説明

経路変調により信号抽出を行うシステム及び方法

【課題】経路変調によって信号を抽出する改良されたシステムを提供する。
【解決手段】システムが、電磁信号を受信機30に送信するように構成された送信機12を備えており、この受信機は、この電磁信号とこれと混合するための別の電磁信号を受信するように構成されている。送信機と受信機への信号の伝搬経路は、送信機に向かう電磁信号の第1の伝搬経路と、受信機に向かう別の電磁信号の第2の伝搬経路を備えている。送信機及び受信機に向かう信号の伝搬経路のいずれか又はそれぞれに沿って配置された装置は、それぞれの伝搬経路の長さを変えるように構成されている。そして、プロセッサは、送信された電磁信号の振幅及び位相を回復するように構成され、さらに受信された電磁信号の一連のサンプルを受信し、またこの一連のサンプルを離散フーリエ変換処理するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の代表的な実施形態は全体的に、電磁信号が伝搬するシステム及び方法に関し、より詳細には、経路変調により信号抽出を行うシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スペクトル線幅が狭くコヒーレンス長が長い連続波(CW)のチューナブル光源を用いる分光分析は、スペクトルコントラストと周波数選択性が高いこと及び感受性が優れていることに関連した周知の利点を有する。スキャニング式CWテラヘルツ(THz)分光計は、この技術の最も重要な例である。そのようなシステムでは、送信された電界強度の正確な測定値を得るために、また分光計内のサンプルから生じた何らかの吸収損失を判断するために、送信機−受信機間の復調処理における位相の安定性が要求される。しかしながら、不要な熱的及び機械的な外乱が、受信した電界強度を変調する望ましくない変動を経路長の中で引き起こすことがある。このため、雑音比や安定性に対して復調信号を向上させるために、経路長を制御及び変調するシステム及び方法を設計することが望ましい。
【0003】
また、従来の信号処理技術は一般に、ロックイン増幅器(LIA)技術を使用して、位相判別式分光計が発生する同期信号を復調する。しかしながら、これらのLIAは、高価で複雑であり、また容易に小型化することができない。このため、従来のLIAの欠点を克服できる方法で、そのような同期信号を復調するシステム及び方法を設計することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述された背景に照らして、本発明の実施形態により、経路を変調することによって得られた信号を処理するための信号処理技術を含む、経路変調によって信号を抽出する改良されたシステム及び方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、このシステムは、1つ以上の選択可能な周波数のそれぞれにおいて電磁信号を受信機に送信するように構成された送信機を備えており、受信機は、この電磁信号及びそれと混合するための別の電磁信号を受信するように構成される。このシステムは、それぞれの伝搬経路の長さを変えるために、それぞれ送信機又は受信機への第1又は第2の信号の伝搬経路のいずれかに沿って、又は第1及び第2の伝搬経路それぞれに沿って配置された装置も備えている。
【0006】
このシステムは、送信された電磁信号の振幅及び位相を回復するように構成されたプロセッサも備えている。これに関連して、このプロセッサは受信された電磁信号の一連のサンプルを受信し、またこの一連のサンプルを離散フーリエ変換処理するように構成される。さらに、このシステムは、送信機によって送信された電磁信号を変調するように構成された変調器を備えている。ここで、変調器は、受信機の1/fノイズ領域を超える周波数(例えば、ω)において電磁信号を変調するように構成される。
【0007】
装置は、それぞれの伝搬経路の長さを変えるように構成され、第1及び第2の伝搬経路の長さの差が、送信機から受信機への電磁信号の送信の間、及び受信機におけるこの電磁信号や他の電磁信号を受信する間に、あらかじめ選択された比率で変更される。この装置は、それぞれが第1及び第2の伝搬経路の1つに沿って配置された装置の対を備えている。あらかじめ選択された比率で第1及び第2の伝搬経路の長さの差を増加するために、一方の装置が伝搬経路の1つの長さを増加するように構成され、同時に他方の装置は伝搬経路の他方の長さを減少するように構成される。例えば、この装置は、スプールとアクチュエータを備えている。この場合、光ファイバーの伝搬経路がスプールの周りに巻かれ、アクチュエータはスプールの直径を変えるように構成されるため、その結果、それぞれの伝搬経路の長さが変更される。
【0008】
あらかじめ選択された比率には、電磁信号が送信される周波数の関数として選択された比率が含まれる。より詳細には、あらかじめ選択された比率は、ドウェル時間(dwell time)にわたってそれぞれの周波数で送信された電磁信号の1つ以上の波長にまたがるように選択された比率を含んでいる。ある場合には、例えば、このあらかじめ選択された比率は、下記の周波数で経路長変調(path length modulation)を行うように選択された比率ωFSを含んでいる。
【数1】

上記では、λ(例えば、λTHz)はそれぞれの周波数における電磁信号の波長を示し、nは伝搬経路を伝搬する媒体の屈折率を示し、またSはあらかじめ選択された比率を示す。その際、プロセッサは興味のある第1の周波数ω−ωFSでサンプルのシーケンスをDFT処理し、また興味のある第2の周波数ω+ωFSでサンプルのシーケンスをDFT処理するように構成される。そして、あらかじめ選択された比率は、周波数の関数として選択された比率を含んでいるため、このあらかじめ選択された比率は、1つ以上の選択可能な周波数のそれぞれに対して選択された比率を含むことができる。ここで、周波数の1つに対して選択された比率は、別の周波数に対して選択された比率とは異なる。
【0009】
本発明の別の態様によれば、経路変調により信号抽出を行う方法が提供される。このため、本発明の例示的な実施形態によって、経路変調により信号抽出を行う改良されたシステム及び方法が提供される。前に示されまた後述されるように、本発明の典型的な実施形態が、従来技術によって明らかにされた問題を解決し、付加的な利点を提供するであろう。
【0010】
本発明をこのように一般的な用語で説明してきたが、ここで添付の図面を参照する。これらの図面は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1つの代表的な実施形態による分光計システムの概略ブロック図である。
【図2】本発明の代表的な実施形態に基づいて、周波数スペクトルにより分光計システムをスウィープする方法の中の種々のステップを例示するフローチャートである。
【図3】本発明の代表的な実施形態に基づいて、周波数スペクトルにより分光計システムをスウィープする方法の中の種々のステップを例示するフローチャートである。
【図4】本発明の代表的な実施形態に基づいて、フォトミキサー受信機(photomixer receiver)の測定されたノイズ密度スペクトルを例示するグラフである。
【図5】本発明の代表的な実施形態による受信機の中で、周波数のダウンコンバートを例示するスペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで添付した図面を参照して、本発明を以下に一層完全に説明する。これらの図面には、本発明の好ましい実施形態が示されている。しかしながら、これらの発明は多くの異なった形態で具体化することができるが、本願に記載された実施形態に限定されると解釈してはならない。むしろ、この開示内容が詳細で完全であり、また発明の範囲を当業者に十分に伝えるように、これらの実施形態が提供される。この関連で、等式によって関連付けられた多数の数学的又は数値的表現に対して、言及が行われる。しかしながら、この等式は絶対的又は近似の等式を指すことがあり、本発明の代表的な実施形態が技術的な許容差によってシステム及び方法の中で発生することがある変動の原因になる可能性があることは理解されたい。さらに、多数の変数が様々な実例において添え字を含む数学的な記号によって表されるが、これらの記号や添え字は説明の目的に対してのみ示されるのであり、本発明の範囲を限定すると解釈してはならないことは理解されよう。同じ参照番号は、全体を通じて同じ構成部品を示している。
【0013】
図1及び図2は、本発明の代表的な実施形態から恩恵を受ける分光計のシステム及び方法を例示している。しかしながら、例示されまた後で説明されるこの分光計のシステム及び方法は、本発明の代表的な実施形態から恩恵を受けるシステム及び方法の1つのタイプを例示しているだけであり、このため、本発明の範囲を限定すると解釈してはならないことは理解されたい。この件について、分光計のシステム及び方法に関する幾つかの実施形態が例示され、後で実施例のために説明されるが、伝搬する電磁信号の別のタイプのシステム及び方法は容易に本発明を使用できる。さらに、本発明のシステム及び方法は、電磁スペクトルのTHz(又はmmW)領域の信号に関連して主に説明される。しかし、本発明の実施形態のシステム及び方法は、電磁スペクトルのTHz領域の内側及び外側の両方で、種々の他のアプリケーションと共に使用されることができる。
【0014】
図示のように、本発明の代表的な実施形態の分光計システム10は、コヒーレント放射ビーム(電磁波)を所与の周波数で送信するように構成された送信機12を備えている。この送信機は、当業者に周知の多数の異なる送信機のいずれかを用いて構成することができる。例えば、1つの代表的な実施形態では、この送信機はフォトミキサー送信機(photomixer transmitter)を備えている。そのような場合、送信機は高速光導電性ダイオード(すなわち、フォトミキサー)を備える。この光導電性ダイオードは、ビームコンバイナ/スプリッタ16及び光結合された第1の光学経路18(例えば、光ファイバー)を介して2つのレーザ光源14a、14bで励起される。これに関して、レーザ光源は、ω及びωでオフセット周波数を有する電界(すなわち、Eω1及びEω2)で信号を放射するように構成される。このことは、フォトミキサー送信機では、下記のように表される。
ω1=Ecos(ωt+φ1T) (1)
ω2=Ecos(ωt+φ2T) (2)
ここで、E及びEは、それぞれ第1及び第2の光源からのビームの電界振幅を表し、またφ1T及びφ2Tは、第1の光学経路を通るビームの伝搬によって取り入れられた位相定数を示す。また、周波数ω及びωは、角周波数として又は対応する一時的な周波数(f=ω/2π)として表すことができることに注意されたい。
【0015】
クロスギャップ吸収(cross-gap absorption)の本質的に二次的な性質は、送信機12のダイオード内で引き起こされた光電流の中の差(すなわち、送信)周波数(すなわち、ω−ω)を作り出す。ここで、対応する電界は、下記のように表される。
=ηcos(ωTHzt+φ12T) (3)
ここで、ηは、フォトミキサー送信機の変換効率ωTHz=ω−ω及びφ12T=φ2T−φ1Tを表す。送信機12は、正弦波変調電圧を発生するように構成された電源22を含む送信機バイアス変調器(transmitter bias modulator)20に接続される。この正弦波変調電圧を用いて、送信機のフォトミキサーがバイアスされ、変調器は電界E=Vcos(ωt)を発生する。とはいえ、システムは信号を(周波数ωで)周波数変調する必要はないことは理解されよう。フォトミキサーを、螺旋、ダイポール又はスロットアンテナなどのアンテナの駆動点に配置することによって、差周波数電流(difference-frequency current)が差周波数フォトンに変換される。この結果は、高度にチューナブルで、連続波(CW)であり、1つの(擬似ガウス)空間モード内に含まれた極めてコヒーレントな放射源で、また送信された電界ETMを有する。この送信された電界は、下記のように、EとEの積として表される。
TM=Vcos(ωt)ηcos(ωTHz+φ) (4)
【数2】

式(4)及び(5)では、φはφ12Tの合計、及びフォトミキサーとアンテナ伝達関数に関連した何らかの位相遅延を表す。これは重要であり、受信機で検出されると大きく信号が変動する原因になる。そのような送信機に関するさらなる情報については、2002年2月19日に発行された「Quasi-Optical Transceiver Having an Antenna with Time Varying Voltage」という名称の米国特許第6,348,683号を参照されたい。
【0016】
このように、1つの実施形態の方法には、図2のブロック42と48に示されているように、送信周波数を選択するステップ、その後、送信機12からその周波数で放射ビームを送信するステップが含まれる。この送信周波数は、多数の異なる方法のいずれかを用いて選択することができる。しかしながら、測定された吸収シグナチャー(absorption signature)に基づいてサンプルを検出するために、送信周波数が一般に、吸収シグナチャーが規定される周波数の範囲の中で選択される。次に、フォトミキサー送信機では、フォトミキサーは、差周波数又は送信周波数(すなわち、ω−ω)を選択するために選択される周波数ω及び周波数ωでチューナブルレーザ光源を用いて励起されることができる。
【0017】
送信機12からの放射ビームは、平行な放射ビームを作るためにコリメートレンズ24を通過する。次に、このビームは、ビームが通過する反射器26a及び26bによって跳ね返され、また分析されるサンプル媒体と周囲空気などのベース媒体とを含むサンプルセル26を通過する。理解されるように、サンプル媒体とベース媒体は、放射ビームが少なくとも部分的に透過できる多数の種々の形状のいずれかを有することができる。例えば、サンプル媒体とベース媒体は、固体、液体、ガス、プラズマ又はエアゾールを含むことができる。より詳細には、種々の好ましい実施形態では、周囲空気のベース媒体は、ガスの形態にすることができるが、サンプルはガス又はエアゾールの形態にすることができる。
【0018】
放射ビームがサンプルセル26を通過するため、このサンプルセルの中のサンプル及びベース媒体は、ビームの少なくとも一部、より詳細には、ビームの電界の少なくとも一部を吸収する。放射ビームの残りの吸収されない部分(すなわち、受信した信号)は次に、サンプルセルを抜け出る。次に、サンプル信号は集束レンズ28に伝搬し、そこから集束された信号が受信機30によって取り上げられるか又は別の方法で受信される。この受信した信号ERPは、送信機12から受信機への信号の伝搬中に加えられた付加的な位相遅延を含んでおり、下記のように表される。
【数3】

ここで、Lは送信機と受信機との間の伝搬距離を示しており、またλTHz+及びλTHz−は、それぞれ周波数ωTHz+ω及びωTHz−ωにおける信号側波帯(上側及び下側)の波長を表す。
【0019】
受信機は、図2のブロック50で示されたような、受信した電界ERPを示す測定値を得る。送信機12と同様に、受信機はフォトミキサー受信機(photomixer receiver)(ホモダイン受信機)などの電界検出器を備えている。このフォトミキサー受信機は、電界を受信しまたそれに呼応して対応する電圧を発生するように構成されたアンテナを備えている。このアンテナは、高速光導電体に向けられている。この光導電体はまた、フォトミキサー送信機12を励起している同じ2つのレーザ光源14a、14bからのビームで光導電体を励起するために、第2の光学経路32に電気的に接続されている。この関連で、ビームコンバイナ/スプリッタ16は、レーザ光源からの信号のそれぞれを、前述された第1の光学経路18と、受信機のフォトミキサーを励起するために別の第2の光学経路(例えば、光ファイバー)に分離することができる。次に、これらの信号は、以下に示されるように、フォトミキサーのコンダクタンスを変調することができる。
RP=ηcos(ωTHzt+φ12R) (7)
ここで、ηはフォトミキサー受信機の変換効率を示し、またφ12R=φ2R−φ1R、φ1R及びφ2Rは、第2の光学経路を通ってビームが伝搬することによって取り入れられた位相定数を示す。
【0020】
受信機アンテナによって発生された電圧はフォトミキサー活性物質に与えられ、また数式(6)と(7)の積である変調されたコンダクタンスを通過する電流を生ずる。積の結果である差周波数は、下記のように示されるダウンコンバートされた信号電流IDownである。
【数4】

ここで、
【数5】

対応するダウンコンバートされた電界(又は信号)Eが、次に、下記のように計算される。
=IDownLoad (9)
ここで、RLoadは、受信機30の電気的負荷抵抗を示す。このような受信機に関するさらに多くの情報については、前述された’638号の特許を参照されたい。
【0021】
ダウンコンバートされた信号電流IDown及び/又は電界(又は信号)Eは、例えばエイリアス除去フィルタ36を含む受信機信号コンディショニング回路34に与えられる。次に、この信号コンディショニング回路の出力は、例えばディジタル信号処理動作を実行するプロセッサ38に入力される。この点に関しては、このプロセッサは、本発明の代表的な実施形態に基づいて動作することができる多数の種々のプロセッサ装置のいずれかを用いて構成することができる。例えば、このプロセッサは、コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ、ワークステーションコンピュータ)、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、専用のディジタル信号プロセッサ及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などの集積回路を含む様々な他の処理装置を備えることができる。
【0022】
分光計システム10が信号を(周波数ωで)周波数変調する場合、プロセッサ38が実行する信号処理動作には、変調周波数ωでアナログ−ディジタル変換器(A/D)40で信号を直接サンプリングすること、及びサンプルデータをプロセッサの離散フーリエ変換(DFT)処理を行うことなどによって、ダウンコンバートされた信号Eの振幅を回復する動作が含まれる。別の方法では、例えば、分光計システムは、ダウンコンバートされた信号Eをさらに処理するために、ロックイン増幅器(図示せず)などの同期復調器をさらに備えることができる。この点に関して、そのような同期復調器は、変調周波数ωで動作する局部発振器を備えて、これによりダウンコンバートされた信号の振幅を回復することができる。
【0023】
分光計としての動作に当たっては、システム10は、図2のブロック52及び54の中で示されているように、多数の周波数を通してスキャンされる、周波数ω及び周波数ωでチューナブルレーザ光源を用いてフォトミキサーの送信機12及び受信機30を励起することによって、周波数範囲の多数の送信周波数を通してスキャンする。周波数範囲の各送信周波数に対して、またこれにより異なる送信周波数を有する各放射ビームに対して、プロセッサ38はダウンコンバートされた信号電流IDownの振幅及び/又は位相を測定することができる。結果として生じた送信振幅及び/又は位相、及び関連付けられた送信周波数のコレクションは、図2のブロック52の中で示されているように、サンプルが識別されるサンプルセル26内のサンプルに対して測定された吸収又は分散シグナチャーを明確にする(define)ことができる。
【0024】
背景技術のセクションで説明されたように、特定の光送信システム(例えば、分光計システム)では、不要な熱的又は機械的な外乱が、受信した電界位相やダウンコンバートされた振幅を変調する望ましくない変動を経路長内で発生する。このため、本発明の代表的な実施形態は、伝達された信号の振幅エラーを発生する可能性がある経路長の不安定性を少なくとも部分的に取り除くために、第1又は第2の光学経路18、32の一方又は両方の経路長を変調する装置及び方法を提供する。与えられた経路長を変調することにより、スキャニング式分光計の各スペクトル点(選択された周波数)を測定する比較的短いドウェル時間の間に、伝達された信号の振幅を回復することができる。この関連で、不要な経路変動(spurious path variation)による位相変調が、伝達された周波数の複数の波長にわたって意図的に経路が広げられることによって緩和される。そして、複数の波長変調により、伝達された信号の完全な振幅が保存され、信号の振幅内のエラーが抑制される。
【0025】
例証的な実施形態によれば、分光計システム10は、第1の光学経路又は第2の光学経路のいずれかに沿って、又は図示のように、第1及び第2の光学経路のそれぞれに沿って配置された経路長変調装置40をさらに備えている。例証的な実施形態では、経路長の変調が光学経路のいずれか又は両方に同じ程度又は異なる程度で行われて、これによりシステム全体の経路長の広がりが実現される。この関連で、両方の光学経路に同時に変調が行われる場合、結果として生じたシステム経路の変調又はストレッチは、第1及び第2の光学経路に加えられた変調の差に対応し、そして他方の経路が広げられる(長さが増加される)ため、一方の経路が短縮すること(長さが縮小すること)が要求される。
【0026】
経路長変調装置40は、光路長を動的に拡張又は縮小するように構成された多数の装置のいずれかを備えることができる。光学経路が光ファイバーを含む1つの代表的な実施形態では、経路長変調装置は、光ファイバーを巻き取ることができるスプールと、このスプールの直径を広げて、これによりそこに巻かれたファイバーの長さを伸ばすように構成されたアクチュエータ(例えば、圧電性アクチュエータ)を備えている。そのような場合、光ファイバーを短縮することは、スプールとこれによりファイバーに前に与えられた広がりを減らすことによって実現することができる。
【0027】
次に、本発明の代表的な実施形態によれば、レーザ光源14a、14bがフォトミキサー送信機12を励起して、これにより選択された周波数で放射ビームを送信する前に(図2のブロック48を参照のこと)、経路長のレートスケール係数Sが、図3のブロック46に示されているように、例えばプロセッサ38によって選択される。この経路長のレートスケール係数は、スキャンされたスペクトルの各周波数サンプル点におけるドウェル時間(すなわち、システムが次の点に移動する前に、各周波数のサンプル点で動作する時間)の間に、システムストレッチ(1つ又は両方の光学経路のストレッチ、又は他の経路の短縮と一体になった1つの経路のストレッチ)を加える比率を表す。
【0028】
経路長のレートスケール(rate scale)は、各周波数サンプルにおけるドウェル時間にわたって、光学経路18、32の中で励起信号の1つ以上の波長を広げるような方法で、望ましい経路長の変調を実現するために、多数の種々の方法のいずれかで選択されることができる。より詳細には、例えば、経路長のレートスケールは、下記の数式に基づいて、励起信号の期間の整数の倍数として選択される。
【数6】

ここで、aは選択可能な整数の倍数(例えば、3)を表し、λTHzは差周波数の励起信号の波長を表し、またDはドウェル時間(例えば、0.03秒)を表す。差周波数fTHzに置き換えて書き直すと、経路長のレートスケールは下記のように選択される。
【数7】

ここで、nは、光学経路の伝搬媒体の屈折率を示す(例えば、光ファイバーに対して約1.5)。例えば、a=3、D=0.03s、fTHz=650GHz、そしてn=1.5の場合を検討する。そのような場合、c=3×10m/sであることを考えると、経路長のレートスケール係数Sは、約30.77mm/sとして選択される。
【0029】
経路長を変調する周波数が比較的低いと分光計システム10内のノイズが増加するため、経路長のレートスケール係数が選択される前、選択される時、又は選択される後で、送信機変調周波数ωが、ブロック44で示されているように、搬送波が受信機の電子部品の1/fノイズ領域よりも高くなるように選択される。この変調周波数の選択により、システムは、経路長を変調する比較的低い周波数においてノイズが増加することを少なくとも部分的に避けることができる。送信機変調周波数は、受信機の測定されたノイズ密度スペクトルを分析することなどの多数の異なる方法の中で選択される。測定されたノイズ密度スペクトルの1つの実施例は、図4のグラフで示されている。図示のように、受信機の部品の1/fノイズ領域は、約1kHzである。そして、この代表的なノイズ密度のスペクトルからは、10kHz以上の送信機の変調周波数ωが、過剰な1/fノイズを少なくとも部分的に避けるために必要とされる。
【0030】
経路長のレートスケール係数S及び送信機の変調周波数ωが選択されると、図3のブロック48に示されているように、選択された送信周波数で放射ビーム(すなわち、光源のビーム)を送信するステップを含む前述された類似の方法が進行する。放射ビームが選択された送信周波数のドウェル時間の間に送信されるため、プロセッサ38は、光路長変調装置40(又はより詳細には、例えば、装置のアクチュエータ)を制御して、第1の光学経路18及び/又は第2の光学経路32を伸ばし及び/又は収縮させ、システムの経路長全体のストレッチを実行する。そのような場合、放射された信号Eω1及びEω2は、下記の数式のように表される。
ω1=Ecos(ωt+ωFSt+φ1T) (12)
ω2=Ecos(ωt+ωFSt+φ2T) (13)
次に、送信機12のダイオードの中で発生した光電流内の差周波数(すなわち、送信)の周波数(すなわち、ω−ω)は、対応する電界を有する。
=ηcos((ωTHz+ωFS)t+φ12) (14)
ここで、ωFSは、差周波数における経路長変調周波数を表し、下記のように表される。
【数8】

【0031】
前と同様に、送信機12は、正弦波変調電圧を発生するように構成された電源22を備えている送信機バイアス変調器20に接続される。この正弦波変調電圧を用いて、送信機のフォトミキサーはバイアスされ、変調器は電界E=Vcos(ωt)を発生する。次に、送信された電界は下記のように、EとE=Vcos(ωt)の積として表される。
【数9】

【0032】
送信機からの放射ビームは、前述されたように、コリメートレンズ24とサンプルセル26を通過する。放射ビームの一部は、サンプルセルを出射し、集束レンズ28を通過し、そしてブロック50に示されているように、受信機30で取り出されるかそうでなければ受信される。この受信した信号ERPは、下記のように表される。
【数10】

ここで、λTHz+及びλTHz−は、この場合、それぞれ周波数ωTHz+ωFS+ω及びωTHz+ωFS−ωにおける信号側波帯(上側及び下側)の波長を表す。
【0033】
受信機30は電界を受信し、またそれに呼応して、対応する電圧を発生する。この受信機が発生した電圧は、フォトミキサー活性物質に与えられて、式(18)と(7)の積である変調されたコンダクタンスを通して電流を発生する。この積の結果として生じた差周波数は、下記のように表すことができるダウンコンバートされた信号電流IDownである。
【数11】

次に、対応するダウンコンバートされた電界(又は信号)Eは、前述されたように、式(9)に基づいて計算されそして下記のように単純化される。
=E[cos((ω+ωFS)t+φ)+cos((ω−ωFS)t−φ) (20)
前記において、E及びφは、下記のように表すことができる。
【数12】

この結果は、図5のスペクトル図形で示されているように、受信機のフォトミキサーの混合生産物(mixing product)である。
【0034】
また前述されたように、ダウンコンバートされた信号電流IDown及び/又は電界(又は信号)Eは、受信機信号コンディショニング回路34に与えられ、次にプロセッサ38に入力されて、ダウンコンバートされた信号Eの振幅が回復される。式(20)では、一定位相項(constant phase term)φが、温度と機械的な外乱の関数として経路長のドリフトと共に変化する。本発明の代表的な実施形態による経路長の変調を実行することによって、受信した信号の振幅は、信号の位相に影響する任意の経路のドリフトよりも遙かに早い周波数で抽出されることができる。
【0035】
より詳細には、本発明の1つの代表的な実施形態によれば、ダウンコンバートされた信号Eの振幅は、変調周波数ωでアナログ−ディジタル変換器(A/D)40で信号を直接サンプリングすること、及びサンプルデータをプロセッサの離散フーリエ変換(DFT)処理を行うことによって回復されることができる。これに関連して、A/Dからの信号出力の一連のサンプル値は、下記のように表される。
=E(n×τ) (21)
ここで、nはサンプル列n=0,1,2,3,...N−1のインデックスを示し、Nはサンプル数を示し、またτはωFS+ωでエイリアシングが確実に生じないように選択されたサンプリング時間間隔(秒)を表す。
【0036】
一連のサンプル値Eが、プロセッサ38によって受け取られる。このプロセッサ38は次に、サンプル値のDFT処理を行う。オイラーの公式を複素数シーケンス(complex sequence)x(n×τ)のDFT X(f)に適用すると、DFTは下記のように表される。
【数13】

ここで、fは、DFTが評価される(Hz単位で)正弦波の周波数を表す。興味のある周波数をω−ωFSと仮定し、周波数2πf=ω−ωFSを設定し、さらに2/Nの正規化を適用すると、サンプル値EのDFTは下記のように表される。
【数14】

一連の関数を所定の周波数ω+ωFSに等しく適用して(2πf=ω+ωFSを設定)、下記の式を生じることができる。
【数15】

【0037】
プロセッサ38は、DFTの式(23)及び(24)の関数として、所定の周波数成分(ω−ωFS)及び(ω+ωFS)に対してのみ、振幅及び位相を計算することができる。これらの結果は、式(20)によって示されるように、大きさが等しく、位相が逆の記号の複素数値になる。次に、報告され送信された振幅は、上記の2つの大きさの平均として計算される。位相情報は、伝搬経路内の媒体のコンプレックスインデックス(complex index)を得るために使用することができる。特に、信号帯域幅を処理することは、結果として幅が全サンプル時間、すなわちN×τである長方形のウィンドウの変形によって制限される。高速フーリエ変換処理では一般的なウィンドウ処理機能を、処理する通過帯域のサイドローブ(sidelobe)や幅を管理するために適用することができる。
【0038】
前述されたように、システム10は、図3のブロック52及び54に示されているように、周波数の範囲の中の多数の送信周波数をスキャンすることができる。経路長のレートスケール係数Sが送信周波数の関数として選択されたため(式11を参照のこと)、経路長のレートスケール係数は各送信周波数に対して再度選択され、また1つの送信周波数から次の周波数まで異なっている可能性がある。周波数範囲の各送信周波数に対して、またこれにより異なる送信周波数を有する各放射ビームに対して、プロセッサ38は、ダウンコンバートされた信号電流IDownの振幅及び/又は位相を測定することができる。結果として生じた送信振幅及び/又は位相、及び関連付けられた送信周波数のコレクションは、図3のブロック56に示されているように、サンプルが識別されるサンプルセル26内のサンプルに対して測定された吸収又は分散シグナチャーを明確にすることができる。
【0039】
本発明の多くの変形例及び他の実施形態は、前述された説明及び関連付けられた図面の中で提示された教義の利点を有する本発明が属する技術分野に精通した者には思い浮かぶであろう。従って、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、また変形例及び他の実施形態は添付した特許請求の範囲の中に含まれるものとすることは理解されたい。本願の中で特定の用語が使用されるが、それらの用語は一般的でありまた説明のためのみに使用されるものであり、本発明の範囲を限定する目的で使用されたものではない。
【符号の説明】
【0040】
10 分光計システム
12 送信機
14a、14b レーザ光源
16 ビームコンバイナ/スプリッタ
18 第1の光学経路
20 送信器バイアス変調器
22 電源
24 コリメートレンズ
26 サンプルセル
26a、26b 反射器
28 集束レンズ
30 受信機
32 第2の光学経路
34 受信器信号コンディショニング回路
36 エイリアス除去フィルタ
38 プロセッサ
40 経路長変調装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の選択可能な周波数のそれぞれについて前記電磁信号を前記受信機に送信するように構成された送信機と、前記電磁信号及びそれと混合するための別の電磁信号を受信するように構成された受信機とを備え、送信機へ向かう電磁信号用の第1の伝搬経路と、受信機へ向かう別の電磁信号用の第2の伝搬経路を備える、送信器および受信器システムと、
前記第1又は第2の伝搬経路のいずれかに沿って、又は前記第1及び第2の伝搬経路のそれぞれに沿って配置され、また前記それぞれの伝搬経路の長さを変えるように構成されて、前記第1及び第2の伝搬経路の長さが、電磁信号を前記送信機から前記受信機まで送信され、前記電磁信号と他の電磁信号を前記受信機で受信する間にあらかじめ選択された比率で変更される装置と、
受信された電磁信号の一連のサンプルを受け取り、また前記一連のサンプルを離散フーリエ変換処理するように構成されると共に、送信された電磁信号の振幅及び位相を回復するように構成されたプロセッサと、
を具備するシステム。
【請求項2】
前記装置に沿って配置された前記伝搬経路が光ファイバーから構成され、かつ前記装置が、
前記光ファイバーが巻かれるスプールと、
前記スプールの直径を変更し、これにより前記それぞれの伝搬経路の長さを変更するアクチュエータと、
を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記装置が、前記第1及び第2の伝搬経路のそれぞれの1つに沿って配置された一対の装置を備えてそれぞれ構成され、前記装置の一方が前記伝搬経路の一方の長さを増加するように構成され、かつ前記装置の他方が前記伝搬経路の他方の長さを縮小するように構成されて、前記第1及び第2の伝搬経路の長さの差があらかじめ選択された比率で増加される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記送信機が送信した電磁信号を変調するように構成された変調器をさらに備え、前記変調器が前記受信機の1/fノイズ領域よりも高い周波数で電磁信号を変調するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記あらかじめ選択された比率が、電磁信号が送信される周波数の関数として選択された比率を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記あらかじめ選択された比率が、ドウェル時間にわたってそれぞれの周波数で送信された電磁信号の1つ以上の波長に及ぶように選択された比率を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記あらかじめ選択された比率が、下記の周波数において、
【数1】

経路長の変調を実施するように選択された比率ωFSを含み、
ここで、λはそれぞれの周波数における電磁信号の波長を示し、nは前記伝搬経路を伝搬する媒体の屈折率を示し、かつSは前記あらかじめ選択された比率を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記送信機が送信した電磁信号を変調するように構成され変調器をさらに備えて、前記変調器が周波数ωで電磁信号を変調するように構成され、
サンプルのシーケンスを離散フーリエ変換(DFT)処理するように構成された前記プロセッサが、興味のある第1の周波数ω−ωFSでサンプルのシーケンスをDFT処理し、また興味のある第2の周波数ω+ωFSでサンプルのシーケンスをDFT処理するように構成される、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記あらかじめ選択された比率が、1つ以上の選択可能な周波数のそれぞれに対して選択され、前記周波数の1つに対して選択された比率が、別の周波数に対して選択された比率とは異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記送信機及び受信機が、分光計システムのフォトミキサー送信機及びフォトミキサー受信機を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
第1及び第2の伝搬経路の長さの差を変える比率を選択するステップであって、前記第1の伝搬経路が、電磁信号を前記受信機に送信するように構成された送信機に電磁信号を送信し、前記受信機は電磁信号とこれと混合するための別の電磁信号を受信するように構成され、かつ前記第2の伝搬経路は前記受信機への別の電磁信号である、比率を選択するステップと、
1つ以上の選択可能な周波数のそれぞれで、電磁信号を送信機から受信機へ送信し、電磁信号と別の電磁信号を前記受信機において受信するステップと、
電磁信号が前記送信機から前記受信機に送信されるとき、及び電磁信号と別の電磁信号が前記受信機で受信されるときに、前記第1又は第2の伝搬経路のいずれか又は両方の長さを変更するステップであって、前記第1及び第2の伝搬経路の長さの差が前記選択された比率で変更されるように前記伝搬経路のいずれか又は両方が変更される、長さを変更するステップと、
受信された電磁信号の一連のサンプルを受け取り、かつ前記一連のサンプルを離散フーリエ変換処理するように構成されると共に、送信された電磁信号の振幅と位相を回復するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記第1又は第2の伝搬経路のいずれか又は両方が光ファイバーを含み、前記光ファイバーがアクチュエータに連結されたスプールの周りに巻き取られ、かつ前記長さを変更するステップが前記スプールの直径を変えるように前記アクチュエータを制御するステップを含み、これにより前記それぞれの伝搬経路の長さが変更される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記長さを変更するステップが、前記伝搬経路の一方の長さを増加し、かつ前記伝搬経路の他方の長さを減少させて、前記第1及び第2の伝搬経路の長さの差が前記選択された比率で増加される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記送信機が送信した電磁信号を変調するステップをさらに含み、前記電磁信号が前記受信機の1/fノイズ領域よりも高い周波数で変調される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記比率を選択するステップが、電磁信号が送信される周波数の関数として比率を選択するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記比率を選択するステップが、ドウェル時間にわたってそれぞれの周波数で送信された電磁信号の1つ以上の波長に及ぶ比率を選択するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記比率を選択するステップが、下記の周波数において、
【数2】

経路長の変調を実施するように比率ωFSを選択するステップを含み、
ここで、λはそれぞれの周波数における電磁信号の波長を示し、nは前記伝搬経路を伝搬する媒体の屈折率を示し、かつSは前記あらかじめ選択された比率を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記送信機が送信した電磁信号を変調するステップであって、前記電磁信号が周波数ωで変調される、電磁信号を変調するステップをさらに備えて、
前記一連のサンプルを離散フーリエ変換(DFT)処理するステップが、興味のある第1の周波数ω−ωFSで一連のサンプルをDFT処理するステップ及び興味のある第2の周波数ω+ωFSで一連のサンプルをDFT処理するステップを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記比率を選択するステップが、1つ以上の選択可能な周波数のそれぞれに対して選択するステップを含み、前記周波数の1つに対して選択された比率が、別の周波数に対して選択された比率とは異なる、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記電磁信号を送信するステップが、フォトミキサー送信機からフォトミキサー受信機に電磁信号を送信するステップを含む、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−133931(P2010−133931A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−216637(P2009−216637)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(501348092)グッドリッチ コーポレイション (17)
【Fターム(参考)】