説明

経路情報生成装置及び経路情報生成プログラム

【課題】1日の目標歩数を達成できる経路を案内する。
【解決手段】目標歩数、出発地、目的地を設定するメモリ112と、累積歩数をカウントする歩数計114と、徒歩区間と交通機関区間とを含む、出発地から目的地に至る経路を求めて出力するCPU110と、経路に含まれる複数の地点の地点情報を取得する地点情報取得部141bと、を備え、CPU110は、徒歩区間に対応する距離に基づく経路内歩数を求め、目標歩数と累積歩数と経路内歩数に基づき、目標歩数を達成する経路を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路情報生成装置及び経路情報生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
歩行者が携帯電話端末等の携帯端末を携帯し、ネットワークにアクセスすることにより、現在地から目的地への経路を探索するシステムがある。たとえば、特許文献1に記載の技術は、ネットワークのサーバから地図情報を取得し、現在位置を取得して出発地点〜目的地点までの複数の経路を探索する。また、歩数の計測機能を有し、求めた複数の推奨経路それぞれについて、徒歩区間の歩数を算出する。そして、算出された歩数に対応する徒歩区間の消費カロリーを求めて表示部に表示する(下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−148539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、歩行者が健康維持等を目的として決めた目標歩数を達成するために経路を変更することができない。たとえば、探索された現在地〜目的地までの経路について、それまでに歩行者が1日に歩行した歩数(累積歩数)では、交通機関を利用すると目標とする1日の歩数を満たせないときが生じる。このように累積歩数の状態によって、目標歩数が達成できないときに目標歩数を達成できる歩行の経路を案内することができない。
【0005】
また、現在地〜目的地までの交通手段の選択肢は複数存在しており、希望する交通機関が経路として探索されるとは限らない。この場合、複数の推奨経路が表示されるため、その中から希望する1つの経路を選択しなければならない煩わしさがある。希望しない交通機関が推奨されると、検索条件を変更するなどして、再検索しなければならない。
【0006】
開示の経路情報生成装置及び経路情報生成プログラムは、上述した問題点を解消するものであり、所定期間内の目標歩数を達成できる経路を案内できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示技術は、目標歩数、出発地、目的地を設定する設定部と、累積歩数をカウントする歩数検出部と、徒歩区間と交通機関区間とを含む、前記出発地から前記目的地に至る経路を求めて出力する処理部と、前記経路に含まれる複数の地点の地点情報を取得する取得部と、を備え、前記処理部は、前記徒歩区間に対応する距離に基づく経路内歩数を求め、前記目標歩数と前記累積歩数と前記経路内歩数に基づき、前記目標歩数を達成する経路を求める。
【発明の効果】
【0008】
開示の経路情報生成装置及び経路情報生成プログラムによれば、所定期間内の目標歩数を達成できる経路を案内できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態にかかる経路情報生成装置を含む全体構成を示す図である。
【図2】図2は、事前設定する基本情報の設定値を示す図である。
【図3】図3は、スケジュール設定画面を示す図である。
【図4】図4は、現在地から目的地までの間における経路を示す図である。
【図5】図5は、基本情報の事前設定の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、移動経路を説明する図である。
【図7】図7は、公共交通機関の各地点情報を示す図表である。
【図8】図8は、各地点間の距離情報を示す図表である。
【図9】図9は、各地点間の歩数を示す図表である。
【図10】図10は、累積歩数のクリア処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、目標歩数達成支援の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】図12は、算出対象外区間を設定した歩数を示す図表である。
【図13】図13は、変更後の移動経路を示す図である。
【図14】図14は、変更後の移動経路を示す図である。
【図15−1】図15−1は、算出対象外区間を除外して目標歩数を達成する経路算出の処理を示すフローチャートである(その1)。
【図15−2】図15−2は、算出対象外区間を除外して目標歩数を達成する経路算出の処理を示すフローチャートである(その2)。
【図15−3】図15−3は、算出対象外区間を除外して目標歩数を達成する経路算出の処理を示すフローチャートである(その3)。
【図16】図16は、地点到達ごとの再計算を含む目標歩数達成支援の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
開示の所定期間内は、予め操作者(歩行者)が設定した所定期間内(例えば1日)の目標歩数を達成できる支援機能を有する。現在地〜目的地までは、交通機関の区間、および徒歩区間を含めて1日で目標歩数が達成できる経路を案内する。歩行者の1日の歩数は変動するため、案内された経路では目標歩数が達成できないときには、交通機関の一部を歩行経路に変更し、目標歩数が達成できる徒歩区間(歩行経路)を再度案内する。交通機関から徒歩区間に変更する際、交通機関への乗降が非効率な区間を除外する(徒歩区間に変更しない)ことにより、目標歩数達成に効率的な経路を案内する。
【0012】
(経路情報生成装置の全体構成図)
図1は、実施の形態にかかる経路情報生成装置を含む全体構成を示す図である。本実施の形態における経路情報生成装置の一例は、歩行者が携帯する携帯端末(図示の例では携帯電話端末)100である。携帯端末100は、汎用の携帯電話機能を有するが、以下の説明では、歩数に関する機能に関する説明をおこなう。
【0013】
携帯端末100は、操作設定用の入力部101と、経路および歩数等を表示する表示部102と、内部に組み込まれる制御部103とからなる。制御部103は、処理部(CPU)110と、クロック111と、メモリ112と、GPS113と、歩数検出部(歩数計)114と、通信部115と、を含む。
【0014】
入力部101は、各種の情報入力などの操作に用いられる。表示部102には、CPU110で処理された各種の情報が表示出力される。クロック111は、現在時刻を管理すると共に、スケジュール表と関連しており、指定時間に到達するとCPU110に通知する。GPS113は、GPS衛星からの電波を受信して携帯端末100の現在地を検出する。歩数計114は、携帯端末100を持ち歩いている間、歩数をカウントする。
【0015】
携帯端末100は、ネットワーク120を介して情報センタ130にアクセス可能である。情報センタ130は、地図情報データベース(DB)131と、公共交通機関情報データベース(DB)132とを有している。地図情報データベース131は、道路情報、駅等の施設の情報をデータベースとして保有する。公共交通機関情報データベース132は、公共交通機関の各駅(および各バス停)についての地点(経度/緯度)情報を有する。
【0016】
CPU110は、メモリ112に格納された所定のプログラムを実行することにより、目標歩数達成の支援をおこなう。メモリ112には、目標歩数達成のための設定値が予め設定され、設定部として機能する。CPU110は、メモリ112に格納された所定のプログラムを実行することにより、地図情報取得部141a、地点情報取得部141b、現在地情報取得部142、経路探索部143としての機能を実現するプロセスを起動する。これにより、情報センタ130の地図情報データベース131から地図情報を取得する地図情報取得部141aと、公共交通機関情報データベース132から、公共交通機関の経路上での地点(各駅)の位置情報(緯度、経度)を取得する地点情報取得部141bと、GPS113から現在地情報(緯度、経度)を取得する現在地情報取得部142と、目的地までの経路を探索する経路探索部143の各機能が実行される。
【0017】
経路探索部143は、メモリ112に格納された目標歩数等の設定値と、出発地点(現在地)と、目的地と、利用公共交通機関と、歩数計114によりカウントされた現在の1日の歩数(累積歩数)に基づき、ネットワーク120を介して情報センタ130からダウンロードした地図情報により経路を探索(および再探索)し、探索した経路に基づいて経路情報を生成する。そして、生成された経路情報を、表示部102や他の装置に出力して表示させる。
【0018】
図2は、事前設定する基本情報の設定値を示す図である。メモリ112に事前設定する設定値について説明する。携帯端末100の初期設定画面等でこの基本情報200の設定画面となる。画面の上部から入力する設定値を説明する。まず、1日の目標歩数値201を設定する。また、出発地202および目的地203の緯度、経度を設定する。これら出発地202および目的地203の緯度、経度は、ネットワーク120を介して情報センタ130からダウンロードした地図情報上での地点指定により緯度、経度を取得し、設定する。出発地202が現在地である場合には、GPS113が取得した緯度、経度を用いてもよい。歩幅204は、規定値(デフォルト)として成人男性の平均的な歩幅である75cmが設定されている。この値は、携帯端末100を利用する対象者の年齢および性別などに応じた値に変更自在である。
【0019】
また、移動に際して利用する公共交通機関を設定する。複数の公共交通機関がある場合にはそれぞれ設定する。図示の例では、公共交通機関1の設定値205として、乗車地(地点名)205a、路線名205b、降車地(地点名)205cを設定する。また、他の公共交通機関2の設定値206についても、同様に乗車地(地点名)、路線名、降車地(地点名)が設定できる。
【0020】
図3は、スケジュール設定画面を示す図である。スケジュール表上でのスケジュール設定情報300は、目標歩数達成支援のプログラム開始時間301と、開始時間301における支援内容302と、目標歩数達成支援(ヘルスアップサポートと称する)をおこなうか否かの設定303と、を含む。目標歩数達成支援(ヘルスアップサポート)の設定303は、プルダウン選択となっており、目標歩数達成支援を利用する場合はON、利用しない場合はOFFを指定する。ONの選択時には、クロック111の計時により指定した開始時間301になると、目標歩数達成支援プログラムが起動し、目標達成支援の処理を実行する。
【0021】
図4は、現在地から目的地までの間における経路を示す図である。図示のように、出発地401から目的地402までの経路上で利用可能な手段は複数存在する。図2の設定では、希望する公共交通機関1を設定しており、対応するAの経路410が選択されるようになっている。これにより、希望しない交通機関が探索されることがなく、再検索する手間を不要にできる。
【0022】
(事前設定の処理について)
図5は、基本情報の事前設定の処理動作を示すフローチャートである。事前設定時には、CPU110は、まずGPS113の位置情報を取得する(ステップS501)。これにより、携帯端末100の現在地を取得でき、CPU110は、現在地を中心とした地図情報を情報センタ130から取得する(ステップS502)。次に、基本情報を入力操作により設定する。この基本情報は、上述した図2,図3に示した設定画面200,300上での入力操作により設定される(ステップS503)。これらの設定項目は、上述したように、1日の目標歩数値201、移動の開始時間301と内容302、出発地202と目的地203、利用する公共交通機関の設定地205,206、ヘルスアップサポート利用の有無(ON/OFF)の設定303、歩幅204等である。
【0023】
CPU110は、基本情報設定の完了を待ち(ステップS504:Noのループ)、基本情報が設定されると(ステップS504:Yes)、CPU110は、設定された基本情報に基づいて、公共交通機関の各地点情報を取得する(ステップS505)。この各地点情報とは、図2で設定した公共交通機関の乗車地205a,206a、および降車地205c,206cの緯度、経度である。そして、CPU110は、ネットワーク120を介して公共交通機関情報データベース132から、公共交通機関の乗車地205a,206aおよび降車地205c,206cの緯度、経度を取得する。
【0024】
これにより、CPU110は、出発地から目的地に至る間の公共交通機関の利用区間と、徒歩区間をそれぞれ分離でき、徒歩区間における距離を地図情報から得て、徒歩区間の歩数を算出する(ステップS506)。以上の処理により、事前設定時の処理動作を終了する。
【0025】
図6は、移動経路を説明する図である。図5に示す処理における移動経路を説明する。出発地がaa、目的地がggであり、徒歩区間が出発地aa〜経由地bb(公共交通機関の乗車地)と、経由地ff(公共交通機関の降車地)〜目的地ggである。また、経由地bb〜ffが公共交通機関1を利用する区間であるとする。
【0026】
図7は、公共交通機関の各地点情報を示す図表である。図5に示す処理で取得する各地点情報700を説明する。CPU110は、図2に示した基本情報200に設定された公共交通機関1の設定値205に基づき、ネットワーク120を介して情報センタ130の公共交通機関情報データベース(DB)132から公共交通機関1の乗車地bb〜降車地ffの間に存在する各駅(駅名bb〜ff)の地点情報(緯度、経度)を取得する。取得した各駅の地点情報はメモリ112に格納される。これら地点情報は、公共交通機関を途中下車あるいは途中乗車可能な各駅である。
【0027】
図8は、各地点間の距離情報を示す図表である。図5に示す処理で取得する各地点間の距離情報800を説明する。CPU110は、ネットワーク120を介して情報センタ130の地図情報データベース(DB)131から取得した地図情報に基づき、各地点間の距離(m)を求めることができる。求めた各駅間の距離情報はメモリ112に格納される。
【0028】
図9は、各地点間の歩数を示す図表である。図5に示す処理で算出する各地点間の歩数情報900を説明する。CPU110は、図8に示した各地点間の距離を、基本情報200(図2)で設定した歩幅で割ることにより、各地点間の歩数を算出し、求めた歩数をメモリ112に格納する。以上により、公共交通機関における各地点(駅ごと)間の距離および歩数が算出される。
【0029】
図10は、累積歩数のクリア処理を示すフローチャートである。経路情報生成装置は、1日単位で目標歩数の達成を支援するものであり、1日ごとに累積歩数をクリアする。たとえば、1日のうち移動しない時間をクリアする時間として予め設定しておく(たとえば深夜3時)。そして、CPU110は、このクリア時間になると(ステップS1001)、当日の累積歩数を0クリアし(ステップS1002)、処理を終了する。0クリア後は、次の日の累積歩数として歩数計114で検出された新たな歩数がカウントされる。
【0030】
(移動開始時間における処理について)
CPU110は、移動開始時間における処理として、目標歩数達成支援をおこなう。具体的には、
1.目標歩数と、通常の移動経路において推測される累積歩数とを比較する。
2.通常の移動経路で目標歩数に達成できるか否かを判断し、達成できない場合「1駅先で乗る」とか「2駅手前で降りる」など、公共交通機関の経路の一部を徒歩に変更して新たな移動経路を求める。
3.求められた新たな移動経路を携帯端末の表示部に表示する。
【0031】
図11は、目標歩数達成支援の処理内容を示すフローチャートである。図3に示した開始時間(目標歩数達成支援の開始時間)になると、CPU110は、当日のそれまでの累積歩数と、設定した移動経路での徒歩区間の歩数との総和を算出する(ステップS1101)。そして、CPU110は、現在までの累積歩数が1日の目標歩数(図2)を達成しているか判断する(ステップS1102)。目標歩数を達成していれば(ステップS1102:Yes)、求めた通常の移動経路(図6)を表示部102上に表示して(ステップS1105)、処理を終了する。この際、CPU110は、表示部102上には、図6のように経路だけを表示してもよいし、対応する地図情報を表示してもよい。
【0032】
一方、ステップS1102において、現在までの累積歩数が1日の目標歩数を達成していない場合には(ステップS1102:No)、CPU110は、通常の移動経路(図6)での公共交通機関の区間の一部を徒歩区間に変更する(ステップS1103)。そして、CPU110は、当日の累積歩数と、変更後の移動経路での徒歩区間の歩数との総和を算出する(ステップS1104)。そして、新たに徒歩区間に変更した後の累積歩数が1日の目標歩数を達成するまでの間、徒歩区間を増やして再度ステップS1102での判定を実行する。
【0033】
これにより、当日の累積歩数が少なかった場合には、通常の移動経路であった公共交通機関の区間の一部を徒歩区間に変更することにより、1日の目標歩数を達成できるようになる。
【0034】
(経路変更時における算出対象外区間の設定について)
図12は、算出対象外区間を設定した歩数を示す図表である。図9の歩数の設定表に、算出対象外区間1201を設定している。この算出対象外区間1201は、図中斜線で示すbb駅〜ff駅区間である。算出対象外区間1201は、徒歩移動することが非効率な区間に対し予め設定しておく。たとえば、cc駅〜dd駅区間を徒歩移動すると算出されたとき、実際の移動経路は以下となる。
【0035】
出発地(aa)〜bb駅:徒歩移動
bb駅〜cc駅:電車移動
cc駅〜dd駅:徒歩移動
dd駅〜ff駅:電車移動
ff駅〜目的地(gg):徒歩移動
上記の例では、1つの公共交通機関を利用する予定であるところ、途中のcc駅〜dd駅を徒歩区間に変更すると、途中下車となり、再度dd駅で同じ公共交通機関の乗車が必要となり非効率であるため、途中下車がないよう算出対象外区間1201を設定しておく。
【0036】
算出対象外区間の設定による目標歩数の達成処理について説明する。当日の累積歩数が8350歩だったとすると、通常の移動経路での予測歩数は8850歩となり、目標歩数を達成することができない。この場合、CPU110は、変更後の新たな移動経路を下記処理により算出する。
<通常の移動経路>
8350(累積歩数)+100(出発地〜bb)+400(ff〜目的地)=8850(<10000目標歩数)
<変更後の移動経路>
8350(累積歩数)+100(出発地〜bb)+1600(dd〜目的地)=10050(>10000目標歩数)
【0037】
図13は、変更後の移動経路を示す図である。図示のように、公共交通機関のdd駅にて降車し、目的地ggまでを徒歩区間とすることにより、歩数を増やすことにより、1日の目標歩数を達成することができる。
【0038】
図14は、変更後の移動経路を示す図である。図14には、携帯端末100の表示部102に表示される変更後の地図画面を示す。図14に示すように、通常であれば図6の移動経路に沿った経路a(図中降車駅ff〜目的地ggまでの点線)が徒歩区間であるところ、変更された徒歩区間の経路Aを表示部102上に地図画面1400として表示する。すなわち、変更後の徒歩区間は、慣れない経路である等、道路事情に乏しい場合が考えられる。そのため、たとえば図14に示すように、降車駅dd〜目的地ggまでの徒歩区間の経路Aを地図上で表示することにより、徒歩区間を徒歩で移動する場合の情報を表示し目的地ggへの到達を支援することができる。
【0039】
(算出対象外区間を除外して目標歩数を達成する経路算出の処理について)
図15−1〜図15−3は、算出対象外区間を除外して目標歩数を達成する経路算出の処理を示すフローチャートである。この処理では、図11に記載の処理前に算出対象外歩数の調査をおこなう処理を追加してある。算出対象外区間とは、公共交通機関の区間の一部を徒歩区間に変更しない区間である。図6の経路を例に説明する。
【0040】
はじめに、CPU110は、目標歩数達成のための始点が出発地であるか、および終点が目的地であるか判断する。始点が出発地である場合(ステップS1501:Yes)、あるいは終点が目的地である場合には(ステップS1502:Yes)、ステップS1510に移行する。一方、始点が出発地でない場合(ステップS1501:No)、および終点が目的地でない場合には(ステップS1502:No)、ステップS1503に移行する。
【0041】
ステップS1503では、CPU110は、公共交通機関の移動区間を順次徒歩移動区間に変更する(ステップS1503)。これにより、CPU110は、算出対象外歩数を調査する(その1)(ステップS1504)。ここでは、出発地から該当地点(はじめは地点bb、以降は順次地点cc〜地点ff)までの移動手段を検索する。出発地から該当地点までの移動手段が徒歩のみであれば(ステップS1505:Yes)、ステップS1511へ移行する。
【0042】
一方、出発地から該当地点(はじめは地点bb、以降は順次地点cc〜地点ff)までの移動手段が徒歩のみでなければ(ステップS1505:No)、CPU110は、算出対象外歩数を調査する(その2)(ステップS1506)。ここでは、該当地点(はじめは地点bb、以降は順次地点cc〜地点ff)から目的地ggまでの移動手段を検索する。該当地点から目的地までの移動手段が徒歩のみであれば(ステップS1507:Yes)、ステップS1511へ移行する。
【0043】
一方、該当地点から目的地までの移動手段が徒歩のみでなければ(ステップS1507:No)、CPU110は、算出対象外歩数を調査する(その3)(ステップS1508)。ここでは、該当地点(はじめは地点bb、以降は順次地点cc〜地点ff)から直後の移動手段を検索する。該当地点から直後の移動手段が公共交通機関を利用する移動であれば(ステップS1509:Yes)、ステップS1511へ移行する。
【0044】
一方、該当地点(はじめは地点bb、以降は順次地点cc〜地点ff)から直後の移動手段が公共交通機関を利用しない移動であれば(ステップS1509:No)、ステップS1510に移行する。
【0045】
ステップS1510では、CPU110は、該当する区間を算出対象歩数として設定する(ステップS1510)。また、ステップS1511では、該当する区間を算出対象外歩数として設定する(ステップS1511)。これらステップS1510,ステップS1511の処理後、全ての公共交通機関の移動区間(上記区間bb〜区間ff)に対する処理がなされたか確認し(ステップS1512)、各区間での処理が完了していなければ(ステップS1513:No)、CPU110は、ステップS1503に戻り以降の処理を再実行する。一方、各区間での処理が完了すれば(ステップS1513:Yes)、CPU110は、ステップS1514以下の処理を実行する。以上の処理により図12に示した算出対象外区間1201が設定される。
【0046】
はじめに、CPU110は、当日のそれまでの累積歩数と、設定した移動経路での徒歩区間の歩数との総和を算出する(ステップS1514)。そして、CPU110は、現在までの累積歩数が1日の目標歩数(図2)を達成しているか判断する(ステップS1515)。目標歩数を達成していれば(ステップS1515:Yes)、求めた変更後の移動経路(図13)を表示部102上に表示して(ステップS1518)、処理を終了する。この際、CPU110は、表示部102上に、図13のように経路だけを表示してもよいし、図14のように対応する地図情報を表示してもよい。
【0047】
一方、ステップS1515において、現在までの累積歩数が1日の目標歩数を達成していない場合には(ステップS1515:No)、CPU110は、通常の移動経路(図6)での公共交通機関の区間の一部を徒歩区間に変更する(ステップS1516)。この際、算出対象外区間1201を除外し、算出対象歩数での公共交通機関の移動の一部を徒歩区間に変更する。そして、CPU110は、当日の累積歩数と、変更後の移動経路での徒歩区間の歩数との総和を算出する(ステップS1517)。そして、新たに徒歩区間に変更した後の累積歩数が1日の目標歩数を達成するまでの間、徒歩区間を増やして再度ステップS1515での判定を実行する。
【0048】
以上の処理により、当日の累積歩数が少なかった場合には、通常の移動経路であった公共交通機関の区間の一部を徒歩区間に変更することにより、1日の目標歩数を達成できるようになる。加えて、算出対象外区間1201を除外し、算出対象歩数での公共交通機関の移動の一部を徒歩区間に変更するため、同じ公共交通機関を降車して徒歩区間とし、再度同じ公共交通機関に乗車するといった非効率的な経路を選択することがない。これにより、1日の目標歩数を効率的に達成することができるようになる。
【0049】
(地点到達ごとの再計算処理について)
徒歩での移動の際、東京駅のような多数のホームを有する駅、所用による寄り道、または混雑している道路や坂道など特定の地点からの距離だけを要素とする計算では正確な歩数を求めることができない場合があり、このような場合には歩数計算に誤差が生じる。このような歩数の誤差は地点到達ごとに再計算をおこなうことで、解消できる。
【0050】
すなわち、再計算は、
1.地点到達ごとに、到達した地点(出発地点)を到着地点に再設定する。
2.通常の移動経路で目標歩数に達成できるか否かを判断し、達成できない場合「2駅手前で降りる」など、公共交通機関の経路の一部を徒歩に変更して新たな移動経路を求める。
3.求められた移動経路を携帯端末の表示部に表示する。
【0051】
図16は、地点到達ごとの再計算を含む目標歩数達成支援の処理内容を示すフローチャートである。CPU110は、算出された経路上の地点(たとえば地点bb、地点cc等)に到達するごとに、この到達した地点を到着地点として再設定する(ステップS1601)。これにより、この到達地点を始点として再度、以降の経路について以下の処理を実行し、1日の目標歩数を正確に達成できるようになる。
【0052】
ステップS1601の実行後、CPU110は、当日のそれまでの累積歩数と、設定した移動経路での徒歩区間の歩数との総和を算出する(ステップS1602)。そして、CPU110は、現在までの累積歩数が1日の目標歩数(図2)を達成しているか判断する(ステップS1603)。目標歩数を達成していれば(ステップS1603:Yes)、CPU110は、求めた通常の移動経路(図6)を表示部102上に表示して(ステップS1606)、処理を終了する。
【0053】
一方、ステップS1603において、現在までの累積歩数が1日の目標歩数を達成していない場合には(ステップS1603:No)、CPU110は、通常の移動経路(図6)での公共交通機関の区間の一部を徒歩区間に変更する(ステップS1604)。そして、CPU110は、当日の累積歩数と、変更後の移動経路での徒歩区間の歩数との総和を算出する(ステップS1605)。そして、新たに徒歩区間に変更した後の累積歩数が1日の目標歩数を達成するまでの間、徒歩区間を増やして再度ステップS1603での判定を実行する。
【0054】
これにより、当日の累積歩数が少なかった場合には、通常の移動経路であった公共交通機関の区間の一部を徒歩区間に変更することにより、1日の目標歩数を達成できるようになる。加えて、地点に到達するまでの間の歩数が計算上想定した歩数に比して増減した場合には、地点到達ごとに以降の経路を再計算する。これにより、環境や所用等により歩数が増減した場合でも、1日の目標歩数を設定した値に近づけることができるようになる。
【0055】
以上説明した実施の形態では、1つの公共交通機関を利用する例を用いて説明したが、公共交通機関の乗り換えがある場合にも対応することができる。この場合、図2に示した基本情報200において他の「公共交通機関2」を設定しておくことにより、公共交通機関1,2を利用し、上記同様な処理によって各地点間の歩数を求め、最適な徒歩区間を算出でき、徒歩区間を含む経路を適切に表示することができる。
【0056】
また、上記実施の形態で説明した構成では、1日の目標歩数達成をおこなう構成としたが、目標とする消費カロリーを達成する構成とすることもできる。たとえば、徒歩一歩当たりの消費カロリーを0.02kcal程度であり、1日の累積歩数に基づいて1日の総消費カロリーを求めることもできる。この場合、1日の目標消費カロリーを基本情報200に設定する構成としてもよい。そして、消費カロリーを主な目標とする健康管理をおこなうことができる。
【0057】
また、1日の目標歩数あるいは目標消費カロリーを設定し、この目標を達成するよう支援することにより、1日単位で目標達成していくことができ、健康増進に寄与できるようになる。人間が快適に生活していく上で、個人の健康管理は非常に重要な要素である。そして、目的地までの移動において、どのくらいの距離を歩くか、その際の歩数はどのくらいか等という情報は非常に重要な場合も多い。ある指針「健康づくりのための運動指針2006」では、健康づくりのための身体活動を歩数に換算すると、1日当たりおよそ8,000〜10,000歩とされている。上記の実施形態によれば、1日当たりの目標歩数を達成し日々これを積み重ねていくことができる。
【0058】
また、上記の実施形態によれば、予めメモリ112に、日常の健康管理に必要な情報として、基本情報200が記憶されているため、装置は、この基本情報200を用いて、要望に応じた経路を推奨することができる。この際、基本情報200には、希望する公共交通機関が設定されており、この希望する交通機関を用いた経路探索をおこなうことができるようになる。
【0059】
また、上記実施の形態で説明した目標歩数達成支援は、携帯可能な小型の携帯端末100の機能(アプリケーション)として提供することができるため、日常的な通勤、通学をはじめ、出張やレジャーといったあらゆる場面において、健康を意識した活用ができる。
【0060】
また、実施の形態でも説明したが、基本情報200の開始時間を日常生活における帰宅時に設定することにより、たとえば会社勤務の場合の勤務先〜自宅までの帰宅経路において、それまでの累積歩数に基づき目標歩数を達成する徒歩区間を示すことができるようになる。このように、日々の帰宅経路に活用する等により、日々の健康管理に非常に有効となる。
【0061】
なお、本実施の形態で説明した目標歩数達成支援する経路情報生成の方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、携帯端末で実施する例を説明したが、ここでいう携帯端末は、必ずしも表示部102を備えている必要はない。例えば、各種の情報に基づいて携帯端末内で経路情報を生成し、生成した情報を外部の表示装置に送信して表示させるようにしてもよい。
【0063】
別の実施形態として、携帯端末では表示処理のみを行い、経路生成処理自体は当該携帯端末とネットワークで接続されている計算機で行うことも考えられる。例えば、ASP(Application Service Provider)サーバで実現する場合であれば、携帯端末からASPサーバに対して目標歩数、出発地、目的地、累積歩数等を送信し、ASPサーバがこれらの情報に基づいて経路情報を生成して携帯端末に送信し、携帯端末が受信した経路情報を表示する、という流れになる。
【符号の説明】
【0064】
100 携帯端末
101 入力部
102 表示部
103 制御部
111 クロック
112 メモリ
114 歩数計
115 通信部
120 ネットワーク
130 情報センタ
131 地図情報データベース
132 公共交通機関情報データベース
141 地図情報取得部
142 現在地情報取得部
143 経路探索部
200 基本情報
300 スケジュール設定情報
1201 算出対象外区間
1400 地図画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標歩数、出発地、目的地を設定する設定部と、
累積歩数をカウントする歩数検出部と、
徒歩区間と交通機関区間とを含む、前記出発地から前記目的地に至る経路を求めて出力する処理部と、
前記経路に含まれる複数の地点の地点情報を取得する取得部と、を備え、
前記処理部は、前記徒歩区間に対応する距離に基づく経路内歩数を求め、前記目標歩数と前記累積歩数と前記経路内歩数に基づき、前記目標歩数を達成する経路を求めることを特徴とする経路情報生成装置。
【請求項2】
前記処理部は、同一交通機関内での途中下車及び再度乗車となる経路を除いた経路を求めることを特徴とする請求項1に記載の経路情報生成装置。
【請求項3】
経路情報生成装置に、
徒歩区間と交通機関区間とを含む、設定された出発地から目的地に至る経路を求め、
前記経路に含まれる複数の地点の地点情報を取得し、
前記経路を表示する処理を実行させる経路情報生成プログラムであって、
前記経路を求める際には、前記徒歩区間に対応する距離に基づく経路内歩数を求め、設定された目標歩数と累積歩数と前記経路内歩数に基づき、前記目標歩数を達成する経路を求めることを特徴とする経路情報生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図15−3】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−198080(P2012−198080A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61790(P2011−61790)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】