説明

経路データ管理方法および経路データ管理装置

【課題】移動中の顧客から得られる経路データを逸早く他のアプリケーションで利用できるようにする。
【解決手段】ショッピングモール3内の複数の地点にはカードリーダ31が配備されている。顧客が携帯するICカード30がカードリーダ31の所定の近傍位置まで接近すると、カードリーダ31は、ICカード30からカード識別番号を読み取り、その読み取ったカード識別番号および自身のカードリーダ識別番号を経路データ管理装置1へ送信する。経路データ管理装置1は、そのカード識別番号およびカードリーダ識別番号を受信すると、その受信したカードリーダ識別番号から顧客の通過地点を特定し、その特定した通過地点、当該顧客の前回の通過地点および前々回の通過地点の3地点の地点識別名称からなる経路パターンのデータを、前記カード識別番号に対応付けて、経路パターンDB15に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々人が携帯するIC(Integrated Circuit)カードと各地点に設置されたICカードリーダとを用いて、個々人が通過した経路の経路データを取得し、管理する経路データ管理方法および経路データ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)やIEEE 802.11諸規格による無線LAN(Local Area Network)などの局所通信技術の普及に伴い、様々な分野で、ICカード、携帯電話機、個人情報端末などを用いた個人認証や、個々人を識別した位置情報の追跡が行われるようになってきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、ICカード機能とGPS(Global Positioning System)機能とを有する携帯電話機を用いて、観光地における旅行者の動線情報(立寄り先の経路データ)を取得し、その取得した動線情報を旅行サービス会社などに提供するシステムの例が開示されている。また、このシステムでは、旅行者がある観光スポットやみやげ物店舗などに立ち寄ったときには、その立寄り先に関する情報などが旅行者の携帯電話機に提供される。
【0004】
また、特許文献2には、車両が高速道路の各地点に設置された所定の通信装置近傍を通過するたびに、その通信装置から得られる位置情報および時刻情報を、その車両に搭載された車載装置側の記憶装置(ICカードなど)に記憶しておき、出口にてその情報を読み出すことにより、車両の走行経路を特定し、通行料金を計算する通行料金計算システムの例が開示されている。
【0005】
しかしながら、このようなシステムで取得される旅行者または車両の移動経路データは、必ずしも、取得されつつ利用されるデータにはなっていない。例えば、特許文献1に記載のシステムで取得される旅行者の立寄り先の経路情報は、事後に、旅行サービス会社などで利用される。また、特許文献2に記載のシステムでは、車両の走行経路データは、高速道路内での走行が終わったときに料金計算に利用される。また、特許文献1によれば、旅行者の携帯電話機には、立寄る先々において、その立寄り先の観光情報などが提供されるが、そのとき利用されるのは、立寄り先の位置のデータであり、移動経路のデータではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−262189号公報
【特許文献2】特開平09−212794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、大型のショッピングモール、遊園地、アトラクション会場などにおいて、顧客や入園者(以下、顧客と総称する)などに適切な情報を提供しようとする場合には、その顧客がどのような経路を通過しているかを迅速に、つまり、リアルタイムで取得し、その顧客の経路の特徴に応じた情報を提供することが求められる。例えば、ショッピングモールなどにおいて、服飾店に多く立寄る顧客には、単に、顧客が現在いる店舗の情報を提供するだけでなく、近隣の他の服飾店の情報を提供することなどが求められる。
【0008】
しかしながら、従来の現実の顧客への情報提供システムなどでは、顧客がそれまでに移動した経路を解析し、その経路の特徴を把握するなどの処理は行われていない。従って、顧客の現在位置に応じたスポット情報を提供することはできても、顧客が移動した経路に応じた適切な情報を提供することはできない。
【0009】
以上のように、顧客の移動経路のデータが利用されない原因の1つには、「経路とは始点と終点を有するもの」という一種の既成概念への捉われがある。そのため、経路データを取得する多くのサーバ装置においては、顧客が終点に到達したときに始めて、その経路データが他のアプリケーションで自由に使用可能なデータベース(以下、DBと略す)登録される。従って、途中経過の経路データは、他のアプリケーションで利用されず、その結果、顧客には、それまでの移動経路に応じた適切な情報が提供されることはない。
【0010】
そこで、本発明は、取得途上の経路データを逸早く他のアプリケーションで利用可能とする経路データ管理方法および経路データ管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る経路データ管理装置は、所定の商業エリアを訪れた顧客がその商業エリア内を移動したとき、その顧客の移動経路の経路データを収集し、その収集した経路データを経路パターンデータベースに記憶して管理する。ここで、その商業エリアの所定の複数の地点には、顧客が携帯するICカードからそのICカードのカード識別番号を読み取るカードリーダが配備されているものとする。
カードリーダは、ICカードが所定の位置まで接近してきたときには、ICカードからカード識別番号を読み取り、その読み取ったカード識別番号および自身のカードリーダ識別番号を経路データ管理装置へ送信する。
経路データ管理装置は、カードリーダからそのカード識別番号およびカードリーダ識別番号を受信すると、そのたびに、カードリーダが配備された地点の地点識別名称と前記受信したカードリーダ識別番号とに基づき、顧客の通過地点を特定し、その特定した通過地点の識別名称を記憶するとともに、当該通過地点、当該顧客の前回の通過地点および前々回の通過地点の3地点の地点識別名称からなる経路データを、顧客が携帯するICカードのカード識別番号に対応付けて、前記経路パターンデータベースに登録する。
【0012】
本発明においては、顧客がカードリーダの配備地点を通過するたびに、顧客がそのとき通過した地点、前回通過した地点、前々回通過した地点の3地点からなる部分経路データを、所定の経路パターンデータベースに登録する。従って、その経路パターンデータベースにおいて、顧客の部分経路データは、顧客が当該商業エリアの中を移動しつつ登録されることになる。また、実施形態で説明するように、顧客の一連の部分経路データから、顧客の始点から終点(その時点での最終地点)までの経路を求めることは容易である。従って、顧客の経路データは、顧客が当該商業エリアの中を移動中であっても、カードリーダからの顧客の通過が通知されれば、直ちに経路パターンデータベースに登録されるので、他のアプリケーションで逸早く利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、取得途上の経路データを逸早く他のアプリケーションで利用可能とする経路データ管理方法および経路データ管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る経路データ管理装置の構成の例およびその経路データ管理装置が適用される全体のシステムの構成の例を示した図。
【図2】本発明の実施形態に係る経路データ管理装置で経路データ取得の対象となるショッピングモールの売り場配置図および顧客の移動経路の例を示した図。
【図3】ICカードからのカード識別番号の読み取りから、そのカード識別番号を有するICカードを携帯した顧客の移動経路データを経路パターンDBへ登録するまでの処理の例を示した図。
【図4】経路パターンデータテーブルの構成の例を示した図。
【図5】経路パターンデータの登録過程の様子を模式的に示した図。
【図6】経路パターン登録モジュールの処理フローの例を示した図。
【図7】経路パターンDBに記憶される経路パターンデータテーブルのデータ構造の特徴を説明するための図。
【図8】(a)経路パターン属性テーブルの構成の例、および、(b)顧客の経路パターンから得られる属性データの例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
まず、図1および図2を参照して、本発明の実施形態に係る経路データ管理装置の構成およびその利用環境について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る経路データ管理装置の構成の例およびその経路データ管理装置が適用される全体のシステムの構成の例を示した図である。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る経路データ管理装置1は、通信ネットワーク4などを介して互いに通信可能に接続された経路データ収集装置10および経路データ応用装置20を含んで構成される。ここで、経路データ収集装置10は、ショッピングモール3を訪れた顧客の移動経路のデータを収集する装置であり、また、経路データ応用装置20は、経路データ収集装置10によって収集された顧客の移動経路のデータに基づき、顧客やシステム管理者などに何らかのサービスを提供する装置である。なお、顧客が訪れるショッピングモール3は、多数の売り場や店舗を含んだ商業エリアであるが、多数の人が訪れる遊園地、アトラクション会場、イベント会場などであってもよい。
【0018】
本実施形態では、顧客の移動経路を収集するために、ショッピングモール3を訪れる顧客は、ICカード30を携帯しているものとし、また、ショッピングモール3の所定の複数の場所には、ICカード30からそのICカード30のカード識別番号を読み出すカードリーダ31が配備されているものとする。本明細書では、カードリーダ31が配備されている場所を、以下、ゲートと呼ぶ。図1の例では、ショッピングモール3には、7つのゲートA〜Gが設けられている。
【0019】
ここで、ICカード30は、そのICカード30をユニークに識別するカード識別番号を記憶するメモリ(不図示)と、カードリーダ31から送信される信号により起動され、カード識別番号をそのカードリーダ31へ送信する送信回路(不図示)と、を少なくとも含んで構成される。そして、そのICカード30は、クレジットカードタイプの単独のカードであってもよく、また、携帯電話機、携帯型情報端末など個人の持ち物に無線ICチップが内蔵されたもの、例えば、腕輪、時計、ワッペン、シールなどに無線ICチップが埋込まれたり貼付けられたりしたものであってもよい。また、ICカード30とカードリーダ31との間の通信は、非接触式(無線)通信であってもよく、接触式(有線)通信であってもよい。
【0020】
また、カードリーダ31は、ICカード30に対して所定の信号を送信するとともに、ICカード30から送信されるカード識別番号を受信する通信回路(不図示)を備えている。その通信回路は、ICカード30が所定の距離の範囲内に接近したとき、または、ICカード30がカードリーダ31の所定の挿入口に挿入されて、双方の通信線同士が接触したとき、ICカード30から送信されるカード識別番号を受信する(以下、カード識別番号を読み取る、という)。さらに、カードリーダ31は、通信ネットワーク4に対するネットワークインタフェース回路(不図示)を備えており、前記読み取ったカード識別番号に、自身のカードリーダ識別番号と、そのときのタイムスタンプと、を付加したデータを、そのネットワークインタフェース回路および通信ネットワーク4を介して、経路データ収集装置10へ送信する。
【0021】
ここで、通信ネットワーク4は、例えば、イーサネット(登録商標)の有線のLANや、IEEE 802.11諸規格による無線LANなどを含んで構成されるが、さらに、インターネットの一部が含まれていてもよい。
【0022】
また、経路データ収集装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と記憶装置12とを少なくとも備えた一般的なコンピュータによって構成される。ここで、記憶装置12は、半導体メモリのRAM(Random Access Memory)や、ハードディスク磁気記憶装置などによって構成されており、その記憶装置12には、経路パターン登録モジュール13、経路パターン抽出モジュール14、経路パターンDB15などのプログラムや各種データが記憶される。
【0023】
経路データ収集装置10において、CPU11は、記憶装置12に記憶されている経路パターン登録モジュール13、経路パターン抽出モジュール14、経路パターンDB15などのプログラムを実行し、それぞれのプログラムに割り当てられた所定の機能を実現するとともに、経路データ収集装置10が果たすべき機能を実現する。なお、本実施形態では、経路パターンDB15などのデータベースは、データテーブルと管理プログラムで構成されているものとする。
【0024】
ここで、経路パターン登録モジュール13は、カードリーダ31から送信されるカード識別番号などのデータを受信するとともに、ICカード30のカード識別番号によって識別される顧客ごとの経路データを取得し、その経路データを経路パターンDB15に登録するプログラムである。また、経路パターン抽出モジュール14は、経路データ応用装置20からの求めに応じて、経路パターンDBから特定の顧客の経路パターンデータなどを抽出し、その抽出した経路パターンデータを経路データ応用装置20へ送信するプログラムである。また、経路パターンDB15は、経路パターンデータテーブルを備えたデータベース管理プログラムである。なお、経路パターン登録モジュール13の詳細な処理フロー、および、経路パターンDB15の経路パターンデータテーブルの構成については、別途、図面を参照して説明する。
【0025】
また、経路データ応用装置20は、経路データ収集装置10と同様に、CPU21と記憶装置22とを少なくとも備えた一般的なコンピュータによって構成される。ここで、記憶装置22は、半導体メモリのRAMやハードディスク磁気記憶装置などによって構成されており、その記憶装置22には、経路パターン属性抽出モジュール23、経路データ解析モジュール24、経路パターン属性DB25などのプログラムや各種データが記憶される。
【0026】
経路データ応用装置20において、CPU21は、記憶装置22に記憶されている経路パターン属性抽出モジュール23、経路データ解析モジュール24、経路パターン属性DB25などのプログラムを実行し、それぞれのプログラムに割り当てられた所定の機能を実現するとともに、経路データ応用装置20が果たすべき機能を実現する。
【0027】
なお、経路データ応用装置20が果たすべき機能とは、経路データ収集装置10の経路パターンDB15に登録された顧客が通過した経路データや、経路パターン属性DB25に登録されているデータを利用して、顧客やシステムの管理者などに対し、何らかの情報提供サービスを行う機能である。その機能の例や経路パターンDB15の構成の例については後記する。
【0028】
また、図1においては、経路データ収集装置10および経路データ応用装置20は、それぞれ別々のコンピュータにより構成されるとしているが、経路データ収集装置10および経路データ応用装置20が1つのコンピュータによって構成されるとしてもよく、3つ以上のコンピュータによって構成されるとしてもよい。
【0029】
図2は、本発明の実施形態に係る経路データ管理装置で経路データ取得の対象となるショッピングモール3の売り場配置図および顧客の移動経路の例を示した図である。図2に示すように、ショッピングモール3は、複数の売り場に分割され、その売り場の主要な位置には、カードリーダ31がそれぞれ配備されたゲートA〜Gが設けられている。さらに、図2には、3人の顧客が移動した経路が、それぞれ、太実線、太破線および太点線で示されている。
【0030】
ここで、カード識別番号が“010”のICカード30を携帯している顧客を、以下、顧客(010)さん、と呼ぶことにすれば(他の例も同様)、図2の太線の実線は、顧客(010)さんがゲートA−B−C−E−D−Gの経路を通ったことを表している。また、太線の破線は、顧客(012)さんがゲートA−B−F−C−E−Gの経路を通ったことを表し、太線の点線は、顧客(018)さんがゲートA−F−D−Gの経路を通ったことを表している。
【0031】
このような経路データは、例えば、顧客(010)さんがゲートA−B−C−E−D−Gをそれぞれ通過したときに、それぞれのゲートに設けられたカードリーダ31が、顧客(010)さんのICカード30からそのカード識別番号を読み取り、その読み取ったカード識別番号と自身のカードリーダ識別番号とを経路データ収集装置10へ送信し、経路データ収集装置10が顧客(010)さんのICカード30のカード識別番号を送信したカードリーダ31のカードリーダ識別番号をトレースすることによって取得される。
【0032】
なお、ICカード30とカードリーダ31との通信可能距離が短い場合(接触式のICカード30の場合を含む)には、顧客の移動経路を高精度に取得するためには、例えば、カードリーダ31が配備されたゲートをできるだけ多数配置するか、顧客がどうしても通らざるを得ないような場所に配置するのが好ましい。一方、ICカード30とカードリーダ31との通信可能距離が長い場合には、カードリーダ31は、同じICカード30から何度もカード識別番号の送信を受けることになるので、その対策が必要となる。ただし、本実施形態では、これらの事情については、とくに配慮をせず、経路データ収集装置10は、顧客がショッピングモール3内を移動したとき、ショッピングモール3内に、適宜、設けられたゲートのカードリーダ31を介して、顧客の移動経路を、適宜、取得し得るものとする。
【0033】
続いて、図3〜6を参照して、カードリーダ31によるカード識別番号取得から、そのカード識別番号を有するICカード30を携帯した顧客の経路データを経路データ収集装置10の経路パターンDB15に登録するまでの手順について説明する。ここで、図3は、ICカード30からのカード識別番号の読み取りから、そのカード識別番号を有するICカード30を携帯した顧客の移動経路データを経路パターンDB15へ登録するまでの処理の例を示した図である。
【0034】
図3に示すように、顧客の移動や顧客の「かざす」または「挿入する」などの操作により、ICカード30がカードリーダ31の所定の距離の範囲内に接近したとき、または、双方の通信線同士が接触したとき(ステップS01)、カードリーダ31は、ICカード30へ読み取り要求信号を送信する(ステップS02)。ICカード30は、その読み取り要求信号に応答して、自身のメモリに書き込まれているカード識別番号をカードリーダ31へ送信する(ステップS03)。カードリーダ31は、カード識別番号を受信すると、読み取り完了信号をICカード30へ送信する(ステップS04)。
【0035】
次に、カードリーダ31は、ICカード読み取りデータを経路データ収集装置10の経路パターン登録モジュール13へ送信する(ステップS05)。ここで、ICカード読み取りデータとは、ICカード30から読み取ったカード識別番号に、当該カードリーダ31のカードリーダ識別番号と、当該カード識別番号を読み込んだときの時刻であるタイムスタンプと、を付加したデータをいう。なお、タイムスタンプは、それぞれのカードリーダ31が有する計時装置によって刻まれる時刻であるが、各計時装置の時刻は、経路データ収集装置10などから送信される時刻合わせメッセージにより、定期的に時刻合わせが行われるものとする。
【0036】
次に、経路パターン登録モジュール13は、カードリーダ31から送信されたICカード読み取りデータを受信すると、経路パターンDB15に対し、ICカード読み取りデータに含まれるカード識別番号と同じカード識別番号を有する経路パターンデータの登録の有無を問い合わせる(ステップS06)。経路パターン登録モジュール13は、その問い合わせに対する経路パターンDB15からの有無の返答を受けると(ステップS07)、その返答に応じて、経路パターンデータを更新または登録し(ステップS08)、更新または登録完了の返答を受けて(ステップS09)、以上の一連の処理を終了する。
【0037】
なお、前記したように経路パターン登録モジュール13や経路パターンDB15の機能を実現する動作主体は、CPU11であるが、ここでは、その動作の主語を、便宜的に、経路パターン登録モジュール13や経路パターンDB15などで表記した。以下、本明細書では、同様の表記をする場合があるが、その場合には、その主語は、CPU11(または、CPU21)であるとする。
【0038】
図4は、経路パターンデータテーブルの構成の例を示した図である。図4に示すように、経路パターンデータテーブル151は、経路パターンDB15を構成するテーブルであり、その行データは、「経路パターン」、「カード識別番号」、「タイムスタンプ」などのカラムによって構成される。なお、本明細書では、経路パターンデータテーブル151を構成する各行の行データを経路パターンデータと呼ぶ。
【0039】
経路パターンデータの「経路パターン」カラムは、「カード識別番号」カラムで識別されるICカード30を携帯した顧客の移動経路を、原則として3つのゲートのゲート識別名称によって表した情報である。「経路パターン」カラムが“A−B−C”である場合には、顧客がゲートA−B−Cを通過したことを表している。なお、ゲート識別名称は、本来、カードリーダ識別番号とは別のデータであり、両者は、所定の定義テーブルによって対応付けられるべきデータであるが、本明細書では、説明の煩雑化を避けるために、両者を同じ記号(A〜G)で表している。
【0040】
また、「タイムスタンプ」カラムは、顧客が「経路パターン」カラムで表された最後のゲートを通過した時刻を表しているが、「タイムスタンプ」カラムは、必須ではない。ただし、「タイムスタンプ」カラムがない場合には、経路パターンデータは、時刻の昇順に経路パターンデータに登録されるもの、とあらかじめ定めておくことが必要である。
【0041】
ここで、「経路パターン」カラムのデータは、顧客の移動経路に含まれる最小単位ごとの部分経路の経路データということができる。すなわち、顧客が移動するたびに、つまり、顧客のICカード30のカード識別番号がカードリーダ31によって読み取られるたびに、この最小単位の経路データである「経路パターン」が「カード識別番号」に対応付けられて経路パターンDB15に登録される。以下、本明細書では、「経路パターン」カラムに登録されるデータ、すなわち、3地点のゲート識別名称からなる経路データを、単に、経路パターンと略称する。
【0042】
図5は、経路パターンデータの登録過程の様子を模式的に示した図である。なお、図5では、分かりやすいように、顧客(010)さんだけについて、その経路パターンデータの登録過程の例を示している。また、経路パターンデータについては、「経路パターン」カラムのみが示されている。
【0043】
まず、顧客(010)さんがショッピングモール3の入口などに設置されたゲートAを通過すると、経路パターンデータテーブル151には、「経路パターン」カラムが“A”である経路パターンデータが登録される(ステップS11)。
【0044】
次に、顧客(010)さんがゲートBを通過すると、ステップS11で登録された経路パターンデータの「経路パターン」カラムは、“A”から“A−B”に更新され、さらに、経路パターンデータテーブル151には、「経路パターン」カラムが“B”である経路パターンデータが新たに登録される(ステップS12)。
【0045】
次に、顧客(010)さんがゲートCを通過すると、ステップS12で“A−B”に更新された経路パターンデータの「経路パターン」カラムは、“A−B”から“A−B−C”に更新され、また、ステップS12で新たに登録された経路パターンデータの「経路パターン」カラムは、“B”から“B−C”に更新される。さらに、経路パターンデータテーブル151には、「経路パターン」カラムが“C”である経路パターンデータが新たに登録される(ステップS13)。
【0046】
次に、顧客(010)がゲートEを通過すると、ステップS13で“B−C”に更新されたパターンデータの「経路パターン」カラムは、“B−C”から“B−C−E”に更新され、また、ステップS12で登録された経路パターンデータの「経路パターン」カラムは、“C”から“C−E”に更新される。さらに、経路パターンデータテーブル151には、「経路パターン」カラムが“E”である経路パターンデータが新たに登録される(ステップS14)。
このとき、前のステップで「経路パターン」カラムが3つのゲート識別名称で埋められていた経路パターンデータは、処理の対象外となり、経路パターンデータテーブル151に登録されたままとなる。
【0047】
以下、同様に、顧客(010)が新たなゲートを通過するたびに、経路パターンデータが更新され、または、登録されていく。
【0048】
図6は、経路パターン登録モジュール13の処理フローの例を示した図である。経路パターン登録モジュール13は、CPU11によって実行されるプログラムである。
【0049】
経路データ収集装置10のCPU11は、まず、カードリーダ31からICカード読み取りデータを受信する(ステップS21)。前記したように、ICカード読み取りデータは、カードリーダ31が読み取ったICカード30のカード識別番号、当該カードリーダ31のカードリーダ識別番号、および、カードリーダ31がICカード30のカード識別番号を読み取ったときの時刻を表したタイムスタンプにより構成されている。
【0050】
次に、CPU11は、あらかじめ記憶装置12に記憶されている変換テーブルを参照して、当該ICカード読み取りデータに含まれるカードリーダ識別番号をゲート識別名称に変換する(ステップS22)。なお、本実施形態では、カードリーダ識別番号とゲート識別名称とは、同じA〜Gの記号で表されている。
【0051】
次に、CPU11は、経路パターンDB15の経路パターンデータテーブル151(以下、単に、経路パターンDB15という)を参照して、ICカード読み取りデータに含まれるカード識別番号と同じカード識別番号を有する経路パターンデータの有無を確認する(ステップS23)。
【0052】
そして、その確認の結果、同じカード識別番号を有する経路パターンデータが経路パターンDB15に無かった場合には(ステップS24でNo)、CPU11は、「経路パターン」カラムが今回通過のゲート識別名称(すなわち、ステップS22の変換で得られたゲート識別名称)ただ1つで構成されている経路パターンデータを新たに生成し(ステップS29)、その生成した経路パターンデータを経路パターンDB15に登録し(ステップS30)、処理を終了する。
【0053】
一方、ステップS23の確認の結果、同じカード識別番号を有する経路パターンデータが経路パターンDB15に有った場合には(ステップS24でYes)、CPU11は、今回通過のゲート識別名称を、前回通過のゲート識別名称(すなわち、前記同じカード識別番号を有する経路パターンデータのうち、最新の経路パターンデータの「経路パターン」カラムに含まれる右端のゲート識別名称)と比較する(ステップS25)。
【0054】
そして、その比較の結果、両者のゲート識別名称が同じであった場合には(ステップS26でYes)、顧客が同じ売り場に滞在していたことを意味するので、CPU11は、顧客が移動しなかったものとみなして、経路パターンデータの登録などの処理をすることなく、そのまま全体の処理を終了する。
【0055】
また、ステップS25の比較において、両者のゲート識別名称が異なった場合には(ステップS26でNo)、顧客が移動したことを意味するので、CPU11は、前記同じカード識別番号を有する経路パターンデータのうち、通過ゲート数(すなわち、「経路パターン」カラムに含まれるゲート識別名称の数)が1または2の経路パターンデータを抽出し(ステップS27)、その抽出した経路パターンデータの「経路パターン」カラムに、今回通過のゲート識別名称を追加し、経路パターンデータを更新する(ステップS28)。さらに、CPU11は、「経路パターン」カラムが今回通過のゲート識別名称ただ1つで構成されている経路パターンデータを新たに生成し(ステップS29)、その生成した経路パターンデータを経路パターンDB15に登録して(ステップS30)、処理を終了する。
【0056】
図7は、経路パターンDB15に記憶される経路パターンデータテーブル151のデータ構造の特徴を説明するための図である。ここで、顧客(010)さん、(012)さん、および、(018)さんが、ショッピングモール3(図2参照)の中を移動し、それぞれ、ゲートA−B−C−E−D−G、ゲートA−B−F−C−E−G、ゲートA−F−D−Gを通過した場合には、経路パターンDB15には、図7(a)に示した経路パターンデータテーブル151が登録される。ただし、ここでは、「タイムスタンプ」カラムは、省略されている。
【0057】
このような経路パターンデータテーブル151が登録されていれば、CPU11は、その中から、例えば、顧客(010)さんに対応付けられた経路パターンデータを抽出することによって、顧客(010)さんの経路パターン“A−B−C”、“B−C−E”、“C−E−D”、“E−D−G”を得ることができる。そして、これらの経路パターンのデータから、顧客(010)さんが通過した経路A−B−C−E−D−Gを容易に求めることができる。同様にして、CPU11は、顧客(012)さんが通過した経路A−B−F−C−E−G、および、顧客(018)さんが通過した経路A−F−D−Gを求めることができる。
【0058】
以上のように、本実施形態では、顧客(010)さんが出口などの最終ゲートGに到達しなくても、各ゲートを通過するたびに、それぞれ1つないし3つのゲート識別名称からなる「経路パターン」カラムのデータが経路パターンDB15に登録され、また、その登録された「経路パターン」カラムのデータから、顧客(010)さんがそれまで通過した経路A−B−C−・・・などを求めることができる。従って、経路パターンDB15を利用する他のアプリケーションは、顧客(010)さんが出口などの最終ゲートGに到達する前から、顧客(010)さんの移動経路のデータを利用することが可能となる。
【0059】
また、CPU11は、ある経路パターン“x−y−z”をキーにして、経路パターンデータテーブル151を検索することによって、その経路パターンを通過したICカード30(つまり、顧客)を検索することができる。従って、特定の経路パターンを通過した顧客を容易に抽出することが可能になる。
【0060】
ところで、以上のようにして求められた顧客(010)さん、顧客(012)さん、顧客(018)さんの経路データのデータ構造は、一般的には、図7(b)のように文字列の木構造によって表すことができる。そして、その木構造には、図7(c)に示すような接続先を表すノード構造が含まれており、これらのノード構造を用いることにより、顧客(010)さん、顧客(012)さん、顧客(018)さんの経路データを自由に表すことができる。
【0061】
なお、このような木構造の経路データは、経路パターンDB15の経路パターンデータテーブル151で管理するのではなくて、ポインタでつないだリスト構造を利用した文字単位の木構造をした、いわゆる、トライを用いて管理してもよい。
【0062】
図8は、(a)経路パターン属性テーブルの構成の例、および、(b)顧客の経路パターンから得られる属性データの例を示した図である。
【0063】
図8(a)に示すように、経路パターン属性テーブル251は、経路パターン属性DB25を構成するテーブルであり、その行データは、「経路パターン」および「属性データ」のカラムによって構成されている。すなわち、経路パターン属性テーブル251は、3つのゲート識別名称からなる「経路パターン」とその「経路パターン」の特徴を表す「属性」とを対応付けたテーブルである。
【0064】
ちなみに、図8の例では、「経路パターン」は、「売り場の名称」に対応付けられている。例えば、経路パターン“A−B−C”は、「食料品」売り場が対応付けられており、これは、経路パターン“A−B−C”は、「食料品」売り場を主として通過することを表している。同様に、経路パターン“A−B−F”は、「フルーツ」売り場を主として通過することを表している。このように、経路パターン属性テーブル251を用いると、経路パターン、すなわち、3つのゲートをつなぐ経路の近傍エリアに対して、その近傍エリアを特徴付ける属性データを定義することができる。
【0065】
本実施形態における経路パターン属性テーブル251の特徴は、3つの地点からなる経路近傍のエリアに対し、そのエリアを特徴付ける属性データを対応付けた点にある。まず、3つの地点からなる経路に対して近傍エリアを定めるのは、1つの地点に対して近傍エリアを定める場合より、より的確に近傍エリアを定めることができる。また、経路データの場合には、顧客のおよその移動方向を知ることもできる。
【0066】
そこで、ここでは、図8に示したような経路パターン属性テーブル251があらかじめ定められ、経路パターン属性DB25に記憶されているとする。そして、顧客(010)さん、(012)さん、(018)さんが、それぞれ、ショッピングモール3の中を移動し、図4に示したような経路パターンデータが経路パターンデータテーブル151に登録されているとする。このような状況の下に、経路データ応用装置20のCPU21(図1参照)が経路パターン属性抽出モジュール23を実行する。
【0067】
CPU21は、まず、経路データ収集装置10の経路パターンデータテーブル151から通信ネットワーク4を介して、例えば、顧客(010)さんに対応付けられた「経路パターン」カラムのデータ“A−B−C”、“B−C−E”、“C−E−D”、・・・を取得する。さらに、経路パターン属性テーブル251を参照して、“A−B−C”、“B−C−E”、“C−E−D”、・・・のそれぞれに対応付けられた“食料品”、“紳士服”、“婦人服”・・・の属性データを取得する。
【0068】
以上のような経路パターン属性抽出モジュール23の処理により、CPU21は、例えば、図8(b)に示すように各顧客が通過した経路パターンに対応する属性データを取得することができる。さらに、CPU21は、経路データ解析モジュール24の処理により、各顧客についての経路パターンの属性データから、各顧客の経路の特徴を取得する。例えば、顧客(010)さんの経路パターンに対応付けられた属性データとして「紳士服」、「婦人服」などの「服飾」関係の属性が多く現れていた場合には、顧客(010)さんが通過している経路は、「服飾」関係という特徴があると判断する。
【0069】
そこで、CPU21は、情報提供サービスモジュール(図1に図示せず)を実行することにより、顧客(010)さんの携帯電話や個人情報端末などに、近隣の服飾関係の売り場についてのサービス情報などを送信する。
【0070】
また、経路パターン属性DB25を利用しない場合であっても、例えば、CPU21が、顧客の経路パターンから特定の経路パターンを検出したとき、顧客がその特定の経路パターンを経由したことに対する何らかの付加的なサービス情報を、その顧客に提供することなども可能となる。
【0071】
なお、図8(a)の経路パターン属性テーブル251の例では、3つの地点の経路に対してその経路に対する属性データを定めているが、3つの地点に限定されることなく、例えば、4つの地点の経路に対して属性データを定めてもよい。
【0072】
以上、本実施形態によれば、経路データ収集装置10は、顧客が所定のゲートを通過するたびに、当該ゲート、前回通過のゲート、前々回通過のゲートの3地点からなる経路データを経路パターンDB15に、次々に登録していく。従って、経路データ応用装置20は、顧客がショッピングモール3の中を移動中であっても、その顧客のそれまでの経路データを利用することができる。さらに、経路データ応用装置20は、3つの地点からなる経路パターンに対応付けられた属性データを利用することによって、顧客が通過した経路の特徴を解析することが可能となり、顧客に対して、より適切な情報を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0073】
1 経路データ管理装置
3 ショッピングモール(商業エリア)
4 通信ネットワーク
10 経路データ収集装置
11 CPU
12 記憶装置
13 経路パターン登録モジュール
14 経路パターン抽出モジュール
15 経路パターンDB(経路パターンデータベース)
20 経路データ応用装置
21 CPU
22 記憶装置
23 経路パターン属性抽出モジュール
24 経路データ解析モジュール
25 経路パターン属性DB(経路パターン属性データベース)
30 ICカード
31 カードリーダ
151 経路パターンデータテーブル
251 経路パターン属性テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードからそのICカードのカード識別番号を読み取るカードリーダが複数の所定の地点に配備されている商業エリアを訪れた顧客がその商業エリア内を移動したとき、その顧客の移動経路の経路データを収集し、管理する経路データ管理装置における経路データ管理方法であって、
前記経路データ管理装置は、
CPUと、前記顧客の移動経路の経路データを記憶する経路パターンデータベースと、を少なくとも備え、
前記CPUは、
前記カードリーダから、そのカードリーダが読み取った前記ICカードのカード識別番号および前記カードリーダのカードリーダ識別番号を含んだデータを受信し、
前記カードリーダが配備された地点の地点識別名称と前記受信したカードリーダ識別番号とに基づき、前記顧客の通過地点を特定し、
前記特定した前記顧客の通過地点、前記顧客の前回の通過地点および前々回の通過地点の3地点の地点識別名称からなる経路データを、前記顧客が携帯するICカードのカード識別番号に対応付けたデータを経路パターンデータとして、前記経路パターンデータベースに登録すること
を特徴とする経路データ管理方法。
【請求項2】
前記経路データ管理装置は、さらに、
前記商業エリア内のカードリーダが配備された少なくとも3地点を結んだ経路に対して、その経路の近傍エリアについての属性データが対応付けられた経路パターン属性データベースを備え、
前記CPUは、
前記ICカードのカード識別番号が与えられたときには、前記経路パターンデータベースから、前記カード識別番号に対応付けられた少なくとも3地点の地点識別名称からなる経路データを取得し、
前記経路パターン属性データベースを参照して、前記取得した少なくとも3地点の地点識別名称からなる経路データに対応付けられた属性データを抽出すること
を特徴とする請求項1に記載の経路データ管理方法。
【請求項3】
ICカードからそのICカードのカード識別番号を読み取るカードリーダが複数の所定の地点に配備されている商業エリアを訪れた顧客がその商業エリア内を移動したとき、その顧客の移動経路の経路データを収集し、管理する経路データ管理装置であって、
前記経路データ管理装置は、
CPUと、前記顧客の移動経路の経路データを記憶する経路パターンデータベースと、を少なくとも備え、
前記CPUは、
前記カードリーダから、そのカードリーダが読み取った前記ICカードのカード識別番号および前記カードリーダのカードリーダ識別番号を含んだデータを受信する処理部と、
前記カードリーダが配備された地点の地点識別名称と前記受信したカードリーダ識別番号とに基づき、前記顧客の通過地点を特定する処理部と、
前記特定した前記顧客の通過地点、前記顧客の前回の通過地点および前々回の通過地点の3地点の地点識別名称からなる経路データを、前記顧客が携帯するICカードのカード識別番号に対応付けたデータを経路パターンデータとして、前記経路パターンデータベースに登録処理部と、
を有すること
を特徴とする経路データ管理装置。
【請求項4】
前記経路データ管理装置は、さらに、
前記商業エリア内のカードリーダが配備された少なくとも3地点を結んだ経路に対して、その経路の近傍エリアについての属性データが対応付けられた経路パターン属性データベースを備え、
前記CPUは、
前記ICカードのカード識別番号が与えられたときには、前記経路パターンデータベースから、前記カード識別番号に対応付けられた少なくとも3地点の地点識別名称からなる経路データを取得し、
前記経路パターン属性データベースを参照して、前記取得した少なくとも3地点の地点識別名称からなる経路データに対応付けられた属性データを抽出すること
を特徴とする請求項3に記載の経路データ管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−253356(P2011−253356A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126837(P2010−126837)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】