【0045】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。通信部102は、インターネットINTを介して地図サーバ150、領域情報サーバ180および携帯電話200と通信を行うことができる。
【0046】
記憶部106は、経路探索のための経路ネットワークデータを格納している。記憶部106は、さらに、地図サーバ150、領域情報サーバ180、および携帯電話200から受け取ったデータ、およびそれらに基づいて生成されたデータを格納する。
【0047】
経路ネットワークデータは、ノード情報と、交差点および駅の属性情報と、アーク情報とを含む。
【0048】
ノード情報は、交差点や、道路上で車線数が変わる地点、有料道路への進入路が分岐している場所、カーブの開始点および終了点、路線の駅などの地点を表すデータである。
【0049】
交差点の属性情報は、ユーザがその交差点に進入するときに、そのユーザの携帯電話200の表示パネル202に表示すべき情報、たとえば、交差点で交わる各道路がどこに向かっているかを示す情報である。
【0050】
駅の属性情報は、その駅に列車の路線のうち何線が乗り入れているかを表す乗り入れ路線情報を含む。また、駅の属性情報は、その駅における各ホーム間の乗り換えに要する時間の情報も含んでいる。
【0051】
アーク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるアークに関する情報である。各アークには固有のIDが割り当てられている。各アーク情報は、それぞれのアークに含まれる多数の地点の緯度および経度のデータを含んでいる。すなわち、ルートを設定することができる道路や路線区間は、それらの地点の点列として表すことができる。各アーク情報は、それらのIDおよび点列の情報に加えて、さらに、それぞれのアークが有料道路であるか否かに関する情報や、車線数の情報を含んでいる。
【0052】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106に格納されている経路ネットワークデータを参照しつつ、出発地および目的地、ならびに経由地その他の探索条件の情報に基づいて、ルートを探索する。そして、制御部104は、出発地点から目的地に至る経路を表す経路データを生成し、携帯電話200に送信する。経路データは、ノード情報、アーク情報、交差点や駅の属性情報などを含む。
【0053】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。通信部152は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100や携帯電話200と通信を行うことができる。
【0054】
地図データベース156は、携帯電話200に送信するための画像データとしての地図画像データを格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて携帯電話200が要求する一部の領域の地図を表す地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
【0055】
領域情報サーバ180は、通信部182と、制御部184と、領域データベース186とを有している。通信部182は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100と通信を行うことができる。
【0056】
領域データベース186は、領域情報のデータを有している。領域情報は、(i)地理上の特定領域の場所を表す情報と、(ii)その特定領域の特徴を表す情報と、を含む。
【0057】
図2は、経路と特定領域との関係を表す図である。領域データベース186が有するデータにおいては、図2に示すように、日本の地理上の全領域が所定の大きさの長方形の区画に区切られている。各区画は、たとえば、基準となる区画から数えて東西南北のいずれかの向きに何番目の区画であるか、によって特定することができる。以下、「北に○番目、東に△番目」等の情報を「番地」と呼ぶ。また、区画は、たとえば、長方形の対角線を張る2点の緯度および経度で特定することができる。
【0058】
なお、図2に示す地図上の範囲は、携帯電話200の表示パネル202に表示される範囲と一致するものではない。携帯電話200の表示パネル202に表示される範囲は、たとえば、図2に示す範囲の一部の範囲SD1である。参考のために、ルートガイドの際に表示される現在位置を示すアイコンをPPとして示す。ルートガイドの際には、範囲SD1に示すように、特定領域が表示パネル202に表示される。
【0059】
領域データベース186が有する領域情報のデータにおいては、特定領域の場所の情報を、その特定領域を構成する区画の番地の集合として保持する。また、領域データベース186が有する領域情報のデータは、特定領域の場所の情報を、その特定領域を構成する区画を表す2点の緯度および経度の集合としても保持する。図2の例においては、ハッチが付されている領域A1〜A3が特定領域である。
【0060】
一方、特定領域の特徴を表す情報は、たとえば、おいしいラーメン屋が多い地域である旨の情報や、居酒屋が多い地域である旨の情報、紅葉が美しい地域である旨の情報、桜が美しい地域である旨の情報、などとすることができる。図2の例では、おいしいラーメン屋が多い特定領域A1〜A3を示す。「特定領域の特徴を表す情報」は、特定領域においてユーザが享受できるもの(ラーメン屋、居酒屋、紅葉、桜など)の情報である。
【0061】
なお、互いに異なる享受物を享受できる特定領域は、互いに重複する領域である場合がある。たとえば、おいしいラーメン屋が多い特定領域と、居酒屋が多い特定領域は、一部が重複することがある。
【0062】
領域データベース186は、さらに、特定領域に含まれる個々の地点に関する情報も含む。たとえば、おいしいラーメン屋が多い特定領域については、個々のラーメン屋の位置の情報(緯度および経度)と、そのラーメン屋の評価の情報とを有している。美しい紅葉が見られる特定領域については、たとえば、美しいモミジの木がある地点の情報(緯度および経度)や、駐車場の位置の情報(緯度および経度)を含むことができる。これらの情報は、ブログ(Weblog)から収集した住所の情報および評価の記事に基づいて生成することができる。
【0063】
特定領域の特徴を表す情報は、時間の情報を含む場合がある。たとえば、紅葉が美しい地域である旨の情報は、紅葉が美しい時期の情報とともに、特定領域の特徴を表す情報として領域データベース186に格納される。すなわち、その特徴が発揮される時間が限られる場合には、特定領域の特徴を表す情報は、その特徴が発揮される時間の情報を含む。
【0064】
制御部184は、経路探索サーバ100から受け取った経路を表す位置データに基づいて、その経路の近傍にある特定領域を決定する。そして、その特定領域の位置の情報および特徴を表す情報を含むデータを作成し、通信部182を介して経路探索サーバ100に送信する。
【0065】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照しつつ、地図サーバ150、領域情報サーバ180、および携帯電話200から受け取った各データに基づいて、出発地点から目的地に至る経路を表す経路データを生成する。生成された経路データは、携帯電話200に送信され、携帯電話200において経路の案内または表示のために使用される。
【0066】
経路データには、経路を表すノード情報およびアーク情報などの経路情報のほか、交差点で曲がるべき方向を示すなどの移動案内に使用されるデータが含まれる。それら経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内に使用される情報を「第1種の情報」と呼ぶことがある。また、経路データには、経路の近傍にある特定領域の位置の情報および特徴を表す情報を含むデータが含まれる。それら特定領域の享受物に関して特定領域の紹介を行うための情報を「第2種の情報」と呼ぶことがある。
【0067】
A2.経路データの生成:
図3は、経路探索を行う際の携帯電話200、経路探索サーバ100、領域情報サーバ180の情報のやりとりを示すチャートである。
【0068】
ステップS110において、ユーザからルート検索の指示を受け取ると、携帯電話200の主制御部210は、出発地および目的地の情報、ならびに経由地やユーザが経路を移動する日の日付、高速道路の利用の有無を指定する情報などの探索条件の情報を、経路探索サーバ100に送信する。
【0069】
ステップS210では、経路探索サーバ100の制御部104が、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照しつつ、出発地および目的地の情報、探索条件の情報などに基づいて、経路を探索する。
【0070】
ステップS220では、経路探索サーバ100は、決定された経路の各地点の位置の情報(ノード情報およびアーク情報)を領域情報サーバ180に送信して、経路の近傍の特定領域の情報を問い合わせる。
【0071】
ステップS310では、領域情報サーバ180は、領域データベース186を参照して、経路探索サーバ100から受け取った経路の位置の情報に基づいて、経路の近傍の特定領域を決定する。そして、それらの特定領域の情報は経路探索サーバ100に送信される。
【0072】
より具体的には、経路を中心に所定の距離だけの幅を有する領域と少なくとも一部が重なる特定領域は、ステップS310において原則として選択される。たとえば、図2の例において、ステップS210で決定された経路をR0とする。ステップS310では、経路R0がその中を通過する特定領域A1,A3のほか、経路R0を中心に両側に所定の距離(たとえば500m)だけの幅を有する領域R0eと一部が重なる特定領域A2も、選択される。なお、経路を中心に両側に所定の距離だけの幅を有する領域は、経路上の任意の点から所定の距離以内にある範囲である。
【0073】
なお、経路を移動する際の日付として経路探索サーバ100から受け取った日付が、ある特定領域の特徴が発揮される時間外である場合には、領域情報サーバ180は、その特定領域が経路の近傍にあるものであっても、ステップS310においてその特定領域を選択しない。
【0074】
経路探索サーバ100は、領域情報サーバ180から特定領域のデータを受信すると、ステップS230で、ステップS210で決定した経路の情報、および経路の近傍の特定領域の情報に基づいて、経路データを生成する。生成された経路データは、出発地、目的地、探索条件などの情報とともに、経路探索サーバ100の記憶部106内に格納される。
【0075】
経路データは、経路に含まれる地点のノード情報およびアーク情報と、交差点および駅の属性情報と、を含む。アーク情報は、さらに、緯度および経度の点列の情報を含む。また、経路データは、上述の移動案内のための情報や、経路近傍の特定領域の情報を含む。なお、ノード情報とアーク情報とをまとめて「経路情報」と呼ぶことがある。また、特定領域の情報については、後に詳細に説明する。
【0076】
ステップS230で経路探索サーバ100によって生成された経路データは、ステップS240で、経路探索サーバ100から携帯電話200に送信される。携帯電話200は、その経路データを受信する。出発地、目的地、探索条件などの情報を、経路探索サーバ100に送信し、経路探索サーバ100から経路データを受け取る主制御部210の機能部は、経路準備ユニット231である(図1参照)。
【0077】
その後、コマンド入力部206を介してルートガイドを開始する旨の指示が入力されると、携帯電話200の主制御部210は、ステップS120で、ルートガイドを実行する。ルートガイドは、経路探索サーバ100から受信した経路データに基づいて行われる。また、携帯電話200の主制御部210は、別途、地図サーバ150から取得した地図画像データに基づいて、表示パネル202上に経路とともに現在位置の周辺の地図を表示する。
【0078】
なお、地図サーバ150から地図画像データを入手する主制御部210の機能部を、図1において地図情報準備ユニット233として示す。また、経路データに基づいてルートガイドを行う主制御部210の機能部は、経路案内ユニット232である(図1参照)。
【0079】
なお、本明細書においては、ルートガイドを「経路案内」ということがある。これに対して、たとえば、個々の交差点の曲がり方を指示したり、分岐の際の進行方向を指示したりする処理を、「移動案内」と呼ぶ。
【0080】
図4は、経路探索サーバ100における処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS210で、経路探索サーバ100の制御部104は、出発地から目的地に至る経路を探索する。なお、図4において図3と同じ符号で示すステップは、図3と同じステップを表す。
【0081】
図5は、道路の分岐における進行方向を案内するためにルートガイドにおいて携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像の一例である。経路探索サーバ100の制御部104は、ステップS210で経路を探索する際に、経路に沿って移動するための案内(以下、「移動案内」という)に使用されるデータを生成する。経路に沿って移動するための案内に使用されるデータとしては、たとえば、交差点における曲がり方を案内するための画像のデータや、図5に示すような、道路の分岐における進行方向を案内するための画像GD1のデータがある。
【0082】
そして、ステップS210では、経路探索サーバ100の制御部104は、そのような案内を経路上のどの地点で行うかも決定する。経路に沿って移動するための案内を行う地点を「案内地点」と呼ぶ。案内地点は、経路のノード情報およびアーク情報に基づいて決定される。たとえば、案内地点は、経路上の地点であって、交差点や分岐から所定の距離だけ手前の地点である。
【0083】
移動案内に使用される画像データや音声データ等、案内地点の位置を表すデータは、経路データを生成する際に経路データに含まれる。ステップS210の処理を行う制御部104の機能部を、経路決定部111として示す。
【0084】
以下で説明する図4のステップS224,S226は、図3のステップS220の処理内容を詳細に説明したものである。
【0085】
図4のステップS224では、経路探索サーバ100の制御部104は、領域情報サーバ180に対して特定領域を問い合わせる(図3参照)。そして、経路探索サーバ100の制御部104は、領域情報サーバ180から特定領域の情報を受信する。
【0086】
ステップS226では、経路探索サーバ100の制御部104は、領域情報サーバ180から受け取った特定領域の中から所定の条件にしたがって特定領域を選択する。たとえば、経路のうち、高速道路を使用する区間の近傍の特定領域を原則として排除し、それ以外の特定領域を選択する。高速道路を使用する区間の任意の地点から所定の距離(たとえば500m)までの範囲と、ある特定領域の少なくとも一部とが重複する場合は、その特定領域は高速道路を使用する区間の近傍にあるものとする。なお、ステップS226において、特定領域が高速道路の近傍にあるか否かの基準となる所定の距離は、図3のステップS310において、特定領域が経路の近傍にあるか否かの基準となる所定の距離と同じか、より短い。
【0087】
ステップS226では、上述のように、高速道路を使用する区間の近傍の特定領域を原則として排除される。ただし、経路において高速道路に乗るインターチェンジ、および高速道路から降りるインターチェンジの近傍の範囲(たとえばそのインターチェンジを中心に半径500mの円内)と重なる特定領域は、ステップS226において選択される。図2において経路において高速道路に乗るインターチェンジi1の近傍の範囲をRi1で示す。経路において高速道路から降りるインターチェンジi2の近傍の範囲をRi2で示す。
【0088】
図2においては、経路R0が、図3および図4のステップS210で探索した経路である。経路R0においては、インターチェンジi1からインターチェンジi2までの区間は、高速道路を利用する区間である。このため、特定領域A3は、ステップS226において選択されない。一方、特定領域A2は、高速道路を利用する区間の近傍の特定領域であるが、経路において高速道路を降りるインターチェンジi2近傍の範囲Ri2と重なる特定領域である。このため、特定領域A2は、ステップS226において選択される。
【0089】
このような態様とすることで、高速道路上にいるために寄り道をすることができない特定領域、または寄り道をする可能性が低い特定領域については、ルートガイドの際に紹介しないようにすることができる。このため、ユーザは、ルートガイドの際に、不要な特定領域の紹介によって煩わされることがない。
【0090】
以下で説明した図4のステップS224,S226は、図3のステップS220の処理に相当する。なお、経路の近傍の特定領域を決定する領域情報サーバ180の制御部184の機能部を、図1において領域決定部188として示す。また、ステップS224,S226の処理を行って、経路近傍の特定領域の中から所定の条件を満たす特定領域を決定する経路探索サーバ100の制御部104の機能部を、図1において領域決定部112として示す。これら領域決定部112および領域決定部188によって、経路データに情報が組み込まれる特定領域が決定される。
【0091】
図6は、ルートガイド中にユーザに特定領域を紹介するために携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像ID1を示す図である。ステップS226で選択された特定領域は、ルートガイドの最中に、たとえば図6のような表示を使用してユーザに紹介される。ユーザに特定領域を紹介するための画像ID1は、特定領域の享受物に関する表示DM1と、その特定領域の享受物をユーザが享受できる個々の場所を提示させるためのボタンB01を含む。以下では、特定領域の紹介を「領域紹介」と呼ぶ。
【0092】
以下で説明する図4のステップS234,S236は、図3のステップS230の処理内容を詳細に説明したものである。
【0093】
図4のステップS234では、ステップS226で選択された各特定領域について、ユーザに領域紹介を行う地点(以下「紹介地点」という)を、経路上において決定する。
紹介地点は、経路上の地点であって選択された特定領域内またはその特定領域の近傍の所定の範囲に含まれる地点である。そして、紹介地点は、図5のような移動案内を行う案内地点を含む所定の範囲を避けて決定される。
【0094】
図7は、経路に沿って移動するための移動案内(図5参照)を行う地点pg1と、特定領域の領域紹介(図6参照)を行う地点p11,p11mと、の関係を示す図である。図7において、図2と同じ符号で示す要素は、図2の要素と同じ要素を示す。
【0095】
ステップS234では、まず、経路が特定領域に進入する地点が特定される。図2および図7において、経路R0は左下から右上に向かう経路である。よって、経路R0が特定領域A1に進入する地点は、地点p10である。
【0096】
そして、経路が特定領域に進入する地点から経路に沿って所定の距離(たとえば500m)だけ手前の地点が紹介地点の候補として決定される。この地点は、特定領域の外縁から直線距離で所定の距離の範囲の内側に含まれる。図7において、その候補地点はp11である。
【0097】
そして、候補地点が、移動案内(図5参照)を行う案内地点を含む所定の範囲(たとえば、案内地点の前後300mづつの範囲。以下「禁止範囲」という)内にあるか否かが判定される。候補地点が禁止範囲内にないときには、候補地点が、紹介地点として決定される。
【0098】
経路が拡張領域に進入する地点が禁止範囲内にあるときは、その地点から所定の距離(たとえば、800m)だけ下流の地点を候補値点として、同様の検討がなされる。そのような処理を繰り返して、禁止範囲内にない候補地点が紹介地点として決定される。ただし、候補地点がその特定領域外となった場合には、紹介地点は決定されない。その結果、ルートガイドにおいて、その特定領域の紹介は行われない。
【0099】
図7の例において、経路R0は交差点pc1を直進する経路である。このため、探索された経路R0と道路R1の交差点pc1が通常の交差点である場合には、ルートガイドにおいて交差点pc1に関する移動案内は行われない。よって、地点p11は禁止範囲内にはなく、地点p11が特定領域A1の紹介地点として決定される。
【0100】
一方、経路R0と道路R1の交差点pc1が、たとえば立体交差であり、交差点pc1の手前にその立体交差のための分岐がある場合には、移動案内が行われる(図5参照)。図4のステップS210では、交差点pc1から所定の距離(たとえば、500m)だけ手前の地点pg1を、その案内地点に決定したものとする。
【0101】
図7の例では、地点pg1を含む禁止範囲Rg1内に、候補地点p11が位置する。このため、候補地点p11から800m下流の地点p11mが新たに候補値点とされ、禁止範囲に含まれるか否かについて検討が行われる。地点p11mは禁止範囲内に位置しないため、地点p11mが紹介地点とされる。なお、図7において、交差点pc2に関する移動案内を行う案内地点をpg2で示す。案内地点pg2を中心とする禁止範囲をRg2で示す。
【0102】
このような態様とすることで、ルートガイドにおいて、領域紹介が移動案内を妨げる事態を防ぐことができる。よって、ユーザは、ルートガイドにしたがって(図3のステップS120参照)、安全に経路上を目的地に向かって進むことができ、また、経路の近傍の領域について、領域紹介を受けることができる。
【0103】
図4のステップS236では、移動案内に使用されるデータ(図5参照)や、領域紹介に使用されるデータ(図6参照)、そして案内地点(図7の地点pg1参照)の位置を表すデータや、紹介地点(図7の地点p11m参照)の位置を表すデータを含む経路データが生成される。なお、移動案内に使用されるデータと、領域紹介に使用されるデータとは、それぞれ画像データ(動画データを含む)およびテキストデータ(図5、図6参照)、ならびに音声データなどを含むことができる。
【0104】
以上で説明した図4のステップS234,S236が、図3のステップS230に相当する。なお、ステップS234,S236の処理を行って、経路データを生成する経路探索サーバ100の制御部104の機能部を、図1において経路データ生成部113として示す。
【0105】
ステップS240で、経路探索サーバ100は、携帯電話200に経路データを送信する。
【0106】
その後、図3のステップS120で行われるルートガイドにおいては、現在位置が案内地点に達すると、移動案内が行われる(図5参照)。また、現在位置が紹介地点に達すると特定領域の享受物に関する表示DM1(図6参照)が行われ、同時に音声による案内がおこなわれて、領域紹介が実行される。
【0107】
このような態様とすれば、ユーザは、ルートガイドの際に、経路の近傍にある特定領域の紹介を受けて、寄り道を検討することができる。
【0108】
なお、特定領域の享受物に関する表示DM1(図6参照)が行われた後、所定時間の間にユーザからの指示が携帯電話200に入力されない場合には、特定領域の享受物に関する表示DM1は表示されなくなる。このため、有用な特定領域の紹介をユーザに行うことができ、しかも、経路上の通常の移動の際には移動案内が妨げられることがない。
【0109】
図8は、地点検索の結果を示す画像である。ルートガイドの際の特定領域の紹介を受けて、寄り道をする場合には、ユーザは、領域紹介の表示ID1中のボタンB01(図6参照)をクリックする。すると、その特定領域の享受物をユーザが享受できる場所のリストが提示される。ここでは、特定領域は「おいしいラーメン屋が多い領域」であるので、その特定領域の享受物をユーザが享受できる場所のリストとして、図8に示すように、ラーメン屋のリストが提示される。その特定領域が紅葉が美しい特定領域であれば、美しいモミジの木がある地点や、駐車場の地点のリストが提示される。
【0110】
なお、携帯電話200は、主制御部210のRAM内に格納された経路データに基づいて、上記のようなリストの表示を行ってもよいし、経路探索サーバ100に要求して入手したデータに基づいてそのようなリストの表示を行ってもよい。ユーザに対して情報の入力を促す画面を表示する主制御部210の機能部を、図1において要求ユニット234として示す。そして、ユーザからの情報の入力を受ける機能を奏する主制御部210の機能部を、図1において入力ユニット235として示す。
【0111】
その後、ユーザは、リスト中から個々の要素を選択して、詳細な情報を入手する。具体的には、携帯電話200のコマンド入力部206を操作して、図8のリストのうちの一つを選択しクリックすると、個々のラーメン店の紹介が表示される。そして、その画面において表示される「再探索」ボタン(図示せず)をクリックすることで、その地点(ラーメン店)を経由して目的地に至るルートを検索する旨の指示が携帯電話200に入力される。
【0112】
その後、ユーザが指定した地点(ラーメン店)を経由して目的地に至るルートを検索する旨の指示が、携帯電話200から経路探索サーバ100に送信される。その後の経路データの生成の処理は、図3および図4で説明したとおりである。
【0113】
このような態様とすることで、ユーザは、目的地に向かう道程において、容易に経路を変更して寄り道をすることができる。また、寄り道がまず領域として案内されるため(図2および図6参照)、寄り道の候補の近傍を通過してしまう可能性が低く、通過した領域を引き返すことなく寄り道をすることができる可能性が高い。
【0114】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0115】
B1.変形例1:
地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0116】
B2.変形例2:
上記実施例では、日本の地理上の全領域が所定の大きさの長方形の区画に区切られ、その区画の組み合わせで特定領域が定められている。しかし、特定領域は、地理上において一部の領域を任意の形状で特定したものとすることもできる。
【0117】
B3.変形例3:
上記実施例では、ユーザに領域紹介を行う紹介地点は、経路に沿って移動するための案内を行う案内地点を含む所定の範囲を避けて決定される(図7参照)。しかし、ユーザに領域紹介を行う紹介地点は、他の態様で決定されることもできる。
【0118】
(1)たとえば、経路探索サーバ100の制御部104は、まず、経路のうちで、隣接する案内地点(図7の例では、案内地点pg1,pg2)の間の区間であって、少なくとも一部が特定領域内に含まれる区間を検索する。さらに、制御部104は、そのような区間のうちで、隣接する案内地点の間の距離が、所定値(たとえば、800m)以上である区間を決定する。制御部104は、その区間内であって、経路がその特定領域に進入する地点(図7の例では、地点p10)の近傍の所定の地点を紹介地点とする。
【0119】
具体的には、制御部104は、経路がその特定領域に進入する地点から所定の距離だけ手前の経路上の地点を、最初の候補地点とする。すなわち、最初の候補値点は、その特定領域の近傍の所定範囲内に存在する。その候補値点が、案内地点を含む禁止範囲にない場合には、その候補値点を紹介地点とする。候補値点が、禁止範囲にある場合には、経路上の候補値点より下流の地点を紹介地点とする。この処理の内容は、第1実施例において紹介地点を決定する処理と同じとすることができる。
【0120】
このような態様とすれば、案内地点同士の間隔があいており、しばらく移動案内が行われない区間において、領域紹介が行われることになる。よって、ユーザは、領域紹介に気を取られて移動案内にしたがった移動に失敗する可能性が低い。
【0121】
(2)また、経路データを生成する際には、領域紹介を行う場所を決定せずに、ルートガイドにおいて、移動案内を行った後、所定時間(たとえば、5秒)経過した後であって、次の移動案内を行う予測時刻よりも所定時間(たとえば、10秒)以上前の時刻において、領域紹介を行う態様とすることもできる。
【0122】
なお、次の移動案内を行う予測時刻よりも所定時間以上前の時刻の計算は、次の案内地点までの距離と、そのときの移動速度に基づいて計算することができる。また、次の移動案内を行う予測時刻よりも所定時間以上前の時刻の計算は、次の案内地点までの距離と、経路の区間の平均移動独度に基づいて計算することもできる。なお、そのような態様においては、紹介する特定領域に進入する前または進入後できるだけ早い時刻に、領域紹介を行うことが好ましい。
【0123】
このような態様としても、ユーザは、領域紹介に気を取られて移動案内にしたがった移動に失敗する可能性を低くすることができる。また、実際の進行速度を考慮して領域紹介を行うタイミングを決定することができるため、移動案内と領域紹介が接近するのをより確実に防止できる。
【0124】
(3)なお、上記実施例では、案内地点は、経路を決定する際に決定される(図4のステップS210参照)。しかし、案内地点は、他のタイミングで決定されることもできる。ただし、案内地点は、紹介地点を決定するとき(図4のステップS234参照)よりも前に決定されていることが好ましい。
【0125】
B4.変形例4:
上記実施例では、おいしいラーメン屋が多い特定領域A1〜A3を例に説明を行った。そして、上記実施例では、一つの縮尺についての特定領域を説明した(図2参照)。しかし、特定領域は、複数種類、用意することができる。
【0126】
たとえば、領域データベース186は、特定領域の情報を、携帯電話200の表示パネル202に経路を表示する際の地図の縮尺に応じて複数種類、保持することができる。たとえば、表示パネル202に狭い範囲を示す第1の縮尺に対応する特定領域と、表示パネル202により広い範囲を示す第2の縮尺に対応する特定領域とは、異なるものとすることができる。たとえば、第1の縮尺に対応する特定領域として、複数の特定領域を保持し、第2の縮尺に対応する特定領域としては、それら複数の特定領域を包含する一つの特定領域を保持する態様とすることもできる。
【0127】
そのような態様とすれば、地図上に特定領域を表示する際に表示が煩雑になるのを防止することができる。経路探索サーバ100は、携帯電話200に送信される経路データに、それら複数種類の特定領域の情報を含ませることが好ましい。そして、出力端末としての携帯電話200は、地図の縮尺に応じて表示する特定領域を変えることが好ましい。
【0128】
また、領域データベース186は、特定領域の情報を、経路の移動手段に応じて保持することもできる。領域データベース186は、たとえば、歩行のための特定領域の情報と、自転車のための特定領域の情報と、自動車のための特定領域の情報と、をそれぞれ保持することができる。
【0129】
そして、長距離の移動に適さない第1の移動手段(たとえば徒歩や自転車)で移動すべき区間においては、個々の特定領域が小さく(細かく)設定された複数の特定領域の中から近傍領域を選択し、第1の移動手段よりも長距離の移動に適した第2の移動手段(たとえば自動車)で移動すべき区間においては、個々の特定領域がより大きく(大まかに)設定された特定領域の中から近傍領域を選択することができる。
【0130】
なお、その際、経路の「近傍」にあるか否かの判定の基準となる距離も、移動手段に応じて変更することが好ましい。すなわち、長距離の移動に適さない第1の移動手段で移動すべき区間においては、近傍の判定の基準となる距離は、短くし、長距離の移動に適した第2の移動手段で移動すべき区間においては、近傍の判定の基準となる距離は、より長くすることが好ましい。
【0131】
そして、経路が異なる移動手段で移動すべき区間を含む場合には(図3のステップS210参照)、経路探索サーバ100は、ステップS230において、経路データに、各区間の移動手段に応じた特定領域の情報を含ませる。このような態様とすれば、ルートガイドにおいて、移動手段に応じた寄り道しやすい範囲にある特定領域を紹介することができる。
【0132】
B5.変形例5:
上記実施例では、高速道路を利用する経路における領域紹介について説明した。しかし、あらかじめ定められた駅で停止する電車などの交通機関を利用して移動すべき区間を含む経路を決定する場合についても、同様の処理を行うことができる。
【0133】
たとえば、図4のステップS226では、経路の乗車駅および降車駅近傍の所定の範囲と重なる特定領域が選択され、経路の近傍の特定領域であっても、乗車駅または降車駅近傍の所定の範囲と重ならない特定領域は選択されない。その結果、ルートガイドにおいては、乗車駅および降車駅近傍の特定領域について領域紹介が行われ、途中の区間の近傍にある特定領域については、領域紹介は行われない。
【0134】
このような態様とすることで、寄り道をすることができない特定領域、または寄り道をする可能性が低い特定領域については、ルートガイドの際に紹介しないようにすることができる。このため、ユーザは、ルートガイドの際に、不要な特定領域の紹介によって煩わされることがない。
【0135】
なお、図4のステップS226では、乗車駅と降車駅の間の停車駅の近傍の所定の範囲と重なる特定領域についても選択される態様とすることもできる。そのような態様においては、ルートガイドにおいて、乗車駅および降車駅に加えて途中の停車駅の近傍の特定領域についても領域紹介が行われる。そのような態様とすれば、ユーザは、交通機関を途中下車して寄り道をすることができる。
【0136】
同様に、高速道路を利用する場合についても、高速道路に乗るインターチェンジと高速道路を降りるインターチェンジとの間の途中のインターチェンジの近傍の特定領域を紹介することもできる。そのような態様とすれば、ユーザは、高速道路を途中のインターチェンジで降りて寄り道をすることができる。
【0137】
B6.変形例6:
なお、上記実施例では、経路を移動する際の日付が、ある特定領域の特徴が発揮される時間外である場合には、領域情報サーバ180は、その特定領域が経路の近傍にあるものであっても、その特定領域を選択しない(図3のステップS310参照)。しかし、日付に基づく特定領域の選択は、経路探索サーバ100において図4のステップS226の処理で行うこともできる。
【0138】
B7.変形例7:
上記実施例では、特定領域の享受物は、おいしいラーメン、美しい紅葉など、ユーザにとって好ましいと思われるものであった。しかし、特定領域の享受物は、ユーザにとって好ましくないと思われるものも含むことができる。たとえば、「交通事故の多い特定領域」や「渋滞が多い特定領域」を紹介する態様とすることもできる。そのような態様とすれば、ユーザは、より慎重に自動車の運転を行い、路上駐車をしたり、脇道にそれるのをやめて、その特定領域を安全かつ短時間で通過することができる。
【0139】
また、ユーザに紹介される特定領域は、ユーザによる享受物の選択によって、選択されることもできる。すなわち、領域データベース186がデータを保持している特定領域の享受物のうち、ユーザが紹介されることを望まない享受物を、あらかじめ携帯電話200のコマンド入力部206を介して経路探索システムに入力させる(図1参照)。そして、経路探索サーバ100は、ユーザが紹介されることを望まない享受物の情報を携帯電話200から受け取る。
【0140】
経路探索サーバ100は、経路の近傍の特定領域の情報を領域情報サーバ180に問い合わせる際に(図3のステップS220)、ユーザが紹介されることを望まない享受物の情報を領域情報サーバ180に送信する。領域情報サーバ180は、ステップS310で、ユーザが紹介されることを望まない享受物に対応する特定領域を除いて、経路の近傍の特定領域を決定する。このような態様とすれば、ユーザは、望まない享受物についての特定領域の情報を提供されることがない。なお、ユーザが紹介されることを望まない享受物に基づく特定領域の選択は、領域情報サーバ180に代わって経路探索サーバ100または携帯電話200が行ってもよい。
【0141】
B8.変形例8:
上記実施例では、移動案内に使用される画像データや音声データ等、案内地点の位置を表すデータは、経路データを生成する際に経路データに含まれる。しかし、それらのデータは、すべてがあらかじめ経路データに含まれているのではなく、経路上を現在位置が進行するのに応じて、少なくとも一部が経路探索サーバ100や他のサーバから取得される態様とすることもできる。
【0142】
B9.変形例9:
上記実施例においては、特定領域の享受物に関する表示DM1(図6参照)が行われた後、所定時間の間にユーザからの指示が携帯電話200に入力されない場合には、表示DM1は表示されなくなる。その際、享受物をユーザが享受できる個々の場所を提示させるための所定の表示(図6のB01に相当)は、表示DM1は表示されなくなくなった後も表示パネル202に表示されていることが好ましい。なお、この表示は、ボタンB01と全く同一の表示である必要はない。
【0143】
そのような表示は、現在位置が特定領域を出たとき、または現在位置が特定領域の近傍を離れた後に、表示パネル202において表示されなくなることが好ましい。ユーザは、その表示をクリックすることで、その特定領域の享受物をユーザが享受できる場所の情報を、表示パネル202に表示させることができる(図8参照)。
【0144】
B10.変形例10:
上記実施例では、ボタンB01をクリックすると(図6参照)、特定領域の享受物をユーザが享受できる場所のリストが提示される(図8参照)。このリストは、複数種類の特定領域が重複する領域内またはその近傍に現在位置があるときには、複数表示される。そのような場合には、たとえば、享受物に関する表示(図6の表示DM1参照)は、「このあたりは、おいしいラーメン屋が多い地域です。このあたりは、紅葉が美しい地域です。」などといった複数種類の情報を提供する表示とすることができる。そして、ボタンB01が押されると、ラーメン屋のリストと、美しいモミジの木がある地点のリストが提示される。このような態様とすれば、よりユーザの利便性を向上させることができる。
【0145】
なお、享受物に関する表示が複数の享受物に関する情報を提供する表示である場合には、享受物をユーザが享受できる個々の場所を提示させるためのボタンは、享受物ごとに表示される態様とすることもできる。そのような態様においては、各ボタンが押されると、対応する享受物のリストが表示される。
【0146】
また、上記実施例では、ボタンB01(図6参照)をクリックすると、特定領域の享受物をユーザが享受できる場所のリストが提示される。しかし、享受物をユーザが享受できる場所の情報は、他の方法で提供されることもできる。たとえば、享受物をユーザが享受できる場所が地図上にプロットされた画像を表示パネル202に表示することで、享受物をユーザが享受できる場所の情報を提供することもできる。
【0147】
そのような態様においては、地図上に表示された享受物を享受できる地点を、コマンド入力部206を操作することでユーザが選択できる態様とすることが好ましい。ユーザは、地図上に表示された各地点を選択して、詳細な情報を入手することができる。なお、複数種類の特定領域が重複する領域内またはその近傍に現在位置があるときには、享受物を享受できる各地点は、異なる色または形状の印で地図上にプロットされることが好ましい。
【0148】
B11.変形例11:
上記実施例においては、経路探索システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、領域情報サーバ180と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットおよびディスプレイを備える携帯端末に、経路探索サーバ100、地図サーバ150の機能を備える態様とすることもできる。さらに、携帯端末に、領域情報サーバ180の機能を備えることもできる。また、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。そして、領域情報サーバ180が、経路探索サーバ100と同じサーバであってもよい。
【0149】
すなわち、案内装置としての経路探索システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、経路探索システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0150】
B12.変形例12:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア212(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0151】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0152】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0153】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の第1実施例である経路案内システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】経路と特定領域との関係を表す図。
【図3】経路探索を行う際の携帯電話200、経路探索サーバ100、領域情報サーバ180の情報のやりとりを示すチャート。
【図4】経路探索サーバ100における処理の詳細を示すフローチャート。
【図5】道路の分岐における進行方向を案内するためにルートガイドにおいて携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像の一例。
【図6】ルートガイド中にユーザに特定領域を紹介するために携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像ID1を示す図。
【図7】経路に沿って移動するための移動案内を行う地点pg1と、特定領域の領域紹介を行う地点p11,p11mと、の関係を示す図。
【図8】地点検索の結果を示す画像。
【符号の説明】
【0155】
100…経路探索サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
150…地図サーバ
152…通信部
154…制御部
156…地図データベース
180…領域情報サーバ
182…通信部
184…制御部
186…領域データベース
200…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
209…時計部
210…主制御部
212…アプリケーションソフトウェア
220…通話制御部
231…経路準備ユニット
232…経路表示ユニット
A1〜A3…特定領域
B01…特定領域の情報をさらに提供すべき指示を入力するためのボタン
DM1…特定領域の紹介の表示
GD1…移動案内の際に表示される画像
ID1…領域紹介の際に表示される画像
INT…インターネット
R0…経路
R0e…経路近傍の領域
R1…道路
Rg1,Rg2…禁止範囲
Ri1…高速道路に入るインターチェンジ近傍の範囲
Ri2…高速道路を降りるインターチェンジ近傍の範囲
SD1…携帯電話200の表示パネル202に表示される範囲の一例
i1…高速道路に入るインターチェンジ
i2…高速道路を降りるインターチェンジ
p10…経路R0が特定領域A1に進入する地点
p11,p11m…紹介地点の候補の地点
pc1,pc2…交差点
pg1…交差点pc1の案内地点
pg2…交差点pc2の案内地点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地に至る経路のデータを生成する経路データ生成装置であって、
出発地から目的地に至る経路を決定する経路決定部と、
所定の共通の享受物を享受できる複数の地点を含む特定領域の位置に関する情報と、前記享受物に関する情報と、を対応づけて格納する領域データベースを参照して、近傍領域として、前記経路の近傍の所定の範囲と重複する特定領域を決定する近傍領域決定部と、
前記経路の位置に関する情報を含み、前記経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内に使用される第1種の情報と、前記近傍領域の位置の情報と前記享受物に関する情報とを含み、前記経路上の地点であって前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲に含まれる地点において前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行うための第2種の情報と、を含む経路データを生成する経路データ生成部と、を含む経路データ生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、
前記第1種の情報は、さらに、
前記移動案内に際して前記ユーザに提供される情報と、
前記移動案内を行う前記経路上の第1種の地点を表す情報と、を含み、
前記第2種の情報は、さらに、
前記近傍領域の紹介を行う第2種の地点として、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の前記所定の範囲に含まれる前記地点を表す情報を含み、
前記経路データ生成部は、
前記第1種の地点を決定し、
前記第2種の地点として、前記経路上の地点であって、前記第1種の地点を含む所定の範囲に含まれず、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の前記所定の範囲に含まれる地点を、決定する、装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置であって、
前記経路データ生成部は、
複数の前記第1種の地点を決定し、
前記第2種の地点を決定する際には、
前記経路上において隣接する二つの前記第1種の地点の間の区間であって、前記経路上の前記区間の距離が所定値よりも短い区間内には、前記第2種の地点を決定せず、
前記経路上において隣接する二つの前記第1種の地点の間の区間であって、前記経路上の前記区間の距離が所定値よりも長い区間内に、前記第2種の地点を決定する、装置。
【請求項4】
目的地に至る経路を案内する装置であって、
請求項1記載の経路データ生成装置と、
前記経路データに基づいて、前記目的地まで移動するための案内を行う経路案内部と、を含み、
前記経路案内部は、
前記第1種の情報に基づいて、前記経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内を行い、
前記第2種の情報に基づいて、前記経路上の地点であって前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲に含まれる前記地点において前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行う、装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置であって、
前記経路案内部は、
現在位置が前記経路上の第1種の地点にあるときに、前記第1種の情報に基づいて、前記移動案内を行い、
現在位置が、前記経路上の地点であって、前記第1種の地点を含む所定の範囲に含まれず、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲に含まれる地点にあるときに、前記第2種の情報に基づいて、前記近傍領域の案内を行う、装置。
【請求項6】
請求項4記載の装置であって、
前記経路案内部は、
前記移動案内が行われた時刻から第1の所定時間以上後であって、次に移動案内が行われる予定の時刻よりも第2の所定時間以上前の時刻において、前記近傍領域の案内を行う、装置。
【請求項7】
請求項4記載の装置であって、
前記経路案内部は、
前記享受物に関する所定の表示を行うことによって、前記近傍領域の紹介を行い、
前記表示を行った後、所定時間後に自動的に前記表示を消す、装置。
【請求項8】
請求項4記載の装置であって、
前記経路案内部は、前記複数の地点のうちの一つを指定する入力を受け取り、
前記経路決定部は、前記指定された地点を経由して前記目的地に至る経路を決定し、
前記経路データ生成部は、前記指定された地点を経由する前記経路に基づいて、前記経路データを生成し、
前記経路案内部は、前記経路データに基づいて、前記指定された地点を経由して前記目的地まで移動するための案内を行う、装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置であって、
前記領域データベースは、前記経路において利用される移動手段と対応づけて前記特定領域の位置に関する情報を格納しており、
前記経路決定部は、異なる移動手段で移動すべき複数の区間を含む経路を決定することができ、
前記近傍領域決定部は、前記領域データベースを参照して、前記各区間において前記近傍領域を前記区間の移動手段に応じて決定する、装置。
【請求項10】
請求項1記載の装置であって、
前記経路決定部は、あらかじめ定められた駅で停止する交通機関を利用して移動すべき区間を含む経路を決定することができ、
前記近傍領域決定部は、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記駅近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記駅近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する、装置。
【請求項11】
請求項1記載の装置であって、
前記経路決定部は、あらかじめ定められた駅で停止する交通機関を利用して移動すべき区間を含む経路を決定することができ、
前記近傍領域決定部は、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記経路において前記交通機関に乗るべき駅近傍の所定の範囲、または前記経路において前記交通機関を降りるべき駅近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記経路において前記交通機関に乗るべき前記駅近傍の所定の範囲、または前記経路において前記交通機関を降りるべき前記駅近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する、装置。
【請求項12】
請求項1記載の装置であって、
前記経路決定部は、高速道路を利用して移動すべき区間を含む経路を決定することができ、
前記近傍領域決定部は、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記高速道路のインターチェンジ近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記高速道路の前記インターチェンジ近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する、装置。
【請求項13】
請求項1記載の装置であって、
前記経路決定部は、高速道路を利用して移動すべき区間を含む経路を決定することができ、
前記近傍領域決定部は、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記経路において前記高速道路に乗るべきインターチェンジ近傍の所定の範囲、または前記経路において前記高速道路を降りるべきインターチェンジ近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記経路において前記高速道路に乗るべき前記インターチェンジ近傍の所定の範囲、または前記経路において前記高速道路を降りるべき前記インターチェンジ近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する、装置。
【請求項14】
目的地に至る経路のデータを生成する方法であって、
(a)出発地から目的地に至る経路を決定する工程と、
(b)所定の共通の享受物を享受できる複数の地点を含む特定領域の位置に関する情報と、前記享受物に関する情報と、を対応づけて格納する領域データベースを参照して、近傍領域として、前記経路の近傍の所定の範囲と重複する特定領域を決定する工程と、
(c)前記経路の位置に関する情報を含み、前記経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内に使用される第1種の情報と、前記近傍領域の位置の情報と前記享受物に関する情報とを含み、前記経路上の地点であって前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲に含まれる地点において前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行うための第2種の情報と、を含む経路データを生成する工程と、を含む方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、
前記第1種の情報は、さらに、
前記移動案内に際して前記ユーザに提供される情報と、
前記移動案内を行う前記経路上の第1種の地点を表す情報と、を含み、
前記第2種の情報は、さらに、
前記近傍領域の紹介を行う第2種の地点として、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の前記所定の範囲に含まれる前記地点を表す情報を含み、
前記工程(c)は、
(c1)前記第1種の地点を決定する工程と、
(c2)前記第2種の地点として、前記経路上の地点であって、前記第1種の地点を含む所定の範囲に含まれず、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の前記所定の範囲に含まれる地点を、決定する工程と、を含む、方法。
【請求項16】
請求項14記載の方法であって、
前記工程(c1)は、複数の前記第1種の地点を決定する工程であり、
前記工程(c2)は、
前記経路上において隣接する二つの前記第1種の地点の間の区間であって、前記経路上の前記区間の距離が所定値よりも短い区間内には、前記第2種の地点を決定せず、
前記経路上において隣接する二つの前記第1種の地点の間の区間であって、前記経路上の前記区間の距離が所定値よりも長い区間内に、前記第2種の地点を決定する工程を含む、方法。
【請求項17】
目的地に至る経路を案内する方法であって、
(d)請求項14に係る方法により前記経路データを生成する工程と、
(e)前記経路データに基づいて、前記目的地まで移動するための案内を行う工程と、を含み、
前記工程(e)は、
(e1)前記第1種の情報に基づいて、前記経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内を行う工程と、
(e2)前記第2種の情報に基づいて、前記経路上の地点であって前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲に含まれる前記地点において前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行う工程と、を含む、方法。
【請求項18】
請求項14記載の方法であって、
前記領域データベースは、前記経路において利用される移動手段と対応づけて前記特定領域の位置に関する情報を格納しており、
前記工程(a)は、異なる移動手段で移動すべき複数の区間を含む経路を決定する工程を含み、
前記工程(b)は、前記領域データベースを参照して、前記各区間において前記近傍領域を前記区間の移動手段に応じて決定する工程を含む、方法。
【請求項19】
請求項14記載の方法であって、
前記工程(a)は、あらかじめ定められた駅で停止する交通機関を利用して移動すべき区間を含む経路を決定する工程を含み、
前記工程(b)は、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記駅近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記駅近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する工程を含む、方法。
【請求項20】
請求項14記載の方法であって、
前記工程(a)は、高速道路を利用して移動すべき区間を含む経路を決定する工程を含み、
前記工程(b)は、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記高速道路のインターチェンジ近傍の所定の範囲と重複しない特定領域については、前記近傍領域として決定せず、
前記経路のうち前記区間の近傍の前記所定の範囲と重複する特定領域であって、前記高速道路の前記インターチェンジ近傍の所定の範囲と重複する特定領域については、前記近傍領域として決定する工程を含む、方法。
【請求項21】
コンピュータにおいて実行され、目的地に至る経路のデータを前記コンピュータに生成させるためのコンピュータプログラムであって、
出発地から目的地に至る経路を決定する機能と、
所定の共通の享受物を享受できる複数の地点を含む特定領域の位置に関する情報と、前記享受物に関する情報と、を対応づけて格納する領域データベースを参照して、近傍領域として、前記経路の近傍の所定の範囲と重複する特定領域を決定する機能と、
前記経路の位置に関する情報を含み、前記経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内に使用される第1種の情報と、前記近傍領域の位置の情報と前記享受物に関する情報とを含み、前記経路上の地点であって前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲に含まれる地点において前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行うための第2種の情報と、を含む経路データを生成する機能と、を前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−150700(P2009−150700A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327279(P2007−327279)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】