説明

経路出力装置とその出力方法

【課題】 本発明の目的は、経由地点や施設がプライベートな情報を含む場合であっても、プライベートな情報を保護しながら経路を公開することができる出力装置の技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明に係る経路出力装置は、少なくとも出発地と、到着地と、を含む複数の地点と、各地点を訪れる順序を特定する情報と、を有して構成されるコース情報を記憶する記憶手段と、前記コース情報に含まれる各地点のうち、プライベートな地点が非公開となる公開用コース情報を生成する公開コース生成手段と、ネットワークを介して要求を受け付けると、前記公開コース生成手段により生成した公開用コース情報を、要求元に送信する出力手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路を出力する装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバ等の装置により経路の公開を行う場合に、経路そのままの情報を出力していた。特許文献1には、プライベートな位置の公開についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−200120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような技術では、不特定の第三者に経路を公開する場合に、経由する地点等がプライベートな地点、すなわち自宅や友人宅等であれば、経路を公開することにより、第三者に対して公開すべきでない当該プライベートな地点を公開してしまうこととなる。
【0005】
本発明の目的は、経由地点や施設がプライベートな情報を含む場合であっても、プライベートな情報を保護しつつ経路を公開することができる出力装置の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係る経路出力装置は、少なくとも出発地と、到着地と、を含む複数の地点と、各地点を訪れる順序を特定する情報と、を有して構成されるコース情報を記憶する記憶手段と、前記コース情報に含まれる各地点のうち、プライベートな地点が非公開となる公開用コース情報を生成する公開コース生成手段と、ネットワークを介して要求を受け付けると、前記公開コース生成手段により生成した公開用コース情報を、要求元に送信する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る経路出力装置の経路出力方法では、前記経路出力装置は、少なくとも出発地と、到着地と、を含む複数の地点と、各地点を訪れる順序を特定する情報と、を有して構成されるコース情報を記憶する記憶手段を備え、前記コース情報に含まれる各地点のうち、プライベートな地点が非公開となる公開用コース情報を生成する公開コース生成ステップと、ネットワークを介して要求を受け付けると、前記公開コース生成ステップにより生成した公開用コース情報を、要求元に送信する出力ステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、経由地点や施設がプライベートな情報を含む場合であっても、プライベートな情報を保護しながら経路を公開することができる出力装置の技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】図2は、コース公開テーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、コース編集テーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、経路管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図5】図5は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図6】図6は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図7】図7は、演算処理部の機能構成図である。
【図8】図8は、公開コース生成処理のフロー図である。
【図9】図9は、公開コース生成処理によるコースの例を示す図である。
【図10】図10は、公開コース生成処理によるコースの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用したナビゲーションシステム1000について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に、ナビゲーションシステム1000の全体構成図を示す。ナビゲーションシステム1000は、ナビゲーション装置100と、使用者が経路の編集操作等を行う経路管理端末200と、経路の公開管理を行う経路管理サーバ300と、を含んで構成される。また、ナビゲーション装置100と、経路管理端末200と、経路管理サーバ300とは、ネットワーク250を介して互いに通信可能である。なお、ネットワーク250は、いわゆる公衆網であり、例えば無線通信回線を含むインターネット等のパブリックネットワークである。
【0012】
経路管理サーバ300は、使用者が作成したコース情報を保持・公開し、ネットワーク250を介して要求を受け付けると、要求のあったコース情報を要求元に送信するいわゆるサーバ装置である。
【0013】
経路管理サーバ300は、制御部310と、記憶部320と、通信部330と、を有する。制御部310には、コースデータを編集する要求に応じて、コースデータを編集する機能を提供する処理部であるコース編集部311と、コースデータを公開するコース公開部312と、コース公開部312によりコースデータを公開する際に、プライベート情報が非公開となる公開コースを生成する公開コース生成部313と、が含まれる。なお、本実施例においては、「コース」とは、ある出発地から到着地へ到る経緯を含む走行計画をいう。また、「コースデータ」とは、コースを構成する情報を含み、コースを特定する情報をいう。記憶部320は、公開するコースデータを格納するコース公開テーブル321と、公開前のコースデータを格納するコース編集テーブル322と、を記憶する。
【0014】
また、記憶部320は、図示しないが、地図上の施設を特定する情報を含む地図情報を備える。当該地図情報は、当該地図情報に含まれる施設に対して、利用者が自宅として登録し、または友人宅や知人宅として登録する情報を対応付けて記憶することができる。また、当該地図情報には、行政区画(都道府県、市区町村等)の情報が含まれ、それぞれの区画について、管轄する庁舎等の施設が対応付けられている。当該地図情報に含まれる施設には、公開制限のない電話番号と、公開制限のある電話番号(例えば、非公開の電話番号)と、のいずれかもしくはその両方が対応付けられている。公開制限のある電話番号は、主に、公開意図のない一般家庭に対応付けられた電話番号であり、公開制限のある電話番号は、公開意図のある例えば商店等に対応付けられた電話番号である。通信部330は、ネットワーク250を介して他の装置と通信を行うことができる。
【0015】
コース編集部311は、コースデータを編集する要求に応じて、コースデータを編集する機能を提供する。具体的には、コース編集部311は、コース上の所定の地点への到着時刻を前後させることができる。また、コース編集部311は、経由する地点を追加、変更、削除することができる。コース編集部311は、編集対象となるコースデータをコース編集テーブル322から読み出して、編集処理を行い、編集が済んだコースデータを、コース編集テーブル322に格納する。
【0016】
コース公開部312は、コースデータを公開する。具体的には、コース公開部312は、コース編集テーブル322に格納されているコースデータのうち、指定のあったコースデータを読み出し、公開コース生成部313に公開コースの生成依頼を行う。コース公開部312は、公開コース生成部313により生成されたコースデータを、コース公開テーブル321に格納する。また、コース公開部312は、既にコース公開テーブル321に格納されているコースデータを読み出して、ネットワーク250を介して情報の要求を行った経路管理端末200またはナビゲーション装置100に対して送信することで、コースデータの公開を行う。
【0017】
公開コース生成部313は、コースデータを受け付けて、受け付けたコースデータのうちプライベートな情報が非公開となる公開コースを生成する。具体的には、公開コース生成部313は、受け付けたコースデータに含まれる個人の情報、例えば自宅の位置等を含む情報や友人・知人宅の位置等を含む情報を、プライベートな情報として抽出し、後述するように所定の基準でコースデータから削除またはコースデータ上の情報を置換する。そして、生成した公開コースを出力する。
【0018】
図2は、コース公開テーブル321の構成を示す図である。コース公開テーブル321は、ドライブの開始から終了までに走行する経路を含むコースデータ402を、コースを特定するコースID401と対応付けて、複数格納することが可能である。
【0019】
コースデータ402は、少なくとも一つの出発地ID410と、一つの到着地ID430と、を含んで構成される。また、コースデータ402には、さらに、一つまたは複数の経由地ID420と、一つまたは複数の立寄地ID440と、を含むことができる。すなわち、コースデータ402は、出発地と、到着地と、を含む複数の地点を備えるといえる。
【0020】
出発地ID410には、出発予定時刻411と、移動手段412と、地点名称413と、位置情報414と、が対応付けられている。出発地ID410は、コースの開始位置を特定する識別子であり、例えば所定の位置に予め割り振られた地点IDである。出発予定時刻411は、出発地ID410により特定される地点を出発する予定上の時刻である。移動手段412には、当該出発地から次に訪れる地点への移動手段を特定する情報が格納される。例えば、「(自動)車」、「徒歩」等である。地点名称413は、出発地ID410にて特定される地点の名称を示す情報である。位置情報414は、出発地ID410にて特定される地点の位置を特定する情報である。例えば、緯度経度を示す座標の情報である。
【0021】
経由地ID420には、到着予定時刻421と、滞在予定時間422と、出発予定時刻423と、地点名称424と、位置情報425と、が対応付けられている。経由地ID420は、コース上で経由する地点を特定する識別子であり、例えば所定の位置に予め割り振られた地点IDである。到着予定時刻421は、経由地ID420により特定される地点へ到着する予定上の時刻である。滞在予定時間422は、経由地ID420により特定される地点で滞在する予定の時間である。出発予定時刻423は、経由地ID420により特定される地点を出発する予定上の時刻である。地点名称424は、経由地ID420にて特定される地点の名称を示す情報である。位置情報425は、経由地ID420にて特定される地点の位置を特定する情報である。例えば、緯度経度を示す座標の情報である。
【0022】
到着地ID430には、到着予定時刻431と、地点名称432と、位置情報433と、が対応付けられている。到着地ID430は、コースの終了位置を特定する識別子であり、例えば所定の位置に予め割り振られた地点IDである。到着予定時刻431は、到着地ID430により特定される地点へ到着する予定上の時刻である。地点名称432は、到着地ID430にて特定される地点の名称を示す情報である。位置情報433は、到着地ID430にて特定される地点の位置を特定する情報である。例えば、緯度経度を示す座標の情報である。
【0023】
立寄地ID440には、上位の地点ID441と、予定時刻情報442と、関連キーワード443と、地点名称444と、位置情報445と、が対応付けられている。立寄地ID440は、コース上で立寄る地点を特定する識別子であり、例えば所定の位置に予め割り振られた地点IDである。なお、立寄地は、経由地等とは異なり、コースに含まれる出発地、経由地または到着地のいずれかに関連付けられる。例えば、関連付けられた経由地における詳細な予定等を含む。上位の地点ID441は、コースに含まれる出発地、経由地または到着地のいずれかを特定するIDである。予定時刻情報442は、立寄地ID440により特定される地点での目安となる何らかの予定上の時刻である。関連キーワード443は、立寄地ID440で取る予定の行動、地点名称、人名またはその他関連するキーワードを特定する情報である。例えば、関連付けられた経由地における詳細な行動である「○○体験」や、立寄地で接触する人物の名称等を示す情報である。地点名称444は、立寄地ID440にて特定される地点の名称を示す情報である。位置情報445は、立寄地ID440にて特定される地点の位置を特定する情報である。例えば、緯度経度を示す座標の情報である。
【0024】
このように、コースデータ402は、出発地と、到着地と、を含む複数の地点と、各地点を訪れる順序を特定する情報(各地点に関連する時刻)と、を有して構成される、といえる。
【0025】
図3は、コース編集テーブル322の構成を示す図である。コース編集テーブル322は、コース公開テーブル321とほぼ同様の構成を備える。コース編集テーブル322は、ドライブの開始から終了までに走行する経路を含むコースデータ502を、コースを特定するコースID501と対応付けて、複数格納することが可能である。
【0026】
コースデータ502は、少なくとも一つの出発地ID510と、一つの到着地ID530と、を含んで構成される。また、コースデータ502には、さらに、一つまたは複数の経由地ID520と、一つまたは複数の立寄地ID540と、を含むことができる。すなわち、コースデータ502は、出発地と、到着地と、を含む複数の地点を備えるといえる。
【0027】
出発地ID510には、出発予定時刻511と、移動手段512と、地点名称513と、位置情報514と、が対応付けられている。出発地ID510は、コースの開始位置を特定する識別子であり、例えば所定の位置に予め割り振られた地点IDである。出発予定時刻511は、出発地ID510により特定される地点を出発する予定上の時刻である。移動手段512は、当該出発地から次に訪れる地点への移動手段を特定する情報が格納される。例えば、「(自動)車」、「徒歩」等である。地点名称513は、出発地ID510にて特定される地点の名称を示す情報である。位置情報514は、出発地ID510にて特定される地点の位置を特定する情報である。例えば、緯度経度を示す座標の情報である。
【0028】
経由地ID520には、到着予定時刻521と、滞在予定時間522と、出発予定時刻523と、地点名称524と、位置情報525と、が対応付けられている。経由地ID520は、コース上で経由する地点を特定する識別子であり、例えば所定の位置に予め割り振られた地点IDである。到着予定時刻521は、経由地ID520により特定される地点へ到着する予定上の時刻である。滞在予定時間522は、経由地ID520により特定される地点で滞在する予定の時間である。出発予定時刻523は、経由地ID520により特定される地点を出発する予定上の時刻である。地点名称524は、経由地ID520にて特定される地点の名称を示す情報である。位置情報525は、経由地ID520にて特定される地点の位置を特定する情報である。例えば、緯度経度を示す座標の情報である。
【0029】
到着地ID530には、到着予定時刻531と、地点名称532と、位置情報533と、が対応付けられている。到着地ID530は、コースの終了位置を特定する識別子であり、例えば所定の位置に予め割り振られた地点IDである。到着予定時刻531は、到着地ID530により特定される地点へ到着する予定上の時刻である。地点名称532は、到着地ID530にて特定される地点の名称を示す情報である。位置情報533は、到着地ID530にて特定される地点の位置を特定する情報である。例えば、緯度経度を示す座標の情報である。
【0030】
立寄地ID540には、上位の地点ID541と、予定時刻情報542と、関連キーワード543と、地点名称544と、位置情報545と、が対応付けられている。立寄地ID540は、コース上で立寄る地点を特定する識別子であり、例えば所定の位置に予め割り振られた地点IDである。なお、立寄地は、経由地等とは異なり、コースに含まれる出発地、経由地または到着地のいずれかに関連付けられる。例えば、関連付けられた経由地における詳細な予定等を含む。上位の地点ID541は、コースに含まれる出発地、経由地または到着地のいずれかを特定するIDである。予定時刻情報542は、立寄地ID540により特定される地点での目安となる何らかの予定上の時刻である。関連キーワード543は、立寄地ID540で取る予定の行動、地点名称、人名またはその他関連するキーワードを特定する情報である。例えば、関連付けられた経由地における詳細な行動である「○○体験」や、立寄地で接触する人物の名称等を示す情報である。地点名称544は、立寄地ID540にて特定される地点の名称を示す情報である。位置情報545は、立寄地ID540にて特定される地点の位置を特定する情報である。例えば、緯度経度を示す座標の情報である。
【0031】
このように、コースデータ502は、出発地と、到着地と、を含む複数の地点と、各地点を訪れる順序を特定する情報(各地点に関連する時刻)と、を有して構成される、といえる。
【0032】
図4は、経路管理サーバ300のハードウェア構成例を示す図である。経路管理サーバ300は、いわゆるサーバ装置である。経路管理サーバ300は、入力装置351と、出力装置352と、演算装置353と、主記憶装置354と、外部記憶装置355と、通信装置356と、をバス357で接続した構成である。コース編集部311と、コース公開部312と、公開コース生成部313とは、経路管理サーバ300の演算装置353に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは主記憶装置354または外部記憶装置355内に記憶され、実行にあたって主記憶装置354上にロードされ、演算装置353により実行される。また、記憶部320のコース公開テーブル321とコース編集テーブル322は、外部記憶装置355または主記憶装置354に実装される。
【0033】
図1の説明に戻る。経路管理端末200は、使用者が作成した経路情報を作成・編集する際に用いる端末である。経路管理端末200は、ネットワーク250を介して経路管理サーバ300にコースデータの作成・追加・変更・削除等の編集要求を送信し、送信されたコースデータを受信して編集等を処理し、編集後のコースデータを経路管理サーバ300に送信するいわゆるブラウザ端末である。
【0034】
経路管理端末200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、を有する。制御部210には、経路の情報を編集する要求入力を使用者から受け付けて、経路管理サーバに送信し、コースデータを編集するブラウザ部211が含まれる。ブラウザ部211は、通信部230等を介してネットワーク250に接続された他の機器からHTML(Hyper Text Markup Language)等による画面情報を受信して、画面情報を構成して出力する。また、出力した画面上での操作を受け付けると、当該操作に応じた処理を行う。例えば、ブラウザ部211は、経路管理サーバ300から選択入力可能な画面情報を受信すると、画面を表示させ、選択入力を受け付けると、経路管理サーバ300に対して選択された内容を特定する情報を送信する。記憶部220は、様々なデータを格納するいわゆるメモリやストレージである。また、通信部230は、ネットワーク250を介して他の装置と通信を行うことができる。経路管理端末200は、例えばいわゆるパーソナルコンピュータにより実現される。
【0035】
経路管理端末200は、図4に示す経路管理サーバ300とほぼ同様の構成を備える。そのため、経路管理サーバ300の説明に準ずる。経路管理端末200のブラウザ部211は、経路管理端末200の演算装置353に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは主記憶装置354または外部記憶装置355内に記憶され、実行にあたって主記憶装置354上にロードされ、演算装置353により実行される。
【0036】
ナビゲーション装置100は、地図情報を表示して、ナビゲーション装置100の現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報と、を示すことが可能ないわゆるナビゲーション装置である。
【0037】
図5に示すように、ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、通信装置12と、を備えている。
【0038】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報に基づいて現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0039】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ出力する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、使用者から指示された出発地又は現在地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)と、を結ぶ経路を一つまたは複数探索する。また、演算処理部1は、探索した推奨経路の選択を受け付けると、選択された推奨経路を誘導する。なお、推奨経路の誘導処理においては、演算処理部1は、スピーカ42やディスプレイ2を用いて使用者を誘導するための誘導情報を生成し、生成した誘導情報をスピーカ42やディスプレイ2に出力する。
【0040】
また、演算処理部1は、後述するように、経由地があれば当該経由地を経由して、出発地から最終的な到着地へ到る予め作成されたドライブのコース上で、次に訪れるべき経由地または到着地の指定を受け付けて、当該指定された地点へ到る経路を探索して誘導することができる。なお、演算処理部1は、指定された経由地に到着すると、次に訪れるべき地点の指定を受け付けることができる。そのため、使用者は、次に訪れるべき地点について、予め作成したドライブコース上の順序を参考にしながら自由に指定することができるといえる。具体的には、使用者は、渋滞等の状況が想定と異なる場合に、ドライブを開始した後であっても経由地を訪れる順序を変更して経路誘導を受けることができる。
【0041】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0042】
ディスプレイ2は、文字や画像の表示を行うための画面を備え、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を前記画面上に表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0043】
記憶装置3は、各種の情報を記憶する装置である。記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0044】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル600が記憶されている。
【0045】
図6は、リンクテーブル600の構成を示す図である。リンクテーブル600は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)601ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ602を含んでいる。
【0046】
リンクデータ602は、リンクの識別子であるリンクID611ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報622、リンクを含む道路の種別を示す道路種別623、リンクの長さを示すリンク長624、予め記憶されたリンク旅行時間625、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク626、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度627、などを含んでいる。
【0047】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0048】
図5に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0049】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージ等の音声情報を音声として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0050】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0051】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0052】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0053】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0054】
車速センサ7、ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地すなわち自車位置を検出するために使用されるものである。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0055】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0056】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0057】
通信装置12は、無線通信網等のネットワーク250に接続する。このような通信装置12は、例えば接続した無線通信網等のネットワーク上に接続された機器と通信を行うことが可能である。
【0058】
図7は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、基本制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、コースデータ管理部104と、を有する。
【0059】
基本制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ7、8、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、GPS受信装置9によって受信したGPS情報に含まれる現在時刻を出力する。また、基本制御部101は、他の処理部から推奨経路の情報を要求されると、当該情報を出力する。
【0060】
基本制御部101は、リンクテーブル600を用いて、入力受付部102により指定を受けつけた出発地又は指定がない場合には現在地と、入力受付部102により指定を受けつけた目的地と、を結ぶ最適な経路を探索する。具体的には、入力受付部102等の他の処理部から目的地を受け渡された基本制御部101は、現在地を特定し、現在地から目的地までの経路を一つまたは複数探索する。当該経路探索においては、基本制御部101は、ダイクストラ法等の経路探索ロジックを用いて、道路の所定の区間(リンク)に対して予め設定されたリンクコストに基づいて、一つまたは複数の経路を探索する。なお、経路探索の際に重視すべき条件に応じて、探索される経路は複数となる。例えば、経路探索部104は、移動距離が最短となる条件を満たす経路と、有料道路の走行を許可する条件を満たす経路と、有料道路の走行を許可しない条件を満たす経路と、移動時間が最短となる条件を満たす経路、等の複数の経路を探索する。なお、基本制御部101は、経路探索の際に、現在の日時に基づいて予測した到着日時・日の種類に対応する統計情報に含まれるリンクコストを用いて探索するようにしてもよい。
【0061】
また、基本制御部101は、所定の基準に従って、探索した複数の経路のうちの一つを推奨経路として特定する。当該所定の基準とは、経路を探索した条件が、予め基本制御部101に設定された条件に従っているか否かである。そして、基本制御部101は、出力処理部103を介して、当該推奨経路と、その他の複数の経路と、を表示し、入力受付部102に対していずれかの経路の選択入力を受け付けるよう指示する。
【0062】
また、基本制御部101は、経路の情報を読み込んで、誘導する経路として設定し、誘導する。具体的には、基本制御部101は、車両の現在地が推奨経路から逸脱しないよう、推奨経路に基づいて誘導情報を生成し、出力処理部103へ出力する。
【0063】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理が実行されるように、受け付けた要求内容を基本制御部101に出力する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、受け付けた推奨経路の探索要求を基本制御部101へ出力する。
【0064】
出力処理部103は、例えば表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するためのグラフィックス情報に変換して、ディスプレイ2に対して描画する指示を行う。また、処理内容に応じて、スピーカ42から音声情報を出力する指示を行う。
【0065】
コースデータ管理部104は、ネットワーク250等を介して経路管理サーバ300等から取得した公開コースデータのうち、指定されたコースデータについて経路誘導を行うよう基本制御部101に指示を行う。
【0066】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち基本制御部101、入力受付部102、出力処理部103、コースデータ管理部104は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0067】
上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100、経路管理端末200および経路管理サーバ300の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100、経路管理端末200および経路管理サーバ300の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0068】
また、ナビゲーション装置100、経路管理端末200および経路管理サーバ300の各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0069】
[動作の説明]次に、経路管理サーバ300が実施する公開コース生成処理の動作について説明する。図8は、公開コース生成処理を示すフロー図である。このフローは、経路管理サーバ300のコース公開部312が、経路管理端末200からネットワーク250を介してコース公開の指示を受け付けると、開始される。
【0070】
まず、コース公開部312は、コース編集テーブル322からコースデータを読込む(ステップS001)。具体的には、コース公開部312は、コース編集テーブル322に格納されているコースデータ502を読み出し、通信部330を介して経路管理端末200のブラウザ部211に対して、各コースデータを選択する入力受付を可能な画面情報を送信する。
【0071】
ブラウザ部211が、選択されたコースデータを特定する情報を送信すると、コース公開部312は、特定されたコースデータについて、コースの出発地の住所を特定する(ステップS002)。具体的には、コース公開部312は、コースの出発地の地点IDを特定して、当該地点の座標情報が属する住所を特定する。
【0072】
コース公開部312は、ステップS002にて特定した出発地の住所に基づいて、出発地の代替となる施設を特定し、コースデータの出発地を、当該施設によって置換する(ステップS003)。具体的には、出発地の住所が属する行政区画(例えば、市区町村)を管轄する庁舎の位置および都道府県庁所在地のうち、最も近い施設を特定して、出発地として設定する。
【0073】
そして、コース公開部312は、コースデータに含まれるプライベートな経由地を削除する(ステップS004)。例えば、コース公開部312は、コースデータに含まれる経由地のうち、以下のいずれかの条件に該当する経由地を、コースデータから削除する。条件の1つめは、知人宅としていずれかの利用者に登録がされていることである。条件の2つめは、自宅としていずれかの利用者に登録がされていることである。条件の3つめは、当該経由地と対応付けられた非公開の電話番号があることである。
【0074】
次に、コース公開部312は、コースデータに含まれるプライベートな到着地を削除する(ステップS005)。例えば、コース公開部312は、コースデータに含まれる到着地のうち、以下のいずれかの条件に該当する到着地を、コースデータから削除する。条件の1つめは、知人宅としていずれかの利用者に登録がされていることである。条件の2つめは、自宅としていずれかの利用者に登録がされていることである。条件の3つめは、当該到着地と対応付けられた非公開の電話番号があることである。
【0075】
次に、コース公開部312は、到着地を削除したか否かを判定する(ステップS006)。具体的には、コース公開部312は、ステップS005において、到着地を削除したか否かを判定する。
【0076】
到着地を削除していない場合(ステップS006にて「No」)、コース公開部312は、出発地代替施設から、到着地への経路を探索する(ステップS007)。具体的には、コース公開部312は、ステップS003において置換した出発地の代替となる施設から、コースの到着地へ到る経路を探索する。当該探索においては、ステップS004にて削除されなかった経由地がある場合には、当該経由地を経由するようにコース公開部312は経路を探索する。そして、コース公開部312は、制御を後述するステップS011に進める。
【0077】
到着地を削除した場合(ステップS006にて「Yes」)、コース公開部312は、コース上に経由地が一つ以上残っているか否かを判定する(ステップS008)。具体的には、コース公開部312は、コースデータ上に、ステップS004にて削除されていない経由地があるか否かを判定する。
【0078】
経由地が一つも残っていない場合(ステップS008にて「No」)には、コース公開部312は、エラー処理を行う(ステップS009)。到着地が削除されていて、経由地がないのであれば、当該コースデータはコースとしての意味を成さないためである。
【0079】
経由地が一つ以上残っている場合(ステップS008にて「Yes」)には、コース公開部312は、コース上に残存する経由地のうち最後の経由地を到着地として設定し、出発地代替施設から、到着地への経路を探索する(ステップS010)。具体的には、コース公開部312は、ステップS003において置換した出発地の代替となる施設から、コースの到着地へ到る経路を探索する。当該探索においては、ステップS004にて削除されなかった経由地が他にある場合には、当該経由地を経由するようにコース公開部312は経路を探索する。
【0080】
コース公開部312は、探索した経路を、コース公開テーブルに格納する(ステップS011)。なお、コース公開部312は、削除された経由地または到着地と関連付けられた立寄地についても、コースデータから削除してコース公開テーブルに格納する。これにより、公開対象のコースについての公開コースが、プライベート情報を除去されてコース公開の対象となる。
【0081】
以上が、公開コース生成処理の処理内容である。公開コース生成処理によれば、使用者は、ドライブコースを公開する際に、おおまかにコースの同一性を保ちつつ、プライベートな地点の情報が非公開となるようにすることができる。これにより、コースの公開に対する抵抗感が下がり、より多くのドライブコースが公開されるよう促される。すなわち、ナビゲーション装置100において、公開されたドライブコースを利用する経路誘導にバリエーションが増えることになり、使用者の利便性が向上する。
【0082】
図9、図10は、公開コース生成処理について、具体的な例を示す図である。図9(a)は、コース編集テーブル322に格納されるコースデータ502のコース例700を示している。コース例700は、出発地A721から、経由地B722、経由地C723、経由地D724を順に経由して、到着地E725へ到るコースの例である。このうち、経由地B722と、経由地C723とがプライベートな地点(例えば、友人宅)であるとする。
【0083】
図9(b)は、公開コース生成処理によって、コース例700を対象として生成した公開コース例750を示す図である。公開コース例750は、出発地G751から、経由地D724を経由して、到着地E725へ到る公開コースの例である。当該公開コース例750は、元となった図9(a)のコース例700と比較して、公開コース生成処理のステップS003において出発地が、出発地A721から出発地G751へと代替されている。また、プライベートな地点である経由地B722、経由地C723は、ステップS004において削除されている。なお、経由地D724、到着地E725は、削除されずに残存している。公開コース生成処理によると、このように、プライベートな地点が非公開となるように公開コースが生成される。
【0084】
図10は、公開コース生成処理によって、コース例700を対象として生成した公開コース例800を示す図である。ただし、コース例700について、到着地E725がプライベートな地点であるものとした場合の例である。公開コース例800は、出発地G801から、到着地D724へ到る公開コースの例である。当該公開コース例800は、元となった図9(a)のコース例700と比較して、公開コース生成処理のステップS003において出発地が、出発地A721から出発地G801へと代替されている。また、プライベートな地点である経由地B722、経由地C723は、ステップS004において削除されている。また、プライベートな地点である到着地E725は、ステップS005において削除されている。また、到着地E725の削除に伴い、最後の経由地である経由地D724が、ステップS010により到着地として設定されている。公開コース生成処理によると、このように、プライベートな経由地および到着地が非公開となるように公開コースが生成される。
【0085】
以上が、本発明に係る実施形態である。上記実施形態によれば、ナビゲーションシステム1000は、経由地点や施設がプライベートな情報を含む場合であっても、プライベートな情報を保護しながら経路を公開することが可能となる。
【0086】
本発明は、上記の実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、経路管理サーバ300の公開コース生成部313がプライベート地点を保護する公開コースを生成してコース公開部312がコースの公開を行っているが、これに限られない。例えば、ナビゲーション装置100のコースデータ管理部104が、プライベート地点を保護する公開コースを生成し、経路管理サーバ300へ送信し、公開を依頼するようにしてもよい。具体的には、コースデータ管理部104は、走行履歴の情報を基本制御部101から取得して、当該走行履歴から、出発地と、経由地と、到着地とを設定して、コースデータを生成する。そして、コースデータ管理部104は、コースデータからプライベート地点を削除して公開コースデータとして経路管理サーバ300へ送信し、公開を依頼する。このようにすることで、使用者は、自分がドライブした直後に、当該ドライブコースを簡便に公開することができる。例えば、レンタカーによってドライブした場合等、ドライブコースの詳細情報を逸失する蓋然性が高い場合であっても、ドライブコースの公開を車両の返却前に手軽に行えるようになる。
【0087】
また、上記実施形態においては、経路管理サーバ300の公開コース生成部313がプライベート地点を保護する公開コースを生成してコース公開部312がコースの公開を行っているが、これに限られない。例えば、経路管理端末300の制御部210が、コース編集テーブル322の情報をダウンロード等により取得して、プライベート地点を削除することでプライベート情報が保護された公開コースデータを生成して、経路管理サーバ300へ送信し、公開を依頼するようにしてもよい。このようにすることで、コースデータの編集をより細やかに行うことができる。
【0088】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載のナビゲーション装置に限らず、移動体のナビゲーション装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・基本制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・コースデータ管理部、200・・・経路管理端末、210・・・制御部、211・・・ブラウザ部、220・・・記憶部、230・・・通信部、250・・・ネットワーク、300・・・経路管理サーバ、310・・・制御部、311・・・コース編集部、312・・・コース公開部、313・・・公開コース生成部、320・・・記憶部、321・・・コース公開テーブル、322・・・コース編集テーブル、330・・・通信部、351・・・入力装置、352・・・出力装置、353・・・演算装置、354・・・主記憶装置、355・・・外部記憶装置、356・・・通信装置、357・・・バス、1000・・・ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも出発地と、到着地と、を含む複数の地点と、各地点を訪れる順序を特定する情報と、を有して構成されるコース情報を記憶する記憶手段と、
前記コース情報に含まれる各地点のうち、プライベートな地点が非公開となる公開用コース情報を生成する公開コース生成手段と、
ネットワークを介して要求を受け付けると、前記公開コース生成手段により生成した公開用コース情報を、要求元に送信する出力手段と、
を備えることを特徴とする経路出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路出力装置であって、
前記公開コース生成手段は、プライベート情報であることを示す情報をあらかじめ対応付けられた地点を、前記プライベートな地点と判定する、
ことを特徴とする経路出力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の経路出力装置であって、
前記プライベート情報であることを示す情報は、自宅または知人宅としてあらかじめ登録されたことを示す情報である、
ことを特徴とする経路出力装置。
【請求項4】
請求項2に記載の経路出力装置であって、
前記プライベート情報であることを示す情報は、当該地点に対応付けられた非公開の電話番号である、
ことを特徴とする経路出力装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の経路出力装置であって、
前記公開コース生成手段は、前記プライベートな地点を非公開とする処理において、前記コース情報から前記プライベートな地点を削除し、前記コース情報上最後に訪れる地点を到着地とする、
ことを特徴とする経路出力装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置と、経路出力装置と、を有するナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
少なくとも出発地と、到着地と、を含む複数の地点と、各地点を訪れる順序を特定する情報と、を有して構成されるコース情報を、ネットワークを介して前記経路出力装置から受信する受信手段と、
前記コース情報に含まれる各地点のうち、プライベートな地点が非公開となる公開用コース情報を生成する公開コース生成手段と、
前記公開コース生成手段により生成した前記公開用コース情報を、前記ネットワークを介して前記経路出力装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記経路出力装置は、
前記ネットワークを介して要求を受け付けると、前記ナビゲーション装置の前記送信手段により送信された前記公開用コース情報を、要求元に送信する出力手段を備える、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
経路出力装置の経路出力方法であって、
前記経路出力装置は、
少なくとも出発地と、到着地と、を含む複数の地点と、各地点を訪れる順序を特定する情報と、を有して構成されるコース情報を記憶する記憶手段を備え、
前記コース情報に含まれる各地点のうち、プライベートな地点が非公開となる公開用コース情報を生成する公開コース生成ステップと、
ネットワークを介して要求を受け付けると、前記公開コース生成ステップにより生成した公開用コース情報を、要求元に送信する出力ステップと、
を実施することを特徴とする経路出力方法。
【請求項8】
ナビゲーション装置と、経路出力装置と、を有するナビゲーションシステムの経路出力方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
少なくとも出発地と、到着地と、を含む複数の地点と、各地点を訪れる順序を特定する情報と、を有して構成されるコース情報を、ネットワークを介して前記経路出力装置から受信する受信ステップと、
前記コース情報に含まれる各地点のうち、プライベートな地点が非公開となる公開用コース情報を生成する公開コース生成ステップと、
前記公開コース生成ステップにより生成した前記公開用コース情報を、前記ネットワークを介して前記経路出力装置へ送信する送信ステップと、を実施し、
前記経路出力装置は、
前記ネットワークを介して要求を受け付けると、前記ナビゲーション装置の前記送信ステップにより送信された前記公開用コース情報を、要求元に送信する出力ステップを実施する、
ことを特徴とする経路出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−37402(P2012−37402A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178375(P2010−178375)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】