説明

経路探索システム、経路探索サーバおよび経路探索方法

【課題】交通機関を用いた経路区間に複数の乗換えが含まれ、ある乗換え駅における乗換え駅で複数の最適乗車車両位置がある場合、適切な乗車車両番号を特定して案内する。
【解決手段】各乗換え駅において所定の乗換え条件を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた乗換え情報を蓄積したデータベースDB5を備え、経路に複数の乗換えが含まれ、ある乗換え駅における乗換え経路について複数の最適乗車車両位置がある場合、乗換えポイント抽出手段37は、ある乗換え駅と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅を乗換えポイントとして抽出し、最適乗車車両番号判定手段38は、乗換え情報からある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出し、同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べ、それに基づいて1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地まで交通機関を用いた経路区間を含む最適経路、候補経路を探索して案内する経路探索システムに関するものであり、特に、交通機関を用いた経路区間に乗換えが含まれる場合に乗車に適した車両を案内することができる経路探索システムにおいて、経路に連続して複数の乗換えがある場合に、出発駅(出発地の最寄り駅)あるいは、各乗換え駅において乗車すべき電車の号車番号(先頭からの車両位置)を、複数の乗換え駅において乗換えに便利な車両を特定して案内するようにした経路探索システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索してユーザを案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られている。このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、端末装置からネットワークを介して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。なお、経路探索サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や移動時間)をデータベースとして備えている。そして、経路案内サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路をナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。
【0004】
さらに、歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムが存在する。
【0005】
このような交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、経路探索用のデータとして、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に、交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、移動時間がリンクコストのデータとして加えられた交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0006】
そして、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻などの経路探索要求に基づいて、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ(乗換え)を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段(個々の電車や路線バス)を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、移動時間、乗換え回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0007】
このような技術背景から、乗り継ぎ、駅出口など実際の目的地までの最適経路に大きな影響を与える要素も考慮して、目的地までの最適経路を選択する技術が、例えば、下記の特許文献1(特開平10−318770号公報)に「最適経路探索システム」として開示されている。この特許文献1に開示されたシステムは、駅の乗換え通路情報、駅出口情報、エスカレータ情報、エレベータ情報、駅と地理上の目的物件の位置の関係を示す駅関係情報を、交通機関の時刻表・料金情報に加えて最短経路を得るものである。
【0008】
そして、この最適経路探索システムによれば、乗り継ぎのための階段またはエスカレータに近い車両を指示し、目的地に近い出口を駅周辺地図と共に案内し、乗り継ぎや目的地を考慮した最適経路を表示するように構成されている。
【0009】
また、目的地までの経路に移動手段の乗換えを要する場合に、乗換駅における移動時間を考慮した移動手段の移動経路情報を提供する技術が、例えば、下記の特許文献2(特開平8−263786号公報)に「移動経路案内装置」として開示されている。
【0010】
この特許文献2に開示された移動経路案内装置は、利用者が搭乗するための移動手段を第1の地点で利用する利用者により目的地が入力されると、第1の記憶手段から第1の地点で搭乗可能な第1の移動手段の出発時刻とこの第1の移動手段が乗換地点に到着する到着時刻を読み取り、この乗換地点における第1の移動手段の到着時刻に第2の記憶手段に記憶された乗換地点における乗換所要時間を加算する。そして、この加算された加算時刻に基づいて第1の記憶手段から乗換地点で搭乗可能な第2の移動手段の出発時刻と第2の移動手段が目的地に到着する到着時刻を読み取り、案内手段によりこの移動手段と到着時刻を利用者に案内する。すなわち、この移動経路案内装置では、目的の駅までの経路に乗換えを要する場合に、乗換駅における乗換ホームへの移動にかかる乗換移動時間を考慮して経路探索を行い、経路案内を行うものである。
【0011】
さらに、乗換え時間を最短とする経路探索において、乗換え時間を最短とする乗車車両位置を案内する技術が、下記の特許文献3(特開2003−182579号公報)に「最適経路探索装置」の発明として開示されている。
【0012】
この特許文献3に開示された最適経路探索装置は、交通機関の路線網データに、路線間の乗換えができる各駅につき、入線側路線及び入線方向と、出線側路線及び出線方向の組み合わせ別に、一方の路線の電車から他方の路線の電車への乗換え時間が一番短い当該一方の電車での1つの車両位置番号を駅ノード番号と対応付けた最適乗換え車両位置情報テーブルを備え、乗換え駅での入線側路線及び入線方向と、出線側路線及び出線方向を判別したのち、入線側路線での最適乗換え車両位置情報を検索し、最適経路情報に付加するように構成したものである。
【0013】
更に、交通機関における乗換えを考慮した経路探索、経路案内においては、乗換え駅において、乗換えに便利な車両位置を案内することも行われている。例えば、下記の特許文献4(特許第2861974号公報)には、目的駅の改札口の最寄りの位置に停車する第2の列車の車両番号を決定するとともに、前記出発駅を出発し前記乗換駅で該第2の列車に乗換えるために最適な位置に停車する第1の列車の車両番号を決定して案内するようにした鉄道乗換ナビゲーションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平10−318770号公報(図1、段落[0006]〜[0012])
【特許文献2】特開平8−263786号公報(図1、段落[0011]、[0012])
【特許文献3】特開2003−182579号公報(図3、図6、段落[0008]〜[0011]、[0028])
【特許文献4】特許第2861974号公報(図1、段落[0021]、[0031]〜[0034])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ここで、電車乗換えの最適号車について整理しておく。経路コストが最小になる最短経路を念頭に置いた場合に、最適号車について2通りの考え方がある。
(1)乗換時の経路が最短となる降車車両と乗車車両の組を表示する。
この場合、乗車位置が次の最適降車車両となるとは限らないので、乗車中に車両を移動することが求められる。混雑時や列車の編成によっては不可能な場合もある(通りぬけができない列車の連結状態、女性専用車、グリーン車などの場合)。上記特許文献3の最適経路探索装置はこれを基本としたものである。
(2)乗車時に、降車に最適な車両までホームを移動することを前提としたもの。
通常は乗車前に乗換え時間の余裕があるので、乗車前に次の降車を考えてホームを移動する。上記特許文献4の鉄道乗換ナビゲーションシステムはこの考え方を基本としている。
【0016】
ところで、上記特許文献3、4に開示されたナビゲーションシステム等における乗換えにおける乗車車両位置の案内は、乗換えの組み合わせごとに最適号車を記憶したテーブルを参照することによって、号車番号を表示している。この手法は、1つの乗換え駅のみに限定すれば正しいが、探索された経路に複数の乗換え駅がある場合には、必ずしも利用者が納得できる乗車車両位置の案内を提供できないというケースが生ずる。
【0017】
そのようなケースは、最適号車番号が1つに定まらない場合に生ずる。その具体例は、同一番線あるいは同一ホームで乗換えが発生する場合である。たとえば、ホームの反対側の番線に乗換える場合、双方の車両編成のうち車両がホームで向かい合う位置関係の場合は、どの号車でも乗換えは同じ条件になる。このような乗換え駅は意外と多く(乗客の利便性を考えて、そのように駅が設計されていると考えられる)、この場合は「前から3・4・5・6両目」というような表示になる。あるいは、降車した同じ番線で次の電車に乗換える場合(同一番線)も同様な案内が起こりうる。また、乗換えに階段を使う場合であっても、複数の階段があって、そのうちの何箇所かが同一の最適条件になって、「前から5・8両目」というように複数の車両番号が示される場合もある。
【0018】
このような乗車車両の案内は、1つの乗換えに限っては正しいと言えるが、更に次の乗換えがある場合には、最初の乗換えで案内された乗車車両位置の全てが、次の乗換えにおいても最適な乗車車両位置であるとは限らない。図10は、複数の乗換えがある場合の最適乗車車両位置の例を示す図である。図10は、出発駅(出発地の最寄り駅)から目的駅(目的地の最寄り駅)までの最適経路に乗換え1(A駅)と乗換え2(B駅)の2つの乗換えがある例を示している。
【0019】
乗換え1(駅A)9における経路は、X線上りの電車TRX1で到着し、同じホームの反対側に到着するY線上りの電車TRY2に乗換えるものであり、この場合、電車TRX1の前から4両目〜9両目の車両の向い側に、電車TRY2の前から1両目〜6両目の車両が停車するから、X線上りの電車TRX1の前から4両目〜9両目のどの車両に乗車しても、Y線上りの電車TRY2(車両1〜6)に最短で乗換えが可能であり、案内するX線上りの電車TRX1の最適乗車車両位置は「前から4〜9両目」であり、Y線上りの電車TRY2の最適乗車車両位置は「前から1〜6両目」である。この限りにおいては何ら問題ない。
【0020】
しかしながら、乗換え2(駅B)における経路は、乗換え1(駅A)で乗車したY線上りの電車TRY2で到着し、到着ホームのa階段またはb階段を用いてZ線上り、下りのホームにc階段で移動して、例えば、Z線下りの電車TRZ3に乗換えるものである。この場合、Y線到着ホームの階段位置が図のような位置にあった場合、Y線上りの電車TRY2の前から2両目、3両目、4両目が最適乗車車両位置であり、Z線下りの電車TRZ3の前から8両目(最後尾車両)が最適乗車車両位置である。この案内も乗換え2(B駅)についてのみ着目すれば正しい。従来の乗換え車両位置案内はこの範囲の案内であった。
【0021】
ところで、乗換え2(B駅)の最適乗車車両位置はY線上りの電車の前から2〜4両目であるが、この乗換えを実現するためには、1つ前の乗換え1(駅A)に戻って考えると、乗換え1(A駅)においてY線上りの電車TRY2の前から2〜4両目に乗車する必要がある。そのためには乗換え1(A駅)において、到着するX線上りの電車TRX1の電車の前から5両目〜7両目に乗車していることが必要になる。また、乗換え1(A駅)において出発する乗換え後の電車TRY2従って、乗換え1(A駅)の案内において「前から4〜9両目」を案内した場合、4両目、8両目、9両目では乗換え2(B駅)において最短の乗換えを実現できないことになり、利用者にとっては必ずしも最適な乗車車両位置の案内にはなっていないことになる。同様に乗換え1(A駅)において出発する乗換え後の電車TRY2の最適な乗車車両位置は「前から1〜6両目」を案内した場合、1両目、5両目、6両目では乗換え2(B駅)において最短の乗換えを実現できないことになる。従って、このような場合、乗換え1(A駅)においてX線上りの電車TRX1で到着する場合の最適乗車車両位置は前から5両目〜7両目と案内され、乗換え1(A駅)においてY線上りの電車TRY2で出発する場合の最適乗車車両位置は前から2両目〜4両目と案内されることが好ましい。
【0022】
このような問題が生じる原因は、乗換え駅における乗換えの組み合わせごとに最適号車を記憶したテーブルが、複数の最適号車を含む場合に、それ以降の乗換えの影響を考慮していないからである。では、それ以降の乗換えの組み合わせもテーブルを用意すれば良いかというと、そうでもない。例えば、乗換え駅が1駅増えるごとに(乗換え回数が1つ増えるごとに)テーブルが3次元、4次元・・・・n次元と巨大になってしまうので、全ての交通機関における乗換え可能な駅について、複数の乗換え可能な全ての組合せを考慮してそのようなテーブルを作成することは現実的な方法ではない。
【0023】
本願の発明者はこのような問題点を解消すべく種々検討した結果、出発駅から目的駅までの最適経路に複数の乗換えが存在し、ある乗換え駅における乗換え経路について、複数の最適乗車車両位置がある場合、目的駅側に最も近い乗換え駅から出発駅側の乗換え駅まで逆にたどり、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出して、抽出された同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べ、一致する最適乗車車両番号に基づいて、1つ手前の乗換駅における最適乗車車両番号を決定してゆけば、適切な最適乗車車両番号が案内できることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0024】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、交通機関を用いた経路区間に乗換えがある場合に、乗換え駅における最適乗車車両位置を案内する経路探索システムにおいて、経路に連続して複数の乗換えがあり、ある乗換え駅における乗換え経路において複数の最適乗車車両位置がある場合に、適切な最適乗車車両番号を特定して案内することができる経路探索システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
設定された出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して必要に応じて交通機関を利用した経路を含む経路を探索する経路探索システムにおいて、
前記経路探索システムは、各乗換え駅において、乗換え可能な路線および方向の各組合せ毎に、所定の乗換え条件を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた乗換え情報を蓄積した乗換え情報データベースと、乗換えポイント抽出手段と、最適乗車車両番号判定手段と、を備え、
前記経路探索手段が探索した経路に複数の乗換えが含まれ、ある乗換え駅における乗換え経路において複数の最適乗車車両位置がある場合、前記乗換えポイント抽出手段は、ある乗換え駅と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅を乗換えポイントとして抽出し、最適乗車車両番号判定手段は、前記乗換え情報データベースを参照して、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出し、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べ、一致する最適乗車車両番号に基づいて、前記1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる経路探索システムにおいて、
前記最適乗車車両番号判定手段が、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出して、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べた際、一致する最適乗車車両番号が得られなかった場合に、該最適乗車車両番号判定手段は、前記1つ手前の乗換え駅における乗換え情報に基づいて、該1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる経路探索システムにおいて、前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報が、路線および上下線別の組合せ毎に記憶されたことを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる経路探索システムにおいて、前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における乗換え所要時間が最小となる条件、あるいは、到着した際の降車車両位置が最適となる条件を満たす、到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報であることを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1ないし請求項4の何れかにかかる経路探索システムにおいて、前記乗換えポイント抽出手段は、目的駅側に最も近い乗換え駅から出発駅側の乗換え駅まで逆にたどって乗換えポイントを抽出することを特徴とする。
【0030】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる経路探索システムにおいて、前記1つ手前の乗換駅における最適乗車車両番号を決定する処理を、出発地側に最も近い乗換え駅まで繰り返し、各乗換え駅における最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項7にかかる発明は、
端末装置において設定された出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して必要に応じて交通機関を利用した経路を含む経路を探索し、前記端末装置に探索した経路情報を送信する経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、各乗換え駅において、乗換え可能な路線および方向の各組合せ毎に、所定の乗換え条件を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた乗換え情報を蓄積した乗換え情報データベースと、乗換えポイント抽出手段と、最適乗車車両番号判定手段と、を備え、
前記経路探索手段が探索した経路に複数の乗換えが含まれ、ある乗換え駅における乗換え経路において複数の最適乗車車両位置がある場合、前記乗換えポイント抽出手段は、ある乗換え駅と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅を乗換えポイントとして抽出し、最適乗車車両番号判定手段は、前記乗換え情報データベースを参照して、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出し、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べ、一致する最適乗車車両番号に基づいて、前記1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
【0032】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる経路探索サーバにおいて、前記最適乗車車両番号判定手段が、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出して、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べた際、一致する最適乗車車両番号が得られなかった場合に、該最適乗車車両番号判定手段は、前記1つ手前の乗換え駅における乗換え情報に基づいて、該1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
到着側電車の最適乗車車両番号および出発側電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
【0033】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項7または請求項8にかかる経路探索サーバにおいて、前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報が、路線および上下線別の組合せ毎に記憶されたことを特徴とする。
【0034】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項7または請求項8にかかる経路探索サーバにおいて、前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における乗換え所要時間が最小となる条件、あるいは、到着した際の降車車両位置が最適となる条件を満たす、到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報であることを特徴とする。
【0035】
また、本願の請求項11にかかる発明は、請求項7ないし請求項10の何れかにかかる経路探索サーバにおいて、前記乗換えポイント抽出手段は、目的駅側に最も近い乗換え駅から出発駅側の乗換え駅まで逆にたどって乗換えポイントを抽出することを特徴とする。
【0036】
また、本願の請求項12にかかる発明は、請求項11にかかる経路探索サーバにおいて、前記1つ手前の乗換駅における最適乗車車両番号を決定する処理を、出発地側に最も近い乗換え駅まで繰り返し、各乗換え駅における最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
【0037】
また、本願の請求項13にかかる発明は、
設定された出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して必要に応じて交通機関を利用した経路を含む経路を探索する経路探索システムにおける経路探索方法において、
前記経路探索システムは、各乗換え駅において、乗換え可能な路線および方向の各組合せ毎に、所定の乗換え条件を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた乗換え情報を蓄積した乗換え情報データベースと、乗換えポイント抽出手段と、最適乗車車両番号判定手段と、を備え、
前記経路探索手段が探索した経路に複数の乗換えが含まれ、ある乗換え駅における乗換え経路において複数の最適乗車車両位置がある場合、前記乗換えポイント抽出手段は、ある乗換え駅と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅を乗換えポイントとして抽出し、最適乗車車両番号判定手段は、前記乗換え情報データベースを参照して、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出し、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べ、一致する最適乗車車両番号に基づいて、前記1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
【0038】
また、本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかる経路探索方法において、前記最適乗車車両番号判定手段が、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出して、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べた際、一致する最適乗車車両番号が得られなかった場合に、該最適乗車車両番号判定手段は、前記1つ手前の乗換え駅における乗換え情報に基づいて、該1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
【0039】
また、本願の請求項15にかかる発明は、請求項13または請求項14にかかる経路探索方法において、前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報が、路線および上下線別の組合せ毎に記憶されたことを特徴とする。
【0040】
また、本願の請求項16にかかる発明は、請求項13または請求項14にかかる経路探索方法において、前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における乗換え所要時間が最小となる条件、あるいは、到着した際の降車車両位置が最適となる条件を満たす、到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報であることを特徴とする。
【0041】
また、本願の請求項17にかかる発明は、請求項13ないし請求項16の何れかにかかる経路探索方法において、前記乗換えポイント抽出手段は、目的駅側に最も近い乗換え駅から出発駅側の乗換え駅まで逆にたどって乗換えポイントを抽出することを特徴とする。
【0042】
また、本願の請求項18にかかる発明は、請求項17にかかる経路探索方法において、前記1つ手前の乗換駅における最適乗車車両番号を決定する処理を、出発地側に最も近い乗換え駅まで繰り返し、各乗換え駅における最適乗車車両番号を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0043】
請求項1にかかる発明においては、経路探索システムは、各乗換え駅において、乗換え可能な路線および方向の各組合せ毎に、所定の乗換え条件を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた乗換え情報を蓄積した乗換え情報データベースと、乗換えポイント抽出手段と、最適乗車車両番号判定手段と、を備え、
前記経路探索手段が探索した経路に複数の乗換えが含まれ、ある乗換え駅における乗換え経路において複数の最適乗車車両位置がある場合、前記乗換えポイント抽出手段は、ある乗換え駅と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅を乗換えポイントとして抽出し、最適乗車車両番号判定手段は、前記乗換え情報データベースを参照して、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出し、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べ、一致する最適乗車車両番号に基づいて、前記1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定する。
【0044】
かかる構成によれば、経路に連続して複数の乗換えがあり、ある乗換え駅における乗換え経路において、複数の最適乗車車両位置がある場合に、後の乗換えポイントにおける乗換えの影響を考慮して手前の乗換えポイントおおける最適な乗車車両を決定するから、適切な最適乗車車両番号を特定して案内することができるようになる。
【0045】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、最適乗車車両番号判定手段が、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出して、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べた際、一致する最適乗車車両番号が得られなかった場合に、該最適乗車車両番号判定手段は、前記1つ手前の乗換え駅における乗換え情報に基づいて、該1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定する。
【0046】
かかる構成によれば、経路に連続して複数の乗換えがあり、ある乗換え駅における乗換え経路において、複数の最適乗車車両位置がある場合に、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出して、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べた際、一致する最適乗車車両番号が得られなかった際には、当該乗換え駅の乗換え情報に基づいて、最適乗車車両番号が決定され、乗換えが1つである場合と同様の乗車車両位置案内を行うことができる。
【0047】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明において、乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報が、路線および上下線別の組合せ毎に記憶される。かかる構成によれば、上下線を区別し各乗換え駅における最適乗車車両位置を決定することができるようになる。
【0048】
請求項4にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明において、乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における乗換え所要時間が最小となる条件、あるいは、到着した際の降車車両位置が最適となる条件を満たす、到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報である。かかる構成によれば、乗換え所要時間を最小とする最適乗車車両番号、または、最適な降車位置となる最適乗車車両番号を案内することができるようになる。
【0049】
請求項5にかかる発明においては、請求項1ないし請求項4の何れかにかかる発明において、乗換えポイント抽出手段は、目的駅側に最も近い乗換え駅から出発駅側の乗換え駅まで逆にたどって乗換えポイントを抽出する。従って、経路における各乗換え駅に到着する電車の最適乗車車両番号を適切に決定して案内することができるようになる。
【0050】
請求項6にかかる発明においては、請求項5にかかる発明において、前記1つ手前の乗換駅における最適乗車車両番号を決定する処理を、出発地側に最も近い乗換え駅まで繰り返し、各乗換え駅における最適乗車車両番号を決定する。従って、経路における各乗換え駅に到着する電車の最適乗車車両番号を適切に決定して案内することができ、また、最初の乗換え駅に到着する電車、すなわち、出発駅において乗車する電車の最適乗車車両位置を適切に決定して案内することができるようになる。
【0051】
また、請求項7ないし請求項12にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項6にかかる経路探索システムを構成する経路探索サーバを提供することができるようになり、請求項13ないし請求項18にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項6にかかる経路探索システムを実現するための経路探索方法を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施例にかかる経路探索システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例における経路探索システムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例にかかる乗換え情報データベースに格納される乗換え経路、乗換えコストのデータ構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例にかかる経路探索システムにおける乗換え処理の概念を説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施例にかかる端末装置としての携帯電話の外観を示す図である。
【図6】本発明の実施例にかかる経路探索条件の入力画面の一例を示す画面構成図である。
【図7】本発明の経路探索に使用される道路ネットワークデータを説明する概念図である。
【図8】本発明の経路探索に使用される交通ネットワークデータを説明する概念図である。
【図9】本発明の実施例にかかる経路探索システムにおける乗換え処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】従来の乗換え処理の概念を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための経路探索システムを例示するものであって、本発明をこの経路探索システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の経路探索システムにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0054】
本発明の実施例にかかる経路探索システム10は、図1に示すように、携帯電話やPDA、ミュージックプレーヤーなどの携帯型端末を用いた端末装置20と経路探索サーバ30とがインターネットなどのネットワーク12を介して接続される構成になっている。経路探索サーバ30は、経路探索のための道路ネットワークデータを蓄積したデータベース(DB1)、時刻表データに基づく交通ネットワークのデータを交通ネットワークデータとして蓄積したデータベース(DB2)、交通機関の各電車等の運行ダイヤに基づく時刻表や運賃を蓄積した時刻表・運賃データのデータベース(DB3)、交通機関における各乗換え駅の駅構造に基づく乗換えリンク、リンクコスト、到着側電車と出発側電車の最適乗車車両番号等からなる乗換え情報を蓄積した乗換え情報データベース(DB4)、表示用の地図データを蓄積したデータベース(DB5)を備えている。時刻表・運賃データは、ネットワークを介して情報配信サーバ50から取得することができる。
【0055】
この経路探索システム10は、各種カテゴリに属するPOI(Point of Interest:興味対象場所)の所在地やサービス内容、広告などの詳細情報を提供するPOI情報配信サーバ50、地図データ、交通路線データや運行時刻表データ、音楽や各種画像などのコンテンツ、その他の情報を提供する各種の情報配信サーバ51などとも接続でき、経路探索サーバ30はPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【0056】
本発明にかかる経路探索システム10は、上記の構成に限られるものではなく、経路探索サーバ30はナビゲーションサービス機能とともにPOI所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。また、端末装置20も携帯電話を用いることができ、またPDAや音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。
【0057】
データベース(DB4)に蓄積される乗換え情報データは後で詳細に説明するが、各乗換え駅において、路線別・方向別の各組合せ毎に、最適乗換え所要時間を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けたデータである。
【0058】
端末装置20が経路探索サーバ30に経路探索を要求し、経路案内のサービスを受ける場合には、端末装置20において所望の出発地や目的地などの経路探索条件を設定し、経路探索サーバ30に経路探索要求を送信する。
【0059】
経路探索サーバ30は、端末装置20から経路探索要求があると、データベースD1〜D3の道路ネットワークデータ、交通ネットワークデータ、時刻表・運賃データを参照して経路探索する。そして経路探索の結果により得た案内経路(推奨経路)を端末装置20に送信する。また、端末装置20から所望の地点やPOIを指定して地図データの取得要求があると、データベースDB5の地図データを参照して該当する地図データを読み出して端末装置20に配信する。
【0060】
経路探索において、交通機関を利用した経路区間があり、その経路区間に乗換えがある場合には、データベースDB4の乗換え情報データを参照して、乗換えコストが最小になる(最適乗換え所要時間を満たす)乗換経路(例えば、到着ホームから出発ホームまでの乗換え階段などを含む通路)と、到着側の電車および出発側の電車の最適乗車車両番号を経路情報に付加して案内する。ここでいう最適乗車車両番号とは、電車の進行方向の前から数えて何両目が最適乗車車両かを示す番号であって、時刻表等に掲載される号車番号とは異なる。時刻表に掲載される号車番号とは、上り、下りの別によらず固定的に振られたものであり、上りの1号車は下りであっても1号車である。
【0061】
経路中に乗換え駅(乗換えポイント)が1つだけしかない場合には、前述したように何ら問題はない。しかしながら、乗換え駅(乗換えポイント)が複数ある場合には、図10を参照して説明したように、最初の乗換え駅で案内した最適乗車車両番号が、次の乗換え駅での最適乗車車両番号でない場合が生ずる。そこで、本発明においては、乗換えポイントが複数ある場合には、経路を逆に、すなわち、到着駅から逆に経路の乗換えポイントをたどり、最後の乗換えポイントにおける到着側電車と出発側電車の最適乗車車両番号をもとに1つ前の乗換えポイントにおける到着側電車と出発側電車の最適乗車車両番号を決定していくようにする。なお、ここで最適乗車車両番号を決定して案内する場合、乗換え駅において、乗換え駅に到着する電車と乗換え駅を出発する電車の両方、または、何れか一方であってもよいが、少なくとも乗換え駅を出発する側の電車について最適乗車車両番号を案内することが好ましい。
【0062】
複数の乗換えポイントについて順次この処理を繰り返すことで、最終的に最初の乗換えポイントにおける適切な最適乗車車両番号を案内することができるようになる。途中の乗換えポイントにおいて、最適乗車車両番号が決定できなくなった場合には、最適乗車車両番号の案内においてその旨のメッセージを報知して乗換えポイントが1つの場合との最適乗車車両番号を乗換え駅(乗換えポイント)毎に案内する。この処理については後に詳しく説明する。
【0063】
以下、具体例に基づいて本発明の実施例にかかる経路探索システム10を説明するが、その前に本発明にかかる経路探索システム10の詳細な構成を説明する。図2は、図1の経路探索システム10の詳細な構成を示すブロック図である。
【0064】
端末装置20は、経路探索サーバ30に出発地と目的地などの経路探索条件を設定して経路探索要求を送信し、経路探索サーバ30は、経路探索条件に従って、道路ネットワークデータ、交通ネットワークデータ、時刻表・運賃データ、乗換え情報データを参照して最適経路を探索し、その最適経路を案内経路データに編集して端末装置20に配信する。
【0065】
端末装置20は、制御手段201、通信手段21、GPS受信器を備えた位置情報取得手段22、経路探索要求手段23、案内経路データ記憶手段24、表示手段25、操作入力手段26、端末ID記憶手段27などを備えて構成されている。制御手段201は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段21はネットワーク12を介して経路探索サーバ30などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。
【0066】
位置情報取得手段22はGPS受信器を備え、複数のGPS衛星からの信号を受信して現在位置を緯度・経度で測位して端末装置20の位置情報を取得する。操作入力手段26は、数字やアルファベットキーやその他の機能キー、選択キー、スクロールキー(上下左右の矢印キー)などからなり、端末装置20を操作するための入力を行い、また、出発地、目的地などの経路探索条件の入力機能としても用いられる。表示手段25は、液晶表示パネルなどからなり、経路探索サーバ30から配信(送信)された案内経路や推奨経路あるいは地図の表示に使用されるものである。また、表示手段25はメニュー画面を表示し端末装置20を操作するための入力手段としても機能する。
【0067】
経路探索要求手段23は、操作入力手段26または表示手段25により設定された出発地、目的地などの経路探索条件に基づいて経路探索要求を作成し、経路探索サーバ30に送信する。なお、経路探索サーバ30において要求元の端末装置20を識別する必要があるため、端末ID記憶手段27に記憶された端末IDが経路探索要求などの処理要求に付加されて送信される。
【0068】
案内経路データ記憶手段24は、経路探索サーバ30から配信される経路探索結果である案内経路データなどを一時記憶するものであり、経路探索サーバ30から端末装置20に送信される案内経路、推奨経路などの案内経路データは地図データとともに案内経路データ記憶手段24に記憶され、案内経路データ記憶手段24に記憶された案内経路などの案内データや地図データは、必要に応じて読み出され、表示手段25に表示される。
【0069】
表示手段25に地図を表示する場合、一般的には、位置情報取得手段22で測位した端末装置20の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、端末装置20の現在位置を示すマークを重ね合わせて該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。測位した位置情報には誤差が含まれるため、現在位置が案内経路からずれている場合には現在位置を案内経路上に補正するルートマッチング処理が行われる。また、経路探索サーバ30から配信される案内経路データに音声ガイドのデータが付加されている場合は、例えば、交差点や分岐点(案内ポイント)に端末装置20が近づいた際に、「この先、300m交差点です。左折して下さい」などの音声メッセージをスピーカから再生出力してユーザをガイドする。
【0070】
経路探索サーバ30は、制御手段301、通信手段31、探索要求記憶手段32、経路探索手段33、道路ネットワークデータ(データベースDB1)、交通ネットワークデータ(データベースDB2)、時刻表・運賃データ(データベース)DB3、乗換え情報データ(データベース)DB4、地図データ(データベースDB5)、乗換ポイント抽出手段37、最適乗車車両番号決定手段38、案内経路データ編集手段39などを備えて構成されている。
【0071】
経路探索サーバ30において、制御手段301は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段31はネットワーク12を介して端末装置20やPOI情報配信サーバ50、他の情報配信サーバ51と通信するためのインターフェースである。
【0072】
探索要求記憶手段32は端末装置20から送信される経路探索要求に含まれている経路探索条件を一時記憶するためのものである。
【0073】
経路探索手段33は、端末装置20から送信される出発地、目的地などの経路探索条件や現在位置の情報に基づいて、道路ネットワークデータDB1、交通ネットワークデータDB2、時刻表・運賃データDB3、乗換え情報データDB4などのデータベースを参照して、出発地から目的地までの経路探索を行う。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。このような構成は一般の経路探索システムと同様のものである。
【0074】
地図データを蓄積したデータベースDB5には、ベクトル地図データが蓄積されている。この地図データは所定の緯度・経度範囲で区分された単位地図データから構成されている。経路探索結果としての案内経路のデータはこのベクトル地図データとともに端末装置20に配信される。
【0075】
データベースDB1、DB2には、徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータと公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータが蓄積されている。これらのデータは、具体的には、道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、ノードデータ、リンクデータ、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)であるリンクコストデータから構成され、データベース化されたものである。
【0076】
交通機関のネットワークデータも駅をノードとし、駅と駅を結ぶリンクと、リンクとなる電車等の各車両の時刻表データ(発車時刻、到着時刻、所要時間、乗換時間)をリンクコストデータとして蓄積したものである。
【0077】
歩行者経路探索システムや車両のための経路探索システムにおける道路ネットワークデータは、各道路の端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0078】
このような道路ネットワークデータを用いて経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどり、そのリンクコストを累積し累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、実際には出発地のノードから目的地のノードに至る経路は複数存在するため、それぞれの経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0079】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは、各交通路線に設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。交通ネットワークのリンクコストは、道路ネットワークでは固定的、静的なリンクコストであったのに対して、交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数あるため、可変的、動的なものである。
【0080】
すなわち、各交通手段にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。このため、時刻表・運賃データが参照され交通ネットワークデータに組み込まれる。また、当然に異なる路線を乗り継ぐ経路においては、乗換え駅(乗換えポイント)において乗換えが発生する。乗換え駅においては、乗換え情報データが参照され、乗換えコストが最小になる乗換経路(例えば、到着ホームから出発ホームまでの乗換え階段などを含む通路)と、到着側の電車および出発側の電車の最適乗車車両番号を経路情報に付加して案内する。
【0081】
なお、カーナビなどにおける経路探索は、通常、経路コストが最小(所要距離距離最短または所要時間最短)の最適経路を探索するのが一般的であるが、交通機関を用いた経路区間が含まれる経路探索においては、料金が最も易い経路や乗換え回数の少ない経路など種々のルートを比較できることも要求され、複数の候補経路を探索するように構成されることが多い、本明細書でいう経路探索はその何れであってもよい。
【0082】
図3は、本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路探索サーバ30のデータベースDB4に蓄積される乗換え情報データのデータ構成を示す図である。この乗換え情報データは、交通ネットワークデータに含まれる全ての乗換え駅について、乗換え可能な路線および方向の各組合せ毎に、所定の乗換え条件を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた乗換え情報を蓄積したものである。
【0083】
乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報が、路線および上下線別の組合せ毎に記憶されたものであり、また、乗換え情報は、乗換え駅における乗換え所要時間が最小となる条件、あるいは、到着した際の降車車両位置が最適となる条件を満たす、到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報である。
【0084】
図3には、図10で図示したA駅とB駅の乗換え情報が示されている。A駅では、路線Xの上下方向と路線Yの上下方向との乗換えが可能であり、それぞれの組合せ、例えば、路線Xの上り電車で到着して路線Yの上り電車に乗換える場合や路線Yの下り電車で到着して路線Xの上り電車に乗換える場合など、乗換えできる全ての組合せ別に、乗換えコストが最小の乗換え経路になる到着電車の最適乗車車両番号と出発電車の最適乗車車両番号とを対応付けたデータと、乗換え経路、乗換えコストが記憶されている。
【0085】
例えば、X線上りの電車TRX1で到着し、Y線上りの電車TRY2に乗換える場合、同じホームの反対側に到着するY線上りの電車TRY2に乗換える乗換え経路になり、この場合、電車TRX1前から4両目〜9両目の車両の向い側に、電車TRY2の前から1両目〜6両目の車両が停車するから、到着側最適乗車車両位置は「前から4〜9」、出発側最適乗車車両位置「前から1〜6」の車両番号が対応付けられて記憶されている。乗換えコストは「0」、乗換え経路は「同ホーム」である。他の組合せに関する情報も同様でデータである。
【0086】
また、B駅では路線Yの上下方向と路線Zの上下方向との乗換えが可能である例を示している。A駅の乗換え情報と同様に、それぞれの組合せ、例えば、路線Yの上り電車で到着して路線Zの上り電車に乗換える場合や路線Zの下り電車で到着して路線Yの上り電車に乗換える場合など、乗換えできる全ての組合せ毎に、乗換えコストが最小の乗換え経路になる到着電車の最適乗車車両番号と出発電車の最適乗車車両番号とを対応付けたデータと、乗換え経路、乗換えコストが記憶されている。
【0087】
例えば、Y線上りの電車TRY2で到着し、Z線I下りの電車TRZ3に乗換える場合、到着ホームのa階段またはb階段を利用して移動し、c階段を使ってZ線の上り、下りのホームに移動し、Z線下りの電車TRZ3に乗換える乗換え経路になる。この場合、到着ホームのa階段、b階段近くに停車するY線下りの電車TRY2の車両位置は前から2〜4両目であり、Z線ホームのc階段付近に停車するZ線下りの電車TRZ3の車両位置は、前から8両目(最後尾車両)である。従って、到着側最適乗車車両番号は前から2〜4目、出発側最適乗車車両番号は前から8両目が対応付けて記憶されている。乗換え経路はa階段〜c階段またはB階段〜c階段であり、乗換えコストは例えば、「1分」が記憶されている。
【0088】
経路探索において、出発駅(出発地の最寄り駅)から目的駅(目的地の最寄り駅)までの経路に乗換えが1回である場合は、図3の該当する駅の乗換え情報を参照して最適な乗換経路と最適乗車車両位置を案内する。この限りにおいては、従来から行われている乗換え乗車車両位置案内と同様である。しかしながら、経路に複数の乗換えが存在する場合、本発明においては、以下の処理を行う。
【0089】
経路探索手段33により経路探索条件に従って経路探索が行われ、探索された経路に交通機関を利用した経路区間があり、その経路区間に複数の乗換え駅(乗換えポイント)がある場合、乗換えポイント抽出手段38は、到着駅から逆に経路の乗換えポイントをたどり、1つ前の乗換えポイントにおける到着側電車と出発側電車の最適乗車車両が複数ある場合に、最後の乗換えポイントにおける到着側電車と出発側電車の最適乗車車両番号をもとに出発駅側に1つ手前の乗換えポイントにおける到着側電車と出発側電車の最適乗車車両番号を決定していくようにする。
【0090】
例えば、出発駅からX線上り電車TRX1で出発し、最初の乗換えポイント(A駅)でY線上り電車TRY2に乗換え、次の乗換えポイント(B駅)に到着し、Z線下りの電車TRZ3に乗換え、目的駅に至る経路であった場合、乗換えポイント抽出手段37は、乗換え駅B、乗換駅Aの順に乗換駅を抽出する。次いで、最適乗車車両番号決定手段38は、乗換え情報データを参照し、A駅における到着電車TRX1と出発電車TRY2の最適乗車車両が複数あるかを判定し、複数ある場合には、最初に抽出されたB駅における該当経路のB駅への到着電車とB駅を出発する電車の最適乗車車両番号を一時記憶する。この例の場合、到着側の電車TRY2の最適乗車車両番号は、「前から2〜4両目」、出発側の電車TRZ3の最適乗車車両番号は「前から8両目」である。
【0091】
次に、最適乗車車両番号決定手段38は、乗換えポイント抽出手段37が抽出した次の乗換えポイント(駅A)、すなわち、出発駅側に戻り1つ手前の乗換えポイントの乗換え情報データを参照し、A駅への到着電車とA駅を出発する電車の最適乗車車両番号を取得する。この場合、到着側の電車TRZ1の最適乗車車両番号は「前から4〜9両目」であり、出発側の電車TRY2の最適乗車車両番号は「前から1〜6両目」である。
【0092】
そして、最適乗車車両番号判定手段39は、一時記憶しておいたB駅における到着側の電車TRY2の最適乗車車両番号は、「前から2〜4両目」、出発側の電車TRZ3の最適乗車車両番号は「前から8両目」に基づいて、A駅における到着側の電車TRZ1の最適乗車車両番号は「前から4〜9両目」であり、出発側の電車TRY2の最適乗車車両番号は「前から1〜6両目」のうち、対応する電車(同一の電車)、この例では、TRY2の最適乗車車両番号の一致(AND)を判定し、一致した最適乗車車両番号「前から2〜4両目」に基づいて1つ手前の乗換えポイント(A駅)における到着電車TRX1および出発電車TRY2の最適乗車車両番号を決定する。
【0093】
この例では、「前から2〜4両目」が電車TRY2のA駅での最適乗車車両として判定される。それに基づいて、A駅における到着側の電車TRX1の対応する最適乗車車両番号を判定する。この例では、A駅において、到着側の電車TRX1と出発側の電車とTRY2とは同一ホーム乗換えであり、出発側の電車とTRY2の「前から2〜4両目」に対向して停車する到着側の電車TRX1の車両番号は「前から5〜6両目」であるから、この車両番号がA駅に到着する電車TRX1、出発する電車TRY2の最適乗車車両番号として決定される。
【0094】
このように複数の乗換えポイントについて順次この処理を繰り返すことで、最終的に最初の乗換えポイントにおける適切な最適乗車車両番号を案内することができるようになる。この処理の過程において、途中の乗換えポイントにおいて、抽出された乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号および最適乗車車両番号を、出発駅側に1つ手前の乗換えポイントにおいて抽出された到着側電車の最適乗車車両番号および最適乗車車両番号と比較した際に、同一電車の同一最適乗車車両番号が存在せず最適乗車車両番号が判定できない場合があり得る。
【0095】
その場合には、最初の乗換え駅の最適乗車車両番号の案内、または各乗換え駅の最適乗車車両番号の案内において、その旨のメッセージを報知して、経路に乗換え駅が1つしかない場合と同様の最適乗車車両番号を案内する。また、その場合、最初の乗換えポイントまで遡ることなく、同一電車の同一最適乗車車両番号が存在せず最適乗車車両番号が判定できなった時点で、本処理を打ち切り、各乗換え駅における最適乗車車両番号の決定は、当該乗換え駅における乗換え情報に基づいて行う従来と同様の方法を採るように構成してもよい。
【0096】
すなわち、本発明においては、経路探索手段33が探索した交通機関を利用した経路区間において、複数の乗換えが含まれる場合、乗換えポイント抽出手段37は、乗換え情報データ(DB4)を参照して、終点駅側から出発駅側に順に乗換え駅を抽出し、抽出された乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号と最適乗車車両番号とを抽出する。そして最適乗車車両番号判定手段38は、乗換えポイント抽出手段37が乗換え駅を抽出する毎に、順次、該抽出された乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号および最適乗車車両番号とを、出発駅側に1つ手前の乗換えポイントにおいて抽出された到着側電車の最適乗車車両番号および最適乗車車両番号と比較して同一電車の同一最適乗車車両番号を判別し、同一電車の同一最適乗車車両番号に基づいて前記1つ前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を判定(決定)する。これにより、複数の乗換えを有する経路における最適乗車車両番号を案内することができるようになる。
【0097】
図5は、本発明の実施例にかかる端末装置20としての携帯電話の外観を示す図である。端末装置20が携帯電話である場合、図5に示すように、液晶表示パネルなどからなる表示手段25、テンキーやスクロールキーSK(ランチャーキー)を有し、特定の数字キーなどにクリアキー、表示モード切り替えキーが割り当てられた操作入力手段26を備えている。経路探索サーバ30から送信された地図データや案内経路データは案内経路データ記憶手段24に記憶され、必要に応じて案内経路データ記憶手段24から読み出され、表示手段25の表示画面251に表示される。
【0098】
図6は、表示画面251に表示される経路探索条件入力画面700の一例を示す図である。端末装置20は、経路探索サーバ30に経路探索要求する場合には、図6に示すように表示手段25に表示される各種プルダウンメニューから所定の条件を選択設定して、あるいは、操作入力手段26により所望の条件を入力して経路探索サーバ30に送信する。
【0099】
この経路探索条件入力画面700には、出発地入力欄701、目的地入力欄702、利用日入力欄703、時刻入力欄704、時刻種別入力欄705、移動手段入力欄706、ルート表示順序入力欄707、徒歩設定入力欄708、使用路線入力欄711、現在時間で探索開始ボタン709、設定条件で探索開始ボタン712が設けられている。
【0100】
出発地と目的地の設定は、出発地入力欄701、目的地入力欄702に住所や電話番号あるいは駅名称、ビル名称などの地点名称、緯度・経度などを入力して設定する。すなわち、この入力欄は、原則としてフリーワード入力が可能であるが、住所、電話番号、POIの名称などで設定することできる。また、出発地の入力には、位置情報取得手段22で測位した端末装置20の現在位置を用いるようにすることもできる。さらに、端末装置20の表示手段25に地図を表示させ、表示されている地図上でポイントを指定し緯度、経度の情報に変換する方法を用いてもよい。
【0101】
利用日と時刻の設定は、利用日入力欄703、時刻入力欄704に運行時刻表データに従って探索を行うために実際に電車などの交通機関を利用する日付と時刻を入力して設定する。なお、利用日入力欄703、時刻入力欄704には、初期値として経路探索条件入力画面700を表示させた日付と時間が設定されている。
【0102】
時刻種別入力欄705では、時刻入力欄704に入力された時刻の種別について従来からの「出発」「到着」「終電」「始発」の条件をプルダウンメニュー705−1で選択設定することが可能である。これにより、時刻入力欄704に入力された時刻が「出発」または「到着」を選択すると出発時刻なのか到着時刻なのかを設定できる。また、「終電」とは最も出発を遅らせることができる経路、「始発」とはその日に出発して最も早く目的地に到着できる経路を要求する。
【0103】
移動手段入力欄706では、経路探索時の移動手段を選択設定することが可能である。「乗物+徒歩」を選択した場合は、使用路線欄711にて許可する乗り物(飛行機、新幹線、特急線、路線バスなど)を設定することができる。
【0104】
ルート表示順序入力欄707では、ルート表示の順序について従来からの「所要時間が短い順」「運賃が安い順」「乗り換え回数が少ない順」「歩きが少ない(徒歩経路の距離が短い)順」の条件をプルダウンメニュー707−1で選択設定することが可能である。
【0105】
ここで、「所要時間の短い順」では指定された出発時刻範囲を満たし、所要時間の短い順に経路が求まり、「運賃の安い順」では指定された出発時刻範囲を満たし、運賃の安い順に経路が求まる。また、「乗り換え回数の少ない順」では指定された出発時刻範囲を満たし、乗り換えの回数が少ない順に経路が求まり、「徒歩区間の距離の小さい順」では指定された出発時刻範囲を満たし、徒歩経路が少ない順に経路が求まる。ルート表示順序入力欄707には、初期値として「所要時間の短い順」が設定されている。
【0106】
徒歩設定入力欄708では、徒歩速度について従来からの「せかせか」「標準」「ゆっくり」の条件をプルダウンメニュー708−1で選択設定することが可能である。ここで「せかせか」は時速6km/h、「標準」は時速5km/h、「ゆっくり」は時速4km/hで徒歩区間の時間コストを見積もる。
【0107】
そして、端末装置20は、必要な条件設定を終え、探索開始ボタン709または712が操作されると、経路探索要求を経路探索サーバ30に送信する。また、端末装置20は、経路探索要求とともに端末ID記憶手段27に格納された端末IDを経路探索サーバ30へ送信する。
【0108】
端末ID記憶手段27は、各ユーザを識別するための情報として自端末の端末IDを蓄積するためのものである。端末IDは、固有の識別番号として、端末MACアドレス、電話番号、メールアドレスなどが利用できる。
【0109】
また、端末装置20は、経路探索サーバ30から配信される経路探索結果に基づいて、ユーザへ案内経路の表示を行う。ユーザはこの案内経路にしたがって目的地への移動を開始する。
【0110】
ここで、交通機関による移動経路を含む経路の一般的な探索方法について説明する。徒歩や自動車による経路探索のための道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、道路が図7に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点等をノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離又はリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0111】
すなわち、図7において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0112】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図7において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0113】
図7ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。これは、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0114】
これに対して、交通機関を利用した経路探索のための交通ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、図8に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図8において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅等)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図8では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0115】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図8に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機等の各経路を交通手段と称する)が複数ある。交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0116】
図8に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車等の経路)の総数に比例したデータ量になる。
【0117】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
【0118】
例えば、図8において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗換え回数等を累計して案内することになる。
【0119】
経路探索サーバ30は、このようなネットワークデータを利用し、経路探索条件に従って出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、その結果を候補経路とする。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には目的地への到着時刻が、また、交通機関を用いた経路区間に乗換えが含まれる場合には、乗換え駅における乗換えコストを最小とする乗換え経路、乗換え駅への到着電車、乗換え駅から出発する電車の最適乗車車両番号が案内される。
【0120】
次に、以上、説明した乗換え処理の手順について説明する。図9は、本発明の実施例にかかる経路探索システムにおける乗換え処理の手順を示すフローチャートである。図9において、経路探索手段33は端末装置20において設定された経路探索条件に従って、出発地から目的地までの経路を探索する(ステップS101)。探索する経路は、所定数の候補経路であっても、最適経路であってもよい。
【0121】
探索の結果、得られた経路に交通機関を用いた経路区間があるかを判定し(ステップS102)、交通機関を用いた経路区間がなければ経路探索サーバ30は端末装置20に探索した経路情報を送信して(ステップS103)、処理を終了する。交通機関を用いた経路区間があれば、乗換えポイント抽出手段37は、その経路区間について、目的地(目的地の最寄り駅)から出発地(出発地の最寄り駅)に向かって経路を逆にたどり、乗換えポイント(乗換え駅)を抽出し、(出発地)側手前にも乗換えポイント(乗換え駅)があるかを判定する(ステップS104)。手前に乗換えポイントがない(複数の乗換えがない)場合は、ステップS107の処理に進み、最適乗車車両番号判定手段38は、乗換え情報データ(データベースDB4)に蓄積された最適乗車車両番号を決定してリターンする。
【0122】
ステップS104の判定において、手前に乗換えポイントがある(複数の乗換えがある)場合は、抽出した1つ手前の乗換え駅(例えば、図4のA駅)の乗換え情報を参照して、最適乗車車両番号判定手段38は、最適乗車車両番号が複数あるか否かを判定する(ステップS105)。複数の最適乗車車両番号がなければ、ステップS106の処理に進み、更に手前に乗換えポイントを移動してステップS104の乗換えポイント抽出手段37による処理に戻る。
【0123】
ステップS105の判定処理において、複数の最適乗車車両番号があると判定された場合は、最適乗車車両番号判定手段38は、最初に抽出された乗換えポイント(図4のB駅)の乗換え情報を参照して、その乗換えポイント(B駅)における到着電車と出発電車の最適乗車車両番号を一時記憶し、1つ手前の乗換えポイント(A駅)の乗換え情報データを参照し、その乗換えポイント(A駅)における到着電車と出発電車の最適乗車車両番号を取得して比較し、一致する(AND条件が成立する)の最適乗車車両番号があるか否かを判定する。
【0124】
この判定処理で、一致する車両番号があれば、手前の乗換えポイントにおいて、その車両番号に対応する電車の車両番号を決定する。図4に示す例の場合は、A駅における出側電車TRY2の「前から2〜4両目」に対応する到着側電車TRX1の「前から5〜7両目」が最適乗車車両番号として決定される。複数乗換えがない場合の従来の最適乗車車両番号の案内方法では、A駅における到着側電車TRX1の「前から4〜9両目」(図10参照)と対比すると、本発明により決定される最適乗車車両番号との相違は容易に理解できる。
【0125】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる経路探索システムによれば、出発駅から目的駅までの最適経路に複数の乗換えが存在し、ある乗換え駅における乗換え経路について、複数の最適乗車車両位置がある場合、目的駅側に最も近い乗換え駅から出発駅側の乗換え駅まで逆にたどり、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、その1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を検出して、検出された最適乗車車両番号の一致を調べ、一致する最適乗車車両番号に基づいて、1つ手前の乗換駅における最適乗車車両番号を決定してゆくことにより、適切な最適乗車車両番号を案内することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明にかかる乗換え駅における最適乗車車両番号の案内は、経路探索システムのみならず、交通機関の路線案内、乗換え案内等においても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0127】
10・・・・経路探索システム
12・・・・ネットワーク
20・・・・端末装置
201・・・制御手段
21・・・・通信手段
22・・・・位置情報取得手段
23・・・・探索要求手段
24・・・・案内経路データ記憶手段
25・・・・表示手段
26・・・・操作入力手段
27・・・・端末ID記憶手段
30・・・・経路探索サーバ
301・・・制御手段
31・・・・通信手段
32・・・・探索要求記憶手段
33・・・・経路探索手段
34・・・・地図データベース
35・・・・経路探索用ネットワークデータベース
36・・・・乗換え情報データベース
37・・・・乗換えポイント抽出手段
38・・・・最適乗車車両番号判定手段
39・・・・案内経路データ編集手段
50・・・・POI情報配信サーバ
51・・・・情報配信サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して必要に応じて交通機関を利用した経路を含む経路を探索する経路探索システムにおいて、
前記経路探索システムは、各乗換え駅において、乗換え可能な路線および方向の各組合せ毎に、所定の乗換え条件を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた乗換え情報を蓄積した乗換え情報データベースと、乗換えポイント抽出手段と、最適乗車車両番号判定手段と、を備え、
前記経路探索手段が探索した経路に複数の乗換えが含まれ、ある乗換え駅における乗換え経路において複数の最適乗車車両位置がある場合、前記乗換えポイント抽出手段は、ある乗換え駅と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅を乗換えポイントとして抽出し、最適乗車車両番号判定手段は、前記乗換え情報データベースを参照して、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出し、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べ、一致する最適乗車車両番号に基づいて、前記1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする経路探索システム。
【請求項2】
前記最適乗車車両番号判定手段が、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出して、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べた際、一致する最適乗車車両番号が得られなかった場合に、該最適乗車車両番号判定手段は、前記1つ手前の乗換え駅における乗換え情報に基づいて、該1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする請求項1に記載の経路探索システム。
【請求項3】
前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報が、路線および上下線別の組合せ毎に記憶されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経路探索システム。
【請求項4】
前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における乗換え所要時間が最小となる条件、あるいは、到着した際の降車車両位置が最適となる条件を満たす、到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経路探索システム。
【請求項5】
前記乗換えポイント抽出手段は、目的駅側に最も近い乗換え駅から出発駅側の乗換え駅まで逆にたどって乗換えポイントを抽出することを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の経路探索システム。
【請求項6】
前記1つ手前の乗換駅における最適乗車車両番号を決定する処理を、出発地側に最も近い乗換え駅まで繰り返し、各乗換え駅における最適乗車車両番号を決定することを特徴とする請求項5に記載の経路探索システム。
【請求項7】
端末装置において設定された出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して必要に応じて交通機関を利用した経路を含む経路を探索し、前記端末装置に探索した経路情報を送信する経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、各乗換え駅において、乗換え可能な路線および方向の各組合せ毎に、所定の乗換え条件を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた乗換え情報を蓄積した乗換え情報データベースと、乗換えポイント抽出手段と、最適乗車車両番号判定手段と、を備え、
前記経路探索手段が探索した経路に複数の乗換えが含まれ、ある乗換え駅における乗換え経路において複数の最適乗車車両位置がある場合、前記乗換えポイント抽出手段は、ある乗換え駅と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅を乗換えポイントとして抽出し、最適乗車車両番号判定手段は、前記乗換え情報データベースを参照して、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出し、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べ、一致する最適乗車車両番号に基づいて、前記1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項8】
前記最適乗車車両番号判定手段が、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出して、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べた際、一致する最適乗車車両番号が得られなかった場合に、該最適乗車車両番号判定手段は、前記1つ手前の乗換え駅における乗換え情報に基づいて、該1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項9】
前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報が、路線および上下線別の組合せ毎に記憶されたことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の経路探索サーバ。
【請求項10】
前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における乗換え所要時間が最小となる条件、あるいは、到着した際の降車車両位置が最適となる条件を満たす、到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の経路探索サーバ。
【請求項11】
前記乗換えポイント抽出手段は、目的駅側に最も近い乗換え駅から出発駅側の乗換え駅まで逆にたどって乗換えポイントを抽出することを特徴とする請求項7ないし請求項10の何れか1項に記載の経路探索サーバ。
【請求項12】
前記1つ手前の乗換駅における最適乗車車両番号を決定する処理を、出発地側に最も近い乗換え駅まで繰り返し、各乗換え駅における最適乗車車両番号を決定することを特徴とする請求項11に記載の経路探索サーバ。
【請求項13】
設定された出発地と目的地を含む経路探索要求に基づいて、経路探索用のネットワークデータを参照して必要に応じて交通機関を利用した経路を含む経路を探索する経路探索システムにおける経路探索方法において、
前記経路探索システムは、各乗換え駅において、乗換え可能な路線および方向の各組合せ毎に、所定の乗換え条件を満たす到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた乗換え情報を蓄積した乗換え情報データベースと、乗換えポイント抽出手段と、最適乗車車両番号判定手段と、を備え、
前記経路探索手段が探索した経路に複数の乗換えが含まれ、ある乗換え駅における乗換え経路において複数の最適乗車車両位置がある場合、前記乗換えポイント抽出手段は、ある乗換え駅と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅を乗換えポイントとして抽出し、最適乗車車両番号判定手段は、前記乗換え情報データベースを参照して、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出し、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べ、一致する最適乗車車両番号に基づいて、前記1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする経路探索方法。
【請求項14】
前記最適乗車車両番号判定手段が、ある乗換え駅における最適乗車車両番号と、出発駅側に1つ手前の乗換え駅における最適乗車車両番号を抽出して、抽出された最適乗車車両番号を比較して同一電車の最適乗車車両番号の一致を調べた際、一致する最適乗車車両番号が得られなかった場合に、該最適乗車車両番号判定手段は、前記1つ手前の乗換え駅における乗換え情報に基づいて、該1つ手前の乗換え駅における電車の最適乗車車両番号を決定することを特徴とする請求項13に記載の経路探索方法。
【請求項15】
前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報が、路線および上下線別の組合せ毎に記憶されたことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の経路探索方法。
【請求項16】
前記乗換え情報データベースに記憶される乗換え情報は、乗換え駅における乗換え所要時間が最小となる条件、あるいは、到着した際の降車車両位置が最適となる条件を満たす、到着側電車の最適乗車車両番号と出発側電車の最適乗車車両番号とを対応付けた情報であることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の経路探索方法。
【請求項17】
前記乗換えポイント抽出手段は、目的駅側に最も近い乗換え駅から出発駅側の乗換え駅まで逆にたどって乗換えポイントを抽出することを特徴とする請求項13ないし請求項16の何れか1項に記載の経路探索方法。
【請求項18】
前記1つ手前の乗換駅における最適乗車車両番号を決定する処理を、出発地側に最も近い乗換え駅まで繰り返し、各乗換え駅における最適乗車車両番号を決定することを特徴とする請求項17に記載の経路探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−256159(P2010−256159A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106149(P2009−106149)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】