説明

経路情報配信システム、経路情報案内サーバおよび端末装置ならびに経路情報配信方法

【課題】経路情報案内サーバに登録された経路のデータに基づいて交通情報を取得し、遅延などが生じた場合だけ、必要な時間帯のみ交通情報を端末装置に配信する。
【解決手段】端末装置は、識別情報、配信先の情報と関連付けて経路のデータを、経路情報案内サーバ30の登録経路データベース37に登録する。配信時間帯算出手段371は、登録された経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に基づいて配信時間帯を算出し、現在時刻が配信時間帯の範囲内である場合、交通情報取得手段372は、登録された経路の交通機関を用いた経路区間に関する交通情報を取得し、配信情報判別手段373は交通情報に交通機関の遅延に関する情報が含まれているか否かを判別し、遅延に関する情報が含まれている場合、運行情報配信手段33は、端末装置20の配信先に交通情報を配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置が、経路情報案内サーバなどから取得した任意の出発地から目的地に至る交通機関を用いた経路区間を含む案内経路に関する交通情報を該端末装置に配信する経路情報配信システムに関するものであり、特に、端末装置から経路情報案内サーバに、案内経路の情報と交通情報配信先の情報とを登録しておき、経路情報案内サーバが登録された案内経路の情報に基づいて、当該案内経路に関する交通情報を配信する時間帯を判別し、その時間帯における案内経路に関する交通情報をその時間帯のみ、登録された配信先に配信するようにした経路情報配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ(乗換え)を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段(個々の電車や路線バス)を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0007】
また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅などを指定して、乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのURL(Uniform Resource Locator)やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ(情報サイト)にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。
【0008】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける経路探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0009】
交通機関を利用した経路探索においては、目的地への到着希望時刻に対して、経路の余裕時間や電車などの交通手段の遅延が問題になる。特に、電車などの交通手段では事故や故障による遅延の他に、天候や混雑による遅延もある。交通手段の事故や遅延が発生すると、利用者が経路探索サーバなどから案内された経路に従って予定した時間通りに移動できないことになる。そこで、交通機関に関する交通情報を利用者に提供する方法が種々検討されている。
【0010】
例えば、下記の特許文献2(特開2002−342425号公報)には、現在位置から目的地までの経路に含まれる途中駅について、各駅における余裕時間を算出して利用者に提示するようにした経路提示サービスシステムの発明が開示されている。
【0011】
この経路提示サービスシステムは、始点−終点検索・結果記憶部は、ユーザの携帯端末の現在位置から目的地に至る順方向に、時刻表に従って各駅における発着時刻を検索し、また、目的地から開始駅に至る逆方向に、時刻表に従って、各駅に到着しなければならない発着時刻を検索し、主制御部は、上記始点−終点検索・結果記憶部の順方向検索で得られた各駅における発着時刻と、上記終点−始点検索・記憶部の逆方向検索で得られた各駅における発着時刻とに従って、各駅における余裕時間を算出し、ユーザの携帯帯端末余裕時間の通知を行なうように構成されたものである。
【0012】
また、下記の特許文献3(特開2001−325393号公報)には、現在位置から目的地までの経路において、ユーザが現在時点で位置すべき場所と、電車事故等の情報を取得し、遅れと迂回経路をリアルタイムに把握するようにした移動時間管理方法の発明が開示されている。
【0013】
この移動時間管理方法の発明は、ユーザから予め入力された目的地と目標到達時間に応じて、前記目的地に到達するための電車の経路を経路探索手段により探索し、移動中の前記ユーザが携帯する移動通信手段に対し、前記経路をもとに、前記目標到達時間通りに前記目的地に到着するために現在前記ユーザが居るべき地点及び、前記経路上で発生している電車事故等の情報に応じて該電車事故等による電車の遅れを回避するために前記経路探索手段により探索した迂回経路の、少なくともいずれかひとつを、リアルタイムに送信するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2002−342425号公報(図5、図7)
【特許文献3】特開2001−325393号公報(図2、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記特許文献2の技術によれば、案内された経路途中の乗換え駅などでどの程度余裕時間があるかを知るこきができるが、電車に遅れが生じると通知された余裕時間にずれが生じる。その場合、上記特許文献3の技術を適用すれば、電車に遅延が生じた場合に、遅延を回避するための迂回経路を得ることができるようになる。しかしながら、電車の遅延が検出された場合であっても、遅延の原因には種々の原因がある。故障や事故により運転見合せや大幅な遅延を生じることもあれば、天候や混雑、他の路線の運転見合せによる振替え輸送などの影響で運行ダイヤが乱れることによる小幅な遅延を生じることもある。
【0016】
後者の場合、電車の遅延が検出されても、遅延時間はわずかであるから利用者にとって許容範囲の遅延であり、実質的には遅延が生じていないのと同等であるというケースが多い。このような現象は、多くの人が日常的によく経験するところである。このようなケースの場合、上記特許文献3の技術によれば、通信手段を用いて遅延情報を取得したり、迂回経路の探索、迂回経路を受信したりすることになり、ネットワークの通信負荷やサーバの処理負荷をいたずらに増大させてしまうという問題点があった。
【0017】
更に、上記特許文献3の技術によれば、現在ユーザが予定している移動に遅れている場合に、現在の電車事故等の情報を考慮した迂回経路をリアルタイムでユーザは把握することができる。しかしながら、この技術はユーザが常に現在位置を取得してサーバへ現在位置を送信する必要があり、携帯電話などの充電容量の限られた機器では、出発地から目的地までの移動時間が非常に長い場合には実現が難しいという問題がある。また、例えばトンネルや地下などで現在位置を取得する信号が適切に取得できず、現在位置をサーバへ送信できないような場合には、ユーザの現在位置に則した情報をユーザに配信することができないという問題点が生じる。
【0018】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、端末装置から経路情報案内サーバに、所望の経路の情報または経路情報案内サーバに経路探索要求して探索された経路の情報と交通情報配信先の情報とを登録しておき、経路情報案内サーバが登録された経路の情報に基づいて、当該登録経路に関する交通情報を配信する時間帯を判別し、その時間帯における登録経路に関する交通情報をその時間帯のみ、登録された配信先に配信するようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0019】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、本発明は探索された経路の情報と端末装置の情報を経路情報案内サーバ側に登録しておき、登録保持した情報をもとに運行情報の配信時間帯に関してだけ交通情報(運行情報)を取得して端末装置に配信できるようにした経路情報配信システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、経路情報案内サーバと、該経路情報案内サーバにネットワークを介して接続される端末装置とを備えた経路情報配信システムであって、前記端末装置は、出発地と目的地と時刻情報とを含む経路探索要求を受け付ける操作受付手段を有し、前記経路情報案内サーバは、前記端末装置の識別情報に紐づけて情報の配信先を記憶する情報配信先記憶手段と、前記経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路区間を含む候補経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段によって探索された候補経路の情報を、経路探索要求を行った端末装置の識別情報に紐づけて登録する候補経路登録手段と、前記候補経路登録手段に登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に基づいて配信時間帯を算出する配信時間帯算出手段と、現在時刻が前記配信時間帯の範囲内である場合、前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間に関する交通情報を取得する交通情報取得手段と、前記取得した交通情報を前記情報配信先記憶手段に記憶されている情報の配信先に配信する運行情報配信手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる経路情報配信システムにおいて、前記配信時間帯算出手段が、候補経路登録手段に登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に所定の余裕時間を加えて配信時間帯を算出することを特徴とする。
【0022】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる経路情報配信システムにおいて、前記候補経路登録手段は、前記経路探索手段によって探索された候補経路のうち、前記端末装置が指定した候補経路の情報を登録する候補経路登録することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つにかかる経路情報配信システムにおいて、前記経路情報案内サーバは配信情報判別手段を有し、前記配信情報判別手段は、前記交通情報取得手段が取得した交通情報に交通機関の遅延に関する情報が含まれているか否かを判別し、前記運行情報配信手段は、前記配信情報判別手段によって交通機関の遅延に関する情報が含まれていると判断された交通情報を前記配信先に配信することを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つにかかる経路情報配信システムにおいて、前記配信時間帯算出手段は、前記候補経路登録手段に登録された候補経路の経路探索を行った時刻である経路探索開始時刻を、前記配信時間帯の開始時刻として算出することを特徴とする。
【0025】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つにかかる経路情報配信システムにおいて、前記候補経路登録手段が複数の候補経路を登録しており、複数の候補経路の交通機関を利用した経路区間が互いに同一の種別の交通機関を用いている場合、前記配信時間帯算出手段は、前記同一の種別の交通機関を用いる全ての乗車時間を統合して前記配信時間帯を算出することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項7にかかる発明は、出発地と目的地と時刻情報とを含む経路探索要求を受け付ける操作受付手段を有する端末装置に、ネットワークを介して接続される経路情報案内サーバであって、前記端末装置の識別情報に紐づけて情報の配信先を記憶する情報配信先記憶手段と、前記経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路区間を含む候補経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段によって探索された候補経路の情報を、経路探索要求を行った端末装置の識別情報に紐づけて登録する候補経路登録手段と、前記候補経路登録手段に登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に基づいて配信時間帯を算出する配信時間帯算出手段と、現在時刻が前記配信時間帯の範囲内である場合、前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間に関する交通情報を取得する交通情報取得手段と、前記取得した交通情報を前記情報配信先記憶手段に記憶されている情報の配信先に配信する運行情報配信手段と、を有することを特徴とする。
【0027】
本願の請求項8にかかる発明は、経路情報配信方法であって、端末装置が、出発地と目的地と時刻情報とを含む経路探索要求を受け付け、前記端末装置にネットワークを介して接続される経路情報案内サーバが、前記端末装置が受け付けた経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路区間を含む候補経路を探索し、前記探索された候補経路の情報を、経路探索要求を行った端末装置の識別情報に紐づけて登録し、前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に基づいて配信時間帯を算出し、現在時刻が前記配信時間帯の範囲内である場合、前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間に関する交通情報を取得し、前記取得した交通情報を、前記端末装置の識別情報に紐づけて記憶されている情報の配信先に配信することを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項7に記載の経路情報案内サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、出発地と目的地と時刻情報とを含む経路探索要求を受け付ける操作受付手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本願発明においては、端末装置が、出発地と目的地と時刻情報とを含む経路探索要求を受け付け、前記端末装置にネットワークを介して接続される経路情報案内サーバが、前記端末装置が受け付けた経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路区間を含む候補経路を探索し、前記探索された候補経路の情報を、経路探索要求を行った端末装置の識別情報に紐づけて登録し、前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に基づいて配信時間帯を算出し、現在時刻が前記配信時間帯の範囲内である場合、前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間に関する交通情報を取得し、前記取得した交通情報を、前記端末装置の識別情報に紐づけて記憶されている情報の配信先に配信する。
【0030】
このような構成によれば、端末装置は、端末装置は常に経路案内の表示を行っていなくても、経路情報案内サーバから必要な交通情報をメール配信で受信して確認することができるので、経路案内の表示のための消費電力を削減することが可能になる。また、常に端末装置が位置検出手段で位置検出して、その位置情報を経路情報案内サーバに送信する必要がなく、経路情報案内サーバから必要な交通情報をメール配信で受信して確認することができるので、端末装置において位置取得と位置情報などの情報送信を行うための消費電力を削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例にかかる経路情報案内システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例にかかる経路情報案内システムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】経路探索条件の設定メニュー画面の一例を示す図である。
【図4】経路情報案内サーバの登録経路データベースに蓄積される経路データの一例を示す図である。
【図5】経路案内情報配信サーバから端末装置に配信される交通情報の表示画面の一例を示す図である。
【図6】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図7】交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図8】本発明の実施例にかかる路情報案内システムを構成する経路情報案内サーバの動作手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例にかかる路情報案内システムを構成する端末装置の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための経路情報配信システムを例示するものであって、本発明をこの経路情報配信システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の経路情報配信システムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0033】
図1は、本発明の実施例にかかる経路情報配信システムの構成を示すシステム構成図である。本発明の実施例にかかる経路情報配信システム10は、図1に示すように、携帯型端末を用いた端末装置20と経路情報案内サーバ30とがインターネットなどのネットワーク12を介して接続される構成になっている。経路情報案内サーバ30は、経路探索のための道路ネットワークのデータを蓄積したデータベース(DB1)、時刻表データに基づく交通ネットワークのデータを交通ネットワークデータとして蓄積したデータベース(DB2)、各端末装置が交通機関の運行情報配信の対象として登録する経路情報を蓄積するデータベース(DB3)、表示用の地図データなどを蓄積したデータベース(DB4)を備えている。交通機関の運行情報は、ネットワークを介して各鉄道会社等の情報配信サーバ50から取得することができる。
【0034】
本発明にかかる経路情報配信システム10は、上記の構成に限られるものではなく、経路情報案内サーバ30は、ナビゲーションサービス機能とともにPOI所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよく、ナビゲーションサービス機能を持たない単なる路線検索、経路案内の機能を有するサーバであってもよい。また、端末装置20も携帯電話を用いることができ、PDAや音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などの携帯機器であってもよい。
【0035】
端末装置20は利用者が経路探索や路線検索を行って得た交通機関を用いた経路区間を含む経路の情報を経路情報案内サーバ30に登録しておくことができる。経路情報案内サーバ30は端末装置20が登録した経路の情報を端末識別情報とともにデータベースに蓄積する。そして、経路情報案内サーバ30は、登録された経路の情報に基づいて関連する交通機関の運行情報を含む交通情報を情報配信サーバから受信し、当該交通情報に登録経路において事故や遅延による運行時間の変更を含む情報があるかを判別する。運行時間の変更を含む交通情報がある場合、経路情報案内サーバ30は、当該経路の情報を登録した端末装置20が指定(登録)した情報配信先(例えば、電子メールアドレス)に、交通情報を配信する。
【0036】
交通情報の配信にあたって、経路情報案内サーバ30は登録された経路の情報に基づいて、配信時間帯を算出しておき、その時間帯においてのみ、上記のような交通情報、すなわち、登録経路において事故や遅延による運行時間の変更を含む交通情報を配信する。ここで算出する配信時間帯は、登録した経路の情報に含まれる交通機関を用いた経路区間のうち、最初に交通機関を利用する時刻(出発駅の出発時刻)〜最後に交通機関を利用する時刻(目的駅の到着時刻)までの時間に所定の遊び時間(余裕時間)を加えた時間帯である。
【0037】
例えば、登録された経路の情報において、出発駅の出発時刻が16:03、目的駅への到着時刻が16:22であり、所定の遊び時間(余裕時間)を1時間とした場合、16:03〜16:22までの時間(乗車時間)に、遊び時間(余裕時間)である1時間を加え、16:03〜17:22が配信時間帯になる。すなわち、経路の登録者にとっては、少なくともこの時間帯のみ、登録した経路に関する交通情報、特に事故、遅延等により運行情報に変更がある交通情報を、自動的に経路情報案内サーバ30からを受信することができる。これにより、経路を登録した端末装置20は登録経路の移動中に事故や遅延に関する交通情報の取得操作をする必要がなくなり、また、経路情報案内サーバ30は、登録された経路によって算出した配信時間帯のみ交通情報を取得して、必要な情報が含まれている場合だけ、端末装置20に運行情報を配信すればよくなる。
【0038】
さらに、経路探索を行った時間から、目的駅への到着時刻16:22に所定の遊び時間
(余裕時間)である1時間を加えた17:22まで配信時間帯にすることによって、乗車
前も含めた時間帯における、登録した経路に関する交通情報、特に事故、遅延等により運
行情報に変更がある交通情報を、自動的に経路情報案内サーバ30からを受信することが
できる。
【0039】
以下、具体例に基づいて本発明の実施例にかかる経路情報配信システム10を説明するが、その前に本発明にかかる経路情報配信システム10の詳細な構成を説明する。図2は、図1に示した経路情報配信システム10の詳細な構成を示すブロック図である。経路情報配信システム10は、図2のブロック図に示すようにインターネットなどのネットワーク12を介して通信する端末装置20と、経路情報案内サーバ30とを備えて構成されている。なお、本実施例における経路情報案内サーバ30は、経路探索および経路案内の機能を有する経路探索サーバとしての構成を備えたサーバである。
【0040】
端末装置20は、経路情報案内サーバ30に出発地と目的地などの経路探索条件を設定して経路探索要求を送信し、経路情報案内サーバ30は、経路探索条件に従って、道路ネットワークデータ35、交通ネットワークデータ36を参照して最適経路あるいは最適経路を含む所定数の候補経路を探索し、最適経路または複数の候補経路の情報を案内経路データに編集して端末装置20に配信する。
【0041】
図2に示すように、端末装置20は、制御手段201、通信手段21、位置検出手段22、経路情報案内サーバ30に経路探索などの処理を要求する処理要求手段23、経路情報案内サーバ30から受信した案内経路のデータなどの配信データを記憶する配信データ憶手段24、表示手段25、操作入力手段26、経路情報案内サーバ30から配信される交通情報を受信する登録経路運行情報受信手段27を備えて構成されている。
【0042】
端末装置20において、制御手段201は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段21はネットワーク12を介して経路探索サーバ30などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。位置検出手段22は、GPS受信手段などから構成され、GPS衛星信号を受信して現在位置および現在時刻を算出する。
【0043】
また、位置検出手段23は、地下鉄などGPS衛星信号を受信できない交通機関に乗車中は、停車駅における携帯電話基地局との通信あるいは加速度センサなどによる発車、停車検出などにより現在位置を特定するように構成してもよい。
【0044】
操作入力手段26は、各種の操作ボタン、テンキー、文字入力キーなどから構成され、端末装置20の操作入力や各種データの入力を行うためのものである。表示手段25は、液晶表示装置からなり、各種のデータ、メニュー画面などを表示するものである。メニュー画面に表示された情報を用いてデータを入力することもでき、その場合、表示手段25は操作入力手段26としての機能を兼ねることになる。表示手段25はまた、タッチパネル機能を備えていてもよく、その場合、メニュー画面に表示された情報の操作をタッチパネル機能を用いて行うことができる。
【0045】
処理要求手段23は、操作入力手段26や表示手段25に表示されたメニュー画面を用いて設定された経路探索条件や検索条件に基づいて、各種の処理要求を編集して経路情報案内サーバ30に送信するものである。経路情報案内サーバ30に送信した処理要求に基づいて経路情報案内サーバ30から配信された各種情報は、配信データ記憶手段24に記憶され、必要に応じて配信データ記憶手段24から読み出され、表示手段25に表示される。端末装置20はまた、図示しないスピーカを備え、音声による出力が必要な場合にはスピーカから音声出力が行われる。
【0046】
登録経路運行情報受信手段27は、本発明に従って、端末装置20から経路情報案内サーバ30に登録した経路に関して、経路情報配信サーバ30から配信される交通情報を受信する手段であり、具体的には端末装置20が経路情報案内サーバ30に登録した端末装置20の電子メールアドレスに対して経路情報案内サーバ30から送信される交通情報を受信する電子メールの送受信手段により構成される。
【0047】
一方、経路情報案内サーバ30は、図2に示すように、制御手段301、通信手段31、配信データ編集手段32、運行情報配信手段33、処理要求記憶手段38、経路探索手段39、地図データベース34、道路ネットワークデータ35、交通ネットワークデータ36、登録経路データベース37、配信時間帯算出手段371、交通情報取得手段372、配信情報判別手段373などを備えて構成されている。
【0048】
制御手段301は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段31はネットワーク12を介して端末装置20などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。
【0049】
経路情報案内サーバ30は端末装置20から経路探索、路線検索、POI検索あるいは地図配信の要求があると、処理要求記憶手段38に一次記憶する。要求が経路探索要求である場合、経路探索手段39は道路ネットワークデータ35、交通ネットワークデータ36を参照して最適経路あるいは複数の候補経路を探索する。探索された最適経路や候補経路のデータは配信データ編集手段32で編集され、端末装置20に配信される。また、経路案内が要求されると、地図データベース34から案内経路を含む地図データが読み出され、端末装置20に配信される。
【0050】
登録経路データベース37は、端末装置20が交通情報取得を所望する経路を登録するためのものであり、各端末装置20の識別情報とともに、各端末装置20が指定した経路のデータを蓄積する。端末装置20が登録する経路は1つの経路であっても、複数の経路であってもよい。また、端末装置20が過去に経路情報案内サーバ30から取得した経路のデータ、例えば、日常的に利用する通勤経路のデータであってもよく、特定の出発地から目的地までの経路探索を行った結果、得られた経路のデータをそのまま登録し、当該目的地に到達するまでの間に発生する交通情報の配信を受けるように登録することもできる。
【0051】
配信時間帯算出手段371、交通情報取得手段372は、登録経路データベース37に登録された各端末装置20の登録経路について、後述するようにして各登録経路に対する交通情報の配信時間帯を算出し、その配信時間帯の間、各登録経路の交通機関を用いた経路区間に関連する交通情報を情報配信サーバ50(図1参照)から取得する。配信情報判別手段373は、取得した交通情報に事故や遅延を示す情報が含まれているか否かを判別し、事故や遅延の情報が含まれている場合、運行情報配信手段33は、配信時間帯算出手段371が算出した配信時間帯の間、該当する端末装置20が予め登録経路データベース37に登録した配信先に、前記交通情報を配信する。このようにすれば、端末装置20は、経路情報案内サーバ30に登録した経路について、必要な時間帯のみ必要な交通情報の配信を受けることができるようになる。なお、配信先は、端末装置20が経路案内の要求を行う時に指定して登録できるようにしておいてもよい。
【0052】
以下、このような処理を具体例に基づいて詳細に説明する。図3は、端末装置20の表示手段25に表示される経路探索条件設定のメニュー画面を示す図である。図3に示す経路探索条件設定画面310には、出発地入力欄302、目的地入力欄303、時刻条件入力欄304、候補経路ソート条件を設定するソート条件入力欄305、探索開始ボタン308が設けられている。
【0053】
出発地と目的地の設定は、出発地入力欄302、目的地入力欄303に住所や電話番号あるいは駅名称、ビル名称などの地点名称、緯度・経度などを入力して設定する。すなわち、この入力欄は、原則としてフリーワード入力が可能であるが、住所、電話番号、POI(Point of Interest)の名称などで設定することもできる。
【0054】
また、プルダウンボタンを操作して、これまでに端末装置20に登録した経路探索履歴や登録地点を呼び出して設定することもできる。時刻条件入力欄304には出発日時や目的地到着日時などの時刻条件を入力する。時刻条件の設定が必要ない場合には設定を省略することができる。図3は、出発地として「##ビル」が、目的地として「**ホテル」が設定され、時刻条件として出発地の出発時刻「15:35」が設定された例を示している。必要な条件設定を終え、探索開始ボタン308を操作すると、経路探索要求が端末装置20から経路情報案内サーバ30に送信される。
【0055】
複数の候補経路の探索を要求する場合には、ソート条件入力欄305に、探索された複数の候補経路をソートする条件、例えば、乗換え回数の少ない順、所要時間が短い順、運賃の安い順などの何れかを入力する。プルダウンメニューから前述のソート条件何れかを選択してもよい。候補経路のソート条件が設定されない場合には、最適経路(所要時間の最も短い経路)の探索要求になる。図3ではソート条件として乗換え回数の少ない順が設定されている。
【0056】
端末装置20が、交通機関を利用した経路区間を含む所望の経路について、経路情報案内サーバ30から本発明にかかる交通情報の配信のサービスを受けようとする場合、当該経路の情報とともに交通情報の配信先の情報、例えば、端末装置20の電子メールアドレスを経路情報案内サーバ30に登録する。
【0057】
図4は、端末装置20から経路情報案内サーバ30の登録経路データベース37に登録された蓄積された経路データの一例を示す図である。登録する経路の情報は、端末装置20が過去に取得した経路の情報でもよく、経路探索要求に基づいて経路情報案内サーバ30で経路探索した経路のデータをそのまま登録することもできる。図4に示す登録経路の例は端末装置20が経路情報案内サーバ30に経路探索要求を送信して経路探索した結果を、登録経路として経路案内情報サーバ30に登録する例を示している。以下は、端末装置20が経路情報案内サーバ30に経路探索を要求した際に探索された経路のデータを経路情報案内サーバ30に登録する処理を例に処理の詳細を説明する。
【0058】
まず、端末装置20は、操作入力手段26がメニュー画面から受け付けた出発地、目的地、時刻情報(出発時刻情報、到着希望時刻など)を経路探索条件として通信手段21を介して経路情報案内サーバ30へ送信する。この際に、経路探索条件と共に、端末識別情報も経路情報案内サーバ30へ送信する。端末識別情報とは、たとえばユーザが端末装置20として携帯電話を利用している場合には携帯端末IDを識別情報として送信しても良い。
【0059】
経路情報案内サーバ30は、予め、ユーザ登録により、端末識別情報に関連づけて交通情報等の配信先の情報(例えば、電子メールアドレス)を登録経路データベース37に記憶している。配信先の情報は経路探索条件送信時に指定できるようにしても良い。端末識別情報および配信先の情報は、登録経路データベース37に蓄積される。登録経路データベース37は、ユーザ情報を記憶するユーザ登録情報記憶手段であってもよい。
【0060】
経路情報案内サーバ30において、経路探索手段39は経路探索条件に従って経路探索を行い1つまたは所定数の最適経路(候補経路)を算出する。ここでは、例えば、出発地Sから目的地Gまで経路探索した結果、3つの候補経路を探索したものとして説明する。
【0061】
経路1は出発地Sから鉄道aでA駅に行き、A駅で下車後徒歩で目的地Gへ向かう経路である。経路2は、出発地Sから鉄道bでB駅に行き、さらに鉄道dに乗り換えてC駅に行き、C駅で下車後徒歩で目的地Gへ向かう経路である。経路3は、鉄道bに乗車しD駅で下車後Fバス停留所まで徒歩で向かい、Fバス停留所から目的地Gまで向かう経路である。これらの経路情報は登録経路データベース37に、端末装置20の識別情報に対応付けて記憶される(図4参照)。
【0062】
次に、配信時間帯算出手段371は、この時刻情報に基づいて、後述するようにして交通情報を配信する配信対象の時間帯を設定(算出)する。配信時間帯(配信対象時間)とは、経路1〜3で取得した交通機関について運行情報を取得する時間帯を定めるものである。交通情報取得手段372は、経路交通機関の運行情報に関して配信を行う対象の経路(登録経路)について、情報配信サーバ50(図1参照)から利用交通機関(登録経路に含まれる交通機関を用いる経路区間)の運行情報と時刻情報を取得する。この際、交通機関の運行情報に関して配信を行う対象経路は端末装置20が登録した1つの経路であっても良いし、図4に示すように複数の候補経路を対象にしても良い。
【0063】
複数経路に対して交通機関の運行情報の配信を行う際の対象が、図4に示す経路1〜3であり、経路1〜3が図4に示すような時刻情報を伴っていた場合について、以降の処理を説明する。候補経路1〜3が得られると、まず交通情報取得手段372が経路データ(経路1〜経路3のデータ)から利用交通機関情報を取得する。例えば、この場合であれば取得する交通機関の運行情報は、鉄道a、鉄道b、鉄道c、バスdに関するものとなる。
【0064】
各経路の時刻情報は以下のようである。
<経路1>
出発地S(16:03)→(鉄道a)→A駅(16:22)→(徒歩)→目的地G
<経路2>
出発地S(16:05)→(鉄道b)→B駅(16:12)→(鉄道c)→C駅(16:18)→(徒歩)→目的地G
<経路3>
出発地S(16:05)→(鉄道b)→D駅(16:10)→(徒歩)→F駅(16:14)→(バスd)→目的地G
【0065】
配信時間帯算出手段371は、この時刻情報に基づいて、配信対象の時間帯を設定(算出)する。配信時間帯(配信対象時間)とは、経路1〜3で取得した交通機関について運行情報を取得する時間帯を定めるものである。例えば、鉄道aに関する配信対象時間は鉄道aのユーザの乗車予定時刻が16:03〜16:22までであるので、これに遊び時間(余裕時間のようなもの)を考慮して算出した時間帯が配信時間帯となる。ここでは遊び時間を1時間としており、遊び時間を加えた時間帯を配信時間帯と定義する。この場合、鉄道aに関する配信時間帯は、16:03〜17:22までとなる。
【0066】
また、配信時間帯は、経路1〜3の検索開始時刻から遊び時間を考慮した時刻までとしても良い。このようにすることによって、検索した時刻から実際に乗車する時刻の間までに交通機関の運行情報に遅延発生や欠航などがあった場合にも予め知ることが可能になる。このように、配信時間帯の算出は端末装置20のユーザの必要に応じて変更し、あるいはユーザがいくつかの選択肢から選択できるようにしても良い。
【0067】
同様に、鉄道bにおいては、経路2及び経路3において利用される交通機関である。この場合の配信対象時間は、2つの経路の乗車予定時刻を足し合わせた最大の利用時間帯に対して配信時間帯を定めるようにする。このように複数の登録経路に、交通機関を利用した経路区間が同一の種別、例えば、同一路線の交通機関を用いる経路区間であった場合、経路区間がそれぞれ、異なる経路区間、異なる乗車時間であっても、同一路線の経路区間であれば、その時間帯の全てをカバーするように配信時間帯が算出され、端末装置20は、その間、当該路線に関する交通情報を取得することができるようになる。
【0068】
このようにして、各経路の配信時間帯を算出したら、経路情報案内サーバ30は経路1〜3の経路案内のデータを編集して端末装置30へ送信するとともに、送信した経路のデータを端末装置20の識別情報とを紐づけて(対応付けて)登録経路データベース37に記憶しておくようにする。この際、登録経路データベース37には、配信を行う対象経路と共に、当該対象経路を探索した際の経路探索条件を記憶しておいてもよい。
【0069】
続いて、経路情報案内サーバ30は現在時刻と配信時間帯(配信対象時間)との比較を行う。現在時刻が、配信時間帯より後である場合には、登録経路データベース37から経路情報を削除して処理は終了となる。現在時刻が、配信時間帯より前である場合には、経路情報案内サーバ30は、所定時刻間隔で現在時刻と配信時間帯(配信対象時間)を比較する。
【0070】
現在時刻が、配信時間帯に該当する時間内である場合には、登録経路データベース37に登録された経路1〜3に該当する交通機関に基づいて、交通情報取得手段372は、その運行情報について、情報配信サーバ50(図1参照)の運行情報データベースから取得する。次いで、交通情報取得371手段が取得した交通機関の運行情報について、配信情報判別手段373は遅延発生や事故、欠航、トラブルなど、交通手段の遅延を示す運行情報が含まれているか否かを判別する。これらの遅延を示す運行情報が含まれていない場合には、経路情報案内サーバ30は、交通情報の配信をすることなく、所定時刻間隔で現在時刻と配信時間帯を比較する。
【0071】
交通情報取得手段372が取得した交通情報について、遅延発生や事故、欠航、トラブルなど、交通手段の遅延を示す運行情報が含まれている場合には、経路情報案内サーバ30は、端末識別情報に基づいて登録されたメールアドレスなどの配信先アドレスを登録経路データベース37から取得し、配信先アドレスに該当交通機関の運行情報をメール送信する。
【0072】
図5は、経路情報案内サーバ30から端末装置20に配信された交通情報の表示画面の一例を示す図である。図5に示すように、交通機関運行状況を含む交通情報の配信メール40には遅延発生・欠航等のある路線に関する情報と、ここで端末装置20に配信される交通情報は当然に、端末装置20が経路情報案内サーバ30に登録した経路に含まれる交通機関を用いた経路区間、すなわち、登録経路が関連する交通機関の路線に関する交通情報であり、また、配信時間帯において当該路線に遅延を示す運行情報が含まれている場合の交通情報である。図5の例では「午前10:00〇〇〇〇線が人身事故のために運行を見合せています」旨の交通情報が表示されている。
【0073】
また、この表示に運行情報の詳細を確認することができるサイトへのアクセスが可能なURL41を表示する。利用者は表示されたURL41にリンクすることで、更に詳細な交通情報を取得することができる。更に、運行状況に従って経路を再探索するためのURL42を表示するようにしておいてもよい。このようにすれば、利用者は登録経路に遅延が生じていることを知った時点で、このURLにリンクし経路情報案内サーバ30に目的地までの迂回経路を再探索させることができる。
【0074】
従って、このURL42は、利用者がURL42にリンクすることにより端末装置20が現在位置を取得し、再度端末識別情報とともに経路情報案内サーバ30に送信する処理を行う命令を含むものである。経路情報案内サーバ30は、端末装置20から現在位置と、端末識別情報と、を受信すると、端末識別情報と関連づけて経路情報案内サーバ30に登録した候補経路または経路探索条件から目的地を取得し、現在位置から目的地まで、現在時刻における最適経路または候補経路の再探索を行う。
【0075】
このような処理によれば、端末装置20は、経路情報案内サーバ30に最初に送信した端末識別情報に関連付けて、所望の経路のデータまたは経路情報案内サーバ30に送信した経路探索条件に従って探索された経路のデータを登録経路データベース37に記憶しておくことで、端末装置20は常に経路案内の表示を行っていなくても、経路情報案内サーバ30から必要な交通情報をメール配信で受信して確認することができるので、経路案内の表示のための消費電力を削減することが可能になる。
【0076】
また、常に端末装置20が位置検出手段22で位置検出して、その位置情報を経路情報案内サーバ30に送信する必要がなく、端末装置20において位置取得と位置情報などの情報送信を行うための消費電力を削減することが可能になる。
【0077】
更に、端末装置20が経路情報案内サーバ30に位置情報を送信しなくても、最適経路および複数の候補経路を対象にして、すべての経路の配信時間帯を算出することで、どの経路を選択して利用者が移動しても適切な交通情報を配信することが可能になる。
【0078】
次に、経路情報案内サーバ30における経路探索の概念について説明する。経路探索用のネットワークデータとしては、徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータ35と公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータ36が蓄積されている。経路探索手段39は、この経路探索用ネットワークデータを参照して、徒歩や自動車による経路あるいは徒歩と交通機関を併用した経路を探索する。
【0079】
道路ネットワークデータ35は、以下のように構成されている。例えば、道路が、図6に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0080】
すなわち、図6において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図6では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0081】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図6において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0082】
図6ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0083】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータ36は以下のように構成されている。例えば、図7に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図7において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0084】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図7に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段に
より異なる場合もある。
【0085】
図7に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。
【0086】
このような交通ネットワークデータ37を用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
【0087】
例えば、図7において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【0088】
このようなネットワークデータを利用して経路探索サーバ30は経路探索条件に従って、出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、その結果を案内経路データとして端末装置20に送信する。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には目的地への到着時刻が、また、目的地への到着時刻が指定されている場合には、目的地に指定時刻に到着するための出発地の出発時刻が案内経路データに含まれ、端末装置20はこれらを表示手段25に経路の詳細とともに表示することができる。案内経路に乗換え駅が含まれる場合には、当該乗換え駅で乗換えるべき電車やその出発時刻も同様にして表示することができる。
【0089】
移動の手段として徒歩と交通機関を用いる場合の経路探索においては、道路ネットワークデータ35と交通ネットワークデータ36とを結合して総合的なネットワークデータを編集し経路探索を行う。徒歩経路区間は道路ネットワークデータ35が参照され、交通機関を用いる経路区間は交通ネットワークデータ36が参照される。最適経路の探索においては、トータルで経路コストが最小となる経路が探索される。この場合、徒歩経路区間が最小にならない経路が探索されることもある。
【0090】
図8は、交通情報の配信を行う経路情報案内サーバ30の動作手順を示すフローチャートである。ここで、端末装置20の識別情報や端末装置20に配信する情報の配信先の情報は予め、経路情報案内サーバ30に登録済みであるものとする。図8に示すように、経路情報案内サーバ30は、ステップS101で端末装置20から経路探索条件を受信する。ステップS102の処理においては、経路探索手段39は、ステップS101の処理で受信した経路探索条件に基づいて最適経路または最適経路を含む所定数の候補経路の探索を行う。
【0091】
続いて、処理はステップS103に進み、配信時間帯算出手段371はステップS102で算出された候補経路の交通機関(交通機関利用の経路区間の路線など)を取得し、ステップS104において、ステップS103で取得した交通機関の情報の配信時間帯を算出する。配信時間帯の算出方法は、先に説明したように、当該交通機関を用いた経路区間の乗車時間に余裕時間を加えたものである。そして、ステップS105において、経路情報案内サーバ30は候補経路のデータを案内経路情報として端末装置20に送信するとともに、それらの経路のデータを端末装置20の識別情報、配信先の情報、配信時間帯の情報をなどとともに登録経路データベース37に登録する。
【0092】
次いで、処理はステップS106に進み、経路案内情報配信サーバ30は現在時刻を取得し、ステップS107において登録された経路の配信時間帯の範囲内であるか否かを判別する。現在時刻が配信時間帯の範囲よりも前である場合には、ステップはS106の現在時刻取得処理に戻る。
【0093】
現在時刻が配信時間帯の範囲内である場合には、処理はステップS108の処理に進み、交通情報取得手段372は関連する交通機関の運行情報を取得する。次いでステップS109の処理では、配信情報判別手段373はステップS108の処理で交通情報取得手段372が取得した交通情報に遅延を示す情報が含まれているか否かを判別する。遅延を示す情報が含まれていない場合は、端末装置20に交通情報を配信する必要がないので、ステップS106の現在時刻取得処理に戻る。
【0094】
ステップS109の判別処理で、交通情報に遅延を示す情報が含まれていると判別すると、ステップS110の処理に進み、運行情報配信手段33は登録経路データベース37を参照して該当する経路のデータを登録した端末装置20の識別情報に応じて記憶された配信先メールアドレスなどの配信先情報を取得し、ステップS111の処理においてステップS108で取得した交通機関の交通情報を配信し、処理はステップS106の現在時刻取得処理に戻る。これによって、現在時刻が配信対象時刻範囲内である時に、交通機関の運行情報にトラブル(遅延を示す情報)が含まれていた場合には、逐次該当する端末装置20に、登録経路に関する遅延などの運行情報が含まれた交通運行情報の配信を行うことができるようになる。
【0095】
ステップS107の時刻判別処理で、現在時刻が配信時刻範囲よりも後であると判別された場合には、処理はステップS112に進み、登録経路データベース37から、登録されている経路のデータを削除して、処理は終了となる。
【0096】
なお、ステップS101では端末装置20において新たに設定した経路探索条件を受信する処理を説明したが、端末装置20が過去に経路情報案内サーバ30において経路探索して得た最適経路や候補経路の履歴情報が経路情報案内サーバ30に保存されている場合には、保存された経路のデータにおける目的地を取得して新たな経路探索における経路探索条件の目的地とする処理手順とすることも可能である。
【0097】
次に、経路情報案内サーバ30から交通情報を受信した端末装置20の動作手順について説明する。図9は、経路情報案内サーバ30から交通機関の運行情報について配信を受信した際の、端末装置20の動作手順を示すフローチャートである。ステップS201において、端末装置20が経路情報案内サーバ30から交通機関の運行情報(交通情報)の配信を受信すると、処理はステップS202に進み受信した交通機関の運行情報の表示を行う。例えば、メールでの配信であればメール受信通知に基づいて利用者の表示指示を受けつけて表示処理を行う。
【0098】
次に、ステップS203において利用者から運行状況に従って経路を再探索するためのURL42(図5参照)の選択、すなわち再度端末識別情報とともに経路情報案内サーバ30に経路(迂回経路)の再探索の処理を送信する命令の受付があるか否かを判定する。
【0099】
再度端末識別情報とともに経路情報案内サーバに送信する処理を行う命令の受付がない場合には、処理はステップS208に進む。再度端末識別情報とともに経路情報案内サーバに送信する処理を行う命令の受付が有る場合には、処理はステップS204に進み現在位置検出手段22が端末装置20の現在位置を取得する。
【0100】
続いて、ステップS205においてステップS204で取得した端末装置20の現在位置情報と共に、端末識別情報を経路情報案内サーバ30へ送信する。ステップS206において、経路情報案内サーバ30から再探索結果である経路案内情報を受信すると、端末装置20はS207において経路案内情報(経路データ)を表示する。ステップS208において、表示終了指示を受け付けると端末装置20は処理を終了する。
【0101】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、経路を登録した端末装置20は登録経路の移動中に事故や遅延に関する交通情報の取得操作をする必要がなくなり、また、経路情報案内サーバ30は、登録された経路によって算出した配信時間帯のみ交通情報を取得して、必要な情報が含まれている場合だけ、端末装置20に運行情報を配信すればよくなる。また、端末装置20が経路情報案内サーバ30に位置情報を送信しなくても、最適経路や複数の候補経路を対象について、登録された全ての経路の配信時間帯を算出するから、利用者がどの経路を選択して移動しても適切な交通情報を配信することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明によれば、端末装置は常に案内表示を行っていなくても、必要な交通情報をメール配信で受信して確認することができるので、案内表示のための消費電力の削減に寄与することができる。また、端末装置の位置情報を経路情報案内サーバに常時送信する必要がなく、端末装置において位置取得と位置情報などの情報送信を行うための消費電力の削減に寄与することができる。
【符号の説明】
【0103】
10・・・・経路情報案内システム
12・・・・ネットワーク
20・・・・端末装置
201・・・制御手段
21・・・・通信手段
22・・・・位置検出手段
23・・・・処理要求手段
24・・・・配信データ記憶手段
25・・・・表示手段
26・・・・操作入力手段
27・・・・登録経路運行情報受信手段
30・・・・経路情報案内サーバ
301・・・制御手段
31・・・・通信手段
32・・・・配信データ編集手段
33・・・・運行情報配信手段
34・・・・地図データベース
35・・・・道路ネットワークデータ
36・・・・交通ネットワークデータ
371・・・配信時間帯算出手段
372・・・交通情報取得手段
373・・・配信情報判別手段
38・・・・処理要求記憶手段
39・・・・経路探索手段
50・・・・情報配信サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路情報案内サーバと、該経路情報案内サーバにネットワークを介して接続される端末装置とを備えた経路情報配信システムであって、
前記端末装置は、
出発地と目的地と時刻情報とを含む経路探索要求を受け付ける操作受付手段を有し、
前記経路情報案内サーバは、
前記端末装置の識別情報に紐づけて情報の配信先を記憶する情報配信先記憶手段と、
前記経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路区間を含む候補経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索された候補経路の情報を、経路探索要求を行った端末装置の識別情報に紐づけて登録する候補経路登録手段と、
前記候補経路登録手段に登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に基づいて配信時間帯を算出する配信時間帯算出手段と、
現在時刻が前記配信時間帯の範囲内である場合、前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間に関する交通情報を取得する交通情報取得手段と、
前記取得した交通情報を前記情報配信先記憶手段に記憶されている情報の配信先に配信する運行情報配信手段と、
を有することを特徴とする経路情報配信システム。
【請求項2】
前記配信時間帯算出手段は、候補経路登録手段に登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に所定の余裕時間を加えて配信時間帯を算出することを特徴とする請求項1に記載の経路情報配信システム。
【請求項3】
前記候補経路登録手段は、前記経路探索手段によって探索された候補経路のうち、前記端末装置が指定した候補経路の情報を登録する候補経路登録することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経路情報配信システム。
【請求項4】
前記経路情報案内サーバは配信情報判別手段を有し、
前記配信情報判別手段は、前記交通情報取得手段が取得した交通情報に交通機関の遅延に関する情報が含まれているか否かを判別し、
前記運行情報配信手段は、前記配信情報判別手段によって交通機関の遅延に関する情報が含まれていると判断された交通情報を前記配信先に配信することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の経路情報配信システム。
【請求項5】
前記配信時間帯算出手段は、前記候補経路登録手段に登録された候補経路の経路探索を行った時刻である経路探索開始時刻を、前記配信時間帯の開始時刻として算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の経路情報配信システム。
【請求項6】
前記候補経路登録手段が複数の候補経路を登録しており、複数の候補経路の交通機関を利用した経路区間が互いに同一の種別の交通機関を用いている場合、
前記配信時間帯算出手段は、前記同一の種別の交通機関を用いる全ての乗車時間を統合して前記配信時間帯を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の経路情報配信システム。
【請求項7】
出発地と目的地と時刻情報とを含む経路探索要求を受け付ける操作受付手段を有する端末装置に、ネットワークを介して接続される経路情報案内サーバであって、
前記端末装置の識別情報に紐づけて情報の配信先を記憶する情報配信先記憶手段と、
前記経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路区間を含む候補経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索された候補経路の情報を、経路探索要求を行った端末装置の識別情報に紐づけて登録する候補経路登録手段と、
前記候補経路登録手段に登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に基づいて配信時間帯を算出する配信時間帯算出手段と、
現在時刻が前記配信時間帯の範囲内である場合、前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間に関する交通情報を取得する交通情報取得手段と、
前記取得した交通情報を前記情報配信先記憶手段に記憶されている情報の配信先に配信する運行情報配信手段と、
を有することを特徴とする経路情報案内サーバ。
【請求項8】
端末装置が、
出発地と目的地と時刻情報とを含む経路探索要求を受け付け、
前記端末装置にネットワークを介して接続される経路情報案内サーバが、
前記端末装置が受け付けた経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して交通機関を利用した経路区間を含む候補経路を探索し、
前記探索された候補経路の情報を、経路探索要求を行った端末装置の識別情報に紐づけて登録し、
前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間の乗車時間に基づいて配信時間帯を算出し、
現在時刻が前記配信時間帯の範囲内である場合、前記登録された候補経路の交通機関を用いた経路区間に関する交通情報を取得し、
前記取得した交通情報を、前記端末装置の識別情報に紐づけて記憶されている情報の配信先に配信することを特徴とする経路情報配信方法。
【請求項9】
請求項7に記載の経路情報案内サーバにネットワークを介して接続される端末装置であって、
出発地と目的地と時刻情報とを含む経路探索要求を受け付ける操作受付手段を有することを特徴とする端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−215585(P2012−215585A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159963(P2012−159963)
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【分割の表示】特願2008−260590(P2008−260590)の分割
【原出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】